JP3365812B2 - カラー画像形成法及びそれに用いる電子写真感光体 - Google Patents
カラー画像形成法及びそれに用いる電子写真感光体Info
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Description
れに用いる電子写真感光体に関し、更に詳しくは、特に
カラー画像における色ずれがなく、転写による画質の低
下を招かずに完全にトナー画像を被転写材に転写するこ
とができ、更にカラー複写物の保存安定性が良好なカラ
ー画像形成法及びそれに用いる電子写真感光体に関す
る。
静電写真用現像剤を用いて複数色のトナーを順次重ねて
現像しカラー画像を形成した後、印刷用本紙等の被転写
材へ一度に転写することにより、カラー画像印刷物、カ
ラー画像複写物又はカラープルーフ(印刷用校正刷り)
とする方法が知られている。
湿式現像法がある。湿式現像法を用いて得たカラー画像
は、乾式トナーの場合と比べて、各色の色ずれがなく、
高解像度のカラー画像が得られるため好ましいが、感光
体表面から直接本紙に湿式トナー像を完全に転写するこ
とは極めて難しい。この課題を解決すべく、特開平2−
272469号公報には、転写時に被転写材と感光体と
の間に非水溶媒を供給したのち静電的に転写する技術が
開示されている。
115866号各公報には、感光体表面に予め透明フィ
ルムを積層した後、電子写真プロセスによりフィルム上
に湿式トナー画像を形成し、次いでフィルムを感光体か
ら剥離し、普通紙に貼り付けて画像を転写する方法が開
示されている。しかしこの場合、積層するフィルムは9
μmの厚みが適当とあるが、このような厚みのフィルム
の製造、ハンドリングは極めてやっかいであり、そのた
めの対策を別途講じる必要がある。
透明な電子写真感光体の後方から露光し、誘電性支持体
上にオーバーラップした色分解像を形成し、この支持体
ごと被転写材上に転写する方法が開示されている。この
方法は、感光体の透明支持体側から露光するものであ
り、更に、導電層も透明としなければならないため、コ
スト面でも不利である。
281464号及び同3−11347号各公報には、い
わゆる乾式現像法を用いた電子写真転写法において、剥
離可能な転写層を予め感光体表面に設けて、この上にト
ナー画像を形成し、かかる転写層ごと本紙へ転写すると
いう提案がなされている。
層ごと本紙へ転写してカラー画像を形成する方法におい
て、良好なカラー画像を得るためには、極めて多種多様
な条件を具備する必要がある。まず、電子写真プロセス
を経てトナー画像を形成するため、帯電性及び露光を均
一に行うために転写層の皮膜が均一に設定されねばなら
ず、転写層の存在が電子写真特性を低下させないことが
重要である。また、転写行程において転写が容易であ
り、感光体と転写層の剥離性が良く、且つ被転写材との
密着性が良好であることが望まれる。特に、転写時の条
件(加熱温度、圧力、搬送スピード等)のラチチュード
が広いことが好ましい。
ても支障を生じず、また、各種シートに入れ重ねてファ
イリングしても転写層の剥がれを生じない等の複写物の
保存安定性が良好であることが望ましい。しかしなが
ら、従来の方法では、これらの特性が充分に考慮されて
おらず、カラー画像の撮像性、転写層の転写性、カラー
複写物の加筆・捺印性、保存性などにおいて、充分に満
足できるものではなかった。
返し使用する場合には、転写時に特別の操作が必要であ
ったり、転写層の形成に困難が伴うものであった。ま
た、予め転写層(あるいは剥離層)が形成された感光体
を使用する方法では、該感光体をどうしても使い捨てと
しなければならず、コスト面での不利は免れ得なかっ
た。従って、感光体を使い捨てることなく、繰り返し使
用可能な方法の出現が望まれている。
鑑みなされたものであって、請求項1記載の発明は、色
ずれがなく、高精細、高画質のカラー画像を簡便に、安
定して得られるとともに、転写層の感光体からの剥離性
及び被転写材への密着性が良好であり、且つカラー複写
物の加筆・捺印性、保存性が良好なカラー画像形成法を
提供することを目的とするものである。
性が一層向上し、転写時の条件のラチチュードが拡大す
るとともに、用いる被転写材の種類によらず、良好な転
写性を発揮し、更にカラー複写物の加筆・捺印性を改良
できることを目的とする。請求項3記載の発明は、転写
層自体の剥離性が更に向上することを目的とする。請求
項4記載の発明は、該カラー画像形成法において、感光
体表面の剥離性が良好な感光体を提供することを目的と
する。
法において、転写装置内で感光体上にその都度転写層を
形成し、感光体を繰り返し使用することができ、低ラン
ニングコスト化を可能にするができることを目的とす
る。請求項6記載の発明は、本発明のカラー画像形成法
に用いられる、本発明に従う転写層を予め有する電子写
真感光体を提供することを目的とする。
は、請求項1記載の如く、電子写真感光体表面に設けた
転写層上に、電子写真プロセスによって1色以上のトナ
ー画像を形成し、該トナー画像を転写層ごと被転写材に
熱転写するカラー画像形成法において、該感光体表面の
JIS Z0237−1980の「粘着テープ・粘着シ
ート試験方法」による粘着力が200gram・for
ce(gf)以下であり、更に該転写層が、ガラス転移
点30℃〜140℃の熱可塑性樹脂〔AH〕とガラス転
移点−20℃〜40℃の熱可塑性樹脂〔AL〕とを主と
して含有し、且つ該樹脂〔AH〕と樹脂〔AL〕とのガ
ラス転移点の差が2℃以上であることを特徴とするカラ
ー画像形成法により、達成されることが見出された。
法は、そのプロセスの概要を示した図1に示すように、
少なくとも支持体1及び感光層2からなる電子写真感光
体11の最上層に、更にガラス転移点又は軟化点の異な
る熱可塑性樹脂〔AH〕及び〔AL〕を主として含有す
る転写層12を設け、通常の電子写真プロセスで少なく
とも1色のトナー画像3を形成し、次いで他の基体(被
転写材)16にトナー画像3を転写層12ごと熱転写に
より転写して、カラー複写物とするものである。
電子写真プロセスによりトナー画像3を形成するまでは
電子写真特性(帯電性、暗中電荷保持率、光感度等)を
劣化させないこと、次の熱転写プロセスでは被転写材の
種類によらず容易に被転写材16に転写する熱可塑性を
有していること、更には、カラー複写物として加筆・押
捺等をしても支障を生じず、更に各種シートに入れ重ね
てファイリングしても転写層12の剥がれ等を生じない
等の複写物の保存安定性が良好であることが必要であ
る。
なる転写層として、本発明に従うガラス転移点の高い熱
可塑性樹脂〔AH〕と、これに比べ2℃以上ガラス転移
点の低い熱可塑性樹脂〔AL〕とを併用して用いること
が極めて有効であることが見出されたものである。ここ
で、熱可塑性樹脂〔AH〕と熱可塑性樹脂〔AL〕との
存在割合が5〜90/95〜10(重量比)であること
が、転写層の被転写材への転写性が良好になり、好まし
い。
上にガラス転移点の高い熱可塑性樹脂〔AH〕を含有す
る第1の層、その上にガラス転移点の低い熱可塑性樹脂
〔AL〕を含有する第2の層の積層構成とすることによ
り、被転写材への転写性が一層向上し、転写時の条件
(加熱温度、圧力、搬送スピード等)にラチチュードが
拡大するとともに、カラー画像複写物となる被転写材の
種類によらず、容易に転写し得ることが可能となった。
更に、かかる積層構成とすることにより、被転写材に転
写された転写層の最表面側は、ガラス転移点の高い樹脂
〔AH〕で主として構成されることから、前記したファ
イリング特性も更に改良され、また、樹脂〔AH〕の種
類を選択することにより、普通紙に近い加筆性、捺印性
を付与することも可能になる。
脂〔AH〕及び/又は〔AL〕が、ケイ素原子及びフッ
素原子のうちの少なくともいずれか一方を含有する(以
下ケイ素原子及び/又はフッ素原子含有という)重合成
分(s)を共重合体成分として含有することにより、該
樹脂自体の剥離性を更に向上する効果を有する。他方、
本発明では、該転写層を容易に剥離させるために、用い
る電子写真感光体の転写層との隣接表面を、JIS Z
0237−1980「粘着テープ・粘着シート試験方
法」における粘着力試験による値が、200gram・
force(gf)以下、好ましくは150gf以下、
更に好ましくは100gf以下とすることで、光導電層
と転写層との剥離性を発現できるものである。
「試験板」として本発明の電子写真感光体を用い、引き
はがし速度を120mm/分で巾6mmの粘着テープを
用いて粘着力を測定する。「粘着力」は、10mm巾に
比例換算した値を表すものである。上記粘着力が200
gf以下となる電子写真製版印刷版用感光体としては、
請求項4記載のように、具体的には、アモルファスシリ
コン電子写真感光体又は転写層の隣接層又は転写層に隣
接することとなる電子写真感光体の最上層が剥離性良好
なケイ素原子及び/又はフッ素原子を含有する樹脂(重
合体〔P〕)を含有する感光体が挙げられる。このこと
により、転写層の転写が容易に且つ完全に達成されるも
のである。
含有樹脂を含有する層は、該転写層との隣接層であれば
よく、感光層であってもなくてもよい。該転写層との剥
離性を付与するために感光層の上に(従って感光層と転
写層との間に)該剥離性を有する非感光性層を設けても
よい。更に、本発明においては、該重合体〔P〕が、ケ
イ素原子及び/又はフッ素原子含有重合体成分を50重
量%以上含有する重合体セグメント(A)と、ケイ素原
子及び/又はフッ素原子含有重合体成分を0〜20重量
%含有する重合体セグメント(B)とを各々少なくとも
1種ブロックで結合してなる共重合体であることが、転
写層との剥離性を更に良好にする上で好ましい。
うに、予め転写層を表面に有する電子写真感光体を用い
るのではなく、感光体表面に転写層を形成する行程をも
行うことにより、転写層を剥離した後の感光体を繰り返
し用いることができるため、感光体を使い捨てることな
く、該装置内で電子写真プロセスを連続して行うことが
でき、低ランニングコスト化に有利である。感光体上へ
の転写層の形成は、該同一転写装置内でその都度形成さ
せることが好ましい。
る方法としては、感光体の表面に上記熱可塑性樹脂〔A
H〕と熱可塑性樹脂〔AL〕とを含有する樹脂を熱溶融
塗布して形成する方法、別の支持材(剥離紙等)上に形
成された熱可塑性樹脂〔AH〕と熱可塑性樹脂〔AL〕
とを含有する転写層を、感光体の表面に転写することに
より転写層を形成する方法、電子写真感光体の表面に、
熱可塑性樹脂〔AH〕を主成分とする粒子及び熱可塑性
樹脂〔AL〕を主成分とする粒子を静電的に付着又は電
着して成膜することにより形成する方法が挙げられる。
脂を主として含有する粒子が、比誘電率が3.5以下の
電気絶縁性液体中に分散されて供給させることにより、
剥離層用転写層の膜厚を均一な厚みで薄膜まで容易に調
整することができる。また、該熱可塑性樹脂を主として
含有する粒子が、電子写真感光体と対向して設置された
対向電極の間に供給させ、外部電源より印加された電位
勾配に従って電気泳動して電子写真感光体に付着又は電
着させて成膜させることにより、より均一な薄層の調整
が容易になる。
本発明に用いる熱可塑性樹脂〔AH〕及び〔AL〕を主
として含有する転写層は、透過性のものであり、且つ電
子写真感光体の分光感度領域の波長光の少なくとも一部
に対して透過性を有するものであれば、特に限定される
ものではなく、着色されていてもよい。被転写材に転写
後の被写画像がカラー画像(特にフルカラー画像)であ
る場合には、通常無色で透明な転写層を用いる。
であって、ガラス転移点30℃〜140℃の熱可塑性樹
脂〔AH〕とガラス転移点−20℃〜40℃の熱可塑性
樹脂〔AL〕とを主として含有し、且つ該樹脂〔AH〕
と樹脂〔AL〕とのガラス転移点の差が2℃以上である
ことを特徴とする。好ましくは、樹脂〔AL〕のガラス
転移点は、樹脂〔AH〕よりも5℃以上低いものであ
る。ここで、樹脂〔AH〕又は樹脂〔AL〕が2種以上
含有される場合におけるガラス転移点の差は、樹脂〔A
H〕中の最もガラス転移点の低いものと、樹脂〔AL〕
中の最もガラス転移点の高いものとの差をいうものであ
る。
点は30℃〜100℃、特に33℃〜80℃であること
が好ましい。熱可塑性樹脂〔AL〕のガラス転移点は−
10℃〜35℃、特に0℃〜30℃であることが好まし
い。
H〕と熱可塑性樹脂〔AL〕との存在割合が5〜90/
95〜10(重量比)、特に10〜70/90〜30
(重量比)であることが好ましい。該存在割合が上記範
囲をはずれると、いずれの場合も転写層の被転写材への
転写性が不充分となり、好ましくない。該樹脂〔AH〕
の重量平均分子量は好ましくは1×103 〜1×1
05 、より好ましくは3×103 〜5×104 の範囲で
ある。また、該樹脂〔AL〕の重量平均分子量は好まし
くは3×103 〜1×106 、より好ましくは5×10
3 〜5×105 の範囲である。
脂であればいずれでもよく、具体的には、オレフィン重
合体及び共重合体、塩化ビニル共重合体、塩化ビニリデ
ン共重合体、アルカン酸ビニル重合体及び共重合体、ア
ルカン酸アリル重合体及び共重合体、スチレン及びその
誘導体の重合体及び共重合体、オレフィン−スチレンオ
レフィン−不飽和カルボン酸エステル共重合体、アクリ
ロニトリル共重合体、メタクリロニトリル共重合体、ア
ルキルビニルエ−テル共重合体、アクリル酸エステル重
合体及び共重合体、メタクリル酸エステル重合体及び共
重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチ
レン−メタクリル酸エステル共重合体、イタコン酸ジエ
ステル重合体及び共重合体、無水マレイン酸共重合体、
アクリルアミド共重合体、メタクリルアミド共重合体、
水酸基変性シリコン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ケト
ン樹脂、ポリエステル樹脂、シリコン樹脂、アミド樹
脂、水酸基及びカルボキシル基変性ポリエステル樹脂、
ブチラール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、環化ゴム
−メタクリル酸エステル共重合体、環化ゴム−アクリル
酸エステル共重合体、複素環を含有する共重合体(複素
環として例えば、フラン環、テトラヒドロフラン環、チ
オフェン環、ジオキサン環、ジオキソフラン環、ラクト
ン環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、1,3−
ジオキセタン環等)、セルローズ系樹脂、脂肪酸変性セ
ルローズ系樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
材料講座シリーズ」第1巻〜18巻(1981年)、近
畿化学協会ビニル部会編「ポリ塩化ビニル」日刊工業新
聞社刊(1988年)、大森英三「機能性アクリル樹
脂」(株)テクノシステム刊(1985年)、滝山栄一
郎「ポリエステル樹脂ハンドブック」日刊工業社刊(1
988年)、湯木和男編「飽和ポリエステル樹脂ハンド
ブック」日刊工業新聞社刊(1989年)、高分子学会
編「高分子データハンドブック<応用編>」第1章焙風
館(1986年)、原崎勇次編「最新・バインダー技術
便覧」第2章(株)総合技術センター(1985年)等
に具体的に例示されている。
発明の範囲に属する樹脂〔AH〕と樹脂〔AL〕とを任
意に選択して、本発明に供することができる。また、本
発明の転写層に供せられる熱可塑性樹脂〔AH〕又は
〔AL〕は、該樹脂自体の剥離性を向上させる効果を有
するフッ素原子及び/又はケイ素原子を含有する置換基
を含む重合体成分(s)を、前記した各樹脂中の共重合
体成分として更に含有することが好ましい。
主鎖に組み込まれたもの及び高分子の側鎖の置換基とし
て含有されたものの両者を含むものである。好ましく
は、これらの重合体成分(s)は、該熱可塑性樹脂の共
重合体において、ブロック体として含有される。その含
有量は、好ましくは該樹脂〔A〕(〔AH〕及び〔A
L〕)の全重合体成分中3〜40重量%、より好ましく
は5〜25重量%である。
含有重合体成分(s)は、樹脂〔AH〕及び樹脂〔A
L〕のいずれに含有されていてもよいが、樹脂〔AH〕
中に含有される方がより効果的である。これにより、電
子写真感光体との剥離性が更に向上し、結果として転写
性が向上する。以下、樹脂〔A〕自身の剥離性を向上さ
せる作用を有する、重合体中に含有され得る重合体成分
(s)について説明する。
えば、化1等の一価の有機残基、化2等の二価の有機残
基等が挙げられる。
化3等の一価又は二価の有機残基等が挙げられる。
15は、各々同じでも異なってもよく、置換されていても
よい炭化水素基又は−OR16基(R16は、R11の炭化水
素基と同一の内容を表わす)を表わす。R11、R12、R
13、R14及びR15は、炭素数1〜18の置換されてもよ
いアルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ド
デシル基、ヘキサデシル基、2−クロロエチル基、2−
ブロモエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、
2−シアノエチル基、3,3,3−トリフルオロプロピ
ルエチル基、2−メトキシエチル基、3−ブロモプロピ
ル基、2−メトキシカルボニルエチル基、2,2,2,
2′,2′,2′−ヘキサフルオロイソプロピル基
等)、炭素数4〜18の置換されてもよいアルケニル基
(例えば、2−メチル−1−プロペニル、2−ブテニル
基、2−ペンテニル基、3−メチル−2−ペンテニル
基、1−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセ
ニル基、4−メチル−2−ヘキセニル基等)、炭素数7
〜12の置換されていてもよいアラルキル基(例えば、
ベンジル基、フェネチル基、3−フェニルプロピル基、
ナフチルメチル基、2−ナフチルエチル基、クロロベン
ジル基、ブロモベンジル基、メチルベンジル基、エチル
ベンジル基、メトキシベンジル基、ジメチルベンジル
基、ジメトキシベンジル基等)、炭素数5〜8の置換さ
れていてもよい脂環式基(例えば、シクロヘキシル基、
2−シクロヘキシル基、2−シクロペンチルエチル基
等)又は炭素数6〜12の置換されていてもよい芳香族
基(例えば、フェニル基、ナフチル基、トリル基、キシ
リル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、オク
チルフェニル基、ドデシルフェニル基、メトキシフェニ
ル基、エトキシフェニル基、ブトキシフェニル基、デシ
ルオキシフェニル基、クロロフェニル基、ジクロロフェ
ニル基、ブロモフェニル基、シアノフェニル基、アセチ
ルフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、エトキ
シカルボニルフェニル基、ブトキシカルボニルフェニル
基、アセトアミドフェニル基、プロピオアミドフェニル
基、ドデシロイルアミドフェニル基等)が挙げられる。
炭化水素基と同一の内容を表わす。又、該フッ素原子及
びケイ素原子含有の有機残基は、組み合わされて構成さ
れてもよく、その場合には、直接結合してもよいし更に
は他の連結基を介して組み合わされてもよい。連結する
基として具体的には二価の有機残基が挙げられ、−O
−、−S−、−N(d1 )−、−SO−、−SO2 −、
−COO−、−OCO−、−CONHCO−、−NHC
ONH−、−CON(d1 )−、−SO2 (d1 )−等
から選ばれた結合基を介在させてもよい、二価の脂肪族
基もしくは二価の芳香族基、又はこれらの二価の残基の
組み合わせにより構成された有機残基を表わす。ここ
で、d1 は前記R11と同一の内容を表わす。
れる各基が挙げられる。
異なってもよく、各々水素原子、ハロゲン原子(例え
ば、塩素原子、臭素原子等)又は炭素数1〜12のアル
キル基(例えばメチル基、エチル基、プロピル基、クロ
ロメチル基、ブロモメチル基、ブチル基、ヘキシル基、
オクチル基、ノニル基、デシル基等)を表わす。Qは−
O−、−S−又は−N(d2 )−を表し、d2 は炭素数
1〜4のアルキル基、−CH2 Cl又は−CH2 Brを
表わす。
環基、ナフタレン環基及び5又は6員の複素環基(複素
環を構成するヘテロ原子として、酸素原子、イオウ原
子、窒素原子から選ばれたヘテロ原子を少なくとも1種
含有する)が挙げられる。これらの芳香族基は置換基を
有していてもよく、例えばハロゲン原子(例えばフッ素
原子、塩素原子、臭素原子等)、炭素数1〜8のアルキ
ル基(例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、ヘキシル基、オクチル基等)、炭素数1〜6のアル
コキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ基、プロピオキ
シ基、ブトキシ基等)が置換基の例としてあげられる。
フェン環、ピリジン環、ピペラジン環、テトラヒドロフ
ラン環、ピロール環、テトラヒドロピラン環、1,3−
オキサゾリン環等が挙げられる。次に、以上のようなフ
ッ素原子及び/又はケイ素原子を含有した置換基を有す
る繰り返し単位の具体例を以下に示す。しかし、本発明
の範囲がこれらに限定されるものではない。以下の(s
−1)〜(s−32)における各具体例においてR
f は、下記に示す(1)〜(11)のいずれかの基を示
し、bは水素原子又はメチル基を表わす。
f ′は上記(1)〜(8)で示される基を示し、nは1
〜18の整数を示し、mは1〜18の整数を示し、lは
1〜5の整数を示す。
ブロックで含有されることが好ましい。樹脂〔A〕にお
ける、いわゆるブロック型共重合体として、好ましい態
様を以下に説明する。即ち、樹脂〔A〕において、フッ
素原子及び/又はケイ素原子含有の重合体成分(s)が
ブロックで構成されていればいずれでもよい。ここでブ
ロックで構成するとは、フッ素原子及び/又はケイ素原
子を70重量%以上含有する重合体セグメントを重合体
中に有していることをいい、例えば化11に示すような
A−B型ブロック、A−B−A型ブロック、B−A−B
型ブロック、グラフト型ブロックあるいはスター型ブロ
ック等が挙げられる。
従来公知の重合方法に従って合成することができる。例
えば、W.J.Burlant、A.S.Hoffman「Block an
d Graft polymers」(1986年、Reuhold)、R.
J.Cevesa 「Block and Graft Copolymers」(196
2年、Butterworths)、D.C.Allport、W.H.J
ames「Block Copolymers」(1972年、Applied Sc
i)、A.Noshay 、J.E.McGrath「Block Copolym
ers」(1977年、Academis Press.)、G.Huvter
g、D.J.Wilson 、G.Riess、NATO ASI
ser.SerE.1985,149、V.Perces 、
Applide. Polymer Sci. 285,95(1985)等
の成書、総説に記載されている。例えば、有機金属化合
物(例えばアルキルリチウム類、リチウムジイソプロピ
ルアミド、アルカリ金属アルコラート類、アルキルマグ
ネシウムハライド類、アルキルアルミニウムハライド類
等)等を重合開始剤とするイオン重合反応については、
T.E.Hogeu−Esch 、J.Smid「RecentAdvances
in Anion Polymerization」(1987年、Elsevier
New York)、岡本佳男、高分子、38、912(19
89)、澤本光男、高分子、38、1018(198
9)、成田正、高分子、37、252(1988)、
B.C.Anderson 、et al.、Macromolecules 14,
1601(1981)、S.Aoshima、T.Higasimur
a 、Macromolecules 22、1009(1989)等に
具体的に記載されている。
ン重合反応については、T.Higasimura at al.、Mak
romol.Chem.,Macromol.Symp.、13/14、457
(1988)、東村敏延、沢本光男、高分子論文集4
6、189(1989)等に記載されている。グループ
移動重合反応については、D.Y.Sogah et al. 、Ma
cromolecules、20,1473(1987)、O.W.
Webster、D.Y.Sogah、高分子、36、808(1
987)、M.T.Reetg et al. 、Angew. Chem.I
nt. Ed.Eugl.25、9108(1986)、特開昭6
3−97609号等に記載されている。
合反応については、T.Yasuda 、T.Aida 、S.I
noue、Macromolecules 、17、2217(198
4)、M.Kuroki 、T.Aida 、S.Inoue、T.A
nn. Chem.Soc. 109、4737(1987)、M.
Kuroki et al.、Macromolecules 、21、3115
(1988)、M.Kuroki 、I.Inoue、有機合成化
学、47、1017(1989)等に記載されている。
ては、S.Kobayashi、T.Saegusa「Ring Opening
Polymerization 」(1984年、Applied Scenc
e Publishers Ltd.)、W.Seeliger et al.、Ange
w. Chem.Int. Ed. Engl.5、875(196
6)、S.Kobayashi et al. 、Poly.Bull.13,4
47(1985)、Y.Chujo et al. 、Macromolecu
les 、22、1074(1989)等に記載されてい
る。
ンテート化合物等を開始剤として用いる光リビング重合
反応については、大津隆行、高分子、37、248(1
988)、檜森俊一、大津隆一、Polym. Rep. Jap.
37、3508(1988)、特開昭64−111号、
特開昭64−26619号、M.Niwa 、Macromolecu
les 、189、2187(1988)等に記載されてい
る。
子を開始剤とするラジカル重合反応によってブロック共
重合体を合成する方法が、上田明等、高分子論文集、3
3931(1976)、上田明、大阪市立工業研究所報
告84(1989)、O.Nuyken et al.、Macromol.
Chem., Rapid. Commun.9、671(1988)、森
屋泰夫等「強化プラスチック」29、907(19
)、小田良平「科学と工業」61、43(1987)
等に記載されている。
ては、前記した成書、総説に加えて、更に、井手文雄
「グラフト重合とその応用」(1977年、高分子刊行
会)、高分子学会編「ポリマー・アロイ」(1981
年、東京化学同人)等に記載されている。例えば、高分
子鎖を、重合開始剤、化学的活線(放射線、電子線
等)、機械的応用化でのメカノケミカル反応等で、グラ
フト化する方法、高分子鎖と高分子鎖の官能基を利用し
て、化学結合(いわゆる高分子間反応)しグラフト化す
る方法、及びマクロモノマーを用いて重合反応し、グラ
フト化する方法等が知られている。
て、具体的には、T.Shota et al.、J.Appl.Poly
m. Sci. 13、2447(1969)、W.H.Buck
、Rubber Chemistry and Technology 、50、1
09(1976)、遠藤剛、植沢勉、日本接着協会誌、
24、323(1988)、遠藤剛、ibid. 25、40
9(1989)等に記載されている。
グラフト化する方法として、具体的には、P.Dreyfus
s & R.P.Quirk、Encycl. Polym. Sci. En
g. 、7、551(1987)、P.F.Rempp、E.
FraNTA 、Adv. Polym. Sci. 、58、1(198
4)、V.Percec 、Appl.Poly.Sci. 、285、9
5(1984)、R.Asami、M.Takari 、Macromo
l.Chem.Suppl. 、12、163(1985)、P.R
empp.et al. 、Macromol.Chem.Suppl. 、8、3(1
985)、川上雄資、化学工業、38、56(198
7)、山下雄也、高分子、31、988(1982)、
小林四郎、高分子、30、625(1981)、東村敏
延、日本接着協会誌、18,536(1982)、伊藤
浩一、高分子加工、35、262(1986)、東貴四
郎、津田隆、機能材料、1987、No.10、5、山
下雄也編著「マクロモノマーの化学と工業」(1989
年、アイ・ピーシー(株))、遠藤剛編著「新しい機能
性高分子の分子設計」第4章(1991年、C.M.
C.(株))、Y.Yamashita et al. 、Polym. Bul
l.5、361(1981)等に記載されている。
例えばM.T.Reetz、Angew. Chem.Int. Ed.Eng
l.、27、1373(1988)、M.Sgwarc 「Car
banions 、Living Polymers and Electron Transfe
r Prodesses」(1968年、Wiley. New York)、
B.Gordon et al.、Polym. Bull.11、349(1
984)、R.B.Bates et al. 、J.Org. Chem.
44、3800(1979)、Y.Sogah、A.C.
S.Polym. Rapr.1988、No. 2、3、J.W.M
ays. Polym. Bull.23、247(1990)、I.
M.Khan et al.、Macromolecules 、21、2684
(1988)、A.Morikawa 、Macromolecules 、2
4、3469(1991)、上田明、永井透、高分子、
39、202(1990)、T.Otsu 、Polym. Bul
l.11、135(1984)等に記載されている。しか
しながら、本発明のブロック共重合体〔A〕の合成法は
これらの方法に限定されるものではない。
度等種々の物理的特性を向上させるために、他の添加剤
を併用してもよい。例えば、接着性調整のためにロジ
ン、石油樹脂、シリコーンオイル等、感光体へのぬれ性
の改良や溶融粘度を低下させる可塑剤及び軟化剤として
ボリブテン、DOP、DBP、低分子スチレン樹脂、低
分子ポリエチレンワックス、マイクロクリスタリンワッ
クス、パラフィンワックス等、また酸化防止剤として高
分子ヒンダード多価フェノール、トリアジン誘導体等を
加えることができる。詳しくは「ホットメルト接着の実
際」(深田寛著、高分子刊行会、1983年発行)29
〜107ページに記載がある。
0.1〜10g/m2 、より好ましくは0.5〜7g/
m2 の範囲である。膜厚が薄すぎると転写不良が起きや
すくなり、厚すぎると電子写真プロセス上の障害を招き
やすく充分な画像濃度が得られず、画質の低下が起きや
すい。更に、転写層を樹脂〔AH〕と樹脂〔AL〕を積
層構成にした場合は、樹脂〔AH〕を含有する第1の層
及び樹脂〔AL〕を含有する第2の層は各々少なくとも
0.5g/m2 以上の膜厚を保持させつつ、全体の膜厚
を1〜10g/m2 とすることが好ましい。第1の層及
び第2の層が各々0.5g/m2 以下となると、転写層
の剥離性向上の効果が低下してしまう。
の電子写真感光体について説明する。感光体としては、
従来公知のいずれのものでも用いることができる。重要
なことは、これら供せられる感光体(又は感光体の最上
層)の上に上記転写層が設けられ、該転写層との隣接層
の表面に剥離性が付与されていることである。従って、
本発明では、前記の如く、該表面の粘着力が、JIS
0237−1980の「粘着テープ・粘着シート試験方
法」により200gf以下であることが必要である。
は、まずアモルファスシリコンを光導電体として用いた
感光体が挙げられる。また、他の光導電体を用いる場合
には、光導電体層を構成する感光体の上層に剥離性を付
与した別の層(以下この別の層のことを便宜上オーバー
コート層と称する)を設ける方法、又は光導電層(光導
電体単一層及び光導電体積層のいずれでもよい)の最上
層の表面を剥離性が発現する状態に改質する方法が挙げ
られる。
離性を付与する方法は、該層の結着樹脂として、ケイ素
原子及び/又はフッ素原子含有の重合体を用いるか、又
はケイ素原子及び/又はフッ素原子含有の重合体成分か
ら成る重合体セグメントを含むブロック共重合体(以下
表面偏在化型共重合体という)を他の結着樹脂とともに
少量用いる方法がある。また、かかるケイ素及び/又は
フッ素原子含有の樹脂を粒子の形で併用することもでき
る。
には、光導電体層とオーバーコート層の密着性を充分に
保持できることから、表面偏在化型ブロック共重合体を
併用する方法が好ましい。上記表面偏在化型共重合体
は、通常オーバーコート層全組成物100重量部中0.
1〜20重量部の割合で、他の結着樹脂と併用すること
ができる。
光体において、感光体の繰り返し使用に対する感光体表
面の耐久性を保持する1つの手段として公知となってい
る、感光体上に表面層を設けて保護する方法における該
保護層の内容と類似の方法を利用することができる。例
えばシリコーン系ブロック共重合体を利用した保護層に
関する公知例としては、特開昭61−95358号、特
開昭55−83049号、特開昭62−87971号、
特開昭61−189559号、特開昭62−75461
号、特開昭62−75461号、特開昭61−1395
56号、特開昭62−139557号、特開昭62−2
08055号等の各公報が挙げられる。また、フッ素系
ブロック共重合体を利用した保護層としては、特開昭6
1−116362号、特開昭61−117563号、特
開昭61−270768号、特開昭62−14657号
等の各公報が挙げられる。更には、フッ素原子含有重合
体成分を含有する樹脂を粒子の形で併用する保護層とし
て、特開昭63−249152号及び特開昭63−22
1355号の各公報が挙げられる。
発現した状態に改質する方法は、光導電体と結着樹脂と
を少なくとも用いた、いわゆる分散型の感光体を用いる
場合に有効に適用される。即ち、光導電層の最上層を構
成する層に、フッ素原子及び/又はケイ素原子含有の重
合体成分を含有する重合体セグメントをブロックで含有
するブロック共重合体の樹脂、並びにフッ素原子及び/
又はケイ素原子含有の重合体成分を含有する樹脂粒子の
少なくともいずれか一方を共存させることにより、これ
らの材料が表面に濃縮・移行して偏在するため、剥離性
表面に改質することができる。この共重合体及び樹脂粒
子については特願平3−249819号に記載されてい
るものと同様ものを挙げることができる。
に、オーバーコート層や光導電層の結着樹脂として、フ
ッ素原子及び/又はケイ素原子含有の重合体セグメント
と、熱及び/又は光硬化性基含有成分を含有する重合体
セグメントとを少なくとも1種ずつブロックで結合して
成るブロック共重合体を用いることができる。かかる熱
及び/又は光硬化性基含有成分を含有する重合体セグメ
ントについては、特願平3−259430号、同3−2
89649号、同3−289648号に記載されている
ものと同様ものを挙げることができる。あるいは、光及
び/又は熱硬化性樹脂を、本発明に従うフッ素原子及び
/又はケイ素原子含有樹脂とともに併用してもよい。
リコンを主として含有する電子写真感光体の他に、前記
した方法により、感光体表面を改質するのに有効な本発
明のフッ素原子及び/又はケイ素原子を含有する重合体
成分を含有する重合体は、樹脂(以下樹脂〔P〕と称す
る)又は樹脂粒子(以下樹脂粒子〔L〕と称する)で構
成される。
には、フッ素原子及び/又はケイ素原子を含有する重合
体成分は、全重合体成分中少なくとも60重量%以上で
あることが好ましく、より好ましくは80重量%以上で
ある。より好ましくは、該重合体はフッ素原子及び/又
はケイ素原子を含有する重合体成分を50重量%以上含
有する重合体セグメント(A)と該フッ素及び/又はケ
イ素原子含有重合体成分を0〜20重量%含有する重合
体セグメント(B)がブロックで結合して成るブロック
共重合体である。更に好ましくは、ブロック共重合体中
のセグメント(B)中に光及び/又は熱硬化性官能基を
少なくとも1種含有する重合体成分を少なくとも1種含
有することを特徴とするブロック共重合体である。
メント(B)中には、フッ素原子及び/又はケイ素原子
含有の重合体成分を全く含有しないものが好ましい。本
発明の重合体において、ランダム共重合体に比べ、重合
体セグメント(A)及び(B)を含有するブロック共重
合体(表面偏在化型共重合体)とすることで、表面の剥
離性自身の向上、更には、剥離性の維持が保持される。
素原子を含有する樹脂及び/又は樹脂粒子を少量共存さ
せて塗膜を形成すると、塗布後の乾燥工程終了までの間
に、容易に本発明の樹脂〔P〕及び樹脂粒子〔L〕は、
膜の表面部に移行・濃縮され膜表面が剥離性を発現でき
る状態に改質される。前述の様に、樹脂〔P〕が、フッ
素原子及び/又はケイ素原子含有の重合体セグメントが
ブロック化されている場合には、他方の重合体セグメン
ト(フッ素原子及び/又はケイ素原子含有の重合体成分
を含んでいても少ない)が、膜形成の結着樹脂との相溶
性が良好なことから、充分な相互作用を行ない、転写層
の塗膜形成時においても、これらの樹脂は、転写層への
更なる移行が抑制もしくは解消されて、転写層は光導電
層の界面を明確に形成維持することができる(即ち、ア
ンカー効果)。
中に硬化性基を含有する重合体を用いて、成膜時に重合
体間を架橋することで、更に、感光体と転写層との界面
の剥離性が強固に維持される効果が発揮される。該重合
体は、前記の如く、樹脂粒子として用いられてもよい。
好ましい樹脂粒子〔L〕は、非水溶媒中に分散される樹
脂粒子である。かかる該樹脂粒子としては、フッ素原子
及び/又はケイ素原子含有の重合体成分を含有する、該
非水溶媒に不溶な重合体セグメントと、フッ素原子及び
/又はケイ素原子含有の重合体成分を含有しても20%
以下である、該非水溶媒に可溶性の重合体セグメントと
を結合して成るものが挙げられる。
している重合体部分の作用により、表面への移行・濃縮
が行われ、更に、粒子に結合した非水溶媒に可溶性の重
合体部分が、前記樹脂の場合と同様に、結着樹脂と相互
作用してアンカー効果の作用を行なう。更には硬化性基
を重合体中又は結着樹脂中に含有することで、転写層へ
の移行が解消されるものである。
を含有する置換基を含む重合体成分は、該置換基とし
て、重合体の高分子主鎖に組み込まれたもの及び高分子
の側鎖の置換基として含有されたものの両者を含めたも
のである。具体的には、樹脂〔AH〕又は〔AL〕中に
含有され得る前記重合体成分(s)と同様の内容のもの
が挙げられる。
おいて、いわゆる表面偏在化型共重合体である場合を説
明する。該ケイ素原子及び/又はケイ素原子含有の重合
体成分を含有するブロック(A)において、該重合体成
分は、ブロック(A)全体の総量の内、少なくとも50
重量%を含み、好ましくは70重量%以上、より好まし
くは80重量%以上である。
ブロック(B)においては、該フッ素原子及び/又はケ
イ素原子含有の重合体成分はブロック(B)全体総量の
内20重量%以下であり、好ましくは0重量%である。
ブロック(A)と他のブロック(B)の重量比は、1〜
95対5〜99(重量比)で、好ましくは、5〜90対
10〜95(重量比)である。この範囲を外れると、本
発明の樹脂〔P〕、樹脂粒子〔L〕ともに、光導電層最
上層部表面への濃縮効果及びアンカー効果が低下し、そ
れらの結果として、転写層の剥離性が低下してしまう。
ましくは5×103 〜1×106 、より好ましくは1×
104 〜5×105 である。一方、樹脂〔P〕における
ブロック〔A〕部の重量平均分子量は、少なくとも1×
103 以上である事が好ましい。他方、樹脂粒子〔L〕
は、その平均粒子が好ましくは0.001〜1μm、よ
り好ましくは0.05〜0.5μmである。
面偏在化型共重合体として好ましい態様を以下に説明す
る。即ち、樹脂〔P〕において、フッ素原子及び/又は
ケイ素原子含有の重合体成分がブロックで構成されてい
れば、いずれでもよい。ここでブロックで構成すると
は、フッ素原子及び/又はケイ素原子を50重量%以上
含有する重合体セグメントを重合体中に有していること
をいい、例えば前記樹脂〔A〕で記載したと同様に、A
−B型ブロック、A−B−A型ブロック、B−A−B型
ブロック、グラフト型ブロック、スター型ブロック等が
挙げられる。
従来公知の重合方法に従って合成することができ、具体
的には、前記重合体成分(s)をブロックで含有する樹
脂〔A〕で引用したと同様の方法が挙げられる。次に本
発明の樹脂粒子〔L〕についての好ましい態様について
説明する。前記の如く、樹脂粒子〔L〕は、好ましく
は、非水溶媒に不溶な、フッ素原子及び/又はケイ素原
子含有の重合体部分(A)と、該溶媒に可溶性の、フッ
素原子及び/又はケイ素原子を殆ど含有しない重合体部
分(B)とから成るものであり、且つ、粒子の平均粒径
が、1μm以下の微小なものである。更には、該樹脂粒
子の不溶性部分を構成する重合体成分(A)部は、架橋
構造を形成していてもよい。
る好ましい方法としては、前記した非水系熱可塑性分散
粒子で説明した、非水系分散重合方法が挙げられ、具体
的にも、前記した内容と同様のものが挙げられる。非水
溶媒系分散樹脂粒子の製造に用いられる非水溶媒として
は、沸点200℃以下の有機溶媒であればいずれでもよ
く、単独で又は2種以上を混合して用いることができ
る。
タノール、プロパノール、ブタノール、フッ化アルコー
ル、ベンジルアルコール等のアルコール類、アセトン、
メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ジエチルケト
ン等のケトン類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン等のエーテル類、酢酸メチル、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル等のカルボン酸エ
ステル類、ヘキサン、オクタン、デカン、ドデカン、ト
リデカン、シクロヘキサン、シクロオクタン等の炭素数
6〜14の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キ
シレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素類、メチレ
ンクロリド、ジクロロエタン、テトラクロロエタン、ク
ロロホルム、メチルクロロホルム、ジクロロプロパン、
トリクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類等が挙げら
れる。ただし、以上述べた化合物例に限定されるもので
はない。
重合法で合成することにより、樹脂粒子の平均粒子径は
容易に1μm以下となり、しかも粒子径の分布が非常に
狭く且つ単分散の粒子とすることができる。更に、具体
的には、ブロック(A)を構成する重合体成分に相当す
る単量体(a)、ブロック(B)を構成する重合体成分
に相当する単量体(b)とを、単量体(a)は溶解する
が重合すると不溶となる非水溶媒を用いて、過酸化物
(例えば過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル等)、ア
ゾビス化合物(例えばアゾビスイソブチロニトリル、ア
ゾビスイソバレロニトリル等)、有機金属化合物(例え
ば、ブチルリチウム等)等の重合開始剤の存在下に加熱
重合させればよい。又は、上記単量体(a)、ブロック
(B)から成る重合体〔PB〕とを、上記と同様にして
重合させればよい。
した重合体粒子の内部が架橋構造を有していてもよい。
これらの架橋構造を形成させるには、従来公知の方法の
いずれをも用いることができる。即ち、該重合体成分
(A)を含有する重合体を種々の架橋剤あるいは硬化剤
によって架橋する方法、該重合体成分(A)に相当す
る単量体(a)を少なくとも含有させて重合反応を行う
際に、重合性官能基を2個以上含有する多官能性単量体
又は多官能性オリゴマーを共存させることにより、分子
間に網目構造を形成する方法、及び該重合体成分
(A)と反応性基を含有する成分を含む重合体類とを重
合反応あるいは高分子反応によって架橋させる方法等と
の方法によって行うことができる。
剤として用いられる化合物を挙げることができる。具体
的には、山下晋三、金子東助編「架橋剤ハンドブック」
大成社刊(1981年)、高分子学会編「高分子データ
ハンドブック、基礎編」培風館(1986年)等に記載
されている化合物を用いることができる。例えば、有機
シラン系化合物(例えば、ビニルトリメトキシシラン、
ビニルトリブトキシシラン、γ−グリシドキシプロピル
トリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエト
キシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等
のシランカップリング剤等)、ポリイソシアナート系化
合物(例えば、トルイレンジイソシアナート、o−トル
イレンジイソシアナート、ジフェニルメタンジイソシア
ナート、トリフェニルメタントリイソシアナート、ポリ
メチレンポリフェニルイソシアナート、ヘキサメチレン
ジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート、高分
子ポリイソシアナート等)、ポリオール系化合物(例え
ば、1,4−ブタンジオール、ポリオキシプロピレング
リコール、ポリオキシアルキレングリコール、1,1,
1−トリメチロールプロパン等)、ポリアミン系化合物
(例えば、エチレンジアミン、γ−ヒドロキシプロピル
化エチレンジアミン、フェニレンジアミン、ヘキサメチ
レンジアミン、N−アミノエチルピペラジン、変性脂肪
族ポリアミン類等)、ポリエポキシ基含有化合物及びエ
ポキシ樹脂(例えば、垣内弘編著「新エポキシ樹脂」昭
晃堂(1985年刊)、橋本邦之編著「エポキシ樹脂」
日刊工業新聞社(1969年刊)等に記載された化合物
類)、メラミン樹脂(例えば、三輪一郎、松永英夫編著
「ユリア・メラミン樹脂」日刊工業新聞社(1969年
刊)等に記載された化合物類)、ポリ(メタ)アクリレ
ート系化合物(例えば、大河原信、三枝武夫、東村敏延
編「オリゴマー」講談社(1976年刊)、大森英三
「機能性アクリル系樹脂」テクノシステム(1985年
刊)等に記載された化合物類が挙げられる。
基を2個以上含有する多官能性単量体〔多官能性単量体
(d)とも称する〕あるいは多官能性オリゴマーの重合
性官能基としては、具体的には、CH2 =CHCH
2 −、CH2 =CHCOO−、CH2 =CH−、CH2
=C(CH3 )−COO−、CH(CH3 )=CHCO
O−、CH2 =CHCONH−、CH2 =C(CH3 )
−CONH−、CH(CH3 )=CHCONH−、CH
2 =CHOCO−、CH2 =C(CH3 )−OCO−、
CH2 =CHCH2 OCO−、CH2 =CHNHCO
−、CH2 =CHCH2 NHCO−、CH2 =CHSO
2 −、CH2 =CHCO−、CH2 =CHO−、CH2
=CHS−等を挙げることができる。これらの重合性官
能基の同一のものあるいは異なったものを2個以上有す
る単量体あるいはオリゴマーであればよい。
体例は、例えば同一の重合性官能基を有する単量体ある
いはオリゴマーとして、ジビニルベンゼン、トリビニル
ベンゼン等のスチレン誘導体:多価アルコール(例え
ば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリ
エチレングリコール、ポリエチレングリコール#20
0、#400、#600、1,3−ブチレングリコー
ル、ネオペンチルグリコール、ジプロピレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、トリメチロールプロパ
ン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトールな
ど)、又はポリヒドロキシフェノール(例えばヒドロキ
ノン、レゾルシン、カテコールおよびそれらの誘導体)
のメタクリル酸、アクリル酸又はクロトン酸のエステル
類、ビニルエーテル類又はアリルエーテル類:二塩基酸
(例えばマロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン
酸、ピメリン酸、マレイン酸、フタル酸、イタコン酸
等)のビニルエステル類、アリルエステル類、ビニルア
ミド類又はアリルアミド類:ポリアミン(例えばエチレ
ンジアミン、1,3−プロピレンジアミン、1,4−ブ
チレンジアミン等)とビニル基を含有するカルボン酸
(例えば、メタクリル酸、アクリル酸、クロトン酸、ア
リル酢酸等)との縮合体などが挙げられる。
あるいはオリゴマーとしては、例えば、ビニル基を含有
するカルボン酸(例えばメタクリル酸、アクリル酸、メ
タクリロイル酢酸、アクリロイル酢酸、メタクリロイル
プロピオン酸、アルリロイルプロピオン酸、イタコニロ
イル酢酸、イタコニロイルプロピオン酸、カルボン酸無
水物等)とアルコール又はアミンの反応体(例えばアリ
ルオキシカルボニルプロピオン酸、アリルオキシカルボ
ニル酢酸、2−アリルオキシカルボニル安息香酸、アリ
ルアミノカルボニルプロピオン酸等)等のビニル基を含
有したエステル誘導体又はアミド誘導体(例えばメタク
リル酸ビニル、アクリル酸ビニル、イタコン酸ビニル、
メタクリル酸アリル、アクリル酸アリル、イタコン酸ア
ルリ、メタクリロイル酢酸ビニル、メタクリロイルプロ
ピオン酸ビニル、メタクリロイルプロピオン酸アリル、
メタクリル酸ビニルオキシカルボニルメチルエステル、
アクリル酸ビニルオキシカルボニルメチルオキシカルボ
ニルエチレンエステル、N−アリルアクリルアミド、N
−アリルメタクリルアミド、N−アリルイタコン酸アミ
ド、メタクリロイルプロピオン酸アリルアミド等)又は
アミノアルコール類(例えばアミノエタノール、1−ア
ミノプロパノール、1−アミノブタノール、1−アミノ
ヘキサノール、2−アミノブタノール等)とビニル基を
含有したカルボン酸との縮合体などが挙げられる。本発
明に用いられる2個以上の重合性官能基を有する単量体
あるいはオリゴマーは、単量体(a)及び該単量体
(a)と共存する他の単量体との総量に対して10モル
%以下、好ましくは5モル%以下用いて重合し、樹脂を
形成する。
基同志の反応により化学結合を形成し高分子間の橋架け
を行う場合には、通常の有機低分子化合物の反応と同様
に行うことができる。分散重合において、粒子の粒径が
揃った単分散性の粒子が得られること及び0.5μm以
下の微小粒子が得られ易いこと等から、網目構造形成の
方法としては多官能性単量体を用いるの方法が好まし
い。即ち、前記した単量体(a)、単量体(b)及び/
又は重合体〔PB〕に更に、多官能性単量体(d)を共
存させて重合造粒反応を行なうことで合成することがで
きる。更に、上記したブロック(B)で構成される重合
体〔PB〕を用いる場合は、該重合体〔PB〕の高分子
主鎖中の側鎖あるいは主鎖の片末端に、単量体(a)と
共重合可能な重合性二重結合基を有して成る重合体〔P
B′〕が好ましい。
単量体(a)と共重合を有すればいずれでもよいが、具
体的な例としては、CH2 =C(p)−COO−、C
(CH3 )H=CH−COO−、CH2 =C(CH2 C
OOH)−COO−、CH2 =C(p)−CONH−、
CH2 =C(p)−CONHCOO−、CH2 =C
(p)−CONHCONH−、C(CH3 )H=CHC
ONH−、CH2 =CHCO−、CH2 =CH(C
H2 )n −OCO−(nは0又は1〜3の整数)、CH
2=CHO−、CH2 =CHC6 H4 −等が挙げられる
(ここでpは−H又は−CH3 を表わす)。
してもよいし、他の二価の有機残基を介して結合しても
よい。これら重合体の具体的態様については、例えば特
開昭61−43757号、特開平1−257969号、
同2−74956号、同1−282566号、同2−1
73667号、同3−15862号、特願平2−177
449号等の明細書に記載の方法と同様にして行なうこ
とができる。
部に対して5〜8重量部程度であり、好ましくは10〜
50重量部である。重合開始剤の量は、重合性化合物の
総量の0.1〜5重量%である。また、重合温度は30
〜180℃程度であり、好ましくは40〜120℃であ
る。反応時間は1〜15時間が好ましい。
の結着樹脂〔P〕中に重合体成分として、又は該硬化性
基含有樹脂として樹脂〔P〕と併用して、含有する場合
を説明する。結着樹脂〔P〕中に含有され得る、光及び
/又は熱硬化性基を少なくとも1種含有して成る重合体
成分としては、前記の如き公知文献に記載のものを挙げ
ることができる、より具体的には例えば前記重合性官能
基として記載したものと同様のものが挙げられる。
び/又は硬化性基を少なくとも1種含有する重合体成分
は、ブロック共重合体の重合体セグメント〔B〕100
重量部中0.1〜40重量部であり、好ましくは1〜3
0重量部である。上記含有量の下限以下になると、光導
電層の成膜後の硬化が充分に進行しなくなり、転写層塗
膜時に光導電層表面部分との膜界面の保持が不充分とな
り、転写層の剥離性に悪影響を及ぼす。一方、上記含有
量の上限以上になると、光導電層の結着樹脂としての電
子写真特性が劣化し、複写画像の原稿再現性の低下、非
画像部の地カブリの発生等を生じてしまう場合が生じ
る。
ロック共重合体〔P〕は全結着樹脂100重量部中40
重量%以上使用する事が好ましい。該樹脂〔P〕が40
重量%未満の場合は、電子写真特性の劣化が生じてしま
う。また、本発明では、上記のフッ素原子及び/又はケ
イ素原子含有樹脂とともに光及び/熱硬化性樹脂〔D〕
を併用してもよい。かかる樹脂〔D〕に含有される光及
び/又は熱硬化性基は、いずれでもよいが具体的には前
記したブロック共重合体で含有される硬化性基と同様の
内容のものが挙げられる。
は、従来公知の硬化性樹脂のいずれでもよく、例えば、
本発明のブロック共重合体〔P〕で説明した硬化性基と
同様の官能基含有の樹脂がその例として挙げられる。こ
れら従来公知の電子写真感光層用の結着樹脂類は、例え
ば、柴田隆治、石渡次郎,高分子、第17巻、第278
頁(1968年)、宮本晴視、武井秀彦、イメージン
グ、1973(No.8)、中村孝一編「記録材料用バ
インダーの実際技術」第10章、C.M.C.出版(1
985年)、電子写真学会編「電子写真用有機感光体の
現状シンポジウム」予稿集(1985年)、小門宏編
「最近の光導電材料と感光体の開発・実用化」日本科学
情報(株)(1986年)、電子写真学会編「電子写真
技術の基礎と応用」第5章、コロナ社(株)(1988
年)、D.Tatt 、S.C.Heidecker,Tappi,49
(No.10),439(1966),E.S.Balta
zzi ,R.G.Blanclotte et al ,Phot .Sci.E
ng.16(No.5),354(1972)、グエン・
チャン・ケー、清水勇、井上英一、電子写真学会誌18
(No.2),22(1980)等の成書・総説に記載
の化合物等が挙げられる。
体、塩化ビニル共重合体、塩化ビニリデン共重合体、ア
ルカン酸ビニル重合体及び共重合体、アルカン酸アリル
重合体及び共重合体、スチレン及びその誘導体、重合体
及び共重合体、ブタジエン−スチレン共重合体、イソブ
レン−スチレン共重合体、ブタジエン−不飽和カルボン
酸エステル共重合体、アクリロニトリル共重合体、メタ
クリロニトリル共重合体、アルキルビニルエーテル共重
合体、アクリル酸エステル重合体及び共重合体、メタク
リル酸エステル重合体及び共重合体、スチレン−アクリ
ル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステ
ル共重合体、イタコン酸ジエステル重合体及び共重合
体、無水マレイン酸共重合体、アクリルアミド共重合
体、メタクリルアミド共重合体、水酸基変性シリコン樹
脂、ポリカーボネート樹脂、ケトン樹脂、ポリエステル
樹脂、シリコン樹脂、アミド樹脂、水酸基及びカルボキ
シル基変性ポリエステル樹脂、ブチラール樹脂、ポリビ
ニルアセタール樹脂、環化ゴム−メタクリル酸エステル
共重合体、環化ゴム−アクリル酸エステル共重合体、窒
素原子を含有しない複素環を含有する共重合体(複素環
として例えば、フラン環、テトラヒドロフラン環、チオ
フェン環、ジオキサン環、ジオキソフラン環、ラクトン
環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、1,3−ジ
オキセタン環等)、エポキシ樹脂等が挙げられる。
の精密化」(C.M.C.(株)、1986年刊)、原
崎勇次「最新バインダー技術便覧」第II−1章(総合技
術センター、1985年刊)、大津隆行「アクリル樹脂
の合成・設計と新用途開発」(中部経営開発センター出
版部1985年刊)、大森英三「機能性アクリル系樹
脂」(テクノシステム1985年刊)等の総説に引例さ
れた従来公知の樹脂が用いられる。
層又は光導電層は、結着樹脂〔B〕及び表面界質用のブ
ロック共重合体〔P〕を少なくとも各々1種以上含有す
るが、更には、膜の硬化を向上させるために光及び/又
は熱硬化性樹脂〔D〕及び/又は架橋剤を少量共存させ
るのが好ましい。その使用量は、結着樹脂〔B〕及びブ
ロック共重合体〔P〕の総量に対して0.01〜20重
量%が好ましく、より好ましくは0.1〜15重量%で
ある。その使用量が0.01重量%以下となると、膜の
硬膜化向上の効果が薄れてしまう。一方20重量%を越
えると電子写真特性に悪影響を及ぼす。
架橋剤としては、通常架橋剤として用いられる化合物を
使用することができる。具体的には、山下普三、金子東
助編「架橋剤ハンドブック」大成社刊(1981年)、
光分枝学会編「高分子データハンドブック基礎編」培風
館(1986年)等に記載されてきいる化合物を用いる
ことができる。
ニルトリメトキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メ
ルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロ
ピルエトキシシラン等のシランカップリング剤等)、ポ
リイソシアナート系化合物(例えば、トルイレンジイソ
シアナート、o−トルイレンジイソシアナート、ジフェ
ニルメタンジイソシアナート、トリフェニルメタントリ
イソシアナート、ポリメチレンポリフェニルイソシアナ
ート、ヘキサメチレンジイソアアナート、イソホロンジ
イソシアナート、高分子ポリイソシアナート等)、ポリ
オール系化合物(例えば、1,4−ブタンジオール、ポ
リオキシプロピレングリコール、ポリオキシアルキレン
グリコール、1,1,1−トリメチロールプロパン
等)、ポリアミン系化合物(例えば、エチレンジアミ
ン、γ−ヒドロキシプロピル化エチレンジアミン、フェ
ニレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、N−アミノ
エチルピペラジン、変性脂肪族ポリアミン類等)、チタ
ネートカップリング系化合物(例えばテトラブトキシチ
タネート、テトラクロロポキシチタネート、イソプロピ
ルトリステアロイルチタネート等、)アルミニウムカッ
プリング系化合物(例えばアルミニウム−ブチレート、
アルミニウムアセチルアセテート、アルミニウムオキシ
ドオクテート、アルミニウムトリス(アセチルアセテー
ト)等)、ポリエポキシ基含有化合物及びエポキシ樹脂
(例えば垣内弘編著「エポキシ樹脂」昭晃堂(1985
年刊)、橋本邦之編著「エポキシ樹脂」日刊工業新聞社
(1969年刊)等に記載された化合物類)、メラミン
樹脂(例えば、三輪一郎、松永英夫編著「ユリア・メラ
ミン樹脂」日刊工業新聞社(1969年刊)等に記載さ
れた化合物類)、ポリ(メタ)アクリレート系化合物
(例えば、大河原信、三枝武夫、東村敏延編「オリゴマ
ー」講談社(1976年)、大森英三「機能性アクリル
系樹脂」テクノシステム(1985年刊)等に記載され
た化合物類が挙げられる。また、多官能重合性基含有の
単量体(例えばビニルメタクリレート、アクリルメタク
リレート、エチレングリコールジアクリレート、ポリエ
チレングリコールジアクリレート、ジビニルコハク酸エ
ステル、ジビニルアジピン酸エステル、ジアクリルコハ
ク酸エステル、2−メチルビニルメタクリレート、トリ
メチロールプロパントリメタクリレート、ジビニルベン
ゼン、ペンタエリスリトールポリアクリレート等)等が
挙げられる。
(転写剥離層と隣接する層)は、成膜後に硬化されるこ
とが好ましい。供せられる結着樹脂〔B〕、ブロック共
重合体〔P〕、硬化用樹脂〔D〕及び架橋剤は、高分子
間が化学結合しやすい官能基同志の組合せで用いること
が好ましい。例えば官能基の組合せによる高分子反応と
して、通常よく知られた方法が挙げられ、例えば下表の
様なA群の官能基とB群の官能基の組合せが例示され
る。但しこれに限定されるものではない。
進させるために、結着樹脂に必要に応じて反応促進剤を
添加してもよい。架橋反応が官能基間の化学結合を形成
する反応様式の場合には、例えば有機酸類(酢酸、プロ
ピオン酸、酪酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンス
ルホン酸等)、フェノール類(フェノール、クロロフェ
ノール、ニトロフェノール、シアノフェノール、ブロモ
フェノール、ナフトール、ジクロロフェノール等)、有
機金属化合物(アセチルアセトナートジルコニウム塩、
アセチルアセトンジルコニウム塩、アセチルアセトコバ
ルト塩、ジラウリン酸ジブトキシスズ等)、ジチオカル
バミン酸化合物(ジエチルジチオカルバミン酸塩等)、
チノウラムジスルフィド化合物(テトラメチルチノウラ
ムジスルフィド等)、カルボン酸無水物(無水フタル
酸、無水マレイン酸、無水コハク酸、ブチルコハク酸無
水物、3,3′,4,4′−テトラカルボン酸ベンゾフ
ェノンジ無水物、トリメリット酸無水物等)等が挙げら
れる。架橋反応が重合性反応様式の場合には、重合開始
剤(過酸化物、アゾビス系化合物等が挙げられる。
樹脂は、従来公知の電子写真感光体に用いられる樹脂の
いずれでもよく、重量平均分子量は好ましくは5×10
3 〜1×106 、より好ましくは2×104 〜5×10
5 のものである。また、結着樹脂のガラス転移点は好ま
しくは−40℃〜200℃、より好ましくは−10℃〜
140℃である。例えば、柴田隆治・石渡次郎、高分
子、第17巻、第278頁(1968年)宮本晴視、武
井秀彦、イメージング、1973(No.8)中村孝一
編「記録材料用バインダーの実際技術」第10章、C.
H.C.出版(1985年)電子写真学会編、「電子写
真用有機感光体の現状シンポジウム」予稿集(1985
年)小門宏編、「最近の光導電材料と感光体の開発・実
用化」日本科学情報(株)(1986年)電子写真学会
編「電子写真技術の基礎と応用」第5章コロナ社(株)
(1988年)、D.Tatt ,S.C.Heidecker,T
appi,49(No.10)、439(1966)、E.
S.Baltazzi ,R.G.Blanclotte et al ,Phot
.Sci.Eng.16(No.5)、354(197
2)、グエン・チャン・ケー、清水勇、井上英一、電子
写真学会誌18(No.2),22(1980)等の成
書・総説に記載の化合物等が挙げられる。
体、塩化ビニル共重合体、塩化ビニリデン共重合体、ア
ルカン酸ビニル重合体及び共重合体、アルカン酸アリル
重合体及び共重合体、スチレン及びその誘導体、重合体
及び共重合体、ブタジエン−スチレン共重合体、イソプ
レン−スチレン共重合体、ブタジエン−不飽和カルボン
酸エステル共重合体、アクリロニトリル共重合体、メタ
クリロニトリル共重合体、アルキルビニルエーテル共重
合体、アクリル酸エステル重合体及び共重合体、メタク
リル酸エステル重合体及び共重合体、スチレン−アクリ
ル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステ
ル共重合体、イタコン酸ジエステル重合体及び共重合
体、無水マレイン酸共重合体、アクリルアミド共重合
体、メタクリルアミド共重合体、水酸基変性シリコン樹
脂、ポリカーボネート樹脂、ケトン樹脂、ポリエステル
樹脂、シリコン樹脂、アミド樹脂、水酸基及びカルボキ
シル基変性ポリエステル樹脂、ブチラール樹脂、ポリビ
ニルアセタール樹脂、環化ゴム−メタクリル酸エステル
共重合体、環化ゴム−アクリル酸エステル共重合体、窒
素原子を含有しない複素環を含有する共重合体(複素環
として例えば、フラン環、テトラヒドロフラン環、チオ
フェン環、ジオキサン環、ジオキソフラン環、ラクトン
環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、1,3−ジ
オキセタン環等)、エポキシ樹脂等が挙げられる。
キシル基、スルホ基、ホスホノ基等の酸性基を含有する
比較的低分子量(103 〜104 程度 )の樹脂を併用
することで、静電特性を良化することができる。例え
ば、特開昭63−217354号に記載の酸性基含有重
合成分が重合体主鎖にランダムに存在する樹脂、同64
−70761号に記載の重合体主鎖の片末端に酸性基を
結合してなる樹脂、特開平2−67563号、同2−2
36561号、同2−238458号、同2−2365
62号及び同2−247656号等に記載の、酸性基を
グラフト型共重合体の主鎖末端に結合してなる樹脂又は
酸性基をグラフト型共重合体のグラフト部に含有する樹
脂、同3−181948号に記載の酸性基をブロックで
含有するAB型ブロック共重合体が挙げられる。更に、
これらの低分子量の樹脂のみでは不充分な光導電層の機
械的強度を充分ならしめるために、中〜高分子量の他の
樹脂を併用することが好ましい。例えば、特開平2−6
8561号に記載のポリマー間に架橋構造を形成する熱
硬化性樹脂、特開平2−68562号に記載の一部が架
橋構造を有する樹脂、特開平2−69759号に記載の
酸性基をグラフト型共重合体の主鎖末端に結合してなる
樹脂等が挙げられる。また、特定の中〜高分子量の樹脂
を用いることで、環境が著しく変動した場合でも安定し
た性能を維持することができ、例えば、特開平3−29
954号、同3−77954号、同3−92861号及
び同3−53257号に記載の酸性基をグラフト型共重
合体のグラフト部の末端に結合する樹脂又は酸性基をグ
ラフト型共重合体のグラフト部に含有する樹脂、同3−
206464号及び同3−223762号記載の酸性基
含有のAブロックと酸性基非含有のBブロックとからな
るABブロック型共重合体をグラフト部に含有するグラ
フト型共重合体を挙げることができる。これらの特定の
樹脂を用いることで、光導電体を均一に分散させ、平滑
性良好な光導電層を形成することができ、また環境の変
化や半導体レーザー光を用いたスキャニング露光方式を
用いた場合においても、優れた静電特性を維持すること
ができる。
した後、光及び/又は熱硬化される。熱硬化を行なうた
めには、例えば、乾燥条件を従来の感光体作製時の乾燥
条件より厳しくする。例えば、乾燥条件を高温度及び/
又は長時間とする。あるいは塗布溶剤の乾燥後、更に加
熱処理することが好ましい。例えば60℃〜150℃で
5〜120分間処理する。上述の反応促進剤を併用する
と、より穏やかな条件で処理することができる。
硬化する方法としては、「化学的活性光線」で光照射す
る工程を入れる様にすればよい。本発明に用いられる
「化学的活性光線」としては、可視光線、紫外線、遠紫
外線、電子線、X線、γ線、α線などいずれでもよい
が、好ましくは紫外線が挙げられる。より好ましくは波
長310nmから波長500nmの範囲での光線を発し
うるものが好ましく、一般には低圧、高圧あるいは超高
圧の水銀ランプ、ハロゲンランプ等が用いられる。光照
射の処理は通常5cm〜50cmの距離から10秒〜1
0分間の照射で充分に行うことができる。
及び材料は、従来公知のいずれでもよく、限定されるも
のではない。感光体としては例えば電子写真学会編「電
子写真技術の基礎と応用」(コロナ社刊(1988年
刊))、小門宏編「最近の光導電材料と感光体の開発・
実用化」(日本科学情報(株)刊、1985年刊)等に
記載の各種感光体が挙げられる。即ち、光導電性化合物
自身から成る単独層、又は、光導電性化合物を結着樹脂
中に分散した光導電層が挙げられ、分散された光導電層
は、単一層型でもよいし、積層型でもいずれでもよい。
又、本発明において用いられる光導電性化合物は無機化
合物あるいは有機化合物のいずれでもよい。
無機化合物としては、例えば酸化亜鉛、酸化チタン、硫
化亜鉛、硫化カドミウム、セレン、セレン−テルル、シ
リコン硫化鉛等従来公知の無機光導電性化合物が挙げら
れる。光導電性化合物として、酸化亜鉛、酸化チタン等
の無機光導電性化合物を用いる場合は、無機光導電性化
合物100重量部に対して、結着樹脂を10〜100重
量部なる割合、好ましくは15〜40重量部なる割合で
使用する。
合物のいずれでもよく、具体的には、特公昭37−17
162号、同62−51462号、特開昭52−243
7号、54−19803号、同56−107246号、
同57−161863号各公報などに記載のような、有
機光導電性化合物、増感染料、結合樹脂を主体とする光
導電層を有するものであり、第二は、特開昭56−14
6145号、同60−17751号、同60−1775
2号、同60−17760号、同60−254142
号、同62−54266号各公報などに記載のような電
荷発生剤、電荷輸送剤、結合樹脂を主体とする光導電層
を有するもの、及び特開昭60−230147号、同6
0−230148号、同60−238853号各公報な
どに記載のような電荷発生剤と電荷輸送剤とをそれぞれ
別の層に含有した二層構成の光導電層も知られている。
のいずれの形態をとっていてもよい。第二の例の場合に
は、本発明でいう有機光導電性化合物が電荷輸送剤とし
ての機能をはたす。本発明における有機光導電性化合物
としては、(a)米国特許第3112197号明細書等
に記載のトリアゾール誘導体、(b)米国特許第318
9447号明細書等に記載のオキサジアゾール誘導体、
(c)特公昭37−16096号公報に記載のイミダゾ
ール誘導体、(d)米国特許第3615402号、同3
820989号、同3542544号各明細書、特公昭
45−555号、同51−10983号各公報、特開昭
51−93224号、同55−108667号、同55
−156953号、同56−36656号各公報等に記
載のポリアリールアルカン誘導体、(e)米国特許第3
180729号、同4278746号各明細書、特開昭
55−88064号、同55−88065号、同49−
105537号、同55−51086号、同56−80
051号、同56−88141号、同57−45545
号、同54−112637号、同55−74546号各
公報等に記載のピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導
体、(f)米国特許第3615404号明細書、特公昭
51−10105号、同46−3712号、同47−2
8336号各公報、特開昭54−83435号、同54
−110836号、同54−119925号各公報等に
記載のフェニレンジアミン誘導体、
180703号、同3240597号、同365852
0号、同4232103号、同4175961号、同4
012376号各明細書、特公昭49−35702号公
報、西独国特許(DAS)第1110518号明細書、
特公昭39−27577号、特開昭55−144250
号、同56−119132号、同56−22437号各
公報などに記載されているアリールアミン誘導体、
(h)米国特許第3526501号明細書等に記載のア
ミノ置換カルコン誘導体、(i)米国特許第35425
46号明細書などに記載のN,N−ビカルバジル誘導
体、(i)米国特許第3257203号明細書などに記
載のオキサゾール誘導体、(k)特開昭56−4623
4号公報等に記載のスチリルアントラセン誘導体、
(l)特開昭54−110837公報等に記載のフルオ
レノン誘導体、(m)米国特許第3717462号明細
書、特開昭54−59143号公報(米国特許第415
0987号明細書に対応)、特開昭55−52063
号、同55−52064号、同55−46760号、同
55−85495号、同57−11350号、同57−
148749号、同57−104144号各公報等に記
載されているヒドラゾン誘導体、
047949号、同4265990号、同427384
6号、同4299897号、同4306008号各明細
書などに記載のベンジジン誘導体、(o)特開昭58−
190953号、同59−95540号、同59−97
148号、同59−195658号、同62−3667
4号各公報などに記載されているスチルベン誘導体、
(p)特公昭34−10966号公報記載のポリビニル
カルバゾール及びその誘導体、(q)特公昭43−18
674号、同43−19192号各公報記載のポリビニ
ルピレン、ポリビニルアントラセン、ポリ−2−ビニル
−4−(4′−ジメチルアミノフェニル)−5−フェニ
ル−オキサゾール、ポリ−3−ビニル−Nエチルカルバ
ゾール等のビニル重合体、(r)特公昭43−1919
3号公報記載のポリアセナフチレン、ポリインデン、ア
セナフチレンとスチレンの共重合体等の重合体、(s)
特公昭56−13940号公報などに記載のピレン−ホ
ルムアルデヒド樹脂、ブロムピレン−ホルムアルデヒド
樹脂、エチルカルバゾール−ホルムアルデヒド樹脂等の
縮合樹脂、(t)特開昭56−90833号、同56−
161550号各公報に記載の各種のトリフェニルメタ
ンポリマー、などがある。
は、(a)〜(t)に挙げられた化合物に限定されず、
これまで公知の全ての有機光導電性化合物を用いること
ができる。これらの有機光導電性化合物は場合により2
種類以上併用することが可能である。第一の例の光導電
層に含有される増感色素としては、電子写真感光体に使
用される従来公知の増感色素が使用可能である。これら
は、「電子写真」12 9(1973)、「有機合成化
学」24(11)、1010(1966)等に記載され
ている。例えば、米国特許第3141770号、同42
83475号各明細書、特開昭48−25658号公
報、特開昭62−71965号公報等に記載のピリリウ
ム系染料、Applied Optics Suppl
ement 350(1969)、特開昭50−395
48号公報等に記載のトリアリールメタン系染料、米国
特許第3597196号明細書等に記載のシアニン系染
料、特開昭60−163047号、同59−16458
8号、同60−252517号各公報等に記載のスチリ
ル系染料などが有利に使用される。
剤としては、電子写真感光体において従来公知の有機及
び無機の各種の電荷発生剤が使用できる。例えば、セレ
ン、セレン−テルル、硫化カドミウム、酸化亜鉛、及び
以下(1)〜(9)に示す有機顔料を使用することがで
きる。
439506号各明細書、特開昭47−37543号、
同58−123541号、同58−192042号、同
58−219263号、同59−78356号、同60
−179746号、同61−148453号、同61−
238063号各公報、特公昭60−5941号、同6
0−45664号各公報等に記載されたモノアゾ、ビス
アゾ、トリスアゾ顔料などのアゾ顔料、(2)米国特許
第3397086号、同4666802号各明細書、特
開昭51−90827号、同52−55643号各公報
に記載の無金属あるいは金属フタロシアニン等のフタロ
シアニン顔料、(3)米国特許第3371884号明細
書、特開昭47−30330号公報等に記載のペリレン
系顔料、(4)英国特許第2237680号明細書、特
開昭47−30331号公報等に記載のインジゴ、チオ
インジゴ誘導体、(5)英国特許第2237679号明
細書、特開昭47−30332号公報等に記載のキナク
リンドン系顔料(6)英国特許第2237678号明細
書、特開昭59−184348号、同62−28738
号、同47−18544号各公報等に記載の多環キノン
系顔料、(7)特開昭47−30331号、同47−1
8543号各公報等に記載のビスベンズイミダゾール系
顔料、(8)米国特許第4396610号、同4644
082号各明細書等に記載のスクアリウム塩系顔料、
(9)特開昭59−53850号、同61−21254
2号各公報等に記載のアズレニウム塩系顔料、などであ
る。これらは単独もしくは2種以上を併用して用いるこ
ともできる。
合比は、有機光導電性化合物と結合樹脂との相溶性によ
って有機光導電性化合物の含有率の上限が決まり、これ
を上回る量を添加すると有機光導電性化合物の結晶化が
起こり好ましくない。有機光導電性化合物の含有量が少
ないほど電子写真感度は低下するので、有機光導電性化
合物の結晶化が起こらない範囲で、できるだけ多くの有
機光導電性化合物を含有させるのが好ましい。有機光導
電性化合物の含有率としては、結合樹脂100重量部に
対し、有機光導電性化合物5〜120重量部、好ましく
は、有機光導電性化合物10〜100重量部である。ま
た、有機光導電性化合物は、単独であるいは2種以上混
合して使用することができる。
0〜50μが好適である。また、電荷発生層と電荷輸送
層の積層型感光体の電荷発生層として光導電層を使用す
る場合は電荷発生層の厚さは0.01〜5μ、特には、
0.05〜2μが好適である。本発明では、可視光の露
光又は半導体レーザー光の露光等光源の種類によって必
要に応じて各種の色素を分光増感剤として併用すること
ができる。例えば、宮本晴視、武井秀彦;イメージング
1973(No.8)第12頁、C.J.Young等:R
CA Review 15,469頁(1954年)、清田航
平等:電気通信学会論文誌、J63−C(No.2)、
97頁(1980年)、原崎勇次等、工業化学雑誌、6
6、78及び188頁(1963年)、谷忠昭、日本写
真学会誌35,208頁(1972年)等の総説引例の
カーボニウム系色素、ジフェニルメタン色素、トリフェ
ニルメタン色素、キサンテン系色素、フタレイン系色
素、ポリメチン色素(例えば、オキソノール色素、メロ
シアニン色素、シアニン色素、ロダシアニン色素、スチ
リル色素等)、フタロシアニン色素(金属を含有しても
よい)等が挙げられる。
リフェニルメタン系色素、キサンテン系色素、フタレイ
ン系色素を中心に用いたものとして、特公昭51−45
2号、特開昭50−90334号、同50−11422
7号、同53−39130号、同53−82353号各
公報、米国特許第3052540号、同4054450
号各明細書、特開昭57−16456号公報等に記載の
ものが挙げられる。
アニン色素、ロダシアニン色素等のポリメチン色素とし
ては、F.M.Harmmer「The Cyanine Dyes and
Related Compounds」等に記載の色素類が使用可能で
あり、更に具体的には、米国特許第3047384号、
同3110591号、同3121008号、同3125
447号、同3128179号、同3132942号、
同3622317号各明細書、英国特許第122689
2号、同1309274号、同1405898号各明細
書、特公昭48−7814号、同55−18892号各
公報等に記載の色素が挙げられる。
赤外光域を分光増感するポリメチン色素として、特開昭
47−840号、同47−44180号、特公昭51−
41061号、同49−5034号、同49−4512
2号、同57−46245号、同56−35141号、
同57−157254号、同61−26044号、同6
1−27551号各公報、米国特許第3619154
号、同4175956号各明細書、「Research Discl
oseure」1982年、216、第117〜118頁等に
記載のものが挙げられる。
させてもその性能が増感色素により変動しにくい点にお
いても優れている。更には、必要に応じて、従来知られ
ている種々の電子写真感光体用添加剤を併用することが
できる。これらの添加剤としては、電子写真感度を改良
するための化学増感剤、皮膜性を改良するための各種の
可塑剤、界面活性剤などが含まれる。
ンゾキノン、クロラニル、フルオラニル、プロマニル、
ジニトロベンゼン、アントラキノン、2,5−ジクロロ
ベンゾキノン、ニトロフェノール、無水テトラクロロフ
タル酸、無水フタル酸、無水マレイン酸、N−ヒドロキ
シマレインイミド、N−ヒドロキシフタルイミド、2,
3−ジクロロ−5,6−ジシアノベンゾキノン、ジニト
ロフルオレノン、トリニトロフルオレノン、テトラシア
ノエチレン、ニトロ安息香酸、ジニトロ安息香酸等の電
子吸引性化合物、小門宏等「最近の光導電材料と感光体
の開発・実用化」第4章〜第6章:日本科学情報(株)
出版部(1986年)の総説引例のポリアリールアルカ
ン化合物、ヒンダートフェノール化合物、p−フェニレ
ンジアミン化合物等が挙げられる。また、特開昭58−
65439号、同58−102239号、同58−12
9439号、同62−71965号各公報等に記載の化
合物等も挙げることができる。
ト、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、トリ
フェニルフタレート、トリフェニルフォスフェート、ジ
イソブチルアジペート、ジメチルセバケート、ジブチル
セバケート、ラウリン酸ブチル、メチルフタリールグリ
コレート、ジメチルグリコールフタレートなどを光導電
層の可撓性を向上するために添加できる。これらの可塑
剤は光導電層の静電特性を劣化させない範囲で含有させ
ることができる。これら各種添加剤の添加量は、特に限
定的ではないが、通常光導電体100重量部に対して
0.001〜2.0重量部である。
体上に設けることができる。一般に云って電子写真感光
層の支持体は、導電性であることが好ましく、導電性支
持体としては、従来と全く同様、例えば金属、紙、プラ
スチックシート等の基体に低抵抗性物質を含浸させるな
どして導電処理したもの、基体の裏面(感光層を設ける
面と反対面)に導電性を付与し、更にはカール防止を図
る等の目的で少なくとも1層以上をコートしたもの、前
記支持体の表面に耐水性接着層を設けたもの、前記支持
体の表面層に必要に応じて少なくとも1層以上のプレコ
ート層を設けたもの、Al等を蒸着した基体導電化プラ
スチックを紙にラミネートしたもの等が使用できる。
の例として、坂本幸男、電子写真、14(No.1),
2〜11頁(1975年刊)、森賀弘之「入門特殊紙の
化学」高分子刊行会(1975年刊)、M.F.Hoove
r ,J.Macromol .Sci.Chem .A−4(6)、1
327〜1417頁(1970年刊)等に記載されてい
るもの等を用いる。
電写真用現像剤を使用することができ、静電写真用乾式
現像剤及び液体現像剤のいずれでもよい。例えば、前述
の「電子写真技術の基礎と応用」497〜505頁、中
村孝一監修「トナー材料の開発・実用化」第3章(日本
科学情報社刊、1985年)、町田元「記録用材料と感
光性樹脂」107〜127頁(1983年刊)、(株)
学会出版センター、電子写真学会「イメージングNo.
2〜5 電子写真の現像・定着・帯電・転写」等に具体
的な態様が示されている。
二成分トナー、一成分非磁性トナーあるいはカプセルト
ナー等が実用されており、これらのいずれも利用するこ
とができる。より好ましくは、デジタル情報に基づいて
露光するレーザー光によるスキャニング露光方式及び液
体現像剤を用いる現像方式の組合せが、高精細な画像を
形成できることから有効なプロセスである。
成としては、電気絶縁性有機溶媒{例えばイソパラフィ
ン系脂肪族炭化水素:アンソパーH、アイソパーG(エ
ッソ社製)シェルゾール70、シェルゾール71(シェ
ル社製)、IP−ソルベント1620(出光石油化学
製)等}を分散媒として、着色剤である無機又は有機の
顔料あるいは染料とアルキッド樹脂、アクリル樹脂、ポ
リエステル樹脂、スチレンブタジエン樹脂、ロジン等の
分散安定性・定着性、荷電性を付与するための樹脂とを
分散し、且つ、荷電特性の強化あるいは画像特性の改良
等のために所望により種々の添加剤を加えてなるもので
ある。
任意に選択されるが、例えば、ベンジジン系、アゾ系、
アゾメチン系、キサンテン系、アントラキノン系、フタ
ロシアニン系(含金属を含む)、チタンホワイト、ニグ
ロシン、アニリンブラック、カーボンブラック等の染料
あるいは顔料等である。また、他の添加剤として、例え
ば原崎勇次「電子写真」第16巻、第2号、44頁に具
体的に記載されているものが用いられる。例えば、ジ−
2−エチルヘキシルスルホコハク酸金属塩、ナフテン酸
金属塩、高級脂肪酸金属塩、アルキルベンゼンスルホン
酸金属塩、アルキルリン酸金属塩、レシチン、ポリ(ビ
ニルピロリドン)、半マレイン酸アミド成分を含む共重
合体、クマロンインデン樹脂、高級アルコール類、ポリ
エーテル類、ポリシロキサン、ワックス類等が挙げられ
る。しかし、これらに限定されるものではない。
ついては通常下記の通りである。樹脂(及び所望により
用いられる着色剤)を主成分として成るトナー粒子は、
担体液体1000重量部に対して0.5重量部〜50重
量部が好ましい。0.5重量部未満であると画像濃度が
不足し、50重量部を超えると非画像部へのカブリを生
じ易い。さらに、前記の分散安定用の担体液体可溶性樹
脂も必要に応じて使用され、担体液体1000重量部に
対して0.5重量部〜100重量部程度加えることがで
きる。上述の様な荷電調節剤は、担体液体1000重量
部に対して0.001重量部〜1.0重量部が好まし
い。更に所望により各種添加剤を加えても良く、それら
添加物の総量は、現像剤の電気抵抗によってその上限が
規制される。即ち、トナー粒子を除去した状態の液体現
像剤の電気抵抗が109 Ωcmより低くなると良質の連
続階調像が得られ難くなるので、各添加物の各添加量
は、この限度内でコントロールされている。
ては、着色剤及び樹脂をサンドミル、ボールミル、ジェ
ットミル、アトライター等の分散機を用いて機械的に分
散して着色粒子を製造する方法が、例えば特公昭35−
5511号、特公昭35−13424号、特公昭50−
40017号、特公昭49−98634号、特公昭58
−129438号、特開昭61−180248号等に記
載されている。
分散樹脂粒子を微小粒径で単分散性の良好なものとして
得る非水系分散重合方法を用いて製造し、該樹脂粒子を
着色する方法が挙げられる。着色の方法の1つとして、
特開昭57−48738号などに記載されている如く、
分散樹脂を好ましい染料で染色する方法がある。また、
他の方法として、特開昭53−54029号に開示され
ている如く、分散樹脂と染料を化学的に結合させる方
法、又は、特公昭44−22955号等に記載されてい
る如く、重合造粒法で製造する際に、予め色素を含有し
た単量体を用い、色素含有の共重合体とする方法等があ
る。
限定されるものではなく、上質紙、コート紙、アート紙
の天然紙、合成紙の支持体、アルミ、鉄、SUS等の金
属支持体等の反射型の顔料、ポリエステル、ポリオレフ
ィン、ポリ塩化ビニル、ポリアセテート等の樹脂フィル
ム(プラスチックフィルム)等の透過型の材料等いずれ
でもよい。
は、まず、通常の電子写真プロセスを経て、該転写層を
有する感光材料上に複写画像を形成する。即ち、帯電−
露光−現像−定着の各プロセスを従来公知の方法によっ
て行う。現像プロセスに供される現像剤としては、従来
公知のいずれの現像剤でもよく、乾式現像剤又は液体現
像剤が挙げられる。
露光するレーザー光によるスキャニング露光方式及び液
体現像剤を用いる現像方式の組合せが、高精細な画像を
形成できることから有効なプロセスである。その一例を
以下に示す。まず、感光材料をフラットベット上にレジ
スターピン方式による位置決めを行った後背面よりエア
ーサクションにより吸引して固定する。次いで、例えば
「電子写真技術の基礎と応用」(電子写真学会編、コロ
ナ社、昭和63年6月15日発行)212頁以降に記載
の帯電デバイスにより、感光材料を帯電する。コロトロ
ン又はスコトロン方式が一般的である。この時感光材料
の帯電電位検出手段からの情報に基づき、常に所定の範
囲の表面電位となるよう、フィードバックをかけ、帯電
条件をコントロールすることも好ましい。
頁以降に記載の方式を用いてレーザー光源による走査露
光を行う。まず初めはカラー画像を4色に分解したなか
のイエロー版に相当する画像をドットパターンに変換し
て露光する。次いで液体現像剤を用いてトナー画像を行
う。フラットベット上で帯電、露光した感光材料は、そ
こからはずして同上引用資料の275頁以降に示された
直接法の湿式現像法を用いることができる。この時の露
光モードは、トナー画像現像モードに対応して行われ、
例えば反転現像の場合はネガ画像、即ち画像部にレーザ
ー光を照射し、感光材料を帯電した時の電荷極性と同じ
電荷極性を持つトナーを用い、現像バイアス電圧を印加
して、露光部にトナーが電着するようにする。原理の詳
細は同上引用資料の157頁以降に説明がある。現像後
に余剰の現像液を除くために、同資料283頁に示され
るようなスクイーズを行った後乾燥する。スクイーズ前
に現像剤の担体液体のみでリンスをすることも好まし
い。
と被転写材に熱転写する。この熱転写には、公知の方法
及び装置を用いることができる。転写層を被転写材に熱
転写するための装置例を図2に示す。これは加熱手段5
内蔵の一対のゴム被覆金属ローラー4間に所定のニップ
圧力を印加しながら駆動するものである。この時のロー
ラー4の表面温度は好ましくは50〜150℃、より好
ましくは80〜120℃、ローラー間のニップ圧力は好
ましくは0.2〜20kgf/cm2 、より好ましくは
0.5〜10kgf/cm2 、搬送スピードは好ましく
は0.1〜100mm/秒、より好ましくは1〜30m
m/秒の範囲である。これらの条件設定は使用している
感光材料、即ち剥離層、感光層、支持体の材料の物性に
より最適化することは当然である。
段6及び温度コントローラー7によって所定の範囲内に
保つことが好ましい。更に加熱ローラー部前に感光材料
の予熱手段、後に冷却手段を設けることもできる。図2
には示していないが、ローラー間加圧手段としては少な
くとも一方のローラーの、軸の両端にスプリング又は圧
縮空気を用いるエアーシリンダーを使うことができる。
電子写真プロセスを行う装置内において、本発明の樹脂
〔AH〕及び〔AL〕を主成分とする熱可塑性樹脂を、
粘着力200gf以下の表面を有する電子写真感光体上
に、転写層として形成することが好ましい。これによ
り、電子写真感光体を該装置内で繰り返し使用すること
が可能となり、感光体を使い捨てることなく、電子写真
プロセスを連続して行い得る。その結果、作成される印
刷版のコストを著しく低減できるというメリットを生じ
る。
写層を感光体表面に形成するには、「ホットメルト」方
式、「離型紙転写」方式又は「電着」方式が有効であ
る。「ホットメルト」方式とは、転写層組成物を公知の
方法で熱溶融塗布するものであり、無溶剤型塗布機、例
えば前記資料「ホットメルト接着の実際」の197〜2
15頁に記載のホットメルト接着剤用加熱溶融塗布装置
(ホットメルトコーター)の機構を、感光体ドラム塗布
仕様にして転用できる。例としては、ダイレクトロール
コーター、オフセットグラビアロールコーター、ロット
コーター、エクストルージョンコーター、スロットオリ
フィスコーター、カ−テンコーター等が挙げられる。
適当であり、更に好ましくは0.5〜10μmが適当で
ある。膜厚が薄すぎると転写不良が起きやすくなり、厚
すぎると電子写真プロセス上の障害を招きやすく、充分
な画像濃度が得られなかったり、画質の低下が起きやす
い。塗布時の熱可塑性樹脂の溶融温度は、用いる熱可塑
性樹脂の成分組成により最適化するが、通常は50〜1
80℃の範囲である。密閉された自動温度制御手段を有
する予備加熱装置を用いて予め溶融した後、感光体に塗
布する位置で短時間に適温に上昇させることが望まし
い。このようにすることで、熱可塑性樹脂の熱酸化によ
る変質や塗布ムラを防止することができる。
の流動性、コーター方式、塗布量等によるが、1〜10
mm/秒が適当であり、より好ましくは5〜40mm/
秒の範囲である。図3は、該装置内において溶融塗布
(ホットメルト)方式により転写層を感光体上に形成す
る方法を用いた、カラー画像形成装置の概略図である。
ー13により、例えばドラム周面の感光体11の表面へ
塗布され、吸排気ユニット15下を通過することにより
所定の温度まで冷却される。ホットメルトコーター13
が待機位置13aまで移動したあと、その場所には液体
現像ユニット14が移動される。このユニット14はそ
れぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの液体現
像剤を含む現像装置よりなる。各々には必要に応じて非
画像部の汚れを防止する意味でもプレバス、リンス、ス
クイズ手段を備えておいても良い。プレバス及びリンス
液には通常湿式現像剤のキャリヤー液体を用いる。
れた感光体11は、次いで電子写真プロセスに入る。感
光体11はコロナ帯電装置18で、例えばプラスに一様
帯電された後、露光装置(例えば半導体レーザー等)1
9でまずイエローの画像情報に基づき画像露光される
と、露光部の電位が低減され、未露光部との間に電位コ
ントラストが得られる。プラスの静電荷を有するイエロ
ーの顔料が電気絶縁性分散媒中に分散している液体現像
剤を含むイエロー液体現像ユニット14yのみを現像ユ
ニットセット14から感光体11表面に接近させギャッ
プを1mmにして固定する。
バス手段によりプレバスされ、次いで図には示されてい
ないバイアス電源及び電気結線により感光体と現像電極
の間に現像バイアス電圧を印加しながら湿式現像剤を感
光体表面に供給する。この時のバイアス電圧は現像電極
側を正に、感光体側を負になるように接続し、印加電圧
は未露光部の表面電位よりもやや低くする。印加電圧が
低すぎると充分なトナー画像濃度が得られない。
ンス手段により感光体表面に付着した現像液を洗い落と
し、続いてスクイズ手段により感光体表面に付着したリ
ンス液を除いてから、吸排気ユニット15下を通過させ
ることにより乾燥させる。以上の工程をマゼンタ、シア
ン、ブラックについて繰り返す。この間熱転写手段17
は感光体表面より離して置く。
写のための加熱手段17aにより所定の予熱をし、つい
で被転写材16を介して温度制御手段を有した発熱体を
内蔵するゴムローラー17bを圧接しさらに冷却ローラ
ー17c下を通過させて冷却して、感光体表面のトナー
を転写層12ごと被転写材16へ熱転写し一連の工程を
終了する。
写するための転写手段17は加熱手段17a、発熱体内
蔵のゴムで被覆した金属の加熱ローラー17b及び冷却
ローラー17cよりなる。加熱手段17aは非接触の例
えば赤外線ラインヒーター又はフラッシュヒーター等を
用い、加熱ローラー17bによって得られる感光層表面
温度以上にならない範囲で予備加熱する。加熱ローラー
17bによる感光層の加熱表面温度は好ましくは50〜
150℃、より好ましくは80〜120℃である。
ニウム、銅等の熱良導体金属にシリコーンゴム被覆を施
し、ローラー内部もしくは転写紙に接しない外周部に冷
却手段を用いて放熱する事が望ましい。冷却手段はクー
リングファン、冷媒循環又は電子冷却素子などを用い、
温度コントローラーと組合せて所定の温度範囲に保つこ
とが好ましい。
20kgf/cm2 、より好ましくは0.5〜15kg
f/cm2 であり、図には示していないがローラー加圧
手段としてはローラー軸の両端にスプリングもしくは圧
縮空気を用いるエアーシリンダーを使うことができる。
搬送スピードは0.1〜100mm/秒、より好ましく
は1〜30mm/秒の範囲であり、電子写真工程と熱転
写工程で異なっていてもよい。
ることにより、次の装置稼働時にはすぐ電子写真プロセ
スからスタートでき、更に感光層表面を保護し外的環境
からの影響による特性劣化を防止することができる。以
上の条件設定は、使用している感光体、即ち転写層、感
光層及び支持体、さらに転写紙の材料の物性により最適
化することは当然である。特に熱転写工程における予
熱、ローラー加熱、冷却条件は転写層のガラス転移点、
軟化温度、流動性、粘着性、皮膜性、膜厚などの要因を
加味して決定することが必要である。即ち予熱手段であ
る程度軟化した転写層が加熱ローラー下を通過すること
により粘着性が増し転写紙に密着する。次いで冷却ロー
ラー下を通過した後では、温度が下がり、流動性や粘着
性が低減して皮膜のまま、トナーごと転写層に接着され
た状態で感光層表面から剥離するように条件を設定すべ
きである。
真式製版印刷原版作成装置の他の態様である「離型紙転
写」方式について説明する。「離型紙転写」方式によれ
ば、剥離紙上に転写層をホットメルトコート、溶剤塗
布、ラテックス電着等により予め形成した後、感光材料
表面に転写層を熱転写し、その上に電子写真トナー画像
を設けてから、転写層ごと被転写材に熱転写してカラー
複写物とするものである。
シート状で、電子写真式製版印刷原版作成装置に簡便に
供給できる。この方式に供される剥離紙は、従来公知の
いずれもものも使用でき、例えば、粘着(粘接着)の新
技術とその用途・各種応用製品の開発資料(発行;経営
開発センター出版部、昭和53年5月20日)、オール
ペーパーガイド紙の商品事典、上巻・文化産業編)発
行;(株)紙業タイムス社、昭和58年12月1日)等
の成書に記載のものが挙げられる。具体的には、剥離紙
は、シリコーンを主とする離型剤を、ポリエチレン樹脂
をラミネートした未晒クルパック紙や耐溶剤性の樹脂を
プリコートした上級紙、クラフト紙に、またアンダーコ
ートを施したPETベース、又は直接グラシン紙に塗布
したものである。
いられ、3〜7%の濃度でグラビアロール、ワイヤーバ
ー方式で塗布・乾燥後、150℃以上で熱処理され、硬
化される。塗布量は1g/m2 程度である。製紙メーカ
ーから一般に市販されている、テープ用、ラベル用、形
成工業用及びキャストコート工業用のものが使用でき
る。例えば、セパレート紙(王子製紙)、キングリーズ
(四国製紙)、サンリリース(山陽国策パルプ)、NK
ハイレリーズ(日本加工製紙)などが挙げられる。
に作成する装置としては、例えば図4に示す概略図のも
のが挙げられる。即ち、樹脂〔AH〕及び〔AL〕を含
有する転写層12を設けた剥離紙10を、加熱ローラー
17bで加熱圧着させて、転写層12を感光体11の表
面へ転写させる。剥離紙10は、冷却ローラー17cで
冷却されて回収される。更に必要に応じて、感光体11
自身を予熱手段17aで加熱して、転写層12の加熱圧
着による転写性を向上させてもよい。
電子写真プロセス及び被転写材への熱転写を行う装置に
組み込んだ具体的態様の例として、図5にその概念図を
示した。図5の装置は、前記したホットメルト方式の装
置(図3)と比べ、転写層12を感光体11上に形成す
る部分117以外は、基本的に同一の構成である。
より転写層12を感光体11上へ転写し、次いで電子写
真プロセスでトナー画像を形成した後、該部分117を
被転写材16を有する部分17に置き換えて、ホットメ
ルト方式の場合と同様に転写させる方法を用いてもよい
し、剥離紙10により転写層12を感光体11上に転写
する部分と、トナー画像の形成された転写層12を被転
写材16へ転写する部分の両方を装置内に組み入れても
よい。
表面へ転写する場合における転写条件は、以下の通りが
好ましい。ローラーのニップ圧力は0.1〜10kgf
/cm2 、より好ましくは0.2〜8kgf/cm2 で
あり、転写時の温度は25〜100℃、より好ましくは
40〜80℃である。搬送スピードは0.5〜100m
m/秒、より好ましくは3〜50mm/秒であり、転写
層形成工程、電子写真工程及び被転写材への熱転写工程
の各々で異なっていてもよい。
着」方式について説明する。本発明では、以上述べた様
な熱可塑性樹脂を、樹脂粒子の状態で感光体の表面上に
電着付着させ、例えば加熱等により均一な薄膜を形成し
て、転写層とする。従って、該熱可塑性樹脂粒子は、正
電荷あるいは負電荷のいずれかの荷電を有している事が
必要であり、その検電性は組み合せる電子写真感光体の
帯電性によって任意に決定される。
のものであって、通常その平均粒径は、0.01μm〜
15μmの範囲であり、好ましくは0.05μm〜5μ
m、より好ましくは0.1μm〜1μmの範囲であ
る。。該粒子は粒子粉体(乾式)あるいは、非水系に分
散された樹脂粒子(湿式)のいずれの状態でもよい。好
ましくは、該剥離用転写層の膜厚を均一厚みで薄膜まで
調整することが容易な、非水系分散樹脂粒子が挙げられ
る。
械的粉砕方法又は重合造粒方法によって製造することが
できる。これらの製造方法は、乾式電着あるいは湿式電
着のいずれの粒子でも用いることができる。乾式電着方
法で用いられる微小粒子を製造する場合において、機械
的粉砕方法としては、従来公知の粉砕機で直接粉砕し、
微粒子とする方法(例えば、ボールミル、ペイントシェ
ーカー、ジェットミルを使用する方法等)が挙げられ、
必要に応じて、樹脂粒子とする材料を混合し、溶融、混
練を経て粉砕したり、粉砕後粒径をそろえるための分級
又は粒子の表面を処理する後処理等を適宜組合わせて行
なうことができる。また、スプレードライ法も知られて
いる。
編「造粒ハンドブック」第II編(オーム社刊、1991
年)、神奈川経営開発センター「最新造粒技術の実際」
(神奈川経営開発センター出版部、1984年)、荒川
正文等編「最新粉体の設計技術」(株)テクノシステム
社、1988年)等の成書に詳細に記載された方法を適
宜用いて容易に製造することができる。
で行なう乳化重合反応、シード重合反応、懸濁重合反
応、非水溶媒系で行なう分散重合反応で製造する方法等
が知られている。具体的には、室井宗一「高分子ラテッ
クスの化学」高分子刊行会(1970年)、奥田平、稲
垣寛「合成樹脂エマルジョン」高分子刊行会(1978
年)、室井宗一「高分子ラテックス入門」工文社(19
83年)、I.Piirma,P.C.Wang 「Emuls
ion Polymerization 」I.Piirma &J.L.Gavdo
n,ACS symp.Sev.24,p.34(1974
年)、北原文雄等「分散乳化系の化学」工学図書(19
79年)、室井宗一監修「超微粒子ポリマーの最先端技
術」C.M.C.(1991年)等のの成書に記載され
ている方法で粒子化した後、上記機械的方法に関する成
書に記載の様な各種の方式で補集し粉末化することで製
造することができる。
は、従来から公知の静電粉体の塗装方法、又は、乾式静
電写真現像剤の現像方法を用いることができる。具体的
には、J.F.Hughes 著(長坂秀雄・緑川真知子訳)
「静電粉体塗装」等に記載の如く、コロナ帯電、摩擦帯
電、インダクション帯電、イオン風帯電、逆イオン化現
象利用等の方法で帯電した微粒子を電着する方法、中村
孝一編「最近の電子写真現像システムとトナー材料の開
発・実用化」第1章(日本科学情報(株)、1985
年)等の成書に記載の如く、カスケード法、磁着ブラシ
法、ファーブラシ法、エレクトロスタチック法、インダ
クション法、タッチダウン法、パウダークラウド法等の
現像方法等を用いて適宜行なうことができる。
クスを製造する場合も、前記の如く機械的方法と重合造
粒方法のいずれでも製造することができる。例えば、分
散ポリマーを併用して、更に湿式分散機(例えば、ボー
ルミル・ペイントシェーカー、ケデイミル、タイノミル
等)で分散する方法、樹脂粒子成分となる材料と、分散
補助ポリマー(又は被覆ポリマー)を予め混練して混練
物とした後粉砕し、次に分散ポリマーを共存させて分散
する方法等が挙げられる。具体的には、塗料又は静電写
真用現像剤の製造方法を利用することができ、例えば植
木憲二監訳「塗料の流動と顔料分散」共立出版(197
1年)、「ソロモン、塗料の科学」、「Paint and S
urface Coating Theory and Practice 」、原崎勇
次「コーティング工学」朝倉書店(1971年)、原崎
勇次「コーティングの基礎科学」 書店(1977年)
等の成書に記載されている。
水系分散重合方法で製造することができ、具体的には、
前記した「超微子ポリマーの最新技術」第2章、「最近
の電子写真現像システムとトナー材料の開発・実用化」
第3章、K.E.J.Barvett「Dispersion Polymer
ization in Organic Media」John Wiley(197
5年)等の成書に記載されている。
離製向上のための重合体成分(s)を導入するには、熱
可塑性樹脂となる該有機溶媒には可溶で、重合すること
で不溶化する単量体とともに、重合体成分(s)に相当
する単量体を共存させて重合反応を行うことで樹脂
〔A〕中に共重合され、ランダム共重合体の樹脂粒子
〔AP〕が容易に得られる。
ックで導入するには、用いる分散安定用樹脂に、該重合
体成分(s)をブロックで含有するブロック共重合体を
少なくとも用いる方法、又は該重合体成分(s)を主た
る繰り返し単位として構造する重量平均分子量1×10
3 〜2×104 (好ましくは3×103 〜1.5×10
4 )の一官能性マクロモノマーを共存させて単量体類と
共重合させることで容易に樹脂〔A〕はブロック共重合
体とすることができる。また、他の方法としては、重合
体成分(s)を主たる繰り返し単位として含有する高分
子開始剤(アゾビス高分子開始剤又は過酸化物高分子開
始剤)を用いることでも、同様にブロック共重合体の樹
脂粒子〔AP〕を得ることができる。
る非水溶媒としては、沸点200℃以下の有機溶媒であ
ればいずれでもよく、単独であるいは2種以上を混合し
て用いることができる。かかる有機溶媒の具体例は、メ
タノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、フ
ッ化アルコール、ベンジルアルコール等のアルコール
類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノ
ン、ジエチルケトン等のケトン類、ジエチルエーテル、
テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、酢酸
メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル
等のカルボン酸エステル類、ヘキサン、オクタン、デカ
ン、ドデカン、トリデカン、シクロヘキサン、シクロオ
クタン等の炭素数6〜14の脂肪族炭化水素類、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族炭
化水素類、メチレンクロリド、ジクロロエタン、テトラ
クロロエタン、クロロホルム、メチルクロロホルム、ジ
クロロプロパン、トリクロロエタン等のハロゲン化炭化
水素類等が挙げられる。ただし、以上述べた化合物例に
限定されるものではない。
重合法で合成することにより、樹脂粒子の平均粒子径は
容易に1μm以下となり、しかも粒子径の分布が非常に
狭く且つ単分散の粒子とすることができる。これらの非
水系分散樹脂粒子は、湿式静電写真現像方法又は電界の
印圧場で電気泳動させて電着される方法を行なう事か
ら、電着時に用いられる分散媒としては、電気抵抗10
8 Ωcm以上、且つ誘電率3.5以下の非水溶媒系に調
節される。
族炭化水素、脂環式炭化水素又は芳香族炭化水素、及び
これらのハロゲン置換体を用いることができる。例えば
オクタン、イソオクタン、デカン、イソデカン、デカリ
ン、ノナン、ドデカン、イソドデカン、シクロヘキサ
ン、シクロオクタン、シクロデカン、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、メシチレン、アイソパーE、アイソパー
G、アイソパーH、アイソパーL(アイソパー;エクソ
ン社の商品名)、シェルゾール70、シェルゾール71
(シェルゾール;シェルオイル社の商品名)、アムスコ
OMS、アムスコ460溶剤(アムスコ;スピリッツ社
の商品名)等を単独あるいは混合して用いることができ
る。
初めから上記絶縁性有機溶媒を用いることが好ましい
が、これら溶媒以外の溶媒で造粒した後、分散媒の置換
をして調節することもできる。また、非水系ラテックス
の他の合成方法としては、上記した電気抵抗108 Ωc
m以上且つ誘電率3.5以下の非水溶媒に可溶性となる
重合体成分と、該溶媒に不溶性となる重合体成分とで構
成されるブロック共重合体を、該溶媒に湿式分散するこ
とで微小樹脂粒子として供することもできる。即ち、可
溶性の重合体成分と不溶性の重合体成分とからなるブロ
ック共重合体を、予め該ブロック共重合体を溶解する有
機溶媒中で、前記したブロックポリマーの合成法を用い
て重合体とした後、電着用非水溶媒に分散させる方法で
ある。
動で電着させるためには、該粒子は正荷電又は負荷電の
検電性粒子であり、該粒子に検電性を付与する技術は、
湿式静電写真用現像剤の技術を適宜利用することで達成
可能である。具体的には、前記の「最近の電子写真現像
システムとトナー材料の開発・実用化」139〜148
頁、電子写真学会編「電子写真技術の基礎と応用」49
7〜505頁(コロナ社、1988年刊)、原崎勇次
「電子写真」16(No.2)、44頁(1977年)
等に記載の検電材料及び他の添加剤を用いることで行な
われる。
34038号、米国特許第1122397号、同390
0412号、同4606989号、特開昭60−179
751号、同60−185963号、特開平2−139
65号等に記載されている。電着に供せられる非水系ラ
テックスの構成としては、通常少なくとも電気絶縁性分
散媒1リットル中に、熱可塑性樹脂を主として含有する
粒子が0.1〜20g、分散安定用樹脂は0.01〜5
0g、必要に応じて加える荷電制御剤は、0.0001
〜10gの範囲である。
持等のために、他の天下剤を添加してもよく、例えば、
ロジン、石油樹脂、高級アルコール類、ポリエーテル
類、シリコーンオイル類、パラフィンワックス類、トリ
アジン誘導体等が挙げられる。しかし、これらに限定さ
れるものではない。これらの添加剤の総量は、該電着用
ラテックスの電気抵抗によってその上限が規制される。
即ち、電気抵抗が108 Ωcmより低くなると熱可塑性
樹脂粒子の付着量が充分な量得られ難くなるので、各添
加剤の各添加量はこの限度内でコントロールされる。
電気絶縁性液体中に分散した熱可塑性樹脂粒子は電子写
真湿式現像剤と同様の挙動を示す。よって例えば前掲の
「電子写真技術の基礎と応用」275〜285頁に示さ
れる現像デバイス、例えばスリット現像電極装置を用い
て感光体表面に電気泳動させることができる。即ち、熱
可塑性樹脂を主として含有する粒子が、電子写真感光体
と対向して設置された対向電極の間に供給され、外部電
源より印加された電位勾配に従って電気泳動して電子写
真感光体に付着又は電着されて成膜される。
感光体の導電性支持体と現像デバイスの現像電極との間
に、感光体側が負電位になるように外部電源から電圧を
印加し、粒子を静電気的に感光体表面へ電着させる。ま
た通常の電子写真プロセスにより湿式トナー現像によっ
て電着させることもできる。即ち前提の「電子写真技術
の基礎と応用」46〜79頁に示されるように、感光体
を均一帯電させた後露光を行なわず、又は不要領域のみ
に露光を行なういわゆる焼き落としをし、次いで通常の
湿式トナー現像をする。
部バイアスの印加電圧、感光体の帯電電位及び現像時間
などにより任意に調節できる。電着後公知のゴムローラ
ー、ギャップローラ、リバースローラなどによるスクイ
ズで現像液を拭い去る。またコロナクイズやエアースク
イズなどの方法も公知である。更に冷風もしくは温風、
あるいは赤外線ランプなどにより乾燥し、好ましくは熱
可塑性樹脂粒子を皮膜化させて転写層とする。
1〜10g/m2 の範囲で、より好ましくは0.5〜5
g/m2 である。膜厚が薄すぎると転写不良が起きやす
くなり、厚すぎると電子写真プロセス上の障害を招きや
すく充分な画像濃度が得られなかったり、画質の低下が
起きやすい。以下に電着方式による転写層の形成方法を
添付図面をもって詳細に説明する。図6は電着方式によ
り転写層を形成する装置を組み込んだ電子写真転写装置
の概略図である。図6の装置は前記したホットメルト方
式の装置(図3)と比べ、転写層12を感光体11上に
形成する部分以外は、基本的に同一の構成である。
の湿式現像ユニットセット14内にある電着ユニット1
4T内に供給されている。まず電着ユニット14Tを感
光体表面11に接近させ、電着ユニット14Tの現像電
極との距離が1mmとなるように固定する。このギャッ
プ間に粒子分散液12bを供給し図示していない外部電
源から電圧を印加しながら回転させ、感光体表面11の
画像形成領域全面に粒子が電着するようにする。
ズ装置で感光体表面11に付着している粒子分散液12
bを除き、次いで吸排気ユニット15下を通過させ乾燥
し、加熱手段17aにより熱可塑性樹脂粒子を熱溶融さ
せて皮膜化した熱可塑性樹脂転写層12を得る。その後
必要に応じて図示していない吸排気ユニット15に類似
の冷却装置にて感光体外側からか、もしくは感光体ドラ
ム内部から、所定の温度まで冷却する。電着ユニット1
4Tを降下させたのち湿式現像ユニットセット14が移
動される。
を説明するが、これによって本発明が限定を受けるもの
ではない。 〔熱可塑性樹脂粒子〔AR〕の合成例〕 熱可塑性樹脂粒子〔ARH〕の合成例1:〔ARH−
1〕 下記構造の分散安定用樹脂〔Q−1〕10g、酢酸ビニ
ル100g及びアイソパーH384gの混合溶液を窒素
気流下攪拌しながら温度70℃に加温した。重合開始剤
として2,2′−アゾビス(イソバレロニトリル)(略
称A.I.V.N.)0.8gを加え、3時間反応し
た。開始剤を添加して20分後に白濁を生じ、反応温度
は88℃まで上昇した。更に、該開始剤を0.5g加
え、2時間反応した後、温度を100℃に上げ2時間攪
拌し未反応の酢酸ビニルを留去した。冷却後200メッ
シュのナイロン布を通し、得られた白色分散物は重合率
90%で平均粒径0.23μmの単分散性良好なラテッ
クスであった。粒径はCAPA−500(堀場製作所
(株)製)で測定した。
数1×104 r.p.m.、回転時間60分)にかけ
て、沈降した樹脂粒子分を補集、乾燥し、該樹脂粒子分
の重量平均分子量(Mw)とガラス転移点(Tg)を測
定したところ、Mwは2×105 (ポリスチレン換算G
PC値)、Tgは38℃であった。
〔ARH−2〕 下記構造の分散安定用樹脂〔Q−2〕15g、ベンジル
メタクリレート75g、メチルアクリレート25g、3
−メルカプトプロピオン酸メチル1.3g及びアイソパ
ーH552gの混合溶液を窒素気流下撹拌しながら温度
50℃に加温した。重合開始剤として、2,2′−アゾ
ビス(2−シクロプロピルプロピオニトリル)(略称
A.C.P.P.)1gを加え2時間反応した。更に
A.C.P.P.を0.8g加え2時間反応後、開始剤
A.I.V.N.0.8gを加えた後、反応温度を75
℃に設定し、3時間反応した。次いで、温度90℃に加
温し、減圧度20〜30mmHg下に未反応単量体を留
去した後冷却し、200メッシュのナイロン布を通して
得られた白色分散物は、重合率98%で平均粒径0.2
0μmの単分散性良好なラテックスであった。また、樹
脂粒子分のMwは2.8×104 、Tgは55℃であっ
た。
〔ARH−3〕 下記構造の分散安定用樹脂〔Q−3〕14g及びアイソ
パーG382gの混合溶液を窒素気流下撹拌しながら温
度50℃に加温した。これにベンジルメタクリレート8
0g、ビニルトルエン20g及びA.C.P.P.0.
8gの混合物を滴下時間1時間で滴下し、そのまま更に
1時間反応した。更にA.C.P.P.を0.8g加え
2時間反応し、次に開始剤A.I.V.N.0.8gを
加えて温度80℃に加温し2時間、更にA.I.V.
N.0.5gを加えて2時間反応を行った。次いで、温
度100℃に加温し、減圧度10〜20mmHg下に未
反応単量体を留去した後冷却し、200メッシュのナイ
ロン布を通して得られた白色分散物は、重合率90%で
平均粒径0.17μmの単分散性良好なラテックスであ
った。また、樹脂粒子分のMwは1×105 、Tgは5
5℃であった。
〔ARH−4〕 下記構造の分散安定用樹脂〔Q−4〕14g、一官能性
マクロモノマー(M−1):プラクセルFM−0725
(チッソ(株)製)10g及びアイソパーH553gの
混合溶液を窒素気流下撹拌しながら温度50℃に加温し
た。これにメチルメタクリレート70g、エチルアクリ
レート20g、3−メルカプトプロピオン酸メチル1.
3g及びA.C.P.P.1.0gの混合物を滴下時間
30分で滴下し、そのまま更に1.5時間反応した。更
にA.C.P.P.を0.8g加え2時間反応し、次に
開始剤A.I.V.N.0.8gを加えて温度80℃に
設定し2時間、更にA.C.P.P.0.5gを加えて
2時間反応を行った。冷却後、200メッシュのナイロ
ン布を通して得られた白色分散物は、重合率99%で平
均粒径0.15μmの単分散性良好なラテックスであっ
た。また、樹脂粒子分のMwは3×104 、Tgは50
℃であった。
9:〔ARH−5〕〜〔ARH−9〕 上記熱可塑性樹脂粒子〔ARH〕の合成例4において、
マクロモノマー(M−1)10gの代わりに下記表−B
に記載の各マクロモノマーを用いた他は、上記合成例4
と同様に操作して各樹脂粒子〔ARH−5〕〜〔ARH
−9〕を製造した。得られた各粒子の重合率は98〜9
9%で、平均粒径は0.15〜0.25μmの範囲内で
あり、粒子の粒度分布も狭く単分散性が良好であった。
該樹脂粒子分のMwは2.5×104 〜4×104 、ガ
ラス転移点は40℃〜70℃の範囲であった。
0:〔ARH−10〕 熱可塑性樹脂〔A〕として、軟化点45℃のスチレン−
ブタジエン共重合体〔(48/52)重量比〕(ソルプ
レン303:旭化成(株)製)の固形分を粉砕機トリオ
ブレンダーで粗粉砕した粉砕物5g、分散安定用樹脂:
ソルプレン1205(旭化成(株)製)4g及びアイソ
パーH51gを直径約4mmのガラスビーズをメジアと
するペイントシェーカー(東洋精機(株)製)に仕込
み、20分間予備分散した。この予備分散物を直径0.
75〜1mmのガラスビーズをメジアとするダイノミル
KDL型(シンマルエンタープライゼス(株)製)を用
い、4500r.p.m.で6時間湿式分散した。これ
らを200メッシュナイロン布を通して得られた白色分
散物の平均粒径は0.4μmのラテックスであった。
〜16:〔ARH−11〕〜〔ARH−16〕 熱可塑性樹脂粒子〔ARH〕の合成例10において、熱
可塑性樹脂〔A〕:ソルプレン303の代わりに下記表
−Cの各化合物を用いた他は該合成例10と同様の湿式
分散法により分散物を調製した。白色分散物は平均粒径
0.3〜0.6μmの範囲であり、得られた樹脂粒子分
の軟化点は40℃〜100℃の範囲であった。
〔ARL−1〕 分散安定用樹脂〔Q−1〕12g、酢酸ビニル70g、
酪酸ビニル30g及びアイソパーH388gの混合物を
窒素気流下に撹拌しながら温度80℃に加温した。これ
に、開始剤としてA.I.B.N.1.5gを加え2時
間反応し、更にA.I.B.N.0.8gを2時間ごと
に2回加え反応を行った。冷却後、200メッシュのナ
イロン布を通して得られた白色分散物は重合率93%
で、平均粒径0.18μmの単分散性良好なラテックス
であった。また、樹脂粒子のMwは8×104 、Tgは
18℃であった。
〔ARL−2〕 分散安定用樹脂〔Q−3〕18g及びアイソパーH54
9gの混合物を窒素気流下に撹拌しながら温度55℃に
加温した。これに、ベンジルメタクリレート70g、メ
チルアクリレート30g、3−メルカプトプロピオン酸
メチル2.6g及びA.I.V.N.1.0gの混合物
を滴下時間1時間で滴下し、そのまま更に1時間反応し
た。A.I.V.N.0.8gを加え後温度75℃に設
定して2時間、更にA.I.V.N.0.8gを加えて
3時間反応を行った。冷却後、200メッシュのナイロ
ン布を通して得られた白色分散物は重合率98%で、平
均粒径0.18μmの単分散性良好なラテックスであっ
た。また、樹脂粒子のMwは3×104 、Tgは18℃
であった。
12:〔ARL−3〕〜〔ARL−12〕 熱可塑性樹脂粒子〔ARL〕の合成例2において、ベン
ジルメタクリレート70g及びメチルアクリレート30
gの代わりに下記表−Dに記載の各単量体を用いた他
は、上記合成例2と同様に操作して各樹脂粒子〔AR
L〕を製造した。得られた各白色分散物の重合率は90
〜99%で、平均粒径は0.13〜0.20μmの単分
散性良好なラテックスであった。各樹脂粒子分のTgは
10℃〜25℃の範囲であった。
クロモノマー(FM0725)(チッソ(株)製、Mw
1×104 )20g及びトルエン200gの混合溶液
を、窒素気流下温度75℃に加温した。これにアゾビス
イソブチロニトリル(略称:A.I.B.N.)1.0
gを加え4時間反応し、更にA.I.B.N.0.7g
を加えて4時間反応した。得られた共重合体のMwは
5.8×104 であった(G.P.C.法測定値)。
〔P−9〕 樹脂〔P〕の合成例1において、メチルメタクリレート
及びマクロモノマー(FM−0725)の代わりに、下
記表−Eに記載の重合体成分に相当する各単量体を用い
た他は、合成例1と同様にして、各重合体を合成した。
得られた各重合体のMwは、4.5×104 〜6×10
4 の範囲であった。
ート60g、メチルメタクリレートのマクロモノマー
(AA−6)(東亜合成化学(株)製、Mw1×1
04 )40g、ベンゾトリフルオリド200gの混合溶
液を窒素気流下に温度75℃に加温した。これにA.
I.B.N.1.0gを加え4時間反応し、更にA.
I.B.N.0.5gを加えて、4時間反応した。得ら
れた共重合体のMwは6.5×104 であった。
1〕〜〔P−15〕 樹脂〔P〕の合成例10において用いた単量体及びマク
ロモノマーの代わりに、下記表一Fに記載の重合体成分
に相当する各単量体及び各マクロモノマーを用いた他
は、合成例10と同様にして、各共重合体を合成した。
得られた共重合体のMwは4.5×104 〜6.5×1
04 の範囲であった。
g、メタクリル酸1g及びトルエン200gの混合溶液
を、窒素気流下に温度80℃に加温した。これに下記構
造の高分子アゾビス開始剤〔PI−1〕10gを加えて
8時間反応した。反応終了後、メタノール1.5リット
ル中に再沈し、得られた沈澱物を補集・乾燥して、収量
75gでMw3×104 の共重合体を得た。
00gの混合溶液を窒素気流下に充分に脱気し、−20
℃に冷却した。1,1−ジフェニルブチルリチウム0.
8gを加え12時間反応した。更に、この混合溶液に、
下記単量体(m−1)30g及びテトラヒドロフラン6
0gの混合溶液を、窒素気流下に充分に脱気した後添加
し、更に8時間反応した。
0mlを加え30分間反応し、重合を停止させた。得ら
れた重合体溶液を攪拌下にて温度30℃とし、これに3
0%塩化水素エタノール溶液3mlを加え1時間攪拌し
た。次に、減圧下に反応混合物を全体量が半分になるま
で溶媒を留去した後、石油エーテル1リットル中に再沈
した。沈澱物を補集し、減圧乾燥して得られた重合体の
Mw6.8×104 で収量76gであった。
22.5g、(テトラフェニルポルフィナート)アルミ
ニウムメチル0.5g及び塩化メチレン200gの混合
溶液を窒素気流下にて温度30℃とした。これに300
W−キセノンランプ光をガラスフィルターを通して25
cmの距離から光照射し、20時間反応した。この混合
物に更に、下記単量体(m−2)25gを加え、同様に
12時間光照射した後、この反応混合物にメタノール3
gを加えて30分間攪拌し反応を停止させた。次にこの
反応混合物をメタノール1.5リットル中に再沈し、沈
澱物を捕集し乾燥した。得られた重合体は収量78g
で、Mw9×104 であった。
ト10g及びベンジルN,N−ジエチルジチオカーバメ
ート4.8gの混合物を、窒素気流下に容器に密閉し、
温度50gに加温した。これに、400Wの高圧水銀灯
で10cmの距離からガラスフィルターを通して、6時
間光照射し光重合した。これをテトラヒドロフラン10
0gに溶解し、更に、下記単量体(m−3)40gを加
えた後、窒素置換し再び10時間光照射した。得られた
反応物をメタノール1リットルに再沈、捕集し乾燥し
た。得られた重合体は、収量73gでMw4.8×10
4 であった。
5g及びベンジルイソプルザンテート1.0gの混合物
を、窒素気流下に容器に密閉し、温度50℃に加温し
た。これに400Wの高圧水銀灯で10cmの距離から
ガラスフィルターを通して6時間光照射し光重合した。
これに前記単量体(m−1)25gを加えて窒素置換し
再び10時間光照射した。得られた反応物を、メタノー
ル2リットル中に再沈し捕集、乾燥し得られた重合体は
収量63gでMw6×104 であった。
1〕〜〔P−27〕 樹脂〔P〕の合成例19と同様にして、下記表−Gの各
共重合体を合成した。得られた重合体のMwは3.5×
104 〜6×104 の範囲であった。
ジエチルジチオカーバメイトの代わりに、下記構造の開
始剤〔I−11〕18gを用いた他は合成例19と同様
に合成し、Mw4.5×104 の共重合体を得た。
ンテートの代わりに下記構造の開始剤〔I−12〕0.
8gを用いた他は、合成例20と同様に反応し、Mw
2.5×104 の共重合体を得た。
g、グリシジルメタクリレート10g及び下記構造の開
始剤〔I−13〕17.5g及びテトラヒドロフラン1
50gの混合溶液を窒素気流下に温度50℃に加温し
た。この溶液に400Wの高圧水銀灯で10cmの距離
からガラスフィルターを通して10時間光照射し光重合
した。得られた反応物をメタノール1リットル中に再沈
し、沈澱物を捕集し乾燥して、収量72gでMw4.0
×104 の重合体を得た。
g及びテトラヒドロフラン100gの混合溶液を、窒素
気流下に温度50℃とし、上記と同条件で13時間光照
射した。次にこの反応物をメタノール1.5リットル中
に再沈し、沈澱物を捕集・乾燥して収量78gでMw6
×104 の共重合体を得た。
1〕〜〔P−38〕 樹脂〔P〕の合成例30において、開始剤〔I−13〕
17.5gの代わりに、下記表−Hの開始剤〔I〕0.
031モルを用いた他は、合成例30と同様の条件で操
作した。得られた各重合体の収量は70〜80gでMw
4×104 〜6×104 であった。
ールジメタクリレート2g、下記構造の分散安定用樹脂
〔LP−1〕4.0g及びメチルエチルケトン180g
の混合溶液を窒素気流下攪拌しながら温度60℃に加温
した。2,2′−アゾビス(イソバレロニトリル)(略
称A.I.V.N.)0.3gを加え3時間反応した。
更に、A.I.V.N.0.1gを加えて4時間反応し
た。冷却後、20メッシュのナイロン布を通して白色分
散物を得た平均粒子径0.25μmのラテックスであっ
た(粒径は、CAPA−500(堀場製作所(株)製)
で測定)。
製:ブチルアクリレート単位から成る一官能性マクロモ
ノマー)5g及びメチルエチルケトン140gの混合溶
液を、窒素気流下、攪拌しながら温度60℃に加温し
た。これに、下記構造の単量体(LM−2)40g、エ
チレングリコールジアクリレート1.5g、A.I.
V.N.0.2g及びメチルエチルケトン40gの混合
溶液を1時間で滴下した。そのまま2時間反応後、更に
A.I.V.N.0.1gを加え3時間反応して、白色
分散物を得た。冷却後、200メッシュのナイロン布を
通して得られた分散物の平均粒径は0.35μmであっ
た。
3〕〜〔L−11〕 樹脂粒子〔L〕の合成例1において、単量体(LM−
1)、エチレングリコールジメタクリレート及びメチル
エチルケトンの代わりに下記表−Iの各化合物に代えた
他は、該合成例1と同様にして樹脂粒子を製造した。得
られた各樹脂粒子の平均粒径は0.15〜0.30μm
の範囲であった。
−12〕〜〔L−17〕 樹脂粒子〔L〕の合成例2において、分散安定用樹脂
〔AB−6〕5gの代わりに下記表−Jの樹脂〔LP〕
に代えた他は、該合成例2と同様にて各樹脂粒子を合成
した。得られた各粒子の平均粒径は0.10〜0.25
μmの範囲であった。
−18〕〜〔L−23〕 樹脂粒子〔L〕の合成例2において、単量体(LM−
2)40gの代わりに下記表−Kの各単量体を、分散安
定用樹脂〔AB−6〕5gの代わりに下記構造の樹脂
〔LP−8〕6gを用いた他は、該合成例2と同様にし
て、各樹脂粒子を合成した。得られた各粒子の平均粒径
は0.05〜0.20μmの範囲であった。
g、下記構造の結着樹脂〔B−1〕10g、下記構造の
化合物〔A〕0.15g及びテトラヒドロフラン80g
の混合物を、500mlのガラス容器にガラスビーズと
共に入れ、ペイントシェーカー(東洋精機製作所製)で
60分間分散し、更にこれに樹脂〔P−1〕0.2gを
加えて2分間分散した後、ガラスビーズをろ別して感光
層分散液とした。
剤処理を施した0.2mm厚の紙版マスター用原紙の上
にワイヤーバーで塗布し、指触乾燥した後、110℃循
環式オーブンで20秒間加熱した。得られた感光層の膜
厚は8μmであった。該感光体表面の粘着力は5gfで
あった。他方、上記感光層に対して本発明に供せられる
樹脂〔P−2〕0.2gを除いた他は全く同様にして作
製した感光層からなる感光体表面の粘着力は450gf
で、全く剥離性を示さなかった。
写真感光体として装着した。感光体ドラムの周速度を1
0mm/秒で回転させ感光体表面にスリット電着装置を
用いて、熱可塑性樹脂粒子〔ARH−3〕4.2g(固
形分量として)、熱可塑性樹脂粒子〔ARL−1〕1.
8g(固形分量として)、正荷電調節剤(CD−1;
〔オクタデシルビニルエーテル/半マレイン酸ドデシル
アミド〕共重合体)0.02g及び分枝テトラデシルア
ルコール(FOC−1400;日産化学(株)製)10
gをアイソパーH(エッソ(株)製)1リットル中に加
えて調製した正荷電樹脂粒子分散液を供給しながら、感
光体側を接地しスリット電着装置の電極側に−180V
の電圧を印加して樹脂粒子を電着した。次いでエアース
クイズで分散液を除き赤外線ラインヒーターにて溶融、
皮膜化し熱可塑性樹脂転写層を形成した。このときの膜
厚は4μmであった。 (比較例1)実施例1において、転写層形成用樹脂粒子
〔ARH−3〕4.2g及び〔ARL−1〕1.8gの
代わりに、樹脂粒子〔ARH−3〕6gのみを用いた他
は実施例1と同様にして、転写層形成の電子写真感光体
を作成した。 (比較例2)実施例1において、転写層形成用樹脂粒子
〔ARH−3〕4.2g及び〔ARL−1〕1.8gの
代わりに、樹脂粒子〔ARL−1〕6gのみを用いた他
は実施例1と同様にして、転写層形成の電子写真感光体
を作成した。
以下の操作で行った。該感光体を暗所にて+450Vに
コロナ帯電をしたのち、あらかじめ原稿からカラースキ
ャナーにより読み取り、色分解しシステム特有の幾つか
の色再現に関わる補正を加えた後、デジタル画像データ
ーとしてシステム内のハードディスクに記憶させてあっ
た、イエロー、マゼンタ、シアン、墨の各色の中のイエ
ローについての情報をもとにネガ鏡像モードで、5mW
出力のガリウム−アルミニウム−ヒ素半導体レーザー
(発振波長780nm)を用いて、感材表面上で30e
rg/cm2の照射量下で、ピッチ25μm及びスキャ
ン速度300cm/秒のスピードで露光した。続いて、
シグネチャーシステム(イーストマン・コダック製)用
のイエロー液体現像剤を、75倍(重量比)にアイソパ
ーH(エッソスタンダード石油製)で希釈して用い、一
対の平板現像電極を有する現像装置で感材面側電極に+
400Vのバイアス電圧を印加し、露光部にトナーが電
着するようにした反転現像を行い、次いでアイソパーH
単独浴中でリンスをして非画像部の汚れを除いた。
について繰り返した。以上のようにして得られた製版後
の感材をヒートロールの定着方法で画像を定着した。転
写前の複写画像再現性を確認するために画像(カブリ、
画像の画質)を目視評価した。次に、被転写材であるコ
ート紙と4色現像後の感材と重ね合わせ、8kgf/c
m2 の圧力で接している表面温度が80℃に常にコント
ロールされた一対のゴムローラーの間を、12mm/秒
のスピードで通過させた。
コート紙と感材を引き剥し、得られたコート紙に形成さ
れた画像(カブリ、画像の画質)を目視評価した。次
に、得られたコピー紙を市販の塩ビシートからなるファ
イルに入れ、荷重1kgをかけて(30℃80%RH)
の条件下に1週間放置し、シートへの転写層及びトナー
画像の転写の有無を目視で評価した。以上の結果を表−
Lに示した。
れた複写画像は、本発明、比較例1及び比較例2のいず
れもが非画像部のカブリもなく、トナー画像の画質は鮮
明で良好であった。このことは、光導電層中に併用した
本発明の樹脂〔P〕及び光導電層上に形成した転写層
は、実用上電子写真特性に悪影響を及ぼさないことを示
している。
特徴である、トナー画像部を転写層ごと感光体から剥離
し、被転写材であるコート紙に転写した時のコート紙上
の画像再現性を調べたところ、本発明のみが感光体に転
写残りすることなく完全にコート紙にトナー画像ごと転
写した。更にコート紙上のトナー画像部を200倍の光
学顕微鏡で目視観察したところ、細線・細文字、網点部
等高精細な画像部の欠損、潰れなどは認められず、原稿
に対する複写画像の再現性は良好であった。
ラが多く、コート紙上のカラー画像は実用に供し得るも
のではなかった。比較令1の転写ムラ発生は、本実施例
の転写条件では転写膜の熱可塑化が不十分な為、転写層
と感光層との剥離性が充分に発現されなかったことに主
因があると考えられる。また、比較例2の転写ムラは、
転写層膜の熱可塑化温度が低すぎるため転写層のコート
紙との密着力よりも転写層の樹脂自身の凝集力が弱くな
り、転写層自体で無差別に剥がれを生じたと考えられ
る。
は、感光体表面との剥離性及び被転写材との密着性とも
に良好で且つ転写層自身の凝集破壊による剥がれを生じ
ないことを満足するものである。また、得られたカラー
複写紙は各種のポリシート等にファイリング等される
が、この時に画像側が剥がれを生じないことは実用上大
切なことであり、本発明は何等問題なかった。更に該複
写紙に加筆又は捺印しても普通紙の場合と同等に行うこ
とができた。
法により得られるフルカラー複写紙は、優れた画像再現
性と画像保存性を有している事が判った。
ファスシリコン感光体を用いた(該感光体表面の粘着力
は170gfであった)。該感光体の表面温度を60℃
とし、且つ感光体ドラムの周速度を10mm/秒で回転
させ感光体表面にスリット電着装置を用いて、熱可塑性
樹脂粒子〔AH−4〕6g(固形分量として)、荷電調
節剤(CD−1)0.03g及びシリコンオイル(KF
−96;信越シリコーン(株)製)10gをアイソパー
G1リットル中に加えて調製した第1の正荷電樹脂粒子
分散液を供給しながら、感光体側を接地しスリット電着
装置の電極側に−200Vの電圧を印加して樹脂粒子を
電着・定着した。
表面に上記と同条件で、熱可塑性樹脂粒子〔ARL−
7〕6g(固形分量として)及び荷電調節剤(CD−
1)0.03gをアイソパーG1リットル中に加えて調
製した第2の正荷電樹脂粒子分散液を用いて、第2の転
写層を設けた。以上の様に操作して、アモルファスシリ
コン感光体上に、第1の転写層の膜厚2μm、第2の転
写層の膜厚2μmからなる転写層を設けた。
荷電樹脂粒子分散液のみを用いて、−150Vの印加電
圧の条件下とした他は実施例2と同様にして転写層形成
電子写真感光体を作成した。形成された転写層の膜厚は
4μmであった。 (比較例4)実施例2において、第2の正荷電樹脂粒子
分散液のみを用いて、−150Vの印加電圧の条件下と
した他は実施例2と同様にして転写層形成電子写真感光
体を作成した。形成された転写層の膜厚は4μmであっ
た。
下の操作で行った。各感光体を+700Vにコロナ帯電
をした後、実施例1と同様のデジタル画像データを用
い、まずイエローについての情報をもとに今度はポジ胸
像モードで、半導体レーザーを用いて780nmの光で
版面露光量が25erg/cm2 になるように露光し
た。露光部の残留電位は+120Vであった。続いてバ
ーサテック3000(ゼロックス製カラー静電プロッタ
ー)用のイエロートナーを50倍のアイソパーH(エッ
ソスタンダード石油製)で希釈して用い、一対の平板現
像電極を有する現像装置で感材面側電極に+300Vの
バイアス電圧を印加し、露光部にトナーが電着するよう
にした反転現像を行い、次いでアイソパーH単独浴中で
リンスして非画像部の汚れを除いた。
について繰り返した。次に、被転写材であるコート紙と
4色現像後の感材と重ね合わせ、10kgf/cm2 の
圧力で接している表面温度が70℃に常にコントロール
された一対のゴムローラーの間を、8mm/秒のスピー
ドで通過させた。その後重ねたままで室温まで冷やして
からコート紙と感材を引き剥して、カラー画像複写紙を
得た。
性、ファイリング適性を調べた。本発明のものはいずれ
も良好であった。他方、比較例3及び4は転写ムラによ
りコート紙上のカラー画像再現性は画像部の欠落を生じ
てしまった。また、ファイリング適性は、比較例4はシ
ートへの剥がれを生じた。以上のことより本発明のもの
のみ良好な性能を示した。 実施例3 X型無金属フタロシアニン(大日本インキ(株)製)2
g、下記構造の結着樹脂〔B−2〕10g、下記構造の
化合物〔B〕0.18g及びテトラヒドロフラン80g
の混合物を、500mlのガラス容器にガラスビーズと
共に入れ、ベイントシェーカー(東洋精機製作所製)で
60分間分散し、更に、これに樹脂〔P−2〕0.3
g、無水フタル酸0.03g及びO−クロロフェノール
0.001gを加えて2分間分散した後、ガラスビーズ
をろ別して感光層分散液とした。
剤処理を施した0.2mm厚のアルミニウム板の上にワ
イヤーバーで塗布し、指触乾燥した後、110℃循環式
オーブンで30分間加熱し架橋した。膜層は8μmであ
った。この感光体表面の剥離性を前記した「粘着テープ
・粘着シート試験方法」で測定した所、粘着力5g・f
であった。
−2〕0.3gを除いて作成した感光体の表面の粘着力
は450g・f以上で剥離性を示さなかった。図3に示
す装置に、上記感光体を装着した。転写層には熱可塑性
樹脂としてエチレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル
含有量20重量%、Tg40℃)及び(酢酸ビニル/酪
酸ビニル(80/30)重量比)共重合体(Tg18
℃)を(6/4)重量比で用い、120℃設定のホット
メルトコーターにより感光層表面へ20mm/秒のスピ
ードで塗布をし、冷却空気を吸排気ユニットから吹き付
けて冷却したのち感光体表面温度を30℃に保った。こ
の時の転写層の厚みは3μmであった。
称することもある)を暗所にて+700Vにコロナ帯電
をしたのち、あらかじめ原稿からカラースキャナーによ
り読み取り、色分解しシステム特有の幾つかの色再現に
関わる補正を加えた後、デジタル画像データとしてシス
テム内のハードディスクに記憶させてあった、イエロ
ー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のうち、まずイ
エローについての情報をもとに半導体レーザーを用いて
780nmの光で露光した。露光部の電位は+220V
で未露光部は+600Vであった。
レバス装置によりアイソパーH(エッソスタンダード石
油製)にてプレバスをしたのち、バーサテック3000
(ゼロックス製カラー静電ブロッター)用の正電荷のイ
エロートナーを50倍のアイソパーHで希釈した湿式現
像剤を現像ユニットから感光体表面へ供給した。この時
現像ユニット側へ+500Vの現像バイアス電圧を印加
し、反転現像を行なってイエローの未露光部にトナーが
電着するようにした。次いでアイソパーH単独浴中でリ
ンスをして非画像部の汚れを除き、吸排気ユニットにて
乾燥した。
の各色について繰り返した。つぎに赤外線ラインヒータ
ーを点灯してその下を通過させて、表面温度を放射温度
計で測定してほぼ80℃にしたのち、コート紙を重ねて
10kgf/cm2の圧力で接している表面温度が12
0℃に常にコントロールさせた加熱ゴムローラーの下
を、15mm/secのスピードで通過させた。
からコート紙を引き剥がしたところ感材上のトナーは転
写層ごと全てコート紙側に熱転写された。またトナーは
完全にコート紙上に転写層である熱可塑性樹脂により覆
われているため、擦り落ちる事はなかった。 実施例4 電子写真感光体アモルファスシリコンをトリデシルヘキ
シルトリメトキシシランのシランカップリング剤で表面
処理して、該アモルファスシリコン表面を改質し、該表
面の剥離性を調整した。
着力が50g・fに低下した。上記感光体を図4に示す
装置に装着し、転写層は、図5に示す離型紙からの転写
を行なった。即ち、離型紙としてセパレート紙(王子製
紙(株)製)を用いこの上に、樹脂〔AL〕として〔酢
酸ビニル/プロピオン酸ビニル(75/25)重量比〕
共重合体(Tg22℃)及び樹脂〔AH〕として〔メチ
ルメタクリレート/メチルアクリレート(6/4)重量
比〕共重合体(Tg40℃)とが(50/50)重量比
で成る3μmの膜厚で塗膜形成した紙を、上記感光体に
圧接して、該転写層を感光体表面に転写した。次にこの
感光材料を、実施例2と同様にしてカラー画像の形成及
びコート紙へ転写層ごとの画像の転写の操作を行ない、
カラー画像の作成を行なった。
2と同様に、カブリのない良好な画像であり又、画像の
強度も充分であった。 実施例5〜16 実施例1において、感光層に用いる樹脂〔P−1〕0.
2g及び転写層用の樹脂粒子〔ARH−3〕と〔ARL
−1〕の代わりに、各々表−Mの各樹脂〔P〕及び/又
は樹脂粒子〔L〕及び各樹脂粒子〔ARH〕4g/〔A
RL〕4gを用いた他は、実施例1と同様にして、カラ
ー画像の形成を行なった。
のカラー画像も、全く問題のないものであった。又、こ
の条件下で転写した際の転写後の感光体の表面には、転
写層の残存は全く認められなかった。以上の事は、転写
層が低Tgの樹脂〔A〕と高Tgの樹脂〔A〕とで構成
されることで、転写層の転写性がより容易になることを
示している。 実施例17〜26 実施例2において、転写層樹脂粒子として第1の層の樹
脂粒子〔AGH−4〕6g及び第2の層の樹脂粒子〔A
RL−7〕6gの代わりに、下記表−Nの各樹脂粒子6
gを分散した分散液を用いて、転写層が4μmとなるこ
と及び〔ARH〕と〔ARL〕の配分比が各々表−Nと
なる様に調整した他は、実施例2と同様に操作して、コ
ート紙上にカラー画像を作成した。
に、良好な複写画像のものであった。又、画像保存性も
極めて良好なものであった。 実施例27〜32 樹脂〔P−12〕1.0g、下記構造の結着樹脂〔B−
3〕15g、無水フタル酸0.03g及びトルエン10
0gの混合溶液を用いてアモルファスシリコン感光体上
に膜厚1.5μmとなる様に塗膜を形成した後、指触乾
燥し、更に130℃で1時間加熱して膜を硬化させた。
該転写層を設けたアモルファスシリコン感光体の表面の
粘着力は3gfであった。
光体の代わりに上記感光体を用い、又転写層用の樹脂
〔A〕として下記表−Oの各樹脂〔AH〕及び樹脂〔A
L〕を用いて、転写層を形成した。以降の操作は、実施
例2と同様にしてカラー画像の形成及びコート紙への転
写を行ないカラー画像の作成を行なった。但し、下記表
−Oにおいて、樹脂〔AH〕のTgは40℃〜90℃の
範囲であり、又各樹脂〔AL〕のTgは−20℃〜25
℃の範囲であった。
えた他は、実施例4と同様にして、カラー画像をコート
紙上に形成した。 〔転写層の形成方法〕離型紙としてサンリリース(山陽
国策パルプ(株)製)上に、膜厚4μmの下記表−Pの
各樹脂〔A〕から成る紙を図4の117に装着し、ロー
ラー間圧力3kgf/cm2 、表面温度80℃、及び通
過スピード10mm/secの条件で該感光体表面上に
転写層を転写形成した。
明な画像であり、原稿と比較して、画像画質の劣化は殆
ど認められなかった。この事は、離型紙を用いて転写層
を感光体上に形成し、更にトナー画像形成後、コート紙
へ転写するという方法でも、各転写時の転写層が均一に
且つ完全に転写され、画像劣化の悪影響を生じないこと
を示している。 実施例43〜55 実施例3において、樹脂〔B−2〕10g、樹脂〔P−
2〕0.3g及び架橋用化合物(無水フタル酸、o−ク
ロロフェノール)の代わりに、下記表−Qに記載の各樹
脂(樹脂〔B〕10g、樹脂〔P〕0.3g)を用い、
更に架橋用化合物として下記表−Qに記載の各化合物を
各々用いた他は実施例3と同様に操作して、電子写真感
光体及びカラー複写紙を作成した。
能を評価したところ、いずれの場合も実施例1と同様の
結果を得た。即ち、地汚れのない鮮明なカラー画像が形
成されたコート紙が得られた。また、ファイリング性、
加筆性、捺印性も良好であった。
ミノ)−2,2′−ジメチルトリフェニルメタン5g、
ポリエステル樹脂;バイロン200(東洋紡績(株)
製)5g、下記構造式の色素〔D−1〕40mg、化学
増感剤として下記構造式のアニリド化合物(B)0.2
gを、メチレンクロライド30mlとエチレンクロライ
ド30mlとの混合物に溶解し、感光液とした。
用いて導電性透明支持体(100μmのポリエチレンテ
レフタレート支持体上に、酸化インジウムの蒸着膜を有
する。表面抵抗103 Ω)上に塗布して約4μmの感光
層を有する有機薄膜を得た。次いで、この感光体上に、
剥離性を付与するためのオーバーコート層を形成するた
め、下記の溶液を調整した。
厚さとなるように塗布し、100℃で20秒間オーブン
乾燥し、更に120℃で1時間加熱した。ついで暗所で
20℃、65%RHの条件下で24時間放置することに
より、電子写真感光体を作製した。該感光体の表面の粘
着力は0gfであった。この感光体表面上に実施例1と
同様の方法で樹脂粒子〔AHー3〕4.8g及び樹脂粒
子〔AL−1〕1.8gの代わりに、樹脂粒子〔AHー
2〕3g及び樹脂粒子〔AL−4〕3g(各々固形分量
として)を用いた他は実施例1と同様にして膜厚4μm
の転写層を形成した。
Vに帯電させた後、He−Neレーザーを用いて633
nmの光で、版面での露光量が30erg/cm2にな
るように露光した後は実施例1と同様に操作し、カラー
複写紙を作成した。得られたコート紙上のカラー画像は
地汚れのない鮮明な画質であった。また、ファイリング
性更に加筆性、捺印性にも問題を生じなかった。 実施例57 下記構造のビスアゾ顔料5g、テトラヒドロフラン95
g、ポリエステル樹脂(バイロン200)5g及びテト
ラヒドロフラン溶液30gの混合物をボールミル中で充
分に粉砕した。次いで、この混合物を取り出し、撹拌
下、テトラヒドロフラン520gを加えた。この分散物
をワイヤーラウンドロッドを用いて実施例1で用いた導
電性透明支持体上に塗布して約0.7μmの電荷発生層
を形成した。次に、下記構造式のヒドラゾン化合物20
g、ポリカーボネート樹脂(GE社製、商品名レキサン
121)20g及びテトラヒドロフラン160gの混合
溶液をワイヤーラウンドロッドを用いて上記電荷発生層
の上に塗布し、60℃で30秒感乾燥し更に温度100
℃で20秒間加熱して約18μmの電荷輸送層を形成
し、二層からなる感光層を有する電子写真感光体を得
た。
ための表面層を形成するために、下記構造式の樹脂〔P
−39〕13g、無水フタル酸0.2g、o−クロロフ
ェノール0.002g及びトルエン100gの混合溶液
を、ワイヤーラウンドロッドを用いて塗膜1μmになる
ように塗布し、指触乾燥後更に120℃で1時間加熱し
た。得られた感光体の表面の粘着力は3gfであった。
るために、樹脂粒子〔ARH−9〕4.5g及び樹脂粒
子〔ARL−9〕2gを用いて実施例1と同様にして膜
厚4.5μmの転写層を形成した。実施例1と同様に操
作して、フルカラー画像をコート紙に形成させた。得ら
れた複写紙は実施例1と同様に良好な性能を示した。 実施例58 光導電性酸化亜鉛100g、下記構造の結着樹脂〔B−
17〕20g、前記樹脂〔P−35〕3g、ウラニン
0.01g、ローズベンガル0.02g、ブロムフェノ
ールブルー0.01g、無水マレイン酸0.15g及び
トルエン150gの混合物をホモジナイザー(日本精機
(株)製)に入れ、回転数9×103r.p.m.で1
0分間分散した。
o−クロロフェノール0.001gを加えて更に回転数
1×103 で1分間分散した。次いでこの分散液を導電
性処理及び耐溶剤処理を施した0.2mm厚の紙版マス
ター用原紙の上に塗布量25g/m2 となるようにワイ
ヤーバーで塗布し、指触乾燥した後120℃循環式オー
ブンで1時間加熱した。
は10gfであった。他方、比較として上記感光体にお
いて、樹脂〔P−35〕3gを用いない他は全く同様に
して作成した電子写真感光体の表面の粘着力は380g
fであり、剥離性を示さなかった。更にこの感光層の上
に下記の方法で2層構成の転写層を形成させた。
剤としてナフテン酸ジルコニウム0.03gをアイソパ
ーH1リットル中に加えて調液した正荷電粒子分散液を
用いて、実施例1と同様にして膜厚2.5μmの転写層
を形成した。次に、熱可塑性樹脂粒子〔ARL−10〕
6g及び(CD−1)0.02gをアイソパーH1リッ
トル中に加えて調液した正荷電粒子分散液を用いて、更
に上記と同様にして、上記第1転写層形成感光体の表面
上に、膜厚2.5μmの転写層を形成した。
出力1.6kWのハロゲンランプでフラッシュ露光で画
像露光した後、現像部のバイアス電圧を100Vに設定
し、また、液体トナーとして実施例2で用いたバーサテ
ック3000用カラートナーを用いて正現像を行い、カ
ラー画像を形成した。得られた転写層上に形成された複
写画像は、文字細線・網点からなる連続階調部等の高精
細な画像部も鮮明で良好なものであり、非画像部の地汚
れも認められなかった。
体を、シリコーンゴムで被覆した中空金属ローラーの内
部に赤外線ランプヒーターを組み込んだ一対の加熱ロー
ラーの間に、コート紙と重ねて通過させた。この時のロ
ーラーの表面温度は上下とも70℃、ローラー間のニッ
プ圧力は8kgf/cm2 、搬送スピードは12mm/
秒に設定した。通過後コート紙と重ねたまま室温まで冷
却してから感光体をコート紙を分離した。
紙側に転写され、コート紙上のカラー画像は地カブリも
なく鮮明な画質の複写画像であった。更に、ファイリン
グ適性、加筆性、捺印性ともに実用上問題のない良好な
ものであった。 実施例59 光導電性酸化亜鉛100g、下記構造の結着樹脂〔B−
18〕2g及び〔B−19〕18g、樹脂〔P−12〕
2g、下記構造の色素〔D−2〕0.02g、N−ヒド
ロキシコハク酸イミド0.02g及びトルエン150g
の混合物をホモジナイザー(日本精機(株)製)に入
れ、回転数1×104 r.p.m.で5分間分散した。
処理を施した0.2mm厚の紙版マスター用原紙の上に
ワイヤーバーで塗布し、指触乾燥した後、110℃循環
式オーブンで15秒間加熱した。膜厚は12μmであっ
た。本発明のブロック共重合体の感光層表面への偏在性
を確認するために、粘着テープによる粘着力を測定した
ところ、粘着力はブロック共重合体〔P−12〕を添加
していないサンプルの100分の1に低減しており、5
gfであった。
作で、二層構成の転写層を形成させた。但し、実施例5
8において、樹脂粒子〔ARH−2〕6gの代わりに樹
脂粒子〔ARH−5〕6gを、樹脂粒子〔ARLー1
0〕6gの代わりに樹脂粒子〔ARL−8〕6gを各々
用いた。次にこの感光材料を−6kVで帯電した後、あ
らかじめ原稿からカラースキャナーにより読み取り、デ
ジタル画像データーとしてシステム内のハードディスク
に記憶させてあった情報をもとにポジ鏡像モードで、5
mW出力のガリウム−アルミニウム−ヒ素半導体レーザ
ー(発振波長780nm)を用いて、感光材料表面上で
30erg/cm2 の照射量下で、ピッチ25μm及び
スキャン速度300cm/秒のスピードで露光した。現
像操作以降を、実施例1と全く同様にして行い、コート
紙上にカラー画像の形成を行った。
明な画質のものであった。即ち、感光体上に形成された
トナー画像は、画像再現性が良好で非画像部のカブリも
見られないという良好な撮像性を示し、且つ転写層ごと
のコート紙への転写も転写ムラを生じることなく完全に
転写された。本実施例では、前記実施例58の様な高出
力の可視光によるフラッシュ露光に対し低出力の半導体
レーザー光を用いたスキャニング露光方式でも高精細な
画像の再現が可能なことを示している。これは、光導電
体の結着樹脂として、特定のメタクリレート成分と特定
の極性基を含有する重合体成分からなる低分子量共重合
体を併用する効果によるものである。
〔B−18〕2g及び〔B−19〕18gの代わりに、
樹脂〔B−19〕のみ20gを用いた他は上記と同様に
して作成した転写層形成感光体では、被転写材に転写さ
れた画像は、文字線画の副書画像は実用上問題のないレ
ベルで再現されたが、網点連続階調からなる画像は特に
中間調部分でムラが発生した。更に、環境条件が変動す
ると、文字・画線の画像部の劣化を生じた。
同時露光方式で電子写真感光体に露光する場合と異な
り、低出力半導体レーザー光によるスキャニング露光方
式でも、組み合わせる光導電体層により電子写真特性
(特に暗中電荷保持率、光感度)を向上させる技術と併
用させることにより、更にカラー画像形成システムを高
性能化させることができる。 実施例60〜65 実施例59において、樹脂〔B−18〕2g、色素〔D
−2〕0.02g及び樹脂〔P−12〕2gの代わり
に、下記表−Rに記載の各材料を各々用いた他は実施例
59と同様に操作して、フルカラー複写紙を作成した。
いずれも実施例59と同等の性能の複写紙が得られた。
ガラス転移点の高い熱可塑性樹脂とガラス転移点の低い
熱可塑性樹脂とを含有する転写層を形成し、湿式トナー
現像を行った後、転写層ごと被転写材に転写させること
により、高精細、高画質のガラ−画像を簡便に得ること
ができる。また、得られるカラー複写物は保存安定性に
優れている。更に、電子写真プロセス工程と被転写材へ
の熱転写工程とを行う装置内で、感光体表面に該転写層
を形成する工程をも行うことにより、感光体を使い捨て
ることなく繰り返して用いることができ、低コストが達
成できる。
示す図である。
置例を示す図である。
装置例を示す図である。
装置例を示す図である。
装置例を示す図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 電子写真感光体表面に設けた転写層上
に、電子写真プロセスによって1色以上のトナー画像を
形成し、該トナー画像を転写層ごと被転写材に熱転写す
るカラー画像形成法において、該感光体表面のJIS
Z0237−1980の「粘着テープ・粘着シート試験
方法」による粘着力が200gram・force(g
f)以下であり、更に該転写層が、ガラス転移点30℃
〜140℃の熱可塑性樹脂〔AH〕とガラス転移点−2
0℃〜40℃の熱可塑性樹脂〔AL〕とを主として含有
し、且つ該樹脂〔AH〕と樹脂〔AL〕とのガラス転移
点の差が2℃以上であることを特徴とするカラー画像形
成法。 - 【請求項2】 該転写層が、200gf以下の粘着力を
有する感光体上に熱可塑性樹脂〔AH〕を主として含有
する層を設け、更にその上に熱可塑性樹脂〔AL〕を主
として含有する層を設けて成る積層構成であることを特
徴とする請求項1記載のカラー画像形成法。 - 【請求項3】 該熱可塑性樹脂〔AH〕及び〔AL〕の
少なくともいずれか一方が、フッ素原子及びケイ素原子
の少なくともいずれか一方を含有する重合体成分(s)
を共重合体成分として含有することを特徴とする請求項
1又は2記載のカラー画像形成法。 - 【請求項4】 該電子写真感光体が、アモルファスシリ
コンを主成分とする感光体であるか又は該転写層の隣接
層にフッ素原子及びケイ素原子の少なくともいずれか一
方を含有する重合成分を含有する重合体を含有する感光
体である請求項1記載のカラー画像形成法。 - 【請求項5】 JIS Z0237−1980の「粘着
テープ・粘着シート試験方法」による粘着力が200g
f以下である電子写真感光体の表面に、熱可塑性樹脂
〔AH〕と熱可塑性樹脂〔AL〕とを含有する転写層を
形成し、電子写真プロセスにより該転写層上に1色以上
のトナー画像を形成し、次いで、被転写材に該トナー画
像を転写層ごと熱転写することを特徴とする請求項1記
載のカラー画像形成法。 - 【請求項6】 請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂
〔AH〕及び樹脂〔AL〕を含有する熱可塑性樹脂
〔A〕を主成分とする剥離可能な転写層を最上層に有
し、且つ、該転写層に隣接する感光体表面のJIS Z
0237−1980「粘着テープ・粘着シート試験方
法」による粘着力が200gf以下であることを特徴と
する電子写真式カラー画像形成用感光体。
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JP08952893A JP3365812B2 (ja) | 1993-03-25 | 1993-03-25 | カラー画像形成法及びそれに用いる電子写真感光体 |
US08/217,060 US5582943A (en) | 1993-03-25 | 1994-03-24 | Method of forming an electrophotographic color transfer image and electrophotographic light-sensitive material for use therein |
EP94104744A EP0617333B1 (en) | 1993-03-25 | 1994-03-24 | Method of forming an electrophotographic color transfer image and electrophotographic light-sensitive material for use therein |
DE69425173T DE69425173D1 (de) | 1993-03-25 | 1994-03-24 | Verfahren zur Herstellung elektrophotographischer, farbiger, Übertragungsbilder, und elektrophotographisches, lichtempfindliches Material bei diesem Verfahren eingesetzt |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP08952893A JP3365812B2 (ja) | 1993-03-25 | 1993-03-25 | カラー画像形成法及びそれに用いる電子写真感光体 |
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JPH06282118A JPH06282118A (ja) | 1994-10-07 |
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1993
- 1993-03-25 JP JP08952893A patent/JP3365812B2/ja not_active Expired - Fee Related
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