[go: up one dir, main page]

JP3376170B2 - 静電荷像現像用トナー - Google Patents

静電荷像現像用トナー

Info

Publication number
JP3376170B2
JP3376170B2 JP15560095A JP15560095A JP3376170B2 JP 3376170 B2 JP3376170 B2 JP 3376170B2 JP 15560095 A JP15560095 A JP 15560095A JP 15560095 A JP15560095 A JP 15560095A JP 3376170 B2 JP3376170 B2 JP 3376170B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
toner
image
compound
ion
molecular weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP15560095A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08328313A (ja
Inventor
貴幸 永塚
勝彦 田中
俊彦 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP15560095A priority Critical patent/JP3376170B2/ja
Publication of JPH08328313A publication Critical patent/JPH08328313A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3376170B2 publication Critical patent/JP3376170B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Developing Agents For Electrophotography (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真、静電記録の
様な画像形成方法における静電荷潜像を顕像化するため
の静電荷像現像用トナーに関する。
【0002】
【従来の技術】トナーは、現像される静電潜像の極性に
応じ、正又は負の電荷を有する必要がある。ここで、ト
ナーに電荷を保有せしめる為には、トナーの構成成分で
ある樹脂の摩擦帯電性を利用することも出来るが、この
方法ではトナーの帯電性が小さい為、現像によって得ら
れる画像はカブリを生じ易く不鮮明なものとなる。そこ
で、所望の摩擦帯電性をトナーに付与する為に、帯電性
を付与し得る染料、顔料、更には電荷制御剤を添加する
ことが行われている。
【0003】今日、当該技術分野で知られている電荷制
御剤のうち負摩擦帯電性の電荷制御剤としては、例え
ば、モノアゾ染料の金属錯塩、サリチル酸、ナフトエ
酸、ダイカルボン酸の金属錯塩、銅フタロシアニン顔
料、酸成分を含む樹脂等が知られている。又、正摩擦帯
電性の電荷制御剤としては、例えば、ニグロシン染料、
アジン染料、トリフェニルメタン系染顔料、4級アンモ
ニウム塩、4級アンモニウム塩を側鎖に有するポリマー
等が知られている。しかしながら、これらの電荷制御剤
の殆どは有色である為、カラートナーには使えないとい
う問題がある。一方、カラートナーに適用可能な、無
色、白色、或いは淡色の電荷制御剤には、十分な性能を
示すものがないという問題がある。
【0004】例えば、無色或いは淡色の樹脂系の電荷制
御剤は、いずれも適正な帯電量を有する様になる迄にあ
る一定の時間を要する。この為、長期間停止していた後
に複写する場合や、高湿度環境下で放置した後に複写す
る場合等に帯電量不足になり易く、この結果、カブリが
生じたり、適正な画像濃度を得る為に、百枚〜数百枚の
複写が必要であったりする。又、特に、この様な電荷制
御剤を一成分系現像剤(磁性及び非磁性)に適用した場
合に、この様な帯電の立ち上がりの遅さは、画像メモリ
ー(ゴースト)の一因となると思われる。
【0005】この他、電荷制御剤によっては、以下の様
な欠点を有するものがある。 画像濃度とカブリのバ
ランスが取りにくい。 長期の複写で帯電量が徐々に
低下してしまう。 高湿環境で十分な画像濃度を得に
くい。 樹脂への分散性に問題がある。 保存安定
性や熱安定性に問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、上記の従来技術の問題点を解決した高画像濃度を有
し、カブリがなく、ハイライト再現のよい画像を得るこ
との出来る静電荷像現像用トナーを提供することにあ
る。又、本発明の別の目的は、長期耐久での帯電量の安
定性に優れる静電荷像現像用トナーを提供することにあ
る。本発明の別の目的は、帯電の立ち上がりが速い、非
常に素早く適正な帯電量を有する様になる静電荷像現像
用トナーを提供することにある。
【0007】更に、本発明の別の目的は、低湿度下に放
置しても、高湿度下に放置してあっても、再開した場合
に高い画像濃度が安定して得られ、トナー飛散を生じる
こともない静電荷像現像用トナーを提供することにあ
る。又、本発明の別の目的は、無色或いは淡色の電荷制
御剤を使用することによって、色再現性の良好な静電荷
像現像用カラートナーを提供することにある。
【0008】
【課題を解決する為の手段】上記の目的は、以下の本発
明によって達成される。即ち、本発明は、イオン化され
た元素を含む構造を繰り返し単位として有する非環化重
合反応により得られた直鎖状の主鎖を有し、架橋構造を
有さない重合体であるイオンAと、該イオンAと逆極性
であって且つ体積が0.40nm3以上の大きさを有す
るイオンBとからなる分子量が600以上の化合物が内
添されていることを特徴とする静電荷像現像用トナーで
ある。
【0009】
【作用】本発明者らは、上記従来技術の問題点を解決す
べく鋭意研究の結果、トナー中に上記特定の化合物を含
有させることにより、高画像濃度でカブリがなく、ハイ
ライト再現のよい画像が得られ、且つ長期耐久での帯電
量の安定性に優れるトナーが得られることを知見して本
発明に至った。特に、高画像濃度でカブリがなく、ハイ
ライト再現のよい画像が得られるという画像特性は、フ
ルカラートナーに適用した場合に重要な意味を有する。
この様な画像特性が得られる理由としては、上記特定の
化合物の添加によって帯電量の分布がシャープになる為
と考えられる。即ち、帯電量分布がシャープであると、
トナー粒子夫々が有する電荷が均一であり、トナー粒子
間でクーロン力が働きにくくなる。よって、トナー粒子
が一つ一つ独立した挙動をとるようになり、ハイライト
再現が向上する。又、帯電不足のトナーも少なくなるの
で、カブリがなくなり、且つ過剰な帯電のトナーも減る
ので画像濃度も高くなると考えられる。
【0010】又、トナー中に特定の化合物を含有させる
ことによる本発明における別の重要な効果は、長期耐久
で帯電量の安定性に優れることにある。従来知られてい
る非金属系の電荷制御剤は、この長期耐久での安定性に
問題があるものが殆どであった。一般に、長期耐久によ
り、トナーを担持するキャリアやスリーブはトナーの成
分により汚染してゆき、所謂スペントが生じ、長期耐久
での安定性に問題が生じていた。これに対し本発明者ら
は、上記の特定の化合物をトナー中に含有させることに
より、スペントに対しての影響を受けにくくすることが
出来ることを見い出した。即ち、この特性は、上記の様
な化合物が、スペント物よりも帯電系列的に負に位置す
ることに起因していると考えられる。即ち、本発明で使
用される化合物は、イオン化された元素を含む構造を繰
り返し単位としたイオン構造を有し、且つアニオン及び
カチオン夫々のイオンの大きさをある一定以上とするこ
とによって上記の問題の解決を達成する。
【0011】
【好ましい実施態様】以下に好ましい実施態様を挙げ
て、本発明を詳細に説明する。本発明の静電荷像現像用
トナーは、イオン化された元素を含む構造を繰り返し単
位として有する非環化重合反応により得られた直鎖状
主鎖を有し、架橋構造を有さない重合体であるイオンA
と、該イオンAと逆極性であって且つ体積が0.40n
3以上の大きさを有するイオンBとからなり、分子量
が600以上の化合物が含有されていることを特徴とす
る。
【0012】本発明において化合物の分子量とは、分子
量分布が生じる場合、重量平均分子量をさす。本発明で
使用する化合物の分子量は600以上とするが、この様
にすることによって、イオン電荷が安定化し易くなると
共に、化合物の分子集合体においてイオン対の密度に粗
密が形成されると思われる。これらの結果、従来の4級
アンモニウム塩等の電荷制御剤では達成することの出来
ない高い帯電量が得られるのかもしれない。又、分子量
を1000以上とすると、帯電量が更に向上し、好まし
く、更に、5000以上とすると、例えば、二成分現像
剤でのキャリアコート剤において殆どのものが適用可能
となり、現像剤設計が行い易くなる為、より好ましい。
数平均分子量でいえば、例えば、分子量400〜200
万のものが適用可能である。又、本発明で使用される化
合物の分子量の分布としては、Mw/Mnで1.5〜5
0のものが適用可能であるが、Mw/Mnが2〜10程
度のシャープな分布のものを使用すれば、帯電もシャー
プとなり好ましい。
【0013】本発明で使用される化合物は、イオンAと
イオンBとからなり、イオンAは、イオン化された元素
を含む構造を繰り返し単位として有する非環化重合反応
により得られる重合体である。イオンAにおける繰り返
し単位の繰り返し回数としては、5回〜数千回以上のも
のが本発明において適用可能であり、特に、10回〜千
回の繰り返し回数を有するものが製造上好ましい。
【0014】又、分子量の分布が生じる重合法によって
イオンAを得る場合には、分子量3,000以下の成分
が、好ましくは15%以下、より好ましくは10%以下
のものを使用するのがよい。即ち、この様な低分子量成
分の比率が15%を超えると、トナー製造での収率が悪
化する傾向にあり、好ましくない。この原因は、次の様
であると考えられる。先ず、付加重合、縮重合等の重合
法では、分子量に分布が生じ、例えば、分子量数百程度
の低分子成分も生じる場合がある。この様な低分子量成
分の存在は、化合物の粘弾性特性を常温においても軟ら
かいものとしてしまう。この為に表面にある化合物が粘
着性を生じ、トナー製造工程においてトナー微粒子同士
が凝集し易くなるものと思われる。これに対して、分子
量3,000以下の成分を少なくすることによって、分
子量数百程度の成分も少なくなり、トナー凝集の防止が
図られものと考えられる。
【0015】又、本発明で使用する化合物としては、T
gが40℃以上のものが好ましく、より好ましくは50
℃以上のものを使用する。Tgが40℃より低くても、
上記した低分子量成分の場合と同様に、トナー微粒子同
士の凝集によってトナー製造における収率が悪化し始
め、好ましくない。
【0016】本発明で使用される化合物は、上記した様
な特性を有するイオンAと、該イオンAと逆極性であっ
て、且つ、下記の理由により、その体積が0.40nm
3 以上の大きさを有するイオンBとで構成されている
オンBの大きさを0.25nm3 以上とすることによ
って、良好な帯電制御性が得られるようになる。更に、
体積を0.30nm3以上とすると、帯電量が高くな
り、長期耐久での安定性を得やすくなるし、0.40n
3以上とすると、一般に帯電量が低くなり易い高湿度
環境下においても、画質、画像の安定性を十分とする様
な現像剤設計がし易くなる為、好ましい。
【0017】又、本発明においては、イオンBの極性を
イオンAの極性とは逆の極性とし、更に、イオンBの極
性と本発明の静電荷像現像用トナーの極性が同一である
様にすることが好ましい。本発明者らは、本発明の静電
荷像現像用トナーにおいてこの様にイオンBの極性を支
配的にすることによって、飽和帯電量に素早く達するこ
とが出来るトナーが得られることを見い出した。従来よ
り、高分子型電荷制御剤は、高分子の運動がゆるやかに
起こり、帯電サイトが徐々に表面に移動する為、帯電量
がなかなか飽和しないとの説がある。事実、重合体側の
極性が支配的な従来の高分子型電荷制御剤においては、
そのような場合が多い。しかし、本発明のトナーにおい
ては、重合体側でなく、イオンBの極性を支配的にする
とによって、この傾向を緩和する。イオンBの極性を
支配的にする為には、イオンBの大きさを大きくする必
要があるが、このことが帯電が速く飽和することと関係
があるのかもしれない。例えば、これにより帯電サイト
の移動し易さが抑制されている等のことが考えられる。
【0018】更に本発明においては、イオンBがアニオ
ンであると好ましい。この結果、イオン交換率が高くな
る為なのか、この様にすると長期耐久での帯電量の安定
性においてよいものが得られる。特に、イオンBをアニ
オンとし、負帯電性電荷制御剤としてネガトナーに用い
た場合には、帯電の立ち上がりが速く、且つ長期耐久で
の帯電の安定性に優れるトナーを得ることが出来る。従
来知られている負帯電性の電荷制御剤では、この様な特
性を有し、且つカラートナーに適用可能な程度に淡色の
化合物は非常に限られる。更にその中で、熱安定性、樹
脂への分散性等の特性についても十分に満足のゆく化合
物となると、殆どないといってよい。よって、本発明で
使用する化合物は非常に有用である。
【0019】本発明の静電荷像現像用トナーの特長のひ
とつは、素早く適正な帯電量が得られる様になることで
ある。これにより、現像器にトナーを入れた直後に複写
を行った場合にも、最初から高い画像濃度の画像が得ら
れる。又、トナーを高温高湿に放置し、画出しを再開し
た場合においても、一時的に帯電量は低下するが素早く
適正な帯電量に戻るので、実質的には再開直後から高い
画像濃度が得られる。又、連続複写によって帯電量が過
剰になってゆくことも起こらない。更に、詳細なメカニ
ズムは不明だが、ゴースト現象のレベルがよいことも、
素早く帯電することと関係があると思われる。
【0020】以下に本発明の静電荷像現像用トナーに使
用する、上記の様な特性を有する電荷制御剤として有用
な化合物の具体例を示すが、これらは合成の容易さ等も
考慮して例示したものであり、本発明を何ら限定するも
のではない。
【0021】化合物例(1) 下記の繰り返し単位を有するポリマー(イオンBの体
積:0.44nm3
【0022】化合物例(2) 下記の繰り返し単位を有するコポリマー(イオンBの体
積:0.44nm3)
【0023】化合物例(3)(参考) 下記の繰り返し単位を有するポリマー(イオンBの体
積:0.26nm3)
【0024】化合物例(4)(参考) 下記の繰り返し単位を有するポリマー(イオンBの体
積:0.35nm3
【0025】化合物例(5) 下記の繰り返し単位を有するコポリマー(イオンBの体
積:0.44nm3)
【0026】化合物例(6) 下記の繰り返し単位を有するコポリマー(イオンBの体
積:0.42nm3)
【0027】化合物例(7) 下記の繰り返し単位を有するポリマー(イオンBの体
積:0.63nm3
【0028】化合物例(8) 下記の繰り返し単位を有するポリマー(イオンBの体
積:0.47nm3
【0029】イオンBの例としては、アニオンとしてB
(アリール)4 -:[例えば、テトラフェニル−ボレー
ト、テトラ(フルオロフェニル)ボレート、テトラ(ク
ロロフェニル)ボレート、テトラナフチル−ボレート、
テトラ(メトキシフェニル)ボレート、テトラビフェニ
ル−ボレート、テトラベンジル−ボレート、テトラピリ
ジル−ボレート等]、芳香族ヒドロキシカルボン酸とホ
ウ素、ケイ素、金属との化合物のアニオン:[例えば、
置換基を有していてもよいヒドロキシナフトエ酸とホウ
素の化合物アニオン等]、芳香族ジオールとホウ素、ケ
イ素、金属との化合物のアニオン、芳香族ジカルボン酸
とホウ素、ケイ素、金属との化合物のアニオン、飽和又
は不飽和の脂肪族カルボキシレート又はスルホナート、
脂環式カルボキシレート又はスルホナート又は芳香族カ
ルボキシレート又はスルホナート:[例えば、ラウリル
硫酸、ベンジル酸等]、過フッ素化飽和又は過フッ素化
不飽和の、脂肪族カルボキシレート又はスルホナート、
脂環式カルボキシレート又はスルホナート又は芳香族カ
ルボキシレート又はスルホナート、飽和又は不飽和の、
脂肪族ジ−カルボキシレート又はトリカルボキシレー
ト、脂環式ジ−カルボキシレート又はトリカルボキシレ
ート又は芳香族ジ−カルボキシレート又はトリカルボキ
シレート、ジ又はトリスルホナート、リン酸、タングス
テン酸、モリブデン酸、又はヘテロポリ酸アニオン(ホ
スホモリブデン酸、又はホスホタングステン酸、シリコ
モリブデン酸又はシリコタングステン酸)等が挙げられ
る。これらの中で、下記一般式(1)で示されるアニオ
ンを使用するのが特に好ましい。特に、式中のMがホウ
素であり、Rがアリールであるアニオンが合成のし易
さ、帯電量の高さの点で好ましい。
【0030】一般式(1) (式中、R1、R2、R3及びR4は、互いに独立した有機
基であって、夫々は同一であってもよく、又、R1とR2
及びR3とR4は、夫々がMを含む環を形成してもよい。
Mは、ホウ素、ケイ素又はアルミニウムを示し、nは1
又は2である。)
【0031】又、本発明におけるカチオンとしては、ア
ンモニウムイオン、例えば、トリアルキルベンジルアン
モニウムイオン、テトラアルキルアンモニウムイオン
等、或いはピコリニウムイオン、ピリジニウムイオン、
キノリニウムイオン、イミダゾリウムイオン、ホスホニ
ウムイオン、スルホニウムイオン等が挙げられる。
【0032】本発明で使用する化合物を得る為の重合法
としては、環化重合以外の重合法であれば適用すること
が可能である。即ち、例えば、熱重合法、触媒による接
触重合法、付加重合法、例えば、連鎖重合法(遊離基重
合、陽イオン重合、陰イオン重合)等、重縮合、重付加
等をいずれも適用することが可能である。これに対し、
環化重合によってイオンAを得ると、帯電の均一性や帯
電の立ち上がりにおいて不十分になり易い為、好ましく
ない。この原因は明らかではないが、環を形成する原子
数が一定にならない場合があること、環の大きさによる
分子の柔軟性の不足、或いは環を形成しない部分が出来
ること等によるものと思われる。
【0033】上記した様な本発明で使用する化合物に対
して、特公平4−261549号公報により公知となっ
ている化合物は、トナー中に含有させたときに、トナー
表面に粘着性が生じる場合があり、この結果、トナーの
流動性を悪化させて、画質を悪化させたり、生産におけ
る収率が劣るものとなる場合がある。この原因は、不明
であるが、この化合物が環化重合反応によって作製され
ているので、樹脂としての性質が適切に制御しくいこ
とによるのかもしれない。又、電荷制御剤としての化合
物を得るのにイオン交換を行う場合に、環状の構造によ
り、イオン交換率が十分に上がらない為と考えることも
出来る。
【0034】本発明で使用する上記の様な化合物をトナ
ーに含有させる方法としては、トナー内部に添加させる
方法が用いられるこの場合の添加量としては、結着樹
脂100重量部に対して、好ましくは0.1〜10重量
部、より好ましくは0.5〜5重量部の範囲で用いられ
又、本発明の化合物は、従来技術の項で述べた様な
従来公知の電荷制御剤と組み合わせて使用することも出
来る。
【0035】本発明の静電荷像現像用トナーには、上記
の化合物の他、少なくとも結着樹脂及び色材とからなる
が、これらの他、無機微粉末を含有させてもよい。この
際に用いる無機微粉末としては、例えば、シリカ、アル
ミナ、酸化チタン等の無機酸化物や、カーボンブラッ
ク、フッ化カーボン等が、粒径の細かい粒子を作り易い
といった点で好ましい。
【0036】又、本発明においては、上記した様な無機
微粉末の中で、酸化物中の金属イオンの電気陰性度(χ
i)が8〜15である無機酸化物が好ましく、更には、
10〜14の電気陰性度を有するものが好ましく用いら
れる。即ち、この様な無機酸化物は帯電的に中性である
ので、粒子に働く引力が弱い為、トナー表面に分散させ
たときに、分散性に優れ、且つ流動性付与能も高いとい
う機能を有する。尚、酸化物中の金属については、ポー
リングの電気陰性度をχ0 とし、金属イオンの価数をZ
としたときに、次式で、酸化物中の金属イオンの電気陰
性度(χi)を求めることが出来る。 χi=(1+2×Z)χ0
【0037】酸化物中の金属イオンの電気陰性度
(χi)が8〜15の無機酸化物のうち、例えば、酸化
チタン、アルミナ、Fe23、Fe34、チタン酸スト
ロンチウム等が、トナーに対する分散性、帯電への効果
の点で特に好ましい。尚、チタン酸ストロンチウムの様
な複合酸化物の場合の電気陰性度は、加重平均して求め
る。更にこれらの中でも、特に、酸化チタン及びアルミ
ナは、環境依存性が良好であり、流動性付与能に優れて
いる点からも好ましい。又、これらは、シリカ微粉体を
含め、夫々併用してもよい。
【0038】この様な無機微粉末でトナー表面を覆う場
合、好ましい面積比率は30〜80%である。又、トナ
ー表面に分散させた場合に、細かい粒子となる方が流動
性付与性が高くなるので好ましい。本発明においては、
平均粒径として5〜100nmになるものがよく、BE
T法で測定した窒素吸着による比表面積では80m2
g以上、特に好ましくは100〜400m2/gの範囲
のものが母体微粉体として好ましく、下記に述べる様な
処理された微粉体にあっては50m2/g以上(特に8
0〜350m2/g)の範囲のものが好ましい。これら
の無機微粉体の適用量は、トナー母体重量に対して、
0.03〜5重量%程度添加したときに適切な面積比率
となる。
【0039】又、本発明に用いる無機微粉体の疎水化度
としては、30%以上の値を示すものが好ましい。この
際に使用される疎水化処理剤としては、含ケイ素表面処
理剤であるシランカップリング剤とシリコーンオイルが
好ましい。例えば、ジメチルジクロルシラン、トリメチ
ルクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、ヘキサ
メチルジシラザン、アリルフェニルジクロルシラン、ベ
ンジルジメチルクロルシラン、ビニルトリエトキシシラ
ン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラ
ン、ビニルトリアセトキシシラン、ジビニルクロルシラ
ン、ジメチルビニルクロルシラン等が挙げられる。又、
正帯電性の含ケイ素表面処理剤としては、アミノプロピ
ルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシ
ラン、ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジ
エチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジプロピル
アミノプロピルトリメトキシシラン、ジブチルアミノプ
ロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤
や、アミノ変性のシリコーンオイル等が挙げられる。
【0040】更に、本発明の静電荷像現像用トナーは、
キャリアと混合して二成分トナーとして用ることが出来
る。この際のキャリアの電流値は、キャリア表面の凹凸
の度合い、被覆する樹脂の量を調整して、20〜200
μA程度にするのがよい。ここで、キャリア表面を被覆
する樹脂としては、例えば、スチレン−アクリル酸エス
テル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合
体、アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸エステ
ル共重合体、シリコーン樹脂、フッ素含有樹脂、ポリア
ミド樹脂、アイオノマー樹脂、ポリフェニレンサルファ
イド樹脂等、或いはこれらの混合物等を挙げることが出
来る。
【0041】又、キャリアコアの磁性材料としては、例
えば、フェライト、鉄過剰型フェライト、マグネタイ
ト、γ−酸化鉄等の酸化物や、鉄、コバルト及びニッケ
ルの様な金属、或いはこれらの合金等が挙げられる。
又、これらの磁性材料に含まれる元素としては、例え
ば、鉄、コバルト、ニッケル、アルミニウム、銅、鉛、
マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、
ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレ
ン、チタン、タングステン及びバナジウム等が挙げられ
る。
【0042】本発明の静電荷像現像用トナーの構成成分
として使用される結着樹脂としては、例えば、ポリスチ
レン、ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエン
等のスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン−p
−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン
共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチ
レン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタク
リル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタク
リル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共
重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、ス
チレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビ
ニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重
合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アク
リロニトリル−インデン共重合体等のスチレン系共重合
体;その他、ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、天然変
性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アク
リル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニール、シリコ
ーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリアミ
ド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポ
リビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロンインデン
樹脂、石油系樹脂等が挙げられる。又、架橋されたスチ
レン系共重合体も好ましい結着樹脂の一つである。
【0043】スチレン系共重合体のスチレンモノマーに
対するコモノマーとしては、例えば、アクリル酸、アク
リル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、
アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸
−2−エチルヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリ
ル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタ
クリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、アクリロニト
リル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等の様な二
重結合を有するモノカルボン酸もしくはその置換体;マ
レイン酸、マレイン酸ブチル、マレイン酸メチル、マレ
イン酸ジメチル等のような二重結合を有するジカルボン
酸及びその置換体;塩化ビニル、酢酸ビニル、安息香酸
ビニル等の様なビニルエステル類;エチレン、プロピレ
ン、ブチレン等の様なエチレン系オレフィン類;例え
ば、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン等の様
なビニルケトン類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチ
ルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等の様なビニル
エーテル類;等のビニル単量体が挙げられ、これらが単
独もしくは2つ以上用いられる。
【0044】ここで架橋剤としては、主として2個以上
の重合可能な二重結合を有する化合物が用いられる。具
体的には、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタ
レン等の様な芳香族ジビニル化合物;エチレングリコー
ルジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレー
ト、1,3−ブタンジオールジメタクリレート等の様な
二重結合を2個有するカルボン酸エステル;ジビニルア
ニリン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビ
ニルスルホン等のジビニル化合物;及び3個以上のビニ
ル基を有する化合物;等が挙げられ、これらが単独もし
くは混合物として用いられる。
【0045】結着樹脂がスチレン−アクリル系の樹脂材
料である場合には、トナーの分子量分布が、THF(テ
トラヒドロフラン)可溶分のGPCによる分子量分布
で、分子量3,000〜50,000万の領域に少なく
とも1つピークが存在し、且つ分子量100,000以
上の領域に少なくとも1つピークが存在し、分子量分布
100,000以下の成分が50〜90%となる様な結
着樹脂を用いるのが好ましい。
【0046】又、結着樹脂がポリエステル系の樹脂材料
の場合は、上記と同様のトナーの分子量分布で、分子量
3,000〜50,000の領域に少なくとも1つピー
クが存在し、分子量100,000以下の成分が60〜
100%となる様な結着樹脂を用いるのが好ましい。更
に好ましくは、分子量5,000〜20,000の領域
に少なくとも1つピークが存在する様な結着樹脂を用い
るのが好ましい。
【0047】上記の結着樹脂の中でも、ポリエステル樹
脂は、定着性に優れ、カラートナー用に適しているが、
特に一般式(2)で代表されるビスフェノール誘導体を
ジオール成分とし、2価以上のカルボン酸、又はその酸
無水物、又はその低級アルキルエステルとからなるカル
ボン酸成分(例えば、フマル酸、マレイン酸、無水マレ
イン酸、フタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピ
ロメリット酸等)とを共縮重合したポリエステル樹脂を
結着樹脂とすると、カラートナーとして、良好な帯電特
性を有するので好ましい。
【0048】一般式(2) (式中、Rは、エチレン又はプロピレン基であり、X、
Yは、夫々1以上の整数であり、且つX+Yの平均値は
2〜10である。)
【0049】本発明においては、トナー中に磁性材料を
含有させて磁性トナーとすることも出来る。この際に使
用する磁性微粉体の平均粒径としては、好ましくは0.
05〜0.5μm、より好ましくは0.1〜0.4μm
程度とするのがよい。粒度の変動係数は30%以下のも
のがよい。又、磁性トナー中に含有させる磁性材料の量
としては、樹脂成分100重量部に対し、40〜120
重量部程度とするのが好ましい。
【0050】本発明で用いられる磁性材料としては、例
えば、マグネタイト、γ−酸化鉄、フェライト、鉄過剰
型フェライト等の酸化鉄;鉄、コバルト、ニッケルの様
な金属、或いは、これらの金属とアルミニウム、コバル
ト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、
ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マン
ガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムの様
な金属との合金及びその混合物等;等が挙げられる。
【0051】本発明において、トナー中にワックス成分
を含有させるのも好ましい態様のひとつである。この際
に用いられる炭化水素系ワックスとしては、例えば、ア
ルキレンを高圧下でラジカル重合したアルキレンポリマ
ー、低圧下でチーグラー触媒で重合したアルキレンポリ
マー、高分子量のアルキレンポリマーを熱分解して得ら
れるアルキレンポリマー、一酸化炭素、水素からなる合
成ガスからアーゲ法により得られる炭化水素の蒸留残分
を水素添加して得られる合成炭化水素等が挙げられる。
これらの炭化水素ワックスのうち、特定の成分を抽出分
別した炭化水素ワックスが特に適している。例えば、プ
レス発汗法、溶剤法や真空蒸留等を利用した分別結晶方
式等の方法によって低分子量成分を除去したもの、低分
子量成分を抽出したもの、及び、更にこれから低分子量
成分を除去したもの等が好ましい。この他、マイクロク
リスタリンワックス、カルナバワックス、サゾールワッ
クス及びパラフィンワックス、脂肪族固形アルコール等
を挙げることも出来る。
【0052】又、これらのワックスの分子量の好ましい
範囲は、数平均分子量(Mn、ポリエチレン換算)が5
00〜1200で、重量平均分子量(Mw)が800〜
3600のものが好ましく使用される。分子量が上記範
囲より小さくなると耐ブロッキング性、現像性に劣るよ
うになり、上記範囲より分子量が大きくなると、良好な
定着性、耐オフセット性が得にくくなる。本発明におい
て使用するワックスは、特に、Mw/Mnが5.0以下
のものが好ましく、より好ましくはMw/Mnが3.0
以下のものを用いるのがよい。この様なワックスの含有
量としては、結着樹脂100重量部に対して0.5〜1
0重量部程度用いるのが効果的である。
【0053】本発明の静電荷像現像用ナーの構成成分
である着色剤としては、例えば、カーボンブラック、ラ
ンプブラック、鉄黒、群青、ニグロシン染料、アニリン
ブルー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリー
ン、ハンザイエローG、ローダミン6G、カルコオイル
ブルー、クロムイエロー、キナクリドン、ベンジジンイ
エロー、ローズベンガル、トリアリールメタン系染料、
モノアゾ系、ジスアゾ系染顔料等が挙げられ、これらの
ものは、従来公知の染顔料を単独、或いは混合して使用
し得る。
【0054】本発明の静電荷像現像用トナーにおいて
は、例えば、重量平均粒径が3〜15μmのトナー粒子
を使用することが可能である。特に、5μm以下の粒径
を有するトナー粒子が12〜60個数%含有され、8〜
12.7μmの粒径を有するトナー粒子が1〜33個数
%含有され、16μm以上の粒径を有するトナー粒子が
2.0重量%以下含有され、且つトナーの重量平均粒径
が4〜10μmであることが現像特性の上から、より好
ましい。
【0055】本発明の静電荷像現像用トナーには、上記
の様なものの他、必要に応じて各種の特性の付与を目的
として、下記に挙げる様な添加物を添加することが出来
る。本発明で用いることの出来る添加剤としては、例え
ば、下記に挙げる様なものがある。これらは、目的に応
じて適宜に選択されてトナー中に添加することが出来
る。
【0056】1)研磨剤:チタン酸ストロンチウム、酸
化セリウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム及び
酸化クロム等の金属酸化物、窒化ケイ素等の窒化物、炭
化ケイ素等の炭化物、硫酸カルシウム、硫酸バリウム及
び炭酸カルシウム等の金属塩等が挙げられる。
【0057】2)滑剤:フッ化ビニリデン、ポリテトラ
フルオロエチレン等のフッ素系樹脂粉末、ステアリン酸
亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩等が挙
げられる。
【0058】3)荷電制御性粒子:酸化錫、酸化チタ
ン、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化アルミニウム等の金属
酸化物、カーボンブラック、平均粒径0.05〜3μm
の球状樹脂微粒子等が挙げられる。
【0059】これら添加剤は、トナー粒子100重量部
に対し、0.05〜10重量部が用いられ、好ましくは
0.1〜5重量部が用いられる。これら添加剤は、単独
で用いても、又は、複数併用してもよい。
【0060】本発明の静電荷像現像用トナーを製造する
にあたっては、上述した様なトナー構成材料を、ボール
ミルその他の混合機により十分混合した後、熱ロールニ
ーダー、エクストルーダーの熱混練機を用いてよく混練
し、冷却固化後、機械的な粉砕、分級によってトナーを
得る方法が好ましいが、他には、結着樹脂溶液中に構成
材料を分散した後、噴霧乾燥することによりトナーを得
る方法;結着樹脂を構成すべき単量体に、所定の材料を
混合して乳化懸濁液とした後、重合させてトナーを得る
重合法トナー製造法;コア材、シェル材から成る所謂マ
イクロカプセルトナーにおいて、コア材或いはシェル
材、或いはこれらの両方に所定の材料を含有させる方法
等の方法を適宜に応用することが出来る。更に必要に応
じて所望の添加剤をヘンシェルミキサー等の混合機によ
り十分に混合して、本発明のトナーを製造することが出
来る。
【0061】以下、本発明において使用する各特性値の
測定法について述べる。先ず、本発明において、イオン
Bの大きさ(体積)とは、イオンを構成する原子のファ
ンデルワールス半径により占有される全領域のことをい
い、計算により求めることが出来る。例えば、ポリグラ
フ(MSI製)等の市販の化学計算用プログラムを用い
て、最小エネルギー構造を計算させることによって容易
に求めることが出来る。
【0062】本発明で使用する化合物のGPCによる分
子量分布は、次に挙げる条件で測定される。先ず、23
℃のヒートチャンバー中でカラムを安定させ、この温度
におけるカラムに、溶媒を毎分0.5mの流速で流し、
試料溶液を約300μm注入して測定する。尚、試料の
分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を、
数種の異なる単分散PMMA標準試料により作成した検
量線(分子量の対数値とカウント数との関係)から算出
した。検量線作成用の標準PMMA試料としては、例え
ば、東ソー社製或いは昭和電工社製の分子量が102
107程度のものを用い、少なくとも10点程度の標準
PMMA試料を用いるのが適当である。又、検出器には
RI(屈折率)検出器を用いる。尚、カラムとしては、
市販のポリスチレンゲルカラムを複数本組み合わせるの
が好ましく、例えば、昭和電工社製の、shodex
HPIP−80M、GPC KF−801、802、8
03、804、805、806、807、800Pの組
み合わせや、東ソー社製のTSKgel G100H
(HXL)、G2000H(HXL)、G3000H
(HXL)、G4000H(HXL)、G5000H
(HXL)、G6000H(HXL)、G7000H
(HXL)、TSKguardcolumnの組み合わせ
を挙げることが出来る。
【0063】又、分子量分布を測定する際に用いる測定
用試料は以下の様にして作製する。先ず、試料を溶媒に
溶かす。使用する溶媒としては、例えば、ヘキサフルオ
ロイソプロパノールに微量のトリフルオロ酢酸ナトリウ
ムを混合したものを用いることが出来る。試料を溶かし
た溶液を数時間放置した後、試料の合一体がなくなるま
で十分に振とうし、更に、12時間以上静置する。その
後、ポアサイズ0.45〜0.5μm程度のサンプル処
理フィルター(例えば、マイショリディスクH−13−
5 東ソー製、エキクロディスク25CR ゲルマンサ
イエンスジャパン社製等が利用できる)を通過させたも
のを、GPC用の試料とする。又、試料濃度は、樹脂成
分が0.3〜5mg/mlとなる様に調整する。
【0064】Tgの測定は、高精度の内熱式入力補正型
の示差走査熱量計で測定する。例えば、パーキンエルマ
ー社製のDSC−7等を利用することが出来る。測定法
は、ASTM D3418−82に準じて行う。
【0065】又、トナーの粒度分布は種々の方法によっ
て測定することが出来るが、本発明においては、コール
ターマルチサイザーを用いて行うのが適当である。即
ち、測定装置としてはコールターマルチサイザーII(コ
ールター社製)を用い、アパチャーとして100μmア
パーチャーを用い、トナーの体積、個数を測定して2〜
40μmの粒子の体積分布と個数分布とを算出した。そ
して、体積分布から求めた重量基準の重量平均径を求
め、体積分布から求めた重量基準の粗分量(16μm以
上のもの)、個数分布から求めた個数基準の比率(例え
ば、2.0〜4.0μmの範囲、5μm以下、8〜1
2.7μmの範囲のものの含有量)等を求めた。
【0066】又、トナー凝集度の測定は、パウダーテス
ター(細川ミクロン社製)を用いて測定する。先ず、振
動台に下から200メッシュ、100メッシュ、60メ
ッシュの順でフルイを重ねてセットする。この重ねたフ
ルイの上にトナー5gを静かに乗せ、次に15秒間振動
を加える。その後各フルイ上に残ったトナーの質量を測
定して下記式により凝集度を求める。 凝集度(%)={a/5+(b/5×3/5)+(c/5×1/5)}×100 a:60メッシュ上トナー質量(g) b:100メッシュ上トナー質量(g) c:200メッシュ上トナー質量(g)
【0067】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明をより具体的
に説明するが、本発明を何ら限定するものではない。
尚、以下の配合における部数は、特に断りのない限り全
て重量部である。
【0068】化合物の合成 (合成例1−1) ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライドを重
合し、ポリビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロ
ライドを得た。これを水に溶解し、第1の溶液とした。
別に、ナトリウム−テトラフェニルボレート(アニオン
径:0.44nm3)を水に溶解し、これを第1の溶液
に撹拌しながら、徐々に滴下した。沈殿物をろ過し、水
で洗浄した後、真空乾燥し、化合物を得た。元素分析、
プロトンNMRを行ったところ、前記した化合物例
(1)の構造とほぼ一致した。得られた化合物の分子量
分布をGPCにより測定したところ、重量平均分子量
(Mw)は5.6万であり、Mw/Mnは2.4であっ
た。又、この化合物の分子量3千以下の成分は5%であ
った。
【0069】(合成例1−2) スチレン、ジメチルアミノエチルメタクリレートのメチ
ルクロライド4級塩を10:50の重量比で仕込み、重
合開始剤を加えてメタノール/トルエンの溶液重合を行
い、重合体を得た。この重合体を水に溶解し、第1の溶
液とした。別に、ナトリウム−テトラフェニルボレート
を水に溶解し、これを第1の溶液に撹拌しながら、徐々
に滴下した。沈殿物をろ過し、水で洗浄した後、真空乾
燥し、化合物を得た。元素分析、プロトンNMRを行っ
たところ、前記した化合物例(2)の構造とほぼ一致し
た。得られた化合物の分子量分布をGPCにより測定し
たところ、重量平均分子量(Mw)は3.0万であり、
Mw/Mnは3.6であった。又、この化合物の分子量
3千以下の成分は12%であった。
【0070】(合成例1−3) ナトリウム−テトラフェニルボレートをジ−[カテコー
ル]ボレートのナトリウム塩(アニオン径:0.26n
3)に替える以外は、合成例1−1と同様にして化合
物を得た。元素分析、プロトンNMRを行ったところ、
前記した化合物例(3)の構造とほぼ一致した。得られ
た化合物の分子量分布をGPCにより測定したところ、
重量平均分子量(Mw)は5.0万であり、Mw/Mn
は2.5であった。又、この化合物の分子量3千以下の
成分は5%であった。
【0071】(合成例1−4) ジアリルジメチルアンモニウム−クロライドを環化重合
反応させ、ポリジアリルジメチルアンモニウム−クロラ
イドのホモポリマーを得た。これを水に溶解し、第1の
溶液とする以外は合成例1−1と同様にして、化合物を
得た。得られた化合物の分子量分布をGPCにより測定
したところ、重量平均分子量(Mw)は7.1万であ
り、Mw/Mnは3.4であった。又、この化合物の分
子量3千以下の成分は7%であった。
【0072】(合成例1−5) ナトリウム−テトラフェニルボレートをメチル硫酸ナト
リウム(アニオン径:0.11nm3)に代える以外
は、合成例1−1と同様にして化合物を得た。得られた
化合物の分子量分布をGPCにより測定したところ、重
量平均分子量(Mw)は4.6万であり、Mw/Mn
2.4であった。又、この化合物の分子量3千以下の成
分は5%であった。
【0073】(合成例1−6) 4,4´−ジアミノ−3,3´−ジエチルフェニルメタ
ンを希塩酸に溶解し、第1の溶液とする以外は合成例1
−1と同様にして、化合物を得た。得られた化合物の分
子量は、571であった。
【0074】結着樹脂の合成 (合成例2−1) ・プロポキシ化ビスフェノール 52mol% ・フマル酸 40mol% ・テレフタル酸 5mol% ・無水トリメリット酸 1mol% 上記の成分を用い、縮合重合させて結着樹脂1を得た。
【0075】 上記の成分を用い、懸濁重合させて重合体Aを得た。 ・スチレン 83部 ・ブチルアクリレート 17部 ・ジ−t−ブチルパーオキサイド 2.0部 上記の成分用い、キシレンを溶媒とした溶液重合をさ
せて重合体Bを得た。重合体A:重合体B:ポリプロピ
レンワックス(Mn=810、Mw=1330)の比が
30:70:3の重量比となる様に溶液混合して、結着
樹脂2を得た。
【0076】(合成例2−3) ・プロポキシ化ビスフェノール 55mol% ・テレフタル酸 38mol% ・無水トリメリット酸 7mol% 上記の成分を用い、縮合重合させて結着樹脂3を得た。
【0077】実施例1 ・結着樹脂2 100部 ・マグネタイト 100部 ・合成例1−1の粉末 3部 上記材料をブレンダーでよく混合した後、130℃に設
定した2軸混練押出機にて混練した。得られた混練物を
冷却後、粗粉砕し、ジェット気流を用いた微粉砕機を用
いて微粉砕した。更に、得られた微粉砕品をコアンダ効
果を利用した多分割分級装置(日鉄鉱業社製エルボジェ
ット分級機)で超微粉及び粗粉を同時に厳密に分級除去
して、重量平均粒径6.5μmの黒色微粉体を得た。こ
の微粉体の飽和磁化は38Am2/kg、酸価は3mg
KOH/gであった。又、凝集度は、35%であった。
得られた樹脂微粉体100部に、ヘキサメチルジシラザ
ンとジメチルシリコーンオイルで処理したシリカ微粉体
(粒径15nm)1.0部とチタン酸ストロンチウム
(粒径900nm)3.0部とを混合し、本実施例のト
ナーを得た。
【0078】[評価] 上記の磁性トナーについて、市販の電子写真複写機GP
−55(キヤノン社製)の改造機を用い、23℃、10
%RHの環境で1万枚の複写テストを行った。その結
果、初期から画像濃度1.40の鮮やかな黒色画像が得
られ、その後、1.45±0.03のレベルを推移し
た。この時、スリーブ上の帯電量は50枚目で−10.
1mC/kgであり、1万枚目では−9.8mC/kg
であって、安定していた。それに続けて、30℃、80
%RHの高湿度の環境で2万枚の複写テストを行ったと
ころ、1日放置直後を除けば、画像濃度は1.40±
0.05のレベルを推移し、カブリのない画像が得られ
た。放置後に記録を再開した場合の最も画像濃度が低い
ところでは1.30であったが、約50枚複写後には安
定レベルに達した。
【0079】実施例2 ・結着樹脂1 100部 ・銅フタロシアニン顔料 5部 ・合成例1−1の粉末 3部 上記材料をブレンダーでよく混合した後、110℃に設
定した2軸混練押出機にて混練した後、実施例1と同様
にして、重量平均粒径7.2μmの樹脂微粉体を得た。
得られた微粉体の酸価は9mgKOH/gであり、凝集
度は、62%であった。この得られた微粉体100部に
疎水化処理酸化チタン(平均粒径25nm)0.8部を
ヘンシェルミキサーで混合してトナーとした。次に、平
均粒径45μmのフェライト粒子をシリコーン樹脂で被
覆したキャリアとトナーを混合して2成分トナーとし
た。混合比率はキャリア94部に対してトナー6部とし
た。
【0080】[評価] この2成分トナーを市販のカラー電子写真複写機CLC
−550(キヤノン社製)で複写試験を行った。23
℃、60%RHの環境下で複写したところ、初期から濃
度1.65の良好な画像が得られた。又、ハーフトーン
画像が非常に滑らかで、しかもカブリのない画像が得ら
れた。又、1万枚複写したところ、濃度1.71の良好
な画像が得られ、その際に複写枚数の増加に伴う画質の
劣化は殆ど認められなかった。この時、スリーブ上の2
成分トナーをサンプリングし、帯電量を測定したとこ
ろ、50枚目では−24.6mC/kgで、1万枚目で
は−23.1mC/gであり、安定していた。
【0081】又、23℃、10%RHの低湿度の環境条
件下でも、初期から濃度1.60の良好な画像が得られ
た。1万枚複写したところ、画像濃度の低下現象は見ら
れなかった。又、ハーフトーン画像の滑らかさや画像の
シャープさ等の画質の複写枚数の増加に伴う劣化も認め
られなかった。次に、30℃、80%RHの高湿度の環
境条件下で同様に複写試験したところ、初期から濃度
1.71の良好な画像が得られた。又、1万枚複写した
ところ、画像濃度の低下現象は見られなかった。更に、
30℃、80%RHの高湿度の環境下に3日間放置した
後に複写試験を再開した。この結果、再開後1枚目の画
像濃度は1.80と放置前と比べて若干高くなっていた
が、20枚複写後には1.72と、放置前の状態に戻っ
ていた。又、複写機内のトナー飛散も認められなかっ
た。
【0082】実施例3 実施例2において、合成例1−1で得られた化合物を用
いる代わりに、合成例1−2で得られた化合物を3部用
いること以外は、実施例2と同様にしてトナーを得た。
得られたトナーの重量平均粒径は7.4μmであり、樹
脂微粉体の凝集度は、75%であった。
【0083】[評価] 得られた2成分トナーを用い、実施例2と同一の方法で
複写試験した。23℃、60%RHの環境下で複写した
ところ、初期から濃度1.70の良好な画像が得られ
た。又、非常にハーフトーン画像が滑らかで、しかもシ
ャープな画像が得られた。又、1万枚複写したところ、
濃度1.75の良好な画像が得られ、複写枚数の増加に
伴う画質の劣化は殆ど認められなかった。この時、スリ
ーブ上の2成分トナーをサンプリングして帯電量を測定
したところ、50枚目では−23.8mC/kgであ
り、1万枚目では−22.1mC/kgであって、安定
していた。
【0084】23℃、10%RHの低湿度の環境条件下
でも初期から濃度1.70の良好な画像が得られた。
又、1万枚複写したところ、画像濃度の低下現象は見ら
れなかった。ハーフトーン画像の滑らかさや画像のシャ
ープさ等の画質の複写枚数の増加に伴う劣化も認められ
なかった。次に、30℃、80%RHの高湿度の環境条
件下で同様に複写試験したところ、初期から濃度1.7
5の良好な画像が得られた。又、1万枚複写したとこ
ろ、画像濃度の低下現象は見られなかった。更に、30
℃、80%RHの高湿度の環境下に3日間放置した後に
複写試験を再開した。この結果、再開後1枚目の画像濃
度は1.85と放置前と比べて若干高くなっていたが、
40枚複写後には1.75の放置前の状態に戻ってい
た。又、複写機内のトナー飛散も認められなかった。
【0085】比較例1 実施例2において、合成例1−1で得られた化合物を用
いる代わりに、合成例1−3で得られた化合物を3部用
いること以外は、実施例2と同様にしてトナーを得た。
このトナーは、重量平均粒径7.5μmであり、樹脂微
粉体の凝集度は、61%であった。
【0086】[評価] 得られた2成分トナーを用い、実施例2と同一の方法で
複写試験した。23℃、60%RHの環境下で複写した
ところ、初期から濃度1.70の良好な画像が得られ
た。又、非常にハーフトーン画像が滑らかで、しかもシ
ャープな画像が得られた。又、1万枚複写したところ、
濃度1.73の良好な画像が得られ、複写枚数の増加に
伴う画質の劣化は殆ど認められなかった。この時、スリ
ーブ上の2成分トナーをサンプリングして帯電量を測定
したところ、50枚目では−22.5mC/kgであ
り、1万枚目では−20.2mC/kgであって、安定
していた。
【0087】23℃、10%RHの低湿度の環境条件下
でも初期から濃度1.61の良好な画像が得られた。
又、1万枚複写したところ、画像濃度の低下現象は見ら
れなかった。ハーフトーン画像の滑らかさや画像のシャ
ープさ等の画質の複写枚数の増加に伴う劣化も認められ
なかった。次に、30℃、80%RHの高湿度の環境条
件下で同様に複写試験したところ、初期から濃度1.7
7の良好な画像が得られた。又、1万枚複写したとこ
ろ、画像濃度の低下現象は見られなかった。更に、30
℃、80%RHの環境下に3日間放置した後に複写試験
を再開した。再開後1枚目の画像濃度は1.90と放置
前と比べて若干高くなっていたが、40枚複写後には
1.79と放置前の状態に戻っていた。又、複写機内の
トナー飛散も殆ど認められなかった。
【0088】比較例2 実施例2において、合成例1−1で得られた化合物を用
いる代わりに、合成例1−4で得られた化合物を3部用
いること以外は、実施例2と同様にして比較用のトナー
を得た。トナーの重量平均粒径7.2μmであり、樹脂
微粉体の凝集度は90%と高かった。
【0089】[評価] 得られた2成分トナーを用い、実施例2と同一の方法で
複写試験した。23℃、60%RHの環境下で複写した
ところ、初期は濃度1.65の画像が得られたが、ハー
フトーン画像の滑らかさは実施例2に比べて劣ってい
た。又、1万枚複写したところ、濃度は1.75と初期
とあまり変わらなかったが、複写枚数の増加に伴う画質
の劣化が認められた。このとき、スリーブ上の2成分ト
ナーをサンプリングして帯電量を測定したところ、50
枚目では−24.0mC/kgで、1万枚では−22.
6mC/kgであって、帯電量は安定していた。
【0090】比較例3 実施例2において、合成例1−1で得られた化合物を用
いる代わりに、合成例1−5で得られた化合物を3部用
いること以外は、実施例2と同様にして比較用のトナー
を得た。このトナーは、重量平均粒径7.1μmであ
り、樹脂微粉体の凝集度は74%であった。
【0091】[評価] 得られた2成分トナーを実施例2と同一の方法で複写試
験した。23℃、60%RHの環境下で複写したとこ
ろ、初期は濃度1.65の画像が得られたが、ハーフト
ーン画像の滑らかさは実施例2に比べて劣っていた。
又、3千枚複写した時点で、濃度は1.90と高くなっ
た。このとき、スリーブ上の2成分トナーをサンプリン
グして帯電量を測定したところ、50枚目では−22.
2mC/kgであったのに対し、3千枚目では−15.
mC/kgと低下していた。又、複写枚数の増加に伴う
画質の劣化及びカブリの悪化も著しかったので、耐久試
験を中止した。
【0092】比較例4 実施例2において、合成例1−1で得られた化合物を用
いる代わりに、合成例1−6で得られた化合物を3部用
いること以外は、実施例2と同様にして比較用のトナー
を得た。このトナーの重量平均粒径7.2μmであり、
樹脂微粉体の凝集度は66%であった。
【0093】[評価] 得られた2成分トナーを用い、実施例2と同一の方法で
複写試験した。23℃、60%の環境下で複写したとこ
ろ、初期から濃度1.78と高い画像濃度であった。し
かし、1万枚複写したところ、濃度は1.87と更に高
くなり、又、複写機内のトナー飛散も認められた。画質
についても全体に実施例2よりも劣っていた。このと
き、スリーブ上の2成分トナーをサンプリングして、帯
電量を測定したところ、50枚目は−19.0mC/k
gであり、1万枚では−17.6mC/kgと低い値で
あった。
【0094】実施例4 ・結着樹脂3 100部 ・カーボンブラック 5部 ・合成例1−1の粉末 4部 上記材料を用いて実施例1と同様にして、重量平均径
9.0μmの樹脂微粉体を得た。得られた樹脂微粉体1
00部に、疎水性処理アルミナ微粉体(平均粒径20n
m)0.6部を混合してトナーを得た。次いで、平均粒
径55μmのアクリルコートフェライトキャリア94部
と得られたトナー6部を混合して2成分トナーとした。
【0095】[評価] この2成分トナーについて、NP−6060(キヤノン
社製)の改造機で、2成分用の現像器を用いて5万枚の
複写テストを実施した。その結果、初期から画像濃度
1.38でカブリのない鮮明な画像が得られた。又、5
万枚複写後の画像も濃度1.42で鮮明なものであり、
トナー融着による画像欠陥も見られなかった。感光ドラ
ム上にも、付着物は見られなかった。
【0096】実施例5 ・結着樹脂3 100部 ・銅フタロシアニン顔料 5部 ・合成例1−1の粉末 4部 上記材料を用いて、実施例1と同様にして重量平均径
8.6μmの樹脂微粉体を得た。得られた樹脂微粉体1
00部に、ジメチルシリコーンオイルで処理した酸価チ
タン微粉体(平均粒径30nm)1.3部を混合してト
ナーを得た。
【0097】[評価] この磁性トナーについて、FC−310をネガトナー用
に改造して、非磁性一成分系現像剤用の改造現像器を用
いて5千枚の複写テストを実施した。その結果、初期か
ら画像濃度1.38でカブリのない鮮明な画像が得られ
た。又、5千枚複写後の画像も濃度1.42で鮮明なも
のであり、トナー融着による画像欠陥も見られなかっ
た。感光ドラム上にも、付着物は見られなかった。
【0098】
【0099】
【0100】実施例6 下記に示す様に、実施例2と同様にして、イエロートナ
ー、マゼンタトナー、及びブラックトナーを得た。又、
得られたトナーの夫々の特性は、下記の様であった。 (1)イエロートナー 着色剤をC.I.ピグメントイエロー17、3部に代え
た以外は実施例2と同様にして、下記の様なイエロート
ナーを作製した。 ・重量平均径:7.5μm ・酸価:9mgKOH/g ・凝集度:66%
【0101】(2)マゼンタトナー 着色剤をC.I.ピグメントレッド122、5部に代え
た以外は実施例2と同様にして、下記の様なマゼンタト
ナーを作製した。 ・重量平均径:7.2μm ・酸価:9mgKOH/g ・凝集度:65%
【0102】(3)ブラックトナー 着色剤をカーボンブラック(粒径30μm)5部に代え
た以外は実施例2と同様にして、下記の様なブラックト
ナーを作製した。 重量平均径:8.0μm 酸価:9mgKOH/g 凝集度:59% これらのトナーを用い、実施例2と同様にキャリアを混
合して2成分トナーとした。
【0103】[評価] これらの2成分トナーと実施例2のシアントナーとを用
いて、CLC−800(キヤノン社製)にて、フルカラ
ーの複写テストを実施した。得られた画像は、ハイライ
ト部分の色再現が良好で、ドットが均一で滑らかな画質
であった。又、各色単独の画像濃度の評価をすると、シ
アントナーは1.62、イエロートナーは1.66、マ
ゼンタトナーは1.59、ブラックトナーは1.58で
あった。以後、1万枚の複写を行ったが、その間の画像
濃度変動は小さく、1万枚後の画像も、初期とほぼ同等
の画質を有していた。
【0104】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明によれば、高
画像濃度でカブリがなく、ハイライト再現性のよい画像
を得ることの出来る静電荷像現像用トナーが提供され
る。又、本発明によれば、非常に素早く適正な帯電量を
有し、且つ長期耐久での帯電量の安定性に優れた静電荷
像現像用トナーが提供される。更に、本発明によれば、
低湿度下や高湿度下に放置した後に複写を再開した場合
に、高い画像濃度の画像が安定して得られ、且つトナー
飛散も生じない静電荷像現像用トナーが提供される。更
に、本発明によれば、電荷制御剤として機能を有する化
合物が、無色或いは淡色である為、色再現性の良好な静
電荷像現像用カラートナーが提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−261549(JP,A) 特開 平4−215665(JP,A) 特開 平4−142555(JP,A) 特開 昭62−264066(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 9/097

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イオン化された元素を含む構造を繰り返
    し単位として有する非環化重合反応により得られた直鎖
    の主鎖を有し、架橋構造を有さない重合体であるイオ
    ンAと、該イオンAと逆極性であって且つ体積が0.4
    0nm3以上の大きさを有するイオンBとからなる分子
    量が600以上の化合物が内添されていることを特徴と
    する静電荷像現像用トナー。
  2. 【請求項2】 イオンBの極性と同一極性である請求項
    1に記載の静電荷像現像用トナー。
  3. 【請求項3】 イオンBがアニオンである請求項1又は
    請求項2に記載の静電荷像現像用トナー。
JP15560095A 1995-05-31 1995-05-31 静電荷像現像用トナー Expired - Fee Related JP3376170B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15560095A JP3376170B2 (ja) 1995-05-31 1995-05-31 静電荷像現像用トナー

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15560095A JP3376170B2 (ja) 1995-05-31 1995-05-31 静電荷像現像用トナー

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08328313A JPH08328313A (ja) 1996-12-13
JP3376170B2 true JP3376170B2 (ja) 2003-02-10

Family

ID=15609574

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP15560095A Expired - Fee Related JP3376170B2 (ja) 1995-05-31 1995-05-31 静電荷像現像用トナー

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3376170B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08328313A (ja) 1996-12-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5700617A (en) Toner for developing electrostatic images and charge-controlling agent
US11762307B2 (en) Toner
JP2000010343A (ja) 静電荷像現像用トナ―の製造方法
JP3413029B2 (ja) 静電荷像現像用トナー
JP3210245B2 (ja) 静電荷像現像用トナー
JPH06313992A (ja) 静電荷像現像用トナー
JP3376170B2 (ja) 静電荷像現像用トナー
US6858366B2 (en) Toner for electrostatic development, charge controlling agent for the toner and process for producing the same
JP3976914B2 (ja) トナー
JP2748164B2 (ja) 静電潜像現像用負帯電性トナー
JP3086994B2 (ja) 静電荷像現像用トナー
JP3308771B2 (ja) 静電荷像現像用トナー
JP3267515B2 (ja) 静電荷像現像用トナー
JP3323710B2 (ja) 静電荷像現像用トナー
JPH10133411A (ja) 静電荷像現像用トナー
JP3282012B2 (ja) 静電荷像現像用トナー
JP3478695B2 (ja) 静電荷像現像用トナー
JP3902880B2 (ja) 現像用トナー
JP3236159B2 (ja) 静電荷像現像用トナー
JPH10228133A (ja) 静電荷像現像用トナー
JP3372815B2 (ja) 静電荷像現像用トナー
JP3486527B2 (ja) トナー
JP3083038B2 (ja) 静電荷像現像用現像剤
JP3706727B2 (ja) 静電荷像現像用トナー
JPH10104881A (ja) 静電荷像現像用トナー

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071129

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081129

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091129

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101129

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101129

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111129

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121129

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131129

Year of fee payment: 11

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees