JP3272386B2 - アルコール製造用触媒及びその製造方法 - Google Patents
アルコール製造用触媒及びその製造方法Info
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- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
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- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高活性及び高選択性を有
する銅−鉄−第三金属原子からなるアルコール製造用触
媒及びその製造方法に関する。
する銅−鉄−第三金属原子からなるアルコール製造用触
媒及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】高級ア
ルコールは高級脂肪酸メチルエステルを高温下、高圧水
素で還元することに製造されている。従来より、この反
応に用いられる触媒は銅−クロム酸化物系触媒であり、
通常銅−クロマイト触媒と呼ばれている。その製法はイ
ンダストリアル・アンド・エンジニアリング・ケミスト
リー第26巻、第 878頁(1936年)に記載されているもの
から大きく進歩はしていない。この触媒は製造に際し、
多量の6価クロムイオンが排出されるという重大な欠点
を有する。環境汚染のため、これらの重金属は適当な方
法で捕集されるが、ここで生ずる重金属のスラッジの最
終的な処理法はまだ確立されていない。
ルコールは高級脂肪酸メチルエステルを高温下、高圧水
素で還元することに製造されている。従来より、この反
応に用いられる触媒は銅−クロム酸化物系触媒であり、
通常銅−クロマイト触媒と呼ばれている。その製法はイ
ンダストリアル・アンド・エンジニアリング・ケミスト
リー第26巻、第 878頁(1936年)に記載されているもの
から大きく進歩はしていない。この触媒は製造に際し、
多量の6価クロムイオンが排出されるという重大な欠点
を有する。環境汚染のため、これらの重金属は適当な方
法で捕集されるが、ここで生ずる重金属のスラッジの最
終的な処理法はまだ確立されていない。
【0003】この問題を解決するために種々の方法で製
造された銅−鉄−アルミニウム触媒が提案されている
(特開昭53−92395 号公報、特開昭55−8820号公報、特
公昭58−50775 号公報)。しかしながら、これらの触媒
は活性、選択性、耐久性において従来の銅−クロマイト
触媒に勝るものの、触媒製造時に触媒沈澱スラリーから
触媒をろ別する際のろ過速度が遅く、大規模なろ過設備
を必要とする欠点があったり(特開昭53−92395 号公
報、特開昭55−8820号公報)、反応後、反応物を高圧よ
り常圧に高圧バルブを通して抜き出すときに触媒が著し
く微粒化するため濾過が困難になったり、更に触媒沈澱
剤として尿素を使用するため、これに起因する尿素排
水、アンモニア排水処理に大きな負荷がかかる等の製造
工程上に問題があった(特開昭58−50775 号公報)。
造された銅−鉄−アルミニウム触媒が提案されている
(特開昭53−92395 号公報、特開昭55−8820号公報、特
公昭58−50775 号公報)。しかしながら、これらの触媒
は活性、選択性、耐久性において従来の銅−クロマイト
触媒に勝るものの、触媒製造時に触媒沈澱スラリーから
触媒をろ別する際のろ過速度が遅く、大規模なろ過設備
を必要とする欠点があったり(特開昭53−92395 号公
報、特開昭55−8820号公報)、反応後、反応物を高圧よ
り常圧に高圧バルブを通して抜き出すときに触媒が著し
く微粒化するため濾過が困難になったり、更に触媒沈澱
剤として尿素を使用するため、これに起因する尿素排
水、アンモニア排水処理に大きな負荷がかかる等の製造
工程上に問題があった(特開昭58−50775 号公報)。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、環境汚染
の問題を内在する銅−クロマイト触媒にとってかわる無
公害触媒の工業的製造方法を確立すべく、上記触媒の微
粒化抑制の問題及び触媒製造プロセスの合理化に付いて
鋭意検討した結果、アルミニウム、ケイ素、チタン、ジ
ルコニウム、マグネシウム及び鉄の酸化物並びに該金属
の水酸化物と、ゼオライトと、シリカ−アルミナとから
なる群から選ばれる少なくとも一種を担体とし、沈澱剤
として尿素の代わりにアルカリ金属またはアルカリ土類
金属の水酸化物あるいは炭酸塩等のアルカリ物質を使用
し、周期律表IIb族、IIIb族、IVa族、IVb 族、VIb 族及
びVIIa族の金属(ただし、アルミニウムを除く)からな
る群から選ばれる少なくとも一種の金属塩を添加するこ
とにより、触媒の微粒化が抑制でき、活性、選択性、耐
久性及びろ過性が大幅に向上した触媒が得られ、かつ触
媒製造工程が大幅に簡略化された銅−鉄−第三金属系触
媒の製造方法が提供されることを見出し、本発明を完成
するに至った。
の問題を内在する銅−クロマイト触媒にとってかわる無
公害触媒の工業的製造方法を確立すべく、上記触媒の微
粒化抑制の問題及び触媒製造プロセスの合理化に付いて
鋭意検討した結果、アルミニウム、ケイ素、チタン、ジ
ルコニウム、マグネシウム及び鉄の酸化物並びに該金属
の水酸化物と、ゼオライトと、シリカ−アルミナとから
なる群から選ばれる少なくとも一種を担体とし、沈澱剤
として尿素の代わりにアルカリ金属またはアルカリ土類
金属の水酸化物あるいは炭酸塩等のアルカリ物質を使用
し、周期律表IIb族、IIIb族、IVa族、IVb 族、VIb 族及
びVIIa族の金属(ただし、アルミニウムを除く)からな
