JP3241042U - 皮膚レーザ治療器 - Google Patents
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Abstract
【課題】ピコ秒オーダーの短いパルス幅と、高いピークパワーを有するパルスレーザ光を皮膚へ照射可能なために、高出力でありながら皮膚の熱損傷のリスクを軽減でき、しかも小型かつ安価な皮膚レーザ治療器を提供する。【解決手段】皮膚レーザ治療器1は、励起光源2と、励起光源2から放出された励起光を伝送する光ファイバ3と、伝送された励起光が入射して励起されることでパルスレーザ光が出射されるマイクロチップレーザ媒質5と可飽和吸収体6と、が内蔵され、かつ長軸方向に沿った長さが0.1~100mmである共振器4と、共振器4を内蔵し、手で保持可能なヘッド部9を備え、パルスレーザ光は、波長が1064nm及び532nmである場合に、エネルギーがそれぞれ20mJ及び10mJであり、パルスレーザ光を皮膚の患部に照射する。【選択図】図1
Description
本考案は、皮膚の患部にレーザを照射して、皮膚疾患を治療する皮膚レーザ治療器に係
り、特に、ピコ秒オーダーのパルス幅を有するパルスレーザ光が繰り返し出射されて形成
されるバーストパルス光を照射可能であって、小型かつ安価な皮膚レーザ治療器に関する
。
り、特に、ピコ秒オーダーのパルス幅を有するパルスレーザ光が繰り返し出射されて形成
されるバーストパルス光を照射可能であって、小型かつ安価な皮膚レーザ治療器に関する
。
従来、アザ、ホクロ及び血管病変等の皮膚疾患に対しては、それぞれの疾患に対応する
波長やパルス幅等を有するレーザ光を患部に照射するという治療が行われてきた。
このような治療に用いられる治療器として、例えば、Qスイッチパルスレーザを用いた
レーザ治療装置が用いられてきた。このレーザ治療装置として、例えば、ランプハウス内
に固体のレーザ媒質と、これを励起するための励起光源と、Qスイッチレーザであるレー
ザ発振器とを含み、ランプハウス内を冷却するための冷却水系と、パルスレーザ光を患部
に照射するためのハンドピース部と、レーザ発振器からのパルスレーザ光をハンドピース
部に導くための多関節導光路と、冷却水系の冷却によってレーザ媒質または共振器に発生
する結露を防止するための結露防止手段と、を備える(特許文献1)ものがある。
波長やパルス幅等を有するレーザ光を患部に照射するという治療が行われてきた。
このような治療に用いられる治療器として、例えば、Qスイッチパルスレーザを用いた
レーザ治療装置が用いられてきた。このレーザ治療装置として、例えば、ランプハウス内
に固体のレーザ媒質と、これを励起するための励起光源と、Qスイッチレーザであるレー
ザ発振器とを含み、ランプハウス内を冷却するための冷却水系と、パルスレーザ光を患部
に照射するためのハンドピース部と、レーザ発振器からのパルスレーザ光をハンドピース
部に導くための多関節導光路と、冷却水系の冷却によってレーザ媒質または共振器に発生
する結露を防止するための結露防止手段と、を備える(特許文献1)ものがある。
このような構成のレーザ治療装置によれば、冷却水系の冷却によってレーザ媒質の温度
を低くしても、レーザ媒質や共振器に発生する結露を防止することができる。そのため、
レーザ媒質や共振器などの劣化やレーザの出力の低下を防ぐ事が可能である。また、レー
ザ発振器としてQスイッチレーザを用いることにより、レーザ光のパルス幅は十分短く、
ピーク値は大きくすることができる。したがって、例えば、アザの治療を行う場合に、メ
ラニン色素を有する細胞のみをより深くまで破壊し、正常な細胞を破壊しないようにする
ことができる。
を低くしても、レーザ媒質や共振器に発生する結露を防止することができる。そのため、
レーザ媒質や共振器などの劣化やレーザの出力の低下を防ぐ事が可能である。また、レー
ザ発振器としてQスイッチレーザを用いることにより、レーザ光のパルス幅は十分短く、
ピーク値は大きくすることができる。したがって、例えば、アザの治療を行う場合に、メ
ラニン色素を有する細胞のみをより深くまで破壊し、正常な細胞を破壊しないようにする
ことができる。
また、これ以外の治療器として、例えば、手持ち可能なレーザ装置が開発されている。
このレーザ装置は、手持ち可能なハウジングと、ハウジング内に配置され、出力ビームを
放出する連続波レーザ部材と、装置を装着するためのパワー起動ボタンと、出力ビームの
単一の第1のパルスを発射し、中断の後、引き続いて出力ビームの単一の第2のパルスを
発射するためのパワー設定ボタンを含んだスイッチシステムを備える(特許文献2)。
このような構成のレーザ装置によれば、連続レーザがある繰り返しレートにおいてある
持続時間を有する第1及び第2のパルスに変換される。第1及び第2のパルスは、同じ特
定の皮膚上のスポットを連続して叩くことから、このスポットにレーザのエネルギーを効
率的に与えることができる。
このレーザ装置は、手持ち可能なハウジングと、ハウジング内に配置され、出力ビームを
放出する連続波レーザ部材と、装置を装着するためのパワー起動ボタンと、出力ビームの
単一の第1のパルスを発射し、中断の後、引き続いて出力ビームの単一の第2のパルスを
発射するためのパワー設定ボタンを含んだスイッチシステムを備える(特許文献2)。
このような構成のレーザ装置によれば、連続レーザがある繰り返しレートにおいてある
持続時間を有する第1及び第2のパルスに変換される。第1及び第2のパルスは、同じ特
定の皮膚上のスポットを連続して叩くことから、このスポットにレーザのエネルギーを効
率的に与えることができる。
さらに、特許文献2記載のレーザ装置と同様に、パルス状のレーザ光を連続的に発射可
能なレーザ治療装置が開発されている。このレーザ治療装置は、レーザと制御ユニットと
を含み、ポンプ源を備えた固体レーザであるレーザ治療装置であって、制御ユニットは、
第1パルス動作において、レーザの少なくとも1つの第1パルスを生成するように設計さ
れている(特許文献3)。
このような構成のレーザ治療装置によれば、その図3,4に示すように、連続した複数
の第1パルスが生成される。そして、この第1パルスのピーク出力は、ポンプ源の高速ス
イッチオンによって、従来の連続レーザの平均出力レベルの10倍を超えて増加させられ
る。したがって、従来は出力不足のために不可能であった治療形態を可能とすることがで
きる。
能なレーザ治療装置が開発されている。このレーザ治療装置は、レーザと制御ユニットと
を含み、ポンプ源を備えた固体レーザであるレーザ治療装置であって、制御ユニットは、
第1パルス動作において、レーザの少なくとも1つの第1パルスを生成するように設計さ
れている(特許文献3)。
このような構成のレーザ治療装置によれば、その図3,4に示すように、連続した複数
の第1パルスが生成される。そして、この第1パルスのピーク出力は、ポンプ源の高速ス
イッチオンによって、従来の連続レーザの平均出力レベルの10倍を超えて増加させられ
る。したがって、従来は出力不足のために不可能であった治療形態を可能とすることがで
きる。
しかしながら、特許文献1に開示された発明においては、冷却水系や多関節導光路、結
露防止手段を備えるが故に装置が複雑化・大型化し、安価に導入できないという不利益も
あった。
また、特許文献2記載のレーザ装置は、パルス幅10(ms)から120(ms)、出
力ビームが0.5(J/cm2)から5(J/cm2)までのエネルギーフルエンス範囲
の、波長1420(nm)から1470(nm)のレーザ光を皮膚に照射することで、皺
や色素沈着過度を治療することを目的としたハンディタイプの装置である。このようなレ
ーザ治療器においては、取り扱いは容易であるものの、Qスイッチレーザに比べるとピー
クパワーが非常に低く、波長も異なるため、本考案の治療対象であるアザ、ホクロ及び血
管病変等の皮膚疾患に対しては治療に用いることが困難であるという課題がある。
さらに、特許文献3記載のレーザ治療装置は、連続波(CW)レーザから得られる平均
出力2(W)であるところ、ポンプ源を高速にスイッチオンすることにより約35(W)の
