JP3212377B2 - 押出成形品の製造方法及び製造装置 - Google Patents
押出成形品の製造方法及び製造装置Info
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- JP3212377B2 JP3212377B2 JP24928692A JP24928692A JP3212377B2 JP 3212377 B2 JP3212377 B2 JP 3212377B2 JP 24928692 A JP24928692 A JP 24928692A JP 24928692 A JP24928692 A JP 24928692A JP 3212377 B2 JP3212377 B2 JP 3212377B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、長尺ランド部を有する
ダイ装置に架橋性樹脂を押出す押出成形品の製造方法及
びこの押出成形品の製造方法に用いる製造装置に関す
る。
ダイ装置に架橋性樹脂を押出す押出成形品の製造方法及
びこの押出成形品の製造方法に用いる製造装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、架橋性樹脂材料を連続的に押出成
形する方法として、長尺ランド部を有するダイ装置を用
いて、賦型・加熱する方法が知られている。例えば、特
開昭48−96656号公報には、加硫し得る樹脂組成
物を成形すると共に加熱により加硫する長尺ランド部を
有するダイ装置を使用して架橋性樹脂材料を加熱・加硫
する連続成形方法が開示されている。
形する方法として、長尺ランド部を有するダイ装置を用
いて、賦型・加熱する方法が知られている。例えば、特
開昭48−96656号公報には、加硫し得る樹脂組成
物を成形すると共に加熱により加硫する長尺ランド部を
有するダイ装置を使用して架橋性樹脂材料を加熱・加硫
する連続成形方法が開示されている。
【0003】この方法は、長尺ランド部の温度と長さ
を、通過する架橋性樹脂材料の架橋反応が完了するよう
に定めてランド部出口から架橋した成形品を連続的に取
得するものである。この方法では、成形過程に長尺ラン
ド部が存在することに基づき高い背圧が架橋性成形材料
の可塑化帯域に印加されることになるため、長尺ランド
の内壁と、そこを通過する成形材料ないし成形品との界
面に潤滑剤を供給し、長尺ランド内壁と成形材料や成形
品との摩擦抵抗を軽減させる方法がとられている。
を、通過する架橋性樹脂材料の架橋反応が完了するよう
に定めてランド部出口から架橋した成形品を連続的に取
得するものである。この方法では、成形過程に長尺ラン
ド部が存在することに基づき高い背圧が架橋性成形材料
の可塑化帯域に印加されることになるため、長尺ランド
の内壁と、そこを通過する成形材料ないし成形品との界
面に潤滑剤を供給し、長尺ランド内壁と成形材料や成形
品との摩擦抵抗を軽減させる方法がとられている。
【0004】この成形法において、架橋性樹脂材料を連
続的にかつ良好に成形し得るように押し出すには、最適
量の潤滑剤を押出される架橋性樹脂材料の外面に均一に
分布させ、安定した潤滑膜を形成する必要がある。従来
の押出成形装置は図9に示すように押出機(イ)と長尺
ランド部(ロ)を有するダイ装置(ハ)との間に二つの
フランジ(ニ)(ニ)を設け、この両フランジ(ニ)
(ニ)の対向する面間に、所要形状の薄い金属箔(ヘ)
を挾み込んでボルトなどで両フランジ(ニ)(ニ)を接
合させることで、金属箔(ヘ)の内方に樹脂通路(ト)
に対して放射状にスリット(チ)が設けられた。そし
て、スリット(チ)に通ずる潤滑剤導入口(リ)からポ
ンプその他の手段で潤滑剤を連続的あるいは非連続的に
圧入することで、樹脂通路(ト)内を通過する架橋性樹
脂材料の外面に潤滑剤を供給する方法が取られていた。
続的にかつ良好に成形し得るように押し出すには、最適
量の潤滑剤を押出される架橋性樹脂材料の外面に均一に
分布させ、安定した潤滑膜を形成する必要がある。従来
の押出成形装置は図9に示すように押出機(イ)と長尺
ランド部(ロ)を有するダイ装置(ハ)との間に二つの
フランジ(ニ)(ニ)を設け、この両フランジ(ニ)
(ニ)の対向する面間に、所要形状の薄い金属箔(ヘ)
を挾み込んでボルトなどで両フランジ(ニ)(ニ)を接
合させることで、金属箔(ヘ)の内方に樹脂通路(ト)
に対して放射状にスリット(チ)が設けられた。そし
て、スリット(チ)に通ずる潤滑剤導入口(リ)からポ
ンプその他の手段で潤滑剤を連続的あるいは非連続的に
圧入することで、樹脂通路(ト)内を通過する架橋性樹
脂材料の外面に潤滑剤を供給する方法が取られていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、理想的な潤滑
状態を維持するため、潤滑剤を安定して供給することは
必ずしも容易なことではなく、前記スリット(チ)によ
る潤滑剤の供給では、スリット(チ)間隔及び該スリッ
ト両側の対向面の平行度で供給安定性が左右される問題
がある。すなわち、潤滑剤導入口(リ)から潤滑剤を圧
入するにあたり、高い圧力で潤滑剤を供給するためスリ
ット(チ)を狭くすると、該スリットを形成する対向面
の平行度を保つのが困難で、潤滑剤が一部偏流を起こす
おそれがある。一方、スリットを広くとると潤滑剤の供
給圧力が低下するため、樹脂の押出圧の変動の影響を受
けて、架橋性樹脂材料の外面への潤滑剤の供給が不安定
になる。このような潤滑剤の偏流や潤滑剤の不安定な供
給は、架橋性樹脂材料と長尺ランド部(ロ)内面との間
に形成される潤滑膜の膜切れを起こしやすく、そのため
成形品表面に傷を生じて成形品の品質や商品価値を低下
させる他、膜切れによる吐出変動を引き起こし、安定な
生産性を確保することが困難になる。したがって、潤滑
剤の偏流を防ぎ、かつ、潤滑剤を安定的に供給すること
が重要な技術的課題となる。
状態を維持するため、潤滑剤を安定して供給することは
必ずしも容易なことではなく、前記スリット(チ)によ
る潤滑剤の供給では、スリット(チ)間隔及び該スリッ
ト両側の対向面の平行度で供給安定性が左右される問題
がある。すなわち、潤滑剤導入口(リ)から潤滑剤を圧
入するにあたり、高い圧力で潤滑剤を供給するためスリ
ット(チ)を狭くすると、該スリットを形成する対向面
の平行度を保つのが困難で、潤滑剤が一部偏流を起こす
おそれがある。一方、スリットを広くとると潤滑剤の供
給圧力が低下するため、樹脂の押出圧の変動の影響を受
けて、架橋性樹脂材料の外面への潤滑剤の供給が不安定
になる。このような潤滑剤の偏流や潤滑剤の不安定な供
給は、架橋性樹脂材料と長尺ランド部(ロ)内面との間
に形成される潤滑膜の膜切れを起こしやすく、そのため
成形品表面に傷を生じて成形品の品質や商品価値を低下
させる他、膜切れによる吐出変動を引き起こし、安定な
生産性を確保することが困難になる。したがって、潤滑
剤の偏流を防ぎ、かつ、潤滑剤を安定的に供給すること
が重要な技術的課題となる。
【0006】また、液状潤滑剤を用いる方法では、成形
品の表面に付着した潤滑剤の洗浄が次工程で必要とな
る。しかも、使用する潤滑剤の種類によっては、洗浄が
難しく、成形品に潤滑剤が残留したままとなり、成形品
の品質低下を招いたり、あるいは製造設備の環境を低下
させる原因となる。ランド部の先端部近傍で潤滑剤を除
去する方法も提案されているが(特開昭48−9665
6号公報)、完全に除去することはできない。
品の表面に付着した潤滑剤の洗浄が次工程で必要とな
る。しかも、使用する潤滑剤の種類によっては、洗浄が
難しく、成形品に潤滑剤が残留したままとなり、成形品
の品質低下を招いたり、あるいは製造設備の環境を低下
させる原因となる。ランド部の先端部近傍で潤滑剤を除
去する方法も提案されているが(特開昭48−9665
6号公報)、完全に除去することはできない。
【0007】本発明の目的は、長尺ランド部を有するダ
イ装置を用いて樹脂材料を押出し成形する製造方法にお
いて、潤滑剤の偏流を防ぎ、かつ、潤滑剤を安定的に供
給する方法を提供することにある。
イ装置を用いて樹脂材料を押出し成形する製造方法にお
いて、潤滑剤の偏流を防ぎ、かつ、潤滑剤を安定的に供
給する方法を提供することにある。
