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JP3354880B2 - 情報多重化方法、情報抽出方法および装置 - Google Patents

情報多重化方法、情報抽出方法および装置

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JP3354880B2
JP3354880B2 JP26733298A JP26733298A JP3354880B2 JP 3354880 B2 JP3354880 B2 JP 3354880B2 JP 26733298 A JP26733298 A JP 26733298A JP 26733298 A JP26733298 A JP 26733298A JP 3354880 B2 JP3354880 B2 JP 3354880B2
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淳樹 富岡
高雄 中村
宏 小川
洋一 高嶋
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディジタル音声
(主情報)に対して、別の情報(副情報)を情報多重化
する際に、人間の知覚に感知されないように情報多重化
を行なったり、または、音声に多重化された情報を情報
抽出する方法、装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】今日、上記のような情報多重化装置、抽
出装置は、ディジタル著作物に対して著作権情報や利用
ユーザID等を、情報コンテンツに秘密裏に多重化する
ことによって、ディジタル情報コンテンツの著作権保護
や不正複製抑止システムに用いられている。また、多重
化された情報が人間の知覚に感知されにくいという特色
を利用して、著作権保護のみならず、様々な利用方法が
可能である。
【0003】また、従来、エコーや位相、周波数成分を
操作し、音響情報に電子透かしを埋め込む方法が知ら
れ、たとえば、「Walter Bender, Daniel Gruhl, Noris
hige Morimoto, and Anthony Lu. Techniques for data
hiding. IBM Systems Journal, Vol.35, No.3&4, pp.
313-336, 1996.」に記載されている。電子透かし技術一
般に関する先行技術は、特開平9−191394に開示
されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来技術
では、多重化することによって、情報コンテンツ(主情
報)の品質が低下するという問題がある。
【0005】また、上記従来例では、人間には知覚され
ずに、情報コンテンツに多重化する場合、その情報コン
テンツを圧縮処理したり、編集処理したりすると、埋め
込まれた副情報が変質したり、破壊されたりして、各種
処理に対する耐性を持つことができないという問題があ
る。特に、ディジタル音声のような時系列データでは、
部分的な切り取り、時間軸方向への圧縮/伸長等の操作
を施された後では、副情報を読み取るための同期を取る
ことが困難であるという問題がある。
【0006】本発明は、人間には知覚されずに情報多重
化する場合、情報コンテンツ(主情報)の品質の低下が
少ない情報多重化方法、情報抽出方法、および装置を提
供することを目的とするものである。
【0007】また、本発明は、人間には知覚されずに情
報コンテンツに情報多重化する場合、その情報コンテン
ツを圧縮処理したり、編集処理したりしても、埋め込ま
れた副情報が耐性を持つ情報多重化方法、情報抽出方
法、および装置を提供することを目的とするものであ
る。特に、ディジタル音声のような時系列データにおい
て、部分的な切り取り、時間軸方向への圧縮/伸長等の
操作を施しても、副情報を読み取るための同期を容易に
取ることができる情報多重化方法、情報抽出方法、およ
び装置を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、複数のチャネ
ルを持ち、主情報としてのディジタル音声信号に、上記
主情報とは異なる副情報を多重化する情報多重化方法に
おいて、上記複数のチャネルのうちの1つのチャネルに
おける主情報の周波数成分値と、上記複数のチャネルの
うちの他のチャネルにおける主情報の周波数成分値との
比を、上記副情報に応じて変更するものである。
【0009】
【発明の実施の形態および実施例】図1は、本発明の一
実施例である情報多重化装置100の入出力関係を示す
ブロック図である。
【0010】情報多重化装置100は、主情報である原
音声と、副情報が含まれている情報埋め込みパラメタと
を入力し、主情報に副情報を多重化し、情報多重化済み
音声を出力する装置である。
【0011】図2は、上記実施例における情報埋め込み
パラメタの一例を示す図である。
【0012】情報埋め込みパラメタは、副情報、乱数の
初期値、周波数変換フラグ、埋め込み方法パラメタによ
って構成されている。ただし、図2に示してある構成要
素の全てを必ず必要とする訳ではなく、最低限、副情報
を有していれば足り、乱数の初期値は、秘匿性を高める
場合に必要である。なお、周波数変換フラグは、埋め込
み時または抽出時に、周波数変換を実行するか否かを指
定するフラグである。埋め込み方法パラメタは、1つの
情報多重化装置または情報抽出装置内で複数の埋め込み
方法(情報多重化アルゴリズム)を実現することができ
る場合、埋め込み時または抽出時に、上記複数の埋め込
み方法のうちで、どの埋め込み方法で多重化または抽出
するかを指定するパラメタである。
【0013】図3は、情報多重化装置100を具体的に
示すブロック図である。
【0014】情報多重化装置100は、音声分解部10
と、情報多重化部20と、音声再構成部40とを有す
る。
【0015】音声分解部10は、主情報である原音声
を、予め定めたサンプル数ごとに分割し、これを「処理
単位」とし、情報多重化部20へ送るものである。ここ
で、「処理単位」は、たとえば1ビットの副情報を主情
報に埋め込む場合における主情報の処理対象であり、た
とえば64×チャネル数個のサンプル値である。
【0016】情報多重化部20は、上記情報埋め込みパ
ラメタと上記処理単位とを入力し、処理単位毎に多重化
し、この結果である情報多重化済み処理単位を出力し、
音声再構成部40へ送るものである。また、情報多重化
部20は、入力パラメタ分解部21と、周波数変換部2
2と、副情報バッファ23と、乱数生成部24と、値変
更部30と、周波数逆変換部25とを有する。
【0017】入力パラメタ分解部21は、図2に示す情
報埋め込みパラメタから、周波数変換フラグと、副情報
と、乱数の初期値とを分解するものである。
【0018】周波数変換部22は、周波数変換フラグを
読み込み、周波数変換フラグが周波数変換することを指
示している場合にのみ、読み込まれた処理単位に対して
周波数変換を行い、値変更部30に送るものである。な
お、周波数変換を常に実行しない場合、周波数変換フラ
グと周波数変換部22と周波数逆変換部25とを使用す
る必要がない。また、周波数変換を常に実行する場合、
周波数変換フラグを使用する必要がない。
【0019】乱数生成部24は、情報埋め込みパラメタ
に埋め込まれている乱数の初期値を読み取り、この読み
取った乱数の初期値に基づいて、主情報を1ビット分多
重化する毎に順次、乱数を生成し、値変更部30に送る
ものである。なお、乱数生成部24は、音声のサンプル
数に比べて十分大きな周期で乱数を発生するものであ
る。
【0020】図4は、上記実施例における副情報バッフ
ァ23の構成を示す図である。
【0021】副情報バッファ23は、著作権情報等の副
情報を保持する内部バッファに蓄え、所定の読み出しヘ
ッダ(バッファ内の情報を1ビットづつ取り出すための
ヘッダ)に応じて、副情報を1ビットずつ読み出し、こ
の読み出された副情報の各1ビットを情報多重化する毎
に順次、1ビット副情報を、値変更部30に送るもので
ある。
【0022】副情報バッファ23における情報書き出し
/読み出しヘッダの制御方法は、情報多重化装置100
と、後述の情報抽出装置200とにおいて、同じ方法を
採用する必要がある。
【0023】図5は、上記実施例における値変更部30
の構成を示すブロック図である。
【0024】値変更部30は、処理単位を格納する原音
声処理単位バッファ31と、変調器32と、処理単位変
更部33と、情報多重化済み単位バッファ34とを有す
るものである。
【0025】図6は、上記実施例における主に処理単位
変更部33の構成例を示すブロック図である。
【0026】フィルタ生成部33aは、読み込んだ変調
済み1ビット副情報と、処理単位バッファの何番目の値
を処理しているかという情報とに基づいて、フィルタF
J〜FrJ を生成するものである。
【0027】変調器32は、1ビット副情報、副情報終
端フラグ、乱数を入力とし、変調済み1ビット副情報を
出力するものである。乱数は、変調時において秘匿性を
高めるために用いられるものである。また、副情報終端
フラグは、副情報を繰り返し埋め込む際に、副情報の終
端にあたる部分に特別な形の変調をかけるために用いら
れるものである。変調方法の詳細に関しては、後述す
る。
【0028】そして、1ビット副情報、副情報終端フラ
グ、乱数が変調器32に送られ、変調器32で1ビット
副情報が変調される。この変調された1ビット副情報に
基づいて、処理単位変更部33で定位が変更される。
【0029】変調器32と処理単位変更部33とによっ
て構成されている値変更部30は、乱数と1ビット副情
報とに応じ、また、後述の「予め定めた規則」に基づい
て、原音声処理単位バッファ31に格納されている主情
報の音源定位を変更するものである。
【0030】情報多重化装置100は、上記処理単位が
音圧である場合、複数のチャネルのうちの1つのチャネ
ルにおける主情報の音圧と、上記複数のチャネルのうち
の他のチャネルにおける主情報の音圧との比を、上記副
情報に応じて変更する例である。上記比を変更すること
によって、入力された1ビット副情報が主情報に情報多
重化され、情報多重化済み単位バッファ34に順次格納
される。
【0031】また、変調器32は、副情報終端フラグが
副情報の終端に到達したことを示すと、「1」でも
「0」でもない形の変調をかける例であり、「1」でも
「0」でもない形の変調を同期取得に利用する。
【0032】なお、上記処理単位が周波数成分である場
合、複数のチャネルのうちの1つのチャネルにおける主
情報の周波数成分値と、上記複数のチャネルのうちの他
のチャネルにおける主情報の周波数成分値との比を、上
記副情報に応じて変更する例である。
【0033】第2の実施例は、処理単位変更部33が、
上記副情報に応じてチャネル間の音の位相を操作するこ
とによって定位を変化させ、情報を埋め込む例である。
【0034】このチャネル間の位相を変化させることに
よって、入力された1ビット副情報に情報多重化され、
情報多重化済み処理単位バッファ34に順次格納され
る。
【0035】「空間音響」(イェンスフラウエルト、森
本政之、後藤敏幸編著、鹿島出版会)の39頁に図2.
27にチャネル間の時間差(位相差)と音源の定位との
関係が開示され、同文献74頁には複数チャネル間の音
圧(レベル)差およびレベルの大きさとチャネル間の時
間差(位相差)とが示されている。
【0036】これらの関係を用いて、上記第2の実施例
において、主情報のチャネル間の音圧(レベル)差、位
相差またはその両方に基づいて、複数チャネル間の音源
定位を変化させることができ、また、情報多重化済み音
声のチャネル間の音圧(レベル)差、位相差、またはそ
の両方に基づいて、音源定位の変化を調べることがで
き、それを元に副情報を抽出することが可能である。
【0037】ところで、上記「予め定めた規則」は、た
とえば次の規則である。
【0038】 原音声処理単位バッファ31における
所定の位置の値を、2つのチャネルから取り出し、この
値同士の比を変化させる。たとえば、第1チャネルの0
個目の処理単位S10 の値と、第2チャネルの0個目の
処理単位S20 の値との比を変化させる。たとえば、第
1チャネルが左のスピーカから音を出すチャネルであ
り、第2チャネルが右のスピーカから音を出すチャネル
である場合、図7に示すように、上記値の比を、右チャ
ネル側にずらせば(第1チャネルの0個目の処理単位S
0 の値を、第2チャネルの0個目の処理単位S20
値に対して小さくすれば)、副情報の内容が0であるこ
とを示し、逆に、上記値の比を、左チャネル側にずらせ
ば、副情報の内容が1であることを示す。
【0039】図7に示すように、時間軸上の特定タイム
スロットにおいて、副情報に応じて音源定位を離散的に
変化させる場合、時間軸上の特定タイムスロットにおい
て、副情報に応じて音源定位を離散的に変化させる場
合、副情報の入力が「1」であるときは、音源定位を右
または左方向に変化させ、一方、「1」の場合とは逆の
場合である副情報の入力が「0」であるときは、音源定
位を左または右方向に変化させると、変調回路を簡易に
実現することができる。
【0040】 原音声処理単位バッファ31を、さら
にいくつかのブロックに分割し、各ブロックに対して、
埋め込みたい副情報に応じて、窓関数をかける(変調を
かける)。なお、原音声処理単位バッファ31の全体を
1つのブロックとみなすこともできる(原音声処理単位
バッファ31全体に1ビットを埋め込むこともでき
る)。上記窓関数として、図8、図9、図10にそれぞ
れ示すものを考えることができる。
【0041】この場合、副情報に応じて窓関数の形状を
変えるようにしてもよい(位相を反転させる等)。たと
えば、図8に示すように、窓関数としてサインカーブを
選び、埋め込む副情報のビット1と0とに応じて、窓関
数の位相を180度変えるようにしてもよい。
【0042】図8に示すように、正弦波で変化する音源
定位の変化に対して副信号の入力によって180度位相
変調をかける(180度以外で位相変調をかけてもよ
い)と、圧縮/伸長処理されても副情報の読み取りが可
能である。つまり、音源定位が中央から左右のどちらか
に寄り、その後再び中央に戻ってくれば1ブロックであ
るから、圧縮/伸長がかけられても、副情報を読みとる
ことができる。
【0043】または、値の比の変更量をブロック毎に変
えるようにしてもよい。たとえば、図9に示すように、
窓関数としてサインカーブを選び、埋め込む副情報のビ
ット1と0とに応じて、窓関数の振幅を変えるようにし
てもよい。図9に示すように、正弦波で変化する音源定
位の変化に対して、副信号の入力の有無によって振幅変
調すると、圧縮/伸長処理されても副情報の読み取りが
可能である。
【0044】さらには、上記比を区別する周期を、ブロ
ック毎に変更するようにしてもよい。たとえば、図10
に示すように、窓関数としてサインカーブを選択し、埋
め込む副情報のビット1と0とに応じて、窓関数の周波
数を変えるようにしてもよい。図10に示すように、正
弦波で変化する音源定位の変化に対して副情報の入力の
有無によって周波数変調すると、圧縮/伸長処理されて
も副情報の読み取りが可能である。
【0045】なお、図8〜図10に示す変調方法(およ
び対応する復調方法)自体は、既存の技術であり、たと
えば「ディジタル無線通信」(室谷正芳、山本平一
著:産業図書)等に記載されている。
【0046】また、主情報の特定周波数帯のみに、図7
〜図10に示す方法のうちのいずれかの変調方法を適用
する方法を採用するようにしてもよく、さらに、その特
定周波数帯を時間の変化に応じて変更する方法(いわゆ
るfrequency hopping を行う方法)を採用するようにし
てもよい。このようにすれば、電子透かしの変造や削除
等の人為的な攻撃への耐性が向上される。
【0047】なお、上記複数の変調方法のうちから、埋
め込み方法パラメータによって所望の変調方法を選択で
きるようにすると、変更に柔軟に対応可能なシステムを
実現することができる。
【0048】また、上記各窓関数を組合せたものを1つ
の窓関数であると考えるようにしてもよい。
【0049】なお、変調器32と処理単位変更部33と
(値変更部30)において行われる変更の規則は、情報
多重化装置100と、情報抽出装置200とにおいて、
同じ規則が使用される必要がある。
【0050】1ビット情報を多重化する度に、副情報バ
ッファ23の副情報読み出しヘッダを、予め定められた
方法で制御する。1つの処理単位に対して、情報多重化
がT回(T≧1)行なわれ、その全てが終了した後、情
報多重化済み処理単位として出力する。
【0051】周波数逆変換部25は、周波数変換フラグ
を読み込み、周波数変換フラグが周波数逆変換すること
を示している場合にのみ、読み込んだ情報多重化済み処
理単位に対して、周波数逆変換を行う。
【0052】音声再構成部40は、入力された情報多重
化済み処理単位を順次つなぎ合わせ、情報多重化済み音
声を出力するものである。
【0053】次に、情報多重化装置100の動作につい
て説明する。
【0054】図11は、情報多重化装置100の動作を
示すフローチャートである。
【0055】まず、主情報と、副情報を含む情報埋め込
みパラメタを読み込み(S1)、副情報の誤り訂正符号
化が必要であれば(S2)、副情報の誤り訂正符号化を
行い(S3)、音声分解部10によって主情報を処理単
位に分割し(S4)、分割された処理単位を読み込む
(S5)。そして、処理単位について周波数変換が必要
であれば(S6)、処理単位について周波数変換を行い
(S7)、値変換部30の変調器32によって、副情報
を変調し(S8)、フィルタ生成部33aが情報多重化
用フィルタ33bを生成し(S9)、処理単位毎に情報
多重化し出力する(S10)。
【0056】そして、主情報の終端に達すれば(S1
1)、処理単位に基づいて、音声再構成部40が情報多
重化済み音声を再構成する(S12)。
【0057】図11に示すフローチャートに対応するプ
ログラムが所定の記録媒体(FD、CD、DVD、半導
体メモリ、磁気テープ等の記録媒体)に記録され、上記
所定の記録媒体が所定のコンピュータにインストールさ
れると、そのコンピュータが情報多重化装置として機能
する。
【0058】この場合、上記記録媒体は、主情報と副情
報とを読み込む手順と、主情報を処理単位に分割する手
順と、複数のチャネルのうちの1つのチャネルにおける
主情報の処理単位の値と上記複数のチャネルのうちの他
のチャネルにおける主情報の処理単位の値との比を、副
情報に応じて変更することによって、情報多重化する手
順と、情報多重化済み音声を再構成する手順とをコンピ
ュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ
で読み取り可能な記録媒体の例である。
【0059】次に、上記実施例において、情報多重化さ
れた音声信号から副情報を抽出する場合について説明す
る。
【0060】図12は、本発明の情報抽出装置200の
入出力関係を示す概略図である。
【0061】情報抽出装置200は、情報多重化済み音
声と原音声と情報抽出パラメタとを入力し、副情報を抽
出する装置である。ただし、情報抽出装置200におい
て、同期信号を抽出する場合には、原音声を必要とする
ようでは意味がない。これは、以下の説明でも同様であ
る。
【0062】図13は、情報抽出装置200を具体的に
示すブロック図である。
【0063】情報抽出装置200は、音声分解部60
と、情報抽出部300とを有するものである。
【0064】音声分解部60は、予め定めたサンプル数
毎に、情報多重化済み音声を分割し、情報多重化済み処
理単位として出力し、また、予め定めたサンプル数毎
に、原音声を分割し、原音声処理単位として出力するも
のである。なお、音声分解部60は、原音声を分割する
に際して、情報多重化装置100における音声分解部1
0と同じ処理を実現する必要がある。
【0065】情報抽出部300は、入力パラメタ分解部
70と、周波数変換部71と、乱数生成部72と、ビッ
ト情報抽出部80と、副情報再構成部90とを有し、原
音声処理単位と情報多重化済み処理単位と情報抽出パラ
メタとを入力し、副情報を出力するものである。
【0066】入力パラメタ分解部70は、情報抽出パラ
メタを、周波数変換フラグと乱数の初期値とに分解する
ものである。
【0067】周波数変換部71は、周波数変換フラグを
読み込み、周波数変換することを周波数変換フラグが示
している場合にのみ、読み込んだ処理単位に周波数変換
を行い、ビット情報抽出部80に送るものである。な
お、周波数変換を常に施さない場合、周波数変換フラグ
と周波数変換部71とを必要としない。また、周波数変
換を常に行う場合、周波数変換フラグを必要としない。
【0068】乱数生成部72は、乱数の初期値を入力
し、この入力した乱数の初期値に基づいて、副情報を1
ビット抽出する毎に順次、乱数を生成し、ビット情報抽
出部80に送るものである。
【0069】情報多重化装置100における乱数生成部
24と、情報抽出装置200における乱数生成部72と
は、乱数の初期値として所定の同じ値を与えた場合、同
順序で同じ乱数列を生成するものである。
【0070】情報抽出装置200は、上記処理単位が音
圧である場合、複数のチャネルのうちの1つのチャネル
における主情報の音圧と、上記複数のチャネルのうちの
他のチャネルにおける主情報の音圧との比に応じて、上
記副情報を抽出する例である。
【0071】また、情報抽出装置200は、上記処理単
位が周波数成分である場合、複数のチャネルのうちの1
つのチャネルにおける主情報の周波数成分値と、上記複
数のチャネルのうちの他のチャネルにおける主情報の周
波数成分値との比に応じて、上記副情報を抽出する例で
ある。
【0072】図14、図15は、情報抽出部300にお
けるビット情報抽出部80の具体例2を示すブロック図
である。
【0073】ビット情報抽出部80は、原音声処理単位
バッファ81と、情報多重化済み処理単位バッファ82
と、変調済み1ビット副情報抽出部83と、復調器84
とを有する。
【0074】原音声処理単位バッファ81は、原音声単
位を格納するバッファであり、情報多重化済み処理単位
バッファ82は、情報多重化済み処理単位を格納するバ
ッファである。
【0075】変調済み1ビット副情報抽出部83と復調
器84とは、乱数と、「予め定めた規則」とに基づい
て、原音声処理単位バッファ81に格納されている原音
声処理単位の値と、情報多重化済み処理単位バッファ8
2に格納されている情報多重化済み処理単位の値との比
に応じて、1ビット副情報を得るものである。
【0076】つまり、上記実施例は、複数のチャネルを
持ち、主情報としてのディジタル音声信号に、上記主情
報とは異なる副情報が多重化されている多重化情報から
上記副情報を抽出する情報抽出方法において、上記複数
のチャネルのうちの1つのチャネルにおける主情報の音
圧と、上記複数のチャネルのうちの他のチャネルにおけ
る主情報の音圧との比に応じて、上記副情報を抽出する
ものである。
【0077】また、上記のようにして抽出された定位の
変化パターンが所定のパターンである場合、予め定めた
同期信号を読み取ったと判断し、この場合、この読み取
られた同期信号の次のビットが、情報多重化済み音声に
埋め込まれている副情報の先頭ビットである。
【0078】ところで、上記「予め定めた規則」とし
て、次のものが考えられ、この「予め定めた規則」は、
情報多重化部20における変調器32と処理単位変更部
33とに対応している必要がある。 原音声処理単位バッファ81における所定の位置の
値と、情報多重化済み処理単位バッファ82における上
記所定の位置の値との比を読む。 原音声処理単位バッファ81を、さらにいくつかの
ブロックに分割し、各ブロックについて、読み取り規則
を適用する。当然、原音声処理単位バッファ81全体を
1つのブロックとみなすようにしてもよい。
【0079】また、「読み取り規則」として、次のもの
が考えられる。 ブロック毎の値の比の変化(音源定位の変化)のパ
ターンに基づいて、副情報を抽出する。 ブロック毎の値の比の変更量に基づいて、副情報を
抽出する。 ブロック毎の値の比の変化周期に基づいて、副情報
を抽出する。
【0080】なお、上記〜の「読み取り規則」のう
ちのいずれか2つまたは3つを組合せて1つの「読み取
り規則」と考えるようにしてもよい。
【0081】図15において、変調済み1ビット情報抽
出部83は、1ビット副情報、副情報終端フラグ、乱数
を入力し、フィルタ生成部83aに送る。フィルタ生成
部83aは、入力した1ビット副情報と、副情報終端フ
ラグと、乱数と、処理単位バッファ81における何番目
の値を処理しているかという情報とに基づいて、フィル
タ83bのF1j 〜Frj を生成する。埋め込み方式選
択部から受けたS1j〜Srj とF1j 〜Frj とを掛
け合わせ、S’1j 〜S’rj を出力する。
【0082】次に、情報抽出装置200の動作について
説明する。
【0083】図16は、情報抽出装置200の動作を示
すフローチャートである。
【0084】まず、情報抽出パラメタを読み込み(S2
1)、音声分解部60が情報多重化済み音声を処理単位
に分割し(S22)、その分割された処理単位を読み込
む(S23)。周波数変換する必要があれば(S2
4)、処理単位を周波数変換し(S25)、情報抽出用
フィルタ83bを生成し(S26)、復調器84が副情
報を復調し(S27)、1ビット副情報として出力する
(S28)。つまり、情報多重化済み音声の音圧と原音
声の音圧との比とに応じて、副情報を抽出する。
【0085】そして、情報多重化済み音声の終端でなけ
れば(S29)、ステップS23に戻り、情報多重化済
み音声の終端であれば、副情報再構成部90が1ビット
副情報から副情報を再構成し(S30)、副情報の誤り
訂正符号化が必要であれば(S31)、誤り訂正処理を
行う(S32)。
【0086】図16に示すフローチャートに対応するプ
ログラムが所定の記録媒体(FD、CD、DVD、半導
体メモリ、磁気テープ等の記録媒体)に記録され、上記
所定の記録媒体が所定のコンピュータにインストールさ
れると、そのコンピュータが情報抽出装置として機能す
る。
【0087】この場合、上記記録媒体は、情報抽出パラ
メタを読み込む手順と、情報多重化済み音声を処理単位
に分割する手順と、情報多重化済み音声の音圧と原音声
の音圧との比に応じて、副情報を抽出する手順とをコン
ピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュー
タ読み取り可能な記録媒体の例である。
【0088】図17は、本発明の他の実施例である情報
多重化装置100Aを示すブロック図である。
【0089】情報多重化装置100Aは、副情報の埋め
込み方式を鍵として利用する情報多−化部20Aと、音
声分解部10とを有するものである。情報多重化部20
Aは、基本的には情報多重化部20と同じであるが、情
報埋め込みパラメタに埋め込み方式パラメタが含まれ、
入力パラメタ分解部21Aによって分解された埋め込み
方式パラメタが1ビット副情報、乱数、副情報終端フラ
グとともに値変更部30Aに送られる点が、情報多重化
部20とは異なる。
【0090】図18、図19は、情報多重化装置100
Aにおける値変更部30Aを示すブロック図である。
【0091】値変更部30Aは、副情報の埋め込み方式
を鍵として利用する情報多重化処理部における値変更部
35と、処理単位を格納する原音声単位バッファ31
と、情報多重化済み単位バッファ34とを有するもので
ある。
【0092】値変更部35は、変調方式選択部35a
と、変調器35b1 、35b2 、〜、35bn と、処理
単位変更部35cとを有する。
【0093】チャネル数がrである場合に着目すると、
原音声処理単位バッファ31から送られてきた原音声処
理単位の値(サンプル値)S1j 〜Srj は、変調方式
選択部35aに送られ、埋め込み方式パラメタによって
指定された変調器に送られる。また、1ビット副情報、
副情報終端フラグ、乱数も、変調器35b1 〜、5bn
のそれぞれに送られる。各変調器の動作は、変調器32
に準ずるが、各変調器のフィルタ生成部はそれぞれ異な
った生成規則を持っている。
【0094】図20は、本発明の他の実施例である情報
抽出装置200Aを示すブロック図である。
【0095】情報抽出装置200Aは、副情報の埋め込
み方式を鍵として利用する情報抽出部300Aと、音声
分解部60とを有する装置である。情報抽出部300A
は、基本的には情報抽出部300と同じであるが、情報
抽出パラメタに埋め込み方式パラメタが含まれ、入力パ
ラメタ分解部70Aによって分解された埋め込み方式パ
ラメタが乱数とともにビット情報抽出部80Aに送られ
る点が、情報抽出部300とは異なる。
【0096】図21は、副情報の埋め込み方式を鍵とし
て利用する情報抽出部300Aにおけるビット情報抽出
部80Aを示すブロック図である。
【0097】ビット情報抽出部80Aは、原音声処理単
位バッファ81と、情報多重化済み処理単位バッファ8
2と、値比較部85とを有する。値比較部85には、埋
め込み方式パラメタとともに乱数を入力する。
【0098】図22は、情報抽出部300Aにおけるビ
ット情報抽出部80A内の値比較部85を具体的に示す
ブロック図である。
【0099】値比較部85は、変調済み1ビット副情報
抽出部85aと、復調方式選択部85bと、変調器85
1 〜85cn とを有する。原音声を必要としないで情
報抽出する場合、情報多重化済み処理単位82からのみ
処理単位を読み込む。変調済み1ビット副情報抽出部8
5aは、変調済み1ビット副情報抽出部85aの動作に
応じて、変調済み1ビット副情報を復調方式選択部85
bに送る。復調方式選択部85bは、埋め込み方式パラ
メタを読み込み、多重化に使用した変調器に該当する復
調器を選択する。そして、変調済み1ビット副情報抽出
部85aから送られた変調済み1ビット副情報を、選択
された復調器に送る。
【0100】図23は、本発明の他の実施例である情報
多重化装置100Bを示すブロック図である。
【0101】情報多重化装置100Bは、他の情報多重
化方法で多重化した情報を抽出する際に利用する同期情
報を多重化する場合、上記実施例の情報多重化方法を利
用する情報多重化部20Bと、音声分解部10と、音声
再構成部40とを有するものである。
【0102】情報多重化部20Bは、基本的には、情報
多重化部20と同じであり、副情報の多重化を二度に渡
って行なっている点だけが、情報多重化部20と異なる
点であり、各部の動作は情報多重化部20に準ずる。
【0103】図24は、本発明の別の実施例である情報
抽出装置200Bを示すブロック図である。
【0104】情報抽出装置200Bは、2つの情報抽出
装置200、201を組み合わせることによって、情報
抽出時に同期取得する装置である。
【0105】情報抽出部301は、情報抽出部300と
は別の方法によって情報抽出するものである。情報抽出
部300で抽出された情報は、同期情報として、情報抽
出部301に送られ、別の情報多重化方法で多重化され
た副情報を抽出する場合における同期取得に利用され
る。
【0106】上記実施例において、1つの情報多重化済
み処理単位に対して、情報抽出処理がT回(たとえば6
4回)行なわれ、多重化されている1ビット副情報を、
順次、出力する。なお、Tは、情報多重化したときに、
各処理単位に多重化された副情報のビット数である。
【0107】副情報再構成部90は、情報多重化済み処
理単位に埋め込まれている副情報を構成するビット群
を、1ビットずつ順次入力し、複数回入力される各ビッ
トを多数決処理し、誤り訂正等の処理を行うことによっ
て、副情報を構成する各ビットを決定し、副情報を再構
成するものである。
【0108】副情報を構成するビットを1ビット抽出す
る毎に、副情報再構成部90内の副情報書き込みヘッダ
を、予め定めた方法で制御する。
【0109】上記処理を、全ての情報多重化済み処理単
位に対して行ない、副情報が再構成される毎に、また
は、情報多重化済み音声全体に対して処理が終了した後
に、副情報を出力する。
【0110】以上の動作が、上記実施例における情報抽
出処理である。
【0111】オーデイオコンテンツにおいて、各チャネ
ルの音圧バランスは、基本的には中央に定位するように
設定されている。これを微妙にずらすことによって副情
報を埋め込むことが、本発明の基本的なアイデアであ
る。具体的には、たとえばチャネル数が2の撮合、透か
し情報のビット列に応じて左右のチャネルの音圧バラン
スを、ある定められた規則に従って変更し、「1」か
「0」を埋め込む。もっとも単純な規則としては、
「1」を埋め込むときは、音源定位を右に、「0」を埋
め込むときは、音源定位を左に移動することが考えられ
る。この場合、より自然に定位位置の移動を行うので、
埋め込む透かし情報のビット毎に、音源定位を一旦中央
に寄せる。このことが、透かし情報を取り出すための同
期信号ともみなされる。
【0112】透かし情報の読み取りは、原音データの音
圧バランスと透かし情報埋め込み後のデータとの音圧バ
ランスを比較し、原音と比べて左右どちらに音源定位が
シフトしているかを判別し、埋め込み時の変更規則と照
らし合わせて、副情報を読み取る。
【0113】図25は、上記実施例において、クラシッ
ク音楽のオーディオデータ(16bit,44.1Kh
z,stereo)にビットレート約690bit/s
で8byteの透かし情報を埋め込んだ場合におけるS
NRを示す図である。
【0114】ここでいう「埋め込み強度」は図8におけ
る振幅を指す。具体的には、埋め込み強度をα、左右の
チャネルのサンプル値をL、R、変更後のサンプル値を
L’、R’としたときに、L/R R’/Lが1±αの
範囲を動くことを意味する。また、「定位曲線」は図8
における波形の形状に相当する。この実験では図8と同
様のsin曲線、正規分布、矩形波の3通りを試した。
【0115】かなり高いビットレートにも関わらず、α
=0.0005程度ならば十分な音質を保っている。ま
た、α=0.005だと数字の上のSNRはかなり悪い
が、注意深く聴き比べないと違いがわからない程度であ
る。
【0116】定位曲線の違いによる特色も興味深い。s
in曲線は埋め込み単位毎の音源定位の変化量が大きく
なるので、SNRはそれほど良くないが、同期のタイミ
ングを正確に取ることが可能である。正規分布曲線の場
合は、その逆で、SNRは良いが同期取得は雑になって
しまう。したがって、電子透かしの用途ごとに異なる要
求条件にうまく適合する定位曲線を選択する必要があ
る。
【0117】上記実施例を著作権保護システム等に利用
することによって、従来の方式よりもディジタル情報コ
ンテンツの品質を向上させることができ、また、著作権
保護対策を強化させることができ、つまり、被多重化情
報の品質保持と多重化情報の存続率の向上の両方を図る
ことができる。
【0118】著作権保護情報を副情報とした場合、主情
報と分離困難な形で著作権保護情報が埋め込まれるの
で、主情報が不正にコピーされた場合、源を追跡するこ
とができ、したがって、主情報の不正コピーを防止する
ことができる。
【0119】また、上記実施例において、サンプル値を
操作してもよく、また、周波数成分値を操作してもよ
く、速度重視、耐性重視という要求条件に応じて、柔軟
に利用することができる。つまり、一般的には、サンプ
ル値を操作した場合、その処理速度が速く、その耐性が
低くなり、一方、周波数成分値を操作した場合、その処
理速度が遅く、その耐性が高くなる傾向にあり、したが
って、耐性、速度のいずれを優先するかによって、サン
プル値を操作するか、周波数成分値を操作するかを決定
すればよい。
【0120】また、処理単位に対して周波数変換を行う
場合も、上記と同様の処理が可能である。この場合、所
定の処理単位バッファ31におけるチャネル間の値の比
を変化させることは、特定周波数成分の定位を変化させ
ることに相当する。この場合の埋め込み規則として、周
波数変換を行わない場合と同様のものを使うことができ
るが、処理単位バッファ31内の値の意味するところが
異なるので注意を要する。また、情報多重化済処理単位
に対して周波数変換を行う場合も同様の処理が可能であ
る。当然、抽出に用いる規則は、周波数変換に対応する
ものを用いる必要がある。
【0121】上記実施例によれば、マルチチャネル音声
データの各チャネル間におけるサンプル値または周波数
成分値の比を変更する(マルチチャネル音声データの定
位を操作する)ことによって、副情報を埋め込むので、
スピーカの設置位置等の再生環境による影響が大きく、
従来方法に比べ音質の劣化を知覚されにくく、この知覚
されにくいために、より高いビットレートで副情報を埋
め込むことができる。また、情報多重化時に用いた乱数
の初期値がなければ、副情報の取り出しができない。
【0122】つまり、上記実施例は、静止画や動画には
ない音声の特徴である「マルチチャネル性」を利用した
ものであり、複数のチャネルを持つ音声の場合、チャネ
ル間の音量バランスの変化によって、音が聞こえてくる
方向が変化するが、これは再生音声を聞いている人間の
位置、スピーカ等の音源の設置条件によっても大きく変
化するので、上記音量バランスの変化を知覚されにく
い。
【0123】また、上記実施例によれば、各チャネル間
におけるサンプル値または周波数成分値の比を変更する
場合、上記比における所定の変更パターンを同期信号と
して用いるので、音声(主情報)の圧縮/伸長や、部分
的な切り取りに対して、副情報の耐性が高められる。
【0124】さらに、副情報に誤り訂正符号を適用する
ことによって、音声の圧縮・編集に対して、耐性を持た
せることができる。
【0125】そして、人間の聴覚が音源定位の変化に対
して鈍感であるので、変調の余裕を確保することがで
き、たとえば振幅変調を利用する場合、多値変調が可能
であり、より多〈の副情報を主情報に埋め込むことがで
きる。
【0126】上記実施例において、主情報が2チャネル
ステレオ音声/音楽情報であれば、音源定位の変化は一
次元であり、主情報が4チャネルステレオ音声/音楽惰
報であれば、音源定位の変化は二次元であり、主情報が
6チャネルステレオ音声/音楽情報であれば、音源定位
の変化は三次元である。なお、主情報が奇数チャネルの
音声/音楽情報であってもよく、主情報が7チャンネル
以上の音声/音楽情報であってもよい。つまり、奇数チ
ャネルのうちの任意のチャネルを組み合わせて定位情報
を伝達することができる。すなわち、主情報は、複数チ
ャネルの音声/音楽情報であればよい。
【0127】「電子透かし」は、人間には知覚できな
い、または知覚しにくい副情報を主情報に埋め込むこと
である。したがって、副情報(埋め込まれる情報)とし
て、どのような情報をも使用することができる。たとえ
ば、主情報として楽曲を想定した場合、主情報を再生し
ながら、埋め込まれた歌詞(副情報)を表示するように
してもよい。
【0128】また、情報重化済みであることを示す識別
情報を、副情報に付加するようにしてもよい。このよう
にすることによって、同一方式の電子透かしが重複して
埋め込まれることを防止することができる。
【0129】なお、「空間音響」(イェンスブラウエル
ト、森本政之、後藤敏幸編著、鹿島出版会)の39頁図
2.27には、チャネル間の時間差(位相差)と音源の
定位(方位角)との関係が示されている。また、同文献
74頁には複数チャネル間の音圧(レベル)差およびレ
ベルの大きさとチャネル間の時間差(位相差)とが示さ
れ、上記実施例において、これらの関係を用いて、主情
報のチャネル間の音圧(レベル)差、位相差、またはそ
の両方に基づいて、複数チャネル間の音源定位を変化さ
せることができ、また、受信した複数チャネル信号の主
情報のチャネル間の音圧(レベル)差、位相差、または
その両方に基づいて、音源定位情報を抽出することがで
きる。
【0130】つまり、複数のチャネルを持ち、主情報と
してのディジタル音声信号に、上記主情報とは異なる副
情報を多重化する情報多重化方法または装置において、
上記複数のチャネルのうちの1つのチャネルにおける主
情報と、上記複数のチャネルのうちの他のチャネルにお
ける主情報との間で、上記副情報に応じた位相差を与え
るようにしてもよい。上記のように、1つのチャネルに
おける主情報と、他のチャネルにおける主情報との間に
おける位相差を、副情報に応じて与える場合、処理単位
変更部33において上記位相差を与えればよい。この具
体的な方法については、上記「空間音響」(イェンスブ
ラウエルト、森本政之、後藤敏幸編著、鹿島出版会)の
39頁図2.27に開示されているチャネル間の時間差
(位相差)と音源の定位(方位角)との関係に応じて実
行すればよい。
【0131】上記実施例は、 複数のチャネルのうちの1つのチャネルにおける主
情報の音圧と他のチャネルにおける主情報の音圧との比
を、副情報に応じて変更する実施例 複数のチャネルのうちの1つのチャネルにおける主
情報の周波数成分と、他のチャネルにおける主情報の周
波数成分との比を、副情報に応じて変更する実施例 複数のチャネルのうちの1つのチャネルにおける主
情報と、上記複数のチャネルのうちの他のチャネルにお
ける主情報との間で、副情報に応じた位相差を与える実
施例であるが、これら〜の実施例のそれぞれを、情
報多重化方法、情報多重化装置として把握することがで
き、また、情報抽出方法、情報抽出装置としても把握す
ることができ、〜の実施例について情報多重化装置
と情報抽出装置とによって構成される情報伝達システム
としても把握することができる。
【0132】
【発明の効果】本発明によれば、人間には知覚されずに
情報多重化する場合、主情報の品質の低下が少ないとい
う効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である情報多重化装置100
の入出力関係を示すブロック図である。
【図2】上記実施例における情報埋め込みパラメタの一
例を示す図である。
【図3】情報多重化装置100を具体的に示すブロック
図である。
【図4】上記実施例における副情報バッファ23の構成
を示す図である。
【図5】上記実施例における値変更部30の構成を示す
ブロック図である。
【図6】上記実施例における主に処理単位変更部33の
構成例を示す図である。
【図7】上記実施例において、副情報に応じて時間軸上
の特定タイムスロットにおいて、音源定位を離散的に変
化させる例を示す図である。
【図8】上記実施例において、正弦波で変化する音源定
位の変化に対して副信号の入力によって180度位相変
調をかける例を示す図である。
【図9】上記実施例において、窓関数としてサインカー
ブを選び、埋め込む副情報のビット1と0とに応じて、
窓関数の振幅を変える例を示す図である。
【図10】上記実施例において、正弦波で変化する音源
定位の変化に対して、副信号の入力の有無によって振幅
変調する場合を示す図である。
【図11】情報多重化装置100の動作を示すフローチ
ャートである。
【図12】本発明の他の実施例である情報抽出装置20
0の入出力関係を示す概略図である。
【図13】情報抽出装置200を具体的に示すブロック
図である。
【図14】情報抽出部300におけるビット情報抽出部
80の具体例2を示すブロック図である。
【図15】情報抽出部300におけるビット情報抽出部
80の具体例2を示すブロック図である。
【図16】情報抽出装置200の動作を示すフローチャ
ートである。
【図17】本発明の他の実施例である情報多重化装置1
00Aを示す図である。
【図18】情報多重化装置100Aにおける値変更部3
0Aを示すブロック図である。
【図19】情報多重化装置100Aにおける値変更部3
0Aを示すブロック図である。
【図20】本発明の他の実施例である情報抽出装置20
0Aを示すブロック図である。
【図21】副情報の埋め込み方式を鍵として利用する情
報抽出部300Aにおけるビット情報抽出部80Aを示
すブロック図である。
【図22】情報抽出部300Aにおけるビット情報抽出
部80A内の値比較部85を具体的に示すブロック図で
ある。
【図23】本発明の他の実施例である情報多重化装置1
00Bを示す図である。
【図24】本発明の別の実施例である情報抽出装置20
0Bを示すブロック図である。
【図25】上記実施例において、クラシック音楽のオー
ディオデータ(16bit,44.1Khz,ster
eo)にビットレート約690bit/sで8byte
の透かし情報を埋め込んだ場合におけるSNRを示す図
である。
【符号の説明】
100、100A、100B…情報多重化装置、 10…音声分解部、 20、20A、20B…情報多重化部、 21…入力パラメタ分解部、 23…副情報バッファ、 24…乱数生成部、 30、30A…値変更部、 40…音声再構成部、 200、200A…情報抽出装置、 60…音声分解部、 300、300A、301…情報抽出部、 70、70A…入力パラメタ分解部、 80…ビット情報抽出部、 85…値比較部、 90…副情報再構成部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高嶋 洋一 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日 本電信電話株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−85995(JP,A) 特開 平2−19049(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04J 7/00 - 7/02 H04J 9/00 H04J 15/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のチャネルを持ち、主情報としての
    ディジタル音声信号に、上記主情報とは異なる副情報を
    多重化する情報多重化方法において、 上記複数のチャネルのうちの1つのチャネルにおける主
    情報の周波数成分値と、上記複数のチャネルのうちの他
    のチャネルにおける主情報の周波数成分値との比を、上
    記副情報に応じて変更することを特徴とする情報多重化
    方法。
  2. 【請求項2】 複数のチャネルを持ち、主情報としての
    ディジタル音声信号に、上記主情報とは異なる副情報が
    多重化されている多重化情報から上記副情報を抽出する
    情報抽出方法において、 上記複数のチャネルのうちの1つのチャネルにおける主
    情報の周波数成分値と、上記複数のチャネルのうちの他
    のチャネルにおける主情報の周波数成分値との比に応じ
    て、上記副情報を抽出することを特徴とする情報抽出方
    法。
  3. 【請求項3】 複数のチャネルを持ち、主情報としての
    ディジタル音声信号に、上記主情報とは異なる副情報を
    多重化する情報多重化装置において、 上記複数のチャネルのうちの1つのチャネルにおける主
    情報の周波数成分値と、上記複数のチャネルのうちの他
    のチャネルにおける主情報の周波数成分値との比を、上
    記副情報に応じて変更することを特徴とする情報多重化
    装置。
  4. 【請求項4】 複数のチャネルを持ち、主情報としての
    ディジタル音声信号に、上記主情報とは異なる副情報を
    多重化し、上記副情報が多重化されている多重化情報か
    ら上記副情報を抽出する情報伝達システムにおいて、 上記複数のチャネルのうちの1つのチャネルにおける主
    情報の周波数成分値と、上記複数のチャネルのうちの他
    のチャネルにおける主情報の周波数成分値との比を、上
    記副情報に応じて変更する情報多重化装置と; 上記複数のチャネルのうちの1つのチャネルにおける主
    情報の周波数成分値と、上記複数のチャネルのうちの他
    のチャネルにおける主情報の周波数成分値との比に応じ
    て、上記副情報を抽出する情報抽出装置と; を有することを特徴とする情報伝達システム。
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