JP3368753B2 - 波長変換方法 - Google Patents
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に第二次高調波(以下、SHGと略称する)発生や、和
周波あるいは差周波を混合することによって、赤外線か
ら紫外線領域のレーザ光を得るための波長変換方法に係
わり、さらに詳しくは、四ホウ酸リチウム単結晶(以
下、Li2 B4 O7 または四ほう酸リチウムとも言う)
を用いた新規な波長変換方法に関する。
の研究が近年活発化している。SHGは、レーザの波長
範囲を拡大することができ、各種応用分野への工業的価
値はきわめて大きい。光情報処理、ディスプレイ、光計
測、加工、医療、LSI製造などの分野では、小型、軽
量、長寿命且つ高安定な可視光または紫外光が必要とさ
れている。
結晶としては、たとえば特開平3−65597号公報な
どに示すKTP(KTiOPO4 )や、特開昭63−2
79231号公報などに示すBBO(β−BaB2 O
4 )などが知られている。
成る波長変換素子は、レーザ入射光の波長に対してKT
Pの透明領域が、0.25〜4.5μmで広いが、1μ
m以下では位相整合しない。つまり2倍波までしか出せ
ない。また、結晶の大型化が難しいうえ、結晶内部で屈
折率が変化する。したがって一個の結晶から切り出した
素子でも、屈折率が異なるので位相整合角度が異なる。
さらに、結晶内にいわゆる”す”が入りやすいという課
題を有する。
Pよりも大きいが、水にやや溶けて潮解性を有し、取扱
性に難点があると共に、大型結晶の作成が困難であると
いう課題を有する。一方、高分子材料のアブレーション
加工、表面改質、マーキング、薄膜作製、医薬品の製
造、同位体分離などに応用が期待されているエキシマレ
ーザは、1970年にソビエト連邦のBasovらによ
って、液体Xeを電子ビームで励起する方法で初めて実
現され、さらに1976年に、放電励起によって発振す
ることにも成功した。放電励起方式のエキシマレーザ
は、紫外線のパルス繰り返し発振レーザで、ArF(1
93nm),KrF(248nm),XeCl(308
nm)などの化合物が発する紫外光を光共振器により増
大させ、レーザ光として取り出したものである。しかし
ながら、エキシマレーザは、例えば繰り返し数百pps
(pulse per second)のパルスレーザ
の場合、10-2秒毎に10-9秒間のパルス光しか発生せ
ず、インターバルに比べてレーザの発光時間が著しく短
いことから、応用分野における加工や成膜過程で問題が
多かった。また、媒質ガスの寿命が短いこと、レーザ装
置の小型化が困難であること、保守性が悪いこと、運転
コストが高いこと等々の問題を有していた。
41cd,点群4mmに属し、1981年にワットモアによ
って、新しい表面弾性波(SAW)デバイス用基板材料
として見い出された。しかしながら、このLi2 B4 O
7 を波長変換素子に用いようとする試みは、非線形光学
定数の低さから注目されなかった。
れ、レーザ入射光の波長に対する透明領域が広く、耐レ
ーザ損傷が大きく、良質の大型結晶の作成が容易で、加
工性に優れ、潮解性が小さく取り扱い性にも優れた、赤
外線から紫外線領域のレーザ光を得るための波長変換素
子を用いた波長変換方法を提供することを目的とする。
リチウム単結晶の光学特性について鋭意検討した結果、
波長変換素子として実用的に優れた機能を有することを
見い出し、本発明を完成させるに至った。
チウム単結晶(Li2 B4 O7 )にレーザ光を透過させ
ることにより、当該レーザ光の波長を変換することを特
