JP3191897B2 - 警報音発生装置 - Google Patents
警報音発生装置Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は緊急自動車などで用いる
警報音発生装置に関し、特に指向性の向上に係わる。
警報音発生装置に関し、特に指向性の向上に係わる。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来の
緊急自動車等の車両2では通常図7Aのように2つの指
向性スピーカS 1 ,S2 を左右に並べて一つの信号発生
装置から同時に駆動して警報音を発生させている。この
結果、十分遠方では図7のB,Cの特性を掛け合わせた
ような指向性をもって音波を発生していることになる。
図Bは2つのスピーカを同じ信号で駆動することによる
指向性で、図Cはスピーカ固有の指向性である。しかし
ながらその指向特性は十分ではない。
緊急自動車等の車両2では通常図7Aのように2つの指
向性スピーカS 1 ,S2 を左右に並べて一つの信号発生
装置から同時に駆動して警報音を発生させている。この
結果、十分遠方では図7のB,Cの特性を掛け合わせた
ような指向性をもって音波を発生していることになる。
図Bは2つのスピーカを同じ信号で駆動することによる
指向性で、図Cはスピーカ固有の指向性である。しかし
ながらその指向特性は十分ではない。
【0003】本発明の目的は、できるだけ鋭い指向性を
もった警報音発生装置を提供することにある。
もった警報音発生装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】(1) 請求項1の警報音
発生装置は、車両前方に向けて、前後方向にずらして前
記車両に配設される複数のスピーカと、それらスピーカ
の内の最前列(又は最後列)のスピーカ及び装置内の所
定部に警報信号を分配供給する信号発生部と、その信号
発生部より分配供給される警報信号の位相を、車両前方
の音波の時間平均パワーが最大となるように、前記最前
列(又は最後列)のスピーカを除く各スピーカごとに、
それぞれ制御した信号を作成して、各スピーカに入力す
る移相部とにより構成される。
発生装置は、車両前方に向けて、前後方向にずらして前
記車両に配設される複数のスピーカと、それらスピーカ
の内の最前列(又は最後列)のスピーカ及び装置内の所
定部に警報信号を分配供給する信号発生部と、その信号
発生部より分配供給される警報信号の位相を、車両前方
の音波の時間平均パワーが最大となるように、前記最前
列(又は最後列)のスピーカを除く各スピーカごとに、
それぞれ制御した信号を作成して、各スピーカに入力す
る移相部とにより構成される。
【0005】(2) 請求項2の発明では、前記(1) 項
記載の警報音発生装置において、前記移相部が、前記複
数のスピーカの内の前記最前列(又は最後列)のスピー
カを除くスピーカにそれぞれ警報信号を入力する電圧制
御発振器部と、前記最前列(又は最後列)のスピーカを
除く各スピーカの入力信号の前記最前列(又は最後列)
のスピーカの入力信号に対する各位相差を、車両前方の
音波の時間平均パワーが最大となるように、前記走行速
度に応じて設定する位相差設定部と、前記各スピーカの
入力信号と前記最前列(又は最後列)のスピーカの入力
信号との位相を比較し、前者の後者に対する位相差が、
前記位相差設定部で設定された値に一致するように、前
記電圧制御発振器部を制御する位相比較部とにより構成
される。
記載の警報音発生装置において、前記移相部が、前記複
数のスピーカの内の前記最前列(又は最後列)のスピー
カを除くスピーカにそれぞれ警報信号を入力する電圧制
御発振器部と、前記最前列(又は最後列)のスピーカを
除く各スピーカの入力信号の前記最前列(又は最後列)
のスピーカの入力信号に対する各位相差を、車両前方の
音波の時間平均パワーが最大となるように、前記走行速
度に応じて設定する位相差設定部と、前記各スピーカの
入力信号と前記最前列(又は最後列)のスピーカの入力
信号との位相を比較し、前者の後者に対する位相差が、
前記位相差設定部で設定された値に一致するように、前
記電圧制御発振器部を制御する位相比較部とにより構成
される。
【0006】(3) 請求項3の発明では前記(1) 項記