パルスピーク出力を有するパルスレーザ光を照射することで、「網膜の選択的光熱融解」
、「光凝固法」、「温熱療法」及び「目の生体刺激法」等の治療方法に用いることができ
る。したがって、特許文献3記載のレーザ治療装置も、特許文献2記載のレーザ装置と同
様にQスイッチレーザに比べると非常に低いピークパワーのレーザ光を出射するレーザ治
療装置であることから、本考案の治療対象であるアザ、ホクロ及び血管病変等の皮膚疾患
に対しては治療に用いることが困難であるという課題がある。
露防止手段を備えるが故に装置が複雑化・大型化し、安価に導入できないという不利益も
あった。
また、特許文献2記載のレーザ装置は、パルス幅10(ms)から120(ms)、出
力ビームが0.5(J/cm2)から5(J/cm2)までのエネルギーフルエンス範囲
の、波長1420(nm)から1470(nm)のレーザ光を皮膚に照射することで、皺
や色素沈着過度を治療することを目的としたハンディタイプの装置である。このようなレ
ーザ治療器においては、取り扱いは容易であるものの、Qスイッチレーザに比べるとピー
クパワーが非常に低く、波長も異なるため、本考案の治療対象であるアザ、ホクロ及び血
管病変等の皮膚疾患に対しては治療に用いることが困難であるという課題がある。
さらに、特許文献3記載のレーザ治療装置は、連続波(CW)レーザから得られる平均
出力2(W)であるところ、ポンプ源を高速にスイッチオンすることにより約35(W)の
パルスピーク出力を有するパルスレーザ光を照射することで、「網膜の選択的光熱融解」
、「光凝固法」、「温熱療法」及び「目の生体刺激法」等の治療方法に用いることができ
る。したがって、特許文献3記載のレーザ治療装置も、特許文献2記載のレーザ装置と同
様にQスイッチレーザに比べると非常に低いピークパワーのレーザ光を出射するレーザ治
療装置であることから、本考案の治療対象であるアザ、ホクロ及び血管病変等の皮膚疾患
に対しては治療に用いることが困難であるという課題がある。
本考案は、このような従来の事情に対処してなされたものであり、ピコ秒オーダーの短
いパルス幅と、高いピークパワーを有するパルスレーザ光が繰り返し出射されて形成され
るバーストパルス光を皮膚へ照射可能なために、高出力でありながら皮膚の熱損傷のリス
クを軽減でき、しかも小型かつ安価な皮膚レーザ治療器を提供することを目的とする。
いパルス幅と、高いピークパワーを有するパルスレーザ光が繰り返し出射されて形成され
るバーストパルス光を皮膚へ照射可能なために、高出力でありながら皮膚の熱損傷のリス
クを軽減でき、しかも小型かつ安価な皮膚レーザ治療器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、第1の考案は、励起光源と、この励起光源から放出された励
起光を伝送する光ファイバと、伝送された励起光が入射して励起されることでパルスレー
ザ光が出射されるマイクロチップレーザ媒質及び可飽和吸収体と、が内蔵される共振器と
、を備え、パルスレーザ光は、繰り返し出射されてバーストパルス光を形成し、このバー
ストパルス光を皮膚の患部に照射することを特徴とする。
このような構成の考案においては、共振器で共振増幅されたレーザ光の強度が閾値を超
えると、可飽和吸収体が受動Qスイッチとして作用し、瞬間的にエネルギーEp(mJ)
で、ピークパワーが高く、かつパルス幅Wp(ps)の短いパルスレーザ光が時間間隔を
空けて繰り返し出射される。
そして、m回出射されたパルスレーザ光から、1組のバーストパルス光が形成される。
この1組のバーストパルス光が、時間間隔を空けてn回形成される場合、n組のバースト
パルス光が有するエネルギー(mJ)は、これらの積、すなわち[Ep・m・n]となる
。
起光を伝送する光ファイバと、伝送された励起光が入射して励起されることでパルスレー
ザ光が出射されるマイクロチップレーザ媒質及び可飽和吸収体と、が内蔵される共振器と
、を備え、パルスレーザ光は、繰り返し出射されてバーストパルス光を形成し、このバー
ストパルス光を皮膚の患部に照射することを特徴とする。
このような構成の考案においては、共振器で共振増幅されたレーザ光の強度が閾値を超
えると、可飽和吸収体が受動Qスイッチとして作用し、瞬間的にエネルギーEp(mJ)
で、ピークパワーが高く、かつパルス幅Wp(ps)の短いパルスレーザ光が時間間隔を
空けて繰り返し出射される。
そして、m回出射されたパルスレーザ光から、1組のバーストパルス光が形成される。
この1組のバーストパルス光が、時間間隔を空けてn回形成される場合、n組のバースト
パルス光が有するエネルギー(mJ)は、これらの積、すなわち[Ep・m・n]となる
。
次に、第2の考案は、第1の考案において、パルスレーザ光は、パルス幅が1~700
psであることを特徴とする。
このような構成の考案においては、パルス幅Wpがピコ秒オーダーと極めて短いことか
ら、標的物質の熱緩和時間をかなり下回る。なお、標的物質とは、例えば、皮膚に含まれ
るメラニン色素である。また、熱緩和時間とは、レーザ照射で標的組織が最高温度に達し
た時点から、照射休止により熱放散が起こり最高温度の1/e(約37%、eは自然対数
の底)にまで冷却された時間をいう。そして、具体的な熱緩和時間は、メラニン色素では
50~280(ns)とされている。
psであることを特徴とする。
このような構成の考案においては、パルス幅Wpがピコ秒オーダーと極めて短いことか
ら、標的物質の熱緩和時間をかなり下回る。なお、標的物質とは、例えば、皮膚に含まれ
るメラニン色素である。また、熱緩和時間とは、レーザ照射で標的組織が最高温度に達し
た時点から、照射休止により熱放散が起こり最高温度の1/e(約37%、eは自然対数
の底)にまで冷却された時間をいう。そして、具体的な熱緩和時間は、メラニン色素では
50~280(ns)とされている。
さらに、第3の考案は、第1又は第2の考案において、パルスレーザ光は、波長が10
64nm及び532nmである場合に、ピークパワー密度がそれぞれ398MW/cm2
及び199MW/cm2以上であることを特徴とする。
このような構成の考案においては、第1又は第2の考案の作用に加えて、従来技術に係
るレーザ光のピークパワー密度の一例(133(MW/cm2)、ピークパワー67(M
W)、波長1064(nm)、スポット径8(mm)の場合)と比較すると、約3倍の最
大ピークパワーとなっている。したがって、皮膚に対する深達性が向上することになる。
なお、ピークパワーとは、[レーザ光のエネルギー/パルス幅]で表わされる値である。
64nm及び532nmである場合に、ピークパワー密度がそれぞれ398MW/cm2
及び199MW/cm2以上であることを特徴とする。
このような構成の考案においては、第1又は第2の考案の作用に加えて、従来技術に係
るレーザ光のピークパワー密度の一例(133(MW/cm2)、ピークパワー67(M
W)、波長1064(nm)、スポット径8(mm)の場合)と比較すると、約3倍の最
大ピークパワーとなっている。したがって、皮膚に対する深達性が向上することになる。
なお、ピークパワーとは、[レーザ光のエネルギー/パルス幅]で表わされる値である。
そして、第4の考案は、第1乃至第3のいずれかの考案において、複数のパルスレーザ
光のうち、2回目以降のパルスレーザ光は、その出射が、直前のパルスレーザ光の出射が
終了した時から第1の時間間隔を空けて開始されることを特徴とする。
このような構成の考案においては、第1の時間間隔は、出射されるパルスレーザ光のエ
ネルギーEpやパルス幅Wpに依存して変化する。具体的には、例えば、パルス幅Wp1
00(ps)のパルスレーザ光の場合、第1の時間間隔は100(μs)である。また、
繰り返し出射されるパルスレーザ光の回数は、励起光のパルス幅及び共振器の特性に依存
する。
上記構成の考案においては、第1乃至第3のいずれかの考案の作用に加えて、バースト
パルス光は、複数のパルス幅の短いパルスレーザ光が、第1の時間間隔を空けて出射され
るため、皮膚における熱の蓄積が抑制されると同時に、共振器における熱負荷が抑制され
る。