【0008】本発明の他の目的は、長尺ランドダイを用
いて押出成形品を製造する方法において、潤滑剤として
気体も用いて押出成形品を製造する方法を提供すること
にある。
いて押出成形品を製造する方法において、潤滑剤として
気体も用いて押出成形品を製造する方法を提供すること
にある。
【0009】また、本発明のさらなる目的は、上記各方
法に使用される製造装置を提供することにある。
法に使用される製造装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の押出成形品の製
造方法は、賦型金型からダイ装置の長尺ランド部へ架橋
性樹脂材料を押出す製造方法において、長尺ランド部内
を通過する架橋性樹脂材料の全周にわたって多孔質体を
介して潤滑剤を供給しながら架橋性樹脂材料を押出成形
するものである。
造方法は、賦型金型からダイ装置の長尺ランド部へ架橋
性樹脂材料を押出す製造方法において、長尺ランド部内
を通過する架橋性樹脂材料の全周にわたって多孔質体を
介して潤滑剤を供給しながら架橋性樹脂材料を押出成形
するものである。
【0011】本発明2の押出成形品の製造方法は、上記
本発明の製造方法において多孔質体内部への架橋性樹脂
材料の入口から補助多孔質体を介して多孔質体の内周面
へ補助潤滑剤を供給するものである。
本発明の製造方法において多孔質体内部への架橋性樹脂
材料の入口から補助多孔質体を介して多孔質体の内周面
へ補助潤滑剤を供給するものである。
【0012】本発明3の押出成形品の製造方法は、上記
本発明又は本発明2の製造方法において、少なくとも2
段のチャンバーに分割された長尺ランド部を通過する架
橋性樹脂材料の全周にわたって多孔質体を介して、架橋
性樹脂材料の入口に近いチャンバーに、他のチャンバー
より多量の潤滑剤を供給しながら架橋性樹脂材料を押出
成形するものである。
本発明又は本発明2の製造方法において、少なくとも2
段のチャンバーに分割された長尺ランド部を通過する架
橋性樹脂材料の全周にわたって多孔質体を介して、架橋
性樹脂材料の入口に近いチャンバーに、他のチャンバー
より多量の潤滑剤を供給しながら架橋性樹脂材料を押出
成形するものである。
【0013】本発明の製造方法に使用する製造装置は、
架橋性樹脂材料の押出機と、押出機の出口側に設けられ
た賦型金型と、賦型金型の出口側に設けられ、長尺ラン
ド部を有するダイ装置とを備えてなり、更に長尺ランド
部内に多孔質体が架橋性樹脂材料の通路を覆うように設
けられると共に多孔質体の外側の通路部分を潤滑剤の溜
り部とし、該溜り部が長尺ランド部に形成された潤滑剤
導入口と連通する構成としたものである。
架橋性樹脂材料の押出機と、押出機の出口側に設けられ
た賦型金型と、賦型金型の出口側に設けられ、長尺ラン
ド部を有するダイ装置とを備えてなり、更に長尺ランド
部内に多孔質体が架橋性樹脂材料の通路を覆うように設
けられると共に多孔質体の外側の通路部分を潤滑剤の溜
り部とし、該溜り部が長尺ランド部に形成された潤滑剤
導入口と連通する構成としたものである。
【0014】また、本発明2の製造方法に使用する製造
装置は、架橋性樹脂材料の押出成形をより安定にするた
めに、多孔質体の架橋性樹脂材料入口側に補助多孔質体
を設けるものである。
装置は、架橋性樹脂材料の押出成形をより安定にするた
めに、多孔質体の架橋性樹脂材料入口側に補助多孔質体
を設けるものである。
【0015】また、本発明3の製造方法に使用する製造
装置は、少なくとも2段のチャンバーに分割された長尺
ランド部を有し、それぞれのチャンバーで異なる流量の
潤滑剤を供給可能としたものである。
装置は、少なくとも2段のチャンバーに分割された長尺
ランド部を有し、それぞれのチャンバーで異なる流量の
潤滑剤を供給可能としたものである。
【0016】本発明のいずれの製造方法についても、多
孔質体から気体を供給する場合は、樹脂の押出条件、多
孔質体の断面形状、長尺ランドダイの長さ等に左右され
るが、多孔質体の断面形状が筒状の場合は多孔質体の透
過単位面積あたり0.5〜5cm3/cm2secとするのが好ま
しく、多孔質体の断面形状がスリット状の場合は多孔質
体の透過単位面積あたり5〜20cm3/cm2secとするのが
好ましい。さらに補助多孔質体から気体を供給する場合
は、補助多孔質体の透過単位面積あたり0.2〜20cm
3/cm2secとするのが好ましい。
孔質体から気体を供給する場合は、樹脂の押出条件、多
孔質体の断面形状、長尺ランドダイの長さ等に左右され
るが、多孔質体の断面形状が筒状の場合は多孔質体の透
過単位面積あたり0.5〜5cm3/cm2secとするのが好ま
しく、多孔質体の断面形状がスリット状の場合は多孔質
体の透過単位面積あたり5〜20cm3/cm2secとするのが
好ましい。さらに補助多孔質体から気体を供給する場合
は、補助多孔質体の透過単位面積あたり0.2〜20cm
3/cm2secとするのが好ましい。
【0017】気体透過量を制御するためには、多孔質体
の選択が重要である。多孔質体の気体透過量を決定する
のは、一般に気孔率、気孔径、厚みである。厚みに関し
ては、金型構造上の制約および多孔質体の製造上の制約
があるため、極端に厚くできず、また強度的にあまり薄
くすることもできないので0.2〜5cmが好ましく、
さらに好ましくは0.5〜2cmである。
の選択が重要である。多孔質体の気体透過量を決定する
のは、一般に気孔率、気孔径、厚みである。厚みに関し
ては、金型構造上の制約および多孔質体の製造上の制約
があるため、極端に厚くできず、また強度的にあまり薄
くすることもできないので0.2〜5cmが好ましく、
さらに好ましくは0.5〜2cmである。
【0018】多孔質体の厚みは上記のように制約が大き
いため、多孔質体の気体透過量は残る気孔率と気孔径で
制御するのが良く、多孔質体ならびに補助多孔質体の気
孔率は10〜40%、気孔径は0.1〜10μmが好ま
しく、さらに好ましくは気孔率が15〜30%、気孔径
が0.3〜5μmである。
いため、多孔質体の気体透過量は残る気孔率と気孔径で
制御するのが良く、多孔質体ならびに補助多孔質体の気
孔率は10〜40%、気孔径は0.1〜10μmが好ま
しく、さらに好ましくは気孔率が15〜30%、気孔径
が0.3〜5μmである。
【0019】また、本発明のいずれの製造装置について
も多孔質体の開口面積は架橋性樹脂材料材料を賦型する
賦型金型の出口面積の1.2〜2.0倍とするのが好ま
しい。
も多孔質体の開口面積は架橋性樹脂材料材料を賦型する
賦型金型の出口面積の1.2〜2.0倍とするのが好ま
しい。
【0020】本発明3の押出成形品の製造方法において
本発明又は本発明2の製造方法において、少なくとも2
段のチャンバーに分割された長尺ランド部を通過する架
橋性樹脂材料の全周にわたって多孔質体を介して、架橋
性樹脂材料の入口に近いチャンバーに、他のチャンバー
より多量の潤滑剤を供給しながら架橋性樹脂材料を押出
成形するものである。なお、上記いずれの製造装置につ
いても多孔質体によって形成される樹脂通路の断面形状
は特に限定されるものではなく、たとえば、筒状、スリ
ット状であってもよいし、矩形状、波板状、コの字状、
波板状等の異形形状であってもよい。さらに、中空成形
体、アンダーカットのある成形体、リブ付き成形体に対
応する断面形状であってもよい。次に、本発明の各構成
要素について詳しく説明する。
本発明又は本発明2の製造方法において、少なくとも2
段のチャンバーに分割された長尺ランド部を通過する架
橋性樹脂材料の全周にわたって多孔質体を介して、架橋
性樹脂材料の入口に近いチャンバーに、他のチャンバー
より多量の潤滑剤を供給しながら架橋性樹脂材料を押出
成形するものである。なお、上記いずれの製造装置につ
いても多孔質体によって形成される樹脂通路の断面形状
は特に限定されるものではなく、たとえば、筒状、スリ
ット状であってもよいし、矩形状、波板状、コの字状、
波板状等の異形形状であってもよい。さらに、中空成形
体、アンダーカットのある成形体、リブ付き成形体に対
応する断面形状であってもよい。次に、本発明の各構成
要素について詳しく説明する。
【0021】(潤滑剤)液状潤滑剤としては、使用する
樹脂の成形温度において分解、沸騰などが起こり難く、
かつ樹脂に溶融せず、さらに樹脂の劣化を促進すること