載の警報音発生装置において、前記スピーカは、最前列
(又は最後列)の第1スピーカ乃至最後列(又は最前
列)の第nスピーカ(n≧3) とより成り、前記信号発
生部は、第1周波数f1 、第2周波数f2 …、第(n−
1) 周波数fn-1 (ただしf1 >f2 …>fn-1 )の警
報信号をそれぞれ切換、発生するものであり、前記移相
部は、前記信号発生部より分配供給される前記第1乃至
第(n−1) 周波数の警報信号の位相を対応する前記第
2乃至第nスピーカごとに偏倚させた信号を作成し、各
スピーカに入力するものである。
載の警報音発生装置において、前記スピーカは、最前列
(又は最後列)の第1スピーカ乃至最後列(又は最前
列)の第nスピーカ(n≧3) とより成り、前記信号発
生部は、第1周波数f1 、第2周波数f2 …、第(n−
1) 周波数fn-1 (ただしf1 >f2 …>fn-1 )の警
報信号をそれぞれ切換、発生するものであり、前記移相
部は、前記信号発生部より分配供給される前記第1乃至
第(n−1) 周波数の警報信号の位相を対応する前記第
2乃至第nスピーカごとに偏倚させた信号を作成し、各
スピーカに入力するものである。
【0007】(4) 請求項4の発明は、前記(3) 項記
載の警報音発生装置において、前記移相部が、前記第2
乃至第nスピーカにそれぞれ警報信号を入力する電圧制
御発振器部と、前記第2乃至第nスピーカの各入力信号
のそれぞれ前記第1乃至第(n−1)周波数の警報信号
に対する位相差を設定する位相差設定部と、前記第2乃
至第nスピーカの各入力信号と前記第1乃至第(n−
1) 周波数の警報信号との位相をそれぞれ比較し、前者
の後者に対する位相差が、前記位相差設定部で設定され
た値に一致するように、前記電圧制御発振器部を制御す
る位相比較部とより構成される。
載の警報音発生装置において、前記移相部が、前記第2
乃至第nスピーカにそれぞれ警報信号を入力する電圧制
御発振器部と、前記第2乃至第nスピーカの各入力信号
のそれぞれ前記第1乃至第(n−1)周波数の警報信号
に対する位相差を設定する位相差設定部と、前記第2乃
至第nスピーカの各入力信号と前記第1乃至第(n−
1) 周波数の警報信号との位相をそれぞれ比較し、前者
の後者に対する位相差が、前記位相差設定部で設定され
た値に一致するように、前記電圧制御発振器部を制御す
る位相比較部とより構成される。
【0008】(5) 請求項5の発明では、前記(1) 乃
至(4) 項のいずれかに記載の警報音発生装置におい
て、前記警報信号の周波数及び前記各スピーカと前記最
前列(又は最後列)のスピーカとの前後方向の間隔は、
前記車両の後方における音波の時間平均パワーがほぼ最
小となるように設定される。 (6) 請求項6の発明では、前記(1) 乃至(5) 項の
いずれかに記載の警報音発生装置において、前記速度測
定部が、測定用信号の発生装置と、その発生装置の出力
を入力し、車両前方に向けて放音する発音体と、その発
音体の前方及び後方にそれぞれ近接して配設される第1
及び第2マイクロホンと、前記発音体より放音した音波
と前記第1、第2マイクロホンで受音した音波との間の
時間差をそれぞれ測定する時間差測定部と、その時間差
測定部の測定値から前記車両の走行速度を測定する走行
速度測定部とにより構成される。
至(4) 項のいずれかに記載の警報音発生装置におい
て、前記警報信号の周波数及び前記各スピーカと前記最
前列(又は最後列)のスピーカとの前後方向の間隔は、
前記車両の後方における音波の時間平均パワーがほぼ最
小となるように設定される。 (6) 請求項6の発明では、前記(1) 乃至(5) 項の
いずれかに記載の警報音発生装置において、前記速度測
定部が、測定用信号の発生装置と、その発生装置の出力
を入力し、車両前方に向けて放音する発音体と、その発
音体の前方及び後方にそれぞれ近接して配設される第1
及び第2マイクロホンと、前記発音体より放音した音波
と前記第1、第2マイクロホンで受音した音波との間の
時間差をそれぞれ測定する時間差測定部と、その時間差
測定部の測定値から前記車両の走行速度を測定する走行
速度測定部とにより構成される。
【0009】(7) 請求項7の発明では、前記(1) 乃
至(6) 項のいずれかに記載の警報音発生装置におい
て、前記速度測定部が、車両の走行速度と共に音速を測
