JP3322474B2 - 回路板の処理方法 - Google Patents
回路板の処理方法Info
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- circuit
- copper
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- Manufacturing Of Printed Wiring (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多層プリント配線板の
製造に使用される内層用の回路板の処理方法に関するも
のである。
製造に使用される内層用の回路板の処理方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】多層プリント配線板は、片面乃至両面に
銅箔等からなる回路を設けた内層用の回路板を成形した
後、この内層用回路板にプリプレグを介して外層用回路
板もしくは銅箔を重ね、これを二次積層成形して一体化
することによって製造されるのが一般的である。この多
層プリント配線板にあっては、特に内層用の回路板に形
成された銅回路と外層用回路板もしくは銅箔を積層させ
るプリプレグの樹脂との接着性を確保することが必要で
ある。
銅箔等からなる回路を設けた内層用の回路板を成形した
後、この内層用回路板にプリプレグを介して外層用回路
板もしくは銅箔を重ね、これを二次積層成形して一体化
することによって製造されるのが一般的である。この多
層プリント配線板にあっては、特に内層用の回路板に形
成された銅回路と外層用回路板もしくは銅箔を積層させ
るプリプレグの樹脂との接着性を確保することが必要で
ある。
【0003】そこで、従来から種々の方法で銅回路と樹
脂との接着性を高めることが検討されており、例えば銅
回路を酸化処理することによってその表面に酸化第二銅
(CuO)の被膜を形成する黒化処理が一般になされて
いる。銅を酸化処理して得られる酸化第二銅の被膜の表
面には微細な突起が形成されることになり、この微細な
突起による凹凸によって銅回路の表面は粗面状を呈し、
その投錨効果によって銅回路とプリプレグの樹脂との接
着性を高めることができるのである。
脂との接着性を高めることが検討されており、例えば銅
回路を酸化処理することによってその表面に酸化第二銅
(CuO)の被膜を形成する黒化処理が一般になされて
いる。銅を酸化処理して得られる酸化第二銅の被膜の表
面には微細な突起が形成されることになり、この微細な
突起による凹凸によって銅回路の表面は粗面状を呈し、
その投錨効果によって銅回路とプリプレグの樹脂との接
着性を高めることができるのである。
【0004】しかし、銅回路を酸化することによって表
面に形成される酸化第二銅は酸に溶解し易いため、多層
プリント配線板に加工したスルーホールにスルーホール
メッキを施す際に化学メッキ液や電気メッキ液に多層プ
リント配線板を浸漬すると、スルーホールの内周に露出
する銅回路の断面部分の酸化第二銅がメッキ液の酸に溶
解し、スルーホールの内周から銅回路と樹脂との境界を
酸が浸入して溶解侵食する、いわゆるハロー現象が生じ
るおそれがある。プリント配線板の高密度化が進むにつ
れてスルーホール間やスルーホールと配線回路の間の距
離が接近する傾向にある近年では、このようなハロー現
象は多層プリント配線板の電気的信頼性を低下させる致
命的な問題となるものである。
面に形成される酸化第二銅は酸に溶解し易いため、多層
プリント配線板に加工したスルーホールにスルーホール
メッキを施す際に化学メッキ液や電気メッキ液に多層プ
リント配線板を浸漬すると、スルーホールの内周に露出
する銅回路の断面部分の酸化第二銅がメッキ液の酸に溶
解し、スルーホールの内周から銅回路と樹脂との境界を
酸が浸入して溶解侵食する、いわゆるハロー現象が生じ
るおそれがある。プリント配線板の高密度化が進むにつ
れてスルーホール間やスルーホールと配線回路の間の距
離が接近する傾向にある近年では、このようなハロー現
象は多層プリント配線板の電気的信頼性を低下させる致
命的な問題となるものである。
【0005】そこでこのような問題に対処するために、
銅回路の表面に生成した酸化第二銅を酸に溶解しない状
態にすることによって、ハロー現象の発生を防ぐ方法が
いくつか提案されている。例えば、銅回路の表面に生成
した酸化第二銅を酸に溶解し難い酸化第一銅(Cu
2 O)やさらには金属銅に還元したり、銅回路の表面の
酸化第二銅を弱酸系の処理液で溶解して除去したりする
方法が提案されている。
銅回路の表面に生成した酸化第二銅を酸に溶解しない状
態にすることによって、ハロー現象の発生を防ぐ方法が
いくつか提案されている。例えば、銅回路の表面に生成
した酸化第二銅を酸に溶解し難い酸化第一銅(Cu
2 O)やさらには金属銅に還元したり、銅回路の表面の
酸化第二銅を弱酸系の処理液で溶解して除去したりする
方法が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のように酸化第二
銅を還元したり除去したりすることによって、耐ハロー
イング性を高めてハロー現象を低減することはできる
が、まず銅回路の表面に酸化第二銅を生成させて、銅回
路の表面を粗面化させることによってプリプレグ樹脂と
の接着性を向上させる工程と、酸化第二銅の生成による
銅回路の上面の粗面状態を確保した上での酸化第二銅の
還元や除去による耐ハローイング性を向上させる工程と
を必要とし、複雑な処理の方法になるという問題があっ
た。
銅を還元したり除去したりすることによって、耐ハロー
イング性を高めてハロー現象を低減することはできる
が、まず銅回路の表面に酸化第二銅を生成させて、銅回
路の表面を粗面化させることによってプリプレグ樹脂と
の接着性を向上させる工程と、酸化第二銅の生成による
銅回路の上面の粗面状態を確保した上での酸化第二銅の
還元や除去による耐ハローイング性を向上させる工程と
を必要とし、複雑な処理の方法になるという問題があっ
た。
【0007】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、簡便な処理で、ハロー現象が発生することなく銅
回路とプリプレグの樹脂との接着性を高めることができ
る回路板の処理方法を提供することを目的とするもので
ある。
あり、簡便な処理で、ハロー現象が発生することなく銅
回路とプリプレグの樹脂との接着性を高めることができ
る回路板の処理方法を提供することを目的とするもので
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る回路板の処
理方法は、回路板へのカップリング剤の付着量が両面合
計で0.5g/m 2 以上になるように回路板に設けた銅
回路の表面をカップリング剤で処理し、次にこのカップ
リング剤を155℃以上の温度で焼き付けることを特徴
とするものである。また本発明に係る回路板の処理方法
は、回路板への表面処理剤の付着量が両面合計で0.5
g/m 2 以上になるように回路板に設けた銅回路の表面
をSi(OCmHn)4又はTi(OCmHn)4〔但し、m
は0以上の整数、nは1以上の整数〕の一般化学式で示
される表面処理剤で処理し、次にこの表面処理剤を15
5℃以上の温度で焼き付けることを特徴とするものであ
る。
理方法は、回路板へのカップリング剤の付着量が両面合
計で0.5g/m 2 以上になるように回路板に設けた銅
回路の表面をカップリング剤で処理し、次にこのカップ
リング剤を155℃以上の温度で焼き付けることを特徴
とするものである。また本発明に係る回路板の処理方法
は、回路板への表面処理剤の付着量が両面合計で0.5
g/m 2 以上になるように回路板に設けた銅回路の表面
をSi(OCmHn)4又はTi(OCmHn)4〔但し、m
は0以上の整数、nは1以上の整数〕の一般化学式で示
される表面処理剤で処理し、次にこの表面処理剤を15
5℃以上の温度で焼き付けることを特徴とするものであ
る。
【0009】以下、まず銅回路の表面をカップリング剤
で処理する発明について詳細に説明する。内層用回路板
として用いられる回路板としては、銅箔を張った銅張ガ
ラスエポキシ樹脂積層板、銅張ガラスポリイミド樹脂積
層板などの銅箔をエッチング処理等することによって、
片面もしくは両面に銅回路を設けて作成したものを使用
することができるが、その他、積層板に化学メッキや電
