JP3323146B2 - 再生専用多重ホログラム情報記録媒体及び情報読み出し方法 - Google Patents
再生専用多重ホログラム情報記録媒体及び情報読み出し方法Info
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Description
グラム情報記録媒体に関し、磁気カードやICカードの
様に、持ち運び容易なメモリーカードとして利用して好
適な情報記録媒体である。偽造や複製が困難であるた
め、電子商取引用認証カードとしての使用、また、記億
容量が大きくかつ安価に生産できるため、CD、CD−
R0M、DVD等の様に、音楽や映像ソフトあるいはコ
ンピュータのソフトウエアの配布等の用途に好適であ
る。
り、ポケットに入れて持ち運び可能な情報カードとして
は、テレフォンカードの様な磁気カードが一般に用いら
れている。また、近年ではICカードが登場し、電子商
取引への適用が考えられている。磁気カードは安価では
あるが、偽造の危険性があり、また、ICカードは偽造
は困難であるがビット単価が高価になってしまうという
欠点がある。
記録技術として、ホログラフィーを用いた記録技術が考
えられる。ホログラフィーを平面ホログラムと体積ホロ
グラムとに分類すると、体積ホログラムは記憶容量に優
れるものの、情報転写技術が存在せず大量生産には不向
きであり、認証カードやソフト配布用等の再生専用メモ
リーへの適用は困難である。
した大量生産が可能ではあるが記憶密度が制限され、情
報再生装置のサイズや使い勝手を考慮に入れれば、IC
カードに較べて魅力に欠ける。この欠点を補うべく記憶
容量を大きくするため、この平面ホログラムを多層に重
ねたとしても、通常の再生方法では各層からのホログラ
ムが同時に再生されるためクロストークが大きく、必要
な情報を取り出すことができない。
装置用媒体として適用可能な、安価で大容量の再生専用
多重ホログラム情報記録媒体を提供することである。更
なる目的として、情報読み出し速度を向上させる再生専
用多重ホログラム情報記録媒体を提供することがある。
グルモードのスラブ光導波路を多層に積み重ねた再生専
用多重ホログラム情報記録媒体において、各スラブ光導
波路はコア層とクラッド層とを有し、これらコア層、ク
ラッド層には、該スラブ光導波路を伝搬する光を散乱す
る周期的散乱要因が設けられ、前記周期的散乱要因は、
前記コア層の厚みを変調することにより得られ、当該ス
ラブ光導波路の外で回折光パターンを生じさせるホログ
ラムパターンとして機能するものである情報記録媒体を
提供する。即ち、偽造が困難で大量生産可能な平面ホロ
グラムの原理を用い、この平面ホログラムを多層に重
ね、かつ、各層からのホログラムを独立に再生する事を
可能にする。
ための光(参照光)の外部からの入射方向や波長を変え
て像の位置や倍率、回折方向を変化させたとしても、参
照光が回折されることには変わりなく、即ち、平面ホロ
グラムを重ねた場合、参照光をどのように入射させよう
が、個々の平面ホログラムに参照光が達する限り、クロ
ストークは避けられない。本発明では、各平面ホログラ
ムを導波路に埋め込み、導波光を参照光として用いるこ
とで、着目しているホログラム以外には参照光が達しな
い構造となっている。
くとも一端面を導波面の法線に対してほぼ45゜カット
した反射面とし、導波面に対して本質的に垂直な方向か
ら前記反射面に光を入射させて導波路内に光を導入して
も良い。前記多層平面型導波路が対向する二端面を有す
る場合、両二端面を前記45゜カット反射面とし、各端
面から入射した導波光が当該導波路平面内で重なり合わ
ないように光の導入部位を設定できる。更に、このよう
な多層平面型導波路を導波路平面方向に沿って複数枚並
べて接着して一枚のカードとしても良い。
し、該円盤の外周方向に光が導波するように円盤中央部
に光導入部を設けても良い。典型的には、前記光導入部
が、円盤面に対してほぼ45゜にカットされた円錐側面
形状を有する反射面であり、円盤面に対して本質的に垂
直な方向から前記反射面に光を入射させて導波路内に光
を導入するようにできる。この場合、 ・前記反射面に、光を導入する結合点が、同心円状に円
周に沿って周期的に複数設定され、 ・導波光が、前記各結合点から円盤の外周方向に向かっ
て所定角度の広がりを有する扇型状に伝搬し、 ・前記所定角度が、各結合点に対応する扇形部が互いに
重ならないように設定される ようにすると、結合点が円盤の中心付近に円形に集中す
ることとなり、この円周上にヘッドを1つおき、円盤を
回転させて次々と各扇形の導波路ヘとアクセスすること
が出来るので効率的である。
も、回転読み出し形式の方がはるかに構造が簡単で、更
にアクセスが高速である。また、異なる層の情報を読み
出すときに、光源のレンズなどを動かす必要があるのは
カード型の場合と同様であるが、せいぜい1mmの範囲
内であり、このストロークで高精度な微動機構(アクチ
ュエータ)は光ディスク装置などの技術において一般的
なものであり、高価なものではなく、また応答も1ms
程度と高速である。また、円盤状情報記録媒体を回転さ
せて情報を読み出す場合、導波光のうちの回折されない
成分を媒体外部に取り出して同期をとることが可能であ
る。即ち、本発明によれば、ホログラムの書き込み面
積、情報読み出し速度の双方を大幅に向上させることが
できる。
多層記録ホログラムを使用した情報再生技術が開示され
ているが、ここでは一部または全部が光学記録材料から
