JP3203120B2 - 基板型半導体式ガスセンサ及びガス検出器 - Google Patents
基板型半導体式ガスセンサ及びガス検出器Info
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Description
成分とする金属酸化物半導体膜層を備え、金属酸化物半
導体膜層に電気的に接続された検出電極を備えて構成さ
れる基板型半導体式ガスセンサ及びこのセンサを備えた
ガス検出器に関する。
サにおいては、感ガス体としての酸化スズを600℃〜
800℃の温度で焼成していた。従って、その平均一次
粒子径は20〜30nmであり、比表面積は7〜20m
2/g程度であった。そして、例えばエタノールや水素
を検知対象ガスとする場合は、その金属酸化物半導体層
の厚みは数十ミクロン程度で製品にはバラツキがあっ
た。
うにセンサを構成すると、センサの長期安定性、湿度依
存性、膜厚依存性、品質算定及び収率等の点で問題があ
った。以下、各特性について個別に説明する。 (1) 長期安定性 従来型センサ(600〜800℃で焼成した酸化スズを
用いたセンサ。以下従来型センサという)は、経時的に
その感度が変化しやすい。この状況を図3に示した。図
3において、点線は従来型センサの経時的な出力変化
(ベース出力、エタノール1ppm、10ppm、10
0ppmに対する出力)を示し、実線は後に説明する本
願センサの経時的な出力変化(ベース出力、エタノール
1ppm、10ppm、100ppmに対する出力)を
示している。図より判るように、従来型のセンサにおい
ては、経時的に出力が増加し、特に検知対象ガスの濃度
が低い場合に、この傾向が強い。この現象が発生する理
由としては、製造時における焼成温度が低いために、長
期間使用中に酸化スズの粒子が成長し、感度が変化する
ものと考えられる。 (2)湿度依存性 従来型センサは、感度の湿度依存性が大きい。この状況
を図4に示した。図4において、点線は従来型センサの
相対湿度に対する感度変化(ベース出力、エタノール1
ppm、10ppmに対する出力)を示し、実線は後に
説明する本願センサの相対湿度に対する感度変化(ベー
ス出力、エタノール1ppm、10ppmに対する出
力)を示している。図より判明するように、従来型のセ
ンサにおいては、相対湿度に対する感度の変化が大き
く、例えば、図示するエタノールに対しては、湿度に関
する補正をおこなわない限り、センサ単独では正確な測
定がおこない難い。 (3) 製品の品質安定と収率 従来型センサにおいては、これを酸化スズの酸化活性の
高い状態で使用する目的から、焼成温度としては600
℃〜800℃の低温が選択され、比表面積を大きくして
いた。しかし比表面積を大きくすると使用中に粒成長に
ともなう比表面積の低下が起こり易くなるため、これを
防ぐために粒成長を抑止する目的で粒成長抑制剤(酸化
セリウムのような高融点化合物)を添加する必要があっ
た。さらに、酸化スズを前記温度で焼成した場合、焼成
温度の少しの違いでも比表面積が大きく変化するため
に、製造工程の管理が難しく、感度のばらつきが生じ易
い等の問題があった。 (4) 膜厚依存性 従来型センサは、感度の膜厚(電極表面から金属酸化物
半導体表面までの厚さをいう)依存性が大きい。この状
況を図5に示した。図5において、点線は従来型センサ
の膜厚に対する感度変化(エタノール100ppm、水
素1000ppmに対する感度)を示し、実線は後に説
明する本願センサの膜厚に対する感度変化(エタノール
100ppm、水素1000ppmに対する感度)を示
している。この図より判るように、従来型のセンサにお
いては、センサ感度の膜厚依存性が大きく(点線が大き
く立ち下がっている)、例えば、図示するエタノール、
水素を対象として検知しようとすると、膜厚を20μm
以下(実際には10μm以下)に調整する必要があり、
これ以上では品質の一定したセンサを得ることが困難で
あった。
サ一般について言えることであるが、このようなガスセ
ンサを使用する対象として、アルコール類、ケトン類、
アルデヒド類等の匂い検知を挙げることができる。ここ
で、このような匂い検知においては、従来、官能試験法
かガスクロなどを用いる機器分析法が主に採用されてい
た。しかし前者は試験方法が煩雑で、少なくとも3名以
上の人手を必要とする、得られる結果の客観性に欠ける
等の問題がある。また後者は設備およびその維持費が高
価である、機器の操作に高度な知識が要求される、測定
に時間がかかる等の問題がある。従って、本願で取り扱
