JP3391590B2 - ラジアルタイヤ - Google Patents
ラジアルタイヤInfo
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Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B60—VEHICLES IN GENERAL
- B60C—VEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
- B60C13/00—Tyre sidewalls; Protecting, decorating, marking, or the like, thereof
- B60C13/003—Tyre sidewalls; Protecting, decorating, marking, or the like, thereof characterised by sidewall curvature
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B60—VEHICLES IN GENERAL
- B60C—VEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
- B60C9/00—Reinforcements or ply arrangement of pneumatic tyres
- B60C9/02—Carcasses
- B60C9/0292—Carcass ply curvature
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
- Heating, Cooling, Or Curing Plastics Or The Like In General (AREA)
- Tyre Moulding (AREA)
- Tires In General (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、振動乗り心地性能など
を向上しうる乗用車用に適したラジアルタイヤに関す
る。
を向上しうる乗用車用に適したラジアルタイヤに関す
る。
【0002】
【従来の技術】タイヤが、車両の振動乗り心地性能に影
響を及ぼす因子として、ラジアルフォースバリエーショ
ン(以下、「RFV」という)が挙げられる。RFV
は、タイヤに荷重をかけて回転させたときに、タイヤ回
転軸に上下に現れる荷重変動の力であり、かかるRFV
が車軸を伝って車両に伝達され乗り心地を低下させてい
る。
響を及ぼす因子として、ラジアルフォースバリエーショ
ン(以下、「RFV」という)が挙げられる。RFV
は、タイヤに荷重をかけて回転させたときに、タイヤ回
転軸に上下に現れる荷重変動の力であり、かかるRFV
が車軸を伝って車両に伝達され乗り心地を低下させてい
る。
【0003】一般にRFVは、アンバランスな形状のタ
イヤを回転させたときの縦振れであるラジアルランナウ
ト(以下、「RRO」という)との関係が深く、これを
小さくすることにより減じうることが判明している。
イヤを回転させたときの縦振れであるラジアルランナウ
ト(以下、「RRO」という)との関係が深く、これを
小さくすることにより減じうることが判明している。
【0004】このRROを小さくする手段としては、例
えばトレッド表面を真円バフで研磨することが挙げられ
るが、この方法はタイヤ新品時では有効ではあるが、根
本的な原因を究明しかつ除去したものではない場合が多
く、タイヤの走行使用につれて偏磨耗が発生したり、タ
イヤプロファイルが変化するなど前記RFVの悪化が表
面化する。
えばトレッド表面を真円バフで研磨することが挙げられ
るが、この方法はタイヤ新品時では有効ではあるが、根
本的な原因を究明しかつ除去したものではない場合が多
く、タイヤの走行使用につれて偏磨耗が発生したり、タ
イヤプロファイルが変化するなど前記RFVの悪化が表
面化する。
【0005】又、トレッドゴムや、ベルトプライといっ
たタイヤ構成部材の継ぎ目を、タイヤ周方向に分散させ
るなどにより、前記RROを減じることも試されてはい
るが、かかる方法は、そもそも前記継ぎ目を完全に無く
すものではなく、その効果は未だ十分ではない。
たタイヤ構成部材の継ぎ目を、タイヤ周方向に分散させ
るなどにより、前記RROを減じることも試されてはい
るが、かかる方法は、そもそも前記継ぎ目を完全に無く
すものではなく、その効果は未だ十分ではない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように、RFV
は、タイヤ新品時には所定の規格内であってもタイヤの
走行により、例えばトレッド部に偏磨耗が発生していな
くとも大きくなる場合がある。従ってRFVは、タイヤ
新品時のみならず、現実に車両に装着されて使用されて
いる期間中、常時一定のレベルに留めうるよう考慮され
なければならないが、これを実現しうる提案は現在なさ
れていない。
は、タイヤ新品時には所定の規格内であってもタイヤの
走行により、例えばトレッド部に偏磨耗が発生していな
くとも大きくなる場合がある。従ってRFVは、タイヤ
新品時のみならず、現実に車両に装着されて使用されて
いる期間中、常時一定のレベルに留めうるよう考慮され
なければならないが、これを実現しうる提案は現在なさ
れていない。
【0007】ところで、走行に供されるタイヤは、トレ
ッド部の磨耗状況やタイヤ内圧などが走行中においても
刻々と変化し、特に後者の内圧変化によりカーカスプロ
ファイルが変化すれば、タイヤ周方向のRROも大きく
変化し、前記RFVを増大せしめるということが近年判
ってきた。従って、タイヤ内圧が変化しても、カーカス
プロファイルの形状変化が小さければ、それだけRFV
の抑制を期待しうるのである。
ッド部の磨耗状況やタイヤ内圧などが走行中においても
刻々と変化し、特に後者の内圧変化によりカーカスプロ
ファイルが変化すれば、タイヤ周方向のRROも大きく
変化し、前記RFVを増大せしめるということが近年判
ってきた。従って、タイヤ内圧が変化しても、カーカス
プロファイルの形状変化が小さければ、それだけRFV
の抑制を期待しうるのである。
【0008】本発明は、かかる実状に鑑み、タイヤ内圧
が変化しても、カーカスプロファイルの形状変化を極力
小さくするという観点から案出されたもので、タイヤ新
品時はもとより、タイヤ使用中においてもRFVを抑制
し、車両の振動乗り心地性能を向上し、かつ長期に亘っ
て向上した性能を維持しうるラジアルタイヤを提供する
ことを目的としている。
が変化しても、カーカスプロファイルの形状変化を極力
小さくするという観点から案出されたもので、タイヤ新
品時はもとより、タイヤ使用中においてもRFVを抑制
し、車両の振動乗り心地性能を向上し、かつ長期に亘っ
て向上した性能を維持しうるラジアルタイヤを提供する
ことを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、トレッド部か
らサイドウオール部をへてビード部のビードコアの廻り
をタイヤ軸方向内側から外側に向けて折り返す折返し部
を有しかつコードをラジアル方向に配したカーカスと、
このカーカスの半径方向外側かつ前記トレッド部の内方
に配したベルト層とを具えたラジアルタイヤであって、
標準リムのリム巾より0.5インチ広い広巾リムに装着
し、かつ正規内圧を充填したときのタイヤ子午断面にお
けるカーカスプロファイルは、カーカスプロファイルが
タイヤ赤道面と交わる点a、この点aから前記ベルト層
のタイヤ軸方向巾の1/2長さ(BW/2)に0.7を
乗じた距離(0.7×BW/2)をタイヤ軸方向に隔て
るカーカスプロファイルのトレッド部上の第1点b、前
記ベルト層の前記1/2長さ(BW/2)を前記点aか
ら隔てるカーカスプロファイルのトレッド部上の第2点
