JP3236339B2 - 高強度熱延鋼板の製造方法 - Google Patents
高強度熱延鋼板の製造方法Info
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Description
途に用いて有用な、強度および延性のバランスが良く、
しかもじん性に富む、抗張力が40kgf/mm2 以上の高強度
熱延鋼板の製造方法に関する。
などに使用される鋼板には、車体重量の軽減のため、高
強度鋼板が広く採用されている。このような自動車用高
強度鋼板は、自動車の安全性確保のために要求される強
度をそなえることは勿論、プレス加工に代表される成形
時の加工性に優れていることも肝要である。すなわち成
形加工前は軟質であり、加工後に強度が高くなる鋼板が
要求されるわけである。
−Cu析出硬化型熱延鋼板が知られている。例えば、特開
平2−194146号公報には、C量が0.0072wt%以下の極低
炭素鋼を素材とする、ε−Cu析出硬化型熱延鋼板の製造
方法について開示されている。しかしながら、機械的性
質、とくに強度および延性のバランスが悪く、しかもじ
ん性は不十分であり、さらに極低炭素鋼を素材として実
機製造すると、熱間圧延における仕上げ温度がAr3変態
点近傍まで低下し、グレングロスや細粒化などの組織劣
化が起こり易いという、大きな問題が生じることにな
る。
題を有利に解決するもので、鋼成分及び製造条件を規制
することにより、従来よりも格段に優れた、降伏比が80
%以下でかつ抗張力が40kgf/mm2 以上の高強度熱延鋼板
を製造し得る方法について、提案することを目的とす
る。
は、ミクロ組織中にパーライト、ベイナイトおよびマル
テンサイト等の低温変態相をほとんど含まない、具体的
には低温変態相の占める比率が5%以下であるような、
フェライト単相組織を有することが有利である。さら
に、発明者らが鋭意研究を重ねた結果、低炭素鋼でもI
F化(固溶C, NをTi, Nbなどの炭化物形成元素によっ
て完全に固定した状態)することによって、低温変態相
を低減できること、低温スラブ加熱により、熱間圧延時
に動的再結晶が進行し、フェライト粒が微細化すること
で、強度および延性のバランスがとれること、そして低
温スラブ加熱により、低炭素鋼を素材としても、その後
の熱処理でのε−Cu析出に起因する強度上昇量が大きく
なること、を新たに知見し、この発明を完成するに到っ
た。
1.2wt%以下のいずれか1種または2種を、 (Ti+Nb/2)/C≧4 の下に含有し、残部はFe及び不可避的不純物よりなる鋼
スラブを、1220℃以下の温度に加熱したのち熱間圧延
し、800℃以上900℃未満の仕上げ温度で圧延を終了し、
30℃/s以上の冷却速度で冷却し、次いで650℃以下の温
度域で巻取ることにより、低温変態相の比率が5%以下
のフェライト単相組織としたことを特徴とする高強度熱
延鋼板の製造方法(第1発明)。(2)C:0.018wt%超え0.10wt%未満、 Si:0.05Wt%以上1.5 wt%以下、 Mn:0.05wt%以上2.0wt%未満、 Cu:0. 5wt%以上3.0wt%以下、 Al:0.001wt%以上0.1wt%以下、 P:0.05wt%以下、 S:0.01wt%以下および N:0.01 wt%以下を含み、さらに Ti:0.06wt%以上0.6wt%以下および Nb:0.12wt%以上1.2wt%以下のいずれか1種または2
種を、 (Ti+Nb/2)/C≧4 の下に含有し、残部はFe及び不可避的不純物よりなる鋼
スラブを、1220℃以下の温度に加熱したのち熱間圧延
