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JP3217727B2 - 酸化物超電導体の製造方法 - Google Patents

酸化物超電導体の製造方法

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JP3217727B2
JP3217727B2 JP08706297A JP8706297A JP3217727B2 JP 3217727 B2 JP3217727 B2 JP 3217727B2 JP 08706297 A JP08706297 A JP 08706297A JP 8706297 A JP8706297 A JP 8706297A JP 3217727 B2 JP3217727 B2 JP 3217727B2
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Japan
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oxide superconductor
molded body
magnetic flux
temperature
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秀一 小早志
秀悦 長谷山
秀二 吉澤
重夫 長屋
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Dowa Holdings Co Ltd
Chubu Electric Power Co Inc
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Dowa Holdings Co Ltd
Chubu Electric Power Co Inc
Dowa Mining Co Ltd
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  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)
  • Superconductor Devices And Manufacturing Methods Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は酸化物超電導部材に
関するものであり、特に、電流リード、磁気軸受け、磁
気シールド、バルクマグネット等に用いられる電気特
性、磁気特性、機械強度及び耐環境性に優れた酸化物超
電導体の製造方法及び酸化物超電導体に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】RE化合物(REは1種もしくは2種以
上の希土類金属元素)、Ba化合物及びCu化合物を含
む原料混合体を該原料混合体の融点温度以上に加熱溶融
した後に、徐冷工程を行って結晶を成長させ、REーB
aーCuーO系酸化物超電導体を製造する方法として
は、例えば、特開平4−119968号公報に記載の方
法が知られている。
【0003】この公報に記載の方法は、RE化合物、B
a化合物及びCu化合物を所定の比に混合して溶融急冷
した後、得られた凝固物を再度粉砕し、それを成形した
後再度溶融し、徐冷工程を施して結晶化させることによ
り高い臨界電流密度を有するREーBaーCuーO系酸
化物超電導体を製造する方法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述の従来
の方法では、徐冷工程において成形体に割れが発生する
現象がすくなからず生ずるという問題があった。
【0005】本発明者等の研究によれば、上述の従来の
方法では、溶融後徐冷工程を施して結晶化させるための
成形体用原料を、溶融急冷工程を施して製造していたた
め、還元が起こり原料中の酸素量が極端に低くなってし
まう。そのため、その後の溶融徐冷工程で酸素の吸収が
激しく起こるためであることが判明した。
【0006】本発明は、上述の背景のもとでなされたも
のであり、電気特性、磁気特性が高い大きな配向した超
電導体結晶を有する酸化物超電導体を再現性良く製造で
きる酸化物超電導体の製造方法及びその様な特性を有す
る酸化物超電導体を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1の発明は、RE化合物(REはYを含む1
種もしくは2種以上の希土類金属元素)と、Ba化合物
と、Cu化合物とを含む原料混合体を混合する工程と、
この混合された原料混合体を溶融後、急冷凝固させる工
程と、 この急冷凝固させた原料混合体を粉砕して粉砕粉
とする工程と、 この粉砕粉を880〜940℃で焼成す
