JP3220154U6 - マルチクランクシャフトサイクロイドピン歯車減速機 - Google Patents

Abstract

【課題】動作安定性が高く、ノイズが低く、効率が高く、角度伝達誤差が小さいマルチクランクシャフトサイクロイドピン歯車減速機を提供する。
【解決手段】グランド１とホイールホルダー１１は、接続軸１０を介してねじで固定接続され、且つ主軸受１５によりピンホイールハウジング８と同軸回転し、中間クランクシャフト４は、グランド又はホイールホルダーと同軸であり、減速機の出力軸として機能し、第１サイクロイド歯車２、第２サイクロイド歯車９、ピンホイールハウジング、及び針状ころ１６とともにサイクロイドピン歯車伝動構造を構成する。グランドとホイールホルダー内に複数の遊星軸受５が周設され、各対の遊星軸受の間に遊星クランクシャフト６が取り付けられ、遊星クランクシャフトと第１及び第２サイクロイド歯車とはそれぞれ偏心部軸受１２、１４により回転対偶接続を形成し、マルチクランクシャフト力伝達構造を形成する。
【選択図】図２

Description

本考案は回転運転を伝達する歯車伝動装置に関し、インボリュート歯又はサイクロイド歯以外の噛合素子を備える歯車に関し、特にマルチクランクシャフトサイクロイドピン歯車減速機に関する。

従来のサイクロイドピン歯車減速機の出力構造は、ＲＶ構造方式、ピン孔方式、フローティングディスク方式、クロススライダー方式、ベローズ方式等が挙げられる。ＲＶ構造方式は歯車を第１段の入力とする必要があり、高速時にノイズが大きい。ピン孔方式は、ピンと孔との接触が軸受による嵌合接触ではなく、動作安定性が低い。フローティングディスク方式とクロススライダー方式はいずれも滑り嵌めであり、隙間を必要とするため、精度を損なう。ベローズ方式は、構造とプロセスが劣るため、一般的には使用されていない。

従来技術の欠点に対して、本考案は、サイクロイドピン歯車減速機の動作をより安定させ、ノイズをより低く抑え、効率をより高くさせ、角度伝達誤差をより小さくさせるマルチクランクシャフトサイクロイドピン歯車減速機を提供することを目的する。

本考案がその技術的課題を解決するための技術案は、マルチクランクシャフトサイクロイドピン歯車減速機を提供することであり、当該マルチクランクシャフトサイクロイドピン歯車減速機は、グランド、第１サイクロイド歯車、中間クランクシャフト、遊星軸受、遊星クランクシャフト、ピンホイールハウジング、第２サイクロイド歯車、接続軸、ホイールホルダー、中間偏心部軸受、中間軸受、遊星偏心部軸受、主軸受及び針状ころを備えるマルチクランクシャフトサイクロイドピン歯車減速機であって、
前記グランドとホイールホルダーは、接続軸を介してねじで固定して接続され、且つ主軸受によってピンホイールハウジングと同軸に回転し、中間クランクシャフトは、グランド又はホイールホルダーと同軸であり、減速機の出力軸として機能し、第１サイクロイド歯車、第２サイクロイド歯車、ピンホイールハウジング、及び針状ころとともにサイクロイドピン歯車伝動構造を構成し、中間クランクシャフトは中間軸受によってグランド及びホイールホルダーと回転対偶接続を形成し、且つ中間偏心部軸受によって第１サイクロイド歯車、第２サイクロイド歯車と回転対偶接続を形成し、前記グランドとホイールホルダー内に複数の遊星軸受が周設され、各対の遊星軸受の間に遊星クランクシャフトが取り付けられ、遊星クランクシャフトと第１サイクロイド歯車及び第２サイクロイド歯車とはそれぞれ偏心部軸受によって第１サイクロイド歯車及び第２サイクロイド歯車と回転対偶接続を形成して、マルチクランクシャフト力伝達構造が形成されることを特徴とする。

中間クランクシャフトが１周回転すると、遊星クランクシャフトも同方向に１周回転し、第１サイクロイド歯車と第２サイクロイド歯車が反対方向に１歯分の距離だけ移動し、遊星クランクシャフトが遊星軸受と遊星偏心部軸受の規制下でこのような運動をグランド又はホイールホルダーに伝達し、それにより減速出力を実現する。

