JP3199198B2 - 車両のアンチスキッドブレーキ装置 - Google Patents
車両のアンチスキッドブレーキ装置Info
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- JP3199198B2 JP3199198B2 JP09373393A JP9373393A JP3199198B2 JP 3199198 B2 JP3199198 B2 JP 3199198B2 JP 09373393 A JP09373393 A JP 09373393A JP 9373393 A JP9373393 A JP 9373393A JP 3199198 B2 JP3199198 B2 JP 3199198B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、車両の制動時の過大
な制動力を抑制するアンチスキッドブレーキ装置、特に
擬似車体速の設定技術を改善したものに関する。
な制動力を抑制するアンチスキッドブレーキ装置、特に
擬似車体速の設定技術を改善したものに関する。
【0002】
【従来の技術】車両のブレーキシステムとして、制動時
の車輪のロックないしスキッド状態の発生を防止するよ
うにしたアンチスキッドブレーキ装置が実用化されてい
る。この種のアンチスキッドブレーキ装置は、4つの車
輪の車輪速を検出する車輪速センサと、ブレーキ油圧を
調整する電磁制御弁と、車輪速センサで検出した車輪速
に基いて電磁制御弁を制御する制御装置とを有する。こ
の制御装置は、例えば検出車輪速に基いて車輪の加減速
度を求め、車輪減速度が所定値以下になったときには電
磁制御弁を減圧制御して制動圧を低下させると共に、制
動圧の低下によって車輪速が増大して、車輪加速度が所
定値に達したときには上記制御弁を増圧制御することに
より制動圧を増大させる。
の車輪のロックないしスキッド状態の発生を防止するよ
うにしたアンチスキッドブレーキ装置が実用化されてい
る。この種のアンチスキッドブレーキ装置は、4つの車
輪の車輪速を検出する車輪速センサと、ブレーキ油圧を
調整する電磁制御弁と、車輪速センサで検出した車輪速
に基いて電磁制御弁を制御する制御装置とを有する。こ
の制御装置は、例えば検出車輪速に基いて車輪の加減速
度を求め、車輪減速度が所定値以下になったときには電
磁制御弁を減圧制御して制動圧を低下させると共に、制
動圧の低下によって車輪速が増大して、車輪加速度が所
定値に達したときには上記制御弁を増圧制御することに
より制動圧を増大させる。
【0003】このような一連の制動圧制御(以下、AB
S制御という)を、例えば車両が停止するまで継続する
ことにより、急制動時における車輪のロックないしスキ
ッド状態を防止して、車両の方向安定性を確保しつつ短
い制動距離で停止させることが可能となる。前記ABS
制御では、各輪の車輪速と擬似車体とに基いて、スリッ
プ率を求める関係上、擬似車体速は、重要なパラメータ
であるが、従来のABS制御では、通常、4つの車輪の
車輪速のうちの最高車輪速を擬似車体速として設定する
ものが多い。
S制御という)を、例えば車両が停止するまで継続する
ことにより、急制動時における車輪のロックないしスキ
ッド状態を防止して、車両の方向安定性を確保しつつ短
い制動距離で停止させることが可能となる。前記ABS
制御では、各輪の車輪速と擬似車体とに基いて、スリッ
プ率を求める関係上、擬似車体速は、重要なパラメータ
であるが、従来のABS制御では、通常、4つの車輪の
車輪速のうちの最高車輪速を擬似車体速として設定する
ものが多い。
【0004】ところで、高摩擦路面で、非駆動輪のブレ
ーキ油圧を減圧すると、その非駆動輪の車輪速が急速に
回復し、その非駆動輪が路面から回されてスピンアップ
することから、例えば、特公平3−56224号公報に
は、非駆動の車輪速と、その車輪速から演算された擬似
車体速との高い方を、駆動輪を制御する擬似車体速とし
て用いるものにおいて、前記非駆動輪のスピンアップに
応答して、駆動輪の車輪加速度が所定値以上になったと
きには、その検出から所定時間の間、非駆動輪の車輪速
を、擬似車体速算出から除外するようにした技術が記載
されている。
ーキ油圧を減圧すると、その非駆動輪の車輪速が急速に
回復し、その非駆動輪が路面から回されてスピンアップ
することから、例えば、特公平3−56224号公報に
は、非駆動の車輪速と、その車輪速から演算された擬似
車体速との高い方を、駆動輪を制御する擬似車体速とし
て用いるものにおいて、前記非駆動輪のスピンアップに
応答して、駆動輪の車輪加速度が所定値以上になったと
きには、その検出から所定時間の間、非駆動輪の車輪速
を、擬似車体速算出から除外するようにした技術が記載
されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記従来技術のよう
に、4つの車輪の車輪速のうちの最高車輪速を擬似車体
速として設定する技術において、前輪のブレーキ装置に
作用する制動力は大きく、タイヤの弾性変形量も大きい
ことから、ABS制御により前輪のブレーキ油圧を減圧
すると、その減圧の直後に、前輪の車輪速が急速に回復
して、その車輪速が瞬間的に大きくなるPAVE現象が
発生することから、それら前輪の車輪速から最高車輪速
が選択されて、擬似車体速が実際の値よりも過大に設定
され、その結果擬似車体速の精度が低下し、ABS制御
の精度や信頼性が低下するという問題がある。
に、4つの車輪の車輪速のうちの最高車輪速を擬似車体
速として設定する技術において、前輪のブレーキ装置に
作用する制動力は大きく、タイヤの弾性変形量も大きい
ことから、ABS制御により前輪のブレーキ油圧を減圧
すると、その減圧の直後に、前輪の車輪速が急速に回復
して、その車輪速が瞬間的に大きくなるPAVE現象が
発生することから、それら前輪の車輪速から最高車輪速
が選択されて、擬似車体速が実際の値よりも過大に設定
され、その結果擬似車体速の精度が低下し、ABS制御
の精度や信頼性が低下するという問題がある。
【0006】前記公報に記載のものは、2つの非駆動輪
の車輪速から擬似車体速を設定する際における、ABS
制御による減圧終了時の非駆動輪のスピンアップ対策で
あり、この公報の技術では、前記課題を解決することは
出来ない。本発明の目的は、4つの車輪の車輪速から擬
似車体速を高い精度で設定し得る車両のアンチスキッド
ブレーキ装置を提供することである。
の車輪速から擬似車体速を設定する際における、ABS
制御による減圧終了時の非駆動輪のスピンアップ対策で
あり、この公報の技術では、前記課題を解決することは
出来ない。本発明の目的は、4つの車輪の車輪速から擬
似車体速を高い精度で設定し得る車両のアンチスキッド
ブレーキ装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の車両のアンチ
スキッドブレーキ装置は、前輪と後輪の回転速度を検出
する車輪速検出手段と、ブレーキ油圧を調整する油圧調
整手段と、車輪速検出手段で検出された車輪速に基いて
油圧調整手段を作動させるアンチスキッド制御手段とを
備えた車両のアンチスキッドブレーキ装置において、前
記アンチスキッド制御手段による左側前輪のブレーキ油
圧に対する減圧の終了から所定時間経過した否か判定す
る第1判定手段と、前記アンチスキッド制御手段による
右側前輪のブレーキ油圧に対する減圧の終了から所定時
間経過した否か判定する第2判定手段と、前記車輪速検
出手段で検出された4輪の車輪速信号と、第1及び第2
判定手段の判定結果とに基いて、左右の前輪のブレーキ
油圧に対する減圧の終了から所定時間経過しているとき
には、4つの車輪の車輪速のうちの最高車輪速を擬似車
体速として設定するとともに、所定時間経過していない
ときには所定時間経過していない左側及び/又は右側の
前輪を除いた車輪の車輪速のうちの最高車輪速を擬似車
体速として設定する擬似車体速設定手段とを備えたもの
である。
スキッドブレーキ装置は、前輪と後輪の回転速度を検出
する車輪速検出手段と、ブレーキ油圧を調整する油圧調
整手段と、車輪速検出手段で検出された車輪速に基いて
油圧調整手段を作動させるアンチスキッド制御手段とを
備えた車両のアンチスキッドブレーキ装置において、前
記アンチスキッド制御手段による左側前輪のブレーキ油
圧に対する減圧の終了から所定時間経過した否か判定す
る第1判定手段と、前記アンチスキッド制御手段による
右側前輪のブレーキ油圧に対する減圧の終了から所定時
間経過した否か判定する第2判定手段と、前記車輪速検
出手段で検出された4輪の車輪速信号と、第1及び第2
