JP3260379B2 - 西洋ワサビペルオキシダーゼを用いて生体分子を標識する方法 - Google Patents
西洋ワサビペルオキシダーゼを用いて生体分子を標識する方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 説明 本発明は、ペプチド、ホルモンまたはハプテン等の抗
原およびIgGまたはIgMタイプの免疫グロブリン等の抗体
を酵素標識する新規な方法に関する。該方法は、放射線
免疫検定法(RIA)における放射性トレーサーの感度に
完全に匹敵する高い感度を有する酵素トレーサーとし
て、酵素免疫検定法に用いることが可能である。酵素免
疫学的検出法の適用分野は、血液、尿または体液中に含
まれる多数の物質の分析測定であり、この分析測定は研
究を目的とするヒトおよび獣医学、さらには特に実際の
臨床診断に広く適用されている。その特異性と感度は、
酵素と抗原または抗体との架橋を行なう標識方法に大き
く依存する。
原およびIgGまたはIgMタイプの免疫グロブリン等の抗体
を酵素標識する新規な方法に関する。該方法は、放射線
免疫検定法(RIA)における放射性トレーサーの感度に
完全に匹敵する高い感度を有する酵素トレーサーとし
て、酵素免疫検定法に用いることが可能である。酵素免
疫学的検出法の適用分野は、血液、尿または体液中に含
まれる多数の物質の分析測定であり、この分析測定は研
究を目的とするヒトおよび獣医学、さらには特に実際の
臨床診断に広く適用されている。その特異性と感度は、
酵素と抗原または抗体との架橋を行なう標識方法に大き
く依存する。
酵素免疫検定法および関連の方法(EIA)に関する総
合的な研究によって、標識として適した酵素の全シリー
ズが明らかとなった(G.B.Wisdom:Clin.Chem.22(197
6)1242−1555;A.H.W.M.Schuurs,B.K.van Weemen(197
7):Enzyme immunoassay,Grundlagen und praktische A
nwendung,Fundamamentals and practical applicatio
n),p.4−9,Georg Thieme Verlag Stuttgart 1978;H.Ke
ller:Medizine.Laboratorium 31(1978),83−94;T.Por
stmann,S.T.Kiessig:J.Immunol.Methods 150(1992)5
−21)。しかしながら今日まで、西洋ワサビペルオキシ
ダーゼ(HRP)は、比較的安価であり、非常に高純度で
あるため特異性の高い酵素活性を有するものを製造する
ことができ、本質的に酵素の反応性を損なうことなく科
学反応を行なえる「頑強な(robust)」生物物質(bios
ubstance)であるという事実のため、選ばれた酵素であ
る。このため、全ての酵素免疫検定法のほぼ80%に市販
のHRP複合体が使用されている。残りの約20%では、主
にアルカリホスフォターゼとの複合体が使用されてい
る。特別な場合に限り、β−ガラクトシダーゼ、グルコ
ースオキシダーゼまたはアセチルコリンエステラーゼ等
の他の酵素を用いて標識が行われている。
合的な研究によって、標識として適した酵素の全シリー
ズが明らかとなった(G.B.Wisdom:Clin.Chem.22(197
6)1242−1555;A.H.W.M.Schuurs,B.K.van Weemen(197
7):Enzyme immunoassay,Grundlagen und praktische A
nwendung,Fundamamentals and practical applicatio
n),p.4−9,Georg Thieme Verlag Stuttgart 1978;H.Ke
ller:Medizine.Laboratorium 31(1978),83−94;T.Por
stmann,S.T.Kiessig:J.Immunol.Methods 150(1992)5
−21)。しかしながら今日まで、西洋ワサビペルオキシ
ダーゼ(HRP)は、比較的安価であり、非常に高純度で
あるため特異性の高い酵素活性を有するものを製造する
ことができ、本質的に酵素の反応性を損なうことなく科
学反応を行なえる「頑強な(robust)」生物物質(bios
ubstance)であるという事実のため、選ばれた酵素であ
る。このため、全ての酵素免疫検定法のほぼ80%に市販
のHRP複合体が使用されている。残りの約20%では、主
にアルカリホスフォターゼとの複合体が使用されてい
る。特別な場合に限り、β−ガラクトシダーゼ、グルコ
ースオキシダーゼまたはアセチルコリンエステラーゼ等
の他の酵素を用いて標識が行われている。
酵素複合体の調製では、酵素活性または抗原もしくは
抗体の免疫反応性のいずれをも顕著に低下させることな
く、酵素を標識すべき免疫物質と共有結合によって架橋
させることが課題である。これは、適切なカップリング
試薬が直接作用し得る官能基を2個のカップリングパー
トナーが有するか、あるいは、まず第一にチオールまた
はビスマレインイミド基等の反応性基を導入し、次いで
第二反応工程においてホモもしくはヘテロ二官能性試薬
によって複合化を間接的に行なうことを前提とする(E.
Ishikawaら:J.Immunoassay 4(1983)209−327)。60年
代の初めには、既にこのようなHRP複合体を免疫組織化
学的実験用の標識としておよびEIAトレーサーとして製
造する努力が行われていた。当時、この分野で達成され
た開発水準によれば、例えば、4,4'−ジフルオロ−3,3'
−ジニトロフェニルスルホン(J.S.Ram:Biochim.Biophy
s.Acta 78(1963)228−230;P.K.Nakane,G.B.Pierce:J.
Histochem,Cytochem,14(1966)929)、各種カルボジイ
ミド(S.Avrameas,J.Uriel:C.R.Acad.Sci.(D)Paris
262(1966)2543;P.K.Nakane,G.B.Pierce:J.Cell Biol.
33(1967)307−318)、塩化シアヌルおよびビスジアゾ
化o−ジアニシジン(S.Avrameas:Bull.Soc.Chim.Biol.
50(1968)1169)等がHRPと免疫グロブリン(IgG)との
直接結合に用いられている。しかしながら、これらの所
謂「ワンポット法」の主な生成物としてはIgGホモポリ
マーが形成され、使用するHRPのほぼ5%以下が所望のH
RP−IgG複合体の形態で得られる。
抗体の免疫反応性のいずれをも顕著に低下させることな
く、酵素を標識すべき免疫物質と共有結合によって架橋
させることが課題である。これは、適切なカップリング
試薬が直接作用し得る官能基を2個のカップリングパー
トナーが有するか、あるいは、まず第一にチオールまた
はビスマレインイミド基等の反応性基を導入し、次いで
第二反応工程においてホモもしくはヘテロ二官能性試薬
によって複合化を間接的に行なうことを前提とする(E.
Ishikawaら:J.Immunoassay 4(1983)209−327)。60年
代の初めには、既にこのようなHRP複合体を免疫組織化
学的実験用の標識としておよびEIAトレーサーとして製
造する努力が行われていた。当時、この分野で達成され
た開発水準によれば、例えば、4,4'−ジフルオロ−3,3'
−ジニトロフェニルスルホン(J.S.Ram:Biochim.Biophy
s.Acta 78(1963)228−230;P.K.Nakane,G.B.Pierce:J.
Histochem,Cytochem,14(1966)929)、各種カルボジイ
ミド(S.Avrameas,J.Uriel:C.R.Acad.Sci.(D)Paris
262(1966)2543;P.K.Nakane,G.B.Pierce:J.Cell Biol.
33(1967)307−318)、塩化シアヌルおよびビスジアゾ
化o−ジアニシジン(S.Avrameas:Bull.Soc.Chim.Biol.
