しかし、前述のキルティング構造及びマチ構造は、袋体の内部に充填された羽毛の偏りを抑制する効果があるものの、留め合わせの間隔が広ければ各区画内において羽毛の偏りが発生する。一方、留め合わせの間隔が狭ければ、留め合わせ部分が増加することにより、保温機能が十分に保てない。
また、留め合わせ部分は各区画の中心部分よりも薄くなり、断面視において周囲よりもくびれた形状を有することにより、使用者の体の表面との間に隙間が生じ易くなる。そのため、留め合わせ部分の間隔が狭くなると羽毛布団の外周縁から前記隙間に冷たい外気が入り込み易くなる。
一方、使用者が羽毛布団を被る動作を行う際には、一般に羽毛布団の襟元部分をできるだけ頭に近づけて被ろうとするために、羽毛布団の襟元部分を掴んで行うことが多い。そのため、従来の羽毛布団の襟元部分が掴まれることにより羽毛の偏りが発生して布団厚みが薄くなりやすいという問題があった。
また、羽毛布団の襟元部分の羽毛の偏りを抑制するため、留め合わせ部分の間隔を狭めると、前述したように、使用者の体の表面と羽毛布団との間に隙間が多く生じることとなり、冷たい外気が入りやすくなるという問題があった。
そこで、上記課題を解決するための手段として本考案に係る羽毛布団は、袋体の内側空間に羽毛が充填されてなる羽毛布団であって、前記袋体は、表布地と、前記表布地と厚さ方向に離間した位置に配置されて、前記表布地との間に前記内側空間を形成してなる裏布地と、前記表布地及び裏布地の、前記内側空間に面するそれぞれの内側面の外周縁部に沿って帯状布体の縁端部が縫合されて、袋体の外周壁をマチに形成してなる外周マチ部と、前記内側空間を、前記表布地及び裏布地の前記内側面に対して起立した細長の布体によって格子状に仕切る仕切部とから構成されてなり、前記仕切部の起立面によって形成される複数の区画部のうち、最も襟元側に形成され、かつ、横幅方向中央部に形成されてなる襟元区画部が、他の区画部よりも幅広に形成され、前記襟元区画部の内部空間において少なくとも襟元区画部の横幅と同一若しくは略同一の横幅を有する一部空間が、前記襟元区画部の内部空間の残部空間との羽毛の移動を遮断する柔軟な隔壁によって隔離されてなる襟元羽毛保持部に形成されてなることを特徴とする。
外周マチ部を有しない従来の羽毛布団は、外周縁において表布地と裏布地が袋体の外周縁で直接縫合されてなるため、袋体の外周縁よりも少し中央寄りの部分から外周縁へ向けて布団厚みが徐々に薄くなっていた。そのため、従来の羽毛布団では、布団の中心部と同等の保温機能は布団の外周縁においては発揮されず、使用者は、布団の外周縁から進入する冷気によって快適な睡眠を得ることができなかった。
一方、本考案は、外周マチ部を備えることによって、羽毛布団全体における外周縁部の布団厚みを、羽毛布団の中心部の布団厚みと同等の厚みに保持することができる。このため、羽毛布団の外周縁部においても布団の中心部と同等の保温機能を維持することができる。従って、本考案に係る羽毛布団と外周マチ部を有しない従来の羽毛布団とでは、それぞれ同一の大きさの表布地及び裏布地を用いた場合であっても、保温機能を発揮できる範囲が本考案に係る羽毛布団の方が大きいという特徴を有する。そのため、使用者が寝返りをうち、体に被っている羽毛布団がかたよっても、羽毛布団の外周縁部から体を冷やしにくいという効果も有する。
外周マチ部は、内側空間に充填する羽毛のグレードによって厚み方向の幅を変更することができる。羽毛のグレードによって、羽毛布団として最適な厚さも変わるためである。なお、羽毛のグレードはダックダウン、グースダウンなどの原料や、かさ高性及びダウン率によって変化する。
仕切部は、表布地及び裏布地の内側面と留め合されてなり、区画部間における羽毛の移動を防止して羽毛布団全体における羽毛の偏りを抑制する効果を有する。仕切部は、仕切部の上端部及び下端部が、表布地及び裏布地の内側面とそれぞれ縫着されて固定されてなると共に、側端部が前記外周マチ部の内側面とも固定されてなることが好ましい。これにより各区画部に充填された羽毛が、仕切部と外周マチ部との間を抜けて他の区画部に移動することをより確実に防止することができ、袋体全体における羽毛の偏りの発生を抑制することができるからである。