し、800℃以上900℃未満の仕上げ温度で圧延を終了し、
30℃/s以上の冷却速度で冷却し、次いで480℃以下の温
度域で巻取ることにより、低温変態相の比率が5%以下
のフェライト単相組織としたことを特徴とする高強度熱
延鋼板の製造方法(第2発明)。 (3) 第1発明または第2発明の製造方法において、鋼
スラブを1220℃以下の温度に加熱する代わりに、加熱処
理することなく熱間圧延することを特徴とする高強度熱
延鋼板の製造方法(第3発明)。
て、 Ni: 0.1wt%以上2.0wt%以下、 Cr: 0.1wt%以上2.0wt%以下および Mo: 0.1wt%以上2.0wt%以下 のいずれか1種または2種以上を含有する高強度熱延鋼
板の製造方法(第4発明)。
て、 B: 0.0003wt%以上0.010wt%以下 の範囲で含有する高強度熱延鋼板の製造方法(第5発
明)。
て、 Ca: 0.0005wt%以上0.01wt%以下および REM: 0.001wt%以上0.02wt%以下 の1種または2種以上を含有する高強度熱延鋼板の製造
方法(第6発明)。
験結果について述べる。 C:0.07wt%、Si:0.5 wt%、Mn:0.6 wt%、Cu:1.0
wt%、P:0.01wt%、S:0.001wt %、Al:0.045wt
%、O:0.002 wt%に、Ti量を0.05〜0.3 wt%の範囲で
変化させて含有した鋼スラブを用いて、その後の熱間圧
延のシミュレーションとなる、加工フォーマスター(熱
間加工シミュレーターで、高周波誘導加熱方式でサンプ
ル(底面の直径10mmφ, 高さ10mmの円柱状) を加熱し、
指定の任意の条件にて圧縮加工を加えられる装置)を利
用し、α粒径に及ぼす加熱温度および熱間加工中の熱間
変形抵抗について調査した。なお、熱間加工は、種々の
温度で加熱後850 ℃で50%の圧下を行い、圧下後50℃/
sで冷却し、450 ℃で巻き取る条件でシミュレーション
を行った。
wt%における、加工フォーマスターによる熱間加工時の
真応力−真歪み曲線および加工後のミクロ組織を示し、
同様に、図2(a) および(b) 〜(d) に、Ti量が0.20wt%
における、熱間加工時の真応力−真歪み曲線および加工
後のミクロ組織を示す。
熱温度が低下するほどα粒径は微細化し、その傾向はTi
量が高いほど顕著である。次に、真応力−真歪み曲線か
ら、α粒径の細かい0.20wt%Ti鋼を1150℃で加熱した条
件では、動的再結晶が生じていることがわかる。これ
は、加熱時のγ粒が極めて微細化したことによって、動
的再結晶が生じ易くなったためである。すなわち、α粒
径の微細化には必ずしも静的再結晶が必要ではなく、動
的再結晶を利用しての微細化も可能であることがわか
る。なお、この現象は、Nb単独添加の場合にも、TiとNb
の複合添加の場合にも認められた。以上のことから、高
Ti系、高Nb系および高Ti−Nb系の成分組成のものを、低
温加熱することにより、微細粒組織が得られることが判
明した。
0.20wt%、P:0.007wt %、S:0.001wt %、Al:0.03
wt%、O:0.002 wt%、N:0.002 wt%に、Cu量を0〜
3.5wt%の範囲で変化させて含有した鋼スラブを、加熱
温度1180〜1260℃の範囲で変化させ、仕上げ温度を900
℃とした熱間圧延を施して得た、板厚:2.4mm の熱延板
の引張り特性について調査した。
び1.5 wt%を添加した鋼における、引張り特性とスラブ
加熱温度との関係として、図3に示す。同図から明らか
なように、1.5 wt%Cu添加鋼はT.S.が高く、T.S.−El.
のバランスも良好であるが、スラブ加熱温度が1220℃を
こえると、T.S.−El. のバランスが劣化する。
り欠き引張り後の伸びとスラブ加熱温度との関係を示
す。図3に示したT.S.−El. のバランスと同様、スラブ
加熱温度が1220℃をこえると、急激に劣化することがわ
かる。
延性がスラブ加熱温度:1220℃を境に急激に劣化する理
由は、次のように推察される。すなわち、スラブ加熱温
度が1220℃以下では、適度に残存する未溶解NbC 粒子に
より結晶粒の微細化が進展し、しかもその未溶解NbC 粒
子は量的およびサイズ的に延性を阻害する作用が少ない
状態となっているが、1220℃をこえると、その作用が大
きくなるためと考えられる。そして、結晶粒の微細化が
延性を改善するのは、微細化によって粒界面積が増大し
て、粒界での転位の蓄積量を分解する作用、およびラン
ダム方位化による、マクロ的な塑性異方性を軽減する作
用、などが働いて起こるためと考えられる。
も、TiとNbの複合添加の場合にも認められた。以上のこ
とから、高Ti系、高Nb系および高Ti−Nb系の成分組成の
ものを、低温加熱して得られる微細粒組織は、強度−延
性のバランスが良好である上、切り欠き伸びに代表され
る、伸びフランジ性にも優れることが判明した。
て、熱間圧延まま材に、550 ℃×1hのε−Cu析出処理
(以下後加熱処理と示す)を施したのちの、引張り特性
を調査した。図5に、後加熱処理によるT.S.の上昇量と
スラブ加熱温度との関係を示すように、スラブ加熱温度
が1220℃を境としてT.S.の上昇量が大きく異なり、スラ
ブ加熱温度が低い側で、後加熱処理による強度上昇が大
きい。これは、スラブ加熱温度が高い側ほど、NbC の析
出によりマトリックスが強化されているため、その後に
起こるべきε−Cu析出強化が見かけ上減少するのに対
し、低温側ではマトリックスがNbC の析出による強化を
受けていないので、その後に起こるε−Cu析出強化が顕
在化したものと考えられる。
も、TiとNbの複合添加の場合にも認められた。以上のこ
とから、高Ti系、高Nb系および高Ti−Nb系の成分組成の
ものを、低温加熱して得られる微細粒組織は、後加熱処
理によるε−Cu析出に起因する、強度上昇量が高いこと
が判明した。
応じて、Ti量および/またはNb量との関係において含有
量を決定するが、この発明で目標とする40kgf/mm2 以上
のT.S.を得るためには、少なくとも0.015 wt%を超える
含有が必要である。しかし、C量が0.15wt%を超える
と、Cを固定するために必要なTi量および/またはNb量
が多くなり過ぎること、さらにこの発明の主要件であ
る、ε−Cuによる析出強化が有効に機能しないこと、な
どの不具合が生じる。従って、Cは、0.015 wt%を超え
0.15wt%以下とした。
応を促進する作用があり、この作用を通じて低Y.R.特性
とフェライト単相組織化を達成し易くする成分である。
また、素地を鈍化して延性を高める効果をも有する。し
かし、1.5 wt%を超えると効果は飽和し、さらに熱間圧
延時にスケールが多量に発生して、鋼板の表面性状を劣
化するため、1.5 wt%以下とした。
基本的にはTiC およびNbC の析出反応速度を抑制する作
用を有する。これは、Mnは熱間圧延後のAr3変態を遅滞
させ、それによりTiC およびNbC の析出するα粒の生成
が遅れるためである。そして、この作用を適度に利用す
ることによって、TiC およびNbC 粒子を微細化して、同
じC、Ti、Nb量であっても高い強度が得られることか
ら、0.05wt%を超える含有が有利である。一方、2.0 wt
%を超えると、TiC およびNbC の析出反応速度が著しく
遅滞する結果、ベイナイト等の低温変態組織による強化
に移行して、この発明で所期する特性が得られなくな
る。従って、Mnは、0.05wt%を超えかつ2.0 wt%未満と
した。
述の熱間圧延条件と組み合わせて、熱間圧延終了段階で
は析出させずに、固溶状態を保つことにより比較的軟質
にし、冷間加工後に時効析出処理を施すことによって高
強度化を達成するに当たり、必要な成分である。これに
は、0.5 wt%以上の含有が必要であり、0.5 wt%未満の
含有では、最終製品段階での目標とする強度が確保でき
ない。なお、成形後の低温加熱を必要としない場合は、
熱間圧延終了後の巻取り中に析出させて、高強度化を行
ってもよい。一方、3.0wt%を超えての含有は、時効析
出処理による強度上昇量が頭打ちとなる上、熱間圧延時
に熱間ぜい性を生じ易くなるため、3.0 wt%を上限とし
た。
脱酸剤として鋼の清浄性を改善するために必要な成分で
あり、0.001 wt%以上の含有が必要であるが、0.1 wt%
を超えると、その効果は飽和する上、アルミナの生成量
が増加し、鋼板の表面品質を劣化する。従って、Alの含
有量は、0.001 wt%以上かつ0.1 wt%以下とした。
内部欠陥を誘発するため、0.05wt%以下に抑制する。
を劣化するばかりでなく、その反応によってTiを消費
し、TiCの析出に作用する有効Ti量の減少をまねくた
め、それぞれ0.01wt%以下に抑制する。
0.12wt%以上1.2 wt%以下のいずれか1種または2種
を、(Ti+Nb/2)/C≧4の下に含有 Tiおよび/またはNbは、Cとともに強化成分として不可
欠で、またミクロ組織をフェライト単組織にする作用を
利用する上でも必須の成分であり、これらの効果を発揮
するには、少なくともTi:0.06wt%およびNb:0.12wt%
の含有が必要である。一方、Ti:0.06wt%およびNb:1.
2 wt%を超える含有は、機械的性質に悪影響を与え、溶
接性を著しく劣化するため、Ti:0.06wt%およびNb:1.
2 wt%を上限とする。さらに、ミクロ組織をフェライト
単組織にするために、Cとの含有比、(Ti+Nb/2)/
Cが4以上であることが肝要である。
え、Ni、CrおよびMoのいずれか1種または2種以上を、
0.1 wt%以上かつ2.0 wt%以下で含有する。Ni、Crおよ
びMoは、Ar3変態を遅滞させる効果があり、TiC および
NbC の微細化をはかる上で、適量の範囲で用いると有効
である。そこで、0.1 wt%以上の含有が必要となるが、
2.0 wt%を超える含有は、TiC およびNbC の析出が著し
く遅れるとともに、ミクロ組織中にパーライトやベイナ
イト等の低温変態相が混入し、この発明で目的とするフ
ェライト単相組織が得られなくなるため、2.0 wt%を上
限とする。なお、NiはCuによる熱間ぜい性を防止する効
果も期待でき、後述するスラブ加熱温度の上限を緩和で
きる。
え、B:0.0003wt%以上0.010 wt%以下の範囲で含有す
る。Bは、微量の含有によってAr3変態点を低下し得る
成分であり、低温変態相を生成することなしに、TiC お
よびNbC を微細化できる。さらに、耐2次加工ぜい性を
改善する作用もある。これらの効果を得るには、0.0003
wt%以上の含有が必要であるが、0.010 wt%を超える含
有は、スラブ割れを引き起こしやすくなり、操業上好ま
しくない。従って、Bの含有量は、0.0003wt%以上、か
つ0.010 wt%以下とした。
え、Ca:0.0005wt%以上0.01wt%以下およびREM :0.00
1 wt%以上0.02wt%以下の1種または2種を含有する。
CaおよびREM は、MnS の形態を制御し、加工性やじん性
を向上させる成分であり、Ca:0.0005wt%以上およびRE
M :0.001 wt%以上の含有が必要である。一方、Ca:0.
