JP3280057B2 - 薄膜磁気ヘッド - Google Patents
薄膜磁気ヘッドInfo
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気抵抗効果素子から
なる再生ヘッド部と例えば誘導型の記録ヘッド部とを一
体化した薄膜磁気ヘッドに関する。
なる再生ヘッド部と例えば誘導型の記録ヘッド部とを一
体化した薄膜磁気ヘッドに関する。
【0002】磁気ディスク装置では、記録媒体である磁
気ディスクの小径化が進められている。これにともなっ
て、磁気ディスクとの相対移動速度が小さい場合にも大
きな再生出力の得られる磁気抵抗効果素子を組み込んだ
薄膜磁気ヘッドが注目されている。
気ディスクの小径化が進められている。これにともなっ
て、磁気ディスクとの相対移動速度が小さい場合にも大
きな再生出力の得られる磁気抵抗効果素子を組み込んだ
薄膜磁気ヘッドが注目されている。
【0003】
【従来の技術】磁気抵抗効果素子は、磁気記録媒体から
の情報の読出し(再生)のみに用いることができる。し
たがって、情報の書込み(記録)については、他の電磁
変換手段を用いる必要がある。
の情報の読出し(再生)のみに用いることができる。し
たがって、情報の書込み(記録)については、他の電磁
変換手段を用いる必要がある。
【0004】さて、従来より、磁気抵抗効果素子及びこ
れを挟む一対の磁気シールド層(軟質磁性層)からなる
再生ヘッド部と、コイル及び一対の磁極(磁気コアを構
成する軟質磁性層)からなる誘導型の記録ヘッド部とを
一体化した薄膜磁気ヘッドが知られている。
れを挟む一対の磁気シールド層(軟質磁性層)からなる
再生ヘッド部と、コイル及び一対の磁極(磁気コアを構
成する軟質磁性層)からなる誘導型の記録ヘッド部とを
一体化した薄膜磁気ヘッドが知られている。
【0005】通常、この種の複合型の薄膜磁気ヘッド
は、記録及び再生に係るヘッド位置制御を容易化する上
で上述の各ヘッド部を可及的に近接配置するとともに、
製造コストの上で有利な単純なヘッド構造とするため、
一方の磁気シールド層が磁極を兼ねるように構成されて
いる。すなわち1つの磁性層が再生ヘッド部及び記録ヘ
ッド部の両者に共通の構成要素として設けられている。
は、記録及び再生に係るヘッド位置制御を容易化する上
で上述の各ヘッド部を可及的に近接配置するとともに、
製造コストの上で有利な単純なヘッド構造とするため、
一方の磁気シールド層が磁極を兼ねるように構成されて
いる。すなわち1つの磁性層が再生ヘッド部及び記録ヘ
ッド部の両者に共通の構成要素として設けられている。
【0006】図4は従来の薄膜磁気ヘッド1jの構造を
示す断面図である。同図は記録媒体側からみた断面構造
を示している。薄膜磁気ヘッド1jは、再生ヘッド部R
Hと記録ヘッド部WHとを有した複合型のヘッドであ
り、支持体11及びその上に順に積層された以下の各部
から構成されている。
示す断面図である。同図は記録媒体側からみた断面構造
を示している。薄膜磁気ヘッド1jは、再生ヘッド部R
Hと記録ヘッド部WHとを有した複合型のヘッドであ
り、支持体11及びその上に順に積層された以下の各部
から構成されている。
【0007】支持体11上には、まず、所定形状の下側
の磁気シールド層12が設けられ、その上に非磁性層1
3を介して磁気抵抗効果素子層(以下「MR層」とい
う)14及び電極層15が設けられている。MR層14
の上には、非磁性層16を介して、上側の磁気シールド
層及び下部の磁極となる兼用磁性層17jが設けられ、
さらにその上にギャップ層19を介して上部磁極20が
設けられている。そして、最上層として保護膜23が設
けられている。
の磁気シールド層12が設けられ、その上に非磁性層1
3を介して磁気抵抗効果素子層(以下「MR層」とい
う)14及び電極層15が設けられている。MR層14
の上には、非磁性層16を介して、上側の磁気シールド
層及び下部の磁極となる兼用磁性層17jが設けられ、
さらにその上にギャップ層19を介して上部磁極20が
設けられている。そして、最上層として保護膜23が設
けられている。
【0008】磁気シールド層12及び兼用磁性層17j
は、MR層14に対して外部磁界を遮蔽(シールド)す
る。また、兼用磁性層17j及び上部磁極20は、図示
しない部分で磁気的に結合され、図示しないコイルによ
る磁束を記録媒体に導くための磁気コアMCを構成す
る。なお、これら磁気シールド層12、兼用磁性層17
j、及び磁極20は、それぞれ磁気特性の上で均質の軟
質磁性層からなる。
は、MR層14に対して外部磁界を遮蔽(シールド)す
る。また、兼用磁性層17j及び上部磁極20は、図示
しない部分で磁気的に結合され、図示しないコイルによ
る磁束を記録媒体に導くための磁気コアMCを構成す
る。なお、これら磁気シールド層12、兼用磁性層17
j、及び磁極20は、それぞれ磁気特性の上で均質の軟
質磁性層からなる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来の薄膜磁気ヘッド
1jでは、MR層14において記録に伴う兼用磁性層1
7jの磁化の影響が比較的に顕著に現れるという問題が
あった。すなわち、兼用磁性層17j内で磁壁が不規則
且つ不連続に移動するウイグル現象、及び特に記録直後
に磁壁が不規則に移動する現象などに起因して、MR層
14の再生信号に、いわゆるポップコーンノイズなどの
ノイズが重畳し易いという問題があった。
1jでは、MR層14において記録に伴う兼用磁性層1
7jの磁化の影響が比較的に顕著に現れるという問題が
あった。すなわち、兼用磁性層17j内で磁壁が不規則
且つ不連続に移動するウイグル現象、及び特に記録直後
に磁壁が不規則に移動する現象などに起因して、MR層
14の再生信号に、いわゆるポップコーンノイズなどの
ノイズが重畳し易いという問題があった。
【0010】このような問題を解決するため、再生ヘッ
ド部RHと記録ヘッド部WHとを非磁性層を介して磁気
的に分離して配置することが考えられるが、その場合に
は上述の構造単純化による長所を失うことになる。
ド部RHと記録ヘッド部WHとを非磁性層を介して磁気
的に分離して配置することが考えられるが、その場合に
は上述の構造単純化による長所を失うことになる。
【0011】本発明は、上述の問題に鑑み、記録部と再
生部との間の磁気的な干渉を抑えてヘッド性能を向上さ
せることを目的としている。
生部との間の磁気的な干渉を抑えてヘッド性能を向上さ
せることを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係るヘ
ッドは、上述の課題を解決するため、図1に示すよう
に、磁気抵抗効果素子14及びこれを挟む一対の磁気シ
ールド層12,17からなる再生ヘッド部RHと、前記
一方の磁気シールド層17を磁気コアMCの一部とする
記録ヘッド部WHとを有した薄膜磁気ヘッド1であっ
て、前記磁気シールド層17が、厚さ方向の中央部17
2の磁気特性を上部173及び下部171の磁気特性に
対して劣化させた軟質磁性層からなる。
ッドは、上述の課題を解決するため、図1に示すよう
に、磁気抵抗効果素子14及びこれを挟む一対の磁気シ
ールド層12,17からなる再生ヘッド部RHと、前記
一方の磁気シールド層17を磁気コアMCの一部とする
記録ヘッド部WHとを有した薄膜磁気ヘッド1であっ
て、前記磁気シールド層17が、厚さ方向の中央部17
2の磁気特性を上部173及び下部171の磁気特性に
対して劣化させた軟質磁性層からなる。
【0013】請求項2の発明に係るヘッドは、磁気抵抗
効果素子14及びこれを挟む一対の磁気シールド層1
2,17Bからなる再生ヘッド部RHと、前記一方の磁
気シールド層17Bを磁気コアMCの一部とする記録ヘ
ッド部WHとを有した薄膜磁気ヘッド1Bであって、前
記磁気シールド層17Bが、厚さ方向の中央部172の
磁気特性を上部173B及び下部171の磁気特性に対
して劣化させるとともに、当該上部173Bの平面形状
を前記磁気コアMCを構成する磁極20の平面形状に対
応づけた軟質磁性層からなる。
効果素子14及びこれを挟む一対の磁気シールド層1
2,17Bからなる再生ヘッド部RHと、前記一方の磁
気シールド層17Bを磁気コアMCの一部とする記録ヘ
ッド部WHとを有した薄膜磁気ヘッド1Bであって、前
記磁気シールド層17Bが、厚さ方向の中央部172の
磁気特性を上部173B及び下部171の磁気特性に対
して劣化させるとともに、当該上部173Bの平面形状
を前記磁気コアMCを構成する磁極20の平面形状に対
応づけた軟質磁性層からなる。
【0014】請求項3の発明に係るヘッドは、前記中央
部172の透磁率を前記上部173,173B及び下部
171に比べて小さくしてなる。
部172の透磁率を前記上部173,173B及び下部
171に比べて小さくしてなる。
【0015】
【作用】磁気シールド層17,17Bは、全体としては
再生と記録とに兼用の軟質磁性層であるが、その厚さ方
向の中央部172の磁気特性が上部173,173B及
び下部171に比べて劣化している(例えば透磁率が小
さい)ので、記録時の磁化は主に上部173内で局所的
に生じる。このため、磁気抵抗効果素子14において、
磁気シールド層17,17Bの磁化に伴う磁壁移動の影
響はほとんど現れない。
再生と記録とに兼用の軟質磁性層であるが、その厚さ方
向の中央部172の磁気特性が上部173,173B及
び下部171に比べて劣化している(例えば透磁率が小
さい)ので、記録時の磁化は主に上部173内で局所的
に生じる。このため、磁気抵抗効果素子14において、
磁気シールド層17,17Bの磁化に伴う磁壁移動の影
響はほとんど現れない。
【0016】また、磁気シールド層17Bの上部173
Bの平面形状を記録のみに用いる磁極20に対応づける
ことにより、すなわち、少なくとも記録媒体対向部の近
傍について上部173B及び磁極20の平面形状をほぼ
同一とすることにより、磁束を記録幅の範囲に集中させ
ることができ、磁束の拡がりに起因した記録にじみを抑
えることができる。
Bの平面形状を記録のみに用いる磁極20に対応づける
ことにより、すなわち、少なくとも記録媒体対向部の近
傍について上部173B及び磁極20の平面形状をほぼ
同一とすることにより、磁束を記録幅の範囲に集中させ
ることができ、磁束の拡がりに起因した記録にじみを抑
えることができる。
【0017】
【実施例】図1及び図2は本発明に係る薄膜磁気ヘッド
1の構造を示す図である。図1は記録媒体側からみた断
面構造を示し、図2(b)のI−I矢視断面に対応す
る。図2(a)は図1の右方からみた断面構造を示し、
図2(b)のA−A矢視断面に対応する。図2(b)は
主要構成要素の平面形状及び配置関係を示している。な
お、これらの図において、図4と同一の機能を有する構
成要素には同一の符号を付し、また、図4に対応する構
成要素には添字「j」を省いた符号を付してある。
1の構造を示す図である。図1は記録媒体側からみた断
面構造を示し、図2(b)のI−I矢視断面に対応す
る。図2(a)は図1の右方からみた断面構造を示し、
図2(b)のA−A矢視断面に対応する。図2(b)は
主要構成要素の平面形状及び配置関係を示している。な
お、これらの図において、図4と同一の機能を有する構
成要素には同一の符号を付し、また、図4に対応する構
成要素には添字「j」を省いた符号を付してある。
【0018】まず、図2において、薄膜磁気ヘッド1
は、磁気抵抗効果による再生ヘッド部RHと電磁誘導に
よる記録ヘッド部WHとを有した複合型のヘッドであ
り、非磁性の支持体11、パーマロイなどの軟質磁性材
料(高透磁率材料)からなる下側の磁気シールド層1
2、非磁性層13,16で挟まれたMR層14、下部の
磁極としても用いられる1種の磁性材料からなる上側の
磁気シールド層(以下「兼用磁性層」という)17、二
酸化珪素などからなるギャップ層19、渦巻き状のコイ
ル22、コイル22を被覆する熱硬化性樹脂などの層間
絶縁体21、上部の磁極20、及び保護膜23などから
構成されている。
は、磁気抵抗効果による再生ヘッド部RHと電磁誘導に
よる記録ヘッド部WHとを有した複合型のヘッドであ
り、非磁性の支持体11、パーマロイなどの軟質磁性材
料(高透磁率材料)からなる下側の磁気シールド層1
2、非磁性層13,16で挟まれたMR層14、下部の
磁極としても用いられる1種の磁性材料からなる上側の
磁気シールド層(以下「兼用磁性層」という)17、二
酸化珪素などからなるギャップ層19、渦巻き状のコイ
ル22、コイル22を被覆する熱硬化性樹脂などの層間
絶縁体21、上部の磁極20、及び保護膜23などから
構成されている。
【0019】兼用磁性層17及び上部の磁極20は、磁
気コアMCを構成するようにコンタクト部30で一体化
されている。また、コイル22の内端及び外端はそれぞ
れ図示しない外部接続端子に接続されている。なお、図
2では、MR層14に重ねる電極層15(図1参照)の
図示を省略してある。
気コアMCを構成するようにコンタクト部30で一体化
されている。また、コイル22の内端及び外端はそれぞ
れ図示しない外部接続端子に接続されている。なお、図
2では、MR層14に重ねる電極層15(図1参照)の
図示を省略してある。
【0020】図2(b)に示されるように、上部の磁極
20の平面形状は、トラック幅wを規定するギャップ部
(図の左端部)の幅が他に比べて狭い形状とされてい
る。これに対し、磁気コアMCを構成する上で磁極20
と対になる兼用磁性層17の平面形状は、トラック幅w
より寸法の長いMR層14を完全に覆う必要があること
から、ギャップ部の幅が他と同一の形状とされている。
つまり、兼用磁性層17には図に斜線を付して示すよう
に磁極20と対向しない領域E17bがあり、記録媒体
との対向面における兼用磁性層17の幅は磁極20の幅
より大きい。
20の平面形状は、トラック幅wを規定するギャップ部
(図の左端部)の幅が他に比べて狭い形状とされてい
る。これに対し、磁気コアMCを構成する上で磁極20
と対になる兼用磁性層17の平面形状は、トラック幅w
より寸法の長いMR層14を完全に覆う必要があること
から、ギャップ部の幅が他と同一の形状とされている。
つまり、兼用磁性層17には図に斜線を付して示すよう
に磁極20と対向しない領域E17bがあり、記録媒体
との対向面における兼用磁性層17の幅は磁極20の幅
より大きい。
【0021】さて、図1によく示されるように、薄膜磁
気ヘッド1の兼用磁性層17は、平面方向の全域にわた
って、厚さ方向の中央部172の磁気特性を上部173
及び下部171の磁気特性に対して劣化させた軟質磁性
層(全体の膜厚は2〜4μm程度)からなる。すなわち
兼用磁性層17では、中央部172の透磁率が上部17
3及び下部171に比べて小さい。
気ヘッド1の兼用磁性層17は、平面方向の全域にわた
って、厚さ方向の中央部172の磁気特性を上部173
及び下部171の磁気特性に対して劣化させた軟質磁性
層(全体の膜厚は2〜4μm程度)からなる。すなわち
兼用磁性層17では、中央部172の透磁率が上部17
3及び下部171に比べて小さい。
【0022】このため、兼用磁性層17においては、中
央部172を含む全体がMR層14に対して外部磁界を
遮蔽する機能を有するが、中央部172によって上部1
73と下部171とが磁気的に分離(ただし完全な分離
ではない)されることから、磁気コアMCとしての役割
は、磁極20と対向し且つ磁気的に結合した上部173
が主に担うことになる。なお、下部171、中央部17
2、及び上部173のそれぞれ厚さはほぼ同程度とされ
ている。
央部172を含む全体がMR層14に対して外部磁界を
遮蔽する機能を有するが、中央部172によって上部1
73と下部171とが磁気的に分離(ただし完全な分離
ではない)されることから、磁気コアMCとしての役割
は、磁極20と対向し且つ磁気的に結合した上部173
が主に担うことになる。なお、下部171、中央部17
2、及び上部173のそれぞれ厚さはほぼ同程度とされ
ている。
【0023】このような兼用磁性層17は、薄膜技術を
用いて容易に形成することができる。例えば、兼用磁性
層17の材質をニッケル−鉄(Ni−Fe)磁性合金と
し、電解めっき法を用いて下部171、中央部172、
及び上部173を連続的に成膜することができる。ただ
し、このとき、下部171及び上部173の成膜時と中
央部172の成膜時との間で、めっき条件の印加電流密
度を変更する。これにより、中央部172と他の部分と
の間で透磁率に係わる組成の差異が生じるので、各段階
の印加電流密度の設定値を適当に選定すれば、厚さ方向
の中央部172の透磁率が他の部分に比べて小さい兼用
磁性層17を得ることができる。
用いて容易に形成することができる。例えば、兼用磁性