徴とする。本発明では、その四ほう酸リチウムに、二種
または3種以上のレーザ光を同時に照射し、それらのレ
ーザ光の波長の和周波または差周波のレーザ光を得るよ
うに構成することもできる。
対して特定の角度で、所定波長のレーザ光を照射した場
合に、波長変換を行うことができる。その角度の基準と
して、位相整合角度θmが用いられる。基本波を光学軸
に対してある角度θmで入射すると、基本波と同じ方向
に位相整合された2次高調波が発生する。この角度θm
を位相整合角度と言う。四ほう酸リチウムは、負の一軸
結晶である。そして、位相整合条件は、タイプIの結晶
である。したがって、図2に示すように、位相整合条件
としては、位相整合角度θmのみを考慮すれば良く、c
面上の回転Φは考慮する必要はない。
について検討した結果、KTPやBBOと同等以上の波
長変換が可能であることを見い出した。すなわち、Li
2 B4 O7 から成る波長変換素子を用いることにより、
たとえばNd:YAGレーザ(波長1064nm)か
ら、コヒーレンスが高い4倍波(266nm)、5倍波
(213nm)の波長の光を作り出すことに成功した。
4倍波あるいは5倍波の波長の光を作り出すことができ
れば、既に大出力の装置が開発されている赤外レーザを
用いて、紫外線領域またはそれに近い領域のレーザ光を
容易に作り出すことができ、さらに微細加工が可能にな
ると共に、マーキング、リソグラフィ、各種半導体プロ
セス、医療などの多様な分野への応用が期待できる。
シマレーザが知られている。このエキシマレーザは、大
出力の紫外光を出せる反面、例えば従来の放電励起エキ
シマレーザでは、パルスのインターバルに比べて発光時
間が著しく短いため、応用分野における加工や成膜過程
で問題が多い。また、媒質ガスとして有毒性のものを用
い、その寿命が短いこと、レーザ装置の小型化が困難で
あること、保守性が悪いこと、運転コストが高いこと等
々の問題がある。しかしながら、本発明に係る波長変換
方法を利用したレーザ装置によれば、このような諸問題
を解消することができ、エキシマレーザに代わる大出力
のレーザ装置を提供することができる。
長変換素子として用いた場合に、耐レーザ損傷が、他の
結晶に比べて著しく大きく、波長変換素子として実用的
に適していることを見い出した。耐レーザ損傷が小さい
と、レーザのエネルギーによって、結晶が損傷するおそ
れがあり、波長変換素子としての耐久性が問題になる。
Li 2 B 4 O 7 を用いた波長変換素子では、耐レーザ損
傷が大きく、より大出力のレーザ出力が可能になると共
に、耐久性に優れている。
波長変換素子として用いた場合に、入射する光の波長に
対する透明領域が、他の結晶に比べて広く、波長変換素
子として実用的に適していることを見い出した。透明領
域が広くなければ、特定の波長の光に対してのみしか波
長変換素子として用いることができないが、Li 2 B 4
O 7 を用いた波長変換素子は、広領域の光に対して波長
変換素子として用いることができる。
良質の大型結晶を作り易く(現在では、4インチ単結晶
ウェーハの作成が確認されている)、大型結晶にするこ
とで、変換効率を上げることができる。レーザ出力は、
入射光の強度の2乗、結晶長の長さの2乗に比例して効
率が上がる。
点なので、白金坩堝で育成も可能である。また、Li2
B4 O7 は、組成が均一である(結晶の上部と下部で組
成ズレを起こさない)。また、Li2 B4 O7 は常誘電
体なので分極処理が不要である。さらにLi2 B4 O7
は、波長変換素子を構成する他の結晶に比較して潮解性
が低く、安定であり、取扱性に優れている。ちなみに潮
解性が大きい場合には、素子を密閉容器などに収容し、
湿度を制御する必要がある。また、Li2 B4O7 は、
結晶の硬さも水晶と同程度であり、研磨および切断など
の加工性も良好である。また、波長変換素子を構成する
他の結晶に比較して製造コストも安価である。これらの
性質は、波長変換素子として実用化するためには特に重
要である。
長変換素子として好適に用いられるLi2 B4 O7 を用
いて、光パラメトリック発振を行うこともできることも
見い出した。光パラメトリック発振は、1つのポンピン
グ周波数ωp と、四ほう酸リチウム媒体中で二種類とな
って増幅される周波数ωs の信号波とωi =ωp −ω s
の周波数のアイドラー波の三種類の混合現象として現わ
れる。光パラメトリック発振は、一種の光混合現象であ
るが、通常の光混合と本質的に異なるのは、光混合の場
合には、二種類の入射光があるが、光パラメトリック発
振では、入射光は単一種類で一定であることと、発振現
象を伴うことからしきい値が存在することとである。ω
s とωi とは、原理的には物質固有の周波数に関係な
く、共振器や位相整合などの外部条件で決定される。
s とλi の両方を発振させる双共振器型と、いずれか一
方を発振させる単共振器型とがある。Li 2 B 4 O 7 を
用いた光パラメトリック発振器は、それらの両方に適用
することができる。光波長帯の信号波またはアイドラー
波、あるいは両波に共振するような光共振器内に、四ほ
う酸リチウム単結晶を置くと、ポンピングの強度がある
しきい値に達した場合に、光パラメトリック増幅の利得
により、信号波とアイドラー波とが同時に発振する。し
きい値は、光パラメトリック利得が、信号波とアイドラ
ー波の損失に等しくなる状態に対応した値である。
ク発振器の調整によって、四ほう酸リチウム単結晶への
入射角を変えるか、または結晶の温度を変えることによ
って、連続的に波長可変が可能となり、広範囲の波長を
持つレーザー光が得られる。したがって、四ほう酸リチ
ウムを用いた光パラメトリック発振器は、実用上きわめ
て重要である。
に説明する。第1実施形態 図1は本発明の一実施の形態に係るレーザ装置を示す概
略図である。
ーザ装置100は、波長1064nmのNd:YAGレ
ーザ10と、波長266nmの二次光源20と、四ほう
酸リチウム単結晶からなる波長変換素子30と、ハーフ
ミラー40とを有している。第1の光路では、Nd:Y
AGレーザ10から発せされた波長1064nmのレー
ザ光がハーフミラー40を透過して四ほう酸リチウム単
結晶からなる波長変換素子30に照射される。また、第
2の光路では、二次光源20からの波長266nmのレ
ーザ光が、ハーフミラー40を透過して四ほう酸リチウ
ム単結晶からなる波長変換素子30に照射される。
レーザから発せされた波長1064nmのレーザ光を、
β−BaB2 O4 (BBO)単結晶および/または四ほ
う酸リチウムから成る波長変換素子に2度通過させて、
波長266nmのレーザ光に変換して出力する。第1の
光路及び第2の光路から波長変換素子30に照射された
レーザ光は、当該波長変換素子30を通過すると、和周
波されて、波長213nmの短波長レーザ光に変換され
ることになる。
入射光の波長に対する透明領域が広く、耐レーザ損傷が
大きく、良質の大型結晶の作成が容易で、加工性に優
れ、潮解性が小さく取り扱い性にも優れ、実用性に優れ
た四ほう酸リチウム単結晶からなる波長変換素子30を
有しているので、小型化が可能で長寿命であり、しかも
短波長の紫外光線が得られるので、従来のエキシマレー
ザに代替えできる。このようなレーザ装置は、印刷や製
版、光計測等の分野に応用が期待できる。
ク発振を行う光パラメトリック発振器の基本構成を示す
概略図である。本実施形態では、図9に示すように、四
ほう酸リチウム単結晶30dの両側に、入力ミラー80
と出力ミラー82とを配置して光パラメトリック発振器
を構成し、その入力ミラー80に対して、YAGレーザ
などで構成されるレーザ発振器84から集光光学系86
を通して、ポンピング周波数ωp の光を入射させる。
ピング周波数ωp と、四ほう酸リチウム媒体中で二種類
となって増幅される周波数ωs の信号波とωi =ωp −
ωsの周波数のアイドラー波の三種類の混合現象が生じ
る。光パラメトリック発振は、一種の光混合現象である
が、通常の光混合と本質的に異なるのは、光混合の場合
には、二種類の入射光があるが、光パラメトリック発振
では、入射光は単一種類で一定であることと、発振現象
を伴うことからしきい値が存在することとである。ωs
とωi とは、原理的には物質固有の周波数に関係なく、
共振器や位相整合などの外部条件で決定される。
るいは両波に共振するような光共振器内に、四ほう酸リ
チウム単結晶30dを置くと、ポンピングの強度がある
しきい値に達した場合に、光パラメトリック増幅の利得
により、信号波とアイドラー波とが同時に発振する。し
きい値は、光パラメトリック利得が、信号波とアイドラ
ー波の損失に等しくなる状態に対応した値である。
ク発振器の調整によって、四ほう酸リチウム単結晶30
dへの入射角を変えるか、または結晶30dの温度を変
えることによって、連続的に波長可変が可能となり、広
範囲の波長を持つレーザー光が得られる。したがって、
四ほう酸リチウムを用いた光パラメトリック発振器は、
実用上きわめて重要である。
BBOを用いたものに比較し、BBOよりも四ほう酸リ
チウムの方が耐レーザ損傷が大きいので、高パワーのY
AGレーザ光を入射でき、高出力の連続した短波長レー
ザが得られる。また、四ほう酸リチウムは、BBOに比
較して、紫外光に対して劣化し難いので、素子が長持ち
する。
明する。ただし本発明は、これらの実施例に何ら限定さ
れない。実施例1 所定モル比(化学量論組成)の純度99.99重量%の
四ホウ酸リチウム多結晶体1300gを、直径90mm、
高さ100mmの白金坩堝に充填し、チョコラルスキー
(CZ)法で四ほう酸リチウム単結晶を育成した。次
に、図3に示すように、光学軸(c軸)に対するカット
面32の角度が45度であるように、四ほう酸リチウム
単結晶をカットし、入出射面であるカット面32を光学
研磨し、15mm×15mm×10mmのLi2 B4 O7 単結
晶から成る波長変換素子30を作成した。
トリック発振器(OPO:SpectraPhysics社製)から4
86〜1265nmのレーザ光を入射させたところ、2
43〜633nmのSHG光が得られた。図4は、図3
に示す45度カット面32に垂直な方向へのレーザ入射
角度を0度とし、c軸方向をプラス、<110>方向を
マイナスとして結晶を回転させたときに、OPOから発
生させた各レーザ波長で、位相整合したときのレーザ光
の入射角度を示している。この入射角度から、各波長に
おける位相整合角度θmを求めることができる。
と、スネルの法則に従い、レーザ光は結晶中を屈折して
進む。そして、位相整合角度θmは、二次高調波を発生
した時の屈折したレーザ光とc軸との角度である。図4
から、波長1064nmのレーザ光を入射したときの入
射角度は、約プラス19度である。すなわち、YAGの
基本波を入射したときには、入射角度が約プラス19度
で位相整合する。四ほう酸リチウムの屈折率は、約1.
6なので、屈折角度は、約12度である。従って、c軸
との角度は約32度と求められる。同様な方法で、各波
長毎の位相整合角度を決定できる。
す。
ほう酸リチウムの屈折率を1.6として計算して求めた
ので、厳密な意味では正確ではない。なぜなら、結晶の
屈折率は、温度や入射波長などによって変化するからで
ある。しかしながら、上記表の値は、正確な値に近い値
であり、上記の表の値に±5度の範囲に正確な位相整合
角度があると考えられる。もちろん、屈折率が正確に求
められれば、上記のようなスネルの法則を用いた手法に
より、容易に正確な位相整合角度を求めることができ
る。
折を利用した角度位相整合と屈折率の温度依存性を利用
した温度位相整合方法がある。もちろん四ほう酸リチウ
ムに温度位相整合を適用することも可能である。また、
いくつかの波長における四ほう酸リチウムの屈折率を測
定し、操作過程を適合させることによってsellme
ier方程式が求められる。このsellmeier方
程式を解くことによって各波長における屈折率が算出で
き、位相整合角度を求めるという方法もある。
532nmの入射波長を266nmの出射波長に変換す
るときの、位相整合角度θmと入射角度との関係を幾何
学的に表わした図である。次に、本実施例の四ほう酸リ
チウム 単結晶から成る波長変換素子の耐レーザ損傷
を、以下の測定方法により測定したところ、表2に示す
ように、数十GW/cm2 〜100GW/cm2 であ
り、BBOの10倍以上であることが確認された。耐レ
ーザ損傷は、結晶に照射しているレーザの出力を除々に
大きくし、目視で結晶が損傷を受けたことを確認し、そ
の出力を測定すると共に、結晶の所定位置でのレーザビ
ーム径を測定し、単位面積当りの出力を計算により求め
ることにより行った。
明領域を調べたところ、上記表2に示すように、170
nm〜3500nmの波長の光に対して透明性があり、
透明領域が広いことが確認された。また、四ほう酸リチ
ウムから成る波長変換素子は、表2に示すように、潮解
性も極小であり、研磨性も良好であり、取扱性に優れて
いることが確認できた。
ところ、4インチ以上の単結晶四ほう酸リチウムの生成
が可能であることが確認できた。さらにまた、四ほう酸
リチウムから成る波長変換素子は、紫外光に対して、B
BOよりも劣化しにくいので、素子が長持ちする。
四ホウ酸リチウム多結晶体1300gを、直径90mm、
高さ100mmの白金坩堝に充填し、チョコラルスキー法
で四ほう酸リチウム単結晶を育成した。次に、この育成
した単結晶を、(110)面と(001)面とにカット
し、入出射面である(110)面を光学研磨し、15mm
×15mm×30mmのLi2 B4 O7 単結晶から成る波長
変換素子を作成した。
ック発振器(OPO:Spectra Physics社製)から発生
させた4ω(入射波長λ1 =266nm)のレーザ光
(出力250mJ)と、基本波ω(入射波長λ2 =10
64nm)のレーザ光(出力1J)とを同時に入射させ
たところ、二つの光の混合(和周波)によって、5ω
(213nm)の光(出力150mJ)が発生した。こ
の時の位相整合角度を前記実施例1と同様にして求めた
ところ、約79度であった。和周波による最短波長は2
09nmであり、その時の位相整合角度は、約90度で
あった。
の表3に示す。
ほう酸リチウムの屈折率を1.6として計算して求めた
ので、厳密な意味では正確ではない。なぜなら、結晶の
屈折率は、温度や入射波長などによって変化するからで
ある。しかしながら、上記表の値は、正確な値に近い値
であり、上記の表の値に±10度の範囲に正確な位相整
合角度があると考えられる。もちろん、屈折率が正確に
求められれば、上記実施例1に示した手法により、容易
に正確な位相整合角度を求めることができる。
複屈折を利用した角度位相整合と屈折率の温度依存性を
利用した温度位相整合方法がある。もちろん四ほう酸リ
チウムに温度位相整合を適用することも可能である。ま
た、いくつかの波長における四ほう酸リチウムの屈折率
を測定し、操作過程を適合させることによってsell
meier方程式が求められる。このsellmeie
r方程式を解くことによって各波長における屈折率が算
出でき、位相整合角度を求める方法もある。比較例1 波長変換素子をKTPで構成した以外は、前記実施例1
と同様にして、変換波長特性、耐レーザ損傷、透明領
域、潮解性、良質の大型結晶の可能性について調べた。
結果を表2に示す。
認された。比較例2 波長変換素子をBBOで構成した以外は、前記実施例1
と同様にして、変換波長特性、耐レーザ損傷、透明領
域、潮解性、良質の大型結晶の可能性について調べた。
結果を表2に示す。また、BBOは、フラックス法で育
成するので、不純物を取り込み易く、収率は低い。
認された。また、BBOに紫外光を照射すると、結晶の
劣化によってカラーセンタが発生するという問題があ
る。比較例3 波長変換素子をKDPで構成した以外は、前記実施例1
と同様にして、変換波長特性、耐レーザ損傷、透明領
域、潮解性、良質の大型結晶の可能性について調べた。
結果を表2に示す。
認された。実施例3 実施例1,2と同様に、CZ法で四ほう酸リチウム単結
晶を育成した。育成方向はc軸引き上げでは気泡の介在
が多く、c軸から垂直方向にある<100>,<110
>方向では気泡の介在が少なかった。
試料(およそ30mm*30mm*40mm)を作製し
た。図6のような装置で、実験を行い、まずNd:YA
Gレーザーの基本波(ω)を2倍波・4倍波発生ユニッ
ト42へ入射させ、それを波長変換素子30へ入射させ
て、5倍波を発生させた。この時の条件は、10Hz,
10nsecでNd:YAG基本波出力:−400m
J,4倍波:110mJを、位相整合角79度に入射さ
せ、5倍波出力70mJを得た。
ら、OPO(光パラメトリック発振器)41等で106
4nmの波長を徐々に変えて結晶に当てながら、変換波
長を測定した。(100)面試料に殆ど垂直に入射する
条件で、209nmであり、(001)面試料に近いと
きが2000nmであった。
た。実施例4 実施例1,2と同様にCZ法で四ほう酸リチウム単結晶
を育成した。育成方向はc軸引き上げでは気泡の介在が
多く、c軸から垂直方向にある<100>,<110>
方向では気泡の介在が少なかった。
ら75度傾けた面を光入射面としたLi2 B4 O7 単結
晶試料30aを作成した。その試料の寸法は、20mm×
20mm×45mmであった。この試料30aを、波長変換
素子として、図7に示すように、フィルター60,62
間に配置し、YAGロッド50、Qスイッチ52、ミラ
ー54,55で構成されるYAGレーザ10aからωの
基本波を出力させ、SHG結晶56,58を通して変換
素子30の光入射面に光を入射させた。SHG結晶5
6,58は、たとえば四ほう酸リチウムまたはBBOな
どで構成される。
て、c軸方向に回転させた所、75度±10度で5倍波
(5ω)の発生を確認した。その出力光の最大の強度
は、YAGレーザー(1.5J、10HZ)を用いて、
120mJであった。
を育成した。育成方向はc軸引き上げでは気泡の介在が
多く、c軸から垂直方向にある<100>,<110>
方向では気泡の介在が少なかった。
ら75度傾けた面を光入射面としたLi2 B4 O7 単結
晶試料から成る波長変換素子30を作成した。その試料
の寸法は、20mm×20mm×45mmであった。この試料
30bを、図8に示すように、ミラー64,66間に配
置した。
ラー64で反射させ、点線で示した532nmを波長変
換する方位に切断した面を持った四ほう酸リチウム試料
30c、または他の同じような方位に切断した非線形光
学結晶試料30cに入射させて4倍波に変換し、ミラー
68,70に反射させて再度四ほう酸リチウム結晶から
成る試料30bに入射させて、5倍波を得た。基本波、
4倍波は、常にミラー64,66,68,70には反射
する様にした。75度切断の試料30bをステージに載
せて、c軸方向に回転させた所、75度±10度で5倍
波の発生を確認した。
(1.5J、10HZ)を入射光源として用いて、20
0mJ〜300mJであった。実施例6 光パラメトリック発振させるための位相整合角度を満足
するように、四ほう酸リチウム単結晶をカットし、入出
射面を光学研磨し、10mm×10mm×40mmの四ほう酸
リチウム単結晶を準備した。その単結晶を、図9に示す
四ほう酸リチウム単結晶30dとし、その両側に、入力
ミラー80と出力ミラー82とを配置して光パラメトリ
ック発振器を構成した。その入力ミラー80に対して、
YAGレーザで構成されるレーザ発振器84から集光光
学系86を通して、パルス幅10nsのYAGの4倍波
(4ω:266nm)の光を入射させた。
波と、四ほう酸リチウム媒体中で二種類となって増幅さ
れる波長355nmの信号波と波長1061nmのアイ
ドラー波の三種類の混合現象が生じた。100時間以
上、この実験を継続しても、四ほう酸リチウム単結晶3
0dにカラーセンターは生じなかった。この四ほう酸リ
チウム30dへの光入射角(光パラメトリック発振器の
調整)、または結晶の温度を変えることによって、連続
的に異なる波長の信号波とアイドラー波とが得られた。
の5倍波(5ω:213nm)を用いた以外は、前記実
施例6と同様にして、光パラメトリック発振を行った。
波と、四ほう酸リチウム媒体中で二種類となって増幅さ
れる波長300nmの信号波と波長734nmのアイド
ラー波の三種類の混合現象が生じた。100時間以上、
この実験を継続しても、四ほう酸リチウム単結晶30d
にカラーセンターは生じなかった。この四ほう酸リチウ
ム30dへの光入射角(光パラメトリック発振器の調
整)、または結晶の温度を変えることによって、連続的
に異なる波長の信号波とアイドラー波とが得られた。
いて、前記実施例6と同様にして、光パラメトリック発
振を行った。その結果、100時間の実験により、結晶
が劣化し、カラーセンターが生じた。
れるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変するこ
とができる。
ば、レーザ入射光の波長に対する透明領域が広く、耐レ
ーザ損傷が大きく、良質の大型結晶の作成が容易で、加
工性に優れ、潮解性が小さく取り扱い性にも優れ、実用
性に優れた、赤外線から紫外線領域のレーザ光を得るた
めの波長変換素子を用いた波長変換方法を実現すること
ができる。
トリック発振器は、BBOを用いたものに比較し、BB
Oよりも四ほう酸リチウムの方が耐レーザ損傷が大きい
ので、高パワーのYAGレーザ光を入射でき、高出力の
連続した短波長レーザが得られる。また、四ほう酸リチ
ウムは、BBOに比較して、紫外光に対して劣化し難い
ので、素子が長持ちする。
を利用したレーザ装置を示す概略図である。
図である。
ム単結晶のカット面と位相整合角度との関係を示す図で
ある。
ウムでの位相整合したときのレーザ光の入射角度と基本
波との関係を示す図である。
ムにおいて、位相整合角度と入射光角度との関係を示す
概略図である。
概略図である。
型レーザ装置の概略図である。
ザ装置の概略図である。
光パラメトリック発振を行う光パラメトリック発振器の
基本構成を示す概略図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 2次非線形光学効果に基づいて入射光を
波長変換して出射する波長変換方法であって、 所定の方向においてカットされた 四ホウ酸リチウム単結
晶に、入射光として、少なくとも、所定の波長を有する
基本波のレーザ光と、当該基本波のレーザ光の4倍波と
を、所定の位相整合角度を満たすように同時に透過させ
ることにより、前記基本波のレーザ光の5倍波であり、
紫外線領域の波長を有するレーザ光を出射する波長変換
方法。 - 【請求項2】 79度±10度の前記位相整合角度によ
り出射レーザ光を得る請求項1に記載の波長変換方法。
Priority Applications (5)
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---|---|---|---|
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US08/710,714 US5805626A (en) | 1995-09-20 | 1996-09-20 | Single-crystal lithium tetraborate and method making the same, optical converting method and converter device using the single-crystal lithium tetraborate, and optical apparatus using the optical converter device |
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JP2002350913A (ja) * | 2001-05-25 | 2002-12-04 | Mitsubishi Materials Corp | 光波長変換方法、光波長変換システム、プログラム及び媒体 |
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-
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Y.V.Burak et al.,Journal of Applied Spectroscopy,Vol.52,No.1,pp.97−100(1990) |
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