光のうち、2回目以降のパルスレーザ光は、その出射が、直前のパルスレーザ光の出射が
終了した時から第1の時間間隔を空けて開始されることを特徴とする。
このような構成の考案においては、第1の時間間隔は、出射されるパルスレーザ光のエ
ネルギーEpやパルス幅Wpに依存して変化する。具体的には、例えば、パルス幅Wp1
00(ps)のパルスレーザ光の場合、第1の時間間隔は100(μs)である。また、
繰り返し出射されるパルスレーザ光の回数は、励起光のパルス幅及び共振器の特性に依存
する。
上記構成の考案においては、第1乃至第3のいずれかの考案の作用に加えて、バースト
パルス光は、複数のパルス幅の短いパルスレーザ光が、第1の時間間隔を空けて出射され
るため、皮膚における熱の蓄積が抑制されると同時に、共振器における熱負荷が抑制され
る。
そして、第5の考案は、第1乃至第4のいずれかの考案において、励起光が、繰り返し
周期の間で少なくとも1回出射され、バーストパルス光は、出射された励起光に伴って出
射され、複数のバーストパルス光が出射される場合に、2回目以降のバーストパルス光は
、その出射が、直前の励起光の出射が終了した時から第2の時間間隔を空けて開始される
ことを特徴とする。
このような構成の考案においては、第2の時間間隔は、励起光周期Teに依存し、例え
ば繰り返し周波数が100(Hz)の場合には第2の時間間隔は10(ms)となる。
上記構成の考案においては、第1乃至第4のいずれかの考案の作用に加えて、例えば、
励起光が、繰り返し周期の間で1回出射される場合に、バーストパルス光もほぼ同じタイ
ミングで1回形成される。また、励起光が、繰り返し周期の間で5回出射される場合に、
バーストパルス光もほぼ同じタイミングで5回形成される。すなわち、2回目乃至4回目
のバーストパルス光は、それぞれの出射が1回目乃至4回目の励起光の出射が終了した時
から第2の時間間隔を空けて開始される。なお、励起光の周期は、例えば、10(ms)
である。
周期の間で少なくとも1回出射され、バーストパルス光は、出射された励起光に伴って出
射され、複数のバーストパルス光が出射される場合に、2回目以降のバーストパルス光は
、その出射が、直前の励起光の出射が終了した時から第2の時間間隔を空けて開始される
ことを特徴とする。
このような構成の考案においては、第2の時間間隔は、励起光周期Teに依存し、例え
ば繰り返し周波数が100(Hz)の場合には第2の時間間隔は10(ms)となる。
上記構成の考案においては、第1乃至第4のいずれかの考案の作用に加えて、例えば、
励起光が、繰り返し周期の間で1回出射される場合に、バーストパルス光もほぼ同じタイ
ミングで1回形成される。また、励起光が、繰り返し周期の間で5回出射される場合に、
バーストパルス光もほぼ同じタイミングで5回形成される。すなわち、2回目乃至4回目
のバーストパルス光は、それぞれの出射が1回目乃至4回目の励起光の出射が終了した時
から第2の時間間隔を空けて開始される。なお、励起光の周期は、例えば、10(ms)
である。
これに対し、従来技術に係るレーザ照射では、例えば、6(ns)のパルス幅を有する
パルス光が100(ms)当たりに1回形成されるのみであった。したがって、本考案に
おいて、1個のバーストパルス光が4回繰り返し出射されるパルスレーザ光によって形成
される場合、1回の繰り返し周期の間で出射されるバーストパルス光の最大エネルギー[
Ep(本考案における1回のパルスレーザ光のエネルギー)×4×5]と、繰り返し周期
と同一の時間内で出射される従来のレーザ照射のエネルギー[Ec(従来技術における1
回のパルスレーザ光のエネルギー)×1]が同等の場合では、バーストパルス光が繰り返
し周期の間で時間的に分散されて出射されるため、皮膚や共振器における熱負荷は、本考
案の方が従来のレーザ照射よりも小さくなる。
パルス光が100(ms)当たりに1回形成されるのみであった。したがって、本考案に
おいて、1個のバーストパルス光が4回繰り返し出射されるパルスレーザ光によって形成
される場合、1回の繰り返し周期の間で出射されるバーストパルス光の最大エネルギー[
Ep(本考案における1回のパルスレーザ光のエネルギー)×4×5]と、繰り返し周期
と同一の時間内で出射される従来のレーザ照射のエネルギー[Ec(従来技術における1
回のパルスレーザ光のエネルギー)×1]が同等の場合では、バーストパルス光が繰り返
し周期の間で時間的に分散されて出射されるため、皮膚や共振器における熱負荷は、本考
案の方が従来のレーザ照射よりも小さくなる。
第1の考案によれば、瞬間的にエネルギーEp(mJ)で、ピークパワーが高く、かつ
パルス幅Wp(ps)の短いパルスレーザ光が出射されるため、高出力でありながら皮膚
の熱損傷のリスクを軽減できる。したがって、従来では出力不足によって不十分であった
皮膚疾患の治療や複数種類の色素からなる刺青除去の治療成績を向上させることが可能で
あると同時に、安全性をも向上させることが可能である。
パルス幅Wp(ps)の短いパルスレーザ光が出射されるため、高出力でありながら皮膚
の熱損傷のリスクを軽減できる。したがって、従来では出力不足によって不十分であった
皮膚疾患の治療や複数種類の色素からなる刺青除去の治療成績を向上させることが可能で
あると同時に、安全性をも向上させることが可能である。
第2の考案によれば、第1の考案の効果に加えて、パルスレーザ光のパルス幅Wpが標
的物質の熱緩和時間をかなり下回るため、患部周囲の正常組織への熱放散を抑制すること
ができる。したがって、熱拡散による皮膚の損傷に起因する瘢痕化といった副作用を防止
することができる。
的物質の熱緩和時間をかなり下回るため、患部周囲の正常組織への熱放散を抑制すること
ができる。したがって、熱拡散による皮膚の損傷に起因する瘢痕化といった副作用を防止
することができる。
第3の考案によれば、第1又は第2の考案の効果に加えて、パルスレーザ光の皮膚に対
する深達性が向上するため、患部において、標的物質が存在する深さまで、パルスレーザ
光を十分に到達させることが可能である。そのため、標的物質が吸収する熱エネルギーを
増加させ、これを破壊することができる。
する深達性が向上するため、患部において、標的物質が存在する深さまで、パルスレーザ
光を十分に到達させることが可能である。そのため、標的物質が吸収する熱エネルギーを
増加させ、これを破壊することができる。
第4の考案によれば、第1乃至第3のいずれかの考案の効果に加えて、皮膚における熱
の蓄積が抑制されると同時に、共振器における熱負荷が抑制されるため、共振器は、皮膚
と共振器を冷却するための冷却手段が不要であるか、もしくは小型の冷却装置で実現可能
となる。したがって、皮膚レーザ治療器の構成が簡易となるために小型化が可能であり、
ひいては導入コストを安価とすることができる。
の蓄積が抑制されると同時に、共振器における熱負荷が抑制されるため、共振器は、皮膚
と共振器を冷却するための冷却手段が不要であるか、もしくは小型の冷却装置で実現可能
となる。したがって、皮膚レーザ治療器の構成が簡易となるために小型化が可能であり、
ひいては導入コストを安価とすることができる。
第5の考案によれば、第1乃至第4のいずれかの考案の効果に加えて、皮膚や共振器に
おける熱負荷は、本考案の方が従来のレーザ照射よりも小さくなる。さらに、この状態を
維持したまま、マイクロチップレーザ媒質と可飽和吸収体の種類を選択することで、ピコ
秒オーダーの短いパルス幅を実現することにより、本考案における1回のパルスレーザ光
のピークパワーの方を、従来技術における1回のパルスレーザ光のピークパワーよりも大
きくすることができる。加えて、繰り返し周期の間で出射される励起光の回数やタイミン
グを調整することにより、バーストパルス光が出射される回数や第2の時間間隔を調整す
ることもできる。したがって、本考案によれば、皮膚へ照射されるバーストパルス光の最
大エネルギーや第2の時間間隔を自在に調整することが可能であることから、様々な患部
毎に最適な照射条件を細かく設定することができる。
おける熱負荷は、本考案の方が従来のレーザ照射よりも小さくなる。さらに、この状態を