c、カーカスプロファイルの最大巾位置から、カーカス
プロファイル断面高さ(H)より前記最大巾位置までの
ビードベースラインからの高さ(h)を減じた長さ(H
−h)に0.7を乗じた距離{0.7×(H−h)}を
タイヤ半径方向外側に隔てたカーカスプロファイルのサ
イドウォール部上の第3点d、前記最大巾位置を第4点
e、この第4点eから前記距離{0.7×(H−h)}
をタイヤ半径方向内側に隔てたカーカスプロファイルの
サイドウォール上の第5点f、およびタイヤ回転軸から
前記第2点cまでの半径長さをrcとしたとき、前記第
1点bと第2点cとの間を滑らかに継ぐ曲率半径R1の
第1の円弧C1と、前記第3点dと第4点eとの間を滑
らかに継ぐ曲率半径R2の第2の円弧C2と、前記第4
点eと第5点fとの間を滑らかに継ぐ曲率半径R3の第
3の円弧C3とは、0.69≦R1/rc≦1.39、
かつ0.99<R2/R3<1.17の関係を満たすこ
とを特徴とするラジアルタイヤである。
らサイドウオール部をへてビード部のビードコアの廻り
をタイヤ軸方向内側から外側に向けて折り返す折返し部
を有しかつコードをラジアル方向に配したカーカスと、
このカーカスの半径方向外側かつ前記トレッド部の内方
に配したベルト層とを具えたラジアルタイヤであって、
標準リムのリム巾より0.5インチ広い広巾リムに装着
し、かつ正規内圧を充填したときのタイヤ子午断面にお
けるカーカスプロファイルは、カーカスプロファイルが
タイヤ赤道面と交わる点a、この点aから前記ベルト層
のタイヤ軸方向巾の1/2長さ(BW/2)に0.7を
乗じた距離(0.7×BW/2)をタイヤ軸方向に隔て
るカーカスプロファイルのトレッド部上の第1点b、前
記ベルト層の前記1/2長さ(BW/2)を前記点aか
ら隔てるカーカスプロファイルのトレッド部上の第2点
c、カーカスプロファイルの最大巾位置から、カーカス
プロファイル断面高さ(H)より前記最大巾位置までの
ビードベースラインからの高さ(h)を減じた長さ(H
−h)に0.7を乗じた距離{0.7×(H−h)}を
タイヤ半径方向外側に隔てたカーカスプロファイルのサ
イドウォール部上の第3点d、前記最大巾位置を第4点
e、この第4点eから前記距離{0.7×(H−h)}
をタイヤ半径方向内側に隔てたカーカスプロファイルの
サイドウォール上の第5点f、およびタイヤ回転軸から
前記第2点cまでの半径長さをrcとしたとき、前記第
1点bと第2点cとの間を滑らかに継ぐ曲率半径R1の
第1の円弧C1と、前記第3点dと第4点eとの間を滑
らかに継ぐ曲率半径R2の第2の円弧C2と、前記第4
点eと第5点fとの間を滑らかに継ぐ曲率半径R3の第
3の円弧C3とは、0.69≦R1/rc≦1.39、
かつ0.99<R2/R3<1.17の関係を満たすこ
とを特徴とするラジアルタイヤである。
【0010】なお前記カーカスプロファイルは、標準リ
ムのリム巾より0.5インチ広い広巾リムに装着し、か
つ正規内圧の5%内圧を充填した状態から正規内圧の1
00%内圧に変化させる内圧変化処理を行ったときのせ
り出し量が、最大で1mm以下、かつビード部よりもバッ
トレス部のせり出し量を大とすることが好ましい。
ムのリム巾より0.5インチ広い広巾リムに装着し、か
つ正規内圧の5%内圧を充填した状態から正規内圧の1
00%内圧に変化させる内圧変化処理を行ったときのせ
り出し量が、最大で1mm以下、かつビード部よりもバッ
トレス部のせり出し量を大とすることが好ましい。
【0011】
【作用】図1には、標準リムのリム巾より0.5インチ
広い広巾リムに装着し、かつ正規内圧を充填したときの
タイヤ子午断面における本発明のラジアルタイヤのカー
カスプロファイル9を示している。
広い広巾リムに装着し、かつ正規内圧を充填したときの
タイヤ子午断面における本発明のラジアルタイヤのカー
カスプロファイル9を示している。
【0012】図において、カーカスプロファイル9上に
以下の点を定義する。先ず、カーカスプロファイル9が
タイヤ赤道Cと交わる点をaとし、このa点からベルト
層7のタイヤ軸方向巾BWの1/2長さ(BW/2)に
0.7を乗じた距離(0.7×BW/2)をタイヤ軸方
向に隔てる点を第1点bとする。
以下の点を定義する。先ず、カーカスプロファイル9が
タイヤ赤道Cと交わる点をaとし、このa点からベルト
層7のタイヤ軸方向巾BWの1/2長さ(BW/2)に
0.7を乗じた距離(0.7×BW/2)をタイヤ軸方
向に隔てる点を第1点bとする。
【0013】次に、前記a点から、ベルト層の前記1/
2長さ(BW/2)を隔てるトレッド部上の点を第2点
cとし、カーカスプロファイル9の最大巾Wの位置か
ら、カーカスプロファイル断面高さ(H)より前記最大
巾位置までのビードベースラインBLからの高さ(h)
を減じた長さ(H−h)に0.7を乗じた距離{0.7
×(H−h)}をタイヤ半径方向外側に隔てたサイドウ
ォール部上の点を第3点dとする。
2長さ(BW/2)を隔てるトレッド部上の点を第2点
cとし、カーカスプロファイル9の最大巾Wの位置か
ら、カーカスプロファイル断面高さ(H)より前記最大
巾位置までのビードベースラインBLからの高さ(h)
を減じた長さ(H−h)に0.7を乗じた距離{0.7
×(H−h)}をタイヤ半径方向外側に隔てたサイドウ
ォール部上の点を第3点dとする。
【0014】さらに、カーカスプロファイルの前記最大
巾位置を第4点eとし、又このe点から前記距離{0.
7×(H−h)}をタイヤ半径方向内側に隔てたサイド
ウォール上の点を第5点fとする。又タイヤ回転軸CL
から前記第2点cまでの半径長さをrcとする。
巾位置を第4点eとし、又このe点から前記距離{0.
7×(H−h)}をタイヤ半径方向内側に隔てたサイド
ウォール上の点を第5点fとする。又タイヤ回転軸CL
から前記第2点cまでの半径長さをrcとする。
【0015】このように各点を定義したうえで、前記第
1点bと第2点cとの間を滑らかに継ぐ曲率半径R1の
第1の円弧C1、前記第3点dと第4点eとの間を滑ら
かに継ぐ曲率半径R2の第2の円弧C2、および前記第
4点eと第5点fとの間を滑らかに継ぐ曲率半径R3の
第3の円弧C3は、次の関係を充足している。
1点bと第2点cとの間を滑らかに継ぐ曲率半径R1の
第1の円弧C1、前記第3点dと第4点eとの間を滑ら
かに継ぐ曲率半径R2の第2の円弧C2、および前記第
4点eと第5点fとの間を滑らかに継ぐ曲率半径R3の
第3の円弧C3は、次の関係を充足している。
【0016】第一に、前記曲率半径R1と前記タイヤ回
転軸CLから前記第2点cまでの半径長さrcとの比
(R1/rc)は、0.69以上かつ1.39以下とす
る。第二に、前記曲率半径R2、R3の比(R2/R
3)は、0.99よりも大かつ1.17よりも小とす
る。
転軸CLから前記第2点cまでの半径長さrcとの比
(R1/rc)は、0.69以上かつ1.39以下とす
る。第二に、前記曲率半径R2、R3の比(R2/R
3)は、0.99よりも大かつ1.17よりも小とす
る。
【0017】ここで、カーカスプロファイル9が正規内
圧の5%内圧から100%内圧に変化させる内圧充填処
理により、どのように変形するかは種々の実験結果によ
り判明している。図5(A)から(C)には、標準リム
に装着したタイヤのカーカスプロファイル9について、
各形状別に前記内圧充填処理を行ったときの変化状態
を、正規内圧5%時を実線で、同100%時を点線で示
している。
圧の5%内圧から100%内圧に変化させる内圧充填処
理により、どのように変形するかは種々の実験結果によ
り判明している。図5(A)から(C)には、標準リム
に装着したタイヤのカーカスプロファイル9について、
各形状別に前記内圧充填処理を行ったときの変化状態
を、正規内圧5%時を実線で、同100%時を点線で示
している。
【0018】図5(A)に示す、カーカスプロファイル
9が下膨らみの前記オタフク型である場合には、カーカ
ス最大巾位置よりも半径方向外側のバットレス部10
が、ビード部4よりも大きくせり出す。
9が下膨らみの前記オタフク型である場合には、カーカ
ス最大巾位置よりも半径方向外側のバットレス部10
が、ビード部4よりも大きくせり出す。
【0019】同図(B)に示すカーカスプロファイル9
が自然平衡形状理論に基づく場合には、カーカス全体が
ほぼ相似形に近似してせり出し、又同図(C)のカーカ
スプロファイル9が、バットレス部10を張り出させた
外膨らみのイカリ型の場合には、ビード部4がバットレ
ス部10よりも大きくせり出すことが判明した。
が自然平衡形状理論に基づく場合には、カーカス全体が
ほぼ相似形に近似してせり出し、又同図(C)のカーカ
スプロファイル9が、バットレス部10を張り出させた
外膨らみのイカリ型の場合には、ビード部4がバットレ
ス部10よりも大きくせり出すことが判明した。
【0020】同様に、図6(A)から(C)には、リム
巾を適宜変化させた場合、前記内圧充填処理によるカー
カスプロファイル9の形状変化を示し、例えば加硫金型
内でのプロファイルを一点鎖線で、前記標準リムに装着
されたときの正規内圧5%時を実線で、同100%時を
点線で示している。
巾を適宜変化させた場合、前記内圧充填処理によるカー
カスプロファイル9の形状変化を示し、例えば加硫金型
内でのプロファイルを一点鎖線で、前記標準リムに装着
されたときの正規内圧5%時を実線で、同100%時を
点線で示している。
【0021】図5(A)の、加硫金型内に比して標準リ
ムに装着した時にビード間が狭められるような場合に
は、カーカスプロファイル9は、内圧充填処理によりビ
ード部4がバットレス部10よりも大きくせり出し、同
図(B)の、前型内と標準リム装着時のビード間巾とが
略同一の場合には、カーカスプロファイル9全体がほぼ
相似形に近似してせり出し、又同図(C)の、加硫金型
内に比して標準リムに装着した時にビード間が押し広げ
られるような場合には、ビード部4よりもバットレス部
10が大きくせり出すことが判明した。
ムに装着した時にビード間が狭められるような場合に
は、カーカスプロファイル9は、内圧充填処理によりビ
ード部4がバットレス部10よりも大きくせり出し、同
図(B)の、前型内と標準リム装着時のビード間巾とが
略同一の場合には、カーカスプロファイル9全体がほぼ
相似形に近似してせり出し、又同図(C)の、加硫金型
内に比して標準リムに装着した時にビード間が押し広げ
られるような場合には、ビード部4よりもバットレス部
10が大きくせり出すことが判明した。
【0022】以上を踏まえ、広巾リム装着時に前記比
(R1/rc)が0.69未満、かつ前記比(R2/R
3)は、0.99以下に設定したときには、カーカスプ
ロファイル9は、バットレス部が張り出した上膨らみの
イカリ型をなす。したがって、標準リムに装着して前記
内圧充填処理を行えばビード部が大きくせり出す形状変
化をなしうる。
(R1/rc)が0.69未満、かつ前記比(R2/R
3)は、0.99以下に設定したときには、カーカスプ
ロファイル9は、バットレス部が張り出した上膨らみの
イカリ型をなす。したがって、標準リムに装着して前記
内圧充填処理を行えばビード部が大きくせり出す形状変
化をなしうる。
【0023】逆に前記比(R1/rc)が1.39より
も大、かつ前記比(R2/R3)が、1.17以上に設
定したときには、カーカスプロファイル9は、サイドウ
ォール部内方が張り出した下膨らみの明瞭なオタフク型
をなす。したがって、この場合には標準リムに装着して
前記内圧充填処理を行えばバットレス部が大きくせり出
す形状変化をなす。なおビード間が狭められることによ
り、ビード部のせり出しで、前記バットレス部のせり出
しを多少抑制しうる。
も大、かつ前記比(R2/R3)が、1.17以上に設
定したときには、カーカスプロファイル9は、サイドウ
ォール部内方が張り出した下膨らみの明瞭なオタフク型
をなす。したがって、この場合には標準リムに装着して
前記内圧充填処理を行えばバットレス部が大きくせり出
す形状変化をなす。なおビード間が狭められることによ
り、ビード部のせり出しで、前記バットレス部のせり出
しを多少抑制しうる。
【0024】つまり、このようなカーカスプロファイル
は、タイヤを標準リムに装着して正規内圧を充填したと
きにはカーカスプロファイルが大きくせり出す形状変化
をなす。つまり、タイヤ周方向のRROを大とすること
が種々の実験の結果判明したのである。
は、タイヤを標準リムに装着して正規内圧を充填したと
きにはカーカスプロファイルが大きくせり出す形状変化
をなす。つまり、タイヤ周方向のRROを大とすること
が種々の実験の結果判明したのである。
【0025】これに対し、本発明のラジアルタイヤは、
カーカスプロファイルが、前記各比(R1/rc)及び
(R2/R3)を規制したことにより、自然平衡形状よ
りもわずかにオタフク型をなすに止まる。この場合、標
準リムに装着し、かつ正規内圧の5%から100%に内
圧充填変化処理を行ったときには、ビード部の間隔が
0.5インチ狭められる。
カーカスプロファイルが、前記各比(R1/rc)及び
(R2/R3)を規制したことにより、自然平衡形状よ
りもわずかにオタフク型をなすに止まる。この場合、標
準リムに装着し、かつ正規内圧の5%から100%に内
圧充填変化処理を行ったときには、ビード部の間隔が
0.5インチ狭められる。
【0026】したがって、カーカスプロファイル9は、
図4、図5で説明したように、ビード部を0.5インチ
だけ狭めたことによるビード部のせり出しと、オタフク
形状に基づくバットレス部のせり出しがともに相殺し合
うことにより、両者のせり出しは互いに均一かつその絶
対量を1mm以下とするなど極めて小とする平衡点を見い
出しうる。
図4、図5で説明したように、ビード部を0.5インチ
だけ狭めたことによるビード部のせり出しと、オタフク
形状に基づくバットレス部のせり出しがともに相殺し合
うことにより、両者のせり出しは互いに均一かつその絶
対量を1mm以下とするなど極めて小とする平衡点を見い
出しうる。
【0027】つまり、ラジアルタイヤは、タイヤ使用中
の内圧の変化によっては、カーカスプロファイル9がR
ROに殆ど影響を及ぼさない程度の小さなかつ均一な形
状変化に止まり、前記RFVを抑制する結果、車両の振
動乗り心地性能を大幅に向上し、かつ長期に亘りこの性
能を維持しうるのである。
の内圧の変化によっては、カーカスプロファイル9がR
ROに殆ど影響を及ぼさない程度の小さなかつ均一な形
状変化に止まり、前記RFVを抑制する結果、車両の振
動乗り心地性能を大幅に向上し、かつ長期に亘りこの性
能を維持しうるのである。
【0028】なお前記カーカスプロファイル9は、前記
広巾リムに装着した状態で前記内圧充填処理を行ったと
きに、ビード部4よりもバットレス部10のせり出し量
をわずかに大とすることが好ましい。この理由は後に述
べる。
広巾リムに装着した状態で前記内圧充填処理を行ったと
きに、ビード部4よりもバットレス部10のせり出し量
をわずかに大とすることが好ましい。この理由は後に述
べる。
【0029】
【実施例】以下本発明の一実施例を図面に基づき説明す
る。図2、図3に示すように、ラジアルタイヤ1は、ト
レッド部2からサイドウオール部3をへてビード部4の
ビードコア5でタイヤ軸方向内側から外側に向けて折り
返されるカーカス6と、前記カーカス6の半径方向外側
かつトレッド部内方に位置する補強用のベルト層7とを
具えるとともに、カーカス6の本体部6aと折返し部6
bとの間には、前記ビードコア5からのびる先細状かつ
周囲のゴム組成よりも硬質のゴムからなるビードエーペ
ックス8が設けられる。
る。図2、図3に示すように、ラジアルタイヤ1は、ト
レッド部2からサイドウオール部3をへてビード部4の
ビードコア5でタイヤ軸方向内側から外側に向けて折り
返されるカーカス6と、前記カーカス6の半径方向外側
かつトレッド部内方に位置する補強用のベルト層7とを
具えるとともに、カーカス6の本体部6aと折返し部6
bとの間には、前記ビードコア5からのびる先細状かつ
周囲のゴム組成よりも硬質のゴムからなるビードエーペ
ックス8が設けられる。
【0030】前記カーカス6は、芳香族ポリアミド、レ
ーヨン、ナイロン、ポリエステル等の有機繊維からなる
カーカスコードをタイヤ赤道Cに対して70〜90度の
ラジアル方向に配したコードプライを1枚又は複数枚用
いて形成している。
ーヨン、ナイロン、ポリエステル等の有機繊維からなる
カーカスコードをタイヤ赤道Cに対して70〜90度の
ラジアル方向に配したコードプライを1枚又は複数枚用
いて形成している。
【0031】前記ベルト層7は、好ましくはスチールか
らなるベルトコードを、例えばタイヤ赤道Cに対して1
0〜30度の小角度に配列した内外2層のベルトプライ
7A、7Bをコードが互いに交差する向きに重ね合わせ
て形成され、前記トレッド部3に強固にタガ効果を付与
しうる。
らなるベルトコードを、例えばタイヤ赤道Cに対して1
0〜30度の小角度に配列した内外2層のベルトプライ
7A、7Bをコードが互いに交差する向きに重ね合わせ
て形成され、前記トレッド部3に強固にタガ効果を付与
しうる。
【0032】又前記内のベルトプライ7Aの両端は、外
のベルトプライ7Bよりも広巾に形成されている。なお
ベルトコードは、スチール以外にも有機繊維といった種
々のコード材料を用いうる。
のベルトプライ7Bよりも広巾に形成されている。なお
ベルトコードは、スチール以外にも有機繊維といった種
々のコード材料を用いうる。
【0033】又前記カーカスプロファイル上に作用の項
で説明した各点a〜fを定義したうえで、前記第1点b
と第2点cとの間を滑らかに継ぐ曲率半径R1の第1の
円弧C1、前記第3点dと第4点eとの間を滑らかに継
ぐ曲率半径R2の第2の円弧C2、および前記第4点e
と第5点fとの間を滑らかに継ぐ曲率半径R3の第3の
円弧C3は、前記曲率半径R1と前記タイヤ回転軸CL
から前記第2点cまでの半径長さrcとの比(R1/r
c)は、0.69以上かつ1.39以下とし、前記曲率
半径R2、R3の比(R2/R3)は、0.99よりも
大かつ1.17よりも小とすることは既に述べたとおり
である。
で説明した各点a〜fを定義したうえで、前記第1点b
と第2点cとの間を滑らかに継ぐ曲率半径R1の第1の
円弧C1、前記第3点dと第4点eとの間を滑らかに継
ぐ曲率半径R2の第2の円弧C2、および前記第4点e
と第5点fとの間を滑らかに継ぐ曲率半径R3の第3の
円弧C3は、前記曲率半径R1と前記タイヤ回転軸CL
から前記第2点cまでの半径長さrcとの比(R1/r
c)は、0.69以上かつ1.39以下とし、前記曲率
半径R2、R3の比(R2/R3)は、0.99よりも
大かつ1.17よりも小とすることは既に述べたとおり
である。
【0034】このラジアルタイヤは、図2に示すよう
に、標準リム巾RWより0.5インチ広い広巾リムJA
に装着し、かつ正規内圧の5%内圧を充填した状態から
正規内圧の100%内圧に変化させる内圧変化処理を行
ったときのタイヤ子午断面におけるカーカスプロファイ
ル9Aのせり出し量Fが、ビード部4よりもバットレス
部10の方がわずかに大きく設定されている。
に、標準リム巾RWより0.5インチ広い広巾リムJA
に装着し、かつ正規内圧の5%内圧を充填した状態から
正規内圧の100%内圧に変化させる内圧変化処理を行
ったときのタイヤ子午断面におけるカーカスプロファイ
ル9Aのせり出し量Fが、ビード部4よりもバットレス
部10の方がわずかに大きく設定されている。
【0035】又かかるラジアルタイヤは、前記広巾リム
JAのリム巾より0.5インチ狭いリム巾の標準リムJ
に装着し、かつ前記内圧変化処理を行ったときには、前
記カーカスプロファイル9Cのせり出しは、バットレス
部10及びビード部4が互いに相殺し合って両者は互い
に均一かつその絶対量を小とするせり出しの平衡点を見
い出しうる。
JAのリム巾より0.5インチ狭いリム巾の標準リムJ
に装着し、かつ前記内圧変化処理を行ったときには、前
記カーカスプロファイル9Cのせり出しは、バットレス
部10及びビード部4が互いに相殺し合って両者は互い
に均一かつその絶対量を小とするせり出しの平衡点を見
い出しうる。
【0036】このようにカーカスプロファイル9Cの内
圧変化による形状変化が小さければ、タイヤ使用中の内
圧変化によっても、カーカスプロファイルはRROに殆
ど影響を及ぼさず、RFVを抑制し車両の振動乗り心地
性能を大幅に向上しうるのは既に述べた通りである。
圧変化による形状変化が小さければ、タイヤ使用中の内
圧変化によっても、カーカスプロファイルはRROに殆
ど影響を及ぼさず、RFVを抑制し車両の振動乗り心地
性能を大幅に向上しうるのは既に述べた通りである。
【0037】ここで、前記標準リムJとは、JATMA
規格における標準リムをいい、正規内圧とはJATMA
規格において規定されている空気圧をいう。又カーカス
プロファイルは、カーカス6の前記本体部6aの肉厚中
心線として示しており、さらに、前記カーカスプロファ
イル上の第2点cと、第3点dとの間は円弧で滑らかに
継いでいる。
規格における標準リムをいい、正規内圧とはJATMA
規格において規定されている空気圧をいう。又カーカス
プロファイルは、カーカス6の前記本体部6aの肉厚中
心線として示しており、さらに、前記カーカスプロファ
イル上の第2点cと、第3点dとの間は円弧で滑らかに
継いでいる。
【0038】次に、かかるラジアルタイヤ1の製造に適
した製造方法について説明すれば次の通りである。先
ず、図3に示すようにタイヤの生カバー1Aを加硫金型
内で加硫する加硫工程においては、ビード部外面4a間
の距離を、装着する標準リムのリム巾RWよりも大とし
て成形しうるクリップ巾CWのビード成形面11を有し
た加硫金型12を用いることが重要であり、本実施例で
は、前記クリップ巾CWを、標準リム巾RWに0.8イ
ンチを加えた巾としたものを例示している。
した製造方法について説明すれば次の通りである。先
ず、図3に示すようにタイヤの生カバー1Aを加硫金型
内で加硫する加硫工程においては、ビード部外面4a間
の距離を、装着する標準リムのリム巾RWよりも大とし
て成形しうるクリップ巾CWのビード成形面11を有し
た加硫金型12を用いることが重要であり、本実施例で
は、前記クリップ巾CWを、標準リム巾RWに0.8イ
ンチを加えた巾としたものを例示している。
【0039】前記した図5、6より、内圧充填によるカ
ーカスプロファイル9の形状変化を最小に止めるために
は、加硫金型内でのカーカスプロファイルの形状を自然
平衡形とし、かつクリップ巾CWを標準リム巾RWと一
致させることが重要となるのは明らかである。
ーカスプロファイル9の形状変化を最小に止めるために
は、加硫金型内でのカーカスプロファイルの形状を自然
平衡形とし、かつクリップ巾CWを標準リム巾RWと一
致させることが重要となるのは明らかである。
【0040】ところが、前記クリップ巾CWを標準リム
巾RWと一致させると、前記ビード部4、4の間隔を狭
めがちとなり、加硫時にタイヤ内腔へ向けて膨張し又伸
縮しうるブラダーBD(図3に示す)の出し入れを困難
とし、かつタイヤリム組時に、ビード部とリムフランジ
との十分な接触状態を確保しえずリム組み作業性を劣化
させる。従って、かかるタイヤの生産性を悪化させるこ
とがないよう加硫金型のクリップ巾CWは標準リム巾R
Wよりも大とすることが前提となる。
巾RWと一致させると、前記ビード部4、4の間隔を狭
めがちとなり、加硫時にタイヤ内腔へ向けて膨張し又伸
縮しうるブラダーBD(図3に示す)の出し入れを困難
とし、かつタイヤリム組時に、ビード部とリムフランジ
との十分な接触状態を確保しえずリム組み作業性を劣化
させる。従って、かかるタイヤの生産性を悪化させるこ
とがないよう加硫金型のクリップ巾CWは標準リム巾R
Wよりも大とすることが前提となる。
【0041】他方前記加硫金型12は、加硫中の前記カ
ーカスプロファイル9が、自然平衡形状理論に基づくプ
ロファイルに対してカーカス最大巾位置から半径方向内
方部をやや下膨らみとしたオタフク型となるように成形
面を形成することが好ましいが、詳細は後で述べる。
ーカスプロファイル9が、自然平衡形状理論に基づくプ
ロファイルに対してカーカス最大巾位置から半径方向内
方部をやや下膨らみとしたオタフク型となるように成形
面を形成することが好ましいが、詳細は後で述べる。
【0042】次に生カバー1Aを加硫した加硫済タイヤ
1Bは、大気圧よりも大きい内圧を付与して一定時間保
持するポスト・キュア・インフレーション工程(以下、
「PCI工程」という)を行うことが重要である。
1Bは、大気圧よりも大きい内圧を付与して一定時間保
持するポスト・キュア・インフレーション工程(以下、
「PCI工程」という)を行うことが重要である。
【0043】PCI工程は、図4に示すように前記加硫
工程を経た加硫済タイヤ1Bを、リム巾PWが標準リム
巾RWよりも大かつ標準リム巾RWに1.5インチを加
えた1.5インチ増加巾以下で、しかも前記クリップ巾
CW以下のリム体13に装着して行うものを示してい
る。
工程を経た加硫済タイヤ1Bを、リム巾PWが標準リム
巾RWよりも大かつ標準リム巾RWに1.5インチを加
えた1.5インチ増加巾以下で、しかも前記クリップ巾
CW以下のリム体13に装着して行うものを示してい
る。
【0044】一般に、加硫工程では、加硫金型12の成
形面の存在によりカーカスプライ内のカーカスコードに
十分な張力を作用させることはできず、カーカスコード
が伸びきった状態ではない。したがって、PCI工程を
行うことにより、カーカスコードを自由変形を許容しう
る状況下で、十分に伸ばした状態でカーカスプロファイ
ルを固定でき、内圧充填によるカーカスのコードパス伸
びを小、ひいてはカーカスプロファイル9の形状変化を
より小としうる。
形面の存在によりカーカスプライ内のカーカスコードに
十分な張力を作用させることはできず、カーカスコード
が伸びきった状態ではない。したがって、PCI工程を
行うことにより、カーカスコードを自由変形を許容しう
る状況下で、十分に伸ばした状態でカーカスプロファイ
ルを固定でき、内圧充填によるカーカスのコードパス伸
びを小、ひいてはカーカスプロファイル9の形状変化を
より小としうる。
【0045】又PCI工程は、リム巾PWが、標準リム
巾RWよりも大、かつ前記クリップ巾CW以下としたリ
ム体13を用いることにより、ビード部4は、加硫後ク
リップ巾に形成されたビード部の幅を、同等或いはそれ
よりも狭めうるが、標準リム巾RWより広げた形状に保
持される。従って、PCI工程後、標準リムJにタイヤ
を装着することによりビード部4の間隔を狭めるのであ
る。
巾RWよりも大、かつ前記クリップ巾CW以下としたリ
ム体13を用いることにより、ビード部4は、加硫後ク
リップ巾に形成されたビード部の幅を、同等或いはそれ
よりも狭めうるが、標準リム巾RWより広げた形状に保
持される。従って、PCI工程後、標準リムJにタイヤ
を装着することによりビード部4の間隔を狭めるのであ
る。
【0046】以上から明らかなように、前記加硫、PC
I工程をへたラジアルタイヤ1は、カーカスプロファイ
ル9が下膨らみの自然平衡形状を基調としたややオタフ
ク状をなし、かつビード部4間が広げられている結果、
標準リムJにリム組して前記内圧充填処理を行えば、カ
ーカスプロファイル9は、図4、図5のようにオタフク
状に基づくバットレス部10のせり出しと、ビード部4
の間隔を狭めることに基づくビード部4のせり出しとが
互いに相殺し合うことにより、両者のせり出しは互いに
均一かつその絶対量を小とする平衡点を見い出すのであ
る。
I工程をへたラジアルタイヤ1は、カーカスプロファイ
ル9が下膨らみの自然平衡形状を基調としたややオタフ
ク状をなし、かつビード部4間が広げられている結果、
標準リムJにリム組して前記内圧充填処理を行えば、カ
ーカスプロファイル9は、図4、図5のようにオタフク
状に基づくバットレス部10のせり出しと、ビード部4
の間隔を狭めることに基づくビード部4のせり出しとが
互いに相殺し合うことにより、両者のせり出しは互いに
均一かつその絶対量を小とする平衡点を見い出すのであ
る。
【0047】加うるに前記PCI工程により、カーカス
コードは、均一に張力が作用し伸長した状態で保持され
ている結果、内圧充填による伸びが殆ど無視しうる程度
の極めて小さなものに止まり、カーカスプロファイル9
のせり出し量の絶対量を、例えば1mm以下とするなど小
になしうる。
コードは、均一に張力が作用し伸長した状態で保持され
ている結果、内圧充填による伸びが殆ど無視しうる程度
の極めて小さなものに止まり、カーカスプロファイル9
のせり出し量の絶対量を、例えば1mm以下とするなど小
になしうる。
【0048】ここで、内圧充填による形状変化の少ない
カーカスプロファイルとして、前記自然平衡形状理論が
提唱されているのは周知である。この自然平衡形状理論
とは、ベルト層の軸方向端点とビード部固定位置点が与
えられた場合(この2点は移動しないとの前提の下)、
カーカスのコードパス又はカーカス最大巾のいずれかを
定めることにより、カーカスプロファイルを一義的に求
めうる理論である。
カーカスプロファイルとして、前記自然平衡形状理論が
提唱されているのは周知である。この自然平衡形状理論
とは、ベルト層の軸方向端点とビード部固定位置点が与
えられた場合(この2点は移動しないとの前提の下)、
カーカスのコードパス又はカーカス最大巾のいずれかを
定めることにより、カーカスプロファイルを一義的に求
めうる理論である。
【0049】この自然平衡形状理論の特徴は、カーカス
コードに作用する張力が一定となることである。したが
って、カーカスコードに伸びが生じることを前提として
考慮するならば、この理論に基づくカーカスプロファイ
ルは、元の形状から相似的に略均一に膨張変形し又その
変形量を小に止めうるといえる。
コードに作用する張力が一定となることである。したが
って、カーカスコードに伸びが生じることを前提として
考慮するならば、この理論に基づくカーカスプロファイ
ルは、元の形状から相似的に略均一に膨張変形し又その
変形量を小に止めうるといえる。
【0050】なお自然平衡形状理論については、W.H
offerberthが、Kautsch.Gummi
(8−1955、124〜130)で論じた文献などに
詳しい。
offerberthが、Kautsch.Gummi
(8−1955、124〜130)で論じた文献などに
詳しい。
【0051】このような自然平衡形状理論を基調とした
カーカスプロファイルは、例えばベルト層7のタイヤ軸
方向端部と、前記ビードエーペックス8先端とが挟むサ
イドウォール部領域は膜理論を適用しうるため自然平衡
形状理論を採用しうるが、カーカス6のベルト層7のタ
イヤ半径方向内側に位置するクラウン領域及びビードエ
ーペックスのタイヤ軸方向内側のビード部領域は次のよ
うな修正を加えている。
カーカスプロファイルは、例えばベルト層7のタイヤ軸
方向端部と、前記ビードエーペックス8先端とが挟むサ
イドウォール部領域は膜理論を適用しうるため自然平衡
形状理論を採用しうるが、カーカス6のベルト層7のタ
イヤ半径方向内側に位置するクラウン領域及びビードエ
ーペックスのタイヤ軸方向内側のビード部領域は次のよ
うな修正を加えている。
【0052】前記クラウン領域は、図7のようにタイヤ
回転軸上にy軸をとり、タイヤ赤道位置を通って半径方
向にz軸をとる座標系上で、D−P間である。この領域
はカーカス6のカーカスコードとベルト層7のベルトコ
ードとによりタイヤ内圧を分担していると考えられる。
回転軸上にy軸をとり、タイヤ赤道位置を通って半径方
向にz軸をとる座標系上で、D−P間である。この領域
はカーカス6のカーカスコードとベルト層7のベルトコ
ードとによりタイヤ内圧を分担していると考えられる。
【0053】ここで、前記ベルト層7がタイヤ内圧を分
担するベルト内圧分担率をTbを、zの関数として数1
のように近似させて表すことができる。
担するベルト内圧分担率をTbを、zの関数として数1
のように近似させて表すことができる。
【0054】
【数1】
【0055】但し、aはベルト層に応じて任意であり、
ベルト内圧分担率Tbは、a=0でベルト層7の全域で
τoの均一な圧力分担となり、a=τoではベルト層両
端で圧力分担は0となり又赤道上でτoとなる放物状を
なす。rp、rdは座標値である。
ベルト内圧分担率Tbは、a=0でベルト層7の全域で
τoの均一な圧力分担となり、a=τoではベルト層両
端で圧力分担は0となり又赤道上でτoとなる放物状を
なす。rp、rdは座標値である。
【0056】次に、ビード部4のビードエーペックス8
がタイヤ内圧を分担するビード内圧分担率をTeは、r
の関数として数2のように近似的に表すことができる。
なおrbは、ビードエーペックス内方端でのr座標、r
eは、ビードエーペックス先端のr座標であり、τeは
ビードエーペックス内方端での圧力分担率である。
がタイヤ内圧を分担するビード内圧分担率をTeは、r
の関数として数2のように近似的に表すことができる。
なおrbは、ビードエーペックス内方端でのr座標、r
eは、ビードエーペックス先端のr座標であり、τeは
ビードエーペックス内方端での圧力分担率である。
【0057】
【数2】
【0058】かかる場合、カーカスコードに作用するコ
ード張力tcとタイヤ内圧pの釣り合い条件から、半径
rの点における断面曲率半径Rsの間には、タイヤ全周
のカーカスコードの本数をNとすると数3の関係式が成
り立つ。
ード張力tcとタイヤ内圧pの釣り合い条件から、半径
rの点における断面曲率半径Rsの間には、タイヤ全周
のカーカスコードの本数をNとすると数3の関係式が成
り立つ。
【0059】
【数3】
【0060】なおTcは、カーカス6の内圧分担率でr
の関数であり、前記クラウン領域ではTc=1−Tb
(Tb:ベルト内圧分担率)、前記ビード部領域ではT
c=1−Te(Te:ビード内圧分担率)、それ以外で
はTc=1となる。又前記Rsは、幾何学的関係より数
4のように示すことができる。
の関数であり、前記クラウン領域ではTc=1−Tb
(Tb:ベルト内圧分担率)、前記ビード部領域ではT
c=1−Te(Te:ビード内圧分担率)、それ以外で
はTc=1となる。又前記Rsは、幾何学的関係より数
4のように示すことができる。
【0061】
【数4】
【0062】前記数4及び各カーカス内圧分担率Tcを
数3に代入し、クラウン領域(D−P間)、サイドウォ
ール部領域(E−D間)およびビード部領域(E−B
間)について積分することによりカーカス形状を数5〜
7のように与えることができる。
数3に代入し、クラウン領域(D−P間)、サイドウォ
ール部領域(E−D間)およびビード部領域(E−B
間)について積分することによりカーカス形状を数5〜
7のように与えることができる。
【0063】
【数5】
【0064】
【数6】
【0065】
【数7】
【0066】ただし、数5〜7のBは、数8に示すよう
になる。
になる。
【0067】
【数8】
【0068】前記数5〜7で表される式を用い、自然平
衡形状を基調とした標準リム装着時のカーカスプロファ
イル9を描くことができる。又前記数5〜7について
は、図8に示すように、カーカス径:rp、カーカ
ス巾:W、リム巾:RW、ベルト巾:BW、ビー
ド部の厚さ:CT、ビードエーペックスの高さ:BH
(ビードベースラインBLより)、ベルト内圧分担
率:Tb、ビード内圧分担率Teを適宜与えることに
より前記カーカスプロファイルを描画しうる。
衡形状を基調とした標準リム装着時のカーカスプロファ
イル9を描くことができる。又前記数5〜7について
は、図8に示すように、カーカス径:rp、カーカ
ス巾:W、リム巾:RW、ベルト巾:BW、ビー
ド部の厚さ:CT、ビードエーペックスの高さ:BH
(ビードベースラインBLより)、ベルト内圧分担
率:Tb、ビード内圧分担率Teを適宜与えることに
より前記カーカスプロファイルを描画しうる。
【0069】又カーカス径:rp、カーカス巾:W、リ
ム巾:RWについては、適宜JATMA、JISといっ
た規格及び各種のゴムゲージを与えることにより、適宜
定めうるとともに、ベルト巾:BWについては、カーカ
ス巾:Wよりも小かつカーカス巾:Wに、{1.25−
0.01×(偏平率)}を乗じた係数よりも大としてい
る。
ム巾:RWについては、適宜JATMA、JISといっ
た規格及び各種のゴムゲージを与えることにより、適宜
定めうるとともに、ベルト巾:BWについては、カーカ
ス巾:Wよりも小かつカーカス巾:Wに、{1.25−
0.01×(偏平率)}を乗じた係数よりも大としてい
る。
【0070】なお本実施例ではビード内圧分担率Te
は、0.7とし、前記ベルト内圧分担率Tbは、カーカ
スプロファイル9のトレッド部2が最もフラットとなる
時の値としている。
は、0.7とし、前記ベルト内圧分担率Tbは、カーカ
スプロファイル9のトレッド部2が最もフラットとなる
時の値としている。
【0071】このように適宜数値を与えることにより、
タイヤを標準リムに装着したときのカーカスプロファイ
ル9を描画することができ、これからカーカス6のコー
ドパスを計算でき、この計算したカーカス6のコードパ
スを固定し、加硫金型内での加硫中におけるカーカスプ
ロファイル9は、前記リム巾:RWにクリップ巾CWに
広げ、又金型の成形面に基づいて適宜数値を与えれば良
い。
タイヤを標準リムに装着したときのカーカスプロファイ
ル9を描画することができ、これからカーカス6のコー
ドパスを計算でき、この計算したカーカス6のコードパ
スを固定し、加硫金型内での加硫中におけるカーカスプ
ロファイル9は、前記リム巾:RWにクリップ巾CWに
広げ、又金型の成形面に基づいて適宜数値を与えれば良
い。
【0072】このように加硫金型12のクリップ巾CW
を、標準リム巾RWよりも広巾としたときには、標準リ
ムJに装着する時には、前記したようにビード部間隔が
狭められ、内圧充填処理によりビード部4がせり出すこ
ととなる。したがって、カーカスプロファイル9は前記
した数5〜7の理論曲線を図8としたとき、この理論曲
線とコードパスが等しく、点線で示すように、最大巾位
置rmをビード側へずらし、タイヤ半径方向内方を、こ
の理論曲線より、やや下膨らみとするオタフク型とし、
前記内圧充填処理によるバットレス部10のせり出しに
より、前記ビード部4のせり出しと互いに打ち消し合わ
せ、せり出し自体を均一かつ小としうるのである。
を、標準リム巾RWよりも広巾としたときには、標準リ
ムJに装着する時には、前記したようにビード部間隔が
狭められ、内圧充填処理によりビード部4がせり出すこ
ととなる。したがって、カーカスプロファイル9は前記
した数5〜7の理論曲線を図8としたとき、この理論曲
線とコードパスが等しく、点線で示すように、最大巾位
置rmをビード側へずらし、タイヤ半径方向内方を、こ
の理論曲線より、やや下膨らみとするオタフク型とし、
前記内圧充填処理によるバットレス部10のせり出しに
より、前記ビード部4のせり出しと互いに打ち消し合わ
せ、せり出し自体を均一かつ小としうるのである。
【0073】なお前記クリップ巾CWは、タイヤサイズ
により異なるが、例えばタイヤサイズが205/65R
15の場合、好ましくは標準リムのリム巾よりも0.5
インチよりも大かつ1.5インチ以下、好ましくは0.
8インチ(20.32mm)程度とする。つまり、タイヤ
サイズの呼び寸法(205mm)の6ないし20%程度と
している。
により異なるが、例えばタイヤサイズが205/65R
15の場合、好ましくは標準リムのリム巾よりも0.5
インチよりも大かつ1.5インチ以下、好ましくは0.
8インチ(20.32mm)程度とする。つまり、タイヤ
サイズの呼び寸法(205mm)の6ないし20%程度と
している。
【0074】増加巾が0.5インチ以下ではビード部4
を広げる効果が小さく、逆に1.5インチを越えるとカ
ーカスプロファイルの変化が大きすぎて目的を達しえな
い。
を広げる効果が小さく、逆に1.5インチを越えるとカ
ーカスプロファイルの変化が大きすぎて目的を達しえな
い。
【0075】次に前記PCI工程は、図4に示すように
前記加硫工程を経た加硫済タイヤ1Bを、リム巾PWが
標準リム巾RWよりも大かつ標準リム巾RWに1.5イ
ンチを加えた1.5インチ増加巾以下で、しかも前記加
硫金型12のクリップ巾CW以下のリム体13に装着し
て行うことを特徴とし、本実施例では標準リム巾RWに
0.5インチ(12.55mm)増加している。
前記加硫工程を経た加硫済タイヤ1Bを、リム巾PWが
標準リム巾RWよりも大かつ標準リム巾RWに1.5イ
ンチを加えた1.5インチ増加巾以下で、しかも前記加
硫金型12のクリップ巾CW以下のリム体13に装着し
て行うことを特徴とし、本実施例では標準リム巾RWに
0.5インチ(12.55mm)増加している。
【0076】このようにPCI工程は、リム巾PWが標
準リム巾RWよりも大かつ加硫金型のクリップ巾CW以
下、好ましくはクリップ巾より小なる関係を充足するリ
ム体Bを用いることにより、加硫工程中に広げられたビ
ード部4間を維持又は狭めた状態でカーカスコードに伸
びを付与し、カーカスプロファイルの形状を保持するこ
とができ、標準リム装着時のビード部4の変形を適度に
緩和しうる。
準リム巾RWよりも大かつ加硫金型のクリップ巾CW以
下、好ましくはクリップ巾より小なる関係を充足するリ
ム体Bを用いることにより、加硫工程中に広げられたビ
ード部4間を維持又は狭めた状態でカーカスコードに伸
びを付与し、カーカスプロファイルの形状を保持するこ
とができ、標準リム装着時のビード部4の変形を適度に
緩和しうる。
【0077】なおPCI工程は、次の3点に注意するこ
とが必要である。先ず第1に、加硫済タイヤ1Bに少な
くとも正規内圧の90〜100%、好ましくは100%
の内圧を充填し、かかる状態でのビード部4のみを保持
してタイヤの自由変形を許容することである。
とが必要である。先ず第1に、加硫済タイヤ1Bに少な
くとも正規内圧の90〜100%、好ましくは100%
の内圧を充填し、かかる状態でのビード部4のみを保持
してタイヤの自由変形を許容することである。
【0078】内圧の負荷が十分に作用し得ないと、又タ
イヤの自由変形を許容しえないと前記カーカスプロファ
イル9を、カーカスコードが伸びた平衡状態で保つこと
ができず正規内圧充填時にカーカスコードパスが変化し
てカーカスプロファイル9の形状変化に悪影響を及ぼす
一方、逆に正規内圧の100%を越えると過大な負荷を
前記カーカスコードに与えてしまい耐久性を低下させる
など好ましくない。
イヤの自由変形を許容しえないと前記カーカスプロファ
イル9を、カーカスコードが伸びた平衡状態で保つこと
ができず正規内圧充填時にカーカスコードパスが変化し
てカーカスプロファイル9の形状変化に悪影響を及ぼす
一方、逆に正規内圧の100%を越えると過大な負荷を
前記カーカスコードに与えてしまい耐久性を低下させる
など好ましくない。
【0079】第2に、PCI工程は、加硫時の余熱を利
用しつつタイヤの温度を摂氏80〜160度程度に温度
管理することである。前記温度が160度を越えるとゴ
ム焼けなどを生じて製品価値を損なう反面、80度を下
回るときにはカーカスコードが収縮しがちとなり好まし
くないからである。
用しつつタイヤの温度を摂氏80〜160度程度に温度
管理することである。前記温度が160度を越えるとゴ
ム焼けなどを生じて製品価値を損なう反面、80度を下
回るときにはカーカスコードが収縮しがちとなり好まし
くないからである。
【0080】第3に、PCI工程は、前記内圧充填状態
かつ温度管理の下で10〜20分程度維持することであ
る。10分を下限としたのは、PCI工程本来の効果を
達成するための最小時間であり、これに満たないとカー
カスコードに十分な伸びを付与しえず、逆に20分を越
えるとタイヤ生産性に劣るからである。
かつ温度管理の下で10〜20分程度維持することであ
る。10分を下限としたのは、PCI工程本来の効果を
達成するための最小時間であり、これに満たないとカー
カスコードに十分な伸びを付与しえず、逆に20分を越
えるとタイヤ生産性に劣るからである。
【0081】このような加硫工程、PCI工程を経たラ
ジアルタイヤは、標準リムのリム巾より0.5インチ広
い広巾リムに装着し、かつ正規内圧の5%内圧を充填し
た状態から正規内圧の100%内圧に変化させる内圧変
化処理を行ったときのカーカスプロファイルのせり出し
量が、ビード部よりもバットレス部の方が大きく、逆に
標準リムのリム巾より0.5インチ狭い狭巾リムに装着
して前記内圧変化処理を行ったときには、バットレス部
よりもビード部の方が大きくせり出すカーカスプロファ
イルを設定することができ、本例では各々のせり出し量
は1mm以下程度に止めうる。つまり、請求項1に記載し
たようなカーカスプロファイルの形状変化をなしうるラ
ジアルタイヤを製造しうる。
ジアルタイヤは、標準リムのリム巾より0.5インチ広
い広巾リムに装着し、かつ正規内圧の5%内圧を充填し
た状態から正規内圧の100%内圧に変化させる内圧変
化処理を行ったときのカーカスプロファイルのせり出し
量が、ビード部よりもバットレス部の方が大きく、逆に
標準リムのリム巾より0.5インチ狭い狭巾リムに装着
して前記内圧変化処理を行ったときには、バットレス部
よりもビード部の方が大きくせり出すカーカスプロファ
イルを設定することができ、本例では各々のせり出し量
は1mm以下程度に止めうる。つまり、請求項1に記載し
たようなカーカスプロファイルの形状変化をなしうるラ
ジアルタイヤを製造しうる。
【0082】
【具体例】タイヤサイズを205/65R15(標準リ
ムのリム巾RW:6インチ)、加硫金型のクリップ巾を
6.8インチ、PCI工程のリム体のリム巾を7イン
チ、6.5インチ及び6インチの3種を設定し、実施例
の製造方法に従うタイヤを表1の仕様に基づいて試作す
るとともに(実施例)、実施例以外の製造方法にて試作
したタイヤ(従来例及び比較例1ないし5)についても
試作し、テストを行った。なお、従来のタイヤは、加硫
金型内でのカーカスプロファイルを、略単一の円弧を基
調とする円弧型としている。テストの要領は次の通りで
ある。
ムのリム巾RW:6インチ)、加硫金型のクリップ巾を
6.8インチ、PCI工程のリム体のリム巾を7イン
チ、6.5インチ及び6インチの3種を設定し、実施例
の製造方法に従うタイヤを表1の仕様に基づいて試作す
るとともに(実施例)、実施例以外の製造方法にて試作
したタイヤ(従来例及び比較例1ないし5)についても
試作し、テストを行った。なお、従来のタイヤは、加硫
金型内でのカーカスプロファイルを、略単一の円弧を基
調とする円弧型としている。テストの要領は次の通りで
ある。
【0083】イ)カーカスプロファイルの形状変化
標準リムのリム巾より0.5インチ大きい広巾リムにタ
イヤを装着し、前記内圧充填処理を行うとともに、変化
前後のカーカスプロファイルの形状変化を、X線CT測
定装置を使用して記録し、そのせり出し量及び状態を確
認した。
イヤを装着し、前記内圧充填処理を行うとともに、変化
前後のカーカスプロファイルの形状変化を、X線CT測
定装置を使用して記録し、そのせり出し量及び状態を確
認した。
【0084】ロ)振動乗り心地性能
各タイヤについて、新品時と、12800km走行した後
のフォースバリエーション(FV)を測定し、従来例を
100とする指数で表示しており、数値が小さいほど、
FVが小さく振動乗り心地性能に優れることを示してい
る。なお、走行条件は、FV測定機を用いるとともに、
荷重468kgf 、正規内圧2.0KSC、標準リム6.
0JJ×15、スリップ角1度で1600km毎に正負ス
リップ角を変化させた条件下で行った。テストの結果を
表1に示す。
のフォースバリエーション(FV)を測定し、従来例を
100とする指数で表示しており、数値が小さいほど、
FVが小さく振動乗り心地性能に優れることを示してい
る。なお、走行条件は、FV測定機を用いるとともに、
荷重468kgf 、正規内圧2.0KSC、標準リム6.
0JJ×15、スリップ角1度で1600km毎に正負ス
リップ角を変化させた条件下で行った。テストの結果を
表1に示す。
【0085】
【表1】
【0086】テストの結果、実施例のタイヤは、新品
時、走行後ともにFVが小さく、とりわけ走行後のFV
が小さいことが確認しえた。
時、走行後ともにFVが小さく、とりわけ走行後のFV
が小さいことが確認しえた。
【0087】
【発明の効果】叙上の如く、本発明によれば、タイヤ新
品時はもとより、タイヤ使用後においてもRFVを抑制
し、車両の振動乗り心地性能を向上し、かつ長期に亘っ
て維持しうるラジアルタイヤを提供しうる。
品時はもとより、タイヤ使用後においてもRFVを抑制
し、車両の振動乗り心地性能を向上し、かつ長期に亘っ
て維持しうるラジアルタイヤを提供しうる。
【図1】本発明のラジアルタイヤのカーカスプロファイ
ルを説明する概念図である。
ルを説明する概念図である。
【図2】本発明のラジアルタイヤのカーカスプロファイ
ルの形状変化を示す概念図である。
ルの形状変化を示す概念図である。
【図3】ラジアルタイヤの加硫中を説明する断面図であ
る。
る。
【図4】PCI工程を説明するための断面図である。
【図5】(A)〜(C)は、内圧充填処理によるカーカ
スプロファイルの形状変化を説明するための線図であ
る。
スプロファイルの形状変化を説明するための線図であ
る。
【図6】(A)〜(C)は、内圧充填処理によるカーカ
スプロファイルの形状変化を説明するための線図であ
る。
スプロファイルの形状変化を説明するための線図であ
る。
【図7】カーカスプロファイルを説明するための線図で
ある。
ある。
【図8】カーカスプロファイルを説明するための線図で
ある。
ある。
2 トレッド部
3 サイドウォール部
4 ビード部
5 ビードコア
6 カーカス
7 ベルト層
8 ビードエーペックス
9 カーカスプロファイル
10 バットレス部
フロントページの続き
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
B60C 3/00 - 3/08
B29D 30/00 - 30/72
B60C 9/00 - 9/30
B29C 33/02
B29C 35/02
Claims (2)
- 【請求項1】トレッド部からサイドウオール部をへてビ
ード部のビードコアの廻りをタイヤ軸方向内側から外側
に向けて折り返す折返し部を有しかつコードをラジアル
方向に配したカーカスと、このカーカスの半径方向外側
かつ前記トレッド部の内方に配したベルト層とを具えた
ラジアルタイヤであって、 標準リムのリム巾より0.5インチ広い広巾リムに装着
し、かつ正規内圧を充填したときのタイヤ子午断面にお
けるカーカスプロファイルは、 カーカスプロファイルがタイヤ赤道面と交わる点a、 この点aから前記ベルト層のタイヤ軸方向巾の1/2長
さ(BW/2)に0.7を乗じた距離(0.7×BW/
2)をタイヤ軸方向に隔てるカーカスプロファイルのト
レッド部上の第1点b、 前記ベルト層の前記1/2長さ(BW/2)を前記点a
から隔てるカーカスプロファイルのトレッド部上の第2
点c、 カーカスプロファイルの最大巾位置から、カーカスプロ
ファイル断面高さ(H)より前記最大巾位置までのビー
ドベースラインからの高さ(h)を減じた長さ(H−
h)に0.7を乗じた距離{0.7×(H−h)}をタ
イヤ半径方向外側に隔てたカーカスプロファイルのサイ
ドウォール部上の第3点d、 前記最大巾位置を第4点e、 この第4点eから前記距離{0.7×(H−h)}をタ
イヤ半径方向内側に隔てたカーカスプロファイルのサイ
ドウォール上の第5点f、 およびタイヤ回転軸から前記第2点cまでの半径長さを
rcとしたとき、 前記第1点bと第2点cとの間を滑らかに継ぐ曲率半径
R1の第1の円弧C1と、前記第3点dと第4点eとの
間を滑らかに継ぐ曲率半径R2の第2の円弧C2と、前
記第4点eと第5点fとの間を滑らかに継ぐ曲率半径R
3の第3の円弧C3とは、0.69≦R1/rc≦1.
39、かつ0.99<R2/R3<1.17の関係を満
たすことを特徴とするラジアルタイヤ。 - 【請求項2】前記カーカスプロファイルは、標準リムの
リム巾より0.5インチ広い広巾リムに装着し、かつ正
規内圧の5%内圧を充填した状態から正規内圧の100
%内圧に変化させる内圧変化処理を行ったときのせり出
し量が、最大で1mm以下、かつビード部よりもバットレ
ス部のせり出し量を大としてなる請求項1記載のラジア
ルタイヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31587394A JP3391590B2 (ja) | 1994-11-24 | 1994-11-24 | ラジアルタイヤ |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31587394A JP3391590B2 (ja) | 1994-11-24 | 1994-11-24 | ラジアルタイヤ |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08142602A JPH08142602A (ja) | 1996-06-04 |
JP3391590B2 true JP3391590B2 (ja) | 2003-03-31 |
Family
ID=18070628
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31587394A Expired - Fee Related JP3391590B2 (ja) | 1994-11-24 | 1994-11-24 | ラジアルタイヤ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
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JP3391589B2 (ja) * | 1994-11-24 | 2003-03-31 | 住友ゴム工業株式会社 | ラジアルタイヤ及びその製造方法 |
GB9813965D0 (en) | 1997-07-05 | 1998-08-26 | Hankook Tire Manufacturing Com | Radial tyre |
EP1057658A1 (en) * | 1999-05-27 | 2000-12-06 | PIRELLI PNEUMATICI Società per Azioni | Tyre having minimized rolling resistance and mould for producing said tyre |
JP2001260610A (ja) * | 2000-01-13 | 2001-09-26 | Bridgestone Corp | 空気入りラジアルタイヤ及び空気入りラジアルタイヤの製造方法 |
BR0100126A (pt) * | 2000-02-01 | 2001-08-28 | Goodyear Tire & Rubber | Pneu radial com linha de lona aperfeiçoada |
JP4315646B2 (ja) * | 2002-06-12 | 2009-08-19 | 住友ゴム工業株式会社 | 空気入りタイヤ |
CN100443313C (zh) * | 2003-04-22 | 2008-12-17 | 正兴车轮集团有限公司 | 加宽钢圈 |
JP5262605B2 (ja) * | 2008-11-14 | 2013-08-14 | 横浜ゴム株式会社 | 空気入りタイヤの製造方法 |
JP5683977B2 (ja) | 2011-01-25 | 2015-03-11 | 株式会社ブリヂストン | 農業用タイヤ |
JP5698616B2 (ja) * | 2011-06-29 | 2015-04-08 | 住友ゴム工業株式会社 | 空気入りタイヤ及びそのカーカスプロファイルの設計方法 |
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EP2799259B1 (en) * | 2012-01-26 | 2017-06-14 | Sumitomo Rubber Industries, Ltd. | Pneumatic tire |
EP3037278B1 (en) | 2013-09-10 | 2019-05-01 | Sumitomo Rubber Industries, Ltd. | Pneumatic tire |
JP6371509B2 (ja) * | 2013-09-26 | 2018-08-08 | 住友ゴム工業株式会社 | 空気入りタイヤのカーカス形状の決定方法 |
JP2017507835A (ja) * | 2014-02-27 | 2017-03-23 | コンパニー ゼネラール デ エタブリッスマン ミシュラン | タイヤの改善されたボディプライ形状 |
JP6604163B2 (ja) * | 2015-11-26 | 2019-11-13 | 住友ゴム工業株式会社 | 空気入りタイヤの評価方法 |
JP2018008664A (ja) * | 2016-07-15 | 2018-01-18 | 横浜ゴム株式会社 | 空気入りタイヤ |
JP6787197B2 (ja) * | 2017-03-10 | 2020-11-18 | 横浜ゴム株式会社 | 空気入りタイヤの製造方法 |
JP7415131B2 (ja) * | 2019-11-05 | 2024-01-17 | 横浜ゴム株式会社 | 空気入りタイヤ |
JP7343769B2 (ja) * | 2019-11-05 | 2023-09-13 | 横浜ゴム株式会社 | 空気入りタイヤ |
JP7666097B2 (ja) * | 2021-04-22 | 2025-04-22 | 住友ゴム工業株式会社 | タイヤ |
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1994
- 1994-11-24 JP JP31587394A patent/JP3391590B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JPH08142602A (ja) | 1996-06-04 |
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