50(1968)1169)等がHRPと免疫グロブリン(IgG)との
直接結合に用いられている。しかしながら、これらの所
謂「ワンポット法」の主な生成物としてはIgGホモポリ
マーが形成され、使用するHRPのほぼ5%以下が所望のH
RP−IgG複合体の形態で得られる。
この予想外のHRP反応挙動の原因は、市販の西洋ワサ
ビペルオキシダーゼの分子が約40,000と比較的高分子量
であるにもかかわらず、1〜2個の反応性アミノ基しか
有さないためであると判明した。酵素を植物からイソチ
オシアン酸アリル(含有物質であるアスコルビン酸とシ
ニグリンから生じる)によって単離する場合、もともと
存在するα−およびε−NH2基の大部分はブロックされ
てしまう(L.Ornstein:J.Histochem.Cytochem.14(196
6)929;K.G.Welinder,L.B.Smillie,G.R.Schonbaum:Can.
J.Biochem.50(1972)44−62)。また、1969年に記載さ
れたグルタルジアルデヒドによるHRPと免疫グロブリン
との直接架橋でも、リジンのε−アミノ基に対して穏や
かな反応条件下で架橋を行なっているため(S.Avramea
s:Immunochemistry 6(1969)43)、結合生成量は約5
〜10%に過ぎない。その代わり、免疫グロブリンの強固
な自己架橋が起こり、高分子量の不均質な複合体が形成
される(A.H.Korn,S.H.Feairheller,E.M.Filachione:J.
Mole.Biol.65(1972)525;D.H.Clyne,S.H.Norris,R.R.M
odestoら:J.Histochem.Cytochem.21(1973)233)。酵
素活性は本質的には影響を受けないことが判明したが、
この結合法を適用することにより免疫反応性は明らかに
低下することが見出された(D.M.Boorsa,G.L.Kalsbeck:
J.Histochem.Cytochem.23(1975)200)。にもかわら
ず、70年代の初めには、まず第一にこの所謂一段階グル
タルアルデヒド法に従って、EIA用に数多くのHRP免疫複
合体が調製された。
ビペルオキシダーゼの分子が約40,000と比較的高分子量
であるにもかかわらず、1〜2個の反応性アミノ基しか
有さないためであると判明した。酵素を植物からイソチ
オシアン酸アリル(含有物質であるアスコルビン酸とシ
ニグリンから生じる)によって単離する場合、もともと
存在するα−およびε−NH2基の大部分はブロックされ
てしまう(L.Ornstein:J.Histochem.Cytochem.14(196
6)929;K.G.Welinder,L.B.Smillie,G.R.Schonbaum:Can.
J.Biochem.50(1972)44−62)。また、1969年に記載さ
れたグルタルジアルデヒドによるHRPと免疫グロブリン
との直接架橋でも、リジンのε−アミノ基に対して穏や
かな反応条件下で架橋を行なっているため(S.Avramea
s:Immunochemistry 6(1969)43)、結合生成量は約5
〜10%に過ぎない。その代わり、免疫グロブリンの強固
な自己架橋が起こり、高分子量の不均質な複合体が形成
される(A.H.Korn,S.H.Feairheller,E.M.Filachione:J.
Mole.Biol.65(1972)525;D.H.Clyne,S.H.Norris,R.R.M
odestoら:J.Histochem.Cytochem.21(1973)233)。酵
素活性は本質的には影響を受けないことが判明したが、
この結合法を適用することにより免疫反応性は明らかに
低下することが見出された(D.M.Boorsa,G.L.Kalsbeck:
J.Histochem.Cytochem.23(1975)200)。にもかわら
ず、70年代の初めには、まず第一にこの所謂一段階グル
タルアルデヒド法に従って、EIA用に数多くのHRP免疫複
合体が調製された。
たとえカップリング試薬を過剰に使用できたとして
も、反応性アミノ基の数が非常に少ないため、HRP分子
が1分子のグルタルジアルデヒドとしか反応できないこ
とが発明した後、既に本発明者らは1971年にグルタルジ
アルデヒドを用いて、上記の一段階結合法の改良に成功
している(S.Avrameas,T.Ternynck:Immunochemistry 8
(1971)1175−1179)。明らかなように、もう一方のア
ルデヒド基は同一または別のHRP分子とは反応すること
ができない。HRPのこの特異な反応挙動は、所謂二段階
結合法の基本原理を提供し、この二段階結合法では、ま
ず第一に酵素をグルタルジアルデヒドとだけ反応させ
る。過剰のカップリング試薬を分離した後、単量体HRP
−グルタルジアルデヒド結合生成物、即ち「活性化ペル
オキシダーゼ」を得る。該生成物は、第二反応工程にお
いて抗原または抗体の第一級NH2基と反応することがで
きる。これにより、好ましくは単量体複合体を形成する
(S.Avrameas:Histochem.J.4(1972)321)。しかしな
がら、IgG1分子につき2モルの酵素を含む複合体も形成
される(D.M.Boorsma,J.G.Streefkerk:J.Immunol.Metho
ds 30(1979)245−255)。また、この複合化法を適用
した場合にも、HRP反応性は30〜50%低下するが免疫反
応性の低下は一段階法を適用した場合よりも少なく(T.
J.Greenwalt,E.McF.Swierk,E.A.Steaner:J.Histochem.C
ytochem.21(1973)233)、酵素架橋の効率はわずかに
高い(N.Yamamoto:Acta Histochem.Cytochem.8(1975)
41)。前記欠点にもかかわらず、この方法に従って数多
くのHRP複合体がEIAトレーサーとして調製された(B.K.
Weeman,A.H.W.M.Schuurs:FEBS Lett.15(1971)232:S.A
vrameas,B.Guilbert:Biochimie 54(1972)837)。
も、反応性アミノ基の数が非常に少ないため、HRP分子
が1分子のグルタルジアルデヒドとしか反応できないこ
とが発明した後、既に本発明者らは1971年にグルタルジ
アルデヒドを用いて、上記の一段階結合法の改良に成功
している(S.Avrameas,T.Ternynck:Immunochemistry 8
(1971)1175−1179)。明らかなように、もう一方のア
ルデヒド基は同一または別のHRP分子とは反応すること
ができない。HRPのこの特異な反応挙動は、所謂二段階
結合法の基本原理を提供し、この二段階結合法では、ま
ず第一に酵素をグルタルジアルデヒドとだけ反応させ
る。過剰のカップリング試薬を分離した後、単量体HRP
−グルタルジアルデヒド結合生成物、即ち「活性化ペル
オキシダーゼ」を得る。該生成物は、第二反応工程にお
いて抗原または抗体の第一級NH2基と反応することがで
きる。これにより、好ましくは単量体複合体を形成する
(S.Avrameas:Histochem.J.4(1972)321)。しかしな
がら、IgG1分子につき2モルの酵素を含む複合体も形成
される(D.M.Boorsma,J.G.Streefkerk:J.Immunol.Metho
ds 30(1979)245−255)。また、この複合化法を適用
した場合にも、HRP反応性は30〜50%低下するが免疫反
応性の低下は一段階法を適用した場合よりも少なく(T.
J.Greenwalt,E.McF.Swierk,E.A.Steaner:J.Histochem.C
ytochem.21(1973)233)、酵素架橋の効率はわずかに
高い(N.Yamamoto:Acta Histochem.Cytochem.8(1975)
41)。前記欠点にもかかわらず、この方法に従って数多
くのHRP複合体がEIAトレーサーとして調製された(B.K.
