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JP3355870B2 - 吸気ポート構造 - Google Patents

吸気ポート構造

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Publication number
JP3355870B2
JP3355870B2 JP13349995A JP13349995A JP3355870B2 JP 3355870 B2 JP3355870 B2 JP 3355870B2 JP 13349995 A JP13349995 A JP 13349995A JP 13349995 A JP13349995 A JP 13349995A JP 3355870 B2 JP3355870 B2 JP 3355870B2
Authority
JP
Japan
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cylinder
port
cylinder head
engine
intake
Prior art date
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Expired - Lifetime
Application number
JP13349995A
Other languages
English (en)
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JPH08326549A (ja
Inventor
悦正 松良
一俊 森
俊弘 国分
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Mitsubishi Motors Corp
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
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Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Motors Corp filed Critical Mitsubishi Motors Corp
Priority to JP13349995A priority Critical patent/JP3355870B2/ja
Publication of JPH08326549A publication Critical patent/JPH08326549A/ja
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

Landscapes

  • Cylinder Crankcases Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シリンダヘッドの側面
から流入する吸気を、同シリンダヘッド下面に開口して
いる吸気口からシリンダへ導く吸気ポート構造の改良に
関する。
【0002】
【従来の技術】ディーゼルエンジンは、ピストンにより
圧縮された空気中に液体燃料(軽油)を噴射させて、同
燃料を圧縮熱で着火し燃焼させて動力を得るエンジンで
ある。このディーゼルエンジンは、高い熱効率を有する
ものの、噴射した燃料がシリンダ内で空気と混合し着火
燃焼する際に、混合した燃料が圧縮熱によって一気に着
火燃焼(初期燃焼)するので、NOX (窒素酸化物)が
排出されやすく、また燃焼中に混合した燃料が拡散燃焼
するために、煤,PM(パティキュレート・マター:粒
子状物質)なども排出されやすいという、不利な点があ
る。
【0003】ところで、このNOX を低減することと、
煤,PMを低減することは、燃焼面から見ると、互いに
相反する関係にある。直接噴射式のディーゼルエンジン
では、煤やPMを低減するために吸気をシリンダに導く
吸気ポートにヘリカルポートを用いて、スワールをシリ
ンダ内に発生させ、燃料と空気の混合を図ることが行わ
れている。
【0004】すなわち、ヘリカルポートは、図5および
図6に示されるようにシリンダa内へ吸気を導くポート
部bの下流端末部に、吸気バルブdで開閉される吸気口
cの直上となる部分(吸気弁座の直上部分)を渦巻状に
形成してなる渦室eを有してなり、この渦室eを通過す
る際、吸気バルブdのステムを保持するバルブガイド保
持部f回りの旋回流を生成して、図中の矢印で示される
ようにシリンダa内に同シリンダ軸回りの渦流(旋回空
気流)が生起されるようにしてある。
【0005】一般的にこの渦流の流速は、シリンダ中心
部では小さく、シリンダ壁面側では大きい。ピストンが
吸気行程を終了し、圧縮工程に移ると共に、渦流はピス
トン上部に形成される燃焼室内に導入され、その内部で
渦流を形成する。
【0006】ヘリカルポートは、この燃焼室内の渦流の
特性を利用して、燃焼室壁面における噴霧燃料の空気と
の混合を促進し、煤,PMの低減に寄与する働きをなす
拡散燃焼を促進させる。
【0007】従来、ヘリカルポートでは、シリンダ内や
燃焼室内の渦流の強さを変えるためにヘリカル成分、す
なわち旋回流方向成分を変える必要があるが、そのため
にポート部bと渦室eのつなぎ部分gの形状や高さを変
化させることが行われている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、こうしたヘ
リカルポートだと、図7に示されるように渦室eの巻き
始め部において容積が急激に拡大するようなポート形状
が余儀なくされる。但し、図7(b)は、図7(a)に
示すヘリカルポートの各断面位置における断面積割合の
変化を示す(但し、図中のAは各部におけるポート断面
積、Bは同部分におけるボア径)。
【0009】このため、従来のヘリカルポートは、流路
損失が多く、有効に吸気をシリンダa内に導入できない
難点をもっていた。しかも、従来のヘリカルポートは、
流路損失のみならず、吸気口cから吸気バルブ回りに流
出する空気流の流速分布も不均一であると考えられ、レ
ーザライトシート法でシリンダ内の流れパターンを見る
と、図8に示されるようにシリンダa内の渦流の流速分
布はかなり不均一となっていた。
【0010】低NOX 、低煤・PMのためには、シリン
ダaの周縁で流速が速く、シリンダaの中心部に向かう
にしたがい流速が0となるような剛体渦と呼ばれる渦流
が望ましい。
【0011】しかしながら、従来のヘリカルポートで
は、噴霧燃料の根元部における空気との混合が促進され
てしまい、初期燃焼量が増してしまう(NOX :大)。
しかも、拡散燃焼域での燃料と空気との混合も不十分と
なるから(煤,PM:大)、満足するような排出ガス特
性が得られないことがあった。
【0012】このために、吸気ポートの改善が強く要望
されている。本発明は上記事情に着目してなされたもの
で、その目的とするところは、流路損失を抑制しつつ、
剛体流的な渦流をシリンダ軸回りに生起させることがで
きる吸気ポートを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1に記載した発明は、ポート部の入口となるシ
リンダヘッド側面の開口した一端側から渦室の巻き終わ
り部までの通路面積を滑らかに減少方向に変化させ、か
つポート部を、シリンダヘッドの下面に平行な面である
第1仮想平面に投影したとき、その長手方向全体がエン
ジンのシリンダ中央側に突出するような円弧状に形成さ
れると共に、渦室近傍の部分がその長手方向全体の円弧
形とは反対にシリンダの周縁から外方に円弧を描くよう
に膨出させ、さらにポート部は、エンジンのクランク軸
と直交する面である仮想平面に投影したとき、シリンダ
の側面の開口端からポート部の中央部にかけてシリンダ
ヘッドの上面側に向けて傾斜されると共に、該中央部か
らシリンダヘッドの下面側に向け傾斜されて渦室に接続
させた構成としたことにある。
【0014】
【0015】上記目的を達成するために請求項2に記載
した発明は、ポート部の入口となるシリンダヘッド側面
の開口した一端側から渦室の巻き終わり部までの通路面
積を滑らかに減少方向に変化させ、ポート部を、エンジ
ンのクランク軸直交する面である仮想平面に投影した
とき、シリンダの側面の開口端からポート部の中央部に
かけてシリンダヘッドの上面側に向けて傾斜すると共
に、該中央部からシリンダヘッドの下面側に向け傾斜し
て、渦室に接続したことにある。請求項3に記載した発
明は、上記目的に加えて、最も有効な下向きの空気の流
れが確保されるようにするために、請求項1又は請求項
に記載のポート部を、エンジンのクランク軸と直交す
る面である仮想平面に投影したとき、中央部から渦室に
向け第1仮想平面に対して、10°〜30°の範囲の傾
斜角で下降させたことにある。
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【作用】請求項1に記載した発明によると、シリンダヘ
ッドの側面の開口から吸い込まれる吸気(空気)は、途
中で断面積が急激に変化するようなことなく、渦室の巻
き終わり部まで、スムーズに導かれる。
【0020】そして、この吸気が渦室を通過する際に、
吸気バルブ軸回りの旋回流を生成しながら、シリンダの
壁面に沿って、シリンダ内に入っていく。このとき、渦
室の導入部分は、従来のような断面積が急拡大する部分
が形成されておらず、ポート部から渦室の巻き終り部ま
でスムーズに導入されることにより、シリンダ内で生起
される渦流は、剛体流を損なう要因となるヘリカル成分
は抑制されて、タンジェンシャル成分が強く表れた旋回
空気流となる。しかも、この旋回空気流は、シリンダ壁
面に沿う流れを形成するために、均一な流速分布となっ
て表れる。
【0021】しかも、シリンダヘッドの側面の開口から
吸込まれる吸気(空気)は、シリンダ中央側に突出する
ような円弧状部、さらにはそれに続く渦室近傍のシリン
ダの周縁から外方へ膨出した膨出部を通過するときに受
ける挙動によって、シリンダの壁面に沿う流れの成分が
強くなる。そして、吸気が、シリンダ内に入り、タンジ
ェンシャル成分を大きくした渦流を生起させる。これに
より、シリンダ内には剛体流的な渦流が生起される。そ
れ故、渦流の特性を利用して、噴霧燃料の根元部におけ
る空気との混合を抑制して、初期燃料量が抑制(NOx
の低減)されると共に、シリンダ壁面における噴霧燃料
と空気との混合の促進により、拡散燃焼が促進(煤,P
Mの低減)されるようになる。しかも、シリンダヘッド
の側面の開口から吸込まれる吸気(空気)は、シリンダ
側面の開口端からポート部の中央部にかけてシリンダヘ
ッドの上面側に向けて傾斜する上り傾斜部、さらには同
中央部からシリンダの下面側に向けて傾斜する下り傾斜
部を通過することにより、下向きの流れで渦室へ流れ、
この下向きの流入が、積極的に空気がシリンダ内に流れ
る挙動として表れるから、その分、流入空気量が増すよ
うになる。
【0022】また流路損失は最小ですむので、吸入空気
量が増大し、燃焼が改善されることによる排出ガス低減
や出力向上も約束される。
【0023】請求項2に記載した発明によると、シリン
ダヘッドの側面の開口から吸込まれる吸気は、ポート部
から渦室の巻き終り部までスムーズに導入されることに
より、タンジェンシャル成分が強く表れた旋回空気流と
なる。しかも、この旋回空気流は、シリンダ壁面に沿う
流れを形成するため、均一な流速分布となって表れる。
それ故、渦流の特性を利用して、剛体流的な渦流をシリ
ンダ軸回りに生起させることができる。しかも、シリン
ダヘッドの側面の開口から吸込まれる吸気(空気)は、
シリンダ側面の開口端からポート部の中央部にかけてシ
リンダヘッドの上面側に向けて傾斜する上り傾斜部、さ
らには同中央部からシリンダの下面側に向けて傾斜する
下り傾斜部を通過することにより、下向きの流れで渦室
へ流入され、この下向きの流入が積極的に空気がシリン
ダ内に流れる挙動として表れるから、その分、流入空気
量が増すようになる。
【0024】請求項3に記載した発明によると、実験を
行なった結果、ポート部を中央部から渦室に向け10°
〜30°の範囲の傾斜角で下降させたときに、最も有効
な下向きの空気の流れが確保され、空気流量を増大する
ことができる。
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【実施例】以下、本発明を図1ないし図4に示す一実施
例にもとづいて説明する。ここで、図1は、内燃機関、
例えば2弁式のディーゼルエンジンのヘッド部分の側断
面、図2は図1中のX−X線に沿う平断面を示してい
る。
【0029】まず、同エンジンの構造の概略を説明すれ
ば、同図中1aは、内部に上下向きのシリンダ1が形成
されたシリンダブロック、2はコネクティングロッド3
aでクランク軸3に支持されてシリンダ1内に往復可能
に設けられたピストン、4はシリンダブロック1aの上
部に載せられたシリンダヘッド、5は噴射ノズル部(図
示しない)が燃焼室6の中央に突き出るようにしてシリ
ンダヘッド4に設けられた燃料噴射ノズルである。な
お、シリンダヘッド1は、シリンダ1を囲むように配置
された複数本のヘッドボルト7で、シリンダブロック1
aに固定してある。
【0030】シリンダヘッド4の下面には、噴射ノズル
部の両側、詳しくはクランク軸3の軸心方向両側に位置
して、吸気・排気バルブ8,9で開閉される吸気口1
0、排気口(吸気口のみ図示)が設けられている。な
お、12および13は、各吸気・排気バルブ8,9のス
テム8a,9aを摺動自在に保持するバルブガイド保持
部を示す。
【0031】このうち吸気口10は、同吸気口10から
左側方向へ延びるようにシリンダヘッド4内に形成して
ある吸気ポート14に接続されている。また排気口(図
示しない)は、吸気ポート14とは反対方向へ延びるよ
うにシリンダヘッド4内に形成してある排気ポート15
に接続されている。
【0032】吸気・排気バルブ8,9はクランク軸3の
回転にしたがって所定の時期に開閉動作するように定め
られ、また燃料噴射ノズル5からは所定の噴射時期に所
定量の液体燃料(軽油)が噴射されるように定められて
いて、シリンダ1内において所定の燃焼行程を行えるよ
うにしてある。
【0033】本発明の吸気ポート構造は、このディーゼ
ルエンジンの吸気ポート13に採用してある。この吸気
ポート13には、図1および図2で示されるような工夫
をこらした形状のヘリカルポートが用いてある。
【0034】このヘリカルポートについて説明すると、
20はシリンダヘッド4内に形成された例えば角形通路
断面をもつポート部である。このポート部20は、クラ
ンク軸3と略直交する方向に延びて、吸気バルブ8とそ
れに向き合うシリンダヘッド4の側面との間に形成され
ている。
【0035】このポート部20の一端はシリンダヘッド
4の側面に開口され、同部分にポート入口21を形成し
ている。ポート部20の他端は、シリンダ1の周側に延
びて、バルブガイド保持部12回りに渦巻状に形成され
ている渦室22(シリンダ1内に渦流を生起させるも
の)の巻き始まり部22aに接続されている。なお、渦
室22の巻き終わり部22bは吸気口10に開口してい
る。
【0036】これらポート部20、渦室22は、ポート
部20の一端側から渦室22の巻き終わり部22bまで
の通路面積が滑らかに減少する方向に変化させてある。
具体的には、例えば図3に示されるような流路断面積の
割合の変化で、ポート部20の一端側から渦室22の巻
き終わり部22bまでの通路面積を滑らかに変化させて
ある。
【0037】なお、図3(b)は、図3(a)に示すヘ
リカルポートの各断面位置における断面積割合の変化を
示す(但し、Aは各部におけるポート断面積、Bはシリ
ンダボア径)。
【0038】これによって、従来、渦室の巻き始め部で
生じていた「容積が急激に拡大する部分」が無いヘリカ
ルポートにしている。またポート部20は、図2に示さ
れるように平面から見たとき、すなわちシリンダヘッド
4の下面と平行な面を仮想平面(第1仮想平面)として
投影して見たとき、長手方向全体がシリンダ1の中央側
に突出するような円弧状に形成されている。さらに同ポ
ート部20の渦室22の近傍の部分は、その円弧形とは
反対にシリンダ1の周縁から外方へ円弧を描くように膨
出形成されていて、これらの円弧状部23a,膨出部2
3bを空気が通過するときの挙動を利用して、タンジェ
ンシャル成分を大きくした渦流をシリンダ1内で生起さ
せるようにしてある。
【0039】これら円弧状部23a,膨出部23bの曲
がりは、シリンダヘッド4を固定するヘッドボルト7と
干渉せずにポート部20の全体を配設する構造の一部と
もなっていて、同円弧状部23a,膨出部23bにて、
ヘッドボルト7を避けながら、できるだけタンジェンシ
ャル成分が大きな渦流を生起させる構造にしてある。
【0040】またポート部20は、図1に示されるよう
に横から見たとき、すなわちクランク3の軸心と直交す
る面を仮想平面(第2仮想平面)として投影して見たと
き、ポート部20の開口端となるポート入口21からポ
ート部20の中間部(中央部)にかけての部分がシリン
ダヘッド4の上面側に向けて傾斜する上り傾斜部24a
となっている。さらにその上り傾斜部24aに続く、ポ
ート部20の中間部から渦室22に至る部分までは、逆
にシリンダヘッド4の下面側に向けて傾斜する下り傾斜
部24bとなっていて、これら傾斜部24a,24bを
空気が通過するときの挙動を利用して、高さ寸法の制約
が課せられるシリンダヘッド4において常に吸気を渦室
22へ下向きの流れで流入させる構造にしてある。
【0041】つぎに、このように構成された吸気ポート
14の作用について説明する。ディーゼルエンジンのピ
ストン2での往復動作にしたがい、シリンダヘッド4の
側面のポート入口21からは、吸気(空気)が吸い込ま
れて、ポート部20へ流入していく。
【0042】この吸気は、ポート部20の円弧状部23
a,膨出部23bを通過する際に、渦室22の外周側の
壁面に強く押し付けられるという挙動を受ける。と同時
に吸気は、上り傾斜部24a,下り傾斜部24bを通過
することにより、下向きの方向の流れに変えられる。
【0043】ついで、こうした吸気が渦巻状の渦室22
を通過する際に、バルブガイド保持部12回りの旋回流
を生成しながら、シリンダ1の壁面の接線方向に沿っ
て、シリンダ1内へ入っていく。
【0044】このとき、渦室22の導入部分には、吸気
口10から吸気バルブ回りに流出する空気流の流速分布
を不均一にする「断面積が急拡大する部分」が無いか
ら、シリンダ1内で生起される渦流は、剛体流を損なう
要因となるヘリカル成分が抑制されて、タンジェンシャ
ル成分が強く表れた旋回空気流となる。むろん、この旋
回空気流はシリンダ壁面に沿う流れを形成するため、均
一な流速分布となって表れる。
【0045】しかも、シリンダ1内に入る吸気は、円弧
状部23a,膨出部23bを通過するときに受けた挙動
によって、シリンダ1の壁面に沿う流れの成分を強くし
てあるから、シリンダ1内で生起される渦流は、かなり
大きなタンジェンシャル成分をもつ渦流となる。
【0046】加えて、シリンダ1内に入る吸気は、上り
傾斜部24a,下り傾斜部24bを通過するときに受け
た挙動により、シリンダ1内へ吸気を押し込むよう下向
きで流入して、積極的に空気がシリンダ1内に流れ出
て、流量係数を増加させる。
【0047】これらにより、シリンダ1内において、か
なり剛体流的な渦流を生起させることができる。実験に
よれば、レーザライトシート法でシリンダ内の流れパタ
ーンを見ると、図4に示されるようにシリンダ1の周縁
で流速が速く、シリンダ1の中心部に向かうにしたがい
流速が小さくなる、規則正しく、流速分布が均一な剛体
渦が生起されていることが確認された。
【0048】特に、イ.渦室22の通路面積の変化の割
合、ロ.渦室22の導入部25のオフセット角度S(図
2のみに図示)、ハ.ポート部20の下り傾斜部24b
で表される下向き角度α(図1のみに図示)が、つぎの
ような範囲にあるときには、シリンダ1内の流れを最適
に剛体渦化できることが確認された。
【0049】すなわち、 イ.渦室22の通路面積の変化割合は、 d(A/B2 )/dθ(但し、Aは断面積、Bはボア
径、θは渦室断面位置) で表され、この与式で求まる値が、4.7〜6.0×1
-2/10deg の範囲であれば、最適な剛体渦化が得ら
れるものであった。
【0050】ロ.渦室22の導入部25のオフセット角
度S、すなわちシリンダヘッド4の下面に平行な仮想平
面(第1仮想平面)に投影したとき、平面から見た、渦
室22に接続される導入部25の、クランク軸3と直交
する仮想平面(第2仮想平面)と平行な平面と対する角
度は、5°〜20°の範囲であれば、最適な剛体渦化が
得られるものであった。
【0051】ハ.ポート部20の下向き角度α、すなわ
ちクランク軸3と直交する仮想平面(第2仮想平面)に
投影したとき、下り傾斜部24bとシリンダヘッド4の
下面に平行な仮想平面(第1仮想平面)とがなす角度
は、10°〜30°の範囲であれば、最適な剛体渦化が
得られるものであった。
【0052】こうしたことから、渦流の特性を最大に利
用して、噴霧燃料の根元部における空気との混合の抑制
による、初期燃焼量の抑制(NOX の低減)を図ると共
に、シリンダ壁面における噴霧燃料と空気との混合の促
進による、拡散燃焼の促進(煤,PMの低減)を図るこ
とができた。
【0053】しかも、流路損失は最小ですむので、吸入
空気量が増大し燃焼が改善されることによる排出ガス低
減や出力向上を図ることができる。なお、本発明を2弁
のディーゼルエンジンに適用したが、それ以上の多弁の
ディーゼルエンジンにも適用できるし、さらには他の内
燃機関、例えば旋回流を主とした燃焼形態をもつ直接噴
射式ガソリンエンジンにも適用してもよい。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように請求項1に記載の発
明によれば、渦室の導入部分には断面積が急拡大する部
分が形成されておらず、ポート部から巻き終り部までス
ムーズに導入されることにより、シリンダ内で生起され
る渦流は、タンジェンシャル成分が強く表れた旋回空気
流である。しかも、この旋回空気流は、シリンダ壁面に
沿う流れを形成するため、均一な流速分布となって表れ
る。
【0055】そのうえ、シリンダヘッドの側面の開口か
ら吸込まれる吸気(空気)は、シリンダ中央側に突出す
るような円弧状部、さらにはそれに続く渦室近傍のシリ
ンダの周縁から外方へ膨出した膨出部を通過するときに
受ける挙動によって、シリンダの壁面に沿う流れの成分
が強くなる。そして、吸気が、シリンダ内に入り、タン
ジェンシャル成分を大きくした渦流を生起させる。それ
故、流路損失を抑制しつつ、剛体流的な渦流をシリンダ
軸回りに生起させることができるこの結果、渦流の特性
を利用して、初期燃焼量を抑制(NOx;低減)できる
と共に拡散燃焼を促進(煤,PM;低減)でき、排出ガ
ス低減や出力向上も約束できる。しかも、下向きの流入
を利用して、空気流入量を増加させることができる。
【0056】
【0057】請求項2に記載の発明によれば、ポート部
から巻き終わり部までスムーズに導入されることによ
り、シリンダ内で生起させる渦流は、タンジェンシャル
成分が強く表れた旋回空気流である。しかも、この旋回
空気流は、シリンダ壁面に沿う流れを形成するため、均
一な流速分布となって表れる。そのうえ、シリンダ側面
の開口端からポート部の中央部にかけてシリンダヘッド
の上面側に向けて傾斜する上り傾斜部、さらには同中央
部からシリンダの下面側に向けて傾斜する下り傾斜部の
通過により、シリンダ壁面に沿うタンジェンシャル成分
を大きくした渦流がシリンダ内に生起される。それ故、
流路損失を抑制しつつ、剛体流的な渦流をシリンダ軸回
りに生起させることができる請求項3に記載の発明によ
れば、最も有効な下向きの空気の流れを発生させ、空気
流量を増大させることができる。
【0058】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の吸気ポート構造を説明する
ためのシリンダヘッドの側断面図。
【図2】同図1中のX−X線に沿うシリンダ上部の平断
面図。
【図3】(a)は、同吸気ポートの断面変化割合を説明
するべく、ポートの各断面位置を示唆している図。
(b)は、同吸気ポートの断面変化割合を線図化した線
図。
【図4】同吸気ポートを通じて吸気されることによりシ
リンダ内に生起される剛体渦的な渦流を説明するための
図。
【図5】従来、シリンダヘッドに採用されている吸気ポ
ート(ヘリカルポート)を説明するためのシリンダヘッ
ドの側断面図。
【図6】同図1中のY−Y線に沿うシリンダ上部の平断
面図。
【図7】(a)は、同吸気ポートの断面変化割合を説明
するべく、ポートの各断面位置を示唆している図。
(b)は、同吸気ポートの断面変化割合を線図化した線
図。
【図8】同吸気ポートを通じて吸気されることによりシ
リンダ内に生起される渦流を説明するための図。
【符号の説明】
1…シリンダ 2…ピストン 3…クランク軸 4…シリンダ
ヘッド 7…ヘッドボルト 8…吸気バル
ブ 10…吸気口 12…バルブ
ガイド保持部 14…吸気ポート 20…ポート
部 21…ポート入口 22…渦室 23a…円弧状部 23b…膨出
部 24a…上り傾斜部 24b…下り
傾斜部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭55−46005(JP,A) 実開 昭59−172230(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02B 31/00 321 F02F 1/00 F02F 1/42

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンのシリンダヘッド内に前記エン
    ジンのクランク軸と略直交する方向に延びて形成され、
    一端が前記シリンダヘッドの側面に開口し、他端がシリ
    ンダの周側に位置するポート部と、 吸気バルブのステム保持部回りに形成され、巻き始まり
    部が前記ポート部の他端に接続され、巻き終り部が前記
    吸気バルブで開閉される前記シリンダヘッドの下面に開
    口している吸気口に開口されて、前記シリンダ内に渦流
    を生起させる渦流室とを備え、 前記ポート部および前記渦室は、前記ポート部の一端側
    から前記渦室の巻き終わり部までの通路面積が滑らかに
    減少方向に変化され、 かつ前記ポート部は、前記シリンダヘッドの下面に平行
    な面である仮想平面に投影したとき、その長手方向全体
    が前記エンジンのシリンダ中央側に突出するような円弧
    状に形成されると共に、前記渦室近傍の部分がその長手
    方向全体の円弧形とは反対にシリンダの周縁から外方に
    円弧を描くように膨出され さらに前記ポート部は、前記エンジンのクランク軸と直
    交する面である仮想平面に投影したとき、前記シリンダ
    の側面の開口端から前記ポート部の中央部にかけて前記
    シリンダヘッドの上面側に向けて傾斜されると共に、該
    中央部から前記シリンダヘッドの下面側に向け傾斜され
    て前記渦室に接続されている ことを特徴とする吸気ポー
    ト構造。
  2. 【請求項2】 エンジンのシリンダヘッド内に前記エン
    ジンのクランク軸と略直交する方向に延びて形成され、
    一端が前記シリンダヘッドの側面に開口し、他端がシリ
    ンダの周側に位置するポート部と、 吸気バルブのステム保持部回りに形成され、巻き始まり
    部が前記ポート部の他端に接続され、巻き終り部が前記
    吸気バルブで開閉される前記シリンダヘッドの下面に開
    口している吸気口に開口されて、前記シリンダ内に渦流
    を生起させる渦流室とを備え、 前記ポート部および前記渦室は、前記ポート部の一端側
    から前記渦室の巻き終わり部までの通路面積が滑らかに
    減少方向に変化され、 前記ポート部は、前記エンジンのクランク軸と直交する
    面である仮想平面に投影したとき、前記シリンダの側面
    の開口端から前記ポート部の中央部にかけて前記シリン
    ダヘッドの上面側に向けて傾斜されると共に、該中央部
    から前記シリンダヘッドの下面側に向け傾斜されて前記
    渦室に接続されていることを特徴とする吸気ポート構
    造。
  3. 【請求項3】 前記ポート部は、前記エンジンのクラン
    ク軸と直交する面である仮想平面に投影したとき、前記
    中央部から前記渦室に向け前記シリンダヘッドの下面に
    平行な面である仮想平面に対して、10°〜30°の範
    囲の傾斜角で下降していることを特徴とする請求項1又
    は請求項2に記載の吸気ポート構造。
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