JP3199332U - 表皮材固定構造及び表皮材剥がし治具 - Google Patents
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Abstract
【課題】表皮材の固定力が高く、固定するための溝の幅を狭くすることができ、一方の表皮材に対して他方の表皮材を取り外すことが可能な表皮材固定構造及び表皮材剥がし治具を提供する。【解決手段】自動車の座席等の発泡成形体10の一部を覆う第1表皮材20aの端部21aと、発泡成形体の別の部分を覆う第2表皮材20bの端部21bとを、発泡成形体に設けた固定溝30に取り外し可能に固定する。第1表皮材と第2表皮材の端部21a、21b同士は互いに独立して固定溝30から取り外し可能なように非連結状態となっている。固定溝は、互いに向かい合う第1及び第2側面31と、第1及び第2側面の下端間に延びる底面32とを有する。第1及び第2側面には、複数のフック44a、44bを有する面ファスナー41、42が固着される。複数のフックそれぞれは、フック基部とフック基部から底面32に向かって延びるフック頭部とを有する。【選択図】図2
Description
本考案は、表皮材固定構造及び表皮材剥がし治具に関し、更に詳しくは、自動車の座席等に使用される表皮材を取り外し可能に固定するための構造と、この構造によって固定された表皮材を取り外す際に使用する表皮材剥がし治具に関する。
自動車の座席は、一般に、発泡性樹脂から成形したクッション体と、このクッション体の外表面を覆う、合成皮革、天然皮革等からなる外皮材とから基本的に構成される。また、近年、クッション体を色や素材の異なる複数種類の表皮材で覆い、これら表皮材をユーザやディーラ等が取り替えることができる表皮材取り付け仕様が要望されている。これを実現し得る技術として、米国特許第7,482,489号明細書は、クッション体の成形時に、第1凹部と第2凹部を規定するクリップをクッション体に埋め込むと共に、第1及び第2凹部をクッション体の外部に開放するための溝をクッション体に設け、第1表皮材の端部に第1凹部とスナップ嵌めできる取り付け部材を、第2表皮材の端部に第2凹部とスナップ嵌めできる取り付け部材をそれぞれ設ける技術を開示している。
しかしながら、特許文献1の技術では、表皮材の端部をクリップの凹部にスナップ嵌めするものであるため、表皮材の固定力が弱く、表皮材の端部が凹部から簡単に外れる等、信頼性に欠け、また、二つの凹部を開放するための溝の幅が広すぎ、第1表皮材と第2表皮材の接合部がすっきりせず、見苦しいとった問題があった。
本考案は、上記のような問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、表皮材の固定力が高く、固定するための溝の幅を狭くすることができ、少なくとも一方の表皮材を他方の表皮材に対して簡単に取り外すことが可能な表皮材固定構造を提供することにある。
本考案の別の目的は、上記表皮材固定構造で固定した表皮材を取り外すための表皮材剥がし治具を提供することにある。
上記課題を解決するため、本考案の一側面によれば、発泡成形体の一部を覆う第1表皮材の端部と、前記発泡成形体の別の部分を覆う第2表皮材の端部とを、前記発泡成形体に設けた固定溝に取り外し可能に固定するための表皮材固定構造であって、前記第1表皮材と前記第2表皮材の端部同士は互いに独立して固定溝から取り外し可能なように非連結状態となっており、前記固定溝は、互いに向かい合う第1及び第2側面と、第1及び第2側面の下端間に延びる底面とを有し、前記第1及び第2側面には、複数のフックを有する面ファスナーが固着され、前記複数のフックそれぞれは、フック基部とフック基部から前記底面に向かって延びるフック頭部とを有し、前記第1及び第2表皮材それぞれの前記端部には、前記フックと係合可能な複数のループが設けられることを特徴とする表皮材固定構造が提供される。
本考案では、発泡成形体に設けた固定溝の互いに向かい合う第1及び第2側面に、複数のフックを有する面ファスナーを固着し、これら面ファスナーの各フックのフック頭部がフック基部から固定溝の底面に向かって延びるように配向する(本明細書において、フック頭部がフック基部からある方向に延びることを、フックがその方向に開口するともいう。)。他方、第1及び第2表皮材の端部(該端部とは、第1及び第2表皮材における前記固定溝に挿入する部分をいう。)の、前記面ファスナーに対面する面(裏面)に、前記フックと係合可能な複数のループを設ける。これにより、固定溝内の第1及び第2面ファスナーに第1及び第2表皮材の端部は、互いに独立して固定溝から取り外し可能なように非連結状態となり、第1及び第2表皮材の端部をそれぞれ独立に取り外し可能に固定することができる。そのため、第1又は第2表皮材をユーザやディーラ等が取り替えることができるようになる。
本考案において、第1表皮材と第2表皮材とは色、素材、表面形態等が同じものであっても後述するように異なっていてもよい。第1表皮材と第2表皮材が同じであっても、本考案の表皮材固定構造により、第1又は第2表皮材を取り外して洗濯した後、再度取り付けることが容易になったり、第1又は第2表皮材を取り外して、色、素材、表面形態等が異なる別の表皮材に取り替えることが可能となる。
