【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、銀塩拡散転写法
（ＤＴＲ法）を利用する平版印刷版の処理方法に関する
ものであり、特に浸漬現像方式および塗布現像方式にお
ける処理安定性やメンテナンスに優れた平版印刷版の処
理方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】親水性コロイド層を有するハロゲン化銀
写真感光材料は、自動現像機で現像処理されており、例
えばハロゲン化銀写真感光材料をローラ搬送機構で搬送
し、現像槽に貯溜されている十分な量の現像液中に、所
定時間浸漬させて現像処理している。
【０００３】例えば米国特許第3,728,114号、同第4,13
4,769号、同第4,160,670号、同第4,336,321号、同第4,5
01,811号、同第4,510,228号、同第4,621,041号の明細書
に記載されている銀塩拡散転写法を利用した平版印刷版
では、多量の現像液が貯溜されている現像槽中に浸漬す
ることによって、現像処理されている。
【０００４】ＤＴＲ平版印刷版の画像形成は、露光され
たハロゲン化銀結晶が現像処理により乳剤層中で化学現
像を生起し黒化銀となり、親水性の非画像部を形成し、
一方未露光のハロゲン化銀結晶が、現像液中の銀錯塩形
成剤により可溶化し表面の物理現像核層まで拡散し、物
理現像核上に現像主薬の還元作用によってインキ受容性
の画像銀として析出することによって成される。
【０００５】上記のような現像反応では、銀錯塩形成剤
によって可溶化された銀イオンが、必ずしも全部物理現
像核上に拡散し画像銀として析出しない。画像形成効率
（感光材料の単位面積当りの銀含有量に対する単位面積
当りの拡散転写銀量の百分率）の観点からでは８０％程
度であった。
【０００６】即ち２０％前後の銀イオンが、画像を形成
することなく現像液中に放出されていた。これがいわゆ
るスラッジの発生源となり、感光材料の表面へ付着、搬
送系のローラへの付着また現像処理槽に堆積と、処理版
や処理装置の汚染の原因となっていた。
【０００７】一方、ＤＴＲ平版印刷版の画像銀が、印刷
に耐える機械的強度を得るためには、画像銀部の転写銀
量がある一定以上必要である。従って、少量のハロゲン
化銀量（硝酸銀換算で２．５ｇ／ｍ2以下、好ましくは
２．０ｇ／ｍ2以下）で印刷版を作成するためには、画
像形成効率として７５％以上が必要であり、耐刷性能に
優れた平版印刷版を得るためには８５％以上、更に９０
％以上の画像形成効率が求められている。
【０００８】特開昭55−157738号報には、低分子の四級
アンモニウム塩化合物が現像液中のスラッジ発生を防止
することが、記載されている。しかしながら、これらの
方法ではスラッジを液中に分散することができず、また
ＤＴＲ平版印刷版の現像液に低分子の四級アンモニウム
塩を添加した場合、銀拡散転写が加速し、非画像部の地
汚れの原因となっていた。
【０００９】近年、写真処理廃液の海洋投棄禁止に伴
い、使用現像液量を極力抑えた処理システムが望まれて
いた。例えば感光材料を現像液中に浸漬しないで、感光
材料の感光面に現像液を塗布して現像処理する方法が、
特開昭48−76603号、同昭57−115549号、同昭62−59957
号、同昭64−81942号、特開平4−307245号等に、特願平
5−334028号、特開平7−175219号には非常に小型の現像
槽に瞬間的に浸漬し現像液を塗布する処理方法が開示さ
れている。しかし、従来から実用化されている浸漬現像
法とは異なる条件下に於いて種々の問題があり、未だに
実用化されていない。
【００１０】すなわち、これらの塗布機構を有する現像
方式では、浸漬現像方式に比べて画像形成効率が低く、
銀画像の機械的強度が得られず、またスラッジによる塗
布液のハジキ、塗布ムラなど、塗布機構がスラッジに影
響され易いことが判明した。従って画像形成効率を向上
した、スラッジの発生の少ない処理方法が待たれてい
た。
【００１１】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ＤＴ
Ｒ法を利用した平版印刷版の現像効率を高め銀画像の機
械的強度を向上し、優れた印刷性能をもった平版印刷版
の処理方法を提供すると共に、現像液中に発生するスラ
ッジを軽減することである。
【００１２】
【課題を解決するための手段】本発明の上記の目的は、
銀塩拡散転写法を利用する平版印刷版を処理する方法に
於て、前記の一般式（１）で表されるモノマー単位を少
なくとも一種含有するように重合せしめた四級塩ポリマ
ーを含有する現像液を用いることを特徴とする平版印刷
版の処理方法によって達成された。
【００１３】
【発明の実施の形態】本発明の現像処理に用いられる自
動搬送現像機は、駆動する搬送ローラ対によって感光材
料が搬送され、処理液が満たされている処理槽中へ搬入
され、一定時間後処理槽中から搬出される方法である。
【００１４】処理槽の容積は、処理される感光材料の大
きさにも依存し、数リットルから数十リットル範囲であ
る。感光材料が浸漬される時間は、５秒から６０秒の範
囲である。特開平4-158360号に記載される処理槽を小型
化した処理方法などでは、３秒程度である。好ましい浸
漬時間は、１０秒から３０秒である。
