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JP3339632B2 - 積層金属帯の製造方法および積層金属帯 - Google Patents

積層金属帯の製造方法および積層金属帯

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JP3339632B2
JP3339632B2 JP2000275264A JP2000275264A JP3339632B2 JP 3339632 B2 JP3339632 B2 JP 3339632B2 JP 2000275264 A JP2000275264 A JP 2000275264A JP 2000275264 A JP2000275264 A JP 2000275264A JP 3339632 B2 JP3339632 B2 JP 3339632B2
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metal
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健太郎 矢野
昇 花井
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日立金属株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は強固に接合可能な積
層金属帯の製造方法および積層金属帯に関する。
【0002】
【従来の技術】真空槽内で圧延を利用して圧着接合する
ことにより積層金属帯を製造する方法の第一の方法とし
て、特公平7-55384号に示されるように、常温の真空雰
囲気を用いて被接合金属帯表面をイオンエッチング処理
により活性化し、圧延法を用いて低い圧下率での圧着接
合する方法がある。この第一の利点としては、常温での
圧着法を用いるため、圧着接合界面に合金(拡散)層を生
成し難く、合金(拡散)層の形成で積層金属帯の特性が著
しく劣化するような極薄板用途の製造方法として好適と
なる。また、第二の利点としては、真空雰囲気にて積層
圧着せしめるため、接合面に気体巻き込みによるまたは
金属酸化物に起因する接合欠陥も無くなり、その結果、
積層圧着後の積層金属帯の接合強度の高い複合材料を得
ることができるため、加工性の優れた積層金属帯を製造
できる点で優れたものである。第二の方法として、特開
平1-133689号に示される加熱圧延法がある。これは、真
空もしくは調整雰囲気中で、重ね合わせた異種金属を室
温〜1400℃の任意の温度に加熱した後、圧延することに
より積層金属帯を製造する方法である。この方法は、溶
接工程が不要であり、高速で強固に接合できるため、生
産効率が良い。また、設備が比較的単純で、設備費が低
いなどの利点がある。
【0003】一方、第三の方法として低圧拡散接合法が
提案されている。これは、例えば特開昭60-27481号に
は、継手の接合方法として、接合されるAlとTiを資料交
換室から挿入し、清浄面処理室に搬送機で搬送し、接合
表面に形成された酸化層をスパッタリング(ドライエッ
チ)して、酸化層を除去した後、搬送機でターゲット装
置前に移動し、ZnやMg等をスパッタリングでコーティン
グし、更にそのZnやMg等の蒸発を防止するSi等の蒸発防
止膜をスパッタリングでコーティングし、更に拡散炉に
移動させ、AlとTiを重ね合せる接合方法が開示され、清
浄面処理室や拡散炉を搬送機で搬送可能な比較的小さな
物品の接合方法としては適している。また、更に第四の
方法として特開平7-214344号には、三枚以上の板状の材
料の一部または全部の接合面を同時にスパッタリングで
活性化な金属薄膜を形成するか、不活性ガスまたは金属
粒子のビームを照射して汚染層を除去するなどした後、
被接合面同士を接触することで積層材を得る装置が開示
され、これらの方法は比較的小さな板状の材料の接合に
適している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述第
一の方法におけるイオンエッチングは、エッチングの速
度が遅く、かつ強固に接合させるには酸化層厚さ以上の
エッチング量が必要であるため、生産性が悪いだけでな
く、更にこの方法では、同種または異種の金属または合
金でなる二層構造の積層金属帯を製造する方法に限定さ
れるため、一度に三層以上の構造を有する積層金属帯を
製造する方法には適さない。また、上述第二の方法は接
合前に加熱するため、例えば被接合金属が、厚さ10μm
の銅箔などでは、素材の軟化、膨張係数の違いなどによ
り、しわを生じやすく、コイルでの製造は困難であり、
生産性が悪い。
【0005】更に、第三の方法は、搬送機で搬送可能な
継手のような比較的小さな物品の接合には適している
が、接合する物品の酸化層を除去し、更にスパッタリン
グで、ターゲットを少なくとも一回交換してコーティン
グ層を二層形成して、更に拡散炉に搬送して接合するも
ので、生産性は良くなく、特に連続して帯状の積層金属
を製造するのは困難である。更に第四の方法も比較的小
さな板状の接合には適しているものの、帯状のような長
い材料の接合には不向きであり、例えば、第四の方法で
帯状の金属材料同士を連続して接合するのは極めて困難
である。本発明は、工業的に十分実用可能な技術の範囲
で、即ち、低い圧延率でも同時に三層以上の構造の積層
金属帯を連続生産する方法と、積層金属帯を提供するこ
とを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、真空槽内で
行う圧着法の利点を活かしながら、より生産性を向上で
き、更に同時に三層以上構造の積層金属帯を得ることが
可能な製造方法について鋭意検討を行った結果、乾式成
膜法により新たな金属層を形成することで生産性を大き
く改善でき、さらに加熱することで強固に接合すること
を見いだし、本発明に到達した。
【0007】すなわち本発明は、真空槽内で、第一の金
属帯の被接合表面と第二の金属帯の被接合表面の少なく
とも一方の面側に、乾式成膜法により前記第一の金属帯
もしくは前記第二の金属帯と同種、もしくは異種のエッ
チングバリア層となる第三の金属層を付着形成させた
後、前記第一の金属帯と第二の金属帯とを圧着する積層
金属帯の製造方法である。また、本発明は、真空槽内
で、第一の金属帯の被接合表面と第二の金属帯の被接合
表面の少なくとも一方の面側に、乾式成膜法により前記
第一の金属帯もしくは前記第二の金属帯と同種、もしく
は異種の第三の金属層を付着形成させた後、前記第一の
金属帯と第二の金属帯とを圧接し、次いで加熱拡散処理
を行うことを特徴とする積層金属帯の製造方法である。
【0008】また本発明は、真空槽内で、第一の金属帯
の被接合表面と第二の金属帯の被接合表面の少なくとも
一方の面側に、乾式成膜法により前記第一の金属帯及び
前記第二の金属帯とは異種のエッチングバリア層となる
第三の金属層を付着形成させた後、前記第一の金属帯と
第二の金属帯とを圧着接合する積層金属帯の製造方法で
ある。 更に本発明は、真空槽内で、第一の金属帯の被接
合表面と第二の金属帯の被接合表面の少なくとも一方の
面側に、乾式成膜法により前記第一の金属帯及び前記第
二の金属帯とは異種のエッチングバリア層となる第三の
金属層を付着形成させた後、前記第一の金属帯と第二の
金属帯とを圧着接合させ、次いで加熱拡散処理を行う積
層金属帯の製造方法である。好ましくは上述の乾式成膜
法として物理蒸着法で行う積層金属帯の製造方法であ
る。また、本発明は第一の金属帯と第二の金属帯との間
に乾式成膜層を有する積層金属帯であり、本発明の第五
は、前述の乾式成膜層と第一の金属帯の間、乾式成膜層
と第二の金属帯の間の何れか一方若しくは両方には、拡
散層が形成されている積層金属帯である。好ましくは、
乾式成膜層は第一の金属帯及び第二の金属帯とは異種の
金属層である積層金属帯である。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の重要な特徴は、帯状の金