本考案において、面ファスナーの各フックは、フック基部からフック頭部が固定溝の底面に向かって延び、すなわち下方に開放するため、固定溝の上方の開放口から底面に向かって第1及び第2表皮材の端部を挿入する際は、ループはフックと係合することはない。そのため、第1及び第2表皮材の端部の固定溝への挿入は円滑に行われる。しかしながら、一旦、第1及び第2表皮材の端部を固定溝に挿入した後に、第1又は第2表皮材の端部を固定溝から引き抜こうとすると、この場合はループがフックと係合するため、第1又は第2表皮材の端部は固定溝から簡単には外れない。そのため、本考案の表皮材固定構造では表皮材の固定力が高い。
固定溝は、発泡成形体の成形時に形成することができ、固定溝の形成時に面ファスナーを固定溝の左右の側面に固着することができる。発泡成形体に固定溝及び面ファスナーを設ける方法等については、本出願人の出願に係るPCT/JP2014/056754に記載されている。発泡成形体の材料としては、例えば、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリオレフィン、フェノール樹脂、ポリ塩化ビニル、ユリア樹脂、シリコーン、ポリイミド、メラミン樹脂等の発泡性樹脂を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。面ファスナーとしては、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフイン、ポリ塩化ビニル、ポリエステルエラストマー、ポリウレタン等の可撓性樹脂を溶融押出法、射出成形法等で成形した成形面ファスナーを好ましく用いることができるが、これに限定されるものではなく、編織面ファスナー等を用いることもできる。
本考案において、発泡成形体は、自動車、電車等の車両の座席用のクッション体であるが、これに限定されるものではなく、例えば、マッサージチェア等に用いられてもよい。
本考案の一実施形態において、前記固定溝内において前記第1及び第2表皮材それぞれの前記端部が面接触することを特徴とする。この場合、固定溝の幅を狭くすることでき、第1表皮材と第2表皮材の接合部をすっきりした外観にすることができる。
本考案の一実施形態において、前記第1及び第2表皮材それぞれの前記端部の、前記面ファスナーとは反対側の面における前記底面側に取り外し用の複数のループが設けられることを特徴とする。このような取り外し用のループを設けることにより、後述する表皮材剥がし治具(60)による表皮材の取り外しが容易になる。
本考案の一実施形態において、前記第2表皮材は前記第1表皮材と異なるものであることを特徴とする。すなわち、この場合、第1表皮材と第2表皮材は、色、素材、表面形態等が異なる。このように第1及び第2表皮材の色、素材等を異ならしめることにより、座席等のデザインを多様化することができる。
本考案の別の側面によれば、上述した本考案に係る表皮材固定構造によって固定された状態の前記第1及び第2表皮材の少なくとも一方を取り外すための表皮材剥がし治具であって、前記固定溝内の第1表皮材の端部と第2表皮材の端部との間で、固定溝の長手方向に沿ってスライド移動可能である治具基部と、前記固定溝内の第1又は第2表皮材の端部と、この端部のループに係合する前記面ファスナーのフックとの間に挿入可能であるループ剥がし部と、前記治具基部の下端とループ剥がし部の下端とを連結し、ループ剥がし部によって面ファスナーから剥がされた第1又は第2表皮材の端部を固定溝外に案内するガイド部とを備えることを特徴とする表皮材剥がし治具が提供される。かかる治具については図4及び5に基づいて後述する。なお、一つの治具基部の両側に、ループ剥がし部及びガイド部をそれぞれ設けることにより、第1及び第2表皮材の両方を本表皮材剥がし治具により一度で固定溝から取り外すことが可能となる。
本考案の更に別の側面によれば、前記第1及び第2表皮材それぞれの前記端部の、前記面ファスナーとは反対側の面における前記底面側に取り外し用の複数のループを有することを特徴とする本考案に係る表皮材固定構造によって固定された状態の前記第1及び第2表皮材の少なくとも一方を取り外すための表皮材剥がし治具であって、前記固定溝内の第1表皮材の端部と第2表皮材の端部との間に挿入可能である治具基部を備え、前記治具基部は、前記第1及び第2表皮材それぞれの前記端部において前記取り外し用のループが設けられている領域に対応可能であるフック配置領域を有し、前記フック配置領域には、前記治具基部の挿入端側に少なくとも一つの第1治具フックが設けられると共に、前記第1治具フックよりも前記治具基部の挿入端から離れた側に少なくとも一つの第2治具フックが設けられ、前記第1治具フックは、フック基部と、フック基部から治具挿入方向の反対側に向かって延びるフック頭部とを有し、前記第2治具フックは、フック基部と、フック基部から治具挿入方向に延びるフック頭部とを有することを特徴とする表皮材剥がし治具が提供される。かかる治具については図6〜10に基づいて後述する。