判定手段の判定結果とに基いて、左右の前輪のブレーキ
油圧に対する減圧の終了から所定時間経過しているとき
には、4つの車輪の車輪速のうちの最高車輪速を擬似車
体速として設定するとともに、所定時間経過していない
ときには所定時間経過していない左側及び/又は右側の
前輪を除いた車輪の車輪速のうちの最高車輪速を擬似車
体速として設定する擬似車体速設定手段とを備えたもの
である。
【0008】
【発明の作用及び効果】請求項1の車両のアンチスキッ
ドブレーキ装置においては、車輪速検出手段と、油圧調
整手段と、アンチスキッド制御手段とを備えたアンチス
キッドブレーキ装置において、第1及び第2判定手段
と、擬似車体速設定手段とを設け、左右の前輪のブレー
キ油圧に対する減圧の終了から所定時間経過していると
きには、4つの車輪の車輪速のうちの最高車輪速を擬似
車体速として設定し、また、所定時間経過していないと
きには所定時間経過していない左側及び/又は右側の前
輪を除いた車輪の車輪速のうちの最高車輪速を擬似車体
速として設定するように構成したので、左右の前輪のブ
レーキ油圧をABS制御で減圧したときに、PAVE現
象により発生する異常に高い前輪の車輪速から、擬似車
体速を設定するのを確実に防止することができる。これ
により、擬似車体速の精度を高めてABS制御の精度や
信頼性を高め、制動性能を高めることができる。
ドブレーキ装置においては、車輪速検出手段と、油圧調
整手段と、アンチスキッド制御手段とを備えたアンチス
キッドブレーキ装置において、第1及び第2判定手段
と、擬似車体速設定手段とを設け、左右の前輪のブレー
キ油圧に対する減圧の終了から所定時間経過していると
きには、4つの車輪の車輪速のうちの最高車輪速を擬似
車体速として設定し、また、所定時間経過していないと
きには所定時間経過していない左側及び/又は右側の前
輪を除いた車輪の車輪速のうちの最高車輪速を擬似車体
速として設定するように構成したので、左右の前輪のブ
レーキ油圧をABS制御で減圧したときに、PAVE現
象により発生する異常に高い前輪の車輪速から、擬似車
体速を設定するのを確実に防止することができる。これ
により、擬似車体速の精度を高めてABS制御の精度や
信頼性を高め、制動性能を高めることができる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面に基いて
説明する。第1図に示すように、この実施例に係る車両
は、左右の前輪1,2 が従動輪、左右の後輪3,4 が駆動輪
とされ、エンジン5 の出力トルクが自動変速機6 からプ
ロペラシャフト7、差動装置8 および左右の駆動軸9,10
を介して左右の後輪3,4 に伝達されるように構成してあ
る。各車輪1〜4には、車輪と一体的に回転するディス
ク11a 〜14a と、制動圧の供給を受けて、これらディス
ク11a 〜14a の回転を制動するキャリパ11b 〜14bなど
からなるブレーキ装置11〜14が夫々設けられ、これらの
ブレーキ装置11〜14を作動させるブレーキ制御システム
15が設けられている。
説明する。第1図に示すように、この実施例に係る車両
は、左右の前輪1,2 が従動輪、左右の後輪3,4 が駆動輪
とされ、エンジン5 の出力トルクが自動変速機6 からプ
ロペラシャフト7、差動装置8 および左右の駆動軸9,10
を介して左右の後輪3,4 に伝達されるように構成してあ
る。各車輪1〜4には、車輪と一体的に回転するディス
ク11a 〜14a と、制動圧の供給を受けて、これらディス
ク11a 〜14a の回転を制動するキャリパ11b 〜14bなど
からなるブレーキ装置11〜14が夫々設けられ、これらの
ブレーキ装置11〜14を作動させるブレーキ制御システム
15が設けられている。
【0010】このブレーキ制御システム15は、運転者に
よるブレーキペダル16の踏込力を増大させる倍力装置17
と、この倍力装置17によって増大された踏込力に応じた
制動圧を発生させるマスターシリング18とを有する。こ
のマスターシリング18からの前輪用制動圧供給ライン19
が2経路に分岐され、これら前輪用分岐制動圧ライン19
a,19b が左右の前輪1,2 のブレーキ装置11,12 のキャリ
パ11a,12a に夫々接続され、左前輪1のブレーキ装置11
に通じる一方の前輪用分岐制動圧ライン19a には、電磁
式の開閉弁20a と、同じく電磁式のリリーフ弁20b とか
らなる第1バルブユニット20が設けられ、右前輪2 のブ
レーキ装置12に通じる他方の前輪用分岐制動圧ライン19
b にも、第1バルブユニット20と同様に、電磁式の開閉
弁21a と、電磁式のリリーフ弁21b とからなる第2バル
ブユニット21が設けられている。
よるブレーキペダル16の踏込力を増大させる倍力装置17
と、この倍力装置17によって増大された踏込力に応じた
制動圧を発生させるマスターシリング18とを有する。こ
のマスターシリング18からの前輪用制動圧供給ライン19
が2経路に分岐され、これら前輪用分岐制動圧ライン19
a,19b が左右の前輪1,2 のブレーキ装置11,12 のキャリ
パ11a,12a に夫々接続され、左前輪1のブレーキ装置11
に通じる一方の前輪用分岐制動圧ライン19a には、電磁
式の開閉弁20a と、同じく電磁式のリリーフ弁20b とか
らなる第1バルブユニット20が設けられ、右前輪2 のブ
レーキ装置12に通じる他方の前輪用分岐制動圧ライン19
b にも、第1バルブユニット20と同様に、電磁式の開閉
弁21a と、電磁式のリリーフ弁21b とからなる第2バル
ブユニット21が設けられている。
【0011】一方、マスターシリンダ18からの後輪用制
動圧供給ライン22には、第1、第2バルブユニット20,2
1 と同様に、電磁式の開閉弁23a と、電磁式のリリーフ
弁23b とからなる第3バルブユニット23が設けられてい
る。この後輪用制動圧供給ライン22は、第3バルブユニ
ット23の下流側で2経路に分岐されて、これら後輪用分
岐制動圧ライン22a,22b が左右の後輪3,4 のブレーキ装
置13,14 のキャリパ13b,14b に夫々接続されている。こ
のブレーキ制御システム15は、第1バルブユニット20を
介して左前輪1のブレーキ装置11の制動圧を可変制御す
る第1チャンネルと、第2バルブユニット21を介して右
前輪2のブレーキ装置12の制動圧を可変制御する第2チ
ャンネルと、第3バルブユニット23を介して左右の後輪
3,4 の両ブレーキ装置13,14 の制動圧を可変制御する第
3チャンネルとが設けられ、これら第1〜第3チャンネ
ルが互いに独立して制御されるように構成してある。
動圧供給ライン22には、第1、第2バルブユニット20,2
1 と同様に、電磁式の開閉弁23a と、電磁式のリリーフ
弁23b とからなる第3バルブユニット23が設けられてい
る。この後輪用制動圧供給ライン22は、第3バルブユニ
ット23の下流側で2経路に分岐されて、これら後輪用分
岐制動圧ライン22a,22b が左右の後輪3,4 のブレーキ装
置13,14 のキャリパ13b,14b に夫々接続されている。こ
のブレーキ制御システム15は、第1バルブユニット20を
介して左前輪1のブレーキ装置11の制動圧を可変制御す
る第1チャンネルと、第2バルブユニット21を介して右
前輪2のブレーキ装置12の制動圧を可変制御する第2チ
ャンネルと、第3バルブユニット23を介して左右の後輪
3,4 の両ブレーキ装置13,14 の制動圧を可変制御する第
3チャンネルとが設けられ、これら第1〜第3チャンネ
ルが互いに独立して制御されるように構成してある。
【0012】前記ブレーキ制御システム15には、第1〜
第3チャンネルを制御するコントロールユニット24が設
けられ、このコントロールユニット24は、ブレーキペダ
ル16のON/OFFを検出するブレーキスイッチ25からのブレ
ーキ信号と、ハンドル舵角を検出する舵角センサ26から
の舵角信号と、各車輪の回転速度を夫々検出する車輪速
センサ27〜30からの車輪速信号とを受けて、これらの信
号に応じた制動圧制御信号を第1〜第3バルブユニット
20,21,23に夫々出力することにより、左右の前輪1,2 お
よび後輪3,4 のスリップに対する制動制御、つまりAB
S制御を第1〜第3チャンネルごとに並行して行うよう
になっている。
第3チャンネルを制御するコントロールユニット24が設
けられ、このコントロールユニット24は、ブレーキペダ
ル16のON/OFFを検出するブレーキスイッチ25からのブレ
ーキ信号と、ハンドル舵角を検出する舵角センサ26から
の舵角信号と、各車輪の回転速度を夫々検出する車輪速
センサ27〜30からの車輪速信号とを受けて、これらの信
号に応じた制動圧制御信号を第1〜第3バルブユニット
20,21,23に夫々出力することにより、左右の前輪1,2 お
よび後輪3,4 のスリップに対する制動制御、つまりAB
S制御を第1〜第3チャンネルごとに並行して行うよう
になっている。
【0013】コントロールユニット24は、各車輪速セン
サ27〜30からの車輪速信号が示す車輪速に基いて第1〜
第3バルブユニット20,21,23における開閉弁20a,21a,23
a とリリーフ弁20b,21b,23b とをそれぞれデューティ制
御によって開閉制御することにより、スリップの状態に
応じた制動圧で前輪1,2 および後輪3,4 に制動力を付与
するようになっている。尚、第1〜第3バルブユニット
20,21,23における各リリーフ弁20b,21b,23b から排出さ
れたブレーキオイルは、図示外のドレンラインを介して
マスターシリンダ18のリザーバタンク18a に戻される。
サ27〜30からの車輪速信号が示す車輪速に基いて第1〜
第3バルブユニット20,21,23における開閉弁20a,21a,23
a とリリーフ弁20b,21b,23b とをそれぞれデューティ制
御によって開閉制御することにより、スリップの状態に
応じた制動圧で前輪1,2 および後輪3,4 に制動力を付与
するようになっている。尚、第1〜第3バルブユニット
20,21,23における各リリーフ弁20b,21b,23b から排出さ
れたブレーキオイルは、図示外のドレンラインを介して
マスターシリンダ18のリザーバタンク18a に戻される。
【0014】ABS非制御状態においては、コントロー
ルユニット24からは制動圧制御信号が出力されず、図示
のように第1〜第3バルブユニット20,21,23におけるリ
リーフ弁20b,21b,23b が夫々閉保持され、かつ各ユニッ
ト20,21,23の開閉弁20a,21a,23a が夫々開保持されるの
で、ブレーキペダル16の踏込力に応じてマスターシリン
ダ18で発生した制動圧が、前輪用制動圧供給ライン19お
よび後輪用制動圧供給ライン22を介して左右の前輪1,2
および後輪3,4 のブレーキ装置11〜14に供給され、これ
らの制動圧に応じた制動力が前輪1,2 および後輪3,4 に
直接付与されることになる。
ルユニット24からは制動圧制御信号が出力されず、図示
のように第1〜第3バルブユニット20,21,23におけるリ
リーフ弁20b,21b,23b が夫々閉保持され、かつ各ユニッ
ト20,21,23の開閉弁20a,21a,23a が夫々開保持されるの
で、ブレーキペダル16の踏込力に応じてマスターシリン
ダ18で発生した制動圧が、前輪用制動圧供給ライン19お
よび後輪用制動圧供給ライン22を介して左右の前輪1,2
および後輪3,4 のブレーキ装置11〜14に供給され、これ
らの制動圧に応じた制動力が前輪1,2 および後輪3,4 に
直接付与されることになる。
【0015】次に、コントロールユニット24が行うブレ
ーキ制御の概略を説明する。コントロールユニット24
は、車輪速センサ27〜30からの信号が示す車輪速Vw1〜
Vw4に基いて各車輪ごとの減速度DVw1〜DVw4および
加速度AVw1〜AVw4を夫々算出する。前記加速度ない
し減速度の算出方法について説明すると、コントロール
ユニット24は、車輪速の前回値に対する今回値の差分を
サンプリング周期Δt (例えば7ms)で除算した上
で、その結果を重力加速度に換算した値を今回の加速度
ないし減速度として更新する。
ーキ制御の概略を説明する。コントロールユニット24
は、車輪速センサ27〜30からの信号が示す車輪速Vw1〜
Vw4に基いて各車輪ごとの減速度DVw1〜DVw4および
加速度AVw1〜AVw4を夫々算出する。前記加速度ない
し減速度の算出方法について説明すると、コントロール
ユニット24は、車輪速の前回値に対する今回値の差分を
サンプリング周期Δt (例えば7ms)で除算した上
で、その結果を重力加速度に換算した値を今回の加速度
ないし減速度として更新する。
【0016】また、コントロールユニット24は、所定の
悪路判定処理を実行して、走行路面が悪路か否かを判定
する。この悪路判定処理は、次のように実行される。例
えば、後輪3,4 の減速度ないし加速度が一定時間内に所
定の上限値又は下限値を超えた回数が設定値以内ならば
悪路フラグFakを0に維持し、加速度および減速度を示
す値が、一定時間内に上限値および下限値を超えた回数
が設定値以上ならば走行路面が悪路であると判定して悪
路フラグFakを1にセットする。また、コントロールユ
ニット24は、第3チャンネル用の車輪速および加減速度
を代表させる後輪3,4 を選択する。本実施例では、スリ
ップ時における後輪3,4の両車輪速センサ29,30 の検出
誤差を考慮して両車輪速のうちの小さいほうの車輪速が
後輪車輪速として選択され、その車輪速から求めた加速
度および減速度が後輪加速度および後輪減速度として選
択されることになる。
悪路判定処理を実行して、走行路面が悪路か否かを判定
する。この悪路判定処理は、次のように実行される。例
えば、後輪3,4 の減速度ないし加速度が一定時間内に所
定の上限値又は下限値を超えた回数が設定値以内ならば
悪路フラグFakを0に維持し、加速度および減速度を示
す値が、一定時間内に上限値および下限値を超えた回数
が設定値以上ならば走行路面が悪路であると判定して悪
路フラグFakを1にセットする。また、コントロールユ
ニット24は、第3チャンネル用の車輪速および加減速度
を代表させる後輪3,4 を選択する。本実施例では、スリ
ップ時における後輪3,4の両車輪速センサ29,30 の検出
誤差を考慮して両車輪速のうちの小さいほうの車輪速が
後輪車輪速として選択され、その車輪速から求めた加速
度および減速度が後輪加速度および後輪減速度として選
択されることになる。
【0017】更に、コントロールユニット24は、各チャ
ンネルごとの路面摩擦係数を推定し、それと並行して疑
似車体速を算出する。コントロールユニット24は、上記
車輪速センサ29,30 からの信号から求めた後輪車輪速お
よび上記各車輪速センサ27,28 からの信号が示す左右の
各前輪1,2 の車輪速と疑似車体速とから第1〜第3チャ
ンネルについてのスリップ率を夫々算出するのである
が、その場合に、次の関係式によりスリップ率が算出さ
れる。 スリップ率=( 車輪速/疑似車体速)×100 それ故、疑似車体速に対する車輪速の偏差が大きくなる
ほどスリップ率が小さくなって、車輪のスリップ傾向が
大きくなる。
ンネルごとの路面摩擦係数を推定し、それと並行して疑
似車体速を算出する。コントロールユニット24は、上記
車輪速センサ29,30 からの信号から求めた後輪車輪速お
よび上記各車輪速センサ27,28 からの信号が示す左右の
各前輪1,2 の車輪速と疑似車体速とから第1〜第3チャ
ンネルについてのスリップ率を夫々算出するのである
が、その場合に、次の関係式によりスリップ率が算出さ
れる。 スリップ率=( 車輪速/疑似車体速)×100 それ故、疑似車体速に対する車輪速の偏差が大きくなる
ほどスリップ率が小さくなって、車輪のスリップ傾向が
大きくなる。
【0018】次に、コントロールユニット24は、第1〜
第3チャンネルの制御に用いる各種の制御しきい値を夫
々設定し、これらの制御しきい値を用いて各チャンネル
ごとのロック判定処理と、第1〜第3バルブユニット2
0,21,23に対する制御量を規定する為のフェーズ決定処
理と、カスケード判定処理とを行うようになっている。
第3チャンネルの制御に用いる各種の制御しきい値を夫
々設定し、これらの制御しきい値を用いて各チャンネル
ごとのロック判定処理と、第1〜第3バルブユニット2
0,21,23に対する制御量を規定する為のフェーズ決定処
理と、カスケード判定処理とを行うようになっている。
【0019】ここで、上記ロック判定処理について説明
すると、例えば、左前輪用の第1チャンネルに対するロ
ック判定処理においては、コントロールユニット24は、
まず第1チャンネル用の継続フラグFcn1 の今回値を前
回値としてセットした上で、次に疑似車体速Vrと車輪
速Vw1とが所定の条件( 例えば、Vr<5Km/H, Vw1<
7.5Km /H )を満足するか否かを判定し、これらの条
件を満足するときに継続フラグFcn1 とロックフラグF
lok1を夫々0にリセットし、また、満足していなければ
ロックフラグFlok1が1にセットされているか否かを判
定する。ロックフラグFlok1が1にセットされていなけ
れば、所定の条件のとき( 例えば疑似車体速Vrが車輪
速Vw1より大きいとき)にロックフラグFlok1に1をセ
ットする。
すると、例えば、左前輪用の第1チャンネルに対するロ
ック判定処理においては、コントロールユニット24は、
まず第1チャンネル用の継続フラグFcn1 の今回値を前
回値としてセットした上で、次に疑似車体速Vrと車輪
速Vw1とが所定の条件( 例えば、Vr<5Km/H, Vw1<
7.5Km /H )を満足するか否かを判定し、これらの条
件を満足するときに継続フラグFcn1 とロックフラグF
lok1を夫々0にリセットし、また、満足していなければ
ロックフラグFlok1が1にセットされているか否かを判
定する。ロックフラグFlok1が1にセットされていなけ
れば、所定の条件のとき( 例えば疑似車体速Vrが車輪
速Vw1より大きいとき)にロックフラグFlok1に1をセ
ットする。
【0020】一方、コントロールユニット24は、ロック
フラグFlok1が1にセットされていると判定したときに
は、例えば第1チャンネルのフェーズ値P1がフェーズ
Vを示す5 にセットされ、かつスリップ率S1が90%よ
り大きいときに継続フラグFcn1 に1をセットする。
尚、第2、第3チャンネルに対しても同様にしてロック
判定処理が行われる。
フラグFlok1が1にセットされていると判定したときに
は、例えば第1チャンネルのフェーズ値P1がフェーズ
Vを示す5 にセットされ、かつスリップ率S1が90%よ
り大きいときに継続フラグFcn1 に1をセットする。
尚、第2、第3チャンネルに対しても同様にしてロック
判定処理が行われる。
【0021】前記フェーズ決定処理の概略について説明
すると、コントロールユニット24は、車両の走行状態に
応じて設定した夫々の制御しきい値と、車輪加減速度や
スリップ率との比較によって、ABS非制御状態を示す
フェーズ0、ABS制御時における増圧状態を示すフェ
ーズI、増圧後の保持状態を示すフェーズII、減圧状態
を示すフェーズIII 、急減圧状態を示すフェーズIVおよ
び減圧後の保持状態を示すフェーズVを選択するように
なっている。
すると、コントロールユニット24は、車両の走行状態に
応じて設定した夫々の制御しきい値と、車輪加減速度や
スリップ率との比較によって、ABS非制御状態を示す
フェーズ0、ABS制御時における増圧状態を示すフェ
ーズI、増圧後の保持状態を示すフェーズII、減圧状態
を示すフェーズIII 、急減圧状態を示すフェーズIVおよ
び減圧後の保持状態を示すフェーズVを選択するように
なっている。
【0022】前記カスケード判定処理は、特にアイスバ
ーンのような低摩擦路面においては、小さな制動圧でも
車輪がロックしやすいことから、車輪のロック状態が短
時間に連続して発生するカスケードロック状態を判定す
るものであり、カスケードロックの生じやすい所定の条
件を満たしたときにカスケードフラグFcsが1にセット
される。
ーンのような低摩擦路面においては、小さな制動圧でも
車輪がロックしやすいことから、車輪のロック状態が短
時間に連続して発生するカスケードロック状態を判定す
るものであり、カスケードロックの生じやすい所定の条
件を満たしたときにカスケードフラグFcsが1にセット
される。
【0023】こうして、コントロールユニット24は、各
チャンネルごとに設定されたフェーズ値P1に応じた制
御量を設定した上で、その制御量に従った制動圧制御信
号を第1〜第3バルブユニット20,21,23に対して夫々出
力する。これにより、第1〜第3バルブユニット20,21,
23の下流側における前輪用分岐制動圧ライン19a,19bお
よび後輪用分岐制動圧ライン22a,22b の制動圧が、増圧
あるいは減圧されたり、増圧もしくは減圧後の圧力レベ
ルに保持されたりする。
チャンネルごとに設定されたフェーズ値P1に応じた制
御量を設定した上で、その制御量に従った制動圧制御信
号を第1〜第3バルブユニット20,21,23に対して夫々出
力する。これにより、第1〜第3バルブユニット20,21,
23の下流側における前輪用分岐制動圧ライン19a,19bお
よび後輪用分岐制動圧ライン22a,22b の制動圧が、増圧
あるいは減圧されたり、増圧もしくは減圧後の圧力レベ
ルに保持されたりする。
【0024】前記路面摩擦係数の推定処理は、例えば、
第1チャンネルについては図2のフローチャートに基い
て次のように行われる。尚、図中符号Si(i=1,
2,3,・・・)は、各ステップを示すものである。コ
ントロールユニット24は、各種データを読み込み(S
1)、次に、ABSフラグFabs が1 にセットされてい
るか否か(つまり、ABS制御中か否か)を判定する
(S2)。このABSフラグFabs は、例えば、第1〜
第3チャンネルのロックフラグFlok1,Flok2,Flok3
のどれかが1にセットされたときに1にセットされ、ま
たブレーキスイッチ25がONからOFF 状態に切り変わった
ときなどには0にリセットされる。そして、ABSフラ
グFabs が1にセットされていないと判定したときに
は、S3において摩擦係数値Mu1として高摩擦路面を示
す3をセットする。
第1チャンネルについては図2のフローチャートに基い
て次のように行われる。尚、図中符号Si(i=1,
2,3,・・・)は、各ステップを示すものである。コ
ントロールユニット24は、各種データを読み込み(S
1)、次に、ABSフラグFabs が1 にセットされてい
るか否か(つまり、ABS制御中か否か)を判定する
(S2)。このABSフラグFabs は、例えば、第1〜
第3チャンネルのロックフラグFlok1,Flok2,Flok3
のどれかが1にセットされたときに1にセットされ、ま
たブレーキスイッチ25がONからOFF 状態に切り変わった
ときなどには0にリセットされる。そして、ABSフラ
グFabs が1にセットされていないと判定したときに
は、S3において摩擦係数値Mu1として高摩擦路面を示
す3をセットする。
【0025】また、コントロールユニット24は、S2に
おいてABSフラグFabs が1にセットされていると判
定したとき、つまりABS制御中と判定したときには、
S4において前サイクル中の車輪減速度DVw1が−20
Gより小さいか否かを判定し、その判定の結果Yes のと
きには、S5において同じく前サイクル中の車輪加速度
AVw1が10Gより大きいか否かを判定し、その判定の
結果がNoのときには、S6において摩擦係数値Mu1とし
て低摩擦路面を示す1をセットする。一方、コントロー
ルユニット24は、S4において車輪減速度DVw1が−2
0Gより小さくないと判定したときには、S5をスキッ
プしてS7に移行し、車輪加速度AVw1が20Gより大
きいか否かを判定し、その判定の結果がYes のときに
は、摩擦係数値Mu1として3をセットする一方、Noと判
定したときにはS9において摩擦係数値Mu1として中摩
擦路面を示す2をセットする。尚、第2、第3チャンネ
ルについても、同様にして路面摩擦係数が推定されるよ
うになっている。
おいてABSフラグFabs が1にセットされていると判
定したとき、つまりABS制御中と判定したときには、
S4において前サイクル中の車輪減速度DVw1が−20
Gより小さいか否かを判定し、その判定の結果Yes のと
きには、S5において同じく前サイクル中の車輪加速度
AVw1が10Gより大きいか否かを判定し、その判定の
結果がNoのときには、S6において摩擦係数値Mu1とし
て低摩擦路面を示す1をセットする。一方、コントロー
ルユニット24は、S4において車輪減速度DVw1が−2
0Gより小さくないと判定したときには、S5をスキッ
プしてS7に移行し、車輪加速度AVw1が20Gより大
きいか否かを判定し、その判定の結果がYes のときに
は、摩擦係数値Mu1として3をセットする一方、Noと判
定したときにはS9において摩擦係数値Mu1として中摩
擦路面を示す2をセットする。尚、第2、第3チャンネ
ルについても、同様にして路面摩擦係数が推定されるよ
うになっている。
【0026】次に、前記疑似車体速Vrの演算処理につ
いて図3、図4のフローチャートに基いて説明する。先
ず、コントロールユニット24は、各種データを読み込み
(S20)、次に第1チャンネルの減圧終了タイミング
か否か判定する(S21)。この判定は、リリーフ弁20
bへの制動制御信号の出力の終了から判定される。その
判定の結果、減圧終了タイミングであるときには、S2
2においてタイマT1をリセットしてスタートさせ、S
25へ移行する。
いて図3、図4のフローチャートに基いて説明する。先
ず、コントロールユニット24は、各種データを読み込み
(S20)、次に第1チャンネルの減圧終了タイミング
か否か判定する(S21)。この判定は、リリーフ弁20
bへの制動制御信号の出力の終了から判定される。その
判定の結果、減圧終了タイミングであるときには、S2
2においてタイマT1をリセットしてスタートさせ、S
25へ移行する。
【0027】また、S21の判定の結果、減圧終了タイ
ミングでないときには、次に第2チャンネルの減圧終了
タイミングか否か判定する(S23)が、この判定は、
リリーフ弁21bへの制動制御信号の出力の終了から判定
される。その判定の結果、減圧終了タイミングであると
きには、S24においてタイマT2をリセットしてスタ
ートさせてからS25へ移行し、また、減圧終了タイミ
ングでないときには、そのままS25へ移行する。
ミングでないときには、次に第2チャンネルの減圧終了
タイミングか否か判定する(S23)が、この判定は、
リリーフ弁21bへの制動制御信号の出力の終了から判定
される。その判定の結果、減圧終了タイミングであると
きには、S24においてタイマT2をリセットしてスタ
ートさせてからS25へ移行し、また、減圧終了タイミ
ングでないときには、そのままS25へ移行する。
【0028】S25においては、タイマT1のカウント
時間T1が32ms以下か否か、つまり、第1チャンネ
ルの減圧終了のタイミングから32ms以下の時間しか
経過していないか否か判定し、Yes のときは、S26に
おいてタイマT2のカウント時間T2が32ms以下か
否か、つまり、第2チャンネルの減圧終了のタイミング
から32ms以下の時間しか経過していないか否か判定
する。
時間T1が32ms以下か否か、つまり、第1チャンネ
ルの減圧終了のタイミングから32ms以下の時間しか
経過していないか否か判定し、Yes のときは、S26に
おいてタイマT2のカウント時間T2が32ms以下か
否か、つまり、第2チャンネルの減圧終了のタイミング
から32ms以下の時間しか経過していないか否か判定
する。
【0029】S26の判定結果がYes のときは、第1、
第2チャンネルの減圧終了のタイミングから32ms以
下の時間しか経過しておらず、この期間においては、前
輪1,2の最高車輪速が過大に検出される虞があり、前
輪1,2の車輪速Vw1, Vw2から最高車輪速を求めるこ
とが好ましくない。そこで、S27において、最高車輪
速Vwmを、後輪3,4の車輪速Vw3, Vw4から求め、S
32へ移行する。
第2チャンネルの減圧終了のタイミングから32ms以
下の時間しか経過しておらず、この期間においては、前
輪1,2の最高車輪速が過大に検出される虞があり、前
輪1,2の車輪速Vw1, Vw2から最高車輪速を求めるこ
とが好ましくない。そこで、S27において、最高車輪
速Vwmを、後輪3,4の車輪速Vw3, Vw4から求め、S
32へ移行する。
【0030】S26の判定結果がNoのときは、第1チャ
ンネルの減圧終了のタイミングから32ms以下の時間
しか経過しておらず、左側前輪1の車輪速Vw1から最高
車輪速を求めることが好ましくないので、S28におい
て、最高車輪速Vwmを、右側前輪2と後輪3,4の車輪
速Vw2, Vw3, Vw4から求め、S32へ移行する。次
に、S25の判定結果がNoのときは、S29においてタ
イマT2のカウント時間T2が32ms以下か否か判定
し、その判定結果がYes のときは、第2チャンネルの減
圧終了のタイミングから32ms以下の時間しか経過し
ておらず、この期間においては、右側前輪2の車輪速V
w2から最高車輪速を求めることが好ましくない。そこ
で、S30において、最高車輪速Vwmを、左側前輪1と
後輪3,4の車輪速Vw1, Vw3, Vw4から求め、S32
へ移行する。
ンネルの減圧終了のタイミングから32ms以下の時間
しか経過しておらず、左側前輪1の車輪速Vw1から最高
車輪速を求めることが好ましくないので、S28におい
て、最高車輪速Vwmを、右側前輪2と後輪3,4の車輪
速Vw2, Vw3, Vw4から求め、S32へ移行する。次
に、S25の判定結果がNoのときは、S29においてタ
イマT2のカウント時間T2が32ms以下か否か判定
し、その判定結果がYes のときは、第2チャンネルの減
圧終了のタイミングから32ms以下の時間しか経過し
ておらず、この期間においては、右側前輪2の車輪速V
w2から最高車輪速を求めることが好ましくない。そこ
で、S30において、最高車輪速Vwmを、左側前輪1と
後輪3,4の車輪速Vw1, Vw3, Vw4から求め、S32
へ移行する。
【0031】次に、S29の判定結果がNoのときは、第
1、第2チャンネルの減圧終了のタイミングから32m
s以上の時間が経過しており、前輪1,2の車輪速Vw
1, Vw2から最高車輪速Vwmを求めても問題がないの
で、S31において、最高車輪速Vwmを、左右の前輪
1,2と後輪3,4の車輪速Vw1〜Vw4から求め、S3
2へ移行する。次に最高車輪速Vwmのサンプリング周期
Δt あたりの最高車輪速変化量ΔVwmを算出する(S3
2)。次に、コントロールユニット24は、S33におい
て図5に示すマップから代表摩擦係数値Mu(第1〜第3
チャンネルの最小値) に対応する車体速補正値CVrを
読み出し、S34において最高車輪速変化量ΔVwmが車
体速補正値CVr以下か否か判定する。
1、第2チャンネルの減圧終了のタイミングから32m
s以上の時間が経過しており、前輪1,2の車輪速Vw
1, Vw2から最高車輪速Vwmを求めても問題がないの
で、S31において、最高車輪速Vwmを、左右の前輪
1,2と後輪3,4の車輪速Vw1〜Vw4から求め、S3
2へ移行する。次に最高車輪速Vwmのサンプリング周期
Δt あたりの最高車輪速変化量ΔVwmを算出する(S3
2)。次に、コントロールユニット24は、S33におい
て図5に示すマップから代表摩擦係数値Mu(第1〜第3
チャンネルの最小値) に対応する車体速補正値CVrを
読み出し、S34において最高車輪速変化量ΔVwmが車
体速補正値CVr以下か否か判定する。
【0032】その判定の結果、車輪速変化量ΔVwmが車
体速補正値CVr以下であると判定したときには、S3
5において疑似車体速Vrの前回値から車体速補正値C
Vr減算した値を今回値に置き換える。それ故、疑似車
体速Vrが車体速補正値CVrに応じた所定の勾配で減
少することになる。一方、コントロールユニット24は、
S34において車輪速変化量ΔVwmが車体速補正値CV
rより大きいと判定したとき、つまり最高車輪速Vwmが
過大な変化を示したときには、S36において疑似車体
速Vrから最高車輪速Vwmを減算した値が所定値V0 以
上か否かを判定する。つまり、最高車輪速Vwmと疑似車
体速Vrとの間に大きな開きがないかどうかを判定す
る。そして、大きな開きがないときには、S37におい
て疑似車体速Vrの前回値から車体速補正値CVrを減
算した値を今回値に置き換える。
体速補正値CVr以下であると判定したときには、S3
5において疑似車体速Vrの前回値から車体速補正値C
Vr減算した値を今回値に置き換える。それ故、疑似車
体速Vrが車体速補正値CVrに応じた所定の勾配で減
少することになる。一方、コントロールユニット24は、
S34において車輪速変化量ΔVwmが車体速補正値CV
rより大きいと判定したとき、つまり最高車輪速Vwmが
過大な変化を示したときには、S36において疑似車体
速Vrから最高車輪速Vwmを減算した値が所定値V0 以
上か否かを判定する。つまり、最高車輪速Vwmと疑似車
体速Vrとの間に大きな開きがないかどうかを判定す
る。そして、大きな開きがないときには、S37におい
て疑似車体速Vrの前回値から車体速補正値CVrを減
算した値を今回値に置き換える。
【0033】更に、コントロールユニット24は、最高車
輪速Vwmと疑似車体速Vrとの間に大きな開きが生じた
ときには、S37において最高車輪速Vwmを疑似車体速
Vrに置き換える。こうして、車両の疑似車体速Vrが
各車輪速Vw1〜Vw4に応じてサンプリグ周期Δt ごとに
更新されていく。
輪速Vwmと疑似車体速Vrとの間に大きな開きが生じた
ときには、S37において最高車輪速Vwmを疑似車体速
Vrに置き換える。こうして、車両の疑似車体速Vrが
各車輪速Vw1〜Vw4に応じてサンプリグ周期Δt ごとに
更新されていく。
【0034】次に、各種制御しきい値の設定処理につい
て、図6のフローチャートに基いて説明する。尚、この
制御しきい値の設定処理は、各チャンネルごとに独立し
て実行されるが、ここでは、左前輪用の第1チャンネル
の為の制御しきい値設定処理について説明する。コント
ロールユニット24は、S31で各種データを読み込み、
次に、S32において、図6に示すように車速域と路面
摩擦係数とをパラメータとして予め設定したテーブルか
ら、車輪速Vw1〜Vw4からもとめた代表摩擦係数値Mu
と疑似車体速Vr とに応じた走行状態パラメータを選択
する。ここで、代表摩擦係数値Muとしては、第1〜第
3チャンネルの各摩擦係数値Mu1〜Mu3の最小値が使用
される。例えば、代表摩擦係数値Muが低摩擦路面を示
す1のときに、疑似車体速Vrが中速域に属するときに
は、走行状態パラメータとして中速低摩擦路面用のLM
2が選択されることになる。
て、図6のフローチャートに基いて説明する。尚、この
制御しきい値の設定処理は、各チャンネルごとに独立し
て実行されるが、ここでは、左前輪用の第1チャンネル
の為の制御しきい値設定処理について説明する。コント
ロールユニット24は、S31で各種データを読み込み、
次に、S32において、図6に示すように車速域と路面
摩擦係数とをパラメータとして予め設定したテーブルか
ら、車輪速Vw1〜Vw4からもとめた代表摩擦係数値Mu
と疑似車体速Vr とに応じた走行状態パラメータを選択
する。ここで、代表摩擦係数値Muとしては、第1〜第
3チャンネルの各摩擦係数値Mu1〜Mu3の最小値が使用
される。例えば、代表摩擦係数値Muが低摩擦路面を示
す1のときに、疑似車体速Vrが中速域に属するときに
は、走行状態パラメータとして中速低摩擦路面用のLM
2が選択されることになる。
【0035】また、悪路フラグFakが悪路状態を示す1
にセットされているときには、図7に示すように、疑似
車体速Vrに応じた走行状態パラメータを選択する。こ
の場合、例えば、疑似車体速Vrが中速域に属するとき
には、走行状態パラメータとして中速低摩擦路面用のH
M2が強制的に選択される。これは、悪路走行時におい
ては車輪速の変動が大きいために、路面摩擦係数が小さ
く推定される傾向があるからである。
にセットされているときには、図7に示すように、疑似
車体速Vrに応じた走行状態パラメータを選択する。こ
の場合、例えば、疑似車体速Vrが中速域に属するとき
には、走行状態パラメータとして中速低摩擦路面用のH
M2が強制的に選択される。これは、悪路走行時におい
ては車輪速の変動が大きいために、路面摩擦係数が小さ
く推定される傾向があるからである。
【0036】走行状態パラメータの選択後、コントロー
ルユニット24は、S33において、図8に示す制御しき
い値設定テーブルから、走行状態パラメータに対応する
各種制御しきい値を夫々読み出す。ここで、各種制御し
きい値としては、図8に示すように、フェーズIからフ
ェーズIIへの切換判定用の1−2中間減速度しきい値B
12、フェーズIIからフェーズIII への切換判定用の2−
3中間スリップ率しきい値Bsg、フェーズIII からフェ
ーズVへの切換判定用の3−5中間減速度しきい値B3
5、フェーズVからフェーズIへの切換判定用の5−1
スリップ率しきい値Bszなどが、走行状態パラメータ毎
に夫々設定されている。
ルユニット24は、S33において、図8に示す制御しき
い値設定テーブルから、走行状態パラメータに対応する
各種制御しきい値を夫々読み出す。ここで、各種制御し
きい値としては、図8に示すように、フェーズIからフ
ェーズIIへの切換判定用の1−2中間減速度しきい値B
12、フェーズIIからフェーズIII への切換判定用の2−
3中間スリップ率しきい値Bsg、フェーズIII からフェ
ーズVへの切換判定用の3−5中間減速度しきい値B3
5、フェーズVからフェーズIへの切換判定用の5−1
スリップ率しきい値Bszなどが、走行状態パラメータ毎
に夫々設定されている。
【0037】この場合、制動力に大きく影響する減速度
しきい値は、路面摩擦係数が大きいときのブレーキ性能
と、路面摩擦係数が小さいときの制御の応答性とを高水
準で両立するために、代表摩擦係数値Muのレベルが小
さくなるほど、つまり路面摩擦係数が小さくなるほど0
Gに近づくように設定されている。ここで、コントロー
ルユニット24は、走行状態パラメータとして中速低摩擦
路面用のLM2を選択しているときには、図8の制御し
きい値設定テーブルにおけるLM2の欄に示すように、
1−2中間減速度しきい値B12、2−3中間スリップ率
しきい値Bsg、、3−5中間減速度しきい値B35、5−
1スリップ率しきい値Bszとして、−0.5G,90
%,0G,90%の各値を夫々読み出すことになる。
しきい値は、路面摩擦係数が大きいときのブレーキ性能
と、路面摩擦係数が小さいときの制御の応答性とを高水
準で両立するために、代表摩擦係数値Muのレベルが小
さくなるほど、つまり路面摩擦係数が小さくなるほど0
Gに近づくように設定されている。ここで、コントロー
ルユニット24は、走行状態パラメータとして中速低摩擦
路面用のLM2を選択しているときには、図8の制御し
きい値設定テーブルにおけるLM2の欄に示すように、
1−2中間減速度しきい値B12、2−3中間スリップ率
しきい値Bsg、、3−5中間減速度しきい値B35、5−
1スリップ率しきい値Bszとして、−0.5G,90
%,0G,90%の各値を夫々読み出すことになる。
【0038】次に、コントロールユニット24は、S33
において、代表摩擦係数値Muが高摩擦路面を示す3 に
セットされているか否かを判定し、Yes と判定したとき
にはS34において悪路フラグFakが1にセットされて
いるか否かを判定する。その判定の結果、悪路フラグF
akが1にセットされていなければ、S35に移行して舵
角信号が示す舵角θの絶対値が90°より小さいか否か
を判定し、舵角θの絶対値90°よりも小さくないとき
には、S36において、舵角θに応じた制御しきい値の
補正処理を行う。この制御しきい値の補正処理は、図9
に例示した制御しきい値補正テーブルに基いて行われ
る。
において、代表摩擦係数値Muが高摩擦路面を示す3 に
セットされているか否かを判定し、Yes と判定したとき
にはS34において悪路フラグFakが1にセットされて
いるか否かを判定する。その判定の結果、悪路フラグF
akが1にセットされていなければ、S35に移行して舵
角信号が示す舵角θの絶対値が90°より小さいか否か
を判定し、舵角θの絶対値90°よりも小さくないとき
には、S36において、舵角θに応じた制御しきい値の
補正処理を行う。この制御しきい値の補正処理は、図9
に例示した制御しきい値補正テーブルに基いて行われ
る。
【0039】即ち、図9の制御しきい値補正テーブルに
おいては、ハンドル操作量の大きいときの操舵性を確保
するために、2−3中間スリップ率しきい値Bsgおよび
5−1中間スリップ率しきい値Bszに夫々5 %を加算し
た値が、最終の1−2スリップ率しきい値Bsgおよび最
終の5−1スリップ率しきい値Bszとして設定されると
共に、その他の中間しきい値をそのまま最終しきい値と
して設定されている。尚、S35の判定結果がYes のと
きには、前記各中間しきい値がそのまま最終しきい値と
して夫々セットされることになる。
おいては、ハンドル操作量の大きいときの操舵性を確保
するために、2−3中間スリップ率しきい値Bsgおよび
5−1中間スリップ率しきい値Bszに夫々5 %を加算し
た値が、最終の1−2スリップ率しきい値Bsgおよび最
終の5−1スリップ率しきい値Bszとして設定されると
共に、その他の中間しきい値をそのまま最終しきい値と
して設定されている。尚、S35の判定結果がYes のと
きには、前記各中間しきい値がそのまま最終しきい値と
して夫々セットされることになる。
【0040】一方、コントロールユニット24は、S34
において悪路フラグFakが1にセットされていると判定
したときには、S37に移行してS35と同様に舵角θ
の絶対値が90°よりも小さいか否かを判定し、Yes と
判定したときには、S38において、図9の制御しきい
値補正テーブルに基いて、2−3中間スリップ率しきい
値Bsgおよび5−1スリップ率しきい値Bszから夫々5
%を減算した値を、最終の2−3中間スリップ率しきい
値Bsgおよび最終の5−1スリップ率しきい値Bszとし
てセットし、更に、S39において悪路に対応するよう
に、1−2中間減速度しきい値B12から1.0 Gを減算し
た値を最終の1−2減速度しきい値B12としてセットす
る補正処理を行う。
において悪路フラグFakが1にセットされていると判定
したときには、S37に移行してS35と同様に舵角θ
の絶対値が90°よりも小さいか否かを判定し、Yes と
判定したときには、S38において、図9の制御しきい
値補正テーブルに基いて、2−3中間スリップ率しきい
値Bsgおよび5−1スリップ率しきい値Bszから夫々5
%を減算した値を、最終の2−3中間スリップ率しきい
値Bsgおよび最終の5−1スリップ率しきい値Bszとし
てセットし、更に、S39において悪路に対応するよう
に、1−2中間減速度しきい値B12から1.0 Gを減算し
た値を最終の1−2減速度しきい値B12としてセットす
る補正処理を行う。
【0041】これは、悪路判定時においては、車輪速セ
ンサ27〜30が誤検出を生じやすいため、制御の応答性を
遅らせて良好な制動力を確保するためである。尚、その
他の中間しきい値はそのまま最終しきい値としてセット
される。コントロールユニット24は、S37において舵
角θの絶対値が90°よりも小さくないと判定したとき
には、S39に移行して悪路のみに応じた制御しきい値
の補正処置を行う。更に、コントロールユニット24は、
S33において代表摩擦係数値Muが3でないと判定し
たときには、S35へ移行する。尚、第2、第3チャン
ネルについても、前記第1チャンネルの場合と同様にし
て制御しきい値が設定されるようになっている。
ンサ27〜30が誤検出を生じやすいため、制御の応答性を
遅らせて良好な制動力を確保するためである。尚、その
他の中間しきい値はそのまま最終しきい値としてセット
される。コントロールユニット24は、S37において舵
角θの絶対値が90°よりも小さくないと判定したとき
には、S39に移行して悪路のみに応じた制御しきい値
の補正処置を行う。更に、コントロールユニット24は、
S33において代表摩擦係数値Muが3でないと判定し
たときには、S35へ移行する。尚、第2、第3チャン
ネルについても、前記第1チャンネルの場合と同様にし
て制御しきい値が設定されるようになっている。
【0042】次に、以上説明したABS制御の作用につ
いて、第1チャンネルに対するABS制御を例にして、
図10のタイムチャートを参照しつつ説明する。減速時
のABS非制御状態において、ブレーキぺダル16の踏込
操作によってマスターシリンダ18で発生した制動圧が徐
々に増圧し、図10(c)に示すように、左前輪1の車
輪速Vw1の変化量(減速度DVW1)が−3Gに達したと
きには、同図(a) に示すように、第1チャンネルのロッ
クフラグFlok1が1にセットされ、その時刻taからA
BS制御に移行する。
いて、第1チャンネルに対するABS制御を例にして、
図10のタイムチャートを参照しつつ説明する。減速時
のABS非制御状態において、ブレーキぺダル16の踏込
操作によってマスターシリンダ18で発生した制動圧が徐
々に増圧し、図10(c)に示すように、左前輪1の車
輪速Vw1の変化量(減速度DVW1)が−3Gに達したと
きには、同図(a) に示すように、第1チャンネルのロッ
クフラグFlok1が1にセットされ、その時刻taからA
BS制御に移行する。
【0043】この制御開始直後の第1サイクルにおいて
は、摩擦係数値Mu1は高摩擦路面を示す3にセットされ
ているため (図2のS2、S3参照) 、悪路フラグFak
が0で、かつ車輪速Vw1から算出した擬似車体速Vrが
例えば中速域に属するときには、走行状態パラメータと
して中速高摩擦路面用のHM2が選択され、この走行状
態パラメータに基いて各種の制御しきい値が設定され
る。つまり、図8の制御しきい値設定テーブルにおける
HM2の欄に予め設定された各種の制御しきい値が読み
出される。
は、摩擦係数値Mu1は高摩擦路面を示す3にセットされ
ているため (図2のS2、S3参照) 、悪路フラグFak
が0で、かつ車輪速Vw1から算出した擬似車体速Vrが
例えば中速域に属するときには、走行状態パラメータと
して中速高摩擦路面用のHM2が選択され、この走行状
態パラメータに基いて各種の制御しきい値が設定され
る。つまり、図8の制御しきい値設定テーブルにおける
HM2の欄に予め設定された各種の制御しきい値が読み
出される。
【0044】次に車輪速Vw1から求めたスリップ率S
1、車輪減速度DVw1、車輪加速度AVw1と各種の制御
しきい値とが比較され、この場合、同図(d)に示すよ
うに、フェーズ値P1が0から2に変更されるので、制
動圧は、同図(e)に示すように、増圧直後のレベルで
維持されることになる。そして、スリップ率S1が、2
−3中間スリップ率しきい値Bsg(90%)より低下し
たときには、フェーズ値P1が2から3に変更される。
このとき、第1バルブユニット20のリリーフ弁20b が所
定のデューティ率に従ってON/OFFすることになって、同
図(e)に示すように、その時刻tbから制動圧が所定
の勾配で減少して制動力が徐々に低下し、前輪1の回転
力が回復し始める。更に制動圧の減圧が続いて車輪減速
度DVw1が3−5中間減速度しきい値B35(0G) まで
低下したときには、フェーズ値P1が3から5に変更さ
れ、同図(e)に示すように、その時刻tcから制動圧
が減圧後のレベルで維持される。
1、車輪減速度DVw1、車輪加速度AVw1と各種の制御
しきい値とが比較され、この場合、同図(d)に示すよ
うに、フェーズ値P1が0から2に変更されるので、制
動圧は、同図(e)に示すように、増圧直後のレベルで
維持されることになる。そして、スリップ率S1が、2
−3中間スリップ率しきい値Bsg(90%)より低下し
たときには、フェーズ値P1が2から3に変更される。
このとき、第1バルブユニット20のリリーフ弁20b が所
定のデューティ率に従ってON/OFFすることになって、同
図(e)に示すように、その時刻tbから制動圧が所定
の勾配で減少して制動力が徐々に低下し、前輪1の回転
力が回復し始める。更に制動圧の減圧が続いて車輪減速
度DVw1が3−5中間減速度しきい値B35(0G) まで
低下したときには、フェーズ値P1が3から5に変更さ
れ、同図(e)に示すように、その時刻tcから制動圧
が減圧後のレベルで維持される。
【0045】このフェーズVの状態が続いてスリップ率
S1が5−1スリップ率しきい値Bsz(90%)を超え
たときには、同図(b)に示すように、継続フラグFcn
l が1にセットされる。その結果、第1チャンネルにお
けるABS制御は、時刻tdから第2サイクルに移行す
る。このとき、フェーズ値P1が強制的に1に変更され
る。そして、このフェーズIへの移行直後には、第1バ
ルブユニット20の開閉弁20a が、第1サイクルにおける
フェーズVの持続時間に基いて設定された初期急増圧時
間Tpzに応じて100%デューティ率で開閉され、同図
(e)に示すように、制動圧が急勾配で増圧され、この
初期急増圧時間Tpzの経過後は、開閉弁20a が所定のデ
ューティ率に従ってON/OFFされて、制動圧がより緩やか
勾配で徐々に上昇していく。こうして、第2サイクルへ
の移行直後においては、制動圧が確実に増圧され、良好
な制動圧が確保される。
S1が5−1スリップ率しきい値Bsz(90%)を超え
たときには、同図(b)に示すように、継続フラグFcn
l が1にセットされる。その結果、第1チャンネルにお
けるABS制御は、時刻tdから第2サイクルに移行す
る。このとき、フェーズ値P1が強制的に1に変更され
る。そして、このフェーズIへの移行直後には、第1バ
ルブユニット20の開閉弁20a が、第1サイクルにおける
フェーズVの持続時間に基いて設定された初期急増圧時
間Tpzに応じて100%デューティ率で開閉され、同図
(e)に示すように、制動圧が急勾配で増圧され、この
初期急増圧時間Tpzの経過後は、開閉弁20a が所定のデ
ューティ率に従ってON/OFFされて、制動圧がより緩やか
勾配で徐々に上昇していく。こうして、第2サイクルへ
の移行直後においては、制動圧が確実に増圧され、良好
な制動圧が確保される。
【0046】一方、第2サイクル以降においては、図2
のフローチャートに示すように、前サイクルにおける車
輪減速度DVw1や車輪加速度AVw1などに応じて適切な
摩擦係数値Mu1が決定され、これらの摩擦係数値と車体
速Vrとに応じた走行状態パラメータに対応する制御し
きい値が図8の制御しきい値設定テーブルから選択され
るので、走行状態に応じた緻密な制動圧の制御が行われ
ることになる。その後、第2サイクルにおけるフェーズ
Vの状態において、例えば、スリップ率S1が5−1ス
リップ率しきい値Bszより大きいと判定したときには、
フェーズ値P1が1に設定され第3サイクルに移行す
る。また、図6に基いて説明したように、悪路判定時に
は舵角θの大きさに応じて制御しきい値が補正され、非
悪路状態、あるいは悪路判定時においても代表摩擦係数
値Muが高摩擦路面を示す3でないときには、舵角θが
比較的大きい値を示すときに同様にして制御しきい値が
補正されるので、制動圧が走行状態に応じてより緻密に
制御されることになる。
のフローチャートに示すように、前サイクルにおける車
輪減速度DVw1や車輪加速度AVw1などに応じて適切な
摩擦係数値Mu1が決定され、これらの摩擦係数値と車体
速Vrとに応じた走行状態パラメータに対応する制御し
きい値が図8の制御しきい値設定テーブルから選択され
るので、走行状態に応じた緻密な制動圧の制御が行われ
ることになる。その後、第2サイクルにおけるフェーズ
Vの状態において、例えば、スリップ率S1が5−1ス
リップ率しきい値Bszより大きいと判定したときには、
フェーズ値P1が1に設定され第3サイクルに移行す
る。また、図6に基いて説明したように、悪路判定時に
は舵角θの大きさに応じて制御しきい値が補正され、非
悪路状態、あるいは悪路判定時においても代表摩擦係数
値Muが高摩擦路面を示す3でないときには、舵角θが
比較的大きい値を示すときに同様にして制御しきい値が
補正されるので、制動圧が走行状態に応じてより緻密に
制御されることになる。
【0047】ここで、本願特有の擬似車体速Vrの設定
において、第1チャンネル及び/又は第2チャンネルの
ブレーキ油圧を減圧後32ms以内の期間においては、
そのチャンネルに対応する車輪速Vw1及び/又はVw2を
除外した車輪速のうちの、最高車輪速を擬似車体速Vr
として設定するので、前輪1,2のブレーキ油圧を減圧
後32ms以内の期間に発生する異常に高い車輪速Vw1
及び/又はVw2を、擬似車体速Vrとして設定すること
がない。これにより、擬似車体速Vrの精度を高め、A
BS制御の精度や信頼性を高めることが出来る。尚、前
記32msの時間は一例を示すものであり、この32m
s以下の所定の時間又は32ms以上の所定の時間を採
用してもよい。
において、第1チャンネル及び/又は第2チャンネルの
ブレーキ油圧を減圧後32ms以内の期間においては、
そのチャンネルに対応する車輪速Vw1及び/又はVw2を
除外した車輪速のうちの、最高車輪速を擬似車体速Vr
として設定するので、前輪1,2のブレーキ油圧を減圧
後32ms以内の期間に発生する異常に高い車輪速Vw1
及び/又はVw2を、擬似車体速Vrとして設定すること
がない。これにより、擬似車体速Vrの精度を高め、A
BS制御の精度や信頼性を高めることが出来る。尚、前
記32msの時間は一例を示すものであり、この32m
s以下の所定の時間又は32ms以上の所定の時間を採
用してもよい。
【図1】実施例に係る車両のアンチスキッドブレーキ装
置の概略構成図である。
置の概略構成図である。
【図2】路面摩擦係数推定処理のフローチャートであ
る。
る。
【図3】擬似車体速の演算処理のフローチャートの一部
である。
である。
【図4】擬似車体速の演算処理のフローチャートの残部
である。
である。
【図5】車体速補正値のマップの線図である。
【図6】制御しきい値設定処理のフローチャートであ
る。
る。
【図7】走行状態パラメータを設定したテーブルの図表
である。
である。
【図8】各種制御しきい値を設定したテーブルの図表で
ある。
ある。
【図9】各種制御しきい値の補正値を設定したテーブル
の図表である。
の図表である。
【図10】アンチスキッドブレーキ装置の動作タイムチ
ャートである。
ャートである。
1,2 前輪 3,4 後輪 11〜14 ブレーキ装置 15 ブレーキ制御システム 27〜30 車輪速センサ 20,21,23 第1〜第3バルブユニット 20a,21a,23a 開閉弁 20b,21b,23b リリーフ弁 24 コントロールユニット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡邊 玲宏 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (72)発明者 益 啓純 広島県安芸郡府中町新地3番1号 ナル デック株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−244955(JP,A) 特開 昭61−36053(JP,A) 特開 昭62−146758(JP,A) 特開 平2−169362(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60T 7/12 - 8/96
Claims (1)
- 【請求項1】 前輪と後輪の回転速度を検出する車輪速
検出手段と、ブレーキ油圧を調整する油圧調整手段と、
車輪速検出手段で検出された車輪速に基いて油圧調整手
段を作動させるアンチスキッド制御手段とを備えた車両
のアンチスキッドブレーキ装置において、 前記アンチスキッド制御手段による左側前輪のブレーキ
油圧に対する減圧の終了から所定時間経過した否か判定
する第1判定手段と、 前記アンチスキッド制御手段による右側前輪のブレーキ
油圧に対する減圧の終了から所定時間経過した否か判定
する第2判定手段と、 前記車輪速検出手段で検出された4輪の車輪速信号と、
第1及び第2判定手段の判定結果とに基いて、左右の前
輪のブレーキ油圧に対する減圧の終了から所定時間経過
しているときには、4つの車輪の車輪速のうちの最高車
輪を擬似車体速として設定するとともに、所定時間経過
していないときには所定時間経過していない左側及び/
又は右側の前輪を除いた車輪の車輪速のうちの最高車輪
速を擬似車体速として設定する擬似車体速設定手段と、 を備えたことを特徴とする車両のアンチスキッドブレー
キ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09373393A JP3199198B2 (ja) | 1993-03-29 | 1993-03-29 | 車両のアンチスキッドブレーキ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09373393A JP3199198B2 (ja) | 1993-03-29 | 1993-03-29 | 車両のアンチスキッドブレーキ装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06278592A JPH06278592A (ja) | 1994-10-04 |
JP3199198B2 true JP3199198B2 (ja) | 2001-08-13 |
Family
ID=14090619
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP09373393A Expired - Fee Related JP3199198B2 (ja) | 1993-03-29 | 1993-03-29 | 車両のアンチスキッドブレーキ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3199198B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7947192B2 (en) | 2005-03-30 | 2011-05-24 | Fukuda Crystal Laboratory | Gallate single crystal, process for producing the same, piezoelectric device for high-temperature use and piezoelectric sensor for high-temperature use |
-
1993
- 1993-03-29 JP JP09373393A patent/JP3199198B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7947192B2 (en) | 2005-03-30 | 2011-05-24 | Fukuda Crystal Laboratory | Gallate single crystal, process for producing the same, piezoelectric device for high-temperature use and piezoelectric sensor for high-temperature use |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH06278592A (ja) | 1994-10-04 |
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