うように、匂いの簡便な評価方法として、匂いのあるガ
スに対する感度を高くした半導体式(匂い)ガスセンサ
を用いる方法も利用されつつある。しかし従来の半導体
式(匂い)ガスセンサでは、センサが検出することので
きるガス濃度の限界(検出下限界濃度)とヒトが匂いを
感じる限界の濃度(検知域値)の間には大きな隔たりが
あり、さらに例えば水素といった無臭気性のガスとの識
別検知をいかにおこなうかが問題となる。従って本発明
の目的は、長期安定性、温湿度依存性、品質安定性、膜
厚依存性の点で優れ、例えば、アルコール類、ケトン
類、アルデヒド類等の匂いを有するガスに対しても、こ
れを、選択性よく検知することができる基板型半導体式
ガスセンサ及びこれを備えたガス検出器を得ることにあ
る。
の本願第1の発明の基板型半導体式ガスセンサの特徴構
成は、酸化スズの平均一次粒子径が35nmから70n
mに形成され、金属酸化物半導体膜層の膜厚を10μm
から50μmに形成されていることにある。そして、こ
のガスセンサを採用するガス検出器の特徴構成として
は、これが、上記の基板型半導体式ガスセンサを備え、
金属酸化物半導体膜層を450℃から550℃に加熱維
持する加熱手段を備えていることにある。一方、上記の
目的を達成するための本願第2の発明の基板型半導体式
ガスセンサの特徴構成は、酸化スズの平均一次粒子径が
35nmから70nmに形成され、金属酸化物半導体膜
層の膜厚が150μm以上に形成されていることにあ
る。そして、このガスセンサを採用するガス検出器の特
徴構成としては、これが、上記の基板型半導体式ガスセ
ンサを備え、金属酸化物半導体膜層を450℃から55
0℃に加熱維持する加熱手段を備えていることにある。
それらの作用・効果は次の通りである。
第1、第2の発明ともに、金属酸化物半導体膜層を形成
する酸化スズの平均一次粒子径が特定の範囲に設定され
る。酸化スズの平均一次粒子径を制御する場合、一つの
方法としては、その焼成温度を制御しておこなうのが最
も一般的である。図2に酸化スズの焼結温度と平均一次
粒子径あるいは比表面積の関係を示した。同図に示すよ
うに、従来型のセンサは、600℃〜800℃で焼成す
ることにより平均一次粒子径が20〜30nmで、比表
面積が20〜8m2/gに設定されており、本願発明の
ものにおいては、1000〜1400℃で焼成すること
により、その平均一次粒子径が35〜70nmで、比表
面積が4.5〜1.8m2/gとなっている。そして、
このようにして形成されるセンサは、後述するように、
その膜厚によって、アルコール類、ケトン類、アルデヒ
ド類等の匂いガスに対して感度を有するものと、水素に
対して感度を有するものとに別れることとなる。この状
況を図5について説明する。図5は、感度の膜厚依存性
を示すものであり、実線が、本願の平均一次粒子径の大
きなセンサ(35〜70nm)を示している。図示する
ように、膜厚が10〜50μm以下の場合は匂いガスを
代表できるエタノールに対して水素に対する選択性を備
えた状態でガスを検知可能であり、膜厚が150μm以
上の場合は、水素が匂いガスを代表できるエタノールに
対して選択性を備えた状態で検知可能されることが判
る。従って、基板型半導体式ガスセンサの酸化スズにお
ける平均一次粒子径とその膜の厚みを適切に選択するこ
とにより、匂いガス、水素を有効に識別検知することが
できる。ここで、上記の説明にあたって、ガス検知状態
に於けるセンサの温度に関しては説明しなかったが(上
記の説明にあたっては良好な感度域で説明している)、
センサ温度に対する各検知対象ガスに対する温度感度状
態を図9に示した。同図において図9(イ)は、本願の
センサにおける感度の温度依存性を示しており、図9
(ロ)は従来型センサの感度の温度依存性を示してい
る。両図の比較から判明するように、本願のセンサにお
いては、感度が比較的高い温度域が450〜550℃に
あり、従来型のそれは、350℃未満である。従って、
本願のガス検出器には、加熱手段が設けられ、センサが
最も高い感度を示す温度域に於けるガス検知をおこなう
ように構成されている。さて、図9(イ)に示すデータ
は、金属酸化物半導体膜層の厚みが、匂いガス検知に適
する10〜50μmのものに関するものであり、この膜
厚を増加していくと、先に説明したように、図5に示す
ような検知対象ガスの交代が発生し、このセンサ温度域
で水素が良好に識別検知されることとなる。
及びガス検出器に関する粒子の平均一次粒子径、膜厚、
センサ温度の作用について説明したが、このような構成
を採用することによる、前記課題の解決結果について説
明する。説明にあたっては、上記と同様に、匂いガスに
関してはエタノールを代表として説明する。 (1)長期安定性 先に説明した図3に示すように、本願のセンサは高温で
焼成されているため、粒子の成長や比表面積の低下が起
こり難く、酸化活性の劣化が僅かであり感度が長期間安
定である。 (2)湿度依存性 先に説明した図4に示すように、本願では酸化スズを高
温で焼成しており比表面積を低下させているために湿度
の影響は少なくなる。また450℃〜550℃の高温で
使用されるため、更に湿度の影響を受けることは少なく
なり湿度依存性は改善される。 (3)製品の品質安定と収率 本願で用いる焼成温度は1000℃以上の高温であるた
め比表面積のばらつきが少ない酸化スズ焼結体を得るこ
とができる。また使用中の粒成長にともなる比表面積の
低下も起こりにくいため粒成長抑制剤などを添加する必
要もなく、製造工程が簡略化され品質の整ったセンサを
収率良く得ることができる。 (4)膜厚の依存性 先に説明した図5に示すように、高温で焼成した酸化ス
ズはその酸化活性は低いが故に、比較的広い膜厚範囲
(10〜50μm)でほぼ似通った感度を有することと
なる。従って、膜厚の管理の幅を広げることができ、膜
厚がこの範囲であれば品質の安定したセンサを得ること
ができる。この膜厚が10〜50μmという範囲は製造
工程の管理上非常に広いものである(10μm以下では
焼結体にキレツが生じ易くなり膜の強度が弱くなる)。
示されている。図示するように、センサ1は、アルミナ
基板2上に酸化スズを主成分とする金属酸化物半導体膜
層3を備えて構成されており、この金属酸化物半導体膜
層3に電気的に接続された検出電極としての白金薄膜電
極4を備えて構成されている。そして、この白金薄膜電
極4に対して、この電極間における抵抗値の変化を検出
するように、検出側回路を組んで、検出手段5が構成さ
れる。この検出側回路は、センサ1と直列に接続される
負荷抵抗RLを備え、この抵抗における電圧出力を得
て、センサ1の抵抗値の変化を求めるものである。さら
に、アルミナ基板2の裏面側に白金薄膜ヒーター6が備
えられ、これにセンサ温度制御装置7が接続されて、加
熱手段が構成されている。この加熱手段は、本願のセン
サ1の動作に適するセンサ温度である450〜550℃
にセンサ(金属酸化物半導体膜層)を加熱維持する。以
上の構成を採用することにより、全体としてガス検出器
100が構成される。
要件を、匂いガスを対象とするセンサと水素ガスを対象
とするものと比較して記載する。 匂いガスセンサ 水素ガスセンサ 酸化スズの平均一次粒子径 35〜70nm 同左 焼成温度 1000〜1400℃ 同左 比表面積 4.5〜1.8m2/g 同左 金属酸化物半導体膜厚 10〜50μm 150μm以上 ガス検知時の作動温度 450〜550℃ 同左
ニア水を滴下して得た水酸化スズの沈澱物を乾燥後、電
気炉で600℃で2時間焼成して酸化スズを得る。これ
を粉砕して微粉末とし、水で練ってペースト状にする。
このペーストを白金薄膜の櫛形電極4とヒーター6を備
えたアルミナ基板2の電極部分に塗布する。これを乾燥
させた後に電気炉(図外)で1000℃〜1400℃の
温度で2時間焼成し酸化スズの厚膜を得て、ガスセンサ
1を得る。
路に組み込まれ、センサの電極端子と直列に接続された
負荷抵抗RLの両端の電圧を測定し、この電圧値からセ
ンサの抵抗値を計算する。感度は清浄な空気中のセンサ
抵抗値(Ra)とガス中でのセンサ抵抗値(Rg)との
比すなわちRa/Rg(抵抗変化率)として定義する。
本願における図5、6、8、9の感度測定は上記の手法
で整理した。さらに図4、7は絶対出力値(mV単位)
を、図3は100ppmエタノールに対する初期出力値
を100とする規格化出力で示した。
のセンサとしては、上記本願センサ(平均一次粒子径5
3nm、センサ温度500℃、膜厚約30μmで代表す
る)と従来型センサ(平均一次粒子径19nm、センサ
温度350℃、膜厚約30μmで代表する)とを比較し
た。経時日数は200日である。同図において、実線は
本願センサの経時的な出力変化(ベース出力、エタノー
ル1ppm、10ppm、100ppmに対する出力)
を示し、点線は従来型センサの経時的な出力変化(ベー
ス出力、エタノール1ppm、10ppm、100pp
mに対する出力)を示した。本願センサは、出力特性が
安定しているのに対して、従来型のセンサは、経時的に
出力が増加し、特に検知対象ガスの濃度が低い場合に、
この傾向が強い。
のセンサとしては、上記本願センサ(平均一次粒子径5
3nm、センサ温度500℃、膜厚約30μmで代表す
る)と従来型センサ(平均一次粒子径19nm、センサ
温度350℃、膜厚約30μmで代表する)とを比較し
た。相対湿度は10から90%まで変化させた。図4に
おいて、実線は本願センサの相対湿度に対する感度変化
(ベース出力、エタノール1ppm、10ppmに対す
る感度)を示し、点線は従来型センサの相対湿度に対す
る感度変化(ベース出力、エタノール1ppm、10p
pmに対する感度)を示している。この図より判明する
ように、本願センサは、湿度の影響を受け難く、従来型
のセンサにおいては、相対湿度に対する感度の変化が大
きい。
のセンサとしては、上記本願センサ(平均一次粒子径5
3nm、センサ温度500℃)と従来型センサ(平均一
次粒子径19nm、センサ温度350℃)とを比較し
た。膜厚は、10μmから300μmまで変化させた。
従来型センサは、感度の膜厚依存性が大きい。即ち、同
図において、実線は本願センサの膜厚に対する感度変化
(エタノール100ppm、水素1000ppmに対す
る感度)を示し、点線は従来型センサの膜厚に対する感
度変化(エタノール100ppm、水素1000ppm
に対する感度)を示している。図より判るように、本願
センサは比較的広い膜厚範囲において感度が安定した領
域が存在するとともに、匂いガスに対する感度が高い膜
厚領域と水素ガスに対する感度が高い領域とが、交代す
る特性を有している。従って、本願センサにおいてはこ
れらのガス間で選択性を得ることができる。一方、従来
型のセンサにおいては、センサ感度の膜厚依存性が大き
く(点線が大きく立ち下がっている)、さらに、匂いガ
スと水素ガスに対する膜厚に対する感度の増減傾向が似
通っている。従って、従来型のものは、膜厚に対する依
存性が大きく、さらに、ガス間の選択性についても得に
くいことがわかる。
に設定した場合におけるセンサ温度450℃,500
℃,550℃それぞれのときのエタノールおよび水素に
対する感度の平均一次粒子径依存性を示した。この場合
に、エタノールの識別性を確認するため、このガスの濃
度を100ppmにさらに、水素ガス濃度を1000p
pmとした。平均一次粒子径は10〜70nmまで変化
させた。図6において、実線はエタノールに対する感度
変化であり、点線は水素に対する感度変化を示してい
る。この図より判明するように、酸化スズの平均一次粒
子径が40nm以上からエタノールに対する感度は急激
に増大する。一方水素に対する感度は平均一次粒子径が
45nm以上から減少するため、平均一次粒子径を制御
することで水素感度を低下させることも可能である。膜
厚を制御すると、先に説明したように、水素感度を挙げ
ることも可能である。さらに、本願センサの平均一次粒
子径を持った酸化スズを有機溶剤ガス用のセンサとして
利用する場合にはその動作温度は450℃〜550℃、
好ましくは500℃であることがわかる。
た本願センサの各種ガスに対する感度特性を示してい
る。このように匂いのあるガス(エタノール、アセト
ン、酢酸エチル、アセトアルデヒド、トリメチルアミ
ン、スチレン、プロピオン酸)に対する感度は非常に高
く、無臭ガス(イソブタン、水素、一酸化炭素、メタ
ン)に対する感度が極めて低い。従って、これらの識別
検知が可能な優良な匂いセンサが得られている。ただ
し、膜厚は10〜50μmに設定されており、ガス検知
時のセンサ温度は、450〜550℃に設定している。
の平均一次粒子径依存性を調べた結果を図8に示した。
ここで、各ガス(エタノール、アセトン、アセトアルデ
ヒド、プロピオン酸、ジエチルエーテル、酢酸エチル)
の濃度は従来検知が難しかった100ppmであり、セ
ンサの膜厚は10〜50μmに、さらにセンサ温度は4
50〜550℃としている。結果、エタノール以外の各
種ガスに対する感度も、平均一次粒子径が35nm〜7
0nmの範囲で高感度となる。従って、このような有機
溶剤ガスと水素など無臭ガスとの選択性を高め、なおか
つ有機溶剤ガスの感度を増加させるためには、酸化スズ
の平均一次粒子径を35nm以上とするのが好ましい。
また平均一次粒子径が70nm以上では酸化スズの一次
粒子が大きすぎるために粒子間の結合が弱まるために焼
結体の強度の面からは平均一次粒子径は70nm以下が
望ましい。さらに、平均一次粒子径を40nm以上とし
ておくと図示する各種ガスに対して感度をより高くする
ことができる。又、50nm近傍(45nm〜55n
m)が感度が最もよい。 (7)センサ温度依存性 図9に、本願のセンサであって、膜厚を10〜50μm
に設定した場合におけるエタノール、アセトン(以上が
匂いを有するガス)、水素、イソブタン、一酸化炭素、
メタン(以上が無臭気ガス)に対する感度のセンサ温度
依存性を示した。この場合に、臭気ガスの識別性を確認
するため、これらのガスの濃度を100ppmにさら
に、無臭ガス濃度を1000ppmとした。センサ温度
は300〜550℃まで変化させた。さらに、図9
(イ)に平均一次粒子径が大きく設定されている本願セ
ンサの結果を、図9(ロ)に従来型センサの結果を示し
ている。図9(イ)からも明らかなように、本願センサ
において感度の良好な温度領域は、図6にも示すように
450〜550℃の温度領域である。そして、この領域
においては、無臭気性のガスに対して充分な識別性を備
えている。一方、従来型のセンサにおいては、その感度
の高い領域は、比較的温度の低い350℃未満の温度領
域である。そして、この領域においては、従来型のセン
サにおいては、無臭気性のガス(特に水素)に対する識
別性が低いことを示している。
て説明する。上記の実施例においては、匂いを有するガ
スとして、エタノール、アセトン、酢酸エチル、アセト
アルデヒド、トリメチルアミン、スチレン、プロピオン
酸、ジエチルエーテルの例を示したが、平均一次粒子径
35〜70nm、膜厚を10〜50μmに設定して構成
されるセンサにおいては、エチルエーテル、硫化水素、
メチルメルカプタンも検知できる。
してはアルミナ基板を採用したが、この基板は電気絶縁
性、耐熱性であって、熱伝導のよいものであればよい。
一方感ガス体部とヒーターをアルミナ基板の別の面に設
けたが、同一面に設けてもよい。上記実施例において
は、感ガス体のガス吸着による抵抗変化を単独に検出す
る構成(又は構造)であるが、この抵抗変化をヒーター
の抵抗と感ガス体の抵抗との合成抵抗の変化として検出
する構成(又は構造)であってもよく、要するに、金属
酸化物半導体のガス吸着による抵抗変化を検出できれ
ば、センサの構造にはとらわれない。上記の実施例にお
いては、感ガス体部を所定の温度域に加熱するのに、ア
ルミナ基板の裏面に白金薄膜ヒーターを備えたが、この
ヒーターを基板と金属酸化物半導体膜層とは別個に、こ
れらの部位を周部より囲んで備えられるヒーターとして
備えてもよい。尚、特許請求の範囲の項に図面との対照
を便利にするために符号を記すが、該記入により本発明
は添付図面の構成に限定されるものではない。
度依存性を示す図
図
図
係を示す図
粒子径の関係を示す図
図
を示す図
る感度とセンサ温度の関係を示す図
Claims (4)
- 【請求項1】 基板(2)上に酸化スズを主成分とする
金属酸化物半導体膜層(3)を備え、前記金属酸化物半
導体膜層(3)に電気的に接続された検出電極(4)を
備えて構成される基板型半導体式ガスセンサであって、
前記酸化スズの平均一次粒子径が35nmから70nm
に形成され、前記金属酸化物半導体膜層(3)の膜厚を
10μmから50μmに形成されている基板型半導体式
ガスセンサ。 - 【請求項2】 請求項1記載の基板型半導体式ガスセン
サを備え、前記金属酸化物半導体膜層(3)を450℃
から550℃に加熱維持する加熱手段(6)(7)を備
えたガス検出器。 - 【請求項3】 基板(2)上に酸化スズを主成分とする
金属酸化物半導体膜層(3)を備え、前記金属酸化物半
導体膜層(3)に電気的に接続された検出電極(4)を
備えて構成される基板型半導体式ガスセンサであって、
前記酸化スズの平均一次粒子径が35nmから70nm
に形成され、前記金属酸化物半導体膜層(3)の膜厚が
150μm以上に形成されている基板型半導体式ガスセ
ンサ。 - 【請求項4】 請求項3記載の基板型半導体式ガスセン
サを備え、前記金属酸化物半導体膜層(3)を450℃
から550℃に加熱維持する加熱手段(6)(7)を備
えたガス検出器。
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Publication number | Publication date |
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JPH07260727A (ja) | 1995-10-13 |
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