維持したまま、マイクロチップレーザ媒質と可飽和吸収体の種類を選択することで、ピコ
秒オーダーの短いパルス幅を実現することにより、本考案における1回のパルスレーザ光
のピークパワーの方を、従来技術における1回のパルスレーザ光のピークパワーよりも大
きくすることができる。加えて、繰り返し周期の間で出射される励起光の回数やタイミン
グを調整することにより、バーストパルス光が出射される回数や第2の時間間隔を調整す
ることもできる。したがって、本考案によれば、皮膚へ照射されるバーストパルス光の最
大エネルギーや第2の時間間隔を自在に調整することが可能であることから、様々な患部
毎に最適な照射条件を細かく設定することができる。
本考案の実施の形態に係る実施例の皮膚レーザ治療器について、図1乃至図4を用いて
詳細に説明する。図1は、実施例に係る皮膚レーザ治療器の構成図である。
図1に示すように、本実施例に係る皮膚レーザ治療器1は、励起光源2と、この励起光
源2から放出された励起光Leを伝送する光ファイバ3と、共振器4を備える。この共振
器4は、伝送された励起光Leが入射して励起されることでレーザ光が出射されるマイク
ロチップレーザ媒質5と、出射されたレーザ光Lからパルスレーザ光Lpを生成する可飽
和吸収体6と、を備える。
また、共振器4は、SHG(第二高調波発生モジュール)7と、ビームエキスパンダ8
とともに、ヘッド部9に内蔵される。なお、ヘッド部9が皮膚から一定以上の間隔を空け
て離れている場合に、レーザ光の照射を停止させるための検出手段として、非接触センサ
Sがヘッド部9に内蔵されている。
このような皮膚レーザ治療器1は、パルスレーザ光Lpが、繰り返し出射されてバース
トパルス光Lbを形成し、繰り返し周期Tr間にこのバーストパルス光Lbを複数回皮膚
の患部に出射するものである。
実際の治療においては、繰り返し周期Tr毎に1ショットの治療用レーザ光を出射する
。この1ショットの治療用レーザ光とは、複数のバーストパルスレーザ光Lbからなる一
連のバーストパルスレーザ光Lb群である。具体的には、使用者が、皮膚レーザ治療器1
をReady状態にし、フットスイッチを踏んだ状態にすると、例えば100(ms)の
繰り返し周期Tr毎に一連のバーストパルスレーザ光Lb群を自動的に出射する。そして
、使用者は、同一治療箇所に一定数のショットを照射し部位をずらしながら治療用レーザ
光を照射し、治療を進行させるのである。
詳細に説明する。図1は、実施例に係る皮膚レーザ治療器の構成図である。
図1に示すように、本実施例に係る皮膚レーザ治療器1は、励起光源2と、この励起光
源2から放出された励起光Leを伝送する光ファイバ3と、共振器4を備える。この共振
器4は、伝送された励起光Leが入射して励起されることでレーザ光が出射されるマイク
ロチップレーザ媒質5と、出射されたレーザ光Lからパルスレーザ光Lpを生成する可飽
和吸収体6と、を備える。
また、共振器4は、SHG(第二高調波発生モジュール)7と、ビームエキスパンダ8
とともに、ヘッド部9に内蔵される。なお、ヘッド部9が皮膚から一定以上の間隔を空け
て離れている場合に、レーザ光の照射を停止させるための検出手段として、非接触センサ
Sがヘッド部9に内蔵されている。
このような皮膚レーザ治療器1は、パルスレーザ光Lpが、繰り返し出射されてバース
トパルス光Lbを形成し、繰り返し周期Tr間にこのバーストパルス光Lbを複数回皮膚
の患部に出射するものである。
実際の治療においては、繰り返し周期Tr毎に1ショットの治療用レーザ光を出射する
。この1ショットの治療用レーザ光とは、複数のバーストパルスレーザ光Lbからなる一
連のバーストパルスレーザ光Lb群である。具体的には、使用者が、皮膚レーザ治療器1
をReady状態にし、フットスイッチを踏んだ状態にすると、例えば100(ms)の
繰り返し周期Tr毎に一連のバーストパルスレーザ光Lb群を自動的に出射する。そして
、使用者は、同一治療箇所に一定数のショットを照射し部位をずらしながら治療用レーザ
光を照射し、治療を進行させるのである。
励起光源2としては、例えば、マイクロチップレーザ媒質5がNd系であれば808.
5(nm)又は880(nm)又は885(nm)の励起光Leを発生させるダイオード
レーザが、Yb系であれば940(nm)又は970(nm)の励起光Leを発生させる
ダイオードレーザが使用される。
そして、共振器4から出射されるレーザ光Lの波長は、例えば、1064(nm)であ
る。この波長のレーザ光Lは基本波であって、SHG7により、532(nm)の波長を
有する第二高調波に変換可能である。また、基本波及び第二高調波の切替は手動で行われ
る。
5(nm)又は880(nm)又は885(nm)の励起光Leを発生させるダイオード
レーザが、Yb系であれば940(nm)又は970(nm)の励起光Leを発生させる
ダイオードレーザが使用される。
そして、共振器4から出射されるレーザ光Lの波長は、例えば、1064(nm)であ
る。この波長のレーザ光Lは基本波であって、SHG7により、532(nm)の波長を
有する第二高調波に変換可能である。また、基本波及び第二高調波の切替は手動で行われ
る。
次に、実施例に係る皮膚レーザ治療器を構成する共振器とその周辺部について、図2を
用いながら、より詳細に説明する。図2は、実施例に係る皮膚レーザ治療器を構成する共
振器とその周辺部の構成図である。なお、図1で示した構成要素については、図2におい
ても同一の符号を付して、その説明を省略する。
図2に示すように、光ファイバ3と共振器4の間には、励起光Leを平行光に調整する
コリメートレンズ10と、コリメートレンズ10を通過した平行光を絞り込む集光レンズ
11が設けられる。集光レンズ11によって絞り込まれた励起光Leは、共振器4の一端
を構成する励起光反射防止膜12へ入射する。
用いながら、より詳細に説明する。図2は、実施例に係る皮膚レーザ治療器を構成する共
振器とその周辺部の構成図である。なお、図1で示した構成要素については、図2におい
ても同一の符号を付して、その説明を省略する。
図2に示すように、光ファイバ3と共振器4の間には、励起光Leを平行光に調整する
コリメートレンズ10と、コリメートレンズ10を通過した平行光を絞り込む集光レンズ
11が設けられる。集光レンズ11によって絞り込まれた励起光Leは、共振器4の一端
を構成する励起光反射防止膜12へ入射する。
また、共振器4は、励起光反射防止膜12と、励起光Leより長い波長の光を全反射す
る全反射鏡13と、マイクロチップレーザ媒質5と、可飽和吸収体6と、共振増幅された
レーザ光の一部が透過する部分反射鏡14と、から構成される。なお、共振器4の長軸方
向Yに沿った長さlとは、マイクロチップレーザ媒質5の長軸方向Yに沿った長さl1と
可飽和吸収体6の長軸方向Yに沿った長さl2を合計した値である。
る全反射鏡13と、マイクロチップレーザ媒質5と、可飽和吸収体6と、共振増幅された
レーザ光の一部が透過する部分反射鏡14と、から構成される。なお、共振器4の長軸方
向Yに沿った長さlとは、マイクロチップレーザ媒質5の長軸方向Yに沿った長さl1と
可飽和吸収体6の長軸方向Yに沿った長さl2を合計した値である。
そして、共振器4のうち、マイクロチップレーザ媒質5としては、例えば、Nd:YA
G(Yttrium Aluminum Garnet)結晶が使用される。なお、「Nd:」はNd(Neodymium
)でドープした結晶であることを意味している。後出の「Cr4+:」も同様である。
また、可飽和吸収体6は、強度が低い入射光に対しては光損失の大きい吸収体として働
くが、強度が高い入射光に対しては吸収体としての能力が飽和して、光損失の小さい透明
体として働く性質を有している。すなわち、可飽和吸収体6は、レーザ光を出射させるた
めの閾値を有しており、マイクロチップレーザ媒質5、全反射鏡13及び部分反射鏡14
によって共振増幅されたレーザ光の強度がその閾値を超えると、受動Q(Quality
factor)スイッチとして作用する。その結果、瞬間的に高エネルギーの高いパル