定し、その測定された走行速度と音速に応じて、前記移
相部が、前記各スピーカ入力信号の位相を制御するもの
である。
至(6) 項のいずれかに記載の警報音発生装置におい
て、前記速度測定部が、車両の走行速度と共に音速を測
定し、その測定された走行速度と音速に応じて、前記移
相部が、前記各スピーカ入力信号の位相を制御するもの
である。
【0010】
【実施例】本発明では、複数のスピーカを車両の前後方
向にずらせて配置し、それぞれの発生する音波の位相を
制御することで鋭い指向性を持たせることが特徴であ
る。またその際に、自動車などの走行速度に依存するド
ップラー効果も考慮する。図5は本発明におけるスピー
カの配置例を示す。車両2の前後方向にずらせてスピー
カを配設する。間隔はおよそ発生する音の波長の1/4
程度が目安となる。スピーカの個数を多くするほど強い
指向性を持たせることができる。
向にずらせて配置し、それぞれの発生する音波の位相を
制御することで鋭い指向性を持たせることが特徴であ
る。またその際に、自動車などの走行速度に依存するド
ップラー効果も考慮する。図5は本発明におけるスピー
カの配置例を示す。車両2の前後方向にずらせてスピー
カを配設する。間隔はおよそ発生する音の波長の1/4
程度が目安となる。スピーカの個数を多くするほど強い
指向性を持たせることができる。
【0011】図1Aは本発明の請求項1の実施例の構成
を示す。ここでは警報信号として正弦波を用い、スピー
カの個数を4個とする。信号発生部4の出力を直接最前
列のスピーカS1 へ、また移相部5を通してスピーカS
2 〜S4 に供給する。移相部5は警報信号の位相をスピ
ーカS1 の入力の位相を基準として各スピーカごとに制
御する。これはVCOと位相比較器を用いるPLL制御
或いは遅延器を制御器で制御する方法で実現できる。位
相調整方法は後述するが、スピーカの間隔、警報信号の
周波数、車両の走行速度に依存して所望の指向性を得る
ように決定される。
を示す。ここでは警報信号として正弦波を用い、スピー
カの個数を4個とする。信号発生部4の出力を直接最前
列のスピーカS1 へ、また移相部5を通してスピーカS
2 〜S4 に供給する。移相部5は警報信号の位相をスピ
ーカS1 の入力の位相を基準として各スピーカごとに制
御する。これはVCOと位相比較器を用いるPLL制御
或いは遅延器を制御器で制御する方法で実現できる。位
相調整方法は後述するが、スピーカの間隔、警報信号の
周波数、車両の走行速度に依存して所望の指向性を得る
ように決定される。
【0012】図2は本発明の請求項2の実施例の構成を
示す図である。この例では、移相部5はVCO部8と、
位相比較部9と、位相差(オフセット)設定部10とで
構成される。また信号発生部4はVCO4aと制御電圧
発生器4bとで構成される。この場合スピーカS2 ,S
3 ,S4 ごとに電圧制御発振器(VCO)を用意し、そ
れぞれの出力の位相が基準の信号発生部4の出力と所望
の位相差(オフセット)に保たれるように位相を制御す
るPLL制御を用いている。位相差は、この場合もスピ
ーカの間隔と発振周波数および走行速度で設定する。図
2の構成ではそれぞれの発振器の出力を使って閉ループ
で制御するので、警報信号の周波数の変更、走行速度の
変化に柔軟に追随できる。
示す図である。この例では、移相部5はVCO部8と、
位相比較部9と、位相差(オフセット)設定部10とで
構成される。また信号発生部4はVCO4aと制御電圧
発生器4bとで構成される。この場合スピーカS2 ,S
3 ,S4 ごとに電圧制御発振器(VCO)を用意し、そ
れぞれの出力の位相が基準の信号発生部4の出力と所望
の位相差(オフセット)に保たれるように位相を制御す
るPLL制御を用いている。位相差は、この場合もスピ
ーカの間隔と発振周波数および走行速度で設定する。図
2の構成ではそれぞれの発振器の出力を使って閉ループ
で制御するので、警報信号の周波数の変更、走行速度の
変化に柔軟に追随できる。
【0013】図4は走行速度vを音速Vとともに測定す
る方法を示す。警報音発生用スピーカとは別にスピーカ
21を用意し、パルス列またはM系列雑音で駆動する。
スピーカ21の出力をマイクロホン22,23で受け
て、各マイクロホンの出力M1(t)、M2 (t)のス
ピーカ駆動信号S(t)との時間差Δt1 ,Δt2 から
音速V、車両の走行速度vを算出する。前方のマイクロ
ホン21だけでは音速Vと走行速度vの差V−v=L1
/Δt1 が測定できるが、それぞれを分離した速度は分
からない。後方にもうひとつのマイクロホン23をおい
て時間差Δt2 を測定すると、音速Vと走行速度vの和
V+v=L2 /Δt2 が測定できる。ここでL1 ,L2
はマイクロホン22,23とスピーカ21との間隔であ
る。各速度の差及び和から、V及びvを測定できる。こ
の結果を使ってスピーカごとの位相差を制御すればよ
い。この速度測定用のスピーカ21を警報音発生用スピ
ーカと共用し、速度測定用のM系列信号を警報音に重畳
することも可能である。警報音が正弦波の場合にはその
成分をフィルタで除去すれば、時間差が測定できるため
である。
る方法を示す。警報音発生用スピーカとは別にスピーカ
21を用意し、パルス列またはM系列雑音で駆動する。
スピーカ21の出力をマイクロホン22,23で受け
て、各マイクロホンの出力M1(t)、M2 (t)のス
ピーカ駆動信号S(t)との時間差Δt1 ,Δt2 から
音速V、車両の走行速度vを算出する。前方のマイクロ
ホン21だけでは音速Vと走行速度vの差V−v=L1
/Δt1 が測定できるが、それぞれを分離した速度は分
からない。後方にもうひとつのマイクロホン23をおい
て時間差Δt2 を測定すると、音速Vと走行速度vの和
V+v=L2 /Δt2 が測定できる。ここでL1 ,L2
はマイクロホン22,23とスピーカ21との間隔であ
る。各速度の差及び和から、V及びvを測定できる。こ
の結果を使ってスピーカごとの位相差を制御すればよ
い。この速度測定用のスピーカ21を警報音発生用スピ
ーカと共用し、速度測定用のM系列信号を警報音に重畳
することも可能である。警報音が正弦波の場合にはその
成分をフィルタで除去すれば、時間差が測定できるため
である。
【0014】位相差の設定法について、簡単化のため2
つのスピーカS1 ,S2 を車両の前後にずらせて配置し
た図5の場合について説明する。スピーカの間隔をL、
警報信号の周波数をf、進行方向に対し後のスピーカS
2 の入力の前のスピーカS1の入力に対する位相差を
θ、音速及び走行速度をそれぞれV,v、前後の各スピ
ーカからの音波の振幅をそれぞれa,bとすると、十分
遠方の前方での音波の瞬時パワーP(t)は次のように
計算できる。
つのスピーカS1 ,S2 を車両の前後にずらせて配置し
た図5の場合について説明する。スピーカの間隔をL、
警報信号の周波数をf、進行方向に対し後のスピーカS
2 の入力の前のスピーカS1の入力に対する位相差を
θ、音速及び走行速度をそれぞれV,v、前後の各スピ
ーカからの音波の振幅をそれぞれa,bとすると、十分
遠方の前方での音波の瞬時パワーP(t)は次のように
計算できる。
【0015】 P(t)=|asin {2πVft/(V−v)}+ bsin 〔{2πVf(t−L/V)/(V−v)}+θ〕|2 …(1) 従って、時間平均パワーPaは Pa=a2 +b2 +2abcos 〔2πf{L/(V−v)}+θ〕 …(2) 同様に十分遠方において、前方より角度φの方向の平均
パワーPa(φ)は Pa(φ)=a2+b2+2ab cos〔2πf{Lcos φ/(V−vcos φ)}+θ〕 …(3) なおφ=0のときが進行方向前方、即ち、車両が直進す
るものとして車両前方、φ=π/2のときが真横、φ=
πのときが真後ろに対応する。
パワーPa(φ)は Pa(φ)=a2+b2+2ab cos〔2πf{Lcos φ/(V−vcos φ)}+θ〕 …(3) なおφ=0のときが進行方向前方、即ち、車両が直進す
るものとして車両前方、φ=π/2のときが真横、φ=
πのときが真後ろに対応する。
【0016】(2) 式の車両前方の平均パワーPaを最
大にするには、 2πf{L/(V−v)}+θ=0±2mπ …(4) を満足するように、走行速度vに応じて位相差θを制御
すればよい。 ∴ θ=±2mπ−2πfL/(V−v) …(4′) 更に、(3) 式でφ=πとした車両後方の平均パワーP
aを最小にするには、 −2πf{L/(V+v)}+θ=±π±2mπ …(5) を満足させねばならない。(4′)、(5) 式より f=(1+2m)(V2 −v2 )/4VL …(6) (4) 式、(5) 式を満足させるようにfとθを設定す
れば前方に強く、後方に弱く音波を伝えることができ
る。しかし、車両後方の平均パワーPaを最小にするた
めに必要な(5) 式は、車両前方における平均パワーP
aを最大にするために必要な(4) 式ほど重要ではない
ので、近似的に成立すればよい。そこでV≫vであるの
で、vを省略し、 f≒(1+2m)V/4L …(6′) を満足する周波数fを設定する。
大にするには、 2πf{L/(V−v)}+θ=0±2mπ …(4) を満足するように、走行速度vに応じて位相差θを制御
すればよい。 ∴ θ=±2mπ−2πfL/(V−v) …(4′) 更に、(3) 式でφ=πとした車両後方の平均パワーP
aを最小にするには、 −2πf{L/(V+v)}+θ=±π±2mπ …(5) を満足させねばならない。(4′)、(5) 式より f=(1+2m)(V2 −v2 )/4VL …(6) (4) 式、(5) 式を満足させるようにfとθを設定す
れば前方に強く、後方に弱く音波を伝えることができ
る。しかし、車両後方の平均パワーPaを最小にするた
めに必要な(5) 式は、車両前方における平均パワーP
aを最大にするために必要な(4) 式ほど重要ではない
ので、近似的に成立すればよい。そこでV≫vであるの
で、vを省略し、 f≒(1+2m)V/4L …(6′) を満足する周波数fを設定する。
【0017】周波数fが指定された一定値の時は、スピ
ーカ間隔Lを(6) 式より L=(1+2m)(V2 −v2 )/(4f×V) …(7) とすればよい。ところで、(7) 式において、スピーカ
間隔Lを走行速度vに応じて変えることは一般にでき
ず、多くの場合(走行速度)vは音速Vよりも格段に小
さいのでvを無視して、 L≒(1+2m)V/4f …(7′) とすれば、(5) 式は近似的に満足する。このようにf
が一定の時は、間隔Lとθを決めればよい。いずれにし
ても、fとLは後方のパワーがほぼ最小となるように設
定される(請求項5) 。
ーカ間隔Lを(6) 式より L=(1+2m)(V2 −v2 )/(4f×V) …(7) とすればよい。ところで、(7) 式において、スピーカ
間隔Lを走行速度vに応じて変えることは一般にでき
ず、多くの場合(走行速度)vは音速Vよりも格段に小
さいのでvを無視して、 L≒(1+2m)V/4f …(7′) とすれば、(5) 式は近似的に満足する。このようにf
が一定の時は、間隔Lとθを決めればよい。いずれにし
ても、fとLは後方のパワーがほぼ最小となるように設
定される(請求項5) 。
【0018】なお、(4) 式、(5) 式ともに右辺には
2mπ(mは自然数)の自由度があり、都合のよい組合
せを選択することができる。ただしこの場合、前方以外
にもm個だけ横方向にも指向性の強い方向ができる(図
5参照)。これまでにスピーカが2個の場合を説明した
が、2個以上の場合には、同様に各スピーカSi 入力
の、スピーカS1 入力に対する位相差θi と、S1 との
間隔Li を(4) 式、(5) 式によって設定すればよ
い。
2mπ(mは自然数)の自由度があり、都合のよい組合
せを選択することができる。ただしこの場合、前方以外
にもm個だけ横方向にも指向性の強い方向ができる(図
5参照)。これまでにスピーカが2個の場合を説明した
が、2個以上の場合には、同様に各スピーカSi 入力
の、スピーカS1 入力に対する位相差θi と、S1 との
間隔Li を(4) 式、(5) 式によって設定すればよ
い。
【0019】救急車のように周波数がf1 ,f2 (f1
>f2 )の2種類の場合には、図2及び図4Bに示すよ
うにスピーカを最低3個車両の前後方向に並べて、周波
数が高い(f=f1 )ときには間隔L1 の小さいスピー
カS1 とS2 を使い、周波数の低い(f=f2 )ときに
は間隔L2 の大きいスピーカS1 とS3 を使うと両方の
周波数に対して所望の指向性が得られる。周波数が(n
−1) 種類の場合にはn個のスピーカを用いればよい。
>f2 )の2種類の場合には、図2及び図4Bに示すよ
うにスピーカを最低3個車両の前後方向に並べて、周波
数が高い(f=f1 )ときには間隔L1 の小さいスピー
カS1 とS2 を使い、周波数の低い(f=f2 )ときに
は間隔L2 の大きいスピーカS1 とS3 を使うと両方の
周波数に対して所望の指向性が得られる。周波数が(n
−1) 種類の場合にはn個のスピーカを用いればよい。
【0020】図1Bは図1Aの移相部5を図2と同様に
VCO部8と位相比較部9と位相差設定部10とで構成
しPLL制御を行う場合である。図5Dのような配置で
は、横方向に並んだ中央のスピーカS2 とS2 ′は進行
方向の中心軸上にあるものとして図5Bの場合と同様に
間隔L1 ,L2 を設定すれば同じように前方と後方の指
向性を制御できる。図5Dの配置ではさらに横方向の指
向性(右方向と左方向で異なる指向性)を持たせること
が可能となる。
VCO部8と位相比較部9と位相差設定部10とで構成
しPLL制御を行う場合である。図5Dのような配置で
は、横方向に並んだ中央のスピーカS2 とS2 ′は進行
方向の中心軸上にあるものとして図5Bの場合と同様に
間隔L1 ,L2 を設定すれば同じように前方と後方の指
向性を制御できる。図5Dの配置ではさらに横方向の指
向性(右方向と左方向で異なる指向性)を持たせること
が可能となる。
【0021】以下に具体的な数値例を図5Cの場合につ
いて示す。(4) 式を満たすようにθを設定すると、前
方へのパワーは Pa(0) =a2 +b2 +2ab …(8) となるが、後方は Pa(π)=a2 +b2 +2ab cos{4πfVL/(V2 −v2 )} …(9) である。
いて示す。(4) 式を満たすようにθを設定すると、前
方へのパワーは Pa(0) =a2 +b2 +2ab …(8) となるが、後方は Pa(π)=a2 +b2 +2ab cos{4πfVL/(V2 −v2 )} …(9) である。
【0022】f=500(Hz),V=340(m/
s),v=0(m/s)であれば、Lは(6′)式又は
(7′) 式よりL=(1+2m)V/4f=V/4f=
0.17(m)(m=0) とすると、θは(4) 又は
(4′)式よりθ=−2πfL/V=−π/2となる。
車の速度vが増加すると、それに応じてθを変えて、
(4) 式を満たすようにすると、(5) 式は成立しなく
なるが、V≫vなので後方へのパワーは最小値より少し
増加するだけである。またm=1としてL=3V/4f
=0.51(m)又はm=2としてL=5V/4f=
0.85(m)としてもよい。これらの場合の指向特性
を図6に示す。
s),v=0(m/s)であれば、Lは(6′)式又は
(7′) 式よりL=(1+2m)V/4f=V/4f=
0.17(m)(m=0) とすると、θは(4) 又は
(4′)式よりθ=−2πfL/V=−π/2となる。
車の速度vが増加すると、それに応じてθを変えて、
(4) 式を満たすようにすると、(5) 式は成立しなく
なるが、V≫vなので後方へのパワーは最小値より少し
増加するだけである。またm=1としてL=3V/4f
=0.51(m)又はm=2としてL=5V/4f=
0.85(m)としてもよい。これらの場合の指向特性
を図6に示す。
【0023】これ迄の説明では、位相の基準を与える入
力信号に対応するスピーカ(基準となるスピーカとも言
う)S1 が最前列にあるものとしたが、この基準となる
スピーカS1 が最後列にあっても、これまでと同様に各
スピーカ入力の位相を制御すれば、指向特性を向上でき
ることは明らかである。これ迄の説明では、移相部5は
速度測定部7で測定された車両の走行速度vに応じて、
各スピーカ入力の位相を制御するものとしたが、精度を
向上させるために、速度測定部で走行速度vと共に音速
V(風向きや風速及び気圧等で変化する)を測定し、こ
れら両者の変化に応じて(4) 式を満足させるように位
相制御を行うようにしてもよい(請求項7) 。
力信号に対応するスピーカ(基準となるスピーカとも言
う)S1 が最前列にあるものとしたが、この基準となる
スピーカS1 が最後列にあっても、これまでと同様に各
スピーカ入力の位相を制御すれば、指向特性を向上でき
ることは明らかである。これ迄の説明では、移相部5は
速度測定部7で測定された車両の走行速度vに応じて、
各スピーカ入力の位相を制御するものとしたが、精度を
向上させるために、速度測定部で走行速度vと共に音速
V(風向きや風速及び気圧等で変化する)を測定し、こ
れら両者の変化に応じて(4) 式を満足させるように位