る群から選ばれる少なくとも一種の金属塩を添加するこ
とにより、触媒の微粒化が抑制でき、活性、選択性、耐
久性及びろ過性が大幅に向上した触媒が得られ、かつ触
媒製造工程が大幅に簡略化された銅−鉄−第三金属系触
媒の製造方法が提供されることを見出し、本発明を完成
するに至った。
【0005】すなわち本発明は、以下の,,及び
からなる群から選ばれる少なくとも一種を担体とし、
原子比がCu/Fe/(周期律表IIb 族、IIIb族、IVa 族、
IVb族、VIb 族及びVIIa族の金属(ただし、アルミニウ
ムを除く)からなる群から選ばれる少なくとも一種の金
属)/(アルカリ金属及びアルカリ土類金属からなる群
から選ばれる少なくとも一種の金属)=1/0.4 〜2.5
/ 0.5〜5.0 /0〜0.4 であることを特徴とするアルコ
ール製造用触媒を提供するものである。 アルミニウム、ケイ素、チタン、ジルコニウム、マグ
ネシウム及び鉄の酸化物 アルミニウム、ケイ素、チタン、ジルコニウム、マグ
ネシウム及び鉄の水酸化物 ゼオライト シリカ−アルミナ。
からなる群から選ばれる少なくとも一種を担体とし、
原子比がCu/Fe/(周期律表IIb 族、IIIb族、IVa 族、
IVb族、VIb 族及びVIIa族の金属(ただし、アルミニウ
ムを除く)からなる群から選ばれる少なくとも一種の金
属)/(アルカリ金属及びアルカリ土類金属からなる群
から選ばれる少なくとも一種の金属)=1/0.4 〜2.5
/ 0.5〜5.0 /0〜0.4 であることを特徴とするアルコ
ール製造用触媒を提供するものである。 アルミニウム、ケイ素、チタン、ジルコニウム、マグ
ネシウム及び鉄の酸化物 アルミニウム、ケイ素、チタン、ジルコニウム、マグ
ネシウム及び鉄の水酸化物 ゼオライト シリカ−アルミナ。
【0006】本発明の銅−鉄−第三金属系触媒は、下記
の第一工程、第二工程及び第三工程、又は下記の第一工
程、第二工程、第三工程及び第四工程をこの順に行う製
造方法によって製造される。 (第一工程) 以下の,,及びからなる群から選ばれる少なく
とも一種の担体を水性媒体中に懸濁させ、その懸濁液中
において水溶性銅塩及び水溶性鉄塩とアルカリ物質とを
反応させることによって担体表面上に銅化合物及び鉄化
合物を沈澱させる工程。 アルミニウム、ケイ素、チタン、ジルコニウム、マグ
ネシウム及び鉄の酸化物 アルミニウム、ケイ素、チタン、ジルコニウム、マグ
ネシウム及び鉄の水酸化物 ゼオライト シリカ−アルミナ (第二工程) 第一工程にて得られた懸濁液中にて、周期律表IIb 族、
IIIb族、IVa 族、IVb族、VIb 族及びVIIa族の金属(た
だし、アルミニウムを除く)からなる群から選ばれる少
なくとも一種の金属(以下、第三金属と記す)を含む水
溶液とアルカリ物質とを反応させることによって、第一
工程にて得られた懸濁液中に存在する固体粒子表面上に
第三金属化合物を一回または二回以上沈澱させる工程。 (第三工程) 第一工程及び第二工程で得られた懸濁液より沈澱物を取
得し、水洗し、スラリー又は粉体を得る工程であって、
第四工程を行なわない場合には次いで該スラリー又は該
粉体を乾燥及び焼成する工程。 (第四工程) (イ)第三工程にて得られたスラリー又は粉体と、
(ロ)アルカリ金属塩、アルカリ金属水酸化物、アルカ
リ土類金属塩及びアルカリ土類金属水酸化物からなる群
から選ばれる少なくとも一種とを混合し、得られたスラ
リー又は粉体を乾燥及び焼成する工程。
の第一工程、第二工程及び第三工程、又は下記の第一工
程、第二工程、第三工程及び第四工程をこの順に行う製
造方法によって製造される。 (第一工程) 以下の,,及びからなる群から選ばれる少なく
とも一種の担体を水性媒体中に懸濁させ、その懸濁液中
において水溶性銅塩及び水溶性鉄塩とアルカリ物質とを
反応させることによって担体表面上に銅化合物及び鉄化
合物を沈澱させる工程。 アルミニウム、ケイ素、チタン、ジルコニウム、マグ
ネシウム及び鉄の酸化物 アルミニウム、ケイ素、チタン、ジルコニウム、マグ
ネシウム及び鉄の水酸化物 ゼオライト シリカ−アルミナ (第二工程) 第一工程にて得られた懸濁液中にて、周期律表IIb 族、
IIIb族、IVa 族、IVb族、VIb 族及びVIIa族の金属(た
だし、アルミニウムを除く)からなる群から選ばれる少
なくとも一種の金属(以下、第三金属と記す)を含む水
溶液とアルカリ物質とを反応させることによって、第一
工程にて得られた懸濁液中に存在する固体粒子表面上に
第三金属化合物を一回または二回以上沈澱させる工程。 (第三工程) 第一工程及び第二工程で得られた懸濁液より沈澱物を取
得し、水洗し、スラリー又は粉体を得る工程であって、
第四工程を行なわない場合には次いで該スラリー又は該
粉体を乾燥及び焼成する工程。 (第四工程) (イ)第三工程にて得られたスラリー又は粉体と、
(ロ)アルカリ金属塩、アルカリ金属水酸化物、アルカ
リ土類金属塩及びアルカリ土類金属水酸化物からなる群
から選ばれる少なくとも一種とを混合し、得られたスラ
リー又は粉体を乾燥及び焼成する工程。
【0007】本発明に係る銅−鉄−第三金属系触媒は、
その組成が原子比で、Cu/Fe/第三金属/(アルカリ金
属及びアルカリ土類金属からなる群から選ばれる少なく
とも一種の金属)=1/ 0.4〜2.5 / 0.5〜5.0 /0〜
1.0 の範囲にあることが重要である。原子比がこれらの
範囲外にあると得られる触媒の活性が銅−クロマイト触
媒より小さくなると同時に水素化反応に使用した場合に
副生成物が多くなる。アルカリ金属及び/又はアルカリ
土類金属は使用しなくてもよいが、上記範囲内で使用す
ると反応の選択性が向上する。
その組成が原子比で、Cu/Fe/第三金属/(アルカリ金
属及びアルカリ土類金属からなる群から選ばれる少なく