01wt%REM :0.02wt%を超える含有は、CaおよびREM 自
体が大型介在物となって延性を劣化するため、これらを
上限とした。
した理由を説明する。熱間圧延は、スラブ鋳造後直ちに
(いわゆるCC−直接圧延)行うか、あるいは加熱する場
合は1220℃以下の温度範囲とする。CC−直接圧延を行う
場合は、保熱または多少の加熱を行うことは差し支えな
い。また、加熱を行う場合は、加熱温度が1220℃をこえ
ると、オーステナイトが急激に粗大化し、最終的に得ら
れる組織の細粒化が不十分となること、とくにCu含有量
の高い鋼で低温変態相が混入してくること、強度−延性
バランスおよび切り欠き伸びをはじめとする、伸びフラ
ンジ性が著しく劣化すること、ε−Cuによる析出強化量
が小さくなること、さらに、Cuヘゲの悪影響が著しくな
ること、等の多くの不具合が生じるため、1220℃以下と
する。一方、加熱温度の下限は、少なくともオーステナ
イト単相の温度域であって、目標仕上げ温度が確保でき
れば、とくに限定する必要はない。
る。すなわち、800 ℃未満であると、熱間圧延後に加工
組織となって、降伏比が高くなる他、強度−延性バラン
スも悪化するため、仕上げ温度は800 ℃以上とする。
する。すなわち、30℃/s未満では、最終的に得られる
組織の微細化が不十分となる。なお、必要以上の急速冷
却は、最終組織に焼きが入って加工性の劣化をまねくた
め、200 ℃/s以下とすることが好ましい。
すなわち、650℃をこえる温度域で巻取ると、最終的に
得られる組織の微細化が不十分となるため、650℃以下
とする。さらに、熱延板に成形を行う場合であって、し
かも成形前に軟質である必要がある場合は、上記したよ
うにCuを固溶状態にしておくために、巻取り温度を480
℃以下とする。しかしながら、必要以上の低温巻取り
は、最終組織に焼きが入って加工性の劣化をまねくた
め、250℃以上とすることが好ましい。
Cuを析出させるための低温加熱条件としては、とくに限
定する必要はないが、500 〜650 ℃の温度域で、少なく
とも30分間以上保持することが好ましい。
炉から出鋼後、連続鋳造にてスラブとしたのち、直ち
に、または加熱してから、表4に示す条件で熱間圧延を
施した。
質、後加熱処理(550 ℃×1h)後の強度上昇量、0℃
でのシャルピー吸収エネルギー、延性−ぜい性遷移温度
vTrs、および鋼板の表面品質について調査した結果
を、表4〜7に併記した。
よび寸法の試験片を用いて行った。また、穴拡げ率は、
直径36mmφ(D0 )の打ち抜き穴を開けた、150 ×150
mmの試験片の中央部を、図7に示すところに従って、先
端部が半径50mmの球形ポンチにて押し上げ、微小な割れ
が発生したときの直径D1 を測定し、次式より算出し
た。 穴拡げ率(%)=(D1 −D0 )/D0 ×100
従う適合例は、いずれも引張り強度が40kgf/mm2 以上
で、また、強度−延性バランス、切り欠き伸び、穴拡げ
率および鋼板の表面品質が良好で、そして、後低温加熱
後の強度上昇量およびシャルピー吸収エネルギーが高
く、遷移温度が低い、特性をそなえていた。さらにこれ
らの適合例は、別途調査したスポット溶接部の強度にお
いても、良好な結果を示した。なお、試料No.46 および
47は、成形後の低温加熱を必要としない場合を対象とし
て、熱間圧延後の巻取り中にε−Cuを析出したものであ
るが、Y.R.およびT.S.−El. バランスともに良好な値を
示している。ここに、これら適合例における、組織中の
低温変態相は全て5%以下であった。
が適合範囲の下限をはずれるため、強度が40kgf/mm2 に
達せず、さらに、熱延コイルのトップとエンドにて、仕
上げ温度が適合範囲をはずれていた。試料No.42 は、C
量が適合範囲の上限を超えるため、スポット溶接部の強
度が大きく劣化した。なお、試料No. 3および10は、仕
上げ温度が800 ℃未満で、熱間圧延後に加工組織とな
り、機械的性質が著しく低下していたため、その他の特
性については調査しなかった。
−Cu析出強化型熱延鋼板に比較して、熱延後の引張り特
性、伸びフランジ特性、じん性等に優れ、かつ後低温加
熱処理後の強度上昇量も大きい、引張り強度40kgf/mm2
以上の熱延鋼板が得られ、自動車の内板、足廻り部品お
よび強度材などに好適な鋼板を提供できる。
すグラフ、(b) 〜(d) は、加工後の金属組織を示す写真
である。
すグラフ、(b) 〜(d) は、加工後の金属組織を示す写真
である。
ラフである。
グラフである。
量との関係を示すグラフである。
Claims (6)
- 【請求項1】 C:0.018wt%超え0.10wt%未満、 Si:0.05Wt%以上1.5 wt%以下、 Mn:0.05wt%以上2.0wt%未満、 Cu:0. 5wt%以上3.0wt%以下、 Al:0.001wt%以上0.1wt%以下、 P:0.05wt%以下、 S:0.01wt%以下および N:0.01 wt%以下を含み、さらに Ti:0.06wt%以上0.6wt%以下およびNb:0.12wt%以上
1.2wt%以下のいずれか1種または2種を、 (Ti+Nb/2)/C≧4 の下に含有し、残部はFe及び不可避的不純物よりなる鋼
スラブを、1220℃以下の温度に加熱したのち熱間圧延
し、800℃以上900℃未満の仕上げ温度で圧延を終了し、
30℃/s以上の冷却速度で冷却し、次いで650℃以下の温
度域で巻取ることにより、低温変態相の比率が5%以下
のフェライト単相組織としたことを特徴とする高強度熱
延鋼板の製造方法。 - 【請求項2】 C:0.018wt%超え0.10wt%未満、 Si:0.05Wt%以上1.5 wt%以下、 Mn:0.05wt%以上2.0wt%未満、 Cu:0. 5wt%以上3.0wt%以下、 Al:0.001wt%以上0.1wt%以下、 P:0.05wt%以下、 S:0.01wt%以下および N:0.01 wt%以下を含み、さらに Ti:0.06wt%以上0.6wt%以下およびNb:0.12wt%以上
1.2wt%以下のいずれか1種または2種を、 (Ti+Nb/2)/C≧4 の下に含有し、残部はFe及び不可避的不純物よりなる鋼
スラブを、1220℃以下の 温度に加熱したのち熱間圧延
し、800℃以上900℃未満の仕上げ温度で圧延を終了し、
30℃/s以上の冷却速度で冷却し、次いで480℃以下の温
度域で巻取ることにより、低温変態相の比率が5%以下
のフェライト単相組織としたことを特徴とする高強度熱
延鋼板の製造方法。 - 【請求項3】 請求項1または2に記載の製造方法にお
いて、鋼スラブを1220℃以下の温度に加熱する代りに、
加熱処理することなく熱間圧延することを特徴とする高
強度熱延鋼板の製造方法。 - 【請求項4】 請求項1〜3の成分組成に加えて、 Ni: 0.001wt%以上0.1wt%以下、 Cr: 0.001wt%以上0.1wt%以下および Mo: 0.001wt%以上0.1wt%以下 のいずれか1種または2種以上を含有する請求項1〜3
のいずれか1項に記載の高強度熱延鋼板の製造方法。 - 【請求項5】 請求項1〜4の成分組成に加えて、 B: 0.0003wt%以上0.010wt%以下 を含有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の高強度
熱延鋼板の製造方法。 - 【請求項6】 請求項1〜5の成分組成に加えて、 Ca: 0.0005wt%以上0.01wt%以下およびREM: 0.001wt%
以上0.02wt%以下 の1種または2種以上を含有する請求項1〜5のいずれ
か1項に記載の高強度熱延鋼板の製造方法。」
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