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JP3298492B2 - 溶融金属メッキ用ロール軸受け - Google Patents

溶融金属メッキ用ロール軸受け

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JP3298492B2
JP3298492B2 JP05673798A JP5673798A JP3298492B2 JP 3298492 B2 JP3298492 B2 JP 3298492B2 JP 05673798 A JP05673798 A JP 05673798A JP 5673798 A JP5673798 A JP 5673798A JP 3298492 B2 JP3298492 B2 JP 3298492B2
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浩明 西尾
信之 石田
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  • Rolls And Other Rotary Bodies (AREA)
  • Coating With Molten Metal (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、鋼板を亜鉛、ア
ルミニウム等の溶融金属に浸漬してメッキを施す連続溶
融金属メッキのメッキ浴中で使用されるロール軸受けに
関する。
【0002】
【従来の技術】連続溶融金属メッキ装置の構成を図1に
示す。この装置は、加熱炉(図示せず)で加熱焼鈍され
た鋼板1を、溶融金属槽2に導き、鋼板1へ溶融金属3
をメッキし、シンクロール4およびサポートロール5を
介して、引き上げ、連続的に金属メッキ鋼板6を得るも
のである。シンクロール4の構造を図2に示す。シンク
ロール軸受け7の回転側部材10は、ロール軸またはロー
ル軸に嵌合された円筒スリーブである。固定側部材11は
平板または半割の円筒形状をしており、鋼製リテーナー
12により保持されている。半割円筒形状の固定側部材11
の構造例を図3に示す。サポートロール軸受け8の構造
例を図4に示す。回転側部材10は、ロール軸またはロー
ル軸に嵌合された円筒スリーブである。固定側部材11は
半割円筒形状をしており、鋼製リテーナー12により保持
されている。シンクロール4は鋼板1の移動を動力とし
て回転する。サポートロール5の回転は鋼板1の移動を
動力とする場合と専用のモーターを動力とする場合があ
る。
【0003】以上の浴中ロールの軸受けの回転側部材10
および固定側部材11には、ステンレス鋼、高クロム鋼、
ステライト、超硬合金等、溶融金属に対する耐食性に優
れた材料がすべり部に用いられている。固定側部材は回
転側部材と局部ですべり接触するため、その摩耗量は回
転側部材より多い。摩耗が進行して固定側部材と回転側
部材の間にガタが生ずると、ロールが振動して鋼板のメ
ッキ特性を著しく損なうこととなる。このため、10〜20
日運転すると、軸受け部材が寿命に達し、ロールに異常
がなくても、生産を停止し、溶融金属メッキ浴中に浸漬
されている部品全体を交換しなければならず、操業上の
損失はきわめて大きい。
【0004】ステンレス鋼、高クロム鋼、ステライト、
超硬合金等の比較的耐食性に優れた金属でも溶融金属に
よる腐食を皆無にすることは難しく、機械的摩耗と並行
して腐食摩耗が生じ摩耗量を増加させる。すなわち、腐
食がある程度進行すると摺動面に腐食ピットが生じ、こ
れが摩擦を増大させ摩耗を加速するのである。したがっ
て、溶融金属メッキ浴中におけるロール軸受けは、高耐
食性、低摩耗であることが要求される。すなわち、固定
側部材と回転側部材には、耐食性に優れた材料を選択し
て、摩擦係数が小さくなるような材料を組み合わせるこ
とが重要である。
【0005】溶融金属メッキ浴中で使用されるロール軸
受けの寿命延長を図るために、実開昭55-142571 号公報
では、WC 50wt%またはTiC 50wt%以上の組成を有す
る超硬合金を組み込んだ軸および軸受けを有する溶融金
属メッキ用ロールを、特開平1-316443号公報では、金属
製軸受けシェル表面にセラミック焼結体が装着されてい
