JP3388999B2 - サージ防護デバイスにおけるブレークオーバ電流ないし保持電流の設定方法 - Google Patents
サージ防護デバイスにおけるブレークオーバ電流ないし保持電流の設定方法Info
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Description
ージ等、各種サージ要因に基づく異常高電圧ないし異常
大電流から電気回路系を保護するサージ防護デバイスに
関し、特にそのブレークオーバ電流ないし保持電流を設
計仕様値に極力近く設定するための方法に関する。
しては二端子型に限定してもこれまで種々考案されてき
ており、その中、基本的ないし古典的なものとしては、
サージの印加によって降伏したとき、素子両端電圧をあ
る一定の降伏電圧にクランプする定電圧ダイオード型
(ブレークダウン型)のサージ防護素子がある。これに
対し、単なるブレークダウンメカニズムに従うだけでは
なく、サージの印加に伴い素子が降伏して素子電流が流
れ始めた後、それが絶対値においてブレークオーバ電流
値以上にまで増加すると負性特性を呈してブレークオー
バし、素子両端電圧が降伏電圧よりも低いクランプ電圧
に遷移することで大電流のサージを吸収可能としたブレ
ークオーバ型のサージ防護素子もある。
いこと、大きなサージが吸収できること等々で優れてい
る面が多いが、これにはまた、最初の降伏開始メカニズ
ムに雪崩降伏ないしツェナ降伏を利用するものと、そう
ではなくパンチスルー現象を利用するものとがある。本
発明は後述の通り、ブレークオーバ型であればその初期
降伏メカニズムがいずれの原理に従う素子であっても適
用し得るが、一般的な比較で言う限り、相当程度の幅で
設計性良く任意の降伏電圧が得られる点、接合容量や抵
抗等、種々の電気的特性を独立に設計可能な点において
パンチスルー現象を利用するブレークオーバ型のサージ
防護素子が有利である。こうしたことから、本出願人に
おいてもこれまで、出願順に列記すると、 公知文献 1:特公平 7− 77268号公報, 公知文献 2:特公平 1− 33951号公報, 公知文献 3:特公平 2− 52862号公報, 公知文献 4:特公平 4− 78186号公報, 公知文献 5:特公平 6− 38507号公報, 公知文献 6:特公平 6− 38508号公報, 公知文献 7:特公平 6− 56885号公報, 公知文献 8:特公平 7− 7837号公報, 公知文献 9:特公平 7− 70740号公報, 公知文献10:特開平 4−320067号公報, 公知文献11:特公平 7− 93423号公報, 公知文献12:特公平 7− 93424号公報, 等を通じ、初期降伏にパンチスルーを利用したブレーク
オーバ型のサージ防護素子に適用すると有効な種々の改
良提案をなして来た(ただし、上記公知文献 7〜11にて
開示の改良点は初期降伏現象に雪崩降伏やツェナ降伏を
利用するブレークオーバ型サージ防護素子にも有利に適
用し得る)。
ンチスルー型サージ防護素子のそもそもの基本的な構造
例と動作につき説明すると、同図(A) の断面構造図に示
すように、一般に半導体ウエハないし半導体基板として
提供される第一の半導体領域11があり、その導電型は
p,nのいずれかに選択される。しかし、パンチスルー型
とする場合、他の各領域の種々の製造条件等にも鑑みる
と、図示のように n型の方が良い。第一半導体領域11の
一方の主面側には第二半導体領域12、第三領域13が一般
に不純物の二重拡散技術やイオン打ち込み技術等、適当
なる不純物導入技術を利用して順次形成される。第二半
導体領域12は第一半導体領域11と整流性接合(pn接合)
を形成する必要があるので図示の場合は p型に選ばれる
が、特にデバイスをパンチスルー型とするときには少し
低濃度の p型、つまりp-型とするのが望ましい。対して
第三領域13は、第二半導体領域12に対し第二半導体領域
12にとっての少数キャリアを注入できる物性の領域、す
なわち第二半導体領域12と相まって少数キャリア注入接
合を形成し得る領域であれば良く、例えば第二半導体領
域12が図示のように n型の場合にはホール注入可能なシ
リサイド、そうではなく p型の場合には電子注入可能な
金属等で作製することもできる。しかし、一般的なの
は、やはりこの第三領域13も半導体領域とすることで、
図示の場合にもそのような例が示されており、当該第三
領域13は第二半導体領域12とは逆導電型で第二半導体領
域12との間で整流性接合(pn接合)を形成する n型の半
導体領域となっている。ただ、後述の動作例からも分か
るように、この第三半導体領域13はブレークオーバ後の
素子内の主電流線路の一端部をも形成するので、望まし
くは高導電率の半導体領域、すなわち高濃度 n型(n+)半
導体領域とするのが良い。このような点は、後述する本
発明の適用を受ける素子においても言える。
下側ないし裏面側)には、第二半導体領域12と対向し、
第一半導体領域11に対して少数キャリアを注入可能な物
性の第四領域14が設けられる。従って、既述の第三領域
13におけると同様、第一半導体領域11が図示のように p
型半導体の場合には金属、n型半導体の場合にはシリサイ
ド等でこの第四領域14を作製することも可能であり、本
発明の適用を受ける素子においても原理的にはそのよう
になっていて差し支えないが、これも一般的にはやはり
半導体領域とし、第一半導体領域11との間で整流性の接
合(pn接合)を形成させるのが普通である。そこで図示
の場合も、第一半導体領域11との間で少数キャリア注入
接合を形成すべきこの第四領域14は p型の半導体領域1
4、それも上述した第三半導体領域13に関するのと同じ
理由で、望ましくは高濃度 p型(p+型)の半導体領域と
なっている。この点もまた、後述する本発明の適用を受
ける素子において同様とすることができる。これらの点
を踏まえた上で、本書では以下、半導体領域に限らない
領域13,14も、半導体領域として構成されるべき領域1
1,12も、それらを一括して単に「領域」と呼ぶ。
と、第二領域12の表面と第三領域13の表面とに対しては
絶縁膜16に開けた開口を介し、共通にオーミック接触す
る第一の電極E1が設けられ、第四領域14に対しては絶縁
膜17に開けた開口を介しオーミック接触する第二の電極
E2が設けられている。第二電極E2にはまた、第一領域11
に接触する電極部分も電気的に接続しており、これと第
一半導体領域とによりオーミック接触領域18が形成され
る。特に望ましくは、この部分のオーミック接触を良好
にするために、当該オーミック接触領域18は第一半導体
領域11と同一導電型で高不純物濃度の領域(従って図示
の場合はn+型の領域)19を有している。このような断面
構造のサージ防護素子は、全ての領域11,12,13,14,
18(19)が第一領域11の厚味方向に沿って上下の積層関係
となっており、また、以下に述べる動作からも明らかな
ように、サージを吸収した結果としての素子電流も第
三、第四領域13,14間の第一領域11中を当該第一領域11
の厚味方向に流れるため、一般にヴァーティカル型ない
し縦型と呼ばれる。これに対し、第四領域14が第二領域
12と並設の関係で第一領域11の同じ主面側に設けられた
ラテラル型ないし横型もある。このようなサージ防護素
子も、動作原理上においては大きな相違はないが、本発
明ではこのようなラテラル型のサージ防護素子は適用の
対象としないので、これに関する説明は省略する。
素子のサージ吸収動作につき説明するに、まずは便宜
上、当該図6(A) 中に示されているオーミック接触領域
18はないものとする(つまり、第二電極E2は第四領域14
の表面にのみ接触しているものとする)。しかるに、第
一、第二電極E1,E2間にサージ電圧が印加され、それが
第一領域11と第二領域12との間のpn接合(整流性接合)
に逆バイアスを印加する位相(各領域が図示の導電型関
係である場合には第一電極E1の側が負となる位相)で、
かつ、所定の大きさ以上のものであるならば、当該第
一、第二領域11,12間のpn接合における空乏層の上方端
部が第三領域13に達してパンチスルーする状態が生起す
る。第二領域12を低濃度p-型の領域とするのが望ましい
のは、このときの空乏層の伸びを主として第三領域13に
向けるためである。
ると、このときに順バイアスとなっている第四、第一領
域14,11間の少数キャリア注入接合(この場合はpn接
合)を介して第四領域14から第一領域11中に注入された
当該第一領域11にとっての少数キャリアは、第三領域13
から第二領域12をパンチスルーして第一領域11に流れ込
んできた異極性キャリアと一部は結合して消滅するが、
多くは空間電荷層となっている第二領域12にも到達し、
さらに、サージ印加による電界の存在の下で第二領域12
の表面に接触している第一電極E1との間で電流経路が確
立している結果、第三領域13の下面をなめるようにしな
がら横方向に移動し、第二領域12の表面に接触している
第一電極E1に至ることになり、これによって素子電流、
つまりサージを吸収した結果の電流が第一、第二電極E
1,E2にて流れ始める。こうした動作の開始電圧が、図
示のサージ防護素子の電圧対電流(V−I)特性例を示す図
6(B)において電圧軸上で「降伏電圧VBR」と示された点
に相当する。降伏電圧VBR は一般に「動作電圧」と呼ば
れることが多い。
リア流が発生した後に、例え第二領域12と第三領域13と
が第一電極E1により、それらの表面では互いに電気的に
短絡されていても、図6(B) 中、電流軸の正方向に急に
立ち上がる特性曲線部分に示されるように、第二領域12
を介して流れ始めて以降、増加して行く素子電流の電流
値と当該素子電流の第二領域12内における電流経路に沿
った抵抗値との積である電圧値(第二領域内の電圧降
下)が、当該第二領域12と第三領域13により構成される
少数キャリア注入接合(図示の場合はpn接合)の順方向
電圧に等しくなった部位からこの接合がターンオンして
行き、第三領域13から第二領域12に対し、第二領域12に
とっての少数キャリア注入が起こる。そして、この第二
領域12への少数キャリアの注入は、結果として第一、第
二電極E1,E2間に流れる素子電流のさらなる増大を招く
ため、これがまた第四領域14から第一領域11への少数キ
ャリア注入を促進し、第二、第三領域12,13間の少数キ
ャリア注入接合のターンオンする部位を広げて行くとい
う正帰還現象を招き、やがてこの少数キャリア注入接合
が実質的に少なくともそのほぼ全面のターンオンに至る
と、素子内部の主電流通路が確立し、第三、第四領域1
3,14間にて大電流を吸収し得るようになる。
見ると、第一、第二電極E1,E2間に「ブレークオーバ電
流IBO」として示されたある特定の値以上の素子電流が流
れた場合、正帰還現象が素子内部で生じたことの表れと
して負性抵抗特性が生じ、第一、第二電極E1,E2間に表
れる素子両端電圧はブレークオーバを開始した時の電圧
値である「ブレークオーバ電圧VBO」よりも低く、さらに
は最初に降伏を開始した時の降伏電圧VBR よりも低い
「クランプ電圧(単にオン電圧とも言う)VP」に移行する
ことができ、これにより、素子の発熱を抑えながら大き
なサージ電流の吸収が可能となる。
第一、第二電極E1,E2を介して吸収可能な最大電流値が
一般に「サージ耐量IPP」と呼ばれ、また、ターンオンし
た素子がそのオン状態を維持するに必要な最小の素子電
流値が一般に「保持電流IH」と呼ばれる。換言すれば、
サージが消失し、保持電流IH以上の電流が素子内に流れ
なくなると素子は自己復帰(ターンオフ)し、本説明以
前の初期状態に戻る。そのため、保持電流IHはまた、「タ
ーンオフ電流IH」とも呼ばれる。
極E1にてそれらの表面で短絡するのではなく、それらか
らそれぞれ独立に端子を取出し、素子の外部にて短絡し
た場合にも上記の動作は基本的には生起するが、そうす
ると当該短絡線路ないし短絡手段に見込まれる抵抗値や
インダクタンス値の如何に応じ、印加されるサージの立
ち上がり時の電圧の時間微分値(dV/dt)の大きさによ
って降伏電圧VBR(ひいてはブレークオーバ電圧VBO)がか
なり変動する可能性が高い。換言すると、図示のように
第二領域12と第三領域13とが第一電極E1によってそれら
の表面において短絡されていれば、そのような恐れは低
減され、降伏電圧VBR(ブレークオーバ電圧VBO)の安定化
を図ることができる。
ているサージ防護素子においては、吸収の対象となるサ
ージの極性が特定されていることが分かる。つまり、各
領域11〜14に関する図示の導電型関係では第二電極E2の
側が正となる極性のサージでなければブレークオーバ特
性をもって吸収することができず、さらには以下に述べ
る通り、第二電極E2がオーミック接触領域18を介し第一
領域11に直接に接触していることもあって、逆極性の電
圧印加に対しては有意の逆耐圧を示さない。単に第一、
第二半導体領域11,12から成る順方向ダイオードが第
一、第二電極E1,E2間に挿入されているのと等価な結果
になる。その意味で図示の素子は、吸収し得るサージの
極性に関して限定のある、片極性ないし「ユニポーラ」
なサージ防護素子である。これに対し、サージの極性の
如何にかかわらず、すなわち第一、第二電極E1,E2のい
ずれが正となる極性のサージでも共に吸収可能な「バイ
ポーラ」サージ防護素子も、既掲の本出願人の手になる
公報群中にあって片極性素子共々、既に開示されている
(公知文献3,6,10を除く)。しかし、本願発明ではこうし
た両極性サージ防護素子、さらに言うなら逆耐圧を有す
るサージ防護素子は適用の対象としないので、その説明
は省略する。
子に関し、サージ吸収に関する原理的な動作説明を終え
た所で、同じく図6(A) に併示されているように、第二
電極E2が単に第四領域14に対してのみ電気的に接触して
いるのではなく、この第四領域14の横に「オーミック接
触領域18」と示しているように、第一領域11にもオーミ
ック接触している理由を説明する。
正しい動作をしているときには、既述したブレークオー
バ電圧VBO 以下の絶対値電圧を持つサージには応答しな
い筈である。ところが、第四領域14の側で第一領域11に
オーミック接触する第二電極E2を持たない素子構造で
は、第一、第二電極E1,E2間に印加されたサージの電圧
がブレークオーバ電圧VBO よりも絶対値で小さい範囲内
にあるにもかかわらず、時としてブレークオーバしてし
まう誤動作を起こすことがあった。これは次のように説
明できる。
成され、サージが印加された時に逆バイアスされるpn接
合には、通常、接合容量Cjが見込まれるので、第一、第
二電極E1,E2間に電圧立ち上がりの時間微分値がdV/dt
のサージが印加されると、この接合容量Cjを充電する過
渡的な電流として、 iT=(dV/dt)Cj なる変位電流iTが流れる。
ージ耐量を十分大きく取るために各領域を面積的に大き
くすると、それに連れてかなり大きくなる場合が多く、
例えば 100pF程度からそれ以上の値も普通に考えられ
る。一方、種々のサージの性質や振舞いについては既に
従来からも詳しい考察、研究が多岐に亙って為されてお
り、その結果からすれば、例えば電話通信線路への雷サ
ージの印加時等にあっては回路系への誘導ノイズ電圧値
の波高値こそ、よしんば低くても、サージの鋭さ(dV/
dt)としては100V/μS 程度位までの値が十分に考えら
れる。そのため、これらの値を上式に代入すると明らか
な通り、接合容量を充電する過渡的な電流の値iTは10mA
程度になり得る。dV/dt値が大きくなればもっと大きく
なり、いずれにしろ結構大きな値の変位電流iTが瞬時で
はあるが流れ得るのである。
実際に作製されるサージ防護素子では、高速動作が要求
されることもあって、第四領域14と第二領域12との間の
距離がかなり短く設計されることがあり、そうした素子
ではブレークオーバ電流IBOの値を余り大きく採れなく
なる傾向にあるし、また、絶対的な意味では製造パラメ
ータによるばらつきも十分満足な程に小さいとは言えな
いこと等から、場合にもよるが、ブレークオーバ電流I
BO の値が、上記のようにして求められるサージ印加時
のそのときどきの変位電流値iTと対して変わらない程度
に、ないしはそれ以下にさえなることがあった。
ージの尖頭電圧値こそ、設計上のブレークオーバ電圧V
BO には至らない、したがって特に吸収する必要もない
「小さなサージ」であるにもかかわらず、その立ち上が
りが極めて急峻で、電圧の時間微分値dV/dtがかなり高
いサージであると、素子をブレークオーバさせる現象を
生じることがあったのである。図6(B) の特性図上で言
えば、そのような誤動作が起きているときの実効的なブ
レークオーバ電圧VBO は、当該特性図上に示されている
値よりかなり小さい方(左側)に移行したに等価とな
る。
に、第四領域14に電気的に接続している第二電極E2が、
同時にまた、第四領域14の近傍において第一領域11の主
面にも電気的に接触することでオーミック接触領域18が
設けられていると、第一領域11と第二領域12とを逆バイ
アスする極性のサージが印加され、従って第一領域11と
第四領域14との少数キャリア注入接合が順バイアスされ
る関係となる時にも、当該接合に順方向電圧が印加され
てこれがターンオンする前に、第二電極E2からオーミッ
ク接触領域18を介し第一領域11中に当該第一領域11にと
っての多数キャリアを流し込むことができるので、第一
領域11と第二領域12とで構成されるpn接合の接合容量Cj
を速やかに充電し、もってdV/dt耐性を高め得るように
なる。
域14とで構成される少数キャリア注入接合が未だオンと
なる前にあって第三領域13とオーミック接触領域18との
間で第一領域11にとっての多数キャリア流(図示導電型
関係の場合には第三領域13から第二領域12を介しオーミ
ック接触領域18に流れ込む電子流)が流れている時の状
況は図5に示されているが、これに関しては後に改めて
触れる。
18を設けることにより、一応は「小さなサージ」に応答
しないサージ防護素子を得るのに成功したし、その一方
で、こうした接合容量充電のための当初の第一領域11へ
の多数キャリアの注入という現象も、すでに説明した降
伏現象の発生後ではその基本的な動作自体に悪影響を及
ぼさないで済んだ。第一領域11と第三領域13とが既述の
ようにパンチスルーした後に上記した多数キャリアによ
る電流が増し、第四領域14の主として厚味方向(深さ方
向)の電圧降下が当該第四領域14と第一領域11との間の
少数キャリア注入接合の順方向電圧に等しくなるとこの
接合がオンとなり、そのときからは第一領域11にとって
の少数キャリアが第四領域14から注入され始めるため、
以降、すでに述べたメカニズムにより、素子の降伏から
ブレークオーバに至ることができるからである。また、
ブレークオーバした後は第一、第二電極E1,E2間の素子
電流の主電流通路は、第二電極E2と第一領域11とのオー
ミック接触領域18を介する経路ではなくて、第三領域13
と第四領域14を介する経路として確立し、これは当該オ
ーミック接触領域18を有さない素子における状態とほぼ
等価となる。
子について述べてきたが、模式的に示される断面構造上
は図6(A) に示されている構造とほとんど変わらなくて
も、本出願人の知見によれば、第二領域12や第三領域13
の厚さを厚くする等の外、各領域の幾何的パラメータや
不純物濃度パラメータ等を適当に選択すると、降伏開始
の当初のメカニズムには第一、第二領域11,12間の雪崩
降伏やツェナ降伏を利用し、ブレークオーバに関しては
上記したパンチスルー型と同様の正帰還メカニズムとな
るサージ防護素子も作製できることが分かった。そし
て、そうしたサージ防護素子や、あるいはまた、さらに
他の公知のサージ防護素子でも、それが少数キャリアの
注入に伴う正帰還現象を介してブレークオーバするタイ
プのものである場合には、上記した「小さなサージ」に
対する応答の問題が同様に起こることがあり、従って、
それに対する上記の対策は、やはりそれらにも適用でき
ることも分かった。もっとも、雪崩降伏やツェナ降伏
は、一般に「ポイントフェノメノン(局所現象)」と呼
ばれている通り、降伏をし始める個所、ないしは降伏後
も電界の集中する個所が局所的になり易いがため、サー
ジ耐量IPP を大きく取るのが難しく、上記したパンチス
ルー型素子に比べると不利である外、設計自由度も小さ
く、製造パラメータに対する許容度も乏しい等、やや劣
った側面を見せることが多い。しかし、そうした優劣の
比較をせず、ここで問題にしたdV/dt耐性についてだけ
考えるならば、そのような雪崩降伏型やツェナ降伏型の
サージ防護素子においても、上記してきた議論はほぼそ
のまま適用することができ、実際、以下に述べる本発明
も、そうした片極性サージ防護素子に対し、同様に適用
することができる。
域11,12間の雪崩降伏やツェナ降伏を利用するサージ防
護素子においては、既掲の公知文献 8中、第6図とその
説明中に開示されているように、第一、第二領域11,12
の接触面積領域中に点々と第一領域11と同じ導電型でよ
り高濃度な不純物領域を複数個形成しておくと、局所現
象を利用しているにもかかわらず、雪崩降伏ないしツェ
ナ降伏をそれら複数個の高濃度不純物領域にて一斉に起
こすことができ、総体的に見ると素子内部の電流分布の
均一化が図れるので望ましい。もちろん、そうなってい
る素子にも本発明は同様に適用することができる。
わらず、実用的な構造では、やはり素子内部の電流分布
の均一化を図り、結果として例えばサージ耐量IPP を増
す等の目的で、第二領域12内に設けられる第三領域13
や、第一領域11と少数キャリア注入接合を形成する第四
領域14も複数個を並設して構成することがある。このよ
うな工夫を採用した片極性サージ防護素子もまた、後述
の本発明の望ましい実施形態にも認められるように、同
様に本発明の適用対象となる。
子において、市場に供給する際に必要となる特性仕様値
の種類は多岐に亙るが、中でも重要なものに、ブレーク
オーバ電流IBO と保持電流IHがある。ところが、これら
の値は各領域の厚味や面積寸法、不純物濃度ないし抵抗
率等、種々のパラメータが互いに複雑に絡み合って変動
するため、設計仕様値通りの値を得るには製造現場での
カットアンドトライに依らざるを得ないことが多かっ
た。そこで本出願人は、既掲の公知文献10:特開平4-32
0067号公報において、図6(A) に示した構造で言えばオ
ーミック接触領域18の横方向断面寸法と同図中に併示す
る第四領域14の厚味hcとの相関関係に着目し、目標とす
る設計仕様値であるブレークオーバ電流IBO ないし保持
電流IHに変動を及ぼさないオーミック接触領域18の寸法
範囲等につき開示した。簡単に言えば、オーミック接触
領域18の断面寸法を第四領域14の厚味hcとの関係で特定
される所定の寸法以上に広くしておけば、実際にこのオ
ーミック接触領域18を作製する時に多少の寸法変動等が
生じても、作製された素子においてブレークオーバ電流
IBO や保持電流IHには余り大きな変動を生まないで済む
ということである。
触領域18の断面幅寸法とは独立の問題として、第四領域
14の断面幅寸法それ自体に関しても、これが大きくなる
程にブレークオーバ電流IBO ないし保持電流IHは低下傾
向になるとの開示もなした。第四領域14の断面幅が広く
なれば当該第四領域14と第一領域11とで構成される少数
キャリア注入接合を順方向バイアスする多数キャリア流
の経路は長くなり、より早くこの接合の順方向オン電圧
に至るからとの理由である。
る開示は、それ以前の設計事情に鑑みれば、有用な設計
基準を与えたことで意味がある。しかし、以後の研究に
より、当該公知文献10にての開示が必ずしも当て嵌まら
ない場合が生ずることが分かった。と言うのも、まず公
知文献10においては、上述のように、第四領域14の厚味
hcが無視できないものとして解析していた。そのため、
図6(A) 中に併示のように、オーミック接触領域18が高
濃度不純物領域19を有するような場合、第四領域14の厚
味hcをほぼ零と看做すか、あるいはマイナスの符号を持
つ寸法値として計算せねばならない事情が生じ、適用が
不能な事態が生じた。つまり、第四領域14の実効的な厚
味hcは、高濃度不純物領域19がある場合、この領域19と
第一領域11との界面から第一領域11の内部の側に突出し
た部分の寸法として計算せねばならず、従って高濃度不
純物領域19の厚味が第四領域14の厚味hcとほぼ変わらな
い程度であると、当該第四領域14の厚味hcはほぼ零とせ
ねばならなくなるし、逆に高濃度不純物領域19の厚味の
方が厚い場合には、第四領域14の実効厚味はマイナスの
符号を持つ値となってしまう。これでは当該公知文献10
に規定されている式、例えばオーミック接触領域18の断
面幅寸法xsに関する最も基本的な式:xs>αhc(0.5≦α
≦1)もまた、採用できなくなってしまう(なお、後述す
る本発明においてはオーミック接触領域の断面幅寸法に
関し、記号Lsを用いている)。
値をとったにしても、第四領域14の幅寸法が大きくなる
と、実質的にこの厚味hcは無視できる程になることが多
い。このような場合にも、やはり、公知文献10中に開示
されている上式は採用できない。
域14の厚味hcが無視できず、換言すれば厚味に比して第
四領域14の幅がそれほどに大きくない時には、当該第四
領域14と第一領域11とで構成される少数キャリア注入接
合を順バイアスする第一領域内の多数キャリア流は第四
領域14の厚味部分から第一領域11との界面部分をなめる
ようにして流れるとの仮定に立ってなされ、当該厚味部
分hcにおける電圧降下分も無視できないと考えられてい
たことによる。
成立する状況も現に存在し、その範囲内で当該公知文献
10に開示の手法は有意である。しかし、先にも少し触れ
たように、図5において要部を拡大し、模式的に示すよ
うに、サージの印加に伴い第一、第二領域11,12間が雪
崩降伏ないしツェナ降伏するか、または既述した望まし
い素子動作におけるように第一、第三領域11,13間がパ
ンチスルーして降伏が開始しても、第一領域11と第四領
域14とで構成される少数キャリア注入接合が未だオンと
なる前にあっては、第三領域13とオーミック接触領域18
との間で流れる第一領域11にとっての多数キャリア流
(図示導電型関係の場合には第三領域13から第二領域1
2、第一領域11を介しオーミック接触領域18に流れ込む
電子流)は、第二領域12と第一領域11の界面近傍ではほ
ぼ均一と看做せるにしても、第四領域14を避けるように
してオーミック接触領域18に向けて流れざるを得ない結
果、第四領域14の上方部分には模式的に示すように頂角
2θの断面三角形状の「空白」部分が生じ、一方ではオ
ーミック接触領域18に対し、図示のように多数キャリア
流の集中部分が生ずる。つまり、電流密度Jで言えば、
第二領域12と第一領域11との界面近傍におけるよりも、
このオーミック接触領域18に流れ込む部分の電流密度は
高くなる。
りも短い範囲内にオーミック接触領域18の幅寸法を設定
してしまうと、僅かな製造誤差による当該幅寸法の変化
が大きなブレークオーバ電流IBO の誤差となって表れ、
対応して保持電流IHも大きく変動してしまう。逆に、こ
の多数キャリア集中部分の幅よりも広い範囲内であれ
ば、任意の設計寸法に対し、実際に作製されるオーミッ
ク接触領域18の寸法が多少変動しても、特性には殆ど影
響を与えないで済むようになる。公知文献10における考
え方は、まさしくこのようなものである。
程度であるか、あるいはマイナスを持つ値として考えな
ければならないような状況下、さらにはある程度以上の
厚味の第一領域11を用いる場合、この空白領域はかなり
大きくなり、第一領域11内の多数キャリア流は第四領域
14と第一領域11の界面をなめるというよりも、かなり離
れて流れるような傾向になる。第四領域14の厚味に沿う
電圧降下分も大したことにはならないことも生ずる。こ
のような場合の解析については残念ながら公知文献10の
開示の時点では未だなされておらず、その結果、上述の
ように第四領域14の厚味hcに無関係なブレークオーバ電
流IBO または保持電流IHの設計基準というものは導出し
得なかったのである。
ので、まずは基本的な目的として、第四領域14の厚味hc
の数値情報を用いずとも、作製するサージ防護素子のブ
レークオーバ電流IBO または保持電流IHの設定が可能
な、これら特性値のより一般的な設定手法を開示せんと
するものである。
電圧(降伏電圧)の如何に応じ、第一領域11の抵抗率ρ
を変えねばならないような場合にも、この抵抗率パラメ
ータの影響をも考慮してブレークオーバ電流IBO ないし
保持電流IHの設定が可能な手法を提供することもまた別
な目的としている。
し保持電流IHの値の変化はほぼ比例する。従ってブレー
クオーバ電流IBO をある値に設定操作するということ
は、実質的に保持電流IHをある値に設定操作しているこ
とにもなり、逆もまた然りである。換言すれば、本書に
て言うように、ブレークオーバ電流IBO 「または」保持
電流IHをある特定の設計仕様値に設定するということ
は、結局はブレークオーバ電流IBO 「及び」保持電流IH
を共にある設計仕様値に設定していることと実質的に同
義である。
するため、図6に即して説明したような基本構造を持つ
サージ防護素子(ただし、これも既述のように、第三領
域13、第四領域14の中の一方または双方は、基板主面に
関する面内一方向に沿う一断面において互いに離間しな
がら並設された複数個から構成されている場合も含む)
において、まずは第四領域の平面形状が短辺と長辺を有
する矩形であり、オーミック接触領域が当該一つの第四
領域または複数の第四領域の各々の短辺方向の片側また
は両側においてそれらの長辺方向に沿ってそれぞれ設け
られている場合には、 (a) 一つの第四領域または複数の第四領域の各々の短辺
の寸法をLc、長辺の寸法を当該Lc以上の寸法とし; (b) 各第四領域の短辺方向の両側におけるオーミック接
触領域の短辺方向に沿う寸法に関しては、第四領域の両
側の一方の側における寸法をkLs(0≦k≦1)、他方の側
における寸法を(1−k)Ls(従ってそれらの和がLsとな
る)として; (c) (Lc+Ls)/Lc2 を変えることにより、これに比例さ
せてブレークオーバ電流ないし保持電流を設定するこ
と; を特徴とするサージ防護デバイスにおけるブレークオー
バ電流または保持電流の設定方法を提案する。
ば動作電圧(降伏電圧)の異なる素子を作製する時にも
同一の設計基準となり得るように、第一半導体領域と第
四領域とで構成される少数キャリア注入接合をオンとす
るために第三領域とオーミック接触領域間に流れる第一
半導体領域にとっての多数キャリア流の経路に沿った第
一半導体領域における抵抗率をρとして、上記構成要件
(c) の代わりに、(c)' {(Lc+Ls)/Lc2}(1/ρ) を変え
ることにより、これに比例させてブレークオーバ電流な
いし保持電流を設定すること;を特徴とする手法も提案
する。
分布の均一化を図るには上記kの値は0.5 とするのが望
ましい。これは、それぞれ短辺方向に等しい幅(Ls/2)の
オーミック接触領域が第四領域(複数個ある場合はその
各々)の両側縁に沿って長辺方向に伸びることを意味す
るからで、幾何的対称性を満たす上で有効である。
領域が矩形以外の形状でその周りをオーミック接触領域
が取り囲んでいるような場合、つまり、一つまたは複数
の第四領域の各平面形状が正方形ないしほぼ正方形、ま
たは円形ないしほぼ円形、あるいは外形輪郭の包絡線形
状が円形ないしほぼ円形となる多角形であり、その周り
をオーミック接触領域が取り囲むように設けられている
場合には、 (d) 一つの第四領域または複数の第四領域の各々の面積
をScとし; (e) 各第四領域の周辺を取り囲んで設けられたオーミッ
ク接触領域の面積をSsとして; (f) (Sc+Ss)/Sc3/2 を変えることにより、これに比例
させてブレークオーバ電流ないし保持電流を設定するこ
と; を特徴とするサージ防護デバイスにおけるブレークオー
バ電流または保持電流の設定方法を提案する。
(降伏電圧)の異なる素子を作製する時にも同一の設計
基準となり得るように、第一半導体領域と第四領域とで
構成される少数キャリア注入接合をオンとするために第
三領域とオーミック接触領域間に流れる第一半導体領域
にとっての多数キャリア流の経路に沿った第一半導体領
域における抵抗率をρとして、上記構成要件(f) の代わ
りに、(f)' {(Sc+Ss)/Sc3/2}(1/ρ) を変えることに
より、これに比例させてブレークオーバ電流ないし保持
電流を設定すること;を特徴とする手法も提案する。
も、オーミック接触領域は第一半導体領域と接触する部
分において第一半導体領域と同一導電型であるが第一半
導体領域よりも不純物濃度の濃い高濃度不純物領域を有
していて良く、その方が良好なオーミック接触をとる上
で望ましい。このとき、当該高濃度不純物領域の厚味が
第四領域のそれとほぼ同じ程度であるか、逆に厚くなる
と、第四領域の厚味は実質的に零から負の値となること
もあるが、そのような場合でも、既に述べた公知文献10
による従来法とは異なり、本発明では当該第四領域の厚
味のパラメータは関与していないので、何等問題がな
く、より一般的な設計基準を与えることができる。
二端子ブレークオーバ型で縦型のサージ防護素子の一例
の要部断面構成が示されている。この素子の基本構造は
既に図6(A)に即して説明した素子と同じであり、その
電流対電圧特性も図6(B) に示された通りである。従っ
て、当該図6に即して既に説明した内容は以下の説明で
もほぼそのままに適用でき、同一の符号は同一ないし同
様で良い構成要素を示し、改めての説明を省略するもの
もある。また、初期降伏現象にも限定はなく、既述の理
由により、望ましくは第一、第三領域11,13間のパンチ
スルー現象を利用したものの方が良く、ここでもそのよ
うな素子であるとして説明するが、第一、第二領域11,
12により形成されるpn接合の雪崩降伏、ツェナ降伏を利
用するタイプの素子であっても構わない。
に示した基本構成に対し、図1に示されている素子断面
構造では、これも既に述べてはいるが、素子内部におけ
る電流分布(キャリア流分布)の均一化のため、第四領
域14は互いに並設された複数個から構成されており、そ
れらの間にオーミック接触領域18が形成されている。ま
た、ここでは各第四領域14の平面形状は短辺と長辺を有
するものとし、図示の断面では短辺方向に沿う断面が見
えており、これと直交する長辺方向は図面紙面を表裏に
抜ける方向となる。オーミック接触領域18は両側に位置
する第四領域または片側に位置する第四領域の長辺方向
に沿って伸び、実際にはこれら第四領域14やオーミック
接触領域18は短辺寸法に対し長辺方向の寸法がかなり大
きく、矩形というよりストライプ状にパターニングされ
ることが多い。これは特に、既掲の公知文献 8の教示に
従ってdV/dt耐性を高めるために第三領域13に関し望ま
しい寸法関係を満たすと、これに呼応して第四領域14や
オーミック接触領域18の平面形状がそうなる場合が多
い。しかし、この点については本発明が直接に関与する
ものではないので、これ以上の詳しい説明は省略する。
領域14の表面に接触する第二電極E2に連続する電極部分
(ここでは第二電極E2が第一領域11の裏面に対し「ベ
タ」に蒸着される等して形成されている結果、第二電極
そのものとも見れる電極部分)に対し、第一領域11を良
好にオーミック接触させるため、第一領域11と同じ導電
型の高濃度不純物領域19を有している。そのため、実質
的にオーミック接触領域18の界面は、高濃度不純物領域
19と第一領域11との境界と考えて良い。
ク接触領域18に関し、寸法関係を定義しておくと、ま
ず、図1の左手に示されているように、複数個ある各々
の第四領域14の各々の図示断面における寸法、すなわち
短辺寸法をLcとし、各オーミック接触領域18の図示断面
における寸法(同じく短辺寸法)をLsとして、それらの
和を便宜上、単位長Luとする。しかし、隣り合う一対の
第四領域14,14の間に挟まれた各オーミック接触領域18
について考えてみると、後述する第一領域内多数キャリ
ア流の説明からも明らかなように、当該オーミック接触
領域18の右半分が右側に位置する第四領域14に関連する
オーミック接触領域となり、左半分が左側に位置する第
四領域14に関連する領域となる。
の電流分布ないしキャリア流分布の均一性を保つ上で実
際の素子においても最も普通に考えられるように、各第
四領域14の短辺寸法Lcが全て共に同じ寸法であり、か
つ、それらの間に挟まれるオーミック接触領域18の短辺
寸法Lsも全て同じであるとすると、各第四領域14を中心
に考えた場合、当該各第四領域14の両側に位置するオー
ミック接触領域にあってその各短辺寸法Lsの半分の部分
Ls/2がそれら各第四領域14の各々に関連するオーミック
接触領域18となる。従って、上述の単位長Luは、図1中
の中央部分に示すように、 Lu=(Ls/2+Lc/2)×2 なる寸法部分により構成されていると見ることができ
る。以下ではまず、この寸法条件に従って本発明を適用
する場合につき説明する。
の極性のサージ、すなわち各領域が図示導電型関係の場
合には第二電極E2の側が正となる極性で既述の降伏電圧
VBR以上のサージが印加されると、これも図6に即して
既述のように第二領域12を介し第一、第三領域11,13間
がパンチスルーし、第三領域11から第二領域12を介し第
一領域11に注入された第一領域11にとっての多数キャリ
ア流(この場合は電子流)は、図1中に模式的に示す通
り第四領域14を避けるようにしてオーミック接触領域18
に流れ込む。
(図1中の中央付近の要部拡大図に相当するが高濃度不
純物領域19は図示を省略してある:実際にも当該高濃度
不純物領域19はあった方が良いが、なくても良い)を再
び見てみると、まず、第四領域14の短辺寸法ないし短辺
幅Lcが変わることでブレークオーバ電流IBO や保持電流
IHが変化することが分かる。つまり、第四領域14の幅Lc
が大きくなると既述の「空白」領域の頂点が第四領域14
から遠ざかって頂角 2θは狭まる傾向になり、これに呼
応して逆に多数キャリア流の経路Leは長くなる傾向とな
る。そのため、第一領域11中のこの経路Leに沿う抵抗率
ρは一定であっても、当該経路自体の抵抗値は高くなる
ので、第四領域14と第一領域11とで構成される少数キャ
リア注入接合は順バイアスされ易くなる。従ってこれを
換言すれば、第四領域14の幅寸法Lcが大きくなる程、ブ
レークオーバ電流IBO や保持電流IHは低下傾向となる。
この接合がオンとなれば、既述したメカニズムにより、
一気に正帰還現象が生成するからである。なお、全くの
模式図ではあるが、図5中にはオーミック接触領域18の
表面における表面電位0.0Vの点a から第一領域11の内部
に向かい、第四領域14から離れる程に多数キャリア流の
経路Leに沿う各諸点b 〜e で漸次電位差が大きくなる模
様が模式的に示されており、そして例えば、第四領域11
が図示するように p型半導体領域で少数キャリア注入接
合がpn接合の場合には、このpn接合の順方向オン電圧で
ある一般に0.5V以上となる点は点f として示されてい
る。
だし簡単のため、第四領域14の上方の左半分で考えてみ
ると、ここでは電子流である多数キャリア流密度(電流
密度と実質的に同じになるので符号Jを用いる)は、第
二領域12と第一領域11との界面近傍では図示断面に沿う
寸法範囲内でほぼ均一と看做せる。つまり、図1中のLs
/2+Lc/2なる寸法範囲内において第二領域12を出る第一
領域11にとっての多数キャリア流の密度分布は均一と看
做して良い。しかし、第四領域14の真上に位置する部分
に注入された多数キャリア、つまりLs/2+Lc/2なる寸法
範囲に注入された全体の多数キャリア流の密度Jの中、
J・{Lc/(Lc+Ls)}の分は第四領域14を避けるようにして
流れ、そしてその経路Leは、図5における幾何的関係か
ら、 Le=(Lc/2)/sinθ と近似できる。
キャリア分J・{Lc/(Lc+Ls)}が最初に第一、第四領域間
少数キャリア注入接合を順バイアスする順バイアス電圧
Vfを生ずるので、結局、当該経路Leにおける第一領域11
の抵抗率をρとすると、 Vf =J・{Lc/(Lc+Ls)}・{(Lc/2)/sinθ}・ρ ・・・・ となる。
ージの印加に伴い最初零の状態から増大して行くので、
上記式からすると、Lc2/(Lc+Ls) が大きい程、早めに
順方向電圧Vfに到達する。これは換言すれば、ブレーク
オーバ電流IBO ないしそれに比例する保持電流IHが小さ
くなったことになる。そこで逆に、ブレークオーバ電流
IBO ないし保持電流IHとの関係で見るならば、次式が
成立する。 IBO,IH ∝ Vf・{(Lc+Ls)/Lc2}(1/ρ) ・・・・
の公知文献10における説明とは異なり、第四領域14の厚
味hc(図6)を考慮に入れる必要のない、一般化された
事実として、ブレークオーバ電流IBO ないし保持電流IH
はまず、第四領域14の短辺幅Lcに単純に反比例するので
はなく、 (Lc+Ls)/Lc2 ・・・・ に比例することが分かる。
本出願人において多くの素子サンプルを作製し、実験を
行なった所、良く整合の取れた結果が得られた。図2は
その中の二例程の結果を示しているが、白抜きの丸印で
示すサンプル群1でも黒塗りの丸印で示すサンプル群2
でも、(Lc+Ls)/Lc2 を線形に変化させると作製された素
子の保持電流IHもこれに比例させて変化させることがで
きた。しかもこれは、第四領域14の寸法Lcの絶対値の如
何によらない結果であった。従って、要すれば当該第四
領域14の面積寸法を独立に設計することで当該面積に一
般に比例して増加する所望のサージ耐量IPP を得られる
ようにしながらなお、本発明を有効に適用することで保
持電流IHないしブレークオーバ電流IBO を所望の値に設
定することができる。もちろん、既述のように、保持電
流IHとブレークオーバ電流IBO は一般に一次比例するの
で、図2は目盛数値にこだわらなければブレークオーバ
電流IBO に対する (Lc+Ls)/Lc2 の比例関係と見ること
ができる。
式から理解されるように、第一領域11の経路Leに沿う
抵抗率ρに反比例し、保持電流IHも変化した。すなわ
ち、 {(Lc+Ls)/Lc2}(1/ρ) ・・・・ に比例させてブレークオーバ電流IBO または保持電流IH
を設定できる。また、他のパラメータは同一であって
も、第一領域11の厚味tが厚くなる程、経路Leは長くな
り、経路Leに沿った抵抗値は高くなるので、保持電流IH
は第一領域11の厚味tにも反比例する。このこともま
た、本出願人の実験にて良く整合する結果が得られた。
第四領域14の短辺方向両側に位置するオーミック接触領
域18において当該第四領域14に関与する各寸法Ls/2の和
Lsの関数となっている。と言うことは、第四領域14の両
側において互いに等しい幅のオーミック接触領域18,18
があるのではなく、一般に片側にkLs(0≦k≦1)、そし
て他方の側に(1−k)Ls の短辺方向寸法を有するオーミ
ック接触領域18,18が存在していてもこれらの式,
,は成立する。それらの寸法比に応じ、上述した順
方向バイアスに関与する多数キャリア流の密度Jも比例
的に変化するからである。従って、kが零、つまり着目
する第四領域14が例えば並設された複数個の中の最も外
側に位置するものであって、さらにその外側にはオーミ
ック接触領域18が存在しないような構成に素子を作製し
た場合には、当該外側のオーミック接触領域18に関する
寸法をkLsと考えて零と看做し、他方の(内側の)短辺
方向寸法を(1−k)Ls=Lsと看做せば良い。kが 1の場合
にも結局は同様である。そしてこのような場合にも、図
2に示した実験結果に良く整合する結果が得られる。従
ってまた、上述のように、一つの第四領域14の両側にそ
れぞれ寸法Ls/2のオーミック接触領域18,18が存在する
と考えるのは、確かに実際の素子としては望ましい対称
構成であるが、またある意味ではk=0.5の特殊な場合で
あり、一般的にはkは 0から 1までの任意の値をとるこ
とができる。
並設構成でなく、単一領域として構成され、その片側に
寸法kLs、他方の側に寸法(1−k)Ls のオーミック接触
領域が設けられている場合、従って望ましくは両側に共
に等しい寸法Ls/2のオーミック接触領域が設けられてい
る場合はもとより、片側にしかオーミック接触領域がな
い場合にも上記〜式は当然に成立する。
Lsに関しては、先掲の公知文献10にても教示されている
ように、一般にはその上限というものも考えられるが、
概ね第一領域11中をその厚味方向に流れる動作電流を考
えた場合、その横方向への拡散の程度を一般的に見積る
と、オーミック接触領域18の寸法kLs及び(1−k)Lsの
上限値(結局はどちらか長い方の上限値)は、第一領域
11の厚味方向に沿う第四領域14と第二領域12との離間距
離以下とするか、あるいは、少なくとも第一領域11の厚
味以下とするのが良く、こうすれば、第一領域11内にお
ける多数キャリアと少数キャリアの混在環境を均質化で
き、結局は安定なデバイス動作を期待することができる
し、サージ耐量IPP も低減させないで済む。
関連して説明すると望ましい断面構造例が示されてい
る。図1の構成においては、第四領域14とオーミック接
触領域18とは、それらの側縁において互いに直接に接触
していた。しかし、必ずしもそうなっていなくても良
く、図3(A) に示すようになっていても良い。すなわ
ち、第四領域14と第一領域11との横方向境界部分の所の
第一領域11の裏面にそれら両領域14,11の並設方向に沿
って少しの寸法を有する絶縁膜17’が残存するように電
極形成用のコンタクト開口が開けられ、その結果、第四
領域14にオーミック接触する電極部分E2と、第一領域11
にオーミック接触する電極部分とは、この絶縁膜17’の
上を渡し越すようにして互いに電気的に接続している。
もちろん、図1の構造の方が製作が簡単であって一般的
ではある。それでもあえて図3(A) の断面構造による場
合には、第一領域11に対してのオーミック接触領域18と
第四領域14との面内方向の距離Ddが、第四領域14と第一
領域11との接合により形成される空乏層の横方向伸展距
離よりも短ければ、図1におけると同様、実質的に第四
領域14とオーミック接触領域18とが横方向に直接に接触
している構造と変わりなくなる。それ以上離れていて
も、本発明の原理はこれを全うできることが多いが、余
りに離れ過ぎると第四領域14の脇を流れる第一領域11に
とっての多数キャリア流の集中効果を得る上で問題が生
ずることもあるし、デバイス自体の占有面積を大きくす
る点でも望ましくない。
3(B) に示すように、オーミック接触領域18に高濃度不
純物領域19を設け、かつ、この高濃度不純物領域19が若
干、第四領域14の側に横方向に食い込んだような断面形
状になることが多い。断面的に見ると、高濃度不純物領
域19と第四領域14とがそれらの側縁領域において互いに
重なり合う部分を有するようになるのである。こうした
場合、既述の寸法Lc及びkLsまたは(1−k)Ls を計測す
る基準となるそれぞれの実効的な側縁部は、図3(B) 中
に併示のように、第二領域の側から平面投影的に見たと
きの高濃度不純物領域19と第四領域14との横方向接触境
界とすれば良く、これで上掲の〜式はほぼそのまま
適用できる。なお、厚味については、既述のように高濃
度不純物領域18の厚味が第四領域14とほぼ同じ程度、な
いしは第四領域14より厚くなることもあるし、両者の断
面寸法Ls,Lcについても、オーミック接触領域18のそれ
Lsの方が長くなることも多い。
辺方向に互いに並設された複数個から形成する場合に
も、それは図示断面におけるように、少なくとも第一領
域11の面内一方向に沿う断面においてそうなっていれば
良く、例えば図示断面と直交する長辺方向の端部相互は
互いに接続されていても良い。
と長辺を有する矩形であって、オーミック接触領域18が
その長辺に沿ってのみ設けられている場合だけではな
く、第四領域14の平面形状が正方形ないしほぼ正方形、
または円形ないしほぼ円形、あるいは外形輪郭の包絡線
形状が円形ないしほぼ円形となる多角形であって、第一
領域11の面内一方向に沿う一断面においては一つ、また
は互いに離間しながら並設の関係にある複数個から構成
されており、オーミック接触領域18はそうした第四領域
の周囲を取り囲むように設けられている場合にも、作製
するサージ防護素子のブレークオーバ電流IBO ないし保
持電流IHを設定するために有用な上記,式に相当す
る式を提示する。
であっても、第一領域11の面内一方向に沿う断面を採っ
た時の当該第四領域の断面寸法は面積Scの平方Sc1/2 に
比例する。従って矩形第四領域14の短辺寸法Lcにつき議
論したと同様、第四領域14の断面寸法が大きくなると、
つまりは数値Sc1/2 が増す程、多数キャリア流の経路Le
は長くなり、第一領域11中のこの経路Leに沿う抵抗率ρ
は一定であっても当該経路自体の抵抗値は高くなるの
で、第四領域14と第一領域11とで構成される少数キャリ
ア注入接合は順バイアスされ易くなる。このことからま
ず、ブレークオーバ電流IBO や保持電流IHは1/Sc1/2 に
比例する。
とした上で、当該第四領域14の周囲を取り囲むオーミッ
ク接触領域18の面積をSsとすると、図5に即し説明した
所で電流分布(多数キャリア流分布)Jの割り振りは面
積比で利いてき、第四、第一領域14,11による少数キャ
リア注入接合を順バイアスするに寄与する電流成分はSc
/(Sc+Ss) の比率となるので、ブレークオーバ電流IBO
ないし保持電流IHはその逆数(Sc+Ss)/Scに比例する。
その結果、上記と相まって、 (Sc+Ss)/Sc3/2 ・・・・ を変えることにより、これに比例させてブレークオーバ
電流IBO ないし保持電流IHを設定するこができる。
沿う抵抗率をρとすれば、これも既述のように当該抵抗
率ρに反比例してブレークオーバ電流IBO ないし保持電
流IHを設定できるので、上記式と併せ、 {(Sc+Ss)/Sc3/2}(1/ρ) ・・・・ なる式も本発明の一態様として掲げることができる。
うにオーミック接触領域18が設けられる場合にも、断面
寸法kLs及び(1−k)Ls に関し既述したと同じ理由によ
り、第一領域11の面内一方向に沿う一断面において第四
領域14の両側に位置するオーミック接触領域18の片側ご
との断面寸法の上限値を、当該第四領域14と第二領域12
との離間距離とするか、あるいは少なくとも第一領域11
の厚味以下とするのが良い。
域14の周囲を取り囲む場合にも、当該オーミック接触領
域18は第一領域11と接触する部分において第一領域11と
同一導電型であるが第一領域11よりも不純物濃度の濃い
高濃度不純物領域19を有することが望ましいし、図3
(B) に関し説明したと同様に、高濃度不純物領域19とこ
れが取り囲む第四領域14とがそれらの周縁領域において
互いに重なり合う部分を有する場合には、上記の各面積
Sc,Ssの算定基準となるそれぞれの実効的な周縁部は、
第二領域の側から平面投影的に見たときの高濃度不純物
領域19と第四領域14との横方向接触境界とすれば良い。
逆に高濃度不純物領域19ないしオーミック接触領域18と
第四領域14の間に横方向間隙Ddが生ずる場合には、それ
らの離間距離Ddは第四領域14と第一領域11との接合によ
り形成される空乏層の横方向伸展距離よりも短くするの
が良い。
サージ防護素子の他の構造例が示されている。これまで
の説明において用いたと同一の符号はこれまで説明して
きた当該各構成要素に対応するので、個々に関する説明
は省略する。また、図面を簡明にするため、素子の平面
図において第一電極E1は図示を省略している。この構造
では、矩形の第四領域14のみならず、矩形の第三領域13
も互いに離間した複数個から構成されており、さらにそ
れだけではなく、既掲の公知文献11の教示に従い、それ
ら複数個の第三、第四領域13,14の並設方向が平面投影
的に見て互いに交差、特に図示の場合は直交するように
構成されている。このようにすると、素子内部のキャリ
ア流はあたかも「シャワー」ないし「スプリンクラ」の
ようになり、その分布がより均一化して望ましい。ちな
みに図1,5は、この図4に示された素子において複数
個設けられている第三領域13の中の一つの長辺方向に沿
った断面構造とも見ることができる。ただし、原則とし
ては、それら複数の第三、第四領域13,14が互いに平行
な並設関係にあっても良い。
適用する素子の全ての領域の導電型が図示の導電型とは
逆の場合には、第一領域11にとっての多数キャリア流の
流れの方向は図1,5に示された矢印の方向とは逆にな
る。換言すれば、本発明はこのように、全ての領域の導
電型が逆導電型の場合、さらにはまた、第三、第四領域
13,14が既に述べたように、それぞれ第二領域12、第一
領域11と少数キャリア注入接合を形成できる物性の領域
である限り、半導体でない場合であっても適用できる。
型で縦型のサージ防護素子、それも特にdV/dt耐性を高
めるために、第一領域の裏面側にあって第一領域と少数
キャリア注入接合を形成する領域(第四領域)に対して
のみならず、当該第一領域に直接にオーミック接触する
部分を有する電極構造を持つサージ防護素子において、
当該第四領域の厚味の如何にかかわらず、より一般的な
形でブレークオーバ電流IBO または(及び)保持電流IH
の設定が可能な手法を提供することができる。
型で縦型のサージ防護素子の基本構造例と、各領域の寸
法に関する定義、第一領域内多数キャリア流に関する説
明図である。
変化例を示す特性図である。
関係や形状関係に関する説明図である。
好ましい他の構成例の概略構成図である。
内の多数キャリア流に関する模式的な説明図である。
的な一例における断面構成と動作に関する説明図であ
る。
Claims (11)