スレーザ光Lpが、共振器4の他端に設けられた部分反射鏡14を透過して出射される。
なお、可飽和吸収体6としては、例えば、Cr4+:YAG結晶が使用される。
このように、励起光反射防止膜12へ入射した波長808.5(nm)の励起光Leは
、マイクロチップレーザ媒質5等によって波長1064(nm)のレーザ光Lとなり、可
飽和吸収体6によって波長1064(nm)のパルスレーザ光Lpとして出射される。そ
して、出射されたパルスレーザ光Lpは、ビームエキスパンダ15によって、そのビーム
径が所望のとおりに拡大される。
G(Yttrium Aluminum Garnet)結晶が使用される。なお、「Nd:」はNd(Neodymium
)でドープした結晶であることを意味している。後出の「Cr4+:」も同様である。
また、可飽和吸収体6は、強度が低い入射光に対しては光損失の大きい吸収体として働
くが、強度が高い入射光に対しては吸収体としての能力が飽和して、光損失の小さい透明
体として働く性質を有している。すなわち、可飽和吸収体6は、レーザ光を出射させるた
めの閾値を有しており、マイクロチップレーザ媒質5、全反射鏡13及び部分反射鏡14
によって共振増幅されたレーザ光の強度がその閾値を超えると、受動Q(Quality
factor)スイッチとして作用する。その結果、瞬間的に高エネルギーの高いパル
スレーザ光Lpが、共振器4の他端に設けられた部分反射鏡14を透過して出射される。
なお、可飽和吸収体6としては、例えば、Cr4+:YAG結晶が使用される。
このように、励起光反射防止膜12へ入射した波長808.5(nm)の励起光Leは
、マイクロチップレーザ媒質5等によって波長1064(nm)のレーザ光Lとなり、可
飽和吸収体6によって波長1064(nm)のパルスレーザ光Lpとして出射される。そ
して、出射されたパルスレーザ光Lpは、ビームエキスパンダ15によって、そのビーム
径が所望のとおりに拡大される。
さらに、実施例に係る皮膚レーザ治療器が出射するバーストパルス光について、図3を
用いながら、より詳細に説明する。図3(a)及び図3(b)は、それぞれ実施例に係る
皮膚レーザ治療器が出射するバーストパルス光及び従来技術に係るパルスレーザ光の概念
図である。なお、図1及び図2で示した構成要素については、図3においても同一の符号
を付して、その説明を省略する。
図3(a)は、横軸を時間t(ms)、縦軸を光のエネルギーE(mJ)とした場合の
励起光Le、パルスレーザ光Lp及びバーストパルス光Lbの波形である。
まず、励起光Leの波形について説明すると、励起光Leは、100(ms)の繰り返
し周期Trの間で、例えば5回出射される。そのパルス幅Weは420(μs)、励起光
周期Teは10(ms)である。
用いながら、より詳細に説明する。図3(a)及び図3(b)は、それぞれ実施例に係る
皮膚レーザ治療器が出射するバーストパルス光及び従来技術に係るパルスレーザ光の概念
図である。なお、図1及び図2で示した構成要素については、図3においても同一の符号
を付して、その説明を省略する。
図3(a)は、横軸を時間t(ms)、縦軸を光のエネルギーE(mJ)とした場合の
励起光Le、パルスレーザ光Lp及びバーストパルス光Lbの波形である。
まず、励起光Leの波形について説明すると、励起光Leは、100(ms)の繰り返
し周期Trの間で、例えば5回出射される。そのパルス幅Weは420(μs)、励起光
周期Teは10(ms)である。
次に、励起光Leの出射に伴い、共振器4を介して複数のパルスレーザ光Lpが出射さ
れる。それぞれのパルスレーザ光Lpは、パルス幅Wpが共振器4の長さlに正比例する
ことから、この長さlを例えば0.1~70(mm)に設計することによって、パルス幅
Wpを1~700(ps)に設定することが可能である。なお、図3(a)は、一例とし
て、100(ps)のパルス幅Wpを有するパルスレーザ光Lpが出射される場合を示し
ている。この場合、長さlは、およそ11(mm)である。また、現在求められる出力に
対して技術的に実現可能なパルス幅Wpの範囲は、例えば100~1000(ps)であ
る。
図3(a)に示すように、複数のバーストパルス光Lbは、それぞれパルスレーザ光L
pが4回繰り返し出射されて形成されたものである。各バーストパルス光Lbにおいて、
複数のパルスレーザ光Lpのうち、2回目以降のパルスレーザ光Lpは、その出射が、直
前のパルスレーザ光Lpの出射が終了した時から第1の時間間隔τ1を空けて開始される
。すなわち、2回目乃至4回目のパルスレーザ光Lpは、それぞれ1回目乃至3回目のパ
ルスレーザ光Lpの出射が終了した時から同一の第1の時間間隔τ1を空けて開始される
。具体的には、第1の時間間隔τ1は、例えば、100(μs)である。
れる。それぞれのパルスレーザ光Lpは、パルス幅Wpが共振器4の長さlに正比例する
ことから、この長さlを例えば0.1~70(mm)に設計することによって、パルス幅
Wpを1~700(ps)に設定することが可能である。なお、図3(a)は、一例とし
て、100(ps)のパルス幅Wpを有するパルスレーザ光Lpが出射される場合を示し
ている。この場合、長さlは、およそ11(mm)である。また、現在求められる出力に
対して技術的に実現可能なパルス幅Wpの範囲は、例えば100~1000(ps)であ
る。
図3(a)に示すように、複数のバーストパルス光Lbは、それぞれパルスレーザ光L
pが4回繰り返し出射されて形成されたものである。各バーストパルス光Lbにおいて、
複数のパルスレーザ光Lpのうち、2回目以降のパルスレーザ光Lpは、その出射が、直
前のパルスレーザ光Lpの出射が終了した時から第1の時間間隔τ1を空けて開始される
。すなわち、2回目乃至4回目のパルスレーザ光Lpは、それぞれ1回目乃至3回目のパ
ルスレーザ光Lpの出射が終了した時から同一の第1の時間間隔τ1を空けて開始される
。具体的には、第1の時間間隔τ1は、例えば、100(μs)である。
そして、バーストパルス光Lbは、繰り返し周期Trの間で励起光Leが5回出射され
る場合に、これらの励起光Leに伴って5回出射される。
この場合、2回目以降のバーストパルス光Lbは、その出射が、直前の励起光Leの出
射が終了した時から第2の時間間隔τ2を空けて開始される。すなわち、2回目乃至4回
目のバーストパルス光Lbは、それぞれ1回目乃至3回目の励起光Leの出射が終了した
時から同一の第2の時間間隔τ2を空けて開始される。
具体的には、第2の時間間隔τ2は、例えば、およそ10(ms)である。より正確に
は、第2の時間間隔τ2は、励起光周期Te(10(ms))から励起光Leのパルス幅
We(420(μs))を差し引いた値である。
る場合に、これらの励起光Leに伴って5回出射される。
この場合、2回目以降のバーストパルス光Lbは、その出射が、直前の励起光Leの出
射が終了した時から第2の時間間隔τ2を空けて開始される。すなわち、2回目乃至4回
目のバーストパルス光Lbは、それぞれ1回目乃至3回目の励起光Leの出射が終了した
時から同一の第2の時間間隔τ2を空けて開始される。
具体的には、第2の時間間隔τ2は、例えば、およそ10(ms)である。より正確に
は、第2の時間間隔τ2は、励起光周期Te(10(ms))から励起光Leのパルス幅
We(420(μs))を差し引いた値である。
また、パルスレーザ光Lpは、波長が1064nm及び532nmである場合に、エネ
ルギーEpはそれぞれ20(mJ)及び10(mJ)である。したがって、パルス幅Wp
が100(ps)のとき、パルスレーザ光Lpの最大ピークパワー[Ep/Wp]がそれぞ
れ200(MW)及び100(MW)と算出される。
ルギーEpはそれぞれ20(mJ)及び10(mJ)である。したがって、パルス幅Wp
が100(ps)のとき、パルスレーザ光Lpの最大ピークパワー[Ep/Wp]がそれぞ
れ200(MW)及び100(MW)と算出される。
続いて、図3(b)を用いながら、従来技術に係るパルス光の波形について説明する。
図3(b)は、横軸を時間(ms)、縦軸を光のエネルギー(mJ)とした場合の従来技
術に係るパルスレーザ光の波形である。
図3(b)に示すように、従来技術に係るパルスレーザ光Lcは、100(ms)の繰
り返し周期Tcの間で、1回出射される。その波長は、1064(nm)及び532(n
m)であって、パルス幅Wcはいずれの波長も6(ns)、エネルギー[Ec]はそれぞ
れ400(mJ)及び160(mJ)、ピークパワー[Ec/Wc]はそれぞれ67(MW
)及び26(MW)である。なお、パルスレーザ光Lcの繰り返し周期Tcは、励起光L
eの繰り返し周期Trと等しい。
図3(b)は、横軸を時間(ms)、縦軸を光のエネルギー(mJ)とした場合の従来技
術に係るパルスレーザ光の波形である。
図3(b)に示すように、従来技術に係るパルスレーザ光Lcは、100(ms)の繰
り返し周期Tcの間で、1回出射される。その波長は、1064(nm)及び532(n
m)であって、パルス幅Wcはいずれの波長も6(ns)、エネルギー[Ec]はそれぞ
れ400(mJ)及び160(mJ)、ピークパワー[Ec/Wc]はそれぞれ67(MW
)及び26(MW)である。なお、パルスレーザ光Lcの繰り返し周期Tcは、励起光L
eの繰り返し周期Trと等しい。
次に、実施例に係る皮膚レーザ治療器が出射するバーストパルス光のバリエーションに
ついて、詳細に説明する。図4(a)乃至図4(e)は、それぞれ実施例に係る皮膚レー
ザ治療器が出射するバーストパルス光の概念図であって、異なる回数出射されるバースト
パルス光をそれぞれ示したものである。
図4(a)乃至図4(e)は、それぞれ横軸を時間t(ms)、縦軸を光のエネルギー
E(mJ)とした場合のパルスレーザ光Lp及びバーストパルス光Lbの波形である。
図4(a)に示すように、繰り返し周期Trの間で5回出射される励起光Leに伴い、
バーストパルス光Lbも5回出射される。
また、図4(b)乃至図4(e)では、繰り返し周期Trの間で4回から1回出射され
る励起光Leに伴い、バーストパルス光Lbもそれぞれ4回から1回出射される場合を示
している。
したがって、1個のパルスレーザ光LpのエネルギーEpが20(mJ)の場合、図4
(a)乃至図4(e)においては、繰り返し周期Trの間で、バーストパルス光Lbの最
大エネルギーEbは、それぞれ400(mJ)、320(mJ)、240(mJ)、16
0(mJ)、80(mJ)というように段階的に変化したものとなる。
ついて、詳細に説明する。図4(a)乃至図4(e)は、それぞれ実施例に係る皮膚レー
ザ治療器が出射するバーストパルス光の概念図であって、異なる回数出射されるバースト
パルス光をそれぞれ示したものである。
図4(a)乃至図4(e)は、それぞれ横軸を時間t(ms)、縦軸を光のエネルギー
E(mJ)とした場合のパルスレーザ光Lp及びバーストパルス光Lbの波形である。
図4(a)に示すように、繰り返し周期Trの間で5回出射される励起光Leに伴い、
バーストパルス光Lbも5回出射される。
また、図4(b)乃至図4(e)では、繰り返し周期Trの間で4回から1回出射され
る励起光Leに伴い、バーストパルス光Lbもそれぞれ4回から1回出射される場合を示
している。
したがって、1個のパルスレーザ光LpのエネルギーEpが20(mJ)の場合、図4
(a)乃至図4(e)においては、繰り返し周期Trの間で、バーストパルス光Lbの最
大エネルギーEbは、それぞれ400(mJ)、320(mJ)、240(mJ)、16
0(mJ)、80(mJ)というように段階的に変化したものとなる。
続いて、実施例に係る皮膚レーザ治療器の作用について、図5を用いながら、より詳細
に説明する。図5は、実施例に係る皮膚レーザ治療器と、従来技術に係るレーザ治療器と
の性能を比較した表である。この従来技術に係るレーザ治療器(以下、従来器という。)
は、QスイッチNd:YAGレーザ治療器である。
図5に示すように、波長が1064(nm)の場合、皮膚レーザ治療器1と従来器は、
同一の最大エネルギー400(mJ)でありながら、ピークパワーはそれぞれ200(M
W)、67(MW)と異なっており、皮膚レーザ治療器1の方が従来器の約3倍の値とな
っている。これは、皮膚レーザ治療器1の1個のパルスレーザ光Lp当たりのエネルギー
20(mJ)が従来器の1個のパルスレーザ光Lc当たりのエネルギー400(mJ)と
比較して20分の1と小さいが、皮膚レーザ治療器1のパルス幅Wpが100(ps)と
従来器のパルス幅Wcの6(ns)に比較して60分の1と小さいことに起因するもので
ある。
また、この場合における皮膚レーザ治療器1と従来器のエネルギー密度は、いずれも1
2.7(J/cm2)と同等である。なお、ピークパワーは、レーザ光が到達する皮膚の
深さを示す指標であり、エネルギー密度は、レーザ光照射によるメラニン色素等の破壊の
程度を示す指標である。
に説明する。図5は、実施例に係る皮膚レーザ治療器と、従来技術に係るレーザ治療器と
の性能を比較した表である。この従来技術に係るレーザ治療器(以下、従来器という。)
は、QスイッチNd:YAGレーザ治療器である。
図5に示すように、波長が1064(nm)の場合、皮膚レーザ治療器1と従来器は、
同一の最大エネルギー400(mJ)でありながら、ピークパワーはそれぞれ200(M
W)、67(MW)と異なっており、皮膚レーザ治療器1の方が従来器の約3倍の値とな
っている。これは、皮膚レーザ治療器1の1個のパルスレーザ光Lp当たりのエネルギー
20(mJ)が従来器の1個のパルスレーザ光Lc当たりのエネルギー400(mJ)と
比較して20分の1と小さいが、皮膚レーザ治療器1のパルス幅Wpが100(ps)と
従来器のパルス幅Wcの6(ns)に比較して60分の1と小さいことに起因するもので
ある。
また、この場合における皮膚レーザ治療器1と従来器のエネルギー密度は、いずれも1
2.7(J/cm2)と同等である。なお、ピークパワーは、レーザ光が到達する皮膚の
深さを示す指標であり、エネルギー密度は、レーザ光照射によるメラニン色素等の破壊の
程度を示す指標である。
ここで、メラニン色素等が破壊される現象について、より詳細に述べる。メラニン色素
等にレーザ光が吸収された場合、光熱効果のみならず、断熱膨張が起こり熱弾性波(光音
響波)が発生する。すなわち、光音響波により、メラニン色素等が粉砕され、これが貪食
細胞によって除去されることで、皮膚のシミやアザが完全に消去される。このような破壊
効果を発揮する光音響波の応力は、エネルギー密度に正比例すると考えられている。
一方、レーザ光の皮膚内への透過性はピークパワーに従って高まるので、皮膚レーザ治
療器1と従来器においては、エネルギー密度が同等である場合に、皮膚レーザ治療器1の
方が深在性の色素に対する破壊効果が強いと言える。
等にレーザ光が吸収された場合、光熱効果のみならず、断熱膨張が起こり熱弾性波(光音
響波)が発生する。すなわち、光音響波により、メラニン色素等が粉砕され、これが貪食
細胞によって除去されることで、皮膚のシミやアザが完全に消去される。このような破壊
効果を発揮する光音響波の応力は、エネルギー密度に正比例すると考えられている。
一方、レーザ光の皮膚内への透過性はピークパワーに従って高まるので、皮膚レーザ治
療器1と従来器においては、エネルギー密度が同等である場合に、皮膚レーザ治療器1の
方が深在性の色素に対する破壊効果が強いと言える。
続いて、図5に記載のパルス幅に注目すると、皮膚レーザ治療器1において、励起光周
期Teの間で、100(ps)というパルス幅Wpの短いパルスレーザ光Lpが、第1の
時間間隔τ1(100(μs))を空けて複数回出射される場合、第1の時間間隔τ1は
1個のバーストパルス光Lbのパルス幅Wpの100万倍の長さとなる。すなわち、パル
スレーザ光Lpが出射されない時間の方が、出射される時間よりもかなり長いという状態
になっている。
さらに、繰り返し周期Trの間で、励起光Leが第2の時間間隔τ2を空けて複数回出
射される場合、第2の時間間隔τ2(約10(ms))は1個のバーストパルス光Lbの
時間的幅(約400(μs))の25倍の長さとなる。すなわち、複数のバーストパルス
光Lbが出射される場合においても、バーストパルス光Lbが出射されない時間の方が、
出射される時間よりも長くなる。別の言い方をすれば、各バーストパルス光Lbは、1回
の繰り返し周期Trの間で時間的に分散されて出射される。
以上のことから、皮膚レーザ治療器1においては、第1の時間間隔τ1と第2の時間間
隔τ2が確保されることによって、皮膚における熱の蓄積が抑制されると同時に、共振器
4における熱負荷が抑制される。
期Teの間で、100(ps)というパルス幅Wpの短いパルスレーザ光Lpが、第1の
時間間隔τ1(100(μs))を空けて複数回出射される場合、第1の時間間隔τ1は
1個のバーストパルス光Lbのパルス幅Wpの100万倍の長さとなる。すなわち、パル
スレーザ光Lpが出射されない時間の方が、出射される時間よりもかなり長いという状態
になっている。
さらに、繰り返し周期Trの間で、励起光Leが第2の時間間隔τ2を空けて複数回出
射される場合、第2の時間間隔τ2(約10(ms))は1個のバーストパルス光Lbの
時間的幅(約400(μs))の25倍の長さとなる。すなわち、複数のバーストパルス
光Lbが出射される場合においても、バーストパルス光Lbが出射されない時間の方が、
出射される時間よりも長くなる。別の言い方をすれば、各バーストパルス光Lbは、1回
の繰り返し周期Trの間で時間的に分散されて出射される。
以上のことから、皮膚レーザ治療器1においては、第1の時間間隔τ1と第2の時間間
隔τ2が確保されることによって、皮膚における熱の蓄積が抑制されると同時に、共振器
4における熱負荷が抑制される。
加えて、皮膚レーザ治療器1においては、パルスレーザ光Lpのパルス幅Wpはピコ秒
オーダーであって、従来器のナノ秒オーダーのパルス幅Wcよりも極めて短くなっている
。そこで、次に、パルス幅Wpがピコ秒オーダーであることの利点について、レーザ光を
用いた皮膚疾患治療の基礎理論とされる選択的光熱融解理論に基づき、詳細に説明する。
選択的光熱融解理論によれば、選択的に病変の標的物質(例えばメラニン色素、血管)
を破壊し、周囲の正常組織への熱損傷を最小限にするためには、レーザ光が(1)標的物
質に選択的に吸収され、かつ標的物質が存在する深さまで到達する波長であって、(2)
標的物質の熱緩和時間より短いパルス幅を有し、(3)標的物質に非可逆的損傷が生じる
のに十分な照射エネルギー(エネルギー密度(J/cm2))であること、の3条件が必
要である。
オーダーであって、従来器のナノ秒オーダーのパルス幅Wcよりも極めて短くなっている
。そこで、次に、パルス幅Wpがピコ秒オーダーであることの利点について、レーザ光を
用いた皮膚疾患治療の基礎理論とされる選択的光熱融解理論に基づき、詳細に説明する。
選択的光熱融解理論によれば、選択的に病変の標的物質(例えばメラニン色素、血管)
を破壊し、周囲の正常組織への熱損傷を最小限にするためには、レーザ光が(1)標的物
質に選択的に吸収され、かつ標的物質が存在する深さまで到達する波長であって、(2)
標的物質の熱緩和時間より短いパルス幅を有し、(3)標的物質に非可逆的損傷が生じる
のに十分な照射エネルギー(エネルギー密度(J/cm2))であること、の3条件が必
要である。
まず、上記条件(2)について検討すると、パルスレーザ光Lpのパルス幅Wpは、1
~700(ps)であり、メラニン色素における最短の熱緩和時間50(ns)の1/5
0000~1/70に短縮され、極めて短くなっている。よって、皮膚レーザ治療器1は
、上記条件(2)を十分充足する。さらに、パルス幅Wpは、従来器に係るパルスレーザ
光Lcのパルス幅Wc(6(ns))の1/6000~1/9に短縮されていることから
、パルスレーザ光Lpが標的物質に吸収されることによって発生する正常組織への熱放散
は、従来器と比較して強く抑制されるものと考えられる。
~700(ps)であり、メラニン色素における最短の熱緩和時間50(ns)の1/5
0000~1/70に短縮され、極めて短くなっている。よって、皮膚レーザ治療器1は
、上記条件(2)を十分充足する。さらに、パルス幅Wpは、従来器に係るパルスレーザ
光Lcのパルス幅Wc(6(ns))の1/6000~1/9に短縮されていることから
、パルスレーザ光Lpが標的物質に吸収されることによって発生する正常組織への熱放散
は、従来器と比較して強く抑制されるものと考えられる。
次に、条件(1)について検討すると、本実施例の皮膚レーザ治療器1においては、パ
ルスレーザ光Lpの波長が1064(nm)及び532(nm)である。このうち、10
64(nm)波長はメラニン色素に選択的に吸収され、532(nm)の波長はメラニン
色素の他、刺青の赤や黄といった色素にも吸収される性質を有している。これらの波長は
、従来より、いずれも皮膚への到達性が良好であることが知られている。よって、皮膚レ
ーザ治療器1は、上記条件(1)を充足する。
ルスレーザ光Lpの波長が1064(nm)及び532(nm)である。このうち、10
64(nm)波長はメラニン色素に選択的に吸収され、532(nm)の波長はメラニン
色素の他、刺青の赤や黄といった色素にも吸収される性質を有している。これらの波長は
、従来より、いずれも皮膚への到達性が良好であることが知られている。よって、皮膚レ
ーザ治療器1は、上記条件(1)を充足する。
続いて、条件(3)については、図5を用いて前述した、複数のバーストパルス光Lb
が有する最大エネルギー密度によれば、メラニン色素等を細かく破壊し、非可逆的損傷を
生じさせることができる。よって、皮膚レーザ治療器1は、上記条件(3)をも充足する
。
が有する最大エネルギー密度によれば、メラニン色素等を細かく破壊し、非可逆的損傷を
生じさせることができる。よって、皮膚レーザ治療器1は、上記条件(3)をも充足する
。
以上説明したように、本実施例に係る皮膚レーザ治療器1によれば、1個のパルスレー
ザ光Lp当たりのピークパワーが200(MW)と高出力であり、かつパルス幅Wpがピ
コ秒オーダーであるために、皮膚の深部に至るまで光音響効果を発生させることができる
。
また、パルス幅Wpがピコ秒オーダーであることによれば、例えば、メラニン色素の熱
緩和時間よりも極めて短いため、周囲の正常組織への熱損傷を最小限とすることができる
。したがって、レーザ光を使用した皮膚治療における安全性を向上させることができると
ともに、皮膚の冷却手段を設ける必要がない。
さらに、皮膚レーザ治療器1では、SHG7によって、1064(nm)及び532(
nm)という二種類の波長のパルスレーザ光Lpが出射されるため、様々な皮膚疾患や複
数種類の色素からなる刺青除去の治療に使用することが可能である。
ザ光Lp当たりのピークパワーが200(MW)と高出力であり、かつパルス幅Wpがピ
コ秒オーダーであるために、皮膚の深部に至るまで光音響効果を発生させることができる
。
また、パルス幅Wpがピコ秒オーダーであることによれば、例えば、メラニン色素の熱
緩和時間よりも極めて短いため、周囲の正常組織への熱損傷を最小限とすることができる
。したがって、レーザ光を使用した皮膚治療における安全性を向上させることができると
ともに、皮膚の冷却手段を設ける必要がない。
さらに、皮膚レーザ治療器1では、SHG7によって、1064(nm)及び532(
nm)という二種類の波長のパルスレーザ光Lpが出射されるため、様々な皮膚疾患や複
数種類の色素からなる刺青除去の治療に使用することが可能である。
加えて、皮膚レーザ治療器1によれば、繰り返し周期Trの間で出射される励起光Le
の回数やタイミングを調整することにより、バーストパルス光Lbが出射される回数や第
2の時間間隔τ2を調整することもできる。したがって、皮膚レーザ治療器1によれば、
皮膚へ照射されるバーストパルス光Lbの最大エネルギーや第2の時間間隔τ2を自在に
調整することが可能であることから、様々な患部毎に最適な照射条件を細かく設定するこ
とができる。
の回数やタイミングを調整することにより、バーストパルス光Lbが出射される回数や第
2の時間間隔τ2を調整することもできる。したがって、皮膚レーザ治療器1によれば、
皮膚へ照射されるバーストパルス光Lbの最大エネルギーや第2の時間間隔τ2を自在に
調整することが可能であることから、様々な患部毎に最適な照射条件を細かく設定するこ
とができる。
さらに、皮膚レーザ治療器1によれば、治療用レーザ光を単一のパルスレーザ光ではな
く、複数のパルスレーザ光Lpから形成されるバーストパルス光Lbを複数回出射するこ
とで形成するため、単一のパルスレーザ光で実施する場合には共振器4から出射されるレ
ーザの最大エネルギーが例えば400(mJ)必要であるが、皮膚レーザ治療器1の場合
には共振器4から出射されるレーザの最大エネルギーを例えば20(mJ)に低減させる
ことができる。したがって、共振器4の小型化を可能にし、熱負荷も抑制することが可能
である。このため共振器4は冷却手段が不要であるか、もしくは小型の冷却装置で実現可
能となる。これに加え、共振器4は、長さlを例えば0.1~100(mm)に設計可能
であり、小型化が可能なため、使用者が手で保持可能なヘッド部9に内蔵することができ
る。このため、励起光源2から共振器4へ光ファイバ3により伝送し共振器4からのレー
ザを直接治療光として使用することが可能であり、従来の共振器からヘッド部へ多関節導
光路によるミラー伝送方式と比較して、非常にシンプルな構造での実現が可能である。こ
れらにより図5に示した従来器の寸法(820H×415W×645D(mm))及び重
量(約100(kg))と比較して、皮膚レーザ治療器1の小型化(150H×200W
×310D(mm))及び軽量化(11(kg))を実現することができる。したがって
、皮膚レーザ治療器1の取り扱いが容易になるとともに、安価に製造可能である。よって
、皮膚レーザ治療器1の導入が容易になることが期待できる。
く、複数のパルスレーザ光Lpから形成されるバーストパルス光Lbを複数回出射するこ
とで形成するため、単一のパルスレーザ光で実施する場合には共振器4から出射されるレ
ーザの最大エネルギーが例えば400(mJ)必要であるが、皮膚レーザ治療器1の場合
には共振器4から出射されるレーザの最大エネルギーを例えば20(mJ)に低減させる
ことができる。したがって、共振器4の小型化を可能にし、熱負荷も抑制することが可能
である。このため共振器4は冷却手段が不要であるか、もしくは小型の冷却装置で実現可
能となる。これに加え、共振器4は、長さlを例えば0.1~100(mm)に設計可能
であり、小型化が可能なため、使用者が手で保持可能なヘッド部9に内蔵することができ
る。このため、励起光源2から共振器4へ光ファイバ3により伝送し共振器4からのレー
ザを直接治療光として使用することが可能であり、従来の共振器からヘッド部へ多関節導
光路によるミラー伝送方式と比較して、非常にシンプルな構造での実現が可能である。こ
れらにより図5に示した従来器の寸法(820H×415W×645D(mm))及び重
量(約100(kg))と比較して、皮膚レーザ治療器1の小型化(150H×200W
×310D(mm))及び軽量化(11(kg))を実現することができる。したがって
、皮膚レーザ治療器1の取り扱いが容易になるとともに、安価に製造可能である。よって
、皮膚レーザ治療器1の導入が容易になることが期待できる。
なお、本考案の皮膚レーザ治療器1の構造は、実施例に示すものに限定されない。例え
ば、マイクロチップレーザ媒質5として、Nd:YVO4結晶、Nd:YLF結晶、Yb
:YAG結晶が使用されても良い。また、共振器4の長さlを調整することで、1~10
00(ps)の範囲内で、100(ps)以外のパルス幅Wpを有するパルスレーザ光L
pを出射させても良い。
ば、マイクロチップレーザ媒質5として、Nd:YVO4結晶、Nd:YLF結晶、Yb
:YAG結晶が使用されても良い。また、共振器4の長さlを調整することで、1~10
00(ps)の範囲内で、100(ps)以外のパルス幅Wpを有するパルスレーザ光L
pを出射させても良い。
本考案は、皮膚の患部にレーザを照射して、皮膚疾患を治療する皮膚レーザ治療器とし
て利用可能である。
て利用可能である。
1…皮膚レーザ治療器 2…励起光源 3…光ファイバ 4…共振器 5…マイクロチ
ップレーザ媒質 6…可飽和吸収体 7…SHG 8…ビームエキスパンダ 9…ヘッド
部 10…コリメートレンズ 11…集光レンズ 12…励起光反射防止膜 13…全反
射鏡 14…部分反射鏡 15…ビームエキスパンダ S…非接触センサ
ップレーザ媒質 6…可飽和吸収体 7…SHG 8…ビームエキスパンダ 9…ヘッド
部 10…コリメートレンズ 11…集光レンズ 12…励起光反射防止膜 13…全反
射鏡 14…部分反射鏡 15…ビームエキスパンダ S…非接触センサ
Claims (4)
- 励起光源と、
この励起光源から放出された励起光を伝送する光ファイバと、
伝送された前記励起光が入射して励起されることでパルスレーザ光が出射されるマイク
ロチップレーザ媒質及び過飽和吸収体と、が内蔵され、かつ長軸方向に沿った長さが0.
1~100mmである共振器と、
前記共振器を内蔵し、手で保持可能なヘッド部を備え、
前記パルスレーザ光は、波長が1064nm及び532nmである場合に、エネルギー
がそれぞれ20mJ及び10mJであり、
前記パルスレーザ光を皮膚の患部に照射することを特徴とする皮膚レーザ治療器。 - 前記パルスレーザ光のパルス幅は、前記共振器の前記長さに正比例し、前記長さを0.
1~70mmとすることで、1~700psに設定されることを特徴とする請求項1に記
載の皮膚レーザ治療器。 - 前記共振器の冷却手段が不要であるとともに、
前記パルス幅は、1~700psであり、メラニン色素における最短の熱緩和時間50
nsの1/50000~1/70に短縮されることで、前記皮膚の冷却手段が不要である
ことを特徴とする請求項2に記載の皮膚レーザ治療器。 - 前記長さが11mmであることで前記パルス幅が100psに設定されるとともに、
前記皮膚レーザ治療器のエネルギー密度と従来器のエネルギー密度が同等であり、かつ
前記従来器のピークパワーに対する前記皮膚レーザ治療器のピークパワーが3倍であるこ
とを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の皮膚レーザ治療器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022004257U JP3241042U (ja) | 2022-12-27 | 2022-12-27 | 皮膚レーザ治療器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022004257U JP3241042U (ja) | 2022-12-27 | 2022-12-27 | 皮膚レーザ治療器 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2021107782A Continuation JP2021151567A (ja) | 2016-12-14 | 2021-06-29 | 皮膚レーザ治療器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3241042U true JP3241042U (ja) | 2023-02-24 |
Family
ID=85238309
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2022004257U Active JP3241042U (ja) | 2022-12-27 | 2022-12-27 | 皮膚レーザ治療器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3241042U (ja) |
-
2022
- 2022-12-27 JP JP2022004257U patent/JP3241042U/ja active Active
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 3241042 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |