JP3351087B2 - Al−Mg−Si系合金板の製法 - Google Patents
Al−Mg−Si系合金板の製法Info
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Description
金板の製法に関し、特にMg,Mn,Siの様な合金元
素含有量の特定されたAl合金溶湯を使用し、これを連
続鋳造した後熱間圧延し、更に冷間圧延をなってAl−
Mg−Si系合金板を製造する際において、連続鋳造時
および熱間圧延後の冷却速度を規定すると共に、その後
に行なわれる冷間圧延後の熱処理条件を工夫することに
よって、プレス成形性や焼き付け塗装硬化性等の改善さ
れたAl−Mg−Si系合金板を製造する方法に関する
ものである。そして本発明によって得られるAl−Mg
−Si系合金板は、その優れた特性を生かして、自動車
等の車両用、家庭電化製品用等の外板材あるいは建築材
料等として幅広く活用することができる。
から冷延鋼板が使用されてきたが、最近、燃費節減、排
ガス低減などを目的とする車体の軽量化対策として、軽
量で比強度が高く且つ成形加工性にも優れたAl合金材
を使用する傾向が急速に高まっている。それらの中で
も、美観向上のため塗装処理して用いられることの多い
自動車用Al系合金板としては、焼き付け塗装硬化性に
優れたAl−Mg−Si系合金が注目を集めており、一
部で実用化が進められている。
ら一般的に実施されているのは、半連続鋳造法等によっ
て製造した鋳塊に面削処理や均質化熱処理を施した後、
熱間圧延、冷間圧延、焼鈍等を順次行なう方法であり、
この様な工程を経て製造される従来のAl合金板はプレ
ス成形性が良好であると共に、焼き付け塗装硬化性も良
好であり、需要者の要求を一応満足している。
と厳しくなってきており、軽量化を増進するため更に高
い強度を求める傾向があるばかりでなく、成形性や焼き
付け塗装硬化性においても一層の向上が望まれており、
更には生産性向上によるコストダウンの要求も次第に高
まってきている。
板の製造技術として、連続鋳造により移動帯板とした後
直ちに圧延工程に送って熱間圧延および冷間圧延を行な
う手法(以下、連鋳・直送圧延法ということがある)を
採用し、面削や均質化熱処理を省略する方法が検討され
ている(特開昭55−27497号、特公昭62−54
182号等)。この方法によれば、面削や均質化熱処理
の省略によるコストダウンが図れると共に、鋳造工程で
過飽和に固溶した固溶元素が均質化熱処理時に析出する
といったことも起こらなくなるため、固溶強化による高
強度化も増進されるといった利点を得ることができる。
採用される連続鋳造法として現在実用化されているの
は、水冷式連続鋳造法(固定式の水冷式連鋳鋳型から板
状に成形されて出てくる連鋳片を冷却水で直接冷却固化
し、連続的に鋳造する方法)、ハンターエンジニアリン
グ社で開発された双ロール鋳造法(回転する一対の冷却
ロール間に溶湯を供給し、該ロール間で冷却固化するこ
とにより連続的に鋳造する方法)、ハザレー社で開発さ
れたベルト式連続鋳造法(可動式の2つのベルト状冷却
部材の間に溶湯を供給し、該ベルト間で冷却固化させな
がら連続的に板状に鋳造する方法)、スイス・アルミニ
ウム社で開発されたブロック式連続鋳造法(可動式の2
つのブロック状冷却部材の間に溶湯を供給し、該ブロッ
ク間で冷却固化させながら連続的に板状に鋳造する方
法)などである。
れている連鋳・直送圧延法では、連続鋳造および熱間圧
延後に行なわれる冷間圧延工程で、加工割れなどを防止
するために350〜500℃程度の比較的低温で中間焼
鈍が行なわれるが、この中間焼鈍工程で、過飽和固溶元
素の析出が起こり、最終冷間圧延製品の高強度化を阻害
するという問題が生じてくる。しかも、得られるAl合
金板には、プレス成形時における耐割れ性や焼き付け塗
装硬化性において尚改善の余地が残されている。
着目してなされたものであって、その目的は、Al合金
溶湯を用いて連続鋳造した後熱間圧延し、更に冷間圧延
を行なってAl合金板を製造する際において、特に連続
鋳造、熱間圧延、冷間圧延および中間焼鈍の一連の工程
における過飽和固溶元素の析出を可及的に抑制し、最終
冷間圧延製品の強度を高めると共に、焼き付け塗装硬化
性やプレス成形性においても一層改善することのできる
方法を確立しようとするものである。
のできた本発明に係るAl−Mg−Si系合金板の製法
の構成は、 Mg:0.3〜1.0% Si:0.7〜1.5% Mn:0.1〜0.7% Cu:1.0%以下(0%を含む) Fe:1.2%以下(0%を含む) を含有すると共に、 Cr:0.1〜0.3%および/またはZr:0.1〜
0.3%を含み、且つMgとSiの含有量が下記(1)
式の関係を満たし、 Si≧(4/7)Mg+0.5……(1) 残部がAlおよび不可避不純物からなるAl合金溶湯
を、凝固時の冷却速度が R≧5で、且つR≧6([Fe]+[Si])+3 但し、R:凝固時の冷却速度(℃/sec) [Fe],[Si]:Al合金中のFe、Siの含有率
(%) を満足する条件で連続鋳造した後、該鋳片温度を熱間圧
延温度以上に保って熱間圧延し、熱間圧延後100℃/
分以上の速度で冷却し、さらに冷間圧延により所定の板
厚とした後、540〜570℃で溶体化処理を行ない、
次いで温水もしくは水で焼入を行なってから時効処理す
るところに要旨を有するものである。
の発明の実施について好ましい態様あるいは変形態様を
更に具体化して示すと、下記の通りである。 1.連続鋳造法としては、水冷式連続鋳造法、双ロール
式連続鋳造法、ベルト式連続鋳造法、ブロック式連続鋳
造法などを採用することができるが、連続鋳造から熱間
圧延工程への移行時期は、鋳片内部が固相線温度以下に
まで低下して完全に凝固した後にタイミングを合わせる
のが好ましい。 2.連続鋳造後に行なわれる熱間圧延の開始温度は35
0〜550℃の範囲が好ましい。 3.連続鋳造では、通常4〜30mm程度の肉厚の板状
鋳片が連続的に製造され、これを熱間圧延によって1〜
5mm程度に圧延した後、冷間圧延によって0.1〜1
mm程度の肉厚のAl合金板に圧延される。 4.本発明は、連続鋳造して得られる移動帯板を熱間圧
延温度以上に保って直ちに熱間圧延し、引き続いて、若
しくは一旦巻き取ってから冷間圧延工程へ送る所謂連鋳
・直送圧延方法に有利に適用されるが、この他連続鋳造
の後、一旦熱間圧延温度以上に保持し、鋳片温度が実質
的に降下しないうちに熱間圧延へ送って熱間圧延を行な
い、更に冷間圧延を行なう方法にも適用することができ
る。
Si系合金の成分組成を規定すると共に、連続鋳造を行
なう際における凝固時の冷却速度を規定し、その後直ち
に、あるいは一旦保持し鋳片温度が実質的に降下しない
うちに熱間圧延を行なってから所定の速度で冷却し、次
いで冷間圧延後適正な温度条件で溶体化処理を行ない、
次いで焼入れ及び時効処理を行なうものであり、こうし
た条件設定を行なうことにより、Al−Mg−Si系合
金の成分組成を適正に調整したこととも相まって、冷間
圧延製品の高強度化を達成すると共に、その後に行なわ
れる焼き付け塗装熱処理後の耐力を高め、更にはプレス
成形性時の耐割れ性等においても一段と優れたAl−M
g−Si系合金板を得ることに成功したものである。以
下、本発明で定めるAl−Mg−Si系合金の成分組成
および連続鋳造時や熱間圧延後の冷却条件などを含めた
製造条件について詳細に説明する。まず、本発明で使用
するAl−Mg−Si系合金の成分組成を定めた理由を
説明する。
であり、前述の様な外板材等として必要な強度を確保す
るには0.3%以上含有させなければならない。しかし
ながら含有量が多過ぎると、固溶しきれないMg量の増
大によって成形性を悪化させるので、1.0%以下に抑
えなければならない。Mgのより好ましい下限値は0.
6%、より好ましい上限値は0.9%である。
素であり、その添加効果を有効に発揮させるには0.7
%以上含有させなければならない。しかし含有量が多く
なり過ぎると、Si単晶の析出によってプレス成形性に
悪影響が表われるので、1.5%以下に抑えなければな
らない。Siのより好ましい下限値は0.9%、より好
ましい上限値は1.3%である。 Si≧(4/7)Mg+0.5……(1) 上記の様に本発明においてMgとSiは、Al合金中に
G.Pゾーンと称されるMg2 Si組成の集合体(クラ
スター)若しくは中間層を形成し、ベーキング処理によ
る硬化に寄与する重要な元素である。Mg2 Siは、M
gとSiの含有量が重量比で7:4の比率で結合したも
のであり、Al合金中に当該理論量のMgとSiが含有
されていれば、当該Al合金は硬質化すると考えられ
る。
ところによると、たとえ理論量のMgとSiが含まれて
いるからといって必ずしも十分な硬化が起こるとは限ら
ず、硬質化に十分な量のMg2 Siを生成させるために
は、理論量のMgとSi、即ちMg:Si=7:4に対
してSiを0.5重量%以上過剰に含有させなければな
らないことをつきとめた。これは、過剰に存在するSi
がG.P.ゾーンもしくは中間層の核として作用しMg
2 Siの析出を促進するためと考えられ、過剰Si量が
0.5重量%未満ではこうした効果が有効に発揮されな
い。Mg2 Siの生成による上記効果をより確実に達成
する上でより好ましいSiの過剰量は0.7重量%以上
である。
ことのできない元素であるばかりでなく、Al−Mn系
もしくはAl−Fe−Mn系晶出物を生成して加工性を
高める作用も有しており、これらの作用を有効に発揮さ
せるには少なくとも0.1%以上含有させなければなら
ない。しかしながら多くなり過ぎると、固溶しきれない
Mn量の増大により成形性を却って悪化させる傾向が現
れてくるので、0.7%以下に抑えなければならない。
−Cu系晶出物の生成によって強度を高める作用を有し
ているので、強度に対する要求度が高い場合には積極的
に含有させることが望ましい。しかし、多過ぎると成形
性に悪影響が現れてくるので1.0%以下に抑えなけれ
ばならない。強度と成形性のバランスを考えてより好ま
しいCuの含有率は0.4〜0.9%の範囲である。
に強度を高める作用を有しているので、強度に対する要
求度が高い場合には積極的に含有させることが望まし
い。しかし、多過ぎると成形性に悪影響が現れてくるの
で1.2%以下に抑えなければならない。強度と成形性
のバランスを考えてより好ましいFeの含有率は0.1
〜0.5%の範囲である。
r:0.1〜0.3% CrおよびZrは、何れも結晶粒微細化元素としての作
用を有しており、それらの効果を有効に発揮させるに
は、何れか一方もしくは両方を下限値以上含有させなけ
らばならない。しかし、それらの含有量が上記上限値を
超えると、不溶性金属化合物が生成して成形性に悪影響
が表われてくる。
と不可避不純物からなるものであり、不可避不純物とし
てはNi,Zn,V,Ti,Li等が例示されるが、そ
れらは不可避不純物量である限り、本発明で意図する性
能を確保する上で格別の障害になることはない。次に、
上記Al−Mg−Si系合金を用いた連続鋳造、熱間圧
延、冷間圧延などの各条件について説明する。
るAl−Mg−Si系合金溶湯を使用し、凝固時の冷却
速度が下記(2),(3)式 R≧6([Fe]+[Si])+3……(2) R≧5……(3) 但し、R:凝固時の冷却速度(℃/sec) [Fe],[Si]:Al合金中のFe、Siの含有率
(%) を同時に満足する条件で連続鋳造された移動帯板を直ち
に熱間圧延工程へ送り、あるいは連続鋳造された鋳片
を、熱間圧延温度以上に調整して熱間圧延工程へ送って
熱間圧延し、熱間圧延後100℃/分以上の速度で冷却
し、更に冷間圧延により所定の板厚とした後、540〜
570℃で溶体化処理を行ない、次いで温水もしくは水
で焼入を行なってから時効処理するところに製法として
の特徴を有している。
と、最終圧延製品の強度や絞り加工性は、Al合金中に
含まれるFeおよびSiの含有率をパラメータとして連
続鋳造時における凝固時の冷却速度をうまくコントロー
ルすることによって著しく高められ、該凝固時の冷却速
度が前記(2)式と(3)式を同時に満たす様に設定す
ることが重要であることを知った。
続鋳造工程とその後の圧延並びに溶体化処理条件が影響
するが、特にAl合金中のFeおよびSiは連続鋳造時
に粗大晶出物を生じる原因となり、それらは最終圧延製
品の前述の様な特性に悪影響を及ぼす。ところが、連続
鋳造における凝固時の冷却速度を前記(2)式と(3)
式の条件を満たす様に設定してやれば、FeやSiに由
来する粗大晶出物の生成が阻止され、その後の熱間圧延
後の冷却速度や冷間圧延時の溶体化処理条件の設定とも
相まって、最終圧延製品の前記特性を著しく高めること
ができるのである。
推奨範囲は、図1に示される如く、[Fe]+[Si]
の値が0.33%以下のときは式(3)によって、また
[Fe]+[Si]の値が0.33%超のときは式
(2)によって規定されることを意味する。
速度を上記の様に規定すると、強制固溶によって連続鋳
造組織中のFeやSiに由来する晶出物量が減少すると
共に、該晶出物サイズは平均サイズで2μm程度以下に
微細化され、プレス成形性が著しく高められる。しか
し、連続鋳造時における凝固時の冷却速度が上記速度条
件未満の低速になると、不溶性化合物の析出量が増大す
ると共にそのサイズも粗大となって満足の行くプレス成
形性が得られなくなるばかりでなく、FeやSiによっ
てもたらされる固溶強化効果も不十分になって満足の行
く強度も達成できなくなる。
れる熱間圧延では、100℃/分以上の速度で冷却する
ことが必要であり、こうした急速冷却を採用することに
よって、熱間圧延後の冷却中の過飽和固溶成分の析出が
抑えられて過飽和固溶量が保たれ、結果として固溶強化
により高強度化を達成することが可能となる。ちなみに
熱間圧延後の冷却速度が100℃/分未満の低速になる
と、過飽和固溶成分の析出が起こって固溶強化による高
強度化の目的が達成できなくなる。
とした後、540〜570℃で溶体化処理を行ない、次
いで温水もしくは水で焼入を行なってから時効処理が行
なわれる。このときの溶体化処理温度を上記の様に定め
たのは、溶体化処理時における固溶元素の析出を抑えて
十分な過飽和固溶量を保ち、強度を高めると共に、固溶
元素量の増大によって焼き付け塗装硬化性を高めるため
である。ちなみに溶体化処理温度が540℃未満では、
溶体化処理中に析出が起こって強度低下を生じるばかり
でなく、焼き付け塗装硬化性向上効果も不十分となり、
一方、570℃を超える高温になると、結晶粒が粗大化
すると共に共晶溶融によるバーニングを起こし、プレス
成形性が悪化する。
を用いた焼入れの後時効処理を行なうことにより、高強
度で且つプレス成形性および焼き付け塗装硬化性の非常
に優れたAl−Mg−Si系合金板を得ることができ
る。このときの焼入条件や時効熱処理条件は特に限定さ
れないが、好ましい条件として示すならば、焼入れ条件
としては水冷焼入を、また好ましい時効熱処理条件は1
50〜200℃で10分〜8時間程度である。
系合金の成分組成を特定すると共に、該合金溶湯を用い
た連続鋳造における凝固時の冷却速度およびその後の熱
間圧延時の冷却速度、更にはその後の冷間圧延後の溶体
化処理条件を設定したところに特徴を有するものであ
り、その他の条件には格別の制限はないが、その他の好
ましい条件等について説明すると下記の通りである。
に熱間圧延工程へ送り、或は連続鋳造された鋳片を、熱
間圧延温度以上に調整してから熱間圧延工程へ送って熱
間圧延し、引き続いて、若しくは一旦巻き取ってから冷
間圧延工程へ送る方法を採用し、連鋳片の保有熱を有効
に活用して熱間圧延を行なうものであり、それにより、
連続鋳造後一旦巻き取り、冷却してから熱間圧延を行な
う方法に比べて熱ロスが少なく、且つ生産性を高める上
でも効果的である。尚、ここで採用される連続鋳造法と
しては、前記した様な水冷式連続鋳造法、双ロール式連
続鋳造法、ベルト式連続鋳造法、ブロック式連続鋳造法
などを適宜選択して採用することができる。
度は350〜550℃、より好ましくは400〜500
℃の範囲であり、また熱間圧延終了温度は150〜28
0℃、より好ましくは210〜260℃の範囲である。
また本発明を実施するに当たっては、連続鋳造によって
通常4〜30mm程度の肉厚の板状鋳片を連続的に製造
し、これを直ちに熱間圧延することにより肉厚を1〜5
mmとし、更に冷間圧延することによって0.1〜1m
m程度の肉厚のAl合金製品板が製造される。
より下記実施例によって制限を受けるものではなく、前
後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施
することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の
技術的範囲に含まれる。
冷却速度が18℃/secの速度で20mmの板厚に連
続鋳造し、その後直ちに圧延開始温度を450℃、終了
温度を270℃として直送熱間圧延を行ない、5mm厚
の熱延板を作製した。尚、熱間圧延後の冷却には水ミス
ト噴霧を採用し、200℃/分の冷却速度を確保した。
その後、1mmまで冷間圧延し、急速加熱により560
℃で1分の溶体化処理を行なった後、水焼入れを行なっ
た。尚、表1におけるNo.17,18は、従来法によ
って製造したものである。
験を行なった。また上記水焼入れの直後に170℃×2
0分の時効処理を行ない、得られた時効処理材の引張り
試験を行なって0.2%耐力を測定した。結果は表2に
示す通りであり、本発明の規定要件を全て満足する実施
例では、エリクセン値および0.2%耐力のいずれにお
いても高い値が得られており、プレス成形性が良好で且
つ時効熱処理後の強度も高く、焼入れ塗装硬化性に優れ
たものであることが分かる。
解した後、同表に示す凝固時の冷却速度で20mmの板
厚に連続鋳造した後、これを直ちに圧延開始温度を50
0℃、終了温度を320℃に設定して直送熱間圧延を行
ない、200℃/分の速度で冷却して5mm厚の熱延板
を作製した。その後1mmまで冷間圧延し、急速加熱し
て560℃で1分間の溶体化処理を行なってから水焼入
れを行ない、該焼入れ材のエリクセン試験を行なった。
の時効熱処理を行ない、該時効熱処理材の引張り試験を
行なって0.2%耐力を測定した。結果は表4に示す通
りであり、実施例で得たものは比較例で得たものに比べ
てエリクセン値が高く、プレス成形性に優れており、ま
た時効熱処理後の0.2%耐力も高く焼付け塗装硬化性
にも非常に優れたものであることが分かる。
l合金を溶解した後、凝固時の冷却速度を15℃/se
cで20mmの板厚に連続鋳造した後、これを直ちに熱
間圧延開始温度を500℃、終了温度を320℃に設定
して直送熱間圧延を行ない、熱間圧延後直ちに表5に示
す速度で冷却して5mm厚の熱延板を作製した。その後
1mmまで冷間圧延し、急速加熱して表5に示す条件で
溶体化処理を行なってから水焼入れを行ない、該焼入れ
材のエリクセン試験を行なった。
の時効熱処理を行ない、該時効熱処理材の引張り試験を
行なって0.2%耐力を測定した。結果は表6に示す通
りであり、実施例で得たものは比較例で得たものに比べ
てエリクセン値が高く、プレス成形性に優れており、ま
た時効熱処理後の0.2%耐力も高く焼付け塗装硬化性
にも非常に優れたものであることが分かる。
分組成の特定されたAl−Mg−Si系合金を使用し、
連続鋳造された移動帯板を直ちに熱間圧延工程へ送り、
あるいは連続鋳造された鋳片を、熱間圧延温度以上に調
整してから熱間圧延工程へ送って熱間圧延し、更に冷間
圧延を行なってAl合金板を製造するに際し、特に連続
鋳造時および熱間圧延後の冷却速度を規定すると共に、
冷間圧延工程で所定条件の溶体化熱処理を加えることに
よって過飽和固溶元素の析出を可及的に抑制し、最終冷
間圧延製品の強度を高めると共に、プレス加工性や焼付
け塗装硬化性の非常に優れたAl−Mg−Si系合金板
を製造し得ることになった。
速度条件を示すグラフである。
Claims (3)
- 【請求項1】Mg:0.3〜1.0%(重量%を意味す
る、以下同じ) Si:0.7〜1.5% Mn:0.1〜0.7% Cu:1.0%以下(0%を含む) Fe:1.2%以下(0%を含む) を含有すると共に、 Cr:0.1〜0.3%および/またはZr:0.1〜
0.3%を含み、且つMgとSiの含有量が下記(1)
式の関係を満たし、 Si≧(4/7)Mg+0.5……(1) 残部がAlおよび不可避不純物からなるAl合金溶湯
を、凝固時の冷却速度が R≧5で、且つR≧6([Fe]+[Si])+3 但し、R:凝固時の冷却速度(℃/sec) [Fe],[Si]:Al合金中のFe、Siの含有率
(%) を満足する条件で連続鋳造した後、該鋳片温度を熱間圧
延温度以上に保って熱間圧延し、熱間圧延後100℃/
分以上の速度で冷却し、さらに冷間圧延により所定の板
厚とした後、540〜570℃で溶体化処理を行ない、
次いで温水もしくは水で焼入を行なってから時効処理す
ることを特徴とするAl−Mg−Si系合金板の製法。 - 【請求項2】 連続鋳造された移動帯板を直ちに熱間圧
延工程へ送る請求項1記載の製造方法。 - 【請求項3】 連続鋳造された鋳片を、熱間圧延温度以
上に調整して熱間圧延工程へ送る請求項1に記載の製造
方法。
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- 1994-03-17 JP JP04726394A patent/JP3351087B2/ja not_active Expired - Fee Related
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