属材料を真空槽中で乾式成膜した金属を介して圧接する
こと、及びそれに加熱拡散熱処理を組み合わせることに
ある。乾式成膜した金属は、活性であり圧接することに
より接着させることができる。圧接する方法としては、
少なくとも加圧できれば良い。たとえば、ロールによる
圧下や、圧延等が適用できる。また、加熱拡散処理を組
み合わせるのは、乾式成膜だけの圧接力では接合力が十
分でない場合があり、より強固な接合を得るためであ
る。圧延等のみで接合力を高める場合には、圧下率を高
める必要があるが、こうなると、しわや変形が生じやす
いため、加熱拡散処理を組み合わせることが望ましいの
である。
【0010】以下に本発明を詳しく説明する。本発明で
は、まず、乾式成膜法により第一の金属帯もしくは第二
の金属帯と同種、もしくは異種のエッチングバリア層と
なる第三の金属を第一、第二の金属帯の被接合面に一方
若しくは両方に付着形成させ、第三の金属層とする。第
三の金属の付着形成は、第一の金属帯の被接合面側と第
二の金属帯の被接合面側の何れかの表面、若しくは両方
の表面に対して行い、上述の第一の金属帯の被接合面側
と第二の金属帯の被接合面側の何れかの表面に付着形成
すれば、その後に施す圧着接合で強固に接合できるが、
例えば接合をより強固にしようとすれば、両方の金属帯
の接合面に第三の金属を付着形成すれば良い。
【0011】このとき、第三の金属層だけを異種の金属
または合金とすれば、例えば、選択エッチングする用途
の材料として好適となる。また、第三の金属を、第一の
金属帯または第二の金属帯の何れかと同種の金属または
合金とすれば、二種類の材質による積層金属帯を容易に
得ることができ、例えば熱膨張率の異なる二種類の材質
によるバイメタル材、熱的電気的特性の異なる二種類の
材質によるリードフレーム材、電池用部品などに適用で
きる。更に、第一の金属帯、第二の金属帯が異種の場
合、第三の金属も第一の金属帯、第二の金属帯とは異な
る金属または合金とすると、一度に三種類の金属層でな
る三層以上の構造を有する積層金属帯を得ることがで
き、例えば、耐食性、電気特性、耐候性などが異なった
三種類の材質により構成される電池用材料などに適用可
能となる。
【0012】この本発明の積層金属帯(9)は、例えば図
1に断面顕微鏡写真、模式図として示すように、第一の
金属帯(4)と第二の金属帯(5)に挟まれるエッチングバリ
ア層となる第三の金属層(乾式成膜層)(11)を有する構造
となる。なお、本発明で言う積層金属帯とは、第一の金
属帯と第二の金属帯に挟まれた第三の金属層(乾式成膜
層)の構造を有するものを指し、同種の金属または合金
の組合わせであっても、本発明でいう積層金属帯と言
う。また、これに後述するような加熱拡散処理を施せ
ば、第三の金属層(乾式成膜層)を構成する金属と第一の
金属帯の間、乾式成膜層と第二の金属帯の間の何れか一
方若しくは両方には、拡散層が形成される。なお、加熱
拡散処理条件によっては、乾式成膜層や積層金属帯全体
に拡散層が形成されることはいうまでもない。
【0013】また、これまで述べた方法では、第三の金
属は一種のものを付着形成するものとして説明したが、
例えば、第一の金属帯と、第二の金属帯に、それぞれ異
なる金属または合金を付着形成することも可能であり、
第三の金属層(乾式成膜層)を異種金属で構成することも
できる。
【0014】本発明では、第三の金属を付着形成して層
とするが、このときの層の厚みを10μm以上に過剰に厚
くしようとすると、乾式成膜に要する時間が増えて生産
性を低下する場合があるので、望ましくは、10μm未満
(0は含まない)の範囲で付着形成すると良く、生産性と
第三の金属層に求められる特性が、例えば選択エッチン
グ時のエッチングバリアとすれば、3μm以下の厚みで十
分である。もし、第三の金属層を厚くしなければならな
い場合は、最初に第一の金属帯または第二の金属帯の何
れかの金属帯を第三の金属と同種の金属または合金で形
成した積層帯を製造した後、これを第一または第二の金
属帯として用いることもできる。勿論、第一の金属帯と
第二の金属帯に積層された金属帯を用いても良い。
【0015】本発明でいう乾式成膜法は、物理蒸着や化
学蒸着法など、気相やプラズマを利用した乾式の成膜方
法全般のことである。この中には真空蒸着法は勿論、イ
オンプレーティングのように真空で加熱し蒸発させたも
のをイオン化、加速して成膜する方法や、スパッタのよ
うに気体イオンをぶつけて所望の原子をたたき出し成膜
する方法や、特殊なるつぼを用い、ある特定の材料を分
子線状に引き出して蒸発させる分子線蒸着法も含まれる
し(以上、物理蒸着法)、化学蒸着法のようにある種の気
体を加熱反応させる成膜法も含まれる。本発明の第三の
金属の付着形成には、近年の成膜技術の高速化が著し
い、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティ
ング法などの物理蒸着法が好適である。真空蒸着法は蒸
着速度が速く、生産性が良い。スパッタリング法は、第
三の金属が高融点金属の場合も対応可能であり、第三の
金属の選択範囲が広い。イオンプレーティング法は真空
蒸着法と同様生産性が良く、さらに基板となる帯板と乾
式成膜層との接合が強固になるが、帯板にバイアス電圧
を付加する必要があり、装置構成が煩雑になる。
【0016】これらのことから、工業的な生産をおこな
う場合には、真空槽内において真空蒸着法を用いれば良
く、このときの真空槽内は1×10-1Pa以下の低圧雰囲気
とするのが良い。なお、乾式成膜が形成し易いように第
一の金属帯、第二の金属帯の一方もしくは両方にあらか
じめイオンエッチング処理を施しても良い。
【0017】次に、上述の乾式成膜法を用いて乾式成膜
層が付着形成された第一、第二の金属帯に圧着を行う。
この際、圧延を用いて圧着を行なえば、連続した帯板に
連続的に圧着を行なえるので生産性がよい。圧延時の圧
下率としては、好ましくは1%以下の低い圧延率で圧着
する。なお、圧着には圧延ロールではなく、巻き取りロ
ールのようなものを用いて張力をもって巻きつけ、圧着
させてもよい。以上のような圧着接合することで、第一
の金属帯と第二の金属帯の中間に乾式成膜層を有する積
層金属帯を得ることができ、この積層金属帯はこのまま
での状態で接合している。
【0018】本発明のひとつでは、さらに、上述の積層
金属帯を加熱拡散処理してもよい。この加熱拡散処理
は、上述の積層金属帯の接合力をより強固にする場合に
好適である他、例えば、エッチングにより第一の金属帯
と第二の金属帯とに別の回路パターンを形成する、いわ
ゆる選択エッチングをおこなう場合に、バリア層をより
強固にするのに好適である。また、この加熱拡散処理を
行うことで、乾式成膜の前処理にイオンエッチングを行
った場合のイオンエッチング量の不足や、乾式成膜後の
圧延力の不足、真空度が悪いために、乾式成膜面に不純
物が付着していること、などにより圧着後の接合力が十
分でない場合に強固な接合力を得ることもできる。この
加熱拡散処理の作業は上述の真空槽内で行ってもよい
し、別の加熱炉を用いてもよい。
【0019】圧着後の加熱温度は、例えば第一の金属帯
にNi第二の金属帯にCuを用いる場合、150℃以上〜800℃
程度、好ましくは200℃〜400℃にすることができる。加
熱は上述の真空槽内で搬送中の帯材に対して連続的に行
なうことが好ましいが、昇温速度が十分でない場合は、
真空槽から取出し、別の熱処理炉を用いて加熱してもよ
い。真空槽内で搬送中の帯材を加熱する方法としては、
搬送経路上に加熱装置を取り付けても良いが、圧接に用
いる圧延ロールを昇温してもよい。さらに、このように
して製造した帯材を便宜切断して、積層金属板としても
よい。
【0020】このように、本発明は低荷重で圧接させ、
加熱するため、厚さ0.5mm以下の比較的厚さの薄い積
層金属帯の製造に適している。具体的な例を示すと、銅
/インバー合金の二種類の材質で構成されるリードフレ
ーム材やCSP、BGAなどの微細配線用途材料である銅/ニ
ッケル/銅の三層構造材料などである。
【0021】(実施例1) 以下に本発明を実施例および図面に基づいて詳細に説明
する。図2は本発明の積層金属帯製造装置の一例を示す
概略図である。図2に示すように真空槽(1)内に配置さ
れた第一の金属の巻き出しリール(2)と、第二の金属の
巻き出しリール(3)から巻き出された第一の金属帯(4)、
第二の金属帯(5)が乾式成膜装置(6)と対峙する位置に設
けられたガイドロール(7)上を通過する時、第一、第二
の金属の被接合表面にエッチングバリア層となる第三の
金属が乾式成膜法により付着形成され、圧延ロール(8)
によって圧着接合が完了し、第一、第二の金属帯の間に
乾式成膜層を有する積層金属帯(9)が形成される。さら
に、該積層金属帯は加熱装置(12)により加熱され、巻き
取りリール(10)によって巻き取られることになる。
【0022】一例として、第一の金属帯(4)として厚み1
0μmのCu箔を、第二の金属帯(5)として厚み25μmのCu
箔を夫々巻き出しリールから巻き出し、それぞれの接合
表面を乾式成膜装置(6)のNiの乾式成膜材と対峙させ
た。この時、真空槽(1)内は5×10-3Pa程度の低圧雰囲気
として、Niを乾式成膜法(真空蒸着法)によって第一、第
二金属の被接合表面にそれぞれ付着形成させた。この付
着面同士が圧延ロール(8)により圧着接合され、Niを乾
式成膜層とするCu/Ni/Cuの積層金属帯(9)が形成され、
該積層金属帯を加熱装置(12)により300℃で加熱拡散処
理し、巻き取りリール(10)にて巻き取った。
【0023】上述のようにして得られたCu/Ni/Cuの積層
金属帯(9)の断面形態を光学顕微鏡で観察を行った。そ
の結果として、図1(a)に400倍での顕微鏡写真を、図1
(b)にその模式図を示す。断面形態として、第一の金属
帯(4)と第二の金属帯(5)に挟まれて、極めて均一に乾式
成膜による第三の金属層(乾式成膜層)(11)が形成されて
いることが判る。なお、第三の金属層(乾式成膜層)を構
成するNiと、第一、第二の金属帯を構成するCuとの拡散
層が、乾式成膜層と、第一、第二の金属層の間に形成さ
れていることを、エックス線分析装置で確認した。ま
た、幅10mmに切り出した積層金属帯の、第一の金属帯と
第二の金属帯とを50mm/min.の速度で強制的に引き剥が
し、このときの最高荷重を測定する引き剥がし試験をお
こなった結果、加熱しない場合は0.1N/mmで接合してい
た。300℃に加熱した場合は、0.5N/mm以上であり、より
接合が強固になっていた。
【0024】(実施例2) 第一の金属帯(4)として厚さ60μmのステンレス鋼箔を、
第二の金属帯(5)として厚さ10μmのNi箔をそれぞれ巻
き出しリールから巻き出し、それぞれの接合表面を乾式
成膜装置(6)に設けられたNiの乾式成膜材と対峙させ
た。この時、真空槽(1)内は1×10-2Pa程度の真空雰囲気
として、エッチングバリア層となるNiを乾式成膜法(真
空蒸着法)によって第一、第二金属帯の被接合表面にそ
れぞれ付着形成させた。この付着面同士が圧延ロール
(8)により圧着接合され、ステンレス箔/Ni乾式成膜層/N
i箔の積層金属帯(9)が形成され、巻き取りリール(10)に
て巻き取り、片面に複数の貫通孔を有する電池安全弁用
の積層金属帯を得た。
【0025】得られた電池安全弁用積層金属帯のステン
レス箔に選択エッチングによって、直径が3mmの円形状
の貫通孔を、ピッチが10.5mmの格子状の配列となるよう
に設けた。その後、パンチプレスを用いて長辺が10.5m
m、短辺が7.5mmで、その中心に円形状の孔が1個穿設さ
れている電池安全弁用積層金属帯を安全弁用チップと
し、その安全弁用チップを10個採取した。これらの安全
弁用チップを加圧可能な鋼板製圧力容器に密閉溶接した
後、容器の一端に圧力計を介してコンプレッサーと接続
し、鋼板製圧力容器内部を加圧したところ、10個の電池
安全弁用チップは、1.3〜1.7MPaの圧力範囲でNi箔が破
裂した。また、上述の安全弁用金属積層帯から、断面形
態観察用の試験片を採取し、断面形態を電子顕微鏡で観
察した。この観察によって、第一の金属帯(ステンレス
鋼箔)と、第二の金属帯(Ni箔)との間には、厚さ1μmの
Niの乾式成膜層が形成されていることを断面形態から確
認した。
【0026】
【発明の効果】本発明により、従来は二工程を必要とし
ていた三層以上の構造の積層金属帯を一工程で製造でき
るようになり、また、乾式成膜の前処理であるイオンエ
ッチングを簡略化できるようになったため、生産性を飛
躍的に改善することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例である積層金属帯の断面顕微鏡写
真とその模式図である。
【図2】本発明の一例である積層金属帯製造装置を示す
概略図である。
【符号の説明】
1.真空槽、2.第一の金属の巻き出しリール、3.第
二の金属の巻き出しリール、4.第一の金属帯、5.第
二の金属帯、6.乾式成膜装置、7.ガイドロール、
8.圧延ロール、9.積層金属帯、10.巻き取りリー
ル、11.第三の金属層(乾式成膜層)、12.加熱装置

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空槽内で、第一の金属帯の被接合表面
    と第二の金属帯の被接合表面の少なくとも一方の面側
    に、乾式成膜法により、前記第一の金属帯もしくは前記
    第二の金属帯と同種、もしくは異種のエッチングバリア
    層となる第三の金属層を付着形成させた後、前記第一の
    金属帯と第二の金属帯とを圧着接合することを特徴とす
    る積層金属帯の製造方法。
  2. 【請求項2】 真空槽内で、第一の金属帯の被接合表面
    と第二の金属帯の被接合表面の少なくとも一方の面側
    に、乾式成膜法により前記第一の金属帯もしくは前記第
    二の金属帯と同種、もしくは異種のエッチングバリア層
    となる第三の金属層を付着形成させた後、前記第一の金
    属帯と第二の金属帯とを圧着接合させ、次いで加熱拡散
    処理を行うことを特徴とする積層金属帯の製造方法。
  3. 【請求項3】 真空槽内で、第一の金属帯の被接合表面
    と第二の金属帯の被接合表面の少なくとも一方の面側
    に、乾式成膜法により、前記第一の金属帯及び前記第二
    の金属帯とは異種のエッチングバリア層となる第三の金
    属層を付着形成させた後、前記第一の金属帯と第二の金
    属帯とを圧着接合することを特徴とする積層金属帯の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 真空槽内で、第一の金属帯の被接合表面
    と第二の金属帯の被接合表面の少なくとも一方の面側
    に、乾式成膜法により前記第一の金属帯及び前記第二の
    金属帯とは異種のエッチングバリア層となる第三の金属
    層を付着形成させた後、前記第一の金属帯と第二の金属
    帯とを圧着接合させ、次いで加熱拡散処理を行うことを
    特徴とする積層金属帯の製造方法。
  5. 【請求項5】 乾式成膜法は物理蒸着法であることを特
    徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の積層金属帯の
    製造方法。
  6. 【請求項6】 第一の金属帯と第二の金属帯との間に
    ッチングバリア層となる乾式成膜層を有することを特徴
    とする積層金属帯。
  7. 【請求項7】 乾式成膜層と第一の金属帯の間または乾
    式成膜層と第二の金属帯の間の何れか一方若しくは両方
    には、拡散層が形成されていることを特徴とする請求項
    6に記載の積層金属帯。
  8. 【請求項8】 乾式成膜層は第一の金属帯及び第二の金
    属帯とは異種の金属 層であることを特徴とする請求項6
    または7に記載の積層金属帯。
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