本考案に係る表皮材固定構造では、発泡成形体の固定溝の互いに向かい合う第1及び第2側面に、固定溝の底面側に開口する複数のフックを有する面ファスナーを固着し、他方、第1及び第2表皮材の端部に前記フックと係合可能な複数のループを設けたことにより、第1及び第2表皮材の端部を固定溝に挿入する際は、ループがフックと係合せず、挿入が円滑に行われる一方、一旦、第1及び第2表皮材の端部を固定溝に挿入した後に、第1又は第2表皮材の端部を固定溝から引き抜こうとする場合、ループがフックと係合するため、第1又は第2表皮材の端部は固定溝から簡単には外れない。そのため、本考案の表皮材固定構造では表皮材の固定力が高い。また、第1表皮材と第2表皮材はそれぞれ連結糸などで連結されておらず、それぞれ独立して固定溝から取り出すことができるので、例えば一方の表被材を残したまま他方の表皮材を交換したいときなどは簡単にその作業を行うことができる。さらに、固定溝内で第1表皮材の端部と第2表皮材の端部とが面接触するように設計することにより、固定溝の幅を狭くすることができ、この場合、第1表皮材と第2表皮材の接合部がすっきりした外観となる。
以下、本考案の実施形態を図面を参照しつつ説明するが、本考案はそのような実施形態に限定されるものではなく、実用新案登録請求の範囲及び均等の範囲内で適宜変更等が可能である。図1は、本考案の一実施形態に係る表皮材固定構造が適用される発泡成形体の一例である自動車用の座席1を示す斜視図である。座席1は、座部2と、座部2に対し角度調節ができる背もたれ部3と、背もたれ部3の上部に取り付けられた頭支え部4とを備える。座部2、背もたれ部3及び頭支え部4はいずれも、発泡性樹脂から成形された発泡成形体であるクッション体10(図2等に部分的に示される)の外表面に後述する表皮材20a、20bを被覆してなる。表皮材20a、20bは、例えば、天然皮革、合成皮革、人造皮革、ビニール等からなるが、これらに限定するものではない。以下に詳述するように、座部2及び背もたれ部3のクッション体10は、2種類の表皮材、すなわち、第1表皮材20aと、第1表皮材20aとは色、素材、表面形態等が異なる第2表皮材20bとにより覆われている。本実施形態では、一例として、第1表皮材20aを赤色、第2表皮材20bを黒色のものとするが、これに限定されるものではない。また、座部2及び背もたれ部3において、第1及び第2表皮材20a、20bは連結糸やその他接着剤などの固定手段によって固定されておらず、それぞれが単独で取り外し可能にクッション体10に固定される。これにより、例えば、赤い第1表皮材20aを取り外して洗濯した後、再度取り付けたり、新品の同じ赤い第1表皮材20aもしくは別の色等の別の表皮材に取り替えることが可能となる。なお、赤い第1表皮材20aのみを取り外し可能にすることも可能である。本実施形態において、頭支え部4のクッション体10は、黒の第2表皮材のみで覆われているが、頭支え部4に本考案の表皮材固定構造を適用して、複数種類の表皮材で覆うようにしてもよい。
以下、図1について、前方は座席1に座ったユーザが見るフロント側をいい、後方は前方とは逆のリア側をいう。また、左右は、説明の便宜のため、座席1に座ったユーザから見た左右とは逆をいうものとする。図1に例示する座席1の座部2のクッション体10は、表皮材20a、20bにより覆われる外表面として、上面5と、前方から湾曲しつつ左右へと延びる側面6とを有する。上面5は、ユーザが実質的に座る領域であって、上面5の前後方向全域にわたる、ほぼ矩形の主領域5aと、主領域5aの左右両脇の脇領域5bとに分けられる。本実施形態では、一例として、上面5における主領域5aを赤い第1表皮材20aが覆っており、かつ、上面5の左右の脇領域5b及び側面6を一体の第2表皮材20bが覆っているものとする。そのため、座部2において、第1表皮材20aと第2表皮材20bは、主領域5aと左右の脇領域5bそれぞれとの境界5cで隣接する他、主領域5aの前端と側面6との境界5dでも接する。本実施形態では、以下に述べるように、本考案の表皮材固定構造を境界5cにのみ適用し、ここで第1及び第2表皮材20a、20bの隣接部を固定するが、境界5dにも適用することができる。
座部2のクッション体10の上面5における主領域5aと左右の脇領域5bそれぞれとの境界5cには、クッション体10の発泡成形時に固定溝30が境界5cの全域に沿ってそれぞれ形成される。各固定溝30は、座部20の上面5の前端から後端へと直線状に延びる。なお、本考案の表皮材固定構造は、直線状の固定溝30のみならず湾曲状の固定溝(図示せず)にも適用可能である。第1及び第2表皮材20a、20bは、固定溝30に対応する端部が固定溝30内に挿入され、詳しくは後述するが、固定溝30に取り付けた面ファスナー40により取り外し可能に固定される。これにより、第1及び第2表皮材20a、20bは、座部2の上面5の左右の固定溝30それぞれで接合される。本実施形態において、第1及び第2表皮材20a、20bの固定溝30に対応する端部以外の端部、例えば、第1表皮材20aの前後端等は、周知の固定手段、例えば、スナップボタン、固定溝30を用いない面ファスナー、バックル、フック等によってクッション体10等に取り外し可能に固定される。以上は座席1の座部2について説明したが、背もたれ部3のクッション体10においても、第1及び第2表皮材20a、20bの隣接部を固定するための固定溝30が左右に上下方向に沿って設けられている。これら固定溝30は、背もたれ部3の下端から上方へと上下方向全長の約2/3程度延びている。この背もたれ部3における固定溝30での第1及び第2表皮材20a、20bの固定は、座部2での固定と実質上同じであるため、以下、座部2についてのみ説明し、背もたれ部3については説明を省略する。