気メッキで銅回路を片面もしくは両面に形成したものな
どを使用することもできる。
で処理する発明について詳細に説明する。内層用回路板
として用いられる回路板としては、銅箔を張った銅張ガ
ラスエポキシ樹脂積層板、銅張ガラスポリイミド樹脂積
層板などの銅箔をエッチング処理等することによって、
片面もしくは両面に銅回路を設けて作成したものを使用
することができるが、その他、積層板に化学メッキや電
気メッキで銅回路を片面もしくは両面に形成したものな
どを使用することもできる。
【0010】そしてまずこの回路板の銅回路の表面を粗
面化処理するのが好ましい。粗面化処理はバフ研摩、ソ
フトエッチング等による化学薬品処理、電解処理、液体
ホーニング等によっておこなうことができ、これらを組
み合わせておこなうことができる。この粗面化処理は回
路板に銅回路を形成した後におこなうほかに、回路形成
前の銅箔におこなうようにすることもできる。
面化処理するのが好ましい。粗面化処理はバフ研摩、ソ
フトエッチング等による化学薬品処理、電解処理、液体
ホーニング等によっておこなうことができ、これらを組
み合わせておこなうことができる。この粗面化処理は回
路板に銅回路を形成した後におこなうほかに、回路形成
前の銅箔におこなうようにすることもできる。
【0011】上記のように回路板の銅回路の表面を粗面
化処理するにあたって、本発明ではソフトエッチング処
理液に回路板を浸漬したり、回路板の表面にソフトエッ
チング処理液をスプレーしたりしておこなうソフトエッ
チングによる粗面化処理が、高い接着性を得る上で最も
好ましい。そしてこのようにソフトエッチングで銅回路
の表面を粗面化処理するにあたって、H2 SO4 /H2
O2 系組成や、Na2S2 O3 系組成のソフトエッチン
グ処理液を用いることもできるが、高い接着性向上の効
果を得るためにはソフトエッチング処理液として塩化第
二銅等の塩化銅系組成のものを用いるのが好ましい。
化処理するにあたって、本発明ではソフトエッチング処
理液に回路板を浸漬したり、回路板の表面にソフトエッ
チング処理液をスプレーしたりしておこなうソフトエッ
チングによる粗面化処理が、高い接着性を得る上で最も
好ましい。そしてこのようにソフトエッチングで銅回路
の表面を粗面化処理するにあたって、H2 SO4 /H2
O2 系組成や、Na2S2 O3 系組成のソフトエッチン
グ処理液を用いることもできるが、高い接着性向上の効
果を得るためにはソフトエッチング処理液として塩化第
二銅等の塩化銅系組成のものを用いるのが好ましい。
【0012】上記のように銅回路の表面を粗面化処理し
た後、銅回路の表面をカップリング剤で処理して銅回路
の表面にカップリング剤を付着させる。カップリング剤
としては、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、N−β−
アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、ビニ
ルトリエトシキシラン、γ−メタクリロキシプロピルト
リメトキシシラン、ウレイドプロピルトリエトキシシラ
ン等のシランカップリング剤や、イソプロピルトリイソ
ステアロイルチタネート、イソプロピルトリス(ジオク
チルパイロホスフェート)チタネート、イソプロピルト
リ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネート、テ
トラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビ
ス(ジトリデシル)ホスファイトチタネート、ビス(ジ
オクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート等の
チタネートカップリング剤、あるいはジルコニウムブチ
レート等のジルコニウムカップリング剤などを用いるこ
とができるが、なかでもシランカップリング剤が高い接
着性を得る上で好ましい。
た後、銅回路の表面をカップリング剤で処理して銅回路
の表面にカップリング剤を付着させる。カップリング剤
としては、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、N−β−
アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、ビニ
ルトリエトシキシラン、γ−メタクリロキシプロピルト
リメトキシシラン、ウレイドプロピルトリエトキシシラ
ン等のシランカップリング剤や、イソプロピルトリイソ
ステアロイルチタネート、イソプロピルトリス(ジオク
チルパイロホスフェート)チタネート、イソプロピルト
リ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネート、テ
トラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビ
ス(ジトリデシル)ホスファイトチタネート、ビス(ジ
オクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート等の
チタネートカップリング剤、あるいはジルコニウムブチ
レート等のジルコニウムカップリング剤などを用いるこ
とができるが、なかでもシランカップリング剤が高い接
着性を得る上で好ましい。
【0013】カップリング剤は、水や、エタノール、イ
ソプロピルアルコール、ブタノール等の溶媒に希釈して
カップリング剤処理液として用いられるが、取扱いの容
易性の面から水系の溶媒を用いてカップリング剤処理液
を調製するのが好ましい。またこのカップリング剤処理
液中のカップリング剤の濃度は、特に限定されるもので
はないが、銅回路の表面に十分な量のカップリング剤を
付着させるために5重量%以上の濃度であることが好ま
しい。カップリング剤の濃度に特に上限はなく、取扱い
易い範囲で適宜設定すればよい。さらにカップリング剤
処理液には、カップリング剤の加水分解を促進するため
に少量の酢酸や塩酸等の酸を添加することもできる。
ソプロピルアルコール、ブタノール等の溶媒に希釈して
カップリング剤処理液として用いられるが、取扱いの容
易性の面から水系の溶媒を用いてカップリング剤処理液
を調製するのが好ましい。またこのカップリング剤処理
液中のカップリング剤の濃度は、特に限定されるもので
はないが、銅回路の表面に十分な量のカップリング剤を
付着させるために5重量%以上の濃度であることが好ま
しい。カップリング剤の濃度に特に上限はなく、取扱い
易い範囲で適宜設定すればよい。さらにカップリング剤
処理液には、カップリング剤の加水分解を促進するため
に少量の酢酸や塩酸等の酸を添加することもできる。
【0014】そして回路板の銅回路の表面をカップリン
グ剤で処理するにあたっては、カップリング剤処理液に
回路板を浸漬したり、回路板の表面にカップリング剤処
理液をスプレーしたりして、銅回路の表面にカップリン
グ剤を塗布することによっておこなうことができる。銅
回路の表面に対するカップリング剤の処理量は、回路板
へのカップリング剤の付着量が両面合計で0.5g/m
2以上、つまり1m2単位当たりの回路板の表裏両面の合
計量が0.5g以上になるようにする。回路板へのカッ
プリング剤の付着量が両面合計で0.5g/m2未満で
あると、銅回路の表面のカップリング剤による処理が不
充分になり、カップリング剤による接着性の向上の効果
を十分に得ることができなくなるおそれがある。またこ
のように回路板へのカップリング剤の付着量が両面合計
で0.5g/m2以上になるようにすることによって、
スルーホールをドリルで加工する際の衝撃を緩和するこ
とができ、ドリル加工の際に銅回路とエポキシ樹脂の界
面での剥離が発生することを防ぐことができるものであ
る。カップリング剤の付着量に特に上限はなく、実用的
な範囲で適宜設定すればよい。尚、上記カップリング剤
の付着量は、カップリング剤処理をおこなった回路板を
170℃で90分間焼き付けした後の回路板の重量か
ら、カップリング剤処理をおこなう前の回路板の重量を
差し引いた値として算出されるものである。
グ剤で処理するにあたっては、カップリング剤処理液に
回路板を浸漬したり、回路板の表面にカップリング剤処
理液をスプレーしたりして、銅回路の表面にカップリン
グ剤を塗布することによっておこなうことができる。銅
回路の表面に対するカップリング剤の処理量は、回路板
へのカップリング剤の付着量が両面合計で0.5g/m
2以上、つまり1m2単位当たりの回路板の表裏両面の合
計量が0.5g以上になるようにする。回路板へのカッ
プリング剤の付着量が両面合計で0.5g/m2未満で
あると、銅回路の表面のカップリング剤による処理が不
充分になり、カップリング剤による接着性の向上の効果
を十分に得ることができなくなるおそれがある。またこ
のように回路板へのカップリング剤の付着量が両面合計
で0.5g/m2以上になるようにすることによって、
スルーホールをドリルで加工する際の衝撃を緩和するこ
とができ、ドリル加工の際に銅回路とエポキシ樹脂の界
面での剥離が発生することを防ぐことができるものであ
る。カップリング剤の付着量に特に上限はなく、実用的
な範囲で適宜設定すればよい。尚、上記カップリング剤
の付着量は、カップリング剤処理をおこなった回路板を
170℃で90分間焼き付けした後の回路板の重量か
ら、カップリング剤処理をおこなう前の回路板の重量を
差し引いた値として算出されるものである。
【0015】上記のようにして銅回路の表面をカップリ
ング剤で処理した後、155℃以上の温度でカップリン
グ剤を加熱して焼き付け処理をおこなう。このようにカ
ップリング剤を155℃以上の温度で加熱して焼き付け
ることによって、カップリング剤の脱水縮合が進み、銅
回路の表面のカップリング剤の被膜が強固になり、カッ
プリング剤による銅回路とプリプレグの樹脂との接着性
の向上の効果を高めることができるものである。焼き付
け温度が155℃未満であると、長時間焼き付けても強
固な被膜を形成することができず、焼き付けによる接着
性の向上の効果は期待することができない。また焼き付
け温度の上限は特に設定されないが、カップリング剤の
分解温度を超えない温度に設定する必要がある。さらに
焼き付けの時間は特に限定されないが、回路板が炭化す
るなどの著しい劣化が生じることのない温度と時間に調
整する必要があり、5〜180分間程度が好ましい。焼
き付けの方法は、回路板の表面を加熱できる方法であれ
ば何でもよく、例えば回路板を155℃以上の温度に調
整したオーブンに入れることによっておこなうことがで
きる。
ング剤で処理した後、155℃以上の温度でカップリン
グ剤を加熱して焼き付け処理をおこなう。このようにカ
ップリング剤を155℃以上の温度で加熱して焼き付け
ることによって、カップリング剤の脱水縮合が進み、銅
回路の表面のカップリング剤の被膜が強固になり、カッ
プリング剤による銅回路とプリプレグの樹脂との接着性
の向上の効果を高めることができるものである。焼き付
け温度が155℃未満であると、長時間焼き付けても強
固な被膜を形成することができず、焼き付けによる接着
性の向上の効果は期待することができない。また焼き付
け温度の上限は特に設定されないが、カップリング剤の
分解温度を超えない温度に設定する必要がある。さらに
焼き付けの時間は特に限定されないが、回路板が炭化す
るなどの著しい劣化が生じることのない温度と時間に調
整する必要があり、5〜180分間程度が好ましい。焼
き付けの方法は、回路板の表面を加熱できる方法であれ
ば何でもよく、例えば回路板を155℃以上の温度に調
整したオーブンに入れることによっておこなうことがで
きる。
【0016】上記のように回路板の銅回路の表面をカッ
プリング剤で処理して155℃以上の温度で焼き付けた
後、この回路板にプリプレグを介して外層用回路板(あ
るいは他の内層用回路板)やあるいは銅箔等の金属箔を
重ね、これを加熱加圧して二次積層成形することによっ
てプリプレグをボンディング層として多層に積層し、多
層板を得ることができる。この多層板にあって、回路板
の銅回路の表面はカップリング剤で処理されているため
に、このカップリング剤によるカップリング効果で銅回
路の表面とプリプレグの樹脂との接着性を高めることが
できるものである。
プリング剤で処理して155℃以上の温度で焼き付けた
後、この回路板にプリプレグを介して外層用回路板(あ
るいは他の内層用回路板)やあるいは銅箔等の金属箔を
重ね、これを加熱加圧して二次積層成形することによっ
てプリプレグをボンディング層として多層に積層し、多
層板を得ることができる。この多層板にあって、回路板
の銅回路の表面はカップリング剤で処理されているため
に、このカップリング剤によるカップリング効果で銅回
路の表面とプリプレグの樹脂との接着性を高めることが
できるものである。
【0017】またこのように二次積層成形して多層成形
するにあたって、成形温度は特に限定されるものではな
いが、180℃以上の温度でおこなうのが好ましい。回
路板の銅回路の表面を酸化処理(黒化処理)したもので
は180℃以上の温度で多層成形することができない
が、本発明は酸化処理をおこなっていないので180℃
以上の温度で多層成形が可能になるものである。このよ
うに180℃以上の高い温度で多層成形することによっ
て、成形時間を短縮することができるものである。成形
温度の上限は特にないが、一般的には250℃以下が好
ましい。
するにあたって、成形温度は特に限定されるものではな
いが、180℃以上の温度でおこなうのが好ましい。回
路板の銅回路の表面を酸化処理(黒化処理)したもので
は180℃以上の温度で多層成形することができない
が、本発明は酸化処理をおこなっていないので180℃
以上の温度で多層成形が可能になるものである。このよ
うに180℃以上の高い温度で多層成形することによっ
て、成形時間を短縮することができるものである。成形
温度の上限は特にないが、一般的には250℃以下が好
ましい。
【0018】そしてこの多層板にスルーホールをドリル
加工等して設けると共に化学メッキ等することによって
スルーホールメッキを施し、さらにエッチング等の処理
をして外層回路を形成することによって、多層プリント
配線板に仕上げることができるものである。回路板の銅
回路の表面にはカップリング剤による処理がなされてい
るだけで、酸化処理(黒化処理)による酸化第二銅は形
成されていないために、このようにスルーホールメッキ
を施すにあたって、酸化第二銅が酸に溶解侵食されて発
生するハロー現象を防ぐことができるものである。
加工等して設けると共に化学メッキ等することによって
スルーホールメッキを施し、さらにエッチング等の処理
をして外層回路を形成することによって、多層プリント
配線板に仕上げることができるものである。回路板の銅
回路の表面にはカップリング剤による処理がなされてい
るだけで、酸化処理(黒化処理)による酸化第二銅は形
成されていないために、このようにスルーホールメッキ
を施すにあたって、酸化第二銅が酸に溶解侵食されて発
生するハロー現象を防ぐことができるものである。
【0019】次に、銅回路の表面をSi(OCm Hn )
4 又はTi(OCm Hn )4 の表面処理剤で処理する発
明について説明する。内層用回路板として用いられる回
路板としては、既述したものと同じものを使用すること
ができ、まず既述のようにこの回路板の銅回路の表面を
粗面化処理するのが好ましい。粗面化処理は既述した方
法でおこなうことができる。また既述のように、回路板
の銅回路の表面を粗面化処理するにあたってはソフトエ
ッチングによる粗面化処理が好ましく、さらにソフトエ
ッチング処理液として塩化第二銅等の塩化銅系組成のも
のを用いるのが好ましい。
4 又はTi(OCm Hn )4 の表面処理剤で処理する発
明について説明する。内層用回路板として用いられる回
路板としては、既述したものと同じものを使用すること
ができ、まず既述のようにこの回路板の銅回路の表面を
粗面化処理するのが好ましい。粗面化処理は既述した方
法でおこなうことができる。また既述のように、回路板
の銅回路の表面を粗面化処理するにあたってはソフトエ
ッチングによる粗面化処理が好ましく、さらにソフトエ
ッチング処理液として塩化第二銅等の塩化銅系組成のも
のを用いるのが好ましい。
【0020】上記のように銅回路の表面を粗面化処理し
た後、銅回路の表面をSi(OCmHn )4 又はTi
(OCm Hn )4 の一般化学式で示される表面処理剤で
処理する。ここで、mは0以上の整数、nは1以上の整
数を示すものであり、mとnの数値の上限は特に設定さ
れないが、このシラン化合物やチタン化合物の(OCm
Hn )がOH基である場合かあるいは、(OCm Hn )
中のCm Hn が脂肪族飽和炭化水素基や脂肪族不飽和炭
化水素基である場合が一般的である。従って例えば、C
m Hn が脂肪族飽和炭化水素基の場合はn=2m+1、
Cm Hn が二重結合一つの脂肪族不飽和炭化水素基の場
合はn=2m−1の関係になる。本発明で用いて好まし
いSi(OCm Hn )4 やTi(OCm Hn )4 を例示
すると、Si(OCH3 )4 、Si(OC2 H5 )4 、
Si(OC3 H7 )4 、Si(OC 4 H9 )4 、Ti
(OCH3 )4 、Ti(OC2 H5 )4 、Ti(OC3
H7 ) 4 、Ti(OC4 H9 )4 等である。勿論これら
のみに限定されるものではない。
た後、銅回路の表面をSi(OCmHn )4 又はTi
(OCm Hn )4 の一般化学式で示される表面処理剤で
処理する。ここで、mは0以上の整数、nは1以上の整
数を示すものであり、mとnの数値の上限は特に設定さ
れないが、このシラン化合物やチタン化合物の(OCm
Hn )がOH基である場合かあるいは、(OCm Hn )
中のCm Hn が脂肪族飽和炭化水素基や脂肪族不飽和炭
化水素基である場合が一般的である。従って例えば、C
m Hn が脂肪族飽和炭化水素基の場合はn=2m+1、
Cm Hn が二重結合一つの脂肪族不飽和炭化水素基の場
合はn=2m−1の関係になる。本発明で用いて好まし
いSi(OCm Hn )4 やTi(OCm Hn )4 を例示
すると、Si(OCH3 )4 、Si(OC2 H5 )4 、
Si(OC3 H7 )4 、Si(OC 4 H9 )4 、Ti
(OCH3 )4 、Ti(OC2 H5 )4 、Ti(OC3
H7 ) 4 、Ti(OC4 H9 )4 等である。勿論これら
のみに限定されるものではない。
【0021】上記表面処理剤は、水や、エタノール、イ
ソプロピルアルコール、ブタノール等の溶媒に希釈して
表面処理剤液として用いられる。またこの表面処理剤液
中の表面処理剤の濃度は、特に限定されるものではない
が、銅回路の表面に十分な量の表面処理剤を付着させる
ために5重量%以上の濃度であることが好ましい。表面
処理剤の濃度に特に上限はなく、取扱い易い範囲で適宜
設定すればよい。さらに表面処理剤液には、表面処理剤
の加水分解を促進するために少量の酢酸や塩酸等の酸を
添加することもできる。
ソプロピルアルコール、ブタノール等の溶媒に希釈して
表面処理剤液として用いられる。またこの表面処理剤液
中の表面処理剤の濃度は、特に限定されるものではない
が、銅回路の表面に十分な量の表面処理剤を付着させる
ために5重量%以上の濃度であることが好ましい。表面
処理剤の濃度に特に上限はなく、取扱い易い範囲で適宜
設定すればよい。さらに表面処理剤液には、表面処理剤
の加水分解を促進するために少量の酢酸や塩酸等の酸を
添加することもできる。
【0022】そして回路板の銅回路の表面を表面処理剤
で処理するにあたっては、表面処理剤液に回路板を浸漬
したり、回路板の表面に表面処理剤液をスプレーしたり
して、銅回路の表面に表面処理剤を塗布することによっ
ておこなうことができる。銅回路の表面に対する表面処
理剤の処理量は、回路板への表面処理剤の付着量が両面
合計で0.5g/m2以上、つまり1m2単位当たりの回
路板の表裏両面の合計量が0.5g以上になるようにす
る。回路板への表面処理剤の付着量が両面合計で0.5
g/m2未満であると、銅回路の表面の表面処理剤によ
る処理が不充分になり、表面処理剤による接着性の向上
の効果を十分に得ることができなくなるおそれがある。
またこのように回路板への表面処理剤の付着量が両面合
計で0.5g/m2以上になるようにすることによっ
て、スルーホールをドリルで加工する際の衝撃を緩和す
ることができ、ドリル加工の際に銅回路とエポキシ樹脂
の界面での剥離が発生することを防ぐことができるもの
である。表面処理剤の付着量に特に上限はなく、実用的
な範囲で適宜設定すればよい。尚、上記表面処理剤の付
着量は、表面処理剤による処理をおこなった回路板を1
70℃で90分間焼き付けした後の回路板の重量から、
表面処理剤による処理をおこなう前の回路板の重量を差
し引いた値として算出されるものである。
で処理するにあたっては、表面処理剤液に回路板を浸漬
したり、回路板の表面に表面処理剤液をスプレーしたり
して、銅回路の表面に表面処理剤を塗布することによっ
ておこなうことができる。銅回路の表面に対する表面処
理剤の処理量は、回路板への表面処理剤の付着量が両面
合計で0.5g/m2以上、つまり1m2単位当たりの回
路板の表裏両面の合計量が0.5g以上になるようにす
る。回路板への表面処理剤の付着量が両面合計で0.5
g/m2未満であると、銅回路の表面の表面処理剤によ
る処理が不充分になり、表面処理剤による接着性の向上
の効果を十分に得ることができなくなるおそれがある。
またこのように回路板への表面処理剤の付着量が両面合
計で0.5g/m2以上になるようにすることによっ
て、スルーホールをドリルで加工する際の衝撃を緩和す
ることができ、ドリル加工の際に銅回路とエポキシ樹脂
の界面での剥離が発生することを防ぐことができるもの
である。表面処理剤の付着量に特に上限はなく、実用的
な範囲で適宜設定すればよい。尚、上記表面処理剤の付
着量は、表面処理剤による処理をおこなった回路板を1
70℃で90分間焼き付けした後の回路板の重量から、
表面処理剤による処理をおこなう前の回路板の重量を差
し引いた値として算出されるものである。
【0023】上記のようにして銅回路の表面をSi(O
Cm Hn )4 又はTi(OCm Hn)4 の表面処理剤で
処理した後、155℃以上の温度で表面処理剤を加熱し
て焼き付け処理をおこなう。このように表面処理剤を1
55℃以上の温度で加熱して焼き付けることによって、
表面処理剤の脱水縮合が進み、銅回路の表面の表面処理
剤の被膜が強固になり、表面処理剤による銅回路とプリ
プレグの樹脂との接着性の向上の効果を高めることがで
きるものである。焼き付け温度が155℃未満である
と、長時間焼き付けても強固な被膜を形成することがで
きず、焼き付けによる接着性の向上の効果は期待するこ
とができない。また焼き付け温度の上限は特に設定され
ないが、表面処理剤の分解温度を超えない温度に設定す
る必要がある。さらに、焼き付けの時間は特に限定され
ないが、回路板が炭化するなどの著しい劣化が生じるこ
とのない温度と時間に調整する必要があり、5〜180
分間程度が好ましい。焼き付けの方法は、回路板の表面
を加熱できる方法であれば何でもよく、例えば回路板を
155℃以上の温度に調整したオーブンに入れることに
よっておこなうことができる。
Cm Hn )4 又はTi(OCm Hn)4 の表面処理剤で
処理した後、155℃以上の温度で表面処理剤を加熱し
て焼き付け処理をおこなう。このように表面処理剤を1
55℃以上の温度で加熱して焼き付けることによって、
表面処理剤の脱水縮合が進み、銅回路の表面の表面処理
剤の被膜が強固になり、表面処理剤による銅回路とプリ
プレグの樹脂との接着性の向上の効果を高めることがで
きるものである。焼き付け温度が155℃未満である
と、長時間焼き付けても強固な被膜を形成することがで
きず、焼き付けによる接着性の向上の効果は期待するこ
とができない。また焼き付け温度の上限は特に設定され
ないが、表面処理剤の分解温度を超えない温度に設定す
る必要がある。さらに、焼き付けの時間は特に限定され
ないが、回路板が炭化するなどの著しい劣化が生じるこ
とのない温度と時間に調整する必要があり、5〜180
分間程度が好ましい。焼き付けの方法は、回路板の表面
を加熱できる方法であれば何でもよく、例えば回路板を
155℃以上の温度に調整したオーブンに入れることに
よっておこなうことができる。
【0024】上記のように回路板の銅回路の表面をSi
(OCm Hn )4 又はTi(OCmHn )4 の表面処理
剤で処理して155℃以上の温度で焼き付けた後、この
回路板にプリプレグを介して外層用回路板(あるいは他
の内層用回路板)やあるいは銅箔等の金属箔を重ね、こ
れを加熱加圧して二次積層成形することによってプリプ
レグをボンディング層として多層に積層し、多層板を得
ることができる。この多層板にあって、回路板の銅回路
の表面はSi(OCm Hn )4 又はTi(OC m Hn )
4 の表面処理剤で処理されているために、この表面処理
剤による結合作用で銅回路の表面とプリプレグの樹脂と
の接着性を高めることができるものである。またこのよ
うに二次積層成形して多層成形するにあたって、成形温
度は特に限定されるものではないが、既述したように1
80℃以上の温度でおこなうのが好ましい。
(OCm Hn )4 又はTi(OCmHn )4 の表面処理
剤で処理して155℃以上の温度で焼き付けた後、この
回路板にプリプレグを介して外層用回路板(あるいは他
の内層用回路板)やあるいは銅箔等の金属箔を重ね、こ
れを加熱加圧して二次積層成形することによってプリプ
レグをボンディング層として多層に積層し、多層板を得
ることができる。この多層板にあって、回路板の銅回路
の表面はSi(OCm Hn )4 又はTi(OC m Hn )
4 の表面処理剤で処理されているために、この表面処理
剤による結合作用で銅回路の表面とプリプレグの樹脂と
の接着性を高めることができるものである。またこのよ
うに二次積層成形して多層成形するにあたって、成形温
度は特に限定されるものではないが、既述したように1
80℃以上の温度でおこなうのが好ましい。
【0025】そしてこの多層板にスルーホールをドリル
加工等して設けると共に化学メッキ等することによって
スルーホールメッキを施し、さらにエッチング等の処理
をして外層回路を形成することによって、多層プリント
配線板に仕上げることができるものである。回路板の銅
回路の表面はSi(OCm Hn )4 又はTi(OCmH
n )4 の表面処理剤で処理されているだけで、酸化処理
(黒化処理)による酸化第二銅は形成されていないため
に、このようにスルーホールメッキを施すにあたって、
酸化第二銅が酸に溶解侵食されて発生するハロー現象を
防ぐことができるものである。
加工等して設けると共に化学メッキ等することによって
スルーホールメッキを施し、さらにエッチング等の処理
をして外層回路を形成することによって、多層プリント
配線板に仕上げることができるものである。回路板の銅
回路の表面はSi(OCm Hn )4 又はTi(OCmH
n )4 の表面処理剤で処理されているだけで、酸化処理
(黒化処理)による酸化第二銅は形成されていないため
に、このようにスルーホールメッキを施すにあたって、
酸化第二銅が酸に溶解侵食されて発生するハロー現象を
防ぐことができるものである。
【0026】尚上記の各例では、回路板として積層板に
銅回路を設けることによって形成したものを示したが、
銅板(銅箔)をプリント配線板内に積層することによっ
て銅板(銅箔)自体で電源回路層等を形成することもあ
り、この場合には銅板(銅箔)を回路板としてプリント
配線板に積層するにあたって銅板と樹脂との接着性を高
めると共にハロー現象の発生を防止する必要がある。従
って本発明は、回路板として使用される銅板(銅箔)を
上記と同様に処理することにも適用されるものである。
銅回路を設けることによって形成したものを示したが、
銅板(銅箔)をプリント配線板内に積層することによっ
て銅板(銅箔)自体で電源回路層等を形成することもあ
り、この場合には銅板(銅箔)を回路板としてプリント
配線板に積層するにあたって銅板と樹脂との接着性を高
めると共にハロー現象の発生を防止する必要がある。従
って本発明は、回路板として使用される銅板(銅箔)を
上記と同様に処理することにも適用されるものである。
【0027】
【実施例】次に、本発明を実施例によって例証する。 (実施例1) 両面に厚み35μmの銅箔を張った150mm×15
0mm×0.7mmのガラス布基材エポキシ樹脂積層板
を成形し、表面の銅箔をエッチング加工して銅回路を形
成することによって内層用の回路板を作成した。
0mm×0.7mmのガラス布基材エポキシ樹脂積層板
を成形し、表面の銅箔をエッチング加工して銅回路を形
成することによって内層用の回路板を作成した。
【0028】次に、 塩化第二銅 …120g HCl(35%) …1000g イオン交換水 …2000g の組成の30℃に調整したソフトエッチング処理浴に回
路板を2分間浸漬することによって、銅回路の表面にソ
フトエッチングを施した。
路板を2分間浸漬することによって、銅回路の表面にソ
フトエッチングを施した。
【0029】次にこの回路板を、 γ−アミノプロピルトリエトキシシラン …300g イオン交換水 …3000g の組成の30℃に調整したカップリング剤処理浴に1分
間浸漬することによって、銅回路の表面をカップリング
剤処理した。
間浸漬することによって、銅回路の表面をカップリング
剤処理した。
【0030】次に、この回路板を170℃の温度に調
整したオーブン内に90分間入れ、カップリング剤を焼
き付け処理した。 次にこのように処理した回路板の両面に、厚み0.1
mmのガラス布基材エポキシ樹脂プリプレグを3枚ずつ
重ねると共に、さらにその各外側に厚み18μmの銅箔
を重ね、6.7×10-3パスカルの減圧下、170℃、
40kg/cm 2 、100分間の成形条件で二次積層成
形して、4層回路構成の多層板を得た。
整したオーブン内に90分間入れ、カップリング剤を焼
き付け処理した。 次にこのように処理した回路板の両面に、厚み0.1
mmのガラス布基材エポキシ樹脂プリプレグを3枚ずつ
重ねると共に、さらにその各外側に厚み18μmの銅箔
を重ね、6.7×10-3パスカルの減圧下、170℃、
40kg/cm 2 、100分間の成形条件で二次積層成
形して、4層回路構成の多層板を得た。
【0031】(実施例2)実施例1において、〜の
工程の後、回路板の両面に、厚み0.1mmのガラス布
基材エポキシ樹脂プリプレグを3枚ずつ重ねると共に、
さらにその各外側に厚み18μmの銅箔を重ね、6.7
×10-3パスカルの減圧下、200℃、40kg/cm
2 、60分間の成形条件で二次積層成形して、4層回路
構成の多層板を得た。
工程の後、回路板の両面に、厚み0.1mmのガラス布
基材エポキシ樹脂プリプレグを3枚ずつ重ねると共に、
さらにその各外側に厚み18μmの銅箔を重ね、6.7
×10-3パスカルの減圧下、200℃、40kg/cm
2 、60分間の成形条件で二次積層成形して、4層回路
構成の多層板を得た。
【0032】(実施例3)実施例1において、の工程
でのカップリング剤処理浴を、 γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン …18
0g イオン交換水 …30
00g の組成に変えて、カップリング剤処理をおこなうように
した他は、実施例1と同様にして4層回路構成の多層板
を得た。
でのカップリング剤処理浴を、 γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン …18
0g イオン交換水 …30
00g の組成に変えて、カップリング剤処理をおこなうように
した他は、実施例1と同様にして4層回路構成の多層板
を得た。
【0033】(実施例4)実施例1において、の工程
でのカップリング剤処理浴を、 γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン …600g イオン交換水 …30
00g の組成に変えて、カップリング剤処理をおこなうように
した他は、実施例1と同様にして4層回路構成の多層板
を得た。
でのカップリング剤処理浴を、 γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン …600g イオン交換水 …30
00g の組成に変えて、カップリング剤処理をおこなうように
した他は、実施例1と同様にして4層回路構成の多層板
を得た。
【0034】(比較例1)実施例1において、の工程
のカップリング剤の焼き付けを、回路板を120℃の温
度に調整したオーブン内に240分間入れて、120
℃、240分間の条件でおこなうようにした他は、実施
例1と同様にして4層回路構成の多層板を得た。
のカップリング剤の焼き付けを、回路板を120℃の温
度に調整したオーブン内に240分間入れて、120
℃、240分間の条件でおこなうようにした他は、実施
例1と同様にして4層回路構成の多層板を得た。
【0035】(比較例2)実施例2において、カップリ
ング剤の焼き付けを、120℃、240分間の条件に変
えておこなうようにした他は、実施例2と同様にして4
層回路構成の多層板を得た。(比較例3)実施例1と同
じ、の工程の次に、回路板を、 亜塩素酸ナトリウム …180g リン酸三ナトリウム …30g 水酸化ナトリウム …25g イオン交換水 …3000g の組成の90℃に調整した酸化処理浴に1分間浸漬する
ことによって、銅回路の表面を酸化処理(黒化処理)