Weeman,A.H.W.M.Schuurs:FEBS Lett.15(1971)232:S.A
vrameas,B.Guilbert:Biochimie 54(1972)837)。
酵素免疫学的検出法の適用が高まったにもかかわら
ず、70年代初めには、それについて必要な酵素複合体の
調製の水準が決して満足するものではなかったというこ
とが、おそらく、1974年にNAKANEおよびKAWOIがHRP−標
識抗体を調製するための完全に新規な方法を開発した動
機であった。彼らは、酵素の大部分が糖タンパク質であ
るという事実に基づいて研究を進めた。西洋ワサビペル
オキシダーゼの場合、炭水化物の割合は分子量の約18%
であり、酵素の表面に位置するが分子の酵素活性には関
係しない、組成が既知の8本の炭水化物鎖よりなる(L.
Shannon,E.Kay,J.Y.Lew:J.Biol.Chem.241(1966)2166
−2172;K.G.Welinder,L.B.Smillie:Can.J.Biochem.50
(1972)63−90;K.G.Welinder:Eur.J.Biochem.96(197
9)483−509)。西洋ワサビペルオキシダーゼをメタ過
ヨウ素酸ナトリウムで酸化する場合には、炭化水素残基
が近接するOH基によって分解されてアルデヒド基が生成
するため、酵素活性が有意に損なわれることはない(P.
K.Nakane,A.Kawoi:J.Histochem.Cytochem.22(1974)10
84−1091)。このようしてに、抗原または抗体の第一級
NH2基と直接反応可能であり、シッフ塩基を形成する
「活性化」HRPを再び形成する。次いで、不飽和アゾメ
チン結合を、水素化ホウ素ナトリウムによる水和によっ
て適切に安定化させる。HRP−標識トレーサーを公知の
手順でゲル濾過または透析によって分離する。
ず、70年代初めには、それについて必要な酵素複合体の
調製の水準が決して満足するものではなかったというこ
とが、おそらく、1974年にNAKANEおよびKAWOIがHRP−標
識抗体を調製するための完全に新規な方法を開発した動
機であった。彼らは、酵素の大部分が糖タンパク質であ
るという事実に基づいて研究を進めた。西洋ワサビペル
オキシダーゼの場合、炭水化物の割合は分子量の約18%
であり、酵素の表面に位置するが分子の酵素活性には関
係しない、組成が既知の8本の炭水化物鎖よりなる(L.
Shannon,E.Kay,J.Y.Lew:J.Biol.Chem.241(1966)2166
−2172;K.G.Welinder,L.B.Smillie:Can.J.Biochem.50
(1972)63−90;K.G.Welinder:Eur.J.Biochem.96(197
9)483−509)。西洋ワサビペルオキシダーゼをメタ過
ヨウ素酸ナトリウムで酸化する場合には、炭化水素残基
が近接するOH基によって分解されてアルデヒド基が生成
するため、酵素活性が有意に損なわれることはない(P.
K.Nakane,A.Kawoi:J.Histochem.Cytochem.22(1974)10
84−1091)。このようしてに、抗原または抗体の第一級
NH2基と直接反応可能であり、シッフ塩基を形成する
「活性化」HRPを再び形成する。次いで、不飽和アゾメ
チン結合を、水素化ホウ素ナトリウムによる水和によっ
て適切に安定化させる。HRP−標識トレーサーを公知の
手順でゲル濾過または透析によって分離する。
NAKANEによって採用された結合法は、先の複合化法を
適用する際に生じる問題点の除去を可能にする。この問
題点は、HRP分子が、IgG分子に比べて、使用するカップ
リング試薬によって攻撃され得る反応性第一級アミン基
を50分の1またはそれ以下しか有さないという事実に起
因するものである。IgGの自己架橋が起こらないため、
結合の効率は高くなり、HRPに対しては約70%、IgGに対
しては90〜95%となる。また、この方法を適用した場合
にも、酵素活性または免疫反応性はいずれも完全に維持
されるわけではない。この点に関して文献に記載されて
いるデータは様々であり、該データは、メタ過ヨウ素酸
ナトリウム酸化とNaBH4による還元を行なう反応条件に
密接に関連している。酸化HRP分子は表面のグルコース
ヘミグルタリルリンカーの数が多くなるため、1個だけ
でなく複数のIgG分子とも複合できる状態にある。酸化H
RPおよびIgGを転換させる化学量論的な比に応じて、分
子量が400,000以上に達する架橋凝集体が形成される。H
RP分子どうしの架橋を排除するために、最初の頃は、Na
IO4酸化を行なう前に、HRP分子中に残存している少量の
第一級アミン基を1−フルオロ−2,4−ジニトロベンゼ
ンでブロックしていた。
適用する際に生じる問題点の除去を可能にする。この問
題点は、HRP分子が、IgG分子に比べて、使用するカップ
リング試薬によって攻撃され得る反応性第一級アミン基
を50分の1またはそれ以下しか有さないという事実に起
因するものである。IgGの自己架橋が起こらないため、
結合の効率は高くなり、HRPに対しては約70%、IgGに対
しては90〜95%となる。また、この方法を適用した場合
にも、酵素活性または免疫反応性はいずれも完全に維持
されるわけではない。この点に関して文献に記載されて
いるデータは様々であり、該データは、メタ過ヨウ素酸
ナトリウム酸化とNaBH4による還元を行なう反応条件に
密接に関連している。酸化HRP分子は表面のグルコース
ヘミグルタリルリンカーの数が多くなるため、1個だけ
でなく複数のIgG分子とも複合できる状態にある。酸化H
RPおよびIgGを転換させる化学量論的な比に応じて、分
子量が400,000以上に達する架橋凝集体が形成される。H
RP分子どうしの架橋を排除するために、最初の頃は、Na
IO4酸化を行なう前に、HRP分子中に残存している少量の
第一級アミン基を1−フルオロ−2,4−ジニトロベンゼ
ンでブロックしていた。
NaIO4結合法の各段階がHRP−IgG複合体の酵素的並び
に免疫学的特性に及ぼす効果を詳細に検討した後、1978
年にWILSONおよびNAKANEは改良法を発表し、この改良法
は今日までペルオキシダーゼを標識する基本原理となっ
ている(B.Wilson,P.K.Nakane:Pecent Developments in
the Periodate Method of Conjugating Horseradish P
eroxidase to Antibodies.:Immunofluorescence and Re
lated Staining Techniques(W.Knapp,K.Holubar,G.Wic
k編),pp.215−224,Elsevier:North−Holland Biomedic
al Press 1978)。本質的な改良点として、NaIO4酸化の
前に従来奨励されていた第一級NH2基の1−フルオロ−
2,4−ジニトロベンゼンでのブロッキングを省略できる
ことが記載されていた。この予防措置をとっても、保護
ブロッキングをアルカリ緩衝溶液中で行なわなければな
らないため、酸化HRPの自己架橋を完全に抑制すること
はできないことが明らかとなった。さらに、メタ過ヨウ
素酸ナトリウムはアルカリ媒体中では部分的に不活性化
される。従って、中性または弱酢酸溶液中でHRPの酸化
を行なうのがより望ましい。そのため、過剰の過ヨウ素
酸塩を4〜5のpHにて透析またはゲル濾過によって分離
する。生じたアルデヒド基によって活性化されたHRPを
短時間この低pHで貯蔵した場合でも、自己複合化は5%
未満残存する。WILSON−NAKANE結合法の第一段階、即ち
HRPの酸化が、暗所で0.02M以下のNaIO4濃度にて室温が
行われ、かつ過ヨウ素塩酸が2000倍モル過剰であれば、
最適な反応条件である。このようにして、NaIO4の光分
解の際に生じるオゾンによって炭化水素残基が光化学的
に酸化されるのを回避するのである(E.B.Dikova,E.M.G
avrilova,A.M.Yegorov:Bioorgan.Khim.(Moscow)16(1
990)476−481)。反応時間は20分で充分であり、10分
に短縮する研究グループさえいる(M.Imagawa,S.Yoshit
ake,Y.Hamaguchiら:J.appl.Biochemistry 4(1982)41
−57)。WILSONおよびNAKANEは、このようにしてNaIO4
で酸化されたHRP分子が少なくとも18個の反応性アルデ
ヒド捕捉基をその表面に有することを記載している。し
かしながら、おそらく立体配置のため、これらの全てを
IgG分子との結合に使用できるわけではない。
に免疫学的特性に及ぼす効果を詳細に検討した後、1978
年にWILSONおよびNAKANEは改良法を発表し、この改良法
は今日までペルオキシダーゼを標識する基本原理となっ
ている(B.Wilson,P.K.Nakane:Pecent Developments in
the Periodate Method of Conjugating Horseradish P
eroxidase to Antibodies.:Immunofluorescence and Re
lated Staining Techniques(W.Knapp,K.Holubar,G.Wic
k編),pp.215−224,Elsevier:North−Holland Biomedic
al Press 1978)。本質的な改良点として、NaIO4酸化の
前に従来奨励されていた第一級NH2基の1−フルオロ−
2,4−ジニトロベンゼンでのブロッキングを省略できる
ことが記載されていた。この予防措置をとっても、保護
ブロッキングをアルカリ緩衝溶液中で行なわなければな
らないため、酸化HRPの自己架橋を完全に抑制すること
はできないことが明らかとなった。さらに、メタ過ヨウ
素酸ナトリウムはアルカリ媒体中では部分的に不活性化
される。従って、中性または弱酢酸溶液中でHRPの酸化
を行なうのがより望ましい。そのため、過剰の過ヨウ素
酸塩を4〜5のpHにて透析またはゲル濾過によって分離
する。生じたアルデヒド基によって活性化されたHRPを
短時間この低pHで貯蔵した場合でも、自己複合化は5%
未満残存する。WILSON−NAKANE結合法の第一段階、即ち
HRPの酸化が、暗所で0.02M以下のNaIO4濃度にて室温が
行われ、かつ過ヨウ素塩酸が2000倍モル過剰であれば、
最適な反応条件である。このようにして、NaIO4の光分
解の際に生じるオゾンによって炭化水素残基が光化学的
に酸化されるのを回避するのである(E.B.Dikova,E.M.G
avrilova,A.M.Yegorov:Bioorgan.Khim.(Moscow)16(1
990)476−481)。反応時間は20分で充分であり、10分
に短縮する研究グループさえいる(M.Imagawa,S.Yoshit
ake,Y.Hamaguchiら:J.appl.Biochemistry 4(1982)41
−57)。WILSONおよびNAKANEは、このようにしてNaIO4
で酸化されたHRP分子が少なくとも18個の反応性アルデ
ヒド捕捉基をその表面に有することを記載している。し
かしながら、おそらく立体配置のため、これらの全てを
IgG分子との結合に使用できるわけではない。
前記結合法の第二段階、即ち酸化HRPと西洋ワサビペ
ルオキシダーゼで標識すべき免疫グロブリンまたは他の
タンパク質との複合化を、重炭酸塩で緩衝化させた溶液
中、9以上のpH、最適には9.5〜9.8のpHにて行い、シッ
フ塩基を形成させる。WILSONおよびNAKANEは、結合時間
を室温で2時間未満にすべきではないと指摘している。
反応を室温で4時間以内に行なうことが可能であれば、
より望ましいであろう。ここで、反応体の化学量論的な
比に応じて、分子質量の異なるオリゴマーの多成分混合
物が形成される。酸化HRPを明らかに過剰に使用する
と、立体障害にはならずに5〜6個のHRP分子を1個のI
gG分子に結合させることができる。酸化HRP分子は、そ
のアルデヒド基によって1個よりも多くのIgG分子と再
度反応し得るため、高分子化複合体の形成は避けられな
い。WILSONおよびNAKANEの実験結果と良好に一致する1.
0までの反応条件でのこの複雑な反応工程を表すモデル
が、ARCHERによって作製された(P.G.Archer:Biometric
s 32(1976)369−375)。高い反応条件下では、実験値
は、立体効果のため、前記モデルに従って計算した値よ
りも低くなる。立体効果は、複合体中のペルオキシダー
ゼの割合(403nmにて測定)および全タンパク質含有量
(280nmでの吸光度より得られるが、誤差のため格段に
高い値となる)を分光測光法によって定量する際にも妨
げとなる。
ルオキシダーゼで標識すべき免疫グロブリンまたは他の
タンパク質との複合化を、重炭酸塩で緩衝化させた溶液
中、9以上のpH、最適には9.5〜9.8のpHにて行い、シッ
フ塩基を形成させる。WILSONおよびNAKANEは、結合時間
を室温で2時間未満にすべきではないと指摘している。
反応を室温で4時間以内に行なうことが可能であれば、
より望ましいであろう。ここで、反応体の化学量論的な
比に応じて、分子質量の異なるオリゴマーの多成分混合
物が形成される。酸化HRPを明らかに過剰に使用する
と、立体障害にはならずに5〜6個のHRP分子を1個のI
gG分子に結合させることができる。酸化HRP分子は、そ
のアルデヒド基によって1個よりも多くのIgG分子と再
度反応し得るため、高分子化複合体の形成は避けられな
い。WILSONおよびNAKANEの実験結果と良好に一致する1.
0までの反応条件でのこの複雑な反応工程を表すモデル
が、ARCHERによって作製された(P.G.Archer:Biometric
s 32(1976)369−375)。高い反応条件下では、実験値
は、立体効果のため、前記モデルに従って計算した値よ
りも低くなる。立体効果は、複合体中のペルオキシダー
ゼの割合(403nmにて測定)および全タンパク質含有量
(280nmでの吸光度より得られるが、誤差のため格段に
高い値となる)を分光測光法によって定量する際にも妨
げとなる。
もちろん、WILSON−NAKANE結合法の第三段階、即ち水
素化ホウ素ナトリウムの水和は、シッフ塩基の不飽和ア
ゾメチン結合を安定化させるのと同時に、過剰のアルデ
ヒド基を還元によって各カルビノールへ転換させるのに
も重要な段階である。この還元は、結合後直ちに行な
う。重炭酸塩で緩衝化させた溶液中、pH9.5、4℃に
て、使用するHRPに対して100倍モル過剰のNaBH4を用い
て行なう。反応時間は2時間未満としなければならな
い。NaBH4は選択的な還元体であるが、その使用によっ
て酵素活性が顕著に失われ、その喪失は18%以上にもな
ることが様々な研究グループよって指摘されている。こ
のため、米国企業のPIERCEは、アゾメチン結合の安定化
を断念し、過剰のアルデヒド基のみをリジンまたはエタ
ノールアミンで消失させるか(PIERCE Immuno−Technol
ogy Catalog & Handbook 1992)、またはNaBH4の代わ
りに、強度が劣る反応体であってIgGに対しても優れた
適合性を示すシアノ水素化ホウ素ナトリウムを用いる
(PIERCE Seminar 5:Antibody−Enzyme Conjugates,Met
hods for Preparation and Purification 1993)ことを
奨励している。
素化ホウ素ナトリウムの水和は、シッフ塩基の不飽和ア
ゾメチン結合を安定化させるのと同時に、過剰のアルデ
ヒド基を還元によって各カルビノールへ転換させるのに
も重要な段階である。この還元は、結合後直ちに行な
う。重炭酸塩で緩衝化させた溶液中、pH9.5、4℃に
て、使用するHRPに対して100倍モル過剰のNaBH4を用い
て行なう。反応時間は2時間未満としなければならな
い。NaBH4は選択的な還元体であるが、その使用によっ
て酵素活性が顕著に失われ、その喪失は18%以上にもな
ることが様々な研究グループよって指摘されている。こ
のため、米国企業のPIERCEは、アゾメチン結合の安定化
を断念し、過剰のアルデヒド基のみをリジンまたはエタ
ノールアミンで消失させるか(PIERCE Immuno−Technol
ogy Catalog & Handbook 1992)、またはNaBH4の代わ
りに、強度が劣る反応体であってIgGに対しても優れた
適合性を示すシアノ水素化ホウ素ナトリウムを用いる
(PIERCE Seminar 5:Antibody−Enzyme Conjugates,Met
hods for Preparation and Purification 1993)ことを
奨励している。
WILSON−NAKANE結合法の最終段階は、結合混合物の高
分子量複合体を単離することにある。低分子量結合生成
物、HRPによって標識された出発タンパク質および遊離
の酵素を分離することは、最適な特性を有するHRPトレ
ーサーを得るための必須の工程であり、検定法の感度を
著しく増加させる。この分離に関する課題は、透析また
はゲル濾過のいずれによっても、またsephadex G−25を
充填したカラムの排除体積におけるトレーサーの分離に
よっても達成されず、0.05MのPBS緩衝液(0.15MのNaC
l)でpH7.4にて溶離を行なうsephacryl−S−300カラム
(Pharmacia)によるゲル浸透クロマトグラフィーによ
って行なう。
分子量複合体を単離することにある。低分子量結合生成
物、HRPによって標識された出発タンパク質および遊離
の酵素を分離することは、最適な特性を有するHRPトレ
ーサーを得るための必須の工程であり、検定法の感度を
著しく増加させる。この分離に関する課題は、透析また
はゲル濾過のいずれによっても、またsephadex G−25を
充填したカラムの排除体積におけるトレーサーの分離に
よっても達成されず、0.05MのPBS緩衝液(0.15MのNaC
l)でpH7.4にて溶離を行なうsephacryl−S−300カラム
(Pharmacia)によるゲル浸透クロマトグラフィーによ
って行なう。
要約すると、WILSON−NAKANE法によるHRP−IgG複合体
の調製では高分子量複合体が生成し、該複合体では、免
疫グロブリン分子がある意味で、その表面上に立体条件
が許す限りのHRP分子を活性化アルデヒド基を介して結
合し得るコアに相当していると言える。おそらく、HRP
分子どうしは、わずかに架橋するだけである。しかしな
がらEIAに使用する感度のよいトレーサーでは、HRP置換
度は2未満ではなく、むしろもっと高くなければならな
いことが要求される。しかしながら、置換度が上昇する
につれて、中心の免疫グロブリンの表面がますます覆い
隠されてしまう。おそらくこれは、観察される免疫反応
性の低下を少なくとも部分的に説明するものである。ま
た、280nmにて分光測光法で得られる全タンパク質含有
量の誤差を含んだ値は、記載のHRP複合体の構造にその
原因があると考えられる。
の調製では高分子量複合体が生成し、該複合体では、免
疫グロブリン分子がある意味で、その表面上に立体条件
が許す限りのHRP分子を活性化アルデヒド基を介して結
合し得るコアに相当していると言える。おそらく、HRP
分子どうしは、わずかに架橋するだけである。しかしな
がらEIAに使用する感度のよいトレーサーでは、HRP置換
度は2未満ではなく、むしろもっと高くなければならな
いことが要求される。しかしながら、置換度が上昇する
につれて、中心の免疫グロブリンの表面がますます覆い
隠されてしまう。おそらくこれは、観察される免疫反応
性の低下を少なくとも部分的に説明するものである。ま
た、280nmにて分光測光法で得られる全タンパク質含有
量の誤差を含んだ値は、記載のHRP複合体の構造にその
原因があると考えられる。
本発明は、WILSONおよびNAKANEにより採用された西洋
ワサビペルオキシダーゼを用いて生体分子を標識する方
法を改善して、酵素領域および免疫反応性に関与する分
子全体の結合位置が立体障害のために互いに影響しな
い、構造修飾されたHRP−タンパク質複合体を得ること
を目的とする。このことは、調製される大部分のHRP複
合体の分光光度計測定の結果、さらには、402nmで測定
しうる酵素についての吸光度(特に278nmでは、総タン
パク質含有量を示す)の結果にも影響するはずなので、
より信頼性の高い分析計算が可能になる。
ワサビペルオキシダーゼを用いて生体分子を標識する方
法を改善して、酵素領域および免疫反応性に関与する分
子全体の結合位置が立体障害のために互いに影響しな
い、構造修飾されたHRP−タンパク質複合体を得ること
を目的とする。このことは、調製される大部分のHRP複
合体の分光光度計測定の結果、さらには、402nmで測定
しうる酵素についての吸光度(特に278nmでは、総タン
パク質含有量を示す)の結果にも影響するはずなので、
より信頼性の高い分析計算が可能になる。
本発明は、WILSONおよびNAKANEの方法をベースとし
た、今までRIAでしか達成されなかった試験感度を有す
るHRPトレーサーの作製を可能にする、非常に多様な種
類の生体分子(好ましくは、免疫グロブリン)の新規な
酵素標識法を創成するという課題に基づくものである。
さらに、調製物の分析的特性付けを制限していた分光光
度計測定上の問題も克服すると考えられる。
た、今までRIAでしか達成されなかった試験感度を有す
るHRPトレーサーの作製を可能にする、非常に多様な種
類の生体分子(好ましくは、免疫グロブリン)の新規な
酵素標識法を創成するという課題に基づくものである。
さらに、調製物の分析的特性付けを制限していた分光光
度計測定上の問題も克服すると考えられる。
請求項1によれば、本発明は、まず最初に、天然の西
洋ワサビペルオキシダーゼを過ヨウ素塩酸で酸化した後
で該HRP分子をα,ω−ジアミノアルカンと架橋させる
ことにより実施され、これは、基本的にはWILSONおよび
NAKANEによる記載に準じて行われる。この場合、各HRP
分子上には非常に多数のアルデヒド基が生じるが、これ
はいずれにしても後続する大きなタンパク質分子(例え
ば、IgG)の直接的な結合に用いられることはないであ
ろう。そのようなHRP網目構造の組織化は、用いられる
二官能性スペーサーの長さ、および該スペーサーを酸化
西洋ワサビペルオキシダーゼと反応させる化学量論的比
率に依存する。
洋ワサビペルオキシダーゼを過ヨウ素塩酸で酸化した後
で該HRP分子をα,ω−ジアミノアルカンと架橋させる
ことにより実施され、これは、基本的にはWILSONおよび
NAKANEによる記載に準じて行われる。この場合、各HRP
分子上には非常に多数のアルデヒド基が生じるが、これ
はいずれにしても後続する大きなタンパク質分子(例え
ば、IgG)の直接的な結合に用いられることはないであ
ろう。そのようなHRP網目構造の組織化は、用いられる
二官能性スペーサーの長さ、および該スペーサーを酸化
西洋ワサビペルオキシダーゼと反応させる化学量論的比
率に依存する。
実験のためには、容易に水溶性である固形物質に関し
ては、1,6−ジアミノ−ヘキサン(ヘキサメチレンジア
ミン、HMD)が架橋に非常に好適であることがわかって
いる。プトマインプトレシン(ptomaine putrescine)
(1,4−ジアミノブタン)およびカダベリン(1,5−ジア
ミノペンタン)などの短鎖ジアミノアルカンは室温で液
体であり、特にそれらは悪臭があるために、あまり適切
ではない。1,9−ジアミノノナンまでの長鎖のジアミノ
アルカンも、西洋ワサビペルオキシダーゼの加工に用い
うるが、利点を付与することはない。1,10−ジアミノデ
カン(デカメチレンジアミン、DMD)を用いる場合、鎖
長が長くなるにつれて増大する水不溶性が障害となると
思われる。DMDで架橋したHRPを用いて行われる結合で
は、HMDで架橋したHRPを用いた場合の複合体と比較し
て、EIAにおいてあまり良好ではない特性を有する複合
体が得られる。
ては、1,6−ジアミノ−ヘキサン(ヘキサメチレンジア
ミン、HMD)が架橋に非常に好適であることがわかって
いる。プトマインプトレシン(ptomaine putrescine)
(1,4−ジアミノブタン)およびカダベリン(1,5−ジア
ミノペンタン)などの短鎖ジアミノアルカンは室温で液
体であり、特にそれらは悪臭があるために、あまり適切
ではない。1,9−ジアミノノナンまでの長鎖のジアミノ
アルカンも、西洋ワサビペルオキシダーゼの加工に用い
うるが、利点を付与することはない。1,10−ジアミノデ
カン(デカメチレンジアミン、DMD)を用いる場合、鎖
長が長くなるにつれて増大する水不溶性が障害となると
思われる。DMDで架橋したHRPを用いて行われる結合で
は、HMDで架橋したHRPを用いた場合の複合体と比較し
て、EIAにおいてあまり良好ではない特性を有する複合
体が得られる。
鎖が数個のオキサ結合(bridge)を含むα,ω−ジア
ミノアルカンはペルオキシダーゼの架橋に特に好適であ
る。そのような化合物は液体であり、際限なく水と混合
可能である。このようにして、スペーサーの長さを本質
的に増加させることが可能であり、その場合、HRPの網
目構造は、水溶性に影響を及ぼさずに暖くなる。市販さ
れたばかりの1,13−ジアミノ−4,7,10−トリオキサトリ
デカン(DTT)は、ペルオキシダーゼ架橋に対して非常
に好ましい特性を示す。別紙の表にペルオキシダーゼ架
橋に好適なα,ω−ジアミノアルカンをまとめてある。
ミノアルカンはペルオキシダーゼの架橋に特に好適であ
る。そのような化合物は液体であり、際限なく水と混合
可能である。このようにして、スペーサーの長さを本質
的に増加させることが可能であり、その場合、HRPの網
目構造は、水溶性に影響を及ぼさずに暖くなる。市販さ
れたばかりの1,13−ジアミノ−4,7,10−トリオキサトリ
デカン(DTT)は、ペルオキシダーゼ架橋に対して非常
に好ましい特性を示す。別紙の表にペルオキシダーゼ架
橋に好適なα,ω−ジアミノアルカンをまとめてある。
架橋は、過ヨウ素塩酸による酸化反応の際に形成され
るアルデヒド基のごく一部のみを消費するような方法で
行うことが適当であろう。用いられるHRPに対して2.5〜
3.5倍モル過剰のHMDまたはより好ましくはDTTを選んで
はならない。その場合、極めて高い酵素活性を有する高
分子量のHRP複合体が得られるであろう。しかし、架橋
により分子が生長するにつれて、EIAにおいてそのよう
なHRPトレーサーの非特異的な結合も増加するであろ
う。それを適度な限度に保つため、HRPとの架橋では
α,ω−ジアミノアルカンをわずか0.5〜1.5倍モル過剰
で反応させることがさらに好ましい。HDMまたはDTTを3.
5モル過剰より多く用いた場合、HRP網目構造に結合して
いないタンパク質の割合は増加し、HRP複合体の生成量
は減少する。
るアルデヒド基のごく一部のみを消費するような方法で
行うことが適当であろう。用いられるHRPに対して2.5〜
3.5倍モル過剰のHMDまたはより好ましくはDTTを選んで
はならない。その場合、極めて高い酵素活性を有する高
分子量のHRP複合体が得られるであろう。しかし、架橋
により分子が生長するにつれて、EIAにおいてそのよう
なHRPトレーサーの非特異的な結合も増加するであろ
う。それを適度な限度に保つため、HRPとの架橋では
α,ω−ジアミノアルカンをわずか0.5〜1.5倍モル過剰
で反応させることがさらに好ましい。HDMまたはDTTを3.
5モル過剰より多く用いた場合、HRP網目構造に結合して
いないタンパク質の割合は増加し、HRP複合体の生成量
は減少する。
架橋では、0.1M重炭酸緩衝液(pH9.8)中に溶解した
0.002MのHMDまたはDTT溶液を調製し(この溶液は長期間
使用可能である)、この溶液の75μlを、4mgの天然西
洋ワサビペルオキシダーゼを0.005Mの酢酸緩衝液(pH4.
3)中で過ヨウ素酸塩で酸化することによって得られるH
RP(酸化物)溶液に添加し、限外濾過により濃縮して約
0.2mlの体積にする。室温で架橋を行うためには4時間
の反応時間が必要であり、冷蔵庫内で4℃で一晩行って
もよい。
0.002MのHMDまたはDTT溶液を調製し(この溶液は長期間
使用可能である)、この溶液の75μlを、4mgの天然西
洋ワサビペルオキシダーゼを0.005Mの酢酸緩衝液(pH4.
