JP3327248B2 - 回転・スライド連動機構のスライドロック装置 - Google Patents
回転・スライド連動機構のスライドロック装置Info
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- JP3327248B2 JP3327248B2 JP10572199A JP10572199A JP3327248B2 JP 3327248 B2 JP3327248 B2 JP 3327248B2 JP 10572199 A JP10572199 A JP 10572199A JP 10572199 A JP10572199 A JP 10572199A JP 3327248 B2 JP3327248 B2 JP 3327248B2
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば高齢者や
身体障害者等の乗員用として好適な車両用回転座席に適
用され、座席を支持する回転台の回転動作と車両前後方
向へのスライド動作とを連動する回転・スライド連動機
構のスライドロック機構に関する。
身体障害者等の乗員用として好適な車両用回転座席に適
用され、座席を支持する回転台の回転動作と車両前後方
向へのスライド動作とを連動する回転・スライド連動機
構のスライドロック機構に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の回転座席としては、乗員が楽に
乗り降りできるようにするために、様々な改良が加えら
れて現在に至っている。そして、多くの場合、車両用回
転座席は座席を支持する回転台の水平回転動作と、その
回転台を支持する回転支持台の車両前後方向のスライド
動作との二つの動作を組み合わせることによって乗員の
乗降性を確保している。上記の二つの動作を連動する手
段として、中間ギヤを介して噛み合うラックとピニオン
ギヤ(扇形ギヤ)を利用したラック・ピニオン式の回転
・スライド連動機構が知られている。この回転・スライ
ド連動機構においては、着座状態からの降車操作時にお
いて、乗員の足元がボデー(ピラー)に干渉することを
回避するために操作初期の一定区間に関しては、ピニオ
ンギヤが中間ギヤに噛み合わないようにして回転座席が
回転動作のみを行う単独回転領域を設定している。そし
て、この単独回転領域内で、ピニオンギヤと中間ギヤと
の噛み合い位置がずれないように、前記回転支持台から
固定ベースに位置保持用のロックピンが掛かるように設
定されたスライドロック装置が備えられている。このス
ライドロック装置は、座席を支持する回転台の下面に取
り付けられたカムによって固定ベースのロック孔に対す
る前記ロックピンの抜差しを操作してロック、アンロッ
クする構成となっている。
乗り降りできるようにするために、様々な改良が加えら
れて現在に至っている。そして、多くの場合、車両用回
転座席は座席を支持する回転台の水平回転動作と、その
回転台を支持する回転支持台の車両前後方向のスライド
動作との二つの動作を組み合わせることによって乗員の
乗降性を確保している。上記の二つの動作を連動する手
段として、中間ギヤを介して噛み合うラックとピニオン
ギヤ(扇形ギヤ)を利用したラック・ピニオン式の回転
・スライド連動機構が知られている。この回転・スライ
ド連動機構においては、着座状態からの降車操作時にお
いて、乗員の足元がボデー(ピラー)に干渉することを
回避するために操作初期の一定区間に関しては、ピニオ
ンギヤが中間ギヤに噛み合わないようにして回転座席が
回転動作のみを行う単独回転領域を設定している。そし
て、この単独回転領域内で、ピニオンギヤと中間ギヤと
の噛み合い位置がずれないように、前記回転支持台から
固定ベースに位置保持用のロックピンが掛かるように設
定されたスライドロック装置が備えられている。このス
ライドロック装置は、座席を支持する回転台の下面に取
り付けられたカムによって固定ベースのロック孔に対す
る前記ロックピンの抜差しを操作してロック、アンロッ
クする構成となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記のロッ
クピン抜差し式のスライドロック装置の場合、単独回転
領域終端部の極めて少ない寸法域でロック、アンロック
の動きを求められる関係で、ロック孔に対するロックピ
ンの掛かりのストローク調整が極めて困難であり、ロッ
クの信頼性に乏しいという問題がある。また、回転途中
でのピン抜差し方式であるため、ピン径に対して孔径を
ある程度大きく設定せざるを得ず、従ってスライド方向
に関しての中間ギヤとピニオンギヤとの相対位置にバラ
ツキが発生し易く、その結果、歯飛び現象あるいは歯の
干渉等が生ずる可能性があった。また、一般に着座状態
では、座席を支持する回転台は回転支持台に対して回転
ロック装置によって回転を規制されている。そして、降
車のための操作に際して回転ロック装置による回転ロッ
クを解除されるが、このとき製作誤差等により回転台の
中心が車両前後方向にずれる可能性があり、このことに
よっても、単独回転領域から連動領域へ移行する際の中
間ギヤとピニオンギヤとの噛み合いに関し、歯飛び現象
あるいは歯の干渉等が生ずる可能性があった。このよう
に、従来のスライドロック装置では、回転台の単独回転
領域では、ピニオンギヤが中間ギヤに対して自由状態で
回転することに起因して、歯飛び等の不具合が発生する
という問題があった。
クピン抜差し式のスライドロック装置の場合、単独回転
領域終端部の極めて少ない寸法域でロック、アンロック
の動きを求められる関係で、ロック孔に対するロックピ
ンの掛かりのストローク調整が極めて困難であり、ロッ
クの信頼性に乏しいという問題がある。また、回転途中
でのピン抜差し方式であるため、ピン径に対して孔径を
ある程度大きく設定せざるを得ず、従ってスライド方向
に関しての中間ギヤとピニオンギヤとの相対位置にバラ
ツキが発生し易く、その結果、歯飛び現象あるいは歯の
干渉等が生ずる可能性があった。また、一般に着座状態
では、座席を支持する回転台は回転支持台に対して回転
ロック装置によって回転を規制されている。そして、降
車のための操作に際して回転ロック装置による回転ロッ
クを解除されるが、このとき製作誤差等により回転台の
中心が車両前後方向にずれる可能性があり、このことに
よっても、単独回転領域から連動領域へ移行する際の中
間ギヤとピニオンギヤとの噛み合いに関し、歯飛び現象
あるいは歯の干渉等が生ずる可能性があった。このよう
に、従来のスライドロック装置では、回転台の単独回転
領域では、ピニオンギヤが中間ギヤに対して自由状態で
回転することに起因して、歯飛び等の不具合が発生する
という問題があった。
【0004】本発明は、上述した従来の問題点に鑑みて
なされたものであり、その目的とするところは、単独回
転領域から連動領域への移行時において、歯飛び現象等
を生ずることなく、連動領域への移行を円滑に行わせる
ことが可能な信頼性の高い回転・スライド連動機構のス
ライドロック装置を提供することにある。
なされたものであり、その目的とするところは、単独回
転領域から連動領域への移行時において、歯飛び現象等
を生ずることなく、連動領域への移行を円滑に行わせる
ことが可能な信頼性の高い回転・スライド連動機構のス
ライドロック装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するた
め、本発明に係る回転・スライド連動機構のスライドロ
ック装置は、特許請求の範囲の各請求項に記載の通りの
構成を備えたものである。請求項1記載の発明によれ
ば、回転台の操作時において、回転台の単独回転領域の
終端部までは、規制カムのカム面にガイドローラが係合
した状態でピニオンギヤが回転される。従って、単独回
転領域において、中間ギヤとピニオンギヤとは、規制カ
ムとガイドローラとによって常に一定の位置関係を維持
されることになり、単独回転領域経過直後の中間ギヤに
対するピニオンギヤの噛み合いを正確に行わせることが
可能となる。即ち、カム面によって定められた特定の方
向以外の方向に関してのピニオンギヤの中間ギヤに対す
る動きを拘束したものであり、従って、単独回転領域か
ら連動領域へ移行する際の、歯飛び現象や歯先の干渉等
の問題が発生しなくなり、単独回転領域から連動領域へ
の移行を円滑に行うことが可能な信頼性も高いスライド
ロック装置を提供できる。
め、本発明に係る回転・スライド連動機構のスライドロ
ック装置は、特許請求の範囲の各請求項に記載の通りの
構成を備えたものである。請求項1記載の発明によれ
ば、回転台の操作時において、回転台の単独回転領域の
終端部までは、規制カムのカム面にガイドローラが係合
した状態でピニオンギヤが回転される。従って、単独回
転領域において、中間ギヤとピニオンギヤとは、規制カ
ムとガイドローラとによって常に一定の位置関係を維持
されることになり、単独回転領域経過直後の中間ギヤに
対するピニオンギヤの噛み合いを正確に行わせることが
可能となる。即ち、カム面によって定められた特定の方
向以外の方向に関してのピニオンギヤの中間ギヤに対す
る動きを拘束したものであり、従って、単独回転領域か
ら連動領域へ移行する際の、歯飛び現象や歯先の干渉等
の問題が発生しなくなり、単独回転領域から連動領域へ
の移行を円滑に行うことが可能な信頼性も高いスライド
ロック装置を提供できる。
【0006】また、請求項2の発明によれば、回転台の
操作時において、回転台の単独回転領域の終端部まで
は、カム溝のカム面がガイドローラに係合することに加
え、該カム面に対峙する外周側溝壁によってガイドロー
ラを案内するため、中間ギヤの回転を両方向に関して規
制することができる。このため、中間ギヤとピニオンギ
ヤとは、規制カムとガイドローラとによって常に一定の
位置関係を維持されることになり、単独回転領域経過直
後の中間ギヤに対するピニオンギヤの噛み合いを正確に
行わせることが可能となる。
操作時において、回転台の単独回転領域の終端部まで
は、カム溝のカム面がガイドローラに係合することに加
え、該カム面に対峙する外周側溝壁によってガイドロー
ラを案内するため、中間ギヤの回転を両方向に関して規
制することができる。このため、中間ギヤとピニオンギ
ヤとは、規制カムとガイドローラとによって常に一定の
位置関係を維持されることになり、単独回転領域経過直
後の中間ギヤに対するピニオンギヤの噛み合いを正確に
行わせることが可能となる。
【0007】また、請求項3の発明によれば、車両用回
転座席に適用することによって、単独回転領域から連動
領域への移行を円滑に行うことができるため、回転座席
の乗降操作性を向上できる。
転座席に適用することによって、単独回転領域から連動
領域への移行を円滑に行うことができるため、回転座席
の乗降操作性を向上できる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。先ず、第1の実施の形態を図1〜
図9に基づいて説明する。なお、図中において、矢印
「前」は車両前方を示し、矢印「外」はドア開口部D側
を示している。本実施の形態に係る回転・スライド連動
機構のスライドロック装置は、車両用回転座席(以下、
単に回転座席ともいう)に適用したものである。図1は
回転座席1を運転席左側の助手席に設定した場合を例示
する説明図であり、当該回転座席1の左側にドア開口部
Dが設けられている。従って、回転座席1は車両進行方
向に向かって正面の着座位置から車両前方へスライドし
つつ左側(平面的に見て反時計回り)に略90°回転さ
せることによりドア開口部Dへ移動される。
に基づいて説明する。先ず、第1の実施の形態を図1〜
図9に基づいて説明する。なお、図中において、矢印
「前」は車両前方を示し、矢印「外」はドア開口部D側
を示している。本実施の形態に係る回転・スライド連動
機構のスライドロック装置は、車両用回転座席(以下、
単に回転座席ともいう)に適用したものである。図1は
回転座席1を運転席左側の助手席に設定した場合を例示
する説明図であり、当該回転座席1の左側にドア開口部
Dが設けられている。従って、回転座席1は車両進行方
向に向かって正面の着座位置から車両前方へスライドし
つつ左側(平面的に見て反時計回り)に略90°回転さ
せることによりドア開口部Dへ移動される。
【0009】本実施の形態に係る車両用回転座席1は、
図3に示すように、座席を支持するための回転台3と、
その回転台3を回転可能に支持する回転支持台10と、
その回転支持台10を車両前後方向にスライド可能に支
持する固定ベースとしての前後方向支持台30とから構
成されている。なお、本実施の形態では、図2に示すよ
うに、回転台3上に、車椅子4を着脱可能(連結及び解
離可能)に支持するリフトアップ機構5を備えた場合が
示されている。リフトアップ機構5は、左右一対の四節
リンク機構6を主体に構成されており、ドア開口部Dへ
移動された位置(以下、この位置を乗降位置ともいう)
で、四節リンク機構6のスイング昇降動作によって室内
と室外との間を車両前方から見て略円弧状に昇降してド
ア開口部Dから車椅子4を出入できるように構成されて
いる。
図3に示すように、座席を支持するための回転台3と、
その回転台3を回転可能に支持する回転支持台10と、
その回転支持台10を車両前後方向にスライド可能に支
持する固定ベースとしての前後方向支持台30とから構
成されている。なお、本実施の形態では、図2に示すよ
うに、回転台3上に、車椅子4を着脱可能(連結及び解
離可能)に支持するリフトアップ機構5を備えた場合が
示されている。リフトアップ機構5は、左右一対の四節
リンク機構6を主体に構成されており、ドア開口部Dへ
移動された位置(以下、この位置を乗降位置ともいう)
で、四節リンク機構6のスイング昇降動作によって室内
と室外との間を車両前方から見て略円弧状に昇降してド
ア開口部Dから車椅子4を出入できるように構成されて
いる。
【0010】図3は回転支持台10及び前後方向支持台
30を示す斜視図である。図示のように、回転支持台1
0は前後方向に所定間隔で配置されて車幅方向に延在す
る複数(図では3個の場合を示す)のベース12に、そ
れら複数のベース12の両端を相互に接合するように左
右2本の移動側保持部材11を取り付けて構成したもの
で、後及び中間の両ベース12の上面に跨って回転盤1
3が設けられている。回転盤13は外輪13aと内輪1
3bとからなり、両輪13a,13bはその間に介在さ
れる図示省略の多数の鋼球によって滑らかな相対回転が
できるように構成されている。そして、本実施の形態で
は、回転盤13における内輪13bがベース12側に固
定され、外輪13a上に回転台3が固定され、その回転
台3上に前記したリフトアップ機構5が載置される。か
くして、回転台3は回転支持台10に対して水平回転可
能とされる。
30を示す斜視図である。図示のように、回転支持台1
0は前後方向に所定間隔で配置されて車幅方向に延在す
る複数(図では3個の場合を示す)のベース12に、そ
れら複数のベース12の両端を相互に接合するように左
右2本の移動側保持部材11を取り付けて構成したもの
で、後及び中間の両ベース12の上面に跨って回転盤1
3が設けられている。回転盤13は外輪13aと内輪1
3bとからなり、両輪13a,13bはその間に介在さ
れる図示省略の多数の鋼球によって滑らかな相対回転が
できるように構成されている。そして、本実施の形態で
は、回転盤13における内輪13bがベース12側に固
定され、外輪13a上に回転台3が固定され、その回転
台3上に前記したリフトアップ機構5が載置される。か
くして、回転台3は回転支持台10に対して水平回転可
能とされる。
【0011】一方、前後方向支持台30は前後方向に長
い略長方形状のプレートからなるベース31を備えてお
り、このベース31は車両のフロア上に水平に固定され
る。ベース31の車幅方向の両端上面には、前記回転支
持台10における移動側保持部材11を前後方向にスラ
イド可能に案内するための、前後方向に長い左右2本の
固定側保持部材32が平行に設けられている。固定側保
持部材32と移動側保持部材11は、1側面が互いに対
向するように配置され、その対向両面には、図8に示す
ように、それぞれ互いに長手方向に延びるV字溝11
a,32aが形成され、そのV字溝11a,32aに嵌
まり込む形態で多数個の鋼球33が挟み込まれ、これに
よって左右一対の直線案内機構34が構成されている。
かくして、回転台3は回転支持台10を介して車両前後
方向にスライド可能となっている。
い略長方形状のプレートからなるベース31を備えてお
り、このベース31は車両のフロア上に水平に固定され
る。ベース31の車幅方向の両端上面には、前記回転支
持台10における移動側保持部材11を前後方向にスラ
イド可能に案内するための、前後方向に長い左右2本の
固定側保持部材32が平行に設けられている。固定側保
持部材32と移動側保持部材11は、1側面が互いに対
向するように配置され、その対向両面には、図8に示す
ように、それぞれ互いに長手方向に延びるV字溝11
a,32aが形成され、そのV字溝11a,32aに嵌
まり込む形態で多数個の鋼球33が挟み込まれ、これに
よって左右一対の直線案内機構34が構成されている。
かくして、回転台3は回転支持台10を介して車両前後
方向にスライド可能となっている。
【0012】次に、回転台3の回転動作とスライド動作
とを機械的に連動させるための回転・スライド連動機構
20を図3及び図4に基づいて説明する。なお、図4で
はリフトアップ機構5を介して支持される車椅子4を含
めた回転部分全体が回転台3として概略的に図示されて
いる。回転・スライド連動機構20は、図示のように、
車両前後方向に直線的に延在するラック21と、中間ギ
ヤ22と、ピニオンギヤ(扇形ギヤ)24とから構成さ
れる。ラック21は室内側の固定側保持部材32の側面
に取り付けられている。中間ギヤ22は室内側の移動側
保持部材11の上面に支持プレート23を介して回転可
能に取り付けられ、ラック21と噛み合うように配置さ
れる。なお、中間ギヤ22とラック21との噛合いは、
回転台3上にリフトアップ機構5を介して支持される車
椅子4の前後方向の全移動範囲で維持されるようにラッ
ク21の位置及び長さが設定されている。
とを機械的に連動させるための回転・スライド連動機構
20を図3及び図4に基づいて説明する。なお、図4で
はリフトアップ機構5を介して支持される車椅子4を含
めた回転部分全体が回転台3として概略的に図示されて
いる。回転・スライド連動機構20は、図示のように、
車両前後方向に直線的に延在するラック21と、中間ギ
ヤ22と、ピニオンギヤ(扇形ギヤ)24とから構成さ
れる。ラック21は室内側の固定側保持部材32の側面
に取り付けられている。中間ギヤ22は室内側の移動側
保持部材11の上面に支持プレート23を介して回転可
能に取り付けられ、ラック21と噛み合うように配置さ
れる。なお、中間ギヤ22とラック21との噛合いは、
回転台3上にリフトアップ機構5を介して支持される車
椅子4の前後方向の全移動範囲で維持されるようにラッ
ク21の位置及び長さが設定されている。
【0013】一方、ピニオンギヤ24は回転台3の下面
に固着されている。このピニオンギヤ24は回転台3の
回転中心を中心とする略90°の範囲の円弧状に形成さ
れ、その噛み合い当初側(反時計回り方向の端部側、以
下同じ)の一定角度範囲(本実施の形態では約20°)
には、噛み合い歯が形成されていない。このため、回転
台3をその着座位置(車両前方に向いた位置、図4に実
線で示す位置、以下同じ)からドア開口部D側(反時計
回り方向)へ回転させ始めた当初約20°の範囲はピニ
オンギヤ24と中間ギヤ22は噛み合わず、従って回転
台3は回転するのみで車両前方へはスライドしない(以
下、この範囲を単独回転領域という)。
に固着されている。このピニオンギヤ24は回転台3の
回転中心を中心とする略90°の範囲の円弧状に形成さ
れ、その噛み合い当初側(反時計回り方向の端部側、以
下同じ)の一定角度範囲(本実施の形態では約20°)
には、噛み合い歯が形成されていない。このため、回転
台3をその着座位置(車両前方に向いた位置、図4に実
線で示す位置、以下同じ)からドア開口部D側(反時計
回り方向)へ回転させ始めた当初約20°の範囲はピニ
オンギヤ24と中間ギヤ22は噛み合わず、従って回転
台3は回転するのみで車両前方へはスライドしない(以
下、この範囲を単独回転領域という)。
【0014】回転台3をドア開口部D側へさらに回転さ
せると、ピニオンギヤ24が中間ギヤ22に噛み合うた
め、回転台3の回転動作に連動して中間ギヤ22が回転
する。中間ギヤ22はラック21に噛み合っているの
で、回転しながら車両前方へ移動し、これにより回転支
持台10が車両前方へスライドし、延いては回転台3が
ドア開口部D側へ回転しつつ車両前方へスライドする。
即ち、回転台3の回転動作とスライド動作とが連動し、
この連動領域は乗降位置まで継続する。
せると、ピニオンギヤ24が中間ギヤ22に噛み合うた
め、回転台3の回転動作に連動して中間ギヤ22が回転
する。中間ギヤ22はラック21に噛み合っているの
で、回転しながら車両前方へ移動し、これにより回転支
持台10が車両前方へスライドし、延いては回転台3が
ドア開口部D側へ回転しつつ車両前方へスライドする。
即ち、回転台3の回転動作とスライド動作とが連動し、
この連動領域は乗降位置まで継続する。
【0015】次に、スライドロック装置40を図5〜図
8に基づいて説明する。このスライドロック装置40
は、上記した回転台3の単独回転領域内での回転支持台
10のスライド動作をロックし、単独回転領域から連動
領域へ移行する際にロックを解除して中間ギヤ22に対
するピニオンギヤ24の噛み合いを適正に行わせること
を目的にして設定されている。スライドロック装置40
は、中間ギヤ22の円周上に設けられるガイドローラ4
1と、ピニオンギヤ24に固着された規制カム43とか
ら構成され、規制カム43に設けたカム面44にガイド
ローラ41が転動可能に係合されている。ガイドローラ
41は中間ギヤ22の円周上の最も外寄り上面に立設し
た垂直軸42に回転可能に取り付けられ、一方、規制カ
ム43はピニオンギヤ24の上面にスペーサ45を介し
て固定ボルト46にて固着されている。なお、規制カム
43の取付孔43aは長孔に形成され、カム溝44に対
するガイドローラ41の転動が円滑に行われるように調
整可能とされている。
8に基づいて説明する。このスライドロック装置40
は、上記した回転台3の単独回転領域内での回転支持台
10のスライド動作をロックし、単独回転領域から連動
領域へ移行する際にロックを解除して中間ギヤ22に対
するピニオンギヤ24の噛み合いを適正に行わせること
を目的にして設定されている。スライドロック装置40
は、中間ギヤ22の円周上に設けられるガイドローラ4
1と、ピニオンギヤ24に固着された規制カム43とか
ら構成され、規制カム43に設けたカム面44にガイド
ローラ41が転動可能に係合されている。ガイドローラ
41は中間ギヤ22の円周上の最も外寄り上面に立設し
た垂直軸42に回転可能に取り付けられ、一方、規制カ
ム43はピニオンギヤ24の上面にスペーサ45を介し
て固定ボルト46にて固着されている。なお、規制カム
43の取付孔43aは長孔に形成され、カム溝44に対
するガイドローラ41の転動が円滑に行われるように調
整可能とされている。
【0016】規制カム43のカム面44は、図6及び図
7に示すように、ピニオンギヤ24の回転中心(回転盤
13の回転中心)を中心とする円弧面によって形成され
ている。また、カム面44に対して内周側に折れ曲がる
形で連続する屈曲面からなるガイド面44aが設けられ
ている。かくして、規制カム43のガイドローラ41が
転動面は、全体として略への字形状に形成されている。
即ち、カム面44は前記回転台3の回転動作時におい
て、単独回転領域内ではガイドローラ41と係合して中
間ギヤ22の回転を規制し、単独回転領域から連動領域
に移行する時点ではガイドローラ41の係合を解除する
ようにその長さが設定されており、また係合の解除時に
おいては、中間ギヤ22とピニオンギヤ24との噛み合
いがスムースに行われるようにガイド面44aによって
ガイドローラ41を案内する構成となっている。なお、
ガイドローラ41を案内するガイド面44aは、ガイド
ローラ41の回転軌跡とピニオンギヤ24の回転軌跡と
に基づいて作成されている。
7に示すように、ピニオンギヤ24の回転中心(回転盤
13の回転中心)を中心とする円弧面によって形成され
ている。また、カム面44に対して内周側に折れ曲がる
形で連続する屈曲面からなるガイド面44aが設けられ
ている。かくして、規制カム43のガイドローラ41が
転動面は、全体として略への字形状に形成されている。
即ち、カム面44は前記回転台3の回転動作時におい
て、単独回転領域内ではガイドローラ41と係合して中
間ギヤ22の回転を規制し、単独回転領域から連動領域
に移行する時点ではガイドローラ41の係合を解除する
ようにその長さが設定されており、また係合の解除時に
おいては、中間ギヤ22とピニオンギヤ24との噛み合
いがスムースに行われるようにガイド面44aによって
ガイドローラ41を案内する構成となっている。なお、
ガイドローラ41を案内するガイド面44aは、ガイド
ローラ41の回転軌跡とピニオンギヤ24の回転軌跡と
に基づいて作成されている。
【0017】従って、図6の状態から図7の状態に至る
までの回転台3の単独回転領域内にあっては、回転台3
の回転中心と同心円で形成されたカム面44がガイドロ
ーラ41に係合して移動する。このため、その移動中に
おいて、中間ギヤ22の図示右回りの回転(回転台3の
前方スライド方向の回転)が規制(スライドロック)さ
れることになり、中間ギヤ22とピニオンギヤ24との
相対的な位置関係を適正に保持することができる。一
方、単独回転領域から連動領域に移行する場合において
は、中間ギヤ22にピニオンギヤ24が噛み合い始めた
時点でガイドローラ45がカム面44から外れる(スラ
イドロックが解除される)とともに、その後はガイド面
44aによって案内される。このことによって中間ギヤ
22とピニオンギヤ24との噛み合いをスムースに行わ
せることができる。
までの回転台3の単独回転領域内にあっては、回転台3
の回転中心と同心円で形成されたカム面44がガイドロ
ーラ41に係合して移動する。このため、その移動中に
おいて、中間ギヤ22の図示右回りの回転(回転台3の
前方スライド方向の回転)が規制(スライドロック)さ
れることになり、中間ギヤ22とピニオンギヤ24との
相対的な位置関係を適正に保持することができる。一
方、単独回転領域から連動領域に移行する場合において
は、中間ギヤ22にピニオンギヤ24が噛み合い始めた
時点でガイドローラ45がカム面44から外れる(スラ
イドロックが解除される)とともに、その後はガイド面
44aによって案内される。このことによって中間ギヤ
22とピニオンギヤ24との噛み合いをスムースに行わ
せることができる。
【0018】次に、以上のように構成した本実施の形態
に係る車両用回転座席1の操作を図9に基づいて説明す
る。なお、以下の説明では図に仮想線で表した回転部分
を回転台3とする。図では、回転台3の回転中心(回転
盤13の回転中心)を基準にして、車両前後方向移動範
囲の後方位置を符号L0 で示し、前方位置を符号L1で
示し、また、車両幅方向移動範囲の室内側位置を符号W
0で示し、室外側位置を符号W1で示している。
に係る車両用回転座席1の操作を図9に基づいて説明す
る。なお、以下の説明では図に仮想線で表した回転部分
を回転台3とする。図では、回転台3の回転中心(回転
盤13の回転中心)を基準にして、車両前後方向移動範
囲の後方位置を符号L0 で示し、前方位置を符号L1で
示し、また、車両幅方向移動範囲の室内側位置を符号W
0で示し、室外側位置を符号W1で示している。
【0019】さて、図9(A)は回転台3が着座位置に
位置する状態を示している。この着座位置において、操
作者が回転台3の回転ロック機構(図示省略)のロック
を解除後、図示省略の座席駆動装置を起動し、回転台3
に対して回転力を加えると、該回転台3は前述したよう
にドア開口部D側に向かって回転を開始する。図9
(B)は、同方向へ約20°回転させた状態、即ち単独
回転領域を示している。この間は、ピニオンギヤ24と
中間ギヤ22は噛み合わないので、回転台3は回転動作
のみする。この段階で回転台3は、車椅子のシートクッ
ションがドア開口部Dの後部、即ちリヤピラーPに干渉
する手前の位置にまで至っているため、このままさらに
回転させたのではピラーPに干渉して回転座席1をドア
開口部Dに向けた横向き位置まで回転させることができ
ない。
位置する状態を示している。この着座位置において、操
作者が回転台3の回転ロック機構(図示省略)のロック
を解除後、図示省略の座席駆動装置を起動し、回転台3
に対して回転力を加えると、該回転台3は前述したよう
にドア開口部D側に向かって回転を開始する。図9
(B)は、同方向へ約20°回転させた状態、即ち単独
回転領域を示している。この間は、ピニオンギヤ24と
中間ギヤ22は噛み合わないので、回転台3は回転動作
のみする。この段階で回転台3は、車椅子のシートクッ
ションがドア開口部Dの後部、即ちリヤピラーPに干渉
する手前の位置にまで至っているため、このままさらに
回転させたのではピラーPに干渉して回転座席1をドア
開口部Dに向けた横向き位置まで回転させることができ
ない。
【0020】しかしながら、約20°回転させた時点
で、ピニオンギヤ24が中間ギヤ22に噛み合い始め
る。このため、以後さらに回転台3を回転させると、こ
の回転動作に連動して回転台3は、ピニオンギヤ24と
中間ギヤ22との噛合い作用及び中間ギヤ22とラック
21の噛合い作用により前方へ移動する。こうして回転
台3は残り約70°の連動領域では回転しつつ前方へス
ライドし、これにより図9(C)に示すようにドア開口
部D側に向いた横向き姿勢になるとともに、前方位置L
1 に至る。即ち、乗降位置となる。このように、回転台
3が回転しつつ前方へスライドすることにより、その回
転途中において乗員の足あるいはフットレストがドア開
口部Dの前端に干渉することが回避される。この点、従
来のように一旦座席本体を前方位置にまで移動させた
後、回転させると乗員の足等がドア開口部(ボディ)の
前端に干渉する問題があったが、本実施の形態のように
回転させつつ前方へ移動させることによりこのような問
題を回避することができる。
で、ピニオンギヤ24が中間ギヤ22に噛み合い始め
る。このため、以後さらに回転台3を回転させると、こ
の回転動作に連動して回転台3は、ピニオンギヤ24と
中間ギヤ22との噛合い作用及び中間ギヤ22とラック
21の噛合い作用により前方へ移動する。こうして回転
台3は残り約70°の連動領域では回転しつつ前方へス
ライドし、これにより図9(C)に示すようにドア開口
部D側に向いた横向き姿勢になるとともに、前方位置L
1 に至る。即ち、乗降位置となる。このように、回転台
3が回転しつつ前方へスライドすることにより、その回
転途中において乗員の足あるいはフットレストがドア開
口部Dの前端に干渉することが回避される。この点、従
来のように一旦座席本体を前方位置にまで移動させた
後、回転させると乗員の足等がドア開口部(ボディ)の
前端に干渉する問題があったが、本実施の形態のように
回転させつつ前方へ移動させることによりこのような問
題を回避することができる。
【0021】こうして、回転台3が乗降位置に達する
と、このことが前後方向支持台30上に設けられた、例
えばリミットスイッチのような乗降位置検出器(図示省
略)によって検出され、その検出信号で回転台3の駆動
装置が停止される。そして、乗降位置において、スイン
グ振り出し式のリフトアップ機構5の駆動装置(図示省
略)を作動することによって、図9(D)に示すよう
に、リフトアップ機構5によって車椅子4を室内側位置
W0から室外側位置W1へ円弧状に移動して降車するこ
とができる。
と、このことが前後方向支持台30上に設けられた、例
えばリミットスイッチのような乗降位置検出器(図示省
略)によって検出され、その検出信号で回転台3の駆動
装置が停止される。そして、乗降位置において、スイン
グ振り出し式のリフトアップ機構5の駆動装置(図示省
略)を作動することによって、図9(D)に示すよう
に、リフトアップ機構5によって車椅子4を室内側位置
W0から室外側位置W1へ円弧状に移動して降車するこ
とができる。
【0022】以上のようにして、室外側位置W1に移動
させた車椅子4を元の着座位置に戻すには、まず、リフ
トアップ機構5を逆方向に作動することによって車椅子
4を室内側位置W0まで戻す。しかる後、座席駆動装置
を駆動して回転台3に降車時と逆方向の回転力を付加す
ることによって該回転台3を室内側に向けて回転する。
このとき、ピニオンギヤ24と中間ギヤ22及び中間ギ
ヤ22とラック21がそれぞれ噛合い状態に保持されて
いるので、回転台3は前記とは逆に室内側に回転しつつ
前方位置L1 から後方位置L0 へ向けてスライドする。
させた車椅子4を元の着座位置に戻すには、まず、リフ
トアップ機構5を逆方向に作動することによって車椅子
4を室内側位置W0まで戻す。しかる後、座席駆動装置
を駆動して回転台3に降車時と逆方向の回転力を付加す
ることによって該回転台3を室内側に向けて回転する。
このとき、ピニオンギヤ24と中間ギヤ22及び中間ギ
ヤ22とラック21がそれぞれ噛合い状態に保持されて
いるので、回転台3は前記とは逆に室内側に回転しつつ
前方位置L1 から後方位置L0 へ向けてスライドする。
【0023】乗降位置から約70°室内側に回転された
段階で回転台3は後方位置L0 に戻されて図9(B)に
示す位置に至る。その後、回転台3がさらに約20°回
転することにより、図9(A)に示す着座位置に戻すこ
とができる。この20°の回転範囲では、ピニオンギヤ
24と中間ギヤ22の噛合いが外れ、回転台3は回転動
作のみし、前後方向にはスライドしない。なお、回転台
3が乗降位置から移動を開始して着座位置に達したとき
は、そのことが、例えばリミットスイッチのような着座
位置検出器(図示省略)によって検出され、その検出信
号によって駆動装置が停止される。その後は、回転ロッ
ク機構によって回転台3の回転をロックすることによっ
て、座席本体2を着座位置に固定することができる。
段階で回転台3は後方位置L0 に戻されて図9(B)に
示す位置に至る。その後、回転台3がさらに約20°回
転することにより、図9(A)に示す着座位置に戻すこ
とができる。この20°の回転範囲では、ピニオンギヤ
24と中間ギヤ22の噛合いが外れ、回転台3は回転動
作のみし、前後方向にはスライドしない。なお、回転台
3が乗降位置から移動を開始して着座位置に達したとき
は、そのことが、例えばリミットスイッチのような着座
位置検出器(図示省略)によって検出され、その検出信
号によって駆動装置が停止される。その後は、回転ロッ
ク機構によって回転台3の回転をロックすることによっ
て、座席本体2を着座位置に固定することができる。
【0024】さて、本実施の形態によれば、回転座席1
を着座状態から乗降位置へ移動する場合において、単独
回転領域から連動領域に移行するまでの間、カム面44
によってピニオンギヤ24と中間ギヤ22との相互の動
きを規制し、一定の位置関係に保持することができる。
このため、単独回転領域から連動領域へ移行する際の、
ピニオンギヤ24と中間ギヤ22との噛み合いに関し、
歯飛び現象や歯先の干渉等の問題を防止して良好な噛み
合いを達成することができ、このことによって回転座席
1の単独回転領域から連動領域への移行を円滑に行うこ
とができる。また、本実施の形態では、噛み合いが開始
された時点で直ぐに規制を解くのではなく、その後も噛
み合いをバックアップするような形で屈曲面44bによ
ってガイドローラ41を案内する構成としてあるため、
ピニオンギヤ24と中間ギヤ22の円滑な噛み合いを実
現できる。
を着座状態から乗降位置へ移動する場合において、単独
回転領域から連動領域に移行するまでの間、カム面44
によってピニオンギヤ24と中間ギヤ22との相互の動
きを規制し、一定の位置関係に保持することができる。
このため、単独回転領域から連動領域へ移行する際の、
ピニオンギヤ24と中間ギヤ22との噛み合いに関し、
歯飛び現象や歯先の干渉等の問題を防止して良好な噛み
合いを達成することができ、このことによって回転座席
1の単独回転領域から連動領域への移行を円滑に行うこ
とができる。また、本実施の形態では、噛み合いが開始
された時点で直ぐに規制を解くのではなく、その後も噛
み合いをバックアップするような形で屈曲面44bによ
ってガイドローラ41を案内する構成としてあるため、
ピニオンギヤ24と中間ギヤ22の円滑な噛み合いを実
現できる。
【0025】次に、本発明の第2の実施の形態を図10
〜図12に基づいて説明する。この第2の実施の形態
は、スライドロック装置40に関する変更例であって、
規制カム43にカム溝51を設けた構成となっている。
規制カム43のカム溝51は、図10及び図11に示す
ように、ピニオンギヤ24の回転中心(回転盤13の回
転中心)を中心とする円弧部分51aと、その円弧部分
51aに対して折れ曲がる形で連続する屈曲部分51b
とを備えた全体として略への字形状に形成されている。
カム溝51は、前記回転台3の回転動作時において、単
独回転領域内では円弧部分51aがガイドローラ41と
係合して中間ギヤ22の回転を規制し、単独回転領域か
ら連動領域に移行する時点で中間ギヤ22とピニオンギ
ヤ24との噛み合いに呼応して円弧部分51aからガイ
ドローラ41を脱出させることができ、しかも脱出時に
おいては、中間ギヤ22とピニオンギヤ24との噛み合
いがスムースに行われるようにガイドローラ41を屈曲
部分51bによって案内する形状に形成されている。即
ち、カム溝51における円弧部分51aの内周側溝壁が
ガイドローラ41に係合して中間ギヤ22の回転を規制
するカム面52として機能し、そのカム面52と対峙す
る外周側溝壁がガイドローラ41の移動を案内するガイ
ド面53として機能する構成となっている。また、カム
溝51における屈曲部分51bの内周側には、第1の実
施の形態と同様に、ガイドローラ41の脱出を案内する
ためのガイド面54が設けられ、そのガイド面54は、
ガイドローラ41の回転軌跡とピニオンギヤ24の回転
軌跡とに基づいて作成されている。
〜図12に基づいて説明する。この第2の実施の形態
は、スライドロック装置40に関する変更例であって、
規制カム43にカム溝51を設けた構成となっている。
規制カム43のカム溝51は、図10及び図11に示す
ように、ピニオンギヤ24の回転中心(回転盤13の回
転中心)を中心とする円弧部分51aと、その円弧部分
51aに対して折れ曲がる形で連続する屈曲部分51b
とを備えた全体として略への字形状に形成されている。
カム溝51は、前記回転台3の回転動作時において、単
独回転領域内では円弧部分51aがガイドローラ41と
係合して中間ギヤ22の回転を規制し、単独回転領域か
ら連動領域に移行する時点で中間ギヤ22とピニオンギ
ヤ24との噛み合いに呼応して円弧部分51aからガイ
ドローラ41を脱出させることができ、しかも脱出時に
おいては、中間ギヤ22とピニオンギヤ24との噛み合
いがスムースに行われるようにガイドローラ41を屈曲
部分51bによって案内する形状に形成されている。即
ち、カム溝51における円弧部分51aの内周側溝壁が
ガイドローラ41に係合して中間ギヤ22の回転を規制
するカム面52として機能し、そのカム面52と対峙す
る外周側溝壁がガイドローラ41の移動を案内するガイ
ド面53として機能する構成となっている。また、カム
溝51における屈曲部分51bの内周側には、第1の実
施の形態と同様に、ガイドローラ41の脱出を案内する
ためのガイド面54が設けられ、そのガイド面54は、
ガイドローラ41の回転軌跡とピニオンギヤ24の回転
軌跡とに基づいて作成されている。
【0026】また、規制カム43はピニオンギヤ24の
上面にスペーサ45を介して固定ボルト46にて固着さ
れているほか、カム溝51の外周側溝壁を構成する部位
の先端部分43bが回転台3の下面に対して固定ボルト
47によって固着されて強度が確保されている(図12
参照)。なお、規制カム41の取付孔43aは長孔に形
成され、カム溝51に対するガイドローラ41の転動が
円滑に行われるように調整可能とされている。
上面にスペーサ45を介して固定ボルト46にて固着さ
れているほか、カム溝51の外周側溝壁を構成する部位
の先端部分43bが回転台3の下面に対して固定ボルト
47によって固着されて強度が確保されている(図12
参照)。なお、規制カム41の取付孔43aは長孔に形
成され、カム溝51に対するガイドローラ41の転動が
円滑に行われるように調整可能とされている。
【0027】第2の実施に形態に係るスライドロック装
置40は上記のように構成したものであり、スライドロ
ック装置40に関しての上記説明以外の部位及びスライ
ドロック装置40以外の部位については、前述の第1の
実施の形態と同様に構成され、かつ作動される。
置40は上記のように構成したものであり、スライドロ
ック装置40に関しての上記説明以外の部位及びスライ
ドロック装置40以外の部位については、前述の第1の
実施の形態と同様に構成され、かつ作動される。
【0028】従って、第2の実施の形態によれば、図1
0の状態から図11の状態に至るまでの回転台3の単独
回転領域内にあっては、回転台3の回転中心と同心円で
形成されたカム溝51の円弧部分51aのカム面52が
ガイドローラ41に係合して移動し、同時にカム面52
に対峙するガイド面53によってガイドローラ41をガ
イドする。このため、上記移動中において、中間ギヤ2
2は両方向に関して回転を規制(スライドロック)され
ることになり、中間ギヤ22とピニオンギヤ24との相
対的な位置関係を適正に保持することができる。このた
め、単独回転領域から連動領域へ移行する際の、ピニオ
ンギヤ24と中間ギヤ22との噛み合いに関し、歯飛び
現象や歯先の干渉等の問題を防止して良好な噛み合いを
達成することができ、このことによって回転座席1の単
独回転領域から連動領域への移行を円滑に行うことがで
きる。また、単独回転領域から連動領域に移行する場合
においては、中間ギヤ22にピニオンギヤ24が噛み合
い始めた時点でガイドローラ45がカム溝51の円弧部
分51aのカム面52から外れる(スライドロックが解
除される)とともに、屈曲部分51bのガイド面54に
よって案内される。このことによって中間ギヤ22とピ
ニオンギヤ24との噛み合いをバックアップすることに
なり、スムースな噛み合いが実現される。
0の状態から図11の状態に至るまでの回転台3の単独
回転領域内にあっては、回転台3の回転中心と同心円で
形成されたカム溝51の円弧部分51aのカム面52が
ガイドローラ41に係合して移動し、同時にカム面52
に対峙するガイド面53によってガイドローラ41をガ
イドする。このため、上記移動中において、中間ギヤ2
2は両方向に関して回転を規制(スライドロック)され
ることになり、中間ギヤ22とピニオンギヤ24との相
対的な位置関係を適正に保持することができる。このた
め、単独回転領域から連動領域へ移行する際の、ピニオ
ンギヤ24と中間ギヤ22との噛み合いに関し、歯飛び
現象や歯先の干渉等の問題を防止して良好な噛み合いを
達成することができ、このことによって回転座席1の単
独回転領域から連動領域への移行を円滑に行うことがで
きる。また、単独回転領域から連動領域に移行する場合
においては、中間ギヤ22にピニオンギヤ24が噛み合
い始めた時点でガイドローラ45がカム溝51の円弧部
分51aのカム面52から外れる(スライドロックが解
除される)とともに、屈曲部分51bのガイド面54に
よって案内される。このことによって中間ギヤ22とピ
ニオンギヤ24との噛み合いをバックアップすることに
なり、スムースな噛み合いが実現される。
【0029】なお、上述した図示の実施の形態では、図
6及び図10に示すように、ガイドローラ41を中間ギ
ヤ22の歯の円周上に設けてある。これは、ガイドロー
ラ41の位置は中間ギヤ22の中心から最も遠い位置、
即ち、ガイドローラ41の回転半径を最大にした方が精
度が得られ易いからであるが、ガイドローラ41の回転
半径を小さく設定しても成立できることから、特に最大
に限定するものではない。また、ガイドローラ41を回
転半径を最大にするために、実施の形態では、中間ギヤ
22にガイドローラ41を取り付けるための垂直軸42
の軸部を設けて歯の形状を変更してある。そのため、図
6及び図10に示すように、ラック21の一部と、ピニ
オンギヤ24の一部にそれぞれ1歯分の欠歯部21a,
24aを設けて対応してあり、この欠歯部21a,24
aは僅か1歯分であることから、実際のギヤの噛み合い
上、問題が生ずることはない。
6及び図10に示すように、ガイドローラ41を中間ギ
ヤ22の歯の円周上に設けてある。これは、ガイドロー
ラ41の位置は中間ギヤ22の中心から最も遠い位置、
即ち、ガイドローラ41の回転半径を最大にした方が精
度が得られ易いからであるが、ガイドローラ41の回転
半径を小さく設定しても成立できることから、特に最大
に限定するものではない。また、ガイドローラ41を回
転半径を最大にするために、実施の形態では、中間ギヤ
22にガイドローラ41を取り付けるための垂直軸42
の軸部を設けて歯の形状を変更してある。そのため、図
6及び図10に示すように、ラック21の一部と、ピニ
オンギヤ24の一部にそれぞれ1歯分の欠歯部21a,
24aを設けて対応してあり、この欠歯部21a,24
aは僅か1歯分であることから、実際のギヤの噛み合い
上、問題が生ずることはない。
【0030】また、第2の実施の形態では強度確保の観
点から規制カム43のカム溝51を構成する外周側溝壁
を構成する部位の先端部分43bをボルト47によって
固定するとしたが、この固定については必ずしも必要で
はなく、省略しても差し支えない。また、第1及び第2
の実施の形態では、ピニオンギヤ24の回転中心(回転
盤13の回転中心)を中心として形成されるカム面4
4,51に連続して屈曲するガイド面44aを設けてい
るが、このガイド面44aを省略した形態で実施するこ
とを妨げるものではない。また、本実施の形態では、車
両用回転座席1として、リフトアップ機構5に着脱自在
な車椅子4を備えた場合で説明しているが、固定式の座
席を備えた形式に適用しても何ら差し支えない。
点から規制カム43のカム溝51を構成する外周側溝壁
を構成する部位の先端部分43bをボルト47によって
固定するとしたが、この固定については必ずしも必要で
はなく、省略しても差し支えない。また、第1及び第2
の実施の形態では、ピニオンギヤ24の回転中心(回転
盤13の回転中心)を中心として形成されるカム面4
4,51に連続して屈曲するガイド面44aを設けてい
るが、このガイド面44aを省略した形態で実施するこ
とを妨げるものではない。また、本実施の形態では、車
両用回転座席1として、リフトアップ機構5に着脱自在
な車椅子4を備えた場合で説明しているが、固定式の座
席を備えた形式に適用しても何ら差し支えない。
【0031】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
回転・スライド連動機構において、回転台が単独回転領
域から連動領域に移行するまでの間、ピニオンギヤと中
間ギヤとの位置関係を一定に保持できるため、単独回転
領域から連動領域へ移行する際の中間ギヤとピニオンギ
ヤとの適正な噛み合いを得ることができ、単独回転領域
から連動領域への移行動作を円滑に行うことができる。
回転・スライド連動機構において、回転台が単独回転領
域から連動領域に移行するまでの間、ピニオンギヤと中
間ギヤとの位置関係を一定に保持できるため、単独回転
領域から連動領域へ移行する際の中間ギヤとピニオンギ
ヤとの適正な噛み合いを得ることができ、単独回転領域
から連動領域への移行動作を円滑に行うことができる。
【図1】本発明の第1の実施形態を示す図であって、車
両用回転座席の室内における配置を示す平面図である。
両用回転座席の室内における配置を示す平面図である。
【図2】回転座席におけるリフトアップ機構及び車椅子
を示す斜視図である。
を示す斜視図である。
【図3】回転支持台及び前後方向支持台と、回転・スラ
イド連動機構を示す斜視図である。
イド連動機構を示す斜視図である。
【図4】回転座席の回転・スライド連動機構を示す平面
図である。
図である。
【図5】回転・スライド連動機構及びスライドロック装
置を示す斜視図である。
置を示す斜視図である。
【図6】スライドロック装置の平面図であり、着座状態
時を示す。
時を示す。
【図7】同じくスライドロック装置の平面図であり、単
独回転領域から連動領域への移行時を示す。
独回転領域から連動領域への移行時を示す。
【図8】図6のA矢視図である。
【図9】車両用回転座席の動作を示す平面図であって、
(A)は着座状態を示し、(B)は約20°ドア開口部
側に回転した状態を示し、(C)は乗降位置に移動され
た横向き状態を示し、(D)は室外に振り出された状態
を示す。
(A)は着座状態を示し、(B)は約20°ドア開口部
側に回転した状態を示し、(C)は乗降位置に移動され
た横向き状態を示し、(D)は室外に振り出された状態
を示す。
【図10】本発明の第2の実施の形態に係るスライドロ
ック装置の平面図であり、着座状態時を示す。
ック装置の平面図であり、着座状態時を示す。
【図11】同じくスライドロック装置の平面図であり、
単独回転領域から連動領域への移行時を示す。
単独回転領域から連動領域への移行時を示す。
【図12】図10のB矢視図である。
1…車両用回転座席 3…回転台 10…回転支持台 20…回転・スライド連動機構 21…ラック 22…中間ギヤ 24…ピニオンギヤ 30…前後方向支持台 40…スライドロック装置 41…ガイドローラ 42…垂直軸 43…規制カム 44…カム溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−329591(JP,A) 実開 平3−71932(JP,U) 実開 平7−33734(JP,U) 実開 平6−895(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60N 2/00 - 2/72 A61G 3/00 501
Claims (3)
- 【請求項1】 直線的に延在するラックを有する固定ベ
ースと、その固定ベースにスライド可能に取り付けられ
とともに前記ラックに常時噛み合う中間ギヤを有する回
転支持台と、その回転支持台に回転可能に取り付けられ
るとともに前記中間ギヤに噛み合い可能なピニオンギヤ
を有する回転台とを備え、前記回転台に外部から回転力
を与えたとき、回転当初から一定区間の単独回転領域の
経過後において、ピニオンギヤが中間ギヤに噛み合うこ
とによって回転台の回転動作とスライド動作が連動する
構成の回転・スライド連動機構のスライドロック装置で
あって、 前記中間ギヤの円周上に立設した垂直軸によりガイドロ
ーラを支持し、そのガイドローラに係合するカム面を有
する規制カムを前記ピニオンギヤに固定し、前記カム面
は、前記回転台の単独回転領域内では前記ガイドローラ
と係合して中間ギヤの回転を規制し、前記単独回転領域
経過後の前記ピニオンギヤの前記中間ギヤとの噛み合い
に呼応して前記ガイドローラの係合が解除されるように
形成されている回転・スライド連動機構のスライドロッ
ク装置。 - 【請求項2】 請求項1記載の回転・スライド連動機構
のスライドロック装置において、前記規制カムは、カム
溝を備えており、そのカム溝の内周側溝壁が前記ガイド
ローラと係合するカム面として機能する構成とした回転
・スライド連動機構のスライドロック装置。 - 【請求項3】 車両用座席に適用した請求項1又は2記
載の回転・スライド連動機構のスライドロック装置。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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