のない化学的に安定な物質が好ましい。例えば、この様
な条件を満足する潤滑剤の一例としては、液状のポリシ
ロキサン(ポリジメチルシロキサン、ポリメチルシロキ
サン等)、エチレングリコール等の多価アルコール、お
よびそのアルキルエステル並びにアルキルエーテル、ポ
リオキシアルキレンおよびそのアルキルエステルならび
にアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンおよびその
2種以上のアルキレンオキサイドの共重合体等があげら
れる。中でも成形品の表面に付着した後の除去が容易な
多価アルコール等の水溶性の界面活性剤が好ましい。
樹脂の成形温度において分解、沸騰などが起こり難く、
かつ樹脂に溶融せず、さらに樹脂の劣化を促進すること
のない化学的に安定な物質が好ましい。例えば、この様
な条件を満足する潤滑剤の一例としては、液状のポリシ
ロキサン(ポリジメチルシロキサン、ポリメチルシロキ
サン等)、エチレングリコール等の多価アルコール、お
よびそのアルキルエステル並びにアルキルエーテル、ポ
リオキシアルキレンおよびそのアルキルエステルならび
にアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンおよびその
2種以上のアルキレンオキサイドの共重合体等があげら
れる。中でも成形品の表面に付着した後の除去が容易な
多価アルコール等の水溶性の界面活性剤が好ましい。
【0022】気体潤滑剤としては、樹脂材料と反応せ
ず、かつ架橋反応中にラジカル形成に抑制作用を与えな
いようなものが好ましく、具体例としては炭酸ガスや窒
素ガスが挙げられる。本発明の製造方法に使用される潤
滑剤としては液体潤滑剤であってもよいし、気体潤滑剤
であってもよいが、得られる成形品に潤滑剤が残留しな
いためには、気体潤滑剤が好ましい。
ず、かつ架橋反応中にラジカル形成に抑制作用を与えな
いようなものが好ましく、具体例としては炭酸ガスや窒
素ガスが挙げられる。本発明の製造方法に使用される潤
滑剤としては液体潤滑剤であってもよいし、気体潤滑剤
であってもよいが、得られる成形品に潤滑剤が残留しな
いためには、気体潤滑剤が好ましい。
【0023】(多孔質体、補助多孔質体)多孔質体及び
補助多孔質体を形成する材料は、例えば、アルミニウ
ム、ステンレス、チタニウム、金、銀、銅等を主体とし
た金属系材料と、アルミナ、ムライト、ケイ酸、ジルコ
ニア等を主体とした非金属系材料がある。潤滑剤供給に
必要な圧力及び流量は、使用する潤滑剤の種類と前記多
孔質体の気孔径、気孔率、厚み等で決定される。また、
潤滑剤を界面に均一に塗布するためには、細孔分布がシ
ャープでかつ、均一に分散されたものを選定する必要が
ある。このような条件を満足する多孔質体としては、非
鉄金属系材料を使用することが好ましい。
補助多孔質体を形成する材料は、例えば、アルミニウ
ム、ステンレス、チタニウム、金、銀、銅等を主体とし
た金属系材料と、アルミナ、ムライト、ケイ酸、ジルコ
ニア等を主体とした非金属系材料がある。潤滑剤供給に
必要な圧力及び流量は、使用する潤滑剤の種類と前記多
孔質体の気孔径、気孔率、厚み等で決定される。また、
潤滑剤を界面に均一に塗布するためには、細孔分布がシ
ャープでかつ、均一に分散されたものを選定する必要が
ある。このような条件を満足する多孔質体としては、非
鉄金属系材料を使用することが好ましい。
【0024】(加熱方法)長尺ランド部の長さは、使用
する架橋性樹脂成形材料及び成形品の内径または肉厚に
よって定まる。そして、架橋反応を促進するための加熱
方法としては、一般的には任意であるが、電熱によるの
が最も簡便かつ加熱条件の制御が容易である。また温度
条件は長尺ランド部全域にわたって同じである必要はな
く、いくつかのゾーンに分割して、成形材料に最も適し
た温度条件と加熱時間となるように設定することが好ま
しい。
する架橋性樹脂成形材料及び成形品の内径または肉厚に
よって定まる。そして、架橋反応を促進するための加熱
方法としては、一般的には任意であるが、電熱によるの
が最も簡便かつ加熱条件の制御が容易である。また温度
条件は長尺ランド部全域にわたって同じである必要はな
く、いくつかのゾーンに分割して、成形材料に最も適し
た温度条件と加熱時間となるように設定することが好ま
しい。
【0025】(成形材料)架橋性樹脂材料としては、架
橋可能な任意の樹脂材料が使用できる。具体的には、ア
ミノプラスト、フェノプラスト、エポキシ樹脂、不飽和
ポリエステル樹脂その他熱硬化性樹脂がある。また、架
橋剤を配合した架橋可能な熱可塑性樹脂、天然または合
成ゴムがある。
橋可能な任意の樹脂材料が使用できる。具体的には、ア
ミノプラスト、フェノプラスト、エポキシ樹脂、不飽和
ポリエステル樹脂その他熱硬化性樹脂がある。また、架
橋剤を配合した架橋可能な熱可塑性樹脂、天然または合
成ゴムがある。
【0026】熱可塑性樹脂とは、例えば、ポリエチレ
ン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、
ナイロン、あるいはエチレン−プロピレン共重合体やエ
チレン酢酸ビニル共重合体などの共重合体、及びこれら
の2種以上の混合物が挙げられる。さらに、これら熱可
塑性樹脂に、合成ゴム、パラフィン、異種熱可塑性樹
脂、可塑剤、顔料、発泡剤、難燃剤、靜電防止剤などの
添加剤を混合してもよい。この他、加熱によって架橋反
応が起こる任意の樹脂、例えば、メチロールアクリルア
ミド重合体、金属酸化物配合カルボン酸重合体、不飽和
ポリエステル等を使用することができる。
ン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、
ナイロン、あるいはエチレン−プロピレン共重合体やエ
チレン酢酸ビニル共重合体などの共重合体、及びこれら
の2種以上の混合物が挙げられる。さらに、これら熱可
塑性樹脂に、合成ゴム、パラフィン、異種熱可塑性樹
脂、可塑剤、顔料、発泡剤、難燃剤、靜電防止剤などの
添加剤を混合してもよい。この他、加熱によって架橋反
応が起こる任意の樹脂、例えば、メチロールアクリルア
ミド重合体、金属酸化物配合カルボン酸重合体、不飽和
ポリエステル等を使用することができる。
【0027】(架橋剤)架橋剤としては、熱可塑性樹脂
の溶解温度以上の分解温度を有するもので該樹脂の架橋
に適した架橋剤を適宜選択すればよく、たとえばジクミ
ルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t
−ブチルクミルパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼ
ンハイドロパーオキサイド、α,α'(−ビス−t−ブチ
ルペルオキシ−p−ジイソプロピル)ベンゼン、2・5
ジメチル−2・5−ジ-(-t−ブチルペルオキシ)ヘキサ
ン等の有機過酸化物あるいはこれら2種以上の混合物で
ある。必要に応じて架橋促進剤、架橋遅延剤などの助剤
を混合する。
の溶解温度以上の分解温度を有するもので該樹脂の架橋
に適した架橋剤を適宜選択すればよく、たとえばジクミ
ルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t
−ブチルクミルパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼ
ンハイドロパーオキサイド、α,α'(−ビス−t−ブチ
ルペルオキシ−p−ジイソプロピル)ベンゼン、2・5
ジメチル−2・5−ジ-(-t−ブチルペルオキシ)ヘキサ
ン等の有機過酸化物あるいはこれら2種以上の混合物で
ある。必要に応じて架橋促進剤、架橋遅延剤などの助剤
を混合する。
【0028】これらの架橋剤の使用量は使用される熱可
塑性樹脂の分子量、分子量分布、分岐数等の分子構造、
架橋剤の分解温度、必要される架橋の度合いに応じて決
める必要があるが、好ましくは0.1〜10重量%、さ
らに好ましくは0.2〜2重量%である。
塑性樹脂の分子量、分子量分布、分岐数等の分子構造、
架橋剤の分解温度、必要される架橋の度合いに応じて決
める必要があるが、好ましくは0.1〜10重量%、さ
らに好ましくは0.2〜2重量%である。
【0029】
【作用】この多孔質体を用いた製造方法においては、押
