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JP3290775B2 - 自動クラッチの制御装置 - Google Patents

自動クラッチの制御装置

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JP3290775B2
JP3290775B2 JP21964993A JP21964993A JP3290775B2 JP 3290775 B2 JP3290775 B2 JP 3290775B2 JP 21964993 A JP21964993 A JP 21964993A JP 21964993 A JP21964993 A JP 21964993A JP 3290775 B2 JP3290775 B2 JP 3290775B2
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浩 田中
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Subaru Corp
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Fuji Jukogyo KK
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  • Hydraulic Clutches, Magnetic Clutches, Fluid Clutches, And Fluid Joints (AREA)
  • Control Of Transmission Device (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車等の車両でエン
ジンの動力を自動的に接断する自動クラッチの制御装置
に関し、詳しくは、クラッチ温度の算出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、車両の駆動系においては、エンジ
ンの動力を接断するクラッチに、電磁クラッチまたはそ
れ以外の種々の方式の自動クラッチを採用して、クラッ
チ操作を不要にしつつエンジン動力を自動的に接断する
ものが出現している。この自動クラッチは、例えば発進
時に基本的にエンジン回転数に応じたクラッチ電流を供
給して、スリップしながら滑らかに接続するように制御
される。このため発進時にはスリップ制御により発熱し
て過熱し易いことから、クラッチ温度を推定して過熱に
よる焼損を防止する対策が施されている。
【0003】ここで例えば自動クラッチに無段変速機を
組合わせた車両において、無段変速機がオーバドライブ
にスティックしてこのオーバドライブ状態で発進するよ
うな場合は、エンジンのストール状態が長く継続する。
このため自動クラッチは、スリップ状態が長時間継続し
て発熱量が増大し、過熱による焼損を招くおそれがあ
る。従って、自動クラッチでは、変速機の異常に伴う過
熱の場合も適切に焼損防止することが要求される。
【0004】従来、上記自動クラッチのクラッチ温度算
出に関しては、例えば特開昭58−163831号公報
の先行技術があり、クラッチの端子間電圧と電流とによ
りコイル抵抗値を算出し、このコイル抵抗値と銅の温度
係数からクラッチ温度を算出する方法(抵抗法)が示さ
れている。また特開昭57−140923号公報では、
クラッチのドライブ側回転数(エンジン回転数)と、
ックアップにより検出されたドリブン側回転数とにより
スリップ回転数を算出し、このスリップ回転数、クラッ
チトルクにより発熱量を求め、発熱量と所定の放熱量と
のバランスからクラッチ温度を算出する方法(スリップ
量法)が示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記先行技
術の前者の抵抗法にあっては、スリップリング部の電圧
降下のバラツキによりクラッチ温度の算出値に誤差を生
じる。また発進モード以外の直結モードのような安定し
た高クラッチ電流域でないと、高い精度が保てない等の
問題がある。先行技術の後者のスリップ量法では、抵抗
法の不具合を解消できるが、以下のような不具合があ
る。即ち、クラッチのドリブン側回転数をピックアップ
により直接検出しているので、発進時のスリップ回転数
がほぼ正確に算出されてクラッチの発熱量を検知するこ
とができるものの、ドリブン側回転数を車速により推定
するようになっている無段変速機をこのような自動クラ
ッチに組み合わせた車両において、無段変速機がオーバ
ドライブにスティックしてこのオーバドライブ状態で発
進するような場合は、発進時用に予め設定されている変
速比とスティックしている無段変速機の実際の変速比
が異なるためスリップ回転数の値が実際と大きく異なっ
て算出される。このためクラッチ温度の値も実際より低
く算出され、この結果適切に焼損防止できないことがあ
る。
【0006】本発明は、このような点に鑑み、スリップ
量法のクラッチ温度算出方式において、変速機の変速異
常時にもクラッチ温度を正確に算出して、焼損防止する
ことを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
本発明は、エンジンと自動変速機との間に設けられた自
動クラッチのドライブ側回転数とドリブン側回転数とか
ら前記自動クラッチのスリップ回転数を算出し、該スリ
ップ回転数からクラッチ温度を推定し過熱状態を出力す
る自動クラッチの制御装置において、クラッチ接続状態
であって、最小変速比側で車速低下している際のエンジ
ン回転数が、ダウンシフト開始車速のエンジン回転数以
下の回転数となった場合は、前記自動変速機の変速がス
ティックした異常と判定するスティック判定手段と、前
記スティック判定手段からの判定結果に基づいて、前記
自動変速機がスティックした状態で車両発進する際の前
記自動クラッチのドリブン側回転数をスティック状態の
変速比と車速とにより算出し、このドリブン側回転数と
前記自動クラッチのドライブ側回転数とから前記自動ク
ラッチのスリップ回転数を算出するスリップ回転数算出
手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
【作用】上記構成による本発明では、スティック判定手
段が、変速機の変速の異常を判断して、スリップ回転数
算出手段が、異常時自動クラッチのクラッチドリブン
側回転数算出する。すなわち、変速機が高速段側にス
ティックした異常時における車両発進時には、スティッ
状態の変速比と車速とによりクラッチドリブン側回転
数が正確に算出される。そしてクラッチのドライブ側回
転数と算出されたドリブン側回転数によりスリップ回
転数を算出し、このスリップ回転数と発進時のクラッチ
トルクに基づいてクラッチ温度を算出することで、こ
の変速機の変速異常時にもスリップ量法でクラッチ温度
が正確に算出される。このため変速機のスティックした
高速段で発進して自動クラッチが過熱し易い場合に、そ
の過熱を適確に判断して自動クラッチの焼損が確実に防
止される。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図2において、自動クラッチとして電磁粉式クラ
ッチを用い、この電磁粉式クラッチにベルト式無段変速
機を組合わせた駆動系の全体構成について説明する。エ
ンジン1は、電磁粉式クラッチ2、前後進切換装置3を
介して無段変速機4に連結し、無段変速機4から1組の
リダクションギヤ5、出力軸6、ディファレンシャル装
置7及び車軸8を介して駆動輪9に伝動構成される。
【0010】電磁粉式クラッチ2は、エンジン1のクラ
ンク軸10に直結するドライブメンバ2aと、クラッチ
コイル2cを内蔵して入力軸11に直結するドリブンメ
ンバ2bとを有する。そしてクラッチ制御ユニット40
によるクラッチ電流Icがクラッチコイル2cに供給さ
れると、磁気作用で両メンバ2a,2bのギャップに電
磁粉を鎖状に結合して集積し、この結合力でクラッチト
ルクを可変制御して自動的に接断する
【0011】前後進切換装置3は、入力軸11とプライ
マリ軸12との間にギヤとハブやスリーブにより同期噛
合式に構成される。そして入力軸11をプライマリ軸1
2に直結する前進位置、入力軸11の回転方向を逆転し
てプライマリ軸12に伝達する後退位置及び両軸11,
12を切断する中立位置を有する。
【0012】無段変速機4は、プライマリ軸12とそれ
に平行配置されたセカンダリ軸13とを有し、プライマ
リ軸12にプライマリシリンダ14aを備えたプーリ間
隔可変のプライマリプーリ14が設けられる。セカンダ
リ軸13には同様のセカンダリシリンダ15aを備えた
セカンダリプーリ15が設けられ、両プーリ14,15
に駆動ベルト16が巻付けられる。またエンジン1によ
り常に駆動するオイルポンプ20を有し、このオイルポ
ンプ20が油圧制御装置30を介してセカンダリシリン
ダ15aとプライマリシリンダ14aとに回路構成され
る。
【0013】油圧制御装置30は、プライマリプーリ1
2に設けられてそのプーリ回転数に応じたピトー圧Pt
を検出するピトー圧センサ21、変速比iを機械的に検
出するセンサシュー22を有する。そしてピトー圧Pt
が油路25によりライン圧調整弁31の一方に導かれ、
その他方にはセンサシュー22の変速比iに応じたスプ
リング力が対向して作用し、オイルポンプ20の吐出圧
を調圧してライン圧Psを発生し、且つそのライン圧P
sを伝達トルクとしての変速比iに応じて制御する。こ
のライン圧Psは油路26により常にセカンダリシリン
ダ15aに導入して、伝達トルクに応じたプーリ押付力
を付与する。
【0014】またピトー圧Ptは変速比制御弁32の一
方に導かれ、その他方にはアクセルペダル23のスロッ
トル開度に応じたスプリング力が対向して作用し、両者
がバランスするように油路27を介しプライマリシリン
ダ14aに給排油してプライマリ圧Ppを変化し、この
プライマリ圧Ppにより駆動ベルト16の両プーリ1
4,15に対する巻付け径の比率を変えて無段階に変速
制御する。更に、ライン圧調整弁31のドレン側の作動
圧が油路28によりエンジンブレーキ弁33に導かれ、
セレクトレバー24でエンジンブレーキ用のDsレンジ
にセレクトすると、変速比制御弁32のスプリング力を
強制的に増大して、変速域をエンジン回転数の高い低速
段側に制限するように構成されている。
【0015】図1において、電磁粉式クラッチ2の電子
制御系について説明する。先ず、エンジン1のイグニッ
ションパルス等によりエンジン回転数Neを検出するエ
ンジン回転数センサ35、車速パルスにより車速Vを検
出する車速センサ36、P,R,N,D,Dsの各レン
ジを検出するレンジスイッチ38、アクセルの操作状態
を検出するアクセルスイッチ34とアクセル開度スイッ
チ37、ブレーキ操作を検出するブレーキスイッチ39
を有する。これらセンサ、スイッチの信号はクラッチ制
御ユニット40に入力し、マイコン等を使用してソフト
的に処理される。
【0016】クラッチ制御ユニット40は、上述のセン
サ、スイッチの信号が入力するクラッチ制御部41とク
ラッチ過熱判定部61とを有する。クラッチ制御部41
は、P〜Dsのレンジ信号が入力する逆励磁モード判定
部42を有し、P、Nレンジの場合に逆励磁モード判定
すると、出力判定部44により逆向きの微少電流を電磁
粉式クラッチ2に供給し、残留磁気を除いて完全に解放
する。この逆励磁モード判定以外のR,D,Dsのレン
ジ信号やブレーキ操作の信号、アクセルスイッチ信号、
アクセル開度スイッチ信号、車速V、エンジン回転数N
eは通電モード判定部43に入力し、各運転、走行状態
を判断して発進モード電流設定部45、零モード電流設
定部46、ドラッグモード電流設定部47及び直結モー
ド電流設定部48を選択する。
【0017】発進モード電流設定部45は、発進時に例
えばエンジン回転数Neとの関数でクラッチ電流を滑ら
かに設定する。零モード電流設定部46は、R,D,D
sの走行レンジにおいてアクセル開放の設定車速V2以
下の場合に零電流に設定し、クラッチ切断してエンスト
を防止する。ドラッグモード電流設定部47は、同一条
件で更に低い設定車速V1以下の場合に微少のドラッグ
電流を定め、駆動系にドラッグトルクを与えてギヤのガ
タ詰め等を行う。直結モード電流設定部48は、走行レ
ンジにおいて車速Vとアクセルスイッチ、アクセル開度
スイッチの関係により直結電流を定めて、クラッチ接続
状態に保持する。そして各電流設定部45〜48を出力
判定部44で通電モード判定信号により選択し、各モー
ドのクラッチ電流Icを電磁粉式クラッチ2に出力して
クラッチ制御するように構成される。
【0018】更に、クラッチ温度を算出して焼損防止す
る対策について説明する。先ず、クラッチ過熱判定部6
1は、エンジン回転数Ne、車速V、直結モード信号が
入力するODスティック判定部50を有し、無段変速機
4の変速制御が正常か、またはオーバドライブ(OD)
にスティックした異常かを判断する。ここで無段変速機
4の変速パターンは、エンジン回転数Neと車速Vの関
係で図3のように設定される。
【0019】即ち、最大変速比iLowとオーバドライ
ブの最小変速比iODとの間に、スロットル全閉の場合
のアイドル回転数より少し高い回転数Nminの最低変
速ラインLmin、スロットル全開の場合のプライマリ
回転数Npが最も高い最高変速ラインLmaxがあり、
これらLminとLmaxの間にスロットル開度に応じ
た任意の変速ラインLnが設定される。そして運転走行
状態によりこれら最低変速ラインLmin、最高変速ラ
インLmaxまたは両者の間の任意の変速ラインLnに
沿い、iLowからiODへ変速比を減少するようにア
ップシフトしつつ車速Vを上昇し、または逆にiODか
らiLowへ変速比を増すようにダウンシフトしつつ車
速Vを低下するように変速制御される。
【0020】従って、直結モードで確実にクラッチ係合
して走行する状態で無段変速機4が正常な場合は、常に
エンジン回転数Neが最低変速ラインLminの回転数
Nminより高くなる。一方、無段変速機4がオーバド
ライブにスティックした異常時は、減速時に設定車速V
3のダウンシフト開始点以降も、一点鎖線のように最小
変速比iODで車速低下し、このときエンジン回転数N
eが最低変速ラインLminの回転数Nmin以下に低
下する。このため直結モードでの設定車速V3以下の領
域においてエンジン回転数Neの状態を検出すること
で、無段変速機4の異常を判断できる。そこで上述の条
件でエンジン回転数Neと最低変速ラインLminの回
転数Nminとを比較し、Ne≧Nminの場合は正常
を、Ne<Nminの場合はODスティックの異常を判
断する。
【0021】無段変速機4の変速制御の正常または異常
の信号、エンジン回転数Ne及び車速Vはスリップ回転
数算出部51に入力して、スリップ回転数Ntを算出す
る。ここでスリップ回転数Ntは、クラッチドライブ側
回転数のエンジン回転数Neから、ドリブン側回転数の
プライマリ回転数Npを減算して算出される。またプラ
イマリ回転数Npは、車速Vとしてセカンダリ回転数N
sを用いると、セカンダリ回転数Nsに変速比iを乗算
して算出される。
【0022】そこで無段変速機4の変速制御が正常な場
合の発進時には、変速比iが最大変速比iLowに戻っ
ているので、この最大変速比iLowを用いてプライマ
リ回転数Npを算出する。また無段変速機4がオーバド
ライブにスティックした異常時では変速比iが最小変速
比iODであるから、この最小変速比iODを用いるこ
とでプライマリ回転数Npを正確に算出する。そして無
段変速機4の変速制御の正常または異常の場合に、いず
れか一方のプライマリ回転数Npを選択することで、ス
リップ回転数Ntを共に正確に推定する。
【0023】このスリップ回転数Ntと発進モードのク
ラッチ電流Icはクラッチ温度算出部52に入力し、ス
リップ回転数Ntと発進制御のクラッチ電流Icとの関
数でクラッチ発熱量を求める。そして発熱量と予め設定
される放熱量とのバランスからクラッチ温度Tcを算出
し、クラッチ温度Tcにより過熱を判断すると、アラー
ム53で警報を発生するように構成される。
【0024】次に、この実施例の作用について説明す
る。先ず、エンジン1を運転してPまたはNレンジで停
車する場合は、前後進切換装置3が中立位置になって駆
動系が遮断される。またクラッチ制御部41の逆励磁モ
ード判定部42により電磁粉式クラッチ2に逆向きのク
ラッチ電流Icが流れてクラッチ切断し、このときコイ
ル等の残留磁気が除去される。一方、無段変速機4が正
常に変速制御される場合は、変速比制御弁32によりプ
ライマリシリンダ14aがドレンして最大変速比iLo
wに戻っている。
【0025】そこで発進時に、例えばDレンジをセレク
トすると、前後進切換装置3が前進位置になって入力軸
11とプライマリ軸12とが直結する。またクラッチ制
御部41ではドラッグモード電流設定部47で微小電流
が流れて、駆動系のギヤのガタ詰めが行われる。そこで
アクセルを踏込むと、発進モード電流設定部42により
エンジン回転数Neの上昇に応じたクラッチ電流Icが
流れて、電磁粉式クラッチ2がスリップしながら滑らか
に接続する。このためエンジン1の動力が徐々に電磁粉
式クラッチ2、前後進切換装置3を介して無段変速機4
に入力し、最大変速比iLowの変速動力が駆動輪9に
伝達して車両が走り始める。そして車速Vが設定車速に
達すると、直結モード電流設定部48により電磁粉式ク
ラッチ2に直結電流が流れて、電磁粉式クラッチ2は完
全に接続した保持される。
【0026】こうしてクラッチ接続により車両走行する
場合において、車速Vが上昇すると、無段変速機4にお
いて変速比制御弁32によりプライマリシリンダ14a
のプライマリ圧Ppが徐々に上昇して、最大変速比iL
owから無段階にアップシフトするように変速制御され
る。またアクセル開放で減速する場合において無段変速
機4の変速制御が正常な場合は、例えば最小変速比iO
Dでの設定車速V3以下で、プライマリシリンダ14a
のプライマリ圧Ppが徐々に低下する。このため無段変
速機4では、最低変速ラインLminに沿ってこの場合
のエンジン回転数Neを一定に保つようにダウンシフト
制御される。そして停車直前の設定車速V2になると、
クラッチ制御部41の零モード電流設定部46によりク
ラッチ電流Icが零になってクラッチ切断し、これによ
りエンストが防止される。
【0027】一方、上述のようにクラッチ及び変速制御
して車両走行する場合には、クラッチ過熱判定部61で
図4のフローチャートが実行される。先ず、ステップS
1でクラッチ直結モードでの設定車速V3以下の領域に
おいて、エンジン回転数Neと最低変速ラインLmin
の回転数Nminとを比較し、Ne≧Nminの場合は
無段変速機4の変速制御の正常を判断する。
【0028】そして無段変速機4の変速制御が正常な場
合は、ステップS2に進み、この場合の発進時には無段
変速機4が最大変速比iLowに戻っていることから、
プライマリ回転数Npを最大変速比iLowとセカンダ
リ回転数Nsで、Np=iLow・Ns、により算出す
る。その後ステップS3でスリップ回転数Ntを、クラ
ッチドライブ側のエンジン回転数Neと、ドリブン側の
プライマリ回転数Npで、Nt=Ne−Np、により算
出する。
【0029】またステップS4に進み、クラッチ発熱量
Qをスリップ回転数Ntとクラッチ電流Icの関数で求
め、ステップS5で温度上昇値Tupを発熱量Qの関数
で求め、ステップS6で温度下降値Tdownを予め設
定される放熱量Rの関数で求める。その後ステップS7
でクラッチ温度Tcを前回のクラッチ温度Told、上
述の上昇値Tup、下降値Tdownを用い、Tc=T
old+Tup−Tdown、により算出する。そして
ステップS8でクラッチ温度Tcを設定値Toと比較し
て、設定値以下の場合はそのまま終了する。またクラッ
チ温度Tcが設定値Toより高くなると過熱を判断し、
ステップS9に進んで警報を発生するのであり、これに
より電磁粉式クラッチ2の焼損が防止される。
【0030】一方、ステップS1でクラッチ直結モード
での設定車速V3以下の領域において、Ne<Nmin
の場合は、無段変速機4のODスティックの異常を判断
する。この場合はステップS10に進み、無段変速機4
のODスティックでは最小変速比iODで発進すること
から、プライマリ回転数Npを最小変速比iODとセカ
ンダリ回転数Nsで、Np=iOD・Ns、により算出
する。これにより無段変速機4の異常時にも、車速Vか
らの逆算でプライマリ回転数Npが正確に算出される。
【0031】そしてステップS3以降で、この場合のプ
ライマリ回転数Np等を用いて上述と全く同様に処理す
ることで、クラッチ温度Tcが正確に算出される。ここ
で無段変速機4のODスティックの異常時は、最小変速
比iODで発進してエンジン回転数Neの上昇が遅れ
る。このため電磁粉式クラッチ2ではクラッチ電流Ic
の上昇も遅れてエンストしないように制御されるが、そ
の反面スリップ量と共に発熱量が増大して過熱し易くな
る。この場合に、クラッチ温度Tcを上述のように正確
に算出して、過熱の有無が適確に判断される。そこで無
段変速機4の異常に伴う電磁粉式クラッチ2の焼損が確
実に防止される。
【0032】以上、本発明の実施例として電磁粉式クラ
ッチについて説明したが、乾式または湿式の自動クラッ
チにも適応できる。変速機も無段変速機以外の自動変速
機、手動変速機の場合にも適応できる。
【0033】
【発明の効果】以上に説明したように本発明によると、
自動クラッチでスリップ量法によりクラッチ温度を算出
し、この場合に車速からクラッチドリブン側回転数を逆
算する方式において、変速機の変速の正常または異常を
判断し、高速段側でスティックした異常時には、車速と
スティックした高速段によりクラッチドリブン側回転数
を算出するので、変速機の変速異常時にクラッチドリブ
ン側回転数、スリップ回転数と共にクラッチ温度を正確
に算出できる。このため変速機の変速異常に伴い自動ク
ラッチが過熱して焼損することを確実に防止できる。無
段変速機の場合には、最低変速ラインの領域のエンジン
回転数の状態を検出することで、オーバドライブにステ
ィックした異常を適確に判断できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る自動クラッチの制御装置の実施例
を示すブロック図である。
【図2】電磁粉式クラッチに無段変速機を組合わせた駆
動系と全体の制御系を示す構成図である。
【図3】無段変速機の変速パターンを示す図である。
【図4】クラッチ温度算出制御を示すフローチャートで
ある。
【符号の説明】
1 エンジン 2 電磁粉式クラッチ 4 無段変速機 40 クラッチ制御ユニット 41 クラッチ制御部 50 ODスティック判定部 51 スリップ回転数算出部 52 クラッチ温度算出部 53 アラーム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−140923(JP,A) 特開 昭58−163831(JP,A) 特開 昭61−261134(JP,A) 特開 昭63−6226(JP,A) 特開 平2−107830(JP,A) 特開 平2−107831(JP,A) 特開 平3−28528(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 59/00 - 61/12 F16H 61/16 - 61/24 F16H 63/40 - 63/48 F16D 37/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンと自動変速機との間に設けられ
    た自動クラッチのドライブ側回転数とドリブン側回転数
    とから前記自動クラッチのスリップ回転数を算出し、該
    スリップ回転数からクラッチ温度を推定し過熱状態を出
    力する自動クラッチの制御装置において、クラッチ接続状態であって、最小変速比側で車速低下し
    ている際のエンジン回転数が、ダウンシフト開始車速の
    エンジン回転数以下の回転数となった場合は、前記自動
    変速機の変速がスティックした異常と判定するスティッ
    ク判定手段と、 前記スティック判定手段からの判定結果に基づいて、前
    記自動変速機がスティックした状態で車両発進する際の
    前記自動クラッチのドリブン側回転数をスティック状態
    の変速比と車速とにより算出し、このドリブン側回転数
    と前記自動クラッチのドライブ側回転数とから前記自動
    クラッチのスリップ回転数を算出するスリップ回転数算
    出手段 とを備えることを特徴とする自動クラッチの制御
    装置。
  2. 【請求項2】 前記自動変速機は無段変速機であり、
    記制御装置は、クラッチ接続状態時に、最小変速比側で
    車速低下している際のエンジン回転数が、最低変速ライ
    ンとされた設定車速のエンジン回転数以下の回転数とな
    った場合は、前記自動変速機の変速がステックした異常
    と判定するスティック判定手段を備えることを特徴とす
    る請求項1記載の自動クラッチの制御装置。
JP21964993A 1993-09-03 1993-09-03 自動クラッチの制御装置 Expired - Fee Related JP3290775B2 (ja)

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