層17の材質をニッケル−鉄(Ni−Fe)磁性合金と
し、電解めっき法を用いて下部171、中央部172、
及び上部173を連続的に成膜することができる。ただ
し、このとき、下部171及び上部173の成膜時と中
央部172の成膜時との間で、めっき条件の印加電流密
度を変更する。これにより、中央部172と他の部分と
の間で透磁率に係わる組成の差異が生じるので、各段階
の印加電流密度の設定値を適当に選定すれば、厚さ方向
の中央部172の透磁率が他の部分に比べて小さい兼用
磁性層17を得ることができる。
【0024】また、成膜手法としてスパッタ法を用いる
場合には、真空度(ガス圧力)又はバイアス電圧などの
スパッタ条件を連続成膜の途中で変更して膜の結晶性を
部分的に低下させることにより、所望の兼用磁性層17
を得ることができる。
場合には、真空度(ガス圧力)又はバイアス電圧などの
スパッタ条件を連続成膜の途中で変更して膜の結晶性を
部分的に低下させることにより、所望の兼用磁性層17
を得ることができる。
【0025】以上のように構成された薄膜磁気ヘッド1
では、MR層14において、電磁誘導による兼用磁性層
17の磁化に伴う磁壁移動の影響がほとんど現れず、良
好な再生波形が得られる。
では、MR層14において、電磁誘導による兼用磁性層
17の磁化に伴う磁壁移動の影響がほとんど現れず、良
好な再生波形が得られる。
【0026】図3は本発明の他の実施例に係る薄膜磁気
ヘッド1Bの構造を示す断面図である。同図において
は、図1、図2、及び図4と同一の機能を有する構成要
素には形状の差異に係わらず同一の符号を付し、その説
明を省略する。
ヘッド1Bの構造を示す断面図である。同図において
は、図1、図2、及び図4と同一の機能を有する構成要
素には形状の差異に係わらず同一の符号を付し、その説
明を省略する。
【0027】薄膜磁気ヘッド1Bも、再生ヘッド部RH
及び記録ヘッド部WHに共通の構成要素となる兼用磁性
層17Bを有する。そして、この兼用磁性層17Bは、
上述の薄膜磁気ヘッド1の兼用磁性層17と同様に、厚
さ方向の中央部172の磁気特性を上部173B及び下
部171の磁気特性に対して劣化させた軟質磁性層から
なる。
及び記録ヘッド部WHに共通の構成要素となる兼用磁性
層17Bを有する。そして、この兼用磁性層17Bは、
上述の薄膜磁気ヘッド1の兼用磁性層17と同様に、厚
さ方向の中央部172の磁気特性を上部173B及び下
部171の磁気特性に対して劣化させた軟質磁性層から
なる。
【0028】薄膜磁気ヘッド1Bでは、兼用磁性層17
Bの内の上部173Bの平面形状、、すなわち実質的に
磁気コアMCとして機能する部分の平面形状が、磁極2
0の平面形状に対応づけられている。つまり、上部17
3Bの平面形状は、磁極20とほぼ同一の形状とされて
いる。
Bの内の上部173Bの平面形状、、すなわち実質的に
磁気コアMCとして機能する部分の平面形状が、磁極2
0の平面形状に対応づけられている。つまり、上部17
3Bの平面形状は、磁極20とほぼ同一の形状とされて
いる。
【0029】これにより、記録に際して、磁束がトラッ
ク幅wの範囲内に集中することから、図2(b)で説明
した領域E17bへの磁束の拡がりにより生じる記録に
じみを抑えることができる。なお、再生に際しては、主
に下部171によって磁気シールド層12と同一範囲で
シールドが行われ、これによって外部磁界に起因したノ
イズの重畳が防止される。
ク幅wの範囲内に集中することから、図2(b)で説明
した領域E17bへの磁束の拡がりにより生じる記録に
じみを抑えることができる。なお、再生に際しては、主
に下部171によって磁気シールド層12と同一範囲で
シールドが行われ、これによって外部磁界に起因したノ
イズの重畳が防止される。
【0030】薄膜磁気ヘッド1Bの製造に際しては、M
R層14及び電極層15を非磁性層16により被覆した
後、以下のように兼用磁性層17Bを形成する。まず、
電解めっき法又はスパッタ法などを用い、上述のように
成膜条件を成膜途中で変更することによって、磁気特性
の上で3層構造の軟質磁性層を非磁性層16上に形成
し、これを磁気シールド層12と同一形状にパターニン
グする。
R層14及び電極層15を非磁性層16により被覆した
後、以下のように兼用磁性層17Bを形成する。まず、
電解めっき法又はスパッタ法などを用い、上述のように
成膜条件を成膜途中で変更することによって、磁気特性
の上で3層構造の軟質磁性層を非磁性層16上に形成
し、これを磁気シールド層12と同一形状にパターニン
グする。
【0031】次に、非磁性層16の表面を含めてパター
ニング後の軟質磁性層の全面を被覆するように、ギャッ
プ層19となる二酸化珪素膜をスパッタ法によって設
け、コイル22などを設けた後、二酸化珪素膜の上に上
部の磁極20となる磁性層を設ける。
ニング後の軟質磁性層の全面を被覆するように、ギャッ
プ層19となる二酸化珪素膜をスパッタ法によって設
け、コイル22などを設けた後、二酸化珪素膜の上に上
部の磁極20となる磁性層を設ける。
【0032】続いて、磁極20に対応する形状のレジス
ト層を設け、このレジスト層をエッチングマスクとして
用いて、磁極20となる磁性層、ギャップ層19となる
二酸化珪素膜、及び兼用磁性層17Bとなる軟質磁性層
を一括してイオンミリングによりエッチング(パターニ
ング)する。
ト層を設け、このレジスト層をエッチングマスクとして
用いて、磁極20となる磁性層、ギャップ層19となる
二酸化珪素膜、及び兼用磁性層17Bとなる軟質磁性層
を一括してイオンミリングによりエッチング(パターニ
ング)する。
【0033】そして、軟質磁性層の内の磁気特性の劣化
した部分(中央部172に対応する部分)が露出した時
点でエッチングを終了する。これにより、上述の構造の
兼用磁性層17Bが得られる。なお、その後は、レジス
ト層を除去して保護層23を設け、薄膜磁気ヘッド1B
を完成させる。
した部分(中央部172に対応する部分)が露出した時
点でエッチングを終了する。これにより、上述の構造の
兼用磁性層17Bが得られる。なお、その後は、レジス
ト層を除去して保護層23を設け、薄膜磁気ヘッド1B
を完成させる。
【0034】上述の実施例によれば、透磁率を小さくす
ることによって、兼用磁性層17,17bの中央部17
2の磁気特性を劣化させるようにしたので、成膜条件を
変更するだけで、1つの成膜手法により且つ連続の成膜
処理によって3層構造の兼用磁性層17,17bを設け
ることができ、薄膜磁気ヘッド1,1Bの生産性を高め
ることができる。
ることによって、兼用磁性層17,17bの中央部17
2の磁気特性を劣化させるようにしたので、成膜条件を
変更するだけで、1つの成膜手法により且つ連続の成膜
処理によって3層構造の兼用磁性層17,17bを設け
ることができ、薄膜磁気ヘッド1,1Bの生産性を高め
ることができる。
【0035】上述の実施例において、兼用磁性層17,
17bの中央部172の磁気特性を劣化させる手法とし
て、例えばイオン注入法を用いてクロム(Cr)、ニオ
ブ(Nb)、ジルコニウム(Zr)などの金属イオンを
不純物として導入し、局部的に飽和磁束密度を小さくし
てもよい。
17bの中央部172の磁気特性を劣化させる手法とし
て、例えばイオン注入法を用いてクロム(Cr)、ニオ
ブ(Nb)、ジルコニウム(Zr)などの金属イオンを
不純物として導入し、局部的に飽和磁束密度を小さくし
てもよい。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、記録部と再生部との間
の磁気的な干渉を抑えることができ、ヘッド性能を向上
させることができる。
の磁気的な干渉を抑えることができ、ヘッド性能を向上
させることができる。
【0037】請求項2の発明によれば、記録にじみを防
止することができる。請求項3の発明によれば、磁性層
の形成の容易化を図ることができる。
止することができる。請求項3の発明によれば、磁性層
の形成の容易化を図ることができる。
【図1】本発明に係る薄膜磁気ヘッドの構造を示す図で
ある。
ある。
【図2】本発明に係る薄膜磁気ヘッドの構造を示す図で
ある。
ある。
【図3】本発明の他の実施例に係る薄膜磁気ヘッドの構
造を示す断面図である。
造を示す断面図である。
【図4】従来の薄膜磁気ヘッドの構造を示す断面図であ
る。
る。
1 薄膜磁気ヘッド 14 MR層(磁気抵抗効果素子) 12 磁気シールド層 17 兼用磁性層(磁気シールド層) 173 上部 172 中央部 171 下部 RH 再生ヘッド部 WH 記録ヘッド部 MC 磁気コア 1B 薄膜磁気ヘッド 17B 兼用磁性層(磁気シールド層) 173B 上部 20 上部の磁極(磁極)
Claims (3)
- 【請求項1】磁気抵抗効果素子(14)及びこれを挟む
一対の磁気シールド層(12)(17)からなる再生ヘ
ッド部(RH)と、前記一方の磁気シールド層(17)
を磁気コア(MC)の一部とする記録ヘッド部(WH)
とを有した薄膜磁気ヘッド(1)であって、 前記磁気シールド層(17)が、厚さ方向の中央部(1
72)の磁気特性を上部(173)及び下部(171)
の磁気特性に対して劣化させた軟質磁性層からなること
を特徴とする薄膜磁気ヘッド。 - 【請求項2】磁気抵抗効果素子(14)及びこれを挟む
一対の磁気シールド層(12)(17B)からなる再生
ヘッド部(RH)と、前記一方の磁気シールド層(17
B)を磁気コア(MC)の一部とする記録ヘッド部(W
H)とを有した薄膜磁気ヘッド(1B)であって、 前記磁気シールド層(17B)が、厚さ方向の中央部
(172)の磁気特性を上部(173B)及び下部(1
71)の磁気特性に対して劣化させるとともに、当該上
部(173B)の平面形状を前記磁気コア(MC)を構
成する磁極(20)の平面形状に対応づけた軟質磁性層
からなることを特徴とする薄膜磁気ヘッド。 - 【請求項3】請求項1又は請求項2に記載の薄膜磁気ヘ
ッド(1,1B)であって、 前記中央部(172)の透磁率を前記上部(173,1
73B)及び下部(171)に比べて小さくしたことを
特徴とする薄膜磁気ヘッド。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06170392A JP3280057B2 (ja) | 1992-03-18 | 1992-03-18 | 薄膜磁気ヘッド |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06170392A JP3280057B2 (ja) | 1992-03-18 | 1992-03-18 | 薄膜磁気ヘッド |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05266432A JPH05266432A (ja) | 1993-10-15 |
JP3280057B2 true JP3280057B2 (ja) | 2002-04-30 |
Family
ID=13178870
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP06170392A Expired - Fee Related JP3280057B2 (ja) | 1992-03-18 | 1992-03-18 | 薄膜磁気ヘッド |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3280057B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6477008B1 (en) | 1999-05-24 | 2002-11-05 | International Business Machines Corporation | Magnetic recording transducer with electronic shield |
JP2001291211A (ja) | 2000-03-31 | 2001-10-19 | Hitachi Ltd | 薄膜磁気ヘッド、その製造方法および磁気ディスク装置 |
-
1992
- 1992-03-18 JP JP06170392A patent/JP3280057B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05266432A (ja) | 1993-10-15 |
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