JP3388820B2 - 液晶表示装置用薄膜トランジスタ - Google Patents
液晶表示装置用薄膜トランジスタInfo
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は薄膜トランジスタに関
し、とくに液晶表示装置に使用される電流−電圧特性を
改善した薄膜トランジスタに関する。 【0002】 【従来の技術】近年、液晶表示装置は、薄型軽量、低消
費電力という大きな利点をもつため、日本語ワードプロ
セッサやパーソナルコンピュータ等のOA機器の表示装
置として多用されており、それと共に、液晶表示装置の
画像表示品位の向上が強く望まれている。とくに、薄膜
トランジスタ(以下、TFTと略称する。)などの 3端
子素子を表示画素の1つ1つにスイッチとして接続した
アクティブマトリックス型の液晶表示装置は、他の液晶
表示装置に比較して、コントラスト比が高いこと、応答
速度が格段に優れていること、製造に従来の半導体製造
技術が応用できることなどから注目されており、用いら
れるTFTの特性向上に関する研究も活発に行われてい
る。 【0003】従来の液晶表示装置用TFTの構成につい
て、逆スタッガード型TFTを例にとり説明する。ガラ
スなどからなる絶縁基板の上にゲート電極層を形成し、
その上にゲート絶縁層を全面に成膜する。さらに半導体
層としてアモルファスシリコン(a-Si)および低抵抗ア
モルファスシリコン(n+ a-Si) 層、絶縁層を順に積層し
てパターニングする。その後、表示電極を ITO(インジ
ウム錫酸化層)を用いてスパッタリング法により成膜し
パターニングする。その後、モリブデン(Mo)/アルミニ
ウム(Al)/モリブデン(Mo)の 3層構造からなるソース・
ドレイン電極層を形成する。ソース・ドレイン電極層を
このような 3層構造とし、第 1層目にモリブデン(Mo)を
形成するのはアルミニウム(Al)が半導体層へ拡散するの
を防ぐためであり、さらに第 3層目にモリブデン(Mo)を
形成するのは第 2層目のアルミニウム(Al)によるヒロッ
ク発生を防ぐためである。最後に保護層を成膜してパタ
ーニングする。このようにして液晶表示装置用TFTを
有するTFTアレイ基板が得られる。 【0004】なお、このようにして作製したTFTアレ
イ基板に配向層を形成して、表面に遮光層、対向電極お
よび配向層が順に形成された後面ガラス基板を配向層を
対向させ、その間隙に液晶組成物を封入して液晶セルと
し、さらにこのような液晶セルに外部回路を接続してケ
ースに収納して液晶表示装置となる。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、モリブ
デン(Mo)/アルミニウム(Al)/モリブデン(Mo)の 3層構
造からなるソース・ドレイン電極層は、電極層形成後の
アッシング工程などによる酸化あるいは自然酸化などに
よりモリブデン(Mo)層が酸化されて酸化モリブデン(MoO
x ) が生成しやすくなる。この酸化モリブデン(MoOx )
は水やアルカリに対して溶解性がありかつ高い導電性を
持つために、後工程での純水による洗浄工程で溶出した
酸化モリブデン(MoOx ) が乾燥時にTFT表面に再析出
することによりTFTは表面リーク電流が流れやすくな
る。その結果、TFTをオンーオフするために印加され
るゲートパルスのオフ時にも、ソースまたはドレイン電
極に電位差があると電流が流れてしまいオンーオフ制御
ができなくなる。いわゆる電流−電圧特性の低下を引き
起こす。その結果、液晶表示装置の画像ムラなどの画像
欠陥が生じるという問題がある。 【0006】本発明は、かかる課題に対処してなされた
もので、電流−電圧特性の低下を引き起こす表面リーク
電流値を下げることのできる液晶表示装置用TFTを提
供することを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明の液晶表示装置用
TFTは、基板と、該基板上に順に形成されたゲート電
極層、ゲート絶縁層、半導体層、上部絶縁層、ソース・
ドレイン電極層および保護層からなる液晶表示装置用薄
膜トランジスタにおいて、前記ソース・ドレイン電極層
は、ジルコニウム(Zr)を表層とするジルコニウム(Z
r)、アルミニウム(Al)及びジルコニウム(Zr)の3層
構造からなることを特徴とする。 【0008】本発明の液晶表示装置用TFTを図1によ
り説明する。基板1上にゲート電極層2をパターニング
した後、ゲート絶縁層3を全面に成膜する。つぎにアモ
ルファスシリコン(a-Si)および低抵抗アモルファスシ
リコン(n+ a-Si) の積層膜からなる半導体層4および絶
縁層5を積層した後パターニングする。さらに表示画素