る工程と、 この焼成された粉砕粉を成形して成形体とす
る工程と、 この成形体を溶融し、溶融した成形体に種付
けを行う工程と、 この溶融し種付けを行った成形体を、
除冷して結晶化させる工程と、 この結晶化した成形体を
酸素アニールする工程とを有することを特徴とする酸化
物超電導体の製造方法である。
【0008】請求項2の発明は、REBa2 Cu3
7-x 相(REはYを含む1種もしくは2種以上の希土類
金属元素)中にRE2 BaCuO5 相が微細に分散した
酸化物超電導体において、酸素含有量が15〜20wt
%であることを特徴とする酸化物超電導体である。
【0009】請求項3の発明は、表面の任意の領域にお
ける30cm2 以上の一続きにわたって捕捉できる磁束
密度が0.1T以上であることを特徴とする酸化物超電
導体である。
【0010】請求項4の発明は、REBa2 Cu3
7-x 相(REはYを含む1種もしくは2種以上の希土類
金属元素)中にRE2 BaCuO5 相が微細に分散した
酸化物超電導体において、酸素含有量が15〜20wt
%であり、かつ、表面の任意の領域における30cm2
以上の一続きにわたって捕捉できる磁束密度が0.1T
以上であることを特徴とする酸化物超電導体である。
【0011】RE化合物(REはYを含む1種もしくは
2種以上の希土類金属元素)、Ba化合物及びCu化合
物を含む原料混合体に、少なくとも該原料混合体の融点
より高い温度領域における焼成工程を含む処理を施して
REーBaーCuーO系酸化物超電導体を製造する酸化
物超電導体の製造方法において、前記焼成工程前の原料
混合体中の酸素含有量を15〜20wt%とすることに
よって、徐冷工程中に成形体に割れが生ずることもな
く、磁気特性に優れた大きな酸化物超電導体を再現性良
く製造できる。特に、この方法で、超電導体相がREB
2 Cu3 7-x相(123相)である酸化物超電導体
を製造すると、123相中に0.1〜30μm程度のR
2 BaCuO5 相(211相)が微細に分散し、高い
臨界電流密度を有するものが得られる。
【0012】ここで、焼成工程前の原料混合体中の酸素
含有量を15〜20wt%としたのは、15%以下では
溶融徐冷工程で酸素の吸収が激しく起こるために、成形
体に割れが発生しやすくなるためであり、20wt%以
上では溶融徐冷工程で酸素の放出が激しく起こるため
に、同じく成形体に割れが発生しやすくなるためであ
る。
【0013】REBa2 Cu3 7-x 相(REはYを含
む1種もしくは2種以上の希土類金属元素)中にRE2
BaCuO5 相が微細に分散した酸化物超電導体におい
ては、酸素含有量を15〜20wt%に調整すると、表
面の任意の領域における30cm2 以上の一続きにわた
って捕捉できる磁束密度が0.1T以上である磁気特性
に優れた大きな酸化物超電導体が得られる。
【0014】
【実施の形態】以下、本発明の実施形態にかかる酸化物
超電導体の製造方法を実施例に即して説明し、あわせて
本発明の酸化物超電導体の実施形態を説明する。
【0015】(実施例1)Y2 3 、BaCO3 、Cu
Oの各原料粉末をY:Ba:Cu=18:24:34に
なるように秤量し、Pt坩堝中で、1400℃で30分
間溶融して銅板に流し込み急冷して凝固させた。
【0016】この凝固体の酸素量をインパルス炉による
高温抽出法と赤外線吸収法の組み合わせにより測定した
ところ(以下も同様の測定方法)14.5wt%であっ
た。
【0017】次に、この凝固体をポットミルにより平均
粒径2μmに粉砕した後、900℃で10時間焼成する
ことにより酸素量を調整した。焼成後の酸素量は15.
6wt%であった。
【0018】次に、これを外径83mm厚さ25mmの
ディスク状にプレス成形して成形体を作製した。
【0019】次に、この成形体をアルミナ基板上に乗せ
て大気中1130℃で半溶融状態にした後、成形体の上
部が低温側となるように上下に5℃/cmの温度勾配を
加えて1000℃まで10℃/minで降温し、予め作
製しておいたY(Ba1-y Sry 2 Cu3 7-x 系の
種結晶を成長方向がc軸と平行になるように成形体の上
部に接触させる。
【0020】次に、1℃/hrの速度で850℃まで徐
冷し、そこから室温まで10℃/hrで降温することに
よって結晶化を行った。
【0021】結晶化した成形体はガス置換を行える炉の
中に設置される。まず、ロータリーポンプで0.1To
rrまで炉内を排気した後、酸素ガスを流し込んで酸素
分圧が95%以上である大気圧の酸素雰囲気にする。そ
の後も0.5L/minの流量で酸素ガスを炉内に流し
ながら、室温から600℃まで10時間で昇温し、60
0℃から300℃まで200時間かけて徐冷し、300
℃から室温まで10時間で降温させた。
【0022】得られた材料は種結晶を反映して材料全体
がc軸に配向し、クラックの少ない実質的に単結晶状の
材料が得られた。また材料中の酸素量は16.1wt%
であった。形状は収縮のため外径65mm厚さ22mm
となっていた。
【0023】また、得られたディスク状材料の臨界温度
(Tc)は90K、臨界電流密度は温度77K、外部磁
場0Tの下で3.2×104 A/cm2 であった。
【0024】外部磁場0.45Tを加えながら室温から
温度77Kに得られたディスク状材料を冷やし、その後
磁場を取り去って、材料に保持されている磁束量を測定
した。測定はホール素子を用いて、材料表面の垂直方向
の磁束密度分布を測定することによって行った。
【0025】図1は実施例1の製造方法で製造した酸化
物超電導体の保持磁束密度分布の平面図であり、図2は
実施例1の製造方法で製造した酸化物超電導体の保持磁
束密度分布の立体図である。
【0026】実施例1の製造方法で製造した酸化物超電
導体は、クラックが抑制され、均一な凸状の磁束密度分
布を示し、ほぼ材料の表面積33cm2 にわたって保持
できる磁束密度が0.1T以上であった。
【0027】なお、こうして得られた酸化物超電導体
は、永久磁石と該酸化物超電導体との磁気反発力を利用
したフライホイルや磁気搬送装置等のシステムに用いる
ことが可能となる。すなわち、これらの装置に超電導体
を用いた場合には超電導体表面に0.1〜0.2T程度
の磁場が加わることになるが、超電導体の保持できる磁
束密度が0.1T以上であれば十分な磁気反発力を得ら
れるからである。また、30cm2 以上の面積にわたっ
て保持できる磁束密度が0.1T以上有するので、実用
的なマグネットコアやモーターの回転子等にも用いるこ
とができる。
【0028】(実施例2)Y2 3 、BaCO3 、Cu
Oの各原料粉末をY:Ba:Cu=18:24:34に
なるように秤量した後、BaCO3 、CuOのみを大気
中、880℃で30時間焼成してBaCuO2 とCuO
の仮焼粉を得た(モル比でBaCuO2 :CuO=2
4:10)。
【0029】次に、この仮焼粉をホットミルを使用し
て、あらかじめ秤量しておいた平均粒径約1μmのY2
3 と0.5wt%のPtとを加えて混合する。このと
き原料中の酸素量は20.1wt%であった。さらに、
この混合粉を920℃で10時間焼成することによりY
2 3 +BaCuO2 +CuO→123相+211相の
反応を適度に進めて酸素量を17.1wt%に調整し
た。
【0030】次に、これを外径115mm厚さ25mm
のディスク状にプレス成形して成形体を作製した。この
成形体をアルミナ基板上に乗せて大気中1130℃で半
溶融状態にした後、成形体の上部が低温側となるように
上下に5℃/cmの温度勾配を加えて1000℃まで1
0℃/minで降温し、予め作製しておいたY(Ba
1-y Sry 2 Cu3 7-x 、系の種結晶を成長方向が
c軸と平行になるように成形体の上部に接触させる。
【0031】次に、l℃/hrの速度で850℃まで徐
冷し、そこから室温まで10℃/hrで降温することに
よって結晶化を行った。
【0032】結晶化した成形体はガス置換を行える炉の
中に設置される。まず、ロータリーポンプで0.1To
rrまで炉内を排気した後、酸素ガスを流し込んで酸素
分圧が95%以上である大気圧の酸素雰囲気にする。そ
の後も0.5L/minの流量で酸素ガスを炉内に流し
ながら、室温から600℃まで10時間で昇温し、60
0℃から300℃まで200時間かけて徐冷し、300
℃から室温まで10時間で降温させる。
【0033】得られた材料は種結晶を反映して材料全体
がc軸に配向し、クラックの少ない実質的に単結晶状の
材料が得られた。また材料中の酸素量は17.3wt%
であった。形状は収縮のため外径100mm厚さ22m
mとなっていた。
【0034】また、得られたディスク状材料の臨界温度
(Tc)は90K、臨界電流密度は、温度77K、外部
磁場0Tの下で3.5×104 A/cm2 であった。
【0035】外部磁場0.45Tを加えながら室温から
温度77Kに得られたディスク状材料を冷やし、その後
磁場を取り去って、材料に保持されている磁束量を測定
した。測定はホール素子を用いて、材料表面の垂直方向
の磁東密度分布を測定することによって行った。
【0036】図3は実施例2の製造方法で製造した酸化
物超電導体の保持磁束密度分布の平面図であり、図4は
実施例2の製造方法で製造した酸化物超電導体の保持磁
束密度分布の立体図である。
【0037】実施例2の製造方法で製造した酸化物超電
導体は、クラックが抑制され、均一な凸状の磁束密度分
布を示し、ほぼ材料の表面積78cm2 にわたって保持
できる磁束密度が0.1T以上であった。
【0038】(実施例3)Sm2 3 、BaCO3 、C
uOの各原料粉末をSm:Ba:Cu=20:25:3
5になるように秤量した後混合し、Pt柑渦中で、14
00℃で30分間溶融して銅抜に流し込み急冷して凝固
させた。
【0039】この凝固体にAg粉末を10wt%添加し
てポットミルにより平均粒径2μmに粉砕して混合を行
った。このとき原料中の酸素量は14.2wt%であっ
た。さらに、この混合粉を900℃でl0時間焼成する
ことにより酸素量を16.8wt%に調整した。次に、
これを外径83mm厚さ25mmのディスク状にブレス
成形して成形体を作製した。
【0040】この成形体をアルミナ基板上に乗せて大気
中1150℃で半溶融状態にした後、成形体の上部が低
温側となるように上下に5℃/cmの温度勾配を加えて
1018℃まで10℃/minで降温し、予め作製して
おいたNd1+y Ba2-y Cu3 7-x 系の種結晶を成長
方向がc軸と平行になるように成形体の上部に接触させ
た。
【0041】次いで、1℃/hrの速度で850℃まで
徐冷し、そこから室温まで10℃/hrで降温すること
によって結晶化を行った。
【0042】結晶化した成形体はガス置換を行える炉の
中に設置される。まず、ロータリーポンブで0.1To
rrまで炉内を排気した後、酸素ガスを流し込んで酸素
分圧が95%以上である大気圧の酸素雰囲気にする。そ
の後も0.5L/minの流量で酸素ガスを炉内に流し
ながら、室温から600℃まで10時間で昇温し、60
0℃から300℃まで200時間かけて徐冷し、300
℃から室温まで10時間で降温させる。
【0043】得られた材料は種結晶を反映して材料全体
がc軸に配向し、クラックの少ない実質的に単結晶状の
材料が得られた。また材料中の酸素量は17.5wt%
であった。形状は収縮のため外径65mm厚さ22mm
となっていた。
【0044】得られたディスク状材料の臨界温度(T
c)は92K、臨界電流密度は温度77K、外部磁場0
Tの下で3.1×104 A/cm2 であった。
【0045】外部磁場0.45Tを加えながら室温から
温度77Kに得られたディスク状材料を冷やし、その後
磁場を取り去って、材料に保持されている磁束量を測定
した。測定はホール素子を用いて、材料表面の垂直方向
の磁束密度分布を測定することによって行った。
【0046】図5は実施例3の製造方法で製造した酸化
物超電導体の保持磁束密度分布の平面図であり、図6は
実施例3の製造方法で製造した酸化物超電導体の保持磁
束密度分布の立体図である。
【0047】実施例3の製造方法で製造した酸化物超電
導体は、クラックが抑制され、均一な凸状の磁束密度分
布を示し、ほぼ材料の表面積33cm2 にわたって保持
できる磁束密度が0.1T以上であった。
【0048】(比較例1)Y2 3 、BaCO3 、Cu
Oの各原料粉末をY:Ba:Cu=18:24:34に
なるように秤量し、Pt坩堝中で、1400℃で30分
間溶融して銅板に流し込み急冷して凝固させた。この凝
固体の酸素量を測定したところ14.0wt%であっ
た。
【0049】この凝固体をポットミルにより平均粒径2
μmに粉砕した後、酸素調整処理をせずに外径83mm
厚さ25mmのディスク状にブレス成形して成形体を作
製した。
【0050】この成形体をアルミナ基板上に乗せて大気
中1130℃で半溶融状態にした後、成形体の上部が低
温側となるように上下に5℃/cmの温度勾配を加えて
1000℃までl0℃/minで降温し、予め作製して
おいたY(Ba1-y Sry 2 Cu3 7-x 系の種結晶
を成長方向がc軸と平行になるように成形体の上部に接
触させる。
【0051】次に、1℃/hrの速度で850℃まで徐
冷し、そこから室温まで10℃/hrで降温することに
よって結晶化を行った。
【0052】結晶化した成形体はガス置換を行える炉の
中に設置される。まず、ロータリーポンブで0.lTo
rrまで炉内を排気した後、酸素ガスを流し込んで酸素
分圧が95%以上である大気圧の酸素雰囲気にする。そ
の後も0.5L/minの流量で酸素ガスを炉内に流し
ながら、室温から600℃まで10時間で昇温し、60
0℃から300℃まで200時間かけて徐冷し、300
℃から室温まで10時間で降温させる。
【0053】得られた材料は種結晶を反映して材料全体
がc軸に配向していたが、材料端部から中心に向かって
長いマイクロクラックが発生していた。
【0054】得られたディスク状材料の臨界温度(T
c)は90K、臨界電流密度は温度77K、外部磁場0
Tの下で3.2×104 A/cm2 であった。
【0055】外部磁場0.45Tを加えながら室温から
温度77Kに得られたディスク状材料を冷やし、その後
磁場を取り去って、材料に保持されている磁束量を測定
した。測定はホール素子を用いて、材料表面の垂直方向
の磁束密度分布を測定することによって行った。
【0056】図7は比較例1の製造方法で製造した酸化
物超電導体の保持磁束密度分布の平面図であり、図8は
比較例1の製造方法で製造した酸化物超電導体の保持磁
束密度分布の立体図である。
【0057】比較例1の製造方法で製造した酸化物超電
導体は、クラック等の欠陥が存在している部分から磁束
が漏れて、凸凹状の磁束密度分布を示し、保持できる磁
束密度が0.1T以上である部分はおよそ30cm2
下であった。
【0058】なお、上述した実施例では、REとして
Y、Smをそれぞれの例として示したが、他の希主類金
属元素についても、同様な効果が得られることを確認し
ている。
【0059】さらに、実施例2ではPtを用いていた
が、これは、Pd、Ru、Rh、Ir、0s、Reでも
同様の効果を示すことが確認されている。
【0060】また、酸素量を調整するための原料焼成工
程は実施例1では900℃、実施例2では920℃実施
例3では900℃でそれぞれ10時間の焼成をしている
が、温度は880〜940℃、時間は1時間以上の範囲
であれば酸素量をほぼ14〜18wt%にできることを
確認している。
【0061】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の酸化物超
電導体の製造方法は、原料混合体に少なくとも該原料混
合体の融点より高い温度領域における焼成工程を含む処
理を施して、REーBaーCuーO系酸化物超電導体を
製造する場合に、前記焼成工程前の原料混合体中の酸素
含有量を15〜20wt%に調整することを特徴とし、
また、本発明の酸化物超電導体は、REBa2 Cu3
7-x 相中にRE2 BaCuO5 相が微細に分散した酸化
物超電導体において酸素含有量を15〜20wt%と
し、表面の任意の領域における30cm2 以上の一続き
にわたって保持できる磁束密度が0.1T以上としたこ
とを特徴とし、これにより、電気特性、磁気特性が高い
大きな配向した超電導体結晶を有する酸化物超電導体を
再現性良く製造できる酸化物超電導体の製造方法を及び
その様な特性を有する酸化物超電導体を得ているもので
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の製造方法で製造した酸化物超電導体
の保持磁束密度分布の平面図である。
【図2】実施例1の製造方法で製造した酸化物超電導体
の保持磁束密度分布の立体図である。
【図3】実施例2の製造方法で製造した酸化物超電導体
の保持磁束密度分布の平面図である。
【図4】実施例2の製造方法で製造した酸化物超電導体
の保持磁束密度分布の立体図である。
【図5】実施例3の製造方法で製造した酸化物超電導体
の保持磁束密度分布の平面図である。
【図6】実施例3の製造方法で製造した酸化物超電導体
の保持磁束密度分布の立体図である。
【図7】比較例1の製造方法で製造した酸化物超電導体
の保持磁束密度分布の平面図である。
【図8】比較例1の製造方法で製造した酸化物超電導体
の保持磁束密度分布の立体図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉澤 秀二 東京都千代田区丸の内一丁目8番2号 同和鉱業株式会社内 (72)発明者 長屋 重夫 愛知県名古屋市緑区大高町字北関山20番 地の1 中部電力株式会社 電力技術研 究所内 (56)参考文献 特開 平5−254834(JP,A) 特開 平5−17205(JP,A) 特開 平6−183730(JP,A) 特開 平8−198624(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01G 1/00,3/00 C30B 29/22

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 RE化合物(REはYを含む1種もしく
    は2種以上の希土類金属元素)と、Ba化合物と、Cu
    化合物とを含む原料混合体を混合する工程と、 この混合された原料混合体を溶融後、急冷凝固させる工
    程と、 この急冷凝固させた原料混合体を粉砕して粉砕粉とする
    工程と、 この粉砕粉を880〜940℃で焼成する工程と、 この焼成された粉砕粉を成形して成形体とする工程と、 この成形体を溶融し、溶融した成形体に種付けを行う工
    程と、 この溶融し種付けを行った成形体を、除冷して結晶化さ
    せる工程と、 この結晶化した成形体を酸素アニールする工程とを有す
    ことを特徴とする酸化物超電導体の製造方法。
JP08706297A 1997-04-04 1997-04-04 酸化物超電導体の製造方法 Expired - Fee Related JP3217727B2 (ja)

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