図2は、図1のA−A線に沿う右方の固定溝30の矢視断面部分説明図であり、固定溝30内に第1表皮材20aの端部21aと第2表皮材20bの端部21bとがそれぞれ固定された状態を示す。図3は、固定溝30内に第2表示材20bの端部21bのみが存在している状態を示す図2と同様の説明図である。なお、本考案の説明において、第1表皮材20aにおける固定溝30に挿入する部分を、第1表皮材20aの端部21aと呼び、第2表皮材20bにおける固定溝30に挿入する部分を、第2表皮材20bの端部21bと呼ぶ。固定溝30は、上方に開放する断面が矩形の溝であり、互いに向かい合う第1及び第2側面としての平行な左右の側面31と、これら側面31の下端間を連結する底面32とを有する。固定溝30は、発泡性樹脂からクッション体10を成形する際に形成される。
面ファスナー40は、固定溝30の左方の側面31に対応する第1面ファスナー41と、右方の側面31に対応する第2面ファスナー42と、第1及び第2面ファスナー41、42の各下端間を連結する、固定溝30の底面32に対応する連結部43とを一体に備える。第1面ファスナー41は、第1基部41aと、第1基部41aから第2面ファスナー42側に突出する多数の第1フック44aとを含む。第1フック44aは、図11に拡大して示すように、第1基部41aから延びるフック基部44cと、フック基部44cから
固定溝30の底面32に向かって延びるフック頭部44dとを有する。そのため、各第1フック44aは、下方に開口するように配向されていると言える。なお、後述する第1フック44a以外のフックである第2フック44a、第1及び第2治具フック63a、63bも図11に示すフック基部44cとフック頭部44dを有するが、これらフック44a、63a、63bのフック頭部44dが延びる方向がそれぞれに設定される。第2面ファスナー42も同様に、第2基部42aと、第2基部42aから第1面ファスナー41側に突出する多数の第2フック44bとを含む。第2フック44bは第1フック44aと同じものであり、フック頭部が底面32にのみ向かって延び、下方に開口する。このような面ファスナー40は、例えば、次のようにしてクッション体10の成形時に固定溝30を形成するために使用することができる。すなわち、座部2のクッション体10を発泡成形する際、成形型のキャビティの、座部2の上面5に対応する面上の所定位置(境界5cに対応する位置)で面ファスナー40を、第1及び第2基部42a、42bが互いに平行となるように保持した後、キャビティに発泡性樹脂を充填する。これにより、面ファスナー40が一体的に固着された状態の固定溝30が面ファスナー40の外部に形成される。なお、この発泡成形時において、固定溝30の長手方向に沿って複数の面ファスナー40を使用することができる。これにより、固定溝30が直線状ではなく湾曲していても面ファスナー40を柔軟に対応させることが可能となる。以上のように発泡成形時に面ファスナー40を使用して固定溝30を形成することにより、固定溝30に固着された面ファスナー40を得る方法については、本出願人の出願に係るPCT/JP2014/056754に記載されている。第1及び第2フック44a、44bは上下の壁49間に設けられ、第1及び第2フック44a、44bの突出高さは、本例において壁49と同じに設定される。なお、第1及び第2フック44a、44bの突出高さは、壁49よりも低くてもよい。このような上下の壁49は前後にも適宜設けることができる。面ファスナー40は、固定溝30の長手方向(前後方向)の全長にわたって設けられる。
固定溝30の底面32に向かって延びるフック頭部44dとを有する。そのため、各第1フック44aは、下方に開口するように配向されていると言える。なお、後述する第1フック44a以外のフックである第2フック44a、第1及び第2治具フック63a、63bも図11に示すフック基部44cとフック頭部44dを有するが、これらフック44a、63a、63bのフック頭部44dが延びる方向がそれぞれに設定される。第2面ファスナー42も同様に、第2基部42aと、第2基部42aから第1面ファスナー41側に突出する多数の第2フック44bとを含む。第2フック44bは第1フック44aと同じものであり、フック頭部が底面32にのみ向かって延び、下方に開口する。このような面ファスナー40は、例えば、次のようにしてクッション体10の成形時に固定溝30を形成するために使用することができる。すなわち、座部2のクッション体10を発泡成形する際、成形型のキャビティの、座部2の上面5に対応する面上の所定位置(境界5cに対応する位置)で面ファスナー40を、第1及び第2基部42a、42bが互いに平行となるように保持した後、キャビティに発泡性樹脂を充填する。これにより、面ファスナー40が一体的に固着された状態の固定溝30が面ファスナー40の外部に形成される。なお、この発泡成形時において、固定溝30の長手方向に沿って複数の面ファスナー40を使用することができる。これにより、固定溝30が直線状ではなく湾曲していても面ファスナー40を柔軟に対応させることが可能となる。以上のように発泡成形時に面ファスナー40を使用して固定溝30を形成することにより、固定溝30に固着された面ファスナー40を得る方法については、本出願人の出願に係るPCT/JP2014/056754に記載されている。第1及び第2フック44a、44bは上下の壁49間に設けられ、第1及び第2フック44a、44bの突出高さは、本例において壁49と同じに設定される。なお、第1及び第2フック44a、44bの突出高さは、壁49よりも低くてもよい。このような上下の壁49は前後にも適宜設けることができる。面ファスナー40は、固定溝30の長手方向(前後方向)の全長にわたって設けられる。
各表皮材20a、20bは主表面が外部に露呈する表面と、表面とは反対側にあってクッション体10の表面に対向する裏面とを備えている。第1表皮材20aの端部21aの裏面には、第1面ファスナー41の第1フック44aと係合可能な多数の第1ループ45aが次のようにして設けられている。すなわち、多数の第1ループ45aが事前に埋め込まれた基部46aが第1表皮材20aの端部21aの裏面に縫合等により取り付けられる。第2表皮材20bの端部21bの裏面にも、第2フック44bと係合可能な多数の第2ループ45bを有する基部46bが同様に固定されている。図2の例では、第1及び第2ループ45a、45b及び基部46a、46bは、第1及び第2表皮材20a、20bの端部21a、21bの裏面にのみ設けられているが、第1及び第2ループ及び基部は、図7等を参照して後述するように、第1及び第2表皮材20a、20bの端部21a、21bの裏面の末端から表面へと一部折り返される場合もある。
図2は、第1及び第2表皮材20a、20bが固定溝30で固定された状態である。この状態において、第1及び第2表皮材20a、20bの端部21a、21bが固定溝30内に挿入され、それぞれの第1及び第2ループ45a、45bが第1及び第2面ファスナー41a、41bの第1及び第2フック44a、44bにそれぞれ係合している。第1及び第2フック44a、44bはすべて下方に開口しているので、第1及び第2表皮材20a、20bの端部21a、21bを固定溝30に挿入する際は、第1及び第2ループ45a、45bが第1及び第2フック44a、44bに係合することなく、端部21a、21bの末端を底面32付近まで押し込むことができる。その一方、一旦、第1及び第2表皮材20a、20bの端部21a、21bが固定溝30内に挿入された後に(図2参照)、第1又は第2表皮材20a、20bの端部21a、21bを固定溝30から抜き抜こうとしても、第1又は第2ループ45a、45bが第1又は第2フック44a、44bに係合するため、容易には抜けない。そのため、第1又は第2表皮材20a、20bの端部21a、21bを固定溝30から引き抜く場合、後述する表皮材剥がし治具50、60(図4、6等参照)を使用することが便利である。また、図2の固定状態において、第1表皮材20aの端部21aの表面と第2表皮材20bの端部21bの表面とは固定溝30内で互いに面接触している。このように、第1表皮材20aの端部21bの表面と第2表皮材20bの端部21bの表面とが接するように固定溝30を設計することにより、固定溝30の幅(図2の紙面に基づく左右間隔)を極力小さくすることができる。
図3は、固定溝30内に第2表皮材20bの端部21bのみが存在する状態を示す。すなわち、図3の状態は、図2の状態から第1表皮材20aの端部21aを固定溝30から引き抜いた状態か、又は、固定溝30に先に第2表皮材20bの端部21bを固定した状態であって、これから第1表皮材20aの端部21aを挿入する時点を示す。
図4は、図2の固定状態にある第1又は第2表皮材20a、20bの端部21a、21bを固定溝30から引き剥がすための、本考案の一実施形態に係る表皮材剥がし治具(以下、単に「治具」ともいう。)50を示す側面図である。図5は治具50の使用状態を示す断面説明図である。治具50は、ユーザやディーラ等が把持する取手51と、取手51から下方に延び、固定溝30内の第1及び第2表皮材20a、20bの端部21a、21bの表面間に挿入するための板状の治具基部52と、固定溝30内の第1又は第2表皮材20a、20bの端部21a、21bの裏面とこの裏面に対面する第1又は第2面ファスナー41、42との間に挿入するための板状のループ剥がし部53と、治具基部52の下端とループ剥がし部53の下端とを連結する板状のガイド部54とを備える。治具50は、その前方(図4紙面右方)の下端すなわちガイド部54の前端を固定溝30にその長手方向一端から挿入し、固定溝30に沿ってその長手方向他端へと図4の矢印方向にスライド移動させるように使用される。
以下の治具50の説明において、図4の紙面右側(スライド方向)を前方、左側を後方とする。ガイド部54の幅は、固定溝30の第1面ファスナー41の第1フック44aの頂点と第2面ファスナー42の第2フック44bの頂点との間の間隔の約1/2程度の幅を有する。また、ガイド部54は、前半の水平部54aと、水平部54aから後方かつ上方へとなだらかに湾曲して終端する湾曲部54bとを有する。湾曲部54bに繋がる治具基部52及びループ剥がし部53の各下端辺も湾曲部54と同様の形状である。治具基部52は、ガイド部54の前端と同じ前後方向位置にて上下方向に沿う前端辺52aと、前端辺52aの上端から後方へと水平に延び、取手51が接続される水平上端辺52bと、水平上端辺52bの後端からガイド部54の後端へと下方に直線状に傾斜する傾斜上端辺52cとを有する。ループ剥がし部53は、ガイド部54の前端から上方かつ後方へと湾曲した後、ガイド部54の後端へと水平に延びる上端辺53aを有する。ループ剥がし部53の上端辺53aの形状は、ガイド部54の形状とほぼ対称であると言える。治具基部52の最大高さ、すなわち、ガイド部54の水平部54aから治具基部52の水平上端辺52bまでの間隔は、固定溝30の深さ(上下方向長さ)を超えるように設定される。また、ループ剥がし部53の最大高さ、すなわち、ガイド部54の水平部54aとループ剥がし部53の上端辺53aの後半の水平部分との間の上下方向に沿う間隔は、固定溝30の深さ未満に設定される。
次に、図1の座席1の座部2の右側の固定溝30に治具50を適用して第1表皮材20aを引き剥がす例について説明する。この場合、ユーザが治具50の取手51を持ち、ガイド部54の前端を図1右側の固定溝30の長手方向後端に突き合わせる。この際、座席1の背もたれ部3を後方に傾けることが望ましいかもしれない。次いで、ガイド部54の前端を第1表皮材20aの端部21aの末端に潜らせつつ、固定溝30内の第1及び第2表皮材20a、20bの端部21a、21bの表面間に治具基部52を挿入すると共に、固定溝30内の第1表皮材20aの端部21aの裏面と第1面ファスナー41との間にループ剥がし部53を挿入する(図5参照)。この状態を維持したまま、治具50を固定溝30に沿ってその長手方向前端へとスライドさせ、該前端から治具50を固定溝30外に出す。この際、第1面ファスナー41の第1フック44aと第1表皮材20aの端部21aの裏面の第1ループ45aとの間の係合が固定溝30の長手方向後端から前端へと治具50のループ剥がし部53によって連続的に解かれる。更に、第1面ファスナー41から引き離された第1表皮材20aの端部21aは治具50のガイド部54の湾曲部54bによって持ち上げられ、そのまま固定溝30の外部へと案内される。このようにして、第1表示材20aの端部21aが固定溝30から引き剥がされる。なお、以上の説明では、固定溝30内に第1及び第2表皮材20a、20bが固定された状態から治具50により第1表皮材20aを引き剥がす例を挙げたが、例えば、図1右側の固定溝30の長手方向前端から後端へと治具50を適用することにより、第2表皮20bを引き剥がすことができる。また、固定溝30内に第1及び第2表皮材20a、20bの一方のみが存在する場合であっても(図3参照)、治具50を用いて、その一方の表皮材を固定溝30から同様に取り外すことができる。なお、図示はしないが、一つの治具基部52の両側に、ループ剥がし部53及びガイド部54をそれぞれ設けることにより、第1及び第2表皮材20a、20bの両方を該治具により一度で固定溝30から取り外すことが可能となる。
次に、図6〜10に基づき、本考案の第2実施形態に係る表皮材剥がし治具60を説明する。図6は治具60の側面図であり、図7は、固定溝30に挿入直前にある治具60の正面図を示す。治具60は、治具50のように固定溝30に沿ってスライドさせるものではなく、固定溝30の長手方向の一地点において固定溝30に挿入し、次いで同地点で引き抜くように使用するものである。従って、治具60の挿入方向は、固定溝30の上方の開放部から固定溝30の底面32へと向かう方向である。治具60を使用する前提として、固定溝30に固定される第1及び第2表皮材20a、20bの端部21a、21bは、次の点が図2に基づいて上述した端部21a、21bと異なっている。すなわち、第1及び第2表皮材20a、20bの端部21a、21bには、それぞれの裏面に第1及び第2ループ45a、45bが設けられているのみならず、それぞれの表面の端部21a、21bの末端側領域にも取り外し用のループ45c、45dが設けられている。これは、例えば、第1及び第2ループ45a、45bが事前に埋め込まれた第1及び第2基部46a、46bを、第1及び第2表皮材20a、20bの端部21a、21bの裏面の末端から表面へと一部折り返した後、端部21a、21bに縫合等することにより実現される。なお、図7〜10では、治具60の使用状態の説明を分かり易くするため、固定溝30内の第1及び第2表皮材20a、20bの端部21a、21bの表面間が離れているが、実際は、図2と同様に端部21a、21bの表面は面接している。そのため、図7等の固定溝30の幅は図2と実質的に同じである。
図6及び7を参照して、治具60は、ユーザやディーラ等が把持する取手61と、取手61から下方に延び、固定溝30内の第1及び第2表皮材20a、20bの端部21a、21bの表面間に挿入するための矩形板状の治具基部62とを備える。治具基部62は、その一面の下端(挿入端)側に、取り外し用の複数のフック63が設けられたフック配置領域64を有する。フック配置領域64の上下方向長さは、第1及び第2表皮材20a、20bの端部21a、21bの表面におけるループ45c、45dが設けられた領域(以下「ループ配置領域」という。)の(固定溝30内における)上下方向長さとほぼ等しくなるように設定される。治具60の使用時において、治具基部62のフック配置領域64は、第1又は第2表皮材20a、20bの端部21a、21bの表面におけるループ配置領域に対面させられる。フック配置領域64におけるフック63は、次の2つのタイプに分けられる。第1のタイプは、第1又は第2表皮材20a、20bの端部21a、21bの裏面の第1又は第2ループ45a、45bと第1又は第2面ファスナー41、42の第1又は第2フック44a、44bとの係合を解くための第1治具フック63aである。第1治具フック63aは、フック基部からフック頭部が上方(治具挿入方向の反対側)に向かって延び、上方に開口するように配向される。また、第1治具フック63aは、フック配置領域64の下端側に設けられる。第2のタイプは、第1治具フック63aにより第1又は第2面ファスナー41、42の第1又は第2フック44a、44bから第1又は第2ループ45a、45bが係合解除された第1又は第2表皮材20a、20bの端部21a、21bを固定溝30から引き抜くための第2治具フック63bである。第2治具フック63bは、フック基部からフック頭部が下方(治具挿入方向)に向かって延び、下方に開口するように配向される。また、第2治具フック63bは、フック配置領域64の上端側に設けられる。本実施形態において、図6に示すように、第1治具フック63aは、フック配置領域64の下端側に上下2列で配置され、第2治具フック63bは、フック配置領域64の上端側に上下1列で配置される。また、第1及び第2治具フック63a、63bはいずれも図6紙面左右方向に一例として四つ設けられる。
次に、図7に示す固定溝30に固定された状態の第1及び第2表皮材20a、20bのうち、治具60を用いて第1表皮材20aを引き剥がす例について説明する。まず、ユーザが治具60の取手61を持ち、治具本体62を固定溝30にその底面32に向かって挿入する。この挿入時において、治具本体62のフック配置領域64の下端側の第1治具フック63aは上方に開口するため、第1表皮材20aの端部21aの表面におけるループ領域のループ45cと係合することなく、固定溝30内を奥(底面32側)へと進む。そして、フック配置領域64の下端がループ領域の下端もしくは第1表皮材20aの端部21aの末端とほぼ同じ上下方向位置に到達する辺りで、図8に示すように、フック配置領域64の上端側の、下方に開口する第2治具フック63bがループ領域の上端側のループ45cと係合し、これにより、治具本体62の固定溝30の奥への挿入にブレーキがかかる。ここからユーザが取手61を介して治具本体62を固定溝30の更に奥へと押し込むことにより、図9に示すように、第2治具フック63bがループ45cとの係合を介して第1表皮材20aの端部21aを固定溝30の底面32付近まで押し下げる。これにより、第1表皮材20aの端部21aの裏面にある第1ループ45aが第1面ファスナー41の第1フック44から係合解除される。この状態から取手61を介して治具本体62を固定溝30から引き抜くことにより、図10に示すように第1表皮材20aの端部21aが固定溝30から引き剥がされる。なお、この治具60を利用する場合、一旦表皮材を下方に下げ、フックからループを外す工程が必要となるため、固定溝30にはその空間が必要となる。すなわち、面ファスナー40の最も固定溝30の底面32側に形成されたフックと固定溝の底面32の間には、治具60を押し下げて表皮材のループを面ファスナー40のフックから取り外すことができるだけの空間がある。このような構成とすることで、フックからループを好適に取り外すことが可能となる。
1 座席
2 座部
10 クッション体(発泡成形体)
20a 第1表皮材
20b 第2表皮材
21a 第1表皮材の端部
21b 第2表皮材の端部
30 固定溝
31 固定溝の側面(第1及び第2側面)
32 固定溝の底面
40 面ファスナー
41 第1面ファスナー
42 第2面ファスナー
44a 第1フック
44b 第2フック
44c フック基部
44d フック頭部
45a 第1ループ
45b 第2ループ
45c、45d 取り外し用のループ
50、60 表皮材剥がし治具
51、61 取手
52、62 治具基部
53 ループ剥がし部
54 ガイド部
63a 第1治具フック
63b 第2治具フック
64 フック配置領域
2 座部
10 クッション体(発泡成形体)
20a 第1表皮材
20b 第2表皮材
21a 第1表皮材の端部
21b 第2表皮材の端部
30 固定溝
31 固定溝の側面(第1及び第2側面)
32 固定溝の底面
40 面ファスナー
41 第1面ファスナー
42 第2面ファスナー
44a 第1フック
44b 第2フック
44c フック基部
44d フック頭部
45a 第1ループ
45b 第2ループ
45c、45d 取り外し用のループ
50、60 表皮材剥がし治具
51、61 取手
52、62 治具基部
53 ループ剥がし部
54 ガイド部
63a 第1治具フック
63b 第2治具フック
64 フック配置領域
Claims (7)
- 発泡成形体(10)の一部を覆う第1表皮材(20a)の端部(21a)と、前記発泡成形体(10)の別の部分を覆う第2表皮材(20b)の端部(21b)とを、前記発泡成形体(10)に設けた固定溝(30)に取り外し可能に固定するための表皮材固定構造であって、
前記第1表皮材(20a)と前記第2表皮材(20b)の端部(21a、21b)同士は互いに独立して固定溝(30)から取り外し可能なように非連結状態となっており、
前記固定溝(30)は、互いに向かい合う第1及び第2側面(31)と、第1及び第2側面(31)の下端間に延びる底面(32)とを有し、前記第1及び第2側面(31)には、複数のフック(44a、44b)を有する面ファスナー(41、42)が固着され、 前記複数のフック(44a、44b)それぞれは、フック基部(44c)とフック基部(44c)から前記底面(32)に向かって延びるフック頭部(44d)とを有し、前記第1及び第2表皮材(20a、20b)それぞれの前記端部(21a、21b)には、前記フック(44a、44b)と係合可能な複数のループ(45a、45b)が設けられることを特徴とする表皮材固定構造。 - 前記固定溝(30)内において前記第1及び第2表皮材(20a、20b)それぞれの前記端部(21a、21b)が面接触することを特徴とする請求項1に記載の表皮材固定構造。
- 前記第1及び第2表皮材(20a、20b)それぞれの前記端部(21a、21b)の、前記面ファスナー(41、42)とは反対側の面における前記底面(32)側に取り外し用の複数のループ(45c、45d)が設けられることを特徴とする請求項1又は2に記載の表皮材固定構造。
- 前記第2表皮材(20b)は前記第1表皮材(20a)と異なるものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の表皮材固定構造。
- 前記発泡成形体(10)は座席(1)であることを特徴とする請求項1又は2に記載の表皮材固定構造。
- 請求項1に記載の表皮材固定構造によって固定された状態の前記第1及び第2表皮材(20a、20b)の少なくとも一方を取り外すための表皮材剥がし治具(50)であって、
前記固定溝(30)内の第1表皮材(20a)の端部(21a)と第2表皮材(20b)の端部(21b)の間で、固定溝(30)の長手方向に沿ってスライド移動可能である治具基部(52)と、前記固定溝(30)内の第1又は第2表皮材(20a、20b)の端部(21a、21b)と、この端部(21a、21b)のループ(45a、45b)に係合する前記面ファスナー(41、42)のフック(44a、44b)との間に挿入可能であるループ剥がし部(53)と、前記治具基部(52)の下端とループ剥がし部(53)の下端とを連結し、ループ剥がし部(53)によって面ファスナー(41、42)から剥がされた第1又は第2表皮材(20a、20b)の端部(21a、21b)を固定溝(30)外に案内するガイド部(54)とを備えることを特徴とする表皮材剥がし治具。 - 請求項3に記載の表皮材固定構造によって固定された状態の前記第1及び第2表皮材(20a、20b)の少なくとも一方を取り外すための表皮材剥がし治具(60)であって、
前記固定溝(30)内の第1表皮材(20a)の端部(21a)と第2表皮材(20b)の端部(21b)との間に挿入可能である治具基部(62)を備え、
前記治具基部(62)は、前記第1及び第2表皮材(20a、20b)それぞれの前記端部(21a、21b)において前記取り外し用のループ(45c、45d)が設けられている領域に対面可能であるフック配置領域(64)を有し、
前記フック配置領域(61)には、前記治具基部(62)の挿入端側に少なくとも一つの第1治具フック(63a)が設けられると共に、前記第1治具フック(63a)よりも前記治具基部(62)の挿入端から離れた側に少なくとも一つの第2治具フック(63b)が設けられ、
前記第1治具フック(63a)は、フック基部と、フック基部から治具挿入方向の反対側に向かって延びるフック頭部とを有し、
前記第2治具フック(63b)は、フック基部と、フック基部から治具挿入方向に延びるフック頭部とを有することを特徴とする表皮材剥がし治具。
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