襟元羽毛保持部が、襟元区画部の内部空間の横幅と略同一の幅を有する場合としては、隔壁が、襟元区画部の内部空間において横幅方向に対向する起立面と内接することが可能な位置となる横幅を有することが好ましい。襟元羽毛保持部が襟元区画部の内部空間の横幅と同一若しくは略同一の横幅であれば、襟元羽毛保持部が襟元区画部と一体となって使用者の体の表面形状に合わせて変形することができる。そのため、使用者は襟元羽毛保持部の存在を気にすることなく羽毛布団を使用することができ、また、襟元区画部が広い接触面を確保することで襟元において使用者の体に対するゆったりした感触を与えるという効果を襟元羽毛保持部によって損なわれることがない。
ここで、使用者に対して確保しようとする接触面とは、襟元区画部を形成する仕切部と表布地及び裏布地との留め合わせ部分に囲まれた袋体の表面及び裏面をいう。前記留め合わせ部分は、仕切部を固定するために縫着等の処置がされた部分が固くて不快な肌触りを与える。従って、特に寝心地に影響を与える使用者の襟元の体表面と留め合わせ部分が重ならないように襟元区画部を幅広に形成することで、広い接触面を確保することができ、襟元における使用者にゆったりした感触を与えることができる。
さらに、襟元羽毛保持部は、襟元区画部の内部空間の残部空間との羽毛の移動を遮断する隔壁によって隔離されてなるため、襟元区画部の範囲内における羽毛の移動を抑制することができる。これにより、襟元区画部が幅広であるにもかかわらず、襟元羽毛保持部を備えることによって羽毛の偏りが従来よりも抑制されて、布団厚みを長期にわたって保持できる。また、使用者は、前記留め合わせ部分を体に重ねないように羽毛布団を被ることができるため、使用者の襟元において体表面と羽毛布団との間に留め合わせ部分による隙間を形成させず、当該隙間から入り込む外気によって体表面が晒されることを防止することができる。
また、前記襟元羽毛保持部が、前記袋体の襟元側端辺から足元側に向かって前記襟元区画部の中央部まで膨出した袋状の隔壁によって形成されてなることとしても好ましい。これにより、襟元羽毛保持部の内部に充填された羽毛が襟元区画部の内部において足元方向へ偏らず、襟元の布団厚みの減少を防止することができる。
前記襟元羽毛保持部が、前記袋体の襟元側端辺から足元側に向かって膨出した袋状の隔壁によって形成されてなる場合、袋状の隔壁が袋体の襟元側端辺において口窄まりに固定されてなるものであっても好ましく、また、襟元羽毛保持部を構成する隔壁のうち、襟元側の隔壁は、前記袋体の襟元側に形成された前記外周マチ部の一部によって構成されていても好ましい。
また、前記襟元羽毛保持部が、前記隔壁によって上下に分割された前記襟元区画部の一方の半部によって形成されてなることとしても好ましい。これによれば、襟元区画部内に充填された羽毛の上下方向の移動を抑制し、布団厚みの減少の発生を遅くすることができる。さらに襟元羽毛保持部の横幅と襟元区画部の横幅とが同一であるため、襟元区画部が使用者の体と接触する際に、襟元羽毛保持部の存在を違和感として使用者に感じさせることがない。
また、前記羽毛布団は、前記襟元区画部が、前記袋体の横幅方向中央部において左右に二つ形成されてなる構造に形成されても好ましい。このような構造に形成されることにより、本考案に係る羽毛布団をダブルベッドにおいて二人で使用することも可能となるからである。
さらにまた、前記仕切部のうち、一方向を向いた起立面を有する仕切部には、それぞれ前記起立面を介して隣り合う両側の区画部を貫通する挿通部が形成され、前記挿通部が、二枚の布地を襟元から足元方向に向かって重ねられた重複部に形成されると共に、前記重複部における前記二枚の布地を押し開くことによって前記起立面を介して隣り合う両側の区画部に対して一時的に解放可能に形成されることとしても好ましい。
本考案に係る羽毛布団は、前記袋体を形成した後、各区画部に羽毛を注入して充填させることによって製造することができる。羽毛の注入は、例えば足元側の外周マチ部と表布地若しくは裏布地との縫合部の一部に予め解放部を設けておき、当該解放部からパイプ状の羽毛注入管を内側空間に挿入して行う。内側空間に挿入された羽毛注入管は、外周マチ部から最初に挿入された手前側の区画部から、各区画部を形成する仕切部に設けられた挿通部を通されて、最も奥側の区画部がある襟元側端辺の手前まで挿通される。その後、最も奥側の区画部から最も手前の区画部まで、順番に羽毛注入管から排出された羽毛を充填する。
なお、一の区画部において羽毛の充填が完了し、当該一の区画部における挿通部から羽毛注入管が抜き取られると、前記重複部における二枚の布地は自動的に重なり合うことによって、一時的に解放状態となっていた挿通部を閉塞させることができる。これにより、当該一の区画部から他の区画部へ挿通部を介した羽毛の移動を防ぐことができる。
なお、前記解放部は、袋体の横幅方向に、区画部の配列に合わせて複数設けておき、前述の手順により襟元側から足元側までの一列に配列された区画部への羽毛の充填が終われば他の解放部に羽毛注入管を挿入し、同様に羽毛の充填作業を繰り返すことで、全ての区画部に羽毛を充填することができる。
なお、ここに示す羽毛の充填作業において、襟元区画部の残部空間は他の区画部と同様に扱われて充填作業が行われる。
一方、襟元羽毛保持部は、前記襟元区画部の内部空間の残部空間との羽毛の移動を遮断する柔軟な隔壁によって隔離されて形成されてなるため、襟元羽毛保持部内には、前記解放部から羽毛注入管を挿入して羽毛を充填することはできない。そのため、襟元側の外周マチ部と表布地若しくは裏布地との縫合部の一部に、予め襟元羽毛保持部の内部まで解放されてなる襟元側解放部を設けておき、当該襟元側解放部に羽毛注入管を別途挿入し、襟元羽毛保持部内に羽毛を充填する。
袋体内への羽毛の充填作業が完了すると、羽毛が外部へ放出されないように各解放部及び襟元側解放部は縫合される。
本考案によれば、襟元において使用者の体に対するゆったりした感触を与えることができる広い接触面を確保すると共に、使用を繰り返しても襟元区画部の布団厚みが厚い状態を保持して高い保温機能を維持することができる羽毛布団を実現することができる。
また、外周マチ部を備えることによって、襟元区画部の襟元側の端面近傍の布団厚みを襟元区画部の中心付近の布団厚みと同等の厚みとすることができ、襟元近傍における保温機能を保持することができる。
さらに、本考案に係る羽毛布団と外周マチ部を有しない従来の羽毛布団とを同一の大きさに形成した場合であっても、保温機能を発揮できる範囲が本考案に係る羽毛布団の方が大きいという特徴を有する。
以下、本考案に係る実施の形態を、図を参照しながら詳しく説明する。
図1は、羽毛布団1の外観を示す斜視図である。羽毛布団1は、表面を形成する表布地3と、前記表布地3と厚さ方向に離間した位置に配置され、表布地3との間に内側空間9を形成してなる裏布地4と、前記表布地3及び裏布地4の、前記内側空間9に面するそれぞれの内側面5,6の外周縁部7に沿って帯状布体の縁端部が縫合されてなる外周マチ部8を備える袋体2を構成してなる。外周マチ部8は、袋体2の外周壁をマチの形状に形成してなる。
さらに袋体2は、図2に示すように、前記内側空間9を、前記表布地3及び裏布地4の前記内側面5,6に対して起立した細長の布体によって格子状に仕切る仕切部10を有してなる。前記仕切部10の起立面11によって内側空間9には複数の区画部12が格子状に配列して形成されてなる。
仕切部10の上端部13及び下端部14は、図4に示すように、それぞれ内側面5,6と接する部分においてL字型に折り曲げられて表布地3及び裏布地4と縫着されてなる。また、仕切部10の側端部15は、前記外周マチ部8の内側面15と接する部分においてL字型に折り曲げられ、外周マチ部8と縫着されてなる。これにより各区画部12に充填された羽毛Fが、仕切部10と、表布地3、裏布地4、若しくは外周マチ部8との間を通り抜けて他の区画部12に移動することを防止することができ、袋体2全体において羽毛Fの偏りが生じることを防止することができる。
なお本実施の形態において、仕切部10は、上側仕切部10a及び下側仕切部10bが袋体2の厚さ方向に連接部10cにおいて連接されてなる。当該連接は縫着によって行われることが好ましい。仕切部10を上側仕切部10a及び下側仕切部10bから構成することで、予め上側仕切部10aの上端部13を表布地3に縫着させると共に、別途下側仕切部10bの下端部14を裏布地4に縫着させておいてから、上側仕切部10a及び下側仕切部10bを連接させることで、仕切部10が厚み方向に対して一体である場合と比較して、仕切部10を表布地3及び裏布地4に縫着する工程が容易となる利点がある。
表布地3と仕切部10とが縫着されてなる留め合わせ部分Bは、図1に示すように外側から各区画部12の境界部として視認でき、また、肌触りにおいても、留め合わせ部分Bが使用者Pの体表面に触れると、固く不快な感触を与える原因となる。
図6に示すように、仕切部10の起立面11によって形成される複数の区画部12のうち、最も襟元側に形成され、かつ、横幅方向中央部には襟元区画部16が形成されてなる。襟元区画部16は、他の区画部12よりも幅広に形成されてなる。
襟元区画部16には、襟元区画部16の内部空間のうち、一部空間17は、残部空間18との羽毛Fの移動を遮断する柔軟な隔壁19によって隔離されてなる襟元羽毛保持部20が形成されてなる。なお、羽毛布団1は、図3に示すように、襟元区画部16が、袋体2の横幅方向中央部において左右に二つ形成されてなるダブルベッド構造に形成することもできる。
襟元羽毛保持部20は種々の形態をとることができる。例えば、襟元羽毛保持部20の第一形態としては、図7に示すように、前記袋体2の襟元側端辺21から足元側に向かって前記襟元区画部16の中央部まで膨出した袋状の隔壁19aであって、当該隔壁19aが、袋体2の襟元側端辺21において口窄まりに固定されてなる襟元羽毛保持部20aが挙げられる。
また、襟元羽毛保持部20の第二形態として、図8に示すように、前記袋体2の襟元側端辺21から足元側に向かって前記襟元区画部16の中央部まで膨出した袋状の隔壁19b1、及び前記袋体2の襟元側に形成された前記外周マチ部8の一部が隔壁19b2によって形成されてなる襟元羽毛保持部20bとしても好ましい。
前記襟元羽毛保持部20a、20bは襟元区画部16に内包された形状に形成されてなり、襟元区画部16の横幅と略同一の横幅を有する。なお、襟元羽毛保持部20aの側周部22aは襟元区画部16の残部空間18を形成する内壁面23と縫着されており、また、襟元羽毛保持部20bの側周部22bは襟元区画部16の残部空間18を形成する内壁面23と縫着されてなる。側周部22a、側周部22bがそれぞれ残部空間18を形成する内壁面23と縫着されて固定されてなることで、使用者が羽毛布団1を使用している際に体を動かしても襟元羽毛保持部20a、20bの遊動を抑え、襟元羽毛保持部20a、20bの存在を感じさせることによる使用者への違和感を減少させることができる。
さらに、襟元羽毛保持部20の第三形態を、図9に示すように、隔壁19c1によって上下に分割された襟元区画部16の下半部によって形成されてなる襟元羽毛保持部20cとしても好ましい。これによれば、襟元区画部内16に充填された羽毛Fの上下方向の移動を抑制し、布団厚みの減少の発生を遅くすることができる。さらに、襟元羽毛保持部20cの横幅と襟元区画部16の横幅とが同一であるため、襟元区画部16が使用者の体と接触する際に、襟元羽毛保持部20cの存在を違和感として使用者に感じさせることがない。なお、襟元羽毛保持部20cは隔壁19c1以外の隔壁19c2を、襟元区画部内16を形成する仕切部10、裏布地4、及び外周マチ部8と共通させる。
外周マチ部8を有しない従来の羽毛布団24は、図10の点線に示すように、外周縁端において表布地と裏布地が袋体の外周縁で直接縫合されてなるため、外周縁付近において外周縁端へ向けて布団厚みが徐々に薄くなっていた。そのため、従来の羽毛布団24では、布団の中心部と同等の保温機能は布団の外周縁付近においては発揮されず、使用者は、布団の外周縁付近から進入する冷気によって快適な睡眠を得ることができなかった。
一方、本考案は、外周マチ部8を備えることによって、羽毛布団1全体における外周縁部7の布団厚みを、図10の実線に示すように、羽毛布団1の中心部の布団厚みと同等の厚みに保持することができる。このため、羽毛布団1の外周縁部7においても布団の中心部と同等の保温機能を維持することができる。従って、本考案に係る羽毛布団1と外周マチ部8を有しない従来の羽毛布団24とでは、それぞれ同一の大きさの表布地及び裏布地を用いた場合であっても、高い保温機能を保持できる範囲が本考案に係る羽毛布団1の方が大きいという特徴を有する。そのため、使用者Pが寝返りをうち、体に被っている羽毛布団1がかたよっても、従来よりも羽毛布団1の外周縁部7から入り込む冷気を減少させて体を冷やしにくいという効果も有する。
さらにまた、仕切部10のうち、足元から襟元への一方向Xに向いた起立面11を有する上側仕切部10axには、図4に示すように、それぞれ前記起立面11を介して隣り合う両側の区画部12を貫通する挿通部25が形成されてなる。挿通部25は、二枚の布地を襟元から足元方向に向かって重ねられた重複部26に形成されテなることが好ましい。重複部26における前記二枚の布地を、図5に示すようにX方向に押し開くことによって前記起立面11を介して隣り合う両側の区画部12に対して一時的に解放可能に形成されることとしても好ましい。
本考案に係る羽毛布団1は、前記袋体2を形成した後、各区画部12に羽毛Fを注入して充填させることによって製造することができる。羽毛Fの注入は、例えば足元側の外周マチ部8と表布地3若しくは裏布地4との縫合部の一部に予め解放部27を設けておき、当該解放部27からパイプ状の羽毛注入管28を内側空間9に挿入して行う。内側空間9に挿入された羽毛注入管28は、図6に示すように、外周マチ部8から最初に挿入された手前側の区画部12から、各区画部12を形成する仕切部10に設けられた挿通部25を通されて、最も奥側の区画部12がある襟元側端辺21の手前まで挿通される。その後、最も奥側の区画部12から最も手前の区画部12まで、順番に羽毛注入管28から排出された羽毛Fを充填する。
なお、一の区画部12において羽毛Fの充填が完了し、当該一の区画部12における挿通部25から羽毛注入管28が抜き取られると、前記重複部26における二枚の布地は自動的に重なり合うことによって、一時的に解放状態となっていた挿通部25を閉塞させることができる。これにより、当該一の区画部12から他の区画部12へ挿通部25を介した羽毛Fの移動を防ぐことができる。
前記解放部27は、図11に示すように、袋体2の横幅方向に、区画部12の配列に合わせて複数設けておき、前述の手順により襟元側から足元側までの一列に配列された区画部12への羽毛Fの充填が終われば他の解放部27に羽毛注入管28を挿入し、同様に羽毛Fの充填作業を繰り返すことで、全ての区画部12に羽毛Fを充填することができる。
なお、ここに示す羽毛Fの充填作業において、襟元区画部16の残部空間18は他の区画部12と同様に扱われて充填作業が行われる。
一方、襟元羽毛保持部16は、前記襟元区画部12の内部空間の残部空間18との羽毛Fの移動を遮断する柔軟な隔壁19によって隔離されて形成されてなるため、襟元羽毛保持部16内には、前記解放部27から羽毛注入管28を挿入して羽毛Fを充填することはできない。そのため、図11に示すように、襟元側の外周マチ部8と表布地3若しくは裏布地4との縫合部の一部に、予め襟元羽毛保持部16の内部まで解放されてなる襟元側解放部29を設けておき、当該襟元側解放部29に羽毛注入管28を挿入し、襟元羽毛保持部16内に羽毛Fを充填する。
前記襟元羽毛保持部16aへ羽毛Fを充填する際には、図12に示すように、襟元側端辺21における外周マチ部8と表布地3との縫い合わせ部分を開放して襟元側解放部29aを形成すると共に、隔壁10aの口窄まりに閉じられていた部分を開放して羽毛注入管28を襟元羽毛保持部16aの内部へ挿入して羽毛Fを送り込むことによって行う。
また、前記襟元羽毛保持部16bへ羽毛充填する際には、隔壁10b2と表布地3若しくは裏布地4との縫い合わせ部分を開放して襟元側解放部29bを形成して羽毛注入管28を襟元羽毛保持部16bの内部へ挿入して羽毛Fを送り込むことによって行う。
さらに、前記襟元羽毛保持部16cへ羽毛Fを充填する際には、図13に示すように、襟元側端辺21における外周マチ部8と裏布地4との縫い合わせ部分を開放して襟元側解放部29cを形成して羽毛注入管28を襟元羽毛保持部16cの内部へ挿入して羽毛Fを送り込むことによって行う。
袋体2内への羽毛Fの充填作業が完了すると、羽毛Fが外部へ放出されてないように各解放部27及び襟元側解放部29は縫合される。
襟元区画部16が幅広に形成されてなることにより、使用者Pは前記留め合わせに対応する仕切部を体に重ねないように羽毛布団を被ることができるため、襟元での肌触りのより寝心地を実現することができる。襟元区画部16が幅広であるにもかかわらず、襟元羽毛保持部20を備えることによって羽毛Fの偏りが従来よりも抑制されて、布団厚みを長期にわたって保持できる。また、使用者は、前記留め合わせに対応する仕切部を体に重ねないように羽毛布団1を被ることができるため、使用者Pの襟元において体表面と羽毛布団1との間に仕切部による隙間を形成させず、当該隙間から入り込む外気によって体表面が晒されることを防止することができる。