JP3322214B2 - 気流検出方法およびレーザレーダ装置 - Google Patents
気流検出方法およびレーザレーダ装置Info
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02A—TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
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- Y02A90/10—Information and communication technologies [ICT] supporting adaptation to climate change, e.g. for weather forecasting or climate simulation
Landscapes
- Radar Systems Or Details Thereof (AREA)
- Optical Radar Systems And Details Thereof (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、気象観測
や航空管制のために風や乱気流を検出する気流検出方法
およびレーザレーダ装置に関し、特に、雨中での風の状
況(風向、風速)から所定空間における乱気流を検出す
る気流検出方法およびレーザレーダ装置に関するもので
ある。
や航空管制のために風や乱気流を検出する気流検出方法
およびレーザレーダ装置に関し、特に、雨中での風の状
況(風向、風速)から所定空間における乱気流を検出す
る気流検出方法およびレーザレーダ装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来のレーザレーダ装置として、例え
ば、図15に示す、「プラズマと気体のレーザ応用計
測」(村岡克紀・前田三男共著:産業図書)に記載され
たレーザレーダ装置がある。同図に示す装置は、架台1
50に固定された受信用望遠鏡115と信号処理器10
3を備え、受信用望遠鏡115は、レーザ送信器11
3、コリメータ114、光検出器116、光フィルタ1
17を有する。また、信号処理器103は、信号処理部
103a、制御部103bを有し、この制御部103b
に内蔵されるコンピュータ118からは、表示器104
と記録器105に対して所定の出力がなされる。
ば、図15に示す、「プラズマと気体のレーザ応用計
測」(村岡克紀・前田三男共著:産業図書)に記載され
たレーザレーダ装置がある。同図に示す装置は、架台1
50に固定された受信用望遠鏡115と信号処理器10
3を備え、受信用望遠鏡115は、レーザ送信器11
3、コリメータ114、光検出器116、光フィルタ1
17を有する。また、信号処理器103は、信号処理部
103a、制御部103bを有し、この制御部103b
に内蔵されるコンピュータ118からは、表示器104
と記録器105に対して所定の出力がなされる。
【0003】次に、上記従来のレーザレーダ装置の動作
を説明する。図15に示すレーザレーダ装置のレーザ送
信器113は、パルス幅τのレーザ光を、コリメータ1
14でコリメートして、大気中に送り出し、大気からの
後方散乱光を受信用望遠鏡115で受光した後、光検出
器116で、その光信号を電気信号に変換する。光の速
度をcとすると、距離Rの点から戻ってきた光のパワー
は、以下のライダ方程式で与えられる。
を説明する。図15に示すレーザレーダ装置のレーザ送
信器113は、パルス幅τのレーザ光を、コリメータ1
14でコリメートして、大気中に送り出し、大気からの
後方散乱光を受信用望遠鏡115で受光した後、光検出
器116で、その光信号を電気信号に変換する。光の速
度をcとすると、距離Rの点から戻ってきた光のパワー
は、以下のライダ方程式で与えられる。
【0004】 P(R)=PoK(cτ/2)Aβ(R)Y(R)To(R)2/R2 …(1) ここで、Poは送信パワー、Kは受信光学系の効率、A
は望遠鏡の有効面積、β(R)は微分後方散乱断面積、
Y(R)は、送信ビームと望遠鏡視野の重なりファク
タ、To(R)は、片道あたりの透過率である。
は望遠鏡の有効面積、β(R)は微分後方散乱断面積、
Y(R)は、送信ビームと望遠鏡視野の重なりファク
タ、To(R)は、片道あたりの透過率である。
【0005】また、この受信信号は、次の式で表される
風速に応じた周波数のドップラシフトを受ける。 Δf=2V/λ …(2) ここで、Vは風速、λは光(送信レーザ光)の波長であ
る。上記のレーザレーダ装置は、信号処理部103a
で、この周波数のシフト量を検出し、それを制御部10
3b内のコンピュータ118で解析した後、その結果よ
り得られた風速を表示器104に表示する。
風速に応じた周波数のドップラシフトを受ける。 Δf=2V/λ …(2) ここで、Vは風速、λは光(送信レーザ光)の波長であ
る。上記のレーザレーダ装置は、信号処理部103a
で、この周波数のシフト量を検出し、それを制御部10
3b内のコンピュータ118で解析した後、その結果よ
り得られた風速を表示器104に表示する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のレーザレーダ装置には、以下のような問題がある。
すなわち、風を検出するレーザレーダ装置は、トレーサ
としてエアロゾルを用いているため、晴天時の観測には
非常に有効な手段であるが、雨天時には、エアロゾルよ
りも、はるかに粒径の大きい雨滴により散乱を受ける。
そのため、雨滴のエコーに比べて、エアロゾルのエコー
の方がはるかに弱く、その検知が非常に困難となる。
来のレーザレーダ装置には、以下のような問題がある。
すなわち、風を検出するレーザレーダ装置は、トレーサ
としてエアロゾルを用いているため、晴天時の観測には
非常に有効な手段であるが、雨天時には、エアロゾルよ
りも、はるかに粒径の大きい雨滴により散乱を受ける。
そのため、雨滴のエコーに比べて、エアロゾルのエコー
の方がはるかに弱く、その検知が非常に困難となる。
【0007】一方、航空管制用レーダ装置では、偏波を
切り替える(円偏波にする)ことにより、降雨からのエ
コーをキャンセルする手法を取るが、気象用途では、対
象物(ターゲット)である雨滴もエアロゾルも球形状で
あるため、それらを区別できない。
切り替える(円偏波にする)ことにより、降雨からのエ
コーをキャンセルする手法を取るが、気象用途では、対
象物(ターゲット)である雨滴もエアロゾルも球形状で
あるため、それらを区別できない。
【0008】特開平6−308234号に開示された距
離測定装置においては、降雨を検出する雨滴センサを設
け、この雨滴センサからの降雨情報に基づいて、つま
り、雨量に応じて光パルスの強度、受信機のゲインを制
御して、降雨による測定距離の減少を防ぐよう構成され
ている。他方、風を検出するレーザレーダ装置では、信
号強度の制御だけでは雨滴のエコーが強まるだけで、風
を分離検出することができない。
離測定装置においては、降雨を検出する雨滴センサを設
け、この雨滴センサからの降雨情報に基づいて、つま
り、雨量に応じて光パルスの強度、受信機のゲインを制
御して、降雨による測定距離の減少を防ぐよう構成され
ている。他方、風を検出するレーザレーダ装置では、信
号強度の制御だけでは雨滴のエコーが強まるだけで、風
を分離検出することができない。
【0009】本発明は、上述の課題に鑑みてなされたも
ので、その目的とするところは、降雨時においても、雨
滴の影響を受けずに風や特徴的な後方乱気流の運動を捉
える気流検出方法およびレーザレーダ装置を提供するこ
とである。
ので、その目的とするところは、降雨時においても、雨
滴の影響を受けずに風や特徴的な後方乱気流の運動を捉
える気流検出方法およびレーザレーダ装置を提供するこ
とである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、測定対象空間にレーザ光を照射する工程
と、上記測定対象空間内の雨滴による上記レーザ光の散
乱信号を受信する工程と、上記受信した散乱信号をもと
に、上記雨滴の運動ベクトルを求める第1の演算工程
と、上記雨滴に対して、鉛直下方より上方へ所定波長の
電波を照射する工程と、上記雨滴からの上記電波の反射
波を受信する工程と、上記受信した反射波をもとに、上
記雨滴の鉛直落下速度成分を求める第2の演算工程と、
上記運動ベクトルと鉛直落下速度成分とのベクトル演算
から風速を求める第3の演算工程とを備える気流検出方
法を提供する。
め、本発明は、測定対象空間にレーザ光を照射する工程
と、上記測定対象空間内の雨滴による上記レーザ光の散
乱信号を受信する工程と、上記受信した散乱信号をもと
に、上記雨滴の運動ベクトルを求める第1の演算工程
と、上記雨滴に対して、鉛直下方より上方へ所定波長の
電波を照射する工程と、上記雨滴からの上記電波の反射
波を受信する工程と、上記受信した反射波をもとに、上
記雨滴の鉛直落下速度成分を求める第2の演算工程と、
上記運動ベクトルと鉛直落下速度成分とのベクトル演算
から風速を求める第3の演算工程とを備える気流検出方
法を提供する。
【0011】好ましくは、上記電波の照射にマイクロ波
レーダを使用する。また、上記マイクロ波レーダは二重
偏波レーダであり、上記第2の演算工程は、この二重偏
波レーダの垂直偏波と水平偏波を切り替えて、上記雨滴
の鉛直落下速度成分を求める。さらに、上記雨滴の鉛直
落下速度成分には、上記二重偏波レーダの偏波切替えに
よって得た雨滴の扁平度に基づく雨滴の粒径、および、
空気抵抗から推定した落下速度の補正がなされている。
レーダを使用する。また、上記マイクロ波レーダは二重
偏波レーダであり、上記第2の演算工程は、この二重偏
波レーダの垂直偏波と水平偏波を切り替えて、上記雨滴
の鉛直落下速度成分を求める。さらに、上記雨滴の鉛直
落下速度成分には、上記二重偏波レーダの偏波切替えに
よって得た雨滴の扁平度に基づく雨滴の粒径、および、
空気抵抗から推定した落下速度の補正がなされている。
【0012】また、好ましくは、上記電波の照射に音波
レーダを使用する。
レーダを使用する。
【0013】他の発明によれば、後方乱気流を含む測定
対象空間にレーザ光を照射する工程と、上記測定対象空
間内の雨滴による上記レーザ光の散乱信号のドップラ成
分を検出する工程と、気象ドップラレーダより、上記雨
滴に対して所定波長の電波を照射する工程と、上記電波
の照射によって、上記雨滴に対するドップラデータを得
る工程と、上記ドップラ成分とドップラデータとから、
上記後方乱気流の運動成分を演算する工程とを備え、上
記後方乱気流の運動成分をもとに風速を求める気流検出
方法を提供する。
対象空間にレーザ光を照射する工程と、上記測定対象空
間内の雨滴による上記レーザ光の散乱信号のドップラ成
分を検出する工程と、気象ドップラレーダより、上記雨
滴に対して所定波長の電波を照射する工程と、上記電波
の照射によって、上記雨滴に対するドップラデータを得
る工程と、上記ドップラ成分とドップラデータとから、
上記後方乱気流の運動成分を演算する工程とを備え、上
記後方乱気流の運動成分をもとに風速を求める気流検出
方法を提供する。
【0014】また、他の発明によれば、後方乱気流の発
生空間にレーザ光を照射する第1の照射工程と、上記後
方乱気流の発生空間から所定距離離れた後方乱気流の非
発生空間にレーザ光を照射する第2の照射工程と、上記
後方乱気流の発生空間内の雨滴による上記レーザ光の散
乱信号の第1のドップラ成分を検出する工程と、上記後
方乱気流の非発生空間内の雨滴による上記レーザ光の散
乱信号の第2のドップラ成分を検出する工程と、上記第
1のドップラ成分と第2のドップラ成分とから、上記後
方乱気流の運動成分を演算する工程とを備え、上記後方
乱気流の運動成分をもとに風速を求める気流検出方法を
提供する。
生空間にレーザ光を照射する第1の照射工程と、上記後
方乱気流の発生空間から所定距離離れた後方乱気流の非
発生空間にレーザ光を照射する第2の照射工程と、上記
後方乱気流の発生空間内の雨滴による上記レーザ光の散
乱信号の第1のドップラ成分を検出する工程と、上記後
方乱気流の非発生空間内の雨滴による上記レーザ光の散
乱信号の第2のドップラ成分を検出する工程と、上記第
1のドップラ成分と第2のドップラ成分とから、上記後
方乱気流の運動成分を演算する工程とを備え、上記後方
乱気流の運動成分をもとに風速を求める気流検出方法を
提供する。
【0015】他の発明によれば、後方乱気流の発生空間
にレーザ光を照射する第1および第2の照射工程と、上
記後方乱気流の発生空間内の雨滴による上記レーザ光の
第1および第2のドッブラエコーを検出する工程と、上
記第1のドップラエコーと第2のドップラエコーとか
ら、上記後方乱気流の運動成分を演算する工程とを備
え、上記第1のドッブラエコーの検出に係るレーザ送受
信機の距離分解能が、上記第2のドッブラエコーの検出
に係るレーザ送受信機の距離分解能よりも高く設定し
て、上記後方乱気流の運動成分をもとに風速を求める気
流検出方法を提供する。
にレーザ光を照射する第1および第2の照射工程と、上
記後方乱気流の発生空間内の雨滴による上記レーザ光の
第1および第2のドッブラエコーを検出する工程と、上
記第1のドップラエコーと第2のドップラエコーとか
ら、上記後方乱気流の運動成分を演算する工程とを備
え、上記第1のドッブラエコーの検出に係るレーザ送受
信機の距離分解能が、上記第2のドッブラエコーの検出
に係るレーザ送受信機の距離分解能よりも高く設定し
て、上記後方乱気流の運動成分をもとに風速を求める気
流検出方法を提供する。
【0016】好適には、上記第1のドッブラエコーの検
出に係るレーザ送受信機と、上記第2のドッブラエコー
の検出に係るレーザ送受信機は、上記後方乱気流の発生
空間を間に挟んで物理的に対称な位置に配置されてい
る。
出に係るレーザ送受信機と、上記第2のドッブラエコー
の検出に係るレーザ送受信機は、上記後方乱気流の発生
空間を間に挟んで物理的に対称な位置に配置されてい
る。
【0017】また、他の発明によれば、上記の気流検出
方法を使用して風速を求めるレーザレーダ装置を提供す
る。
方法を使用して風速を求めるレーザレーダ装置を提供す
る。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発
明に係る実施の形態を説明する。 実施の形態1.以下、本発明に係る実施の形態1につい
て説明する。図1は、本発明の実施の形態に係るレーザ
レーダ装置の構成を示すブロック図である。また、図1
3は、本レーザレーダ装置における処理手順を示すフロ
ーチャートである。図1に示すレーザレーダ装置10
は、対象に向けてレーザビームを照射し、そこからの散
乱信号を受信するレーザ送受信機1(ここでは、単一の
送受光学系を持つ装置としている)、マイクロ波レーダ
装置2、信号処理器3、そして、表示器4を備える。な
お、本装置の動作については、後述する。
明に係る実施の形態を説明する。 実施の形態1.以下、本発明に係る実施の形態1につい
て説明する。図1は、本発明の実施の形態に係るレーザ
レーダ装置の構成を示すブロック図である。また、図1
3は、本レーザレーダ装置における処理手順を示すフロ
ーチャートである。図1に示すレーザレーダ装置10
は、対象に向けてレーザビームを照射し、そこからの散
乱信号を受信するレーザ送受信機1(ここでは、単一の
送受光学系を持つ装置としている)、マイクロ波レーダ
装置2、信号処理器3、そして、表示器4を備える。な
お、本装置の動作については、後述する。
【0019】図2は、雨滴に外部から作用する力(風)
と運動との関係を示す。同図に示すように、雨滴21
は、重力による落下運動と風の作用を合成した方向(図
中、「雨滴の運動ベクトル」と記された方向)に運動す
る。大気の移動という、大きなスケールでの風の作用に
よる雨滴の運動では、雨滴の風方向の速度成分は、風の
速度と等しいとみなすことができる。従って、レーザレ
ーダ装置によって検出された雨滴の速度、方向より、重
力による鉛直落下速度成分を除去すれば、風の速度、方
向を求めることができる。
と運動との関係を示す。同図に示すように、雨滴21
は、重力による落下運動と風の作用を合成した方向(図
中、「雨滴の運動ベクトル」と記された方向)に運動す
る。大気の移動という、大きなスケールでの風の作用に
よる雨滴の運動では、雨滴の風方向の速度成分は、風の
速度と等しいとみなすことができる。従って、レーザレ
ーダ装置によって検出された雨滴の速度、方向より、重
力による鉛直落下速度成分を除去すれば、風の速度、方
向を求めることができる。
【0020】雨の鉛直落下速度は、夕立のような大粒の
雨では速く、霧雨のような小粒の雨では遅い、というこ
とが知られているように、一定の速度で落下するわけで
はなく、以下のように考えることができる。すなわち、
水蒸気の凝結により成長した雨滴は、重力の影響により
落下運動を始め、次第に加速される。そして、加速され
た雨滴に対しては、空気抵抗により、上向きの抵抗力が
大きくなり、やがて、上向きの力と下向きの力がつりあ
う速度で落下するようになる。
雨では速く、霧雨のような小粒の雨では遅い、というこ
とが知られているように、一定の速度で落下するわけで
はなく、以下のように考えることができる。すなわち、
水蒸気の凝結により成長した雨滴は、重力の影響により
落下運動を始め、次第に加速される。そして、加速され
た雨滴に対しては、空気抵抗により、上向きの抵抗力が
大きくなり、やがて、上向きの力と下向きの力がつりあ
う速度で落下するようになる。
【0021】粒子の落下が等速になる速度を終端速度と
いい、それは、次の式(ストークスの法則)で表され
る。 V=2ρLIQr2g/9η …(3) ここで、Vは終端速度、ρLIQは雨の密度、rは雨滴
の半径、gは重力の加速度、ηは空気の粘性係数を示
す。上記の式(3)で示されるように、雨滴の落下速度
は、その半径の2乗に比例するが、雨滴の半径およびそ
の他の係数は、その時々の降雨状況により異なるので、
落下速度も一様ではない。そこで、本実施の形態に係る
レーザレーダ装置では、雨の落下速度を、図1のマイク
ロ波レーダ装置2で検出する。
いい、それは、次の式(ストークスの法則)で表され
る。 V=2ρLIQr2g/9η …(3) ここで、Vは終端速度、ρLIQは雨の密度、rは雨滴
の半径、gは重力の加速度、ηは空気の粘性係数を示
す。上記の式(3)で示されるように、雨滴の落下速度
は、その半径の2乗に比例するが、雨滴の半径およびそ
の他の係数は、その時々の降雨状況により異なるので、
落下速度も一様ではない。そこで、本実施の形態に係る
レーザレーダ装置では、雨の落下速度を、図1のマイク
ロ波レーダ装置2で検出する。
【0022】図1に示すマイクロ波レーダ装置2は、計
測対象が降雨であるため、一般の大型レーダ装置のよう
に、遠距離の検知能力を必要としない。そこで、マイク
ロ波レーダ装置2そのものは、小電力の装置として実現
できる。
測対象が降雨であるため、一般の大型レーダ装置のよう
に、遠距離の検知能力を必要としない。そこで、マイク
ロ波レーダ装置2そのものは、小電力の装置として実現
できる。
【0023】本実施の形態では、このマイクロ波レーダ
装置2のビームを鉛直上方に固定して、観測対象空間
(ターゲットボリューム)が、マイクロ波レーダ装置2
の真上に来るよう位置させる。これにより、マイクロ波
レーダ装置2より得られる速度情報は、水平方向の速度
成分を含まないことになる。そこで、風が、図2に示す
ように、雨滴に対して水平方向に吹いているものと仮定
すると、マイクロ波レーダ装置2より得られる速度情報
は、雨の鉛直落下速度を示す、とすることができる。
装置2のビームを鉛直上方に固定して、観測対象空間
(ターゲットボリューム)が、マイクロ波レーダ装置2
の真上に来るよう位置させる。これにより、マイクロ波
レーダ装置2より得られる速度情報は、水平方向の速度
成分を含まないことになる。そこで、風が、図2に示す
ように、雨滴に対して水平方向に吹いているものと仮定
すると、マイクロ波レーダ装置2より得られる速度情報
は、雨の鉛直落下速度を示す、とすることができる。
【0024】ところが、風は、常に水平方向にのみ吹い
ているわけではなく、一般的には、図3に示すように、
鉛直方向の速度成分を持つ。このため、単純に上記方法
で検出した速度には、誤差が含まれることになる。この
測定誤差を軽減させるために、測定結果の高度分布の分
析(地表に十分近い測定点では、鉛直方向の風速は0に
近い)や平均化処理、または、適当な距離をおいて設置
された複数の降雨速度検出器による測定結果の解析を行
うことにより、その測定精度を向上させることが必要と
なる。
ているわけではなく、一般的には、図3に示すように、
鉛直方向の速度成分を持つ。このため、単純に上記方法
で検出した速度には、誤差が含まれることになる。この
測定誤差を軽減させるために、測定結果の高度分布の分
析(地表に十分近い測定点では、鉛直方向の風速は0に
近い)や平均化処理、または、適当な距離をおいて設置
された複数の降雨速度検出器による測定結果の解析を行
うことにより、その測定精度を向上させることが必要と
なる。
【0025】そこで、上記の方法で、マイクロ波レーダ
装置2によって検出された降雨速度と、レーザ送受信機
1より得られた受信信号とから、雨の影響を除去した風
の速度情報を求める方法を説明する。
装置2によって検出された降雨速度と、レーザ送受信機
1より得られた受信信号とから、雨の影響を除去した風
の速度情報を求める方法を説明する。
【0026】雨の影響を除去した風の速度情報を求める
ため、本実施の形態に係るレーザレーダ装置10の信号
処理器3において、以下の演算処理を行う。
ため、本実施の形態に係るレーザレーダ装置10の信号
処理器3において、以下の演算処理を行う。
【0027】今、図3に示すように、レーザ送受信機1
より得られた雨滴の速度(説明の簡略化のため、雨滴の
運動方向は、レーザ送受信機の方向に真っ直ぐ向かって
いるものとする)をV1、マイクロ波レーダ装置2よ
り、上述の方法によって得られた雨滴の鉛直落下速度を
V2、ビームの垂線とのなす角度をθとする。この場
合、図中、点線で示される成分V1cosθは、レーダ
装置2で検出される見かけ上の落下速度成分であるか
ら、風速Vxは、次式によって計算できる。
より得られた雨滴の速度(説明の簡略化のため、雨滴の
運動方向は、レーザ送受信機の方向に真っ直ぐ向かって
いるものとする)をV1、マイクロ波レーダ装置2よ
り、上述の方法によって得られた雨滴の鉛直落下速度を
V2、ビームの垂線とのなす角度をθとする。この場
合、図中、点線で示される成分V1cosθは、レーダ
装置2で検出される見かけ上の落下速度成分であるか
ら、風速Vxは、次式によって計算できる。
【0028】 Vx=√{(V1sinθ)2+(V1cosθ−V2)2} =√(V12+V22−2V1V2cosθ) …(4)
【0029】本レーザレーダ装置は、このように、レー
ザ送受信機より対象に向けてレーザビームを照射し、そ
こからの散乱信号を受信する(図13のステップS
1)。そして、雨滴の運動ベクトルを求めた後(ステッ
プS2)、その鉛直落下速度を検出し(ステップS
3)、得られた速度成分をレーザレーダ装置の受信信号
より除去する演算を実行する(ステップS4)ことによ
り、雨の影響を除去した風速を得ている。
ザ送受信機より対象に向けてレーザビームを照射し、そ
こからの散乱信号を受信する(図13のステップS
1)。そして、雨滴の運動ベクトルを求めた後(ステッ
プS2)、その鉛直落下速度を検出し(ステップS
3)、得られた速度成分をレーザレーダ装置の受信信号
より除去する演算を実行する(ステップS4)ことによ
り、雨の影響を除去した風速を得ている。
【0030】つまり、雨滴が、風の影響による速度成分
と重力の影響による鉛直落下成分を合成した運動をして
おり、雨滴の運動=風の運動とすることはできないた
め、雨天時の雨滴速度を観測して、雨の影響を除去した
風の速度情報をもとに、風速Vxを求めている。なお、
その結果は、表示器4に可視表示される(ステップS
5)。
と重力の影響による鉛直落下成分を合成した運動をして
おり、雨滴の運動=風の運動とすることはできないた
め、雨天時の雨滴速度を観測して、雨の影響を除去した
風の速度情報をもとに、風速Vxを求めている。なお、
その結果は、表示器4に可視表示される(ステップS
5)。
【0031】上記の表示器4への表示形態や表現方法に
ついて、ここでは特に限定しない。よって、得られた結
果は、例えば、航空管制官に伝達できる情報文を作成す
るための情報として使用するとともに、得られた生の情
報を、管制官に対して付属的な情報として表示器4に可
視表示するようにしてもよい。
ついて、ここでは特に限定しない。よって、得られた結
果は、例えば、航空管制官に伝達できる情報文を作成す
るための情報として使用するとともに、得られた生の情
報を、管制官に対して付属的な情報として表示器4に可
視表示するようにしてもよい。
【0032】以上説明したように、本実施の形態によれ
ば、降雨時には、エアロゾルからの反射エコーよりも雨
滴からの反射エコーがはるかに強いことに着目して、降
雨時に雨滴による散乱エコーを測定し、このときの雨滴
の鉛直落下速度成分をレーザレーダ装置の受信信号より
除去することにより、雨天での風の観測を可能にしてい
る。
ば、降雨時には、エアロゾルからの反射エコーよりも雨
滴からの反射エコーがはるかに強いことに着目して、降
雨時に雨滴による散乱エコーを測定し、このときの雨滴
の鉛直落下速度成分をレーザレーダ装置の受信信号より
除去することにより、雨天での風の観測を可能にしてい
る。
【0033】なお、上記実施の形態1に係るレーザレー
ダ装置では、降雨の鉛直落下速度成分の検出にマイクロ
波レーダ装置を用いているが、これに限定されず、例え
ば、音波レーダ装置を用いてもよい。つまり、音波レー
ダを用いることで、測定範囲に広がりを持たせることが
でき、測定範囲の受信信号の平均化処理を行えるという
効果がある。
ダ装置では、降雨の鉛直落下速度成分の検出にマイクロ
波レーダ装置を用いているが、これに限定されず、例え
ば、音波レーダ装置を用いてもよい。つまり、音波レー
ダを用いることで、測定範囲に広がりを持たせることが
でき、測定範囲の受信信号の平均化処理を行えるという
効果がある。
【0034】実施の形態2.以下、本発明の実施の形態
2について説明する。図4は、本実施の形態に係るレー
ザレーダ装置の構成を示すブロック図である。なお、同
図に示すレーザレーダ装置20において、図1に示す、
上記実施の形態1に係るレーザレーダ装置と同一構成要
素には同一符号を付し、ここでは、それらの説明を省略
する。
2について説明する。図4は、本実施の形態に係るレー
ザレーダ装置の構成を示すブロック図である。なお、同
図に示すレーザレーダ装置20において、図1に示す、
上記実施の形態1に係るレーザレーダ装置と同一構成要
素には同一符号を付し、ここでは、それらの説明を省略
する。
【0035】図4に示すレーザレーダ装置20では、実
施の形態1に係るマイクロ波レーダ装置2の代わりに二
重偏波レーダ装置5を用いている。この二重偏波レーダ
装置5は、図4に示すように、観測対象空間に対して斜
め下方に配置されており、垂直偏波と水平偏波を切り替
えて測定することによって、降雨のドップラの測定とと
もに、雨滴の扁平度を測定している。
施の形態1に係るマイクロ波レーダ装置2の代わりに二
重偏波レーダ装置5を用いている。この二重偏波レーダ
装置5は、図4に示すように、観測対象空間に対して斜
め下方に配置されており、垂直偏波と水平偏波を切り替
えて測定することによって、降雨のドップラの測定とと
もに、雨滴の扁平度を測定している。
【0036】雨滴は、一般に完全な球形ではなく、その
粒が受ける空気抵抗のため、上下にひしゃげた形となっ
ている。そこで、その扁平度を知り、それにより雨滴の
粒径、および、空気抵抗から落下速度を推定する。な
お、二重偏波レーダによって、垂直偏波と水平偏波を切
り替えて、雨滴の扁平度や粒径を知ることは、公知の技
術であるため、ここでは、その説明を省略する。
粒が受ける空気抵抗のため、上下にひしゃげた形となっ
ている。そこで、その扁平度を知り、それにより雨滴の
粒径、および、空気抵抗から落下速度を推定する。な
お、二重偏波レーダによって、垂直偏波と水平偏波を切
り替えて、雨滴の扁平度や粒径を知ることは、公知の技
術であるため、ここでは、その説明を省略する。
【0037】このように、本実施の形態では、雨滴の扁
平度を知り、その粒径、および、空気抵抗から落下速度
を推定することで、ドップラ信号による降雨速度の測定
結果を補正し、雨の影響を除去した風の速度情報をもと
に、より正確に風速Vxを求めることができる。
平度を知り、その粒径、および、空気抵抗から落下速度
を推定することで、ドップラ信号による降雨速度の測定
結果を補正し、雨の影響を除去した風の速度情報をもと
に、より正確に風速Vxを求めることができる。
【0038】実施の形態3.以下、本発明に係る実施の
形態3について説明する。図5は、本実施の形態に係る
レーザレーダ装置の構成を示すブロック図である。な
お、同図に示すレーザレーダ装置30において、図1に
示す、上記実施の形態1に係るレーザレーダ装置と同一
構成要素には同一符号を付し、ここでは、それらの説明
を省略する。
形態3について説明する。図5は、本実施の形態に係る
レーザレーダ装置の構成を示すブロック図である。な
お、同図に示すレーザレーダ装置30において、図1に
示す、上記実施の形態1に係るレーザレーダ装置と同一
構成要素には同一符号を付し、ここでは、それらの説明
を省略する。
【0039】本実施の形態に係るレーザレーダ装置30
は、図5に示すように、観測対象空間に対して斜め下方
に配置された空港気象台の気象ドップラレーダ装置6か
らの降雨ドップラ情報を、インタフェース装置7を介し
て、信号処理器3に取り入れている。
は、図5に示すように、観測対象空間に対して斜め下方
に配置された空港気象台の気象ドップラレーダ装置6か
らの降雨ドップラ情報を、インタフェース装置7を介し
て、信号処理器3に取り入れている。
【0040】図6は、航空機の航跡に発生する後方乱気
流の様子を示す図である。同図に示すように、航跡に発
生する後方乱気流は、航空機61の左右主翼に、それぞ
れ反対方向の渦62,63を作る。その渦の大きさは、
航空機の大きさによって異なるが、例えば、ジャンボ・
ジェット機では、直径百数十メートルになり、それが数
分間、存続するとされている。
流の様子を示す図である。同図に示すように、航跡に発
生する後方乱気流は、航空機61の左右主翼に、それぞ
れ反対方向の渦62,63を作る。その渦の大きさは、
航空機の大きさによって異なるが、例えば、ジャンボ・
ジェット機では、直径百数十メートルになり、それが数
分間、存続するとされている。
【0041】気象用ドップラレーダ装置6は、そのレン
ジ分解能が後方乱気流検出に適していないため、航空機
の航跡付近に対して測定を行っても、後方乱気流を検出
することができない。この後方乱気流の運動は、上記の
レンジ内で平均化されるため、降雨時のドップラデータ
は、後方乱気流の影響を受けない、上空の風の動きによ
るものとなる。
ジ分解能が後方乱気流検出に適していないため、航空機
の航跡付近に対して測定を行っても、後方乱気流を検出
することができない。この後方乱気流の運動は、上記の
レンジ内で平均化されるため、降雨時のドップラデータ
は、後方乱気流の影響を受けない、上空の風の動きによ
るものとなる。
【0042】なお、ここでは、測定対象空間内の雨滴に
よる、レーザ光の散乱信号のドップラ成分を検出してい
る。このドップラ成分は、大気からの後方散乱をレーザ
受信機が受信し、その受信信号から周波数成分をシフト
した信号である。また、上記のドップラデータは、風に
関する量子化した情報であり、他の装置、例えば、ドッ
プラレーダ装置より通信情報として送られてくるデータ
である。
よる、レーザ光の散乱信号のドップラ成分を検出してい
る。このドップラ成分は、大気からの後方散乱をレーザ
受信機が受信し、その受信信号から周波数成分をシフト
した信号である。また、上記のドップラデータは、風に
関する量子化した情報であり、他の装置、例えば、ドッ
プラレーダ装置より通信情報として送られてくるデータ
である。
【0043】図5に示すレーザレーダ装置のレーザ送受
信機1によって得られる測定ボリュームからのデータ
は、後方乱気流の運動と、上空の大気の流れ(降雨速度
も含む)を合成したものとなっている。このため信号処
理器3は、この合成信号から、気象用ドップラレーダ装
置6によって与えられた上空の大気の流れ成分を、演算
処理により除去することで、後方乱気流の運動成分のみ
を取り出している。
信機1によって得られる測定ボリュームからのデータ
は、後方乱気流の運動と、上空の大気の流れ(降雨速度
も含む)を合成したものとなっている。このため信号処
理器3は、この合成信号から、気象用ドップラレーダ装
置6によって与えられた上空の大気の流れ成分を、演算
処理により除去することで、後方乱気流の運動成分のみ
を取り出している。
【0044】以上説明したように、本実施の形態によれ
ば、後方乱気流の運動と、上空の大気の流れが合成され
た測定データから、気象用ドップラレーダ装置によって
与えられた上空の大気の流れ成分を除去することで、後
方乱気流の運動成分のみを取り出し、降雨時においても
特徴的な後方乱気流の運動を捉えることができる。
ば、後方乱気流の運動と、上空の大気の流れが合成され
た測定データから、気象用ドップラレーダ装置によって
与えられた上空の大気の流れ成分を除去することで、後
方乱気流の運動成分のみを取り出し、降雨時においても
特徴的な後方乱気流の運動を捉えることができる。
【0045】実施の形態4.以下、本発明に係る実施の
形態4について説明する。図7は、本実施の形態に係る
レーザレーダ装置の構成を示すブロック図である。な
お、同図に示すレーザレーダ装置40において、図1に
示す、上記実施の形態1に係るレーザレーダ装置と同一
構成要素には同一符号を付し、ここでは、それらの説明
を省略する。
形態4について説明する。図7は、本実施の形態に係る
レーザレーダ装置の構成を示すブロック図である。な
お、同図に示すレーザレーダ装置40において、図1に
示す、上記実施の形態1に係るレーザレーダ装置と同一
構成要素には同一符号を付し、ここでは、それらの説明
を省略する。
【0046】図7に示すレーザレーダ装置40は、後方
乱気流発生空間に直接向けられたレーザ送受信機1
(8)と、この測定対象空間から少し離れた空間(後方
乱気流非発生空間)に向けられたレーザ送受信機2
(9)の2つのレーザ送受信機を有する。これらのレー
ザ送受信機の内、レーザ送受信機1(8)によって、後
方乱気流の運動と、上空の気流の影響を受けた雨滴の運
動の合成運動を測定する。また、後方乱気流非発生空間
に向けられたレーザ送受信機2(9)により、上空の気
流の影響を受けた雨滴の運動のみを測定する。
乱気流発生空間に直接向けられたレーザ送受信機1
(8)と、この測定対象空間から少し離れた空間(後方
乱気流非発生空間)に向けられたレーザ送受信機2
(9)の2つのレーザ送受信機を有する。これらのレー
ザ送受信機の内、レーザ送受信機1(8)によって、後
方乱気流の運動と、上空の気流の影響を受けた雨滴の運
動の合成運動を測定する。また、後方乱気流非発生空間
に向けられたレーザ送受信機2(9)により、上空の気
流の影響を受けた雨滴の運動のみを測定する。
【0047】そして、信号処理器3内の演算処理装置
(不図示)において、上記2つのレーザ送受信機より得
られた信号の差分を求め、その結果から後方乱気流の運
動成分のみを取り出す。
(不図示)において、上記2つのレーザ送受信機より得
られた信号の差分を求め、その結果から後方乱気流の運
動成分のみを取り出す。
【0048】以上説明したように、本実施の形態によれ
ば、2つのレーザ送受信機によって、後方乱気流発生空
間および後方乱気流非発生空間からの信号を得て、その
差分をもとに後方乱気流の運動成分を取り出すことがで
きる。
ば、2つのレーザ送受信機によって、後方乱気流発生空
間および後方乱気流非発生空間からの信号を得て、その
差分をもとに後方乱気流の運動成分を取り出すことがで
きる。
【0049】なお、上記実施の形態4では、2つのレー
ザ送受信機で構成されたレーザレーダ装置の例を示して
いるが、単一のレーザ送受信機のみで、2つのレーザ送
受信機の機能を実現するよう構成してもよい。すなわ
ち、1つのレーザ送受信機で2サイクルのビーム走査を
行い、一方のサイクルで後方乱気流空間に向けた測定を
し、他方のサイクルで後方乱気流非発生空間に対する測
定をすることにより、2つのレーザ送受信機を使用した
場合と同様の効果が得られる。
ザ送受信機で構成されたレーザレーダ装置の例を示して
いるが、単一のレーザ送受信機のみで、2つのレーザ送
受信機の機能を実現するよう構成してもよい。すなわ
ち、1つのレーザ送受信機で2サイクルのビーム走査を
行い、一方のサイクルで後方乱気流空間に向けた測定を
し、他方のサイクルで後方乱気流非発生空間に対する測
定をすることにより、2つのレーザ送受信機を使用した
場合と同様の効果が得られる。
【0050】また、単一のレーザ送受信機のみで、2つ
のレーザ送受信機の機能を実現する他の方法として、図
8に示す例がある。つまり、同図に示すように、レーザ
送受信機1からの送信ビームを、ビームスプリッタ80
で2つに分離し、一方をビーム拡大器82aに直接、入
力する。また、他方のビームについては、ミラー81で
反射後、ビーム拡大器82bへ入力する。
のレーザ送受信機の機能を実現する他の方法として、図
8に示す例がある。つまり、同図に示すように、レーザ
送受信機1からの送信ビームを、ビームスプリッタ80
で2つに分離し、一方をビーム拡大器82aに直接、入
力する。また、他方のビームについては、ミラー81で
反射後、ビーム拡大器82bへ入力する。
【0051】このような構成によって、ビーム拡大器8
2aからはビーム1を、また、ビーム拡大器82bから
はビーム2を、それぞれの測定空間において一定の距離
を持たせながら出力する。そして、それぞれの測定空間
より得られる受信信号の差分を演算し、上記と同様、後
方乱気流の運動成分を取り出すことができる。
2aからはビーム1を、また、ビーム拡大器82bから
はビーム2を、それぞれの測定空間において一定の距離
を持たせながら出力する。そして、それぞれの測定空間
より得られる受信信号の差分を演算し、上記と同様、後
方乱気流の運動成分を取り出すことができる。
【0052】実施の形態5.以下、本発明に係る実施の
形態5について説明する。図9は、本実施の形態に係る
レーザレーダ装置の構成を示すブロック図である。な
お、同図に示すレーザレーダ装置50において、図7に
示す、上記実施の形態4に係るレーザレーダ装置と同一
構成要素には同一符号を付し、ここでは、それらの説明
を省略する。
形態5について説明する。図9は、本実施の形態に係る
レーザレーダ装置の構成を示すブロック図である。な
お、同図に示すレーザレーダ装置50において、図7に
示す、上記実施の形態4に係るレーザレーダ装置と同一
構成要素には同一符号を付し、ここでは、それらの説明
を省略する。
【0053】図9に示すレーザレーダ装置50は、後方
乱気流の運動成分を取り出す装置であり、後方乱気流の
渦の大きさは、直径が百数十m程度とされているため、
ここでは、レーザ送受信機1(8)のレンジ分解能を数
十メートルに設定し、レーザ送受信機2(9)のレンジ
分解能を数百メートルに設定している。
乱気流の運動成分を取り出す装置であり、後方乱気流の
渦の大きさは、直径が百数十m程度とされているため、
ここでは、レーザ送受信機1(8)のレンジ分解能を数
十メートルに設定し、レーザ送受信機2(9)のレンジ
分解能を数百メートルに設定している。
【0054】航空機の発生する後方乱気流は、限られた
範囲内で渦を巻く運動をするため、風のベクトルと強さ
を、その範囲内で平均すると0になる。上述のように、
レーザ送受信機2(9)は、後方乱気流の大きさに対し
て、十分大きなレンジ分解能で設定されているため、そ
の受信エコーについては、後方乱気流の運動を無視する
ことができ、得られるのは、バックグランドの気流とみ
なすことができる。
範囲内で渦を巻く運動をするため、風のベクトルと強さ
を、その範囲内で平均すると0になる。上述のように、
レーザ送受信機2(9)は、後方乱気流の大きさに対し
て、十分大きなレンジ分解能で設定されているため、そ
の受信エコーについては、後方乱気流の運動を無視する
ことができ、得られるのは、バックグランドの気流とみ
なすことができる。
【0055】そこで、レーザ送受信機2(9)からの受
信データと、レーザ送受信機1(8)によって得られ
た、後方乱気流が含まれるデータとを、信号処理器3内
の不図示の演算処理装置で比較処理し、その結果をもと
に、後方乱気流の運動成分のみを取り出す。なお、上記
の受信エコー(ドップラエコー)は、ここでは、レーザ
送信機からレーザを出力し、大気からの後方散乱をレー
ザ受信機が受けた生の信号を指す。
信データと、レーザ送受信機1(8)によって得られ
た、後方乱気流が含まれるデータとを、信号処理器3内
の不図示の演算処理装置で比較処理し、その結果をもと
に、後方乱気流の運動成分のみを取り出す。なお、上記
の受信エコー(ドップラエコー)は、ここでは、レーザ
送信機からレーザを出力し、大気からの後方散乱をレー
ザ受信機が受けた生の信号を指す。
【0056】以上説明したように、本実施の形態によれ
ば、2つのレーザ送受信機の分解能に差を設け、その一
方については、後方乱気流の大きさに対して、十分大き
なレンジ分解能を設定して、双方より得られた受信デー
タを比較することで、後方乱気流の運動成分のみを取り
出すことができる。
ば、2つのレーザ送受信機の分解能に差を設け、その一
方については、後方乱気流の大きさに対して、十分大き
なレンジ分解能を設定して、双方より得られた受信デー
タを比較することで、後方乱気流の運動成分のみを取り
出すことができる。
【0057】なお、上記実施の形態5では、レンジ分解
能の異なる2つのレーザ送受信機を使用した構成例を示
しているが、これに限定されず、例えば、単一のレーザ
送受信機を用いて、2種類の幅を持つ送信パルスを時分
割で送信し、それぞれのエコーを分離、比較処理するこ
とによっても、同様の効果を得ることができる。
能の異なる2つのレーザ送受信機を使用した構成例を示
しているが、これに限定されず、例えば、単一のレーザ
送受信機を用いて、2種類の幅を持つ送信パルスを時分
割で送信し、それぞれのエコーを分離、比較処理するこ
とによっても、同様の効果を得ることができる。
【0058】実施の形態6.以下、本発明に係る実施の
形態6について説明する。図10は、本実施の形態に係
るレーザレーダ装置の構成を示すブロック図である。な
お、同図に示すレーザレーダ装置60において、図9に
示す、上記実施の形態5に係るレーザレーダ装置と同一
構成要素には同一符号を付し、ここでは、それらの説明
を省略する。
形態6について説明する。図10は、本実施の形態に係
るレーザレーダ装置の構成を示すブロック図である。な
お、同図に示すレーザレーダ装置60において、図9に
示す、上記実施の形態5に係るレーザレーダ装置と同一
構成要素には同一符号を付し、ここでは、それらの説明
を省略する。
【0059】本実施の形態に係るレーザレーダ装置60
では、図10に示すように、その測定範囲を挟んで対称
な位置に、レーザ送受信機1(8)とレーザ送受信機2
(9)を配置し、互いのビームの走査角を同期させて、
ターゲットボリュームの測定を行う。具体的には、航空
機201の航跡に発生する後方乱気流(それぞれ反対方
向の渦202,203)の発生している空間に対し、左
右対称な位置にセンサとしてのレーザ送受信機1,2を
配置する。
では、図10に示すように、その測定範囲を挟んで対称
な位置に、レーザ送受信機1(8)とレーザ送受信機2
(9)を配置し、互いのビームの走査角を同期させて、
ターゲットボリュームの測定を行う。具体的には、航空
機201の航跡に発生する後方乱気流(それぞれ反対方
向の渦202,203)の発生している空間に対し、左
右対称な位置にセンサとしてのレーザ送受信機1,2を
配置する。
【0060】図14は、本実施の形態に係る装置におけ
る後方乱気流の観測位置と、レーザ送受信機からのビー
ム走査方式を説明するための図である。同図に示すビー
ム走査方式は、航空機201の後方乱気流の特徴を最も
捉えやすい縦方向のビーム走査を基本走査とするもの
で、SRHIスキャンと呼ばれる。
る後方乱気流の観測位置と、レーザ送受信機からのビー
ム走査方式を説明するための図である。同図に示すビー
ム走査方式は、航空機201の後方乱気流の特徴を最も
捉えやすい縦方向のビーム走査を基本走査とするもの
で、SRHIスキャンと呼ばれる。
【0061】すなわち、図14の(a)は、本ビーム走
査を横方向から見た様子を示しており、レーザ送受信機
9からは、航空機201の航跡90と交わる方向にビー
ムが発せられる。後方乱気流の測定は、所定の測定範
囲、つまり、同図において斜線が付された、航空機20
1の後方域95において行われる。また、図14の
(b)は、このビーム走査を真上方向から見た様子を示
しており、測定範囲である後方域95は、航跡90を中
心とした、水平方向に500mの距離を有した範囲内に
ある。
査を横方向から見た様子を示しており、レーザ送受信機
9からは、航空機201の航跡90と交わる方向にビー
ムが発せられる。後方乱気流の測定は、所定の測定範
囲、つまり、同図において斜線が付された、航空機20
1の後方域95において行われる。また、図14の
(b)は、このビーム走査を真上方向から見た様子を示
しており、測定範囲である後方域95は、航跡90を中
心とした、水平方向に500mの距離を有した範囲内に
ある。
【0062】図11,図12は、本実施の形態における
雨滴の運動方向を説明するための図である。図11は、
雨滴が水平方向の速度成分を有する場合、また、図12
は、雨滴が鉛直方向の運動のみを行う場合の、レーザ送
受信機1,2での受信信号の差を示している。
雨滴の運動方向を説明するための図である。図11は、
雨滴が水平方向の速度成分を有する場合、また、図12
は、雨滴が鉛直方向の運動のみを行う場合の、レーザ送
受信機1,2での受信信号の差を示している。
【0063】図11に示すように、雨滴が横方向の運動
成分を伴うときは、レーザ送受信機1により検出される
雨滴の速度成分V1と、レーザ送受信機2によって検出
される雨滴の速度成分V2は、その大きさが異なる(|
V1|≠|V2|)ため、それぞれのレーザ送受信機の
受信信号も異なる。
成分を伴うときは、レーザ送受信機1により検出される
雨滴の速度成分V1と、レーザ送受信機2によって検出
される雨滴の速度成分V2は、その大きさが異なる(|
V1|≠|V2|)ため、それぞれのレーザ送受信機の
受信信号も異なる。
【0064】これに対して、雨滴が鉛直方向にのみ落下
しているときは、図12に示すように、|V1|=|V
2|となり、レーザ送受信機1,2の受信信号が等しく
なる。そこで、本実施の形態では、この速度成分の差を
利用して、レーザ送受信機それぞれの受信信号を演算処
理装置により比較、処理することにより、降雨の影響を
軽減させながら、後方乱気流の運動を捉える。
しているときは、図12に示すように、|V1|=|V
2|となり、レーザ送受信機1,2の受信信号が等しく
なる。そこで、本実施の形態では、この速度成分の差を
利用して、レーザ送受信機それぞれの受信信号を演算処
理装置により比較、処理することにより、降雨の影響を
軽減させながら、後方乱気流の運動を捉える。
【0065】このように、本実施の形態では、後方乱気
流の発生している空間に対して左右対称な位置に2つの
レーザ送受信機を配置し、それぞれの受信信号を比較、
処理するよう構成することで、降雨時においても、特徴
的な後方乱気流の運動を捉えることができる。
流の発生している空間に対して左右対称な位置に2つの
レーザ送受信機を配置し、それぞれの受信信号を比較、
処理するよう構成することで、降雨時においても、特徴
的な後方乱気流の運動を捉えることができる。
【0066】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
受信した散乱信号をもとに雨滴の運動ベクトルを求め、
照射した電波の反射から鉛直落下速度を求めて、これら
運動ベクトルと鉛直落下速度とにベクトル演算を施すこ
とで、雨天での雨滴の影響を受けずに風速の観測が可能
になる。
受信した散乱信号をもとに雨滴の運動ベクトルを求め、
照射した電波の反射から鉛直落下速度を求めて、これら
運動ベクトルと鉛直落下速度とにベクトル演算を施すこ
とで、雨天での雨滴の影響を受けずに風速の観測が可能
になる。
【0067】また、上記電波の照射にマイクロ波レーダ
を使用することで、装置の小電力化が可能になる。そし
て、このマイクロ波レーダを二重偏波レーダとし、上記
第2の演算工程が、この二重偏波レーダの垂直偏波と水
平偏波を切り替えて、上記雨滴の鉛直落下速度成分を求
め、さらに、雨滴の鉛直落下速度成分に、二重偏波レー
ダの偏波切替えによって得た雨滴の扁平度に基づく雨滴
の粒径、および、空気抵抗から推定した落下速度の補正
を施すことで、より正確に風速を求めることができる。
を使用することで、装置の小電力化が可能になる。そし
て、このマイクロ波レーダを二重偏波レーダとし、上記
第2の演算工程が、この二重偏波レーダの垂直偏波と水
平偏波を切り替えて、上記雨滴の鉛直落下速度成分を求
め、さらに、雨滴の鉛直落下速度成分に、二重偏波レー
ダの偏波切替えによって得た雨滴の扁平度に基づく雨滴
の粒径、および、空気抵抗から推定した落下速度の補正
を施すことで、より正確に風速を求めることができる。
【0068】また、電波の照射に音波レーダを使用する
ことで、測定範囲に広がりを持たせることができ、測定
範囲の受信信号の平均化処理を行える。
ことで、測定範囲に広がりを持たせることができ、測定
範囲の受信信号の平均化処理を行える。
【0069】気象ドップラレーダより雨滴に対して所定
波長の電波を照射して、雨滴に対するドップラデータを
得、レーザ光の散乱信号によるドップラ成分と、このド
ップラデータとから後方乱気流の運動成分を演算するこ
とで、後方乱気流の運動成分をもとに、所望の風速を求
めることができる。
波長の電波を照射して、雨滴に対するドップラデータを
得、レーザ光の散乱信号によるドップラ成分と、このド
ップラデータとから後方乱気流の運動成分を演算するこ
とで、後方乱気流の運動成分をもとに、所望の風速を求
めることができる。
【0070】他の発明によれば、後方乱気流の発生空間
内の雨滴によるレーザ光の散乱信号の第1のドップラ成
分と、後方乱気流の非発生空間内の雨滴によるレーザ光
の散乱信号の第2のドップラ成分を検出し、これらのド
ップラ成分の比較処理から、降雨時においても特徴的な
後方乱気流の運動を捉えることができる。
内の雨滴によるレーザ光の散乱信号の第1のドップラ成
分と、後方乱気流の非発生空間内の雨滴によるレーザ光
の散乱信号の第2のドップラ成分を検出し、これらのド
ップラ成分の比較処理から、降雨時においても特徴的な
後方乱気流の運動を捉えることができる。
【0071】また、他の発明によれば、第1のドッブラ
エコーの検出に係るレーザ送受信機の距離分解能を、第
2のドッブラエコーの検出に係るレーザ送受信機の距離
分解能よりも高く設定し、後方乱気流の発生空間内の雨
滴によるレーザ光についての、これら第1および第2の
ドッブラエコーより後方乱気流の運動成分を演算するこ
とで、降雨時における特徴的な後方乱気流の運動を捉え
ることができる。
エコーの検出に係るレーザ送受信機の距離分解能を、第
2のドッブラエコーの検出に係るレーザ送受信機の距離
分解能よりも高く設定し、後方乱気流の発生空間内の雨
滴によるレーザ光についての、これら第1および第2の
ドッブラエコーより後方乱気流の運動成分を演算するこ
とで、降雨時における特徴的な後方乱気流の運動を捉え
ることができる。
【0072】そして、第1のドッブラエコーの検出に係
るレーザ送受信機と、第2のドッブラエコーの検出に係
るレーザ送受信機を、後方乱気流の発生空間を間に挟ん
で物理的に対称な位置に配置することで、それぞれの受
信信号を比較、処理でき、降雨時においても、特徴的な
後方乱気流の運動を捉えることができる。
るレーザ送受信機と、第2のドッブラエコーの検出に係
るレーザ送受信機を、後方乱気流の発生空間を間に挟ん
で物理的に対称な位置に配置することで、それぞれの受
信信号を比較、処理でき、降雨時においても、特徴的な
後方乱気流の運動を捉えることができる。
【0073】また、他の発明によれば、レーザレーダ装
置において、上記の気流検出方法を使用することで、雨
天での風速の観測が可能となるばかりでなく、降雨時に
おいても特徴的な後方乱気流の運動を捉えることができ
る。
置において、上記の気流検出方法を使用することで、雨
天での風速の観測が可能となるばかりでなく、降雨時に
おいても特徴的な後方乱気流の運動を捉えることができ
る。
【図1】 本発明の実施の形態1に係るレーザレーダ装
置の構成を示すブロック図である。
置の構成を示すブロック図である。
【図2】 雨滴に外部から作用する力と運動の関係を示
す図である。
す図である。
【図3】 雨滴に外部から作用する力と運動の関係を示
す図である。
す図である。
【図4】 実施の形態2に係るレーザレーダ装置の構成
を示すブロック図である。
を示すブロック図である。
【図5】 実施の形態3に係るレーザレーダ装置の構成
を示すブロック図である。
を示すブロック図である。
【図6】 航空機の航跡に発生する後方乱気流の様子を
示す図である。
示す図である。
【図7】 実施の形態4に係るレーザレーダ装置の構成
を示すブロック図である。
を示すブロック図である。
【図8】 単一のレーザ送受信機のみで、実施の形態4
に係る機能を実現する他の構成例を示すブロック図であ
る。
に係る機能を実現する他の構成例を示すブロック図であ
る。
【図9】 実施の形態5に係るレーザレーダ装置の構成
を示すブロック図である。
を示すブロック図である。
【図10】 実施の形態6に係るレーザレーダ装置の構
成を示すブロック図である。
成を示すブロック図である。
【図11】 実施の形態6における雨滴の運動方向を説
明するための図である。
明するための図である。
【図12】 実施の形態6における雨滴の運動方向を説
明するための図である。
明するための図である。
【図13】 実施の形態1に係るレーザレーダ装置にお
ける処理手順を示すフローチャートである。
ける処理手順を示すフローチャートである。
【図14】 実施の形態6に係る装置における後方乱気
流の観測位置を示す図である。
流の観測位置を示す図である。
【図15】 従来のレーザレーダ装置の基本構成を示す
ブロック図である。
ブロック図である。
1,8,9…レーザ送受信機、2…マイクロ波レーダ装
置、3…信号処理器、4…表示器、5…二重偏波レーダ
装置、6…気象ドップラレーダ装置、7…インタフェー
ス装置、10,20,30,40,50,60…レーザ
レーダ装置、21…雨滴、61,201…航空機、80
…ビームスプリッタ、82a,82b…ビーム拡大器、
90…航跡、95…測定範囲(後方域)
置、3…信号処理器、4…表示器、5…二重偏波レーダ
装置、6…気象ドップラレーダ装置、7…インタフェー
ス装置、10,20,30,40,50,60…レーザ
レーダ装置、21…雨滴、61,201…航空機、80
…ビームスプリッタ、82a,82b…ビーム拡大器、
90…航跡、95…測定範囲(後方域)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−39022(JP,A) 特開 平1−187479(JP,A) 特開 平4−269685(JP,A) 特開 平10−104255(JP,A) 特開 平6−214024(JP,A) 特開 平3−252586(JP,A) 特開 平11−183615(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01S 7/00 - 17/88 G01W 1/00 - 1/18 G01P 5/00
Claims (10)
- 【請求項1】 測定対象空間にレーザ光を照射する工程
と、 前記測定対象空間内の雨滴による前記レーザ光の散乱信
号を受信する工程と、 前記受信した散乱信号をもとに、前記雨滴の運動ベクト
ルを求める第1の演算工程と、 前記雨滴に対して、鉛直下方より上方へ所定波長の電波
を照射する工程と、 前記雨滴からの前記電波の反射波を受信する工程と、 前記受信した反射波をもとに、前記雨滴の鉛直落下速度
成分を求める第2の演算工程と、 前記運動ベクトルと鉛直落下速度成分とのベクトル演算
から風速を求める第3の演算工程とを備えることを特徴
とする気流検出方法。 - 【請求項2】 前記電波の照射にマイクロ波レーダを使
用することを特徴とする請求項1記載の気流検出方法。 - 【請求項3】 前記マイクロ波レーダは二重偏波レーダ
であり、前記第2の演算工程は、この二重偏波レーダの
垂直偏波と水平偏波を切り替えて、前記雨滴の鉛直落下
速度成分を求めることを特徴とする請求項2記載の気流
検出方法。 - 【請求項4】 前記雨滴の鉛直落下速度成分には、前記
二重偏波レーダの偏波切替えによって得た雨滴の扁平度
に基づく雨滴の粒径、および、空気抵抗から推定した落
下速度の補正がなされていることを特徴とする請求項3
記載の気流検出方法。 - 【請求項5】 前記電波の照射に音波レーダを使用する
ことを特徴とする請求項1記載の気流検出方法。 - 【請求項6】 後方乱気流を含む測定対象空間にレーザ
光を照射する工程と、 前記測定対象空間内の雨滴による前記レーザ光の散乱信
号のドップラ成分を検出する工程と、 気象ドップラレーダより、前記雨滴に対して所定波長の
電波を照射する工程と、 前記電波の照射によって、前記雨滴に対するドップラデ
ータを得る工程と、 前記ドップラ成分とドップラデータとから、前記後方乱
気流の運動成分を演算する工程とを備え、 前記後方乱気流の運動成分をもとに風速を求めることを
特徴とする気流検出方法。 - 【請求項7】 後方乱気流の発生空間にレーザ光を照射
する第1の照射工程と、 前記後方乱気流の発生空間から所定距離離れた後方乱気
流の非発生空間にレーザ光を照射する第2の照射工程
と、 前記後方乱気流の発生空間内の雨滴による前記レーザ光
の散乱信号の第1のドップラ成分を検出する工程と、 前記後方乱気流の非発生空間内の雨滴による前記レーザ
光の散乱信号の第2のドップラ成分を検出する工程と、 前記第1のドップラ成分と第2のドップラ成分とから、
前記後方乱気流の運動成分を演算する工程とを備え、 前記後方乱気流の運動成分をもとに風速を求めることを
特徴とする気流検出方法。 - 【請求項8】 後方乱気流の発生空間にレーザ光を照射
する第1および第2の照射工程と、 前記後方乱気流の発生空間内の雨滴による前記レーザ光
の第1および第2のドッブラエコーを検出する工程と、 前記第1のドップラエコーと第2のドップラエコーとか
ら、前記後方乱気流の運動成分を演算する工程とを備
え、 前記第1のドッブラエコーの検出に係るレーザ送受信機
の距離分解能が、前記第2のドッブラエコーの検出に係
るレーザ送受信機の距離分解能よりも高く設定して、前
記後方乱気流の運動成分をもとに風速を求めることを特
徴とする気流検出方法。 - 【請求項9】 前記第1のドッブラエコーの検出に係る
レーザ送受信機と、前記第2のドッブラエコーの検出に
係るレーザ送受信機は、前記後方乱気流の発生空間を間
に挟んで物理的に対称な位置に配置されていることを特
徴とする請求項8記載の気流検出方法。 - 【請求項10】 請求項1乃至9のいずれかに記載の気
流検出方法を使用して風速を求めることを特徴とするレ
ーザレーダ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16946698A JP3322214B2 (ja) | 1998-06-17 | 1998-06-17 | 気流検出方法およびレーザレーダ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16946698A JP3322214B2 (ja) | 1998-06-17 | 1998-06-17 | 気流検出方法およびレーザレーダ装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000002763A JP2000002763A (ja) | 2000-01-07 |
JP3322214B2 true JP3322214B2 (ja) | 2002-09-09 |
Family
ID=15887094
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16946698A Expired - Fee Related JP3322214B2 (ja) | 1998-06-17 | 1998-06-17 | 気流検出方法およびレーザレーダ装置 |
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Country | Link |
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JP3570353B2 (ja) * | 2000-07-25 | 2004-09-29 | 三菱電機株式会社 | 後方乱気流観測装置 |
JP3570360B2 (ja) * | 2000-08-31 | 2004-09-29 | 三菱電機株式会社 | 後方乱気流検出システム |
JP3628621B2 (ja) * | 2001-03-06 | 2005-03-16 | 三菱電機株式会社 | 乱気流検出装置および乱気流検出方法 |
JP3633499B2 (ja) * | 2001-03-23 | 2005-03-30 | 三菱電機株式会社 | 後方乱気流検出装置および後方乱気流検出方法 |
JP3958036B2 (ja) * | 2001-12-10 | 2007-08-15 | 三菱電機株式会社 | 乱気流検出装置および乱気流検出方法 |
GB0411097D0 (en) * | 2004-05-19 | 2004-06-23 | Qinetiq Ltd | Laser radar device and method |
JP5511196B2 (ja) * | 2009-02-19 | 2014-06-04 | 三菱電機株式会社 | 後方乱気流検出装置 |
WO2012067281A1 (ko) * | 2010-11-16 | 2012-05-24 | 박정익 | 가스 유속 측정 장치 및 가스 유속 측정 방법 |
JP6083935B2 (ja) * | 2012-02-22 | 2017-02-22 | 日本無線株式会社 | 目標輪郭識別装置 |
US20180120439A1 (en) * | 2016-11-03 | 2018-05-03 | Honeywell International Inc. | Systems and methods for using dissimilar lidar technologies |
KR102108771B1 (ko) * | 2018-05-24 | 2020-05-11 | 주식회사 에스원 | 레이더 침임 감지기를 이용한 우천 감지 방법 및 이를 이용한 우천 감지 시스템 |
JP2020008536A (ja) * | 2018-07-12 | 2020-01-16 | 日本無線株式会社 | 目標検出装置及び目標検出プログラム |
CN112946629B (zh) * | 2021-01-29 | 2024-05-14 | 西安理工大学 | 空中云系可凝结水量的遥感探测系统与探测方法 |
CN113009510B (zh) * | 2021-02-02 | 2022-08-23 | 中国空间技术研究院 | 一种天基主动探测气体通量的方法及装置 |
CN114019586A (zh) * | 2021-11-16 | 2022-02-08 | 刘天健 | 基于基站的雨量检测方法和基站 |
CN114063069B (zh) * | 2021-11-19 | 2024-11-22 | 国网冀北电力有限公司唐山供电公司 | 一种变电站屋顶防渗漏雨智能监测装置及方法 |
-
1998
- 1998-06-17 JP JP16946698A patent/JP3322214B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2000002763A (ja) | 2000-01-07 |
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