- 【請求項1】 第一半導体領域の表裏両主面の中、一方
の主面側に設けられ、該第一半導体領域の導電型とは逆
導電型で該第一半導体領域との間でpn接合を形成する第
二の半導体領域と,該第一半導体領域とは対向する側か
ら上記第二半導体領域に接触して少数キャリア注入接合
を形成し、該第二半導体領域に対し該第二半導体領域に
とっての少数キャリアを注入し得ると共に、上記主面に
関する面内一方向に沿う一断面において一つの、または
互いに離間して並設の関係にある複数の第三領域と,上
記第一半導体領域の上記一方の主面に対向する他方の主
面側に設けられ、該第一半導体領域に接触して少数キャ
リア注入接合を形成し、該第一半導体領域に対し該第一
半導体領域にとっての少数キャリアを注入し得ると共
に、平面形状が短辺と長辺を有する矩形であり、上記他
方の主面に関する面内一方向に沿う一断面において一つ
の、または上記短辺方向に互いに離間しながら並設の関
係にある複数の第四領域と,上記第二半導体領域の表面
と上記第三領域の表面とに共通に電気的に接触する第一
電極と,該一つの第四領域または複数の第四領域の各々
の表面に電気的に接触する第二電極と,上記一つの第四
領域または複数の第四領域の各々の短辺方向の片側また
は両側において該一つの第四領域または複数の第四領域
の各々の上記長辺方向に沿ってそれぞれ設けられ、上記
第二電極に対し電気的に接続する電極部分と上記第一半
導体領域とを互いにオーミック接触させるオーミック接
触領域とを有し,上記第一、第二電極間に上記pn接合を
逆バイアスする極性で降伏電圧以上の電圧のサージが印
加されると降伏し、該第一、第二電極間にてサージ電流
を吸収し始めると共に,該降伏の開始後、上記第三領域
と上記オーミック接触領域との間で上記第二半導体領域
及び上記第一半導体領域を介し上記第四領域を避けるよ
うに流れる該第一半導体領域にとっての多数キャリア流
の増大により該第一半導体領域と該第四領域とで構成さ
れる上記少数キャリア注入接合に順方向電圧が印加され
て該少数キャリア注入接合がオンとなった後の該第四領
域から該第一半導体領域への上記少数キャリアの注入
と、上記第三領域から上記第二半導体領域への上記少数
キャリアの注入との相乗効果により、上記吸収し始めた
サージ電流の大きさがブレークオーバ電流以上になると
正帰還現象を介してブレークオーバし、上記第一、第二
電極間電圧を絶対値において相対的に低電圧のクランプ
電圧に移行させながらサージ電流を吸収し続け,該サー
ジの立ち下がりに伴って該サージ電流の大きさが保持電
流を下回ると初期状態に戻る二端子ブレークオーバ型で
縦型のサージ防護デバイスにおいて,該サージ防護デバ
イスの上記ブレークオーバ電流または上記保持電流を設
定するための方法であって;上記一つの第四領域または
複数の第四領域の各々の上記短辺の寸法をLc、上記長辺
の寸法を該Lc以上の寸法とし;上記一つの第四領域の上
記短辺方向の両側または複数の第四領域の各々の該短辺
方向の両側における上記オーミック接触領域の該短辺方
向に沿う寸法に関しては、該第四領域の該両側の一方の
側における寸法をkLs(0≦k≦1)、他方の側における寸
法を(1−k)Ls として; (Lc+Ls)/Lc2 を変えることにより、これに比例させて上記ブレークオ
ーバ電流ないし保持電流を設定すること;を特徴とする
サージ防護デバイスにおけるブレークオーバ電流または
保持電流の設定方法。 - 【請求項2】 第一半導体領域の表裏両主面の中、一方
の主面側に設けられ、該第一半導体領域の導電型とは逆
導電型で該第一半導体領域との間でpn接合を形成する第
二の半導体領域と,該第一半導体領域とは対向する側か
ら上記第二半導体領域に接触して少数キャリア注入接合
を形成し、該第二半導体領域に対し該第二半導体領域に
とっての少数キャリアを注入し得ると共に、上記主面に
関する面内一方向に沿う一断面において一つの、または
互いに離間して並設の関係にある複数の第三領域と,上
記第一半導体領域の上記一方の主面に対向する他方の主
面側に設けられ、該第一半導体領域に接触して少数キャ
リア注入接合を形成し、該第一半導体領域に対し該第一
半導体領域にとっての少数キャリアを注入し得ると共
に、平面形状が短辺と長辺を有する矩形であり、上記他
方の主面に関する面内一方向に沿う一断面において一つ
の、または上記短辺方向に互いに離間しながら並設の関
係にある複数の第四領域と,上記第二半導体領域の表面
と上記第三領域の表面とに共通に電気的に接触する第一
電極と,該一つの第四領域または複数の第四領域の各々
の表面に電気的に接触する第二電極と,上記一つの第四
領域または複数の第四領域の各々の短辺方向の片側また
は両側において該一つの第四領域または複数の第四領域
の各々の上記長辺方向に沿ってそれぞれ設けられ、上記
第二電極に対し電気的に接続する電極部分と上記第一半
導体領域とを互いにオーミック接触させるオーミック接
触領域とを有し,上記第一、第二電極間に上記pn接合を
逆バイアスする極性で降伏電圧以上の電圧のサージが印
加されると降伏し、該第一、第二電極間にてサージ電流
を吸収し始めると共に,該降伏の開始後、上記第三領域
と上記オーミック接触領域との間で上記第二半導体領域
及び上記第一半導体領域を介し上記第四領域を避けるよ
うに流れる該第一半導体領域にとっての多数キャリア流
の増大により該第一半導体領域と該第四領域とで構成さ
れる上記少数キャリア注入接合に順方向電圧が印加され
て該少数キャリア注入接合がオンとなった後の該第四領
域から該第一半導体領域への上記少数キャリアの注入
と、上記第三領域から上記第二半導体領域への上記少数
キャリアの注入との相乗効果により、上記吸収し始めた
サージ電流の大きさがブレークオーバ電流以上になると
正帰還現象を介してブレークオーバし、上記第一、第二
電極間電圧を絶対値において相対的に低電圧のクランプ
電圧に移行させながらサージ電流を吸収し続け,該サー
ジの立ち下がりに伴って該サージ電流の大きさが保持電
流を下回ると初期状態に戻る二端子ブレークオーバ型で
縦型のサージ防護デバイスにおいて,該サージ防護デバ
イスの上記ブレークオーバ電流または上記保持電流を設
定するための方法であって;上記一つの第四領域または
複数の第四領域の各々の上記短辺の寸法をLc、上記長辺
の寸法を該Lc以上の寸法とし;上記一つの第四領域の上
記短辺方向の両側または複数の第四領域の各々の該短辺
方向の両側における上記オーミック接触領域の該短辺方
向に沿う寸法に関しては、該第四領域の該両側の一方の
側における寸法をkLs(0≦k≦1)、他方の側における寸
法を(1−k)Ls とし;さらに、上記第一半導体領域と上
記第四領域とで構成される上記少数キャリア注入接合を
上記オンとするために上記第三領域と上記オーミック接
触領域間に流れる該第一半導体領域にとっての上記多数
キャリア流の経路に沿った該第一半導体領域における抵
抗率をρとして; {(Lc+Ls)/Lc2}(1/ρ) を変えることにより、これに比例させて上記ブレークオ
ーバ電流ないし保持電流を設定すること;を特徴とする
サージ防護デバイスにおけるブレークオーバ電流または
保持電流の設定方法。 - 【請求項3】 請求項1または2記載の方法であって;
上記オーミック接触領域の上記寸法kLs及び(1−k)Ls
の上限値を、上記第四領域と上記第二半導体領域との離
間距離とすること;を特徴とする方法。 - 【請求項4】 請求項1または2記載の方法であって;
上記オーミック接触領域の上記寸法kLs及び(1−k)Ls
の上限値を、上記第一半導体領域の厚味とすること;を
特徴とする方法。 - 【請求項5】 請求項1,2,3または4記載の方法で
あって;上記kは0.5 であること;を特徴とする方法。 - 【請求項6】 請求項1,2,3,4または5記載の方
法であって;上記オーミック接触領域は、上記第一半導
体領域と接触する部分において該第一半導体領域と同一
導電型であるが該第一半導体領域よりも不純物濃度の濃
い高濃度不純物領域を有すること;を特徴とする方法。 - 【請求項7】 第一半導体領域の表裏両主面の中、一方
の主面側に設けられ、該第一半導体領域の導電型とは逆
導電型で該第一半導体領域との間でpn接合を形成する第
二の半導体領域と,該第一半導体領域とは対向する側か
ら上記第二半導体領域に接触して少数キャリア注入接合
を形成し、該第二半導体領域に対し該第二半導体領域に
とっての少数キャリアを注入し得ると共に、上記主面に
関する面内一方向に沿う一断面において一つの、または
互いに離間して並設の関係にある複数の第三領域と,上
記第一半導体領域の上記一方の主面に対向する他方の主
面側に設けられ、該第一半導体領域に接触して少数キャ
リア注入接合を形成し、該第一半導体領域に対し該第一
半導体領域にとっての少数キャリアを注入し得ると共
に、平面形状が正方形ないしほぼ正方形、または円形な
いしほぼ円形、あるいは外形輪郭の包絡線形状が円形な
いしほぼ円形となる多角形であり、上記他方の主面に関
する面内一方向に沿う一断面においては一つの、または