遊星クランクシャフトと第１サイクロイド歯車、第２サイクロイド歯車との間の遊星偏心部軸受は内外輪無し針状ころ軸受である。

さらに、
前記主軸受は、アンギュラ玉軸受であり、背面組合せ方式とする。

前記中間偏心部軸受と遊星偏心部軸受は保持器を備える内外輪無し針状ころ軸受である。

前記針状ころは、ピンホイールハウジングの内側に取り付けられ、その数が第１サイクロイド歯車又は第２サイクロイド歯車の歯数よりも１つ多い。

前記遊星クランクシャフトは、少なくとも２本以上であり、中間クランクシャフトの周囲に均一に分布する。

前記接続軸は中間クランクシャフトの周囲に均一に分布する。

本考案の有益な効果は、動作安定性が高く、ノイズが低く、効率が高く、角度伝達誤差が小さいことである。

は本発明の原理図である。 は本発明の構成模式図である。 は本発明に係るサイクロイドピン歯車の構成模式図である。

以下、図面を参照して本考案をさらに説明する。
図示されるように、本考案に係るマルチクランクシャフトサイクロイドピン歯車減速機は、グランド１、第１サイクロイド歯車２、中間クランクシャフト４、遊星軸受５、遊星クランクシャフト６、ピンホイールハウジング８、第２サイクロイド歯車９、接続軸１０、ホイールホルダー１１、中間偏心部軸受１２、中間軸受１３、遊星偏心部軸受１４、主軸受１５及び針状ころ１６を備えるマルチクランクシャフトサイクロイドピン歯車減速機であって、
前記グランド１とホイールホルダー１１は、接続軸１０を介してねじ３で固定して接続され、且つ主軸受１５によってピンホイールハウジング８と同軸に回転し、中間クランクシャフト４は、グランド１又はホイールホルダー１１と同軸であり、減速機の出力軸として機能し、第１サイクロイド歯車２、第２サイクロイド歯車９、ピンホイールハウジング８及び針状ころ１６とともにサイクロイドピン歯車伝動構造を構成し、中間クランクシャフト４は、中間軸受１３によってグランド１及びホイールホルダー１１と回転対偶接続を形成し、且つ中間偏心部軸受１２によって第１サイクロイド歯車２、第２サイクロイド歯車９と回転対偶接続を形成し、前記グランド１とホイールホルダー１１内に複数の遊星軸受５が周設され、各対の遊星軸受５の間に遊星クランクシャフト６が取り付けられ、遊星クランクシャフト６と第１サイクロイド歯車２及び第２サイクロイド歯車９とはそれぞれ偏心部軸受１４によって第１サイクロイド歯車２及び第２サイクロイド歯車９と回転対偶接続を形成して、マルチクランクシャフト力伝達構造が形成されることを特徴とする。

中間クランクシャフト４が１周回転すると、遊星クランクシャフト６も同方向に１周回転し、第１サイクロイド歯車２と第２サイクロイド歯車９が反対方向に１歯分の距離だけ移動し、遊星クランクシャフト６が遊星軸受５と遊星偏心部軸受１４の規制下でこのような運動をグランド１又はホイールホルダー１１に伝達し、それにより減速出力を実現する。

遊星クランクシャフト６は第１サイクロイド歯車２とグランド１との間、第２サイクロイド歯車９とホイールホルダー１１との間の力伝達軸であり、遊星クランクシャフト６と第１サイクロイド歯車２、第２サイクロイド歯車９との間の遊星偏心部軸受１４は内外輪無し針状ころ軸受であり、それにより、遊星クランクシャフト６は、大きな曲げモーメント及び衝撃力に耐えるだけでなく、表面に高い耐摩耗性が求められる。

中間クランクシャフト４と遊星クランクシャフト６は、相互に平行し、同方向に同一回転速度で回転し、それらの相違点として、中間クランクシャフト４は入力軸と駆動軸、遊星クランクシャフト６は力伝達軸と受動軸である。遊星クランクシャフト６は、少なくとも２つ以上であり、中間クランクシャフト４の周囲に均一に分布する。

本考案の実施例では、
前記主軸受１５は、アンギュラ玉軸受であり、背面組合せ方式とし、グランド１、ホイールホルダー１１、接続軸１０及びピンホイールハウジング８によって軸方向隙間をなくす。

前記中間偏心部軸受１２と遊星偏心部軸受１４は保持器を備える内外輪無し針状ころ軸受である。
前記サイクロイドピン歯車伝動機構は、慣性力のバランスをとるために、２つのサイクロイド歯車２、９が設けられる。

前記針状ころ１６は、ピンホイールハウジング８の内側に取り付けられ、その数が第１サイクロイド歯車２又は第２サイクロイド歯車９の歯数よりも１つ多い。

遊星クランクシャフト６は、少なくとも２本以上であり、中間クランクシャフト４の周囲に均一に分布し、接続軸１０も中間クランクシャフト４の周囲に均一に分布する。

１、グランド、２、第１サイクロイド歯車、３、ねじ、４、中間クランクシャフト、５、遊星軸受、６、遊星クランクシャフト、７、シールリング、８、ピンホイールハウジング、９、第２サイクロイド歯車、１０、接続軸、１１、ホイールホルダー、１２、中間偏心部軸受、１３、中間軸受、１４、遊星偏心部軸受、１５、主軸受、１６、針状ころ。

Claims (6)

1. グランド、第１サイクロイド歯車、中間クランクシャフト、遊星軸受、遊星クランクシャフト、ピンホイールハウジング、第２サイクロイド歯車、接続軸、ホイールホルダー、中間偏心部軸受、中間軸受、遊星偏心部軸受、主軸受及び針状ころを備えるマルチクランクシャフトサイクロイドピン歯車減速機であって、
   前記グランドとホイールホルダーは、接続軸を介してねじで固定して接続され、且つ主軸受によってピンホイールハウジングと同軸に回転し、中間クランクシャフトは、グランド又はホイールホルダーと同軸であり、減速機の出力軸として機能し、第１サイクロイド歯車、第２サイクロイド歯車、ピンホイールハウジング、及び針状ころとともにサイクロイドピン歯車伝動構造を構成し、中間クランクシャフトは、中間軸受によってグランド及びホイールホルダーと回転対偶接続を形成し、且つ中間偏心部軸受によって第１サイクロイド歯車、第２サイクロイド歯車と回転対偶接続を形成し、前記グランドとホイールホルダー内に複数の遊星軸受が周設され、各対の遊星軸受の間に遊星クランクシャフトが取り付けられ、遊星クランクシャフトと第１サイクロイド歯車及び第２サイクロイド歯車とはそれぞれ偏心部軸受によって第１サイクロイド歯車及び第２サイクロイド歯車と回転対偶接続を形成して、マルチクランクシャフト力伝達構造が形成されることを特徴とするマルチクランクシャフトサイクロイドピン歯車減速機。
2. 遊星クランクシャフトと第１サイクロイド歯車、第２サイクロイド歯車との間の遊星偏心部軸受は内外輪無し針状ころ軸受であることを特徴とする請求項１に記載のマルチクランクシャフトサイクロイドピン歯車減速機。
3. 遊星クランクシャフトは、少なくとも２本以上であり、中間クランクシャフトの周囲に均一に分布することを特徴とする請求項１に記載のマルチクランクシャフトサイクロイドピン歯車減速機。
4. 前記主軸受は、アンギュラ玉軸受であり、背面組合せ方式とすることを特徴とする請求項１に記載のマルチクランクシャフトサイクロイドピン歯車減速機。
5. 前記中間偏心部軸受と遊星偏心部軸受は保持器を備える内外輪無し針状ころ軸受であることを特徴とする請求項１に記載のマルチクランクシャフトサイクロイドピン歯車減速機。
6. 前記針状ころは、ピンホイールハウジングの内側に取り付けられ、その数が第１サイクロイド歯車又は第２サイクロイド歯車の歯数よりも１つ多いことを特徴とする請求項１に記載のマルチクランクシャフトサイクロイドピン歯車減速機。