るロール軸受けを提案している。特開平5-44002 号公報
では、固定側部材をセラミックス、回転側部材をサーメ
ットとしたロール軸受けを提案し、セラミックスとし
て、アルミナ、窒化ケイ素またはサイアロンを、サーメ
ットとして高硬度の炭化物を含む耐食合金を挙げてい
る。特開平5-222499号公報では、固定側部材および回転
側部材の一方がセラミック焼結体で他方が固体潤滑性材
料の組み合わせからなるロール軸受けを提案し、セラミ
ックスとして、アルミナ、ジルコニア、炭化ケイ素、窒
化ケイ素、サイアロン等の硬質セラミックスを挙げ、固
体潤滑性材料として、黒鉛、窒化ホウ素、2硫化モリブ
デン、2硫化タングステンを含むセラミックスを挙げて
いる。メッキ浴中には硬質異物が浮遊している。これが
固定側部材と回転側部材の間に入り込んで、すべり面を
傷めると摩擦が増大し、摩耗が増加する現象がある。こ
のため、黒鉛、窒化ホウ素は優れた潤滑性材料である
が、硬度、強度が低いので、このような異物の噛み込み
により削られ低摩耗は達成されない。
【0006】日本セラミックス協会学術論文誌、vol.10
5,No2(1997)、p136〜140 は、固定側部材を TiB 2 -SiA
lON の材料とし、回転側部材をSiAlONとして、亜鉛浴
中で摩擦係数を測定し、TiB 2 の配合が増すにつれて摩
擦係数が低下し、80wt%で約0.1 の極めて低い値になる
ことを見出した。しかし、一方で、このTiB 2 -SiAlON
ではTiB 2 の配合を増すと材料の強度が低下すること、
60wt%を越えると硬度も低下することが指摘されてい
る。
【0007】以上より、溶融金属メッキ浴中で使用され
るロールの滑り軸受けの固定側部材に、溶融金属中での
耐食性の良好な硬質セラミック焼結体のいずれかを適用
すれば、固定側部材が平滑に保たれ、固体側部材と回転
側部材双方の摩耗が減少して軸受けの寿命を延長するこ
とができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】図3、図4に示すよう
に、滑り軸受けの固定側部材11に硬質セラミック焼結体
を適用する場合、鋼製のリテーナー12で該セラミック焼
結体の固定側部材11を支持するのが一般的である。この
場合、固定側部材11とリテーナー12の隙間に溶融金属が
侵入する。侵入した溶融金属はリテーナー12と接触して
徐々にFe-Al あるいはFe-Al-Znの金属間化合物を生成
し、固定側部材11を背面から押し上げ、セラミック焼結
体を破損に至らしめる。この現象がロール軸受けの寿命
を決めることとなる。
【0009】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、背面で金属間化合物が発生せず、固定側部材にかか
る応力を緩和し、破断の虞がなく、摩耗しがたい硬質セ
ラミック焼結体として、軸受けの寿命を長くし、連続溶
融金属めっきの無修正長期運転が可能な溶融金属めっき
用ロール軸受けを提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、 (1) 溶融金属メッキ浴中で使用されるロール軸受け
において、硬質セラミック焼結体を備えた固定側部材
と、該焼結体を背面から、窒化ホウ素塗布層を介して支
持する鋼製リテーナーとを備えたことを特徴とする溶融
金属メッキ用ロール軸受け。
【0011】(2) 溶融金属メッキ浴中で使用される
ロール軸受けにおいて、硬質セラミック焼結体を備えた
固定側部材と、該焼結体を背面より、窒化ホウ素塗布層
を介して支持するWC-Co 溶射を施した鋼製リテーナーと
を備えたことを特徴とする溶融金属メッキ用ロール軸受
け。
【0012】(3) 硬質セラミック焼結体がTiB 2
ZrB 2 、AlN 、Si3 N 4 、TiN 、ZrN 、B 4 C 、SiC 、
TiC 、Al2 O 3 、Si0 2 、ZrO 2 、AlON、SiAlON、TiCN
の群から選ばれた一または複数のセラミックスを90wt%
以上含むことを特徴とする(1)または(2)に記載の
溶融金属メッキ用ロール軸受け。
【0013】(4) 窒化ホウ素塗布層がBNを50wt%以
上含むセラミックスで構成されることを特徴とする
(1)または(2)に記載の溶融金属メッキ用ロール軸
受けである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。固
定部材側の硬質セラミック焼結体は、まずZn、Al等の溶
融金属とメッキ浴温度で反応しないことが要求される。
例えば、SiO 2 はAlを含むメッキ浴では740℃以下で使
用されなければならない。これは、740 ℃を越えると、
SiO 2 がAlによって還元されてAl2 O 3 が生成し、ドロ
スを形成するからである。硬度はビッカース硬度で1000
kg/mm 2 以上あることが望ましい。1000kg/mm 2 未満で
はメッキ浴中に浮遊するドロスが軸受けすべり接触部に
噛み込まれたときに固定側部材に傷が発生してすべり摩
擦が大きくなるからである。このためには、材料の理論
密度比(理論密度に対する比率)は高い方が好ましく、
90% 以上とすることが望ましい。このような条件を満た
す材料として、TiB 2 、ZrB 2 、AlN 、Si3 N 4、TiN
、ZrN 、B 4 C 、SiC 、TiC 、Al2 O 3 、SiO 2 、Zr0
2 、AlON、SiAlON、TiCNが挙げられ、これらのなかか
ら選ばれた一または複数のセラミックスを90wt%以上含
むことが望ましい。ここで、AlON、SiAlON、TiCNはそれ
ぞれ固溶体の総称を意味し、AlONはAlとO とN の固溶
体、SiAlONはSiとAlとO とN の固溶体を、TiCNはTiとC
とN の固溶体を意味する。前記セラミックス群のなかか
ら、例えば、TiB2-TiC、TiB 2 -TiN、TiB 2 -B4 C 、Al
N-ZrO 2 、AlN-Al2 O 3 、SiC-Al2 O 3 、Al2O3 -ZrO2
、等の組み合わせが適用できる。3Al 2 O 3 ・2SiO
2 、ZrO 2 ・SiO 2 等の複合酸化物を形成してもよい。
10wt%未満であれば、前記セラミックス群に含まれない
材料を含まれる材料に加えてもよい。このような材料と
して、CaO 、MgO 、Cr2 O 3 、TiO 2 、Y 2 O 3 等の酸
化物、CrB 、CrB 2 等のホウ化物、Cr3 C 2 等の炭化
物、Cr2 N 等の窒化物、Mo、W 、Co等の金属が挙げられ
る。また、Al2 O 3 ・TiO 2 、Al2 O 3 ・2TiO2 、MgO
・Al2 O 3 、MgO ・Cr2 O 3 等の複合酸化物を形成して
もよい。
【0015】鋼製リテーナーの材料として各種のステン
レス鋼、耐熱鋼、耐熱鋳鋼が適用できる。例えば、SUS3
16L である。これらの材料は機械的特性が安定しており
大破することはなく信頼性が高いが、Zn、Al等のメッキ
浴と反応して表面から損耗する。また、ドロスを生成
し、製品欠陥を引き起こす。そこで、ステライトの肉盛
り溶接、Co基自溶性合金の溶射、WC-Co の溶射等を施し
て反応を抑制する。これは、例えば、特公平2-55502 号
公報に開示されたCo5 〜28wt%を含むWC-Co 系サーメッ
ト材料による気孔率1.8 %以下の溶射被覆層を適用する
ことができる。ただし、このような対策は、耐用性向上
に効果は認められるものの、万全ではない。被覆層に含
まれるCoはメッキ浴に溶出する。このため、Coの溶出に
より生じた気孔を通じて溶融金属が本体材料と接触す
る。結局、Fe-Al 、Fe-Al-Zn等の金属間化合物の生成は
避けられない。このような金属間化合物の生成が前記硬
質セラミック焼結体の背面で起きセラミック焼結体の破
損を引き起こすこととなる。
【0016】本発明者等は硬質セラミック焼結体背面と
鋼製リテーナーの支持面との間に窒化ホウ素塗布層を配
することにより背面における金属間化合物の生成を防止
できることを見出し本発明を完成するに到った。ここ
で、窒化ホウ素塗布層はBN含有スラリーを塗布乾燥し、
使用温度までの加熱過程で揮発分が除かれて残留した層
を意味する。該層に含まれるBNは50wt%以上であること
が望ましい。該層がBNを50wt%以上含むと、Zn、Al等の
溶融金属は該層と濡れず、該層内への侵入を阻止され、
鋼製リテーナー支持面で金属間化合物を生成することは
ない。50wt%未満では、この効果が不十分となる。BN以
外に、50wt%未満であれば特に制約はないが、Li2 O 、
Na2 O 、K 2 O 、MgO 、CaO 、SiO 2 、Al2 O 3 、ZrO
2 等の酸化物、C を含んでもよい。 Li 2 O 、Na2 O 、
K 2 O 、MgO 、CaO 等の水溶液、水ガラス、エチルシリ
ケート等のSiO 2生成バインダー、ベーマイトゾル等の
Al2O 3 生成バインダー、フラン樹脂、フェノール樹脂
等のC 生成バインダー等のBNを分散して塗布液を構成で
きる。液は水系であっても非水系であってもよい。
【0017】窒化ホウ素塗布層は鋼製リテーナー側に塗
布してこれに密着した膜とすることが好ましい。鋼製リ
テーナーにWC-Co 溶射を施してその上に塗布すればなお
よい。硬質セラミック焼結体とリテーナーに施した窒化
ホウ素塗布層の間隔に溶射金属が侵入し、窒化ホウ素塗
布層に発生するかもしれない亀裂を通って下地と接触す
る恐れがある。そこで、さらに好ましいのは、硬質セラ
ミック焼結体の側にも塗布することである。こうするこ
とにより万全となる。窒化ホウ素塗布層は軟らかく変形
し易いので、硬質セラミック焼結体の歪みに応じて変形
し過大な応力の発生を防止する。このため、窒化ホウ素
塗布層を施すことにより、硬質セラミック焼結体の破損
を防止できる利点もある。
【0018】窒化ホウ素塗布層の厚さは0.1 〜3mm が好
ましい。0.1mm 未満では擦過等により損傷し易いので好
ましくない。3mm を越えると、固定側部材とリテーナー
との間隔が大き過ぎて固定側部材のがたつきを引き起こ
すので好ましくない。
【0019】
【実施例】(実施例1)図5はシンクロールの軸受けの
実施例である。硬質セラミック焼結体からなる固定側部
材11と鋼製リテーナー12との接触面全体について双方に
厚さ0.5mm の窒化ホウ素層を形成後、組み立てて厚さ1m
m の窒化ホウ素層13を形成した。
【0020】すなわち、図5の断面概寸140mm ×260mm
、長さ180mm の鋼製リテーナー12を材質SUS316L で製
作し、全面、厚さ0.1mm でWC-12wt %Coを溶射した。一
方、図5に示す半円状の固定側部材11(内径140mm 、
外径200mm 、長さ140mm )を80wt%TiB2、20wt%B4C 、
理論密度比100 %の材料で製作した。
【0021】鋼製リテーナー12と固定側部材11の接触
面の双方に別々に、水系の塗布剤を適用して、塗布と乾
燥を繰り返し、58wt%BN、19wt%Li2 O 、23wt%SiO 2
の組成の窒化ホウ素塗布層を形成した。該塗布層同士を
押しつけながら、図5のように組み込んだ。こうして厚
さ約1mm の窒化ホウ素塗布層13が出来上がった。
【0022】連続溶融亜鉛メッキ装置のシンクロール軸
受けにこのすべり軸受けを適用した。稼働側部材は、SU
S316L にステライト合金を3mm の厚さで肉盛り溶接し
た。本軸受けを、延べ200 日間、破損することなく使用
できた。固定側部材の最大摩耗量は0.4mm であった。
【0023】(実施例2)図6はサポートロールの軸受
けの実施例である。硬質セラミック焼結体からなる固定
側部材11と鋼製リテーナー12との接触面全体について双
方に厚さ0.5mm の窒化ホウ素層を形成後、組み立てて厚
さ1mm の窒化ホウ素層13を形成した。
【0024】すなわち、図6の外径170mm 、最内径120m
m 、長さ120mm の鋼製リテーナー12を材質SUS316L で製
作し、全面、厚さ0.1mm でWC-12wt %Coを溶射した。一
方、図6に示す半円状の固定側部材11(内径120mm 、
外径148mm 、長さ80mm)を80wt%TiB2、20wt%TiC 、理
論密度比100 %の材料で製作した。
【0025】鋼製リテーナー12と固定側部材11の接触
面の双方に別々に、水系の塗布剤を適用して、塗布と乾
燥を繰り返し、80wt%BN、20wt%SiO 2 の組成の窒化ホ
ウ素塗布層を形成した。該塗布層同士を押しつけなが
ら、図5のように組み込んだ。こうして厚さ約1mm の窒
化ホウ素塗布層13が出来上がった。
【0026】連続溶融亜鉛メッキ装置のサポートロール
の軸受けにこのすべり軸受けを適用した。稼働側部材
は、SUS316L にステライト合金を3mm の厚さで肉盛り溶
接した。本軸受けを、延べ200 日間、回転が停止するこ
となく使用できた。固定側部材の最大摩耗力は0.8mm で
あった。
【0027】(比較例1)サポートロールの軸受けの実
施例である。図4の外径170mm 、最内径120mm 、長さ12
0mm の鋼製リテーナー12を材質SUS316L で製作し、全
面、厚さ0.1mm でWC-12wt %Coを溶射した。一方、図4
に示す半円状の固定側部材11(内径120mm、外径
148mm 、長さ80mm)を80wt%TiB2、20wt%TiC 、
理論密度比100 %の材料で製作した。
【0028】連続溶融亜鉛メッキ装置のサポートロール
の軸受けにこのすべり軸受けを適用した。稼働側部材
は、SUS316L にステライト合金を3mm の厚さで肉盛り溶
接した。本軸受けを使用したところ、延べ12日間、回転
が停止することなく使用できたがその後回転不能となっ
た。調べたところ、固定側部材11が中央部で長さ方向に
破断していた。破断の原因は背面に生成した金属間化合
物が固定側部材を局部的に押し上げたためと判明した。
なお、固定側部材の摩耗は見られなかった。
【0029】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、硬質
セラミック焼結体からなる固定側部材の背面に窒化ホウ
素塗布層を配したことにより、背面で金属間化合物が発
生せず、また固定側部材にかかる応力が緩和され、破断
の恐れがないので、摩耗し難い硬質セラミック焼結体の
特徴が発揮され、したがって、軸受けの寿命が長くな
り、連続溶融金属メッキの無補修長期運転が可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】連続溶融金属メッキ装置の構成を示す図。
【図2】シンクロールの構造を示す図。
【図3】シンクロール軸受けの構造例を示す図。
【図4】サポートロール軸受けの構造例を示す図。
【図5】本発明の一実施例にかかるシンクロール軸受け
の構造例を示す図。
【図6】本発明の一実施例にかかるサポートロール軸受
けの構造例を示す図。
【符号の説明】
1......鋼板 、2......溶融金属槽 、3......溶融
金属 、4......シンクロール、5......サポートロー
ル、6......金属めっき鋼板、7......シンクロール軸
受け、8......サポートロール軸受け、10......回転
側部材、11......固定側部材、12......リテーナ
ー、13......窒化ホウ素層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−138721(JP,A) 特開 平7−18395(JP,A) 特開 平4−124254(JP,A) 実開 平5−69155(JP,U) 実開 昭63−73349(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 2/00 F16C 13/02

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融金属メッキ浴中で使用されるロール
    軸受けにおいて、硬質セラミック焼結体を備えた固定側
    部材と、該焼結体を背面から、窒化ホウ素塗布層を介し
    て支持する鋼製リテーナーとを備えたことを特徴とする
    溶融金属メッキ用ロール軸受け。
  2. 【請求項2】 溶融金属メッキ浴中で使用されるロール
    軸受けにおいて、硬質セラミック焼結体を備えた固定側
    部材と、該焼結体を背面より、窒化ホウ素塗布層を介し
    て支持するWC-Co 溶射を施した鋼製リテーナーとを備え
    たことを特徴とする溶融金属メッキ用ロール軸受け。
  3. 【請求項3】 硬質セラミック焼結体がTiB 2 、ZrB
    2 、AlN 、Si3 N 4 、TiN 、ZrN 、B 4 C 、SiC 、TiC
    、Al2 O 3 、Si0 2 、ZrO 2 、AlON、SiAlON、TiCNの
    群から選ばれた一または複数のセラミックスを90wt%以
    上含むことを特徴とする請求項1または2に記載の溶融
    金属メッキ用ロール軸受け。
  4. 【請求項4】 窒化ホウ素塗布層がBNを50wt%以上含む
    セラミックスで構成されることを特徴とする請求項1ま
    たは2に記載の溶融金属メッキ用ロール軸受け。
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