し、表面を水洗して80℃で1時間乾燥した。
ング剤の焼き付けを、120℃、240分間の条件に変
えておこなうようにした他は、実施例2と同様にして4
層回路構成の多層板を得た。(比較例3)実施例1と同
じ、の工程の次に、回路板を、 亜塩素酸ナトリウム …180g リン酸三ナトリウム …30g 水酸化ナトリウム …25g イオン交換水 …3000g の組成の90℃に調整した酸化処理浴に1分間浸漬する
ことによって、銅回路の表面を酸化処理(黒化処理)
し、表面を水洗して80℃で1時間乾燥した。
【0036】次にこのように処理した回路板の両面
に、厚み0.1mmのガラス布基材エポキシ樹脂プリプ
レグを2枚ずつ重ねると共に、さらにその各外側に厚み
18μmの銅箔を重ね、6.7×10-3パスカルの減圧
下、170℃、40kg/cm 2 、100分間の成形条
件で二次積層成形して、4層回路構成の多層板を得た。
上記の実施例1〜4及び比較例1〜3について、回路板
へのカップリング剤の付着量を測定すると共に、多層板
の内層ピール強度及び耐ハローイング性を試験した。内
層ピール強度の試験はJIS C 6481に基づい
て、内層用の回路板の銅回路を形成する35μm銅箔と
プリプレグによる絶縁接着層との間の引き剥がし強度を
測定することによっておこなった。また耐ハローイング
性の試験は、多層板に0.4mmφのドリルビットを用
いて80000rpm、16μm/revの条件で、3
枚重ねでスルーホールを孔明けし、この孔明けした多層
板をHCl/水=1/9の濃度の20℃のHCl溶液に
10分間浸漬した後、内層用の回路板の外側のプリプレ
グによる絶縁接着層及び表面の銅箔をエッチングなどで
除去し、露出させた内層用の回路板を50倍の顕微鏡で
観察して、スルーホール内にハローが発生しているか否
かを評価することによっておこなった。これらの各結果
を表1に示す。尚、耐ハローイング性については、ハロ
ーの発生無しを「○」、ハローの発生有りを「×」で示
した。
に、厚み0.1mmのガラス布基材エポキシ樹脂プリプ
レグを2枚ずつ重ねると共に、さらにその各外側に厚み
18μmの銅箔を重ね、6.7×10-3パスカルの減圧
下、170℃、40kg/cm 2 、100分間の成形条
件で二次積層成形して、4層回路構成の多層板を得た。
上記の実施例1〜4及び比較例1〜3について、回路板
へのカップリング剤の付着量を測定すると共に、多層板
の内層ピール強度及び耐ハローイング性を試験した。内
層ピール強度の試験はJIS C 6481に基づい
て、内層用の回路板の銅回路を形成する35μm銅箔と
プリプレグによる絶縁接着層との間の引き剥がし強度を
測定することによっておこなった。また耐ハローイング
性の試験は、多層板に0.4mmφのドリルビットを用
いて80000rpm、16μm/revの条件で、3
枚重ねでスルーホールを孔明けし、この孔明けした多層
板をHCl/水=1/9の濃度の20℃のHCl溶液に
10分間浸漬した後、内層用の回路板の外側のプリプレ
グによる絶縁接着層及び表面の銅箔をエッチングなどで
除去し、露出させた内層用の回路板を50倍の顕微鏡で
観察して、スルーホール内にハローが発生しているか否
かを評価することによっておこなった。これらの各結果
を表1に示す。尚、耐ハローイング性については、ハロ
ーの発生無しを「○」、ハローの発生有りを「×」で示
した。
【0037】
【表1】
【0038】表1にみられるように、銅回路の表面にカ
ップリング剤処理をした後に155℃以上の温度で焼き
付けをおこなうようにした各実施例のものでは、内層ピ
ール強度が高く、銅回路とプリプレグの樹脂との接着性
が高いことが確認され、またハロー現象の発生もないこ
とが確認される。一方、銅回路の表面にカップリング剤
処理をしても焼き付け温度が低い比較例1や比較例2の
ものでは内層ピール強度が低く、銅回路とプリプレグの
樹脂との接着性の向上が十分でないことが確認され、し
かも接着性の向上が十分でない結果、ドリルによる孔明
けの際にスルーホールの周縁で銅回路とプリプレグの樹
脂とが剥離してこの隙間に酸が浸入し、ハロー現象が発
生するものであった。また銅回路の表面を酸化処理(黒
化処理)するようにした比較例3のものでは、内層ピー
ル強度を高く得ることができるが、耐ハローイング性が
低いものであった。
ップリング剤処理をした後に155℃以上の温度で焼き
付けをおこなうようにした各実施例のものでは、内層ピ
ール強度が高く、銅回路とプリプレグの樹脂との接着性
が高いことが確認され、またハロー現象の発生もないこ
とが確認される。一方、銅回路の表面にカップリング剤
処理をしても焼き付け温度が低い比較例1や比較例2の
ものでは内層ピール強度が低く、銅回路とプリプレグの
樹脂との接着性の向上が十分でないことが確認され、し
かも接着性の向上が十分でない結果、ドリルによる孔明
けの際にスルーホールの周縁で銅回路とプリプレグの樹
脂とが剥離してこの隙間に酸が浸入し、ハロー現象が発
生するものであった。また銅回路の表面を酸化処理(黒
化処理)するようにした比較例3のものでは、内層ピー
ル強度を高く得ることができるが、耐ハローイング性が
低いものであった。
【0039】(実施例5) 両面に厚み35μmの銅箔を張った150mm×15
0mm×0.7mmのガラス布基材エポキシ樹脂積層板
を成形し、表面の銅箔をエッチング加工して銅回路を形
成することによって内層用の回路板を作成した。 次に、 塩化第二銅 …120g HCl(35%) …1000g イオン交換水 …2000g の組成の30℃に調整したソフトエッチング処理浴に回
路板を2分間浸漬することによって、銅回路の表面にソ
フトエッチングを施した。
0mm×0.7mmのガラス布基材エポキシ樹脂積層板
を成形し、表面の銅箔をエッチング加工して銅回路を形
成することによって内層用の回路板を作成した。 次に、 塩化第二銅 …120g HCl(35%) …1000g イオン交換水 …2000g の組成の30℃に調整したソフトエッチング処理浴に回
路板を2分間浸漬することによって、銅回路の表面にソ
フトエッチングを施した。
【0040】次にこの回路板を、 テトラエトシキシラン …300g i−プロパノール …3000g の組成の30℃に調整した表面処理剤浴に1分間浸漬す
ることによって、銅回路の表面を表面処理した。
ることによって、銅回路の表面を表面処理した。
【0041】次に、この回路板を170℃の温度に調
整したオーブン内に90分間入れ、表面処理剤を焼き付
け処理した。 次にこのように処理した回路板の両面に、厚み0.1
mmのガラス布基材エポキシ樹脂プリプレグを2枚ずつ
重ねると共に、さらにその各外側に厚み18μmの銅箔
を重ね、6.7×10-3パスカルの減圧下、170℃、
50kg/cm 2 、100分間の成形条件で二次積層成
形して、4層回路構成の多層板を得た。
整したオーブン内に90分間入れ、表面処理剤を焼き付
け処理した。 次にこのように処理した回路板の両面に、厚み0.1
mmのガラス布基材エポキシ樹脂プリプレグを2枚ずつ
重ねると共に、さらにその各外側に厚み18μmの銅箔
を重ね、6.7×10-3パスカルの減圧下、170℃、
50kg/cm 2 、100分間の成形条件で二次積層成
形して、4層回路構成の多層板を得た。
【0042】(実施例6)実施例5において、の工程
での表面処理剤浴を、 テトラエトキシシラン …300g テトラメトキシシラン …300g i−プロパノール …3000g の組成に変えて、表面処理剤による処理をおこなうよう
にした他は、実施例5と同様にして4層回路構成の多層
板を得た。
での表面処理剤浴を、 テトラエトキシシラン …300g テトラメトキシシラン …300g i−プロパノール …3000g の組成に変えて、表面処理剤による処理をおこなうよう
にした他は、実施例5と同様にして4層回路構成の多層
板を得た。
【0043】(実施例7)実施例5において、の工程
での表面処理剤浴を、 テトラ−n−ブトキシチタン …180g i−プロパノール …3000g の組成に変えて、表面処理剤による処理をおこなうよう
にした他は、実施例5と同様にして4層回路構成の多層
板を得た。
での表面処理剤浴を、 テトラ−n−ブトキシチタン …180g i−プロパノール …3000g の組成に変えて、表面処理剤による処理をおこなうよう
にした他は、実施例5と同様にして4層回路構成の多層
板を得た。
【0044】(実施例8)実施例5において、二次積層
成形条件を6.7×10-3パスカルの減圧下、210
℃、50kg/cm2 、50分間の条件に変えておこな
うようにした他は、実施例5と同様にして4層回路構成
の多層板を得た。 (比較例4)実施例5において、の工程の表面処理剤
の焼き付けを、回路板を140℃の温度に調整したオー
ブン内に240分間入れておこなうようにした他は、実
施例5と同様にして4層回路構成の多層板を得た。
成形条件を6.7×10-3パスカルの減圧下、210
℃、50kg/cm2 、50分間の条件に変えておこな
うようにした他は、実施例5と同様にして4層回路構成
の多層板を得た。 (比較例4)実施例5において、の工程の表面処理剤
の焼き付けを、回路板を140℃の温度に調整したオー
ブン内に240分間入れておこなうようにした他は、実
施例5と同様にして4層回路構成の多層板を得た。
【0045】(比較例5)実施例1と同じ、の工程
の次に、回路板を、 亜塩素酸ナトリウム …180g リン酸三ナトリウム …30g 水酸化ナトリウム …25g イオン交換水 …3000g の組成の90℃に調整した酸化処理浴に1分間浸漬する
ことによって、銅回路の表面を酸化処理(黒化処理)
し、表面を水洗して80℃で1時間乾燥した。
の次に、回路板を、 亜塩素酸ナトリウム …180g リン酸三ナトリウム …30g 水酸化ナトリウム …25g イオン交換水 …3000g の組成の90℃に調整した酸化処理浴に1分間浸漬する
ことによって、銅回路の表面を酸化処理(黒化処理)
し、表面を水洗して80℃で1時間乾燥した。
【0046】次にこのように処理した回路板の両面
に、厚み0.1mmのガラス布基材エポキシ樹脂プリプ
レグを2枚ずつ重ねると共に、さらにその各外側に厚み
18μmの銅箔を重ね、6.7×10-3パスカルの減圧
下、170℃、50kg/cm 2 、100分間の成形条
件で二次積層成形して、4層回路構成の多層板を得た。
上記の実施例5〜8及び比較例4〜5について、回路板
への表面処理剤の付着量を測定すると共に、多層板の内
層ピール強度及び耐ハローイング性を試験した。これら
の試験は既述した方法でおこない、結果を表2に示す。
に、厚み0.1mmのガラス布基材エポキシ樹脂プリプ
レグを2枚ずつ重ねると共に、さらにその各外側に厚み
18μmの銅箔を重ね、6.7×10-3パスカルの減圧
下、170℃、50kg/cm 2 、100分間の成形条
件で二次積層成形して、4層回路構成の多層板を得た。
上記の実施例5〜8及び比較例4〜5について、回路板
への表面処理剤の付着量を測定すると共に、多層板の内
層ピール強度及び耐ハローイング性を試験した。これら
の試験は既述した方法でおこない、結果を表2に示す。
【0047】
【表2】
【0048】表2にみられるように、銅回路の表面に表
面処理剤を処理をした後に155℃以上の温度で焼き付
けをおこなうようにした各実施例のものでは、内層ピー
ル強度が高く、銅回路とプリプレグの樹脂との接着性が
高いことが確認され、またハロー現象の発生もないこと
が確認される。一方、銅回路の表面に表面処理剤を処理
をしても焼き付け温度が低い比較例4のものでは内層ピ
ール強度が低く、銅回路とプリプレグの樹脂との接着性
の向上が十分でないことが確認され、しかも接着性の向
上が十分でない結果、ドリルによる孔明けの際にスルー
ホールの周縁で銅回路とプリプレグの樹脂とが剥離して
この隙間に酸が浸入し、ハロー現象が発生するものであ
った。また銅回路の表面を酸化処理(黒化処理)するよ
うにした比較例5のものでは、内層ピール強度を高く得
ることができるが、耐ハローイング性が低いものであっ
た。
面処理剤を処理をした後に155℃以上の温度で焼き付
けをおこなうようにした各実施例のものでは、内層ピー
ル強度が高く、銅回路とプリプレグの樹脂との接着性が
高いことが確認され、またハロー現象の発生もないこと
が確認される。一方、銅回路の表面に表面処理剤を処理
をしても焼き付け温度が低い比較例4のものでは内層ピ
ール強度が低く、銅回路とプリプレグの樹脂との接着性
の向上が十分でないことが確認され、しかも接着性の向
上が十分でない結果、ドリルによる孔明けの際にスルー
ホールの周縁で銅回路とプリプレグの樹脂とが剥離して
この隙間に酸が浸入し、ハロー現象が発生するものであ
った。また銅回路の表面を酸化処理(黒化処理)するよ
うにした比較例5のものでは、内層ピール強度を高く得
ることができるが、耐ハローイング性が低いものであっ
た。
【0049】
【発明の効果】上記のように本発明の第一の発明は、回
路板に設けた銅回路の表面をカップリング剤で処理し、
次にこのカップリング剤を155℃以上の温度で焼き付
けるようにしたので、焼き付けによって銅回路の表面の
カップリング剤の被膜が強固になって、カップリング剤
による銅回路とプリプレグの樹脂との接着性の向上の効
果を高めることができるものであり、カップリング剤で
処理して焼き付けるという簡便な工程で、銅回路を酸化
処理する場合のようなハロー現象が発生することなく、
銅回路とプリプレグの樹脂との接着性を高めることがで
きるものである。加えて本発明は、回路板へのカップリ
ング剤の付着量が両面合計で0.5g/m 2 以上になる
ように処理するようにしたので、カップリング剤による
接着性の向上の効果を高く得ることができると共に、ス
ルーホールをドリルで加工する際の衝撃を緩和すること
ができ、ドリル加工の際に銅回路とエポキシ樹脂の界面
での剥離が発生することを防ぐことができるものであ
る。
路板に設けた銅回路の表面をカップリング剤で処理し、
次にこのカップリング剤を155℃以上の温度で焼き付
けるようにしたので、焼き付けによって銅回路の表面の
カップリング剤の被膜が強固になって、カップリング剤
による銅回路とプリプレグの樹脂との接着性の向上の効
果を高めることができるものであり、カップリング剤で
処理して焼き付けるという簡便な工程で、銅回路を酸化
処理する場合のようなハロー現象が発生することなく、
銅回路とプリプレグの樹脂との接着性を高めることがで
きるものである。加えて本発明は、回路板へのカップリ
ング剤の付着量が両面合計で0.5g/m 2 以上になる
ように処理するようにしたので、カップリング剤による
接着性の向上の効果を高く得ることができると共に、ス
ルーホールをドリルで加工する際の衝撃を緩和すること
ができ、ドリル加工の際に銅回路とエポキシ樹脂の界面
での剥離が発生することを防ぐことができるものであ
る。
【0050】また本発明は、カップリング剤で処理する
前に、銅回路の表面をソフトエッチング処理するように
しているので、カップリング剤による化学的作用の他
に、ソフトエッチングによる粗面化という物理的作用に
よっても銅回路とプリプレグの樹脂との接着性を高める
ことができ、接着性を一層向上することができるもので
ある。
前に、銅回路の表面をソフトエッチング処理するように
しているので、カップリング剤による化学的作用の他
に、ソフトエッチングによる粗面化という物理的作用に
よっても銅回路とプリプレグの樹脂との接着性を高める
ことができ、接着性を一層向上することができるもので
ある。
【0051】さらに本発明は、ソフトエッチング処理を
塩化銅系組成のエッチング液で行なうようにしたので、
銅回路の粗面化が大きくなり、接着性の向上の効果を高
く得ることができるものである。また本発明は、水系溶
媒のカップリング剤処理液を用いて処理するようにした
ので、有機溶剤を取り扱う場合のような環境安全性等の
問題がなく、カップリング剤処理液の取り扱いが容易に
なって、カップリング剤処理を容易におこなうことがで
きるものである。
塩化銅系組成のエッチング液で行なうようにしたので、
銅回路の粗面化が大きくなり、接着性の向上の効果を高
く得ることができるものである。また本発明は、水系溶
媒のカップリング剤処理液を用いて処理するようにした
ので、有機溶剤を取り扱う場合のような環境安全性等の
問題がなく、カップリング剤処理液の取り扱いが容易に
なって、カップリング剤処理を容易におこなうことがで
きるものである。
【0052】さらに本発明は、カップリング剤濃度が5
重量%以上のカップリング剤処理液を用いて処理するよ
うにしたので、銅回路の表面に十分な量のカップリング
剤を付着させて、カップリング剤による接着性の向上の
効果を高く得ることができるものである。
重量%以上のカップリング剤処理液を用いて処理するよ
うにしたので、銅回路の表面に十分な量のカップリング
剤を付着させて、カップリング剤による接着性の向上の
効果を高く得ることができるものである。
【0053】本発明の第二の発明は、回路板に設けた銅
回路の表面をSi(OCmHn)4又はTi(OCmHn)4
〔但し、mは0以上の整数、nは1以上の整数〕の一般
化学式で示される表面処理剤で処理し、次にこの表面処
理剤を155℃以上の温度で焼き付けるようにしたの
で、焼き付けによって銅回路の表面の表面処理剤の被膜
が強固になって、表面処理剤による銅回路とプリプレグ
の樹脂との接着性の向上の効果を高めることができるも
のであり、表面処理剤で処理して焼き付けるという簡便
な工程で、銅回路を酸化処理する場合のようなハロー現
象が発生することなく、銅回路とプリプレグの樹脂との
接着性を高めることができるものである。加えて本発明
は、回路板への表面処理剤の付着量が両面合計で0.5
g/m 2 以上になるように処理するようにしたので、表
面処理剤による接着性の向上の効果を高く得ることがで
きると共に、スルーホールをドリルで加工する際の衝撃
を緩和することができ、ドリル加工の際に銅回路とエポ
キシ樹脂の界面での剥離が発生することを防ぐことがで
きるものである。
回路の表面をSi(OCmHn)4又はTi(OCmHn)4
〔但し、mは0以上の整数、nは1以上の整数〕の一般
化学式で示される表面処理剤で処理し、次にこの表面処
理剤を155℃以上の温度で焼き付けるようにしたの
で、焼き付けによって銅回路の表面の表面処理剤の被膜
が強固になって、表面処理剤による銅回路とプリプレグ
の樹脂との接着性の向上の効果を高めることができるも
のであり、表面処理剤で処理して焼き付けるという簡便
な工程で、銅回路を酸化処理する場合のようなハロー現
象が発生することなく、銅回路とプリプレグの樹脂との
接着性を高めることができるものである。加えて本発明
は、回路板への表面処理剤の付着量が両面合計で0.5
g/m 2 以上になるように処理するようにしたので、表
面処理剤による接着性の向上の効果を高く得ることがで
きると共に、スルーホールをドリルで加工する際の衝撃
を緩和することができ、ドリル加工の際に銅回路とエポ
キシ樹脂の界面での剥離が発生することを防ぐことがで
きるものである。
【0054】また本発明は、表面処理剤で処理する前
に、銅回路の表面をソフトエッチング処理するようにし
ているので、表面処理剤による化学的作用の他に、ソフ
トエッチングによる粗面化という物理的作用によっても
銅回路とプリプレグの樹脂との接着性を高めることがで
き、接着性を一層向上することができるものである。さ
らに本発明は、ソフトエッチング処理を塩化銅系組成の
エッチング液で行なうようにしたので、銅回路の粗面化
が大きくなり、接着性の向上の効果を高く得ることがで
きるものである。
に、銅回路の表面をソフトエッチング処理するようにし
ているので、表面処理剤による化学的作用の他に、ソフ
トエッチングによる粗面化という物理的作用によっても
銅回路とプリプレグの樹脂との接着性を高めることがで
き、接着性を一層向上することができるものである。さ
らに本発明は、ソフトエッチング処理を塩化銅系組成の
エッチング液で行なうようにしたので、銅回路の粗面化
が大きくなり、接着性の向上の効果を高く得ることがで
きるものである。
【0055】また本発明は、表面処理剤濃度が5重量%
以上の表面処理剤液を用いて処理するようにしたので、
銅回路の表面に十分な量の表面処理剤を付着させて、表
面処理剤による接着性の向上の効果を高く得ることがで
きるものである。
以上の表面処理剤液を用いて処理するようにしたので、
銅回路の表面に十分な量の表面処理剤を付着させて、表
面処理剤による接着性の向上の効果を高く得ることがで
きるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−92090(JP,A) 特開 平5−304361(JP,A) 特開 平1−109796(JP,A) 特開 平4−274389(JP,A) 特公 昭54−34907(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05K 3/38 H05K 3/46
Claims (9)
- 【請求項1】 回路板へのカップリング剤の付着量が両
面合計で0.5g/m 2 以上になるように回路板に設け
た銅回路の表面をカップリング剤で処理し、次にこのカ
ップリング剤を155℃以上の温度で焼き付けることを
特徴とする回路板の処理方法。 - 【請求項2】 カップリング剤で処理する前に、銅回路
の表面をソフトエッチング処理することを特徴とする請
求項1に記載の回路板の処理方法。 - 【請求項3】 ソフトエッチング処理を塩化銅系組成の
エッチング液で行なうことを特徴とする請求項2に記載
の回路板の処理方法。 - 【請求項4】 水系溶媒のカップリング剤処理液を用い
て処理することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか
に記載の回路板の処理方法。 - 【請求項5】 カップリング剤濃度が5重量%以上のカ
ップリング剤処理液を用いて処理することを特徴とする
請求項1乃至4のいずれかに記載の回路板の処理方法。 - 【請求項6】 回路板への表面処理剤の付着量が両面合
計で0.5g/m2以上になるように回路板に設けた銅
回路の表面をSi(OC m H n ) 4 又はTi(OC m H n ) 4
〔但し、mは0以上の整数、nは1以上の整数〕の一般
化学式で示される表面処理剤で処理し、次にこの表面処
理剤を155℃以上の温度で焼き付けることを特徴とす
る回路板の処理方法。 - 【請求項7】 表面処理剤で処理する前に、銅回路の表
面をソフトエッチング処理することを特徴とする請求項
6に記載の回路板の処理方法。 - 【請求項8】 ソフトエッチング処理を塩化銅系組成の
エッチング液で行なうことを特徴とする請求項7に記載
の回路板の処理方法。 - 【請求項9】 表面処理剤濃度が5重量%以上の表面処
理剤液を用いて処理することを特徴とする請求項6乃至
8のいずれかに記載の回路板の処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP254094A JP3322474B2 (ja) | 1994-01-14 | 1994-01-14 | 回路板の処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP254094A JP3322474B2 (ja) | 1994-01-14 | 1994-01-14 | 回路板の処理方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07212038A JPH07212038A (ja) | 1995-08-11 |
JP3322474B2 true JP3322474B2 (ja) | 2002-09-09 |
Family
ID=11532219
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP254094A Expired - Fee Related JP3322474B2 (ja) | 1994-01-14 | 1994-01-14 | 回路板の処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3322474B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007504551A (ja) | 2003-09-03 | 2007-03-01 | ストラテック システムズ リミテッド | 駐車場において車両の位置を特定し、認識し、および追跡するための装置および方法 |
JP5663739B2 (ja) * | 2008-04-04 | 2015-02-04 | 日本ペイント株式会社 | 銅の表面調整組成物および表面処理方法 |
-
1994
- 1994-01-14 JP JP254094A patent/JP3322474B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JPH07212038A (ja) | 1995-08-11 |
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