3)中で過ヨウ素酸塩で酸化することによって得られるH
RP(酸化物)溶液に添加し、限外濾過により濃縮して約
0.2mlの体積にする。室温で架橋を行うためには4時間
の反応時間が必要であり、冷蔵庫内で4℃で一晩行って
もよい。
このようにして、6〜10個のHRP分子からなる凝集体
が得られ、該凝集体は、予め反応混合物から分離してお
かなくても、アルデヒド基を介して、免疫グロブリン分
子または他のタンパク質の1個または数個を共有結合で
結合することが可能である。これは、0.1M重炭酸緩衝液
(pH9.8)に溶解したタンパク質を架橋HRP溶液に、もし
くはその逆に添加することにより実施される。反応条件
は架橋の場合と同様である。すなわち、反応をどんどん
進行させればよいだけである。このようにして、本質的
に高度な置換が達成される。IgG分子はHRP分子によって
遮蔽されないので、制限を受けずにその免疫学的特性を
発揮することができ、分光光度計によって正確に測定す
ることが可能である。勿論、不飽和のアゾメチン結合
は、水素化ホウ素ナトリウムまたはシアノ水素化ホウ素
ナトリウムによる水和によって安定化すべきである。HR
Pで標識したトレーサーをセファクリル(Sephacryl)S
−300によるゲル浸透クロマトグラフィーによって分離
する場合(このクロマトグラフィーは、反応混合物中に
含まれる低分子量の結合生成物を分離し、そしておそら
くは未結合のタンパク質および架橋していない、すなわ
ち遊離のHRPも分離するものである)、調製物は最適な
特性によって特定される。
が得られ、該凝集体は、予め反応混合物から分離してお
かなくても、アルデヒド基を介して、免疫グロブリン分
子または他のタンパク質の1個または数個を共有結合で
結合することが可能である。これは、0.1M重炭酸緩衝液
(pH9.8)に溶解したタンパク質を架橋HRP溶液に、もし
くはその逆に添加することにより実施される。反応条件
は架橋の場合と同様である。すなわち、反応をどんどん
進行させればよいだけである。このようにして、本質的
に高度な置換が達成される。IgG分子はHRP分子によって
遮蔽されないので、制限を受けずにその免疫学的特性を
発揮することができ、分光光度計によって正確に測定す
ることが可能である。勿論、不飽和のアゾメチン結合
は、水素化ホウ素ナトリウムまたはシアノ水素化ホウ素
ナトリウムによる水和によって安定化すべきである。HR
Pで標識したトレーサーをセファクリル(Sephacryl)S
−300によるゲル浸透クロマトグラフィーによって分離
する場合(このクロマトグラフィーは、反応混合物中に
含まれる低分子量の結合生成物を分離し、そしておそら
くは未結合のタンパク質および架橋していない、すなわ
ち遊離のHRPも分離するものである)、調製物は最適な
特性によって特定される。
概して、この新規なHRP標識方法は、効果的な酵素免
疫学的検出系を開発するための著しい進歩である。本発
明による方法を用いると、不均質な結合生成物が無制御
に形成するのではなく、西洋ワサビペルオキシダーゼ
は、メタ過ヨウ素酸ナトリウムで酸化された後で、まず
意図する方法でα,ω−ジアミノアルカン(好ましくは
1,13−ジアミノ−4,7,10−トリオキサ−トリ−デカン)
と架橋し、次いで標識すべきタンパク質との結合が起こ
る。このようにして、酸素特性および特に免疫学的特性
を本質的に変えずに高度な置換が達成できる。得られる
HRPトレーサーの感度および特異性は極めて高く、勿論
放射性トレーサーと同等である。280nmにて測定したタ
ンパク質についての吸光度を、この波長における濃度に
依存する吸光度を考慮して補正すれば、分光光度計の測
定値に基づくそれらの分析的特性付けは信頼性のある値
をもたらす。
疫学的検出系を開発するための著しい進歩である。本発
明による方法を用いると、不均質な結合生成物が無制御
に形成するのではなく、西洋ワサビペルオキシダーゼ
は、メタ過ヨウ素酸ナトリウムで酸化された後で、まず
意図する方法でα,ω−ジアミノアルカン(好ましくは
1,13−ジアミノ−4,7,10−トリオキサ−トリ−デカン)
と架橋し、次いで標識すべきタンパク質との結合が起こ
る。このようにして、酸素特性および特に免疫学的特性
を本質的に変えずに高度な置換が達成できる。得られる
HRPトレーサーの感度および特異性は極めて高く、勿論
放射性トレーサーと同等である。280nmにて測定したタ
ンパク質についての吸光度を、この波長における濃度に
依存する吸光度を考慮して補正すれば、分光光度計の測
定値に基づくそれらの分析的特性付けは信頼性のある値
をもたらす。
実施例 免疫グロブリン(IgG)を西洋ワサビペルオキシダー
ゼ(HRP)で標識するためには、以下の5工程の調製を
行わなければならない。
ゼ(HRP)で標識するためには、以下の5工程の調製を
行わなければならない。
1.NaIO4によるHRPの酸化 2.HRP(酸化物)の1,13−ジアミノ−4,7,10−トリオキ
サトリデカン(DTT)による架橋 3.IgGと架橋HRPとの結合 4.アゾメチン結合の安定化 5.S−300ゲル浸透クロマトグラフィー 特に上記の第2および第3段階が、本発明の方法に関
連する。そのため、それらの段階を、1,13−ジアミノ−
4,7,10−トリオキサトリデカンを用いたIgG(ウサギ)
のHRP標識の実施例により詳細に記載する。したがっ
て、第1、第4および第5段階は、本発明と間接的に関
連しているにすぎず一般に公知であり、簡単に記載す
る。
サトリデカン(DTT)による架橋 3.IgGと架橋HRPとの結合 4.アゾメチン結合の安定化 5.S−300ゲル浸透クロマトグラフィー 特に上記の第2および第3段階が、本発明の方法に関
連する。そのため、それらの段階を、1,13−ジアミノ−
4,7,10−トリオキサトリデカンを用いたIgG(ウサギ)
のHRP標識の実施例により詳細に記載する。したがっ
て、第1、第4および第5段階は、本発明と間接的に関
連しているにすぎず一般に公知であり、簡単に記載す
る。
1.NaIO4によるHRPの酸化 4.0mgの西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP、100ナノ
モル)を反応チューブ中で秤量して0.8mlの水に溶解
し、調製したばかりの0.1M NaIO4溶液0.2mlを赤銅色のH
RP溶液にピペットで添加する。それにより、その溶液の
色が暗緑色に変化する。該反応チューブは直ちに、光が
当たらないように閉じられているシェルに入れなければ
ならない。反応時間は全体で室温で15分間である。時々
該チューブを動かす。
モル)を反応チューブ中で秤量して0.8mlの水に溶解
し、調製したばかりの0.1M NaIO4溶液0.2mlを赤銅色のH
RP溶液にピペットで添加する。それにより、その溶液の
色が暗緑色に変化する。該反応チューブは直ちに、光が
当たらないように閉じられているシェルに入れなければ
ならない。反応時間は全体で室温で15分間である。時々
該チューブを動かす。
NaIO4が過剰になるのを防止するために、50μlのエ
チレングリコールを添加する。この停止反応も暗所で行
い、反応時間は全体で少なくとも30分間である。その結
果、該HRP(酸化物)溶液は再度赤銅色になる。
チレングリコールを添加する。この停止反応も暗所で行
い、反応時間は全体で少なくとも30分間である。その結
果、該HRP(酸化物)溶液は再度赤銅色になる。
低分子量反応体からのHRP(酸化物)の分離は、セフ
ァデックスG−25カラム(およそ長さ30cm、ゲル床容積
12ml)の排除体積におけるゲル濾過により行うことが可
能である。20本のフラクション(各0.5ml)をとれば充
分である。赤褐色のHRP含有フラクションをプールし、
限界濾過(10000NMGG)により蒸発させて0.5ml以下の体
積にする。
ァデックスG−25カラム(およそ長さ30cm、ゲル床容積
12ml)の排除体積におけるゲル濾過により行うことが可
能である。20本のフラクション(各0.5ml)をとれば充
分である。赤褐色のHRP含有フラクションをプールし、
限界濾過(10000NMGG)により蒸発させて0.5ml以下の体
積にする。
2.等モルバッチの場合でのHRP(酸化物)とDTTの架橋 10μlのDTT(δ=1.005)を50mlの容のメスフラスコ
にピペットで入れ、該フラスコを0.1M重炭酸緩衝液(pH
9.8)で印まで満たす。このDTT溶液は2ヵ月以上使用可
能である。
にピペットで入れ、該フラスコを0.1M重炭酸緩衝液(pH
9.8)で印まで満たす。このDTT溶液は2ヵ月以上使用可
能である。
この溶液0.1ml(100ナノモル)を、蒸発により濃縮し
たHRP(酸化物)溶液にピペットで入れる。ミクロスタ
ーラーを入れる(このスターラーは、反応溶液が迅速か
つ充分に混合されるようにする)。架橋のための反応時
間は全体で室温で4時間である。時間上可能であれば、
該反応混合物は冷蔵庫に一晩置いてもよい。
たHRP(酸化物)溶液にピペットで入れる。ミクロスタ
ーラーを入れる(このスターラーは、反応溶液が迅速か
つ充分に混合されるようにする)。架橋のための反応時
間は全体で室温で4時間である。時間上可能であれば、
該反応混合物は冷蔵庫に一晩置いてもよい。
3.IgGと架橋HRPとの結合 高度な置換を達成するために、HRP(架橋したもの)
とIgGとの化学量論的比率は約5:1にすべきである。上記
第1および第2の調製段階における些少のHRPの損失を
考慮すると、2.25〜2.50mgのIgG(ウサギ)(=15〜16.
7ナノモル)を結合に用いる。免疫グロブリンは、0.1M
重炭酸緩衝液(pH9.8)中に調製した架橋HRP溶液を含有
する反応チューブに直接入れて攪拌により溶解させる
か、もしくは、予め0.1M重炭酸緩衝液(pH9.8)中に溶
解して添加する。IgGを結合させる際、反応条件は架橋
の際と同じである。すなわち、室温で4時間反応させる
か、もしくは結合混合物を冷蔵庫に一晩入れておく。必
ず、反応体積は0.8mlを超えないようにする。
とIgGとの化学量論的比率は約5:1にすべきである。上記
第1および第2の調製段階における些少のHRPの損失を
考慮すると、2.25〜2.50mgのIgG(ウサギ)(=15〜16.
7ナノモル)を結合に用いる。免疫グロブリンは、0.1M
重炭酸緩衝液(pH9.8)中に調製した架橋HRP溶液を含有
する反応チューブに直接入れて攪拌により溶解させる
か、もしくは、予め0.1M重炭酸緩衝液(pH9.8)中に溶
解して添加する。IgGを結合させる際、反応条件は架橋
の際と同じである。すなわち、室温で4時間反応させる
か、もしくは結合混合物を冷蔵庫に一晩入れておく。必
ず、反応体積は0.8mlを超えないようにする。
4.アゾメチン結合の安定化 まず最初に、50μlの2Mトリエタノールアミン(pH8.
0)を上記結合溶液に添加して、反応混合物を十分に混
合し、冷蔵庫に数分間入れて冷却する。アゾメチン結合
を水和するために0.2MのNaBH4溶液を調製する。すなわ
ち、使用直前に、8mgのNaBH4を1.0mlの冷水に溶解す
る。この溶液を75μl以下で上記結合溶液に添加する。
この反応溶液は、攪拌すると激しく発泡する。まず、反
応時間を冷蔵庫内で全体で約30分間とし、次に25μlの
2Mトリエタノールアミン(pH8.0)を添加する。反応混
合物を冷蔵庫にさらに2時間入れる。最後に、さらに10
μlの1Mグリシン(pH7.0)を添加して安定化させる。
0)を上記結合溶液に添加して、反応混合物を十分に混
合し、冷蔵庫に数分間入れて冷却する。アゾメチン結合
を水和するために0.2MのNaBH4溶液を調製する。すなわ
ち、使用直前に、8mgのNaBH4を1.0mlの冷水に溶解す
る。この溶液を75μl以下で上記結合溶液に添加する。
この反応溶液は、攪拌すると激しく発泡する。まず、反
応時間を冷蔵庫内で全体で約30分間とし、次に25μlの
2Mトリエタノールアミン(pH8.0)を添加する。反応混
合物を冷蔵庫にさらに2時間入れる。最後に、さらに10
μlの1Mグリシン(pH7.0)を添加して安定化させる。
5.S−300ゲル浸透クロマトグラフィー HRPトレーサーは、75cm長のセファクリルS−300カラ
ム(約41mlのゲル床容積)で分離する。このカラムは、
0.05MのPBS緩衝液/0.15MのNaCl(pH7.4)で溶出する。
1.0mlのフラクション35〜40本を取り出す。402nmにて高
い吸光度を有し、EIAにおいて特異的および非特異的結
合について最も好ましい特性を示すフラクションのみ
(これらは概してわずか3本である)をプールする。
ム(約41mlのゲル床容積)で分離する。このカラムは、
0.05MのPBS緩衝液/0.15MのNaCl(pH7.4)で溶出する。
1.0mlのフラクション35〜40本を取り出す。402nmにて高
い吸光度を有し、EIAにおいて特異的および非特異的結
合について最も好ましい特性を示すフラクションのみ
(これらは概してわずか3本である)をプールする。
フロントページの続き (72)発明者 ヴァイス,クリスタ ドイツ連邦共和国 ディー―13156 ベ ルリン,グラムコヴシュトラーセ 6エ イ (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 33/535 G01N 33/543
Claims (7)
- 【請求項1】メタ過ヨウ素酸ナトリウムで酸化した西洋
ワサビペルオキシダーゼ(HRP)と結合させることによ
る、生体分子またはハプテンの酵素標識法であって、該
酸化したHRPが、前記結合反応が起こる前にα,ω−ジ
アミノアルカンで架橋されていることを特徴とする前記
酵素標識法。 - 【請求項2】前記生体分子が免疫グロブリン、ペプチド
およびホルモンから選択される請求項1に記載の方法。 - 【請求項3】α,ω−ジアミノ−オキサ−アルカンを架
橋に用いる請求項1または2に記載の方法。 - 【請求項4】長鎖のα,ω−ジアミノ−オキサ−アルカ
ンを架橋に用いる請求項3に記載の方法。 - 【請求項5】1,13−ジアミノ−4,7,10−トリオキサトリ
デカンを架橋に用いる請求項4に記載の方法。 - 【請求項6】架橋において、選択されたα,ω−ジアミ
ノアルカンを前記酸化したHRPに対して3.5倍のモル過剰
以下で用いる請求項1〜5のいずれか1項に記載の方
法。 - 【請求項7】架橋において、選択されたα,ω−ジアミ
ノアルカンを0.5〜1.5倍のモル過剰でHRPと反応させる
請求項6に記載の方法。
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DE3420009A1 (de) * | 1984-05-29 | 1985-12-05 | Schering AG, 1000 Berlin und 4709 Bergkamen | Verfahren zur herstellung von antirutschlacken |
US4657853A (en) * | 1984-09-14 | 1987-04-14 | E. I. Du Pont De Nemours And Company | Immunoassays utilizing covalent conjugates of polymerized enzyme and antibody |
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DE4011601A1 (de) † | 1990-04-10 | 1991-10-17 | Boehringer Mannheim Gmbh | Hapten-biotin-konjugate und ihre verwendung |
DE4237479A1 (de) * | 1992-11-06 | 1994-05-11 | Behringwerke Ag | Verfahren zur Herstellung von Konjugaten aus einem spezifischen Bindungspartner und einem kohlenhydrathaltigen Protein |
DK0752102T3 (da) † | 1995-01-23 | 2001-01-08 | Pasteur Sanofi Diagnostics | Immunoenzymatisk konjugat, fremgangsmåde til fremstilling af konjugatet og anvendelse af dette. |
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-
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- 1998-06-26 US US09/105,163 patent/US5989842A/en not_active Expired - Fee Related
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