電極10を ITO(インジウム錫酸化層)を用いてたとえ
ばスパッタリング法により成膜しパターニングする。そ
の後、第 1ジルコニウム(Zr)層6、アルミニウム(Al)層
7、第 2ジルコニウム(Zr)層8を順次成膜した後パター
ニングして、ソース・ドレイン電極層とする。最後に保
護層9を成膜してパターニングする。 【0009】本発明に係わるジルコニウム(Zr)/アルミ
ニウム(Al)/ジルコニウム(Zr)の 3層構造において、第
1ジルコニウム(Zr)層6の層厚は 500〜1000オングスト
ローム、アルミニウム(Al)層7の層厚は 300〜400 オン
グストローム、第 2ジルコニウム(Zr)層8の層厚は 300
〜1000オングストロームが好ましい。ソース・ドレイン
電極層の層厚をそれぞれ上述の範囲とすることにより、
TFT製造工程途中で絶縁層5の表面や端面さらにはそ
の他トランジスタ周辺部が導電材料により汚染されるこ
とがなくなる。上述のアルミニウム(Al)層はアルミニウ
ム金属単体であってもよく、また導電性を損なわない範
囲でアルミニウム合金を使用することができる。たとえ
ば、銅(Cu) 1原子% 、シリコン(Si) 0.5原子% を含むア
ルミニウム合金などを使用できる。また、ジルコニウム
(Zr)層に代わりに、ジルコニウム(Zr)合金層を使用する
こともできる。 【0010】本発明に係わる 3層構造の成膜方法は、ス
パッタリング法が好ましい。スパッタリング法を使用す
ることにより、ジルコニウム(Zr)/アルミニウム(Al)/
ジルコニウム(Zr)層を容易に連続して成膜することがで
きる。 【0011】本発明に係わるゲート電極、絶縁層、半導
体層の材料および形成方法は公知の方法が使用できとく
に制限がない。たとえば、ゲート絶縁層としては SiOx
層やSiNx 層などを、半導体層としては、単結晶シリコ
ン、多結晶シリコン、アモルファスシリコンなどを使用
することができる。また、半導体層とソース電極などの
オーミックコンタクト層として低抵抗アモルファスシリ
コン層などを使用することができる。さらに、ゲート絶
縁層や半導体層を形成する方法は、液晶表示装置用TF
Tに使用されているプラズマCVD法やホトリソグラフ
ィ法などの公知の方法を使用することができる。 【0012】 【作用】ソース・ドレイン電極層をジルコニウム(Zr)/
アルミニウム(Al)/ジルコニウム(Zr)の 3層構造とする
と、アルミニウム(Al)が半導体層へ拡散することを防止
することができる。さらにアルミニウム(Al)のヒロック
発生をも防止することができる。 【0013】また、ジルコニウム(Zr)層は製造工程途中
で酸化されたとしても酸化物が水やアルカリ液に対して
まったく不溶であるため、洗浄工程や現像工程において
も溶出することがなく、かつフォトレジストとの密着性
も良好なためTFT表面の汚染やパターン不良を生じさ
せない。 【0014】さらに、ジルコニウム(Zr)はシリコン(Si)
と容易にシリサイドを形成するのでコンタクト抵抗を下
げることができる。 【0015】 【実施例】以下、本発明の液晶表示装置用TFTを逆ス
タッガード型TFTを例にとり詳細に説明する。 実施例1 ガラス基板上に3500オングストロームの膜厚を有するモ
リブデン・タンタル合金(MoTa)からなるゲート電極層を
スパッタリング法により形成した後、 SiOx からなるゲ
ート絶縁層をプラズマCVD法により形成した。さらに
連続して、アモルファスシリコン(a-Si)および SiNx
からなる絶縁層をプラズマCVD法により連続形成して
パターニングした。さらに低抵抗アモルファスシリコン
( n+ a-Si)層を形成してパターニングした。 ITO(イ
ンジウム錫酸化層)を用いて表示画素電極を形成後、ジ
ルコニウム(Zr)層、アルミニウム(Al)層およびジルコニ
ウム(Zr)層を順にそれぞれ 700オングストローム、3500
オングストロームおよび 500オングストロームの厚さに
スパッタリング法により積層成膜した後パターニングし
てソース・ドレイン電極を形成した。最後に SiNx 層か
らなる保護層をプラズマCVD法により形成して液晶表
示装置用TFTを得た。 【0016】得られた液晶表示装置用TFTの電流−電
圧特性を測定した。測定結果を表1に示す。 【0017】比較例1 ソース・ドレイン電極をモリブデン(Mo)層、アルミニウ
ム(Al)層およびモリブデン(Mo)層が順にそれぞれ 700オ
ングストローム、3500オングストロームおよび500オン
グストロームの厚さにスパッタリング法により積層成膜
された以外は、実施例1と同一の材料および方法で液晶
表示装置用TFTを得た。 【0018】得られた液晶表示装置用TFTの電流−電
圧特性を測定した。測定結果を表1に示す。 【0019】 【表1】 表1より明らかなように実施例1で得られたTFTはゲ
ート電圧が -8V、0Vのいずれにおいても電流−電圧特性
が比較例1に較べて優れていた。 【0020】 【発明の効果】本発明の液晶表示装置用TFTは、ソー
ス・ドレイン電極層がジルコニウム(Zr)を表層とする
ジルコニウム(Zr)/アルミニウム(Al)/ジルコニウム(Z
r)の3層構造からなるので、優れた電流−電圧特性を有
する。その結果、このTFTを使用することにより画像
欠陥がなく画像表示品位に優れた液晶表示装置を得るこ
とができる。
し、とくに液晶表示装置に使用される電流−電圧特性を
改善した薄膜トランジスタに関する。 【0002】 【従来の技術】近年、液晶表示装置は、薄型軽量、低消
費電力という大きな利点をもつため、日本語ワードプロ
セッサやパーソナルコンピュータ等のOA機器の表示装
置として多用されており、それと共に、液晶表示装置の
画像表示品位の向上が強く望まれている。とくに、薄膜
トランジスタ(以下、TFTと略称する。)などの 3端
子素子を表示画素の1つ1つにスイッチとして接続した
アクティブマトリックス型の液晶表示装置は、他の液晶
表示装置に比較して、コントラスト比が高いこと、応答
速度が格段に優れていること、製造に従来の半導体製造
技術が応用できることなどから注目されており、用いら
れるTFTの特性向上に関する研究も活発に行われてい
る。 【0003】従来の液晶表示装置用TFTの構成につい
て、逆スタッガード型TFTを例にとり説明する。ガラ
スなどからなる絶縁基板の上にゲート電極層を形成し、
その上にゲート絶縁層を全面に成膜する。さらに半導体
層としてアモルファスシリコン(a-Si)および低抵抗ア
モルファスシリコン(n+ a-Si) 層、絶縁層を順に積層し
てパターニングする。その後、表示電極を ITO(インジ
ウム錫酸化層)を用いてスパッタリング法により成膜し
パターニングする。その後、モリブデン(Mo)/アルミニ
ウム(Al)/モリブデン(Mo)の 3層構造からなるソース・
ドレイン電極層を形成する。ソース・ドレイン電極層を
このような 3層構造とし、第 1層目にモリブデン(Mo)を
形成するのはアルミニウム(Al)が半導体層へ拡散するの
を防ぐためであり、さらに第 3層目にモリブデン(Mo)を
形成するのは第 2層目のアルミニウム(Al)によるヒロッ
ク発生を防ぐためである。最後に保護層を成膜してパタ
ーニングする。このようにして液晶表示装置用TFTを
有するTFTアレイ基板が得られる。 【0004】なお、このようにして作製したTFTアレ
イ基板に配向層を形成して、表面に遮光層、対向電極お
よび配向層が順に形成された後面ガラス基板を配向層を
対向させ、その間隙に液晶組成物を封入して液晶セルと
し、さらにこのような液晶セルに外部回路を接続してケ
ースに収納して液晶表示装置となる。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、モリブ
デン(Mo)/アルミニウム(Al)/モリブデン(Mo)の 3層構
造からなるソース・ドレイン電極層は、電極層形成後の
アッシング工程などによる酸化あるいは自然酸化などに
よりモリブデン(Mo)層が酸化されて酸化モリブデン(MoO
x ) が生成しやすくなる。この酸化モリブデン(MoOx )
は水やアルカリに対して溶解性がありかつ高い導電性を
持つために、後工程での純水による洗浄工程で溶出した
酸化モリブデン(MoOx ) が乾燥時にTFT表面に再析出
することによりTFTは表面リーク電流が流れやすくな
る。その結果、TFTをオンーオフするために印加され
るゲートパルスのオフ時にも、ソースまたはドレイン電
極に電位差があると電流が流れてしまいオンーオフ制御
ができなくなる。いわゆる電流−電圧特性の低下を引き
起こす。その結果、液晶表示装置の画像ムラなどの画像
欠陥が生じるという問題がある。 【0006】本発明は、かかる課題に対処してなされた
もので、電流−電圧特性の低下を引き起こす表面リーク
電流値を下げることのできる液晶表示装置用TFTを提
供することを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明の液晶表示装置用
TFTは、基板と、該基板上に順に形成されたゲート電
極層、ゲート絶縁層、半導体層、上部絶縁層、ソース・
ドレイン電極層および保護層からなる液晶表示装置用薄
膜トランジスタにおいて、前記ソース・ドレイン電極層
は、ジルコニウム(Zr)を表層とするジルコニウム(Z
r)、アルミニウム(Al)及びジルコニウム(Zr)の3層
構造からなることを特徴とする。 【0008】本発明の液晶表示装置用TFTを図1によ
り説明する。基板1上にゲート電極層2をパターニング
した後、ゲート絶縁層3を全面に成膜する。つぎにアモ
ルファスシリコン(a-Si)および低抵抗アモルファスシ
リコン(n+ a-Si) の積層膜からなる半導体層4および絶
縁層5を積層した後パターニングする。さらに表示画素
電極10を ITO(インジウム錫酸化層)を用いてたとえ
ばスパッタリング法により成膜しパターニングする。そ
の後、第 1ジルコニウム(Zr)層6、アルミニウム(Al)層
7、第 2ジルコニウム(Zr)層8を順次成膜した後パター
ニングして、ソース・ドレイン電極層とする。最後に保
護層9を成膜してパターニングする。 【0009】本発明に係わるジルコニウム(Zr)/アルミ
ニウム(Al)/ジルコニウム(Zr)の 3層構造において、第
1ジルコニウム(Zr)層6の層厚は 500〜1000オングスト
ローム、アルミニウム(Al)層7の層厚は 300〜400 オン
グストローム、第 2ジルコニウム(Zr)層8の層厚は 300
〜1000オングストロームが好ましい。ソース・ドレイン
電極層の層厚をそれぞれ上述の範囲とすることにより、
TFT製造工程途中で絶縁層5の表面や端面さらにはそ
の他トランジスタ周辺部が導電材料により汚染されるこ
とがなくなる。上述のアルミニウム(Al)層はアルミニウ
ム金属単体であってもよく、また導電性を損なわない範
囲でアルミニウム合金を使用することができる。たとえ
ば、銅(Cu) 1原子% 、シリコン(Si) 0.5原子% を含むア
ルミニウム合金などを使用できる。また、ジルコニウム
(Zr)層に代わりに、ジルコニウム(Zr)合金層を使用する
こともできる。 【0010】本発明に係わる 3層構造の成膜方法は、ス
パッタリング法が好ましい。スパッタリング法を使用す
ることにより、ジルコニウム(Zr)/アルミニウム(Al)/
ジルコニウム(Zr)層を容易に連続して成膜することがで
きる。 【0011】本発明に係わるゲート電極、絶縁層、半導
体層の材料および形成方法は公知の方法が使用できとく
に制限がない。たとえば、ゲート絶縁層としては SiOx
層やSiNx 層などを、半導体層としては、単結晶シリコ
ン、多結晶シリコン、アモルファスシリコンなどを使用
することができる。また、半導体層とソース電極などの
オーミックコンタクト層として低抵抗アモルファスシリ
コン層などを使用することができる。さらに、ゲート絶
縁層や半導体層を形成する方法は、液晶表示装置用TF
Tに使用されているプラズマCVD法やホトリソグラフ
ィ法などの公知の方法を使用することができる。 【0012】 【作用】ソース・ドレイン電極層をジルコニウム(Zr)/
アルミニウム(Al)/ジルコニウム(Zr)の 3層構造とする
と、アルミニウム(Al)が半導体層へ拡散することを防止
することができる。さらにアルミニウム(Al)のヒロック
発生をも防止することができる。 【0013】また、ジルコニウム(Zr)層は製造工程途中
で酸化されたとしても酸化物が水やアルカリ液に対して
まったく不溶であるため、洗浄工程や現像工程において
も溶出することがなく、かつフォトレジストとの密着性
も良好なためTFT表面の汚染やパターン不良を生じさ
せない。 【0014】さらに、ジルコニウム(Zr)はシリコン(Si)
と容易にシリサイドを形成するのでコンタクト抵抗を下
げることができる。 【0015】 【実施例】以下、本発明の液晶表示装置用TFTを逆ス
タッガード型TFTを例にとり詳細に説明する。 実施例1 ガラス基板上に3500オングストロームの膜厚を有するモ
リブデン・タンタル合金(MoTa)からなるゲート電極層を
スパッタリング法により形成した後、 SiOx からなるゲ
ート絶縁層をプラズマCVD法により形成した。さらに
連続して、アモルファスシリコン(a-Si)および SiNx
からなる絶縁層をプラズマCVD法により連続形成して
パターニングした。さらに低抵抗アモルファスシリコン
( n+ a-Si)層を形成してパターニングした。 ITO(イ
ンジウム錫酸化層)を用いて表示画素電極を形成後、ジ
ルコニウム(Zr)層、アルミニウム(Al)層およびジルコニ
ウム(Zr)層を順にそれぞれ 700オングストローム、3500
オングストロームおよび 500オングストロームの厚さに
スパッタリング法により積層成膜した後パターニングし
てソース・ドレイン電極を形成した。最後に SiNx 層か
らなる保護層をプラズマCVD法により形成して液晶表
示装置用TFTを得た。 【0016】得られた液晶表示装置用TFTの電流−電
圧特性を測定した。測定結果を表1に示す。 【0017】比較例1 ソース・ドレイン電極をモリブデン(Mo)層、アルミニウ
ム(Al)層およびモリブデン(Mo)層が順にそれぞれ 700オ
ングストローム、3500オングストロームおよび500オン
グストロームの厚さにスパッタリング法により積層成膜
された以外は、実施例1と同一の材料および方法で液晶
表示装置用TFTを得た。 【0018】得られた液晶表示装置用TFTの電流−電
圧特性を測定した。測定結果を表1に示す。 【0019】 【表1】 表1より明らかなように実施例1で得られたTFTはゲ
ート電圧が -8V、0Vのいずれにおいても電流−電圧特性
が比較例1に較べて優れていた。 【0020】 【発明の効果】本発明の液晶表示装置用TFTは、ソー
ス・ドレイン電極層がジルコニウム(Zr)を表層とする
ジルコニウム(Zr)/アルミニウム(Al)/ジルコニウム(Z
r)の3層構造からなるので、優れた電流−電圧特性を有
する。その結果、このTFTを使用することにより画像
欠陥がなく画像表示品位に優れた液晶表示装置を得るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶表示装置用TFTの断面構造を示
す図である。 【符号の説明】 1………基板、2………ゲート電極層、3………ゲート
絶縁層、4………半導体層、5………絶縁層、6………
第 1ジルコニウム(Zr)層、7………アルミニウム(Al)
層、8………第 2ジルコニウム(Zr)層、9………保護
層、10………表示画素電極。
す図である。 【符号の説明】 1………基板、2………ゲート電極層、3………ゲート
絶縁層、4………半導体層、5………絶縁層、6………
第 1ジルコニウム(Zr)層、7………アルミニウム(Al)
層、8………第 2ジルコニウム(Zr)層、9………保護
層、10………表示画素電極。
フロントページの続き
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
H01L 29/786
H01L 29/40
H01L 21/336
G02F 1/1368
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 基板と、該基板上に順に形成されたゲー
ト電極層、ゲート絶縁層、半導体層、上部絶縁層、ソー
ス・ドレイン電極層および保護層からなる液晶表示装置
用薄膜トランジスタにおいて、 前記ソース・ドレイン電極層は、ジルコニウム(Zr)を
表層とするジルコニウム(Zr)、アルミニウム(Al)及
びジルコニウム(Zr)の3層構造からなることを特徴と
する液晶表示装置用薄膜トランジスタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17018793A JP3388820B2 (ja) | 1993-07-09 | 1993-07-09 | 液晶表示装置用薄膜トランジスタ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17018793A JP3388820B2 (ja) | 1993-07-09 | 1993-07-09 | 液晶表示装置用薄膜トランジスタ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0730118A JPH0730118A (ja) | 1995-01-31 |
JP3388820B2 true JP3388820B2 (ja) | 2003-03-24 |
Family
ID=15900301
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17018793A Expired - Fee Related JP3388820B2 (ja) | 1993-07-09 | 1993-07-09 | 液晶表示装置用薄膜トランジスタ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3388820B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5215620B2 (ja) | 2007-09-12 | 2013-06-19 | 三菱電機株式会社 | 半導体デバイス、表示装置及び半導体デバイスの製造方法 |
JP5687133B2 (ja) | 2010-11-05 | 2015-03-18 | 三菱電機株式会社 | 半導体装置及び表示装置 |
-
1993
- 1993-07-09 JP JP17018793A patent/JP3388820B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0730118A (ja) | 1995-01-31 |
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