相制御を行うようにしてもよい(請求項7) 。
【0024】
【発明の効果】この発明では、車両の前後方向にずらせ
て複数のスピーカを配設し、各スピーカ入力の位相を、
車両前方における音波の時間平均パワーが最大となるよ
うに、走行速度に応じて制御するようにしたので、車両
前方における音波の指向特性を従来より鋭くすることが
できる。
て複数のスピーカを配設し、各スピーカ入力の位相を、
車両前方における音波の時間平均パワーが最大となるよ
うに、走行速度に応じて制御するようにしたので、車両
前方における音波の指向特性を従来より鋭くすることが
できる。
【0025】また、警報信号の周波数及びスピーカの間
隔を選定することにより車両後方の平均パワーをほぼ最
小にすることができる。この発明は、救急車のように異
なる周波数の警報音を切換えて放音する場合にも適用す
ることができる。
隔を選定することにより車両後方の平均パワーをほぼ最
小にすることができる。この発明は、救急車のように異
なる周波数の警報音を切換えて放音する場合にも適用す
ることができる。
【図1】A及びBはそれぞれ請求項1又は3の発明の実
施例を示すブロック図。
施例を示すブロック図。
【図2】請求項2の発明の実施例を示すブロック図。
【図3】請求項4の発明の実施例を示すブロック図。
【図4】図1乃至図3の速度測定部7の一例を示すブロ
ック図。
ック図。
【図5】この発明におけるスピーカの配設例を示す原理
的な平面図。
的な平面図。
【図6】車両前方及び後方の音波の平均パワーを最大又
はほぼ最小となるように、2個のスピーカの各入力相互
の位相差を制御すると共に警報信号の周波数及びスピー
カ間隔を選定した場合の音波の指向特性の一例を示す
図。
はほぼ最小となるように、2個のスピーカの各入力相互
の位相差を制御すると共に警報信号の周波数及びスピー
カ間隔を選定した場合の音波の指向特性の一例を示す
図。
【図7】Aは従来の警報音発生装置のスピーカ配置を示
す原理的な平面図、B及びCは従来の音波の指向特性を
構成する2つの要素を示す図。
す原理的な平面図、B及びCは従来の音波の指向特性を
構成する2つの要素を示す図。
Claims (8)
- 【請求項1】 発音軸を車両前方に向けて車両の前後方
向に配列させた複数のスピーカと、前記スピーカのうち
最前列又は最後列に配置された主スピーカに警報信号を
分配供給する信号発生部と、 車両前方における音波の時間平均パワーが最大となるよ
うに、前記主スピーカを除く各スピーカごとに、これら
に分配供給される警報信号の位相を制御する移相部と、
を有する警報音発生装置。 - 【請求項2】 前記移相部が、前記主スピーカを除くス
ピーカにそれぞれ警報信号を入力する電圧制御発振器部
と、 前記各主スピーカを除く各スピーカの入力警報信号の、
前記主スピーカの入力警報信号に対する各位相差を、車
両前方における音波の時間平均パワーが最大値となるよ
うに設定する位相差設定部と、 前記主スピーカを除く各スピーカの入力警報信号の位相
と、前記主スピーカへの入力警報信号の位相との差が、
対応する前記設定された位相差になるように制御する位
相比較部と、を有することを特徴とする請求項1記載の
警報音発生装置。 - 【請求項3】 前記主スピーカを第1スピーカとし、そ
れ以外のスピーカを第2乃至第nスピーカとし(n≧
3) 、 前記信号発生部は、第1周波数f 1 乃至第n−1周波数
f n-1 の警報信号(但しf 1 >f 2 >…>f n-1 )をそ
れぞれ発生し、 前記移相部は前記信号発生部より分配供給される前記第
1周波数f 1 乃至第n−1周波数f n-1 の警報信号の位
相を、前記第2スピーカ乃至第nスピーカまでの各スピ
ーカごとに制御することを特徴とする請求項1記載の警
報音発生装置。 - 【請求項4】 前記移相部が、前記第2乃至第nスピー
カにそれぞれ警報信号を入力する電圧制御発振器部と、 前記第2乃至第nスピーカへの各入力信号の各々前記第
1周波数f 1 乃至第n−1周波数f n-1 の警報信号に対
する位相差を設定する位相差設定部と、 前記第2乃至第nスピーカへの各入力信号の位相と前記
第1周波数f 1 乃至第n−1周波数f n-1 の警報信号の
位相との差が前記位相差になるように前記電圧 制御発振
器部を制御する位相比較部と、からなる請求項3記載の
