JP3376955B2 - 複合体の分離方法 - Google Patents
複合体の分離方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば血清,血液,血
漿,尿等の生体体液、リンパ球、血球、各種細胞類等の
生体由来の試料中の微量成分とそれに対して特異的な結
合能を有する物質との複合体を、その他の物質から分離
する方法並びにこの分離方法を利用した微量成分の測定
方法に関する。
漿,尿等の生体体液、リンパ球、血球、各種細胞類等の
生体由来の試料中の微量成分とそれに対して特異的な結
合能を有する物質との複合体を、その他の物質から分離
する方法並びにこの分離方法を利用した微量成分の測定
方法に関する。
【0002】
【発明の背景】ある特定の物質同士、例えば抗原と抗
体,プロテアーゼとその蛋白性プロテアーゼインヒビタ
ー,糖鎖とレクチン,酵素とそれに対する基質や補酵
素,ホルモン等の生理活性物質とそれに対するリセプタ
ーや輸送蛋白,2本鎖DNAの1対のポリヌクレオチド
鎖等は、互いに強い相互作用を及ぼしあい、強固な複合
体を形成することが知られている。
体,プロテアーゼとその蛋白性プロテアーゼインヒビタ
ー,糖鎖とレクチン,酵素とそれに対する基質や補酵
素,ホルモン等の生理活性物質とそれに対するリセプタ
ーや輸送蛋白,2本鎖DNAの1対のポリヌクレオチド
鎖等は、互いに強い相互作用を及ぼしあい、強固な複合
体を形成することが知られている。
【0003】このような相互作用を利用した試料中の微
量成分の測定方法として、本発明者らが先に開発した特
開平2−28557号公報、特開平3−206964号公報及び特開
平3−221865号公報に記載の方法がある。特開平2−2855
7号公報に記載された方法を、例えば抗原と抗体の相互
作用を利用する場合について説明すると大略以下の如く
になる。(1)生体由来の試料中の測定対象物質の測定に
於て、測定対象物質を抗原として作製した抗体に何らか
の方法により検出可能な物質(以下、検出物質と略記す
る。)を標識したもの(標識抗体)を、試料と混合して
反応させた後、測定対象物質(抗原)と標識抗体との複
合体と、遊離型の標識抗体とを高速液体クロマトグラフ
ィー(HPLC)により分離し、該複合体中の検出物質
の量を測定することにより試料中の測定対象物質の量を
測定することを特徴とする測定方法。(2)生体由来の試
料中の測定対象物質の測定に於て、検出物質を結合させ
た測定対象物質及び測定対象物質を抗原として作製した
抗体を、試料と混合して反応させた後、検出物質により
標識された測定対象物質(抗原)と抗体との複合体と、
遊離型の検出物質を結合させた測定対象物質(抗原)と
をHPLCにより分離し、該複合体中の検出物質の量又
は遊離型の検出物質を結合させた測定対象物質(抗原)
中の検出物質の量を測定することにより試料中の測定対
象物質の量を測定することを特徴とする測定方法。
量成分の測定方法として、本発明者らが先に開発した特
開平2−28557号公報、特開平3−206964号公報及び特開
平3−221865号公報に記載の方法がある。特開平2−2855
7号公報に記載された方法を、例えば抗原と抗体の相互
作用を利用する場合について説明すると大略以下の如く
になる。(1)生体由来の試料中の測定対象物質の測定に
於て、測定対象物質を抗原として作製した抗体に何らか
の方法により検出可能な物質(以下、検出物質と略記す
る。)を標識したもの(標識抗体)を、試料と混合して
反応させた後、測定対象物質(抗原)と標識抗体との複
合体と、遊離型の標識抗体とを高速液体クロマトグラフ
ィー(HPLC)により分離し、該複合体中の検出物質
の量を測定することにより試料中の測定対象物質の量を
測定することを特徴とする測定方法。(2)生体由来の試
料中の測定対象物質の測定に於て、検出物質を結合させ
た測定対象物質及び測定対象物質を抗原として作製した
抗体を、試料と混合して反応させた後、検出物質により
標識された測定対象物質(抗原)と抗体との複合体と、
遊離型の検出物質を結合させた測定対象物質(抗原)と
をHPLCにより分離し、該複合体中の検出物質の量又
は遊離型の検出物質を結合させた測定対象物質(抗原)
中の検出物質の量を測定することにより試料中の測定対
象物質の量を測定することを特徴とする測定方法。
【0004】また、特開平3−206964号公報に開示され
た発明は、アイソザイムや糖鎖構造の異なるホルモン等
の「同一の作用を有し、且つ同一の検出可能な化学特性
を有する2以上の測定対象物質」を測定対象物質とする
測定方法である。この方法を、唾液型α−アミラーゼと
膵臓型α−アミラーゼとを測定対象物質とする場合を例
にとって説明すれば、以下の如くなる。即ち、上記の2
種類のα−アミラーゼを含む試料中に、抗唾液型α−ア
ミラーゼ(マウス)モノクローナル抗体を混合して反応
させた後、唾液型α−アミラーゼと抗唾液型α−アミラ
ーゼ(マウス)モノクローナル抗体との複合体と遊離の
膵臓型α−アミラーゼをHPLCにより分離し、唾液型
α−アミラーゼと抗唾液型α−アミラーゼ(マウス)モ
ノクローナル抗体との複合体に含まれる唾液型α−アミ
ラーゼの量又は/及び遊離の膵臓型α−アミラーゼの量
を測定することにより試料中の唾液型α−アミラーゼ又
は/及び膵臓型α−アミラーゼの量を分別測定すること
を特徴とする測定方法である。
た発明は、アイソザイムや糖鎖構造の異なるホルモン等
の「同一の作用を有し、且つ同一の検出可能な化学特性
を有する2以上の測定対象物質」を測定対象物質とする
測定方法である。この方法を、唾液型α−アミラーゼと
膵臓型α−アミラーゼとを測定対象物質とする場合を例
にとって説明すれば、以下の如くなる。即ち、上記の2
種類のα−アミラーゼを含む試料中に、抗唾液型α−ア
ミラーゼ(マウス)モノクローナル抗体を混合して反応
させた後、唾液型α−アミラーゼと抗唾液型α−アミラ
ーゼ(マウス)モノクローナル抗体との複合体と遊離の
膵臓型α−アミラーゼをHPLCにより分離し、唾液型
α−アミラーゼと抗唾液型α−アミラーゼ(マウス)モ
ノクローナル抗体との複合体に含まれる唾液型α−アミ
ラーゼの量又は/及び遊離の膵臓型α−アミラーゼの量
を測定することにより試料中の唾液型α−アミラーゼ又
は/及び膵臓型α−アミラーゼの量を分別測定すること
を特徴とする測定方法である。
【0005】また、特開平3−221865号公報に開示され
た発明は、アイソザイムや糖鎖構造の異なるホルモン等
の「同一の作用を有する2以上の測定対象物質」、また
は、ステロイドホルモン類やヒト絨毛性ゴナドトロピン
等の「類似した構造を有するが異なる作用を有する2以
上の測定対象物質」を測定対象物質とする測定方法であ
る。この方法を、胎盤絨毛由来hCGと絨毛癌由来hC
Gとを測定対象物質とする場合を例にとって説明すれ
ば、以下の如くなる。即ち、上記の2種類のhCGを含
む試料中に、何れのhCGにも結合能を持つ抗hCG−
β鎖モノクローナル抗体に検出物質を標識したものと、
絨毛癌由来hCGにのみ結合能を有し胎盤絨毛由来hC
Gには結合しないレクチンとを混合して反応させた後、
胎盤絨毛由来hCGと検出物質により標識された抗hC
G−β鎖モノクローナル抗体との複合体と、絨毛癌由来
hCGと検出物質により標識された抗hCG−β鎖モノ
クローナル抗体及びレクチンとの複合体と、遊離型の検
出物質により標識された抗hCG−β鎖モノクローナル
抗体とをHPLCにより分離し、各複合体中の検出物
質の量を測定することにより試料中の2種類のhCGの
量を測定することを特徴とする測定方法である。
た発明は、アイソザイムや糖鎖構造の異なるホルモン等
の「同一の作用を有する2以上の測定対象物質」、また
は、ステロイドホルモン類やヒト絨毛性ゴナドトロピン
等の「類似した構造を有するが異なる作用を有する2以
上の測定対象物質」を測定対象物質とする測定方法であ
る。この方法を、胎盤絨毛由来hCGと絨毛癌由来hC
Gとを測定対象物質とする場合を例にとって説明すれ
ば、以下の如くなる。即ち、上記の2種類のhCGを含
む試料中に、何れのhCGにも結合能を持つ抗hCG−
β鎖モノクローナル抗体に検出物質を標識したものと、
絨毛癌由来hCGにのみ結合能を有し胎盤絨毛由来hC
Gには結合しないレクチンとを混合して反応させた後、
胎盤絨毛由来hCGと検出物質により標識された抗hC
G−β鎖モノクローナル抗体との複合体と、絨毛癌由来
hCGと検出物質により標識された抗hCG−β鎖モノ
クローナル抗体及びレクチンとの複合体と、遊離型の検
出物質により標識された抗hCG−β鎖モノクローナル
抗体とをHPLCにより分離し、各複合体中の検出物
質の量を測定することにより試料中の2種類のhCGの
量を測定することを特徴とする測定方法である。
【0006】以上述べたことから明らかな如く、上記公
報に記載の各測定方法は、測定対象物質(又は検出物質
により標識された測定対象物質)とそれに対する結合能
を有する物質(以下、結合能物質と略記する。)との相
互作用の結果生じる複合体(又は検出物質により標識さ
れた複合体)と遊離の結合能物質(又は遊離の、検出物
質により標識された測定対象物質)との分離をHPLC
を用いて行なう点に特徴を有するもので、該方法によれ
ば、微量成分の定量を従来のEIA(酵素免疫測定
法)、RIA(放射免疫測定法)或はFIA(蛍光免疫
測定法)等の測定法と比べて容易に且つ短時間で極めて
精度よく行なうことができるので、今後の展開が大いに
期待される測定法であると考えられている。
報に記載の各測定方法は、測定対象物質(又は検出物質
により標識された測定対象物質)とそれに対する結合能
を有する物質(以下、結合能物質と略記する。)との相
互作用の結果生じる複合体(又は検出物質により標識さ
れた複合体)と遊離の結合能物質(又は遊離の、検出物
質により標識された測定対象物質)との分離をHPLC
を用いて行なう点に特徴を有するもので、該方法によれ
ば、微量成分の定量を従来のEIA(酵素免疫測定
法)、RIA(放射免疫測定法)或はFIA(蛍光免疫
測定法)等の測定法と比べて容易に且つ短時間で極めて
精度よく行なうことができるので、今後の展開が大いに
期待される測定法であると考えられている。
【0007】また、上記の公報中には、複合体を形成さ
せる際に、2種類以上の結合能物質(具体的には、測定
対象物質上の異なる部位に各々結合する性質を有する2
種類以上の結合能物質)を用いる方法、更には、検出物
質により標識された2種類以上の結合能物質を用いる方
法、並びにこのような2種類以上の結合能物質を用いた
場合には、結果的に複合体の分子量が大きくなったり、
複合体の等電点の変動巾が大きくなる等するため複合体
と結合能物質との分離がより容易となり、測定精度の向
上を計ることができることや、各々の結合能物質を検出
物質により標識しておくことにより、測定感度を上昇さ
せることができること等が開示されている。
せる際に、2種類以上の結合能物質(具体的には、測定
対象物質上の異なる部位に各々結合する性質を有する2
種類以上の結合能物質)を用いる方法、更には、検出物
質により標識された2種類以上の結合能物質を用いる方
法、並びにこのような2種類以上の結合能物質を用いた
場合には、結果的に複合体の分子量が大きくなったり、
複合体の等電点の変動巾が大きくなる等するため複合体
と結合能物質との分離がより容易となり、測定精度の向
上を計ることができることや、各々の結合能物質を検出
物質により標識しておくことにより、測定感度を上昇さ
せることができること等が開示されている。
【0008】しかしながら、これら2種の結合能物質
(標識されているものも含む)を使用する方法は、測定
対象物質に1ヶ所しか結合能物質が結合できる部位が存
在しない場合には利用できない。また、該方法は、複合
体の性質(分子量、疎水性、イオン性等)が結果的に変
化してその溶出位置がずれるという現象を生じさせるこ
とは可能でも、複合体の上記した如き性質を自由自在に
調節することは不可能であった。
(標識されているものも含む)を使用する方法は、測定
対象物質に1ヶ所しか結合能物質が結合できる部位が存
在しない場合には利用できない。また、該方法は、複合
体の性質(分子量、疎水性、イオン性等)が結果的に変
化してその溶出位置がずれるという現象を生じさせるこ
とは可能でも、複合体の上記した如き性質を自由自在に
調節することは不可能であった。
【0009】従って、上記した如き方法に於けるHPL
Cを用いた分離操作に於いて、単に2種の結合能物質を
用いるだけでは、複合体(又は検出物質により標識され
た複合体)と遊離の結合能物質(又は検出物質により標
識された測定対象物質)との分離が未だ不十分であった
り、測定対象物質によっては複合体(又は検出物質によ
り標識された複合体)の溶出位置が血清や尿中の生体成
分の溶出位置と重なるために測定精度が低下する等の問
題が生じる場合があり、更なる改良が望まれていた。
Cを用いた分離操作に於いて、単に2種の結合能物質を
用いるだけでは、複合体(又は検出物質により標識され
た複合体)と遊離の結合能物質(又は検出物質により標
識された測定対象物質)との分離が未だ不十分であった
り、測定対象物質によっては複合体(又は検出物質によ
り標識された複合体)の溶出位置が血清や尿中の生体成
分の溶出位置と重なるために測定精度が低下する等の問
題が生じる場合があり、更なる改良が望まれていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した如
き状況に鑑みなされたもので、測定対象物質と結合能物
質との相互作用の結果生じる複合体と、遊離の結合能物
質等の該複合体の検出に影響を与える恐れのある共存物
質とをHPLCを用いて分離する際に、該複合体と遊離
の結合能物質等とをより効果的に分離し得る方法並びに
この分離方法を利用した微量成分の測定方法を提供する
ことをその目的とする。
き状況に鑑みなされたもので、測定対象物質と結合能物
質との相互作用の結果生じる複合体と、遊離の結合能物
質等の該複合体の検出に影響を与える恐れのある共存物
質とをHPLCを用いて分離する際に、該複合体と遊離
の結合能物質等とをより効果的に分離し得る方法並びに
この分離方法を利用した微量成分の測定方法を提供する
ことをその目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、測定対象物質
と、測定対象物質に対する結合能を有する物質(以下、
結合能物質A1と略記する。)との複合体に、更に、該
複合体の疎水性若しくはイオン性を変化させ得る物質
(以下、分離向上物質と略記する。)により修飾され且
つ該複合体に対する結合能を有する物質(以下、修飾結
合能物質Aと略記する。)を結合させ、該複合体と遊離
の結合能物質A 1 (又は遊離の測定対象物質)とのHP
LCによる分離を該分離向上物質の疎水性若しくはイオ
ン性に基づいて行うことを特徴とする該複合体の分離方
法の発明である。
と、測定対象物質に対する結合能を有する物質(以下、
結合能物質A1と略記する。)との複合体に、更に、該
複合体の疎水性若しくはイオン性を変化させ得る物質
(以下、分離向上物質と略記する。)により修飾され且
つ該複合体に対する結合能を有する物質(以下、修飾結
合能物質Aと略記する。)を結合させ、該複合体と遊離
の結合能物質A 1 (又は遊離の測定対象物質)とのHP
LCによる分離を該分離向上物質の疎水性若しくはイオ
ン性に基づいて行うことを特徴とする該複合体の分離方
法の発明である。
【0012】また、本発明は、測定対象物質と結合能物
質A1との反応を利用した測定対象物質の測定方法に於
いて、該反応の結果生ずる、測定対象物質と結合能物質
A1との複合体に、更に、修飾結合能物質Aを結合さ
せ、該複合体と遊離の結合能物質A1(又は遊離の測定
対象物質)とを該分離向上物質の疎水性若しくはイオン
性に基づいてHPLCにより分離した後に、該複合体又
は遊離の結合能物質A1(又は遊離の測定対象物質)の
量を測定し、その結果に基づいて測定対象物質量を求め
ることを特徴とする測定方法の発明である。
質A1との反応を利用した測定対象物質の測定方法に於
いて、該反応の結果生ずる、測定対象物質と結合能物質
A1との複合体に、更に、修飾結合能物質Aを結合さ
せ、該複合体と遊離の結合能物質A1(又は遊離の測定
対象物質)とを該分離向上物質の疎水性若しくはイオン
性に基づいてHPLCにより分離した後に、該複合体又
は遊離の結合能物質A1(又は遊離の測定対象物質)の
量を測定し、その結果に基づいて測定対象物質量を求め
ることを特徴とする測定方法の発明である。
【0013】更に、本発明は、測定対象物質を含む生体
由来の試料、検出物質により標識された測定対象物質
(以下、標識測定物質と略記する。)及び結合能物質A
1を修飾結合能物質Aと反応させ、測定対象物質と結合
能物質A1と修飾結合能物質Aとの複合体、及び標識測
定物質と結合能物質A1と修飾結合能物質Aとの複合体
(以下、標識複合体と略記する。)を形成させた後、標
識複合体と標識測定物質とを分離向上物質の疎水性若し
くはイオン性に応じて高速液体クロマトグラフィーによ
り分離し、次いで、分離された標識複合体に含まれる検
出物質の量を測定することにより、測定対象物質量を求
めることを特徴とする測定方法の発明である。
由来の試料、検出物質により標識された測定対象物質
(以下、標識測定物質と略記する。)及び結合能物質A
1を修飾結合能物質Aと反応させ、測定対象物質と結合
能物質A1と修飾結合能物質Aとの複合体、及び標識測
定物質と結合能物質A1と修飾結合能物質Aとの複合体
(以下、標識複合体と略記する。)を形成させた後、標
識複合体と標識測定物質とを分離向上物質の疎水性若し
くはイオン性に応じて高速液体クロマトグラフィーによ
り分離し、次いで、分離された標識複合体に含まれる検
出物質の量を測定することにより、測定対象物質量を求
めることを特徴とする測定方法の発明である。
【0014】即ち、本発明者らは、測定対象物質と結合
能物質A1との相互作用の結果生じる複合体と、遊離の
結合能物質A1(又は遊離の測定対象物質。尚、測定対
象物質は検出物質により標識されていてもよい。)等の
該複合体の検出に影響を与える恐れのある共存物質との
分離をHPLCを用いて行なう際に、該複合体と遊離の
結合能物質A1等とをより明確に分離し得る方法を求め
て鋭意研究を重ねた結果、該複合体に更に適当な疎水性
若しくはイオン性を有する分離向上物質を結合させ、且
つ該分離向上物質の疎水性若しくはイオン性に基づいて
該複合体と遊離の結合能物質A1(又は遊離の測定対象
物質)等の該複合体の検出に影響を与える恐れのある共
存物質との分離操作を行った場合には、分離向上物質を
適宜選択して用いることにより該複合体の溶出位置を自
在に調節することが可能となること、言い換えれば、適
当な分離向上物質を該複合体に結合させることにより該
複合体と遊離の結合能物質A1等とをより明確に分離し
得ることを見出し本発明を完成するに至った。
能物質A1との相互作用の結果生じる複合体と、遊離の
結合能物質A1(又は遊離の測定対象物質。尚、測定対
象物質は検出物質により標識されていてもよい。)等の
該複合体の検出に影響を与える恐れのある共存物質との
分離をHPLCを用いて行なう際に、該複合体と遊離の
結合能物質A1等とをより明確に分離し得る方法を求め
て鋭意研究を重ねた結果、該複合体に更に適当な疎水性
若しくはイオン性を有する分離向上物質を結合させ、且
つ該分離向上物質の疎水性若しくはイオン性に基づいて
該複合体と遊離の結合能物質A1(又は遊離の測定対象
物質)等の該複合体の検出に影響を与える恐れのある共
存物質との分離操作を行った場合には、分離向上物質を
適宜選択して用いることにより該複合体の溶出位置を自
在に調節することが可能となること、言い換えれば、適
当な分離向上物質を該複合体に結合させることにより該
複合体と遊離の結合能物質A1等とをより明確に分離し
得ることを見出し本発明を完成するに至った。
【0015】本発明の分離方法に於て用いられる分離向
上物質としては、測定対象物質と結合能物質A1との複
合体の例えば疎水性、等電点等の性質を変化させ得る物
質であれば特に限定されることなく挙げられるが、具体
的には例えばα−キモトリプシノーゲン,β−ガラクト
シダーゼ,リゾチーム,チトクロームC,トリプシンイ
ンヒビター等のタンパク質、例えばフェニルアラニン,
プロリン,アルギニン,リジン,アスパラギン酸,グル
タミン酸等のアミノ酸を含むペプチド、例えば臭素,塩
素,沃素等のハロゲン原子、例えばポリエチレングリコ
ール等の合成高分子、例えばポリグルタミン酸,ポリア
スパラギン酸,ポリリジン,ポリアルギニン,ポリフェ
ニルアラニン,ポリチロシン等のポリアミノ酸、炭素数
3〜10のアルキル鎖、例えばパルミチン酸,オレイン
酸,ステアリン酸等の脂肪酸、例えばN-(ε-マレイミド
カプロイルオキシ)スクシンイミド[N-(ε-maleimidoca
proyloxy)succinimide、以下、EMCSと略記す
る。],N-スクシンイミヂル-6-マレイミドヘキサノエイ
ト(N-Succinimidyl-6-maleimidohexanoate),ビスマ
レイミドヘキサン(Bismaleimidohexane、以下、BMH
と略記する。),オクチルアミン等の測定対象物質と結
合能物質A1との複合体に対する結合能を有する物質に
結合し得る反応基を有し且つ疎水性若しくはイオン性を
有する化学物質等が好ましく挙げられる。
上物質としては、測定対象物質と結合能物質A1との複
合体の例えば疎水性、等電点等の性質を変化させ得る物
質であれば特に限定されることなく挙げられるが、具体
的には例えばα−キモトリプシノーゲン,β−ガラクト
シダーゼ,リゾチーム,チトクロームC,トリプシンイ
ンヒビター等のタンパク質、例えばフェニルアラニン,
プロリン,アルギニン,リジン,アスパラギン酸,グル
タミン酸等のアミノ酸を含むペプチド、例えば臭素,塩
素,沃素等のハロゲン原子、例えばポリエチレングリコ
ール等の合成高分子、例えばポリグルタミン酸,ポリア
スパラギン酸,ポリリジン,ポリアルギニン,ポリフェ
ニルアラニン,ポリチロシン等のポリアミノ酸、炭素数
3〜10のアルキル鎖、例えばパルミチン酸,オレイン
酸,ステアリン酸等の脂肪酸、例えばN-(ε-マレイミド
カプロイルオキシ)スクシンイミド[N-(ε-maleimidoca
proyloxy)succinimide、以下、EMCSと略記す
る。],N-スクシンイミヂル-6-マレイミドヘキサノエイ
ト(N-Succinimidyl-6-maleimidohexanoate),ビスマ
レイミドヘキサン(Bismaleimidohexane、以下、BMH
と略記する。),オクチルアミン等の測定対象物質と結
合能物質A1との複合体に対する結合能を有する物質に
結合し得る反応基を有し且つ疎水性若しくはイオン性を
有する化学物質等が好ましく挙げられる。
【0016】本発明に係る修飾結合能物質Aを調製する
ために用いられる、測定対象物質と結合能物質A1との
複合体に対して結合能を有する物質(以下、結合能物質
A’と略記する。)としては、測定対象物質と結合能物
質A1との複合体形成反応並びに該複合体中の検出物質
(又は結合能物質A1)を検出する反応を阻害しないも
のであって、測定対象物質、結合能物質A1又はこれら
の複合体に対して結合能を有する物質、或は測定対象物
質若しくは結合能物質A1に検出物質が結合している場
合には該検出物質に対して結合能を有する物質であれば
特に限定されることなく挙げられる。具体的には、例え
ば測定対象物質に対して結合能を有する例えば抗体、例
えばコンカナバリンA,レンズマメレクチン,インゲン
マメレクチン,ダツラレクチン,小麦胚芽レクチン等の
レクチン類(但し、結合能物質A1とは結合部位が異な
るもの。)等、或は結合能物質A1又は該検出物質に対
して結合能を有する例えば抗体、例えばコンカナバリン
A,レンズマメレクチン,インゲンマメレクチン,ダツ
ラレクチン,小麦胚芽レクチン等のレクチン類等が好ま
しく挙げられる。
ために用いられる、測定対象物質と結合能物質A1との
複合体に対して結合能を有する物質(以下、結合能物質
A’と略記する。)としては、測定対象物質と結合能物
質A1との複合体形成反応並びに該複合体中の検出物質
(又は結合能物質A1)を検出する反応を阻害しないも
のであって、測定対象物質、結合能物質A1又はこれら
の複合体に対して結合能を有する物質、或は測定対象物
質若しくは結合能物質A1に検出物質が結合している場
合には該検出物質に対して結合能を有する物質であれば
特に限定されることなく挙げられる。具体的には、例え
ば測定対象物質に対して結合能を有する例えば抗体、例
えばコンカナバリンA,レンズマメレクチン,インゲン
マメレクチン,ダツラレクチン,小麦胚芽レクチン等の
レクチン類(但し、結合能物質A1とは結合部位が異な
るもの。)等、或は結合能物質A1又は該検出物質に対
して結合能を有する例えば抗体、例えばコンカナバリン
A,レンズマメレクチン,インゲンマメレクチン,ダツ
ラレクチン,小麦胚芽レクチン等のレクチン類等が好ま
しく挙げられる。
【0017】本発明に係る結合能物質A’と分離向上物
質の結合方法は、結合能物質A’の特定反応基と分離向
上物質の特定反応基とを結合させる方法、結合能物質
A’の特定反応基を分離向上物質で置換する方法、結合
能物質A’に対して結合能のある物質(例えば抗体、レ
クチン、抗原、インヒビター、DNA等)を介して結合
能物質A’と分離向上物質とを結合させる方法等が挙げ
られる。より具体的には、例えば1)自体公知の酵素免
疫測定法(EIA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)
或いは蛍光免疫測定法(FIA)等において一般に行わ
れている自体公知の標識物質と抗体との結合方法(例え
ば、医学実験口座、第8巻、山村雄一監修、第1版、中
山書店、1971;図説 蛍光抗体、川生明著、第1版、
(株)ソフトサイエンス社、1983;酵素免疫測定法、石川
栄治、河合忠、宮井潔編、第2版、医学書院、1982、
等)、2)自体公知の物質の修飾および結合方法(例え
ば、蛋白質の化学修飾〈上〉〈下〉、瓜谷郁三、志村憲
助、中村道徳、船津勝編集、第1版、(株)学会出版セン
ター、1981;ポリエチレングリコール修飾タンパク質、
稲田祐二他、生化学、第62巻、第11号、P1351ー1362、
(社)日本生化学会、1990;DNA PROBES, George H.K.
and Mark M.M. STOCKTON PRESS,1989 、等)等が何れも
例外なく挙げられ、これらの方法に準じて行えばよい。
質の結合方法は、結合能物質A’の特定反応基と分離向
上物質の特定反応基とを結合させる方法、結合能物質
A’の特定反応基を分離向上物質で置換する方法、結合
能物質A’に対して結合能のある物質(例えば抗体、レ
クチン、抗原、インヒビター、DNA等)を介して結合
能物質A’と分離向上物質とを結合させる方法等が挙げ
られる。より具体的には、例えば1)自体公知の酵素免
疫測定法(EIA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)
或いは蛍光免疫測定法(FIA)等において一般に行わ
れている自体公知の標識物質と抗体との結合方法(例え
ば、医学実験口座、第8巻、山村雄一監修、第1版、中
山書店、1971;図説 蛍光抗体、川生明著、第1版、
(株)ソフトサイエンス社、1983;酵素免疫測定法、石川
栄治、河合忠、宮井潔編、第2版、医学書院、1982、
等)、2)自体公知の物質の修飾および結合方法(例え
ば、蛋白質の化学修飾〈上〉〈下〉、瓜谷郁三、志村憲
助、中村道徳、船津勝編集、第1版、(株)学会出版セン
ター、1981;ポリエチレングリコール修飾タンパク質、
稲田祐二他、生化学、第62巻、第11号、P1351ー1362、
(社)日本生化学会、1990;DNA PROBES, George H.K.
and Mark M.M. STOCKTON PRESS,1989 、等)等が何れも
例外なく挙げられ、これらの方法に準じて行えばよい。
【0018】本発明の分離方法は、例えば以下の如くし
て容易に実施し得る。即ち、測定対象物質を含有する試
料と、結合能物質A1と、修飾結合能物質Aとを、要す
れば適当な緩衝液中に添加、混合して反応させ、測定対
象物質と、結合能物質A1と、修飾結合能物質Aとが結
合した複合体を形成させた後、該複合体と遊離の結合能
物質A1等のその他の共存物質とを、分離向上物質の疎
水性若しくはイオン性に応じて選択された充填剤を充填
したカラムを装着したHPLCにより分離することによ
り、容易に実施し得る。尚、上記の分離方法に於いて
は、検出物質により標識された測定対象物質が共存して
いてもよいことは言うまでもない。
て容易に実施し得る。即ち、測定対象物質を含有する試
料と、結合能物質A1と、修飾結合能物質Aとを、要す
れば適当な緩衝液中に添加、混合して反応させ、測定対
象物質と、結合能物質A1と、修飾結合能物質Aとが結
合した複合体を形成させた後、該複合体と遊離の結合能
物質A1等のその他の共存物質とを、分離向上物質の疎
水性若しくはイオン性に応じて選択された充填剤を充填
したカラムを装着したHPLCにより分離することによ
り、容易に実施し得る。尚、上記の分離方法に於いて
は、検出物質により標識された測定対象物質が共存して
いてもよいことは言うまでもない。
【0019】本発明の分離方法は、試料中の特定微量成
分を分離(或は精製)するのに有効に利用し得るが、該
微量成分を測定する際に本発明の分離方法を利用すると
特に効果的である。
分を分離(或は精製)するのに有効に利用し得るが、該
微量成分を測定する際に本発明の分離方法を利用すると
特に効果的である。
【0020】本発明を微量成分の測定に利用した例を以
下に示す。 (1)非競合反応を利用した測定対象物質量の測定方法
(測定方法(1)) 先ず測定対象物質を含む生体由来の試料と、検出物質に
より標識された結合能物質A1と、修飾結合能物質Aと
を、要すれば適当な緩衝液中に添加、混合して反応さ
せ、測定対象物質と、結合能物質A1と、修飾結合能物
質Aとが結合した複合体を形成させた後、該複合体と遊
離の結合能物質A1とを、分離向上物質の疎水性若しく
はイオン性に応じて選択された充填剤を充填したカラム
を装着したHPLCにより分離する。次いで、分離され
た該複合体に含まれる検出物質の量を、検出物質の性質
に応じた測定方法により求める。別に、測定対象物質濃
度既知の試料を用い同様の方法により測定を行ない、測
定対象物質量と該複合体中の検出物質の量との関係を表
わす検量線を作成し、これを用いて、複合体中の検出物
質の量に対応する測定対象物質量を求めれば、試料中の
測定対象物質量が求められる。上記反応に於て、複合体
を形成させる際の結合能物質A1の使用濃度としては、
測定対象物質の検量限界をどの程度に設定するかによっ
ても変動はあるが、通常は反応液中に於て、設定された
検量限界濃度に相当する測定対象物質全てと結合し得る
濃度以上、好ましくはその2倍濃度以上、より好ましく
は5倍濃度以上が反応液中に存在していることが望まし
い。また、複合体に反応させる修飾結合能物質Aの濃度
としては、測定対象物質の検量限界をどの程度に設定す
るかによっても変動はあるが、通常は反応液中に於て、
設定された検量限界濃度に相当する測定対象物質全てと
結合し得る濃度以上、好ましくはその2倍濃度以上、よ
り好ましくは5倍濃度以上が反応液中に存在しているこ
とが望ましい。尚、結合能物質A1自身が何らかの方法
により測定(検出)可能な物質である場合には、検出物
質により標識されていない結合能物質A1を用いて上記
の反応を行ない、得られた複合体中の結合能物質A1の
量を結合能物質A1の性質に応じた測定方法により求め
ることによっても、同様に試料中の測定対象物質量を求
めることができる。
下に示す。 (1)非競合反応を利用した測定対象物質量の測定方法
(測定方法(1)) 先ず測定対象物質を含む生体由来の試料と、検出物質に
より標識された結合能物質A1と、修飾結合能物質Aと
を、要すれば適当な緩衝液中に添加、混合して反応さ
せ、測定対象物質と、結合能物質A1と、修飾結合能物
質Aとが結合した複合体を形成させた後、該複合体と遊
離の結合能物質A1とを、分離向上物質の疎水性若しく
はイオン性に応じて選択された充填剤を充填したカラム
を装着したHPLCにより分離する。次いで、分離され
た該複合体に含まれる検出物質の量を、検出物質の性質
に応じた測定方法により求める。別に、測定対象物質濃
度既知の試料を用い同様の方法により測定を行ない、測
定対象物質量と該複合体中の検出物質の量との関係を表
わす検量線を作成し、これを用いて、複合体中の検出物
質の量に対応する測定対象物質量を求めれば、試料中の
測定対象物質量が求められる。上記反応に於て、複合体
を形成させる際の結合能物質A1の使用濃度としては、
測定対象物質の検量限界をどの程度に設定するかによっ
ても変動はあるが、通常は反応液中に於て、設定された
検量限界濃度に相当する測定対象物質全てと結合し得る
濃度以上、好ましくはその2倍濃度以上、より好ましく
は5倍濃度以上が反応液中に存在していることが望まし
い。また、複合体に反応させる修飾結合能物質Aの濃度
としては、測定対象物質の検量限界をどの程度に設定す
るかによっても変動はあるが、通常は反応液中に於て、
設定された検量限界濃度に相当する測定対象物質全てと
結合し得る濃度以上、好ましくはその2倍濃度以上、よ
り好ましくは5倍濃度以上が反応液中に存在しているこ
とが望ましい。尚、結合能物質A1自身が何らかの方法
により測定(検出)可能な物質である場合には、検出物
質により標識されていない結合能物質A1を用いて上記
の反応を行ない、得られた複合体中の結合能物質A1の
量を結合能物質A1の性質に応じた測定方法により求め
ることによっても、同様に試料中の測定対象物質量を求
めることができる。
【0021】
(2)競合反応を利用した測定対象物質量の測定方法(測
定方法(2)) 先ず測定対象物質を含む生体由来の試料、検出物質によ
り標識された測定対象物質(以下、標識測定物質と略記
する。)、結合能物質A1と、更に修飾結合能物質Aと
を、要すれば適当な緩衝液中に添加、混合して反応さ
せ、測定対象物質と結合能物質A1と修飾結合能物質A
との複合体、及び標識測定物質と結合能物質A1と修飾
結合能物質Aとの複合体(以下、標識複合体と略記す
る。)を形成させた後、標識複合体と、標識測定物質と
を、分離向上物質の疎水性若しくはイオン性に応じて選
択された充填剤を充填したカラムを装着したHPLCに
より分離する。次いで、分離された標識複合体に含まれ
る検出物質の量を、検出物質の性質に応じた測定方法に
より求める。別に、測定対象物質濃度既知の試料を用い
て同様の方法により測定を行ない、測定対象物質量と標
識複合体中の検出物質の量との関係を表わす検量線を作
成し、これを用いて、標識複合体中の検出物質の量に対
応する測定対象物質量を求めれば、試料中の測定対象物
質量が求められる。上記の反応に於て、標識複合体を形
成させる際の結合能物質A1の使用濃度及び標識測定物
質の使用濃度は、測定対象物質の検量限界や測定感度を
どの程度に設定するかによって適宜設定すればよく、特
に限定されない。但し、標識測定物質の使用濃度は、反
応液中に存在する結合能物質A1全てと結合し得る濃度
以上に設定しておかなければならないことは言うまでも
ない。また、標識複合体を形成させる際の修飾結合能物
質Aの使用濃度は、測定対象物質の検量限界をどの程度
に設定するかによって適宜設定すればよく、特に限定さ
れない。但し、該使用濃度は、反応液中に存在する結合
能物質A1全てが標識測定物質と反応して生ずる複合体
全てと結合し得る濃度以上に設定しておかなければなら
ないことは言うまでもない。
定方法(2)) 先ず測定対象物質を含む生体由来の試料、検出物質によ
り標識された測定対象物質(以下、標識測定物質と略記
する。)、結合能物質A1と、更に修飾結合能物質Aと
を、要すれば適当な緩衝液中に添加、混合して反応さ
せ、測定対象物質と結合能物質A1と修飾結合能物質A
との複合体、及び標識測定物質と結合能物質A1と修飾
結合能物質Aとの複合体(以下、標識複合体と略記す
る。)を形成させた後、標識複合体と、標識測定物質と
を、分離向上物質の疎水性若しくはイオン性に応じて選
択された充填剤を充填したカラムを装着したHPLCに
より分離する。次いで、分離された標識複合体に含まれ
る検出物質の量を、検出物質の性質に応じた測定方法に
より求める。別に、測定対象物質濃度既知の試料を用い
て同様の方法により測定を行ない、測定対象物質量と標
識複合体中の検出物質の量との関係を表わす検量線を作
成し、これを用いて、標識複合体中の検出物質の量に対
応する測定対象物質量を求めれば、試料中の測定対象物
質量が求められる。上記の反応に於て、標識複合体を形
成させる際の結合能物質A1の使用濃度及び標識測定物
質の使用濃度は、測定対象物質の検量限界や測定感度を
どの程度に設定するかによって適宜設定すればよく、特
に限定されない。但し、標識測定物質の使用濃度は、反
応液中に存在する結合能物質A1全てと結合し得る濃度
以上に設定しておかなければならないことは言うまでも
ない。また、標識複合体を形成させる際の修飾結合能物
質Aの使用濃度は、測定対象物質の検量限界をどの程度
に設定するかによって適宜設定すればよく、特に限定さ
れない。但し、該使用濃度は、反応液中に存在する結合
能物質A1全てが標識測定物質と反応して生ずる複合体
全てと結合し得る濃度以上に設定しておかなければなら
ないことは言うまでもない。
【0022】尚、結合能物質A1自身が何らかの方法に
より測定(検出)可能な物質である場合には、検出物質
により標識されていない結合能物質A1を用いて上記(1)
又は(2)の反応を行ない、得られた複合体中の結合能物
質A1の量を結合能物質A1の性質に応じた測定方法によ
り求めることによっても、同様に試料中の測定対象物質
量を求めることができる。
より測定(検出)可能な物質である場合には、検出物質
により標識されていない結合能物質A1を用いて上記(1)
又は(2)の反応を行ない、得られた複合体中の結合能物
質A1の量を結合能物質A1の性質に応じた測定方法によ
り求めることによっても、同様に試料中の測定対象物質
量を求めることができる。
【0023】本発明の方法により測定可能な測定対象物
質としては、i)測定対象物質と互いに強い相互作用を及
ぼしあい、強固な複合体を形成し得る物質が存在し、該
物質がそれ自身何らかの方法により測定(検出)可能で
あるか、又は何らかの検出物質により標識可能なもの、
であるか、若しくはii)測定 対象物質自体が何らかの検
出物質により標識可能なものであって、測定対象物質と
互いに強い相互作用を及ぼしあい、強固な標識複合体を
形成し得る物質が存在するもの、であれば、特に限定す
ることなく挙げられるが、例えば血清,血液,血漿,尿
等の生体体液、リンパ球、血球、各種細胞類等の生体由
来の試料中に含まれる蛋白質、ペプチド、核酸、糖鎖、
脂質、ホルモン、薬物等が代表的なものとして挙げられ
る。更に具体的には、例えばα−フェトプロテイン(A
FP),CA19−9,前立腺特異抗原(PSA),癌
胎児性抗原(CEA),癌細胞の産生する特殊な糖鎖を
有する物質等の癌マーカー、例えば免疫グロブリンA
(IgA),免疫グロブリンE(IgE),免疫グロブ
リンG(IgG),β2−ミクログロブリン,アルブミ
ン,フェリチン等の血清蛋白質、例えばC−ペプチド,
アンジオテンシンI等のペプチド、例えばアミラーゼ,
アルカリホスファターゼ,γ−グルタミルトランスフェ
ラーゼ(γ−GTP)等の酵素、例えばルベラウイル
ス,ヘルペスウイルス,肝炎ウイルス,ATLウイル
ス,AIDSウイルス等臨床的に注目されているウイル
スに対する抗ウイルス抗体、ウイルス等の病原体のデオ
キシリボ核酸(DNA)やリボ核酸(RNA)或はこれ
ら核酸を構成する1本鎖ポリヌクレオチド、ウイルス等
の病原体に由来する抗原性物質、例えばスギその他の草
木の花粉や室内塵等のアレルゲンに反応する抗体、例え
ばリポ蛋白質等の脂質、例えばトリプシン,プラスミ
ン,セリンプロテアーゼ等のプロテアーゼ、例えばイン
シュリン,ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG),サイ
ロキシン(T4),トリヨードサイロニン(T3),プロ
ラクチン,甲状腺刺激ホルモン(TSH)等のホルモ
ン、例えばジゴキシン,フェニトイン,モルヒネ,ニコ
チン等の薬物等が挙げられる。
質としては、i)測定対象物質と互いに強い相互作用を及
ぼしあい、強固な複合体を形成し得る物質が存在し、該
物質がそれ自身何らかの方法により測定(検出)可能で
あるか、又は何らかの検出物質により標識可能なもの、
であるか、若しくはii)測定 対象物質自体が何らかの検
出物質により標識可能なものであって、測定対象物質と
互いに強い相互作用を及ぼしあい、強固な標識複合体を
形成し得る物質が存在するもの、であれば、特に限定す
ることなく挙げられるが、例えば血清,血液,血漿,尿
等の生体体液、リンパ球、血球、各種細胞類等の生体由
来の試料中に含まれる蛋白質、ペプチド、核酸、糖鎖、
脂質、ホルモン、薬物等が代表的なものとして挙げられ
る。更に具体的には、例えばα−フェトプロテイン(A
FP),CA19−9,前立腺特異抗原(PSA),癌
胎児性抗原(CEA),癌細胞の産生する特殊な糖鎖を
有する物質等の癌マーカー、例えば免疫グロブリンA
(IgA),免疫グロブリンE(IgE),免疫グロブ
リンG(IgG),β2−ミクログロブリン,アルブミ
ン,フェリチン等の血清蛋白質、例えばC−ペプチド,
アンジオテンシンI等のペプチド、例えばアミラーゼ,
アルカリホスファターゼ,γ−グルタミルトランスフェ
ラーゼ(γ−GTP)等の酵素、例えばルベラウイル
ス,ヘルペスウイルス,肝炎ウイルス,ATLウイル
ス,AIDSウイルス等臨床的に注目されているウイル
スに対する抗ウイルス抗体、ウイルス等の病原体のデオ
キシリボ核酸(DNA)やリボ核酸(RNA)或はこれ
ら核酸を構成する1本鎖ポリヌクレオチド、ウイルス等
の病原体に由来する抗原性物質、例えばスギその他の草
木の花粉や室内塵等のアレルゲンに反応する抗体、例え
ばリポ蛋白質等の脂質、例えばトリプシン,プラスミ
ン,セリンプロテアーゼ等のプロテアーゼ、例えばイン
シュリン,ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG),サイ
ロキシン(T4),トリヨードサイロニン(T3),プロ
ラクチン,甲状腺刺激ホルモン(TSH)等のホルモ
ン、例えばジゴキシン,フェニトイン,モルヒネ,ニコ
チン等の薬物等が挙げられる。
【0024】本発明の方法に係る測定対象物質に対する
結合能物質A1としては、これら測定対象物質と互いに
強い相互作用を及ぼしあい、強固な複合体を形成する物
質で、要すれば、それ自身何らかの方法により測定(検
出)可能であるか、或は測定(検出)可能な何らかの検
出物質により標識可能なもの(測定対象物質自身が何ら
かの検出物質により標識可能なものである場合にはこの
限りではない。)であれば特に限定することなく挙げら
れるが、例えば抗原性を有する物質(ハプテンを含
む。)に対する抗体、抗体に対する抗原、特定構造の糖
鎖に対して結合能を有する例えばコンカナバリンA,レ
ンズマメレクチン,インゲンマメレクチン,ダツラレク
チン,小麦胚芽レクチン等のレクチン類、例えばトリプ
シンに対するα1−アンチトリプシン,プラスミンに対
するα2−マクログロブリン,セリンプロテアーゼに対
するα2−マクログロブリン等の特定の酵素に対するイ
ンヒビター類、測定対象物質である1本鎖ポリヌクレオ
チドに相補的なポリヌクレオチド鎖等が挙げられる。
結合能物質A1としては、これら測定対象物質と互いに
強い相互作用を及ぼしあい、強固な複合体を形成する物
質で、要すれば、それ自身何らかの方法により測定(検
出)可能であるか、或は測定(検出)可能な何らかの検
出物質により標識可能なもの(測定対象物質自身が何ら
かの検出物質により標識可能なものである場合にはこの
限りではない。)であれば特に限定することなく挙げら
れるが、例えば抗原性を有する物質(ハプテンを含
む。)に対する抗体、抗体に対する抗原、特定構造の糖
鎖に対して結合能を有する例えばコンカナバリンA,レ
ンズマメレクチン,インゲンマメレクチン,ダツラレク
チン,小麦胚芽レクチン等のレクチン類、例えばトリプ
シンに対するα1−アンチトリプシン,プラスミンに対
するα2−マクログロブリン,セリンプロテアーゼに対
するα2−マクログロブリン等の特定の酵素に対するイ
ンヒビター類、測定対象物質である1本鎖ポリヌクレオ
チドに相補的なポリヌクレオチド鎖等が挙げられる。
【0025】本発明の分離方法を利用した測定方法に於
いて用いられる検出物質としては、例えば酵素免疫測定
法(EIA)に於いて用いられるアルカリホスファター
ゼ,β-ガラクトシダーゼ,パーオキシダーゼ,マイク
ロパーオキシダーゼ,グルコースオキシダーゼ,グルコ
ース-6-リン酸脱水素酵素,アセチルコリンエステラー
ゼ,リンゴ酸脱水素酵素,ルシフェラーゼ等の酵素類、
例えばラジオイムノアッセイ(RIA)で用いられる
99mTc,131I,125I,14C,3H等の放射性同位元
素、例えば蛍光免疫測定法(FIA)で用いられるフル
オレセイン,ダンシル,フルオレスカミン,クマリン,
ナフチルアミン或はこれらの誘導体等の蛍光性物質、例
えばルシフェリン,イソルミノール,ルミノール,ビス
(2,4,6-トリフロロフェニル)オキザレート等の発光性物
質、例えばフェノール,ナフトール,アントラセン或は
これらの誘導体等の紫外部に吸収を有する物質、例えば
4-アミノ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-オキシ
ル,3-アミノ-2,2,5,5-テトラメチルピロリジン-1-オキ
シル,2,6-ジ-t-ブチル-α-(3,5-ジ-t-ブチル-4-オキソ
-2,5-シクロヘキサジエン-1-イリデン)-p-トリルオキシ
ル等のオキシル基を有する化合物に代表されるスピンラ
ベル化剤としての性質を有する物質等が挙げられるが、
これらに限定されるものではないことは言うまでもな
い。
いて用いられる検出物質としては、例えば酵素免疫測定
法(EIA)に於いて用いられるアルカリホスファター
ゼ,β-ガラクトシダーゼ,パーオキシダーゼ,マイク
ロパーオキシダーゼ,グルコースオキシダーゼ,グルコ
ース-6-リン酸脱水素酵素,アセチルコリンエステラー
ゼ,リンゴ酸脱水素酵素,ルシフェラーゼ等の酵素類、
例えばラジオイムノアッセイ(RIA)で用いられる
99mTc,131I,125I,14C,3H等の放射性同位元
素、例えば蛍光免疫測定法(FIA)で用いられるフル
オレセイン,ダンシル,フルオレスカミン,クマリン,
ナフチルアミン或はこれらの誘導体等の蛍光性物質、例
えばルシフェリン,イソルミノール,ルミノール,ビス
(2,4,6-トリフロロフェニル)オキザレート等の発光性物
質、例えばフェノール,ナフトール,アントラセン或は
これらの誘導体等の紫外部に吸収を有する物質、例えば
4-アミノ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-オキシ
ル,3-アミノ-2,2,5,5-テトラメチルピロリジン-1-オキ
シル,2,6-ジ-t-ブチル-α-(3,5-ジ-t-ブチル-4-オキソ
-2,5-シクロヘキサジエン-1-イリデン)-p-トリルオキシ
ル等のオキシル基を有する化合物に代表されるスピンラ
ベル化剤としての性質を有する物質等が挙げられるが、
これらに限定されるものではないことは言うまでもな
い。
【0026】結合能物質A1に、上記した如き検出物質
を標識する方法としては、自体公知のEIA、RIA或
はFIA等に於いて一般に行われている自体公知の標識
方法(例えば、医化学実験講座、第8巻、山村雄一監
修、第1版、中山書店、1971;図説 蛍光抗体、川生明
著、第1版、(株)ソフトサイエンス社、1983;酵素免疫
測定法、石川栄治、河合忠、宮井潔編、第2版、医学書
院、1982等)が何れも例外なく挙げられ、これらに準じ
て行えばよい。また、標識方法として、アビジン(又は
ストレプトアビジン)とビオチンの反応を利用した常法
を利用しても良いことは言うまでもない。
を標識する方法としては、自体公知のEIA、RIA或
はFIA等に於いて一般に行われている自体公知の標識
方法(例えば、医化学実験講座、第8巻、山村雄一監
修、第1版、中山書店、1971;図説 蛍光抗体、川生明
著、第1版、(株)ソフトサイエンス社、1983;酵素免疫
測定法、石川栄治、河合忠、宮井潔編、第2版、医学書
院、1982等)が何れも例外なく挙げられ、これらに準じ
て行えばよい。また、標識方法として、アビジン(又は
ストレプトアビジン)とビオチンの反応を利用した常法
を利用しても良いことは言うまでもない。
【0027】本発明に係る、それ自身何らかの方法によ
り測定(検出)可能な結合能物質A1の例としては、例
えば酵素、蛍光性物質、発光性物質或は紫外部に吸収を
有する物質等のように、それ自身上記した如き検出物質
としての性質を有しているものが挙げられる。
り測定(検出)可能な結合能物質A1の例としては、例
えば酵素、蛍光性物質、発光性物質或は紫外部に吸収を
有する物質等のように、それ自身上記した如き検出物質
としての性質を有しているものが挙げられる。
【0028】本発明に係る分離向上物質は、測定対象物
質や結合能物質A1(又は/及び結合能物質A’)の性
質(例えばpH安定性,疎水度,水溶液への溶解度,等
電点等)を考慮した上で適宜選択して用いれば足りる。
質や結合能物質A1(又は/及び結合能物質A’)の性
質(例えばpH安定性,疎水度,水溶液への溶解度,等
電点等)を考慮した上で適宜選択して用いれば足りる。
【0029】また、HPLCで使用されるカラムの充填
剤の種類も、分離向上物質の疎水性若しくはイオン性に
応じて適宜選択すれば足りる。
剤の種類も、分離向上物質の疎水性若しくはイオン性に
応じて適宜選択すれば足りる。
【0030】以下に、該充填剤と分離向上物質の組み合
わせについて更に詳細に説明する。
わせについて更に詳細に説明する。
【0031】
【0032】
疎水クロマトグラフィー用充填剤を用いる場合
疎水性の差を利用して目的物とその他の共存物質とを分
離する性質を有する充填剤であるので、分離向上物質と
しては例えばα−キモトリプシノーゲン,β−ガラクト
シダーゼ等の疎水度が高いタンパク質、例えばフェニル
アラニン,プロリン等の疎水性が高いアミノ酸を含むペ
プチド、例えばポリグルタミン酸,ポリアスパラギン
酸,ポリリジン,ポリアルギニン,ポリフェニルアラニ
ン,ポリチロシン等のポリアミノ酸、炭素数3〜10のア
ルキル鎖、例えば臭素,塩素,沃素等のハロゲン原子、
例えばオクチルアミン,EMCS,BMH等の疎水性の
高い化学物 質、例えばパルミチン酸,オレイン酸,ス
テアリン酸等の脂肪酸等の複合体の疎水度を適宜設定す
ることができる物質が好ましく挙げられる。尚、分離向
上物質としてペプチドを用いる場合は、疎水性の高いア
ミノ酸を含むペプチドが好ましく、その鎖長の選択によ
り疎水性を調節すればよい。また、疎水性アミノ酸のみ
で構成されたペプチド及びポリアミノ酸ではアミノ酸の
数が15個以上になると水への溶解度が低下するので2〜
15個が好ましい。分離向上物質がハロゲン原子の場合、
修飾結合能物質Aは、結合能物質A’を直接ハロゲン化
すれば容易に得ることができ、導入ハロゲン量を変える
ことにより適宜疎水性を調節できる。疎水性の高い化学
物質としては、上記したもの以外にもアルキル鎖が長い
物質が挙げられ、アルキル鎖長を適宜選択することによ
り疎水性を調節することができる。尚、疎水性があまり
にも高い分離向上物質は水への溶解度が低いので、結合
能物質A’と、分離向上物質の結合反応時に有機溶媒を
用いる必要が生じ、得られる修飾結合能物質の変性や活
性の低下が起こったり、或は、修飾結合能物質が水に不
溶となる等の問題が生じる場合があるので、分離向上物
質として好ましいものとは言い難い。また、疎水クロマ
トグラフィー用充填剤としては、例えばブチル-NPR(東
ソー(株)商品名)、ブチル MCIゲル(三菱化成(株)商品
名)、フェニル MCIゲル(三菱化成(株)商品名)等が挙げ
られる。
離する性質を有する充填剤であるので、分離向上物質と
しては例えばα−キモトリプシノーゲン,β−ガラクト
シダーゼ等の疎水度が高いタンパク質、例えばフェニル
アラニン,プロリン等の疎水性が高いアミノ酸を含むペ
プチド、例えばポリグルタミン酸,ポリアスパラギン
酸,ポリリジン,ポリアルギニン,ポリフェニルアラニ
ン,ポリチロシン等のポリアミノ酸、炭素数3〜10のア
ルキル鎖、例えば臭素,塩素,沃素等のハロゲン原子、
例えばオクチルアミン,EMCS,BMH等の疎水性の
高い化学物 質、例えばパルミチン酸,オレイン酸,ス
テアリン酸等の脂肪酸等の複合体の疎水度を適宜設定す
ることができる物質が好ましく挙げられる。尚、分離向
上物質としてペプチドを用いる場合は、疎水性の高いア
ミノ酸を含むペプチドが好ましく、その鎖長の選択によ
り疎水性を調節すればよい。また、疎水性アミノ酸のみ
で構成されたペプチド及びポリアミノ酸ではアミノ酸の
数が15個以上になると水への溶解度が低下するので2〜
15個が好ましい。分離向上物質がハロゲン原子の場合、
修飾結合能物質Aは、結合能物質A’を直接ハロゲン化
すれば容易に得ることができ、導入ハロゲン量を変える
ことにより適宜疎水性を調節できる。疎水性の高い化学
物質としては、上記したもの以外にもアルキル鎖が長い
物質が挙げられ、アルキル鎖長を適宜選択することによ
り疎水性を調節することができる。尚、疎水性があまり
にも高い分離向上物質は水への溶解度が低いので、結合
能物質A’と、分離向上物質の結合反応時に有機溶媒を
用いる必要が生じ、得られる修飾結合能物質の変性や活
性の低下が起こったり、或は、修飾結合能物質が水に不
溶となる等の問題が生じる場合があるので、分離向上物
質として好ましいものとは言い難い。また、疎水クロマ
トグラフィー用充填剤としては、例えばブチル-NPR(東
ソー(株)商品名)、ブチル MCIゲル(三菱化成(株)商品
名)、フェニル MCIゲル(三菱化成(株)商品名)等が挙げ
られる。
【0033】
イオン交換クロマトグフィー用充填剤を用いる場合
イオン性の差を利用して目的物とその他の共存物質とを
分離するので、分離向上物質としては例えばリゾチー
ム,チトクロームC等の塩基性タンパク質、例えばトリ
プシンインヒビター等の酸性タンパク質、例えばアルギ
ニン,リジン等の塩基性アミノ酸の残基又は、アスパラ
ギン酸,グルタミン酸等の酸性アミノ酸の残基を含むペ
プチド、上記した如きアミノ酸残基を50個以上含むポリ
アミノ酸、例えばパルミチン酸,オレイン酸,ステアリ
ン酸等の脂肪酸等が好ましく挙げられる。尚、イオン交
換クロマトグラフィーに於ては、一般に、測定対象物を
カラムに一度吸着してから溶出するほうが、高分離能と
高特異性が得られることから、カチオン性分離向上物質
を使用する場合にはカチオン交換クロマトグラフィー用
充填剤を、アニオン性分離向上物質を使用する場合には
アニオン交換クロマトグラフィー用充填剤を使用するこ
とが好ましい。分離向上物質が塩基性アミノ酸残基(又
は酸性アミノ酸残基)のみで構成されたペプチドやポリ
アミノ酸の場合、アミノ酸残基数を調節することにより
複合体の溶出時間を自由に調節できるが、アミノ酸残基
数として通常5個以上、好ましくは50個以上、更に好ま
しくは100個以上から成るペプチド又はポリアミノ酸を
用いると、複合体の溶出位置が血清や尿中の生体成分の
それと完全に分離できるので望ましい。また、上記ペプ
チドやポリアミノ酸が合成ペプチド又は合成ポリアミノ
酸の場合、ペプチド(又はポリアミノ酸)の長さとイオ
ン性は比例関係にあるので、合成する際にペプチド(又
はポリアミノ酸)の長さを適宜調節して分離向上物質と
して用いることにより、複合体の溶出位置を容易に調節
することができる。また、測定に影響を与える血清成分
が複数の場合でも、分離向上物質を用いて複合体のイオ
ン性をこれら血清成分が有するイオン性よりも大きくし
ておけば、ステップワイズグラジエントを利用すること
により分析に要する時間を短縮することができるという
効果が生ずる。イオン交換クロマトグラフィー用の充填
剤は、一般に交換能(イオン性物質の絶対吸着能)が高
いので血清等の生体由来試料の如くイオン性の共存物質
の絶対量が多い試料の分析を行う場合であっても、分離
向上物質の結合した複合体を全て吸着することができる
ので、該複合体を共存物質による影響を殆ど回避できる
位置に溶出させることが可能である。また、本方法に利
用できる分離向上物質は、水に対する溶解度が高いの
で、これが結合した複合体の水溶性は結合前のそれより
も高くなるので、本方法に於いては、分離向上物質が結
合した複合体の形成反応時に測定対象物の変性、失活が
起こる可能性は殆どない。イオン交換クロマトグラフィ
ー用充填剤としては、例えばDEAE-MCIゲル(三菱化成
(株)商品名)、QAE MCIゲル(三菱化成(株)商品名)、ワ
コービーズDEAEゲル(和光純薬工業(株)商品名)等のア
ニオン交換クロマトグフィ用充填剤、或は例えばSP MCI
ゲル(三菱化成(株)商品名)、CM MCIゲル(三菱化成
(株)商品名)、ワコービーズCMゲル(和光純薬工業(株)
商品名)等のカチオン交換クロマトグラフィー用充填剤
等が挙げられる。
分離するので、分離向上物質としては例えばリゾチー
ム,チトクロームC等の塩基性タンパク質、例えばトリ
プシンインヒビター等の酸性タンパク質、例えばアルギ
ニン,リジン等の塩基性アミノ酸の残基又は、アスパラ
ギン酸,グルタミン酸等の酸性アミノ酸の残基を含むペ
プチド、上記した如きアミノ酸残基を50個以上含むポリ
アミノ酸、例えばパルミチン酸,オレイン酸,ステアリ
ン酸等の脂肪酸等が好ましく挙げられる。尚、イオン交
換クロマトグラフィーに於ては、一般に、測定対象物を
カラムに一度吸着してから溶出するほうが、高分離能と
高特異性が得られることから、カチオン性分離向上物質
を使用する場合にはカチオン交換クロマトグラフィー用
充填剤を、アニオン性分離向上物質を使用する場合には
アニオン交換クロマトグラフィー用充填剤を使用するこ
とが好ましい。分離向上物質が塩基性アミノ酸残基(又
は酸性アミノ酸残基)のみで構成されたペプチドやポリ
アミノ酸の場合、アミノ酸残基数を調節することにより
複合体の溶出時間を自由に調節できるが、アミノ酸残基
数として通常5個以上、好ましくは50個以上、更に好ま
しくは100個以上から成るペプチド又はポリアミノ酸を
用いると、複合体の溶出位置が血清や尿中の生体成分の
それと完全に分離できるので望ましい。また、上記ペプ
チドやポリアミノ酸が合成ペプチド又は合成ポリアミノ
酸の場合、ペプチド(又はポリアミノ酸)の長さとイオ
ン性は比例関係にあるので、合成する際にペプチド(又
はポリアミノ酸)の長さを適宜調節して分離向上物質と
して用いることにより、複合体の溶出位置を容易に調節
することができる。また、測定に影響を与える血清成分
が複数の場合でも、分離向上物質を用いて複合体のイオ
ン性をこれら血清成分が有するイオン性よりも大きくし
ておけば、ステップワイズグラジエントを利用すること
により分析に要する時間を短縮することができるという
効果が生ずる。イオン交換クロマトグラフィー用の充填
剤は、一般に交換能(イオン性物質の絶対吸着能)が高
いので血清等の生体由来試料の如くイオン性の共存物質
の絶対量が多い試料の分析を行う場合であっても、分離
向上物質の結合した複合体を全て吸着することができる
ので、該複合体を共存物質による影響を殆ど回避できる
位置に溶出させることが可能である。また、本方法に利
用できる分離向上物質は、水に対する溶解度が高いの
で、これが結合した複合体の水溶性は結合前のそれより
も高くなるので、本方法に於いては、分離向上物質が結
合した複合体の形成反応時に測定対象物の変性、失活が
起こる可能性は殆どない。イオン交換クロマトグラフィ
ー用充填剤としては、例えばDEAE-MCIゲル(三菱化成
(株)商品名)、QAE MCIゲル(三菱化成(株)商品名)、ワ
コービーズDEAEゲル(和光純薬工業(株)商品名)等のア
ニオン交換クロマトグフィ用充填剤、或は例えばSP MCI
ゲル(三菱化成(株)商品名)、CM MCIゲル(三菱化成
(株)商品名)、ワコービーズCMゲル(和光純薬工業(株)
商品名)等のカチオン交換クロマトグラフィー用充填剤
等が挙げられる。
【0034】本発明は上記した何れのクロマトグラフィ
ーを利用したHPLCによっても実施可能であるが、中
でもイオン交換クロマトグラフィーの利用が本発明にと
って最も好ましい。その理由としては例えば以下のよう
な点が挙げられる。例えば、ゲル濾過クロマトグラフィ
ーを利用して本発明の分離方法を実施するためには適当
な長さのカラムを用いることが必要であるので、ゲル濾
過クロマトグラフィーを利用した場合には、イオン交換
クロマトグラフィーを利用する場合に比較して分離時間
が長くなるという欠点がある。それ故、分離時間の短縮
が要求されるときにはイオン交換クロマトグラフィーを
利用する方が好ましい。さらに、ゲル濾過クロマトグラ
フィーには、非常に高い分子量(分子の大きさが約1000
オングストローム以上)を持つ測定対象物質の分離には
適していない、という欠点もある。また、疎水クロマト
グラフィーの場合、測定対象物質がタンパク質のような
高次元構造を持つ生理活性物質であるときには、分離操
作の際に使用する有機溶媒により高次元構造が破壊され
て複合体中の測定対象物質の活性が失われるという問題
が生じる場合がある。このような理由から、分離向上物
質として高い疎水性を持つ物質を使用することは好まし
くない。さらに、分離向上物質として疎水性物質が結合
した結合能物質B、C又はDの疎水性が高くなるほど、
複合体の水溶性が低下して沈澱し易くなるため分離が難
しくなるという問題もある。一方、イオン交換クロマト
グラフィーは、イオン性の微妙な違いに基づいて、より
効果的に測定対象物質を分離することができる。更に、
イオン交換クロマトグラフィーによれば、様々なイオン
性を持つ分離向上物質を任意に選択することができるの
で、最適pH条件下で測定対象物質の分離を行うことが
できる。更にまた、イオン交換クロマトグラフィーに於
いて用いられる分離向上物質は、それ自体高い水溶性を
持つので、分離向上物質を測定対象物質に結合させて
も、測定対象物質の沈澱が起こる恐れは殆どなく、安定
な状態で分離操作を実行することが可能になる。
ーを利用したHPLCによっても実施可能であるが、中
でもイオン交換クロマトグラフィーの利用が本発明にと
って最も好ましい。その理由としては例えば以下のよう
な点が挙げられる。例えば、ゲル濾過クロマトグラフィ
ーを利用して本発明の分離方法を実施するためには適当
な長さのカラムを用いることが必要であるので、ゲル濾
過クロマトグラフィーを利用した場合には、イオン交換
クロマトグラフィーを利用する場合に比較して分離時間
が長くなるという欠点がある。それ故、分離時間の短縮
が要求されるときにはイオン交換クロマトグラフィーを
利用する方が好ましい。さらに、ゲル濾過クロマトグラ
フィーには、非常に高い分子量(分子の大きさが約1000
オングストローム以上)を持つ測定対象物質の分離には
適していない、という欠点もある。また、疎水クロマト
グラフィーの場合、測定対象物質がタンパク質のような
高次元構造を持つ生理活性物質であるときには、分離操
作の際に使用する有機溶媒により高次元構造が破壊され
て複合体中の測定対象物質の活性が失われるという問題
が生じる場合がある。このような理由から、分離向上物
質として高い疎水性を持つ物質を使用することは好まし
くない。さらに、分離向上物質として疎水性物質が結合
した結合能物質B、C又はDの疎水性が高くなるほど、
複合体の水溶性が低下して沈澱し易くなるため分離が難
しくなるという問題もある。一方、イオン交換クロマト
グラフィーは、イオン性の微妙な違いに基づいて、より
効果的に測定対象物質を分離することができる。更に、
イオン交換クロマトグラフィーによれば、様々なイオン
性を持つ分離向上物質を任意に選択することができるの
で、最適pH条件下で測定対象物質の分離を行うことが
できる。更にまた、イオン交換クロマトグラフィーに於
いて用いられる分離向上物質は、それ自体高い水溶性を
持つので、分離向上物質を測定対象物質に結合させて
も、測定対象物質の沈澱が起こる恐れは殆どなく、安定
な状態で分離操作を実行することが可能になる。
【0035】本発明の分離方法を利用した測定方法を用
いて測定対象物質の測定を行った場合には、目的の測定
対象物質のピークを血清や尿等の成分の影響を受けない
位置に移動させることができる。そればかりか、測定対
象物質に応じて適宜修飾結合能物質Aを選択して用いる
ことにより、種々の測定対象物質を含む複合体の溶出位
置を一致させることができるので、特定分析条件下のH
PLCを用いて、多種の測定対象物質の測定を行うこと
ができるという効果も生ずる。
いて測定対象物質の測定を行った場合には、目的の測定
対象物質のピークを血清や尿等の成分の影響を受けない
位置に移動させることができる。そればかりか、測定対
象物質に応じて適宜修飾結合能物質Aを選択して用いる
ことにより、種々の測定対象物質を含む複合体の溶出位
置を一致させることができるので、特定分析条件下のH
PLCを用いて、多種の測定対象物質の測定を行うこと
ができるという効果も生ずる。
【0036】本発明の分離方法を利用した測定方法に於
いて、HPLCにより分離された複合体(修飾結合能物
質Aが結合しているものと結合していないものの何れを
も含む。)中に含まれる検出物質(又は、結合能物質A
1又は測定対象物質)の量の測定は、検出物質(又は、
結合能物質A1又は測定対象物質)が有している、何ら
かの方法により検出し得る性質に応じて夫々所定の方法
に従って実施される。例えば、その性質が酵素活性の場
合にはEIAの常法、例えば「酵素免疫測定法、蛋白質
核酸 酵素 別冊 No.31、北川常廣・ 南原利夫・辻章夫
・石川榮治編集、51〜63頁、共立出版(株)、1987年9
月10日発行」等に記載された方法に準じて測定を行えば
よく、検出物質が放射性物質の場合にはRIAの常法に
従い、該放射性物質の出す放射線の種類及び強さに応じ
て液浸型GMカウンター,液体シンチレーションカウン
ター,井戸型シンチレーションカウンター,HPLC用
カウンター等の測定機器を適宜選択して使用し、測定を
行えばよい(例えば医化学実験講座、第8巻、山村雄一
監修、第1版、中山書店、1971等参照。)。また、その
性質が蛍光性の場合には蛍光光度計等の測定機器を用い
るFIAの常法、例えば「図説 蛍光抗体、川生明著、
第1版、( 株)ソフトサイエンス社、1983」等に記載さ
れた方法に準じて測定を行えばよく、その性質が発光性
の場合にはフォトンカウンター等の測定機器を用いる常
法、例えば「酵素免疫測定法、蛋白質核酸 酵素 別冊 N
o.31、北川常廣・南原利夫・辻章夫・石川榮治編集、25
2〜263頁、共立出版(株)、1987年9月10日発行」等に
記載された方法に準じて測定を行えばよい。更に、その
性質が紫外部に吸収を有する性質の場合には分光光度計
等の測定機器を用いる常法によって測定を行えばよく、
検出物質がスピンの性質を有する物質の場合には電子ス
ピン共鳴装置を用いる常法、例えば「酵素免疫測定法、
蛋白質 核酸 酵素 別冊 No.31、北川 常廣・南原利夫・
辻章夫・石川榮治編集、264〜271頁、共立出版(株)、
1987年9月10日発行」等に記載された方法に準じて夫々
測定を行えばよい。
いて、HPLCにより分離された複合体(修飾結合能物
質Aが結合しているものと結合していないものの何れを
も含む。)中に含まれる検出物質(又は、結合能物質A
1又は測定対象物質)の量の測定は、検出物質(又は、
結合能物質A1又は測定対象物質)が有している、何ら
かの方法により検出し得る性質に応じて夫々所定の方法
に従って実施される。例えば、その性質が酵素活性の場
合にはEIAの常法、例えば「酵素免疫測定法、蛋白質
核酸 酵素 別冊 No.31、北川常廣・ 南原利夫・辻章夫
・石川榮治編集、51〜63頁、共立出版(株)、1987年9
月10日発行」等に記載された方法に準じて測定を行えば
よく、検出物質が放射性物質の場合にはRIAの常法に
従い、該放射性物質の出す放射線の種類及び強さに応じ
て液浸型GMカウンター,液体シンチレーションカウン
ター,井戸型シンチレーションカウンター,HPLC用
カウンター等の測定機器を適宜選択して使用し、測定を
行えばよい(例えば医化学実験講座、第8巻、山村雄一
監修、第1版、中山書店、1971等参照。)。また、その
性質が蛍光性の場合には蛍光光度計等の測定機器を用い
るFIAの常法、例えば「図説 蛍光抗体、川生明著、
第1版、( 株)ソフトサイエンス社、1983」等に記載さ
れた方法に準じて測定を行えばよく、その性質が発光性
の場合にはフォトンカウンター等の測定機器を用いる常
法、例えば「酵素免疫測定法、蛋白質核酸 酵素 別冊 N
o.31、北川常廣・南原利夫・辻章夫・石川榮治編集、25
2〜263頁、共立出版(株)、1987年9月10日発行」等に
記載された方法に準じて測定を行えばよい。更に、その
性質が紫外部に吸収を有する性質の場合には分光光度計
等の測定機器を用いる常法によって測定を行えばよく、
検出物質がスピンの性質を有する物質の場合には電子ス
ピン共鳴装置を用いる常法、例えば「酵素免疫測定法、
蛋白質 核酸 酵素 別冊 No.31、北川 常廣・南原利夫・
辻章夫・石川榮治編集、264〜271頁、共立出版(株)、
1987年9月10日発行」等に記載された方法に準じて夫々
測定を行えばよい。
【0037】本発明に於て、測定対象物質と標識された
或はされない結合能物質A1とを反応させて、複合体を
形成する際の反応条件、測定対象物質と標識測定物質と
結合能物質A1とを反応させて、標識複合体を形成する
際の反応条件、或はこれら複合体と修飾結合能物質Aと
の結合反応の際の反応条件としては、複合体(又は標識
複合体)の形成反応、或はこれら複合体と修飾結合能物
質Aとの結合反応を妨げる様な条件でなければ特に限定
されないが、常法、例えばEIA,RIA,FIA,ア
フィニティクロマトグラフィー等の自体公知の方法に於
いて複合体等を形成させる際の反応条件に準じて行えば
よい。例えば、反応時に緩衝液を用いる場合には、使用
される緩衝剤やその他の試薬はこれら自体公知の方法に
於いて用いられるものを適宜選択して用いればよい。ま
た、反応時のpHとしては、複合体(又は標識複合体)
の形成反応、或はこれら複合体と修飾結合能物質Aとの
結合反応を妨げない範囲であれば特に限定されるもので
はないが、通常2〜10、好ましくは5〜9の範囲が挙げ
られる。反応時の温度も、複合体(又は標識複合体)の
形成反応、或はこれら複合体と修飾結合能物質Aとの結
合反応を妨げない範囲であれば特に限定されるものでは
ないが、通常0〜50℃、好ましくは20〜40℃の範囲が好
ましく挙げられる。反応時間は、複合体(又は標識複合
体)が形成され、且つこれら複合体と修飾結合能物質A
との結合するのに要する時間が、測定対象物質と結合能
物質A1と修飾結合能物質Aとの性質により異なるの
で、各々の性質に応じて数秒間乃至数時間適宜反応させ
ればよい。
或はされない結合能物質A1とを反応させて、複合体を
形成する際の反応条件、測定対象物質と標識測定物質と
結合能物質A1とを反応させて、標識複合体を形成する
際の反応条件、或はこれら複合体と修飾結合能物質Aと
の結合反応の際の反応条件としては、複合体(又は標識
複合体)の形成反応、或はこれら複合体と修飾結合能物
質Aとの結合反応を妨げる様な条件でなければ特に限定
されないが、常法、例えばEIA,RIA,FIA,ア
フィニティクロマトグラフィー等の自体公知の方法に於
いて複合体等を形成させる際の反応条件に準じて行えば
よい。例えば、反応時に緩衝液を用いる場合には、使用
される緩衝剤やその他の試薬はこれら自体公知の方法に
於いて用いられるものを適宜選択して用いればよい。ま
た、反応時のpHとしては、複合体(又は標識複合体)
の形成反応、或はこれら複合体と修飾結合能物質Aとの
結合反応を妨げない範囲であれば特に限定されるもので
はないが、通常2〜10、好ましくは5〜9の範囲が挙げ
られる。反応時の温度も、複合体(又は標識複合体)の
形成反応、或はこれら複合体と修飾結合能物質Aとの結
合反応を妨げない範囲であれば特に限定されるものでは
ないが、通常0〜50℃、好ましくは20〜40℃の範囲が好
ましく挙げられる。反応時間は、複合体(又は標識複合
体)が形成され、且つこれら複合体と修飾結合能物質A
との結合するのに要する時間が、測定対象物質と結合能
物質A1と修飾結合能物質Aとの性質により異なるの
で、各々の性質に応じて数秒間乃至数時間適宜反応させ
ればよい。
【0038】本発明の分離方法に於いて、複合体(又は
標識複合体)(修飾結合能物質Aと結合しているものと
結合していないものの何れをも含む。以下同じ。)や遊
離の結合能物質A1の分離を行う際に用いられる HPL
Cとしては、装置自身は通常分析の分野に於いて用いら
れているもので定流速が得られるものであれば特に問題
なく用いることができる。
標識複合体)(修飾結合能物質Aと結合しているものと
結合していないものの何れをも含む。以下同じ。)や遊
離の結合能物質A1の分離を行う際に用いられる HPL
Cとしては、装置自身は通常分析の分野に於いて用いら
れているもので定流速が得られるものであれば特に問題
なく用いることができる。
【0039】HPLCにより複合体(又は標識複合体)
や遊離の結合能物質A1の分離を行う際に用いられる溶
媒(溶離液)としては、形成された複合体(又は標識複
合体)等が再び測定対象物質と結合能物質A1(及び修
飾結合能物質A)とに分解されるようなことがなく、且
つ複合体(又は標識複合体)に含まれる結合能物質A1
(又は測定対象物質)が有している或は結合能物質A1
(又は標識測定物質)が保持している検出物質が有して
いる、何らかの方法により検出し得る性質を失わしめる
ようなものでなければ特に限定されることなく挙げられ
るが、通常は例えばEIA,RIA,FIA,アフィニ
ティクロマトグラフィー等の自体公知の方法に於いて緩
衝液として用いられているようなものが好ましく用いら
れる。具体例としては、例えばリン酸塩,酢酸塩,クエ
ン酸塩,グッド(Good)の緩衝剤,トリス(ヒドロキシメ
チル)アミノメタン等の緩衝剤、例えば塩化ナトリウ
ム,塩化カリウム,硫酸アンモニウム等の塩類、例えば
メタノール,エタノール,イソプロピルアルコール,ア
セトニトリル,テトラヒドロフラン等の極性有機溶媒類
及び界面活性剤等を、複合体(又は標識複合体)や遊離
の結合能物質A1の性質に応じて適宜選択し、添加、混
合して調製された、pH2〜10の緩衝液が好ましく用い
られる。
や遊離の結合能物質A1の分離を行う際に用いられる溶
媒(溶離液)としては、形成された複合体(又は標識複
合体)等が再び測定対象物質と結合能物質A1(及び修
飾結合能物質A)とに分解されるようなことがなく、且
つ複合体(又は標識複合体)に含まれる結合能物質A1
(又は測定対象物質)が有している或は結合能物質A1
(又は標識測定物質)が保持している検出物質が有して
いる、何らかの方法により検出し得る性質を失わしめる
ようなものでなければ特に限定されることなく挙げられ
るが、通常は例えばEIA,RIA,FIA,アフィニ
ティクロマトグラフィー等の自体公知の方法に於いて緩
衝液として用いられているようなものが好ましく用いら
れる。具体例としては、例えばリン酸塩,酢酸塩,クエ
ン酸塩,グッド(Good)の緩衝剤,トリス(ヒドロキシメ
チル)アミノメタン等の緩衝剤、例えば塩化ナトリウ
ム,塩化カリウム,硫酸アンモニウム等の塩類、例えば
メタノール,エタノール,イソプロピルアルコール,ア
セトニトリル,テトラヒドロフラン等の極性有機溶媒類
及び界面活性剤等を、複合体(又は標識複合体)や遊離
の結合能物質A1の性質に応じて適宜選択し、添加、混
合して調製された、pH2〜10の緩衝液が好ましく用い
られる。
【0040】また、本発明の分離方法を利用した測定方
法に於て、HPLCによる分離後の測定方式としては、
例えば「最新液体クロマトグラフィ、原昭二・辻章夫
編、第1版、92〜104頁、南山堂、1978年2月1日発
行」等に記載されているような、HPLCのカラムから
の流出液をそのまま検出部に導き、流出液中の複合体
(又は標識複合体)中に含まれる検出物質(又は、結合
能物質A1又は測定対象物質)の量を直接測定する方式
が、測定が迅速に行えるのでより好ましい。この場合
に、結合能物質A1(又は測定対象物質)が或は結合能
物質A1(又は標識測定物質)に保持されている検出物
質が有している、何らかの方法により検出し得る性質
が、例えば酵素活性であれば、HPLCのカラムと検出
部との間に、酵素活性測定用の試薬を添加し流出液と反
応させる、所謂ポストカラム法の反応部を設ける必要が
あることは言うまでもない。検出物質(又は、結合能物
質A1又は測定対象物質)の該性質が酵素活性である場
合に該反応部に於いて用いられる酵素活性測定用の試薬
は、常法、例えば「酵素免疫測定法、蛋白質 核酸 酵素
別冊 No.31、北川常廣・南原利夫・辻章夫・石川 榮治
編集、51〜63頁、共立出版(株)、1987年9月10日発
行」等に記載された方法に準じて調製したものを用いて
もよいし、市販されている臨床検査用キットの試薬を適
宜選択して利用してもよい。また、検出物質(又は、結
合能物質A1又は測定対象物質)の該性質が酵素活性以
外の場合に於いても、検出 感度を増加させる目的で所
定の試薬を添加、反応させるために、HPLCのカラム
と検出部との間に適当な反応部を設けることは任意であ
る。
法に於て、HPLCによる分離後の測定方式としては、
例えば「最新液体クロマトグラフィ、原昭二・辻章夫
編、第1版、92〜104頁、南山堂、1978年2月1日発
行」等に記載されているような、HPLCのカラムから
の流出液をそのまま検出部に導き、流出液中の複合体
(又は標識複合体)中に含まれる検出物質(又は、結合
能物質A1又は測定対象物質)の量を直接測定する方式
が、測定が迅速に行えるのでより好ましい。この場合
に、結合能物質A1(又は測定対象物質)が或は結合能
物質A1(又は標識測定物質)に保持されている検出物
質が有している、何らかの方法により検出し得る性質
が、例えば酵素活性であれば、HPLCのカラムと検出
部との間に、酵素活性測定用の試薬を添加し流出液と反
応させる、所謂ポストカラム法の反応部を設ける必要が
あることは言うまでもない。検出物質(又は、結合能物
質A1又は測定対象物質)の該性質が酵素活性である場
合に該反応部に於いて用いられる酵素活性測定用の試薬
は、常法、例えば「酵素免疫測定法、蛋白質 核酸 酵素
別冊 No.31、北川常廣・南原利夫・辻章夫・石川 榮治
編集、51〜63頁、共立出版(株)、1987年9月10日発
行」等に記載された方法に準じて調製したものを用いて
もよいし、市販されている臨床検査用キットの試薬を適
宜選択して利用してもよい。また、検出物質(又は、結
合能物質A1又は測定対象物質)の該性質が酵素活性以
外の場合に於いても、検出 感度を増加させる目的で所
定の試薬を添加、反応させるために、HPLCのカラム
と検出部との間に適当な反応部を設けることは任意であ
る。
【0041】本発明の分離方法に於けるHPLCの溶離
液として成分のことなるものを複数用いる場合には、そ
の操作法としては濃度勾配法(リニアグラジエント法)
により行ってもステップワイズ法により行っても何れに
ても良いが、ステップワイズ法には、操作が簡便である
こと、実際の分析時間を短くすることができること、目
的のピークがシャープになること等の利点があるので、
より望ましい。以下に実施例を挙げて、本発明を更に具
体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定され
るものではない。
液として成分のことなるものを複数用いる場合には、そ
の操作法としては濃度勾配法(リニアグラジエント法)
により行ってもステップワイズ法により行っても何れに
ても良いが、ステップワイズ法には、操作が簡便である
こと、実際の分析時間を短くすることができること、目
的のピークがシャープになること等の利点があるので、
より望ましい。以下に実施例を挙げて、本発明を更に具
体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定され
るものではない。
【0042】
【実施例】実験
例1.ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)、及び
α−フェトプロテイン(AFP)の測定(β−ガラクト
シダーゼを分離向上物質とし、ゲル瀘過用の充填剤を使
用した場合) (溶離液) リン酸1ナトリウム 3.9g、リン酸2ナトリウム(12水
塩) 81g、塩化ナトリウム 44gをイオン交換水に溶解
し、pHを7.5に調整した後、全量を5リットルとして
溶離液とした。 (基質液) 溶離液 80mlに3-(p-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸
1.66gを溶解し、pH7.5 となるように1N NaOH
を加えた後、全量を100mlとした。この溶液で30%過酸
化水素水を希釈し、H2O2の20mM溶液を調製して基質液
とした。 (抗体液1) 抗hCG−α鎖モノクローナル抗体(和光純薬工業
(株)製)を常法により処理してFab'とし、これに常法
により西洋ワサビペルオキシダーゼ(POD)を標識し
て得たPOD標識抗hCG−α鎖−Fab'を50mMリン酸緩
衝液(pH7.5、150mM塩化ナトリウム含有)中に3nMの
タンパク濃度となるように添加して抗体液1とした。 (抗体液2) 抗hCG−β鎖モノクローナル抗体(和光純薬工業
(株)製)を常法により処理してFab'とし、これとβ−
ガラクトシダーゼ(β−Gal、オリエンタル酵母工業
(株)社製)とをスルホサクシニミジル 4-(N-マレイミド
メチル)シクロヘキサン-1-カルボキシレイト[Sulfosuc
cinimidyl 4-(N-maleimidomethyl)cyclohexane-1-carbo
xylate(Sulfo-SMCC)、ピアス社製]を用いた常法により
結合させて得たβ−Gal結合抗hCG−β鎖−Fab'
を、50mMリン酸緩衝液(pH7.5、150mM塩化ナトリウム
含有)中に50nMのタンパク濃度となるように添加して抗
体液2とした。 (抗体液3) 抗AFPモノクローナル抗体(和光純薬工業(株)製)
を、抗体液1の調製方法に準じて処理して得たPOD標
識抗AFP−Fab'を、50mMリン酸緩衝液(pH7.5、150
mM塩化ナトリウム含有)中に3nMのタンパク濃度となる
ように添加して抗体液3とした。 (抗体液4) 抗体液3で使用したモノクローナル抗体と認識部位が違
うことを確認した抗AFPモノクローナル抗体(和光純
薬工業(株)製)を、抗体液2の調製方法に準じて処理
して得たβ−Gal結合抗AFP−Fab'を、50mMリン酸
緩衝液(pH7.5、150mM塩化ナトリウム含有)中に50nM
のタンパク濃度となるように添加して抗体液4とした。 (hCG試料液) 市販のhCG(胎盤絨毛由来、シグマ社製)を50mMリン
酸緩衝液(pH7.5、150mM塩化ナトリウム含有)中に25
0mIU/mlの濃度となるように添加してhCG試料液とし
た。 (AFP試料液) ヒト胎盤より精製したAFP(和光純薬工業(株)製)
を50mMリン酸緩衝液(pH7.5、150mM塩化ナトリウム含
有)中に1nMの濃度となるように添加してAFP試料液
とした。 (HPLCの使用条件) システムの概略を図1に示す。 ・カラム:0.8φx30cm。 ・充填剤:YMCパック Diol−200((株)ワイエムシー
商品名)。 ・流速:溶離液;1.0ml/min、基質液;0.1ml/min。 ・反応部:0.025φx1000cm (55℃保温) ・検出:励起波長 320nm、蛍光波長 404nmで蛍光を測
定した。 (測定操作) 下記表1の組成の検体1〜5を調製し、 各検体を30℃
で30分間放置した後、各検体の50μlをHPLCにより
分析した。
α−フェトプロテイン(AFP)の測定(β−ガラクト
シダーゼを分離向上物質とし、ゲル瀘過用の充填剤を使
用した場合) (溶離液) リン酸1ナトリウム 3.9g、リン酸2ナトリウム(12水
塩) 81g、塩化ナトリウム 44gをイオン交換水に溶解
し、pHを7.5に調整した後、全量を5リットルとして
溶離液とした。 (基質液) 溶離液 80mlに3-(p-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸
1.66gを溶解し、pH7.5 となるように1N NaOH
を加えた後、全量を100mlとした。この溶液で30%過酸
化水素水を希釈し、H2O2の20mM溶液を調製して基質液
とした。 (抗体液1) 抗hCG−α鎖モノクローナル抗体(和光純薬工業
(株)製)を常法により処理してFab'とし、これに常法
により西洋ワサビペルオキシダーゼ(POD)を標識し
て得たPOD標識抗hCG−α鎖−Fab'を50mMリン酸緩
衝液(pH7.5、150mM塩化ナトリウム含有)中に3nMの
タンパク濃度となるように添加して抗体液1とした。 (抗体液2) 抗hCG−β鎖モノクローナル抗体(和光純薬工業
(株)製)を常法により処理してFab'とし、これとβ−
ガラクトシダーゼ(β−Gal、オリエンタル酵母工業
(株)社製)とをスルホサクシニミジル 4-(N-マレイミド
メチル)シクロヘキサン-1-カルボキシレイト[Sulfosuc
cinimidyl 4-(N-maleimidomethyl)cyclohexane-1-carbo
xylate(Sulfo-SMCC)、ピアス社製]を用いた常法により
結合させて得たβ−Gal結合抗hCG−β鎖−Fab'
を、50mMリン酸緩衝液(pH7.5、150mM塩化ナトリウム
含有)中に50nMのタンパク濃度となるように添加して抗
体液2とした。 (抗体液3) 抗AFPモノクローナル抗体(和光純薬工業(株)製)
を、抗体液1の調製方法に準じて処理して得たPOD標
識抗AFP−Fab'を、50mMリン酸緩衝液(pH7.5、150
mM塩化ナトリウム含有)中に3nMのタンパク濃度となる
ように添加して抗体液3とした。 (抗体液4) 抗体液3で使用したモノクローナル抗体と認識部位が違
うことを確認した抗AFPモノクローナル抗体(和光純
薬工業(株)製)を、抗体液2の調製方法に準じて処理
して得たβ−Gal結合抗AFP−Fab'を、50mMリン酸
緩衝液(pH7.5、150mM塩化ナトリウム含有)中に50nM
のタンパク濃度となるように添加して抗体液4とした。 (hCG試料液) 市販のhCG(胎盤絨毛由来、シグマ社製)を50mMリン
酸緩衝液(pH7.5、150mM塩化ナトリウム含有)中に25
0mIU/mlの濃度となるように添加してhCG試料液とし
た。 (AFP試料液) ヒト胎盤より精製したAFP(和光純薬工業(株)製)
を50mMリン酸緩衝液(pH7.5、150mM塩化ナトリウム含
有)中に1nMの濃度となるように添加してAFP試料液
とした。 (HPLCの使用条件) システムの概略を図1に示す。 ・カラム:0.8φx30cm。 ・充填剤:YMCパック Diol−200((株)ワイエムシー
商品名)。 ・流速:溶離液;1.0ml/min、基質液;0.1ml/min。 ・反応部:0.025φx1000cm (55℃保温) ・検出:励起波長 320nm、蛍光波長 404nmで蛍光を測
定した。 (測定操作) 下記表1の組成の検体1〜5を調製し、 各検体を30℃
で30分間放置した後、各検体の50μlをHPLCにより
分析した。
【表1】表1
*50mMリン酸緩衝液(pH7.5、150mM塩化ナトリウム含
有) (結果) 検体1と検体2の分析結果より、POD標識抗hCG−
α鎖−Fab'は10.5分後に、POD標識抗hCG−α鎖−
Fab'とhCGとの複合体(複合体−1)は9.5分後に、
POD標識抗hCG−α鎖−Fab'とβ−Gal結合抗h
CG−β鎖−Fab'とhCGとの複合体(複合体−2)は
6.8分後に夫々溶出してくることが判った。検体3と検
体4の分析結果より、POD標識抗AFP−Fab'は10.5
分後に、POD標識抗AFP−Fab'とAFPとの複合体
(複合体−3)は9.1分後に、POD標識抗AFP−Fa
b'とβ−Gal結合抗AFP−Fab'とAFPの複合体
(複合体−4)は6.8分後に夫々溶出してくることが判
った。尚、検体2、検体4の場合、複合体−1、複合体
−3は検出されなかった。以上の結果から、修飾結合能
物質を用いることにより、POD標識抗体と複合体とを
より明確に分離することが可能となること、並びに、複
合体−2と複合体−4との溶出時間が同一(何れも6.8
分後に溶出)となること、言い換えれば修飾結合能物質
を使用することにより測定対象物が異なる場合でも同一
の条件のHPLCを使用して分析を行うのが可能となる
ことが判る。また、検体5の場合には、複合体−2は6.
8分後に、複合体−3は9.1分後に、POD標識抗hCG
−α鎖−Fab'及びPOD標識抗AFP−Fab'は10.5分後
に溶出した。この結果より明らかな如く、修飾結合能物
質を適宜用いることにより、異なる測定対象物(hCG
とAFP)を同時に測定することが可能となることが判
る。
有) (結果) 検体1と検体2の分析結果より、POD標識抗hCG−
α鎖−Fab'は10.5分後に、POD標識抗hCG−α鎖−
Fab'とhCGとの複合体(複合体−1)は9.5分後に、
POD標識抗hCG−α鎖−Fab'とβ−Gal結合抗h
CG−β鎖−Fab'とhCGとの複合体(複合体−2)は
6.8分後に夫々溶出してくることが判った。検体3と検
体4の分析結果より、POD標識抗AFP−Fab'は10.5
分後に、POD標識抗AFP−Fab'とAFPとの複合体
(複合体−3)は9.1分後に、POD標識抗AFP−Fa
b'とβ−Gal結合抗AFP−Fab'とAFPの複合体
(複合体−4)は6.8分後に夫々溶出してくることが判
った。尚、検体2、検体4の場合、複合体−1、複合体
−3は検出されなかった。以上の結果から、修飾結合能
物質を用いることにより、POD標識抗体と複合体とを
より明確に分離することが可能となること、並びに、複
合体−2と複合体−4との溶出時間が同一(何れも6.8
分後に溶出)となること、言い換えれば修飾結合能物質
を使用することにより測定対象物が異なる場合でも同一
の条件のHPLCを使用して分析を行うのが可能となる
ことが判る。また、検体5の場合には、複合体−2は6.
8分後に、複合体−3は9.1分後に、POD標識抗hCG
−α鎖−Fab'及びPOD標識抗AFP−Fab'は10.5分後
に溶出した。この結果より明らかな如く、修飾結合能物
質を適宜用いることにより、異なる測定対象物(hCG
とAFP)を同時に測定することが可能となることが判
る。
【0043】
実施例1.AFPの測定(β−Galを分離向上物質と
し、疎水クロマトグラフィー用の充填剤を使用した場
合) (溶離液A) 硫酸アンモニウム 1.7Mを含有する50mMリン酸緩衝液
(pH7.5)を溶離液Aとした。 (溶離液B) 50mMリン酸緩衝液(pH7.5)を溶離液Bとした。 (基質液)実験 例1と同じ。 (抗体液1)実験 例1の抗体液3と同じ。 (抗体液2)実験 例1の抗体液4と同じ。 (試料)実験 例1のAFP試料液と同じ。 (HPLCの使用条件) システムの概略を図2に示す。 ・カラム:0.46φx2.5cm。 ・充填剤:ブチル−NPR (東ソー(株)社商品名)。 ・流速:溶離液A+B;1.0ml/min、基質液;0.1ml/mi
n。 ・反応部:0.025φx1000cm (55℃保温) ・検出:励起波長 320nm、蛍光波長 404nmで蛍光を測
定した。 ・グラジエント:溶離液Aと溶離液Bのグラジエントを
図3に示す。 (測定操作)実験 例1の検体3と同一組成のものを検体1、実験例1
の検体4と同一組成のものを検体2とし、各検体を30℃
で30分間放置した後、各検体の50μlをHPLCにより
分析した。 (結果) HPLCによる分析結果から、POD標識抗AFP−Fa
b'は4.9分後に、POD標識抗AFP−Fab'とAFPと
の複合体は6.7分後に、POD標識抗AFP−Fab'とβ
−Gal結合抗AFP−Fab'とAFPとの複合体は9.7
分後に、夫々溶出してくることが判った。以上結果よ
り、修飾結合能物質を用いることによりPOD標識抗A
FP−Fab'と複合体とをより明確に分離することが可能
になることが判る。
し、疎水クロマトグラフィー用の充填剤を使用した場
合) (溶離液A) 硫酸アンモニウム 1.7Mを含有する50mMリン酸緩衝液
(pH7.5)を溶離液Aとした。 (溶離液B) 50mMリン酸緩衝液(pH7.5)を溶離液Bとした。 (基質液)実験 例1と同じ。 (抗体液1)実験 例1の抗体液3と同じ。 (抗体液2)実験 例1の抗体液4と同じ。 (試料)実験 例1のAFP試料液と同じ。 (HPLCの使用条件) システムの概略を図2に示す。 ・カラム:0.46φx2.5cm。 ・充填剤:ブチル−NPR (東ソー(株)社商品名)。 ・流速:溶離液A+B;1.0ml/min、基質液;0.1ml/mi
n。 ・反応部:0.025φx1000cm (55℃保温) ・検出:励起波長 320nm、蛍光波長 404nmで蛍光を測
定した。 ・グラジエント:溶離液Aと溶離液Bのグラジエントを
図3に示す。 (測定操作)実験 例1の検体3と同一組成のものを検体1、実験例1
の検体4と同一組成のものを検体2とし、各検体を30℃
で30分間放置した後、各検体の50μlをHPLCにより
分析した。 (結果) HPLCによる分析結果から、POD標識抗AFP−Fa
b'は4.9分後に、POD標識抗AFP−Fab'とAFPと
の複合体は6.7分後に、POD標識抗AFP−Fab'とβ
−Gal結合抗AFP−Fab'とAFPとの複合体は9.7
分後に、夫々溶出してくることが判った。以上結果よ
り、修飾結合能物質を用いることによりPOD標識抗A
FP−Fab'と複合体とをより明確に分離することが可能
になることが判る。
【0044】
実施例2.AFPの測定(ヨードを分離向上物質とし、
疎水クロマトグラフィー用の充填剤を使用した場合) (抗体液1)実験 例1の抗体液3と同じ (抗体液2)実験 例1の抗体液4を調製するのに使用した抗AFPモ
ノクローナル抗体を、自体公知のクロラミンT法(生化
学実験講座16「ホルモン 上」、社団法人 日本生化学
会編集、東京化学同人発行、117〜180頁及び230〜231
頁、1977。)によりヨード化した。ヨード化反応の時間
を5秒、30秒又は2分として得られた各ヨード化抗AF
Pモノクローナル抗体を、夫々50mMリン酸緩衝液(pH
7.5、150mM塩化ナトリウム含有)中に50nMのタンパク濃
度となるように添加して抗体液2−1、抗体液2−2及
び抗体液2−3とした。 (試料)実験 例1のAFP試料液と同じ (HPLCの使用条件) 実施例1と同じ。 (測定操作) 抗体液1 30μlとAFP試料液 30μlとに、50mMリン酸
緩衝液(pH7.5、150mM塩化ナトリウム含有)、抗体液2
−1、抗体液2−2又は抗体液2−3の30μlを混合
し、30℃で30分間放置した後、得られた混合液の50μl
をHPLCにより分析した。 (結果) HPLCによる分析結果から、POD標識抗AFP−Fa
b'は4.9分後に、POD標識抗AFP−Fab'とAFPと
の複合体Aは6.7分後に夫々溶出してくることが判っ
た。また、POD標識抗AFP−Fab'とヨード化抗AF
P−Fab'とAFPの複合体については、抗体液2−1を
用いた場合には8.2分後に、抗体液2−2を用いた場合
には9.5分後に、抗体液2−3を用いた場合には9.9分後
に夫々溶出してくることが判った。以上の結果から、ヨ
ードの結合量が違う抗体(修飾結合能物質)を用いるこ
とによりPOD標識抗AFP−Fab'とAFPとの複合体
の溶出位置を自由に調節できることが判る。
疎水クロマトグラフィー用の充填剤を使用した場合) (抗体液1)実験 例1の抗体液3と同じ (抗体液2)実験 例1の抗体液4を調製するのに使用した抗AFPモ
ノクローナル抗体を、自体公知のクロラミンT法(生化
学実験講座16「ホルモン 上」、社団法人 日本生化学
会編集、東京化学同人発行、117〜180頁及び230〜231
頁、1977。)によりヨード化した。ヨード化反応の時間
を5秒、30秒又は2分として得られた各ヨード化抗AF
Pモノクローナル抗体を、夫々50mMリン酸緩衝液(pH
7.5、150mM塩化ナトリウム含有)中に50nMのタンパク濃
度となるように添加して抗体液2−1、抗体液2−2及
び抗体液2−3とした。 (試料)実験 例1のAFP試料液と同じ (HPLCの使用条件) 実施例1と同じ。 (測定操作) 抗体液1 30μlとAFP試料液 30μlとに、50mMリン酸
緩衝液(pH7.5、150mM塩化ナトリウム含有)、抗体液2
−1、抗体液2−2又は抗体液2−3の30μlを混合
し、30℃で30分間放置した後、得られた混合液の50μl
をHPLCにより分析した。 (結果) HPLCによる分析結果から、POD標識抗AFP−Fa
b'は4.9分後に、POD標識抗AFP−Fab'とAFPと
の複合体Aは6.7分後に夫々溶出してくることが判っ
た。また、POD標識抗AFP−Fab'とヨード化抗AF
P−Fab'とAFPの複合体については、抗体液2−1を
用いた場合には8.2分後に、抗体液2−2を用いた場合
には9.5分後に、抗体液2−3を用いた場合には9.9分後
に夫々溶出してくることが判った。以上の結果から、ヨ
ードの結合量が違う抗体(修飾結合能物質)を用いるこ
とによりPOD標識抗AFP−Fab'とAFPとの複合体
の溶出位置を自由に調節できることが判る。
【0045】
実施例3.AFPの測定[オクチルアミン、フェニルア
ラニンのテトラマー(以下、Phe4と略記する。)、BM
H又はEMCSを分離向上物質とし、疎水クロマトグラ
フィー用の充填剤を使用した場合] (抗体液1)実験 例1の抗体液3と同じ (抗体液2) 0.1Mリン酸緩衝液[pH7.0、50%ジメチルホルムアミ
ド(DMF)含有。]に溶解したオクチルアミンとSulf
o-SMCC(ピアス社製)との等モルを常法により反応させ
た後、この反応液に、抗体液1で用いた抗体と認識部位
の異なる抗AFPモノクローナル抗体を常法により処理
して得られたFab'(抗AFP-Fab')[0.1Mリン酸緩衝
液(pH7.0)に溶解]をオクチルアミンの1/100倍量モ
ル加え、この懸濁液を30℃で30分間インキュベーション
した。この反応液を常法により精製してオクチルアミン
結合抗AFP−Fab'を得、これを50mMリン酸緩衝液(p
H7.5、150mM塩化ナトリウム含有)中に50nMのタンパク
濃度となるように添加して抗体液2とした。 (抗体液3) オクチルアミンの代りにPhe4ペプチドを用いた以外は、
抗体液2を調製するために用いたのと同じ試薬を用い、
同様な操作を行なって、Phe4結合抗AFP-Fab'を調製
し、これを50mMリン酸緩衝液(pH7.5、150mM塩化ナト
リウム含有)中にタンパク濃度で50nMとなるように添加
して抗体液3とした。 (抗体液4) 抗体液2を調製する際に用いたのと同じ抗AFP-Fab'
とBMHとを常法により反応させ、この反応液にN-アセ
チル-L-システイン(AC)をBMHの100倍モル量加
え、更に30℃で30分間インキュベーションした。この反
応液を常法により精製してAC−BMH結合抗AFP-F
ab'を得、これを50mMリン酸緩衝液(pH7.5、150mM塩
化ナトリウム含有)中に50nMのタンパク濃度となるよう
に添加して抗体液4とした。 (抗体液5) 抗体液2を調製する際に用いたのと同じ抗AFP-Fab'
とEMCSとを常法により反応させ、この反応液にグリ
シンをEMCSの1000倍モル量加え、更に30℃で30分間
インキュベーションした。この反応液を常法により精製
してグリシン−EMCS結合抗AFP-Fab'を得、これ
を50mMリン酸緩衝液(pH7.5、150mM塩化ナトリウム含
有)中に50nMのタンパク濃度となるように添加して抗体
液5とした。 (試料)実験 例1のAFP試料液と同じ。 (HPLCの使用条件) 実施例1と同じ。 (測定方法) 抗体液1 30μlとAFP試料液 30μlとに、50mMリン酸
緩衝液(pH7.5、150mM塩化ナトリウム含有)、抗体液
2、抗体液3、抗体液4又は抗体液5の30μlを混合
し、30℃で30分放置した後、混合液の50μlをHPLC
により分析した。 (結果) HPLCによる分析の結果、POD標識抗AFP−Fab'
は4.9分後に、POD標識抗AFP−Fab'とAFPとの
複合体は6.7分後に夫々溶出することが判った。また、
POD標識抗AFP−Fab'とAFPと各修飾抗AFP−
Fab'(修飾結合能物質)との複合体については、オクチ
ルアミン結合抗AFP−Fab'を用いた場合には7.5分後
に、Phe4結合抗AFP−Fab'を用いた場合には8.5分後
に、AC−BMH結合抗AFP−Fab'を用いた場合には
7.2分後に、グリシン−EMCS結合抗AFP−Fab'を
用いた場合には7.1分後に夫々溶出することが判った。
以上の結果より、分離向上物質の種類を変化させること
により、目的の複合体の溶出位置を自由に調節すること
ができることが判る。
ラニンのテトラマー(以下、Phe4と略記する。)、BM
H又はEMCSを分離向上物質とし、疎水クロマトグラ
フィー用の充填剤を使用した場合] (抗体液1)実験 例1の抗体液3と同じ (抗体液2) 0.1Mリン酸緩衝液[pH7.0、50%ジメチルホルムアミ
ド(DMF)含有。]に溶解したオクチルアミンとSulf
o-SMCC(ピアス社製)との等モルを常法により反応させ
た後、この反応液に、抗体液1で用いた抗体と認識部位
の異なる抗AFPモノクローナル抗体を常法により処理
して得られたFab'(抗AFP-Fab')[0.1Mリン酸緩衝
液(pH7.0)に溶解]をオクチルアミンの1/100倍量モ
ル加え、この懸濁液を30℃で30分間インキュベーション
した。この反応液を常法により精製してオクチルアミン
結合抗AFP−Fab'を得、これを50mMリン酸緩衝液(p
H7.5、150mM塩化ナトリウム含有)中に50nMのタンパク
濃度となるように添加して抗体液2とした。 (抗体液3) オクチルアミンの代りにPhe4ペプチドを用いた以外は、
抗体液2を調製するために用いたのと同じ試薬を用い、
同様な操作を行なって、Phe4結合抗AFP-Fab'を調製
し、これを50mMリン酸緩衝液(pH7.5、150mM塩化ナト
リウム含有)中にタンパク濃度で50nMとなるように添加
して抗体液3とした。 (抗体液4) 抗体液2を調製する際に用いたのと同じ抗AFP-Fab'
とBMHとを常法により反応させ、この反応液にN-アセ
チル-L-システイン(AC)をBMHの100倍モル量加
え、更に30℃で30分間インキュベーションした。この反
応液を常法により精製してAC−BMH結合抗AFP-F
ab'を得、これを50mMリン酸緩衝液(pH7.5、150mM塩
化ナトリウム含有)中に50nMのタンパク濃度となるよう
に添加して抗体液4とした。 (抗体液5) 抗体液2を調製する際に用いたのと同じ抗AFP-Fab'
とEMCSとを常法により反応させ、この反応液にグリ
シンをEMCSの1000倍モル量加え、更に30℃で30分間
インキュベーションした。この反応液を常法により精製
してグリシン−EMCS結合抗AFP-Fab'を得、これ
を50mMリン酸緩衝液(pH7.5、150mM塩化ナトリウム含
有)中に50nMのタンパク濃度となるように添加して抗体
液5とした。 (試料)実験 例1のAFP試料液と同じ。 (HPLCの使用条件) 実施例1と同じ。 (測定方法) 抗体液1 30μlとAFP試料液 30μlとに、50mMリン酸
緩衝液(pH7.5、150mM塩化ナトリウム含有)、抗体液
2、抗体液3、抗体液4又は抗体液5の30μlを混合
し、30℃で30分放置した後、混合液の50μlをHPLC
により分析した。 (結果) HPLCによる分析の結果、POD標識抗AFP−Fab'
は4.9分後に、POD標識抗AFP−Fab'とAFPとの
複合体は6.7分後に夫々溶出することが判った。また、
POD標識抗AFP−Fab'とAFPと各修飾抗AFP−
Fab'(修飾結合能物質)との複合体については、オクチ
ルアミン結合抗AFP−Fab'を用いた場合には7.5分後
に、Phe4結合抗AFP−Fab'を用いた場合には8.5分後
に、AC−BMH結合抗AFP−Fab'を用いた場合には
7.2分後に、グリシン−EMCS結合抗AFP−Fab'を
用いた場合には7.1分後に夫々溶出することが判った。
以上の結果より、分離向上物質の種類を変化させること
により、目的の複合体の溶出位置を自由に調節すること
ができることが判る。
【0046】
実施例4.AFPの測定(ポリアスパラギン酸を分離向
上物質とし、アニオン交換クロマトグラフィー用の充填
剤を使用した場合) (溶離液A) 10mMリン酸緩衝液(pH7.5)を溶離液Aとした。 (溶離液B) 1M塩化ナトリウムを含む50mMリン酸緩衝液(pH7.
5)を溶離液Bとした。 (基質液) 20%DMF及び150mM塩化ナトリウムを含む50mMリン酸
緩衝液(pH7.5)に、4-メチルウンベリフェリルガラ
クトピラノシド 2.5mMを溶解し基質液とした。 (抗体液1) 抗AFPモノクローナル抗体(和光純薬工業(株)製)
を常法により処理しFab'とし、これに常法によりβ−G
alを標識して得たβ−Gal標識抗AFP−Fab'を、
50mMリン酸緩衝液(pH7.5、150mM塩化ナトリウム含
有)中に4nMのタンパク濃度となるように添加して抗体
液1とした。 (抗体液2) 抗体液1で使用したモノクローナル抗体と認識部位が異
なることが確認されている抗AFPモノクローナル抗体
(和光純薬工業(株)製)を常法により処理しFab'とし
た後、これとポリアスパラギン酸(平均分子量:6165、
13000又は28800、シグマ社製)とをSulfo-SMCC(ピアス
社製)を用いた常法により結合させ、次いで常法により
精製を行って、各種ポリアスパラギン酸結合抗AFP−
Fab'を得た。これらを50mMリン酸緩衝液(pH7.5、150
mM塩化ナトリウム含有)中に50nMのタンパク濃度となる
ように夫々添加して抗体液2とした。 (試料)実験 例1のAFP試料液と同じ。 (HPLCの使用条件) システムの概略を図2に示す。 ・カラム:0.46φx3.0cm。 ・充填剤:DEAE−MCIゲル (三菱化成(株)社商品
名)。 ・流速:溶離液A+B;1.0ml/min、基質液;0.1ml/mi
n。 ・反応部:0.025φx1000cm (45℃保温)。 ・検出:励起波長 360nm、蛍光波長 450nmで蛍光を測
定した。 ・グラジエント:溶離液Aと溶離液Bのグラジエントを
図4に示す。 (測定方法) 抗体液1 30μl、AFP試料液 30μlとに、50mMリン酸
緩衝液(pH7.5、150mM塩化ナトリウム含有)又は所定
のポリアスパラギン酸が結合した抗AFP−Fab'を含む
抗体液2の30μlを混合し、30℃で30分放置した後、混
合液の50μlをHPLCにより分析した。 (結果) HPLCによる分析の結果、β−Gal標識抗AFP−
Fab'は3.33分後に、β−Gal標識抗AFP−Fab'とA
FPとの複合体は4.2分後に溶出することが判った。ま
た、β−Gal標識抗AFP−Fab'とAFPとポリアス
パラギン酸結合抗AFP−Fab'(修飾結合能物質)との
複合体については、結合させたポリアスパラギン酸の平
均分子量が6165の場合には4.99分後に、13000の場合に
は7.90分後に、28800の場合には8.85分後に夫々溶出す
ることが判った。以上の結果より、分離向上能物質の性
質、即ちポリアスパラギン酸の分子量を変化させること
により、複合体の溶出位置を自由に調節することができ
ることが判る。
上物質とし、アニオン交換クロマトグラフィー用の充填
剤を使用した場合) (溶離液A) 10mMリン酸緩衝液(pH7.5)を溶離液Aとした。 (溶離液B) 1M塩化ナトリウムを含む50mMリン酸緩衝液(pH7.
5)を溶離液Bとした。 (基質液) 20%DMF及び150mM塩化ナトリウムを含む50mMリン酸
緩衝液(pH7.5)に、4-メチルウンベリフェリルガラ
クトピラノシド 2.5mMを溶解し基質液とした。 (抗体液1) 抗AFPモノクローナル抗体(和光純薬工業(株)製)
を常法により処理しFab'とし、これに常法によりβ−G
alを標識して得たβ−Gal標識抗AFP−Fab'を、
50mMリン酸緩衝液(pH7.5、150mM塩化ナトリウム含
有)中に4nMのタンパク濃度となるように添加して抗体
液1とした。 (抗体液2) 抗体液1で使用したモノクローナル抗体と認識部位が異
なることが確認されている抗AFPモノクローナル抗体
(和光純薬工業(株)製)を常法により処理しFab'とし
た後、これとポリアスパラギン酸(平均分子量:6165、
13000又は28800、シグマ社製)とをSulfo-SMCC(ピアス
社製)を用いた常法により結合させ、次いで常法により
精製を行って、各種ポリアスパラギン酸結合抗AFP−
Fab'を得た。これらを50mMリン酸緩衝液(pH7.5、150
mM塩化ナトリウム含有)中に50nMのタンパク濃度となる
ように夫々添加して抗体液2とした。 (試料)実験 例1のAFP試料液と同じ。 (HPLCの使用条件) システムの概略を図2に示す。 ・カラム:0.46φx3.0cm。 ・充填剤:DEAE−MCIゲル (三菱化成(株)社商品
名)。 ・流速:溶離液A+B;1.0ml/min、基質液;0.1ml/mi
n。 ・反応部:0.025φx1000cm (45℃保温)。 ・検出:励起波長 360nm、蛍光波長 450nmで蛍光を測
定した。 ・グラジエント:溶離液Aと溶離液Bのグラジエントを
図4に示す。 (測定方法) 抗体液1 30μl、AFP試料液 30μlとに、50mMリン酸
緩衝液(pH7.5、150mM塩化ナトリウム含有)又は所定
のポリアスパラギン酸が結合した抗AFP−Fab'を含む
抗体液2の30μlを混合し、30℃で30分放置した後、混
合液の50μlをHPLCにより分析した。 (結果) HPLCによる分析の結果、β−Gal標識抗AFP−
Fab'は3.33分後に、β−Gal標識抗AFP−Fab'とA
FPとの複合体は4.2分後に溶出することが判った。ま
た、β−Gal標識抗AFP−Fab'とAFPとポリアス
パラギン酸結合抗AFP−Fab'(修飾結合能物質)との
複合体については、結合させたポリアスパラギン酸の平
均分子量が6165の場合には4.99分後に、13000の場合に
は7.90分後に、28800の場合には8.85分後に夫々溶出す
ることが判った。以上の結果より、分離向上能物質の性
質、即ちポリアスパラギン酸の分子量を変化させること
により、複合体の溶出位置を自由に調節することができ
ることが判る。
【0047】
実施例5.AFP測定に於ける溶血の影響の回避の検討
(ポリアスパラギン酸を分離向上物質とし、アニオン交
換クロマトグラフィー用の充填剤を使用した場合 )(溶離液A) 実施例4の溶離液Aと同じ。 (溶離液B) 実施例4の溶離液Bと同じ。 (基質液)実験 例1の基質液と同じ。 (抗体液1)実験 例1の抗体液3と同じ。 (抗体液2) 抗体液1で使用したモノクローナル抗体と認識部位が異
なることが確認されている抗AFPモノクローナル抗体
(和光純薬工業(株)製)を常法により処理しFab'とし
た後、これとポリアスパラギン酸(平均分子量:1300
0、シグマ社製)とをSulfo-SMCC(ピアス社製)を用い
た常法により結合させ、次いで常法により精製を行っ
て、ポリアスパラギン酸が結合した抗AFP−Fab'を得
た。これを50mMリン酸緩衝液(pH7.5、150mM塩化ナト
リウム含有)中に50nMのタンパク濃度となるように添加
して抗体液2とした。 (溶血液) ヒト赤血球より得たヘモグロビンを1000mg/dlとなるよ
うに50mMリン酸緩衝液(pH7.5、150mM塩化ナトリウム
含有)で希釈したものを溶血液とした。 (試料)実験 例1のAFP試料液と同じ。 (HPLCの使用条件) システムの概略を図2に示す。 ・カラム:0.46φx3.0cm。 ・充填剤:ワコービーズ DEAEゲル (和光純薬工業
(株)社商品名)。 ・流速:溶離液A+B;1.0ml/min、基質液;0.1ml/mi
n。 ・反応部:0.025φx1000cm (55℃保温)。 ・検出:励起波長 320nm、蛍光波長 404nmで蛍光を測
定した。 ・グラジエント:溶離液Aと溶離液Bのグラジエントを
図4に示す。 (測定方法) 抗体液1 30μlとAFP試料液 30μlと溶血液 10μlと
に、50mMリン酸緩衝液(pH7.5、150mM塩化ナトリウム
含有)又は抗体液2の30μlを混合し、30℃で30分放置
した後、各混合液の50μlをHPLCにより分析した。 (結果) 得られた溶出パターンを図5に示す。図5中、Aは溶血
液を50mMリン酸緩衝液(pH7.5、150mM塩化ナトリウム
含有)で10倍に希釈したものについて分析した結果得ら
れた溶出パターンを、Bは抗体液1、AFP試料液、溶
血液及びリン酸緩衝液との混合液について分析した結果
得られた溶出パターンを、Cは抗体液1、AFP試料
液、溶血液及び抗体液2との混合液について分析した結
果得られた溶出パターンを夫々示す。図5のAから明ら
かなように、溶血成分は0.5〜5.5分の間に複数のピーク
として溶出することが判る。これに対して、POD標識
抗AFP−Fab'は1.10分後に、POD標識抗AFP−Fa
b'とAFPとの複合体は3.25分後に、POD標識抗AF
P−Fab'とポリアスパラギン酸結合抗AFP−Fab'とA
FPとの複合体は7.20分後に夫々溶出することが判る。
以上の結果より、本発明の分離方法を利用することによ
り溶血の影響を全く受けない溶出位置に複合体を溶出さ
せることができること、言い換えれば本発明の分離方法
を利用することにより、測定時に於ける試料中の溶血成
分による影響を受けることなく測定対象物質を測定する
ことが可能となるので、従来よりも測定の精度を向上さ
せることができることが判る。
(ポリアスパラギン酸を分離向上物質とし、アニオン交
換クロマトグラフィー用の充填剤を使用した場合 )(溶離液A) 実施例4の溶離液Aと同じ。 (溶離液B) 実施例4の溶離液Bと同じ。 (基質液)実験 例1の基質液と同じ。 (抗体液1)実験 例1の抗体液3と同じ。 (抗体液2) 抗体液1で使用したモノクローナル抗体と認識部位が異
なることが確認されている抗AFPモノクローナル抗体
(和光純薬工業(株)製)を常法により処理しFab'とし
た後、これとポリアスパラギン酸(平均分子量:1300
0、シグマ社製)とをSulfo-SMCC(ピアス社製)を用い
た常法により結合させ、次いで常法により精製を行っ
て、ポリアスパラギン酸が結合した抗AFP−Fab'を得
た。これを50mMリン酸緩衝液(pH7.5、150mM塩化ナト
リウム含有)中に50nMのタンパク濃度となるように添加
して抗体液2とした。 (溶血液) ヒト赤血球より得たヘモグロビンを1000mg/dlとなるよ
うに50mMリン酸緩衝液(pH7.5、150mM塩化ナトリウム
含有)で希釈したものを溶血液とした。 (試料)実験 例1のAFP試料液と同じ。 (HPLCの使用条件) システムの概略を図2に示す。 ・カラム:0.46φx3.0cm。 ・充填剤:ワコービーズ DEAEゲル (和光純薬工業
(株)社商品名)。 ・流速:溶離液A+B;1.0ml/min、基質液;0.1ml/mi
n。 ・反応部:0.025φx1000cm (55℃保温)。 ・検出:励起波長 320nm、蛍光波長 404nmで蛍光を測
定した。 ・グラジエント:溶離液Aと溶離液Bのグラジエントを
図4に示す。 (測定方法) 抗体液1 30μlとAFP試料液 30μlと溶血液 10μlと
に、50mMリン酸緩衝液(pH7.5、150mM塩化ナトリウム
含有)又は抗体液2の30μlを混合し、30℃で30分放置
した後、各混合液の50μlをHPLCにより分析した。 (結果) 得られた溶出パターンを図5に示す。図5中、Aは溶血
液を50mMリン酸緩衝液(pH7.5、150mM塩化ナトリウム
含有)で10倍に希釈したものについて分析した結果得ら
れた溶出パターンを、Bは抗体液1、AFP試料液、溶
血液及びリン酸緩衝液との混合液について分析した結果
得られた溶出パターンを、Cは抗体液1、AFP試料
液、溶血液及び抗体液2との混合液について分析した結
果得られた溶出パターンを夫々示す。図5のAから明ら
かなように、溶血成分は0.5〜5.5分の間に複数のピーク
として溶出することが判る。これに対して、POD標識
抗AFP−Fab'は1.10分後に、POD標識抗AFP−Fa
b'とAFPとの複合体は3.25分後に、POD標識抗AF
P−Fab'とポリアスパラギン酸結合抗AFP−Fab'とA
FPとの複合体は7.20分後に夫々溶出することが判る。
以上の結果より、本発明の分離方法を利用することによ
り溶血の影響を全く受けない溶出位置に複合体を溶出さ
せることができること、言い換えれば本発明の分離方法
を利用することにより、測定時に於ける試料中の溶血成
分による影響を受けることなく測定対象物質を測定する
ことが可能となるので、従来よりも測定の精度を向上さ
せることができることが判る。
【0048】
実施例6.糖鎖構造の異なるhCGの分別測定(ポリア
スパラギン酸を分離向上物質とし、アニオン交換クロマ
トグラフィー用の充填剤を使用した場合) (抗体液)実験 例1の抗体液1と同じ。 (レクチン溶液1) ダツラレクチン(和光純薬工業(株)社製)を50mMトリ
ス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(以下、トリス)
−塩酸緩衝液(pH7.5、150mM塩化ナトリウム及び1mM
塩化カルシウム含有)中に1mg/mlのタンパク濃度とな
るように添加してレクチン溶液1とした。 (レクチン溶液2) レクチン溶液1を調製するために用いたのと同じダツラ
レクチンとポリアスパラギン酸(平均分子量28800)と
を、ジサクシンイミジルスベレイト(Disuccinimidyl s
uberate、ピアス社製)を用いる常法によりポリアスパ
ラギン酸結合ダツラレクチンとし、これを50mMトリス−
塩酸緩衝液(pH7.5150mM塩化ナトリウム、1mM塩化カ
ルシウム含有)中に1mg/mlのタンパク濃度となるよう
に添加したものをレクチン溶液2とした。 (hCG試料液) ヒト絨毛癌由来hCG(和光純薬工業(株)社製)を50
mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.5 150mM塩化ナトリウム
及び1mM塩化カルシウム含有)中に250mIU/mlの濃度と
なるように添加したものをhCG試料液とした。 (HPLCの使用条件) 実施例5と同じ。 (測定操作) hCG試料液 10μlと抗体液 20μlと、レクチン溶液1
又はレクチン溶液2の70μlとを混合し、30℃で30分間
放置した後、得られた混合液の50μlをHPLCにより
分析した。 (結果) HPLCによる分析の結果、POD標識抗hCG−α鎖
−Fab'は1.10分後に、POD標識抗hCG−α鎖−Fab'
とhCGの複合体は3.50分後に、POD標識抗hCG−
α鎖−Fab'とhCGとダツラレクチンとの複合体は3.82
分後に、POD標識抗hCG−α鎖−Fab'とhCGとポ
リアスパラギン酸結合ダツラレクチンとの複合体は7.9
分後に夫々溶出することが判った。以上の結果より、ポ
リアスパラギン酸結合ダツラレクチンを用いることによ
り、レクチン結合複合体とレクチン非結合複合体とをよ
り明確に分離できること、言い換えれば全hCG中の特
定糖鎖を有するhCG量をより精度良く測定することが
できるようになることが判る。
スパラギン酸を分離向上物質とし、アニオン交換クロマ
トグラフィー用の充填剤を使用した場合) (抗体液)実験 例1の抗体液1と同じ。 (レクチン溶液1) ダツラレクチン(和光純薬工業(株)社製)を50mMトリ
ス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(以下、トリス)
−塩酸緩衝液(pH7.5、150mM塩化ナトリウム及び1mM
塩化カルシウム含有)中に1mg/mlのタンパク濃度とな
るように添加してレクチン溶液1とした。 (レクチン溶液2) レクチン溶液1を調製するために用いたのと同じダツラ
レクチンとポリアスパラギン酸(平均分子量28800)と
を、ジサクシンイミジルスベレイト(Disuccinimidyl s
uberate、ピアス社製)を用いる常法によりポリアスパ
ラギン酸結合ダツラレクチンとし、これを50mMトリス−
塩酸緩衝液(pH7.5150mM塩化ナトリウム、1mM塩化カ
ルシウム含有)中に1mg/mlのタンパク濃度となるよう
に添加したものをレクチン溶液2とした。 (hCG試料液) ヒト絨毛癌由来hCG(和光純薬工業(株)社製)を50
mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.5 150mM塩化ナトリウム
及び1mM塩化カルシウム含有)中に250mIU/mlの濃度と
なるように添加したものをhCG試料液とした。 (HPLCの使用条件) 実施例5と同じ。 (測定操作) hCG試料液 10μlと抗体液 20μlと、レクチン溶液1
又はレクチン溶液2の70μlとを混合し、30℃で30分間
放置した後、得られた混合液の50μlをHPLCにより
分析した。 (結果) HPLCによる分析の結果、POD標識抗hCG−α鎖
−Fab'は1.10分後に、POD標識抗hCG−α鎖−Fab'
とhCGの複合体は3.50分後に、POD標識抗hCG−
α鎖−Fab'とhCGとダツラレクチンとの複合体は3.82
分後に、POD標識抗hCG−α鎖−Fab'とhCGとポ
リアスパラギン酸結合ダツラレクチンとの複合体は7.9
分後に夫々溶出することが判った。以上の結果より、ポ
リアスパラギン酸結合ダツラレクチンを用いることによ
り、レクチン結合複合体とレクチン非結合複合体とをよ
り明確に分離できること、言い換えれば全hCG中の特
定糖鎖を有するhCG量をより精度良く測定することが
できるようになることが判る。
【0049】
実施例7.チロキシン(T4)の測定(ポリグルタミン
酸を分離向上物質とし、アニオン交換クロマトグラフィ
ー用の充填剤を使用した場合) (溶離液A) 20mMトリス−塩酸緩衝液(pH8.0)を溶離液Aとし
た。 (溶離液B) 1M塩化ナトリウムを含む20mMトリス−塩酸緩衝液(p
H8.0)を溶離液Bとした。 (基質液) 溶離液A 80mlに3-(p-ヒドロキシフェニル)プロピオン
酸 1.66gを溶解し、1N水酸化ナトリウムでpHを8.0
とした後、溶離液Aで全量を100mlとした。30%過酸化
水素水をこの溶液で希釈して、20mMのH2O2を含む溶液
を調製して基質液とした。 (抗体液1) 抗T4モノクロ−ナル抗体(和光純薬工業(株)製)を
常法により処理してFab'としたものを、常法により西洋
ワサビペルオキシダ−ゼ(POD)標識して得たPOD
標識抗T4−Fab'を20mMトリス−塩酸緩衝液(pH8.0)
中に3nMのタンパク濃度となるように添加して抗体液1
とした。 (抗体液2) 抗PODモノクロ−ナル抗体(和光純薬工業(株)製)
を常法により処理してFab'とし、これとポリグルタミ
ン酸(平均分子量:95100、シグマ社製)とをSulfo-SMC
Cを用いる常法により結合させて得たポリグルタミン酸
結合抗POD−Fab'を、20mMトリス−塩酸緩衝液(pH
8.0)中に50nMのタンパク濃度となるように添加して抗
体液2とした。尚、今回使用した抗PODモノクローナ
ル抗体は、PODと結合するがその酵素活性は阻害しな
いという性質を有するものである。 (T4試料液) 市販のL−チロキシン(シグマ社製)を20mMトリス−塩
酸緩衝液(pH8.0)中に10nMの濃度となるように添加
してT4試料液とした。 (HPLCの使用条件) システムの概略を図2に示す。 ・カラム:0.46φx3.0cm。 ・充填剤:ワコービーズ DEAEゲル (和光純薬工業
(株)社商品名)。 ・流速:溶離液A+B;1.0ml/min、基質液;0.1ml/mi
n。 ・反応部:0.025φx1000cm (55℃保温)。 ・検出:励起波長 320nm、蛍光波長 404nmで蛍光を測
定した。 ・グラジエント:溶離液Aと溶離液Bのグラジエントを
図4に示す。 (測定操作) T4試料液 30μlと抗体液1 30μlと20mMトリス−塩酸
緩衝液(pH8.0)30μlとを混合したものを検体1と
し、T4試料液 30μlと抗体液1 30μlと抗体液230μl
とを混合したものを検体2とした。各検体を30℃で30分
間放置した後、各検体の50μlをHPLCにより分析し
た。 (結果) HPLCによる分析結果から、POD標識抗T4−Fab'
は3.3分後に、POD標識抗T4−Fab'とT4との複合体
は2.3分後に、POD標識抗T4−Fab'とポリグルタミン
酸結合抗POD−Fab'との複合体は8.9分後に、POD
標識抗T4−Fab'とポリグルタミン酸結合抗POD−Fa
b'とT4との複合体は7.4分後に夫々溶出してくることが
判った。以上の結果より、ポリグルタミン酸結合抗PO
D−Fab'を用いることにより、POD標識抗T4−Fab'
及びPOD標識抗T4−Fab'とT4との複合体の溶出位置
を変化させることができること、言い換えればPOD標
識抗T4−Fab'と、POD標識抗T4−Fab'とT4との複
合体とをより明確に分離できるようになることが判る。
酸を分離向上物質とし、アニオン交換クロマトグラフィ
ー用の充填剤を使用した場合) (溶離液A) 20mMトリス−塩酸緩衝液(pH8.0)を溶離液Aとし
た。 (溶離液B) 1M塩化ナトリウムを含む20mMトリス−塩酸緩衝液(p
H8.0)を溶離液Bとした。 (基質液) 溶離液A 80mlに3-(p-ヒドロキシフェニル)プロピオン
酸 1.66gを溶解し、1N水酸化ナトリウムでpHを8.0
とした後、溶離液Aで全量を100mlとした。30%過酸化
水素水をこの溶液で希釈して、20mMのH2O2を含む溶液
を調製して基質液とした。 (抗体液1) 抗T4モノクロ−ナル抗体(和光純薬工業(株)製)を
常法により処理してFab'としたものを、常法により西洋
ワサビペルオキシダ−ゼ(POD)標識して得たPOD
標識抗T4−Fab'を20mMトリス−塩酸緩衝液(pH8.0)
中に3nMのタンパク濃度となるように添加して抗体液1
とした。 (抗体液2) 抗PODモノクロ−ナル抗体(和光純薬工業(株)製)
を常法により処理してFab'とし、これとポリグルタミ
ン酸(平均分子量:95100、シグマ社製)とをSulfo-SMC
Cを用いる常法により結合させて得たポリグルタミン酸
結合抗POD−Fab'を、20mMトリス−塩酸緩衝液(pH
8.0)中に50nMのタンパク濃度となるように添加して抗
体液2とした。尚、今回使用した抗PODモノクローナ
ル抗体は、PODと結合するがその酵素活性は阻害しな
いという性質を有するものである。 (T4試料液) 市販のL−チロキシン(シグマ社製)を20mMトリス−塩
酸緩衝液(pH8.0)中に10nMの濃度となるように添加
してT4試料液とした。 (HPLCの使用条件) システムの概略を図2に示す。 ・カラム:0.46φx3.0cm。 ・充填剤:ワコービーズ DEAEゲル (和光純薬工業
(株)社商品名)。 ・流速:溶離液A+B;1.0ml/min、基質液;0.1ml/mi
n。 ・反応部:0.025φx1000cm (55℃保温)。 ・検出:励起波長 320nm、蛍光波長 404nmで蛍光を測
定した。 ・グラジエント:溶離液Aと溶離液Bのグラジエントを
図4に示す。 (測定操作) T4試料液 30μlと抗体液1 30μlと20mMトリス−塩酸
緩衝液(pH8.0)30μlとを混合したものを検体1と
し、T4試料液 30μlと抗体液1 30μlと抗体液230μl
とを混合したものを検体2とした。各検体を30℃で30分
間放置した後、各検体の50μlをHPLCにより分析し
た。 (結果) HPLCによる分析結果から、POD標識抗T4−Fab'
は3.3分後に、POD標識抗T4−Fab'とT4との複合体
は2.3分後に、POD標識抗T4−Fab'とポリグルタミン
酸結合抗POD−Fab'との複合体は8.9分後に、POD
標識抗T4−Fab'とポリグルタミン酸結合抗POD−Fa
b'とT4との複合体は7.4分後に夫々溶出してくることが
判った。以上の結果より、ポリグルタミン酸結合抗PO
D−Fab'を用いることにより、POD標識抗T4−Fab'
及びPOD標識抗T4−Fab'とT4との複合体の溶出位置
を変化させることができること、言い換えればPOD標
識抗T4−Fab'と、POD標識抗T4−Fab'とT4との複
合体とをより明確に分離できるようになることが判る。
【0050】
実施例8.チロキシン(T4)の測定(ポリグルタミン
酸を分離向上物質とし、アニオン交換クロマトグラフィ
ー用の充填剤を使用した場合) (標識抗原) 常法(NAKANE法:Nakane,P.K. and Kawaoi,A.,J.Histoc
hem.Cytochem.,vol.22,1084〜1091,1974)により調製し
たPOD標識T4を、20mMトリス−塩酸緩衝液(pH8.
0)に10nMの濃度となるように溶解したものを標識抗原
液とした。 (抗体液1) 抗T4モノクロ−ナル抗体(和光純薬工業(株)製)を
常法により処理して得たFab'と、これに対して20倍モル
量のN-エチルマレイミドを加えて37℃で60分間放置して
反応させた。次いで、これを常法により精製して得たN-
エチルスクシンイミド化Fab'を20mMトリス−塩酸緩衝液
(pH8.0)中に2nMのタンパク濃度となるように添加
して抗体液1とした。 (抗体液2) 実施例7の抗体液2と同じ。 (T4試料液) 実施例7のT4試料液と同じ。 (溶血液) 実施例5の溶血液と同じ。 (HPLCの使用条件) 実施例7と同じ。 (測定操作) 下記表2の組成の検体1〜3を調製し、各検体を30℃で
30分間放置した後、各検体の50μlをHPLCにより分
析した。
酸を分離向上物質とし、アニオン交換クロマトグラフィ
ー用の充填剤を使用した場合) (標識抗原) 常法(NAKANE法:Nakane,P.K. and Kawaoi,A.,J.Histoc
hem.Cytochem.,vol.22,1084〜1091,1974)により調製し
たPOD標識T4を、20mMトリス−塩酸緩衝液(pH8.
0)に10nMの濃度となるように溶解したものを標識抗原
液とした。 (抗体液1) 抗T4モノクロ−ナル抗体(和光純薬工業(株)製)を
常法により処理して得たFab'と、これに対して20倍モル
量のN-エチルマレイミドを加えて37℃で60分間放置して
反応させた。次いで、これを常法により精製して得たN-
エチルスクシンイミド化Fab'を20mMトリス−塩酸緩衝液
(pH8.0)中に2nMのタンパク濃度となるように添加
して抗体液1とした。 (抗体液2) 実施例7の抗体液2と同じ。 (T4試料液) 実施例7のT4試料液と同じ。 (溶血液) 実施例5の溶血液と同じ。 (HPLCの使用条件) 実施例7と同じ。 (測定操作) 下記表2の組成の検体1〜3を調製し、各検体を30℃で
30分間放置した後、各検体の50μlをHPLCにより分
析した。
【表2】表1
*1:20mMトリス塩酸緩衝液(pH8.0)
*2:50mMリン酸緩衝液(pH7.5、150mM塩化ナトリウ
ム含有) (結果) HPLCによる分析結果から、POD標識T4は2.6分後
に、POD標識T4とN-エチルスクシンイミド化Fab'の
複合体は3.5分後に、POD標識T4とポリグルタミン酸
結合抗POD−Fab'の複合体は8.3分後に、POD標識
T4とN-エチルスクシンイミド化Fab'とポリグルタミン
酸結合抗POD−Fab'との複合体は9.1分後に夫々溶出
してくることが判った。一方、溶血成分は実施例6の場
合と同様に0.5〜5.5分の間に複数のピークとして溶出す
ることが判った。以上の結果より、本発明の分離方法を
利用することにより溶血の影響を全く受けない溶出位置
に複合体を溶出させることができること、言い換えれば
本発明の分離方法を利用することにより、測定時に於け
る試料中の溶血成分による影響を受けることなく測定対
象物質を測定することが可能となるので、従来よりも測
定の精度を向上させることができることが判る。
ム含有) (結果) HPLCによる分析結果から、POD標識T4は2.6分後
に、POD標識T4とN-エチルスクシンイミド化Fab'の
複合体は3.5分後に、POD標識T4とポリグルタミン酸
結合抗POD−Fab'の複合体は8.3分後に、POD標識
T4とN-エチルスクシンイミド化Fab'とポリグルタミン
酸結合抗POD−Fab'との複合体は9.1分後に夫々溶出
してくることが判った。一方、溶血成分は実施例6の場
合と同様に0.5〜5.5分の間に複数のピークとして溶出す
ることが判った。以上の結果より、本発明の分離方法を
利用することにより溶血の影響を全く受けない溶出位置
に複合体を溶出させることができること、言い換えれば
本発明の分離方法を利用することにより、測定時に於け
る試料中の溶血成分による影響を受けることなく測定対
象物質を測定することが可能となるので、従来よりも測
定の精度を向上させることができることが判る。
【0051】
【発明の効果】以上述べた如く、本発明は、測定対象物
質とこれに対する結合能物質との相互作用の結果生じる
複合体と遊離の結合能物質(又は遊離の測定対象物質)
等のその他の物質との分離を高速液体クロマトグラフィ
を用いて行なう測定方法に於いて、該複合体に更に分離
向上物質を結合させて該複合体の疎水性若しくはイオン
性を自由に変化させることにより、高速液体クロマトグ
ラフィに於ける該複合体の溶出位置を自由に調節し得る
という効果を奏する方法を提供するものであり、本発明
の分離方法を利用して血清等の生体試料中の微量成分の
測定を行った場合には、従来のEIAやRIA等の測定
法に比較して容易に且つ極めて短時間で高精度の測定が
行な得るという顕著な効果をも奏するものであり、斯業
に貢献するところ大なる発明である。
質とこれに対する結合能物質との相互作用の結果生じる
複合体と遊離の結合能物質(又は遊離の測定対象物質)
等のその他の物質との分離を高速液体クロマトグラフィ
を用いて行なう測定方法に於いて、該複合体に更に分離
向上物質を結合させて該複合体の疎水性若しくはイオン
性を自由に変化させることにより、高速液体クロマトグ
ラフィに於ける該複合体の溶出位置を自由に調節し得る
という効果を奏する方法を提供するものであり、本発明
の分離方法を利用して血清等の生体試料中の微量成分の
測定を行った場合には、従来のEIAやRIA等の測定
法に比較して容易に且つ極めて短時間で高精度の測定が
行な得るという顕著な効果をも奏するものであり、斯業
に貢献するところ大なる発明である。
【図1】図1は、実験例1で使用した高速液体クロマト
グラフィー(HPLC)のシステムの概略図を示したも
のである。
グラフィー(HPLC)のシステムの概略図を示したも
のである。
【図2】図2は、実施例1、2、3、4、5、6、7及
び8で使用したHPLCのシステムの概略図を示したも
のである。
び8で使用したHPLCのシステムの概略図を示したも
のである。
【図3】図3は、実施例1、2及び3に於けるHPLC
のグラジエントパターンを示したもので、縦軸は硫酸ア
ンモニウム濃度(M)を、横軸は時間(分)を夫々表わす。
のグラジエントパターンを示したもので、縦軸は硫酸ア
ンモニウム濃度(M)を、横軸は時間(分)を夫々表わす。
【図4】図4は、実施例4、5、6、7及び8に於ける
HPLCのグラジエントパターンを示したもので、縦軸
は溶離液Bの濃度(%)を、横軸は時間(分)を夫々表わ
す。
HPLCのグラジエントパターンを示したもので、縦軸
は溶離液Bの濃度(%)を、横軸は時間(分)を夫々表わ
す。
【図5】図5は、実施例5に於て得られたHPLCによ
る試料の溶出パターンを示し、Aは溶血液を50mMリン酸
緩衝液(pH7.5、150mM塩化ナトリウム含有)で10倍に
希釈したものについて分析した結果得られた溶出パター
ンを、Bは抗体液1、AFP試料液、溶血液及びリン酸
緩衝液との混合液について分析した結果得られた溶出パ
ターンを、Cは抗体液1、AFP試料液、溶血液及び抗
体液2との混合液について分析した結果得られた溶出パ
ターンを夫々示す。
る試料の溶出パターンを示し、Aは溶血液を50mMリン酸
緩衝液(pH7.5、150mM塩化ナトリウム含有)で10倍に
希釈したものについて分析した結果得られた溶出パター
ンを、Bは抗体液1、AFP試料液、溶血液及びリン酸
緩衝液との混合液について分析した結果得られた溶出パ
ターンを、Cは抗体液1、AFP試料液、溶血液及び抗
体液2との混合液について分析した結果得られた溶出パ
ターンを夫々示す。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI
// G01N 33/536 G01N 33/536 A
(72)発明者 里 村 慎 二
兵庫県尼崎市高田町6番1号 和光純薬
工業株式会社 大阪研究所内
(56)参考文献 特開 昭61−110059(JP,A)
特開 平3−221865(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
G01N 30/00 - 30/96
G01N 33/531
G01N 33/538
G01N 33/536
Claims (8)
- 【請求項1】測定対象物質と、測定対象物質に対する結
合能を有する物質(以下、結合能物質A1と略記す
る。)との複合体に、更に、該複合体の疎水性若しくは
イオン性を変化させ得る物質(以下、分離向上物質と略
記する。)により修飾され且つ該複合体に対する結合能
を有する物質を結合させ、該複合体と遊離の結合能物質
A1(又は遊離の測定対象物質)との高速液体クロマト
グラフィーによる分離を該分離向上物質の疎水性若しく
はイオン性に基づいて行うことを特徴とする分離方法。 - 【請求項2】分離向上物質が、タンパク質、ペプチド、
合成高分子化合物、ポリアミノ酸、ハロゲン原子、アル
キル鎖、脂肪酸、又は測定対象物質と結合能物質A1と
の複合体に対する結合能を有する物質に結合し得る反応
基を有し且つ疎水性若しくはイオン性を有する化学物質
である請求項1に記載の分離方法。 - 【請求項3】分離向上物質がタンパク質、ペプチド、ポ
リアミノ酸、アルキル鎖、ハロゲン原子、脂肪酸又は測
定対象物質と結合能物質A1との複合体に対する結合能
を有する物質に結合し得る反応基を有し且つ疎水性若し
くはイオン性を有する化学物質であり、高速液体クロマ
トグラフィーで使用されるカラムの充填剤が疎水クロマ
トグラフィー用充填剤である、請求項1に記載の分離方
法。 - 【請求項4】分離向上物質が合成高分子化合物、タンパ
ク質、ポリアミノ酸、測定対象物質と結合能物質A1と
の複合体に対する結合能を有する物質に結合し得る反応
基を有し且つ疎水性若しくはイオン性を有する化学物
質、脂肪酸又はペプチドであり、高速液体クロマトグラ
フィーで使用されるカラムの充填剤がイオン交換クロマ
トグラフィー用充填剤である、請求項1に記載の分離方
法。 - 【請求項5】測定対象物質と結合能物質A1との反応を
利用した測定対象物質の測定方法に於いて、該反応の結
果生ずる、測定対象物質と結合能物質との複合体に、更
に、分離向上物質により修飾され且つ該複合体に対する
結合能を有する物質(以下、修飾結合能物質Aと略記す
る。)を結合させ、該複合体と遊離の結合能物質A
1(又は遊離の測定対象物質)とを該分離向上物質の疎
水性若しく はイオン性に基づいて高速液体クロマトグラ
フィーにより分離した後に、該複合体又は遊離の結合能
物質A1(又は遊離の測定対象物質)の量を測定し、そ
の結果に基づいて測定対象物質量を求めることを特徴と
する測定方法。 - 【請求項6】高速液体クロマトグラフィーで使用される
カラムの充填剤がイオン交換クロマトグラフィー用充填
剤である、請求項5に記載の測定方法。 - 【請求項7】測定対象物質を含む生体由来の試料、検出
物質により標識された測定対象物質(以下、標識測定物
質と略記する。)及び結合能物質A1を修飾結合能物質
Aと反応させ、測定対象物質と結合能物質A1と修飾結
合能物質Aとの複合体、及び標識測定物質と結合能物質
A1と修飾結合能物質Aとの複合体(以下、標識複合体
と略記する。)を形成させた後、標識複合体と標識測定
物質とを分離向上物質の疎水性若しくはイオン性に応じ
て高速液体クロマトグラフィーにより分離し、次いで、
分離された標識複合体に含まれる検出物質の量を測定す
ることにより、測定対象物質量を求めることを特徴とす
る測定方法。 - 【請求項8】高速液体クロマトグラフィーで使用される
カラムの充填剤がイオン交換クロマトグラフィー用充填
剤である、請求項7に記載の測定方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12871499A JP3376955B2 (ja) | 1992-06-17 | 1999-05-10 | 複合体の分離方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18301892 | 1992-06-17 | ||
JP4-183018 | 1992-06-17 | ||
JP12871499A JP3376955B2 (ja) | 1992-06-17 | 1999-05-10 | 複合体の分離方法 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP05171130A Division JP3102611B2 (ja) | 1992-06-17 | 1993-06-17 | 複合体の分離方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11352118A JPH11352118A (ja) | 1999-12-24 |
JP3376955B2 true JP3376955B2 (ja) | 2003-02-17 |
Family
ID=26464305
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12871499A Expired - Lifetime JP3376955B2 (ja) | 1992-06-17 | 1999-05-10 | 複合体の分離方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3376955B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7098901B2 (en) * | 2000-07-24 | 2006-08-29 | Sharp Kabushiki Kaisha | Display device and driver |
-
1999
- 1999-05-10 JP JP12871499A patent/JP3376955B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH11352118A (ja) | 1999-12-24 |
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