とも一種の金属)=1/ 0.4〜2.5 / 0.5〜5.0 /0〜
1.0 の範囲にあることが重要である。原子比がこれらの
範囲外にあると得られる触媒の活性が銅−クロマイト触
媒より小さくなると同時に水素化反応に使用した場合に
副生成物が多くなる。アルカリ金属及び/又はアルカリ
土類金属は使用しなくてもよいが、上記範囲内で使用す
ると反応の選択性が向上する。
【0008】本発明の銅−鉄−第三金属系触媒の製造方
法の各工程について以下に説明する。
法の各工程について以下に説明する。
【0009】第一工程 本発明の製造方法における第一工程は次のように行う。
先ず、水溶性銅塩及び水溶性鉄塩を原子比でCu/Fe=1
/ 0.4〜2.5 になるように水に溶解させ、この水溶液に
担体を原子比でCu/担体金属原子=1/ 0.1〜3.0 にな
るように懸濁させる。この懸濁液を60〜120 ℃に加熱
し、銅及び鉄のイオンの全当量数に相当する量のアルカ
リ物質の水溶液を加えて、銅化合物及び鉄化合物を触媒
担体表面上に沈澱させる。本発明に用いられる水溶性銅
塩としては、硫酸第二銅、塩化第二銅、硝酸第二銅等が
挙げられ、これらの混合物を使用してもよい。また、本
発明に用いられる水溶性鉄塩としては、硫酸第一鉄、塩
化第一鉄、硝酸第一鉄等が挙げられ、これらの混合物を
使用してもよいが、硫酸第一鉄を用いるのが経済面より
最適である。また第二鉄塩を併用することも出来るが、
第二鉄塩を加え過ぎると触媒性能、特に触媒物性を悪化
させるので注意する必要がある。本発明に用いられるア
ルカリ物質としては例えばアルカリ金属またはアルカリ
土類金属の水酸化物または炭酸塩等が挙げられる。懸濁
液へのアルカリ物質の添加方法については特に制限はな
いが、操作性を考慮して通常これらのアルカリ物質は水
溶液にて添加される。アルカリ物質としてアルカリ金属
またはアルカリ土類金属の水酸化物を用いる場合、沈澱
触媒の濾過性を損なわないためにもゆっくりと滴下する
ことが望ましい。本発明においてはアルカリ金属の炭酸
塩を用いるのが最適である。これらのアルカリ物質の濃
度は任意に選べるが、触媒の生産性を考慮した場合、高
濃度の沈澱剤を用いることもできる。例えば炭酸ソーダ
の場合、20〜23%の濃度の水溶液が適当である。第一工
程に使用される担体としての、アルミニウム、ケイ素、
チタン、ジルコニウム、マグネシウム及び鉄の酸化物並
びに該金属の水酸化物と、ゼオライトと、シリカ−アル
ミナとからなる群から選ばれる少なくとも一種は、反応
槽中で調製後、そのまま用いても良く、予め別途調製さ
れた物を用いても良い。上記担体金属の混合物として
は、シリカ−アルミナが挙げられ、ゼオライト等、上記
金属種を含む化合物であれば使用することができる。こ
れら担体は粒子径の比較的揃った物を用いるのが好まし
い。担体の粒子径は平均粒径にて 0.1〜500 μm 、好ま
しくは 0.4〜50μm である。平均粒径がこの範囲を下回
るものまたは上回るものについては触媒活性及び濾過性
の両性能を本発明の所望とする水準に同軸に維持する事
が出来ない。反応槽内で担体を調製する方法として、担
体として使用する量の第二鉄塩、例えば硫酸塩、硝酸
塩、塩酸塩等を水に溶解させた後、鉄イオンの当量数に
相当する量のアルカリ金属の酸化物、例えば炭酸ナトリ
ウム水溶液を60℃以上の温度で滴下し、中和する方法が
ある。この方法の場合、生成した沈澱を精製する事な
く、このスラリー中に銅塩及び鉄塩を仕込むことにより
連続して第一工程を行うことが出来る。ここで均一な物
性を持った担体を用いた場合、より性能の安定した触媒
が製造できる。従って工業的スケールでの製造には均一
な物性を有する担体の使用がより有利である。
先ず、水溶性銅塩及び水溶性鉄塩を原子比でCu/Fe=1
/ 0.4〜2.5 になるように水に溶解させ、この水溶液に
担体を原子比でCu/担体金属原子=1/ 0.1〜3.0 にな
るように懸濁させる。この懸濁液を60〜120 ℃に加熱
し、銅及び鉄のイオンの全当量数に相当する量のアルカ
リ物質の水溶液を加えて、銅化合物及び鉄化合物を触媒
担体表面上に沈澱させる。本発明に用いられる水溶性銅
塩としては、硫酸第二銅、塩化第二銅、硝酸第二銅等が
挙げられ、これらの混合物を使用してもよい。また、本
発明に用いられる水溶性鉄塩としては、硫酸第一鉄、塩
化第一鉄、硝酸第一鉄等が挙げられ、これらの混合物を
使用してもよいが、硫酸第一鉄を用いるのが経済面より
最適である。また第二鉄塩を併用することも出来るが、
第二鉄塩を加え過ぎると触媒性能、特に触媒物性を悪化
させるので注意する必要がある。本発明に用いられるア
ルカリ物質としては例えばアルカリ金属またはアルカリ
土類金属の水酸化物または炭酸塩等が挙げられる。懸濁
液へのアルカリ物質の添加方法については特に制限はな
いが、操作性を考慮して通常これらのアルカリ物質は水
溶液にて添加される。アルカリ物質としてアルカリ金属
またはアルカリ土類金属の水酸化物を用いる場合、沈澱
触媒の濾過性を損なわないためにもゆっくりと滴下する
ことが望ましい。本発明においてはアルカリ金属の炭酸
塩を用いるのが最適である。これらのアルカリ物質の濃
度は任意に選べるが、触媒の生産性を考慮した場合、高
濃度の沈澱剤を用いることもできる。例えば炭酸ソーダ
の場合、20〜23%の濃度の水溶液が適当である。第一工
程に使用される担体としての、アルミニウム、ケイ素、
チタン、ジルコニウム、マグネシウム及び鉄の酸化物並
びに該金属の水酸化物と、ゼオライトと、シリカ−アル
ミナとからなる群から選ばれる少なくとも一種は、反応
槽中で調製後、そのまま用いても良く、予め別途調製さ
れた物を用いても良い。上記担体金属の混合物として
は、シリカ−アルミナが挙げられ、ゼオライト等、上記
金属種を含む化合物であれば使用することができる。こ
れら担体は粒子径の比較的揃った物を用いるのが好まし
い。担体の粒子径は平均粒径にて 0.1〜500 μm 、好ま
しくは 0.4〜50μm である。平均粒径がこの範囲を下回
るものまたは上回るものについては触媒活性及び濾過性
の両性能を本発明の所望とする水準に同軸に維持する事
が出来ない。反応槽内で担体を調製する方法として、担
体として使用する量の第二鉄塩、例えば硫酸塩、硝酸
塩、塩酸塩等を水に溶解させた後、鉄イオンの当量数に
相当する量のアルカリ金属の酸化物、例えば炭酸ナトリ
ウム水溶液を60℃以上の温度で滴下し、中和する方法が
ある。この方法の場合、生成した沈澱を精製する事な
く、このスラリー中に銅塩及び鉄塩を仕込むことにより
連続して第一工程を行うことが出来る。ここで均一な物
性を持った担体を用いた場合、より性能の安定した触媒
が製造できる。従って工業的スケールでの製造には均一
な物性を有する担体の使用がより有利である。
【0010】第二工程 本発明の製造方法における第二工程は次のように行う。
即ち、第三金属水溶液(但しこの場合においては第三金
属量は第一工程にて使用した水溶性銅塩に対し原子比で
Cu/第三金属=1/0.5 〜5.0 、好ましくは1/0.8 〜
3.0 になる量である。)と、第三金属イオンの等量数に
相当する量のアルカリ物質を滴下し、懸濁液の温度を60
〜100 ℃に保持しつつ第三金属化合物を沈澱させること
によって行う。懸濁液の温度がこの範囲外で行った場
合、得られた触媒において所望の活性及び選択性が得ら
れない。上記の第三金属水溶液は第三金属の塩、例えば
硫酸塩、塩化物、硝酸塩等を用いて調製されるが、その
中でも硫酸塩が最適である。またこれらの混合物を使用
してもよい。上記のアルカリ物質の例としては、第一工
程に使用されるアルカリ物質が挙げられる。その添加方
法は操作性の点より水溶液にて加えるのが好ましい。そ
の濃度は特に限定されないが、経済的な面より20重量%
程度の水溶液とすることが好ましい。アルカリ物質の添
加方法は懸濁液のpHの急激な変化を防止するために第三
金属水溶液と上記のアルカリ物質またはその水溶液とを
同時に懸濁液へ添加するのが望ましい。更に水素還元反
応における活性及び選択性を向上させるための第二工程
を一段階または二段階以上に分割して行うことが出来
る。以上述べた方法にて得られた懸濁液についてpHを
7.0以上に調節した後、0〜8時間熟成を行う。
即ち、第三金属水溶液(但しこの場合においては第三金
属量は第一工程にて使用した水溶性銅塩に対し原子比で
Cu/第三金属=1/0.5 〜5.0 、好ましくは1/0.8 〜
3.0 になる量である。)と、第三金属イオンの等量数に
相当する量のアルカリ物質を滴下し、懸濁液の温度を60
〜100 ℃に保持しつつ第三金属化合物を沈澱させること
によって行う。懸濁液の温度がこの範囲外で行った場
合、得られた触媒において所望の活性及び選択性が得ら
れない。上記の第三金属水溶液は第三金属の塩、例えば
硫酸塩、塩化物、硝酸塩等を用いて調製されるが、その
中でも硫酸塩が最適である。またこれらの混合物を使用
してもよい。上記のアルカリ物質の例としては、第一工
程に使用されるアルカリ物質が挙げられる。その添加方
法は操作性の点より水溶液にて加えるのが好ましい。そ
の濃度は特に限定されないが、経済的な面より20重量%
程度の水溶液とすることが好ましい。アルカリ物質の添
加方法は懸濁液のpHの急激な変化を防止するために第三
金属水溶液と上記のアルカリ物質またはその水溶液とを
同時に懸濁液へ添加するのが望ましい。更に水素還元反
応における活性及び選択性を向上させるための第二工程
を一段階または二段階以上に分割して行うことが出来
る。以上述べた方法にて得られた懸濁液についてpHを
7.0以上に調節した後、0〜8時間熟成を行う。
【0011】第三工程 本発明の製造方法における第三工程は次のように行う。
第三工程では第二工程で得られた沈澱物を常法により水
洗し、スラリー又は粉体を得る。第四工程を行なわない
場合には次いで該スラリー又は該粉体を乾燥及び焼成す
る工程を行なう。焼成温度は通常100 ℃以上1200℃以下
の範囲であり、好ましくは400 ℃以上900 ℃以下であ
る。焼成時間は特に制限されないが、経済的には10時間
以下が良い。焼成を終了したものは粉砕しても良いが、
粉砕する事なく直ちにこれを触媒として使用することが
出来る。第四工程 本発明の製造方法において、第四工程は行なわれない場
合があってもよいが、反応の選択性の為、第四工程を行
ってもよい。この場合、次のように行う。まず、(イ)
第三工程にて得られたスラリー又は粉体と、(ロ)アル
カリ金属塩、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属
塩及びアルカリ土類金属水酸化物からなる群から選ばれ
る少なくとも一種(以下、アルカリ金属/アルカリ土類
金属水酸化物等と記す)とを混合する。この場合におい
て、アルカリ金属/アルカリ土類金属水酸化物等は、原
子比がCu/(アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金
属)=1/0〜0.4 、好ましくは1/0.001 〜0.4 とな
るように混合する。アルカリ金属/アルカリ土類金属水
酸化物等は、粉体又は粒状の形態で添加してもよいが、
好ましくは水溶液で添加する。アルカリ金属/アルカリ
土類金属水酸化物等としては、例えば Ba(OH)2、Ca(OH)
2 、BaCO3 、NaOH等が挙げられる。このようにして得ら
れたスラリー又は粉体を乾燥し、焼成する。焼成温度は
通常100℃以上1200℃以下の範囲であり、好ましくは400
℃以上900 ℃以下である。焼成時間は特に制限されな
いが、経済的には10時間以下が良い。焼成を終了したも
のは粉砕しても良いが、粉砕する事なく直ちにこれを触
媒として使用することが出来る。
第三工程では第二工程で得られた沈澱物を常法により水
洗し、スラリー又は粉体を得る。第四工程を行なわない
場合には次いで該スラリー又は該粉体を乾燥及び焼成す
る工程を行なう。焼成温度は通常100 ℃以上1200℃以下
の範囲であり、好ましくは400 ℃以上900 ℃以下であ
る。焼成時間は特に制限されないが、経済的には10時間
以下が良い。焼成を終了したものは粉砕しても良いが、
粉砕する事なく直ちにこれを触媒として使用することが
出来る。第四工程 本発明の製造方法において、第四工程は行なわれない場
合があってもよいが、反応の選択性の為、第四工程を行
ってもよい。この場合、次のように行う。まず、(イ)
第三工程にて得られたスラリー又は粉体と、(ロ)アル
カリ金属塩、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属
塩及びアルカリ土類金属水酸化物からなる群から選ばれ
る少なくとも一種(以下、アルカリ金属/アルカリ土類
金属水酸化物等と記す)とを混合する。この場合におい
て、アルカリ金属/アルカリ土類金属水酸化物等は、原
子比がCu/(アルカリ金属及び/又はアルカリ土類金
属)=1/0〜0.4 、好ましくは1/0.001 〜0.4 とな
るように混合する。アルカリ金属/アルカリ土類金属水
酸化物等は、粉体又は粒状の形態で添加してもよいが、
好ましくは水溶液で添加する。アルカリ金属/アルカリ
土類金属水酸化物等としては、例えば Ba(OH)2、Ca(OH)
2 、BaCO3 、NaOH等が挙げられる。このようにして得ら
れたスラリー又は粉体を乾燥し、焼成する。焼成温度は
通常100℃以上1200℃以下の範囲であり、好ましくは400
℃以上900 ℃以下である。焼成時間は特に制限されな
いが、経済的には10時間以下が良い。焼成を終了したも
のは粉砕しても良いが、粉砕する事なく直ちにこれを触
媒として使用することが出来る。
【0012】本発明の触媒は上記金属の組合せにより優
れた活性、選択性等の性能を有するものであるが、本発
明の効果を損なわない範囲で他の金属、例えば貴金属等
を添加することも可能であり、何等他の金属の併用を排
除するものではない。
れた活性、選択性等の性能を有するものであるが、本発
明の効果を損なわない範囲で他の金属、例えば貴金属等
を添加することも可能であり、何等他の金属の併用を排
除するものではない。
【0013】上記で得られた本発明の触媒を用いての高
級脂肪酸エステルの水素還元は、温度 130〜350 ℃、好
ましくは 180〜300 ℃、水素圧10〜300 kg/cm2 、好ま
しくは 100〜250 kg/cm2 で行われる。触媒の使用量は
出発物質である高級脂肪酸エステルに対し、0.1 〜20重
量%、好ましくは 0.5〜10重量%の範囲である。
級脂肪酸エステルの水素還元は、温度 130〜350 ℃、好
ましくは 180〜300 ℃、水素圧10〜300 kg/cm2 、好ま
しくは 100〜250 kg/cm2 で行われる。触媒の使用量は
出発物質である高級脂肪酸エステルに対し、0.1 〜20重
量%、好ましくは 0.5〜10重量%の範囲である。
【0014】本発明の触媒を用いて水素化される高級脂
肪酸エステルとしては、脂肪酸の炭素数が6以上でかつ
エステル基を1個以上有するものが挙げられる。高級脂
肪酸エステルとしては直鎖脂肪酸エステル、分岐鎖脂肪
酸エステルあるいは不飽和脂肪酸エステルのいずれを用
いてもよく、またこれらの混合物を用いてもよい。高級
脂肪酸エステルを構成するところのアルコールは炭素数
が1〜4の低級アルコールが好ましく、特にメタノール
が好ましい。高級脂肪酸エステルの具体例としては、ヤ
シ油脂肪酸メチルエステル、パーム油脂肪酸メチルエス
テル、パーム核油脂肪酸メチルエステル、ナタネ油脂肪
酸メチルエステル、牛脂脂肪酸メチルエステル、魚油脂
肪酸メチルエステル、オレンジラフィー脂肪酸メチルエ
ステル等が挙げられる。
肪酸エステルとしては、脂肪酸の炭素数が6以上でかつ
エステル基を1個以上有するものが挙げられる。高級脂
肪酸エステルとしては直鎖脂肪酸エステル、分岐鎖脂肪
酸エステルあるいは不飽和脂肪酸エステルのいずれを用
いてもよく、またこれらの混合物を用いてもよい。高級
脂肪酸エステルを構成するところのアルコールは炭素数
が1〜4の低級アルコールが好ましく、特にメタノール
が好ましい。高級脂肪酸エステルの具体例としては、ヤ
シ油脂肪酸メチルエステル、パーム油脂肪酸メチルエス
テル、パーム核油脂肪酸メチルエステル、ナタネ油脂肪
酸メチルエステル、牛脂脂肪酸メチルエステル、魚油脂
肪酸メチルエステル、オレンジラフィー脂肪酸メチルエ
ステル等が挙げられる。
【0015】
【実施例】以下実施例により本発明を説明するが、本発
明はこれらの実施例に限定されるものではない。
明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0016】実施例1 還流冷却器を有する反応器に、水(300g) 、 CuSO4・5H
2O(48g)、 FeSO4・7H2O(59g)及び水酸化アルミニ
ウム(昭和電工製ハイジライト H−32、12.14g)を入
れ、攪拌しながら温度を96℃に上昇させた。温度を95℃
±2℃に保ちながら1時間保持した。次いでこの温度を
保ちながら、Na2CO3 (44.8g) を水(150g) に溶解させ
た溶液を約80分かけて滴下する。反応において最初青緑
色の沈澱が徐々に褐色に変化し、最終的に黒色となる。
滴下終了後のpHは8.95であった。温度を95℃±2℃に保
ちながら、Ti(SO4)2(40.0g)を水(109.2g) に溶解さ
せた溶液と Na2CO3(41.0g) を水(145.4g) に溶解させ
た溶液を同時に滴下した。金属塩の水溶液は60分、アル
カリ物質の水溶液は30分かけて滴下した。アルカリ物質
の水溶液滴下後のpHは8.71、金属塩水溶液滴下後のpHは
8.11であった。これにTi(SO4)2(20.0g)を水(53.5
g)に溶解させた溶液を30分かけて滴下した。この時の
pHは4.12であった。次いでNa2CO3(16.3g)を水(57.8
g)に溶解させた溶液を約30分かけて滴下した。更に10
%NaOH水溶液を滴下しpHを10.5に調整した。pHを10.5に
保ちながら1時間熟成を行った。熟成終了後、反応物を
吸引濾過した。濾過は極めて容易であり、濾液は無色で
あった。沈澱を毎回 450mlの水で3回洗った後、 Ba(O
H)2(4.21g)を水(320g)に溶解させた溶液を加え、
30分攪拌後蒸発乾燥固した。乾燥終了物を軽く粉砕し 7
50℃で1時間空気中で焼成し、所望の触媒を得た。この
触媒のCu/Fe/Ti/Baの原子比は1/1/1.09/0.063
であった。
2O(48g)、 FeSO4・7H2O(59g)及び水酸化アルミニ
ウム(昭和電工製ハイジライト H−32、12.14g)を入
れ、攪拌しながら温度を96℃に上昇させた。温度を95℃
±2℃に保ちながら1時間保持した。次いでこの温度を
保ちながら、Na2CO3 (44.8g) を水(150g) に溶解させ
た溶液を約80分かけて滴下する。反応において最初青緑
色の沈澱が徐々に褐色に変化し、最終的に黒色となる。
滴下終了後のpHは8.95であった。温度を95℃±2℃に保
ちながら、Ti(SO4)2(40.0g)を水(109.2g) に溶解さ
せた溶液と Na2CO3(41.0g) を水(145.4g) に溶解させ
た溶液を同時に滴下した。金属塩の水溶液は60分、アル
カリ物質の水溶液は30分かけて滴下した。アルカリ物質
の水溶液滴下後のpHは8.71、金属塩水溶液滴下後のpHは
8.11であった。これにTi(SO4)2(20.0g)を水(53.5
g)に溶解させた溶液を30分かけて滴下した。この時の
pHは4.12であった。次いでNa2CO3(16.3g)を水(57.8
g)に溶解させた溶液を約30分かけて滴下した。更に10
%NaOH水溶液を滴下しpHを10.5に調整した。pHを10.5に
保ちながら1時間熟成を行った。熟成終了後、反応物を
吸引濾過した。濾過は極めて容易であり、濾液は無色で
あった。沈澱を毎回 450mlの水で3回洗った後、 Ba(O
H)2(4.21g)を水(320g)に溶解させた溶液を加え、
30分攪拌後蒸発乾燥固した。乾燥終了物を軽く粉砕し 7
50℃で1時間空気中で焼成し、所望の触媒を得た。この
触媒のCu/Fe/Ti/Baの原子比は1/1/1.09/0.063
であった。
【0017】実施例2〜6 Ti(SO4)2・H2O の代わりに、Sn(SO4)2・H2O 、 ZrSO4・
7H2O、 ZnSO4・7H2O、MnSO4・7H2O、Ga2(SO4)3 を金属
モル比で同じになるように使用した以外は実施例1と同
様にして触媒を得た。
7H2O、 ZnSO4・7H2O、MnSO4・7H2O、Ga2(SO4)3 を金属
モル比で同じになるように使用した以外は実施例1と同
様にして触媒を得た。
【0018】実施例7〜11 水酸化アルミニウムのかわりに、酸化チタン、酸化ジル
コニウム、ゼオライト、シリカ−アルミナ、酸化第二鉄
を使用した以外は実施例1と同様の操作を行って触媒を
得た。尚、酸化チタンを用いる実施例7ではCu/Fe/Ti
/Baの原子比は1/1/1.81/0.063 となるようにし
た。
コニウム、ゼオライト、シリカ−アルミナ、酸化第二鉄
を使用した以外は実施例1と同様の操作を行って触媒を
得た。尚、酸化チタンを用いる実施例7ではCu/Fe/Ti
/Baの原子比は1/1/1.81/0.063 となるようにし
た。
【0019】実施例12 水酸化アルミニウムのかわりに、酸化マグネシウムを使
用し、使用する金属の原子比を表2に示す通りにするこ
と以外は実施例1と同様の操作を行って触媒を得た。
用し、使用する金属の原子比を表2に示す通りにするこ
と以外は実施例1と同様の操作を行って触媒を得た。
【0020】実施例13〜21 Cu/Fe/第三金属の原子比或いは触媒の焼成温度を表3
に示す比率に種々変えた以外は実施例1と同様にして触
媒を得た。
に示す比率に種々変えた以外は実施例1と同様にして触
媒を得た。
【0021】比較例1 還流冷却器を有する反応器に、水(400g) 、CuSO4 ・5H
2O(40.7g)、FeSO4 ・7H2O(45.5g)、Ti(SO4)2(6
0.0g)及び水酸化アルミニウム(昭和電工製ハイジラ
イト H−32、12.14 g)を入れ、攪拌しながら温度を96
℃に上昇させた。温度を95℃±2℃に保ちながら1時間
保持した。次いでこの温度を保ちながら、Na2CO3(76.7
g)を水(272g)に溶解させた溶液を約80分かけて滴下
する。反応において最初青緑色の沈澱が徐々に褐色に変
化し、最終的に黒色となる。更に10%NaOH水溶液を滴下
しpHを10.5に調整した。pHを10.5に保ちながら1時間熟
成を行い、以後実施例1と同様の操作をして触媒を得
た。
2O(40.7g)、FeSO4 ・7H2O(45.5g)、Ti(SO4)2(6
0.0g)及び水酸化アルミニウム(昭和電工製ハイジラ
イト H−32、12.14 g)を入れ、攪拌しながら温度を96
℃に上昇させた。温度を95℃±2℃に保ちながら1時間
保持した。次いでこの温度を保ちながら、Na2CO3(76.7
g)を水(272g)に溶解させた溶液を約80分かけて滴下
する。反応において最初青緑色の沈澱が徐々に褐色に変
化し、最終的に黒色となる。更に10%NaOH水溶液を滴下
しpHを10.5に調整した。pHを10.5に保ちながら1時間熟
成を行い、以後実施例1と同様の操作をして触媒を得
た。
【0022】比較例2 水酸化アルミニウムを使用しない以外は比較例1と同様
の操作を行い触媒を得た。
の操作を行い触媒を得た。
【0023】比較例3〜5 Cu/Fe/第三金属/(アルカリ金属及び/又はアルカリ
土類金属)の原子比を表4に示す比率に種々変えた以外
は比較例1と同様にして触媒を得た。
土類金属)の原子比を表4に示す比率に種々変えた以外
は比較例1と同様にして触媒を得た。
【0024】試験例 ヤシ油脂肪酸メチルエステル (以下MEと称する)150gに
各実施例及び比較例で得られた触媒を3.75g加え、 500
mlオートクレーブ中で、水素圧 250kg/cm2 、反応温度
275℃、水素を5リットル/min で流し、反応を4時間
行わせた。反応途中30、60、90、120 、180 、240 分に
サンプリングを行いケン化価を測定した。原料MEのケン
化価をSV0 、t分時のサンプリングにおける反応物のケ
ン化価をSVt 、275 ℃、 250kg/cm2 における平衡ケン
化価をSVe とし、この値から1次反応速度定数k(×10
3 /min)を、 k= (1/t) ln(SV0−SVe)/(SVt−SVe) により求めた。実施例1の触媒を用いた時の反応のkは
7.20×103 であった。反応終了後、反応器を冷却し、オ
ートクレーブを解放して反応液を抜き出し、加圧ろ過に
より触媒を除去した。得られた反応物の組成をガスクロ
マトグラフィーにより分析した。次いで、ろ過速度を測
定するために、ME 150gに触媒を7.50g加え、500 mlの
オートクレーブ中で、水素圧 250kg/cm2 、反応温度27
5 ℃で反応を1時間行った後、冷却せずに 200kg/cm2
に減圧した状態で高圧バルブを通じて全量をサンプリン
グした。この抜き出したスラリー(58g)を秤量し、ド
デシルアルコールで 255gに希釈した後、内径3cmの外
部加熱式温度コントロールのついた加圧ろ過機を使用
し、一定条件(ろ過圧力3kg/cm2 、ろ過温度50℃)で
ろ過を行い、単位時間当たりのろ過速度F(m3/cm2−
Hr)を求めた。これらの結果を表1〜4に示す。
各実施例及び比較例で得られた触媒を3.75g加え、 500
mlオートクレーブ中で、水素圧 250kg/cm2 、反応温度
275℃、水素を5リットル/min で流し、反応を4時間
行わせた。反応途中30、60、90、120 、180 、240 分に
サンプリングを行いケン化価を測定した。原料MEのケン
化価をSV0 、t分時のサンプリングにおける反応物のケ
ン化価をSVt 、275 ℃、 250kg/cm2 における平衡ケン
化価をSVe とし、この値から1次反応速度定数k(×10
3 /min)を、 k= (1/t) ln(SV0−SVe)/(SVt−SVe) により求めた。実施例1の触媒を用いた時の反応のkは
7.20×103 であった。反応終了後、反応器を冷却し、オ
ートクレーブを解放して反応液を抜き出し、加圧ろ過に
より触媒を除去した。得られた反応物の組成をガスクロ
マトグラフィーにより分析した。次いで、ろ過速度を測
定するために、ME 150gに触媒を7.50g加え、500 mlの
オートクレーブ中で、水素圧 250kg/cm2 、反応温度27
5 ℃で反応を1時間行った後、冷却せずに 200kg/cm2
に減圧した状態で高圧バルブを通じて全量をサンプリン
グした。この抜き出したスラリー(58g)を秤量し、ド
デシルアルコールで 255gに希釈した後、内径3cmの外
部加熱式温度コントロールのついた加圧ろ過機を使用
し、一定条件(ろ過圧力3kg/cm2 、ろ過温度50℃)で
ろ過を行い、単位時間当たりのろ過速度F(m3/cm2−
Hr)を求めた。これらの結果を表1〜4に示す。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】
【表3】
【0028】
【表4】
【0029】注)* 表1〜4中の原子比は、いずれもCu
/Fe/第三金属/(アルカリ金属及び/又はアルカリ土
類金属)の比率である。
/Fe/第三金属/(アルカリ金属及び/又はアルカリ土
類金属)の比率である。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、極めて高活性及び高選
択性を有する銅−鉄−第三金属系触媒が得られ、かかる
触媒を使用すれば非常に高純度の高級アルコールが極め
て容易に得られる。
択性を有する銅−鉄−第三金属系触媒が得られ、かかる
触媒を使用すれば非常に高純度の高級アルコールが極め
て容易に得られる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C07C 29/149 B01J 23/82 Z // C07B 61/00 300 23/84 311Z (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 21/00 - 37/36 C07C 29/00,31/00
Claims (6)
- 【請求項1】 以下の,,及びからなる群から
選ばれる少なくとも一種を担体とし、原子比がCu/Fe/
(周期律表IIb 族、IIIb族、IVa 族、IVb 族、VIb 族及
びVIIa族の金属(ただし、アルミニウムを除く)からな
る群から選ばれる少なくとも一種の金属)/(アルカリ
金属及びアルカリ土類金属からなる群から選ばれる少な
くとも一種の金属)=1/0.4〜2.5 / 0.5〜5.0 /0
〜0.4であることを特徴とするアルコール製造用触媒。 アルミニウム、ケイ素、チタン、ジルコニウム、マグ
ネシウム及び鉄の酸化物 アルミニウム、ケイ素、チタン、ジルコニウム、マグ
ネシウム及び鉄の水酸化物 ゼオライト シリカ−アルミナ - 【請求項2】 周期律表IIb 族、IIIb族、IVa 族、IVb
族、VIb 族及びVIIa族の金属(ただし、アルミニウムを
除く)からなる群から選ばれる少なくとも一種の金属
が、チタン、スズ、マンガン、ジルコニウム、亜鉛又は
ガリウムである請求項1記載のアルコール製造用触媒。 - 【請求項3】 請求項1又は2記載のアルコール製造用
触媒を製造するに当たり、下記の第一工程、第二工程及
び第三工程、又は下記の第一工程、第二工程、第三工程
及び第四工程をこの順に行うことを特徴とする、アルコ
ール製造用触媒の製造方法。 (第一工程) 以下の,,及びからなる群から選ばれる少なく
とも一種の担体を水性媒体中に懸濁させ、その懸濁液中
において水溶性銅塩及び水溶性鉄塩とアルカリ物質とを
反応させることによって担体表面上に銅化合物及び鉄化
合物を沈澱させる工程。 アルミニウム、ケイ素、チタン、ジルコニウム、マグ
ネシウム及び鉄の酸化物 アルミニウム、ケイ素、チタン、ジルコニウム、マグ
ネシウム及び鉄の水酸化物 ゼオライト シリカ−アルミナ (第二工程) 第一工程にて得られた懸濁液中にて、周期律表IIb 族、
IIIb族、IVa 族、IVb族、VIb 族及びVIIa族の金属(た
だし、アルミニウムを除く)からなる群から選ばれる少
なくとも一種の金属(以下、第三金属と記す)を含む水
溶液とアルカリ物質とを反応させることによって、第一
工程にて得られた懸濁液中に存在する固体粒子表面上に
第三金属化合物を一回または二回以上沈澱させる工程。 (第三工程) 第一工程及び第二工程で得られた懸濁液より沈澱物を取
得し、水洗し、スラリー又は粉体を得る工程であって、
第四工程を行なわない場合には次いで該スラリー又は該
粉体を乾燥及び焼成する工程。 (第四工程) (イ)第三工程にて得られたスラリー又は粉体と、
(ロ)アルカリ金属塩、アルカリ金属水酸化物、アルカ
リ土類金属塩及びアルカリ土類金属水酸化物からなる群
から選ばれる少なくとも一種とを混合し、得られたスラ
リー又は粉体を乾燥及び焼成する工程。 - 【請求項4】 第一工程及び第二工程の反応温度が60〜
120 ℃である請求項3記載のアルコール製造用触媒の製
造方法。 - 【請求項5】 第三工程又は第四工程の焼成温度が 100
〜1200℃である請求項3又は4記載のアルコール製造用
触媒の製造方法。 - 【請求項6】 第三金属が、チタン、スズ、マンガン、
ジルコニウム、亜鉛又はガリウムである請求項3〜5の
何れか1項記載のアルコール製造用触媒の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33678391A JP3272386B2 (ja) | 1991-12-19 | 1991-12-19 | アルコール製造用触媒及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33678391A JP3272386B2 (ja) | 1991-12-19 | 1991-12-19 | アルコール製造用触媒及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05168931A JPH05168931A (ja) | 1993-07-02 |
JP3272386B2 true JP3272386B2 (ja) | 2002-04-08 |
Family
ID=18302653
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33678391A Expired - Fee Related JP3272386B2 (ja) | 1991-12-19 | 1991-12-19 | アルコール製造用触媒及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3272386B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9346044B2 (en) | 2012-09-03 | 2016-05-24 | Kuraray Co., Ltd. | Copper-based catalyst precursor, method for manufacturing same, and hydrogenation method |
EP2894144B1 (en) | 2012-09-03 | 2017-03-08 | Kuraray Co., Ltd. | Method for producing 7-octenal |
JP7227564B2 (ja) * | 2018-07-05 | 2023-02-22 | 株式会社豊田中央研究所 | アルコール合成用触媒及びそれを用いたアルコールの製造方法 |
-
1991
- 1991-12-19 JP JP33678391A patent/JP3272386B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05168931A (ja) | 1993-07-02 |
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---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |