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JP3376248B2 - 液体吐出装置、液体吐出システム、液体容器の組合せ、及び液体吐出制御方法 - Google Patents

液体吐出装置、液体吐出システム、液体容器の組合せ、及び液体吐出制御方法

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JP3376248B2
JP3376248B2 JP16416697A JP16416697A JP3376248B2 JP 3376248 B2 JP3376248 B2 JP 3376248B2 JP 16416697 A JP16416697 A JP 16416697A JP 16416697 A JP16416697 A JP 16416697A JP 3376248 B2 JP3376248 B2 JP 3376248B2
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liquid
head
ejection
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container
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Canon Inc
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱エネルギーを液
体に作用させることで起こる気泡の発生によって、所望
の液体を吐出する液体吐出ヘッド、およびこの液体吐出
ヘッドを用いた液体吐出ヘッドカートリッジ、液体吐出
装置に関する。
【0002】特に本発明は、気泡の発生を利用して変位
する可動部材を有する液体吐出ヘッド、その液体吐出ヘ
ッドを用いたヘッドカートリッジおよび液体吐出装置に
関する。
【0003】また本発明は紙、糸、繊維、布帛、皮革、
金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等の
被記録媒体に対し記録を行うプリンター、複写機、通信
システムを有するファクシミリ、プリンタ部を有するワ
ードプロセッサ等の装置、さらには各種処理装置と複合
的に組み合わせた産業用記録装置に適用できる発明であ
る。
【0004】なお、本発明における、「記録」とは、文
字や図形等の意味を持つ画像を被記録媒体に対して付与
することだけでなく、パターン等の意味を持たない画像
を付与することをも意味するものである。
【0005】
【従来の技術】熱等のエネルギーをインクに与えること
で、インクに急峻な体積変化(気泡の発生)を伴う状態
変化を生じさせ、この状態変化に基づく作用力によって
吐出口からインクを吐出し、これを被記録媒体上に付着
させて画像形成を行なうインクジェット記録方法、いわ
ゆるバブルジェット記録方法が従来知られている。この
バブルジェット記録方法を用いる記録装置には、米国特
許第4,723,129等の公報に開示されているよう
に、インクを吐出するための吐出口と、この吐出口に連
通するインク流路と、インク流路内に配されたインクを
吐出するためのエネルギー発生手段としての電気熱変換
体が一般的に配されている。
【0006】この様な記録方法によれば、品位の高い画
像を高速、低騒音で記録することができると共に、この
記録方法を行うヘッドではインクを吐出するための吐出
口を高密度に配置することができるため、小型の装置で
高解像度の記録画像、さらにカラー画像をも容易に得る
ことができるという多くの優れた点を有している。この
ため、このバブルジェット記録方法は近年、プリンタ
ー、複写機、ファクシミリ等の多くのオフィス機器に利
用されており、さらに、捺染装置等の産業用システムに
まで利用されるようになってきている。
【0007】このようにバブルジェット技術が多方面の
製品に利用されるに従って、次のような様々な要求が近
年さらにたかまっている。
【0008】例えば、エネルギー効率の向上の要求に対
する検討としては、保護膜の厚さを調整するといった発
熱体の最適化が挙げられている。この手法は、発生した
熱の液体への伝搬効率を向上させる点で効果がある。
【0009】また、高画質な画像を得るために、インク
の吐出スピードが速く、安定した気泡発生に基づく良好
なインク吐出を行える液体吐出方法等を与えるための駆
動条件が提案されたり、また、高速記録の観点から、吐
出された液体の液流路内への充填(リフィル)速度の速
い液体吐出ヘッドを得るために流路形状を改良したもの
も提案されている。
【0010】この流路形状の内、流路構造として図39
(a),(b)に示すものが、特開昭63−19997
2号公報等に記載されている。この公報に記載されてい
る流路構造やヘッド製造方法は、気泡の発生に伴って発
生するバック波(吐出口へ向かう方向とは逆の方向へ向
かう圧力、即ち、液室6へ向かう圧力)に着目した発明
である。このバック波は、吐出方向へ向かうエネルギー
でないため損失エネルギーとして知られている。
【0011】図39(a),(b)に示す発明は、発熱
素子2が形成する気泡の発生領域よりも離れ且つ、発熱
素子2に関して吐出口18とは反対側に位置する弁4を
開示する。
【0012】図39(b)においては、この弁4は、板
材等を利用する製造方法によって、流路5の天井に貼り
付いたように初期位置を持ち、気泡の発生に伴って流路
5内へ垂れ下がるものとして開示されている。この発明
は、上述したバック波の一部を弁4によって制御するこ
とでエネルギー損失を抑制するものとして開示されてい
る。
【0013】しかしながら、この構成において、吐出す
べき液体を保持する流路5内部に、気泡が発生した際を
検討するとわかるように、弁4によるバック波の一部を
抑制することは、液体吐出にとっては実用的なものでな
いことがわかる。
【0014】もともとバック波自体は、前述したように
吐出に直接関係しないものである。このバック波が流路
5内に発生した時点では、図39(a)に示すように、
気泡のうち吐出に直接関係する圧力はすでに流路5から
液体を吐出可能状態にしている。従って、バック波のう
ち、しかもその一部を抑制したからといっても、吐出に
大きな影響を与えないことは明らかである。
【0015】他方、バブルジェット記録方法において
は、発熱体がインクに接した状態で加熱を繰り返すた
め、発熱体の表面にインクの焦げによる堆積物が発生す
るが、インクの種類によってはこの堆積物が多く発生す
ることで、気泡の発生を不安定にしてしまい、良好なイ
ンクの吐出を行うことが困難な場合があった。また、吐
出すべき液体が熱によって劣化しやすい液体の場合や十
分に発泡が得られにくい液体の場合においても、吐出す
べき液体を変質させず、良好に吐出するための方法が望
まれていた。
【0016】このような観点から、熱により気泡を発生
させる液体(発泡液)と吐出する液体(吐出液)とを別
液体とし、発泡による圧力を吐出液に伝達することで吐
出液を吐出する方法が、特開昭61−69467号公
報、特開昭55−81172号公報、米国特許第4,4
80,259号等の公報に開示されている。これらの公
報では、吐出液であるインクと発泡液とをシリコンゴム
などの可撓性膜で完全分離し、発熱体に吐出液が直接接
しないようにすると共に、発泡液の発泡による圧力を可
撓性膜の変形によって吐出液に伝える構成をとってい
る。このような構成によって、発熱体表面の堆積物の防
止や、吐出液体の選択自由度の向上等を達成している。
【0017】しかしながら、前述のように吐出液と発泡
液とを完全分離する構成のヘッドにおいては、発泡時の
圧力を可撓性膜の伸縮変形によって吐出液に伝える構成
であるため、発泡による圧力を可撓性膜がかなり吸収し
てしまう。また、可撓性膜の変形量もあまり大きくない
ため、吐出液と発泡液とを分離することによる効果を得
ることはできるものの、エネルギー効率や吐出力が低下
してしまっていた。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、基本的に従
来の気泡(特に膜沸騰に伴う気泡)を液流路中に形成し
て液体を吐出する方式の、根本的な吐出特性を、従来で
は考えられなかった観点から、従来では予想できない水
準に高めることを前提とする。
【0019】この前提は、液滴吐出の原理に立ち返り、
従来では得られなかった気泡を利用した新規な液滴吐出
方法及びそれに用いられるヘッド等を提供すべく、流路
中の可動部材の機構の原理を解析すると言った液流路中
の可動部材の動作を起点とする第1技術解析、及び気泡
による液滴吐出原理を起点とする第2技術解析、さらに
は、気泡形成用の発熱体の気泡形成領域を起点とする第
3技術解析を行うことにより得られたものである。
【0020】これらの解析によって、可動部材の支点と
自由端の配置関係を吐出口側つまり下流側に自由端が位
置する関係にすること、また可動部材を発熱体もしく
は、気泡発生領域に面して配することで積極的に気泡を
制御する全く新規な技術を確立するに至った。
【0021】次に、気泡自体が吐出量に与えるエネルギ
ーを考慮すると気泡の下流側の成長成分を考慮すること
が吐出特性を格段に向上できる要因として最大であると
の知見に至った。つまり、気泡の下流側の成長成分を吐
出方向へ効率よく変換させることこそ吐出効率、吐出速
度の向上をもたらすことも判明した。このことから、気
泡の下流側の成長成分を積極的に可動部材の自由端側に
移動させるという、従来の技術水準に比べ極めて高い技
術水準に至った。
【0022】さらに、その技術を用いた可動部材を持つ
ヘッド構造では、可動部材により気泡発生領域が吐出口
領域と区分されることから、吐出口に連通する第1の液
流路と気泡発生領域を含む第2の液流路とからなる2液
流路構造をとることができ、これにより、吐出液と発泡
液(吐出用液とは異なる液)の2液が用いられる2液タ
イプのヘッド、吐出液と発泡液ともに共通な液(実際は
吐出液であるが、2液タイプのヘッドにおける吐出液と
は異なる)が用いられる1液タイプのヘッドを構成でき
ることもわかった。
【0023】通常、上記の1液タイプの記録ヘッドに
は、内部に共通液が収容された液体容器(1液タイプ用
液体容器)が、2液タイプのヘッドには、内部に吐出液
と発泡液とが区分収容された液体容器(2液タイプ用液
体容器)が取り付けられる。
【0024】ここで、2液タイプのヘッドの場合には、
従来のバブルジェット方式を採用する記録ヘッドで吐出
可能な液体の他に、加熱に弱い液体や、高粘性の液体を
吐出液として利用可能であることで、以下のような従来
では考えられなかった新規な課題を見出すに至った。
【0025】すなわち、上述の2液タイプのヘッドに対
し、1液タイプのヘッドに用いられる共通液(吐出
液)、あるいは従来のバブルジェット方式を採用する記
録ヘッドで吐出可能な液体を使用した場合、本来の2液
タイプのヘッドの記録特性は実現されないにしても、従
来のバブルジェット方式を採用するヘッドと同等以上の
記録性能を十分に達成できることから、1液タイプ用液
体容器、及び従来のインクジェット記録ヘッドに用いら
れる液体容器を、2液タイプのヘッドにも使用できるよ
うな構成とすることが望ましい。
【0026】一方、このように液体容器を従来のバブル
ジェット方式による記録ヘッドをも含めた各タイプのヘ
ッドに共通に使用できる構成とすると、1液タイプのヘ
ッド、或いは従来のバブルジェット方式のヘッドに対
し、2液タイプのヘッドで吐出可能な高粘性の吐出液を
供給すると、この高粘性の吐出液が発泡液として用いら
れ、発熱体上で焦げつくことになり、安定な吐出ができ
ないばかりか、不吐出の原因となる恐れがある。特に、
従来のバブルジェット方式による記録ヘッドに対しこの
ような高粘性の吐出液を用いると、発熱体上での焦げの
問題だけでなく、吐出力自体も小さいため、不吐出とな
る恐れはより大きくなる。
【0027】本発明の主たる目的は以下の通りである。
【0028】第1の目的は、1液タイプ用液体容器を2
液タイプのヘッドに対しても取り付けられるようにする
ことにより、液体容器を有効活用して汎用性を高め、低
コスト化を図るとともに、2液タイプ用液体容器の1液
タイプのヘッドへの取り付けは行うことができないよう
に制限することで、2液タイプ用の吐出液が1液タイプ
用のヘッドに供給されるのを防ぎ、吐出性能の安定性を
図った、液体吐出装置、液体吐出システム、および液体
容器の組合せを提供することにある。
【0029】本発明の第2の目的は、2液タイプのヘッ
ドに1液タイプ用液体容器と2液タイプ用液体容器のい
ずれも取り付け可能にした構成において、低コスト化を
図るとともに、ヘッドの信頼性および画像の品質向上を
図った液体吐出装置および液体吐出制御方法を提供する
ことにある。
【0030】本発明の第3の目的は、1液タイプのヘッ
ドに対して誤って2液タイプのヘッド用の内部に吐出液
と発泡液とが区分収容された液体容器が取り付けられて
も、吐出液や発泡液の供給が行われることがない、信頼
性の高い液体吐出装置を提供することにある。
【0031】
【課題を解決するための手段】上述のような目的を達成
するため、本発明の液体吐出装置は、吐出口に連通する
第1の液流路と、気泡発生領域を含み、前記第1の液流
路に隣接して配された第2の液流路と、前記気泡発生領
域に面して配され、第1の位置と該第1の位置よりも前
記気泡発生領域から遠い第2の位置との間を変位可能な
可動部材と、を備え、前記第1及び第2の液流路にそれ
ぞれ異なる種類の液体を供給可能であり、前記可動部
材は、前記気泡発生領域での気泡の発生に基づく圧力に
よって前記第1の位置から前記第2の位置に変位して該
圧力を前記吐出口方向へ導き、前記吐出口から液体を吐
出させる液体吐出ヘッドと、該液体吐出ヘッドに液体を
供給する液体容器を取り付け可能に構成したヘッドカー
トリッジと、該ヘッドカートリッジを搭載する搭載手段
と、を具備している液体吐出装置であって、 該液体吐出
装置は、前記液体吐出ヘッドに供給する液体を内蔵して
いる液体容器を前記ヘッドカートリッジに装填可能であ
って、且つ、前記ヘッドカートリッジに装填された液体
容器が内蔵している液体の種類を識別すると共に、その
識別結果に応じて液体吐出条件を変化させることを特徴
とする。
【0032】上記の液体吐出装置において、前記液体吐
出条件が、気泡発生パワーであってもよい。
【0033】さらに、前記液体容器として、前記第1及
び第2の液流路に供給する互いに異なる2種の液体を内
蔵している液体容器が該ヘッドカートリッジに装填され
たときと、1種の液体を内蔵している液体容器が該ヘッ
ドカートリッジに装填されたときとでは、1種の液体を
内蔵している液体容器が装填されたときの方が、気泡発
生パワーを低くするようにしてもよい。
【0034】さらに、ヘッドカートリッジに装填された
液体容器の識別結果に応じて、液体吐出ヘッドの回復動
作を変化させるようにしてもよい。
【0035】本発明の液体吐出システムは、1液タイプ
の液体吐出ヘッドと、 2液タイプの液体吐出ヘッドとし
て、吐出口に連通する第1の液流路と、気泡発生領域を
含み、前記第1の液流路に隣接して配された第2の液流
路と、前記気泡発生領域に面して配され、第1の位置と
該第1の位置よりも前記気泡発生領域から遠い第2の位
置との間を変位可能な可動部材と、を備え、前記第1お
よび第2の液流路にそれぞれ異なる2種類の液体を供給
可能であり、前記可動部材は、前記気泡発生領域での気
泡の発生に基づく圧力によって前記第1の位置から前記
第2の位置に変位して該圧力を前記吐出口方向へ導き、
前記吐出口から液体を吐出させる液体吐出ヘッドと、
記1液タイプ及び2液タイプの各々の液体吐出ヘッドに
対して液体を供給する液体容器を取り付け可能に構成し
たヘッドカートリッジと、 前記各々の液体吐出ヘッドと
前記液体容器とを搭載する搭載手段と、 前記の液体容器
から前記各々の液体吐出ヘッドへの液体供給を制御する
手段と、を含む液体吐出システムであって、 前記制御手
段は、前記ヘッドカートリッジに装填された液体容器の
種類を識別し、その識別結果に応じて、前記ヘッドカー
トリッジに装填された液体容器から液体吐出ヘッドへの
液体の供給を制御するものであり、 前記1液タイプの液
体吐出ヘッドに供給する液体を内蔵している液体容器か
らの、前記2液タイプの液体吐出ヘッドへの液体の供給
が許容され、前記2液タイプの液体吐出ヘッドに供給す
る2種の異なる液体を内蔵している液体容器からの前記
1液タイプの液体吐出ヘッドへの液体の供給が阻止され
ることを特徴とする
【0036】本発明の液体吐出システムは、1液タイプ
の液体吐出ヘッドと2液タイプの液体吐出ヘッド並びに
各々の液体吐出ヘッドに対して液体を供給する複数の液
体容器とを含む液体吐出システムであって、 前記2液タ
イプの液体吐出ヘッドに対して2種の異なる液体を供給
する、2種の異なる液体を内蔵している液体容器は、前
記1液タイプの液体吐出ヘッドへの結合もしくは液体の
供給が阻止され、 前記1液タイプの液体吐出ヘッドに対
して液体を供給する、液体を内蔵している液体容器は、
前記2液タイプの液体吐出ヘッドへの結合並びに液体の
供給が可能であることを特徴とする。
【0037】上記の場合、前記2種の異なる液体が、吐
出液と発泡液とであってもよい
【0038】本発明の液体容器の組合せは、1液タイプ
の液体吐出ヘッドに液体を供給する、該液体を内蔵して
いる1液タイプ用液体容器と、 2液タイプの液体吐出ヘ
ッドに2種の異なる液体を供給する、該2種の異なる液
体を内蔵している2液タイプ用液体容器と、からなる液
体容器の組合せであって、 前記1液タイプ用液体容器
は、前記1液タイプの液体吐出ヘッド及び2液タイプの
液体吐出ヘッドの双方に対して装着可能であり、且つ内
蔵している液体を供給可能であり、 前記2液タイプ用液
体容器は、前記1液タイプの液体吐出ヘッドに装着でき
ないことを特徴とする
【0039】上記の場合、前記2液タイプ用液体容器が
内蔵している2種の異なる液体が、吐出液と発泡液とで
あってもよい。
【0040】本発明の液体吐出制御方法は、1液タイプ
用液体容器と2液タイプ用液体容器との双方が装填可能
であり、装填された液体容器から、該液体容器が内蔵し
ている液体が供給される2液タイプの液体吐出ヘッドか
らの液体吐出制御方法であって、 前記1液タイプ用液体
容器が装填されたときと、前記2液タイプ用液体容器が
装填されたときとで、前記液体吐出ヘッドの気泡発生パ
ワーを変化させることを特徴とする
【0041】上記の場合、前記1液タイプ用液体容器が
内蔵している液体が、発泡液としても用いられる吐出液
であり、 前記2液タイプ用液体容器は、2種の異なる液
体を内蔵しており、そのひとつが吐出液、他方が発泡液
であり、 前記1液タイプ用液体容器が内蔵している吐出
液の粘度が、前記2液タイプ用液体容器が内蔵している
吐出液のそれよりも低くなるようにしてもよい。
【0042】
【0043】
【0044】
【0045】
【0046】
【0047】
【0048】
【0049】
【0050】(作用) 上記の通りの本発明によれば、1液タイプ用液体容器は
2液タイプのヘッドに対しても取り付け可能であるが、
2液タイプ用液体容器が1液タイプのヘッドへ取り付け
られることはない。例えば、2液タイプのヘッド用の内
部に発泡液と発泡液が区分収容された液体容器は、第1
の液体および第2の液体が供給される液体供給口部に所
定形状の係合部を備えているので、被液体供給口にその
係合部と係合する受け部が設けられた液体吐出ヘッドに
対してのみ取り付けることができる。よって、被液体供
給口に上記の係合部と係合する受け部が設けられていな
い液体吐出ヘッド(1液タイプのもの)に取り付けられ
ることはない。
【0051】また、本発明によれば、2液タイプのヘッ
ドに対して、2液タイプ用の液体容器に加えて1液タイ
プ用の液体容器を使用できるようになっているので、液
体容器をより有効に利用することができる。
【0052】さらに、本発明によれば、2液タイプのヘ
ッドに取り付けられた液体容器の種別を認識して、それ
ぞれの液体容器から供給される液体の特性に応じて液体
吐出動作や回復動作が行われるので、高品質な画像を得
られ、ヘッドの信頼性も向上する。
【0053】さらに、本発明にかかる液体吐出装置のう
ち、電極ピンと電極パッドの接続により搭載された液体
容器が1液タイプ用のものであるか否かを判定し、1液
タイプ用のものであった場合にのみ、液体吐出ヘッドへ
の液体供給を行わせるものにおいては、あやまって2液
タイプ用の液体容器が搭載されても、制御弁が開放され
ないので、2液タイプ用の液体容器から液体供給が行わ
れることはない。
【0054】この発明のその他の特徴的な作用として
は、低温や低湿で長期放置を行った場合であっても不吐
出になることを防止でき、仮に不吐出になっても、予備
吐出や吸引回復といった回復処理をわずかに行うだけで
正常状態に即座に復帰できる利点もある。
【0055】また、特に本発明のリフィル特性を向上し
た構成によれば、連続吐出時の応答性、気泡の安定成
長、液滴の安定化を達成して、高速液体吐出による高速
記録また高画質記録を可能にすることができる。
【0056】本発明のその他の効果については、各実施
例の記載から理解される。
【0057】なお、本発明の説明で用いる「上流」「下
流」とは、液体の供給源から気泡発生領域(又は可動部
材)を経て、吐出口へ向かう液体の流れ方向に関して、
又はこの構成上の方向に関しての表現として表されてい
る。
【0058】また、気泡自体に関する「下流側」とは、
主として液滴の吐出に直接作用するとされる気泡の吐出
口側部分を代表する。より具体的には気泡の中心に対し
て、上記流れ方向や上記構成上の方向に関する下流側、
又は、発熱体の面積中心より下流側の領域で発生する気
泡を意味する。
【0059】また、本発明の説明で用いる「実質的に密
閉」とは、気泡が成長するとき、可動部材が変位する前
に可動部材の周囲の隙間(スリット)から気泡がすり抜
けない程度の状態を意味する。
【0060】さらに、本発明でいう「分離壁」とは、広
義では気泡発生領域と吐出口に直接連通する領域とを区
分するように介在する壁(可動部材を含んでもよい)を
意味し、狭義では気泡発生領域を含む流路を吐出口に直
接連通する液流路と区分し、それぞれの領域にある液体
の混合を防止するものを意味する。
【0061】
【発明の実施の形態】本発明の実施例について説明する
前に、本発明が適用される液体吐出ヘッドにおける液体
吐出原理について、以下の第1〜第6の実施形態を用い
て、図面を参照して説明する。
【0062】(第1の実施の形態)まず、本形態では、
液体を吐出するための、気泡に基づく圧力の伝搬方向や
気泡の成長方向を制御することで吐出力や吐出効率の向
上を図る場合の例を説明する。
【0063】図1は、本発明に適用可能な液体吐出ヘッ
ドの一例を示す模式断面図であり、図2は、その液体吐
出ヘッドの部分破断斜視図である。
【0064】本形態の液体吐出ヘッドは、液体を吐出す
るための吐出エネルギー発生素子として、液体に熱エネ
ルギーを作用させる発熱体2(本形態においては40μ
m×105μmの形状の発熱抵抗体)が素子基板1に設
けられており、素子基板1上に発熱体2に対応して液流
路10が配されている。液流路10は吐出口18に連通
していると共に、複数の液流路10に液体を供給するた
めの共通液室13に連通しており、吐出口18から吐出
された液体に見合う量の液体をこの共通液室13から受
け取る。
【0065】液流路10の素子基板1上には、発熱体2
に対向するように面して、金属等の弾性を有する材料で
構成され、平面部を有する板状の可動部材31が片持梁
状に設けられており、可動部材31の一端は液流路10
の壁や素子基板1上に感光性樹脂などをパターニングし
て形成した土台(支持部材)34等に固定されている。
これによって、可動部材31は保持されると共に支点
(支点部分)33を構成している。
【0066】可動部材31は、液体の吐出動作によって
共通液室13から可動部材31を経て吐出口18側へ流
れる大きな流れの上流側に支点(支点部分;固定端)3
3を持ち、支点33に対して下流側に自由端(自由端部
分)32を持つように、発熱体2に面した位置に発熱体
2を覆うような状態で発熱体2から15μm程度の距離
を隔てて配されている。発熱体2と可動部材31との間
が気泡発生領域11となる。なお、発熱体2及び可動部
材31の種類や形状および配置はこれに限られることな
く、後述するように気泡の成長や圧力の伝搬を制御しう
る形状および配置であればよい。また、上述した液流路
10は、後に取り上げる液体の流れの説明のため、可動
部材31を境にして直接吐出口18に連通している部分
を第1の液流路14とし、気泡発生領域11や液体供給
路12を有する第2の液流路16の2つの領域に分けて
説明する。
【0067】発熱体2を発熱させることで可動部材31
と発熱体2との間の気泡発生領域11の液体に熱を作用
し、液体に米国特許4,723,129号公報に記載さ
れているような膜沸騰現象に基づく気泡40を発生させ
る。気泡40の発生に基づく圧力と気泡40は可動部材
31に優先的に作用し、可動部材31は、図1(b),
(c)もしくは図2で示されるように支点33を中心に
吐出口18側に大きく開くように変位する。可動部材3
1の変位若しくは変位した状態によって気泡40の発生
に基づく圧力の伝搬や気泡40自身の成長が吐出口18
側に導かれる。
【0068】ここで、本形態における吐出原理の一つを
説明する。
【0069】本形態において重要な原理の1つは、気泡
40に対面するように配された可動部材31が気泡40
の圧力あるいは気泡40自体に基づいて、定常状態の第
1の位置から変位後の位置である第2の位置へ変位し、
この変位する可動部材31によって気泡40の発生に伴
う圧力や気泡40自身を吐出口18が配された下流側へ
導くことである。
【0070】この原理を従来の液流路構造と比較してさ
らに詳しく説明する。
【0071】図3は、従来のヘッドにおける気泡からの
圧力伝搬を示す模式図であり、図4は、本発明に適用可
能なヘッドにおける気泡からの圧力伝搬を示す模式図で
ある。なお、ここでは吐出口方向への圧力の伝搬方向を
VA、上流側への圧力の伝搬方向をVBとして示した。
【0072】図3で示されるような従来のヘッドにおい
ては、発生した気泡40による圧力の伝搬方向を規制す
る構成はない。このため気泡40の圧力伝搬方向はV1
〜V8のように気泡表面の垂線方向となり様々な方向を
向いていた。このうち、特に液吐出に最も影響を及ぼす
VA方向に圧力伝搬方向の成分を持つものは、V1〜V
4、即ち気泡のほぼ半分の位置より吐出口に近い部分の
圧力伝搬の方向成分であり、液吐出効率、液吐出力、吐
出速度等に直接寄与する重要な部分である。さらにV1
は吐出方向VAの方向に最も近いため効率よく働き、逆
にV4はVAに向かう方向成分は比較的少ない。
【0073】これに対して、図4で示される構成の場合
には、可動部材31が図3の場合のように様々な方向を
向いていた気泡の圧力伝搬方向V1〜V4を下流側(吐
出口側)へ導き、VAの圧力伝搬方向に変換するもので
あり、これにより気泡40の圧力が直接的に効率よく吐
出に寄与することになる。そして、気泡の成長方向自体
も圧力伝搬方向V1〜V4と同様に下流方向に導かれ、
上流より下流で大きく成長する。このように、気泡の成
長方向自体を可動部材によって制御し、気泡の圧力伝搬
方向を制御することで、吐出効率や吐出力また吐出速度
等の根本的な向上を達成することができる。
【0074】次に図1に戻って、本形態の液体吐出ヘッ
ドの吐出動作について詳しく説明する。
【0075】図1(a)は、発熱体2に電気エネルギー
等のエネルギーが印加される前の状態であり、発熱体2
が熱を発生する前の状態である。
【0076】ここで重要なことは、可動部材31が、発
熱体2の発熱によって発生した気泡に対し、この気泡の
少なくとも下流側部分に対面する位置に設けられている
ことである。つまり、気泡の下流側が可動部材31に作
用するように、液流路構造上では少なくとも発熱体2の
面積中心3より下流(発熱体の面積中心3を通って流路
の長さ方向に直交する線より下流)の位置まで可動部材
31が配されている。
【0077】図1(b)は、発熱体2に電気エネルギー
等が印加されて発熱体2が発熱し、発生した熱によって
気泡発生領域11内を満たす液体の一部を加熱し、膜沸
騰に伴う気泡40を発生させた状態である。
【0078】このとき、可動部材31は気泡40の発生
に基づく圧力により、気泡40の圧力の伝搬方向を吐出
口18方向に導くように第1位置から第2位置へ変位す
る。ここで重要なことは前述したように、可動部材31
の自由端32を下流側(吐出口側)に配置し、支点33
を上流側(共通液室側)に位置するように配置して、可
動部材31の少なくとも一部を発熱体2の下流部分すな
わち気泡40の下流部分に対面させることである。
【0079】図1(c)は、気泡40がさらに成長した
状態であるが、気泡40発生に伴う圧力に応じて可動部
材31はさらに変位している。発生した気泡40は、上
流より下流に大きく成長すると共に可動部材31の第1
の位置(点線位置)を越えて大きく成長している。この
ように、気泡40の成長に応じて可動部材31が徐々に
変位して行くことで気泡40の圧力伝搬方向や堆積移動
のしやすい方向、すなわち自由端側への気泡40の成長
方向を吐出口18に均一的に向かわせることができるこ
とも吐出効率を高めると考えられる。可動部材31は気
泡40や発泡圧を吐出口18方向へ導く際もこの伝達の
妨げになることはほとんどなく、伝搬する圧力の大きさ
に応じて効率よく圧力の伝搬方向や気泡40の成長方向
を制御することができる。
【0080】図1(d)は、気泡40が、前述した膜沸
騰の後気泡内部圧力の減少によって収縮し、消滅する状
態を示している。
【0081】第2の位置まで変位していた可動部材31
は、気泡40の収縮による負圧と可動部材31自身のば
ね性による復元力によって図1(a)の初期位置(第1
の位置)に復帰する。また、消泡時には、気泡発生領域
11での気泡40の収縮体積を補うため、また、吐出さ
れた液体の体積分を補うために上流側(B)、すなわち
共通液室13側から流れのVD1、VD2のように、ま
た、吐出口18側から流れのVcのように液体が流れ込
んでくる。
【0082】以上、気泡の発生に伴う可動部材の動作と
液体の吐出動作について説明したが、以下に、本形態の
液体吐出ヘッドにおける液体のリフィルについて詳しく
説明する。
【0083】図1を用いて本形態における液供給メカニ
ズムをさらに詳しく説明する。
【0084】図1(c)の後、気泡40が最大体積の状
態を経て消泡過程に入ったときには、消泡した体積を補
う体積の液体が気泡発生領域11に、第1液流路14の
吐出口18側と第2液流路16の共通液室側13から流
れ込む。可動部材31を持たない従来の液流路構造にお
いては、消泡位置に吐出口側から流れ込む液体の量と共
通液室から流れ込む液体の量は、気泡発生領域より吐出
口に近い部分と共通液室に近い部分との流抵抗の大きさ
に起因する(流路抵抗と液体の慣性に基づくものであ
る。)。
【0085】このため、吐出口に近い側の流抵抗が小さ
い場合には、多くの液体が吐出口側から消泡位置に流れ
込みメニスカスの後退量が大きくなることになる。特
に、吐出効率を高めるために吐出口に近い側の流抵抗を
小さくして吐出効率を高めようとするほど、消泡時のメ
ニスカスMの後退が大きくなり、リフィル時間が長くな
って高速印字を妨げることとなっていた。
【0086】これに対して本形態においては、可動部材
31を設けたため、気泡の体積Wを可動部材31の第1
位置を境に上側をW1、気泡発生領域11側をW2とし
た場合、消泡時に可動部材31が元の位置に戻った時点
でメニスカスの後退は止まり、その後残ったW2の体積
分の液体供給は主に第2流路16の流れVD2からの液
供給によって成される。これにより、従来、気泡Wの体
積の半分程度に対応した量がメニスカスの後退量になっ
ていたのに対して、それより少ないW1の半分程度のメ
ニスカス後退量に抑えることが可能になった。
【0087】さらに、W2の体積分の液体供給は消泡時
の圧力を利用して可動部材31の発熱体側の面に沿っ
て、主に第2液流路16の上流側(VD2)から強制的
に行うことができるためより速いリフィルを実現でき
た。
【0088】ここで特徴的なことは、従来のヘッドで消
泡時の圧力を用いたリフィルを行った場合、メニスカス
の振動が大きくなってしまい画像品位の劣化につながっ
ていたが、本形態の高速リフィルにおいては可動部材3
1によって吐出口18側の第1液流路14の領域と、気
泡発生領域11との吐出口18側での液体の流通が抑制
されるためメニスカスの振動を極めて少なくすることが
できることである。
【0089】このように本形態は、第2流路16の液供
給路12を介しての発泡領域への強制リフィルと、上述
したメニスカス後退や振動の抑制によって高速リフィル
を達成することで、吐出の安定や高速繰り返し吐出、ま
た記録の分野に用いた場合、画質の向上や高速記録を実
現することができる。
【0090】本形態の構成においては、さらに次のよう
な有効な機能を兼ね備えている。
【0091】それは、気泡の発生による圧力の上流側へ
の伝搬(バック波)を抑制することである。発熱体2上
で発生した気泡の内、共通液室13側(上流側)の気泡
による圧力は、その多くが、上流側に向かって液体を押
し戻す力(バック波)になっていた。このバック波は、
上流側の圧力と、それによる液移動量、そして液移動に
伴う慣性力を引き起こし、これらは液体の液流路内への
リフィルを低下させ高速駆動の妨げにもなっていた。
【0092】本形態においては、まず可動部材31によ
って上流側へのこれらの作用を抑えることでもリフィル
供給性の向上をさらに図っている。
【0093】次に、本形態の更なる特徴的な構造と効果
について、以下に説明する。
【0094】本形態における第2液流路16は、発熱体
2の上流に発熱体2と実質的に平坦につながる(発熱体
表面が大きく落ち込んでいない)内壁を持つ液体供給路
12を有している。このような場合、気泡発生領域11
および発熱体2の表面への液体の供給は、可動部材31
の気泡発生領域11に近い側の面に沿って、VD2のよ
うに行われる。このため、発熱体2の表面上に液体が淀
むことが抑制され、液体中に溶存していた気体の析出
や、消泡できずに残ったいわゆる残留気泡が除去され易
く、また、液体への蓄熱が高くなりすぎることもない。
従って、より安定した気泡の発生を高速に繰り返し行う
ことができる。なお、本形態では実質的に平坦な内壁を
持つ液体供給路12を持つもので説明したが、これに限
らず、発熱体2表面となだらかに繋がり、なだらかな内
壁を有する液供給路であればよく、発熱体2上に液体の
淀みや、液体の供給に大きな乱流を生じない形状であれ
ばよい。
【0095】また、気泡発生領域11への液体の供給
は、可動部材31の側部(スリット35)を介してVD
1から行われるものもある。しかし、気泡発生時の圧力
をさらに有効に吐出口18に導くために図1で示すよう
に気泡発生領域11の全体を覆う(発熱体面を覆う)よ
うに大きな可動部材31を用い、可動部材31が第1の
位置へ復帰することで、気泡発生領域11と第1液流路
14の吐出口18に近い領域との液体の流抵抗が大きく
なるような形態の場合、前述のVD1から気泡発生領域
11に向かっての液体の流れが妨げられる。しかし、本
形態のヘッド構造においては、気泡発生領域11に液体
を供給するための流れVD1があるため、液体の供給性
能が非常に高くなり、可動部材31で気泡発生領域11
を覆うような吐出効率向上を求めた構造を採っても、液
体の供給性能を落とすことがない。
【0096】図5は、本形態の液体の流れを説明するた
めの模式図である。
【0097】可動部材31の自由端32と支点33の位
置は、例えば図5で示されるように、自由端32が相対
的に支点33より下流側にある。このような構成のた
め、前述した発泡の際に気泡の圧力伝搬方向や成長方向
を吐出口18側に導く等の機能や効果を効率よく実現で
きるのである。さらに、この位置関係は吐出に対する機
能や効果のみならず、液体の供給の際にも液流路10を
流れる液体に対する流抵抗を小さくしでき高速にリフィ
ルできるという効果を達成している。これは図5に示す
ように、吐出によって後退したメニスカスMが毛管力に
より吐出口18へ復帰する際や、消泡に対しての液供給
が行われる場合に、液流路10(第1液流路14、第2
液流路16を含む)内を流れる流れS1、S2、S3に
対し、逆らわないように自由端32と支点33とを配置
しているためである。
【0098】補足すれば、本形態図1においては、前述
のように可動部材31の自由端32が、発熱体2を上流
側領域と下流側領域とに2分する面積中心3(発熱体の
面積中心(中央)を通り液流路の長さ方向に直交する
線)より下流側の位置に対向するように発熱体2に対し
て延在している。これによって発熱体2の面積中心位置
3より下流側で発生する液体の吐出に大きく寄与する圧
力、又は気泡40を可動部材31が受け、この圧力及び
気泡40を吐出口18側に導くことができ、吐出効率や
吐出力を根本的に向上させることができる。
【0099】さらに、加えて気泡40の上流側をも利用
して多くの効果を得ている。
【0100】また、本形態の構成においては可動部材3
1の自由端が瞬間的な機械的変位を行っていることも、
液体の吐出に対して有効に寄与している考えられる。
【0101】(第2の実施の形態)図6は、本発明に適
用可能な第2の実施の形態における液体吐出ヘッドの部
分破断斜視図である。
【0102】図6において、Aは可動部材31が変位し
ている状態を示し(気泡は図示せず)、Bは可動部材3
1が初期位置(第1位置)の状態を示し、このBの状態
をもって、気泡発生領域11を吐出口18に対して実質
的に密閉しているとする(ここでは、図示していないが
A、B間には流路壁があり流路と流路を分離してい
る)。
【0103】図6における可動部材31は土台34を側
部に2点設け、その間に液供給路12を設けている。こ
れにより、可動部材31の発熱体2側の面に沿って、ま
た、発熱体2の面と実質的に平坦もしくは、なだらかに
つながる面を持つ液供給路から液体の供給を成すことが
できる。
【0104】ここで、可動部材31の初期位置(第1位
置)では、可動部材31は発熱体2の下流側および横方
向に配された発熱体下流壁36と発熱体側壁37に近接
または密着しており、気泡発生領域11の吐出口18側
に実質的に密閉されている。このため、発泡時の気泡の
圧力、特に気泡の下流側の圧力を逃がさず可動部材31
の自由端側に集中的に作用させることができる。
【0105】また、消泡時には、可動部材31は第1位
置に戻り、発熱体2上への消泡時の液供給は気泡発生領
域11の吐出口18側が実質的に密閉状態になるため、
メニスカスの後退抑制等、先の実施の形態で説明した種
々の効果を得ることができる。また、リフィルに関する
効果においても先の実施の形態と同様の機能、効果を得
ることができる。
【0106】また、本形態においては、図2や図6のよ
うに、可動部材31を支持固定する土台34を発熱体2
より離れた上流に設けると共に液流路10より、小さな
幅の土台34とすることで前述のような液供給路12へ
の液体の供給を行っている。また、土台34の形状のこ
れに限らず、リフィルをスムースに行えるものであれば
よい。
【0107】なお、本形態においては可動部材31と発
熱体2の間隔を15μm程度としたが、気泡の発生に基
づく圧力が十分に可動部材に伝わる範囲であればよい。
【0108】(第3の実施の形態)図7は、本発明に適
用可能な第3の実施の形態における液体吐出ヘッドの部
分破断斜視図である。
【0109】図7は、一つの液流路中に気泡発生領域、
そこで発生する気泡および可動部材31との位置関係を
示していると共に、本形態の液体吐出方法やリフィル方
法をより分かり易くした図である。
【0110】前述の実施の形態の多くは、可動部材31
の自由端に対して、発生する気泡の圧力を集中して、急
峻な可動部材31の移動と同時に気泡の移動を吐出口1
8側に集中させることを達成している。
【0111】これに対して、本形態は、発生する気泡の
自由度を与えながら、滴吐出に直接作用する気泡の吐出
口18側である気泡の下流側部分を可動部材31の自由
端側で規制するものである。
【0112】構成上で説明すると、図7では、前述の図
2(第1の実施の形態)に比較すると、図2の素子基板
1上に設けられた気泡発生領域の下流端に位置するバリ
ヤーとしての凸部(図の斜線部分)が本形態では設けら
れていない。つまり、可動部材31の自由端領域および
両側端領域は、吐出口領域に対して気泡発生領域を実質
的に密閉せずに開放しており、この構成が本形態であ
る。
【0113】本形態では、気泡の液滴吐出に直接作用す
る下流側部分のうち、下流側先端部の気泡成長が許容さ
れているので、その圧力成分を吐出に有効に利用してい
る。加えて少なくともこの下流側部分の上方へ向かう圧
力(図3のV2,V3,V4の分力)を可動部材31の
自由端側部分が、この下流側先端部の気泡成長に加えら
れるように作用するため吐出効率を上述した実施の形態
と同様に向上する。前記実施の形態に比較して本形態
は、発熱体2の駆動に対する応答性が優れている。
【0114】また、本形態は、構造上簡単であるため製
造上の利点がある。
【0115】本形態施例の可動部材31の支点部は、可
動部材31の面部に対して小さい幅の1つの土台34に
固定されている。従って、消泡時の気泡発生領域11へ
の液体供給は、この土台の両側を通って供給される(図
の矢印参照)。この土台は供給性を確保するものであれ
ばどのような構造でもよい。
【0116】液体の供給時におけるリフィルは、本形態
の場合には、可動部材31の存在によって気泡の消泡に
ともなって上方から気泡発生領域へ流れ込む流れが制御
されるので、従来の発熱体のみの気泡発生構造に対して
優れたものとなる。無論、これによって、メニスカスの
後退量を減じることもできる。
【0117】本形態の変形例としては、可動部材31の
自由端に対する両側端(一方でも可)のみを気泡発生領
域11に対して実質的に密閉状態とすることは好ましい
ものとして挙げられる。この構成によれば、可動部材3
1の側方へ向かう圧力をも先に説明した気泡の吐出口1
8側端部の成長に変更して利用することができるので、
一層吐出効率が向上する。
【0118】(第4の実施の形態)前述した機械的変位
による液体の吐出力をさらに向上させた例を、本形態で
説明する。
【0119】図8は、本発明に適用可能な第4の実施の
形態における液体吐出ヘッドの断面図である。
【0120】図8においては、可動部材31の自由端3
2の位置が発熱体2のさらに下流側に位置するように、
可動部材31が延在している。これによって自由端32
位置での可動部材31の変位速度を高くすることがで
き、可動部材31の変位による吐出力の発生をさらに向
上させることができる。
【0121】また、自由端32が先の実施の形態に比較
して吐出口18側に近づくことになるので気泡40の成
長をより安定した方向成分に集中できるので、より優れ
た吐出を行うことができる。
【0122】また、気泡40の圧力中心部の気泡成長速
度に応じて、可動部材31は変位速度R1で変位する
が、この位置より支点33に対して、遠い位置の自由端
32はさらに速い速度R2で変位する。これにより、自
由端32を高い速度で機械的に液体に作用せしめ液移動
を起こさせることで吐出効率を高めている。
【0123】また、自由端形状は、図7と同じように液
流れに対して垂直な形状をすることにより、気泡40の
圧力や可動部材31の機械的な作用をより効率的に吐出
に寄与させることができる。
【0124】(第5の実施の形態)図9は、本発明に適
用可能な第5の実施の形態における液体吐出ヘッドの模
式断面図である。
【0125】本形態の構造は先の実施の形態と異なり、
吐出口18と直接連通する領域は液室側と連通した流路
形状となっておらず、構造の簡略化が図れるものであ
る。
【0126】液供給は全て、可動部材31の発泡領域側
の面に沿った液供給路12からのみ行われるもので、可
動部材31の自由端32や支点33の吐出口18に対す
る位置関係や発熱体2に面する構成は前述の実施の形態
と同様である。
【0127】本形態は、吐出効率や液供給性等、前述し
た効果を実現するものであるが、特に、メニスカスの後
退を抑制し消泡時の圧力を利用して、ほとんど全ての液
供給を消泡時の圧力を利用して、強制リフィルを行うも
のである。
【0128】図9(a)は、発熱体2により液体を発泡
させた状態を示しており、図9(b)は、前記発泡が収
縮しつつある状態で、このとき可動部材31の初期位置
への復帰とS3による液供給が行われる。
【0129】図9(c)では、可動部材31が、初期部
材が初期位置に復帰する際のわずかなメニスカス後退M
を、消泡後に吐出口18付近の毛細管力によって、リフ
ィルしている状態である。
【0130】(第6の実施の形態)本形態においても主
たる液体の吐出原理については先の実施の形態と同じで
あるが、本形態においては、液流路を複流路構成にする
ことで、さらに熱を加えることで発泡させる液体(発泡
液)と、主として吐出される液体(吐出液)とを分ける
ことができるものである。
【0131】図10は、本発明に適用可能な第6の実施
の形態における液体吐出ヘッドの断面図であり、図11
は、その第6の実施の形態における液体吐出ヘッドの部
分破断斜視図である。
【0132】本形態の液体吐出ヘッドは、液体に気泡を
発生させるための熱エネルギーを与える発熱体2が設け
られた素子基板1上に、発泡用の第2液流路16があ
り、その上に吐出口18に直接連通した吐出液用の第1
液流路14が配されている。
【0133】第1液流路14の上流側は、複数の第1液
流路14に吐出液を供給するための第1共通液室15に
連通しており、第2液流路16の上流側は、複数の第2
液流路16に発泡液を供給するための第2共通液室17
に連通している。
【0134】但し、発泡液と吐出液を同じ液体とする場
合には、共通液室を一つにして共通化させてもよい。
【0135】第1と第2の液流路の間には、金属等の弾
性を有する材料で構成された分離壁30が配されてお
り、第1液流路14と第2液流路16とを区分してい
る。なお、発泡液と吐出液とができる限り混ざり合わな
い方がよい液体の場合には、この分離壁30によって、
できる限り完全に第1液流路14と第2液流路16の液
体の流通を分離した方がよいが、発泡液と吐出液とがあ
る程度混ざり合っても、問題がない場合には、分離壁3
0に完全分離の機能を持たせなくてもよい。
【0136】発熱体2の面方向上方への投影空間(以
下、吐出圧発生領域という;図10中のAの領域とBの
気泡発生領域11)に位置する部分の分離壁30は、ス
リット35によって吐出口18側(液体の流れの下流
側)が自由端で、共通液室(15,17)側に支点33
が位置する片持梁形状の可動部材31となっている。こ
の可動部材31は、気泡発生領域11(B)に面して配
されているため、発泡液の発泡によって第1液流路14
側の吐出口18側に向けて開口するように動作する(図
中矢印方向)。図11においても、発熱体2としての発
熱抵抗部と、この発熱抵抗部に電気信号を印加するため
の配線電極5とが配された素子基板1上に、第2の液流
路16を構成する空間を介して分離壁30が配置されて
いる。
【0137】可動部材31の支点33、自由端32の配
置と、発熱体2との配置の関係については、先の実施の
形態と同様にしている。
【0138】また、先の実施の形態で液供給路12と発
熱体2との構造の関係について説明したが、本形態にお
いても第2液流路16と発熱体2との構造の関係を同じ
くしている。
【0139】次に、本形態の液体吐出ヘッドの動作につ
いて説明する。
【0140】図12は、可動部材の動作を説明するため
の図である。
【0141】ヘッドを駆動させるにあたっては、第1液
流路14に供給される吐出液と第2の液流路16に供給
される発泡液として同じ水系のインクを用いて動作させ
た。発熱体2が発生した熱が、第2液流路16の気泡発
生領域内の発泡液に作用することで、先の実施の形態で
説明したのと同様に発泡液に米国特許4,723,12
9号公報に記載されているような膜沸騰現象に基づく気
泡40を発生させる。
【0142】本形態においては、気泡発生領域11の上
流側を除く、3方からの発泡圧の逃げがないため、この
気泡発生にともなう圧力が吐出圧発生部に配された可動
部材31側に集中して伝搬し、気泡40の成長をともな
って可動部材31が図12(a)の状態から図12
(b)のように第1液流路14側に変位する。この可動
部材31の動作によって第1液流路14と第2液流路1
6とが大きく連通し、気泡40の発生に基づく圧力が第
1液流路14の吐出口側の方向(A方向)に主に伝わ
る。この圧力の伝搬と、前述のような可動部材31の機
械的変位によって液体が吐出口から吐出される。
【0143】次に、気泡が収縮するに伴って可動部材3
1が図12(a)の位置まで戻ると共に、第1液流路1
4では吐出された吐出液体の量に見合う量の吐出液体が
上流側から供給される。本形態においても、この吐出液
体の供給は前述の実施の形態と同様に、可動部材31が
閉じる方向であるため、吐出液体のリフィルを可動部材
31で妨げることがない。
【0144】本形態は、可動部材31の変位に伴う発泡
圧力の伝搬、気泡の成長方向、バック波の防止等に関す
る主要部分の作用や効果については先の第1の実施の形
態等と同じであるが、本形態のような2流路構成をとる
ことによって、さらに次のような長所がある。
【0145】すなわち、上述の形態の構成によると、吐
出液と発泡液とを別液体とし、発泡液の発泡で生じた圧
力によって吐出液を吐出することができる。このため従
来、熱を加えても発泡が十分に行われにくく吐出力が不
十分であったポリエチレングリコール等の高粘度の液体
であっても、この液体を第1の液流路に供給し、発泡液
に発泡が良好に行われる液体(エタノール:水=4:6
の混合液1〜2cP程度等)や低沸点の液体を第2の液
流路16に供給することで良好に吐出させることができ
る。
【0146】また、発泡液として、熱を受けても発熱体
の表面にコゲ等の堆積物を生じない液体を選択すること
で、発泡を安定化し、良好な吐出を行うことができる。
【0147】さらに、本発明に適用可能なヘッドの構造
においては先の実施の形態で説明したような効果をも生
じるため、さらに高吐出効率、高吐出力で高粘性液体等
の液体を吐出することができる。
【0148】また、加熱に弱い液体の場合においてもこ
の液体を第1の液流路14に吐出液として供給し、第2
の液流路16で熱的に変質しにくく良好に発泡を生じる
液体を供給すれば、加熱に弱い液体に熱的な害を与える
ことなく、しかも上述のように高吐出効率、高吐出力で
吐出することができる。
【0149】次に、上記第1〜第6の各実施の形態に係
る液体吐出ヘッドを搭載した液体吐出記録装置について
の説明を行なう。
【0150】図13は、液体吐出装置の概略構成図であ
る。
【0151】本形態では、特に吐出液体としてインクを
用いたインク吐出記録装置を用いて説明する。液体吐出
装置のキャリッジHCは、インクを収容する液体タンク
部90と液体吐出ヘッド部200とが着脱可能なヘッド
カートリッジを搭載しており、被記録媒体搬送手段で搬
送される記録紙等の被記録媒体150の幅方向に往復移
動する。
【0152】不図示の駆動信号供給手段からキャリッジ
上の液体吐出手段に駆動信号が供給されると、この信号
に応じて液体吐出ヘッドから被記録媒体に対して記録液
体が吐出される。
【0153】また、本形態の液体吐出装置においては、
被記録媒体搬送手段とキャリッジを駆動するための駆動
源としてのモータ111、駆動源からの動力をキャリッ
ジに伝えるためのギア112,113キャリッジ軸11
5等を有している。この記録装置及びこの記録装置で行
う液体吐出方法によって、各種の被記録媒体に対して液
体を吐出することで良好な画像の記録物を得ることがで
きた。
【0154】図14は、本発明に適用可能な液体吐出方
法および液体吐出ヘッドを適用したインク吐出記録を動
作させるための装置全体のブロック図である。
【0155】記録装置は、ホストコンピュータ300よ
り印字情報を制御信号として受ける。印字情報は印字装
置内部の入力インタフェイス301に一時保存されると
同時に、記録装置内で処理可能なデータに変換され、ヘ
ッド駆動信号供給手段を兼ねるCPU302に入力され
る。CPU302はROM303に保存されている制御
プログラムに基づき、前記CPU302に入力されたデ
ータをRAM304等の周辺ユニットを用いて処理し、
印字するデータ(画像データ)に変換する。
【0156】またCPU302は前記画像データを記録
用紙上の適当な位置に記録するために、画像データに同
期して記録用紙および記録ヘッドを移動する駆動用モー
タを駆動するための駆動データを作る。画像データおよ
びモータ駆動データは、各々ヘッドドライバ307と、
モータドライバ305を介し、ヘッド200および駆動
モータ306に伝達され、それぞれ制御されたタイミン
グで駆動され画像を形成する。
【0157】上述のような記録装置に適用でき、インク
等の液体の付与が行われる被記録媒体としては、各種の
紙やOHPシート、コンパクトディスクや装飾板等に用
いられるプラスチック材、布帛、アルミニュウムや銅等
の金属材、牛皮、豚皮、人工皮革等の皮革材、木、合板
等の木材、竹材、タイル等のセラミックス材、スポンジ
等の三次元構造体等を対象とすることができる。
【0158】また上述の記録装置として、各種の紙やO
HPシート等に対して記録を行うプリンタ装置、コンパ
クトディスク等のプラスチック材に記録を行うプラスチ
ック用記録装置、金属板に記録を行う金属用記録装置、
皮革に記録を行う皮革用記録装置、木材に記録を行う木
材用記録装置、セラミックス材に記録を行うセラミック
ス用記録装置、スポンジ等の三次元網状構造体に対して
記録を行う記録装置、又布帛に記録を行う捺染装置等を
も含むものである。
【0159】またこれらの液体吐出装置に用いる吐出液
としては、夫々の被記録媒体や記録条件に合わせた液体
を用いればよい。
【0160】以上、本発明の前提となる液体吐出記録ヘ
ッド、及び液体吐出ヘッドを利用した液体吐出記録装置
についての説明を行なったが、以下に、本発明の実施例
である4つの実施例について、図面を参照して説明す
る。
【0161】前述したような吐出原理を利用するヘッド
では、可動部材により気泡発生領域が吐出口領域と区分
されることから、吐出口に連通する第1の液流路と気泡
発生領域を含む第2の液流路とからなる2液流路構造を
とることができる。例えば、上述した第6の実施形態に
示したような2液流路構造をとることができる。このよ
うな2液流路構造を持つ液体吐出ヘッドでは、第1の液
流路に吐出用液が供給され、第2の液流路に発泡用液
(吐出用液とは異なる液)が供給される2液タイプのヘ
ッド、第1および第2の液流路ともに共通な液(実際は
吐出液であるが、2液タイプのヘッドにおける吐出液と
は異なる)が供給される1液タイプのヘッドを構成する
ことができ、2液タイプのヘッドでは、発泡液と吐出液
とが内部に区分収容された液体容器が用いられ、1液タ
イプのヘッドでは、共通液(吐出液)が内部に収容され
た液体容器が用いられる。前述した第1〜5の実施形態
のものにおいても、第1および第2の液流路を区分でき
るものは、上記のように1液タイプのヘッドと2液タイ
プのヘッドを構成できる。
【0162】上記のように1液タイプと2液タイプの2
つのタイプを構成可能な液体吐出ヘッドでは、1液タイ
プ用液体容器が2液タイプのヘッドに取り付けられた
り、2液タイプ用液体容器が1液タイプのヘッドに取り
付けられたりする可能性がある。1液タイプ用液体容器
が2液タイプのヘッドに取り付けられた場合は、2液タ
イプのヘッドの記録性能は実現されないにしても、従来
のバブルジェット方式を採用するヘッドと同等以上の記
録性能を十分に達成することはできる。しかし、2液タ
イプ用液体容器が1液タイプのヘッドに取り付けられた
場合は、以下のようなことが生じることが予想される。
【0163】前述の吐出原理の説明で述べたとおり、2
液タイプのヘッドの場合には高粘性の吐出液を用いる場
合があり、このような高粘性の液体を供給する2液タイ
プ用液体容器が1液タイプのヘッドに取り付けられてし
まうと、この高粘性の吐出液が発泡液として用いられ、
発熱体上で焦げつくことになり、安定な吐出ができない
ばかりか不吐出の原因となる。
【0164】本発明は、1液タイプ用液体容器の2液タ
イプのヘッドへの取り付けは行うことができるが、2液
タイプ用液体容器の1液タイプのヘッドへの取り付けは
行うことができないように、液体容器の取り付けの制限
を施した、液体吐出ヘッドと液体容器との取付構造を持
つ。 <実施例1>図15は本発明の一実施例の1液タイプ用
液体容器の斜視図で、図16は本発明の一実施例の2液
タイプ用液体容器の斜視図である。図17は本発明の液
体吐出ヘッドの被液体供給口の先端部の形状を説明する
ための図で、(a)は液体吐出ヘッドの斜視図、(b)
は本発明の一実施例の1液タイプの液体吐出ヘッドの被
液体供給口の先端部を形成するフィルター部の斜視図、
(c)は本発明の一実施例の1液タイプの液体吐出ヘッ
ドの被液体供給口の先端部を形成するフィルター部の斜
視図である。
【0165】図15に示す1液タイプ用液体容器601
は内部に共通液(吐出液)を収容しており、容器の一部
には、内部に収容された共通液(吐出液)を液体吐出ヘ
ッドへ供給するための液体供給口601aが設けられて
いる。
【0166】図16に示す2液タイプ用液体容器602
は内部に吐出液と発泡液とを区分収容しており、容器の
一部には、内部に収容された吐出液および発泡液を液体
吐出ヘッドへ供給するための液体供給口602a、60
2bが設けられている。これらの液体供給口602a、
602bの外径は上記液体供給口601aと同じになっ
ているが、その中央には、収容された吐出液および発泡
液を仕切るとともに、フィルター部の挿入方向および挿
入されるフィルター部の形状を制限するための仕切り部
602c(結合阻止部)が設けられている。
【0167】図17に示すフィルター部603,604
はともに先端側が広い円錐台形状をしており、その外径
はほぼ同じ大きさになっているが、フィルター部604
には、中央に、仕切り溝604aが設けられている。こ
の仕切り溝604aは、上記2液タイプ用液体容器60
2の液体供給口602a、602bに嵌込まれ込まれた
際に、液体供給口602aの仕切り部602cが丁度嵌
るようになっている。
【0168】上述のような構成の取付構造では、フィル
ター部603は1液タイプ用液体容器601に嵌込むこ
とができるが、2液タイプ用液体容器602には液体供
給口602aの仕切り部602cが設けられているの
で、嵌込むことはできない。一方、フィルター部604
は1液タイプ用液体容器601にも、2液タイプ用液体
容器602にも嵌込むことができる。なお、フィルター
部604を2液タイプ用液体容器602に嵌込んだ場
合、液体供給口602a、602bの仕切り部602c
が仕切り溝604aに丁度嵌まり、これによりフィルタ
ー部の挿入方向が決まるので、各液流路に供給される液
体を間違えることもない。このように、本実施例では液
体供給口602a、602bの形状を異ならせること
で、吐出液及び発泡液の誤装着防止を実現している。
【0169】以上のように、本実施例の取付構造によれ
ば、1液タイプ用液体容器は1液タイプおよび2液タイ
プのヘッドの双方に対して取り付けることができ、2液
タイプ用液体容器は2液タイプのヘッドのみにしか取り
付けることはできない。よって、このような取付構造の
液体吐出ヘッドおよび液体容器を備えるプリンターで
は、ユーザがあやまって2液タイプ用液体容器を1液タ
イプのヘッドへ取り付けることを防止できる。
【0170】さらには、2液タイプのヘッドを備えるプ
リンターでは、ユーザは画質に応じて1液タイプ用液体
容器または2液タイプ用液体容器を自由に選択して使用
できる。さらに、1液タイプ用液体容器のほかに、従来
のバブルジェット方式の記録ヘッド用の液体容器につい
ても、その結合部を1液タイプ用液体容器と同様の形状
にすることにより、従来のバブルジェット方式の記録ヘ
ッド用の液体容器(従来用液体容器)についても、2液
タイプのヘッドを備えるプリンターで使用可能となる。
従って、ユーザは、低価格である従来用液体容器、及び
1液タイプ用液体容器の使用も可能であり、さらには、
ユーザは従来用液体容器、1液タイプ用液体容器と、2
液タイプ用液体容器との区別を外見から判断できるの
で、これらを誤って購入するということがなくなる。
【0171】なお、以上説明した取付構造は、図面に示
した形状に限定されるものではなく、2液タイプ用液体
容器の取り付けを制限できる形状であればどのような形
状であってもよい。そこで、以下、容器の変形例につい
て説明する。
【0172】図16に示した2液タイプ用液体容器60
2は結合阻止部は吐出液と発泡液との仕切り板を兼ねる
構成となっていたが、必ずしも仕切り板を兼ねる必要は
ない。図18(a)〜(f)は、本発明の第1実施例の
変形例であり、(a)、(b)はそれぞれ2液タイプ
用、1液タイプ用液体容器の概略斜視図、(c)、
(d)はそれぞれ(a)、(b)の内部を示すための説
明斜視図、(e)、(f)はそれぞれ上記容器に対応す
る2液タイプ用、1液タイプ用の液体吐出ヘッドの概略
斜視図である。この変形例では、2液用の液体吐出ヘッ
ドにはそれぞれ発泡液、吐出液を導入するための2つの
インク導入管703、704が設けられ、一方の1液用
ヘッドには、吐出液体を導入するためのインク導入管7
05が設けられている。インク導入管703、704の
先端は円形であり、一方導入管705の先端は長円形で
ある。図18(a)、(b)に示すように、それぞれの
容器の液体供給口701a、701b、及び702a
は、それぞれ対応するインク供給管のフィルタ703、
704及び705が当接できる形状になっており、1液
タイプ用の液体容器702は図18(e)に示す2液タ
イプ用の液体吐出ヘッドに装着可能な構成となってい
る。
【0173】ここで、本変形例においては、図18
(b)に示す1液タイプ用の液体容器702を、図18
(e)に示す2液タイプ用のヘッドに結合させる場合、
液体供給口702aのうち、フィルタ703、704で
覆われない領域が存在する。そこで、本変形例のような
場合では、図18(d)に示すように、少なくとも1液
タイプ用液体容器の液体供給口近傍は、ウレタンフォー
ムや一方向繊維束などの負圧発生部材708を配置させ
ることで、2液タイプのヘッドに取り付けた時の液体容
器から外部への液体の流出を防いでいる。この時、2液
タイプの液体容器701についてもそれぞれの供給口に
ついて、図18(c)に示す負圧発生部材706、70
7を配置させると、2液タイプのヘッドについて、それ
ぞれ1液タイプ用液体容器、2液タイプ用液体容器を取
り付ける場合の、結合部の形状、及びそれぞれの容器に
収納された液体に対する流抵抗等に関する設計を単純化
できるので望ましい。
【0174】さらに、結合阻止部は必ずしも液体供給口
など、液体の供給に関与する部分になくてもよい。図1
9(a)〜(d)及び図20(a)〜(d)に、結合阻
止部を液体供給以外の部分に設けた本発明の変形例を示
す。
【0175】図19(a)〜(d)は、本発明の第1実
施例の変形例であり、(a)、(b)はそれぞれ2液タ
イプ用、1液タイプ用液体容器の概略斜視図、(c)、
(d)はそれぞれ上記容器に対応する2液タイプ用、1
液タイプ用の液体吐出ヘッドホルダーの概略斜視図であ
る。
【0176】図19に示す変形例では、(a)、(b)
に示す2液タイプ用液体容器711、1液タイプ用液体
容器712は、それぞれ液体供給口711a、711
b、及び712a、712bを有している。1液タイプ
用の液体容器712は、2つの液体供給口を配置してい
るが、内部は単独の液体を収容している。
【0177】ここで、液体供給711aと液体供給71
2a、液体供給711bと液体供給712bは同形状で
あり、本変形例の場合、液体供給口は結合阻止部とはな
っていない。2液タイプ用液体容器と1液タイプ用液体
容器との外見上の違いは、2液タイプ用液体容器の外面
に、凸部711cが設けられている点である。
【0178】そして、図19(c)、(d)に示すよう
に、本変形例では、それぞれの液体吐出記録ヘッド部を
液体容器が装着されやすいホルダー形状にしている。さ
らに、本変形例では、それぞれの液体吐出ヘッド部を有
するホルダーについて、収容される色のそれぞれ異なる
(例えば、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)4
つの液体収納容器を一体的に収容可能な構成となってお
り、このホルダーを記録装置のキャリッジ状に搭載する
ことで記録装置でカラー記録を行うことが出来るように
なっている。
【0179】ホルダーには、それぞれの容器の液体供給
口と接続可能なフィルタ717a及び717b等が設け
られ、このフィルタを介してそれぞれのヘッドへ液体が
供給される。このホルダーのうち、2液用ヘッドを有す
るホルダー713には、2液用液体容器に設けられた突
起711cに対応する切欠(凹部)715が設けられて
いるが、1液用ヘッドを有するホルダー714には、対
応する箇所には凹部が設けられていない。
【0180】従って、1液タイプ用の液体容器について
は、1液用ヘッド、2液用ヘッドのヘッドホルダーに装
着可能であるが、2液タイプ用の液体容器については、
凸部711cがあるために、図19(c)に示すように
凸部711cに対応する凹部715を有する2液用のホ
ルダー713には装着可能であるが、図19(d)に示
すようにこのような凹部のない1液用のホルダー714
には装着できない。
【0181】また、図20(a)〜(d)は別の変形例
を示す概略図であり、本変形例では、1液タイプ用の液
体容器722は1つの供給口722aと凹部722b
を、2液タイプ用の液体容器721はそれぞれ発泡液、
吐出液用の液体供給口721a、721bを備えてい
る。そして、ホルダーについては、1液タイプ用のホル
ダー724には、凹部722bに対応する凸部725が
設けられているが、2液タイプ用のホルダー723には
このような凸部は設けられていない。ホルダー723に
は液体容器721の液体供給口721a,721bに対
応するフィルタ726a,726bが設けられ、ホルダ
ー724には液体容器722の液体供給口722aに対
応するフィルタ727が設けられている。本変形例で
は、結合阻止部はホルダー側の凸部725と、液体供給
口により実現されている。
【0182】以上説明した各変形例では、いずれも2液
タイプ用液体容器602は内部に吐出液と発泡液とを区
分収容した構成となっているが、例えば図21に示すよ
うに仕切り部602cから分割した別々の容器612,
613より構成されるものであってもよい。
【0183】ここで、2液タイプのヘッドに対する、吐
出液と発泡液との誤装着防止のために、供給口につい
て、形状だけでなく、その位置を変えてもよいことは言
うまでもない。
【0184】さらに、発泡液については必ずしも記録ヘ
ッド部に対して容易に着脱可能な構成となっていなくて
もよく、この時、少なくとも2液ヘッド用の発泡液が他
のヘッドに誤って取り付けられないような構成となって
いればよい。
【0185】図22(a)〜(d)はこのような変形例
を説明するための概略図であり、(a)、(b)はそれ
ぞれ2液タイプ用、1液タイプ用液体容器の概略斜視
図、(c)、(d)はそれぞれ上記容器に対応する2液
タイプ用、1液タイプ用の液体吐出ヘッドの概略斜視図
である。
【0186】本変形例では、2液タイプ用の液体容器7
31は吐出液のみ収容しており、発泡液は記録装置に別
に用意された発泡液収容タンク(不図示)から、不図示
のチューブなどを介して図22(c)に示す発泡液導入
管733より記録ヘッドへ供給される。
【0187】1液タイプ用液体容器、2液タイプ用液体
容器のそれぞれの液体供給口732a、731aは、例
えばゴム等の弾性部材によりシールされており、それぞ
れの容器は内部に液体が収納されている。
【0188】一方、1液用ヘッド部738、及び2液用
のヘッド部735については、それぞれの記録ヘッド部
へ液体を導入するための中空針状のインク導入管73
7、734が設けられている。そして、2液用のヘッド
部735については、2液タイプ用液体容器731のイ
ンク供給口を有する面に設けられた突起731bと係合
する凹部736を有している。本変形例では、2液タイ
プ用液体容器731の記録ヘッド部のとの結合面に設け
られた突起731bにより、2液タイプ用液体容器73
1の1液タイプ用のヘッドへの誤装着を防止するととも
に、1液タイプ用液体容器732と1液タイプ用液体容
器について、突起731b以外を同じ構成とするとこに
よって、1液タイプ用液体容器が2液タイプ用のヘッド
へ装着することを実現可能としている。
【0189】以上の説明において、液体容器が搭載され
る液体吐出記録装置については、同時に一つの液体容器
及び記録ヘッドを搭載する構成であっても、例えばカラ
ー印刷等、色の異なる複数種類の吐出液を収容する複数
の液体容器及びそれに対応する記録ヘッドを同時に搭載
する構成であってもよいことは言うまでもない。後者に
おいて、各種類ごとに用意した容器の判別は、従来用い
られているような、色(種類)ごとにラベルを用意する
ことで、ユーザが誤った色の容器をヘッドに取り付ける
ことを防ぐとこが出来る。
【0190】<実施例2>上述した実施例では、液体容
器に収容される吐出液は1種類であったが、複数種類の
吐出液(例えば、色の異なる吐出液)を用いることもあ
り、その際、容器を各種類毎ではなく、一体に構成する
ことがある。本実施例では、このように複数種類の吐出
液を一体的に収容する液体容器の場合について説明す
る。
【0191】図23は、本発明の一実施例の複数種類の
吐出液を収容する1液タイプ用液体容器の斜視図で、図
24は本発明の一実施例の複数種類の吐出液を収容する
2液タイプ用液体容器の斜視図である。
【0192】図23に示す1液タイプ用液体容器605
は、図15に示した液体供給口601aと同様の形状を
した液体供給口605a,605b,605cが設けら
れており、図17に示したフィルター部603、仕切り
溝604aが設けられたフィルター部604の双方に対
して嵌込むことができる構成となっている。各液体供給
口605a,605b,605cからは、容器内に区分
収容された3種類の吐出液がそれぞれ供給される。
【0193】一方、図24に示す2液タイプ用液体容器
606は、図16に示した仕切り部602cを備える液
体供給口602aと同様の形状をした液体供給口606
a,606b,606cが設けられており、図17に示
した仕切り溝604aが設けられたフィルター部604
に対してのみ嵌込むことができる構成となっている。液
体供給口606a,606b,606cからは、容器内
に区分収容された3種類の吐出液および発泡液がそれぞ
れ供給される。
【0194】上記のような構成とすることにより、複数
種類の吐出液を使用する場合においても、2液タイプ用
液体容器の1液タイプのヘッドへの取り付けを制限する
ことができ、上述した実施例1と同様の効果を得られ
る。
【0195】<実施例3>上述したような2液タイプの
ヘッドでは、例えば、1液タイプ用液体容器が取り付け
られた場合には、この液体容器から供給される吐出液は
発泡液としても用いられ、その粘性は低いことから、発
熱体への印加電圧は低くてすむ。このように発熱体への
印加電圧が低くてすむ場合は、駆動パワーを減少させた
り、予備パルス数や回数を低減することで消費電力およ
び消費インクの低減が図られる。
【0196】他方、2液タイプ用液体容器が取り付けら
れた場合は、記録性能向上のため粘性の高い吐出液が用
いられることもあり、この場合の発熱体への印加電圧は
高いものとなる。このように発熱体への印加電圧を高く
する必要がある場合は、駆動パワーを大きくし、予備パ
ルス数や回数を増す必要がある。
【0197】上述のように、1液タイプ用液体容器が取
り付けられた場合と、2液タイプ用液体容器が取り付け
られた場合とでは、発泡特性や吐出特性が異なるため、
取り付けられる液体容器が1液タイプ用液体容器か、2
液タイプ用液体容器かによって発熱体への印加電圧やそ
の駆動パルス幅等を適切な値に設定し、それぞれの場合
に応じた駆動動作、所謂回復操作を行う必要がある。
【0198】このことを利用すると、例えば、2液用の
タイプのヘッドに従来のバブルジェット方式に用いられ
る負圧発生型液体容器を取り付ける場合、駆動周波数を
2液タイプ用の液体容器を接続する場合に比べてやや低
くすることで、従来のバブルジェットヘッドでは容器の
発生する負圧が大きくなって吐出出来なかった容器内部
に取り残されたインクの一部を吐出すること、すなわ
ち、液体容器の使用効率を向上させることも可能であ
る。
【0199】本実施例では、取り付けられた液体容器が
1液タイプ用液体容器であるのか、2液タイプ用液体容
器であるのかを認識するために、1液タイプ用液体容器
および2液タイプ用液体容器は以下のような構成となっ
ている。
【0200】図25に示すように、1液タイプ用液体容
器607には、図15に示した液体供給口601aと同
様の形状をした液体供給口607aが形成されており、
その面の一部に2つの電極パッド617a,617bが
設けられている。
【0201】図26に示すように、2液タイプ用液体容
器608には、図16に示した液体供給口602aと同
様の形状をした液体供給口608aが形成されており、
その面の一部には、電極パッド617a,617bとは
異なる配置の2つの電極パッド618a,618bが設
けられている。
【0202】上記1液タイプ用液体容器607、2液タ
イプ用液体容器608が搭載される装置の液体容器搭載
部(キャリッジ)には、各電極パッド617a,617
b,618a,618bにそれぞれ対応する位置に電極
ピンが形成されており、いずれの電極パッドと電極ピン
が接続したかによって、搭載された液体容器の区別がで
きるようになっている。
【0203】本実施例の液体吐出装置では、例えば前述
の図14に示した記録装置のCPU302が、搭載され
た液体容器が1液タイプ用液体容器607か2液タイプ
用液体容器608かのいずれであるのかを電極パッドと
電極ピンとの接続により検知し、適切な吐出動作や適切
な回復動作(シーケンス)を行う。例えば、1液タイプ
用液体容器607が搭載された場合には、気泡発生パワ
ー(気泡発生領域の範囲)を小さくし、2液タイプ用液
体容器608が搭載された場合には、気泡発生パワー
(気泡発生領域の範囲)を大きくするといったことを行
って、吐出動作や回復動作を行う。気泡発生パワーの制
御は、具体的には、発熱体への印加電圧を低くしたり、
高くしたりすることにより行われる。
【0204】なお、本実施例においても、2液タイプ用
液体容器の1液タイプのヘッドへの取り付けを制限する
ことができるので、上述した実施例1と同様の効果を得
られる。
【0205】さらに、上述の説明では、液体容器が搭載
される液体吐出記録装置について、同時に一つのカート
リッジが搭載される場合で説明したが、例えば色の異な
る複数種類の吐出液を収容する複数のカートリッジを同
時に搭載してもよいことは言うまでもない。この場合、
各種類ごとに用意した容器について、1液用、2液用の
認識自体は上述の電極パッドなどの識別素子を用い、種
類に関する認識については、第1実施例と同様に、従来
用いられているような色(種類)ごとにラベルを用意す
ることで、ユーザが誤った色の容器をヘッドに取り付け
ることを防ぐことが出来る。
【0206】<実施例4>上述の実施例3の説明では、
液体容器側に設けられた電極パッドと装置本体側に設け
られた電極ピンとの接続状態より、2液タイプのヘッド
に取り付けられた液体容器がどちらのタイプのものかを
認識しているが、この手法を用いて1液タイプのヘッド
において2液タイプ用の液体容器からの液体供給を制限
することもできる。
【0207】例えば、液体吐出ヘッドへの液体供給を制
御する制御弁を液体容器側もしくはヘッド側に設け、記
録装置のCPU302が、搭載された液体容器が1液タ
イプ用液体容器であるか否かを電極パッドと電極ピンと
の接続により検知し、1液タイプ用液体容器が搭載され
た場合にのみ、制御弁を開放して液体供給を行わせるよ
うにする。この場合、制御部は、1液タイプ用液体容器
が搭載された場合にのみ、液体吐出ヘッドにおける吐出
動作を行うようにすることが望ましい。
【0208】なお、本実施例のように液体容器側に設け
られた電極パッドと装置本体側に設けられた電極ピンと
の接続状態により、1液タイプのヘッドにおいて2液タ
イプ用の液体容器からの液体供給を制限する場合には、
1液タイプ用、2液タイプ用の液体容器の液体供給口の
形状は共通で、それぞれの記録ヘッドに対して結合可能
な構成であっても構わない。これは、仮に1液タイプの
ヘッドにおいて2液タイプ用の液体容器が結合された場
合であっても、1液タイプのヘッドに対して液体の供給
は行われないからである。
【0209】(その他の実施の形態)以上、本発明の要
部の実施の形態について説明を行ったが、以下に、これ
らの実施の形態に好ましく適用できる液体吐出ヘッド等
の実施態様例について図面を用いて説明する。但し、以
下の説明においては、前述の1流路形態の実施の形態と
2流路形態の実施の形態のいずれかを取り上げて説明す
る場合があるが、特に記載しない限り、両形態に適用し
うるものである。
【0210】<液流路の天井形状>図27は、可動部材
と第1液流路の構造を説明するための図である。
【0211】図27に示すように、第1液流路13(若
しくは図1における液流路10)を構成するための溝が
設けられた溝付き部材50が分離壁30上に設けられて
いる。本形態においては、可動部材の自由端32位置近
傍の流路天井の高さが高くなっており、可動部材の動作
角度θをより大きく取れるようにしている。この可動部
材の動作範囲は、液流路の構造、可動部材の耐久性や発
泡力等を考慮して決定すればよいが、吐出口の軸方向の
角度を含む角度まで動作することが望ましいと考えられ
る。
【0212】また、この図で示されるように吐出口の直
径より可動部材の自由端の変位高さを高くすることで、
より十分な吐出力の伝達が成される。また、この図で示
されるように、可動部材の自由端32位置の液流路天井
の高さより可動部材の支点33位置の液流路天井の高さ
の方が低くなっているため、可動部材の変位よる上流側
への圧力波の逃げがさらに有効に防止できる。
【0213】<第2液流路と可動部材との配置関係>図
28は、可動部材と液流路の構造を説明するための図で
あり、(a)は分離壁30及び可動部材31近傍を上方
から見た図、(b)は分離壁30を外した第2液流路1
6を上方から見た図、(c)は可動部材6と第2液流路
16との配置関係をこれらの各要素を重ねることで模式
的に示した図である。なお、いずれの図も図面下方が吐
出口が配されている前面側である。
【0214】本形態の第2の液流路16は発熱体2の上
流側(ここでの上流側とは第2共通液室側から発熱体位
置、可動部材、第1流路を経て吐出口に向う大きな流れ
の中の上流側のことである)に狭窄部19を持ってお
り、発泡時の圧力が第2液流路16の上流側に容易に逃
げることを抑制するような室(発泡室)構造となってい
る。
【0215】従来のヘッドのように、発泡する流路と液
体を吐出するための流路とが同じで、発熱体より液室側
に発生した圧力が共通液室側に逃げないように狭窄部を
設けるヘッドの場合には、液体のリフィルを充分考慮し
て、狭窄部における流路断面積があまり小さくならない
構成を採る必要があった。
【0216】しかし、本形態の場合、吐出される液体の
多くを第1液流路内の吐出液とすることができ、発熱体
が設けられた第2液流路内の発泡液はあまり消費されな
いようにできるため、第2液流路の気泡発生領域11へ
の発泡液の充填量は少なくて良い。従って、上述の狭窄
部19における間隔を数μm〜十数μmと非常に狭くで
きるため、第2液流路で発生した発泡時の圧力をあまり
周囲に逃がすことをさらに抑制でき、集中して可動部材
側に向けることができる。そしてこの圧力を可動部材3
1を介して吐出力として利用することができるため、よ
り高い吐出効率、吐出力を達成することができる。た
だ、第1液流路16の形状は上述の構造に限られるもの
ではなく、気泡発生に伴う圧力が効果的に可動部材側に
伝えられる形状であれば良い。
【0217】なお、図28(c)で示されるように、可
動部材31の側方は、第2液流路を構成する壁の一部を
覆っており、このことで、可動部材31の第2液流路へ
の落ち込みが防止できる。これによって、前述した吐出
液と発泡液との分離性をさらに高めることができる。ま
た、気泡のスリットからの逃げの抑制ができるため、さ
らに吐出圧や吐出効率を高めることができる。さらに、
前述の消泡時の圧力による上流側からのリフィルの効果
を高めることができる。
【0218】なお、図12(b)や図27においては、
可動部材6の第1の液流路14側への変位に伴って第2
の液流路4の気泡発生領域で発生した気泡の一部が第1
の液流路14側に延在しているが、この様に気泡が延在
するような第2流路の高さにすることで、気泡が延在し
ない場合に比べ更に吐出力を向上させることができる。
この様に気泡が第1の液流路14に延在するようにする
ためには、第2の液流路16の高さを最大気泡の高さよ
り低くすることが望ましく、この高さを数μm〜30μ
mとすることが望ましい。なお、本形態においてはこの
高さを15μmとした。
【0219】<可動部材および分離壁>図29は、可動
部材の他の形状を説明するための図であり、(a)は長
方形の形状を示す図、(b)は支点側が細くなっている
形状で可動部材の動作が容易な形状を示す図、(c)は
支点側が広くなっており、可動部材の耐久性が向上する
形状を示す図である。
【0220】図29において、35は、分離壁に設けら
れたスリットであり、このスリットによって、可動部材
31が形成されている。動作の容易性と耐久性が良好な
形状として、図28(a)で示したように、支点側の幅
が円弧状に狭くなっている形態が望ましいが、可動部材
の形状は第2の液流路側に入り込むことがなく、容易に
動作可能な形状で、耐久性に優れた形状であればよい。
【0221】先の実施の形態においては、板状可動部材
31をおよびこの可動部材を有する分離壁5は厚さ5μ
mのニッケルで構成したが、これに限られることなく可
動部材、分離壁を構成する材質としては発泡液と吐出液
に対して耐溶剤性があり、可動部材として良好に動作す
るための弾性を有し、微細なスリットが形成できるもの
であればよい。
【0222】可動部材の材料としては、耐久性の高い、
銀、ニッケル、金、鉄、チタン、アルミニュウム、白
金、タンタル、ステンレス、りん青銅等の金属、および
その合金、または、アクリロニトリル、ブタジエン、ス
チレン等のニトリル基を有する樹脂、ポリアミド等のア
ミド基を有する樹脂、ポリカーボネイト等のカルボキシ
ル基を有する樹脂、ポリアセタール等のアルデヒド基を
持つ樹脂、ポリサルフォン等のスルホン基を持つ樹脂、
そのほか液晶ポリマー等の樹脂およびその化合物、耐イ
ンク性の高い、金、タングステン、タンタル、ニッケ
ル、ステンレス、チタン等の金属、これらの合金および
耐インク性に関してはこれらを表面にコーティングした
もの若しくは、ポリアミド等のアミド基を有する樹脂、
ポリアセタール等のアルデヒド基を持つ樹脂、ポリエー
テルエーテルケトン等のケトン基を有する樹脂、ポリイ
ミド等のイミド基を有する樹脂、フェノール樹脂等の水
酸基を有する樹脂、ポリエチレン等のエチル基を有する
樹脂、ポリプロピレン等のアルキル基を持つ樹脂、エポ
キシ樹脂等のエポキシ基を持つ樹脂、メラミン樹脂等の
アミノ基を持つ樹脂、キシレン樹脂等のメチロール基を
持つ樹脂およびその化合物、さらに二酸化珪素等のセラ
ミックおよびその化合物が望ましい。
【0223】分離壁の材質としては、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレー
ト、メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポ
リブタジエン、ポリウレタン、ポリエーテルエーテルケ
トン、ポリエーテルサルフォン、ポリアリレート、ポリ
イミド、ポリサルフォン、液晶ポリマー(LCP)等の
近年のエンジニアリングプラスチックに代表される耐熱
性、耐溶剤性、成型性の良好な樹脂、およびその化合
物、もしくは、二酸化珪素、チッ化珪素、ニッケル、
金、ステンレス等の金属、合金およびその化合物、もし
くは表面にチタンや金をコーティングしたものが望まし
い。
【0224】また、分離壁の厚さは、分離壁としての強
度を達成でき、可動部材として良好に動作するという観
点からその材質と形状等を考慮して決定すればよいが、
0.5μm〜10μm程度が望ましい。
【0225】なお、可動部材31を形成するためのスリ
ット35の幅は本実施例では2μmとしたが、発泡液と
吐出液とが異なる液体であり、両液体の混液を防止した
い場合は、スリット幅を両者の液体間でメニスカスを形
成する程度の間隔とし、夫々の液体同士の流通を抑制す
ればよい。例えば、発泡液として2cp(センチポア
ズ)程度の液体を用い、吐出液として100cp以上の
液体を用いた場合には、5μm程度のスリットでも混液
を防止することができるが、3μm以下にすることが望
ましい。
【0226】本形態における可動部材としてはμmオー
ダーの厚さ(tμm)を対象としており、cmオーダー
の厚さの可動部材は意図していない。μmオーダーの厚
さの可動部材にとって、μmオーダーのスリット幅(W
μm)を対象とする場合、製造のバラツキをある程度考
慮することが望ましい。
【0227】スリットを形成する可動部材の自由端ある
いは/且つ側端に対向する部材の厚みが可動部材の厚み
と同等の場合(図12,図27等)、スリット幅と厚み
の関係を製造のバラツキを考慮して以下のような範囲に
することで発泡液と吐出液の混液を安定的に抑制するこ
とができる。このことは限られた条件ではあるが設計上
の観点として、3cp以下の粘度の発泡液に対して高粘
度インク(5cp、10cp等)を用いる場合、W/t
≦1を満足するようにすることで、2液の混合を長期に
わたって抑制することが可能な構成となった。
【0228】本形態の「実質的な密閉状態」を与えるス
リットとしては、このような数μmオーダであればより
確実である。
【0229】上述のように、発泡液と吐出液とに機能分
離させた場合、可動部材がこれらの実質的な仕切部材と
なる。この可動部材が気泡の生成に伴って移動する際に
吐出液に対して発泡液がわずかに混入することが見られ
る。画像を形成する吐出液は、インクジェット記録の場
合、色材濃度を3%乃至5%程度有するものが一般的で
あることを考慮すると、この発泡液が吐出液滴に対して
20%以下の範囲で含まれても大きな濃度変化をもたら
さない。従って、このような混液としては、吐出液滴に
対して20%以下となるような発泡液と吐出液との混合
を本形態に含むものとする。
【0230】尚、上記構成例の実施では、粘性を変化さ
せても上限で15%の発泡液の混合であり、5cp以下
の発泡液では、この混合比率は、駆動周波数にもよる
が、10%程度を上限とするものであった。
【0231】特に、吐出液の粘度を20cp以下にすれ
ばする程、この混液は低減(例えば5%以下)できる。
【0232】次に、このヘッドにおける発熱体と可動部
材の配置関係について、図を用いて説明する。ただし、
可動部材と発熱体の形状および寸法,数は、以下に限定
されるものではない。発熱体と可動部材の最適な配置に
よって、発熱体による発泡時の圧力を吐出圧として有効
に利用することが可能となる。
【0233】図30は、発熱体面積とインク吐出量の関
係を示す図である。
【0234】熱等のエネルギーをインクに与えること
で、インクに急峻な体積変化(気泡の発生)を伴う状態
変化を生じさせ、この状態変化に基づく作用力によって
吐出口からインクを吐出し、これを被記録媒体上に付着
させて画像形成を行うインクジェット記録方法、いわゆ
るバブルジェット記録方法の従来技術においては、図3
0に示すように、発熱体面積とインク吐出量は比例関係
にあるが、インク吐出に寄与しない非発泡有効領域Sが
存在していることがわかる。また、発熱体上のコゲの様
子から、この非発泡有効領域Sが発熱体の周囲に存在し
ていることがわかる。これらの結果から、発熱体周囲の
約4μm幅は、発泡に関与されていないとされている。
【0235】したがって、発泡圧を有効利用するために
は、発熱体の周囲から約4μm以上内側の発泡有効領域
の直上が可動部材の可動領域で覆われるように、可動部
材を配置するのが効果的であると言える。本形態におい
ては、発泡有効領域を発熱体周囲から約4μm以上内側
としたが、発熱体の種類や形成方法によっては、これに
限定されるものではない。
【0236】図31は可動部材と発熱体との位置関係を
示す図であり、58×150μmの発熱体2に可動領域
の総面積が異なる可動部材301((a)図)、可動部
材302((b)図)を配置したときの上部から見た模
式図である。
【0237】可動部材301の寸法は、53×145μ
mで、発熱体2の面積よりも小さいが、発熱体2の発泡
有効領域と同じ程度の寸法であり、該発泡有効領域を覆
うように、配置されている。一方、可動部材302の寸
法は、53×220μmで発熱体2の面積よりも大きく
(幅寸法を同じにした場合、支点〜可動先端間の寸法が
発熱体の長さよりも長い)、可動部材301と同じよう
に発泡有効領域を覆うように配置されている。上記2種
の可動部材301、302に対し、それらの耐久性と吐
出効率について測定を行った。測定条件は以下の通りで
ある。
【0238】 発泡液 : エタノール40%水溶液 吐出用インク: 染料インク 電圧 : 20.2V 周波数 : 3kHz この測定条件で実験を行った結果、可動部材の耐久性に
関しては、(a)可動部材301の方は、1×107パ
ルス印加したところで可動部材301の支点部分に損傷
が見られた。(b)可動部材302の方は、3×108
パルス印加しても、損傷は見られなかった。また、投入
エネルギーに対する吐出量と吐出速度からもとまる運動
エネルギーも約1.5〜2.5倍程度向上することが確
認された。
【0239】以上の結果から、耐久性、吐出効率の両面
からみても、発泡有効領域の真上を覆うように可動部材
を設け、該可動部材の面積が発熱体の面積よりも大きい
方が、優れていることがわかる。
【0240】図32は、発熱体のエッジから可動部材の
支点までの距離と、可動部材の変位量の関係を示す図で
あり、図33は、発熱体2と可動部材31との配置関係
を側面方向から見た断面構成図である。
【0241】発熱体2は40×105μmのものを用い
た。発熱体2のエッジから可動部材31の支点33まで
の距離lが大きい程、変位量が大きいことがわかる。し
たがって、要求されるインクの吐出量や吐出液の流路構
造および発熱体形状などによって、最適変位量を求め、
可動部材の支点の位置を決めることが望ましい。
【0242】また、可動部材の支点が発熱体の発泡有効
領域直上に位置する場合は、可動部材の変位による応力
に加え、発泡圧力が直接支点に加わるため可動部材の耐
久性が低下してしまう。本発明者の実験によると、発泡
有効領域の真上に支点を設けたものでは、1×106パ
ルス程度で、可動壁に損傷が生じており、耐久性が低下
してしまうことが分かっている。したがって、可動部材
の支点は、発熱体の発泡有効領域直上外に配置すること
で耐久性がそれ程高くない形状や材質の可動部材であっ
ても実用可能性が高くなる。ただし、前記発泡有効領域
直上に支点がある場合でも形状や材質を選択すれば、良
好に用いることができる。かかる構成において、高吐出
効率および耐久性に優れた液体吐出ヘッドが得られる。
【0243】<素子基板>以下に、液体に熱を与えるた
めの発熱体が設けられた素子基板の構成について説明す
る。
【0244】図34は、本発明に適用可能な液体吐出ヘ
ッドの縦断面図であり、(a)は後述する保護膜がある
ヘッドを示す図、(b)は保護膜がないヘッドを示す図
である。
【0245】素子基板1上に第2液流路16、分離壁3
0、第1液流路14、第1液流路を構成する溝を設けた
溝付き部材50が配されている。
【0246】素子基板1には、シリコン等の気体107
に絶縁および蓄熱を目的としたシリコン酸化膜またはチ
ッ化シリコン膜106を成膜し、その上に発熱体を構成
するハフニュウムボライド(HfB2)、チッ化タンタ
ル(TaN)、タンタルアルミ(TaAl)等の電気抵
抗層105(0.01〜0.2μm厚)とアルミニュウ
ム等の配線電極(0.2〜1.0μm厚)を図11のよ
うにパターニングされている。この2つの配線電極10
4から抵抗層105に電圧を印加し、抵抗層に電流を流
し発熱させる。配線電極間の抵抗層上には、酸化シリコ
ンやチッ化シリコン等の保護層を0.1〜2.0μm厚
で形成し、さらにそのうえにタンタル等の耐キャビテー
ション層(0.1〜0.6μm厚)が成膜されており、
インク等の各種の液体から抵抗層105を保護してい
る。
【0247】特に、気泡の発生、消泡の際に発生する圧
力や衝撃波は非常に強く、堅くてもろい酸化膜の耐久性
を著しく低下させるため、金属材料のタンタル(Ta)
等が耐キャビテーション層として用いられる。
【0248】また、液体、液流路構成、抵抗材料の組み
合わせにより上述の保護層を必要としない構成でもよく
その例を図34(b)に示す。このような保護層を必要
としない抵抗層の材料としてはイリジュウム−タンタル
−アルミ合金等が挙げられる。
【0249】このように、前述の各実施例における発熱
体の構成としては、前述の電極間の抵抗層(発熱部)だ
けででもよく、また抵抗層を保護する保護層を含むもの
でもよい。
【0250】本形態においては、発熱体として電気信号
に応じて発熱する抵抗層で構成された発熱部を有するも
のを用いたが、これに限られることなく、吐出液を吐出
させるのに十分な気泡を発泡液に生じさせるものであれ
ばよい。例えば、発熱部としてレーザ等の光を受けるこ
とで発熱するような光熱変換体や高周波を受けることで
発熱するような発熱部を有する発熱体でもよい。
【0251】なお、前述の素子基板1には、前述の発熱
部を構成する抵抗層105とこの抵抗層に電気信号を供
給するための配線電極104で構成される電気熱変換体
の他に、この電気熱変換素子を選択的に駆動するための
トランジスタ、ダイオード、ラッチ、シフトレジスタ等
の機能素子が一体的に半導体製造工程によって作り込ま
れていてもよい。
【0252】また、前述のような素子基板1に設けられ
ている電気熱変換体の発熱部を駆動し、液体を吐出する
ためには、前述の抵抗層105に配線電極104を介し
て図35で示されるような矩形パルスを印加し、配線電
極間の抵抗層105を急峻に発熱させる。
【0253】図35は、駆動パルスの形状を示す模式図
である。
【0254】前述の各形態のヘッドにおいては、それぞ
れ電圧24V、パルス幅7μsec、電流150mA、
電気信号を6kHzで加えることで発熱体を駆動させ、
前述のような動作によって、吐出口から液体であるイン
クを吐出させた。しかしながら、駆動信号の条件はこれ
に限られることなく、発泡液を適正に発泡させることが
できる駆動信号であればよい。
【0255】<2流路構成のヘッド構造>以下に、第
1、第2の共通液室に異なる液体を良好に分離して導入
でき部品点数の削減を図れ、コストダウンを可能とする
液体吐出ヘッドの構造例について説明する。
【0256】図36は、本発明に適用可能な液体吐出ヘ
ッドの供給路を説明するための断面図であり、先の実施
の形態と同じ構成要素については同じ符号を用いてお
り、詳しい説明はここでは省略する。
【0257】本形態においては、溝付き部材50は、吐
出口18を有するオリフィスプレート51と、複数の第
1液流路14を構成する複数の溝と、複数の液流路14
に共通して連通し、各第1の液流路3に液体(吐出液)
を供給するための第1の共通液室15を構成する凹部と
から概略構成されている。
【0258】この溝付部材50の下側部分に分離壁30
を接合することにより複数の第1液流路14を形成する
ことができる。このような溝付部材50は、その上部か
ら第1共通液室15内に到達する第1液体供給路20を
有している。また、溝付部材50は、その上部から分離
壁30を突き抜けて第2共通液室17内に到達する第2
の液体供給路21を有している。
【0259】第1の液体(吐出液)は、図36の矢印C
で示すように、第1液体供給路20を経て、第1の共通
液室15、次いで第1の液流路14に供給され、第2の
液体(発泡液)は、図36の矢印Dで示すように、第2
液体供給路21を経て、第2共通液室17、次いで第2
液流路16に供給されるようになっている。
【0260】本形態では、第2液体供給路21は、第1
液体供給路20と平行して配されているが、これに限る
ことはなく、第1共通液室15の外側に配された分離壁
30を貫通して、第2共通液室17に連通するように形
成されればどのように配されてもよい。
【0261】また、第2液体供給路21の太さ(直径)
に関しては、第2液体の供給量を考慮して決められる。
第2液体供給路21の形状は丸形状である必要はなく、
矩形状等でもよい。
【0262】また、第2共通液室17は、溝付部材50
を分離壁30で仕切ることによって形成することができ
る。形成の方法としては、図37で示す本実施例の分解
斜視図のように、素子基板上にドライフィルムで共通液
室枠と第2液路壁を形成し、分離壁を固定した溝付部材
50と分離壁30との結合体と素子基板1とを貼り合わ
せることにより第2共通液室17や第2液流路16を形
成してもよい。
【0263】本形態では、アルミニュウム等の金属で形
成された支持体70上に、前述のように、発泡液に対し
て膜沸騰による気泡を発生させるための熱を発生する発
熱体としての電気熱変換素子が複数設けられた素子基板
1が配されている。
【0264】この素子基板1上には、第2液路壁により
形成された液流路16を構成する複数の溝と、複数の発
泡液流路に連通し、それぞれの発泡液路に発泡液を供給
するための第2共通液室(共通発泡液室)17を構成す
る凹部と、前述した可動壁31が設けられた分離壁30
とが配されている。
【0265】符号50は、溝付部材である。この溝付部
材は、分離壁30と接合されることで吐出液流路(第1
液流路)14を構成する溝と、吐出液流路に連通し、そ
れぞれの吐出液流路に吐出液を供給するための第1の共
通液室(共通吐出液室)15を構成するための凹部と、
第1共通液室に吐出液を供給するための第1供給路(吐
出液供給路)20と、第2の共通液室17に発泡液を供
給するための第2の供給路(発泡液供給路)21とを有
している。第2の供給路21は、第1の共通液室15の
外側に配された分離壁30を貫通して第2の共通液室1
7に連通する連通路に繋がっており、この連通路によっ
て吐出液と混合することなく発泡液を第2の共通液室1
5に供給することができる。
【0266】なお、素子基板1、分離壁30、溝付部材
50の配置関係は、素子基板1の発熱体に対応して可動
部材31が配置されており、この可動部材31に対応し
て吐出液流路14が配されている。また、本形態では、
第2の供給路を1つ溝付部材に配した例を示したが、供
給量に応じて複数設けてもよい。さらに吐出液供給路2
0と発泡液供給路21の流路断面積は供給量に比例して
決めればよい。このような流路断面積の最適化により溝
付部材50等を構成する部品をより小型化することも可
能である。
【0267】以上説明したように本形態によれば、第2
液流路に第2液体を供給する第2の供給路と、第1液流
路に第1液体を供給する第1の供給路とが同一の溝付部
材としての溝付天板からなることにより部品点数が削減
でき、工程の短縮化とコストダウンが可能となる。
【0268】また第2液流路に連通した第2の共通液室
への、第2液体の供給は、第1液体と第2液体を分離す
る分離壁を突き抜ける方向で第2液流路によって行なわ
れる構造であるため、前記分離壁と溝付部材と発熱体形
成基板との貼り合わせ工程が1度で済み、作りやすさが
向上すると共に、貼り合わせ精度が向上し、良好に吐出
することができる。
【0269】また、第2液体は、分離壁を突き抜けて第
2液体共通液室へ供給されるため、第2液流路に第2液
体の供給が確実となり、供給量が十分確保できるため、
安定した吐出が可能となる。
【0270】<吐出液体、発泡液体>先の実施の形態で
説明したように本形態においては、前述のような可動部
材を有する構成によって、従来の液体吐出ヘッドよりも
高い吐出力や吐出効率でしかも高速に液体を吐出するこ
とができる。本形態の内、発泡液と吐出液とに同じ液体
を用いる場合には、発熱体から加えられる熱によって劣
化せずに、また加熱によって発熱体上に堆積物を生じに
くく、熱によって気化、凝縮の可逆的状態変化を行うこ
とが可能であり、さらに液流路や可動部材や分離壁等を
劣化させない液体であれば種々の液体を用いることがで
きる。
【0271】このような液体の内、記録を行う上で用い
る液体(記録液体)としては従来のバブルジェット装置
で用いられていた組成のインクを用いることができる。
【0272】一方、本形態の2流路構成のヘッドを用
い、吐出液と発泡液を別液体とした場合には、発泡液と
して前述のような性質の液体を用いればよく、具体的に
は、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソ
プロパノール、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オク
タン、トルエン、キシレン、二塩化メチレン、トリクレ
ン、フレオンTF、フレオンBF、エチルエーテル、ジ
オキサン、シクロヘキサン、酢酸メチル、酢酸エチル、
アセトン、メチルエチルケトン、水等およびこれらの混
合物が挙げられる。
【0273】吐出液としては、発泡性の有無、熱的性質
に関係なく様々な液体を用いることができる。また、従
来吐出が困難であった発泡性が低い液体、熱によって変
質、劣化しやすい液体や高粘度液体等であっても利用で
きる。
【0274】ただし、吐出液の性質として吐出液自身、
又は発泡液との反応によって、吐出や発泡また可動部材
の動作等を妨げるような液体でないことが望まれる。
【0275】記録用の吐出液体としては、高粘度インク
等をも利用することができる。その他の吐出液体として
は、熱に弱い医薬品や香水等の液体を利用することもで
きる。
【0276】本形態においては、吐出液と発泡液の両方
に用いることができる記録液体として以下のような組成
のインクを用いて記録を行ったが、吐出力の向上によっ
てインクの吐出速度が高くなったため、液滴の着弾精度
が向上し非常に良好な記録画像を得ることができた。
【0277】 染料インク粘度2cp:(C.I.フードブラック2)染料 3wt% ジエチレングリコール 10wt% チオジグリコール 5wt% エタノール 3wt% 水 77wt% また、発泡液と吐出液に以下で示すような組成の液体を
組み合わせて吐出させて記録を行った。その結果、従来
のヘッドでは吐出が困難であった十数cp粘度の液体は
もちろん150cpという非常に高い粘度の液体でさえ
も良好に吐出でき、高画質な記録物を得ることができ
た。
【0278】 発泡液1 :エタノール 40wt% 水 60wt% 発泡液2 :水 100wt% 発泡液3 :イゾプロピルアルコール 10wt% 水 90wt% 吐出液1 :カーボンブラック5 5wt% 顔料インク スチレン−アクリル酸− (粘度約15cp) アクリル酸エチル共重合体 1wt% (酸化140,重量平均分子量8000) モノエタノールアミン 0.25wt% グリセリン 69wt% チオジグリコール 5wt% エタノール 3wt% 水 16.75wt% 吐出液2 :ポリエチレングリコール200 100wt% (粘度55cp) 吐出液3 :ポリエチレングリコール600 100wt% (粘度150cp) ところで、前述したような従来吐出されにくいとされて
いた液体の場合には、吐出速度が低いために、吐出方向
性のバラツキが助長され記録紙上のドットの着弾精度が
悪く、また吐出不安定による吐出量のバラツキが生じこ
れらのことで、高品位画像が得にくかった。しかし、上
述の実施例の構成においては、気泡の発生を発泡液を用
いることで充分に、しかも安定して行うことができる。
このことで、液滴の着弾精度向上とインク吐出量の安定
化を図ることができ記録画像品位を著しく向上すること
ができた。
【0279】<記録システム>次に、本発明に適用可能
な液体吐出ヘッドを記録ヘッドとして用い被記録媒体に
対して記録を行う、インクジェット記録システムの一例
を説明する。
【0280】図38は、前述した液体吐出ヘッド201
を用いたインクジェット記録システムの構成を説明する
ための模式図である。
【0281】本形態における液体吐出ヘッドは、被記録
媒体150の記録可能幅に対応した長さに360dpi
の間隔で吐出口を複数配したフルライン型のヘッドであ
り、イエロー(Y),マゼンタ(M),シアン(C),
ブラック(Bk)の4色に対応した4つのヘッドをホル
ダ202によりX方向に所定の間隔を持って互いに平行
に固定支持されている。
【0282】これらのヘッドに対してそれぞれ駆動信号
供給手段を構成するヘッドドライバ307から信号が供
給され、この信号に基づいて各ヘッドの駆動が成され
る。
【0283】各ヘッドには、吐出液としてY,M,C,
Bkの4色のインクがそれぞれ204a〜204dのイ
ンク容器から供給されている。なお、符号204eは発
泡液が蓄えられた発泡液容器であり、この容器から各ヘ
ッドに発泡液が供給される構成になっている。このシス
テムにおけるインク容器は、第1実施例の図22に示し
た構成と同種の構成になっている。
【0284】また、各ヘッドの下方には、内部にスポン
ジ等のインク吸収部材が配されたヘッドキャップ203
a〜203dが設けられており、非記録時に各ヘッドの
吐出口を覆うことでヘッドの保守を成すことができる。
【0285】符号206は、先の各実施例で説明したよ
うな各種、非記録媒体を搬送するための搬送手段を構成
する搬送ベルトである。搬送ベルト206は、各種ロー
ラにより所定の経路に引き回されており、モータドライ
バ305に接続された駆動用ローラにより駆動される。
【0286】本形態のインクジェット記録システムにお
いては、記録を行う前後に被記録媒体に対して各種の処
理を行う前処理装置251および後処理装置252をそ
れぞれ被記録媒体搬送経路の上流と下流に設けている。
【0287】前処理と後処理は、記録を行う被記録媒体
の種類やインクの種類に応じて、その処理内容が異なる
が、例えば、金属、プラスチック、セラミックス等の被
記録媒体に対しては、前処理として、紫外線とオゾンの
照射を行い、その表面を活性化することでインクの付着
性の向上を図ることができる。また、プラスチック等の
静電気を生じやすい被記録媒体においては、静電気によ
ってその表面にゴミが付着しやすく、このゴミによって
良好な記録が妨げられる場合がある。このため、前処理
としてイオナイザ装置を用い被記録媒体の静電気を除去
することで、被記録媒体からごみの除去を行うとよい。
また、被記録媒体として布帛を用いる場合には、滲み防
止、先着率の向上等の観点から布帛にアルカリ性物質、
水溶性物質、合成高分子、水溶性金属塩、尿素およびチ
オ尿素から選択される物質を付与する処理を前処理とし
て行えばよい。前処理としては、これらに限らず、被記
録媒体の温度を記録に適切な温度にする処理等であって
もよい。
【0288】一方、後処理は、インクが付与された被記
録媒体に対して熱処理、紫外線照射等によるインクの定
着を促進する定着処理や、前処理で付与し未反応で残っ
た処理剤を洗浄する処理等を行うものである。
【0289】なお、本形態では、ヘッドとしてフルライ
ンヘッドを用いて説明したが、これに限らず、前述した
ような小型のヘッドを被記録媒体の幅方向に搬送して記
録を行う形態のものであってもよい。
【0290】なお、以上説明した本発明は、発熱体面に
対向する位置に吐出口を有するサイドシュータタイプに
も適用可能な発明であることは言うまでもない。
【0291】
【発明の効果】上述したような構成の本発明によれば、
1液タイプ用液体容器を2液タイプのヘッドに対しても
取り付けられるので、液体容器を有効活用して汎用性を
高めることができ、低コスト化を図ることができる。加
えて、2液タイプ用液体容器をあやまって1液タイプの
ヘッドへ取り付けるといったことは生じないので、信頼
性も高くなる。
【0292】また、2液タイプのヘッドに取り付けられ
た液体容器の種別を認識して、それぞれの液体容器から
供給される液体の特性に応じて液体吐出動作や回復動作
が行われるので、高品質な画像を得ることができる。
【0293】さらには、1液タイプのヘッドに対して、
あやまって2液タイプ用の液体容器が搭載されても、2
液タイプ用の液体容器から液体供給が行われることはな
いので、さらに信頼性の高いものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(d)は本発明に適用可能な液体吐出
ヘッドの一例を示す模式断面図である。
【図2】本発明に適用可能な液体吐出ヘッドの部分破断
斜視図である。
【図3】従来のヘッドにおける気泡からの圧力伝搬を示
す模式図である。
【図4】本発明に適用可能なヘッドにおける気泡からの
圧力伝搬を示す模式図である。
【図5】本発明に適用可能なヘッドにおける液体の流れ
を説明するための模式図である。
【図6】本発明に適用可能な第2の実施形態における液
体吐出ヘッドの部分破断斜視図である。
【図7】本発明に適用可能な第3の実施形態における液
体吐出ヘッドの部分破断斜視図である。
【図8】本発明に適用可能な第4の実施形態における液
体吐出ヘッドの断面図である。
【図9】(a)〜(c)は本発明に適用可能な第5の実
施形態における液体吐出ヘッドの模式断面図である。
【図10】本発明に適用可能な第6の実施形態における
液体吐出ヘッド(2流路)の断面図である。
【図11】図10に示す形態における液体吐出ヘッドの
部分破断斜視図である。
【図12】可動部材の動作を説明するための図である。
【図13】液体吐出装置の概略構成図である。
【図14】装置ブロック図である。
【図15】本発明の一実施例の1液タイプ用液体容器の
斜視図である。
【図16】本発明の一実施例の2液タイプ用液体容器の
斜視図である。
【図17】本発明の液体吐出ヘッドの被液体供給口の先
端部の形状を説明するための図で、(a)は液体吐出ヘ
ッドの斜視図、(b)は本発明の一実施例の1液タイプ
の液体吐出ヘッドの被液体供給口の先端部を形成するフ
ィルター部の斜視図、(c)は本発明の一実施例の1液
タイプの液体吐出ヘッドの被液体供給口の先端部を形成
するフィルター部の斜視図である。
【図18】(a)〜(f)は、本発明の第1実施例の変
形例を示す概略図である。
【図19】(a)〜(d)は、本発明の第1実施例の他
の変形例を示す概略図である。
【図20】(a)〜(d)は、本発明の第1実施例のさ
らに他の変形例を示す概略図である。
【図21】本発明の2液タイプ用液体容器の他の実施例
を示す斜視図である。
【図22】(a)〜(d)は、本発明の第1実施例のさ
らに他の変形例を示す概略図である。
【図23】本発明の一実施例の複数種類の吐出液を収容
する1液タイプ用液体容器の斜視図である。
【図24】本発明の一実施例の複数種類の吐出液をを収
容する2液タイプ用液体容器の斜視図である。
【図25】1液タイプ用液体容器に形成される電極パッ
ドの一例を示す図である。
【図26】2液タイプ用液体容器に形成される電極パッ
ドの一例を示す図である。
【図27】可動部材と第1液流路の構造を説明するため
の図である。
【図28】(a)〜(c)は可動部材と液流路の構造を
説明するための図である。
【図29】(a)〜(c)は可動部材の他の形状を説明
するための図である。
【図30】発熱体面積とインク吐出量の関係を示す図で
ある。
【図31】(a)および(b)は可動部材と発熱体との
配置関係を示す図である。
【図32】発熱体のエッジと支点までの距離と可動部材
の変位量の関係を示す図である。
【図33】発熱体と可動部材との配置関係を説明するた
めの図である。
【図34】(a)および(b)は本発明に適用可能な液
体吐出ヘッドの縦断面図である。
【図35】駆動パルスの形状を示す模式図である。
【図36】本発明に適用可能な液体吐出ヘッドの供給路
を説明するための断面図である。
【図37】本発明に適用可能なヘッドの分解斜視図であ
る。
【図38】液体吐出記録システムを示す図である。
【図39】(a)および(b)は従来の液体吐出ヘッド
の液流路構造を説明するための図である。
【符号の説明】
1 素子基板 2 発熱体 3 面積中心 10 液流路 11 気泡発生領域 12 供給路 13 共通液室 14 第1液流路 15 第1共通液室 16 第2液流路 17 第2共通液室 18 吐出口 19 狭窄部 20 第1供給路 21 第2供給路 22 第1液流路壁 23 第2液流路壁 24 凸部 30 分離壁 31 可動部材 32 自由端 33 支点 34 支持部材 35 スリット 36 気泡発生領域前壁 37 気泡発生領域側壁 40 気泡 45 液滴 50 溝付き部材 51 オリフィスプレート 70 支持体 78 ばね 80 供給部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−31918(JP,A) 特開 平6−71887(JP,A) 特開 平4−164649(JP,A) 特開 平7−309018(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/175 B41J 2/05

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吐出口に連通する第1の液流路と、気泡
    発生領域を含み、前記第1の液流路に隣接して配された
    第2の液流路と、前記気泡発生領域に面して配され、第
    1の位置と該第1の位置よりも前記気泡発生領域から遠
    い第2の位置との間を変位可能な可動部材と、を備え、
    前記第1及び第2の液流路にそれぞれ異なる種類の液
    体を供給可能であり、前記可動部材は、前記気泡発生領
    域での気泡の発生に基づく圧力によって前記第1の位置
    から前記第2の位置に変位して該圧力を前記吐出口方向
    へ導き、前記吐出口から液体を吐出させる液体吐出ヘッ
    ドと、該液体吐出ヘッドに液体を供給する液体容器を取
    り付け可能に構成したヘッドカートリッジと、該ヘッド
    カートリッジを搭載する搭載手段と、を具備している液
    体吐出装置であって、 該液体吐出装置は、前記液体吐出ヘッドに供給する液体
    を内蔵している液体容器を前記ヘッドカートリッジに装
    填可能であって、且つ、前記ヘッドカートリッジに装填
    された液体容器が内蔵している液体の種類を識別すると
    共に、その識別結果に応じて液体吐出条件を変化させる
    ことを特徴とする液体吐出装置。
  2. 【請求項2】 請求項に記載の液体吐出装置におい
    て、前記液体吐出条件が、気泡発生パワーであることを
    特徴とする液体吐出装置。
  3. 【請求項3】 請求項に記載の液体吐出装置におい
    て、前記液体容器として、前記第1及び第2の液流路に
    供給する互いに異なる2種の液体を内蔵している液体容
    器が該ヘッドカートリッジに装填されたときと、1種の
    液体を内蔵している液体容器が該ヘッドカートリッジに
    装填されたときとでは、1種の液体を内蔵している液体
    容器が装填されたときの方が、気泡発生パワーを低くす
    ことを特徴とする液体吐出装置。
  4. 【請求項4】 請求項に記載の液体吐出装置におい
    て、更に、ヘッドカートリッジに装填された液体容器の
    識別結果に応じて、液体吐出ヘッドの回復動作を変化さ
    せることを特徴とする液体吐出装置。
  5. 【請求項5】 1液タイプの液体吐出ヘッドと、 2液タイプの液体吐出ヘッドとして、吐出口に連通する
    第1の液流路と、気泡発生領域を含み、前記第1の液流
    路に隣接して配された第2の液流路と、前記気泡発生領
    域に面して配され、第1の位置と該第1の位置よりも前
    記気泡発生領域から遠い第2の位置との間を変位可能な
    可動部材と、を備え、前記第1および第2の液流路にそ
    れぞれ異なる2種類の液体を供給可能であり、前記可動
    部材は、前記気泡発生領域での気泡の発生に基づく圧力
    によって前記第1の位置から前記第2の位置に変位して
    該圧力を前記吐出口方向へ導き、前記吐出口から液体を
    吐出させる液体吐出ヘッドと、 前記1液タイプ及び2液タイプの各々の液体吐出ヘッド
    に対して液体を供給する液体容器を取り付け可能に構成
    したヘッドカートリッジと、 前記各々の液体吐出ヘッドと前記液体容器とを搭載する
    搭載手段と、 前記の液体容器から前記各々の液体吐出ヘッドへの液体
    供給を制御する手段と、を含む液体吐出システムであっ
    て、前記制御手段は、前記ヘッドカートリッジに装填された
    液体容器の種類を識別し、その識別結果に応じて、前記
    ヘッドカートリッジに装填された液体容器から液体吐出
    ヘッドへの液体の供給を制御するものであり、 前記1液タイプの液体吐出ヘッドに供給する液体を内蔵
    している液体容器からの、前記2液タイプの液体吐出ヘ
    ッドへの液体の供給が許容され、前記2液タイプの液体
    吐出ヘッドに供給する2種の異なる液体を内蔵している
    液体容器からの前記1液タイプの液体吐出ヘッドへの液
    体の供給が阻止されることを特徴とする液体吐出システ
    ム。
  6. 【請求項6】 1液タイプの液体吐出ヘッドと2液タイ
    プの液体吐出ヘッド並びに各々の液体吐出ヘッドに対し
    て液体を供給する複数の液体容器とを含む液体吐出シス
    テムであって、 前記2液タイプの液体吐出ヘッドに対して2種の異なる
    液体を供給する、2種の異なる液体を内蔵している液体
    容器は、前記1液タイプの液体吐出ヘッドへの結合もし
    くは液体の供給が阻止され、 前記1液タイプの液体吐出ヘッドに対して液体を供給す
    る、液体を内蔵している液体容器は、前記2液タイプの
    液体吐出ヘッドへの結合並びに液体の供給が可能である
    ことを特徴とする液体吐出システム。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の液体吐出システムであっ
    て、前記2種の異な る液体が、吐出液と発泡液とである
    ことを特徴とする液体吐出システム。
  8. 【請求項8】 1液タイプの液体吐出ヘッドに液体を供
    給する、該液体を内蔵している1液タイプ用液体容器
    と、 2液タイプの液体吐出ヘッドに2種の異なる液体を供給
    する、該2種の異なる液体を内蔵している2液タイプ用
    液体容器と、からなる液体容器の組合せであって、 前記1液タイプ用液体容器は、前記1液タイプの液体吐
    出ヘッド及び2液タイプの液体吐出ヘッドの双方に対し
    て装着可能であり、且つ内蔵している液体を供給可能で
    あり、 前記2液タイプ用液体容器は、前記1液タイプの液体吐
    出ヘッドに装着できないことを特徴とする液体容器の組
    合せ。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の液体容器の組合せにお
    いて、前記2液タイプ用液体容器が内蔵している2種の
    異なる液体が、吐出液と発泡液とであることを特徴とす
    る液体容器の組合せ。
  10. 【請求項10】 1液タイプ用液体容器と2液タイプ用
    液体容器との双方が装填可能であり、装填された液体容
    器から、該液体容器が内蔵している液体が供給される2
    液タイプの液体吐出ヘッドからの液体吐出制御方法であ
    って、 前記1液タイプ用液体容器が装填されたときと、前記2
    液タイプ用液体容器が装填されたときとで、前記液体吐
    出ヘッドの気泡発生パワーを変化させることを特徴とす
    る液体吐出制御方法。
  11. 【請求項11】請求項10に記載の液体吐出制御方法に
    おいて、 前記1液タイプ用液体容器が内蔵している液体が、発泡
    液としても用いられる吐出液であり、 前記2液タイプ用液体容器は、2種の異なる液体を内蔵
    しており、そのひとつが吐出液、他方が発泡液であり、 前記1液タイプ用液体容器が内蔵している吐出液の粘度
    が、前記2液タイプ用液体容器が内蔵している吐出液の
    それよりも低いことを特徴とする液体吐出制御方法。
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