【００１５】本発明に於て、塗布機構を有する現像処理
方式は、一般的にはハロゲン化銀乳剤層が塗布されてい
る感光面に現像液を塗布供給する方法であり、特開昭48
−76603号、同昭57−115549号、同平6-27682号等に記載
されている。例えば液上げ塗布方式、滴下法ロ−ラ塗布
方式、滴下法ナイフ塗布方式、スプレー塗布方式やブラ
シ塗布方式などがある。またバーコーダー（ETO CHEMIC
AL APPARATUS Co.製）を用いるようなバー塗布方式や前
記特願平5-334028号、特開平7-175219号に記載の浸漬塗
布方式も好ましい。
【００１６】平版印刷版への現像液の塗布量は、印刷版
１平方メートル当り１０〜６０ｍｌ、好ましくは２０〜
５０ｍｌの範囲であり、現像時間（現像液の塗布から、
現像液が現像効果を停止するまでの時間）を１５秒以
下、好ましくは３〜１０秒の範囲である。
【００１７】本発明に用いられる四級塩ポリマーは、モ
ノマー構造に第四級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、
およびホスホニウム塩をもったモノマーを重合して得ら
れるポリマーである。好ましい四級塩ポリマーは、前記
化１で表されるモノマー単位を少なくとも一種含有する
様に重合せしめたポリマーである。これらのモノマー
は、ダイソー(株)、広栄化学工業(株)、セイミケミカル
(株)等から入手することが出来る。
【００１８】前記化１において、Ｒ1及びＲ2は、水素あ
るいはアルキル基（例えばメチル基、エチル基、プロピ
ル基等の低級アルキル基）を表し、Ｘは塩素イオン、臭
素イオンなどのアニオンを表す。本発明に用いられる四
級塩ポリマーは、上記のモノマー単位から構成されるホ
モポリマー、化１のモノマーから選ばれた二種以上のモ
ノマーの共重合体、または化１のモノマーより選ばれた
少なくとも一種のモノマーとそれ以外のモノマーとの共
重合体のいずれでもよく、好ましくは化１のモノマーよ
り成るホモポリマーである。
【００１９】化１のモノマーと共重合可能なモノマー
は、高分子合成の分野で一般的に用いられる種々のモノ
マーであり、例えばアクリルアミド、アクリレート、メ
タクリレート、アクリロニトリル、スチレン、二酸化硫
黄等である。
【００２０】ポリマー中の化１のモノマーの比率は２０
重量％以上がよく、好ましくは５０重量％以上である。
【００２１】本発明に用いられる四級塩ポリマーは、乳
化重合や溶液重合等の公知の製造方法によって容易に合
成することが出来る。四級塩ポリマーの数平均分子量
（Ｍｎ）は１万から６０万であり、好ましくは１０万か
ら３０万である。
【００２２】以下に具体例を示すが、これに限定される
ものではない。なお、重合比率は重量％を示している。
【００２３】
【化２】
【００２４】
【化３】
【００２５】
【化４】
【００２６】
【化５】
【００２７】
【化６】
【００２８】
【化７】
【００２９】
【化８】
【００３０】
【化９】
【００３１】
【化１０】【００３２】
【化１１】
【００３３】
【化１２】
【００３４】
【化１３】
【００３５】
【化１４】
【００３６】
【化１５】
【００３７】
【化１６】
【００３８】
【化１７】
【００３９】
【化１８】
【００４０】
【化１９】
【００４１】
【化２０】
【００４２】
【化２１】
【００４３】
【化２２】【００４４】
【化２３】
【００４５】本発明に用いられる四級塩ポリマーの添加
量は、１リットルの現像液中に０．５ｇ〜３０ｇ、好ま
しくは５ｇ〜１５ｇである。
【００４６】本発明に用いられる四級塩ポリマーは、画
像銀表面に適度な強度で吸着することによって、拡散転
写して来る可溶化された銀イオンを感光材料表面で捕獲
し、物理現像核上に析出せずに現像液中に溶出してしま
う銀イオンを減少させる。一方、溶出した銀イオンに対
しては、四級塩ポリマーが配位し、高分子キレートとし
て現像液中に可溶化させるものと考えている。結果、画
像形成効率を向上させ機械的強度を増し、スラッジを減
少することが出来ると考えている。
【００４７】本発明に用いられる現像液には、アルカリ
性物質として、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、水酸化リチウム、第三燐酸ナトリウム等、保恒剤と
して亜硫酸塩、銀錯形成剤、例えばチオ硫酸塩、アルカ
ノールアミン、チオシアン酸塩、環状イミド、チオサリ
チル酸等、粘調剤、例えばヒドロキシメチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース等、かぶり防止剤、例
えば臭化カリウム、1-フェニル-5-メルカプトテトラゾ
ール、特開昭４７−２６２０１号記載の化合物等、現像
剤、例えばハイドロキノン、1-フェニル-3-ピラゾリド
ン等を含有することができる。
【００４８】銀塩拡散転写法を実施するに当たっては、
例えば英国特許第1,000,115号、同第1,012,476号、同第
1,017,273号、同第1,042,477号等の明細書に記載されて
いる如く、ハロゲン化銀乳剤層および／または受像層な
いしはそれに隣接する他の水透過性層中に現像剤を混入
することが行われている。従って、この様な材料におい
ては、現像段階で使用する処理液は、現像剤を含まない
いわゆる「アルカリ性活性化液」を使用しうる。
【００４９】本発明の実施に用いられる平版印刷版のハ
ロゲン化銀乳剤は、塩化銀、臭化銀、塩臭化銀、塩ヨウ
化銀、塩臭ヨウ化銀等が使用でき、好ましくは塩化銀が
７０モル％以上のハロゲン化銀である。これらのハロゲ
ン化銀は分光増感剤（光源、用途に応じた分光増感色
素、例えばカメラタイプ、レーザー光タイプ、色分解用
パンクロタイプ等。）、ゼラチン硬化剤、塗布助剤、カ
ブリ防止剤、可塑剤、現像剤、マット剤等を含むことが
出来る。
【００５０】ハロゲン化銀乳剤の結合剤は、一般にこの
目的に使用されている天然および／または合成結合剤、
例えばゼラチン、コロイド状アルブミン、セルロース誘
導体等が使用できる。
【００５１】ハロゲン化銀乳剤層の下側（支持体面）に
は接着改良用下引層および／またはハレーション防止等
の目的で下塗層を含むことも出来、この層には現像剤、
マット剤を含むことも出来る。
【００５２】ハロゲン化銀乳剤層を塗布する支持体は、
紙、各種フィルム、プラスチック、樹脂用物質で被覆し
た紙、金属等が使用できる。
【００５３】物理現像各層に使用される物理現像核は、
この種の薬品の例として周知であって、アンチモン、ビ
スマス、カドミウム、コバルト、パラジウム、ニッケ
ル、銀、鉛、亜鉛等の金属およびこれらの硫化物が使用
できる。特開平5-265264号記載の物理現像核を用いるこ
ともできる。物理現像各層にも現像剤を含んでもよく、
水溶性バインダーを含んでもよい。
【００５４】本発明により製版された平版印刷版は、例
えば特公昭48-29723号、米国特許第3,721,539号等の明
細書に記載されている如き化合物でインキ受容性に変換
ないし増強しうる。
【００５５】印刷方法あるいは使用する不感脂化液、給
湿液等は、普通によく知られている方法によることが出
来る。
【００５６】
【実施例】以下に本発明を実施例により説明するが、勿
論これに限定されるものではない。
【００５７】実施例１
ＤＴＲ法を利用した平版印刷版には、下引き処理したポ
リエステルフィルム支持体上の片面に平均粒子サイズ５
μのシリカ粒子を含有するマット化層を設け、反対側の
面にカーボンブラックを含み、写真用ゼラチンに対して
２０重量％の平均粒径３．５μｍのシリカ粉末を含むハ
レーション防止用下塗層（ｐＨ４に調整）と、化学増感
された後に平均粒径３．５μｍのシリカ粉末を写真用ゼ
ラチンに対して５重量％の割合で含む緑感域にスペクト
ル増感された高感度塩化銀乳剤（ｐＨ４に調整）とを設
けた。
【００５８】下塗層のゼラチンは３．５ｇ／ｍ2、乳剤
層のゼラチンは０．８ｇ／ｍ2、硝酸銀に換算したハロ
ゲン化銀１．０ｇ／ｍ2の割合で塗布された。この下塗
層と乳剤層とは硬膜剤としてホルマリンをゼラチンに対
して５．０ｍｇ／ｇゼラチン量で含んでいる。乾燥後４
０℃で１０日間加熱した後、乳剤層の上に特開昭５４−
１０３１０４号実施例２のプレートＮｏ．３１記載の核
塗液を塗布、乾燥し、平版印刷版を製造した。
【００５９】ハロゲン化銀乳剤は、物理熟成時にハロゲ
ン化銀１モル当り４×１０ー6モルの塩化ロジウムを添加
したものであり、平均粒径０．４μであった。平版印刷
版は幅４０４ｍｍ、長さ５００ｍｍのサイズを用い、該
平版印刷版に像反転機構を有する製版カメラで細線画像
を露光した。
【００６０】製版処理液は、下記の現像液Ａ及び中和液
を用いた。現像液及び中和液の処理温度はそれぞれ３０
℃及び２５℃になるように調整した。比較として、四級
塩ポリマーを含有しない現像液、及び四級塩ポリマーの
替わりに四級塩モノマー（テトラプロピルアンモニウム
・ブロマイド）を含有する現像液を用いた。
【００６１】現像液Ａ
水酸化カリウム １５ｇ
水酸化ナトリウム １０ｇ
亜硫酸ナトリウム ３５ｇ
Ｎ-アミノエチルエタノールアミン １０ｇ
２−メルカプト−５ｎヘプチル
オキサジアゾール ０．２ｇ
四級塩ポリマー ６ｇ
水を加えて１ｌとする。液ｐＨは１３．４である
【００６２】中和液
燐酸１カリウム ３６ ｇ
亜硫酸ナトリウム ２ ｇ
ＥＤＴＡ-Ｎａ ６．２５ｇ
水を加えて１ｌとする。
【００６３】自動現像装置として、市販のＤＴＲ平版印
刷版用カメラプロセッサＣＰ−４１４Ｓ（三菱製紙(株)
／大日本スクリーン製造(株)社製）に内蔵されている処
理ユニットを用いた。現像処理槽（７リットル）に上記
現像液を、中和処理槽（６リットル）に上記中和液を満
たし１００版処理した。
【００６４】以上の操作により作製した平版印刷版につ
いて、スラッジ量及び耐刷性能を求めた。
【００６５】スラッジ量は、現像処理終了後、２４時間
静置後の現像処理槽中の全処理液を濾過し、固体分を乾
燥させ秤量した。
【００６６】印刷性能は、１００版目の平版印刷版をハ
イデンベルグＴＯＫオフセット印刷機に装着し、エッチ
ング液を版面にくまなく与え、ＤＴＲ平版印刷版用給湿
液を用いて印刷を行い、以下の基準で評価した。
Ａ：２００００枚以上でも１００ミクロンの細線が欠落
しない。
Ｂ：１５０００枚で１００ミクロンの細線が欠落。
Ｃ：１００００枚で１００ミクロンの細線が欠落。
Ｄ：７０００枚で１００ミクロンの細線が欠落。
現像液に添加した四級塩ポリマー、および結果を表１に
示す。
【００６７】
【表１】
【００６８】表１から、明らかに四級塩ポリマーを含有
する現像液で処理することによって現像液中に発生する
スラッジ量を減少することができ、印刷性能も向上す
る。四級塩モノマーを含有する比較２の現像液は非画像
部の地汚れがあった。
【００６９】実施例２
特開平７−１７５２１９号公報に記載されている現像処
理装置を用い、塗布量を１平方メートル当り４０ｍｌに
調整し、２０版処理する以外は実施例１と同様に処理
し、評価した。結果を表２に示した。スラッジ量は、現
像液中間タンク５００ｍｌの処理液を濾過することで計
量した。
【００７０】
【表２】
【００７１】四級塩ポリマーを添加した現像液は、塗布
機構を有する現像装置で処理する場合に特に顕著であ
り、印刷性能が飛躍的に向上し、現像処理槽ないし現像
液循環槽中に発生するスラッジ量を減少することが出来
た。四級塩モノマーを含有する比較２の現像液は非画像
部の地汚れがあった。
【００７２】
【発明の効果】本発明の実施形態によれば、銀塩拡散転
写法を利用した平版印刷版を、従来よりも安定し効率よ
く処理することが可能であり、現像処理槽中に堆積して
来るスラッジを減少することが出来た。Description: BACKGROUND OF THE INVENTION 1. Field of the Invention The present invention relates to a method for processing a lithographic printing plate utilizing a silver salt diffusion transfer method (DTR method), and more particularly, to a immersion developing method and a coating method. The present invention relates to a lithographic printing plate processing method which is excellent in processing stability and maintenance in a developing system. A silver halide photographic light-sensitive material having a hydrophilic colloid layer is developed by an automatic developing machine. For example, a silver halide photographic light-sensitive material is conveyed by a roller conveying mechanism and is transferred to a developing tank. The developer is immersed in a sufficient amount of the stored developer for a predetermined period of time to perform the developing process. For example, US Pat. Nos. 3,728,114 and 4,13
No. 4,769, No. 4,160,670, No. 4,336,321, No. 4,5
No. 01,811, No. 4,510,228, and a lithographic printing plate utilizing the silver salt diffusion transfer method described in the specification of No. 4,621,041 are immersed in a developing tank in which a large amount of developing solution is stored. , Has been developed. [0004] In the image formation of a DTR lithographic printing plate, the exposed silver halide crystal undergoes chemical development in an emulsion layer by a development process to become blackened silver, forming a hydrophilic non-image portion.
On the other hand, unexposed silver halide crystals are solubilized by the silver complex salt forming agent in the developer, diffused to the physical development nucleus layer on the surface, and are reduced on the physical development nuclei as ink-acceptable image silver by the reducing action of the developing agent. This is accomplished by precipitation. In the above-described development reaction, all silver ions solubilized by the silver complex salt forming agent do not necessarily diffuse onto physical development nuclei and precipitate as image silver. From the viewpoint of image forming efficiency (percentage of the amount of diffusion transfer silver per unit area with respect to the silver content per unit area of the photosensitive material), it was about 80%. That is, about 20% of silver ions were released into the developer without forming an image. This is a source of so-called sludge, and has caused the adhesion of the photosensitive material to the surface, the adhesion to the rollers of the transport system and the accumulation in the developing tank, and the contamination of the processing plate and the processing apparatus. On the other hand, in order for the image silver of the DTR planographic printing plate to have a mechanical strength enough to withstand printing, the amount of transferred silver in the image silver portion needs to be a certain value or more. Therefore, in order to prepare a printing plate with a small amount of silver halide (2.5 g / m 2 or less, preferably 2.0 g / m 2 or less in terms of silver nitrate), an image forming efficiency of 75% or more is required. In order to obtain a lithographic printing plate having excellent printing durability, 85% or more, and even 90%
% Or more is required. [0008] JP-A-55-157738 discloses that a low molecular weight quaternary ammonium salt compound prevents sludge generation in a developer. However, these methods cannot disperse the sludge in the liquid, and when a low molecular weight quaternary ammonium salt is added to the developer of the DTR lithographic printing plate, silver diffusion transfer is accelerated, and the non-image area is reduced. This was causing soiling. In recent years, with the ban on dumping of photographic processing wastewater into the ocean, there has been a demand for a processing system that minimizes the amount of developer used. For example, a method of applying a developing solution to the photosensitive surface of the photosensitive material and developing the photosensitive material without immersing the photosensitive material in the developing solution,
JP-A-48-76603, JP-A-57-115549, JP-A-62-59957
JP-A-64-81942, JP-A-4-307245, etc.
JP-A-5-334028 and JP-A-7-175219 disclose a processing method in which a developing solution is applied by immersing it instantaneously in a very small developing tank. However, there are various problems under conditions different from the immersion developing method which has been practically used conventionally, and it has not been practically used yet. That is, the developing system having these coating mechanisms has a lower image forming efficiency than the immersion developing system.
It was found that the mechanical strength of the silver image was not obtained, and that the coating mechanism was easily affected by the sludge, such as repelling and uneven coating of the coating solution by the sludge. Therefore, there is a need for a processing method that improves the image forming efficiency and generates less sludge. An object of the present invention is to provide a DT
Increases the development efficiency of lithographic printing plates using the R method, improves the mechanical strength of silver images, provides a method of processing lithographic printing plates with excellent printing performance, and reduces sludge generated in the developer. It is to be. [0012] The above objects of the present invention are as follows.
In a method of processing a lithographic printing plate using a silver salt diffusion transfer method, the monomer unit represented by the general formula (1) is reduced in amount.
Quaternary salt polymer polymerized to contain at least one kind
It was achieved by treatment method of a lithographic printing plate, which comprises using a developer containing an over. DESCRIPTION OF THE PREFERRED EMBODIMENTS In an automatic transport developing machine used in the developing process of the present invention, a photosensitive material is transported by a pair of driven transport rollers and is carried into a processing tank filled with a processing solution. This is a method of being carried out from the post-treatment tank for a certain time. The volume of the processing tank depends on the size of the light-sensitive material to be processed, and ranges from several liters to several tens of liters. The time during which the photosensitive material is immersed is in the range of 5 to 60 seconds. In the processing method described in JP-A-4-158360 in which the processing tank is miniaturized, it takes about 3 seconds. The preferred immersion time is between 10 seconds and 30 seconds. In the present invention, a developing method having a coating mechanism is generally a method of applying and supplying a developing solution to a photosensitive surface on which a silver halide emulsion layer is coated.
-76603, JP-A-57-115549, and JP-A-6-27682. For example, there are a liquid application method, a drop roller application method, a drop knife application method, a spray application method and a brush application method. Also a bar coder (ETO CHEMIC)
AL APPARATUS Co.) and a dip coating method described in Japanese Patent Application No. 5-334028 or JP-A-7-175219. The amount of the developer applied to the lithographic printing plate is 10 to 60 ml, preferably 20 to 60 ml per square meter of the printing plate.
The development time (from the application of the developer,
The time until the developing solution stops the developing effect) is 15 seconds or less, preferably 3 to 10 seconds. The quaternary salt polymer used in the present invention has a quaternary ammonium salt, a pyridinium salt,
And a polymer obtained by polymerizing a monomer having a phosphonium salt. Preferred quaternary salt polymers are polymers polymerized so as to contain at least one monomer unit represented by the above formula (1). These monomers are available from Daiso Corporation, Koei Chemical Industry Co., Ltd., Seimi Chemical Co., Ltd.
It can be obtained from Co., Ltd. and others. In the above formula 1 , R 1 and R 2 represent hydrogen or an alkyl group (for example, a lower alkyl group such as a methyl group, an ethyl group or a propyl group), and X represents an anion such as a chloride ion or a bromine ion. . The quaternary salt polymer used in the present invention may be a homopolymer composed of the above monomer units, a copolymer of two or more monomers selected from the monomers of the formula 1, or at least a monomer selected from the monomers of the formula 1. It may be a copolymer of one kind of monomer and another monomer, and is preferably a homopolymer composed of the monomer of Formula 1. The monomers copolymerizable with the monomers of the formula 1 are various monomers generally used in the field of polymer synthesis, such as acrylamide, acrylate, methacrylate, acrylonitrile, styrene, sulfur dioxide and the like. The ratio of the monomer of formula 1 in the polymer is 20
% Or more, preferably 50% or more by weight. The quaternary salt polymer used in the present invention can be easily synthesized by a known production method such as emulsion polymerization or solution polymerization. The number average molecular weight (Mn) of the quaternary salt polymer is from 10,000 to 600,000, preferably from 100,000 to 300,000. Specific examples are shown below, but the present invention is not limited to these examples. The polymerization ratio is shown by weight%. Embedded image Embedded image Embedded image Embedded image Embedded image Embedded image Embedded image Embedded image Embedded image Embedded image Embedded image Embedded image Embedded image Embedded image Embedded image Embedded image Embedded image Embedded image Embedded image Embedded image Embedded image Embedded image The amount of the quaternary salt polymer used in the present invention is 0.5 g to 30 g, preferably 5 g to 15 g per liter of developer. The quaternary salt polymer used in the present invention, by adsorbing on the silver surface of the image with an appropriate strength, captures the solubilized silver ions diffused and transferred on the surface of the photosensitive material, and causes the silver ions on the physical development nucleus to be captured. Silver ions that elute in the developing solution without being deposited on the developer. On the other hand, it is believed that the quaternary salt polymer coordinates with the eluted silver ions and solubilizes them in a developer as a polymer chelate. As a result, it is considered that image forming efficiency can be improved, mechanical strength can be increased, and sludge can be reduced. The developing solution used in the present invention contains alkaline substances such as sodium hydroxide, potassium hydroxide, lithium hydroxide and sodium tertiary phosphate, and sulfites and silver complexing agents such as thiol as preservatives. Thickening agents, such as hydroxymethylcellulose, carboxymethylcellulose, etc., antifoggants, such as potassium bromide, 1-phenyl-5-mercaptotetrazole, sulfate, alkanolamine, thiocyanate, cyclic imide, thiosalicylic acid, etc. No. 26201 and the like, and a developer such as hydroquinone, 1-phenyl-3-pyrazolidone and the like. In carrying out the silver salt diffusion transfer method,
For example, UK Patent Nos. 1,000,115, 1,012,476,
As described in the specifications such as 1,017,273 and 1,042,477, a developer is mixed into a silver halide emulsion layer and / or an image receiving layer or another water permeable layer adjacent thereto. I have. Therefore, in such a material, a so-called “alkaline activating solution” containing no developer can be used as a processing solution used in the developing step. As the silver halide emulsion of the lithographic printing plate used in the practice of the present invention, silver chloride, silver bromide, silver chlorobromide, silver chloroiodide, silver chlorobromoiodide and the like can be used. Silver is silver halide of 70 mol% or more. These silver halides are spectral sensitizers (spectral sensitizing dyes according to the light source and application, for example, camera type, laser light type, panchromatic type for color separation, etc.), gelatin hardener, coating aid, antifoggant , A plasticizer, a developer, a matting agent, and the like. The binders of the silver halide emulsions include the natural and / or synthetic binders generally used for this purpose,
For example, gelatin, colloidal albumin, cellulose derivatives and the like can be used. Under the silver halide emulsion layer (on the side of the support), a subbing layer for improving adhesion and / or an undercoat layer for the purpose of preventing halation may be included.
Matting agents can also be included. The support on which the silver halide emulsion layer is coated is
Paper, various films, plastic, paper coated with a substance for resin, metal, and the like can be used. Physical development nuclei used for each layer are:
Well-known examples of this type of chemical include metals such as antimony, bismuth, cadmium, cobalt, palladium, nickel, silver, lead, zinc, and sulfides thereof. The physical development nucleus described in JP-A-5-265264 can also be used. Each layer of physical development may contain a developer,
It may contain a water-soluble binder. The lithographic printing plate prepared according to the present invention can be converted or enhanced to ink receptivity with the compounds described in, for example, JP-B-48-29723 and US Pat. No. 3,721,539. The printing method, the desensitizing solution, the humidifying solution, and the like to be used can be a commonly well-known method. EXAMPLES The present invention will be described below with reference to examples, but is of course not limited thereto. Example 1 A lithographic printing plate utilizing the DTR method had an average particle size of 5 on one surface of a polyester film support subjected to a subbing treatment.
anti-halation undercoat layer comprising a matting layer containing silica particles having an average particle size of 3.5 μm, containing 20% by weight of photographic gelatin and containing carbon black on the opposite surface. (Adjusted to pH 4) and a high-sensitivity silver chloride emulsion spectrally sensitized in the green region containing 5% by weight of silica powder having an average particle size of 3.5 μm with respect to photographic gelatin after chemical sensitization. (Adjusted to pH 4). The gelatin of the undercoat layer was applied at a rate of 3.5 g / m 2 , the gelatin of the emulsion layer was applied at a rate of 0.8 g / m 2 , and the silver halide was converted to silver nitrate at a rate of 1.0 g / m 2 . The undercoat layer and the emulsion layer contain formalin as a hardening agent in an amount of 5.0 mg / g gelatin relative to gelatin. 4 after drying
After heating at 0 ° C. for 10 days,
No. 103104, plate No. 2 of Example 2. 31 was coated and dried to produce a lithographic printing plate. [0059] The silver halide emulsion is obtained by adding 1 mole of silver halide per 4 × 10 -6 mol of rhodium chloride during physical ripening, and an average particle diameter of 0.4 micron. The lithographic printing plate had a width of 404 mm and a length of 500 mm, and a fine line image was exposed on the lithographic printing plate with a plate making camera having an image reversing mechanism. As the plate making solution, the following developer A and neutralizing solution were used. The processing temperatures of the developing solution and the neutralizing solution are 30
And 25 ° C. For comparison, a developer containing no quaternary salt polymer and a developer containing a quaternary salt monomer (tetrapropylammonium bromide) instead of the quaternary salt polymer were used. Developer A Potassium hydroxide 15 g Sodium hydroxide 10 g Sodium sulfite 35 g N-aminoethylethanolamine 10 g 2-mercapto-5 n-heptyloxadiazole 0.2 g Quaternary salt polymer 6 g Add water to make 1 liter. The pH of the solution is 13.4. Neutralized solution 1 g of potassium phosphate 36 g 2 g of sodium sulfite 6.25 g of EDTA-Na Water is added to make 1 liter. As an automatic developing apparatus, a commercially available camera processor CP-414S for DTR planographic printing plates (Mitsubishi Paper Corp.)
/ Dainippon Screen Mfg. Co., Ltd.). The developing solution (7 liters) was filled with the above developer, and the neutralizing solution (6 liters) was filled with the above neutralizing solution, and 100 plates were processed. With respect to the lithographic printing plate produced by the above operation, the amount of sludge and printing durability were determined. The amount of sludge was determined by filtering the entire processing solution in the developing tank after standing for 24 hours after the completion of the developing process, drying the solid content, and weighing. The printing performance was measured by mounting the 100th lithographic printing plate on a Heidenberg TOK offset printing press, applying an etching solution all over the plate surface, and printing using a DTR humidifying solution for lithographic printing plates. The evaluation was based on the following criteria. A: 100 micron fine lines are not lost even when the number is 20,000 or more. B: 100 micron thin line is missing in 15,000 sheets. C: 100 micron fine line is missing in 10,000 sheets. D: Fine line of 100 microns is missing on 7000 sheets. Table 1 shows the quaternary salt polymer added to the developer and the results. [Table 1] From Table 1, it is apparent that the treatment with the developer containing the quaternary salt polymer can reduce the amount of sludge generated in the developer and improve the printing performance. The developer of Comparative Example 2 containing the quaternary salt monomer had a background stain in the non-image area. Example 2 Using a developing apparatus described in JP-A-7-175219, processing was carried out in the same manner as in Example 1 except that the coating amount was adjusted to 40 ml per square meter and 20 plates were processed. evaluated. The results are shown in Table 2. The amount of sludge was measured by filtering a processing solution in a developing solution intermediate tank 500 ml. [Table 2] The developer to which the quaternary salt polymer is added is particularly remarkable when processed by a developing device having a coating mechanism, the printing performance is remarkably improved, and the developer is generated in the developing tank or the developer circulating tank. The amount of sludge generated can be reduced. The developer of Comparative Example 2 containing the quaternary salt monomer had a background stain in the non-image area. According to the embodiment of the present invention, it is possible to process a lithographic printing plate utilizing a silver salt diffusion transfer method more stably and more efficiently than in the past, and The accumulated sludge could be reduced.