出される架橋性樹脂材料の全周にわたって多孔質体を通
して潤滑剤が均一に供給される。また、潤滑剤の安定な
供給のための潤滑剤圧力は、多孔質体の気孔径、気孔率
及び厚さ(成形材料流れ方向とは垂直)を選定すること
で、自由に設定することが出来る。さらに、多孔質体の
長さ(成形材料流れ方向と平行)を長くとることで、成
形材料ないし、成形品と潤滑剤が接触する界面を広くと
ることが可能となり、潤滑膜の形成はさらに安定化され
る。
出される架橋性樹脂材料の全周にわたって多孔質体を通
して潤滑剤が均一に供給される。また、潤滑剤の安定な
供給のための潤滑剤圧力は、多孔質体の気孔径、気孔率
及び厚さ(成形材料流れ方向とは垂直)を選定すること
で、自由に設定することが出来る。さらに、多孔質体の
長さ(成形材料流れ方向と平行)を長くとることで、成
形材料ないし、成形品と潤滑剤が接触する界面を広くと
ることが可能となり、潤滑膜の形成はさらに安定化され
る。
【0030】また、多孔質体がダイ装置の長尺ランド部
に設けられた本発明の製造装置では、潤滑剤として気体
を用いた場合、上記長尺ランド部内で架橋性樹脂材料の
全周面に多孔質体を通って気体が均一に接触して架橋性
樹脂材料の全表面に潤滑薄膜が形成される。そして、架
橋性樹脂材料は全表面に潤滑薄膜ができた状態で長尺ラ
ンド部内を通過するため、押出される架橋性樹脂材料表
面には傷がつかない。
に設けられた本発明の製造装置では、潤滑剤として気体
を用いた場合、上記長尺ランド部内で架橋性樹脂材料の
全周面に多孔質体を通って気体が均一に接触して架橋性
樹脂材料の全表面に潤滑薄膜が形成される。そして、架
橋性樹脂材料は全表面に潤滑薄膜ができた状態で長尺ラ
ンド部内を通過するため、押出される架橋性樹脂材料表
面には傷がつかない。
【0031】多孔質体ならびに補助多孔質体が10〜4
0%の気孔率および0.1〜10μmの気孔径を有する
場合には、各多孔質体の気体透過量として適切な透過単
位面積あたり0.5〜20cm3/cm2secの範囲を容易に維
持することができる。そして、この多孔質体の気体透過
量は、0.5cm3/cm2sec以下では架橋性樹脂材料の押出
状態の変動や樹脂剛性の低さから生ずる気体潤滑剤の流
れの偏流により、架橋性樹脂材料の多孔質体への付着が
発生し、多孔質体の目ずまりや樹脂の滞留を引き起こ
す。一方、多孔質体の気体透過量が20cm3/cm2sec以上
では樹脂流量多寡による気体の流れの偏流により、成形
品が振動を起こし、この振動が生ずると成形品は多孔質
体の内壁への付着、離脱を繰り返すため、成形品の表面
に傷を受ける原因となる。
0%の気孔率および0.1〜10μmの気孔径を有する
場合には、各多孔質体の気体透過量として適切な透過単
位面積あたり0.5〜20cm3/cm2secの範囲を容易に維
持することができる。そして、この多孔質体の気体透過
量は、0.5cm3/cm2sec以下では架橋性樹脂材料の押出
状態の変動や樹脂剛性の低さから生ずる気体潤滑剤の流
れの偏流により、架橋性樹脂材料の多孔質体への付着が
発生し、多孔質体の目ずまりや樹脂の滞留を引き起こ
す。一方、多孔質体の気体透過量が20cm3/cm2sec以上
では樹脂流量多寡による気体の流れの偏流により、成形
品が振動を起こし、この振動が生ずると成形品は多孔質
体の内壁への付着、離脱を繰り返すため、成形品の表面
に傷を受ける原因となる。
【0032】多孔質体の開口面積を架橋性樹脂材料を賦
型する賦型金型の出口面積の1.2〜2.0倍とした製
造装置では、押出樹脂材料が賦型金型から多孔質体へ押
出された際、賦型金型で受けた等方圧力が多孔質体内で
開放されるため、架橋性樹脂材料材料が膨脹することと
なる。この際、多孔質体の開口面積が賦型金型の出口面
積より大きいため、架橋性樹脂材料は多孔質体の入口か
ら出口方向へ拡がった円錐状に膨らみ、架橋性樹脂材料
と多孔質体の内面間に隙間を生ずる。この隙間に潤滑剤
が滞留して特に多孔質体の入口部分における潤滑膜の形
成が促進される。また、架橋性樹脂材料と多孔質体の内
面間の隙間に滞留した潤滑剤は架橋性樹脂材料成形品の
クッションの役割もする。但し、多孔質体の開口面積が
賦型金型の出口面積の2.0倍を超える場合には架橋性
樹脂材料と多孔質体の内面の隙間があき過ぎて加熱効率
が著しく低下するため、2.0倍を上限とした。
型する賦型金型の出口面積の1.2〜2.0倍とした製
造装置では、押出樹脂材料が賦型金型から多孔質体へ押
出された際、賦型金型で受けた等方圧力が多孔質体内で
開放されるため、架橋性樹脂材料材料が膨脹することと
なる。この際、多孔質体の開口面積が賦型金型の出口面
積より大きいため、架橋性樹脂材料は多孔質体の入口か
ら出口方向へ拡がった円錐状に膨らみ、架橋性樹脂材料
と多孔質体の内面間に隙間を生ずる。この隙間に潤滑剤
が滞留して特に多孔質体の入口部分における潤滑膜の形
成が促進される。また、架橋性樹脂材料と多孔質体の内
面間の隙間に滞留した潤滑剤は架橋性樹脂材料成形品の
クッションの役割もする。但し、多孔質体の開口面積が
賦型金型の出口面積の2.0倍を超える場合には架橋性
樹脂材料と多孔質体の内面の隙間があき過ぎて加熱効率
が著しく低下するため、2.0倍を上限とした。
【0033】また、上述のように多孔質体の開口面積を
架橋性樹脂材料材料を賦型する賦型金型の出口面積より
大きくした場合、多孔質体の架橋性樹脂材料入口側に補
助多孔質体を容易に配設することができる。そして、多
孔質体の内周面へ補助気体を供給することで、バラス効
果により放物線状に膨脹する架橋性樹脂材料の根元部分
から補助気体が圧入され、この補助気体により多孔質体
の入口付近で付着しやすい架橋性樹脂材料の表面におけ
る潤滑膜形成が促進されるため、その付着が阻止され
る。
架橋性樹脂材料材料を賦型する賦型金型の出口面積より
大きくした場合、多孔質体の架橋性樹脂材料入口側に補
助多孔質体を容易に配設することができる。そして、多
孔質体の内周面へ補助気体を供給することで、バラス効
果により放物線状に膨脹する架橋性樹脂材料の根元部分
から補助気体が圧入され、この補助気体により多孔質体
の入口付近で付着しやすい架橋性樹脂材料の表面におけ
る潤滑膜形成が促進されるため、その付着が阻止され
る。
【0034】なお、潤滑剤として気体を使用すると、押
出後の成形品表面の洗浄が不要となり、しかも成形品の
品質低下や設備環境の低下を防ぐことができる。
出後の成形品表面の洗浄が不要となり、しかも成形品の
品質低下や設備環境の低下を防ぐことができる。
【0035】
【実施例】以下、本発明における架橋性樹脂材料を使用
する押出成形品の製造方法および製造装置の実施例につ
いて説明する。
する押出成形品の製造方法および製造装置の実施例につ
いて説明する。
【0036】<実施例1>本発明で使用する押出成形装
置は、例えば、図1に示すように、架橋性樹脂材料の押
出機(21)と、押出機(21)の出口側に設けられた賦型金型
(22)と、賦型金型(22)の出口(22b) 側に設けられ、長尺
ランド部(24a) を有するダイ装置(24)とを備えてなり、
更に長尺ランド部(24a) 内に筒状の多孔質体(25)が同心
状に設けられると共に多孔質体(25)の外側の通路部分を
潤滑剤の溜り部(26)とし、該溜り部(26)が長尺ランド部
(24a) に形成された潤滑剤導入口(27)と連通するもので
ある。
置は、例えば、図1に示すように、架橋性樹脂材料の押
出機(21)と、押出機(21)の出口側に設けられた賦型金型
(22)と、賦型金型(22)の出口(22b) 側に設けられ、長尺
ランド部(24a) を有するダイ装置(24)とを備えてなり、
更に長尺ランド部(24a) 内に筒状の多孔質体(25)が同心
状に設けられると共に多孔質体(25)の外側の通路部分を
潤滑剤の溜り部(26)とし、該溜り部(26)が長尺ランド部
(24a) に形成された潤滑剤導入口(27)と連通するもので
ある。
【0037】潤滑剤として気体を用いて前記製造装置で
押出成形する場合、まず、あらかじめ架橋剤を配合した
樹脂材料は押出機(21)によって賦型金型(22)部に押出さ
れ、長尺ランド部(24a) の多孔質体(25)内を通過する。
この多孔質体(25)は、樹脂通路兼気体の供給部分であ
り、潤滑剤導入口(27)からポンプその他の手段で気体が
圧入されると、これが多孔質体(25)外側の溜り部(26)に
流入した後、多孔質体(25)を通過して架橋性樹脂材料の
外面全面に接触するものである。この際、架橋性樹脂材
料の外面に薄膜が形成されると同時に長尺ランド部(24
a) の加熱によって架橋性樹脂材料が架橋される。
押出成形する場合、まず、あらかじめ架橋剤を配合した
樹脂材料は押出機(21)によって賦型金型(22)部に押出さ
れ、長尺ランド部(24a) の多孔質体(25)内を通過する。
この多孔質体(25)は、樹脂通路兼気体の供給部分であ
り、潤滑剤導入口(27)からポンプその他の手段で気体が
圧入されると、これが多孔質体(25)外側の溜り部(26)に
流入した後、多孔質体(25)を通過して架橋性樹脂材料の
外面全面に接触するものである。この際、架橋性樹脂材
料の外面に薄膜が形成されると同時に長尺ランド部(24
a) の加熱によって架橋性樹脂材料が架橋される。
【0038】<実施例2>上記実施例1の製造装置を用
いた製造方法の一例を述べると、図1に示す押出機(21)
の通路径をφ50mmとし、賦型金型(22)の出口(22a)
径および多孔質体(25)の開口径(R) を15mmとした。
次に、低密度ポリエチレン(住友化学社製、商品名;高
圧法ポリエチレンG201)100重量部に架橋剤(ジ
クミルパーオキサイド)1.0重量部を配合した架橋性
樹脂材料を4kg/hの押出量で押出した。押出された
架橋性樹脂材料は、賦型金型のテーパー状出口(22a) へ
通り、φ15mmのロット状に賦型された後、潤滑剤を
供給する多孔質体(25)の樹脂通路を通過する。このとき
押出機(21)出口に接続された賦型金型(22)の樹脂温度は
125℃を示した。
いた製造方法の一例を述べると、図1に示す押出機(21)
の通路径をφ50mmとし、賦型金型(22)の出口(22a)
径および多孔質体(25)の開口径(R) を15mmとした。
次に、低密度ポリエチレン(住友化学社製、商品名;高
圧法ポリエチレンG201)100重量部に架橋剤(ジ
クミルパーオキサイド)1.0重量部を配合した架橋性
樹脂材料を4kg/hの押出量で押出した。押出された
架橋性樹脂材料は、賦型金型のテーパー状出口(22a) へ
通り、φ15mmのロット状に賦型された後、潤滑剤を
供給する多孔質体(25)の樹脂通路を通過する。このとき
押出機(21)出口に接続された賦型金型(22)の樹脂温度は
125℃を示した。
【0039】潤滑剤として窒素ガスを用い、導入口(27)
から1kg/cm2 の圧力で3.0cm3/cm2secで窒素ガ
スを連続的に供給した。多孔質体(25)を通過して潤滑作
用を受けた架橋性樹脂材料は、長尺ランド部(24a) で1
60℃、3分間加熱され、外部へ押出された。本実施例
による成形品は、直径14.8mm、ゲル分率約25
%、表面平滑な棒状成形体であった。
から1kg/cm2 の圧力で3.0cm3/cm2secで窒素ガ
スを連続的に供給した。多孔質体(25)を通過して潤滑作
用を受けた架橋性樹脂材料は、長尺ランド部(24a) で1
60℃、3分間加熱され、外部へ押出された。本実施例
による成形品は、直径14.8mm、ゲル分率約25
%、表面平滑な棒状成形体であった。
【0040】<比較例1>筒状の多孔質体(25)に代えて
従来のスリット法(スリット厚み80μm)で、潤滑剤
としてポリオキシエチレン−プロピレン共重合体(ニッ
サンユニルーブ社製、商品名;50MB−26X)を使
用して成形した。それ以外の条件は上記実施例4と同様
にした。ポリオキシエチレン−プロピレン共重合体を5
cc/分で供給し、ダイから出てきた成形品を水槽につ
けて洗浄した。
従来のスリット法(スリット厚み80μm)で、潤滑剤
としてポリオキシエチレン−プロピレン共重合体(ニッ
サンユニルーブ社製、商品名;50MB−26X)を使
用して成形した。それ以外の条件は上記実施例4と同様
にした。ポリオキシエチレン−プロピレン共重合体を5
cc/分で供給し、ダイから出てきた成形品を水槽につ
けて洗浄した。
【0041】得られた成形品は、ゲル分率30%、表面
平滑な棒状成形体であったが、成形品表面に付着したポ
リオキシエチレン−プロピレン共重合体は完全に除去さ
れておらず、改めて布で拭きとる必要があった。
平滑な棒状成形体であったが、成形品表面に付着したポ
リオキシエチレン−プロピレン共重合体は完全に除去さ
れておらず、改めて布で拭きとる必要があった。
【0042】<実施例3>上記実施例1の押出成形製造
装置を用いた押出成形品の他の製造方法の一例を述べる
と、押出機(21)の出口径をφ50mmとし、賦型金型(2
2)の出口(22b) 径および多孔質体(25)の開口径(R) を共
に15mmとした。次に、低密度ポリエチレン(住友化
学社製、商品名;高圧法ポリエチレンG201)100
重量部に架橋剤(ジクミルパーオキサイド)1.0重量
部を配合した樹脂材料を5kg/hの押出量で押出し
た。このとき、窒素ガスの供給量はアルミナの多孔質体
(25)の透過単位面積当たり、2.0cm3/cm2secとした。
上記賦型金型の樹脂温度は125℃であった。
装置を用いた押出成形品の他の製造方法の一例を述べる
と、押出機(21)の出口径をφ50mmとし、賦型金型(2
2)の出口(22b) 径および多孔質体(25)の開口径(R) を共
に15mmとした。次に、低密度ポリエチレン(住友化
学社製、商品名;高圧法ポリエチレンG201)100
重量部に架橋剤(ジクミルパーオキサイド)1.0重量
部を配合した樹脂材料を5kg/hの押出量で押出し
た。このとき、窒素ガスの供給量はアルミナの多孔質体
(25)の透過単位面積当たり、2.0cm3/cm2secとした。
上記賦型金型の樹脂温度は125℃であった。
【0043】架橋性樹脂材料材料は長尺ランド部(24a)
内で160℃で3分間加熱され、外部へ押出された。本
実施例による成形品は、直径14.8mmの棒状成形体
であった。なお、上記気体の供給量を多孔質体(25)の透
過単位面積当たり、10cm3/cm2secとしてみたが、上記
2.0cm3/cm2secの場合の方が成形樹脂の振動が少な
く、吐出非変動性でも優れていた。更に上記気体の供給
量を多孔質体(25)の透過単位面積当たり、0.3cm3/cm
2secとしたが、上記2.0cm3/cm2secの方が気体の潤滑
作用が良好であった。
内で160℃で3分間加熱され、外部へ押出された。本
実施例による成形品は、直径14.8mmの棒状成形体
であった。なお、上記気体の供給量を多孔質体(25)の透
過単位面積当たり、10cm3/cm2secとしてみたが、上記
2.0cm3/cm2secの場合の方が成形樹脂の振動が少な
く、吐出非変動性でも優れていた。更に上記気体の供給
量を多孔質体(25)の透過単位面積当たり、0.3cm3/cm
2secとしたが、上記2.0cm3/cm2secの方が気体の潤滑
作用が良好であった。
【0044】<実施例4>図2は本発明の押出成形装置
の他の実施例であって、押出機(31)、賦型金型(賦型領
域)(32)およびその内部を通過する架橋性樹脂成形材料
の架橋反応が実質的に完了する長さと温度を定めた長尺
ランド部(34a) を有するダイ(潤滑架橋領域)(34)と、
長尺ランド部(34a) 内に同心状に設けられる筒状の多孔
質体(35)を備えている。そして、本実施例では多孔質体
(35)の開口径(R) が賦型金型(32)の出口(32a) 径の1.
3倍(出口(32a) 面積の1.69倍)に設計されてい
る。潤滑剤として液状のものを使用する場合、長尺ラン
ド部(34a) の上面に潤滑剤の導入口(37)を設けており、
液状の潤滑剤は導入口(37)から溜り部(36)に圧入された
後、多孔質体(35)を通過して架橋性樹脂材料全周に供給
される。
の他の実施例であって、押出機(31)、賦型金型(賦型領
域)(32)およびその内部を通過する架橋性樹脂成形材料
の架橋反応が実質的に完了する長さと温度を定めた長尺
ランド部(34a) を有するダイ(潤滑架橋領域)(34)と、
長尺ランド部(34a) 内に同心状に設けられる筒状の多孔
質体(35)を備えている。そして、本実施例では多孔質体
(35)の開口径(R) が賦型金型(32)の出口(32a) 径の1.
3倍(出口(32a) 面積の1.69倍)に設計されてい
る。潤滑剤として液状のものを使用する場合、長尺ラン
ド部(34a) の上面に潤滑剤の導入口(37)を設けており、
液状の潤滑剤は導入口(37)から溜り部(36)に圧入された
後、多孔質体(35)を通過して架橋性樹脂材料全周に供給
される。
【0045】この際、図4に見られるように、架橋性樹
脂材料(P) は賦型金型(32)で賦型され、次に多孔質体(3
5)へ押出される。この際、賦型金型(32)から等方圧力を
うけた架橋性樹脂材料は、多孔質体(35)内で圧力解放に
より円錐状に膨脹する(バラス効果)が、多孔質体(35)
の開口径(R) を予めその膨脹量に合わせた径とすること
により、架橋性樹脂材料が多孔質体(35)の内壁面で擦ら
れることなく成形が行われる。そのため、押出成形品の
表面がより平滑となる。この場合、多孔質体(35)の入口
側では、圧力解放により円錐状に膨脹した架橋性樹脂材
料(P) の根元部分との間でより広い隙間(S) ができ、該
部に潤滑剤がより多く供給されるため、特に成形品に傷
が付きやすい多孔質体の入口側での潤滑が促進される。
脂材料(P) は賦型金型(32)で賦型され、次に多孔質体(3
5)へ押出される。この際、賦型金型(32)から等方圧力を
うけた架橋性樹脂材料は、多孔質体(35)内で圧力解放に
より円錐状に膨脹する(バラス効果)が、多孔質体(35)
の開口径(R) を予めその膨脹量に合わせた径とすること
により、架橋性樹脂材料が多孔質体(35)の内壁面で擦ら
れることなく成形が行われる。そのため、押出成形品の
表面がより平滑となる。この場合、多孔質体(35)の入口
側では、圧力解放により円錐状に膨脹した架橋性樹脂材
料(P) の根元部分との間でより広い隙間(S) ができ、該
部に潤滑剤がより多く供給されるため、特に成形品に傷
が付きやすい多孔質体の入口側での潤滑が促進される。
【0046】<実施例5>図3は押出成形装置の更に他
の実施例を示し、上記実施例4の装置と基本的に同じで
ある。押出機(41)、賦型金型(42)、長尺ランド部(44a)
を有するダイ(44)、筒状の多孔質体(45)を備えている。
そして、長尺ランド部(44a) 下面には気体(潤滑剤)の
導入部(47)を設けられ、溜り部(46)と連通している。本
実施例では多孔質体(45)の開口径(R) は、賦型金型(42)
の出口(42a) 径の1.4倍(出口(32a) 面積の1.96
倍)に設計されている。
の実施例を示し、上記実施例4の装置と基本的に同じで
ある。押出機(41)、賦型金型(42)、長尺ランド部(44a)
を有するダイ(44)、筒状の多孔質体(45)を備えている。
そして、長尺ランド部(44a) 下面には気体(潤滑剤)の
導入部(47)を設けられ、溜り部(46)と連通している。本
実施例では多孔質体(45)の開口径(R) は、賦型金型(42)
の出口(42a) 径の1.4倍(出口(32a) 面積の1.96
倍)に設計されている。
【0047】架橋性樹脂材料の膨脹量(バラス効果)で
あるが、図4を例にとると、押出物の剪断速度とともに
増大し、賦型ゾーンの流路長(L) とその径(D) との比L
/Dが大きいほど小さくなる。フローテスターで種々の
剪断速度、L/Dをもつものについてバラス効果を測定
した。結果は図5に示した通りで、およそ1.5倍であ
った。そのため、上記実施例の装置でも多孔質体(45)の
開口径と賦型金型(42)の出口径とを1.5倍程度すれば
良いと考えられる。しかし、実際の押出流動状態はフロ
ーテスターと異なり、引取り機による樹脂の押出方向へ
の伸びや、潤滑剤の粘性に樹脂が流れ方向へ引きずられ
るために、実際の膨脹量は測定値より若干低いと言え
る。また、L/Dが1.5倍を超えると、多孔質体(45)
と架橋性樹脂材料との隙間が大きすぎて該部における加
熱効率が悪くなる。また、L/Dを小さくし過ぎると成
形品が多孔質体内壁面で擦られるため、成形品に傷が生
ずる。よって、L/Dは1.1〜1.5、好ましくは
1.1〜1.3の範囲とするのが好ましい。
あるが、図4を例にとると、押出物の剪断速度とともに
増大し、賦型ゾーンの流路長(L) とその径(D) との比L
/Dが大きいほど小さくなる。フローテスターで種々の
剪断速度、L/Dをもつものについてバラス効果を測定
した。結果は図5に示した通りで、およそ1.5倍であ
った。そのため、上記実施例の装置でも多孔質体(45)の
開口径と賦型金型(42)の出口径とを1.5倍程度すれば
良いと考えられる。しかし、実際の押出流動状態はフロ
ーテスターと異なり、引取り機による樹脂の押出方向へ
の伸びや、潤滑剤の粘性に樹脂が流れ方向へ引きずられ
るために、実際の膨脹量は測定値より若干低いと言え
る。また、L/Dが1.5倍を超えると、多孔質体(45)
と架橋性樹脂材料との隙間が大きすぎて該部における加
熱効率が悪くなる。また、L/Dを小さくし過ぎると成
形品が多孔質体内壁面で擦られるため、成形品に傷が生
ずる。よって、L/Dは1.1〜1.5、好ましくは
1.1〜1.3の範囲とするのが好ましい。
【0048】<実施例6>図2の押出成形品の製造装置
を用いた製造方法の一例を示すと、押出機(31)の内径を
φ50mmとする一方、賦型金型の出口(32a) 径をφ1
0mmとし、多孔質体(35)の開口径(R) を13mmとし
た。次に、低密度ポリエチレン(住友化学社製、商品
名;高圧法ポリエチレンG201)100重量部に架橋
剤(ジクミルパーオキサイド)を1.0重量部を配合し
た樹脂材料を約5kg/hの押出量で押出した。押出さ
れた架橋性材料は賦型金型(32)でロッド形状に賦型され
た後、液状の潤滑剤を供給する多孔質体(35)を通過す
る。このとき上記賦型金型の樹脂温度は125℃であっ
た。
を用いた製造方法の一例を示すと、押出機(31)の内径を
φ50mmとする一方、賦型金型の出口(32a) 径をφ1
0mmとし、多孔質体(35)の開口径(R) を13mmとし
た。次に、低密度ポリエチレン(住友化学社製、商品
名;高圧法ポリエチレンG201)100重量部に架橋
剤(ジクミルパーオキサイド)を1.0重量部を配合し
た樹脂材料を約5kg/hの押出量で押出した。押出さ
れた架橋性材料は賦型金型(32)でロッド形状に賦型され
た後、液状の潤滑剤を供給する多孔質体(35)を通過す
る。このとき上記賦型金型の樹脂温度は125℃であっ
た。
【0049】潤滑剤としてポリオキシエチレン−プロピ
レン共重合体(ニッサンユニルーブ社製、商品名;50
MB−26X)を5cc/分で供給ポンプを介して潤滑
剤の導入口(37)から供給した。長尺ランド部(34a) では
160℃、3分間加熱され、外部へ押出された。本実施
例で得られた成形品は、直径12.7mm、ゲル分率3
0%の表面平滑な棒状成形体で、吐出変動することな
く、連続的に安定して成形することができた。
レン共重合体(ニッサンユニルーブ社製、商品名;50
MB−26X)を5cc/分で供給ポンプを介して潤滑
剤の導入口(37)から供給した。長尺ランド部(34a) では
160℃、3分間加熱され、外部へ押出された。本実施
例で得られた成形品は、直径12.7mm、ゲル分率3
0%の表面平滑な棒状成形体で、吐出変動することな
く、連続的に安定して成形することができた。
【0050】また、上述した賦型金型の出口(32a) 径と
多孔質体(35)の開口径(R) を同じ10mmにした場合、
成形品は直径9.8mm、ゲル分率33%となった。こ
の他、賦型金型の出口(32a) 径をφ10mm、多孔質体
(35)の開口径(R) を15mmとした場合、成形品は直径
14.7mm、ゲル分率23%となり、架橋効率が若干
悪くなった。
多孔質体(35)の開口径(R) を同じ10mmにした場合、
成形品は直径9.8mm、ゲル分率33%となった。こ
の他、賦型金型の出口(32a) 径をφ10mm、多孔質体
(35)の開口径(R) を15mmとした場合、成形品は直径
14.7mm、ゲル分率23%となり、架橋効率が若干
悪くなった。
【0051】<実施例7>図6は本発明の押出成形装置
の更に他の実施例であって、全体の構成は上記実施例と
同様であって、本実施例では長尺ランド部(74a) におけ
る筒状の多孔質体(75)の開口径(R) を賦型金型(72)の出
口(72a) 径より大きくし、賦型金型(72)と多孔質体(75)
との径の差から生ずる段差部分に補助多孔質体(78)が設
けられている。補助多孔質体(78)は専用の気体の導入口
(79)を有する。
の更に他の実施例であって、全体の構成は上記実施例と
同様であって、本実施例では長尺ランド部(74a) におけ
る筒状の多孔質体(75)の開口径(R) を賦型金型(72)の出
口(72a) 径より大きくし、賦型金型(72)と多孔質体(75)
との径の差から生ずる段差部分に補助多孔質体(78)が設
けられている。補助多孔質体(78)は専用の気体の導入口
(79)を有する。
【0052】<実施例8>図7に見られる押出成形品の
製造装置は、実施例7の製造装置の変形例であって、賦
型金型(82)と長尺ランド部(84a) の筒状の多孔質体(85)
との開口径の差から生ずる段差部分が少ない場合に、補
助多孔質体(88)を長くしたものである。
製造装置は、実施例7の製造装置の変形例であって、賦
型金型(82)と長尺ランド部(84a) の筒状の多孔質体(85)
との開口径の差から生ずる段差部分が少ない場合に、補
助多孔質体(88)を長くしたものである。
【0053】<実施例9>実施例7の製造装置を用いた
製造方法の一例を述べると、押出機(71)の出口径をφ5
0mmとし、賦型金型(72)の出口(72a) 径をφ10m
m、長尺ランド部(74a) の多孔質体(75)の開口径(R) を
φ13mmとした。次に、低密度ポリエチレン(住友化
学社製、商品名;高圧法ポリエチレンG201)100
重量部に架橋剤(ジクミルパーオキサイド)を1.0重
量部を配合した樹脂材料を5kg/hの押出量で押出し
た。また、多孔質体(75)からは窒素ガス供給量を3.0
cm3/cm 2secで架橋性樹脂材料外面全面に供給するととも
に補助多孔質体(78)からは気体供給量を3.0cm3/cm2s
ecで多孔質体(75)の内周面へ供給した。長尺ランド部(7
4a) では160℃、3分間で加熱を行ない、樹脂を外部
へ押出した。本実施例による棒状成形品は、直径12.
7mmであり、長尺ランド部(74a) の多孔質体(75)への
樹脂の付着もなく、成形がスムーズであった。
製造方法の一例を述べると、押出機(71)の出口径をφ5
0mmとし、賦型金型(72)の出口(72a) 径をφ10m
m、長尺ランド部(74a) の多孔質体(75)の開口径(R) を
φ13mmとした。次に、低密度ポリエチレン(住友化
学社製、商品名;高圧法ポリエチレンG201)100
重量部に架橋剤(ジクミルパーオキサイド)を1.0重
量部を配合した樹脂材料を5kg/hの押出量で押出し
た。また、多孔質体(75)からは窒素ガス供給量を3.0
cm3/cm 2secで架橋性樹脂材料外面全面に供給するととも
に補助多孔質体(78)からは気体供給量を3.0cm3/cm2s
ecで多孔質体(75)の内周面へ供給した。長尺ランド部(7
4a) では160℃、3分間で加熱を行ない、樹脂を外部
へ押出した。本実施例による棒状成形品は、直径12.
7mmであり、長尺ランド部(74a) の多孔質体(75)への
樹脂の付着もなく、成形がスムーズであった。
【0054】<実施例10>長尺ランド部(74a) の多孔
質体(75)の窒素ガス供給量を3.0cm3/cm2secとし、他
の条件を上記実施例9と同様にして成形を行った。
質体(75)の窒素ガス供給量を3.0cm3/cm2secとし、他
の条件を上記実施例9と同様にして成形を行った。
【0055】上記実施例9より押出成形時の樹脂の振動
が更に減少し、かつ多孔質体(75)への樹脂の付着もなか
った。
が更に減少し、かつ多孔質体(75)への樹脂の付着もなか
った。
【0056】<実施例11>図8は本発明の押出成形装
置の更に他の実施例であって、全体の構成は上記実施例
と同様であって、押出機(91)、賦型金型(92)、2段に分
割された長尺ランド部(94a)、(94b) を有するダイ(94)、
矩形状の多孔質体(95a)、(95b) を備えている。そして、
長尺ランド部(94a)、(94b) 下面には気体(潤滑剤)の導
入部(97a)、(97b) を設けられ、溜り部(96a)、(96b) と連
通している。
置の更に他の実施例であって、全体の構成は上記実施例
と同様であって、押出機(91)、賦型金型(92)、2段に分
割された長尺ランド部(94a)、(94b) を有するダイ(94)、
矩形状の多孔質体(95a)、(95b) を備えている。そして、
長尺ランド部(94a)、(94b) 下面には気体(潤滑剤)の導
入部(97a)、(97b) を設けられ、溜り部(96a)、(96b) と連
通している。
【0057】<実施例12>実施例11の製造装置を用
いた製造方法の一例を述べると、押出機(91)の内径をφ
50mmとする一方、賦型金型の出口(92a) の幅200
mm、厚さ5mmとし、2段に分割された長尺ランド部
の第1のチャンバー(94a) の長さを100mm、第2の
チャンバー(94b) の長さを600mm、多孔質体(95a)、
(95b) の開口部を幅220mm、厚さ7mmとした。次
に、低密度ポリエチレン(住友化学社製、商品名;高圧
法ポリエチレンG201)100重量部に架橋剤(ジク
ミルパーオキサイド)を1.0重量部を配合した樹脂材
料を約5kg/hの押出量で押出した。また、第1のチ
ャンバーへは多孔質体(95a) から窒素ガス供給量を40
cm3/cm2secで、第2のチャンバーへは多孔質体(95b) か
ら窒素ガス供給量を7cm 3/cm2secで架橋性樹脂材料外面
全面に供給した。このとき押出機(91)出口に接続された
賦型金型(92)の樹脂温度は125℃を示した。押出され
た架橋性材料は賦型金型(92)でロッド形状に賦型された
後、気体の潤滑剤を供給する多孔質体(95)を通過した。
長尺ランド部(94a)、(94b) では150℃、5分間で加熱
を行ない、樹脂を外部へ押出し得られた成形体は幅18
0mm、厚み60mm、ゲル分率45%の表面性の良好
な成形品であった。
いた製造方法の一例を述べると、押出機(91)の内径をφ
50mmとする一方、賦型金型の出口(92a) の幅200
mm、厚さ5mmとし、2段に分割された長尺ランド部
の第1のチャンバー(94a) の長さを100mm、第2の
チャンバー(94b) の長さを600mm、多孔質体(95a)、
(95b) の開口部を幅220mm、厚さ7mmとした。次
に、低密度ポリエチレン(住友化学社製、商品名;高圧
法ポリエチレンG201)100重量部に架橋剤(ジク
ミルパーオキサイド)を1.0重量部を配合した樹脂材
料を約5kg/hの押出量で押出した。また、第1のチ
ャンバーへは多孔質体(95a) から窒素ガス供給量を40
cm3/cm2secで、第2のチャンバーへは多孔質体(95b) か
ら窒素ガス供給量を7cm 3/cm2secで架橋性樹脂材料外面
全面に供給した。このとき押出機(91)出口に接続された
賦型金型(92)の樹脂温度は125℃を示した。押出され
た架橋性材料は賦型金型(92)でロッド形状に賦型された
後、気体の潤滑剤を供給する多孔質体(95)を通過した。
長尺ランド部(94a)、(94b) では150℃、5分間で加熱
を行ない、樹脂を外部へ押出し得られた成形体は幅18
0mm、厚み60mm、ゲル分率45%の表面性の良好
な成形品であった。
【0058】<比較例2>第1のチャンバーへは多孔質
体(95a) から窒素ガス供給量を7cm3/cm2secで架橋性樹
脂材料外面全面に供給した以外は上記実施例12と同様
にした。第1チャンバーと賦型ダイとの接続部付近に樹
脂が付着し、押出機内で架橋した樹脂が詰まり、押出成
形ができなくなった。
体(95a) から窒素ガス供給量を7cm3/cm2secで架橋性樹
脂材料外面全面に供給した以外は上記実施例12と同様
にした。第1チャンバーと賦型ダイとの接続部付近に樹
脂が付着し、押出機内で架橋した樹脂が詰まり、押出成
形ができなくなった。
【0059】
【発明の効果】本発明によれば、押出機から押出された
架橋性樹脂材料はダイ装置の長尺ランド部内で、多孔質
体を介して架橋性樹脂材料の全周にわたって潤滑剤が均
一に供給される。そのため、スリットから潤滑剤を供給
する従来の場合のような金型セット時に生じるスリット
の対向面の平行度のズレという問題はまったく解消さ
れ、潤滑剤の偏流をなくすことができる。
架橋性樹脂材料はダイ装置の長尺ランド部内で、多孔質
体を介して架橋性樹脂材料の全周にわたって潤滑剤が均
一に供給される。そのため、スリットから潤滑剤を供給
する従来の場合のような金型セット時に生じるスリット
の対向面の平行度のズレという問題はまったく解消さ
れ、潤滑剤の偏流をなくすことができる。
【0060】また、本発明では多孔質体の入口側に補助
多孔質体を設けることで、更に架橋性樹脂材料の外周面
における潤滑膜の形成が促進され、表面に傷などがない
押出成形品の成形がより確実に行える。更に、上記長尺
ランド部を少なくとも2段のチャンバーに分割し、通過
する架橋性樹脂材料の全周にわたって多孔質体を介し
て、架橋性樹脂材料の入口に近いチャンバーに、他のチ
ャンバーより多量の潤滑剤を供給することにより、押出
初期に発生する樹脂の金型面への付着を防止することが
でき、シート状の成形品でも安定して成形できる。
多孔質体を設けることで、更に架橋性樹脂材料の外周面
における潤滑膜の形成が促進され、表面に傷などがない
押出成形品の成形がより確実に行える。更に、上記長尺
ランド部を少なくとも2段のチャンバーに分割し、通過
する架橋性樹脂材料の全周にわたって多孔質体を介し
て、架橋性樹脂材料の入口に近いチャンバーに、他のチ
ャンバーより多量の潤滑剤を供給することにより、押出
初期に発生する樹脂の金型面への付着を防止することが
でき、シート状の成形品でも安定して成形できる。
【0061】更に、上記各多孔質体の気孔径や気孔率を
調整することで、押出成形条件にそれぞれ対応して潤滑
剤を任意の条件で供給することができる。
調整することで、押出成形条件にそれぞれ対応して潤滑
剤を任意の条件で供給することができる。
【0062】また、本発明の押出成形装置では、多孔質
体の開口面積を賦型金型の出口面積より一定範囲で広く
とることで、賦型金型から押出された架橋性樹脂材料が
膨脹しても多孔質体の内面で擦られて傷が付くおそれも
ない他、潤滑膜の形成が安定化する。この他、上述のよ
うに多孔質体の開口面積を賦型金型の出口面積より一定
範囲で広くとることで、該部に生ずる段差位置、すなわ
ち、賦型金型の出口部分に補助多孔質体を配置すること
が容易になる。
体の開口面積を賦型金型の出口面積より一定範囲で広く
とることで、賦型金型から押出された架橋性樹脂材料が
膨脹しても多孔質体の内面で擦られて傷が付くおそれも
ない他、潤滑膜の形成が安定化する。この他、上述のよ
うに多孔質体の開口面積を賦型金型の出口面積より一定
範囲で広くとることで、該部に生ずる段差位置、すなわ
ち、賦型金型の出口部分に補助多孔質体を配置すること
が容易になる。
【図1】本発明の押出成形装置の一実施例を示す縦断面
図。
図。
【図2】本発明の押出成形装置の他の実施例を示す縦断
面図。
面図。
【図3】本発明の押出成形装置の他の実施例を示す縦断
面図。
面図。
【図4】架橋性樹脂材料の膨脹状態を示す拡大断面図。
【図5】フローテスターによるバラス効果を測定したグ
ラフ。
ラフ。
【図6】本発明の押出成形装置の更に他の実施例を示す
縦断面図。
縦断面図。
【図7】本発明の押出成形装置の更に他の実施例を示す
縦断面図。
縦断面図。
【図8】本発明の押出成形装置の更に他の実施例を示す
縦断面図。
縦断面図。
【図9】押出成形装置の従来例を示す縦断面図。
21、31、41、71、81、91 押出機 22、32、42、72、82、92 賦型金型 24、34、44、74、84、94 ダイ装置 24a、34a、54a、74a、84a、94a、9
4b 長尺ランド部 25、35、45、75、85、94a、94b 多孔
質体 26、36、46、96a、96b 潤滑剤溜り部 27、37、47、79、87、97a、97b 潤滑
剤導入部
4b 長尺ランド部 25、35、45、75、85、94a、94b 多孔
質体 26、36、46、96a、96b 潤滑剤溜り部 27、37、47、79、87、97a、97b 潤滑
剤導入部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭50−83779(JP,A) 特開 昭59−164110(JP,A) 特開 昭50−83781(JP,A) 特開 昭62−211123(JP,A) 特開 平1−202419(JP,A) 特開 昭50−96889(JP,A) 特開 平6−23822(JP,A) 実開 平4−89318(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 47/00 - 47/96
Claims (7)
- 【請求項1】 賦型金型からダイ装置の長尺ランド部へ
架橋性樹脂材料を押出す押出成形品の製造方法におい
て、長尺ランド部内を通過する架橋性樹脂材料の全周に
わたって多孔質体を介して潤滑剤を供給しながら架橋性
樹脂材料を押出成形することを特徴とする押出成形品の
製造方法。 - 【請求項2】 多孔質体内部への架橋性樹脂材料の入口
から補助多孔質体を介して多孔質体の内周面へ補助潤滑
剤を供給することを特徴とする請求項1記載の押出成形
品の製造方法。 - 【請求項3】 少なくとも2段のチャンバーに分割され
た長尺ランド部を通過する架橋性樹脂材料の全周にわた
って多孔質体を介して、架橋性樹脂材料の入口に近いチ
ャンバーに、他のチャンバーより多量の潤滑剤を供給し
ながら架橋性樹脂材料を押出成形するすることを特徴と
する請求項1又は2記載の押出成形品の製造方法。 - 【請求項4】 架橋性樹脂材料の押出機と、押出機の出
口側に設けられた賦型金型と、賦型金型の出口側に設け
られ、長尺ランド部を有するダイ装置とを備えてなり、
更に長尺ランド部内に多孔質体が同心状に設けられると
共に多孔質体の外側の通路部分を潤滑剤の溜り部とし、
該溜り部が長尺ランド部に形成された潤滑剤導入口と連
通するすることを特徴とする押出成形品の製造装置。 - 【請求項5】 多孔質体が10〜40%の気孔率および
0.1〜10μmの気孔径を有することを特徴とする請
求項4記載の押出成形品の製造装置。 - 【請求項6】 多孔質体が架橋性樹脂材料材料を賦型す
る賦型金型の出口面積の1.2〜2.0倍の出口面積を
有することを特徴とする請求項4又は5記載の押出成形
品の製造装置。 - 【請求項7】 少なくとも2段のチャンバーに分割され
た長尺ランド部を有することを特徴とする請求項4〜6
記載のうちいずれか1項記載の押出成形品の製造装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24928692A JP3212377B2 (ja) | 1991-12-03 | 1992-09-18 | 押出成形品の製造方法及び製造装置 |
Applications Claiming Priority (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31922891 | 1991-12-03 | ||
JP3-319228 | 1992-06-04 | ||
JP4-144265 | 1992-06-04 | ||
JP14426592 | 1992-06-04 | ||
JP24928692A JP3212377B2 (ja) | 1991-12-03 | 1992-09-18 | 押出成形品の製造方法及び製造装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0647798A JPH0647798A (ja) | 1994-02-22 |
JP3212377B2 true JP3212377B2 (ja) | 2001-09-25 |
Family
ID=27318795
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24928692A Expired - Fee Related JP3212377B2 (ja) | 1991-12-03 | 1992-09-18 | 押出成形品の製造方法及び製造装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3212377B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2831323B2 (ja) * | 1996-03-26 | 1998-12-02 | 伊藤忠プラマック株式会社 | 塑性粘着物の搬送装置 |
GB9927950D0 (en) * | 1999-11-27 | 2000-01-26 | Knight David P | Apparatus and method for forming materials |
-
1992
- 1992-09-18 JP JP24928692A patent/JP3212377B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0647798A (ja) | 1994-02-22 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |