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JP3312571B2 - ごみ焼却炉の運転訓練装置 - Google Patents

ごみ焼却炉の運転訓練装置

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Publication number
JP3312571B2
JP3312571B2 JP02758297A JP2758297A JP3312571B2 JP 3312571 B2 JP3312571 B2 JP 3312571B2 JP 02758297 A JP02758297 A JP 02758297A JP 2758297 A JP2758297 A JP 2758297A JP 3312571 B2 JP3312571 B2 JP 3312571B2
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JP
Japan
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combustion
refuse
training
behavior
exhaust gas
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JP02758297A
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聡 藤井
学 黒田
誠 月岡
敬一 長屋
祐一 野上
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
JFE Engineering Corp
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ごみ焼却炉の運転
訓練および運転技術の熟練度を評価することが可能なご
み焼却炉の運転訓練装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】都市ごみ焼却炉は、社会生活において排
出される様々な廃棄物を処理するという重要な役割を担
っている。近年では、廃棄物であるごみの焼却処理によ
って発生する熱エネルギの回収への関心が高まり、ボイ
ラ発電設備のついたものが増加し、ボイラでの熱回収が
効率的に行えるように、安定な燃焼が要求されている。
一方、大気中に放出される環境汚染物質の規制が厳しく
なるにしたがって、NOx濃度やCO濃度を低減する燃
焼運転が必要とされている。
【0003】このように、ごみ焼却炉に高度な燃焼運転
が望まれているため、通常、自動燃焼制御装置によって
上記の要求を満たす運転が行われている。自動燃焼制御
装置では、ごみ焼却炉の操作量である給塵速度、燃焼火
格子速度、燃焼空気量、燃焼空気温度、火格子下燃焼空
気量の配分および冷却空気量を制御することにより、蒸
気発生量を安定化し、排ガス中のNOx、CO濃度を低
く抑え、灰中の未燃焼成分が少なくなるように運転され
ている。
【0004】このような状況から、運転員が直接操作を
行う手動運転の機会は少なくなっている。そこで、異常
燃焼状態時の対処能力の向上、初心者の早期養成が重要
な課題となっている。このため、ごみ焼却炉の運転訓練
のための装置が提案されている。
【0005】例えば、川崎重工技報(1995.4 125号 p.8
-13)、日立造船技報(1994.7第55巻第2号 p.73-77)な
どに、運転訓練装置が記載されている。これらの文献に
は、ごみの燃焼系統に係わる給塵、燃焼火格子装置の運
転訓練、燃焼空気等の送風機系統の運転訓練、CO、N
Ox、O2 等の排ガス関係の運転訓練というように、目
的ごとに分かれた運転訓練装置が記載されている。
【0006】また、特開平8−94052号公報には、
ごみの低位発熱量、燃焼反応速度、ごみ移動速度等につ
いてカオス信号を重畳することにより、燃焼状況の複雑
な変化に即した運転訓練を行うためのシミュレーション
装置が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】これまで、ごみ焼却炉
の運転訓練装置は、ごみの燃焼系統に係わる給塵、燃焼
火格子装置の運転訓練、送風機系統の運転訓練、排ガス
関係の運転訓練のように、系統ごとに訓練が分離されて
いる。このため、従来技術では、ごみ焼却炉の運転訓練
を総合的に行うことができない。本来、ごみ焼却炉の運
転は、給塵、火格子、送風機などを同時に操作してい
る。また、燃焼状態と排ガスの発生挙動には密接な関係
があるため、運転訓練には現実のごみ焼却炉と同じよう
に、ごみの燃焼と排ガスを同時に模擬できる燃焼モデル
が必要となる。
【0008】さらに、現実のごみ焼却炉の運転では、総
ての操作量(燃焼空気量、燃焼空気配分、燃焼空気温
度、冷却空気量、給塵速度、火格子速度)を同時に手動
運転状態の操作モードにして運転することはなく、一部
の操作量は自動燃焼制御装置によって運転されている。
従って、通常の運転では、すべての操作量を手動運転で
行うことは少なく、手動運転と自動燃焼制御装置による
運転が併用されることが多い。しかしながら、従来技術
の運転訓練装置では、一部の操作量を自動運転操作しつ
つ、手動運転操作を行うことはできなかった。
【0009】特開平8−94052号公報記載の技術に
おいても、ごみの低位発熱量、燃焼反応速度、ごみ移動
速度等のうち、どれか1種類の変量についてはカオス信
号等の高度な処理を行うものの、数種類の変量の相互の
関係は考慮されていない。
【0010】本発明は、ごみ焼却炉の運転訓練装置にお
いて、ごみの燃焼と排ガスの挙動を同時に模擬できるモ
デルを用いて、現実の運転操作に近い形で訓練が実施で
きるごみ焼却炉の運転訓練装置を提供する。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、ごみ
焼却炉の運転訓練装置において、ごみ焼却炉の燃焼挙動
を模擬する燃焼モデル演算装置と、運転条件および運転
結果を入出力するとともに、一部の操作量は自動燃焼制
御装置で制御させつつ、手動運転状態の操作を行うこと
もできる操作盤とを備え、燃焼モデル演算装置ではごみ
の燃焼状況の演算および排ガスの挙動の演算を行うこと
によりごみ焼却炉の燃焼挙動の模擬を行い、操作盤で
は、運転条件の入力と前記模擬の結果に基づき運転結果
の出力を行うことを特徴とするごみ焼却炉の運転訓練装
置である。
【0012】この発明では、燃焼モデル演算装置が、設
定された運転条件、運転員による操作量の変更、あるい
は自動燃焼制御装置による操作量の変更に応じて、予め
設定されているモデルにより演算を行う。この演算の特
徴は、実炉と同じように炉内のごみと排ガスの燃焼挙動
を双方とも演算することである。これによりごみ焼却炉
の燃焼挙動を、ごみの燃焼状態と排ガスの発生挙動の密
接な関係を取り込んで模擬することが可能となる。その
結果、従来技術のようにごみ焼却炉の燃焼挙動をごみの
燃焼状況と排ガスの挙動を個々別々に演算する場合に比
べて、ごみ焼却炉の総合的な運転訓練を行うことができ
る。
【0013】請求項2の発明は、操作盤が、運転条件の
設定手段、運転操作切り換え手段、手動運転操作手段、
又は訓練速度設定手段を有する運転条件の入力手段と、
運転結果表示手段又は運転結果評価手段を有する運転結
果の出力手段とを備えていることを特徴とする請求項1
記載のごみ焼却炉の運転訓練装置である。
【0014】運転条件の設定手段は、運転訓練を行う前
に、運転訓練開始時はどのような燃焼状態から開始され
るか、炉内の燃焼状況をどの時点で、どのような燃焼状
態に変化させるかを設定する。
【0015】手動運転操作手段は、運転員がごみ焼却炉
の操作量について、手動操作により任意の操作量に制御
し、燃焼状況に応じて自ら手動運転を行う装置である。
ごみ焼却炉の操作量としては、給塵速度、燃焼火格子速
度、燃焼空気量、燃焼空気温度、火格子下燃焼空気量の
配分および冷却空気量等、必要に応じて取捨選択可能で
ある。
【0016】さらに、この発明は、訓練速度設定手段を
備えることにより、現実の焼却炉と同じ応答速度もしく
は、現実の焼却炉よりも早い応答速度に調整することが
可能であり、この訓練速度設定手段によって、訓練時間
を短縮することができる。
【0017】なお、操作盤の入力手段としては、これら
の入力手段をすべて有する必要はなく、少なくとも1つ
有していればよい。例えば、運転条件の設定手段、手動
運転操作手段を予め定型化しておけば、訓練速度設定手
段のみでも十分に訓練ができる。
【0018】また、運転操作切り換え手段は手動運転と
自動運転との切り換えを行う。この場合、実炉と同じよ
うな制御ロジックを組み込んだ自動燃焼制御装置を用い
て、自動燃焼制御の模擬を行う。これにより、一部の操
作量は自動燃焼制御装置で制御しつつ、手動運転状態の
操作を行うこともできるので、実炉と同じようにごみ焼
却炉の手動操作の訓練ができる。
【0019】運転結果表示手段は、運転訓練中に運転員
の操作によって変化した各操作量、炉内の各温度、蒸気
発生量、排ガスの成分の現在値と過去のトレンドを表示
できる。運転結果評価手段は、運転訓練の結果を出力す
るための手段であり、運転能力を評価することができ
る。
【0020】なお、操作盤の出力手段としては、これら
の出力手段をすべて有する必要はなく、少なくとも1つ
有していればよい。例えば、運転結果評価手段があれ
ば、運転員自身が運転能力を評価することができるが、
運転結果表示手段を用いて教官が評価を行う場合は、運
転結果評価手段は不要である。
【0021】請求項3の発明は、燃焼モデル演算装置
が、演算の際、ごみ焼却炉を複数のブロックにより区分
し、これらのブロックにおけるごみと排ガス中のガス成
分とを変数とする熱収支の式と物質収支の式を用いて、
炉内のごみと排ガスの燃焼挙動を算出することを特徴と
する請求項1記載のごみ焼却炉の運転訓練装置である。
【0022】この発明では、各ブロック内では、熱・物
質収支を基にした完全混合モデルとし、分割されたブロ
ックの火格子上のごみや煙道について、物質収支の式と
熱収支の式を構成する。設定された運転条件、運転員に
よる操作量の変更、あるいは自動燃焼制御装置による操
作量の変更に応じて、物質収支と熱収支の式を解くこと
により、炉内の燃焼挙動を模擬する。なお、物質収支と
熱収支の式は一般に微分方程式となるが、通常の数値解
法で容易に計算可能である。
【0023】請求項4の発明は、燃焼モデル演算装置
が、操作量から燃焼挙動を表す変数への伝達関数を用い
て、炉内のごみと排ガスの燃焼挙動を算出することを特
徴とする請求項1記載のごみ焼却炉の運転訓練装置であ
る。
【0024】炉内のごみと排ガスの燃焼挙動を表す複数
の変数をY、複数の操作量をuとし(いずれもベクト
ル)、伝達関数をG(行列)とすると、これらの関係は
次に示す式で表すことができる。
【0025】Y=G・u ごみと排ガスの燃焼挙動を表す個々の変数をYi 、個々
の操作量をuj とし、伝達関数の行列要素をgijとする
と、これらの関係は次のように表すこともできる。t ( Yi ) =( gij ) t( uj ) ここで、 t( Yi ) と t( uj ) はYi とuj を要素と
する列ベクトルであり、伝達関数(gij)は行列であ
る。
【0026】これらの式により、操作量uに伝達関数G
による一次変換を行うことで、燃焼挙動を表す変数Yが
容易に求まる。伝達関数の各要素gijについては、2次
遅れ要素、むだ時間要素の積(およびゲイン)で構成す
れば、ごみ焼却炉の燃焼挙動を適切に模擬することがで
きる。
【0027】請求項5の発明は、燃焼モデル演算装置
が、操作量と燃焼挙動を表す変数に関する自己回帰移動
平均混合モデルを用いて、炉内のごみと排ガスの燃焼挙
動を算出することを特徴とする請求項1記載のごみ焼却
炉の運転訓練装置である。
【0028】燃焼モデルの自己回帰移動平均モデルは、
以下に示す式のようになる。 Y(k) =Σh=1 n A(h) Y(k-h) +Σh=1 m B(h) u(k
-h+1) ここで、Y(k) およびu(k) は、前述の燃焼挙動を表す
変数、操作量(いずれもベクトル)の時刻 kにおける値
であり、各ベクトル要素Yi およびuj の時刻 kにおけ
る値Yi (k) およびuj (k) を要素とする列ベクトルで
表される。また、A(h) およびB(h) は、燃焼モデルパ
ラメータをそれぞれの行列要素とする行列である。な
お、Σh=1 n およびΣh=1 m は、h についての1からn
および1からmまでの総和を表す。また、nおよびm
は、移動平均の打切り個数である。
【0029】この式により、炉内のごみと排ガスの燃焼
挙動を表す変数Yの時刻 kにおける値Y(k) は、燃焼モ
デルパラメータA(h) およびB(h) を移動平均の重み係
数とする、Y(k-h) とu(k-h+1) の移動平均から算出さ
れる。
【0030】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)図1は、本発明の実施形態1に係わるご
み焼却炉の運転訓練装置の構成を示すブロック図であ
る。図中、1 は操作盤、2は運転条件の設定手段、3は
運転操作切り換え手段、4は手動運転操作手段、5は運
転結果表示手段、6は運転結果評価手段、7は訓練速度
設定手段、8は自動燃焼制御装置、9は燃焼モデル演算
装置をそれぞれ示す。
【0031】操作盤1を通して運転員は訓練を行う。運
転訓練を開始する前に運転条件の設定手段2から運転条
件を設定する。運転訓練中は、自動と手動運転操作切り
換え手段3によって、自動燃焼制御装置8を外して手動
運転状態とし、手動運転操作手段4によって運転員が手
動運転操作を行う。運転員は、運転結果表示手段5によ
って、現在と過去の運転状況を確認しながら訓練を進め
る。
【0032】運転訓練終了時に、運転結果評価手段6に
よってあらかじめ設定した運転条件に対する操作の評価
結果を運転員に与える。運転訓練中の訓練速度は、訓練
速度設定手段7によって与えられる。この訓練速度の信
号によって、自動燃焼制御装置8と燃焼モデル演算装置
9は、設定された速度で演算される。
【0033】また、運転訓練中に、操作盤上で自動から
手動操作に切り換えられた操作量は自動燃焼制御装置8
から外され、運転員による手動操作の信号が燃焼モデル
に送られる。
【0034】燃焼モデル演算装置9では、運転訓練開始
前に設定された運転条件、運転員の操作変更、自動燃焼
制御装置による操作変更に応じて、実炉と同じように炉
内のごみと排ガスの燃焼挙動を演算し、演算結果を運転
結果表示手段5に表示する。
【0035】(実施形態2)次に、本発明のごみ焼却炉
の運転訓練装置の燃焼モデルの1例について説明する。
【0036】図2は、物質収支と熱収支に基づいて構成
された燃焼モデルの構成を示すブロック図である。ここ
では、ごみ焼却炉の操作量である給塵速度、燃焼火格子
速度、燃焼空気量、燃焼空気温度、火格子下燃焼空気量
の配分および冷却空気量を操作量としている。炉内のご
みと排ガスの熱収支と物質収支に基づいて、炉内の燃焼
挙動を表現する燃焼モデルは、以下に示す基本的な仮定
のもとに構築する。 ・各燃焼空気の風箱の位置ごとに、火格子上のごみをブ
ロックに分割する。 ・煙道は、燃焼室、副煙道、主煙道、ガス混合室、およ
びボイラに分割する。 ・各ブロック内では、熱・物質収支を基にした完全混合
モデルとする。 ・ごみは水分、可燃分、灰分から構成され可燃分の組成
はCとHとOとする。
【0037】次に、ごみ層内での反応および煙道での反
応は、次の式で表される。この式は、分割されたブロッ
クの火格子上のごみや煙道について、物質収支と熱収支
を基に構成されている。まず、燃焼反応については、次
の式で表される。 C+1/2 O2 =CO+Q1 (1) C+O2 =CO2 +Q2 (2) CO+1/2 O2 =CO2 +Q3 (3) CH4 + 2O2 =CO2 + 2H2 O+Q4 (4) H2 O(liq) =H2 O(gas) +Q5 (5) ただし、Q1 ,...Q4 は反応熱 (J/mol)、Q5 は蒸発熱
(J/mol)である。
【0038】次に、物質収支と熱収支式の式について、
考える。まず、ごみの物質収支と熱収支式について、次
の式 (6)、(7) に示すようになる。 d Wij/dt =Ui-1W i-1 j−Ui ij+Rij (6) d ( Σj jiji )/dt =Ui-1 Σj j i-1ji-1 −Ui Σj j iji +Qr i +Qg i +Qf i +Σj j ij (7)
【0039】煙道部分の排ガスの物質収支と熱収支の式
については、次の式 (8)、式(9) に示すようになる。 d (Vi ij)/dt =Σm mm j −Fiij+Vi δij (8) d (Tg i Σj Cg j ρg j i ij)/dt =Σm m Tg m (Σj Cg j ρg j m j ) −Fi Tg i (Σj Cg j ρg j ij) +( 103/22.4 )Vi Σj j δij−Qg i (9) ここで、添字 i,mはブロック番号、添字j は j成分、Σ
m とΣj は添字 mとj についての総和をそれぞれ表す。
また、個々の変数の内容は次のとおりである。 Wij : j 成分の量(mol) Ui : ごみの移動速度(給塵装置、火格子速度)(1/
h) Rij : j 成分の反応量、蒸発量(mol/h) Ti : ごみの温度(℃) Cj : ごみ中のj 成分の比熱(J/mol℃) Qr i : 燃焼空気からごみへの熱伝達(J/h) Qg i : 燃焼ガスからごみへの熱伝達(J/h) Qf i : ごみ層表面火炎からごみへの熱伝達(J/h) Xij : ガス中のj 成分の割合(%, ppm ) Fi : ガス、空気、水噴霧流量( Nm3/h ) Vi : 煙道容積(m3) Tg i : ガスの温度(℃) δij : j 成分の反応速度(1/h) Cg j : ガス中のj 成分の比熱( J/kg℃) ρg j : ガス中のj 成分の密度( kg/Nm3
【0040】このようにして、式(1) 〜(9) と図2から
構成される燃焼モデルは、設定された運転条件、運転員
による操作量の変更、自動燃焼制御装置による操作量の
変更に応じて、実炉と同じように炉内のごみと排ガスの
燃焼挙動を模擬する。なお、物質収支と熱収支の式 (6)
〜(9) は、微分方程式となっているが、通常の数値解法
で容易に計算可能である。
【0041】図1の燃焼モデル演算装置9では、式(1)
〜(9)と図2から構成される燃焼モデルによって、設定
された運転条件、運転員による操作量の変更、自動燃焼
制御装置による操作量の変更に応じて、実炉と同じよう
に炉内のごみと排ガスの燃焼挙動を模擬し、その演算結
果を運転結果表示手段5に表示する。
【0042】(実施形態3)本発明のごみ焼却炉の運転
訓練装置の燃焼モデルの別の例について説明する。炉内
のごみと排ガスの燃焼挙動を表す変数をYi 、操作量を
j とし、伝達関数をgijとすると、これらの関係は次
に示す式で表すことができる。t ( Yi ) =( gij ) t( uj ) (10) ここで、伝達関数(gij)は、 18 行 18 列の行列であ
り、t ( Yi ) と t( u j ) はYi とuj を要素とする
列ベクトルである。Yi の具体的な内容は次のようにな
る。t ( Yi ) = t[T1,T2,T3,T4,X1,X2,X3,S,L,P1,P2,P3,
P4,P5,FL1,FL2,FL3,FL4] ここで、T1: 炉内温度(℃) T2: 副煙道温度(℃) T3: 主煙道温度(℃) T4: ガス混合室温度(℃) X1: 排ガス中のO2 濃度(%) X2: 排ガス中のCO濃度(ppm) X3: 排ガス中のNOx濃度(ppm) S: 蒸気発生量(ton/h ) L: ホッパレベル(m) P1,P2,P3,P4: No1,No2,No3,No4 火格子下圧力(mm
H2O) P5: 炉内圧力(mmH2O) FL1,FL2,FL3,FL4: No1,No2,No3,No4 燃焼空気量(Nm3/
h ) である。
【0043】また、uj の具体的な内容は次のようにな
る。t ( uj ) = t[V1,V2,F1,F2,F3,D1,D2,D3,D4,T,Hu,W] ここで、V1: 給塵速度(往復/ 分) V2: 燃焼火格子速度(往復/ 分) F1: 燃焼空気量(Nm3/h ) F2: 冷却空気量(Nm3/h ) F3: 水噴霧量(m3/h) D1,D2,D3,D4: No1,No2,No3,No4 火格子下ダンパ
(%) T: 燃焼空気温度(℃) Hu : ごみ質(kcal/kg) W: ごみ投入量(kg) である。
【0044】式(10)における伝達関数の各要素gijにつ
いては、2次遅れ要素、むだ時間要素exp(−s
ij)、ゲインkijから構成されており、次の式 (11)
のように表される。 gij=kijexp(−sLij)/(T1,ijs+1)(T2,ijs+1) (11) ここで、Lはむだ時間、T1 とT2 は1次遅れ時間、s
はラプラス演算子をそれぞれ表す。
【0045】式(10)、(11)から構成される燃焼モデル
は、設定された運転条件、運転員による操作量の変更、
自動燃焼制御装置による操作量uj の変更に応じて、実
炉と同じように炉内のごみと排ガスの燃焼挙動を表す変
数Yi を模擬する。
【0046】図1の燃焼モデル演算装置9で、この演算
方法を用いれば、その演算結果を運転結果表示手段5に
表示することができる。
【0047】(実施形態4)次に、本発明のごみ焼却炉
の運転訓練装置の燃焼モデルの別の例について説明す
る。まず、炉内のごみと排ガスの燃焼挙動を表現できる
燃焼モデルの自己回帰移動平均モデルは、以下に示す式
(12)である。 Y(k) =Σh=1 n A(h) Y(k-h) +Σh=1 m B(h) u(k-h+1) (12) ここで、Σh=1 n 、Σh=1 m は、hについての1から
n、mまでの総和を表す。また、nおよびmは、移動平
均の打切り個数である。
【0048】次に、A(h) およびB(h) は、燃焼モデル
パラメータaij(h) およびbij(h)をそれぞれの行列要
素とする 18 行 18 列および18行 12 列の行列である。
A(h) およびB(h) を式で表すと次のようになる。 A(h) = [aij(h)], B(h) = [bij(h)] また、Y(k) およびu(k) は、前述(式10)の各ベクト
ル要素Yi およびuj の時刻 kにおける値Yi (k) およ
びuj (k) と表せば、これらを要素とする列ベクトル t
[ Yi (k)]および t[ uj (k)]で表される。式(12)を、
行列、ベクトルの各要素で表すと次のようになる。 Yi (k) =Σh=1 n Σj=1 18 ij(h) Yj (k-h) +Σh=1 m Σj=1 12 ij(h) uj (k-h+1) (12')
【0049】また、Y(k) とu(k) の具体的な内容は次
のようになる。 Y(k) = t[T1(k),T2(k),T3(k),T4(k),X1(k),X2(k),X3(k),S(k),L(k), P1(k),P2(k),P3(k),P4(k),P5(k),FL1(k),FL2(k),FL3(k),FL4(k)] u(k) = t[V1(k),V2(k),F1(k),F2(k),F3(k),D1(k),D2(k),D3(k),D4(k), T(k),Hu(k),W(k)] ここで、 t[...] は列ベクトルを表す。
【0050】式(12)から構成される燃焼モデルは、設定
された運転条件、運転員による操作量の変更、自動燃焼
制御装置による操作量の変更に応じて、実炉と同じよう
に炉内のごみと排ガスの燃焼挙動を模擬する。
【0051】図1の燃焼モデル演算装置9では、式(12)
から構成される燃焼モデルによって、設定された運転条
件、運転員による操作量の変更、自動燃焼制御装置によ
る操作量の変更に応じて、実炉と同じように炉内のごみ
と排ガスの燃焼挙動を模擬し、その演算結果を運転結果
表示手段5に表示する。
【0052】
【実施例】図3は、運転条件の設定手段2により、操作
盤1に表示される画面の1例であり、運転条件の設定を
行うための画面を示す図である。ここでは、訓練を行う
運転員が、運転訓練開始前に画面内の「運転初期状態設
定」の中から必要な初期状態を設定する。また、「イベ
ント発生設定」の中からごみ質を「低く、高く」のどち
らかを設定し、さらに変動量を「大、中、小」の中から
選択し、ごみ質変動のイベントが開始される時間を設定
することができる。
【0053】図4は、運転訓練の各種の操作を行うため
の画面を示す図である。ここでは、運転条件の設定手段
2によって、運転条件を設定した後、手動運転操作等を
行う。さらに、その他の操作として、自動と手動運転操
作切り換え手段3、手動運転操作手段4、運転結果表示
手段5により、それぞれの操作をすることができる。
【0054】運転員が、図4に示した画面の左側に表示
された操作タグ、例えば「S-003 」を選択すると、画面
右端に自動と手動運転操作切り換え手段3と手動運転操
作手段4の操作を行うためのサブ画面が表示される。こ
のサブ画面において、「MAN」のボタンを選択すること
により、自動運転の状態「ACC 」から手動運転の状態
「MAN 」に切り換えることができる。このサブ画面が不
要であれば、「消去」のボタンを選択するとサブ画面が
消える。
【0055】また、運転結果表示手段5は、図4中央部
の模式図で表示されている。ここでは、現在の操作量、
炉内の各温度、圧力、排ガス中の各成分の濃度、蒸気発
生量、ホッパレベルなどの数値とそれぞれのタグ名(図
中、S-003 等「英字 -00数字」)が表示されている。な
お、数値は周期的に更新される。
【0056】図5は、これらの燃焼挙動を表す変数の時
間推移を示す図である。この図5も、図4に示した画面
の中の操作タグを指定すると表示できる。
【0057】図6は、訓練結果の評価を表示する画面を
示す図である。この画面は、運転訓練終了後、運転結果
評価手段6により表示され、各評価項目「蒸気発生量安
定度、NOx平均値、CO平均値、O2 平均値、灰中未
燃量」の数値が表示される。このとき、運転員の操作結
果とすべて自動運転で行った場合の結果の双方が表示さ
れるので、それらを比較することで、運転員の運転能力
を評価することができる。
【0058】図7は、訓練速度を設定する画面を示す図
である。この画面は、訓練速度設定手段7により表示さ
れ、画面中のレバー(■印)をマウス操作で上げれば、
現実の運転と同じ速度で訓練を進めることができる。ま
た、レバーを下げれば、現実の運転よりも速い速度で訓
練を行うことができる。
【0059】
【発明の効果】上記で説明したように、本発明によれ
ば、現実のごみ焼却炉を運転するのと同じ形態で訓練で
き、ごみ焼却炉の運転訓練および運転技術の熟練度を評
価するために必要な機能を備えた運転訓練装置であり、
運転訓練効果を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるごみ焼却炉の運転訓練装置の構
成を示す図である。
【図2】物質収支と熱収支に基づいて構成された燃焼モ
デルの構成を示すブロック図である。
【図3】運転条件の設定を行うための画面を示す図であ
る。
【図4】運転訓練の各種の操作を行うための画面を示す
図である。
【図5】これらの燃焼挙動を表す変数の時間推移を示す
図である。
【図6】訓練結果の評価を表示する画面を示す図であ
る。
【図7】訓練速度を設定する画面を示す図である。
【符号の説明】
1 操作盤 2 運転条件の設定手段 3 運転操作切り換え手段 4 手動運転操作手段 5 運転結果表示手段 6 運転結果評価手段 7 訓練速度設定手段 8 自動燃焼制御装置 9 燃焼モデル演算装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長屋 敬一 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 野上 祐一 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (56)参考文献 特開 平10−160142(JP,A) 特開 平8−94052(JP,A) 特開 平9−303741(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F23G 5/44

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ごみ焼却炉の運転訓練装置において、ご
    み焼却炉の燃焼挙動を模擬する燃焼モデル演算装置と、
    運転条件および運転結果を入出力するとともに、一部の
    操作量は自動燃焼制御装置で制御させつつ、手動運転状
    態の操作を行うこともできる操作盤とを備え、燃焼モデ
    ル演算装置ではごみの燃焼状況の演算および排ガスの挙
    動の演算を行うことによりごみ焼却炉の燃焼挙動の模擬
    を行い、操作盤では、運転条件の入力と前記模擬の結果
    に基づき運転結果の出力を行うことを特徴とするごみ焼
    却炉の運転訓練装置。
  2. 【請求項2】 操作盤が、運転条件の設定手段、運転操
    作切り換え手段、手動運転操作手段、又は訓練速度設定
    手段を有する運転条件の入力手段と、運転結果表示手段
    又は運転結果評価手段を有する運転結果の出力手段とを
    備えていることを特徴とする請求項1記載のごみ焼却炉
    の運転訓練装置。
  3. 【請求項3】 燃焼モデル演算装置が、演算の際、ごみ
    焼却炉を複数のブロックにより区分し、これらのブロッ
    クにおけるごみと排ガス中のガス成分とを変数とする熱
    収支の式と物質収支の式を用いて、炉内のごみと排ガス
    の燃焼挙動を算出することを特徴とする請求項1記載の
    ごみ焼却炉の運転訓練装置。
  4. 【請求項4】 燃焼モデル演算装置が、操作量から燃焼
    挙動を表す変数への伝達関数を用いて、炉内のごみと排
    ガスの燃焼挙動を算出することを特徴とする請求項1記
    載のごみ焼却炉の運転訓練装置。
  5. 【請求項5】 燃焼モデル演算装置が、操作量と燃焼挙
    動を表す変数に関する自己回帰移動平均混合モデルを用
    いて、炉内のごみと排ガスの燃焼挙動を算出することを
    特徴とする請求項1記載のごみ焼却炉の運転訓練装置。
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