警報音発生装置。 - 【請求項5】 前記第2乃至第nの各スピーカと前記主
スピーカとの前後方向の間隔が、前記車両の後方におけ
る音波の時間平均パワーが最小となるように前記警報信
号の周波数に応じて設定されることを特徴とする請求項
1乃至4のいずれかに記載の警報音発生装置。 - 【請求項6】 車両の走行速度を測定する速度測定部を
備え、前記移相部において前記走行速度に応じて前記各
スピーカへの入力信号の位相を制御することを特徴とす
る請求項1乃至5のいずれかに記載の警報音発生装置。 - 【請求項7】 前記速度測定部が、測定用信号を発生す
る信号生成器と、前記測定用信号を入力して車両前方に
向けて放音する発音体と、 前記発音体の前方及び後方にそれぞれ近接して配置され
た第1及び第2マイクロホンと、 前記発音体から放音した音波と前記第1及び第2マイク
ロホンで受音した音波との時間差を各々測定する時間差
測定部と、前記時間差から前記車両の走行速度を測定す
る速度測定部とよりなることを特徴とする請求項6記載
の警報音発生装置。 - 【請求項8】 前記速度測定部が車両の走行速度と共に
音速を測定する音速測定部を有し、前記移相部において
前記走行速度と前記音速に応じて前記各スピーカへの入
力信号の位相を制御することを特徴とする請求項7記載
の警報音発生装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1830694A JP3191897B2 (ja) | 1994-02-15 | 1994-02-15 | 警報音発生装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1830694A JP3191897B2 (ja) | 1994-02-15 | 1994-02-15 | 警報音発生装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07226995A JPH07226995A (ja) | 1995-08-22 |
JP3191897B2 true JP3191897B2 (ja) | 2001-07-23 |
Family
ID=11967936
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1830694A Expired - Fee Related JP3191897B2 (ja) | 1994-02-15 | 1994-02-15 | 警報音発生装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3191897B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB2574965A (en) * | 2017-03-28 | 2019-12-25 | Ykk Corp | Slide fastener |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006298245A (ja) * | 2005-04-22 | 2006-11-02 | Toyota Motor Corp | 車両の警報装置および車両 |
WO2017064956A1 (ja) * | 2015-10-15 | 2017-04-20 | ヤマハ株式会社 | 音響装置及び情報提供方法 |
CN107360513A (zh) * | 2017-06-06 | 2017-11-17 | 高炎华 | 扩展型车用喇叭 |
-
1994
- 1994-02-15 JP JP1830694A patent/JP3191897B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB2574965A (en) * | 2017-03-28 | 2019-12-25 | Ykk Corp | Slide fastener |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07226995A (ja) | 1995-08-22 |
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