JP3205449B2 - レーザー溶接用フィラワイヤ - Google Patents
レーザー溶接用フィラワイヤInfo
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Description
用いて溶接するためのレーザー溶接用フィラワイヤに係
わるもので、特に良好なビード形状、加工成形性及び健
全な溶接部が得られるフィラワイヤに関するものであ
る。
つとして知られており、レーザーの発振器によって作ら
れた波長と位相の揃った(コヒーレントな)光をレンズ
やミラーで細く絞って被溶接材に照射し、この光を被溶
接材に吸収させることにより加熱・溶融して接合する方
法である。この溶接法の特徴は、溶接アークの千倍以上
の高エネルギー密度で大気中で減衰せず、サブミリの微
細性及び光学系によってビームを自由に操作できる高制
御性にある。このため高速溶接ができ、薄板の突合わせ
溶接や重ね溶接に利用しており、溶接に用いられるレー
ザーは、気体レーザーであるCO2 レーザーと固体レー
ザーであるYAGレーザーがある。さらに、電子ビーム
溶接のように真空加工室を必要としないため、コストパ
フォーマンスの上昇とともにレーザー溶接が普及しつつ
ある。
は、溶加材を用いずに溶接する方法と、溶加材として比
較的中炭素量でSiやMnを含有するソリッドワイヤを
用いる方法が採用されていた。一般にレーザー溶接に用
いられる継手は特別な開先加工を施さないI形突合わせ
継手が多いが、前者のように溶加材を用いない場合は、
母材の目違い、ギャップに対する許容度が小さく、また
ブローホールやピットが出易いという問題があった。
は、レーザー溶接では冷却速度が速いため、溶接金属の
硬さが高くなりすぎ母材との硬度差が大きく、溶接継手
として問題が多かった。また、例えば亜鉛メッキ鋼板の
ような表面処理鋼板を溶接する場合、溶接部にピット、
ブローホールが多発するという問題があった。
えば、鋼ワイヤをフィラワイヤとして用いる特開平3−
221280号公報及び特開平5−185280号公報
記載の技術や、フラックス入りワイヤをフィラワイヤと
して用いた特開平3−230880号公報に記載されて
いる技術がある。これらの技術はレーザー溶接時に溶加
材を用い、母材の目違いやギャップに対する許容範囲を
拡大し、一部ワイヤの成分を限定し母材と溶接金属の硬
度差を比較的小さくし靱性の向上を図り、また亜鉛メッ
キ鋼板の溶接時に発生するピットやブローホールを低減
したものが提案されている。しかし、レーザー溶接にワ
イヤを用いる場合、実用にあたっては必ずしも良好なビ
ード形状及び加工成形性が得られない。
するものであって、重量%で(以下同じ)、C:0.0
5〜0.15%、Si:0.30〜1.50%、Mn:
0.90〜2.20%、Ti:0.05〜0.40%、
P:0.02〜0.08%、S:0.01〜0.06%
を含有し、残部がFe及び不可避的不純物からなること
を特徴とするレーザー溶接用フィラワイヤである。
ィラワイヤを用いるレーザー溶接において、健全な溶接
部を得ることのできるフィラワイヤについて多くの実験
と検討を重ねてきた結果、ここに本発明をなしえたもの
である。以下に本発明について詳細に説明する。
定理由について説明する。Cは強度確保や、組織の安定
化等の効果を示すが、0.15%超ではレーザー溶接時
の冷却速度が速いため溶接金属の硬化を促進し、耐高温
割れ性や溶接後の加工性を劣化させるため上限を0.1
5%とした。また、0.05%未満では溶接金属の微細
化等の組織の安定化が得られないため下限を0.05%
とした。
材には目的によってそれぞれ適量添加されている。レー
ザー溶接のフィラワイヤに添加されたSiは溶融金属中
で脱酸剤として作用し清浄な溶接部を得るほか、ブロー
ホールの発生を抑える効果がある。更に、溶融金属の粘
性を調整しビード形状を良好にする。しかし、SiもC
と同様に溶接部の硬化を促進する元素であり、1.50
%超では溶接金属と母材との硬度差が大きくなり加工成
形性が劣化する。したがって上限を1.50%とした。
また0.30%未満では溶接時の脱酸が不十分となりブ
ローホールが発生するとともに、溶接金属の粘性が不足
しビード形状が劣化する。このため下限を0.30%と
する。フィラワイヤのSiの添加量が0.30〜1.5
0%の範囲であれば、広範囲な溶接条件で加工成形性に
優れた溶接金属を得ることができる。
分であり、また、強度向上や微細なミクロ組織を確保
し、靱性を向上する目的で鋼材に広く用いられている。
また、フィラワイヤに添加されたMnは脱酸剤として作
用し清浄な溶接部を得るほか、ブローホールの発生を抑
える効果がある。しかし、MnもSi、Cと同様に溶接
部の硬化を促進する元素であり、2.20%超では溶接
金属と母材との硬度差が大きくなり加工成形性が劣化す
るとともに、脱酸過剰となりピットやブローホールが発
生し易くなるので上限を2.20%とした。また、0.
90%未満では溶接時の脱酸が不十分となりブローホー
ルが発生する。このため下限を0.90%とする。フィ
ラワイヤのMnの添加量が0.90〜2.20%の範囲
であれば、加工成形性に優れた溶接金属を得ることがで
きる。
ピットやブローホールの発生を抑える効果がある。ま
た、酸化物(TiO2 )を作ることにより細粒化の核と
なり微細なミクロ組織を確保し、靱性を向上させる効果
がある。これらの効果を得るためには、0.05%以上
必要である。しかし、0.40%超では固溶Tiが増加
し溶接部の硬化を促進するため溶接金属と母材の硬度差
が大きくなり成形性が劣化する。さらに、酸化物または
窒化物が多くなりすぎて靱性を損なうのでフィラワイヤ
のTiの添加量を0.05〜0.40%の範囲とした。
とされているP、Sの効果を見いだし積極的にレーザー
溶接用フィラワイヤに取り入れたことである。
れ、機械的性質を劣化させるため鋼中にはできるだけ低
く抑える努力がされている。しかし、レーザーの溶接の
フィラワイヤにPが添加されると、溶接時に溶融金属の
粘性を調整し母材との濡れ性を良好にし、平滑な溶接ビ
ードを得ることができる。フィラワイヤ中のPが0.0
2%未満ではビード形状改善効果が十分でなく、フィラ
ワイヤ中のPが0.08%超では溶接金属の脆化が激し
くなる。このためP量は0.02〜0.08%とした。
て鋼材中に含有され、機械的性質の劣化や溶接時の高温
割れを助長するため鋼中にはできるだけ低く抑える努力
がされている。しかし、レーザー溶接のフィラワイヤに
Sが添加されると、溶接時に溶融金属の融点を低下し平
滑な溶接ビードを得ることができるとともに、母材との
濡れ性を良好にし特に止端形状の優れた溶接ビードを得
ることができる。フィラワイヤ中のSが0.01%未満
ではビード形状改善効果が十分でなく、フィラワイヤ中
のSが0.06%超では溶接金属にSの偏析による脆い
組織が析出するとともに高温割れが発生し易くなる。こ
のためS量は0.01〜0.06%とした。
種類(例えば、気体レーザー、固体レーザー等)、ビー
ムモード(例えば、シングルモード、マルチモード、リ
ングモード等)、ビーム径、出力、溶接速度、被溶接材
の材質、その母材表面処理方法、板厚等にも制限される
ことはない。また、フィラワイヤ径に対しても特に制限
はないが、レーザービーム径より小さくする方が望まし
く、フィラワイヤ径は2mm以下が好ましい。
条件としては図1に示したCO2レーザーを用い、出力
は4KW、モードはマルチモードとし、溶接速度は2.
0m/minで行い、表1に示す供試フィラワイヤを用
い送給速度を2.0m/minで試験を実施した。Ar
ガス(流量10リットル/min)をアシストガスとし
て用い、溶接継手は突合わせ継手としギャップは0mm
とした。母材は0.8mm厚のSPCC材(JIS G
3141)を使用し、溶接実験を行い、ビード形状、内
部健全性及び加工成形性を調査した。図1において1は
レーザー発振器、2はトーチ、3はフィラワイヤ、4は
母材、5は溶接ビード、6はアシストガスである。
及びビード高さが一定でビード止端部にアンダカットや
オーバーラップ等の溶接欠陥の無いものを良好とした。
内部健全性は、JIS Z3104(鋼溶接部の放射線
透過試験方法および透過写真の等級分類方法)に準拠し
X線透過試験を行い、判定基準はビード全長をX線透過
試験しブローホールの発生率がビード全長に対し20%
以下を良好(表中記号;○)、20%超を不良(同;
×)とした。また、ブローホール以外に割れ等の溶接欠
陥が観察されたものも全て不良とした。表1に結果を示
す。
取し、母材部と溶接金属について硬さHv(荷重200
g)を調査し、加工成形性の判定として母材と溶接金属
の硬さの差ΔHを求めた。従来よりの知見より硬さの差
ΔH(=溶接金属の硬さ−母材の硬さ)がHv100以
下を良好(表中記号;○)、Hv100超を不良(同;
×)とした。
溶接部のビード形状、内部健全性及び加工成形性すべて
において良好な結果が得られた。これに対し、比較例N
o.11、13、15は加工成形性は良好であるが、N
o.11ではC、P量が本発明範囲未満であり、No.
13はS量が本発明範囲を超えているため割れが発生
し、さらにNo.15はP量が本発明範囲を超えS量が
本発明範囲未満のため、それぞれビード形状及び内部健
全性が不良となった。
状は良好となったが、No.12はSi量が本発明範囲
未満でTi量が本発明範囲を超えているため、No.1
6はC、Mn量が本発明範囲を超えTi量が本発明範囲
未満のため、No.14はC量が本発明範囲を超えMn
量が本発明範囲未満のため内部健全性、加工成形性が不
良となった。比較例No.17はビード形状、内部健全
性が良好となるものの、Si量が本発明範囲を超えてい
るため加工成形性が不良となった。さらに、No.18
では内部健全性及び加工成形性は良好となるものの、
P、Sが本発明範囲未満のためビード形状が不良となっ
た。
てはビード形状が凹型になるとともにブローホールも多
く、内部健全性、加工成形性とも不良となった。
溶接用フィラワイヤによれば、ビード形状、内部健全性
及び加工成形性に優れた溶接継手が得られこの分野での
適用拡大が図れるとともに、コスト低減に大きく寄与で
きるものである。
Claims (1)
- 【請求項1】 重量%で、C:0.05〜0.15%、
Si:0.30〜1.50%、Mn:0.90〜2.2
0%、Ti:0.05〜0.40%、P:0.02〜
0.08%、S:0.01〜0.06%を含有し、残部
がFe及び不可避的不純物からなることを特徴とするレ
ーザー溶接用フィラワイヤ。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP34325893A JP3205449B2 (ja) | 1993-12-17 | 1993-12-17 | レーザー溶接用フィラワイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34325893A JP3205449B2 (ja) | 1993-12-17 | 1993-12-17 | レーザー溶接用フィラワイヤ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07171694A JPH07171694A (ja) | 1995-07-11 |
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ID=18360139
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34325893A Expired - Fee Related JP3205449B2 (ja) | 1993-12-17 | 1993-12-17 | レーザー溶接用フィラワイヤ |
Country Status (1)
Country | Link |
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CN111424210B (zh) * | 2020-03-31 | 2021-07-16 | 江苏省沙钢钢铁研究院有限公司 | 焊丝用热轧盘条及其生产方法 |
-
1993
- 1993-12-17 JP JP34325893A patent/JP3205449B2/ja not_active Expired - Fee Related
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