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JP3392211B2 - カメラ用シャッタ装置およびカム作用を伴う一方方向回動係止機構 - Google Patents

カメラ用シャッタ装置およびカム作用を伴う一方方向回動係止機構

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JP3392211B2
JP3392211B2 JP07978694A JP7978694A JP3392211B2 JP 3392211 B2 JP3392211 B2 JP 3392211B2 JP 07978694 A JP07978694 A JP 07978694A JP 7978694 A JP7978694 A JP 7978694A JP 3392211 B2 JP3392211 B2 JP 3392211B2
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JP07978694A
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隆 島村
一雅 青木
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Publication date
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  • Shutters For Cameras (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、絞り羽根兼用のシャッ
タ羽根を用いたカメラ用シャッタ装置およびこのシャッ
タ装置に好適に用い得るカム作用を伴う一方方向回動係
止機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】絞り羽根兼用のシャッタ羽根を用いた従
来の自動露出制御手段に使用されるカメラ用シャッタ装
置では、撮影光軸上に1組のシャッタ羽根開閉手段を設
置し、露光前にはシャッタ羽根を閉じ位置に位置させて
撮影光を遮断状態に保持し、露光時にこのシャッタ羽根
をその時々の適正EV値を実現し得る適正絞り開口の位
置に向って開かせ、適正絞り開口の位置に至ったとき
に、そのときのシャッタ秒時値の如何により決定される
所定のタイミングで、シャッタ羽根を閉じ位置に向って
閉じさせるように構成しているのが一般的である。
【0003】そして、このようなカメラ用シャッタ装置
では、1組のシャッタ羽根の一連の往復動作に要する時
間に自ら限界が出て来るため、一定速度以上の高速シャ
ッタ秒時値が得られないという問題点ないし欠点があっ
た。
【0004】そのため、このような問題点ないし欠点を
解決するための方法として、2組のシャッタ羽根手段を
使用することにより高速シャッタ秒時値を得るという技
術が既に提供されている。
【0005】この技術は、本来的には、それぞれ独立的
に開閉し得る2組のシャッタ羽根手段を予め撮影光軸上
の前後方向に設置し、一方のシャッタ羽根手段の開き動
作をもって、三角開口波形形成時または台形開口波形に
おける少なくともシャッタ秒時形成時のシャッタ開き動
作を担当させると共に、他方のシャッタ羽根の閉じ動作
をもって、少なくともシャッタ秒時形成時のシャッタ閉
じ動作を担当させるというものであり、その1つの例と
して、例えば特開平 3-89331号公報に開示された「カメ
ラのシャッタ装置」の技術が知られている。
【0006】このカメラのシャッタ装置は、独立して開
閉可能な第1のセクタと第2のセクタとを有し、第1の
セクタはシャッタ開動作を分担し、第2のセクタは開口
の大きさの設定とシャッタ閉動作とを分担するようにし
ている。従ってレリーズ時には、第1のセクタが閉じて
遮光している状態において、第2のセクタが所望の露出
を得るように開口される。そしてレリーズ操作に連動し
て第1のセクタが開放され、第2のセクタの開口から露
光され、さらに第2のセクタが所定のタイミングで閉じ
ることによって露光は終了し、これがシャッタスピード
とされる。これによりシャッタスピードの高速化を実現
している。
【0007】ところで、このような技術を実際のカメラ
用シャッタ装置として具体化するに当っては、種々の技
術上ないし製作上の問題点を克服して行かなければなら
ないが、中でも次のようなことが大きな問題となる。
【0008】例えば、それぞれ独立的に開閉し得る2組
のシャッタ羽根手段を設ける場合には、先ず、本来的に
それぞれのシャッタ羽根手段の機構ないし構造が複雑な
ものになりがちとなるが、これをどのようにして解決し
て行くのかということが1つの大きな問題となる。
【0009】さらに、一方のシャッタ羽根手段における
シャッタ羽根の開閉動作と、他方のシャッタ羽根手段に
おけるシャッタ羽根の開閉動作との関係を、機構的ない
し機械的な手段で関係付ける方法(機械的連動方法)を
採用する場合には、そのための連動機構が当然に必要と
なり、しかも、この連動機構の構造も複雑なものになり
勝ちとなるが、これらの事柄をどのようにして解決して
行くのかということが大きな問題となる。
【0010】また、コンパクト化が極めて高く要望され
ているカメラでは、本来的に狭いスペース内にこれらの
機構をどのようにして内蔵して行くのかという設置スペ
ース上の問題も生じる。
【0011】一方、2組のシャッタ羽根手段におけるシ
ャッタ羽根の開閉動作の関係を、例えば特開平 3-89331
号公報の開示技術のように電気的な制御手段で関係付け
る方法を採用する場合には、そのための電気制御回路お
よび複数の電磁マグネット(電磁ソレノイド)のような
電気量−機械量変換手段等が当然に必要となるというこ
とが大きな問題となる。
【0012】しかも、電気的な制御手段により2組のシ
ャッタ羽根手段のシャッタ羽根の開閉動作を関係付ける
方法では、性能上ないし露光精度上の大きな問題をも生
じることになる。以下、特開平 3-89331号公報の開示技
術を例にしてこのことを説明する。
【0013】この特開平 3-89331号公報の開示技術は、
自動焦点式カメラに適用した状態で提供されているもの
であるが、その自動露出制御手段に係る部分について説
明する。
【0014】この開示技術に係るカメラのシャッタ装置
では、測光・測距スイッチを半押しすると、演算回路が
そのときの自動測距データおよび測光データを演算し、
さらに、電磁石制御回路がこのときの測光データに基づ
いて第1セクタ用電磁石と第2セクタ用電磁石とを制御
するように構成されている。
【0015】そして、第1および第2セクタ用電磁石を
制御して、先ず、第1セクタ(本発明の第2群シャッタ
羽根に相当する)を閉じ状態位置に保持したままの状態
で、第2セクタ(本発明の第1群シャッタ羽根に相当す
る)を、その閉じ状態位置からそのときの測光データに
適合する絞り開口位置(図10、図11における設定F
値)まで開かせる。
【0016】特開平 3-89331号公報の開示技術では、こ
の状態で撮影光学系を自動測距データに適合した目的位
置まで変位させるが、このときの撮影光学系の変位動作
が終了するまでは、ラチェット係止機構を用いて第2セ
クタをその絞り開口位置に係止する。
【0017】そして、撮影光学系の変位動作が終了する
と、電磁石制御回路が第1セクタ用電磁石を制御して、
第1セクタをその閉じ状態位置から全開位置まで開かせ
て露光を開始させる。
【0018】さて、第1セクタが所定通りに開くと、そ
のときの測光データに適合する適正露出を満たす所定の
時間経過後に、電磁石制御回路が第2セクタ用電磁石を
制御して、第2セクタをそのときの絞り開口位置から閉
じさせ、この時点で、第1セクタの開き動作から開始さ
れた露光を終了させる。その後、所定のタイミングでカ
メラ用シャッタ装置を初期状態に復帰させるというもの
である。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前出の
特開平 3-89331号公報の開示技術のように、露光時のシ
ャッタ開き動作を担当する第1セクタの開き開始時点と
露光時のシャッタ閉じ動作を担当する第2セクタの閉じ
動作開始時点とを、いずれも電磁石制御回路による電磁
石制御で行う場合には、シャッタ開き動作を担当する第
1セクタの側にも、また、シャッタ閉じ動作を担当する
第2セクタの側にも、それぞれに露出精度を著しく劣化
させる原因が存在するという大きな問題がある。
【0020】すなわち、第1セクタの側には、例えば製
造されるカメラの間に、第1セクタの開きタイミングや
開き速度(立上り)等の変化が存在したりすると、図1
0に示すように、それが、直ちに露出精度の誤差として
現れるという性能上の欠点を生じさせることになる。
【0021】一方、第2セクタの側には、第2セクタが
閉じ動作を行う際に、そのときの測光データに適合する
絞り開口位置から閉じ動作を開始することになるため、
開閉機構上の理由から、その閉じ始めの領域における第
2セクタの閉じ動作速度がどうしても緩慢になり、図1
1に示すように、これが所謂閉じ動作曲線にフラット部
を生じさせて、露出精度およびシャッタスピードを劣化
させるという性能上の欠点を生じさせることになる。
【0022】しかも、前出の特開平 3-89331号公報の開
示技術には、第1セクタおよび第2セクタをそれぞれ別
個に作動制御するように構成されているため、少なくと
も2個の電気量−機械量変換手段(具体的には、電磁石
手段)を必要とするという製造コスト上および設置スペ
ース上の不利な点も存在する。
【0023】そのため、これらの諸問題を有利に解決し
得る改善作の出現が強く要望されているのが現状であ
る。
【0024】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たもので、その第1の目的は、(i) 露光時のシャッ
タ開き動作を担当する絞り羽根兼用シャッタ羽根の開閉
動作と、シャッタ閉じ動作を担当する絞り羽根兼用シャ
ッタ羽根の開閉動作とを、機械的(機構的)に関係付け
ることにより、三角開口波形のときでも台形開口波形の
場合でも、露光面積を安定させることが可能で露出精度
を良好に維持することが可能であり、(ii) 三角開口
波形のときでも台形開口波形の場合でも、シャッタ閉じ
動作を担当する絞り羽根兼用シャッタ羽根の閉じ始めの
領域における閉じ動作速度を速くすることにより、その
閉じ動作曲線にフラット部を生じさせないようにするこ
とが可能であり、(iii ) 構造的、設置スペース的、
製造コスト的な面における種々の問題点を、従来のこの
種のカメラ用シャッタ装置に比べて有利な形で改善する
ことが可能である、カメラ用シャッタ装置を提供するこ
とにある。
【0025】その第2の目的は、例えば、三角開口波形
形成時における適正シャッタ秒時を形成するときの機械
的な関係付けに際して、一方の絞り羽根兼用のシャッタ
羽根の開き動作に対する絞り羽根兼用シャッタ羽根の閉
じ開始タイミングを所定のタイミングに設定するときに
利用するラチェット爪係止手段のような一方方向回動係
止機構、すなわち、所定の回動軸を中心として正逆方向
に回動した部材を、例えば正方向回動後の位置から逆方
向に回動させる際の逆方向回動開始タイミングを、機械
的なカム作用により変化させることが可能であるカム作
用を伴う一方方向回動係止機構を提供することにある。
【0026】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために、請求項1に記載の発明は、その時々の被写体
輝度を測光して測光データを出力する測光手段と、開閉
動作を行い得る絞り羽根兼用の第1群シャッタ羽根と、
この第1群シャッタ羽根とは別個のシャッタ羽根として
設けられ、開閉動作を行い得る絞り羽根兼用の第2群シ
ャッタ羽根と、正逆方向に運動し得る部材として設けら
れ、初期位置からその最初の一方向の動作により前記第
1群シャッタ羽根の開き動作を行い、他方向の動作によ
り、前記第2群シャッタ羽根の開き動作を行い且つ少な
くとも前記第1群シャッタ羽根の閉じ動作を開始させ、
さらに、再び前記最初の一方向と同方向の動作により前
記第2群シャッタ羽根の閉じ動作を開始させ前記初期位
置に復帰する駆動部材と、撮影時に、前記第1群シャッ
タ羽根にその閉じ状態位置からいずれかの第1群羽根開
き位置までの開き動作を行わせ、この第1群シャッタ羽
根の開き動作の開始後の時点で、前記第2群シャッタ羽
根にその閉じ状態位置からいずれかの第2群羽根開き位
置までの開き動作を行わせ、前記第2群シャッタ羽根が
その閉じ状態位置から前記いずれかの第2群羽根開き位
置に向って開き動作を行っている過程中の時点、また
は、第2群羽根開き位置に向っての開き動作を終了した
後の時点で、前記第1群シャッタ羽根に前記いずれかの
第1群羽根開き位置からの閉じ動作を開始させ、前記第
1群シャッタ羽根が実質的にその閉じ状態位置に復帰し
た後の時点において、前記第2群シャッタ羽根に前記い
ずれかの第2群羽根開き位置からの閉じ動作を行わせ得
るように、前記駆動部材を前記初期位置から前記一方向
へ、前記一方向から前記他方向へ、そして前記他方向か
ら再び前記一方向へ駆動して前記初期位置に復帰させ得
るように駆動制御するシャッタ羽根開閉制御手段とを具
え、前記第2群シャッタ羽根の開き動作と前記第1群シ
ャッタ羽根の閉じ動作により、三角開口波形形成時また
は台形開口波形形成時におけるその時々の前記測光手段
による測光データに適合した少なくともその時々の適正
シャッタ秒時を形成し得るように構成したことを特徴と
するものである。
【0027】また、上記第1の目的をよりよく達成する
ために、請求項2に記載の発明は、前記第1群シャッタ
羽根の前記いずれかの第1群羽根開き位置のうちに、前
記開放絞り開口を実現し得る位置を含むその時々の被写
体輝度に適合したそれぞれの適正絞り開口位置を超えて
予め設定された複数箇所の第1群羽根過剰開き位置を設
定すると共に、前記第2群シャッタ羽根の前記いずれか
の第2群羽根開き位置のうちに、前記開放絞り開口を実
現し得る位置を含むその時々の被写体輝度に適合したそ
れぞれの適正絞り開口位置を超えて予め設定された複数
箇所の第2群羽根過剰開き位置を設定するように構成
し、前記閉じ状態位置からその時々の前記第2群羽根開
き位置に係る第2群羽根過剰開き位置に向って開き動作
を行う途中の前記第2群シャッタ羽根と、その時々の前
記第1群羽根開き位置に係る第1群羽根過剰開き位置か
らその閉じ状態位置に向って閉じ動作を行う途中の前記
第1群シャッタ羽根とが、互いの動作を行う過程で交叉
する運動交叉点の位置を、前記第2群シャッタ羽根が前
記閉じ状態位置から開くときの開き動作開始時点と、前
記第1群シャッタ羽根がその時々の前記第1群羽根過剰
開き位置から閉じるときの閉じ動作開始時点との間の時
系列間隔に依存する位置として設定するように構成し、
さらに、この2つの動作開始時点間の時系列間隔をその
時々の前記測光データに適合した複数個の間隔値として
設定することにより、前記第2群シャッタ羽根と前記第
1群シャッタ羽根との運動交叉点の位置を、その時々の
前記測光データに適合した前記それぞれの適正絞り開口
が得られる開口レベルの位置に実質的に一致させるよう
に構成して、これにより、三角開口波形形成時における
その時々の前記測光データに適合した、前記開放絞り開
口を含むそのときの適正絞り開口とそのときの適正シャ
ッタ秒時とを形成し得るように構成したことを特徴とす
るものである。
【0028】また、上記第1の目的を達成するために、
請求項3に記載の発明は、前記第1群シャッタ羽根の第
1群羽根開き位置を、前記開放絞り開口を実現し得る位
置として、または、この位置を超えた開口レベルの位置
に予め設定された開き位置として設定し得るように構成
し、前記第2群シャッタ羽根の第2群羽根開き位置を、
前記第1群シャッタ羽根の第1群羽根開き位置と実質的
に同じ開口レベルの位置に設定された前段開き位置と、
この前段開き位置を超えた開口レベルの位置に予め設定
された後段開き位置との2段階の開き位置として設定し
得るように構成し、前記第2群シャッタ羽根が前記前段
開き位置まで開いたときに、既に前記第1群羽根開き位
置に開いている前記第1群シャッタ羽根を、その時々の
前記測光データに適合した台形開口波形を実現し得るよ
うに予め設定されたそれぞれの遅延時間だけ前記第1群
羽根開き位置に保持し得るように構成し、前記第1群シ
ャッタ羽根が前記第1群羽根開き位置に開き且つ前記第
2群シャッタ羽根が前記前段開き位置まで開いたとき、
前記それぞれの遅延時間が実質的に経過した時点におい
て前記第2群シャッタ羽根を前記前段開き位置から前記
後段開き位置まで開かせ、このときの開き動作により前
記第1群シャッタ羽根に閉じ動作を開始させ得るように
構成し、前記第2群シャッタ羽根の前記閉じ状態位置か
ら前記前段開き位置まで開くときの開き動作をもって、
その時々の前記測光データに適合した台形開口波形形成
時のシャッタ開き動作となすと共に、前記第1群シャッ
タ羽根が前記第1群羽根開き位置に開いている状態また
は前記カメラに設けられたアパーチャ開口をもって、さ
らに、その時々の前記測光データに適合した台形開口波
形形成時の適正絞り開口となし、前記それぞれの遅延時
間の実質的経過後に前記第1群シャッタ羽根が前記第1
群羽根開き位置からその閉じ状態位置に閉じるときの閉
じ動作をもって、前記台形開口波形形成時のシャッタ閉
じ動作となすように構成して、これにより、前記台形開
口波形形成時におけるその時々の前記測光データに適合
した、前記開放絞り開口とそのときの適正シャッタ秒時
とを形成し得るように構成したことを特徴とするもので
ある。
【0029】また、上記第1の目的を達成するために、
請求項4に記載の発明は、正逆方向に回転し得る1つの
電動モータを設け、この電動モータの回転駆動力を利用
して前記駆動部材を駆動し得るように構成したことを特
徴とするものである。
【0030】また、上記第1の目的を達成するために、
請求項5に記載の発明は、前記駆動部材を単一の部材に
より構成したことを特徴とするものである。
【0031】また、上記第1の目的を達成するために、
請求項6に記載の発明は、前記駆動部材を正逆方向に回
動する回動駆動部材として構成し、この回動駆動部材が
正方向に回動したときにのみこの回動駆動部材により一
体的に同方向に強制回動され、この回動駆動部材が逆方
向に回動したときには、この回動駆動部材との連動が解
除され、且つ、この強制回動される動作により前記第1
群シャッタ羽根をその閉じ状態位置から前記いずれかの
第1群羽根開き位置まで開き得る従動側回動部材を設
け、前記回動駆動部材が前記従動側回動部材と一体にな
って、前記第1群シャッタ羽根をその閉じ状態位置から
その時々の測光データに係るそれぞれの第1群羽根開き
位置まで開かせ得る各回動量に対応した各回動量だけ正
方向に回動したときに、前記従動側回動部材をこのとき
の正方向回動後のそれぞれの位置に段階的に係脱可能に
係止し得るような構成の一方方向回動係止機構を設置
し、さらに、この一方方向回動係止機構により段階的に
係止され得る被係止構造を前記従動側回動部材側に設け
ると共に、前記一方方向回動係止機構による1係止段当
りに係る前記従動側回動部材の段階的単位回動角度と、
前記回動駆動部材の正方向への段階的単位回動角度と
を、それぞれ同一角度かまたはその整数倍の角度に設定
し、このように設定することにより、その時々の適正絞
り開口を形成したときにおける、前記一方方向回動係止
機構と前記従動側回動部材の前記被係止構造との間の半
歯ずれ現象の発生を防止し得るように構成して成ること
を特徴とするものである。
【0032】また、上記第2の目的を達成するために、
請求項7に記載の発明は、外周領域にラチェット歯列を
具えた回動部材と、この回動部材のラチェット歯列に対
して係脱可能に係止し得るように係接するラチェット爪
部材とを有する一方方向回動係止機構において、前記回
動部材の外周領域に、予め設定された基準位置からの前
記回動部材の回動角度に応じて、例えば前記回動部材の
回動軸からの距離が小さい距離から大きい距離に変化す
るように、或いは、大きい距離から小さい距離に変化す
るように、予め仮想的に設定した基準円弧面から所定の
変化率に則って順次に離れて行くような形状の仮想カム
面を設定し、前記ラチェット歯列をこの仮想カム面に沿
って形成するように構成すると共に、前記基準位置から
の前記回動部材の回動角度に応じて、前記ラチェット爪
部材の運動位置ないし運動姿勢を変化させ得るように構
成し、前記回動部材の回動角度に応じた前記仮想カム面
のカム作用に基づくラチェット爪部材の運動位置ないし
運動姿勢の変化量により、前記回動部材を例えば正方向
回動後の位置から逆方向に回動させる際の逆方向回動開
始タイミングを変化させ得るように構成したことを特徴
とするものである。
【0033】
【作用】上記のように構成されたカメラ用シャッタ装置
では、開放絞り開口よりも小さい絞り開口を用いて露光
動作(三角開口波形での露光動作)を行う場合に、先
ず、露光時のシャッタ閉じ動作を担当する第1群シャッ
タ羽根を、電動モータの正逆方向回転駆動力により正逆
方向に運動させられる駆動部材の正方向への運動によ
り、その閉じ状態位置から予めその時々の被写体輝度に
係る測光データに対応した適正絞り開口を超えた位置に
設定された第1群羽根開き位置(第1群羽根過剰開き位
置)まで開かせ、且つ、機構的(機械的)手段を用いて
その位置に保持する。
【0034】第1群シャッタ羽根が目的とする位置まで
開き終ると、露光時のシャッタ開き動作を担当する第2
群シャッタ羽根を、駆動部材の逆方向への運動により、
その閉じ状態位置から予め設定された第2群羽根開き位
置まで開かせ、既に開いている第1群シャッタ羽根を通
過した撮影光をもって露光を開始させる。
【0035】そして、第2群シャッタ羽根の開き動作が
開始された後の時点において、駆動部材の引続く逆方向
への運動により、第1群シャッタ羽根を第1群羽根開き
位置から閉じさせるように制御して、閉じ動作を開始し
た第1群シャッタ羽根と開き途上にある第2群シャッタ
羽根とをそれぞれの動作途中において交叉させる。
【0036】このとき、第1群シャッタ羽根と第2群シ
ャッタ羽根との交叉点の開口レベル位置を、その時々の
被写体輝度に係る測光データに対応した適正絞り開口の
位置に一致させ得るように、第2群シャッタ羽根の開き
開始タイミングと第1群シャッタ羽根の閉じ開始タイミ
ングとを、機構的な時間差設定手段を用いて設定するよ
うにする。
【0037】そして、第1群シャッタ羽根が実質的に閉
じ状態位置に復帰して所定の露光が終了した後の時点
で、第2群シャッタ羽根を第2群羽根開き位置から閉じ
状態位置に閉じさせて、カメラ用シャッタ装置の状態を
初期状態に復帰させる。
【0038】一方、開放絞り開口を用いて露光動作を行
う場合(台形開口波形での露光動作)には、第1群シャ
ッタ羽根を、その閉じ状態位置から予め設定された開放
絞り開口に係る第1群羽根開き位置まで開かせ且つその
位置に保持する。
【0039】そして、第1群シャッタ羽根が目的とする
位置まで開き終ると、第2群シャッタ羽根を、その閉じ
状態位置から予め設定された開放絞り開口に係る第2群
羽根過剰開き位置まで開かせ、ここで、第2群シャッタ
羽根を、開放絞り開口と組合わされる適正シャッタ秒時
を得るのに必要な遅延時間だけその位置に保持するよう
に制御する。
【0040】そして、必要な遅延時間が経過したとき
に、第2群シャッタ羽根を第2群羽根過剰開き位置から
さらに予め設定された開き位置まで開かせ、このときの
第2群シャッタ羽根の開き動作を利用して、第1群シャ
ッタ羽根を開放絞り開口に係る第1群羽根開き位置から
閉じ状態位置に閉じさせて所定の露光を終了させる。
【0041】この台形開口波形での露光動作では、第1
群シャッタ羽根と第2群シャッタ羽根とをそれぞれの動
作途中で交叉させないで露光を行うことになる。
【0042】また、上記のように構成されたカム作用を
伴う一方方向回動係止機構では、回動部材の外周領域に
設けるラチェット歯列を、予め設定された基準位置から
の回動部材の回動角度に応じて、例えば回動部材の回動
軸からの距離が小さい距離から大きい距離に変化するよ
うに、或いは、大きい距離から小さい距離に変化するよ
うに、予め仮想的に設定した基準円弧面から所定の変化
率に則って順次に離れて行くような形状の仮想カム面に
形成して、基準位置からの前記回動部材の回動角度に応
じて、回動部材のラチェット歯列を係止するラチェット
爪部材の運動位置ないし運動姿勢を変化させ得るように
する。
【0043】そして、回動部材の回動角度に応じた仮想
カム面のカム作用に基づくラチェット爪部材の運動位置
ないし運動姿勢の変化量により、回動部材を例えば正方
向回動後の位置から逆方向に回動させる際の逆方向回動
開始タイミングを変化させ得るようにしたものである。
【0044】
【実施例】以下、図示の実施例に基づき本発明のカメラ
用シャッタ装置に係る一例についての構成および作用を
説明する。
【0045】図1は、本発明のカメラ用シャッタ装置に
係る一実施例の構成を示す分解斜視図であり、図2は、
図1の分解斜視構成図をその右側方向から見たときの背
面構成を示す背面図である。なお、以下の説明におい
て、被写界側(または正面側)と称するのは、図1およ
び図2における左側の方向を意味し、また、フィルム側
(または背面側)と称するのは図1、図2における右側
の方向を意味する。
【0046】図1、図2において、1はカメラ(図示な
し)撮影光軸(以下、単に「光軸」という)O上に配設
されたカメラ用シャッタ装置(以下、単に「シャッタ装
置」という)の基板であり、撮影光学系(図示なし)の
保持鏡胴の固定部に適宜の方法で固定されている。
【0047】また、基板1の中央領域には、図6、図8
に示す撮影光学系の開放時の開口(以下、「アパーチャ
開口Sa 」という)を決定するアパーチャ1aが設けら
れ、さらに、このアパーチャ1aの周囲には、後述する
絞りリング30を回転可能に保持し得る大径円筒部1b
と後述する駆動リング40を回転可能に保持し得る小径
円筒部1cとが形成されている。
【0048】全体を10で示すのは、撮影時の適正絞り
開口を形成する機能とシャッタ機能の閉じ動作を担当し
得るように、撮影時に後述する第2群シャッタ羽根2
1、22に先立って開き動作を行い、且つ、第2群シャ
ッタ羽根21、22の閉じ動作に先立って閉じ動作を行
う第1群シャッタ羽根手段(以下、「第1群羽根手段」
という)である。
【0049】この第1群羽根手段10は、図示実施例で
は、互いに反対方向に開閉し得る一対の絞り羽根兼用の
第1群シャッタ羽根(以下、第1群羽根と略称する)1
1、12と、この第1群羽根11、12を同時に開閉さ
せるための第1群羽根駆動レバー15とから成る羽根手
段として構成されている。
【0050】この場合、第1群羽根11、12は、基板
1と後述する羽根群抑え板4とに挟まれた空間部分の被
写界側領域において、図6、図8に示すように、各々の
閉じ位置から第1群ピンホール位置およびアパーチャ開
口Sa を経て、第1群羽根最大過剰開き位置S1 ′(図
8参照)まで開き且つ閉じ得るように、例えば基板1の
被写界側面に植設された各々の枢軸13、14によって
それぞれ回転可能に軸支されるように構成されている。
【0051】さらに、第1群羽根11、12の各枢軸1
3、14の近傍位置に、それぞれ、第1群羽根駆動ピン
17と同時に嵌合する一対の第1群羽根カム溝11a、
12aが形成されるようにも構成されているが、この第
1群羽根カム溝11a、12aのカム形状については、
絞りリング30の絞り設定カム溝31の項において改め
て説明することにする。
【0052】なお、図示実施例では、第1群羽根手段1
0は2枚の羽根部材を用いるように構成されているが、
1枚または3枚以上の羽根部材を使用する手段として構
成することも可能である。また、前出の第1群羽根最大
過剰開き位置S1 ′については、後出の露出演算回路6
5の構成説明の項で改めて説明することにする。
【0053】ところで、第1群羽根駆動レバー15は、
基板1のフィルム側面に植設された枢軸16によって揺
動(回転)可能に軸支され、その先端部の被写界側面
に、一対の第1群羽根カム溝11a、12a内に精密に
嵌入する第1群羽根駆動ピン17を具え、さらに、先端
部のフィルム側面に、後述する絞りリング30の絞り設
定カム溝31内に精密に嵌入し得る中間伝達ピン18を
有するように構成されている。
【0054】そして、この第1群羽根駆動レバー15の
初期位置は、第1群羽根駆動ピン17が後述する第1制
限円弧溝2の一方の内端面2aに当接したときの位置を
もって設定され、また、その最大揺動位置は、例えば第
1群羽根駆動ピン17が第1制限円弧溝2の他方の内端
面2bに当接したときの位置をもって設定されるように
構成されている。
【0055】なお、図示実施例では、第1群羽根駆動ピ
ン17と中間伝達ピン18とを一体化したピン部材とし
て形成しているが、両者を異なる位置に植設された別個
のピン部材として構成することも可能であり、また、第
1群羽根駆動レバー15の初期位置および最大揺動位置
については、第1制限円弧溝2と第1対応円弧溝5との
両方の内端面で設定するように構成しても、第1対応円
弧溝5の内端面で設定するように構成してもよい。
【0056】この結果、第1群羽根手段10では、第1
群羽根駆動レバー15がその初期位置から枢軸16の周
りを反時計方向に回動したときに、第1群羽根駆動ピン
17が第1群羽根カム溝11a、12a内に同時に嵌入
した状態でほぼ放射方向に向って変位し、このときの各
々の第1群羽根カム溝11a、12aのカム作用を介し
て、第1群羽根11、12を、最大において、各々の閉
じ位置から第1群羽根最大過剰開き位置S1 ′まで開か
せ、逆に、第1群羽根駆動レバー15が最大揺動位置か
ら時計方向に回動したときに、第1群羽根11、12
を、最大において、第1群羽根最大過剰開き位置S1 ′
から閉じ位置まで閉じさせるように作用することにな
る。
【0057】なお、この第1群羽根11、12の開閉動
作については、後出の露出演算回路65の構成説明の項
で改めて説明することにする。
【0058】一方、全体を20で示すのは、撮影時の適
正絞り開口を形成する機能とシャッタ機能の開き動作を
担当し得るように、第1群羽根11、12が開いた後に
開き動作を開始し、且つ、第1群羽根11、12が実質
的に閉じた後に閉じ動作を行う第2群シャッタ羽根手段
(以下、「第2群羽根手段」という)である。
【0059】この第2群羽根手段20は、第1群羽根手
段10の場合と同様に、図示実施例では、互いに反対方
向に開閉し得る一対の絞り羽根兼用の第2群シャッタ羽
根(以下、「第2群羽根」と略称する)21、22と、
この第2群羽根21、22を同時に開閉させるための第
2群羽根駆動レバー25とから成る羽根手段として構成
されている。
【0060】この場合、第2群羽根21、22は、基板
1と羽根群抑え板4とに挟まれた空間部分のフィルム側
領域において、図6、図8に示すように、各々の閉じ位
置から第2群ピンホール位置およびアパーチャ開口Sa
を経て、第2群羽根最大過剰開き位置S2 ′(図8参
照)まで開き且つ閉じ得るように、例えば基板1の被写
界側面に植設された各々の枢軸23、24によってそれ
ぞれ回転可能に軸支されるように構成されている。
【0061】さらに、第2群羽根21、22の各枢軸2
3、24の近傍位置に、それぞれ、第2群羽根駆動ピン
28と同時に嵌合する一対の第2群羽根カム溝21a、
22aが形成されるようにも構成されているが、この第
2群羽根カム溝21a、22aのカム形状については、
第2群羽根駆動レバー25の項において改めて説明する
ことにする。
【0062】そして、第2群羽根21、22は、後述す
るように、第1群羽根11、12が閉じ位置から最大に
おいて第1群羽根最大過剰開き位置S1 ′まで開くまで
の間は、閉じ位置に保持された状態を維持するように構
成されている。
【0063】なお、図示実施例では、第1群羽根手段1
0の場合と同様に、第2群羽根手段20を2枚の羽根部
材を用いるように構成されているが、1枚または3枚以
上の羽根部材を使用する手段として構成することも可能
である。また、前出の第2群羽根最大過剰開き位置S2
′については、後出の露出演算回路65の構成説明の
項で改めて説明することにする。
【0064】ところで、第2群羽根駆動レバー25は、
例えば基板1のフィルム側面に植設された枢軸26によ
って揺動(回転)可能に軸支され、さらに、適宜の付勢
ばね27の付勢力により常に時計方向(羽根閉じ方向)
に回動させられるように構成されている。
【0065】さらに、この第2群羽根駆動レバー25の
一方のアームの先端部に、後述する第1タイミングピン
42と当接し得る第1タイミングカム面25aを具え、
また、他方のアームの先端部に、一対の第2群羽根2
1、22の第2群羽根カム溝21a、22a内に精密に
嵌入する第2群羽根駆動ピン28を有するように構成さ
れている。
【0066】そして、この第2群羽根駆動レバー25の
初期位置は、第2群羽根駆動ピン28が後述する第2制
限円弧溝3の一方の内端面3aに当接したときの位置を
もって設定され、また、その最大揺動位置は、自身が初
期位置から反時計方向に回動したときに、第2群羽根駆
動ピン28および第2群羽根カム溝21a、22aの協
同作用により、各々の第2群羽根21、22を、各々の
閉じ位置から最大において第2群羽根最大過剰開き位置
S2 ′まで開かせ得る位置として設定されるように構成
されている。従って、第2群羽根カム溝21a、22a
は、このような目的を果たし得るようなカム形状に形成
されることになる。
【0067】なお、第2群羽根駆動レバー25の初期位
置および最大揺動位置については、第2制限円弧溝3と
第2対応円弧溝6との両方の内端面で設定するように構
成しても、或いは、第2対応円弧溝6の内端面で設定す
るように構成してもよい。
【0068】この結果、第2群羽根手段20では、前出
の第1群羽根駆動レバー15の場合と同様に、第2群羽
根駆動レバー25がその初期位置から枢軸26の周りを
反時計方向に回動したときに、第2群羽根駆動ピン28
が第2群羽根カム溝21a、22a内に同時に嵌入した
状態でほぼ放射方向に向って変位し、このときの各々の
第2群羽根カム溝21a、22aのカム作用を介して、
第2群羽根21、22を、各々の閉じ位置から最大にお
いて、第2群羽根最大過剰開き位置S2 ′まで開かせ、
逆に、第2群羽根駆動レバー25が回動後の位置(最大
揺動位置)から時計方向に回動したときに、第2群羽根
21、22を第2群羽根最大過剰開き位置S2 ′から閉
じ位置まで閉じさせるように作用することになる。
【0069】なお、この第2群羽根21、22の開閉動
作については、後出の露出演算回路65の構成説明の項
で改めて説明することにする。
【0070】さて、前述した基板1の周辺領域には、第
1群羽根駆動レバー15の第1群羽根駆動ピン17を貫
通させる第1制限円弧溝2と、第2群羽根駆動レバー2
5の第2群羽根駆動ピン28を貫通させる第2制限円弧
溝3とが形成されている。
【0071】そして、第1制限円弧溝2の形状は、その
一方の内端面2aで駆動ピン17の初期位置を規定し得
るように形成され、且つ、他方の内端面2bで第1群羽
根駆動ピン17の最大回動量の位置を規定し得るように
形成されている。
【0072】この場合、図示実施例では、駆動ピン17
の初期位置を第1群羽根11、12の閉じ位置として設
定し、また、最大回動量の位置を第1群羽根11、12
の第1群羽根最大過剰開き位置S1 ′として設定してい
る。
【0073】一方、第2制限円弧溝3の形状は、少なく
ともその一方の内端面3aで駆動ピン28の初期位置を
規定し得るように形成され、且つ、他方の内端面は、第
2群羽根21、22がその最大過剰開き位置S2 ′まで
開くことを許容する位置として設定されている。この場
合、図示実施例では、駆動ピン28の初期位置を第2群
羽根21、22の閉じ位置として設定している。
【0074】4は第1群羽根11、12と第2群羽根2
1、22の光軸O方向の浮上がりを抑えるための羽根群
抑え板であり、第1群羽根11、12と第2群羽根2
1、22とがそれぞれ円滑に開閉運動し得るような光軸
上(以下、「軸上」という)の間隔を隔てて基板1と対
峙するように、適宜の固定方法をもって基板1の被写界
側に配設されている。
【0075】そして、この羽根群抑え板4の中央領域に
は、基板1側のアパーチャ1aの直径よりも多少大き目
の直径を有する撮影光通過孔4aが形成され、また、周
辺領域の必要な複数個所には所定の直径を持つ逃げ孔4
bが形成されている。
【0076】さらに、周辺領域における基板1の第1制
限円弧溝2と対向する個所に第1対応円弧溝5を有し、
また、第2制限円弧溝3と対向する個所に第2対応円弧
溝6を有するようにも構成されている。
【0077】この場合、第1対応円弧溝5および第2対
応円弧溝6のそれぞれの形状は、例えば第1制限円弧溝
2および第2制限円弧溝3と実質的に同一の形状に形成
しても、或いは、第1制限円弧溝2および第2制限円弧
溝3よりも大き目の形状に形成してもよい。
【0078】30は基板1の大径円筒部1bに回転可能
に嵌合した絞りリングであり、その周辺領域に、絞り設
定カム溝31、一方向連動部32、カム型ラチェット歯
列33(後述する)を有するように構成され、また、適
宜の付勢ばね34の付勢力により常に反時計方向に回転
させられるように構成されている。
【0079】この場合、図示実施例では、絞りリング3
0の初期位置を絞りリング30の一方向連動部32が駆
動リング40上の一方向連動ピン41と当接する位置と
して設定しているが、予め初期位置設定用のストッパ部
材(図示なし)を設けて置いて、絞りリング30の初期
位置をこのストッパ部材により設定するように構成する
こともできる。
【0080】また、絞り設定カム溝31は、絞りリング
30が初期位置にあるときには第1群羽根11、12を
各々の閉じ位置に保持し、絞りリング30がその初期位
置から時計方向に回動したときに、中間伝達ピン18→
第1群羽根駆動レバー15→第1群羽根駆動ピン17を
介して、第1群羽根11、12を各々の閉じ位置から最
大において第1群羽根最大過剰開き位置S1 ′まで開か
せ得るようにそのカム形状が設定されている。
【0081】この場合、図示実施例では、第1群羽根1
1、12を所定通りに開閉させるカム領域の閉じ側を超
えた領域に、絞りリング30の一方向連動部32が駆動
リング40上の一方向連動ピン41に当接する間、たと
え絞りリング30が初期位置から反時計方向に回動した
ときでも第1群羽根11、12を閉じ状態に保持し得る
形状の余裕領域を設けるように構成されている。
【0082】なお、この余裕領域を含め、絞り設定カム
溝31の作用については「動作ないし作用」の項で改め
て説明することにする。
【0083】また、一方向連動部32は、後述する駆動
リング40が時計方向に回動したときに、駆動リング4
0上の一方向連動ピン41により押圧され、この押圧作
用によって絞りリング30を駆動リング40と一体的に
なって時計方向に回動させ、逆に、駆動リング40が反
時計方向に回動したときには、駆動リング40との連動
関係を断ち得るような形状ないし構造を有するように構
成されている。
【0084】すなわち、駆動リング40が反時計方向に
回動したときには、駆動リング40のみが単独で反時計
方向に回動し得るように構成されている。
【0085】さて、カム型ラチェット歯列33は、後述
する係止レバー35のラチェット爪部35aとの協働作
用により、絞りリング30の反時計方向への回動を阻止
する機能を有するラチェット歯列として形成され、例え
ば歯数Nを有する歯列として構成されている。
【0086】この場合、カム型ラチェット歯列33は、
絞りリング30の回動角度量が小さいときにはカム量の
作用が小さく、且つ、絞りリング30の回動角度量が大
きくなるときには、大きくなるにつれてカム量の作用が
大きくなるような基礎カム面上に形成されるように構成
されている。
【0087】さらに、図示実施例では、ラチェット歯列
33の1歯当りのピッチ角度(歯間ピッチ角度)を、後
述する駆動リング40の回動量を構成する段階的単位回
動角度(以下、「単位ステップ角度」とも云う)と同一
角度か、或いは、単位ステップ角度の整数倍の角度に設
定するように構成されている。
【0088】このカム型ラチェット歯列33の歯数と係
止レバー35のラチェット爪部35aとの相対位置関係
については、後述する露出演算回路65の説明の項で、
また、基礎カム面およびカム型ラチェット歯列33の動
作ないし作用の詳細については、後述する「動作ないし
作用」の項でそれぞれ改めて説明する。
【0089】なお、図示実施例では、絞りリング30の
反時計方向への回動を阻止する手段としてラチェット歯
列とラチェット爪との組合せ機構を採用しているが、こ
れは、正逆方向に回動可能な或る回動部材を、その一方
向への回動は許容するが他方向への回動は係止(阻止)
するという一方方向回動(回転)係止機構を具体的に例
示するものである。従って、本質的に同等の目的を達す
ることができる他形式の機構ないし手段をもって代替さ
せることも可能であることを付記する。
【0090】35は絞りリング30のカム型ラチェット
歯列33に対応して設けられた係止レバーであり、基板
1のフィルム側面に植設された枢軸36により回転可能
に軸支され、また、適宜の付勢ばね37の付勢力により
常に時計方向に回転させられるように構成されている。
【0091】この係止レバー35は、その一方のアーム
の先端部に、絞りリング30のカム型ラチェット歯列3
3に係合し得るラチェット爪部35aが形成され、ま
た、他方のアームの先端部に、駆動リング40の第2タ
イミングピン43と当接し得る第2タイミングカム面3
5bを有するようにも構成されている。
【0092】この場合、ラチェット爪部35aは、係止
レバー35を付勢する付勢ばね37の付勢力により常に
カム型ラチェット歯列33に押付けられるように構成さ
れ、絞りリング30が時計方向に回動するときには、カ
ム型ラチェット歯列33の各歯による押上げ作用により
付勢ばね37の付勢力に抗して外方に逃げ、また、絞り
リング30が反時計方向に回動するときには、付勢ばね
37の付勢力でカム型ラチェット歯列33の各歯間に食
い込んで絞りリング30のそのときの回動動作を阻止
(係止)し得るように作用する如く構成されている。
【0093】40は光軸O上において絞りリング30と
所定の間隔を隔てて対峙するように基板1の小径円筒部
1cに回転可能に嵌合した駆動リングであり、その周辺
領域に後述する中間ギア52の小径ギア52bと噛合す
るギア部40aを具え、さらに、放射方向に突出する2
個所に第1角部40bおよび第2角部40cを有するよ
うに構成されている。
【0094】41は絞りリング30の一方向連動部32
と当接し得る一方向連動ピンであり、駆動リング40の
被写界側面に植設されて、その植設位置は、駆動リング
40が初期位置に位置しているときにこの一方向連動ピ
ン41が一方向連動部32と当接するような位置に設定
されている。
【0095】42は駆動リング40の第1角部40bの
被写界側面に植設された第1タイミングピンであり、駆
動リング40が反時計方向に回動したときに、第2群羽
根駆動レバー25の第1タイミングカム面25aに当接
して、第2群羽根駆動レバー25を、付勢ばね27の付
勢力に抗して反時計方向に強制的に回転させ得るように
構成されている。
【0096】43は駆動リング40の第2角部40cの
被写界側面に植設された第2タイミングピンであり、駆
動リング40が反時計方向に回動したときに、係止レバ
ー35の第2タイミングカム面35bに当接して、係止
レバー35を、付勢ばね37の付勢力に抗して反時計方
向に強制的に回転させ得るように構成されている。
【0097】なお、第1タイミングピン42と第1タイ
ミングカム面25aとの相対位置関係、並びに、第2タ
イミングピン43と第2タイミングカム面35bとの相
対位置関係については、それぞれ「動作ないし作用」の
項で改めて説明する。
【0098】また、絞りリング30および駆動リング4
0は、いずれも、適宜の手段により軸上方向への実質的
移動を阻止されるような構造をもって基板1の大径円筒
部1bおよび小径円筒部1cに嵌合するように構成され
ている。
【0099】50は後述する電気的制御手段60のモー
タ駆動制御回路67からの指令に基づいて正逆方向に回
転駆動される電動モータであり、例えばステッピングモ
ータのようなパルス信号で回転駆動されるそれ自体公知
の構造を有する適宜の電動モータとして構成されてい
る。
【0100】この場合、図示実施例では、電動モータ5
0の正逆方向の段階的単位回転角度が、駆動リング40
(絞りリング30でもある)の単位ステップ角度と同一
角度か或いはその整数倍になるように設定されている。
【0101】51はこの電動モータ50の出力軸(図示
なし)に取付けられた適宜の出力ギアであり、電動モー
タ50の正逆方向の回転駆動力を、この出力ギア51→
二段式ギアとして形成された中間ギア52の大径ギア5
2a→中間ギア52の小径ギア52b→駆動リング40
のギア部40aの順に伝達して、駆動リング40をその
初期位置から時計方向および反時計方向にそれぞれ回転
駆動し得るように構成されている。
【0102】図3に示すのは、図示実施例のカメラ用シ
ャッタ装置を制御する電気的制御手段60に係るブロッ
ク図である。
【0103】図3において、61はこの電気的制御手段
60を構成するそれ自体公知の適宜の構造を具えた測光
回路であり、その時々の被写界輝度を測定して、その測
光データを後述するシーケンス制御回路63を介して露
出演算回路65に出力し得るように構成されている。
【0104】62は電気的制御手段60を構成するそれ
自体公知の適宜の構成を具えたCPUであり、その内部
に、カメラ並びに図示実施例のカメラ用シャッタ装置を
制御するのに必要な回路プログラムソフト手段、例えば
少なくともシーケンス制御回路63、開口領域判定回路
64、露出演算回路65、出力確認手段66等を有する
ように構成されている。
【0105】シーケンス制御回路63は、カメラを通常
の用い方(例えば測光動作および自動測距動作を含む)
で電気的に制御するのに必要な基本的な撮影シーケンス
と、図示実施例のカメラ用シャッタ装置をその目的に適
合し得るように制御するシャッタ作動シーケンス(以
下、両者を総称して「撮影シーケンス」という)とを制
御し得るシーケンス制御回路として構成されている。
【0106】開口領域判定回路64は、露出演算回路6
5からの出力に基づいて、そのときの露光条件が、アパ
ーチャ開口Sa より小さい絞り開口(三角開口波形)で
の露光動作ないし撮影動作を行うべき露光条件(輝度)
であるか、或いは、アパーチャ開口Sa (台形開口波
形)での露光動作を行うべき露光条件であるかを判定す
るための回路である。
【0107】なお、開口領域判定回路64における判定
演算の実行と、露出演算回路65における適正絞り値お
よび適正シャッタ秒時値の演算の実行との関係は、いず
れを先に実行してもよい関係のものであるから、これら
の実行順位は、設計の段階で任意に設定することがで
き、さらに、開口領域判定回路64による判定演算を、
露出演算回路65において適正絞り値および適正シャッ
タ秒時値の演算と一緒に実行するように構成することも
可能であることを付記する。
【0108】露出演算回路65は、カメラ用シャッタ装
置を制御するための種々の演算を実行するように構成さ
れている。以下、露出演算回路65での演算について、
第1群羽根11、12および第2群羽根21、22のそ
れぞれの開閉動作と関連させながら、且つ、図6および
図8をも参照しながら説明する。
【0109】[アパーチャ開口Sa より小さい絞り開口
をもって露光動作を行うべき条件下における第1群羽根
11、12および第2群羽根21、22の開閉動作] (A) アパーチャ開口Sa より小さい絞り開口をもっ
て露光動作を行うべき条件下(「小絞り時の露光動作を
行うべき条件下」という)においては、電動モータ50
の正方向への回転駆動力により、駆動リング40と絞り
リング30とが一体になって、それぞれの初期位置から
時計方向に後述する小絞り時回動量だけ回動したとき
に、第1群羽根11、12を、閉じ位置から第1群ピン
ホール位置およびその時々の適正絞り値を実現し得る絞
り開口位置(以下、「適正絞り開口位置」という)Sを
経て、後述するその時々の第1群羽根過剰開き位置S1
まで開くように構成されている。
【0110】この場合、その時々の第1群羽根過剰開き
位置S1 は、その時々の適正絞り開口位置Sの開口レベ
ルを適宜の量だけ超えた開口レベル位置にそれぞれ設定
されるように予め構成され、また、駆動リング40のそ
の時々の小絞り時回動量は、第1群羽根11、12を閉
じ位置からその時々の第1群羽根過剰開き位置S1 まで
開かせ得る回動量として設定されることになる。
【0111】この結果、小絞り時の露光動作を行うべき
条件下における第1群羽根11、12の開閉範囲は、例
えばカメラの開放絞り値が例えばF2.5 であり、開放絞
り値の1段前に設定された前段絞り値が例えばF2.8 で
あったと仮定すると、閉じ位置から前段絞り値F2.8 に
対応した過剰開き位置までの範囲となる。
【0112】そして、その時々の第1群羽根過剰開き位
置S1 まで開いた第1群羽根11、12は、予め設定さ
れた小絞り時の閉じ動作開始時点Rにおいて、絞りリン
グ30に付与された付勢ばね34の付勢力により閉じ位
置に向って閉じ動作を開始するように構成されている。
【0113】この場合、前述した小絞り時の閉じ動作開
始時点Rは、第2群羽根21、22がその閉じ位置から
少なくとも第2群ピンホール位置を超えた位置まで開い
た後の時点に設定されるように構成されている。なお、
適正絞り開口位置Sと第1群羽根過剰開き位置S1 との
関係、並びに、前述した小絞り時の閉じ動作開始時点R
については、後出の「動作ないし作用」の項において改
めて説明する。
【0114】(B) 図示実施例では、駆動リング40
のその時々の小絞り時回動量と、絞りリング30のカム
型ラチェット歯列33と、係止レバー35のラチェット
爪部35aとの3者の関係について、次のように設定し
ている。
【0115】すなわち、駆動リング40(絞りリング3
0でもある)がその時々の小絞り時回動量だけ回動した
ときに、係止レバー35のラチェット爪部35aが、そ
の時々の第1群羽根過剰開き位置S1 に対応したカム型
ラチェット歯列33の特定歯を係止し得るように設定さ
れている。
【0116】そして、駆動リング40が小絞り時の露光
動作を行うべき条件下における最も大きい過剰開き位置
に対応した回動量(例えば前段絞り値F2.8 に対応した
過剰開き位置に対応した回動量)だけ回動したときに
は、係止レバー35のラチェット爪部35aが、カム型
ラチェット歯列33のN−1歯目の特定歯を係止し得る
ように設定されている。
【0117】この結果、小絞り時の露光動作を行うべき
条件下における絞りリング30の回動範囲は、最大にお
いて、初期位置からカム型ラチェット歯列33のN−1
歯目の特定歯がラチェット爪部35aに係止され得る位
置(以下、N−1歯位置という)までの範囲に限定され
ることになる。
【0118】(C) 一方、第2群羽根21、22は、
第1群羽根11、12がその時々の第1群羽根過剰開き
位置S1 まで開いた後の時点に予め設定された所定の時
点(以下、「第2群羽根21、22の開き動作開始時点
P」という)において、電動モータ50の逆方向への回
転駆動力により、閉じ位置から第2群ピンホール位置を
経て、その時々の小絞り時第2群羽根過剰開き位置S2
まで開くように構成されている。
【0119】この場合、第2群羽根21、22の開き動
作開始時点Pの位置は、第2群羽根21、22の閉じ位
置と同じ位置か、または、第2群ピンホール位置よりも
閉じ位置に近い側の他の位置に設定されるが、これは設
計の段階で任意に決定し得るものである。なお、この開
き動作開始時点Pの具体的な設定方法については、後出
の「動作ないし作用」の項で詳しく説明する。
【0120】一方、その時々の小絞り時第2群羽根過剰
開き位置S2 は、第1群羽根11、12のその時々の第
1群羽根過剰開き位置S1 を超えた適宜の開口レベル位
置に設定されるように予め構成しておくものとする。
【0121】そして、その時々の小絞り時第2群羽根過
剰開き位置S2 まで開いた第2群羽根21、22は、電
動モータ50が小絞り時の逆→正反転タイミングで反転
した後の時点において、第2群羽根駆動レバー25に付
与された付勢ばね27の付勢力により、閉じ位置に向っ
て閉じ動作を開始するように構成されている。なお、小
絞り時の逆→正反転タイミングについては、設計の段階
で適宜の時点に設定されることになる。
【0122】この結果、小絞り時の露光動作を行うべき
条件下における第2群羽根21、22の最も大きい開閉
範囲は、例えばカメラの開放絞り値が、例えばF2.5 で
あり、前段絞り値が例えばF2.8 であったと仮定する
と、閉じ位置から前段絞り値F2.8 に係る第1群羽根過
剰開き位置S1 に対応した小絞り時第2群羽根過剰開き
位置S2 までの範囲となる。なお、図示実施例では、第
2群ピンホール位置をもって適正露光量を形成するとき
のタイミング基準位置として設定している。
【0123】[アパーチャ開口Sa より小さい絞り開口
をもって露光動作を行うべき条件下における露出演算回
路65での演算] (D) 開口領域判定回路64からアパーチャ開口Sa
より小さい絞り開口をもって露光動作を行うべき露光条
件であるとの判定結果が出力されたときには、露出演算
回路65は、測光回路61から出力された測光データに
基づいて、その時々の被写体輝度に適合した適正EV値
に係る適正絞り値を演算する。
【0124】そして、第1群羽根11、12を閉じ位置
からその時々の第1群羽根過剰開き位置S1 まで開かせ
るために必要な駆動リング40(絞りリング30)の時
計方向への小絞り時回動量を演算し、さらに、この駆動
リング40の小絞り時回動量を得るのに必要な電動モー
タ50の初期位相からの正方向回転数(以下、「小絞り
時開口回転数」という)と、この回転数を実現し得る正
方向駆動パルス数とを演算する。
【0125】また、例えば同時に、駆動リング40を小
絞り時回動量だけ回動した後の位置から初期位置に反時
計方向に回動させるのに必要な電動モータ50の逆方向
回転数(以下、「小絞り時復帰回転数」という)と、こ
の回転数を実現し得る逆方向駆動パルス数とを演算す
る。
【0126】なお、当然のことながら、小絞り時復帰回
転数は回転方向は異なるとしても小絞り時開口回転数と
同じ回転数となり、小絞り時開口回転数の最大数および
小絞り時復帰回転数の最大数は、例えばカメラの開放絞
り値が例えばF2.5 であり、前段絞り値が例えばF2.8
であったと仮定すると、いずれも、駆動リング40を閉
じ位置と最も大きい過剰開き位置(例えば前段絞り値F
2.8 に係る過剰開き位置)に対応する位置との間を往復
回動させるときの回転数となる。
【0127】(E) その時々の小絞り時開口回転数だ
け回転し終った時点で電動モータ50の回転方向を正方
向から逆方向に反転させるように、小絞り時の正→逆反
転タイミングを設定するように演算する。
【0128】(F) 第2群羽根21、22を閉じ位置
からその時々の小絞り時第2群羽根過剰開き位置S2 ま
で開かせるのに必要な駆動リング40の反時計方向への
回動量(以下、「第2群羽根過剰開き回動量」という)
を演算し、さらに、この駆動リング40の小絞り時第2
群羽根過剰開き回動量を得るのに必要な電動モータ50
の初期位相からの逆方向回転数(以下、「小絞り時第2
群羽根過剰開き回転数」という)と、この回転数を実現
する逆方向駆動パルス数とを演算する。
【0129】また、例えば同時に、駆動リング40を小
絞り時第2群羽根過剰開き回動量だけ反時計方向に回動
した後の位置から初期位置に時計方向に復帰させるのに
必要な電動モータ50の正方向回転数(以下、「小絞り
時第2群羽根復帰回転数」という)と、この回転数を実
現する正方向駆動パルス数とを演算する。
【0130】なお、当然のことながら、小絞り時第2群
羽根復帰回転数は、回転方向は異なるとしても小絞り時
第2群羽根過剰開き回転数と同じ回転数となる。
【0131】(G) 電動モータ50をこのときの逆方
向回転後の位相から正方向回転に反転させるときの小絞
り時の逆→正反転タイミングを、例えば電動モータ50
が初期位相からその時々の小絞り時第2群羽根過剰開き
回転数だけ回転し終った時点に設定するように演算す
る。
【0132】なお、この小絞り時の逆→正反転タイミン
グは、後述するように、第1群羽根11、12がその時
々の第1群羽根過剰開き位置S1 から実質的に第1群ピ
ンホール位置まで閉じた時点の後に設定すればよいもの
である。
【0133】[アパーチャ開口Sa をもって露光動作を
行うべき条件下における第1群羽根11、12および第
2群羽根21、22の開閉動作] (a) 駆動リング40と絞りリング30とが、電動モ
ータ50の正方向への回転駆動力により、各々の初期位
置から時計方向に向ってアパーチャ開口実現回動量(後
述する)だけ回動したとき、第1群羽根11、12が、
閉じ位置から第1群ピンホール位置およびアパーチャ開
口Sa を経て、予め設定された第1群羽根最大過剰開き
位置S1 ′まで開くように構成されている。
【0134】この場合、第1群羽根最大過剰開き位置S
1 ′は、アパーチャ開口Sa の位置を適宜の量だけ超え
た開口レベル位置、例えば、カメラの開放絞り値がF2.
5 であったと仮定すると、この開放絞り値F2.5 に対応
する過剰開き位置として設定され、また、駆動リング4
0のアパーチャ開口実現回動量は、第1群羽根11、1
2を閉じ位置からこの第1群羽根最大過剰開き位置S1
′まで開かせ得る時計方向への回動量として設定され
る。
【0135】(b) 駆動リング40(絞りリング30
でもある)がアパーチャ開口実現回動量だけ回動した後
は、小絞り時の露光動作を行うべき条件下での場合と同
様に、駆動リング40のみが、電動モータ50の逆方向
への回転駆動力により、第1群羽根最大過剰開き位置S
1 ′に対応する位置から反時計方向に回動して初期位置
に復帰する。
【0136】このとき、絞りリング30が、係止レバー
35のラチェット爪部35aによりアパーチャ開口実現
回動量だけ回動したときの位置に係止されて、第1群羽
根11、12を、第1群羽根最大過剰開き位置S1 ′に
おいて開いた状態のままに保持するように構成されてい
る。
【0137】この場合、図示実施例では、駆動リング4
0のアパーチャ開口実現回動量と、絞りリング30のカ
ム型ラチェット歯列33と、係止レバー35のラチェッ
ト爪部35aとの3者の関係について、次のように設定
している。
【0138】駆動リング40がアパーチャ開口実現回動
量だけ回動したときに、絞りリング30のカム型ラチェ
ット歯列33のN歯目の特定歯が、係止レバー35のラ
チェット爪部35aによって係止され得る位置(以下、
「N歯位置」という)に位置するように予め設定して置
く。すなわち、アパーチャ開口Sa をもって露光動作を
行うべき条件下における絞りリング30の回動範囲を、
初期位置からN歯位置までの範囲となるように設定して
置く。
【0139】(c) 初期位置に復帰した駆動リング4
0は、引続く電動モータ50の逆方向への回転駆動力に
より、復帰後の初期位置からさらに反時計方向に向って
2段階に回動する。
【0140】そして、駆動リング40の第1段目の反時
計方向への回動動作により、第2群羽根21、22を、
閉じ位置から第2群ピンホール位置およびアパーチャ開
口Sa を経て、第2群羽根アパーチャ開口実現位置(第
1群羽根最大過剰開き位置S1 ′と同じ符号を用いる)
まで開かせる。
【0141】この場合、図示実施例では、第2群羽根2
1、22の閉じ位置をもって第2群羽根21、22の開
き動作開始時点Pの位置となし、また、第2群羽根アパ
ーチャ開口実現位置S1 ′を、例えば、前述した第1群
羽根11、12に係る第1群羽根最大過剰開き位置S1
′と同じ開口レベル位置に設定するように予め構成さ
れている。
【0142】(d) 第2群羽根21、22が第2群羽
根アパーチャ開口実現位置S1 ′まで開くと、予め設定
された所定時間の経過後に、駆動リング40の第2段目
の反時計方向への回動動作により、係止レバー35のラ
チェット爪部35aによる絞りリング30への係止作用
を解除する。
【0143】そして、予め設定された開放絞り時の閉じ
動作開始時点R′において、第1群羽根最大過剰開き位
置S1 ′に開いていた第1群羽根11、12を、絞りリ
ング30に付与された付勢ばね34の付勢力によって第
1群羽根最大過剰開き位置S1 ′から閉じ位置に復帰さ
せるように構成されている。
【0144】この結果、アパーチャ開口Sa をもって露
光動作を行うべき条件下における第2群羽根21、22
の最大開閉範囲は、閉じ位置と第2群羽根最大過剰開き
位置S2 ′(図8参照)との間の範囲となる。
【0145】[アパーチャ開口Sa をもって露光動作を
行うべき露光条件における露出演算回路65での演算] (e) 開口領域判定回路64からアパーチャ開口Sa
をもって露光動作を行うべき露光条件であるとの判定結
果が出力されたときには、露出演算回路65は、測光回
路61から出力された測光データに基づいて、そのとき
の被写体輝度に適合した適正EV値を実現し得る適正絞
り値と適正シャッタ秒時値との組合せを演算し、さら
に、そのときの適正EV値に適合した適正シャッタ秒時
値を実現するための第1群羽根11、12の閉じ動作開
始時点R′を決定する遅延時間を演算する。
【0146】この場合、図示実施例では、この遅延時間
を、第2群羽根21、22が閉じ位置から開き動作を開
始した時点(すなわち、開き動作開始時点P)から起算
される遅延時間として演算している。
【0147】しかし、演算された遅延時間は、あくまで
シーケンス制御的な遅延時間であり、露光条件的には、
第2群羽根21、22が第2群ピンホール位置に至った
時点から起算される遅延時間として演算されるものであ
ることを付記する。
【0148】(f) 第1群羽根11、12を閉じ位置
から第1群羽根最大過剰開き位置S1 ′まで開かせるた
めに必要な駆動リング40のアパーチャ開口実現回動量
を演算し、さらに、このときの駆動リング40の時計方
向への回動量を得るのに必要な電動モータ50の初期位
相からの正方向回転数(以下、「アパーチャ開口実現回
転数」という)と、この回転数を実現し得る正方向駆動
パルス数とを演算する。
【0149】また、例えば同時に、駆動リング40をこ
のアパーチャ開口実現回動量後の位置から初期位置に復
帰させるのに必要な電動モータ50の逆方向回転数(以
下、「逆方向初期位置復帰回転数」という)と、この回
転数を実現し得る逆方向駆動パルス数とを演算する。な
お、当然のことながら、逆方向初期位置復帰回転数は、
回転方向は異なるとしてもアパーチャ開口実現回転数と
同じ回転数となる。
【0150】(g) このアパーチャ開口実現回転数だ
け回転し終った時点で電動モータ50の回転方向を正方
向から逆方向に反転させるように、アパーチャ開口時の
正→逆反転タイミングを設定するように演算する。
【0151】(h) 第2群羽根21、22を閉じ位置
から第2群羽根アパーチャ開口実現位置S1 ′まで開か
せるのに必要な駆動リング40の反時計方向への回動量
(以下、「第2群羽根アパーチャ開口実現回動量」とい
う)を演算し、さらに、このときの駆動リング40の時
計方向への回動量を得るのに必要な電動モータ50の初
期位相からの逆方向回転数(以下、「第2群羽根アパー
チャ開口実現回転数」という)と、この回転数を実現し
得る逆方向駆動パルス数とを演算する。
【0152】この場合、駆動リング40の第2群羽根ア
パーチャ開口実現回動量は、駆動リング40が初期位置
からこの第2群羽根アパーチャ開口実現回動量だけ反時
計方向に回動したときに、駆動リング40上の第2タイ
ミングピン43が、N歯目の特定歯を係止している係止
レバー35の第2タイミングカム面35bに当接しない
ような回動量として設定されることになる。
【0153】(i) 第2群羽根21、22を第2群羽
根アパーチャ開口実現位置S1 ′からさらに第2群羽根
最大過剰開き位置S2 ′に開かせるために必要な駆動リ
ング40の回動量(以下、「第2群羽根最大過剰開き回
動量」という)を演算し、さらに、このときの駆動リン
グ40の反時計方向への回動量を得るのに必要な電動モ
ータ50の逆方向回転数(以下、「第2群羽根最大過剰
開き回転数」という)と、この回転数を実現し得る逆方
向駆動パルス数とを演算する。
【0154】この場合、駆動リング40の第2群羽根最
大過剰開き回動量は、図示実施例では、絞りリング30
を、カム型ラチェット歯列33の1歯分に相当する角度
だけ、N歯目の特定歯から回動するための回動量として
設定され、また、電動モータ50の第2群羽根最大過剰
開き回転数は、このときの駆動リング40の第2群羽根
最大過剰開き回動量を実現し得るだけの回転数として設
定されている。
【0155】(j) 第2群羽根21、22を、第2群
羽根アパーチャ開口実現位置S1 ′からさらに第2群羽
根最大過剰開き位置S2 ′まで開かせるときのタイミン
グを、前述した開放絞り時の閉じ動作開始時点R′に設
定するように演算する。なお、以下の説明では、このと
きのタイミングをアパーチャ開口時の第1群閉じタイミ
ングと称することにする。
【0156】(k) 第2群羽根アパーチャ開口実現回
動量と第2群羽根最大過剰開き回動量との合計量だけ回
動した駆動リング40を、第2群羽根21、22の第2
群羽根最大過剰開き位置S2 ′に対応した回動位置から
初期位置に復帰させるための時計方向への回動量(以
下、「駆動リングリセット回動量」という)を演算し、
さらに、このときの駆動リング40の時計方向への回動
量を得るのに必要な電動モータ50の正方向回転数(以
下、「駆動リングリセット回転数」という)と、この回
転数を実現し得る逆方向駆動パルス数とを演算する。
【0157】なお、駆動リングリセット回転数は、回転
方向は異なるが、前述した第2群羽根アパーチャ開口実
現回転数と第2群羽根最大過剰開き回転数とを合計した
回転数と同じ回転数となる。
【0158】(l) 第2群羽根アパーチャ開口実現回
動量と第2群羽根最大過剰開き回動量との合計量だけ回
動した駆動リング40を、第2群羽根21、22の第2
群羽根最大過剰開き位置S2 ′に対応した回動位置から
初期位置に復帰させるときのタイミング、すなわち、電
動モータ50の回転方向を逆方向から正方向に反転させ
るときの反転タイミング(以下、「アパーチャ開口時の
逆→正反転タイミング」という)を、第1群羽根11、
12が少なくとも実質的に第1群ピンホール位置に至っ
た後の適宜の時点に設定するように演算する。
【0159】なお、第1群羽根11、12が第1群ピン
ホール位置に至った後の適宜の時点については、第1群
羽根11、12の閉じ動作により露光終了が確認された
後であれば何時の時点に設定してもよいものであるが、
撮影シーケンスの短時間化を考慮して可能な限り早い時
点に設定するものとする。
【0160】また、その具体的な設定方法としては、例
えば、前述した開放絞り時の閉じ動作開始時点R′を決
定する遅延時間を基準とし、且つ、これに第1群羽根1
1、12の閉じ動作時間を加味して設定するようにす
る。
【0161】(m) 電動モータ50が、第2群羽根ア
パーチャ開口実現回転数と第2群羽根最大過剰開き回転
数との合計回転数だけ回転したときの位相から、駆動リ
ングリセット回転数だけ正方向に回転し終った時点で、
電動モータ50の回転駆動を停止させるように演算す
る。
【0162】ところで、出力確認手段66は、露出演算
回路65からの正方向および逆方向の駆動パルスが実際
に出力されたか否かを、例えば電気的または光電的に確
認する手段であり、それ自体公知の適宜の構造または方
法を用いた手段として構成されている。
【0163】この場合、出力確認手段66を、例えば第
1群および/または第2群羽根(11、12)、(2
1、22)の各々の初期位置および必要とする開き位置
に、それ自体公知の適宜の構造を具えた、例えば光電位
置検出手段をそれぞれ設置すると共に、この光電位置検
出手段からの出力をシーケンス制御回路63に入力する
ようにして、第1群および/または第2群羽根(11、
12)、(21、22)の開閉動作を監視し得る手段と
して構成することも可能である。
【0164】67は電気的制御手段60を構成するそれ
自体公知の適宜の構造を具えたモータ駆動制御回路であ
り、シーケンス制御回路63を介して露出演算回路65
から指令された正方向駆動パルス数または逆方向駆動パ
ルス数に基づいて、電動モータ50を回転駆動し得るよ
うに構成されている。
【0165】次に、図示実施例のカメラ用シャッタ装置
の動作ないし作用について、図4のフロー図に従って説
明する。
【0166】カメラを作動状態にセットすると共に、例
えば2段ストローク式に構成されたシャッタレリーズ操
作部材(図示なし)を第1段ストロークだけ操作して、
測光動作を開始させる[ステップ1]。
【0167】このように操作すると、測光回路61が、
先ずそのときの被写体に係る測光データを開口領域判定
回路64および露出演算回路65に出力するため、露出
演算回路65は、この測光データに基づいて、そのとき
の被写界に対する適正絞り値および適正シャッタ秒時値
とを演算する[ステップ2]。
【0168】このとき、実質的同時に、開口領域判定回
路64が、この測光データに基づいてそのときの露光動
作条件を判定し、その判定結果をシーケンス制御回路6
3に出力する[ステップ3]。
【0169】[アパーチャ開口Sa より小さい開口をも
っての露光動作]開口領域判定回路64からの判定結果
が、アパーチャ開口Sa より小さい絞り開口をもって露
光動作を行うべき条件下にあるという結果であれば、ユ
ーザーは、この状態でシャッタレリーズ操作部材の第2
段ストロークを操作してカメラ用シャッタ装置を始動す
る。
【0170】カメラ用シャッタ装置が始動されると、先
ず、シーケンス制御回路63は、露出演算回路65に対
して、前述した(D)項〜(G)項の演算を実行するよ
うに指令し、同時に、モータ駆動制御回路67に対し
て、露出演算回路65からの演算出力に基づいて電動モ
ータ50を回転駆動するように指令する。
【0171】この場合、そのときの被写界に対する適正
絞り値が例えばF5.6 であったと仮定すると、モータ駆
動制御回路67は、先ず露出演算回路65から出力され
たそのときの小絞り時開口回転数(F5.6 対応開口回転
数)をもって、電動モータ50を初期位相から正方向に
回転駆動することになる[ステップ4]。
【0172】そのため、電動モータ50は、このときの
小絞り時開口回転数だけ回転して、その正方向の回転力
を、出力ギア51→中間ギア52の大径ギア52a→中
間ギア52の小径ギア52b→駆動リング40のギア部
40a(以下、「出力ギア51→ギア部40a」とい
う)を経て駆動リング40に伝達する。
【0173】さて、駆動リング40がそのときの小絞り
時回動量だけ初期位置から時計方向に回動すると、駆動
リング40上の一方向連動ピン41が絞りリング30の
一方向連動部32を押動して、絞りリング30を付勢ば
ね34の付勢力に抗して駆動リング40と一体的に時計
方向に強制回動させる。
【0174】このとき、絞りリング30の回動過程にお
いて、駆動リング40のカム型ラチェット歯列33の各
歯が、係止レバー35のラチェット爪部35aを付勢ば
ね37の付勢力に抗して次々と押上げながら変位して行
く。従って、絞りリング30の時計方向への回動動作
は、ラチェット爪部35aに妨害されることなく予定通
りに行われることになる。
【0175】このようにして、絞りリング30と駆動リ
ング40とが一体となって回動すると、その回動過程に
おいて、絞りリング30上の絞り設定カム溝31がその
カム作用をもって中間伝達ピン18を光軸Oから離れる
方向に変位させて、第1群羽根駆動レバー15を反時計
方向に揺動させる。
【0176】そのため、第1群羽根駆動レバー15は、
このときの揺動動作により、第1群羽根駆動ピン17を
光軸Oからほぼ放射方向に向って変位させ、この第1群
羽根駆動ピン17と第1群羽根カム溝11a、12aと
の相互カム作用をもって、第1群羽根11、12に所定
の開き動作を行わせる。
【0177】その結果、各々の第1群羽根11、12
は、各々の閉じ位置(初期位置)から互いに反対方向に
向って開き動作を行い、第1群ピンホール位置および適
正絞り開口位置Sを経て、そのときの適正絞り値F5.6
に係る第1群羽根過剰開き位置S1 (例えば図6の一点
鎖線で示す開口レベルの位置)まで開くことになる。
【0178】しかし、この第1群羽根11、12の開き
動作の過程では、第2群羽根21、22が閉じ位置に保
持された状態を保つように構成されているから、この時
点では未だフィルム面に対する露光が行われないことに
なる。
【0179】そして、このような経過を辿る間に、出力
監視手段66は、小絞り時開口回転数を実現する正方向
駆動パルスが演算値通りに露出演算回路65から出力さ
れか否かを確認し、その確認結果をシーケンス制御回路
63に出力する[ステップ5]。
【0180】さて、絞りリング30がそのときの小絞り
時回動量だけ回動すると、シーケンス制御回路63は、
モータ駆動制御回路67に対して、電動モータ50の回
転方向を小絞り時の正→逆反転タイミングをもって直ち
に正方向から逆方向に反転させ、且つ、小絞り時復帰回
転数を実現する逆方向駆動パルス数をもって電動モータ
50を回転駆動するように指令する。
【0181】そのため、モータ駆動制御回路67は、そ
のときの小絞り時開口回転数だけ回転し終った時点で、
直ちに電動モータ50の回転方向を反転させると共に、
電動モータ50を、そのときの小絞り時復帰回転数だけ
逆方向に回転させるように制御する。
【0182】従って、電動モータ50は、小絞り時の正
→逆反転タイミングで反転し、その逆方向の回転力を、
出力ギア51→ギア部40aを経て駆動リング40に伝
達して、駆動リング40を適正絞り値F5.6 に係る第1
群羽根過剰開き位置S1 から反時計方向に回動させる。
【0183】このとき、駆動リング40上の一方向連動
ピン41が絞りリング30の一方向連動部32から離れ
る方向に向って変位するので、今迄、付勢ばね34の付
勢力により駆動リング40と一体的に回動するように係
接していた絞りリング30も、駆動リング40の反時計
方向への回動に追従して同時に反時計方向に回動しよう
とする。
【0184】しかし、このときには、係止レバー35の
ラチェット爪部35aが、付勢ばね37の付勢力によっ
て、カム型ラチェット歯列33の適正絞り値F5.6 に係
る第1群羽根過剰開き位置S1 に対応する特定歯に食い
込むことになるため、絞りリング30の反時計方向への
回動動作は、この適正絞り値F5.6 に係る第1群羽根過
剰開き位置S1 でラチェット爪部35aにより強制的に
阻止されることになる。
【0185】この場合、小絞り時の露光動作を行うべき
条件下での特定歯の位置は、カム型ラチェット歯列33
の第1歯からN−1歯の間に位置となる。
【0186】なお、図示実施例では、絞りリング30の
回動量を構成する単位ステップ角度と、カム型ラチェッ
ト歯列33の1歯当りのピッチ角度とを同一角度に設定
しているので、絞りリング30は、所謂「半歯ずれ現
象」を起すことなく、ラチェット爪部35aにより所定
の位置に精確に係止されることになる。
【0187】図5はこのときの状態を示している。すな
わち、係止レバー35が、カム型ラチェット歯列33の
基礎カム面のカム作用により、付勢ばね37の付勢力に
抗して、既にその初期位置(図の一点鎖線で示す位置)
から実線で示す係止位置まで枢軸36の周りを反時計方
向に回動し終って、絞りリング30が適正絞り値F5.6
に係る第1群羽根過剰開き位置S1 に対応する回動位置
に保持され、第1群羽根11、12が適正絞り値F5.6
に係る第1群羽根過剰開き位置S1 まで開き、さらに、
駆動リング40のみが、その初期位置に向って反時計方
向に回動を開始しようとしている状態を示している。
【0188】このようにして、駆動リング40が適正絞
り値F5.6 に係る第1群羽根過剰開き位置S1 に対応す
る位置から初期位置に復帰すると、シーケンス制御回路
63は、モータ駆動制御回路67に対して、引続いて、
適正絞り値F5.6 に係る小絞り時第2群羽根過剰開き回
転数を実現する逆方向駆動パルス数をもって電動モータ
50をさらに回転駆動するように指令する。
【0189】そのため、電動モータ50は適正絞り値F
5.6 に係る小絞り時第2群羽根過剰開き回転数だけ回転
し、その逆方向回転力を出力ギア51→ギア部40aの
伝達経路を介して駆動リング40に伝達して、駆動リン
グ40を初期位置から小絞り時第2群羽根回動量だけ反
時計方向に回動させる。
【0190】このとき、駆動リング40上の第1タイミ
ングピン42が第2群羽根駆動レバー25の第1タイミ
ングカム面25aに当接して、第2群羽根駆動レバー2
5を、その初期位置から適正絞り値F5.6 に係る小絞り
時第2群羽根開き終了位置に対応する位置まで、付勢ば
ね27の付勢力に抗して枢軸26の周りに反時計方向に
揺動させる。
【0191】このようにして第2群羽根駆動レバー25
が反時計方向に揺動すると、第2群羽根駆動レバー25
上の第2群羽根駆動ピン28が、第2群羽根21、22
の第2群羽根カム溝21a、22a内を変位して、第2
群羽根21、22を第2群ピンホール位置を経て目的と
する開き位置まで開かせる。
【0192】そして、第2群羽根21、22が第2群ピ
ンホール位置に至った時点で、撮影光が、既に開いてい
る第1群羽根11、12の形成開口と第2群羽根21、
22のピンホールとを通ってフィルム面に入射して、所
定の露光を開始する。
【0193】ところで、駆動リング40のみが、その正
方向回動後の位置から初期位置に向って反時計方向に回
動する過程においては、駆動リング40上の第2タイミ
ングピン43が、図5の状態を経て係止レバー35の第
2タイミングカム面35bに当接して、係止レバー35
を付勢ばね37の付勢力に抗して枢軸36の周りに反時
計方向に押動することになる。
【0194】そのため、今迄、絞りリング30を適正絞
り値F5.6 に係る第1群羽根過剰開き位置S1 に対応す
る回動位置に係止していた係止レバー35のラチェット
爪部35aが、この第2タイミングピン43による係止
レバー35への押動作用によりカム型ラチェット歯列3
3から離れて、適正絞り値F5.6 に係る第1群羽根過剰
開き位置S1 に対応する特定歯に対する係止作用を解除
する。
【0195】従って、絞りリング30も、この時点(小
絞り時の閉じ動作開始時点R)で、付勢ばね34の付勢
力により、適正絞り値F5.6 に係る第1群羽根過剰開き
位置S1 に対応する位置から反時計方向に向って回動を
開始し、自身の初期位置を通り越して、絞りリング30
の一方向連動部32が駆動リング40上の一方向連動ピ
ン41と当接する位置に向って回動を続けることにな
る。
【0196】そして同時に、絞りリング30上の絞り設
定カム溝31も反時計方向に変位して、第1群羽根駆動
レバー15、第1群羽根駆動ピン17、中間伝達ピン1
8を介して、第1群羽根11、12を適正絞り値F5.6
に係る第1群羽根過剰開き位置S1 から閉じ位置に向っ
て閉ざし始める。
【0197】ところで、第1群羽根11、12が閉じ動
作を行う時間帯は、同時に、第2群羽根21、22が前
述したようにその閉じ位置(開き動作開始時点Pの位
置)から開き動作を行う時間帯でもあるので、図6に示
すように、閉じ動作を行う第1群羽根11、12と開き
動作を行う第2群羽根21、22とが、それぞれの運動
途中において互いに交叉することになる。
【0198】この場合、第1群羽根11、12と第2群
羽根21、22との運動交叉点の位置は、前述した小絞
り時の閉じ動作開始時点Rと第2群羽根21、22の開
き動作開始時点Pとの時系列間隔(時間差)の如何によ
って決定されることになるから、この2つの動作開始時
点R、Pの時間差を適正に選択(制御)しさえすれば、
第1群羽根11、12と第2群羽根21、22との運動
交叉点を、適正絞り値F5.6 の三角開口波形を実現し得
る開口レベルの位置に設定することが可能になる。
【0199】しかも、第1群羽根11、12と第2群羽
根21、22との運動交叉点の位置をこのように設定し
たときには、第1群羽根11、12の閉じ動作が適正絞
り値F5.6 に係る第1群羽根過剰開き位置S1 から開始
されることになるから、運動交叉点での第1群羽根1
1、12の閉じ動作速度が、2組のシャッタ羽根を用い
た従来のシャッタ装置の場合の閉じ動作速度よりも速く
なり、従来のようなフラット領域を除去し得ることにな
る。
【0200】そのため、図示実施例では、第1群羽根1
1、12と第2群羽根21、22との運動交叉点が、そ
の時々の適正絞り値に応じた三角開口波形を実現し得る
それぞれの開口レベルの位置と一致し得るように、予
め、第1群羽根11、12の小絞り時の閉じ動作開始時
点Rと第2群羽根21、22の開き動作開始時点Pとの
時間差を機構的な手段で設定するように構成している。
【0201】この結果、図示実施例では、その時々の適
正EV値に係る三角開口波形の適正露光量を実現し得る
適正絞り値(現在説明中の場合にはF5.6 )に対応する
絞り開口が、第1群羽根11、12の閉じ動作と第2群
羽根21、22の開き動作とによって形成されることに
なる。
【0202】なお、以下の説明では、このようにして設
定された運動交叉点を適正絞り値交叉点と称することに
するが、この適正絞り値交叉点を実現するための小絞り
時の閉じ動作開始時点Rと開き動作開始時点Pとの具体
的な設定方法については、後述する。
【0203】そして、このようにして適正絞り値交叉点
で互いに交叉した第1群羽根11、12と第2群羽根2
1、22とは、第1群羽根11、12の場合には、絞り
リング30に付与された付勢ばね34の付勢力により第
1群ピンホール位置を経て閉じ位置に復帰し、第2群羽
根21、22の場合には、適正絞り値F5.6 に係る小絞
り時第2群羽根開き終了位置まで開くことになる。
【0204】この場合、適正絞り値交叉点の位置におい
て、そのときの適正EV値に係る適正絞り値F5.6 を実
現する適正絞り開口が形成され、また、第1群羽根1
1、12の第1群ピンホール位置への復帰時点において
そのときの適正絞り値F5.6 と組合せられる適正シャッ
タ秒時値が形成されることになって、ここに、そのとき
の適正EV値を実現する三角開口波形の適正露光量(図
6に示すEVの露光面積)が得られることになる。
【0205】この場合の三角開口波形を1組のシャッタ
羽根を用いた従来型のシャッタ装置の三角開口波形と比
べると、例えば図9に示すような結果となる。これは、
図示実施例のカメラ用シャッタ装置におけるシャッタ秒
時t2 が、従来型のシャッタ装置におけるシャッタ秒時
t1 に比較して遥かに高速化されることを雄弁に物語る
ものである。
【0206】そして、このような経過を辿る間に、出力
監視手段66は、小絞り時復帰回転数を実現する正方向
駆動パルスと、小絞り時第2群羽根過剰開き回転数を実
現する正方向駆動パルスとが、それぞれ演算値通りに露
出演算回路65から出力されか否かを確認して、その確
認結果をシーケンス制御回路63に出力する[ステップ
6]。
【0207】さて、第2群羽根21、22が適正絞り値
F5.6 に係る小絞り時第2群羽根開き終了位置まで開く
と、シーケンス制御回路63は、第1群羽根11、12
が実質的に第1群ピンホール位置に至った後の時点で、
モータ駆動制御回路67に対して、小絞り時の逆→正反
転タイミングをもって電動モータ50の回転方向を逆方
向から正方向に反転させ、且つ、電動モータ50を小絞
り時第2群羽根復帰回転数を実現する正方向駆動パルス
数をもって回転駆動するように指令する。
【0208】そのため、電動モータ50は、この逆→正
反転タイミングで反転し、そのときの正方向回転力を、
出力ギア51→ギア部40aを経て駆動リング40に伝
達して、駆動リング40を、適正絞り値F5.6 に係る小
絞り時第2群羽根開き終了位置に対応する位置から時計
方向に回動させて初期位置に復帰させる。
【0209】この結果、第2群羽根駆動レバー25も、
付勢ばね27の付勢力により駆動リング40の時計方向
への回動動作に追従してその初期位置に復帰し、この復
帰動作の過程で、第2群羽根駆動ピン28と第2群羽根
カム溝21a、22aとのカム作用を介して、第2群羽
根21、22を小絞り時第2群羽根開き終了位置から閉
じ位置に復帰させる。
【0210】そして、図示実施例では、このときの駆動
リング40の時計方向への回動過程において、駆動リン
グ40上の一方向連動ピン41が絞りリング30の一方
向連動部32を時計方向に押回して、絞りリング30を
も同時にその初期位置に復帰させることになる。
【0211】なお、電動モータ50の小絞り時の逆→正
反転タイミングを、第1群羽根11、12が実質的に第
1群ピンホール位置に至った後の時点に設定しているた
め、一度、駆動リング40のカム型ラチェット歯列33
に対する係止を解除された係止レバー35が、再び、そ
のラチェット爪部35aでカム型ラチェット歯列33を
係止するという事故を防止することができる。
【0212】この場合、電動モータ50に対する小絞り
時の逆→正反転タイミング制御を、第1群羽根11、1
2が閉じ位置に復帰した後の時点に設定するように構成
することも可能である。
【0213】そして、このような経過を辿る間に、出力
監視手段66は、小絞り時第2群羽根復帰回転数を実現
する正方向駆動パルスが演算値通りに露出演算回路65
から出力されか否かを確認し、その確認結果をシーケン
ス制御回路63に出力する[ステップ7]。
【0214】この結果、駆動リング40および絞りリン
グ30は、いずれも各々の初期位置に復帰し、第1群羽
根11、12および第2群羽根21、22もそれぞれの
閉じ位置に復帰して、カメラ用シャッタ装置の状態が初
期状態に復帰する。
【0215】従って、この後にそれ自体公知のタイミン
グでフィルム巻上げ装置(図示せず)を作動させれば、
カメラの状態も初期状態に復帰して次回の撮影動作を可
能にする状態に戻ることになる。
【0216】なお、三角開口波形での露光動作の場合に
も、設計の段階で開放絞り開口での露光動作を行い得る
ように構成することができる。この場合、第1群羽根1
1、12は、後述する台形開口波形の場合のような遅延
時間を置かずに閉じ動作を開始することになる。
【0217】ところで、本発明の根幹思想は、アパーチ
ャ開口Sa より小さい絞り開口での露光動作ないし撮影
動作を行うべき露光条件下において、第1群羽根11、
12の小絞り時の閉じ動作開始時点Rと第2群羽根2
1、22の開き動作開始時点Pとの時間差を適正に制御
することにより、開き動作中の第2群羽根21、22と
閉じ動作中の第1群羽根11、12との運動交叉点を前
述した適正絞り値交叉点に設定するという考え方を用い
て、その時々の適正EV値に適合した三角開口波形の適
正絞り値とこれと組合わさせれる適正シャッタ秒時値と
を形成するように構成したことにある。
【0218】そのため、図示実施例では、このような考
え方を実現させる具体的な方法、換言すると前述した適
正絞り値交叉点を得るための具体的な方法を、次のよう
な機構的な時間差設定手段(方法)により達成するよう
に構成している。
【0219】以下、開放絞り値がF2.5 であるカメラを
想定して図示実施例での適正絞り値交叉点の設定方法を
説明する。
【0220】(イ) 小さい絞り開口(例えばF11)で
の露光動作の場合には、第2群羽根21、22がその開
き動作開始時点Pに位置したときにおける、第2タイミ
ングピン43の位置と係止レバー35の第2タイミング
カム面35bの位置との間の角度間隔(すなわち、第1
および第2タイミングピン42、43間の角度間隔)を
小さく設定する。
【0221】すなわち、第2群羽根21、22がその開
き動作開始時点Pに位置したときにおける第1タイミン
グピン42の位置と、第2タイミングピン43が第2タ
イミングカム面35bと当接して、絞りリング30のカ
ム型ラチェット歯列33に対するラチェット爪部35a
の係止を解除する位置とを見込む(挟む)、駆動リング
40の回動中心点(光軸O)からの角度間隔(以下、
「係止解除角度間隔」という)を、小さい絞り開口に対
応する角度間隔に設定するということである。
【0222】このように係止解除角度間隔を設定する
と、駆動リング40がそのときの第1群羽根11、12
の第1群羽根過剰開き位置S1 に対応した位置から、初
期位置を経てそのときの小絞り時第2群羽根開き終了位
置に向って反時計方向に回動復帰する過程で、第2タイ
ミングピン43を早目に第2タイミングカム面35bに
当接させることができ、その結果、絞りリング30のカ
ム型ラチェット歯列33に対するラチェット爪部35a
の係止解除動作を早目に実行させることが可能になる。
【0223】従って、このように構成すれば、図6にお
いて、第2群羽根21、22の開き動作開始時点Pと第
1群羽根11、12の小絞り時の閉じ動作開始時点Rと
の時間差が短くなって、開き動作中の第2群羽根21、
22と閉じ動作中の第1群羽根11、12とを、小さい
絞り開口に対応した適正絞り値交叉点で交叉させること
が可能となり、目的とする例えばF11に適合した絞り開
口を実現することができるからである。
【0224】(ロ) 中間の大きさの絞り開口(例えば
F5.6 )での露光動作の場合には、第2群羽根21、2
2がその開き動作開始時点Pに位置したときにおける係
止解除角度間隔を、前述した小さい絞り開口での露光動
作の場合の係止解除角度間隔よりも大きく設定する。
【0225】このように係止解除角度間隔を設定する
と、駆動リング40がそのときの第1群羽根11、12
の第1群羽根過剰開き位置S1 に対応する位置から、初
期位置を経てそのときの小絞り時第2群羽根開き終了位
置に向って反時計方向に回動復帰する過程での、カム型
ラチェット歯列33に対するラチェット爪部35aの係
止解除時点を、前述した小さい絞り開口の場合に対する
係止解除時点よりも遅く設定することが可能になる。
【0226】従って、このように構成すると、このとき
の第2群羽根21、22の開き動作開始時点Pと第1群
羽根11、12の小絞り時の閉じ動作開始時点Rとの時
間差を、小さい絞り開口での露光動作の場合の時間差よ
りも長くすることが可能となり、このときの第2群羽根
21、22と第1群羽根11、12との適正絞り値交叉
点を、小さい絞り開口における適正絞り値交叉点よりも
アパーチャ開口Sa に近い開口レベルに設定することが
できる。
【0227】そのため、このときの開き動作開始時点P
と小絞り時の閉じ動作開始時点Rとの間の時間差を、カ
ム型ラチェット歯列33の基礎カム面の基準位置を基準
として適正に設定しさえすれば、中間の大きさの絞り開
口に対応した適正絞り値交叉点で交叉させることが可能
になり、目的とする例えばF5.6 に適合した絞り開口を
実現することができることになる。なお、基礎カム面の
基準位置の設定については後述する。
【0228】(ハ) 大きい絞り開口(例えばF2.8 )
での露光動作の場合には、第2群羽根21、22がその
開き動作開始時点Pに位置したときにおける係止解除角
度間隔を、前述した中間の大きさの絞り開口での露光動
作の場合の角度間隔よりもさらに大きく設定する。
【0229】このように係止解除角度間隔を設定する
と、駆動リング40が第1群羽根11、12の第1群羽
根過剰開き位置S1 に対応する位置から、初期位置を経
てそのときの小絞り時第2群羽根開き終了位置に向って
反時計方向に回動復帰する過程での、カム型ラチェット
歯列33に対するラチェット爪部35aの係止解除時点
を、中間の大きさの絞り開口の場合に対する係止解除時
点よりもさらに遅く設定することが可能になる。
【0230】従って、このように構成すると、第2群羽
根21、22の開き動作開始時点Pと第1群羽根11、
12の小絞り時の閉じ動作開始時点Rとの時間差を、中
間の大きさの絞り開口での露光動作の場合における時間
差よりもさらに長くすることができ、このときの第2群
羽根21、22と第1群羽根11、12との適正絞り値
交叉点を、中間の大きさの絞り開口の場合における適正
絞り値交叉点よりもさらにアパーチャ開口Sa に近い開
口レベルに設定することができる。
【0231】そのため、このときの開き動作開始時点P
と小絞り時の閉じ動作開始時点Rとの間の時間差を、カ
ム型ラチェット歯列33の基礎カム面の基準位置を基準
として適正に設定しさえすれば、大きい絞り開口での絞
り開口に対応した適正絞り値交叉点で交叉させることが
可能になり、目的とする例えばF2.8 に適合した絞り開
口を実現することができることになる。
【0232】なお、前述した(ロ)項および(ハ)項に
おけるカム型ラチェット歯列33の基礎カム面の基準位
置は、例えばカム型ラチェット歯列33の第1歯目の位
置や、例えば小さい絞り開口での露光動作の場合におけ
る適正絞り値交叉点との比較において決定された位置等
に設定されるのが好ましい。
【0233】そして、このような考え方に基づいて他の
中間絞り値(F4 やF8 )に係る係止解除角度間隔をそ
れぞれ設定すれば、アパーチャ開口Sa より小さい絞り
開口での露光動作を行うべき露光条件下における全ての
適正絞り値(例えばF2.8 〜F11)を、閉じ動作中にお
ける第1群羽根11、12と開き動作中における第2群
羽根21、22との交叉作用により設定することが可能
になる。
【0234】この場合、適正露光量の精度は、係止解除
角度間隔とカム型ラチェット歯列33の基礎カム面の形
状とに大きく影響されることになるから、図示実施例で
は、第1タイミングピン42と第2タイミングピン43
とをそれぞれ駆動リング40上に固定的に植設し、さら
に、全ての適正絞り値(例えばF2.8 〜F11)に対して
適合し得る係止解除角度間隔が得られるように、カム型
ラチェット歯列33の基礎カム面の形状を精密に設定す
るように構成している。
【0235】すなわち、カム型ラチェット歯列33の基
礎カム面について説明すると、図2に代表して示すよう
に、カム型ラチェット歯列33の基礎カム面の形状を、
絞りリング30の回動角度量が小さいときにはカム量の
作用が小さくなる(基準とする円弧面からの離れる量が
少ないという意味である)ように、且つ、絞りリング3
0の回動角度量が大きくなるときには、回動角度量が大
きくなるにつれてカム量の作用が大きくなる(基準とす
る円弧面からの離れる量が大きくという意味である)よ
うに設定している。
【0236】また、第2群羽根21、22を付勢する付
勢ばね27の付勢力も、適正露光量の精度および耐久性
に大きく影響する要因となるので、その付勢力および構
造の設計に当っては、第1および第2タイミングピン4
2、43間の角度間隔およびカム型ラチェット歯列33
の基礎カム面の形状と併せて適正に設定するものとす
る。
【0237】なお、図示実施例では、係止解除角度間隔
の設定を、第1および第2タイミングピン42、43間
の角度間隔と、カム型ラチェット歯列33の基礎カム面
の形状とで形成するように構成しているが、次のように
構成することもできる。
【0238】すなわち、先ず、カム型ラチェット歯列3
3を通常のラチェット歯列と同じように円弧面に形成す
ると共に、係止レバー35の第2タイミングカム面35
bを係接ピンとして構成する。
【0239】そして、第2タイミングピン43の代り
に、駆動リング40の第2角部40c上に、前述したカ
ム型ラチェット歯列33の基礎カム面と同じような考え
方に基づいた形状の当接カム面を形成して、この当接カ
ム面と係止レバー35の係接ピンとの当接間隔を利用し
て係止解除角度間隔を創成するように構成することも可
能である。
【0240】[アパーチャ開口Sa をもっての露光動
作]前述した[ステップ3]において、開口領域判定回
路64からの判定結果が、アパーチャ開口Sa での露光
動作を行うべき露光条件下にあるという結果であれば、
ユーザーは、この状態でシャッタレリーズ操作部材の第
2段ストロークを操作する。
【0241】このように操作すると、先ず、シーケンス
制御回路63は、露出演算回路65に対して、前述した
(e)項〜(m)項の演算を実行するように指令する
[ステップ10であるが、ステップ2において実行して
もよい]。
【0242】同時に、モータ駆動制御回路67に対し
て、露出演算回路65からの演算出力に基づいて電動モ
ータ50を回転駆動するように指令する。
【0243】この場合、露出演算回路65からの演算出
力は、開放絞り値(例えばF2.5 )とこれに組合わされ
る適正シャッタ秒時値となるから、モータ駆動制御回路
67は、先ず開放絞り値を実現すべく、露出演算回路6
5から出力されたアパーチャ開口回転数をもって、電動
モータ50を初期位相から正方向に回転駆動させること
になる。
【0244】そのため、電動モータ50は、初期位相か
らアパーチャ開口回転数だけ回転し、小絞り時の露光動
作を行うべき条件下での場合と同様に、その正方向の回
転力を出力ギア51→ギア部40aを経て駆動リング4
0に伝達して、駆動リング40を初期位置からアパーチ
ャ開口回動量だけ時計方向に回動させ、同時に、絞りリ
ング30を付勢ばね34の付勢力に抗して駆動リング4
0と一体的に時計方向に回動させる。
【0245】このとき、絞りリング30上の絞り設定カ
ム溝31が、中間伝達ピン18、第1群羽根駆動レバー
15、第1群羽根駆動ピン17、第1群羽根カム溝11
a、12aを介して、第1群羽根11、12を、閉じ位
置から第1群ピンホール位置およびアパーチャ開口Sa
を経て第1群羽根最大過剰開き位置S1 ′(図8の一点
鎖線で示す開口レベルの位置)まで開かせる。
【0246】なお、この第1群羽根11、12の開き動
作の最中において、第2群羽根21、22が閉じ位置に
保持された状態を保ってフィルム面に対する露光を阻止
することは、小絞り時の露光動作を行うべき条件下での
場合と同様である。
【0247】そして、このような経過を辿る間に、出力
監視手段66は、アパーチャ開口回転数を実現する正方
向駆動パルス数が演算値通りに露出演算回路65から出
力されか否かを確認し、その確認結果をシーケンス制御
回路63に出力する[ステップ11]。
【0248】このようにして、駆動リング40(絞りリ
ング30でもある)が第1群羽根11、12の第1群羽
根最大過剰開き位置S1 ′に対応する位置まで回動する
と、シーケンス制御回路63が、モータ駆動制御回路6
7に対して、アパーチャ開口時の正→逆反転タイミング
で電動モータ50の回転方向を正方向から逆方向に反転
させ、且つ、アパーチャ開口復帰回転数を実現する逆方
向駆動パルス数をもって電動モータ50を回転駆動する
ように指令する。
【0249】そのため、電動モータ50は、指令された
アパーチャ開口時の正→逆反転タイミングで反転し、そ
の逆方向の回転力を、出力ギア51→ギア部40aを経
て駆動リング40に伝達して、駆動リング40を、第1
群羽根最大過剰開き位置S1′に対応した回動位置から
初期位置に復帰させる。
【0250】このとき、絞りリング30も駆動リング4
0の反時計方向への回動に追従して同時に反時計方向に
回動しようとするが、小絞り時の露光動作を行うべき条
件下での場合と同様に、このときには、絞りリング30
がN歯位置まで回動しているため、係止レバー35のラ
チェット爪部35aが、付勢ばね37の付勢力によっ
て、絞りリング30のカム型ラチェット歯列33のN歯
目の特定歯に食い込んで、絞りリング30の反時計方向
への回動動作を強制的に阻止することになる。
【0251】図7は、このときの状態を示している。す
なわち、係止レバー35が実線位置に位置して、絞りリ
ング30を第1群羽根最大過剰開き位置S1 ′に対応す
る回動位置(N歯位置)に係止し、第1群羽根11、1
2が第1群羽根最大過剰開き位置S1 ′まで開き、駆動
リング40のみが、その初期位置に向って反時計方向に
回動を開始しようとしている状態を示している。
【0252】なお、第1群羽根11、12が閉じ位置か
ら第1群羽根最大過剰開き位置S1′まで開く間、第2
群羽根21、22が閉じ位置に保持された状態を保って
フィルム面に対する露光を阻止することは、小絞り時の
露光動作を行うべき条件下での場合と同様である。
【0253】さて、駆動リング40が、第1群羽根1
1、12の第1群羽根最大過剰開き位置S1 ′に対応す
る回動位置から初期位置に復帰すると、シーケンス制御
回路63は、モータ駆動制御回路67に対して、引続い
て、第2群羽根アパーチャ開口実現回転数を実現する逆
方向駆動パルス数をもって電動モータ50をさらに回転
駆動するように指令する。
【0254】そのため、電動モータ50は、指令された
通りに回転して、その逆方向の回転力を、出力ギア51
→ギア部40aを介して駆動リング40に伝達して、駆
動リング40を、さらに初期位置から第2群羽根アパー
チャ開口実現位置S1 ′に対応する回動位置まで反時計
方向に回動させる。
【0255】従って、駆動リング40は、その回動過程
で第1タイミングピン42を同時に反時計方向に回動さ
せ、第1タイミングピン42と第2群羽根駆動レバー2
5の第1タイミングカム面25aとの当接作用を介し
て、第2群羽根駆動レバー25を、その付勢ばね27の
付勢力に抗して枢軸26の周りに反時計方向に回動(揺
動)させ、第2群羽根21、22を、閉じ位置から第2
群ピンホール位置およびアパーチャ開口Sa を経て第2
群羽根アパーチャ開口実現位置S1 ′まで開かせる。
【0256】一方、駆動リング40のこのときの回動過
程では、駆動リング40上の第2タイミングピン43も
同時に反時計方向に回動させられるが、このときの駆動
リング40の回動量では、第2タイミングピン43が係
止レバー35の第2タイミングカム面35bに当接しな
いように予め設定されているため、係止レバー35によ
るカム型ラチェット歯列33のN歯目の特定歯に対する
係止状態は依然として維持されることになる。
【0257】この結果、第1群羽根最大過剰開き位置S
1 ′まで開いている第1群羽根11、12は、駆動リン
グ40が初期位置に復帰した後も、そのままその開き位
置に係止させられた状態を維持することになる。
【0258】このとき、第2群羽根21、22が第2群
ピンホール位置まで開くと、既に第1群羽根最大過剰開
き位置S1 ′に開いている第1群羽根11、12の開口
領域(露光条件的にはアパーチャ開口Sa )を通って撮
影光がフィルム面上に入射し始め、アパーチャ開口Sa
をもって露光する場合の露光動作が開始されることにな
る。
【0259】そして、このような経過を辿る間に、出力
監視手段66は、第2群羽根アパーチャ開口実現回転数
を実現する逆方向駆動パルス数が演算値通りに露出演算
回路65から出力されか否かを確認し、その確認結果を
シーケンス制御回路63に出力する[ステップ12]。
【0260】ところで、第2群羽根21、22がその閉
じ位置から開き動作を開始すると、シーケンス制御回路
63は、モータ駆動制御回路67に対して、アパーチャ
開口時の第1群閉じタイミングをもって、さらに電動モ
ータ50を逆方向に回転駆動するように指令する。
【0261】そのため、電動モータ50は、第2群羽根
アパーチャ開口実現回転数を回転した位相から第2群羽
根最大開き回転数だけさらに逆方向に回転し、その逆方
向回転力を、出力ギア51→ギア部40aを介して駆動
リング40に伝達して、同リング40をさらに反時計方
向に回動させる。なお、このときの駆動リング40の回
動量は、前述したように、絞りリング30をカム型ラチ
ェット歯列33の1歯分に相当する角度だけ回動させ得
るだけの回動量となる。
【0262】さて、駆動リング40が第2群羽根アパー
チャ開口実現位置から反時計方向に回動すると、第2タ
イミングピン43が係止レバー35の第2タイミングカ
ム面35bに当接して、係止レバー35を枢軸36の周
りに反時計方向に押回し、カム型ラチェット歯列33の
N歯目の特定歯に対するラチェット爪部35aの係止作
用を解除させる。
【0263】そのため、係止を解除された絞りリング3
0は、付勢ばね34の付勢力により、第1群羽根11、
12の第1群羽根最大過剰開き位置S1 ′に対応する位
置から、自身の初期位置を通り越して、絞りリング30
の一方向連動部32が駆動リング40上の一方向連動ピ
ン41と当接する位置まで反時計方向に回動することに
なる。
【0264】このとき、絞りリング30上の絞り設定カ
ム溝31も絞りリング30と共に反時計方向に変位し、
第1群羽根駆動レバー15、第1群羽根駆動ピン17、
中間伝達ピン18を介して、その運動を第1群羽根1
1、12に伝達するから、図8に示すように、第1群羽
根11、12は開放絞り時の閉じ動作開始時点R′で閉
じ動作を開始し、第1群羽根最大過剰開き位置S1 ′か
ら第1群ピンホール位置を経て閉じ位置に復帰する。
【0265】この場合、第1群羽根11、12が第1群
ピンホール位置まで閉じると、フィルム面に向う撮影光
がこの第1群羽根11、12で遮断されることになるか
ら、たとえ第2群羽根21、22が第2群羽根最大過剰
開き位置S2 ′に開いている状態でも、第2群羽根2
1、22の第2群ピンホール位置から始まる開放絞り値
による露光動作は、この時点で実質的に終了することに
なる。
【0266】すなわち、この時点でこのときの適正EV
値に係る台形開口波形の適正シャッタ秒時値が実現し、
開放絞り値(アパーチャ開口Sa )とこの適正シャッタ
秒時値とによる適正露光量(図8に示すEV′の面積)
が得られることになる。
【0267】なお、この駆動リング40の反時計方向へ
の回動過程では、第2群羽根21、22が、第2群羽根
アパーチャ開口実現位置S1 ′から第2群羽根最大過剰
開き位置S2 ′まで開くことになるが、この領域はアパ
ーチャ開口Sa の外側領域であるため、露光条件的には
何等の影響も生じない。
【0268】そして、このような経過を辿る間に、出力
監視手段66は、駆動リングリセット回転数を実現する
正方向駆動パルス数が演算値通りに露出演算回路65か
ら出力されか否かを確認し、その確認結果をシーケンス
制御回路63に出力する[ステップ15]。
【0269】さて、第1群羽根11、12が少なくとも
第1群ピンホール位置まで閉じると、シーケンス制御回
路63は、モータ駆動制御回路67に対して、アパーチ
ャ開口時の逆→正反転タイミングで電動モータ50の回
転方向を反転させ、且つ、電動モータ50を駆動リング
リセット回転数を実現する正方向駆動パルス数をもって
回転駆動するように指令する。
【0270】そのため、電動モータ50は、この逆→正
反転タイミングで反転し、そのときの正方向回転力を、
出力ギア51→ギア部40aを経て駆動リング40に伝
達して、駆動リング40を、第2群羽根最大過剰開き位
置S2 ′に対応する位置からリセット回動量だけ時計方
向に回動させて初期位置に復帰させる。
【0271】この結果、第2群羽根駆動レバー25も、
小絞り時の露光動作を行うべき条件下での場合と同様
に、付勢ばね27の付勢力によりその初期位置に復帰
し、この復帰動作の過程で、第2群羽根駆動ピン28と
第2群羽根カム溝21a、22aとのカム作用を介し
て、第2群羽根21、22を第2群羽根最大過剰開き位
置S2 ′から閉じ位置に復帰させる。
【0272】そして、図示実施例では、駆動リング40
の反時計方向への回動過程において、駆動リング40上
の一方向連動ピン41が絞りリング30の一方向連動部
32を反時計方向に押回して、絞りリング30をも同時
にその初期位置に復帰させることになる。
【0273】この結果、電動モータ50は初期位相に復
帰し、駆動リング40および絞りリング30も各々の初
期位置に復帰し、第1群羽根11、12および第2群羽
根21、22もそれぞれの閉じ位置に復帰することにな
る。
【0274】そして、このようにして電動モータ50が
初期位相に復帰すると、シーケンス制御回路63は、そ
の時点で、モータ駆動制御回路67に対して電動モータ
50を停止させるように指令するから、カメラ用シャッ
タ装置の状態が初期状態に復帰する。
【0275】従って、小絞り時の露光動作を行うべき条
件下での場合と同様に、この後にそれ自体公知のタイミ
ングでフィルム巻上げ装置を作動させれば、カメラの状
態も初期状態に復帰して次回の撮影動作を可能にする状
態に戻ることになる。
【0276】以上、図示実施例について説明したが、本
発明は、これに限定されるものではなく、その要旨を逸
脱しない範囲内で種々に変形実施することが可能であ
る。
【0277】例えば、第1実施例では、電動モータをス
テッピングモータとして構成しているが、単位当りの回
転数により単位角度当りの回動量が得られる電動モータ
であれば他形式の電動モータを用いることも可能であ
る。また、例えば調速手段を付設して、結果的に単位当
りの回転数により単位角度当りの回動量が得られる電動
モータを用いることも可能である。
【0278】
【発明の効果】以上述べたように、請求項1に記載の発
明は、その時々の被写体輝度を測光して測光データを出
力する測光手段と、開閉動作を行い得る絞り羽根兼用の
第1群シャッタ羽根と、この第1群シャッタ羽根とは別
個のシャッタ羽根として設けられ、開閉動作を行い得る
絞り羽根兼用の第2群シャッタ羽根と、正逆方向に運動
し得る部材として設けられ、初期位置からその最初の一
方向の動作により前記第1群シャッタ羽根の開き動作を
行い、他方向の動作により、前記第2群シャッタ羽根の
開き動作を行い且つ少なくとも前記第1群シャッタ羽根
の閉じ動作を開始させ、さらに、再び前記最初の一方向
と同方向の動作により前記第2群シャッタ羽根の閉じ動
作を開始させ前記初期位置に復帰する駆動部材と、撮影
時に、前記第1群シャッタ羽根にその閉じ状態位置から
いずれかの第1群羽根開き位置までの開き動作を行わ
せ、この第1群シャッタ羽根の開き動作の開始後の時点
で、前記第2群シャッタ羽根にその閉じ状態位置からい
ずれかの第2群羽根開き位置までの開き動作を行わせ、
前記第2群シャッタ羽根がその閉じ状態位置から前記い
ずれかの第2群羽根開き位置に向って開き動作を行って
いる過程中の時点、または、第2群羽根開き位置に向っ
ての開き動作を終了した後の時点で、前記第1群シャッ
タ羽根に前記いずれかの第1群羽根開き位置からの閉じ
動作を開始させ、前記第1群シャッタ羽根が実質的にそ
の閉じ状態位置に復帰した後の時点において、前記第2
群シャッタ羽根に前記いずれかの第2群羽根開き位置か
らの閉じ動作を行わせ得るように、前記駆動部材を前記
初期位置から前記一方向へ、前記一方向から前記他方向
へ、そして前記他方向から再び前記一方向へ駆動して前
記初期位置に復帰させ得るように駆動制御するシャッタ
羽根開閉制御手段とを具え、前記第2群シャッタ羽根の
開き動作と前記第1群シャッタ羽根の閉じ動作により
角開口波形形成時または台形開口波形形成時における
その時々の前記測光手段による測光データに適合した少
なくともその時々の適正シャッタ秒時を形成し得るよう
に構成したので、次のような優れた効果を奏する。 (I) 露光時のシャッタ開き動作を担当する絞り羽根
兼用の第2群シャッタ羽根の開閉動作と、シャッタ閉じ
動作を担当する絞り羽根兼用の第1群シャッタ羽根の開
閉動作とを、駆動部材ほかの機械的な連動手段を用いて
関係付けるように構成したので、三角開口波形のときで
も、台形開口波形の場合でも、2組のシャッタ羽根の協
働作用により形成される露光面積を安定させることが可
能となる、という優れた効果を奏する。
【0279】その結果、請求項1に記載の発明を用いる
ときは、露出精度を良好に維持することが可能になっ
て、シャッタ装置としての性能を大幅に向上させ得たカ
メラ用シャッタ装置を実現することができた。
【0280】(II) しかも、開放絞り開口よりも小さ
い絞り開口を用いて露光動作を行う場合の2組のシャッ
タ羽根の協働動作の方法と、開放絞り開口を用いて露光
動作を行う場合の2組のシャッタ羽根の協働動作の方法
とを別々の方法で構成したため、被写体輝度の全域に亘
って2組のシャッタ羽根の協働動作を実現できるという
効果を奏する。
【0281】(III ) 図示実施例では、三角開口波形
の場合には、シャッタ開き動作を担当する第2群羽根の
開き動作の動作開始タイミングと、シャッタ閉じ動作を
担当する第1群羽根の閉じ動作の開始タイミングを、機
構的時間差設定手段を用いて所望のタイミングに設定す
るように構成したので、例えば特開平 3-89331号公報の
開示技術のように、動作的に不安定な電気制御的な手段
を用いて閉じ動作開始タイミングを設定する場合に比べ
て、タイミングの設定精度を高精度で行い得るという効
果を奏する。
【0282】また、台形開口波形の場合にも、第1群羽
根の閉じ動作の開始タイミングを、2段階に構成した第
2群羽根の後段の過剰開き動作を利用して機械的に設定
するように構成したので、三角開口波形の場合と同様
に、電気制御的な手段を用いて閉じ動作開始タイミング
を設定する場合に比べて、タイミングの設定精度を高精
度で行い得るという効果を奏する。
【0283】(IV) また、図示実施例では、この機構
的時間差設定手段を、駆動リング上の第1タイミングピ
ンと第2群羽根駆動レバーの第1タイミングカム面との
当接時点と、駆動リング上の第2タイミングピンと係止
レバーの第2タイミングカム面との当接時点との時系列
間隔(時間差)を機械的ないし機構的な方法を用いて設
定するように構成したが、このように2個のタイミング
ピンを単一の部材(駆動リング)上の固定的な角度的間
隔を利用して設定したときには、2個のタイミングピン
間の「位置ずれ」や、「タイミングずれ」が生じないの
で、より高精度のタイミング制御が可能になるという効
果を奏する。
【0284】(V) 三角開口波形の場合でも、台形開
口波形の場合でも、シャッタ閉じ動作を担当する第1群
羽根の閉じ動作の開始後の位置において、所望の絞り開
口(露光条件的な絞り開口)を形成するように構成した
ので、第1群羽根の閉じ始め領域における閉じ動作速度
を速くして閉じ始め曲線を急峻な曲線にすることが可能
になる。
【0285】その結果、第1群羽根の閉じ動作曲線にフ
ラット部がなくなり、シャッタ秒時のより一層の高速化
を実現することができるという効果を奏する。
【0286】(VI) また、図示実施例のような態様で
実施したときには、1個の電動モータを用いてカメラ用
シャッタ装置の全動作を行わしめることができるので、
例えば電磁マグネットで代表されるような他の電気量−
機械量変換手段を例えば補助的に使用する必要がなくな
り、従来のこの種シャッタ装置に比べて、回路構成上、
設置スペース上、製造コスト上で著しく有利になるとい
う効果を得ることができる。
【0287】(VII ) さらに、図示実施例のように、
1個の電動モータを用いてカメラ用シャッタ装置の全動
作を行わしめるように構成した場合には、電動モータの
段階的単位回転数を、従動側回動部材(図示例では、駆
動リングおよび/または絞りリングに相当する)の段階
的単位回動角度と同一角度か、或いは、その整数倍の角
度に設定するときに有利であり、また、このように設定
したときには、電動モータの回転と従動側回動部材の回
動とを容易に同期させることが可能になるという効果を
得ることができる。
【0288】一方、請求項7に記載の発明では、例えば
正逆方向に回動する回動部材(図示例では絞りリング)
を、係止レバーのラチェット爪部(図示例では)を用い
て、例えば正方向回動後の位置に係止するような場合に
おいて、係止される側のラチェット歯列を、予め設定さ
れた基準位置からの回動部材の回動角度に応じて、予め
基準面として設定した例えば仮想円弧面から、所定の変
化率に則って順次に離れて行くような形状の仮想カム面
上に形成するようにして、基準位置からの回動部材の回
動角度に応じて係止レバーの運動位置ないし運動姿勢を
変えるように構成したので、正逆方向に回動した部材
を、例えばその正方向回動後の位置から逆方向に回動さ
せる際の逆方向回動開始タイミングを、回動部材の回動
角度に応じた機械的なカム作用によって変化させ得るこ
とが可能なカム作用を伴う一方方向回動係止機構を実現
することができる。
【0289】なお、このような一方方向回動係止機構を
カメラ用シャッタ装置の絞り部材(図示例では絞りリン
グ)に適用したときには、この一方方向回動係止機構で
創成した逆方向回動開始タイミングと前述した2個のタ
イミングピン間の角度的間隔とによって、少なくとも、
その時々の適正EV値を実現する第1群羽根の閉じ動作
の開始タイミングを設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカメラ用シャッタ装置に係る一実施例
の構成を示す分解斜視構成図である。
【図2】図1の分解斜視構成図をその右側方向から見た
ときの背面構成を示す背面図である。
【図3】図1のカメラ用シャッタ装置を制御する電気的
制御手段の構成を説明するためのブロック図である。
【図4】図1のカメラ用シャッタ装置の動作ないし作用
を説明するためのフロー図であり、ラチェット歯列の1
歯当りのピッチ角度を駆動リングの回動量を構成する単
位ステップ角度と同一角度に設定したときのフロー図で
ある。
【図5】絞りリングと一対の第1群羽根がそれぞれ過剰
開き位置F′に保持され、駆動リングのみがその初期位
置に向って反時計方向に回動を開始しようとしている状
態を示す平面運動図である。
【図6】アパーチャによって決定される開放絞り開口よ
り小さい絞り開口での露光動作を行うときの三角開口波
形を示す露光動作図である。
【図7】一対の第2群羽根が初期位置から最大開き開口
の位置に向って開いて行く状態を示す平面運動図であ
る。
【図8】アパーチャによって決定される開放絞り開口で
の露光動作を行うときの台形開口波形を示す露光動作図
である。
【図9】図1に示す本発明のカメラ用シャッタ装置にお
ける三角開口波形と1組の絞り羽根兼用シャッタ羽根を
用いた従来のシャッタ装置における三角開口波形との性
能比較を示す開口波形比較図である。
【図10】従来のカメラ用シャッタ装置において発生す
るシャッタ羽根の開きタイミングや開き速度の変化に起
因する問題点を説明するための絞り−シャッタ開口波形
図である。
【図11】従来のカメラ用シャッタ装置におけるシャッ
タ羽根の閉じ動作開始時に発生する絞り−シャッタ開口
波形のフラット部を説明するための絞り−シャッタ開口
波形図である。
【符号の説明】
1 基板 1a アパーチャ 2 第1制限円弧溝 3 第2制限円弧溝 4 羽根群抑え板 4a 撮影光通過孔 5 第1対応円弧溝 6 第2対応円弧溝 10 第1群シャッタ羽根手段(第1群羽根手段) 11、12 第1群羽根 11a、12a 第1群羽根カム溝 15 第1群羽根駆動レバー 17 第1群羽根駆動ピン 18 中間伝達ピン 20 第2群シャッタ羽根手段(第2群羽根手段) 21、22 第2群羽根 21a、22a 第2群羽根カム溝 25 第2群羽根駆動レバー 25a 第1タイミングカム面 27 付勢ばね 28 第2群羽根駆動ピン 30 絞りリング 31 絞り設定カム溝 32 一方向連動部 33 カム型ラチェット歯列 34 付勢ばね 35 係止レバー 35a ラチェット爪部 35b 第2タイミングカム面 37 付勢ばね 40 駆動リング 40a ギア部 40b 第1角部 40c 第2角部 41 一方向連動ピン 42 第1タイミングピン 43 第2タイミングピン 50 電動モータ(ステッピングモータ) 51 出力ギア 52 中間ギア 52a 大径ギア 52b 小径ギア 60 電気的制御手段 61 測光回路 62 CPU 63 シーケンス制御回路 64 開口領域判定回路 65 露出演算回路 66 出力監視手段 67 モータ駆動制御回路

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 その時々の被写体輝度を測光して測光デ
    ータを出力する測光手段と、 開閉動作を行い得る絞り羽根兼用の第1群シャッタ羽根
    と、 この第1群シャッタ羽根とは別個のシャッタ羽根として
    設けられ、開閉動作を行い得る絞り羽根兼用の第2群シ
    ャッタ羽根と、 正逆方向に運動し得る部材として設けられ、初期位置か
    その最初の一方向の動作により前記第1群シャッタ羽
    根の開き動作を行い、他方向の動作により、前記第2群
    シャッタ羽根の開き動作を行い且つ少なくとも前記第1
    群シャッタ羽根の閉じ動作を開始させ、さらに、再び前
    記最初の一方向と同方向の動作により前記第2群シャッ
    タ羽根の閉じ動作を開始させ前記初期位置に復帰する駆
    動部材と、 撮影時に、前記第1群シャッタ羽根にその閉じ状態位置
    からいずれかの第1群羽根開き位置までの開き動作を行
    わせ、 この第1群シャッタ羽根の開き動作の開始後の時点で、
    前記第2群シャッタ羽根にその閉じ状態位置からいずれ
    かの第2群羽根開き位置までの開き動作を行わせ、 前記第2群シャッタ羽根がその閉じ状態位置から前記い
    ずれかの第2群羽根開き位置に向って開き動作を行って
    いる過程中の時点、または、第2群羽根開き位置に向っ
    ての開き動作を終了した後の時点で、前記第1群シャッ
    タ羽根に前記いずれかの第1群羽根開き位置からの閉じ
    動作を開始させ、 前記第1群シャッタ羽根が実質的にその閉じ状態位置に
    復帰した後の時点において、前記第2群シャッタ羽根に
    前記いずれかの第2群羽根開き位置からの閉じ動作を行
    わせ得るように、前記駆動部材を前記初期位置から前記
    一方向へ、前記一方向から前記他方向へ、そして前記他
    方向から再び前記一方向へ駆動して前記初期位置に復帰
    させ得るように駆動制御するシャッタ羽根開閉制御手段
    とを具え、 前記第2群シャッタ羽根の開き動作と前記第1群シャッ
    タ羽根の閉じ動作により、三角開口波形形成時または台
    形開口波形形成時におけるその時々の前記測光手段によ
    る測光データに適合した少なくともその時々の適正シャ
    ッタ秒時を形成し得るように構成したことを特徴とする
    カメラ用シャッタ装置。
  2. 【請求項2】 前記第1群シャッタ羽根の前記いずれか
    の第1群羽根開き位置のうちに、前記開放絞り開口を実
    現し得る位置を含むその時々の被写体輝度に適合したそ
    れぞれの適正絞り開口位置を超えて予め設定された複数
    箇所の第1群羽根過剰開き位置を設定すると共に、前記
    第2群シャッタ羽根の前記いずれかの第2群羽根開き位
    置のうちに、前記開放絞り開口を実現し得る位置を含む
    その時々の被写体輝度に適合したそれぞれの適正絞り開
    口位置を超えて予め設定された複数箇所の第2群羽根過
    剰開き位置を設定するように構成し、 前記閉じ状態位置からその時々の前記第2群羽根開き位
    置に係る第2群羽根過剰開き位置に向って開き動作を行
    う途中の前記第2群シャッタ羽根と、その時々の前記第
    1群羽根開き位置に係る第1群羽根過剰開き位置からそ
    の閉じ状態位置に向って閉じ動作を行う途中の前記第1
    群シャッタ羽根とが、互いの動作を行う過程で交叉する
    運動交叉点の位置を、前記第2群シャッタ羽根が前記閉
    じ状態位置から開くときの開き動作開始時点と、前記第
    1群シャッタ羽根がその時々の前記第1群羽根過剰開き
    位置から閉じるときの閉じ動作開始時点との間の時系列
    間隔に依存する位置として設定するように構成し、 さらに、この2つの動作開始時点間の時系列間隔をその
    時々の前記測光データに適合した複数個の間隔値として
    設定することにより、前記第2群シャッタ羽根と前記第
    1群シャッタ羽根との運動交叉点の位置を、その時々の
    前記測光データに適合した前記それぞれの適正絞り開口
    が得られる開口レベルの位置に実質的に一致させるよう
    に構成して、 これにより、三角開口波形形成時におけるその時々の前
    記測光データに適合した、前記開放絞り開口を含むその
    ときの適正絞り開口とそのときの適正シャッタ秒時とを
    形成し得るように構成したことを特徴とする請求項1に
    記載されたカメラ用シャッタ装置。
  3. 【請求項3】 前記第1群シャッタ羽根の第1群羽根開
    き位置を、前記開放絞り開口を実現し得る位置として、
    または、この位置を超えた開口レベルの位置に予め設定
    された開き位置として設定し得るように構成し、 前記第2群シャッタ羽根の第2群羽根開き位置を、前記
    第1群シャッタ羽根の第1群羽根開き位置と実質的に同
    じ開口レベルの位置に設定された前段開き位置と、この
    前段開き位置を超えた開口レベルの位置に予め設定され
    た後段開き位置との2段階の開き位置として設定し得る
    ように構成し、 前記第2群シャッタ羽根が前記前段開き位置まで開いた
    ときに、既に前記第1群羽根開き位置に開いている前記
    第1群シャッタ羽根を、その時々の前記測光データに適
    合した台形開口波形を実現し得るように予め設定された
    それぞれの遅延時間だけ前記第1群羽根開き位置に保持
    し得るように構成し、 前記第1群シャッタ羽根が前記第1群羽根開き位置に開
    き且つ前記第2群シャッタ羽根が前記前段開き位置まで
    開いたとき、前記それぞれの遅延時間が実質的に経過し
    た時点において前記第2群シャッタ羽根を前記前段開き
    位置から前記後段開き位置まで開かせ、このときの開き
    動作により前記第1群シャッタ羽根に閉じ動作を開始さ
    せ得るように構成し、 前記第2群シャッタ羽根の前記閉じ状態位置から前記前
    段開き位置まで開くときの開き動作をもって、その時々
    の前記測光データに適合した台形開口波形形成時のシャ
    ッタ開き動作となすと共に、前記第1群シャッタ羽根が
    前記第1群羽根開き位置に開いている状態または前記カ
    メラに設けられたアパーチャ開口をもって、さらに、そ
    の時々の前記測光データに適合した台形開口波形形成時
    の適正絞り開口となし、前記それぞれの遅延時間の実質
    的経過後に前記第1群シャッタ羽根が前記第1群羽根開
    き位置からその閉じ状態位置に閉じるときの閉じ動作を
    もって、前記台形開口波形形成時のシャッタ閉じ動作と
    なすように構成して、 これにより、前記台形開口波形形成時におけるその時々
    の前記測光データに適合した、前記開放絞り開口とその
    ときの適正シャッタ秒時とを形成し得るように構成した
    ことを特徴とする請求項1または2に記載されたカメラ
    用シャッタ装置。
  4. 【請求項4】 正逆方向に回転し得る1つの電動モータ
    を設け、この電動モータの回転駆動力を利用して前記駆
    動部材を駆動し得るように構成したことを特徴とする請
    求項1ないし3のいずれかに記載されたカメラ用シャッ
    タ装置。
  5. 【請求項5】 前記駆動部材を単一の部材により構成し
    たことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載
    されたカメラ用シャッタ装置。
  6. 【請求項6】 前記駆動部材を正逆方向に回動する回動
    駆動部材として構成し、 この回動駆動部材が正方向に回動したときにのみこの回
    動駆動部材により一体的に同方向に強制回動され、この
    回動駆動部材が逆方向に回動したときには、この回動駆
    動部材との連動が解除され、且つ、この強制回動される
    動作により前記第1群シャッタ羽根をその閉じ状態位置
    から前記いずれかの第1群羽根開き位置まで開き得る従
    動側回動部材を設け、 前記回動駆動部材が前記従動側回動部材と一体になっ
    て、前記第1群シャッタ羽根をその閉じ状態位置からそ
    の時々の測光データに係るそれぞれの第1群羽根開き位
    置まで開かせ得る各回動量に対応した各回動量だけ正方
    向に回動したときに、前記従動側回動部材をこのときの
    正方向回動後のそれぞれの位置に段階的に係脱可能に係
    止し得るような構成の一方方向回動係止機構を設置し、 さらに、この一方方向回動係止機構により段階的に係止
    され得る被係止構造を前記従動側回動部材側に設けると
    共に、前記一方方向回動係止機構による1係止段当りに
    係る前記従動側回動部材の段階的単位回動角度と、前記
    回動駆動部材の正方向への段階的単位回動角度とを、そ
    れぞれ同一角度かまたはその整数倍の角度に設定し、 このように設定することにより、その時々の適正絞り開
    口を形成したときにおける、前記一方方向回動係止機構
    と前記従動側回動部材の前記被係止構造との間の半歯ず
    れ現象の発生を防止し得るように構成して成ることを特
    徴とする請求項5に記載されたカメラ用シャッタ装置。
  7. 【請求項7】 外周領域にラチェット歯列を具えた回動
    部材と、この回動部材のラチェット歯列に対して係脱可
    能に係止し得るように係接するラチェット爪部材とを有
    する一方方向回動係止機構において、 前記回動部材の外周領域に、予め設定された基準位置か
    らの前記回動部材の回動角度に応じて、例えば前記回動
    部材の回動軸からの距離が小さい距離から大きい距離に
    変化するように、或いは、大きい距離から小さい距離に
    変化するように、予め仮想的に設定した基準円弧面から
    所定の変化率に則って順次に離れて行くような形状の仮
    想カム面を設定し、前記ラチェット歯列をこの仮想カム
    面に沿って形成するように構成すると共に、前記基準位
    置からの前記回動部材の回動角度に応じて、前記ラチェ
    ット爪部材の運動位置ないし運動姿勢を変化させ得るよ
    うに構成し、 前記回動部材の回動角度に応じた前記仮想カム面のカム
    作用に基づくラチェット爪部材の運動位置ないし運動姿
    勢の変化量により、前記回動部材を例えば正方向回動後
    の位置から逆方向に回動させる際の逆方向回動開始タイ
    ミングを変化させ得るように構成したことを特徴とする
    カム作用を伴う一方方向回動係止機構。
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