JP3268730B2 - 摺動面用潤滑油組成物 - Google Patents
摺動面用潤滑油組成物Info
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Description
成物に関し、詳しくは摺動部の摩擦特性(動摩擦係数、
スティックスリップ防止性)および水分離性能ともに優
れた摺動面潤滑油組成物に関する。
前後・左右・上下等の任意の方向に動かすために摺動面
が存在し、すべり案内面が摺動面として主に用いられて
いる。そして、すべり案内面の摺動運動を円滑に行うこ
とは、工作機械の寿命の延長、加工物精度の向上及びラ
ンニングコストの低減等に大きく寄与する。
うに低速度で行われる場合が多いのでスティックスリッ
プ現象を起こしやすく、それが原因で加工物の精度、機
械の寿命に悪影響を及ぼす場合が多い。また、該摺動面
用潤滑油の動摩擦係数μが大きすぎると、送りハンドル
が重い、位置決め精度が悪い等の不具合があり望ましく
ない。それ故、摺動運動を円滑に行うために、良好な摺
動部の摩擦特性を有する摺動面用潤滑油が望まれてい
る。
トとして切削油や研削油等の加工油が用いられているケ
ースが多い。このクーラントは通常専用のタンクを有
し、ポンプにより循環使用されている。このクーラント
と上記の摺動面用潤滑油は、その使用目的から全く異な
った添加剤処方で組みたてられているのが通常である。
切削・研削のために供給されたクーラントは、切り屑と
分離された後クーラントのタンクにもどされるが、この
際摺動面用潤滑油が混入してくる。クーラントとして特
に水溶性のクーラントを用いる場合、クーラントに摺動
面用潤滑油が含まれると加工油としての性能が著しく損
なわれることになる。そのため、摺動面用潤滑油とクー
ラントはタンク内で速やかに分離することが必要であ
り、摺動面用潤滑油は水分離性能も良好でなければなら
ない。
らなされたもので、摺動部の摩擦特性(動摩擦係数、ス
ティックスリップ防止性)および水分離性能ともに優れ
た摺動面用潤滑油組成物を提供することを目的とするも
のである。
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の硫黄系極圧
剤と特定のアルカリ土類金属スルホネートを併用するこ
とにより、摺動部の摩擦特性および水分離性能ともに優
れた摺動面用潤滑油組成物が得られることを見出し本発
明を完成したものである。
粘度が1〜50mm2 /sの潤滑油基油に、組成物全量
基準で(A)硫化油脂、硫化脂肪酸及び硫化エステルか
ら選ばれる硫黄系極圧剤0.1〜15重量%および
(B)塩基価200mgKOH/g未満のアルカリ土類
金属スルホネート0.01〜5重量%含有させることを
特徴とする摺動面用潤滑油組成物を提供するものであ
る。
明する。本発明における潤滑油基油は、100℃におけ
る動粘度が1〜50mm2 /s、好ましくは3〜30m
m2 /sのものであるが、その種類は特に限定されるも
のではなく、通常潤滑油の基油として使用されているも
のであれば鉱油系、合成系を問わず使用することができ
る。鉱油系潤滑油基油としては、例えば、パラフィン基
系原油、中間基系原油、ナフテン基系原油を常圧蒸留ま
たは減圧蒸留して得られる潤滑油留分を、溶剤脱れき、
溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、接触脱ろう、水素
化精製、硫酸洗浄、白土処理などの常法にしたがって精
製した精製油などが使用できる。また、合成系潤滑油基
油としては、例えば、ポリα−オレフィン、ポリブテ
ン、二塩基酸エステル、ポリグリコール、ヒンダードエ
ステル、アルキルベンゼン、ポリエーテルなど様々なも
のが使用できる。これらの基油は単独でも、二種以上組
み合わせて使用してもよい。
は、分子内に硫黄原子を有し、潤滑油基油に溶解又は均
一に分散して、極圧性や優れた摩擦特性を発揮しうるも
のであればよく、特に制限はない。このようなものとし
ては、例えば硫化油脂,硫化脂肪酸,硫化エステル,硫
化オレフィン,ジヒドロカルビルポリサルファイド,チ
オカーバメート類,チオテルペン類,ジアルキルチオジ
プロピオネート類などを挙げることができる。ここで、
硫化油脂は硫黄や硫黄含有化合物と油脂(ラード油,鯨
油,植物油,魚油等)を反応させて得られるものであ
り、その硫黄含有量は特に制限はないが、一般に5〜3
0重量%のものが好適である。その具体例としては、硫
化ラード,硫化なたね油,硫化ひまし油,硫化大豆油,
硫化米ぬか油などを挙げることができる。硫化脂肪酸の
具体例としては、硫化オレイン酸などを、硫化エステル
の具体例としては、硫化オレイン酸メチルや硫化米ぬか
脂肪酸オクチルなどを挙げることができる。
一般式(I) R1 −Sx −R2 ・・・(I) (式中、R1 は炭素数2〜15のアルケニル基、R2 は
炭素数2〜15のアルキル基又はアルケニル基を示し、
xは1〜8の整数を示す。)で表される化合物などを挙
げることができる。この化合物は、炭素数2〜15のオ
レフィン又はその二〜四量体を、硫黄,塩化硫黄等の硫
化剤と反応させることによって得られ、該オレフィンと
しては、プロピレン,イソブテン,ジイソブテンなどが
好ましい。
は、下記の一般式(II) R3 −Sy −R4 ・・・(II) (式中、R3 及びR4 は、それぞれ炭素数1〜20のア
ルキル基又は環状アルキル基,炭素数6〜20のアリー
ル基,炭素数7〜20のアルキルアリール基又は炭素数
7〜20のアリールアルキル基を示し、それらは互いに
同一でも異なっていてもよく、yは2〜8の整数を示
す。)で表される化合物である。ここで、R3 及びR4
がアルキル基の場合、硫化アルキルと言われる。
具体例としては、メチル基,エチル基,n−プロピル
基,イソプロピル基,n−ブチル基,イソブチル基,s
ec−ブチル基,tert−ブチル基,各種ペンチル
基,各種ヘキシル基,各種ヘプチル基,各種オクチル
基,各種ノニル基,各種デシル基,各種ドデシル基,シ
クロヘキシル基,シクロオクチル基,フェニル基,ナフ
チル基,トリル基,キシリル基,ベンジル基,フェネチ
ル基などを挙げることができる。
しては、例えば、ジベンジルポリサルファイド,ジ−t
ert−ノニルポリサルファイド,ジドデシルポリサル
ファイド,ジ−tert−ブチルポリサルファイド,ジ
オクチルポリサルファイド,ジフェニルポリサルファイ
ド,ジシクロヘキシルポリサルファイドなどを好ましく
挙げることができる。
えば、ジンクジチオカーバメートなどを、チオテルペン
類としては、例えば、五硫化リンとピネンの反応物を、
ジアルキルチオジプロピオネート類としては、例えば、
ジラウリルチオジプロピオネート,ジステアリルチオジ
プロピオネートなどを挙げることができる。これらの中
で、極圧性,摩擦特性などの点から、硫化油脂,硫化脂
肪酸,硫化エステルが好適で、特に硫化油脂が好適であ
る。
いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。ま
た、その含有量は、組成物全量を基準として、0.1〜
15重量%、好ましくは1〜10重量%、更に好ましく
は2〜7重量%である。(A)成分の含有量が下限値に
達しない場合は(B)成分との相乗効果による摩擦係数
の向上効果が不十分であり、含有量が上限値を超えて
も、含有量に相当する効果の向上はみられない。
類金属スルホネートは、各種スルホン酸のアルカリ土類
金属塩である。スルホン酸としては、芳香族石油スルホ
ン酸、アルキルスルホン酸、アリールスルホン酸、アル
キルアリールスルホン酸等があり、具体的には、ドデシ
ルベンゼンスルホン酸、ジラウリルセチルベンゼンスル
ホン酸、パラフィンワックス置換ベンゼンスルホン酸、
ポリオレフィン置換ベンゼンスルホン酸、ポリイソブチ
レン置換ベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸等
が挙げられる。アルカリ土類金属としては、カルシウ
ム、バリウム、マグネシウムが挙げられるが、そのう
ち、特にカルシウムが最適である。また該アルカリ土類
金属スルホネートの塩基価は200mgKOH/g未満
である必要がある。塩基価が200mgKOH/g以上
であると、摺動面試験による動摩擦係数が高くなった
り、スティックスリップが発生するので好ましくない。
100mgKOH/g以下であると、更に好ましい。
いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。ま
た、その含有量は、組成物全量を基準として、0.01
〜5重量%、好ましくは0.1〜3重量%、更に好まし
くは0.2〜1.5重量%である。(B)成分の含有量
が下限値に達しない場合は(A)成分との相乗効果によ
る摩擦特性の向上効果が不十分であり、含有量が上限値
を超えても、含有量に相当する効果の向上はみられな
い。
油に対して硫黄系極圧剤および特定のアルカリ土類金属
スルホネートを特定量併用するだけで摺動部の摩擦特性
および水分離性能ともに優れた摺動面用潤滑油組成物を
得ることができるが、その各種性能をさらに高める目的
で公知の潤滑油添加剤を単独で、または数種組み合わせ
て使用することができる。これらの添加剤として、例え
ば、トリクレジルホスフェートなどのリン酸エステル、
ラードオイルなどの油脂、脂肪酸などに代表される潤滑
性向上剤;アミン,アルカノールアミン,アミド,カル
ボン酸などの腐食防止剤;ベンゾトリアゾール,チアジ
アゾールなどの金属不活性剤;メチルシリコーン,フル
オロシリコーン,ポリアクリレートなどの消泡剤などが
挙げられる。
が、組成物全量基準で潤滑性向上剤の含有量は通常1〜
30重量%、腐食防止剤の含有量は通常0.5〜5重量
%、金属不活性剤の含有量は通常0.005〜1重量%
および消泡剤の含有量は通常0.0001〜0.5重量
%である。
説明するが、本発明はこれらの例によってなんら制限さ
れるものではない。 実施例1,2及び比較例1〜4 パラフィン系潤滑油基油(150ニュートラル油:10
0℃における動粘度が5.6mm2 /s)に、第1表に
示す所定の化合物を所定の割合で添加して潤滑油組成物
を調製した。
示す各種試験を行い、摺動面用潤滑油としての性能を評
価した。結果を第1表に示す。 〔試験方法〕 摺動面試験 下記の条件で動摩擦係数μとスティックスリップ発生の
有無を測定した(詳細はトライボロジストVol.3
6,No.12,P67〜73参照)。 面圧:41〜198KPa(8段階) 滑り速度:30、50、100mm/s(3段階) 滑り面材質:テーブル S45C(JIS G 4051)研削仕上げ サドル FC−20(JIS G 5501)キサゲ仕上げおよび ターカイト貼り付け仕上げの2種類 なお、第1表に示す動摩擦係数の値は、面圧108KP
a、滑り速度50mm/sにおける実験値である。 水分離性能試験 JIS K 2520(54℃)に準拠
および塩基価200mgKOH/g未満のCa−スルホ
ネートを含有している実施例1,2は、摺動部の摩擦特
性(動摩擦係数、スティックスリップ防止性)および水
分離性能ともに優れていることがわかる。
部の摩擦特性および水分離性能ともに優れており、切削
・研削のために水溶性のクーラントを使用しても、クー
ラントを再使用できる。
Claims (3)
- 【請求項1】100℃における動粘度が1〜50mm2
/sの潤滑油基油に、組成物全量基準で(A)硫化油
脂、硫化脂肪酸及び硫化エステルから選ばれる硫黄系極
圧剤0.1〜15重量%および(B)塩基価200mg
KOH/g未満のアルカリ土類金属スルホネート0.0
1〜5重量%含有させることを特徴とする摺動面用潤滑
油組成物。 - 【請求項2】硫黄系極圧剤が硫化油脂である請求項1記
載の摺動面用潤滑油組成物。 - 【請求項3】アルカリ土類金属スルホネートの塩基価が
100mgKOH/g以下である請求項1又は2記載の
摺動面用潤滑油組成物。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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JP33889495 | 1995-12-26 | ||
JP21626396A JP3268730B2 (ja) | 1995-12-26 | 1996-08-16 | 摺動面用潤滑油組成物 |
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JPH09235580A JPH09235580A (ja) | 1997-09-09 |
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Family
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Family Applications (1)
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JP21626396A Expired - Fee Related JP3268730B2 (ja) | 1995-12-26 | 1996-08-16 | 摺動面用潤滑油組成物 |
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JPH02269197A (ja) * | 1984-12-14 | 1990-11-02 | Idemitsu Kosan Co Ltd | 摺動兼金属加工用潤滑組成物 |
JPH0662983B2 (ja) * | 1986-03-17 | 1994-08-17 | 株式会社豊田中央研究所 | 潤滑油組成物 |
JP2613117B2 (ja) * | 1989-04-11 | 1997-05-21 | 出光興産 株式会社 | 防錆兼金属加工油組成物 |
JPH04202400A (ja) * | 1990-11-29 | 1992-07-23 | Yushiro Chem Ind Co Ltd | 工作機械潤滑油兼用水溶性金属加工用油剤及び該油剤を用いた潤滑方法 |
-
1996
- 1996-08-16 JP JP21626396A patent/JP3268730B2/ja not_active Expired - Fee Related
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