JP3317960B2 - リソグラフィ用ダイヤモンド膜の製造方法 - Google Patents
リソグラフィ用ダイヤモンド膜の製造方法Info
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、X線あるいは電子
線等のリソグラフィ用ダイヤモンド膜の製造方法に関す
る。
線等のリソグラフィ用ダイヤモンド膜の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年の半導体デバイスの高精度化、高集
積化等に伴い、これに形成されるパターンに対し更なる
微細化が要請されており、この要請を可能にし得る技術
としてX線や電子線を用いたリソグラフィが注目されて
いる。この微細なパターンを形成するため、一般に露光
装置が使用されることが多い。この露光装置に装着され
るマスクメンブレンの材質としてダイヤモンド、窒化ホ
ウ素、窒化ケイ素、炭化ケイ素等が提案されているが、
これらの材質の中で、ダイヤモンド膜はヤング率、耐エ
ッチング性、耐高エネルギー線照射性等に優れており、
X線あるいは電子線リソグラフィ用マスクメンブレンと
して最適な材質と考えられている。
積化等に伴い、これに形成されるパターンに対し更なる
微細化が要請されており、この要請を可能にし得る技術
としてX線や電子線を用いたリソグラフィが注目されて
いる。この微細なパターンを形成するため、一般に露光
装置が使用されることが多い。この露光装置に装着され
るマスクメンブレンの材質としてダイヤモンド、窒化ホ
ウ素、窒化ケイ素、炭化ケイ素等が提案されているが、
これらの材質の中で、ダイヤモンド膜はヤング率、耐エ
ッチング性、耐高エネルギー線照射性等に優れており、
X線あるいは電子線リソグラフィ用マスクメンブレンと
して最適な材質と考えられている。
【0003】ところで、X線あるいは電子線吸収による
弊害を最小限に抑えるためには、メンブレンの膜厚が
0.1〜5μmの自立膜であることを要し、また、メン
ブレン作製のためには、膜の引張応力が0.1〜5.0
×109 dyn/cm2 でなければならない。
弊害を最小限に抑えるためには、メンブレンの膜厚が
0.1〜5μmの自立膜であることを要し、また、メン
ブレン作製のためには、膜の引張応力が0.1〜5.0
×109 dyn/cm2 でなければならない。
【0004】このような引張応力を有する膜を得るた
め、ダイヤモンド膜の成膜をマイクロ波CVD法で実施
した場合、原料ガスであるメタン濃度を高くして成膜を
行えば良いことが知られているが、この条件だと確かに
膜の引張応力が十分得られるものの膜の結晶性が低下し
易い。そこで、原料ガス中のメタン濃度を低くして成膜
を行うと結晶性は良好となるが、膜の引張応力が低下し
て圧縮応力を有するものとなって自立膜にすることがで
きなくなってしまう。このように、ダイヤモンド膜の基
本物性である結晶性と膜応力特性とを同時に満たす膜の
製造は困難を極め、この原因として、成膜時にプラズマ
を利用するため多くの成膜パラメーターが互いに干渉し
合うことが挙げられる。
め、ダイヤモンド膜の成膜をマイクロ波CVD法で実施
した場合、原料ガスであるメタン濃度を高くして成膜を
行えば良いことが知られているが、この条件だと確かに
膜の引張応力が十分得られるものの膜の結晶性が低下し
易い。そこで、原料ガス中のメタン濃度を低くして成膜
を行うと結晶性は良好となるが、膜の引張応力が低下し
て圧縮応力を有するものとなって自立膜にすることがで
きなくなってしまう。このように、ダイヤモンド膜の基
本物性である結晶性と膜応力特性とを同時に満たす膜の
製造は困難を極め、この原因として、成膜時にプラズマ
を利用するため多くの成膜パラメーターが互いに干渉し
合うことが挙げられる。
【0005】また、前記マイクロ波CVD法によってシ
リコン基板上にダイヤモンド膜を成膜させた後、基板を
研磨あるいはウエットエッチング等をすることによって
除去して膜を製造すると、膜の平滑性や膜応力等を損な
うことが多い。
リコン基板上にダイヤモンド膜を成膜させた後、基板を
研磨あるいはウエットエッチング等をすることによって
除去して膜を製造すると、膜の平滑性や膜応力等を損な
うことが多い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
問題点に鑑みなされたもので、基板上に高い結晶性と所
望の膜応力を有するダイヤモンド膜を成膜できると共
に、成膜後の平滑性や膜応力等を損なうことなく容易に
膜の製造を行うことができるリソグラフィ用ダイヤモン
ド膜の製造方法を提供することを目的とする。
問題点に鑑みなされたもので、基板上に高い結晶性と所
望の膜応力を有するダイヤモンド膜を成膜できると共
に、成膜後の平滑性や膜応力等を損なうことなく容易に
膜の製造を行うことができるリソグラフィ用ダイヤモン
ド膜の製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するためになされたもので、本発明の請求項1に記載
した発明は、シリコン基板上の表面全体に下地膜を形成
させ、該下地膜の一方の表面上にメタンガス、水素ガス
及び酸素ガスの混合ガスを原料ガスとしてダイヤモンド
膜を成膜させた後、裏面の下地膜の一部をエッチングし
て除去し、シリコン基板をエッチングして除去し、引き
続き下地膜をエッチングして除去することによってリソ
グラフィ用ダイヤモンド膜を製造する方法である。
決するためになされたもので、本発明の請求項1に記載
した発明は、シリコン基板上の表面全体に下地膜を形成
させ、該下地膜の一方の表面上にメタンガス、水素ガス
及び酸素ガスの混合ガスを原料ガスとしてダイヤモンド
膜を成膜させた後、裏面の下地膜の一部をエッチングし
て除去し、シリコン基板をエッチングして除去し、引き
続き下地膜をエッチングして除去することによってリソ
グラフィ用ダイヤモンド膜を製造する方法である。
【0008】このように、シリコン基板上に下地膜を形
成させ、該下地膜上にメタンガス、水素ガス及び酸素ガ
スの混合ガスを原料ガスとしてダイヤモンド膜を成膜さ
せた後、シリコン基板をエッチングして除去し、引き続
き下地膜をエッチングして除去することによってリソグ
ラフィ用ダイヤモンド膜を製造すれば、平滑性や膜応力
等を損なうことなく膜の製造を行うことができるため、
X線あるいは電子線等のリソグラフィ用マスクメンブレ
ンとして最適なダイヤモンド膜を製造することができ
る。
成させ、該下地膜上にメタンガス、水素ガス及び酸素ガ
スの混合ガスを原料ガスとしてダイヤモンド膜を成膜さ
せた後、シリコン基板をエッチングして除去し、引き続
き下地膜をエッチングして除去することによってリソグ
ラフィ用ダイヤモンド膜を製造すれば、平滑性や膜応力
等を損なうことなく膜の製造を行うことができるため、
X線あるいは電子線等のリソグラフィ用マスクメンブレ
ンとして最適なダイヤモンド膜を製造することができ
る。
【0009】請求項2に記載したように、下地膜として
は、酸化ケイ素、窒化ケイ素、炭化ケイ素、炭化タング
ステン、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、アルミナ、酸
化チタニウム、酸化ジルコニウム、タンタル(Ta)、
ルテニウム(Ru)、クロム(Cr)、タングステン
(W)から選択される1種あるいは2種以上の物が挙げ
られるが、中でも酸化ケイ素、窒化ケイ素、炭化ケイ素
がダイヤモンド成膜性、機械強度、可視光透過性等に優
れ、好ましいものである。また、これら下地膜の形成
は、スパッタリング法や減圧CVD法等、公知の方法に
より行うことができる。
は、酸化ケイ素、窒化ケイ素、炭化ケイ素、炭化タング
ステン、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、アルミナ、酸
化チタニウム、酸化ジルコニウム、タンタル(Ta)、
ルテニウム(Ru)、クロム(Cr)、タングステン
(W)から選択される1種あるいは2種以上の物が挙げ
られるが、中でも酸化ケイ素、窒化ケイ素、炭化ケイ素
がダイヤモンド成膜性、機械強度、可視光透過性等に優
れ、好ましいものである。また、これら下地膜の形成
は、スパッタリング法や減圧CVD法等、公知の方法に
より行うことができる。
【0010】また、本発明は、下地基板上にメタンガ
ス、水素ガス及び酸素ガスの混合ガスを原料ガスとして
ダイヤモンド膜を成膜させた後、該基板をエッチングし
て除去することによってリソグラフィ用ダイヤモンド膜
を製造する方法である。
ス、水素ガス及び酸素ガスの混合ガスを原料ガスとして
ダイヤモンド膜を成膜させた後、該基板をエッチングし
て除去することによってリソグラフィ用ダイヤモンド膜
を製造する方法である。
【0011】このように、下地基板上にメタンガス、水
素ガス及び酸素ガスの混合ガスを原料ガスとしてダイヤ
モンド膜を成膜させた後、該基板をエッチングして除去
することによっても、前記同様に平滑性や膜応力等を損
なうことなく膜の製造を行うことができるため、X線あ
るいは電子線等のリソグラフィ用マスクメンブレンとし
て最適なダイヤモンド膜を製造することができる。
素ガス及び酸素ガスの混合ガスを原料ガスとしてダイヤ
モンド膜を成膜させた後、該基板をエッチングして除去
することによっても、前記同様に平滑性や膜応力等を損
なうことなく膜の製造を行うことができるため、X線あ
るいは電子線等のリソグラフィ用マスクメンブレンとし
て最適なダイヤモンド膜を製造することができる。
【0012】さらに、前記下地基板として、酸化ケイ
素、窒化ケイ素、炭化ケイ素、炭化タングステン、窒化
ホウ素、窒化アルミニウム、アルミナ、酸化チタニウ
ム、酸化ジルコニウム、Ta、Ru、Cr、Wから選択
される1種又は2種以上の物が挙げられるが、中でも酸
化ケイ素、窒化ケイ素、炭化ケイ素が好ましい。
素、窒化ケイ素、炭化ケイ素、炭化タングステン、窒化
ホウ素、窒化アルミニウム、アルミナ、酸化チタニウ
ム、酸化ジルコニウム、Ta、Ru、Cr、Wから選択
される1種又は2種以上の物が挙げられるが、中でも酸
化ケイ素、窒化ケイ素、炭化ケイ素が好ましい。
【0013】この場合、請求項3に記載したように、前
記シリコン基板のエッチングをアルカリ性水溶液で、前
記下地膜若しくは下地基板のエッチングを酸性水溶液で
行ってリソグラフィ用ダイヤモンド膜を製造することと
した。
記シリコン基板のエッチングをアルカリ性水溶液で、前
記下地膜若しくは下地基板のエッチングを酸性水溶液で
行ってリソグラフィ用ダイヤモンド膜を製造することと
した。
【0014】このように、前記シリコン基板のエッチン
グをアルカリ性水溶液で、前記下地膜若しくは下地基板
のエッチングを酸性水溶液で行えば、確実に基板や下地
膜をエッチング除去できると共に、アルカリ水溶液によ
ってダイヤモンド膜が侵食されることがないため、確実
に平滑性や膜応力等を損なうことなく、しかも容易にダ
イヤモンド膜の製造を行うことができる。
グをアルカリ性水溶液で、前記下地膜若しくは下地基板
のエッチングを酸性水溶液で行えば、確実に基板や下地
膜をエッチング除去できると共に、アルカリ水溶液によ
ってダイヤモンド膜が侵食されることがないため、確実
に平滑性や膜応力等を損なうことなく、しかも容易にダ
イヤモンド膜の製造を行うことができる。
【0015】このように、前記下地膜及び下地基板とし
て、酸化ケイ素、窒化ケイ素、炭化ケイ素、炭化タング
ステン、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、アルミナ、酸
化チタニウム、酸化ジルコニウム、Ta、Ru、Cr、
Wから選択される1種又は2種以上の物を用いれば、ダ
イヤモンド膜を損傷することなく下地膜や下地基板を容
易にエッチング除去できるため、得られたダイヤモンド
膜の平滑性や膜応力等を損なうことがない。
て、酸化ケイ素、窒化ケイ素、炭化ケイ素、炭化タング
ステン、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、アルミナ、酸
化チタニウム、酸化ジルコニウム、Ta、Ru、Cr、
Wから選択される1種又は2種以上の物を用いれば、ダ
イヤモンド膜を損傷することなく下地膜や下地基板を容
易にエッチング除去できるため、得られたダイヤモンド
膜の平滑性や膜応力等を損なうことがない。
【0016】そして、本発明の請求項4に記載した発明
は、前記原料ガスの混合比が、メタンガス量を0.1体
積%以上20体積%以下、水素ガス量を70体積%以上
99.89体積%以下、酸素ガス量を0.01体積%以
上10体積%以下とした原料ガスを使用してダイヤモン
ド膜を成膜することにした。
は、前記原料ガスの混合比が、メタンガス量を0.1体
積%以上20体積%以下、水素ガス量を70体積%以上
99.89体積%以下、酸素ガス量を0.01体積%以
上10体積%以下とした原料ガスを使用してダイヤモン
ド膜を成膜することにした。
【0017】このように、前記原料ガスの混合比が、メ
タンガス量を0.1体積%以上20体積%以下、水素ガ
ス量を70体積%以上99.89体積%以下、酸素ガス
量を0.01体積%以上10体積%以下とした原料ガス
を使用すれば、メタンガスが水素ガスで希釈された希薄
条件でありながら、確実に高い結晶性を維持すると共
に、高い引張応力を有するダイヤモンド膜を製造するこ
とができる。
タンガス量を0.1体積%以上20体積%以下、水素ガ
ス量を70体積%以上99.89体積%以下、酸素ガス
量を0.01体積%以上10体積%以下とした原料ガス
を使用すれば、メタンガスが水素ガスで希釈された希薄
条件でありながら、確実に高い結晶性を維持すると共
に、高い引張応力を有するダイヤモンド膜を製造するこ
とができる。
【0018】この場合、請求項5に記載したように、ダ
イヤモンド膜の成膜を、マイクロ波CVD法又は熱フィ
ラメントCVD法により、基板の表面温度を700℃乃
至1200℃として行うのが好ましい。
イヤモンド膜の成膜を、マイクロ波CVD法又は熱フィ
ラメントCVD法により、基板の表面温度を700℃乃
至1200℃として行うのが好ましい。
【0019】このように、ダイヤモンド膜の成膜を、マ
イクロ波CVD法又は熱フィラメントCVD法により、
基板の表面温度を700℃乃至1200℃として行え
ば、膜の引張応力の制御が容易になるため、結晶性を損
なわずに確実に所望の引張応力を獲得でき、従ってX線
あるいは電子線等のリソグラフィ用として好適なダイヤ
モンド膜を製造することができる。
イクロ波CVD法又は熱フィラメントCVD法により、
基板の表面温度を700℃乃至1200℃として行え
ば、膜の引張応力の制御が容易になるため、結晶性を損
なわずに確実に所望の引張応力を獲得でき、従ってX線
あるいは電子線等のリソグラフィ用として好適なダイヤ
モンド膜を製造することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。本発明者等は、基板上に高い結晶性と所望の膜応力
を有するダイヤモンド膜を成膜できると共に、成膜後平
滑性や膜応力等を損なうことなくダイヤモンド膜の製造
を行うためには、基板上にメタンガス、水素ガス及び酸
素ガスからなる混合ガスを原料ガスとしてダイヤモンド
膜を成膜させた後、該基板をエッチング除去すればよい
ことに想到し、本発明を完成させたものである。この成
膜法としては、マイクロ波CVD法、熱フィラメントC
VD法、DCアーク放電法、DCグロー放電法、高周波
加熱法等が挙げられるが、中でも、マイクロ波CVD
法、熱フィラメントCVD法が好ましい。
て説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。本発明者等は、基板上に高い結晶性と所望の膜応力
を有するダイヤモンド膜を成膜できると共に、成膜後平
滑性や膜応力等を損なうことなくダイヤモンド膜の製造
を行うためには、基板上にメタンガス、水素ガス及び酸
素ガスからなる混合ガスを原料ガスとしてダイヤモンド
膜を成膜させた後、該基板をエッチング除去すればよい
ことに想到し、本発明を完成させたものである。この成
膜法としては、マイクロ波CVD法、熱フィラメントC
VD法、DCアーク放電法、DCグロー放電法、高周波
加熱法等が挙げられるが、中でも、マイクロ波CVD
法、熱フィラメントCVD法が好ましい。
【0021】ここで、図1は本発明において、基板上に
ダイヤモンド膜を成膜するために使用するマイクロ波C
VD装置の一例である。また、図2は本発明によるリソ
グラフィ用ダイヤモンド膜の製造工程の一例である。
ダイヤモンド膜を成膜するために使用するマイクロ波C
VD装置の一例である。また、図2は本発明によるリソ
グラフィ用ダイヤモンド膜の製造工程の一例である。
【0022】本発明は、シリコン基板上に下地膜を形成
させ、該下地膜上にメタンガス、水素ガス及び酸素ガス
の混合ガスを原料ガスとしてダイヤモンド膜を成膜させ
た後、裏面からシリコン基板をエッチングして除去し、
引き続き下地膜をエッチングして除去することによって
リソグラフィ用ダイヤモンド膜を製造する方法である。
させ、該下地膜上にメタンガス、水素ガス及び酸素ガス
の混合ガスを原料ガスとしてダイヤモンド膜を成膜させ
た後、裏面からシリコン基板をエッチングして除去し、
引き続き下地膜をエッチングして除去することによって
リソグラフィ用ダイヤモンド膜を製造する方法である。
【0023】まず、マイクロ波CVD法によってダイヤ
モンド膜を成膜させる方法について図1に基づき説明す
る。図1において、マイクロ波CVD装置10は、ガス
導入管11とガス排出管12を備えたチャンバー13内
に、ヒータ等の加熱体14が装着された基板台15が配
置されている。そして、チャンバー13内にプラズマを
発生できるように、マイクロ波電源17は導波管19に
よりマイクロ波導入窓まで接続されている。
モンド膜を成膜させる方法について図1に基づき説明す
る。図1において、マイクロ波CVD装置10は、ガス
導入管11とガス排出管12を備えたチャンバー13内
に、ヒータ等の加熱体14が装着された基板台15が配
置されている。そして、チャンバー13内にプラズマを
発生できるように、マイクロ波電源17は導波管19に
よりマイクロ波導入窓まで接続されている。
【0024】このような装置によって、マイクロ波CV
D法によるダイヤモンド膜の成膜は、以下のようにして
行う。ダイヤモンド膜の形成に供すべき基板16を基板
台15上に載置した後、チャンバー13内をロータリー
ポンプで10-3Torr以下に減圧して排気する。次
に、所望流量のメタンガス、水素ガス及び酸素ガスから
なる混合ガスをガス導入管11から供給する。次に、ガ
ス排出管12のバルブを調節してチャンバー13内を3
0Torrにした後、この導入ガスにマイクロ波を印加
してチャンバー13内にプラズマを発生させ基板16上
にダイヤモンド膜を成膜させる。なお、成膜させる前
に、ダイヤモンド核を発生させ易くするため基板表面を
流動化したダイヤモンド粒子等で処理をしてもよい。そ
の方法としては、例えば、特開平9−260251号公
報に従えばよい。
D法によるダイヤモンド膜の成膜は、以下のようにして
行う。ダイヤモンド膜の形成に供すべき基板16を基板
台15上に載置した後、チャンバー13内をロータリー
ポンプで10-3Torr以下に減圧して排気する。次
に、所望流量のメタンガス、水素ガス及び酸素ガスから
なる混合ガスをガス導入管11から供給する。次に、ガ
ス排出管12のバルブを調節してチャンバー13内を3
0Torrにした後、この導入ガスにマイクロ波を印加
してチャンバー13内にプラズマを発生させ基板16上
にダイヤモンド膜を成膜させる。なお、成膜させる前
に、ダイヤモンド核を発生させ易くするため基板表面を
流動化したダイヤモンド粒子等で処理をしてもよい。そ
の方法としては、例えば、特開平9−260251号公
報に従えばよい。
【0025】チャンバー13内に導入する反応ガスはメ
タンガス、水素ガス及び酸素ガスからなる混合ガスであ
って、各体積比が、メタンガス量が0.1体積%以上2
0体積%以下、水素ガス量が70体積%以上99.89
体積%以下、酸素ガス量が0.01体積%以上10体積
%以下であることが好ましく、例えば、特開平11−4
0494号公報に従えば良い。このような体積比であれ
ば、高い結晶性と引張応力を十分に備えたダイヤモンド
膜を成膜できる。好ましい範囲は、メタンガス量が1体
積%以上10体積%以下、水素ガス量が85体積%以上
98.9体積%以下、酸素ガス量が0.1体積%以上5
体積%以下である。この範囲にすれば、確実に高い結晶
性を維持しながら高い引張応力を有するダイヤモンド膜
を製造することができる。
タンガス、水素ガス及び酸素ガスからなる混合ガスであ
って、各体積比が、メタンガス量が0.1体積%以上2
0体積%以下、水素ガス量が70体積%以上99.89
体積%以下、酸素ガス量が0.01体積%以上10体積
%以下であることが好ましく、例えば、特開平11−4
0494号公報に従えば良い。このような体積比であれ
ば、高い結晶性と引張応力を十分に備えたダイヤモンド
膜を成膜できる。好ましい範囲は、メタンガス量が1体
積%以上10体積%以下、水素ガス量が85体積%以上
98.9体積%以下、酸素ガス量が0.1体積%以上5
体積%以下である。この範囲にすれば、確実に高い結晶
性を維持しながら高い引張応力を有するダイヤモンド膜
を製造することができる。
【0026】また、この場合、このダイヤモンド膜に対
し必要量の引張応力を付与したければ、前記加熱体14
によってダイヤモンド膜を形成させる基板16を加熱し
て、その温度を制御してダイヤモンド膜の製造をするよ
うにすればよい。なお、加熱体14として、具体的には
焼結SiCヒータやCVD−SiCヒータが挙げられ
る。
し必要量の引張応力を付与したければ、前記加熱体14
によってダイヤモンド膜を形成させる基板16を加熱し
て、その温度を制御してダイヤモンド膜の製造をするよ
うにすればよい。なお、加熱体14として、具体的には
焼結SiCヒータやCVD−SiCヒータが挙げられ
る。
【0027】ここで、ダイヤモンド膜の引張応力は、
0.1〜5.0×109 dyn/cm 2 の範囲であるこ
とが好ましく、より好ましい範囲は0.3〜3.0×1
09 dyn/cm2 である。そして、このときの膜厚は
0.1〜5.0μm、特に0.2〜3.0μmであるこ
とが望ましい。ダイヤモンド膜の膜厚や引張応力が前記
範囲にあれば、自立膜に形成でき確実にX線あるいは電
子線等のリソグラフィのメンブレンとして使用すること
ができる。
0.1〜5.0×109 dyn/cm 2 の範囲であるこ
とが好ましく、より好ましい範囲は0.3〜3.0×1
09 dyn/cm2 である。そして、このときの膜厚は
0.1〜5.0μm、特に0.2〜3.0μmであるこ
とが望ましい。ダイヤモンド膜の膜厚や引張応力が前記
範囲にあれば、自立膜に形成でき確実にX線あるいは電
子線等のリソグラフィのメンブレンとして使用すること
ができる。
【0028】また、基板上にダイヤモンド膜を成膜させ
る基板の表面温度は、1200℃を越えると膜の結晶性
が低下することがあるので、700℃乃至1200℃と
するのが好ましい。この温度範囲で成膜させれば、確実
に結晶性を損なわずに容易に膜応力を調節することがで
きる。なお、この温度範囲に設定するには、印加するマ
イクロ波の電力を制御することによっても可能である
が、これでは堆積するダイヤモンド膜の物性が安定しな
くなることがあるので、前記の基板を加熱するための加
熱体14と共に温度調節を行うようにするのがよい。そ
して、この加熱体14により成膜時の基板温度を前記範
囲で自在に調節することによって、出来るダイヤモンド
膜の応力等の物性を所望値に制御することが可能とな
る。
る基板の表面温度は、1200℃を越えると膜の結晶性
が低下することがあるので、700℃乃至1200℃と
するのが好ましい。この温度範囲で成膜させれば、確実
に結晶性を損なわずに容易に膜応力を調節することがで
きる。なお、この温度範囲に設定するには、印加するマ
イクロ波の電力を制御することによっても可能である
が、これでは堆積するダイヤモンド膜の物性が安定しな
くなることがあるので、前記の基板を加熱するための加
熱体14と共に温度調節を行うようにするのがよい。そ
して、この加熱体14により成膜時の基板温度を前記範
囲で自在に調節することによって、出来るダイヤモンド
膜の応力等の物性を所望値に制御することが可能とな
る。
【0029】次に、前記マイクロ波CVD法によって基
板上にダイヤモンド膜を成膜後、該基板をエッチング除
去してメンブレンを得る方法について図2に基づき説明
する。まず、下地膜22を形成したシリコン基板21上
にダイヤモンド膜23を上記の方法で成膜させる(図2
(a)〜(c)参照)。
板上にダイヤモンド膜を成膜後、該基板をエッチング除
去してメンブレンを得る方法について図2に基づき説明
する。まず、下地膜22を形成したシリコン基板21上
にダイヤモンド膜23を上記の方法で成膜させる(図2
(a)〜(c)参照)。
【0030】次に、ダイヤモンド膜23が成膜された基
板(図2(c))の裏面から所定領域をフッ酸水溶液等
の酸性水溶液を用いて下地膜22の一部をエッチング除
去する(図2(d))。次に、95℃の水酸化カリウム
水溶液等のアルカリ性水溶液でシリコン基板21を下地
膜22に達するまでエッチング除去する(図2
(e))。この場合、シリコン基板21は水酸化カリウ
ム水溶液でエッチングされるが、下地膜22はエッチン
グ速度が遅いので、エッチングが下地膜に達した時に容
易にエッチング処理を終了させることができる。次に、
引き続きフッ酸水溶液等の酸性水溶液を用いて下地膜2
2をエッチング除去(図2(f))してリソグラフィ用
ダイヤモンド膜が得られる。この方法に従えば、ダイヤ
モンド膜はフッ酸には殆ど侵されないので、確実に平滑
性や膜応力を損なうことなく容易にX線あるいは電子線
リソグラフィ用メンブレンを製造することができる。
板(図2(c))の裏面から所定領域をフッ酸水溶液等
の酸性水溶液を用いて下地膜22の一部をエッチング除
去する(図2(d))。次に、95℃の水酸化カリウム
水溶液等のアルカリ性水溶液でシリコン基板21を下地
膜22に達するまでエッチング除去する(図2
(e))。この場合、シリコン基板21は水酸化カリウ
ム水溶液でエッチングされるが、下地膜22はエッチン
グ速度が遅いので、エッチングが下地膜に達した時に容
易にエッチング処理を終了させることができる。次に、
引き続きフッ酸水溶液等の酸性水溶液を用いて下地膜2
2をエッチング除去(図2(f))してリソグラフィ用
ダイヤモンド膜が得られる。この方法に従えば、ダイヤ
モンド膜はフッ酸には殆ど侵されないので、確実に平滑
性や膜応力を損なうことなく容易にX線あるいは電子線
リソグラフィ用メンブレンを製造することができる。
【0031】次に、下地基板上にダイヤモンド膜を成膜
させた後、該基板をエッチング除去する場合について具
体的に説明する。先ず、下地基板上に前記と同様にし
て、ダイヤモンド膜を成膜する。そして、成膜された下
地基板の裏面の所定領域をフッ酸水溶液等の酸性水溶液
を用いて該下地基板をダイヤモンド膜に達するまでエッ
チング除去して、リソグラフィ用ダイヤモンド膜が得ら
れる。この方法に従えば、ダイヤモンド膜が侵され易い
アルカリ水溶液を用いないので、確実に平滑性や膜応力
等を損なうことなく容易にX線あるいは電子線等のリソ
グラフィ用ダイヤモンド膜を製造することができる。
させた後、該基板をエッチング除去する場合について具
体的に説明する。先ず、下地基板上に前記と同様にし
て、ダイヤモンド膜を成膜する。そして、成膜された下
地基板の裏面の所定領域をフッ酸水溶液等の酸性水溶液
を用いて該下地基板をダイヤモンド膜に達するまでエッ
チング除去して、リソグラフィ用ダイヤモンド膜が得ら
れる。この方法に従えば、ダイヤモンド膜が侵され易い
アルカリ水溶液を用いないので、確実に平滑性や膜応力
等を損なうことなく容易にX線あるいは電子線等のリソ
グラフィ用ダイヤモンド膜を製造することができる。
【0032】また、エッチング液による除去方法は、従
来公知の方法で行えば良く、例えばエッチング液の入っ
た浴槽に、前記方法によってダイヤモンド膜が成膜され
た基板を浸漬することによって行うことができる。
来公知の方法で行えば良く、例えばエッチング液の入っ
た浴槽に、前記方法によってダイヤモンド膜が成膜され
た基板を浸漬することによって行うことができる。
【0033】ここで、ダイヤモンド膜を成膜する基板
は、シリコンに下地膜を形成させた基板又は下地基板で
あり、下地膜と下地基板は酸化ケイ素、窒化ケイ素、炭
化ケイ素、炭化タングステン、窒化ホウ素、窒化アルミ
ニウム、アルミナ、酸化チタニウム、酸化ジルコニウム
等の絶縁膜あるいは絶縁基板、Ta、Ru、Cr、W等
の導電性膜あるいは導電性基板から選択される1種又は
2種以上の物から成り、これらの中では特に酸化ケイ
素、窒化ケイ素、炭化ケイ素が好ましい。これら下地膜
等の材料の選択は、ダイヤモンド膜、シリコン基板及び
下地膜のエッチングレートに差が生じるように、上記物
の内いずれかを選択すればよい。このようにすれば、基
板上に容易にダイヤモンド膜を成膜させることができる
と共に、基板を容易にエッチング除去できるため、得ら
れたダイヤモンド膜の平滑性や膜応力等を損なうことが
ない。
は、シリコンに下地膜を形成させた基板又は下地基板で
あり、下地膜と下地基板は酸化ケイ素、窒化ケイ素、炭
化ケイ素、炭化タングステン、窒化ホウ素、窒化アルミ
ニウム、アルミナ、酸化チタニウム、酸化ジルコニウム
等の絶縁膜あるいは絶縁基板、Ta、Ru、Cr、W等
の導電性膜あるいは導電性基板から選択される1種又は
2種以上の物から成り、これらの中では特に酸化ケイ
素、窒化ケイ素、炭化ケイ素が好ましい。これら下地膜
等の材料の選択は、ダイヤモンド膜、シリコン基板及び
下地膜のエッチングレートに差が生じるように、上記物
の内いずれかを選択すればよい。このようにすれば、基
板上に容易にダイヤモンド膜を成膜させることができる
と共に、基板を容易にエッチング除去できるため、得ら
れたダイヤモンド膜の平滑性や膜応力等を損なうことが
ない。
【0034】本発明のように、下地膜を形成させたシリ
コン基板や下地基板上にダイヤモンド膜を成膜させれ
ば、アルカリ水溶液によるシリコン基板のエッチング除
去工程で基板の除去と共にダイヤモンド膜の表面を損傷
させることがないため、膜の表面状態が良好であると共
に、不均一な膜厚と膜応力を有する欠陥製品の発生を防
止でき、歩留りの向上を図ることができる。
コン基板や下地基板上にダイヤモンド膜を成膜させれ
ば、アルカリ水溶液によるシリコン基板のエッチング除
去工程で基板の除去と共にダイヤモンド膜の表面を損傷
させることがないため、膜の表面状態が良好であると共
に、不均一な膜厚と膜応力を有する欠陥製品の発生を防
止でき、歩留りの向上を図ることができる。
【0035】
【実施例】以下、本発明を実施例および比較例を挙げて
具体的に説明する。なお、図1のような方法に基づいて
基板上にダイヤモンド膜を成膜させ、図2のような方法
に基づいてダイヤモンド膜が成膜された基板等をエッチ
ング除去してリソグラフィ用ダイヤモンド膜を製造し
た。
具体的に説明する。なお、図1のような方法に基づいて
基板上にダイヤモンド膜を成膜させ、図2のような方法
に基づいてダイヤモンド膜が成膜された基板等をエッチ
ング除去してリソグラフィ用ダイヤモンド膜を製造し
た。
【0036】(実施例1)まず、図2(a)に示すよう
に、直径3インチ、厚さが2mmの両面研磨シリコンウ
ェーハ(100)21を準備して、その表面を減圧CV
D法により、厚さ0.5μmの窒化ケイ素膜22を形成
させた(図2(b))。この窒化ケイ素膜22を形成さ
せたシリコン基板21上にダイヤモンド膜23を成膜さ
せる前に、流動化したダイヤモンド粒子で該窒化ケイ素
膜22の表面をダイヤモンド核の発生し易くするため処
理した。
に、直径3インチ、厚さが2mmの両面研磨シリコンウ
ェーハ(100)21を準備して、その表面を減圧CV
D法により、厚さ0.5μmの窒化ケイ素膜22を形成
させた(図2(b))。この窒化ケイ素膜22を形成さ
せたシリコン基板21上にダイヤモンド膜23を成膜さ
せる前に、流動化したダイヤモンド粒子で該窒化ケイ素
膜22の表面をダイヤモンド核の発生し易くするため処
理した。
【0037】上記処理をした後、窒化ケイ素膜22を形
成させたシリコン基板21上にダイヤモンド膜23を成
膜させた(図2(c))。なお、ダイヤモンド膜23の
成膜は、図1に示すマイクロ波CVD装置を使用して以
下のように行った。表面処理した窒化ケイ素膜(絶縁
膜)22が形成されたシリコン基板21を加熱体14上
に載置し、ロータリーポンプで10-3Torr以下に減
圧して排気した後、メタンガス、水素ガス及び酸素ガス
からなる混合ガスをガス導入管11から供給した。各ガ
スの供給は、メタンガスを45.0sccm、水素ガス
を945.0sccm、酸素ガスを10.0sccmと
し、体積比率を、メタンガス/水素ガス/酸素ガス=
4.5/94.5/1.0とした。次に、ガス排出管1
2のバルブを調節してチャンバー13内を30Torr
にした後、3000Wの電力のマイクロ波を印加してプ
ラズマを発生させ、基板上にダイヤモンド膜の成膜を3
7時間行った。なお、成膜時の基板の加熱は行わなかっ
たが、この時の基板表面温度は860℃であった。
成させたシリコン基板21上にダイヤモンド膜23を成
膜させた(図2(c))。なお、ダイヤモンド膜23の
成膜は、図1に示すマイクロ波CVD装置を使用して以
下のように行った。表面処理した窒化ケイ素膜(絶縁
膜)22が形成されたシリコン基板21を加熱体14上
に載置し、ロータリーポンプで10-3Torr以下に減
圧して排気した後、メタンガス、水素ガス及び酸素ガス
からなる混合ガスをガス導入管11から供給した。各ガ
スの供給は、メタンガスを45.0sccm、水素ガス
を945.0sccm、酸素ガスを10.0sccmと
し、体積比率を、メタンガス/水素ガス/酸素ガス=
4.5/94.5/1.0とした。次に、ガス排出管1
2のバルブを調節してチャンバー13内を30Torr
にした後、3000Wの電力のマイクロ波を印加してプ
ラズマを発生させ、基板上にダイヤモンド膜の成膜を3
7時間行った。なお、成膜時の基板の加熱は行わなかっ
たが、この時の基板表面温度は860℃であった。
【0038】得られたダイヤモンド膜23は、膜厚が
3.0μmの多結晶ダイヤモンドであった。また、この
ダイヤモンド膜の膜応力は、基板の反りから算出したと
ころ引張応力で0.4×109 dyn/cm2 であっ
た。
3.0μmの多結晶ダイヤモンドであった。また、この
ダイヤモンド膜の膜応力は、基板の反りから算出したと
ころ引張応力で0.4×109 dyn/cm2 であっ
た。
【0039】次に、上記方法によってダイヤモンド膜が
成膜された基板(図2(c))の裏面中央30mm角の
範囲以外を樹脂皮膜でマスキングした後、フッ酸水溶液
で窒化ケイ素膜22の一部をエッチング除去した(図2
(d))。次に、95℃の水酸化カリウム水溶液でシリ
コン基板21を窒化ケイ素膜22に達するまでエッチン
グ除去した(図2(e))。この場合、シリコン21は
水酸化カリウム水溶液でエッチングされるが、窒化ケイ
素膜22はエッチング速度が遅いので、エッチングが窒
化ケイ素膜22に達した時に容易にエッチング処理を終
了させることができる。次に、引き続きフッ酸水溶液で
窒化ケイ素膜22をエッチング除去(図2(f))して
リソグラフィ用ダイヤモンド膜を得た。得られた膜のエ
ッチング面は、腐食がなく、平滑性に優れたものであっ
た。
成膜された基板(図2(c))の裏面中央30mm角の
範囲以外を樹脂皮膜でマスキングした後、フッ酸水溶液
で窒化ケイ素膜22の一部をエッチング除去した(図2
(d))。次に、95℃の水酸化カリウム水溶液でシリ
コン基板21を窒化ケイ素膜22に達するまでエッチン
グ除去した(図2(e))。この場合、シリコン21は
水酸化カリウム水溶液でエッチングされるが、窒化ケイ
素膜22はエッチング速度が遅いので、エッチングが窒
化ケイ素膜22に達した時に容易にエッチング処理を終
了させることができる。次に、引き続きフッ酸水溶液で
窒化ケイ素膜22をエッチング除去(図2(f))して
リソグラフィ用ダイヤモンド膜を得た。得られた膜のエ
ッチング面は、腐食がなく、平滑性に優れたものであっ
た。
【0040】(実施例2)基板を直径3インチ、厚さ2
mmの窒化ケイ素からなる下地基板(絶縁基板)に変更
した以外は実施例1と同一の条件で、マイクロ波CVD
法によって基板上にダイヤモンド膜を成膜させることに
より膜厚3.0μmの多結晶ダイヤモンド膜を得た。膜
応力は、引張応力で2.5×109 dyn/cm2 であ
った。成膜された基板の裏面中央30mm角の範囲以外
を樹脂皮膜でマスキング処理した後、フッ酸水溶液で下
地基板をエッチング除去してリソグラフィ用ダイヤモン
ド膜を得た。得られた膜のエッチング面は、腐食がな
く、平滑性に優れたものであった。
mmの窒化ケイ素からなる下地基板(絶縁基板)に変更
した以外は実施例1と同一の条件で、マイクロ波CVD
法によって基板上にダイヤモンド膜を成膜させることに
より膜厚3.0μmの多結晶ダイヤモンド膜を得た。膜
応力は、引張応力で2.5×109 dyn/cm2 であ
った。成膜された基板の裏面中央30mm角の範囲以外
を樹脂皮膜でマスキング処理した後、フッ酸水溶液で下
地基板をエッチング除去してリソグラフィ用ダイヤモン
ド膜を得た。得られた膜のエッチング面は、腐食がな
く、平滑性に優れたものであった。
【0041】(比較例1〜3)比較例1〜2について
は、混合ガスを表1に示す体積比率および成膜時間に変
更した以外は、実施例1と同一の条件でリソグラフィ用
ダイヤモンド膜を作製した。また、比較例3について
は、基板をシリコンウエーハ(100)単独とし、成膜
時間を35時間とし、また基板のエッチング除去を水酸
化カリウム水溶液のみとした以外は実施例1と同一の条
件でリソグラフィ用ダイヤモンド膜を作製した。上記試
験結果を表1に併記した。
は、混合ガスを表1に示す体積比率および成膜時間に変
更した以外は、実施例1と同一の条件でリソグラフィ用
ダイヤモンド膜を作製した。また、比較例3について
は、基板をシリコンウエーハ(100)単独とし、成膜
時間を35時間とし、また基板のエッチング除去を水酸
化カリウム水溶液のみとした以外は実施例1と同一の条
件でリソグラフィ用ダイヤモンド膜を作製した。上記試
験結果を表1に併記した。
【0042】
【表1】
【0043】表1の結果から明らかなように、比較例で
はいずれの条件においても満足できるダイヤモンド膜か
らなるメンブレンは得られなかった。特に、比較例3の
ように基板にシリコンを用い、エッチング液にアルカリ
水溶液のみを用いた場合には、シリコン基板上に成膜さ
せたダイヤモンド膜の表面が、エッチング工程でアルカ
リ水溶液によって侵食されたため、ダイヤモンド膜の平
滑性や膜応力等が損なわれた。
はいずれの条件においても満足できるダイヤモンド膜か
らなるメンブレンは得られなかった。特に、比較例3の
ように基板にシリコンを用い、エッチング液にアルカリ
水溶液のみを用いた場合には、シリコン基板上に成膜さ
せたダイヤモンド膜の表面が、エッチング工程でアルカ
リ水溶液によって侵食されたため、ダイヤモンド膜の平
滑性や膜応力等が損なわれた。
【0044】なお、本発明は、上記実施形態に限定され
るものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明
の特許請求の範囲に記載された技術思想と実質的に同一
な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかな
るものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
るものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明
の特許請求の範囲に記載された技術思想と実質的に同一
な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかな
るものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、基板上に高い結晶性と
所望の膜応力を有するダイヤモンド膜を成膜できると共
に、成膜後平滑性や膜応力等を損なうことなくX線ある
いは電子線リソグラフィ用ダイヤモンド膜の製造を行う
ことができる。
所望の膜応力を有するダイヤモンド膜を成膜できると共
に、成膜後平滑性や膜応力等を損なうことなくX線ある
いは電子線リソグラフィ用ダイヤモンド膜の製造を行う
ことができる。
【図1】本発明の製造方法で使用されるマイクロ波CV
D装置の概略図である。
D装置の概略図である。
【図2】(a)〜(f)は、本発明によるリソグラフィ
用ダイヤモンド膜の製造工程の一例である。
用ダイヤモンド膜の製造工程の一例である。
10・・・ マイクロ波CVD装置、 11・・・ ガス導入
管、 12・・・ ガス排出管、 13・・・ チャンバー、 14・・
・ 加熱体、 15・・・ 基板台、 16・・・ 基板、 17・・・ マイクロ
波電源、 18・・・ ヒータ加熱用電源、 19・・・ 導波管、 21
・・・ シリコン基板、 22・・・ 下地膜、 23・・・ ダイヤモンド膜。
管、 12・・・ ガス排出管、 13・・・ チャンバー、 14・・
・ 加熱体、 15・・・ 基板台、 16・・・ 基板、 17・・・ マイクロ
波電源、 18・・・ ヒータ加熱用電源、 19・・・ 導波管、 21
・・・ シリコン基板、 22・・・ 下地膜、 23・・・ ダイヤモンド膜。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H01L 21/205 H01L 21/30 531M 21/306 541S 21/306 B (72)発明者 久保田 芳宏 群馬県安中市磯部2丁目13番1号 信越 化学工業株式会社 精密機能材料研究所 内 (72)発明者 岡田 育夫 東京都新宿区西新宿2丁目1番1号 エ ヌ・ティ・ティ・アドバンステクノロジ 株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−158121(JP,A) 特開 平4−338628(JP,A) 特開 平11−40494(JP,A) 特開 昭64−73720(JP,A) 特開 昭61−32425(JP,A) 特開2000−182947(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/027 G03F 1/16
Claims (5)
- 【請求項1】 シリコン基板上の表面全体に下地膜を形
成させ、該下地膜の一方の表面上にメタンガス、水素ガ
ス及び酸素ガスの混合ガスを原料ガスとしてダイヤモン
ド膜を成膜させた後、裏面の下地膜の一部をエッチング
して除去し、シリコン基板をエッチングして除去し、引
き続き下地膜をエッチングして除去することによるリソ
グラフィ用ダイヤモンド膜の製造方法。 - 【請求項2】 前記下地膜が、酸化ケイ素、窒化ケイ
素、炭化ケイ素、炭化タングステン、窒化ホウ素、窒化
アルミニウム、アルミナ、酸化チタニウム、酸化ジルコ
ニウム、タンタル(Ta)、ルテニウム(Ru)、クロ
ム(Cr)、タングステン(W)から選択される1種又
は2種以上の物より成る請求項1に記載の製造方法。 - 【請求項3】 前記シリコン基板のエッチングをアルカ
リ性水溶液で、前記下地膜若しくは下地基板のエッチン
グを酸性水溶液で行うことを特徴とする請求項1または
請求項2に記載の製造方法。 - 【請求項4】 前記原料ガスの混合比が、メタンガス量
を0.1体積%以上20体積%以下、水素ガス量を70
体積%以上99.89体積%以下、酸素ガス量を0.0
1体積%以上10体積%以下とした原料ガスを使用する
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項
に記載の製造方法。 - 【請求項5】 前記成膜をマイクロ波CVD法又は熱フ
ィラメントCVD法により、基板の表面温度を700℃
乃至1200℃として行うことを特徴とする請求項1乃
至請求項4のいずれか1項に記載の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000343364A JP3317960B2 (ja) | 1999-11-10 | 2000-11-10 | リソグラフィ用ダイヤモンド膜の製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11-319874 | 1999-11-10 | ||
JP31987499 | 1999-11-10 | ||
JP2000343364A JP3317960B2 (ja) | 1999-11-10 | 2000-11-10 | リソグラフィ用ダイヤモンド膜の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001203155A JP2001203155A (ja) | 2001-07-27 |
JP3317960B2 true JP3317960B2 (ja) | 2002-08-26 |
Family
ID=26569861
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000343364A Expired - Fee Related JP3317960B2 (ja) | 1999-11-10 | 2000-11-10 | リソグラフィ用ダイヤモンド膜の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3317960B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
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---|---|---|---|---|
WO2016185991A1 (ja) * | 2015-05-15 | 2016-11-24 | イーグル工業株式会社 | しゅう動膜及びその製造方法並びにしゅう動部材及びその製造方法 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000182947A (ja) | 1998-12-21 | 2000-06-30 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | X線露光用マスクおよびその製造方法 |
-
2000
- 2000-11-10 JP JP2000343364A patent/JP3317960B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000182947A (ja) | 1998-12-21 | 2000-06-30 | Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> | X線露光用マスクおよびその製造方法 |
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JP2001203155A (ja) | 2001-07-27 |
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