JP3366051B2 - エアバッグ装置 - Google Patents
エアバッグ装置Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,車両用のエアバッグ装
置に関し,特に,底壁部と側壁部と開口部とを有するバ
ッグ収納容器にバッグを折り畳み状態で収納し,このバ
ッグと前記底壁部との間の空間にインフレータからのガ
スを噴出させることで,該バッグを膨脹させて前記開口
部から車室内に展開させるエアバッグ装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来,車両の衝突によって一定値以上の
加速度が検知された場合に高圧ガスによって車室内にバ
ッグを膨脹展開させ,このバッグで乗員を拘束して二次
衝突から保護するようにしたエアバッグ装置が知られて
いる。かかるエアバッグ装置のバッグは折り畳まれた状
態でモジュールのバッグ収納容器に収納されるが,その
折り畳み順序はバッグの展開性能に大きな影響を与え
る。 【0003】米国特許第5,178,407号明細書に
は,バッグを上側部分と下側部分とに分け,先ず下側部
分を蛇腹状に折り畳んでバッグ収納容器の底壁部側に収
納した後,上側部分を蛇腹状に折り畳んで前記下側部分
の上に重ねるようにしてバッグ収納容器の開口部側に収
納するものが記載されている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】ところで,バッグを上
述のように折り畳んだエアバッグ装置では,展開時に先
ずバッグの上側部分が展開し,それに続いてバッグの下
側部分が展開するが,下側部分は最初に展開する上側部
分に引かれて該上側部分と略同一方向に展開するため,
バッグ全体として一方向に展開することになる。その結
果,バッグが乗員の拘束に適した形状に展開するまでに
タイムラグが発生する問題があるばかりか,展開するバ
ッグの先端が乗員の身体の一部に強く接触する可能性が
ある。 【0005】本発明は前述の事情に鑑みてなされたもの
で,エアバッグ装置のバッグを乗員の拘束に適した形状
に短時間で展開させることを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に,本発明は,底壁部と側壁部と開口部とを有するバッ
グ収納容器にバッグを折り畳み状態で収納し,このバッ
グと前記底壁部との間の空間にインフレータからのガス
を噴出させることで,該バッグを膨脹させて前記開口部
から車室内に展開させるエアバッグ装置において,前記
バッグが,その展開時にバッグ収納容器の開口部に対向
する第1の部分と,該第1の部分を挟んで相互に離反す
る方向に延びる第2の部分及び第3の部分とを備え,前
記第3の部分がバッグ収納容器の深さ方向に重なるよう
に蛇腹状に折り畳まれて該バッグ収納容器の底壁部側に
収納されるとともに,その折り畳み状態の第3の部分よ
りも前記開口部側で前記第2の部分がバッグ収納容器の
幅方向に重なるように蛇腹状に折り畳まれて該バッグ収
納容器に収納されており,且つ前記第1の部分が前記折
り畳み状態の第3の部分の側部を覆うようにバッグ収納
容器の側壁部に沿って収納されていて,その第1の部分
と該バッグ収納容器に固定のバッグ基端部との間に,バ
ッグ展開過程で前記第2の部分を前記第3の部分よりも
先行して膨脹させるようにガスを前記空間から該第2の
部分へ導くためのガス流入路が形成されることを特徴と
する。 【0007】 【実施例】以下,図面により本発明の実施例について説
明する。 【0008】図1〜図9は本発明の一実施例を示すもの
で,図1はエアバッグ装置を搭載した車両の斜視図,図
2は図1の2−2線断面図,図3は図2に対応する作用
説明図,図4〜図8はバッグ折り畳みの第1工程〜第5
工程を示す図,図9はバッグの展開時の作用説明図であ
る。 【0009】図1に示すように,このエアバッグ装置の
モジュールMは車両の助手席前方のインストルメントパ
ネルP内部に搭載されており,バッグはインストルメン
トパネルPの上面の一部を構成するリッドLを押し開い
て車室内に膨張展開し,助手席の乗員を拘束して二次衝
突から保護するようになっている。 【0010】図2に示すように,モジュールMは車両の
衝突時に発火して高圧ガスを発生する円筒状のインフレ
ータIと,インフレータIを内部に収納する下部リテー
ナケース1と,下部リテーナケース1の上面開口部にイ
ンフレータIの上方を覆うように結合される中央リテー
ナケース2と,下部リテーナケース1の上縁に結合され
て前記リッドLに向けて延びる上部リテーナケース3
と,その周縁部を下部リテーナケース1及び上部リテー
ナケース3の結合部に共締めされたバッグBとを備え
る。バッグBを折り畳み状態で収納するバッグ収納容器
Cは,前記中央リテーナケース2によって構成される底
壁部と,前記上部リテーナケース3によって構成される
側壁部と,該上部リテーナケース3の上端の開口部4と
から構成されており,その開口部4はインストルメント
パネルPの上面の一部を構成するリッドLによって覆わ
れる。 【0011】インストルメントパネルPは軟質発泡樹脂
製の芯材5の表面を柔軟な薄い表皮で覆ったもので,そ
のインストルメントパネルPの上面の一部及び下面はそ
れぞれ硬質樹脂より成る外皮6,7で被覆される。イン
ストルメントパネルPにはモジュールMを収納するため
の凹部8が形成され,その上部開口を構成する外皮6の
段部61 にリッドLの前縁が嵌合する。リッドLはイン
ストルメントパネルPと同じ軟質発泡樹脂製の芯材9の
表面を柔軟な薄い表皮で覆ったもので,その内部にイン
サートされた金属製の補強フレーム10,11を貫通す
る複数本のボルト12により,前記上部リテーナケース
3の上縁に固定される。リッドLには補強フレーム1
0,11の切れ目に対応して薄肉部91 が形成され,バ
ッグBが膨張展開する際の圧力で前記薄肉部91 が破断
することにより,リッドLは折曲部92 から上向きに折
れ曲がって開放される。 【0012】モジュールMの下部リテーナケース1の下
面に溶接された支持板13は,取付パイプ14に固定し
た取付ブラケット15及びインストルメントパネルPの
外皮7に固定した取付ブラケット16にボルト17によ
って支持される。 【0013】尚,符号18は,バッグ収納容器Cの内部
に折り畳み状態で収納されたバッグBの上面を覆うパッ
チクロスであって,このパッチクロス18はバッグBの
展開時に該バッグBがリッドLの下面或いはインストル
メントパネルPの上面に直接摺接して損傷するのを防止
する機能を有する。 【0014】次に,バッグBをバッグ収納容器Cの内部
に収納するための折り畳み順序を,図4〜図8に基づい
て説明する。 【0015】図4(A)はバッグ収納容器Cから展開し
たバッグBを示すもので,このバッグBは中央の基布1
9と,その左右両側面に縫合される左右一対の側布2
0,21とから構成される。展開状態のバッグBの左右
方向幅W1 は,バッグ収納容器Cの左右方向幅Wよりも
大きくなる。 【0016】図4(B)に示すように,バッグBを折り
畳む第1工程において,バッグBの左右両側面を構成す
る側布20,21の部分を蛇腹状に折り畳むことによ
り,車体左右方向幅W2 をバッグ収納容器Cの左右方向
幅Wよりも小さくする。その結果,折り畳まれたバッグ
Bはバッグ収納容器Cを中心として車体前後方向に延び
る帯状となる。ここで,前記帯状に折り畳まれたバッグ
Bを便宜的に3つの部分に分け,バッグ収納容器Cに対
向する中央部分を第1の部分B1 ,第1の部分B1 から
車体前方に延びる部分を第2の部分B2 ,第1の部分B
1 から車体後方に延びる部分を第3の部分B3 とする。 【0017】次に,図5に示す第2工程において,前記
第3の部分B3 を蛇腹状に折り畳んだ後,図6に示す第
3工程において,蛇腹状に折り畳まれた第3の部分B3
が上下方向,即ちバッグ収納容器Cの深さ方向に積み重
なるように該バッグ収納容器Cの底壁部(中央リテーナ
ケース2)側に収納する。次に,図7に示す第4工程に
おいて,前記第2の部分B2 を蛇腹状に折り畳んだ後,
図8に示す第5工程において,蛇腹状に折り畳まれた第
2の部分B2 が車体前後方向に積み重なるように,前記
第3の部分B3 の上方に収納する。 【0018】その結果,第2の部分B2 及び第3の部分
B3 を接続する第1の部分B1 は,バッグ収納容器Cの
底壁部側に収納された第3の部分B3 の下端からバッグ
収納容器Cの車体前方側の側壁部(上部リテーナケース
3)に沿って上方に立ち上がり,積み重ねられた第3の
部分B3 及び第2の部分B2 の前面を覆うように位置す
ることになる。而して前記側壁部(上部リテーナケース
3)に結合されたバッグ基端部Bbと,第1の部分B 1
との間には,バッグ展開過程で第2の部分B 2 を第3の
部分B 3 よりも先行して膨脹させるべく該第2の部分B
2 へガスを優先的に流入させるガス流入路100が形成
される。このガス流入路100は,折り畳み状態の第3
の部分B 3 の側方において前記側壁部(上部リテーナケ
ース3)にほぼ沿うように配置されており,中央リテー
ナケース2とバッグBとの間の空間Sに一端が開口し,
他端が上部リテーナケース3の上端の開口部4側に向か
って延びている。 【0019】上述のようにして,バッグBがバッグ収納
容器Cの内部に折り畳み状態で収納されると,折り畳ま
れたバッグBの上面をパッチクロス18で覆って作業を
終了する。 【0020】次に,前記前述の構成を備えた本発明の実
施例の作用について説明する。 【0021】車両の衝突を検知したセンサがエアバッグ
装置の起動信号を出力すると,インフレータIのスクイ
ブが作動して推薬が発火し,発生した高圧の燃焼ガスが
中央リテーナケース2に形成した多数のガス孔から上部
リテーナケース3の内部に流入する結果,バッグBがバ
ッグ収納容器Cの内部で膨脹を開始する。バッグBの膨
脹によってリッドLの内面に圧力が加わると,このリッ
ドLが薄肉部91 に沿って破断することにより折曲部9
2 を中心として外側に拡開し,バッグBは前記リッドL
の拡開によって形成された開口から車室内に膨脹展開す
る。 【0022】前記バッグBの展開過程を更に詳しく説明
すると,インフレータIからバッグ収納容器Cの底部に
供給された燃焼ガスは,図3に矢印Xで示すように上部
リテーナケース3の前壁(前記側壁部)に沿って配設さ
れたバッグBの第1の部分B1 の前面,即ち前記ガス流
入路100を通って第2の部分B2 に流入し,第2の部
分B2 を略上方に向けて展開させる。 【0023】第2の部分B2 が上方に展開して図3に示
す状態になると,第2の部分B2 に連なる第1の部分B
1 が上方に引き上げられる。その結果,第1の部分B1
に連なる第3の部分B3 の前端下縁が上方に引き上げら
れ,該第3の部分B3 は図3に矢印Yで示すように車体
後方に回転しながらバッグ収納容器Cから放り出され
る。 【0024】而して,図9にa→b→c・・・jで示す
ように,先ずバッグBの第2の部分B2 がウインドシー
ルドSに沿うように上方に展開し,それに僅かに遅れて
第3の部分B3 が車室に向けて後方に展開する。このよ
うにバッグBの前側部分を構成する第2の部分B2 と後
側部分を構成する第3の部分B3 とを各々異なる方向に
展開させることにより,乗員を拘束するのに最も適した
最終形状(図9のi参照)に向けてバッグBを速やかに
展開させることができ,これにより乗員の頭部,胸部及
び腹部を略同一のタイミングで柔らかく拘束することが
可能となる。 【0025】以上,本発明の実施例を詳述したが,本発
明は前記実施例に限定されるものでなく,種々の設計変
更を行うことが可能である。 【0026】例えば,実施例では助手席用のエアバッグ
装置を例示したが,本発明は運転席用や後席用のエアバ
ッグ装置に対しても適用することができる。 【0027】 【発明の効果】以上のように,本発明によれば,バッグ
が,その展開時にバッグ収納容器の開口部に対向する第
1の部分と,その第1の部分を挟んで相互に離反する方
向に延びる第2の部分及び第3の部分とを備え,第3の
部分がバッグ収納容器の深さ方向に重なるように蛇腹状
に折り畳まれてバッグ収納容器の底壁部側に収納される
とともに,その折り畳み状態の第3の部分よりも前記開
口部側で第2の部分がバッグ収納容器の幅方向に重なる
ように蛇腹状に折り畳まれてバッグ収納容器に収納され
ており,且つ第1の部分が前記折り畳み状態の第3の部
分の側部を覆うようにバッグ収納容器の側壁部に沿って
収納されていて,その第1の部分と該バッ グ収納容器に
固定のバッグ基端部との間に,バッグ展開過程で第2の
部分を第3の部分よりも先行して膨脹させるようにガス
を容器底壁部とバッグ間の空間から該第2の部分へ導く
ためのガス流入路が形成されるので,バッグの展開初期
において,先ず,バッグ収納容器の側壁部に沿うバッグ
基端部と第1の部分との間のガス流入路を通して第2の
部分にガスが流入することで,バッグの一端側を構成す
る第2の部分が最初に展開し,続いて,その第2の部分
に第1の部分を介して接続されてバッグの他端側を構成
する第3の部分を,第2の部分と異なる方向に展開させ
ることができる。その結果,バッグ全体を一方向に展開
させるものに比べて,バッグを乗員の拘束に適した形状
に向けて極めて短時間で展開させることができ,これに
より乗員の身体の各部を均一な圧力で柔らかく拘束する
ことが可能となる。
置に関し,特に,底壁部と側壁部と開口部とを有するバ
ッグ収納容器にバッグを折り畳み状態で収納し,このバ
ッグと前記底壁部との間の空間にインフレータからのガ
スを噴出させることで,該バッグを膨脹させて前記開口
部から車室内に展開させるエアバッグ装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来,車両の衝突によって一定値以上の
加速度が検知された場合に高圧ガスによって車室内にバ
ッグを膨脹展開させ,このバッグで乗員を拘束して二次
衝突から保護するようにしたエアバッグ装置が知られて
いる。かかるエアバッグ装置のバッグは折り畳まれた状
態でモジュールのバッグ収納容器に収納されるが,その
折り畳み順序はバッグの展開性能に大きな影響を与え
る。 【0003】米国特許第5,178,407号明細書に
は,バッグを上側部分と下側部分とに分け,先ず下側部
分を蛇腹状に折り畳んでバッグ収納容器の底壁部側に収
納した後,上側部分を蛇腹状に折り畳んで前記下側部分
の上に重ねるようにしてバッグ収納容器の開口部側に収
納するものが記載されている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】ところで,バッグを上
述のように折り畳んだエアバッグ装置では,展開時に先
ずバッグの上側部分が展開し,それに続いてバッグの下
側部分が展開するが,下側部分は最初に展開する上側部
分に引かれて該上側部分と略同一方向に展開するため,
バッグ全体として一方向に展開することになる。その結
果,バッグが乗員の拘束に適した形状に展開するまでに
タイムラグが発生する問題があるばかりか,展開するバ
ッグの先端が乗員の身体の一部に強く接触する可能性が
ある。 【0005】本発明は前述の事情に鑑みてなされたもの
で,エアバッグ装置のバッグを乗員の拘束に適した形状
に短時間で展開させることを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に,本発明は,底壁部と側壁部と開口部とを有するバッ
グ収納容器にバッグを折り畳み状態で収納し,このバッ
グと前記底壁部との間の空間にインフレータからのガス
を噴出させることで,該バッグを膨脹させて前記開口部
から車室内に展開させるエアバッグ装置において,前記
バッグが,その展開時にバッグ収納容器の開口部に対向
する第1の部分と,該第1の部分を挟んで相互に離反す
る方向に延びる第2の部分及び第3の部分とを備え,前
記第3の部分がバッグ収納容器の深さ方向に重なるよう
に蛇腹状に折り畳まれて該バッグ収納容器の底壁部側に
収納されるとともに,その折り畳み状態の第3の部分よ
りも前記開口部側で前記第2の部分がバッグ収納容器の
幅方向に重なるように蛇腹状に折り畳まれて該バッグ収
納容器に収納されており,且つ前記第1の部分が前記折
り畳み状態の第3の部分の側部を覆うようにバッグ収納
容器の側壁部に沿って収納されていて,その第1の部分
と該バッグ収納容器に固定のバッグ基端部との間に,バ
ッグ展開過程で前記第2の部分を前記第3の部分よりも
先行して膨脹させるようにガスを前記空間から該第2の
部分へ導くためのガス流入路が形成されることを特徴と
する。 【0007】 【実施例】以下,図面により本発明の実施例について説
明する。 【0008】図1〜図9は本発明の一実施例を示すもの
で,図1はエアバッグ装置を搭載した車両の斜視図,図
2は図1の2−2線断面図,図3は図2に対応する作用
説明図,図4〜図8はバッグ折り畳みの第1工程〜第5
工程を示す図,図9はバッグの展開時の作用説明図であ
る。 【0009】図1に示すように,このエアバッグ装置の
モジュールMは車両の助手席前方のインストルメントパ
ネルP内部に搭載されており,バッグはインストルメン
トパネルPの上面の一部を構成するリッドLを押し開い
て車室内に膨張展開し,助手席の乗員を拘束して二次衝
突から保護するようになっている。 【0010】図2に示すように,モジュールMは車両の
衝突時に発火して高圧ガスを発生する円筒状のインフレ
ータIと,インフレータIを内部に収納する下部リテー
ナケース1と,下部リテーナケース1の上面開口部にイ
ンフレータIの上方を覆うように結合される中央リテー
ナケース2と,下部リテーナケース1の上縁に結合され
て前記リッドLに向けて延びる上部リテーナケース3
と,その周縁部を下部リテーナケース1及び上部リテー
ナケース3の結合部に共締めされたバッグBとを備え
る。バッグBを折り畳み状態で収納するバッグ収納容器
Cは,前記中央リテーナケース2によって構成される底
壁部と,前記上部リテーナケース3によって構成される
側壁部と,該上部リテーナケース3の上端の開口部4と
から構成されており,その開口部4はインストルメント
パネルPの上面の一部を構成するリッドLによって覆わ
れる。 【0011】インストルメントパネルPは軟質発泡樹脂
製の芯材5の表面を柔軟な薄い表皮で覆ったもので,そ
のインストルメントパネルPの上面の一部及び下面はそ
れぞれ硬質樹脂より成る外皮6,7で被覆される。イン
ストルメントパネルPにはモジュールMを収納するため
の凹部8が形成され,その上部開口を構成する外皮6の
段部61 にリッドLの前縁が嵌合する。リッドLはイン
ストルメントパネルPと同じ軟質発泡樹脂製の芯材9の
表面を柔軟な薄い表皮で覆ったもので,その内部にイン
サートされた金属製の補強フレーム10,11を貫通す
る複数本のボルト12により,前記上部リテーナケース
3の上縁に固定される。リッドLには補強フレーム1
0,11の切れ目に対応して薄肉部91 が形成され,バ
ッグBが膨張展開する際の圧力で前記薄肉部91 が破断
することにより,リッドLは折曲部92 から上向きに折
れ曲がって開放される。 【0012】モジュールMの下部リテーナケース1の下
面に溶接された支持板13は,取付パイプ14に固定し
た取付ブラケット15及びインストルメントパネルPの
外皮7に固定した取付ブラケット16にボルト17によ
って支持される。 【0013】尚,符号18は,バッグ収納容器Cの内部
に折り畳み状態で収納されたバッグBの上面を覆うパッ
チクロスであって,このパッチクロス18はバッグBの
展開時に該バッグBがリッドLの下面或いはインストル
メントパネルPの上面に直接摺接して損傷するのを防止
する機能を有する。 【0014】次に,バッグBをバッグ収納容器Cの内部
に収納するための折り畳み順序を,図4〜図8に基づい
て説明する。 【0015】図4(A)はバッグ収納容器Cから展開し
たバッグBを示すもので,このバッグBは中央の基布1
9と,その左右両側面に縫合される左右一対の側布2
0,21とから構成される。展開状態のバッグBの左右
方向幅W1 は,バッグ収納容器Cの左右方向幅Wよりも
大きくなる。 【0016】図4(B)に示すように,バッグBを折り
畳む第1工程において,バッグBの左右両側面を構成す
る側布20,21の部分を蛇腹状に折り畳むことによ
り,車体左右方向幅W2 をバッグ収納容器Cの左右方向
幅Wよりも小さくする。その結果,折り畳まれたバッグ
Bはバッグ収納容器Cを中心として車体前後方向に延び
る帯状となる。ここで,前記帯状に折り畳まれたバッグ
Bを便宜的に3つの部分に分け,バッグ収納容器Cに対
向する中央部分を第1の部分B1 ,第1の部分B1 から
車体前方に延びる部分を第2の部分B2 ,第1の部分B
1 から車体後方に延びる部分を第3の部分B3 とする。 【0017】次に,図5に示す第2工程において,前記
第3の部分B3 を蛇腹状に折り畳んだ後,図6に示す第
3工程において,蛇腹状に折り畳まれた第3の部分B3
が上下方向,即ちバッグ収納容器Cの深さ方向に積み重
なるように該バッグ収納容器Cの底壁部(中央リテーナ
ケース2)側に収納する。次に,図7に示す第4工程に
おいて,前記第2の部分B2 を蛇腹状に折り畳んだ後,
図8に示す第5工程において,蛇腹状に折り畳まれた第
2の部分B2 が車体前後方向に積み重なるように,前記
第3の部分B3 の上方に収納する。 【0018】その結果,第2の部分B2 及び第3の部分
B3 を接続する第1の部分B1 は,バッグ収納容器Cの
底壁部側に収納された第3の部分B3 の下端からバッグ
収納容器Cの車体前方側の側壁部(上部リテーナケース
3)に沿って上方に立ち上がり,積み重ねられた第3の
部分B3 及び第2の部分B2 の前面を覆うように位置す
ることになる。而して前記側壁部(上部リテーナケース
3)に結合されたバッグ基端部Bbと,第1の部分B 1
との間には,バッグ展開過程で第2の部分B 2 を第3の
部分B 3 よりも先行して膨脹させるべく該第2の部分B
2 へガスを優先的に流入させるガス流入路100が形成
される。このガス流入路100は,折り畳み状態の第3
の部分B 3 の側方において前記側壁部(上部リテーナケ
ース3)にほぼ沿うように配置されており,中央リテー
ナケース2とバッグBとの間の空間Sに一端が開口し,
他端が上部リテーナケース3の上端の開口部4側に向か
って延びている。 【0019】上述のようにして,バッグBがバッグ収納
容器Cの内部に折り畳み状態で収納されると,折り畳ま
れたバッグBの上面をパッチクロス18で覆って作業を
終了する。 【0020】次に,前記前述の構成を備えた本発明の実
施例の作用について説明する。 【0021】車両の衝突を検知したセンサがエアバッグ
装置の起動信号を出力すると,インフレータIのスクイ
ブが作動して推薬が発火し,発生した高圧の燃焼ガスが
中央リテーナケース2に形成した多数のガス孔から上部
リテーナケース3の内部に流入する結果,バッグBがバ
ッグ収納容器Cの内部で膨脹を開始する。バッグBの膨
脹によってリッドLの内面に圧力が加わると,このリッ
ドLが薄肉部91 に沿って破断することにより折曲部9
2 を中心として外側に拡開し,バッグBは前記リッドL
の拡開によって形成された開口から車室内に膨脹展開す
る。 【0022】前記バッグBの展開過程を更に詳しく説明
すると,インフレータIからバッグ収納容器Cの底部に
供給された燃焼ガスは,図3に矢印Xで示すように上部
リテーナケース3の前壁(前記側壁部)に沿って配設さ
れたバッグBの第1の部分B1 の前面,即ち前記ガス流
入路100を通って第2の部分B2 に流入し,第2の部
分B2 を略上方に向けて展開させる。 【0023】第2の部分B2 が上方に展開して図3に示
す状態になると,第2の部分B2 に連なる第1の部分B
1 が上方に引き上げられる。その結果,第1の部分B1
に連なる第3の部分B3 の前端下縁が上方に引き上げら
れ,該第3の部分B3 は図3に矢印Yで示すように車体
後方に回転しながらバッグ収納容器Cから放り出され
る。 【0024】而して,図9にa→b→c・・・jで示す
ように,先ずバッグBの第2の部分B2 がウインドシー
ルドSに沿うように上方に展開し,それに僅かに遅れて
第3の部分B3 が車室に向けて後方に展開する。このよ
うにバッグBの前側部分を構成する第2の部分B2 と後
側部分を構成する第3の部分B3 とを各々異なる方向に
展開させることにより,乗員を拘束するのに最も適した
最終形状(図9のi参照)に向けてバッグBを速やかに
展開させることができ,これにより乗員の頭部,胸部及
び腹部を略同一のタイミングで柔らかく拘束することが
可能となる。 【0025】以上,本発明の実施例を詳述したが,本発
明は前記実施例に限定されるものでなく,種々の設計変
更を行うことが可能である。 【0026】例えば,実施例では助手席用のエアバッグ
装置を例示したが,本発明は運転席用や後席用のエアバ
ッグ装置に対しても適用することができる。 【0027】 【発明の効果】以上のように,本発明によれば,バッグ
が,その展開時にバッグ収納容器の開口部に対向する第
1の部分と,その第1の部分を挟んで相互に離反する方
向に延びる第2の部分及び第3の部分とを備え,第3の
部分がバッグ収納容器の深さ方向に重なるように蛇腹状
に折り畳まれてバッグ収納容器の底壁部側に収納される
とともに,その折り畳み状態の第3の部分よりも前記開
口部側で第2の部分がバッグ収納容器の幅方向に重なる
ように蛇腹状に折り畳まれてバッグ収納容器に収納され
ており,且つ第1の部分が前記折り畳み状態の第3の部
分の側部を覆うようにバッグ収納容器の側壁部に沿って
収納されていて,その第1の部分と該バッ グ収納容器に
固定のバッグ基端部との間に,バッグ展開過程で第2の
部分を第3の部分よりも先行して膨脹させるようにガス
を容器底壁部とバッグ間の空間から該第2の部分へ導く
ためのガス流入路が形成されるので,バッグの展開初期
において,先ず,バッグ収納容器の側壁部に沿うバッグ
基端部と第1の部分との間のガス流入路を通して第2の
部分にガスが流入することで,バッグの一端側を構成す
る第2の部分が最初に展開し,続いて,その第2の部分
に第1の部分を介して接続されてバッグの他端側を構成
する第3の部分を,第2の部分と異なる方向に展開させ
ることができる。その結果,バッグ全体を一方向に展開
させるものに比べて,バッグを乗員の拘束に適した形状
に向けて極めて短時間で展開させることができ,これに
より乗員の身体の各部を均一な圧力で柔らかく拘束する
ことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】エアバッグ装置を搭載した車両の斜視図
【図2】図1の2−2線断面図
【図3】図2に対応する作用説明図
【図4】バッグ折り畳みの第1工程を示す図
【図5】バッグ折り畳みの第2工程を示す図
【図6】バッグ折り畳みの第3工程を示す図
【図7】バッグ折り畳みの第4工程を示す図
【図8】バッグ折り畳みの第5工程を示す図
【図9】バッグの展開時の作用説明図
【符号の説明】
2 中央リテーナケース(底壁部)
3 上部リテーナケース(側壁部)
4 開口部100 ガス流入路
B バッグ
B1 第1の部分
B2 第2の部分
B3 第3の部分Bb 基端部
C バッグ収納容器S 空間
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 平4−368251(JP,A)
特開 平4−293642(JP,A)
特開 平2−14944(JP,A)
特開 平2−303952(JP,A)
特開 平1−314646(JP,A)
実開 平4−93244(JP,U)
米国特許5178407(US,A)
米国特許5074584(US,A)
米国特許5197756(US,A)
米国特許4991869(US,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
B60R 21/16 - 21/32
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 底壁部(2)と側壁部(3)と開口部
(4)とを有するバッグ収納容器(C)にバッグ(B)
を折り畳み状態で収納し,このバッグ(B)と前記底壁
部(2)との間の空間(S)にインフレータ(I)から
のガスを噴出させることで,該バッグ(B)を膨脹させ
て前記開口部(4)から車室内に展開させるようにした
エアバッグ装置において, 前記バッグ(B)が,その展開時にバッグ収納容器
(C)の開口部(4)に対向する第1の部分(B1 )
と,該第1の部分(B1 )を挟んで相互に離反する方向
に延びる第2の部分(B2 )及び第3の部分(B3 )と
を備え, 前記第3の部分(B3 )がバッグ収納容器(C)の深さ
方向に重なるように蛇腹状に折り畳まれて該バッグ収納
容器(C)の底壁部(2)側に収納されるとともに,そ
の折り畳み状態の第3の部分(B 3 )よりも前記開口部
(4)側で前記第2の部分(B2 )がバッグ収納容器
(C)の幅方向に重なるように蛇腹状に折り畳まれて該
バッグ収納容器(C)に収納されており,且つ前記第1
の部分(B1 )が前記折り畳み状態の第3の部分
(B3 )の側部を覆うようにバッグ収納容器(C)の側
壁部(3)に沿って収納されていて,その第1の部分
(B 1 )と該バッグ収納容器(C)に固定のバッグ基端
部(Bb)との間に,バッグ展開過程で前記第2の部分
(B 2 )を前記第3の部分(B 3 )よりも先行して膨脹
させるようにガスを前記空間(S)から該第2の部分
(B 2 )へ導くためのガス流入路(100)が形成され
ることを特徴とする,エアバッグ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11566693A JP3366051B2 (ja) | 1993-05-18 | 1993-05-18 | エアバッグ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11566693A JP3366051B2 (ja) | 1993-05-18 | 1993-05-18 | エアバッグ装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06321043A JPH06321043A (ja) | 1994-11-22 |
JP3366051B2 true JP3366051B2 (ja) | 2003-01-14 |
Family
ID=14668297
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11566693A Expired - Fee Related JP3366051B2 (ja) | 1993-05-18 | 1993-05-18 | エアバッグ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3366051B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JPH11165607A (ja) * | 1997-12-02 | 1999-06-22 | Mitsubishi Motors Corp | エアバッグ装置 |
JP4882157B2 (ja) * | 2001-04-09 | 2012-02-22 | タカタ株式会社 | エアバッグ装置 |
JP5628561B2 (ja) * | 2010-06-04 | 2014-11-19 | 日本プラスト株式会社 | 自動車の助手席用エアバッグ装置 |
-
1993
- 1993-05-18 JP JP11566693A patent/JP3366051B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
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