互いに離間しながら並設の関係にある複数の第四領域
と,上記第二半導体領域の表面と上記第三領域の表面と
に共通に電気的に接触する第一電極と,該一つの第四領
域または複数の第四領域の各々の表面に電気的に接触す
る第二電極と,上記一つの第四領域または複数の第四領
域の周辺を取り囲み、上記第二電極に対し電気的に接続
する電極部分と上記第一半導体領域とを互いにオーミッ
ク接触させるオーミック接触領域とを有し,上記第一、
第二電極間に上記pn接合を逆バイアスする極性で降伏電
圧以上の電圧のサージが印加されると降伏し、該第一、
第二電極間にてサージ電流を吸収し始めると共に,該降
伏の開始後、上記第三領域と上記オーミック接触領域と
の間で上記第二半導体領域及び上記第一半導体領域を介
し上記第四領域を避けるように流れる該第一半導体領域
にとっての多数キャリア流の増大により該第一半導体領
域と該第四領域とで構成される上記少数キャリア注入接
合に順方向電圧が印加されて該少数キャリア注入接合が
オンとなった後の該第四領域から該第一半導体領域への
上記少数キャリアの注入と、上記第三領域から上記第二
半導体領域への上記少数キャリアの注入との相乗効果に
より、上記吸収し始めたサージ電流の大きさがブレーク
オーバ電流以上になると正帰還現象を介してブレークオ
ーバし、上記第一、第二電極間電圧を絶対値において相
対的に低電圧のクランプ電圧に移行させながらサージ電
流を吸収し続け,該サージの立ち下がりに伴って該サー
ジ電流の大きさが保持電流を下回ると初期状態に戻る二
端子ブレークオーバ型で縦型のサージ防護デバイスにお
いて,該サージ防護デバイスの上記ブレークオーバ電流
または上記保持電流を設定するための方法であって;上
記一つの第四領域または複数の第四領域の各々の面積を
Scとし;該一つの第四領域または複数の第四領域の各々
の周辺を取り囲んで設けられた上記オーミック接触領域
の面積をSsとして; (Sc+Ss)/Sc3/2 を変えることにより、これに比例させて上記ブレークオ
ーバ電流ないし保持電流を設定すること;を特徴とする
サージ防護デバイスにおけるブレークオーバ電流または
保持電流の設定方法。 - 【請求項8】 第一半導体領域の表裏両主面の中、一方
の主面側に設けられ、該第一半導体領域の導電型とは逆
導電型で該第一半導体領域との間でpn接合を形成する第
二の半導体領域と,該第一半導体領域とは対向する側か
ら上記第二半導体領域に接触して少数キャリア注入接合
を形成し、該第二半導体領域に対し該第二半導体領域に
とっての少数キャリアを注入し得ると共に、上記主面に
関する面内一方向に沿う一断面において一つの、または
互いに離間して並設の関係にある複数の第三領域と,上
記第一半導体領域の上記一方の主面に対向する他方の主
面側に設けられ、該第一半導体領域に接触して少数キャ
リア注入接合を形成し、該第一半導体領域に対し該第一
半導体領域にとっての少数キャリアを注入し得ると共
に、平面形状が正方形ないしほぼ正方形、または円形な
いしほぼ円形、あるいは外形輪郭の包絡線形状が円形な
いしほぼ円形となる多角形であり、上記他方の主面に関
する面内一方向に沿う一断面においては一つの、または
上記互いに離間しながら並設の関係にある複数の第四領
域と,上記第二半導体領域の表面と上記第三領域の表面
とに共通に電気的に接触する第一電極と,該一つの第四
領域または複数の第四領域の各々の表面に電気的に接触
する第二電極と,上記一つの第四領域または複数の第四
領域の周辺を取り囲み、上記第二電極に対し電気的に接
続する電極部分と上記第一半導体領域とを互いにオーミ
ック接触させるオーミック接触領域とを有し,上記第
一、第二電極間に上記pn接合を逆バイアスする極性で降
伏電圧以上の電圧のサージが印加されると降伏し、該第
一、第二電極間にてサージ電流を吸収し始めると共に,
該降伏の開始後、上記第三領域と上記オーミック接触領
域との間で上記第二半導体領域及び上記第一半導体領域
を介し上記第四領域を避けるように流れる該第一半導体
領域にとっての多数キャリア流の増大により該第一半導
体領域と該第四領域とで構成される上記少数キャリア注
入接合に順方向電圧が印加されて該少数キャリア注入接
合がオンとなった後の該第四領域から該第一半導体領域
への上記少数キャリアの注入と、上記第三領域から上記
第二半導体領域への上記少数キャリアの注入との相乗効
果により、上記吸収し始めたサージ電流の大きさがブレ
ークオーバ電流以上になると正帰還現象を介してブレー
クオーバし、上記第一、第二電極間電圧を絶対値におい
て相対的に低電圧のクランプ電圧に移行させながらサー
ジ電流を吸収し続け,該サージの立ち下がりに伴って該
サージ電流の大きさが保持電流を下回ると初期状態に戻
る二端子ブレークオーバ型で縦型のサージ防護デバイス
において,該サージ防護デバイスの上記ブレークオーバ
電流または上記保持電流を設定するための方法であっ
て;上記一つの第四領域または複数の第四領域の各々の
面積をScとし;該一つの第四領域または複数の第四領域
の各々の周辺を取り囲んで設けられた上記オーミック接
触領域の面積をSsとし;さらに、上記第一半導体領域と
上記第四領域とで構成される上記少数キャリア注入接合
を上記オンとするために上記第三領域と上記オーミック
接触領域間に流れる該第一半導体領域にとっての上記多
数キャリア流の経路に沿った該第一半導体領域における
抵抗率をρとして; {(Sc+Ss)/Sc3/2}(1/ρ) を変えることにより、これに比例させて上記ブレークオ
ーバ電流ないし保持電流を設定すること;を特徴とする
サージ防護デバイスにおけるブレークオーバ電流または
保持電流の設定方法。 - 【請求項9】 請求項7または8記載の方法であって;
上記第一半導体領域の上記他方の主面に関する面内一方
向に沿う一断面において上記第四領域の両側に位置する
上記オーミック接触領域の片側ごとの断面寸法の上限値
を、上記第四領域と上記第二半導体領域との離間距離と
すること;を特徴とする方法。 - 【請求項10】 請求項7または8記載の方法であっ
て;上記第一半導体領域の上記他方の主面に関する面内
一方向に沿う一断面において上記第四領域の両側に位置
する上記オーミック接触領域の片側ごとの断面寸法の上
限値を、上記第一半導体領域の厚味とすること;を特徴
とする方法。 - 【請求項11】 請求項7,8,9または10記載の方法
であって;上記オーミック接触領域は、上記第一半導体
領域と接触する部分において該第一半導体領域と同一導
電型であるが該第一半導体領域よりも不純物濃度の濃い
高濃度不純物領域を有すること;を特徴とする方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14118496A JP3388999B2 (ja) | 1996-05-13 | 1996-05-13 | サージ防護デバイスにおけるブレークオーバ電流ないし保持電流の設定方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14118496A JP3388999B2 (ja) | 1996-05-13 | 1996-05-13 | サージ防護デバイスにおけるブレークオーバ電流ないし保持電流の設定方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09307098A JPH09307098A (ja) | 1997-11-28 |
JP3388999B2 true JP3388999B2 (ja) | 2003-03-24 |
Family
ID=15286115
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14118496A Expired - Lifetime JP3388999B2 (ja) | 1996-05-13 | 1996-05-13 | サージ防護デバイスにおけるブレークオーバ電流ないし保持電流の設定方法 |
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Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106298512B (zh) * | 2016-09-22 | 2024-05-14 | 全球能源互联网研究院 | 一种快恢复二极管及其制备方法 |
CN115241293B (zh) * | 2022-06-15 | 2023-12-05 | 江苏新顺微电子股份有限公司 | 一种高速软恢复高压肖特基二极管器件及制造方法 |
-
1996
- 1996-05-13 JP JP14118496A patent/JP3388999B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JPH09307098A (ja) | 1997-11-28 |
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