構成されており、情報の記録は光の干渉縞で行われ、参
照光により情報を読み出すので、多層のホログラムを記
録する段階で物体光が全ての層を通過することになる。
その一方で、必要な信号強度を得るためにはある一定量
の露光を行わなければならず、この方式では、S/N比
は層数の2乗に反比例して減衰する。これに対し、本発
明では、上述のようにホログラムはあらかじめ目的とす
る層に作り込まれ、導波光で読み出しを行うので、S/
N比は層数の1乗に反比例して減衰するのみである。即
ち、本発明とは構成及び作用が異なるとともに、多層化
に関して根本的な問題を有すると言える。
て図面を参照して説明する。なお、本発明はこれら実施
形態に限定されるものではなく、様々な変形、応用形態
が可能である。
ドの構造、及び、光の入出力方法を説明する図である。
図1に示すように、このカードは、「クラッド11−1
/コア12−1/クラッド11−2/コア12−2/…
…/クラッド11−n」の様な周期層構造となってお
り、何れの”クラッド/コア/クラッド”単位において
も、使用するレーザー光13の波長において、平面型シ
ングルモード導波路となっている。この平面型光導波路
は、石英やプラスチックなどの板状の透明な媒質をコア
層とし、それよりも低い屈折率の媒質で挟んだ構造の、
いわゆるスラブ光導波路であり、コア層に光を閉じこ
め、面内方向に伝搬させることができ、光通信用の部品
に応用できる。再生専用多重ホログラムカードは、この
ような平面型導波路を幾重にも重ね、かつ、後述のよう
に各導波層がホログラムを備えるものである。
リンドリカル(円柱)レンズでも良い。重ね合わせられ
た平面導波路の端面の少なくとも一カ所は、導波路平面
に垂直な方向(法線方向)に対して45゜の角度を持つ
反射面15となっている。再生用レーザー光13の焦点
が、ある目的の導波路の45゜にカットされたコア層部
分に結合するように、凸レンズ14の位置が調節され
る。ここで、反射面15が露出している場合は全反射と
なり、反射面に特別に反射層を設ける必要はないが、耐
久性を持たせるために樹脂などで保護する場合には、反
射層として誘電体膜や金属膜を形成しておく必要があ
る。
は、凸レンズ14の開口数(NA,Numerical Apertur
e)は、導波路のNA以下でなければならない。一方、
NAを小さくするとレンズの集光スポットが大きくな
り、シングルモード導波路の場合には、空気中から直接
導波路に光を結合させようとすると、スポットサイズは
常に導波路の幅を超えてしまい、結合効率を100%に
することはできない。
直径を2D、焦点距離をfとして NAL=D/√(f2+D2) と定義し、一方、導波路のNA(NAWG)は、コア層の
屈折率をna、クラッド層の屈折率をncとして、 NAWG=√(na 2−nc 2) と定義する。
に導入された光は、導波光16となって導波路内の主に
コア層中を、反射点(導波光の結合部位)18を要とし
て扇状に拡がりながら進行する。ここで、扇の拡がり角
度は、2sin-1(NAL)となり、凸レンズ14の選
択によって変更が可能である。なお、レンズ14として
シリンドリカルレンズを用いた場合は、扇状に拡がる光
でなく、一定幅で進行する導波光となる。
に設けられた散乱要因(ホログラム)19によって部分
的に散乱され、導波路外に漏れ出すが、散乱要因19が
周期構造を持っていると、各散乱要因からの散乱光の位
相が合致する方向が存在し、その方向に回折光17とな
って進むために導波路外にも光が進行し、それがホログ
ラム像20を形成する。このホログラム像を電荷結合型
素子いわゆるCCD等の2次元光ディテクタで取り込む
ことにより、情報読み出しが出来る。また、図1中の凸
レンズ14を動かすことによって光を伝搬させる導波層
を変え、それぞれの層に記録された情報を別個に読み出
すことが出来る。
ッド層層の界面に設けた場合、もしくは、いずれかの層
中に設けた場合、のいずれにおいても、回折光は、上下
方向に出てくる。ここで言う周期散乱要因とは、具体的
にコア/クラッド界面の周期的荒れや、周期的屈折率変
調を指すが、導波光を部分的に導波路外に漏れさす要因
が周期的に存在すればよい。具体的には、ホログラムパ
ターンに合わせてコアの屈折率または吸収率または厚み
などを変調する。このうち最も簡単なのは厚みの変調で
ある。例えば、所望のホログラムを形成するように予め
計算された凹凸模様を金属などの堅い材料の原盤上に形
成し、この原盤を版として印刷技術を用いてプラスティ
ックシートに凹凸模様を転写し、このシートをコアもし
くはクラッドとして用いればよい。これにより、従来の
CD等と同様に、同じ内容(情報)が記録された媒体の
大量生産が可能である。
えば0.1%のように低めに設定することが、クロスト
ークを抑制する上で重要である。他の方法として、例え
ば、紫外線硬化樹脂をコアもしくはクラッドとして用
い、紫外線によるパターン照射を行っても良い。あるい
は、電子打ち込みにより周期的屈折率変調パターンを描
画することも可能である。
合、シングルモードでの光の導波、ホログラム像の生成
の概念を実現するための、屈折率や膜厚等のパラメータ
ーについて説明する。レーザー光13の波長をλ、コア
の屈折率をna、厚みをda、クラッドの屈折率をnc、
厚みをdcとする。なお、コア、クラッドともに、波長
λにおいて吸収の小さな材料を選ぶ必要がある。
の条件は、下記式(1)で示される。 da < λ/2√(na 2−nc 2) (1) 例えば、コア層としてPMMA(na=1.492)を
用い、クラッド層としてnc=1.480の紫外線硬化
樹脂を選び、波長(λ)680nmの半導体レーザーを
光源とした場合、コア層の厚みは、1.8μm以下にす
る必要がある。
場合、導波路のNAはNAWG=0.189となるので、
レンズのNAも同じくNAL =0.189とすると、焦
点位置のスポットサイズは、(エアリーディスクの直径
(=1.2λ/NAL)で)4.3μmとなる。この値
は、コア層厚1.8μmに較べて大きいので、結合効率
は、円形凸レンズの場合71%、シリンドリカルレンズ
の場合77%となる。
とによる層間のモード結合について説明する。一定周期
で、”クラッド/コア”のペアが積み重なっていると
き、第j層にのみ光を入力して、z方向に導波していく
とする。z方向に導波するにつれ、隣接したコアに次々
と光が漏れだしていく。これが、層間のモード結合であ
る。
の振幅(Aj±n)は、zの関数として、 Aj =E0J0(κz) Aj±n=E0Jn(iκz) の様に表される。ここで、E0 は入力した光の初期振幅
で、Jm はm次のベッセル関数、iは虚数単位を表す。
κは、Wjを第j層の(j層にしかコアが無い場合の)
導波モードとして、 κ=((na 2−nc 2)λ/(2π) )<Wj|Wj-1> (2) で、定義される。ここで、λは波長、naはコアの屈折
率、ncはクラッドの屈折率、<Wj|Wj-1>は、Wj×
W* j-1を第j−1層のコアの空間で積分した値である。
但し、W* j-1はWj-1の複素共役で、かつ、Wjは「Wj
W* j」を全空間で積分すると1になるように規格化され
ているものとする。
く、クロストークを小さく押さえる条件を与えれば良い
ので、最近接の層へ寄与(Aj±n)のみを考えれば良
い。κzが小さいとき、 Aj±n≒iκz/2 であるから、モード結合によるクロストークを小さく抑
えるためには、導波距離をLとして、κLが1より十分
小さいことが必要である。
0、コアの厚みが1.7μm、クラッドの厚みが6μm
の時、κ≒0.18m-1であるから、隣接層への結合
は、5mmの導波距離で、振幅で約0.1%、強度で約
10-4%であり、十分小さいことが分かる。つまり数m
mしか導波させない場合には、モード結合によるクロス
トークは無視できるほど小さい。
に集光する際の、「クラッド/コア/クラッド/コア/
……」の多層膜による反射減衰量は、クラッドとコアの
屈折率差が小さいときは、レンズと導波路との結合損失
に較べて無視できる大きさである。例えば、上記の例
(na=1.492、nc=1.480)では、干渉効果
によって最悪の膜厚を選んだとしても、”クラッド/コ
ア”の1ペアあたりの反射率は10-5のオーダーであ
り、例えば100組の導波層を垂直に通過しても、99
%以上の透過率を保つことができる。最も反射滅衰の大
きな部分は、空気と最上層のクラッド層との界面である
が、それでもせいぜい3.9%の反射率である。上述
の、反射減衰効果が無視できるという事は、回折光に対
しても同様であって、導波面に対して垂直に近い方向に
回折される光は、多層膜による影響をあまり受けない。
また、回折光が、他の層の周期散乱要因によって再回折
されることは、元々の回折効率を低く設定しておくこと
で、無視できるレベルまで小さくすることができる。即
ち、元の回折効率をηとすると、再回折される光量は、
各層あたり最大でη2であり、η=0.5%とするとη2
=2.5×10-5であるから、100層すべてで最大の
再回折がある最悪の場合を考えたとしても、回折効率は
半分に落ちる(2.5×10-5×100=0.25%)
にすぎない。
積(S)、及び、層の数(L)によって異なる。エラー
補正を考えない場合の記憶容量は、おおよそ、S×L×
λ-2であるから、名刺サイズ(S=5.4×9=48.
6cm2)の1mm厚(L≒100)媒体と、赤色半導
体レーザー(λ=680nm)を用いると、131GB
(ギガバイト)の容量となり、エラー補正用コードの使
用による情報量の減少を考慮したとしても100GB程
度の容量となるので、DVDの4.7GBに比較しても
大容量であることがわかる。
ず、周期性について説明する。導波路の伝搬定数βを2
π/λ'(λ'は導波モードの周期)、散乱要因の周期を
Λ、導波光の真空中での波長をλとすると、導波方向と
回折光のなす角度θは、下記式(3)で与えられる。 cosθ=λ(1/λ' − 1/Λ) (3)
て、x方向に導波路の閉じ込めがあるとすると、導波光
の電場振幅が以下のように表される(参考:Amnon Yari
v, "Optical Electronics (4th edition)", ISBN0-03-0
47444-2, Saunders College Publishing, pp. 479-48
7)として、伝搬定数(β)を定義した。
と一致すれば、ほぼ垂直に回折されることがわかる。本
発明の再生専用多重ホログラムカードをプラスチック等
を原料として作製した場合には、熱膨張による散乱要因
の周期変化、即ち、下記式(4)を考慮しなければなら
ない。 Λ=Λ0+ξδT (4) ここで、ξは線膨張率、δTは温度変化を示す。この
時、θ≒π/2であれば、回折角度の変化δθは、下記
式(5)となる。 δθ ≒ −λξδT/(Λ sinθ) (5)
ーなので、δT=±20℃の範囲で、ホログラムの大き
さによらず、回折角度変化は2×10-3rad(±0.
1゜)以下におさまる。この角度変化は小さいが、それ
でも、ホログラムの精細度を上げると微小回折角度変化
がデータ再生に影響を及ぼすので、再生装置の設計には
注意を要する。例えば、回折光を実像として、そのまま
各ピクセルの大きさが5μm四方のCCD(電荷結合素
子)上に結像する場合、ホログラムカードとCCDの距
離は、2.5mmより十分小さくしなければならない。
因のみから生成される訳ではなく、実際には、受光素子
上に所定の画像が形成されるように設計された散乱要因
を作成する必要がある。CCD上での所望の光強度分布
の電場振幅をE(rD)、ホログラムカード内を導波する
光の電場振幅をW(rW)、散乱要因の散乱強度の空間分
布をS(rW)で表すと、下記式(6)を満たすようにS
(rW)を求めておく必要がある。 E(rD)=∫S(rW) W(rW) exp(i(2π/λ)|rW−rD|)drW (6)
およびCCD受光平面上の位置べクトルを表し、|rW
−rD|はrWとrDとの間の距離を表す。S(rW) は、
既述のように、凹凸分布や屈折率分布等によって形成さ
れ、必要な回折光パターンを形成するために予め注意深
く設計されていなければならないが、ここでは簡単の為
に、導波路平面に垂直に平面波を回折する場合について
必要な凹凸分布や屈折率分布の見積をしておく。凹凸分
布の場合、クラッドとコアの二種類の屈折率による屈折
率分布と同じ事であるから、屈折率分布のみについて考
えればよい。
図2に示す様に、屈折率の変化分をδ0、屈折率分布が
構造を持つ厚みをdDとすると、回折効率(η)が小さ
いとき、回折効率はおおよそ、下記式(7)で与えられ
る。 η≒(δ0rLdD/(Λda))2 (7)
は導波路の長さを示す。コアに凹凸をつけることで散乱
要因を形成した場合、凹部分はクラッドの材料で埋めら
れるため、δ0=nc−naで与えられる。また、隣接す
る散乱要因間の距離をx'、各散乱要因の幅をy'とする
と、 x = x'/Λ y = y'/Λ 1/r = (1/2)(1/x + 1/y) となる。
=1.480、コアの厚みda=1.7μm、光の波長
λ=680nmとした場合、導波モードの周期λ'はλ'
=0.46μmで与えられるので、散乱周期(Λ)をΛ
=λ'となるように調整し、r=0.1、L=2mm、
dD =0.05μmとした例の場合、回折効率は約0.
6%となる。あるいは、コア層に紫外線照射を施すこと
によって周期的な屈折率分布を形成した場合、例とし
て、導波路の構成が前述の例と同じで、r=0.5、d
D =d a、L=5mm、δ0=10-5の場合、回折効率は
約0.3%となる。なお、この凹凸情報の原盤を作る為
には高度の精密技術を必要とするので、記録ヘッドで容
易に作成できる磁気カードに比べ、偽造が困難である。
る再生専用多重ホログラムカードの作製例の工程を説明
する図である。本カードは、「紫外線硬化樹脂/PMM
A/紫外線硬化樹脂/PMMA/紫外線硬化樹脂/……
/PMMA/紫外線硬化樹脂」の様な、紫外線硬化樹脂
とPMMAとが交互に重ね合わされた層構造を持ち、紫
外線硬化樹脂は、屈折率1.480で厚さ8μm、PM
MAは、屈折率1.492で厚さ1.7μmである。
されたガラス基板21上に紫外線硬化樹脂22を8μm
の厚みでスピンコートし、紫外線23で露光した後、P
MMA24を1.7μmの厚みでスピンコートし、その
上を周期0.46μmの凹凸模様のついたローラー25
を走らせる。更に「紫外線硬化樹脂コート/紫外線露光
/PMMAコート/ローラー」の4工程を合計10サイ
クル分繰り返し、最後に「紫外線硬化樹脂コート→紫外
線露光」をもう一度行い、図4(A)に示すような周期
層構造の平面型導波路26を得た。この場合、紫外線硬
化樹脂層がクラッド、PMMA層がコアとなり、各コア
層に周期散乱要因としての凹凸模様が形成されている。
の端面を45゜に研磨した。光源は680nmの半導体
レーザー光を用い、コリメートレンズで直径5mmの平
行ビームに整形した後、焦点距離13mmのシリンドリ
カルレンズ27にて集光した。図4(C)に示すよう
に、レーザー光126の焦点を目的とするPMMA層の
45゜カット位置に合わせると、上下方向に回折光2
8,28が現れた。
したホログラムカードの端面を残して他の部分にアルミ
フォイルで覆いをした後、真空中でアルミニウムを蒸着
し、大気中でアルミフォイルを剥がした。これにより、
45゜カット部分にアルミ反射膜が形成された。さらに
アルミが蒸着された45゜カット部分に紫外線硬化樹脂
を塗布し、紫外線照射により45゜カット部分を保護し
た。そして、「作製例1」と同様に680nmの半導体
レーザーを焦点距離13mmのレンズで各PMMA層に
集光すると、上下方向に回折光が現れた。
紫外線硬化樹脂(UV樹脂)のパターニングによる、再
生専用多重ホログラムカードの作製実施例を示す。この
実施例では、多重ホログラムカードは、3種類のUV樹
脂の並び(/UV−A/UV−B/UV−C/)を一単
位(unit)とし、「unit−1/unit−2/
……/unit−n/UV−A」の様な層構造を持つ。
本実施例では、n=4である。UV−Aは、屈折率1.
480で厚さ8μm、UV−Bは、屈折率1.492で
厚さ1.5μm、UV−Cは、屈折率1.475で厚さ
0.2μmである。
ス基板31上にUV−A(符号32−1)を8μmの厚
みでスピンコートし、紫外線33を一様に照射する。次
にUV−B(符号32−2)を1μmスピンコートし、
紫外線33でパターニングし、硬化していない部分をエ
ーテル系溶媒を用いて洗い流す。引き続きUV−C(符
号32−3)をスピンコートし、紫外線一様露光を行
う。この手順を4回繰り返し、最後にUV一A(32−
1)のスピンコート、紫外線照射露光をもう一度行い、
図6(A)に示すような周期層構造の平面型導波路34
を得た。
の端面を45゜に研磨した。光源として680nmの半
導体レーザーを用い、コリメートレンズで直径5mmの
平行ビームに整形した後、焦点距離20mmの平凸レン
ズ35にて集光し、焦点を各UV−C層の45゜カット
位置に合わせると、上下方向に回折光36,36が現れ
た。上記各実施例においては、主材料として樹脂を用い
ており、スタンパーを使用した安価な大量生産が可能で
ある(体積ホログラムではスタンパーは使用できな
い)。なお、樹脂に代えてガラス等他の材料を用いるこ
ともできる。また、光が入射される反射面は45゜に限
らず任意に設定でき、即ち、光の入射方向も任意に設定
可能である。
あり、(a)部は図1と同様に導波路の断面及び情報読
み出し形態を示す図であり、(b)部はカード上方から
の透視図である。(b)部に示すように、上記第1実施
形態では、平面型光導波路に集光レンズ14で結合され
たレーザ光13は、導波路内を、結合部位(反射点)1
8を扇のかなめとして扇状に進行する。
(na)を1.492、クラッド11の屈折率(nC)を
1.480、集光レンズ14の開口数(NAL)を導波
路の開口数「NAWG=√(na 2−nc 2)」と一致させ、N
AL=0.19とすると、導波光17は、図1(b)部
に示すように、約14.6゜の広がり角度で進行する。
つまり、結合点が一カ所であると、広がり角14.6゜
の扇の外には光が到達せず、情報を記録しても再生でき
ず、その部分を有効活用できない。
量(M)は、ホログラムを書き込んである面積をS、使
用波長をλとして、おおよそ、M=S/λ2で与えられ
る。一方、一枚のホログラムに記憶するデータ容量は、
受光素子のピクセル数で制限されるので、λ=680n
mの時、200万画素のCCDを用いたとして、ホログ
ラムが明暗の二値情報画像の場合でS=0.92m
m2、8bitのグレースケール画像の場合でS=7.
4mm2になり、これより大きな面積を用いるのは冗長
であることがわかる。この面積は、名刺サイズ(54×
90=4860mm 2)に比べて圧倒的に小さく、その
様なサイズではかえって持ち運びが不便である。このよ
うな問題点を解決する実施形態を以下に示す。
置する方法を用いる。本例では、多層の平面導波路の互
いに平行な一対の二端面15,15を、導波路平面に対
して45゜にカットしてあり、各端面に(矢印で示すよ
うに)複数の結合部位を持つ構造となっている。図8に
示すような複数の扇形を交互に組み合わせた構造を、こ
れ以降一つのブロック218と呼ぶことにする。
に、ブロック218を複数並べ、第1ブロック218−
1と第2ブロック218−2を有する一つのカードを形
成することも可能である。この場合、第1ブロック21
8−1と第2ブロック218−2とを、導波方向に連続
的に並べている。第1ブロック218−1はA、Bで示
す辺が45゜にカットされており、第2ブロック218
−2はB、Cで示す辺が45゜にカットされている。
Bの辺においては、第1ブロック218−1と第2ブロ
ック218−2の結合位置が近接するように配置する。
このようにすることで、カードと集光レンズの相対位置
を僅かに変化させることで、異なるブロックのホログラ
ム像にアクセスすることが可能となる。
点の反対の辺の45゜端面で反射され、カード外に迷光
となって出てくるが、ホログラム像を結像させる受光素
子にこの迷光が入力されないような受光素子とホログラ
ムとの結像位置関係を予め決めておかなければならな
い。この迷光の影響を避ける手段のひとつとしては、導
波光が45゜端面で反射されて進行する方向(図9
(b)部の側面図では上方向)とは反対側(同側面図で
は下方向)に受光素子を配置するようにすればよい。な
お、図中、符号219は透明樹脂を示す。
クの様に、レーザー光をレンズで所定の位置に集光する
作業が必要である。しかし、光ディスクは、集光位置が
変化することでディスク表面の情報を1ビットずつ再生
するのに対し、本発明によるホログラムカードでは、集
光位置が変化することで画像(二次元情報)が変化す
る。集光位置を変化させて情報を読むことに変わりはな
いので、光ディスクと同様に、集光位置の位置合わせ
が、位置合わせ速度と精度の両面において重要である。
大きさは典型的には1mm程度の大きさであるが、各層
を分離するためには1μm程度の精度での位置合わせが
必要である。これは、通常の光ディスクでは数kHzの
応答速度で広く実用に供されている技術であり、○印の
内部に集光点があれば、1ms程度で○印内の所望の層
(B辺に存在する結合部位であれば所望のブロックを)
も選択することが可能であることを意味している。従っ
て、集光レンズの数が○印の数、即ちカードに存在する
結合部位の数だけ存在すれば、どのブロックのどの層に
でも、1ms程度でアクセスすることが可能である。
だけ集光レンズとアクチュエーターを配置することが困
難である場合には、集光レンズを(最低1個まで)減ら
さなければならない。その場合には、任意のブロックの
任意の層からホログラムを再生させるために、ホログラ
ムカードに移勤機構を併設するか、もしくは、集光レン
ズを数cmのオーダーで移動できる粗動機構を持たせる
ことが必要である。
ルレンズを用いた場合の、多ブロック構造の配置例であ
り、(a)部に平面図、(b)部に側面図を示す。第1
ブロック259−1,第2ブロック259−2は、それ
ぞれ4部分の長方形エリアを有し、2つのブロック間の
隣接する長方形エリア間に、結合部位260が設定され
る。(b)部に示すように、各長方形エリアの両端面
も、上述した扇形の場合と同様に45゜にカットされて
いる。この構成においても、両ブロックの結合部位が辺
Bに沿って隣接されているため、集光位置のわずかな変
化により異なるブロックに属するエリアの情報を読み出
すことができる。また、扇形構成よりも、結合部位の配
置や読み出し機構の駆動が容易であるというメリットが
ある。
ンズ数を1多くした構成における、カードと受光素子と
集光レンズの配置例を示す。図11は2ブロック構成の
再生専用カード、図12は3ブロック構成の再生専用カ
ードをそれぞれ示し、各々(a)部は平面図、(b)部
は側面図である。各光ヘッド221は、レーザー,集光
レンズ,アクチュエーターを備え、それぞれの光ヘッド
221に対応して、CCD等の受光素子223を個々に
配置する。
合う辺にある場合には、1つの光ヘッド221に対し、
2個の受光素子223を配置する。なお、図中、符号2
24は結合部位を図示する。こうすることで、再生専用
カード222を1次元的(図11,12の(a)部にお
いて紙面内上下方向)に移動させるだけで、任意のブロ
ックの任意の層からの回折光を再生することができる。
ザーを光源とし、屈折率1.480、厚み9.3μmの
紫外線硬化樹脂がクラッド層、屈折率1.492、厚み
1.7μmのPMMAがコア層である例を挙げる。図1
3に示す様な、大きさD:9.5mm×W:10mm×
h:0.55mmの多層ホログラムカードにおいて、向
かい合う1対の2端面15,15を45゜にカットす
る。45゜カットされた端面15,15内に、t:2.
5mmおきに結合部位を作れば、各々の光導入部から入
射した導波光は、導波路平面内の同じ部位を共有しな
い。
た部分には導波光は達せず、この部分はホログラムには
寄与しない。それ以外の三角形部分は、各々黒矢印で示
された結合部位18から導波する導波光が占有する場所
で、お互いに重ならない。こうして作ったホログラムカ
ードの異なる結合部位から直径5mm、焦点距離15m
mのレンズを用いて光を入射すると、同じ層であって
も、異なるホログラムが混じり合うことなく再生され
た。
5mm×W:10mm×h:0.55mmの多層ホログ
ラムカードを1ブロックとし、これを図14に示すよう
に2ブロック(218−1,218−2)ならべて、エ
ポキシ樹脂219で硬め、一枚のホログラムカード20
0とした。各ブロックの45゜カット端面には、金を約
200nmの厚みで蒸着してある。また、カードに機械
的強度を持たせるため、エポキシ樹脂219は、各ブロ
ックを並べたサイズよりも大きく、カードの大きさは2
5mm×15mm×0.55mmの大きさとなってい
る。このカードの異なる結合部位に直径5mm、焦点距
離15mmのレンズを用いて光を導入すると、同じブロ
ックの同じ層であっても異なるホログラムが再生され
た。
く、その間隔は数mmである。従って、光源と2次元デ
ィテクタの組からなるヘッドが1組である読み出し装置
を用いる場合、異なる結合点へとアクセスするためには
ヘッドを直線的に動かす必要がある。精度の高い直線的
な機械移動の装置は概して複雑で、また速度には限界が
あるためアクセススピードに影響する。読み出し装置に
ヘッドを多数用意すればアクセススピードの問題は解消
するが、装置は複雑且つ高価となる。このような、ヘッ
ドを多数用意するか、ヘッドまたはカードを直線的に動
かす必要があるという課題を解決し、ヘッドの数が1つ
でも直線的な機械移動を低減してアクセススピードを大
幅に改善し、また装置も簡略化することができる実施形
態を以下に示す。
み出し方法を説明する図、図16は、本実施形態の記録
媒体における情報記録単位を説明する図である。図中、
符号301はレーザー光、304は導波光、306は結
合点、310はホログラム像、311は円盤媒体、31
2は光源、313は2次元ディテクタ、314は45゜
円錐状反射面、315はセクター、316はストレータ
ム、及び317はディスクを各々示す。
に示しようにドーナツ状としている。ここで、レーザ光
301との結合点306を設けるため、中心部に穴を空
け、傾き45゜の円錐状の穴になるように成形して研磨
し、反射面314としている。図15に示すように、実
際の円盤媒体311の半径に対し、ホログラムが記録さ
れる扇形の半径は若干小さいため、一つの扇形と隣の扇
形との間に隙間が生じ、この部分は情報記録の用をなさ
ない。このため、実効的に記録密度を下げることにな
る。全体の面積に対する隙間の比率は、扇形の半径が媒
体の半径に近いほど小さく、つまり結合点306が円盤
の中心に近い程良い。従って、状況の許す限り中心の穴
の半径を小さくするのが好ましい。
こで記したような45゜の反射鏡面以外の方法を用いて
も良い。以後、積層構造を持つ扇形の1層を、従来の磁
気ディスクにならってセクター315と称することにす
る。また、同じ層にあるセクター315を1回転分まと
めてストレータム316を称することにする。さらに、
ストレータム316の集まりをディスク317と称する
こととする。
ィスク317の関係を図16に示す。1個または複数の
2次元ディテクタで1度に読み出すことが出来るのがセ
クター315の情報、光源312を固定したままで円盤
媒体311を1回転することで読み出すことが出来るの
がストレータム316の情報量、そして、円盤媒体31
1全体の情報量がディスク317に合まれる。これを模
式的に示したのが図16である。
層へのホログラムの作りつけについては上述した第1実
施形態と同様である。本実施形態における媒体全体につ
いては、セクターを積層した扇形部分を個別に作製して
から円形に並べて接着しても良いが、最初から円盤形状
のストレータム単位で積層して作製するのが簡単であ
る。その場合、導波路の積層の後、中央に穴を開け、円
錐状に研磨して結合点を作製する。研磨するだけでも、
研磨面が空気中に露出していれば全反射鏡として機能す
るので問題はないが、反射面にアルミや金などの金属膜
を蒸着しても良い。
ように行われる。媒体の結合点306の並ぶ45゜円錐
状反射面314の直上に光源を置き、積層された導波路
のうちの一つへと光を結合させる。光はその導波路に閉
じ込められて媒体円盤の外周へ向かって伝搬する。この
途中で前掲の方法などで導波路に作りつけられたホログ
ラムによって光は上方または下方へ回折され、ホログラ
ム像310を形成する。この像をCCDに代表される2
次元光ディテクタ313で撮影し、記録された情報を電
気信号として得る。ここで、光源312からの光の集光
位置は、どの層の情報を読み出すかによって変える必要
がある。このため、凸レンズ302の位置を微動する機
構が必要である。この機構には、たとえば光ディスク装
置のヘッドの微動に用いられるアクチュエー夕などがあ
る。図15では2次元ディテクタ313は一つしか描か
れていないが、複数個用意しても良い。光源312の個
数についても同様で、アクセススピードを上げるために
いくつもの光源を用意する方法もある。
セククーの選び方に関連して様々な方法がある。例え
ば、常時停止していてサーボモータで目的とするセクタ
ーの結合点をその都度光源の位置に動かす方法がある。
しかし、アクセススピードの観点からは、CDやハード
ディスクのように常時高速回転させておくのが好まし
い。この場合、セクターの選び方が間題となるが、従来
のCDや磁気ディスクにおける方法から容易に転用可能
である。例えば、磁気ディスクと同様に、ホログラムの
一部に同期信号を含ませる方法や、媒体に目印となるマ
ークを物理的に付ける方法がある。さらに、媒体を円盤
形にすることで派生する大きなメリットに、媒体外周か
らの導波光の漏洩がある。上述のように、再生専用多重
ホログラムカードでは、層間のクロストークを抑えるた
めに各層のホログラムの回折効率を低く設定する必要が
ある。このため、導波光の大部分は扇形の外周部分で吸
収または散乱されるか、または外部へ透過することにな
る。そこで、この回折されない導波光成分を外部に取り
出して同期をとる方法がある。この導波光成分はホログ
ラム像と比較して非常に大きな光パワーが得られること
から、ホログラム自身に同期信号を含ませるよりも有利
である。
た円盤媒体400を示す。同図に示すように、ガラス基
板319の上に導波路を積層した構造になっている。符
号Aは破線で示す部分の断面図であり、中央に直径1m
mの穴400aが空いており、積層導波路318の端面
314は45゜の傾斜を持つ円錐状となっている。斜線
を施した直径22mmの部分にホログラムが形成されて
いる。1ストレータムは24セクターからなり、10層
を積層したため、媒体全体では10ストレータム、24
0セクターの情報が記録されている。
ラムの凹凸のついた金型を10枚用意した。この金型1
枚が1ストレータムに対応する。次に直径23mmのガ
ラス円盤319を基板とし、これに屈折率1.480の
紫外線硬化樹脂をクラッド層、屈折率1.492のPM
MAをコア層の材料とした導波層を積層した。最初に紫
外線硬化樹脂を、続いてPMMAをスピンコートし、さ
らに紫外線を均一に照射した。ここで、1番目のストレ
ータムの金型を押しつけ、ホログラムを転写した。引き
続いて紫外線硬化樹脂、PMMAのスピンコート、紫外
線照射の後に2枚目のホログラムを転写、という作業を
繰り返し、最後にもう一層のクラッド層でカバーして合
計10層の光導波路を積層した。コア層の平均膜厚は
1.7μm、クラッド層の厚みは9.3μmとした。
mmの穴を開け、導波層の部分については45゜の傾斜
を持つ円錐状に加工し、ダイヤモンドソーで研磨した。
更にこの傾斜部にはアルミの反射膜を蒸着し、樹脂でカ
バーした後、回転のためのジグを取り付けた。以上で1
0ストレータム、240セクターの画像情報を組み込ん
だ媒体(直径23mm)が作製できた。
れた画像情報の読み出しを図15に示す系で行った。但
し、図15は誇張しており、実際の寸法比とは異なる部
分がある。平行化した波長680nmの半導体レーザー
の光を、直径5mm焦点距離13mmのレンズを通し、
前記の導波層の傾斜部、すなわち結合点に集光した。こ
こで、微動アクチュエータによってレンズを上下左右に
動かし、集光点を媒体表面から第1層目の結合点に合わ
せた。すると、媒体に記録されていた240個のセクタ
ーのうちの1個のセクターの画像が再生された。
も鮮明に再生される回転角があり、この角度において2
次元ディテクタ(ここではCCD)を用いて正確な画像
情報として読み出すことが出来た。さらに、この回転角
から約15゜回転させると、先ほどとは異なる画像が表
れ、隣のセクターの情報を読み出すことが出来た。これ
以降、約15゜回転させる毎に画像が変わり、24セク
ター、つまり1ストレータム分の情報を読み出すことが
出来た。
点に移して同様の動作を行うと、第2番目のストレータ
ムの情報を読み出すことが出来た。さらに結合点を変え
る(層が変わる)毎に1ストレータム分の情報読み出し
を行い、10個の結合点に関して10ストレータム、合
計240セクターの媒体に記録された画像情報を全て正
確に読み出すことが出来た。
体の側面320に、黒色塗料で同期用マスク列321を
構成した。ここで、マスクは光を透過するか否かを示す
2値で1ビットとし、32ビット(2ワード)をもって
1組とした。この1組を、10セククーの積層からなる
扇形1つに対応させ、各扇形の弧の部分に配置した。従
って、同期用マスク列21は全部で32×24ビット
(2×24ワード)となった。1個の扇形の分である3
2ビットのうち、上位10ビットを信号同期用、下位5
ビットをセクター識別用に割り当てた。信号同期用の1
0ビットは24組全てについて「010101010
1」の並びとした。また、前記の24個の扇形に0から
23までの番号を付け、それぞれの扇形に対応する同期
用マスク列321のセクター識別用の5ビットに、この
番号を反映させた。このようにして同期用マスク列32
1を付加した媒体の一つのセクターに、図15の情報読
み出し系でレーザー光を結合させた。
盤媒体側面320から外部へ漏洩するため、同期用マス
ク列321に対応した光パターン322が媒体側方で観
測され、1次元ディテクタ323で検出し、同期用マス
ク列321のパターンを読むことが出来た。ここで、媒
体を約70rpmで定常回転させ、一次元ディテクタ2
23の信号をモニターした。同期用マスク列321の信
号同期用の上位10ビットが「0101010101」
であることを確認すると同時に、下位5ビットを読み込
み、更に同時に2次元ディテクタ313の画像を取り込
むことにより、任意のセククーに記録された情報と、そ
のセクターが属する扇形の番号を得ることが出来た。こ
の手法により、定常回転中でもセクターの番号を指定し
て情報を読み取ることが出来た。媒体回転の速度を約7
0rpmとしたため、媒体に記録された全情報を読み出
すのに要した最短時間は約8.7秒であった。
平面ホログラムの原理を用い、この平面ホログラムを多
層に重ね、かつ、各層からのホログラムを独立に再生す
る事を可能にする。即ち、大量生産可能な平面ホログラ
ムの手法を用いながら、体積ホログラムの様にデータ容
量を大きくすることが可能となり、安価で大容量の再生
専用メモリを提供することが可能である。さらに、典型
的な携帯カード型の場合、光ディスクの様な回転機構が
不要な事から、音楽や映像再生の為の再生装置が省電力
となる利点もある。また、認証カードとして用いる場合
には、偽造が困難であることに加え、様々な付加情報を
記憶しておく事も可能となり、利便性が高まる。
る場合、両二端面を前記45゜カット反射面とし、各端
面から入射した導波光が当該導波路平面内で重なり合わ
ないように光の導入部位を設定できる。更に、このよう
な多層平面型導波路を導波路平面方向に沿って複数枚並
べて接着して一枚のカードとしても良い。このような工
夫により、読み出し可能な情報をホログラムとして書き
込む面積が増え、記憶容量が高まるとともに、情報読み
出し速度の向上が可能となる。例えば携帯型カードにお
いて、有効記憶面積をカード面積に応じて増やすことが
できる。また、前記多層平面型導波路を円盤形状にし、
該円盤の外周方向に光が導波するように円盤中央部に光
導入部を設けても良く、ホログラムの書き込み面積、情
報読み出し速度の双方を大幅に向上させることができ
る。
ラムカードの構造、及び、光の入出力方法を説明する図
である。
る。
ホログラムカードの作製例の工程を説明する図である。
ドの工程の続きを説明する図である。
脂のパターニングによる再生専用多重ホログラムカード
の作製例の工程を説明する図である。
ドの工程の続きを説明する図である。
である。
成した例を示す図である。
作成した別例を示す図である。
る方法を説明する図である。
報再生する方法を説明する図である。
カードの構成を示す図である。
カードの構成を示す図である。
報読み出し方法を説明する図である。
単位を説明する図である。
体を示す図である。
明する図である。
Claims (14)
- 【請求項1】 シングルモードのスラブ光導波路を多層
に積み重ねた再生専用多重ホログラム情報記録媒体にお
いて、 各スラブ光導波路はコア層とクラッド層とを有し、これ
らコア層、クラッド層には、該スラブ光導波路を伝搬す
る光を散乱する周期的散乱要因が設けられ、 前記周期的散乱要因は、前記コア層の厚みを変調するこ
とにより得られ、当該スラブ光導波路の外で回折光パタ
ーンを生じさせるホログラムパターンとして機能するも
のであ る情報記録媒体。 - 【請求項2】 前記コア層の厚みを変調して得られる周
期的散乱要因は、前記コア層及びクラッド層の少なくと
も一方に紫外線硬化樹脂を用い、紫外線照射により形成
するものである請求項1記載の情報記録媒体。 - 【請求項3】 前記コア層の厚みを変調して得られる周
期的散乱要因は、原盤上に形成された凹凸模様を前記コ
アまたはクラッド層に転写することにより形成される請
求項1記載の情報記録媒体。 - 【請求項4】 前記多層平面型導波路の少なくとも一端
面を導波面の法線に対して所定角度カットした反射面と
する請求項1〜3いずれか記載の情報記録媒体。 - 【請求項5】 前記所定角度をほぼ45゜とし、導波面
に対して本質的に垂直な方向から前記反射面に光を入射
させて導波路内に光を導入する請求項4記載の情報記録
媒体。 - 【請求項6】 前記反射面に金属反射膜または誘電体反
射膜を設ける請求項4記載の情報記録媒体。 - 【請求項7】 前記多層平面型導波路が対向する二端面
を有し、両二端面が前記45゜カット反射面とされ、各
端面から入射した導波光が当該導波路平面内で重なり合
わない請求項5記載の情報記録媒体。 - 【請求項8】 前記多層平面型導波路を導波路平面方向
に沿って複数枚並べて接着して一枚のカードとした請求
項1〜3及び7いずれか記載の情報記録媒体。 - 【請求項9】 前記多層平面型導波路が円盤形状であ
り、該円盤の外周方向に光が導波するように円盤中央部
に光導入部を設けた請求項1〜3いずれか記載の情報記
録媒体。 - 【請求項10】 前記光導入部が、円盤面に対してほぼ
45゜にカットされた円錐側面形状を有する反射面であ
り、 円盤面に対して本質的に垂直な方向から前記反射面に光
を入射させて導波路内に光を導入する請求項9記載の情
報記録媒体。 - 【請求項11】 前記反射面に、光を導入する結合点
が、同心円状に周期的に複数設定され、 導波光が、前記各結合点から円盤の外周方向に向かって
所定角度の広がりを有する扇型状に伝搬し、 前記所定角度は、各結合点に対応する扇形部が互いに重
ならないように設定される請求項10記載の情報記録媒
体。 - 【請求項12】 円盤側面の、前記各結合点からの導波
光が通過する部分に、当該結合点固有の識別パターンを
設けた請求項11記載の情報記録媒体。 - 【請求項13】 請求項9記載の円盤状情報記録媒体を
回転させて情報を読み出す方法において、前記導波光の
うちの回折されない成分を媒体外部に取り出して同期を
とる方法。 - 【請求項14】 請求項11記載の円盤状情報記録媒体
を回転させて情報を読み出す方法において、前記各結合
点からの導波光の経路に当該結合点固有の識別パターン
を設け、該識別パターンを検出して当該結合点に対して
同期を取る方法。
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