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JP3184893B2 - イネいもち病菌圃場接種法 - Google Patents

イネいもち病菌圃場接種法

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Publication number
JP3184893B2
JP3184893B2 JP07727399A JP7727399A JP3184893B2 JP 3184893 B2 JP3184893 B2 JP 3184893B2 JP 07727399 A JP07727399 A JP 07727399A JP 7727399 A JP7727399 A JP 7727399A JP 3184893 B2 JP3184893 B2 JP 3184893B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rice
blast fungus
field
blast
inoculation
Prior art date
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Expired - Lifetime
Application number
JP07727399A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000270677A (ja
Inventor
潔 石黒
孝弘 濱嵜
中島  隆
Original Assignee
農林水産省東北農業試験場長
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 農林水産省東北農業試験場長 filed Critical 農林水産省東北農業試験場長
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Publication of JP2000270677A publication Critical patent/JP2000270677A/ja
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Expired - Lifetime legal-status Critical Current

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、農学研究分野で圃
場においてイネいもち病菌を接種するためのイネいもち
病菌圃場接種法に関する。
【0002】
【従来の技術】イネは施肥管理や冷温遭遇等の種々の環
境条件により、いもち病に対する感受性が変動すると考
えられており、的確な防除法確立のためには感受性の変
動機構を正確に把握しておく必要がある。したがって、
圃場で栽培されているイネにいもち病菌を接種して感受
性を評価することが必須となるが、これまで、本田圃場
のイネに安定していもち病菌を接種する方法がなかっ
た。
【0003】そのため、これまでは、ポットで栽培した
イネ、あるいは圃場から掘り上げてポットに移したイネ
を屋内の人工接種装置に持ち込んでいもち病菌の噴霧接
種を行って、いもちの病菌感受性の評価を行ってきた
が、自然条件のイネのいもちの病菌感受性を直接評価で
きない欠点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述したように、いも
ち病の的確な防除法を確立するためには、本田圃場で栽
培されてるイネに対して自然条件に近い方法でいもち病
菌を接種し、感受性を直接評価する必要がある。自然条
件下でいもち病の感染が成立するためには、稲体に付着
したいもち病菌の胞子が発芽し稲体に侵入しなくてはな
らないが、その過程には10時問以上にわたり稲体が濡
れている条件が必須である。しかし、自然条件下では、
降雨や長時間の結露等がなければそのような条件は得ら
れない。したがって、圃場でいもち病菌を安定して接種
するためには、多様な気象条件下でも稲体の濡れ時間を
長時間確保する方法が必須であった。
【0005】本発明は、このような課題を解決するため
に案出されたものであり、圃場においてイネいもち病菌
を効率よく接種するための、イネいもち病菌圃場接種法
を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明は、以下の手段、構成を有している。
【0007】A.日没時に圃場の特定の稲株にいもち病
菌の胞子懸濁液を噴霧し、その稲株を長波透過率の高い
被覆資材で翌日の日の出時まで覆うことによりいもち病
菌の接種を行うことを特徴としている。
【0008】B.上記長波透過率の高い被覆資材を、農
業用ポリエチレンフィルムとしたことを特徴としてい
る。
【0009】
【作用】上記の手段、構成により本発明のイネいもち病
菌圃場接種法は、以下の作用を行う。
【0010】.請求項1の手段、構成によって、圃場
条件下で確実にいもち病菌の接種が可能となる。また、
稲株を覆う枠と被覆資材のみで他に動力や特別な装置を
必要とせず、簡単で汎用性が広いいもち病菌圃場接種法
が得られる。
【0011】.請求項2の手段、構成によって、長波
透過率が高く、放射冷却が大であり、稲体に安定して結
露を形成、維持させることができ、いもち病菌の接種効
率が高められる。また、農業用ポリエチレンフィルムは
安価で入手も容易であり、加工も簡単、容易である。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、添付の図面及び表を参照し
て、本発明の一実施の形態を具体的に説明する。
【0013】夜間の結露は、物体からの長波放射により
物体の温度が周囲の気温より低下する放肘冷却現象によ
り生ずることが知られている。風が有れば物体と境界層
の間で熱交換が盛んとなり、結露は生じにくい。風を遮
ることのできる被覆資材で接種を行う稲株を被覆した場
合、多くの被覆資材では長波透過率が低く、放射冷却を
強く抑制するので、物体の温度低下は起こりにくく、結
露を生じにくい。
【0014】しかし、長波透過をほとんど抑制しない農
業用ポリエチレン被覆資材(フィルム)で日没から日の
出まで稲株を被覆すれば、安定して稲体に結露を形成、
維持させることができる。すなわち、図1(a)に示す
ように、日の入り時にいもち病菌胞子の懸濁液を接種対
象となる稲株1に噴霧し、直後に枠2により稲株1を覆
い、枠2全体を農業用ポリエチレンフィルム3で被覆
し、日の出時にその被覆を取り去ることにより、その期
間中確実に結露を形成させることが可能となり、確実な
接種が可能となった。接種は晴天、雨天、曇天のいずれ
の気象条件でも可能であることも確認している(表1参
照)。
【0015】図1(b)は、(a)図における農業用ポ
リエチレンフィルム3に代えて、農業用ビニールフィル
ム・アルミ蒸着フィルム4を用いた場合を示し、本発明
によるイネいもち病菌圃場接種法を実施するにあたり、
各種資材で被覆したイネからの長波放射と被覆資材の透
過性を調べたものである。図において、矢印はイネから
の長波放射量を示し、農業用ポリエチレンフィルム3で
は長波透過率が高いので、イネ表面の温度が下がりやす
い傾向がある。農業用ポリエチレンフィルム3では、放
射冷却が大であり、安定して稲体1に結露を形成、維持
させることができ、いもち病菌の接種効率を高めること
ができた。これに対して農業用ビニールフィルム・アル
ミ蒸着フィルム4においては放射冷却が小であり、いも
ち病菌の接種効率は低かった。
【0016】各種被覆資材で夜間に稲体を被覆していも
ち病菌を無傷接種(噴霧)した場合の接種効率を表1に
示す。この表から明らかなように、被覆資材に農業用ポ
リエチレンフィルム3を用いた場合に最も良い接種効率
を示している。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のイネいも
ち病菌圃場接種法によれば、以下のような作用効果を奏
することができる。
【0018】.日没時に圃場の特定の稲株にいもち病
菌の胞子懸濁液を噴霧し、その稲株を長波透過率の高い
被覆資材で翌日の日の出時まで覆うことによりいもち病
菌の接種を行うので、圃場条件で確実にいもち病菌の接
種が可能である利点のほか、稲株を覆う枠と被覆資材の
みで他に動力や特別な装置を必要とせず、非常に汎用性
が広い方法である。また、圃場のイネの感受性の評価以
外に、圃場のイネに施用した殺菌剤の残効期間の評価等
にも使用可能で、応用場面は極めて多いものである。
【0019】.長波透過率の高い被覆資材を、農業用
ポリエチレンフィルムとしたので、長波透過率が高く、
放射冷却が大であり、稲体に安定して結露を形成、維持
させることができ、いもち病菌の接種効率を高めること
ができる。また、農業用ポリエチレンフィルムは安価で
入手も容易であり、加工も簡単、容易である。
【0020】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるイネいもち病菌圃場接種法を実施
するための、各種資材で被覆したイネからの長波放射と
被覆資材の透過性を示す説明図で、(a)は被覆資材に
農業用ポリエチレンフィルムを用いた場合、(b)は被
覆資材に農業用ビニールフィルム・アルミ蒸着フィルム
を用いた場合である。
【符号の説明】
1 稲株 2 枠 3 農業用ポリエチレンフィルム 4 農業用ビニールフィルム・アルミ蒸着フィルム
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−210869(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01G 7/00 JICSTファイル(JOIS)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 日没時に圃場の特定の稲株にいもち病菌
    の胞子懸濁液を噴霧し、その稲株を長波透過率の高い被
    覆資材で翌日の日の出時まで覆うことによりいもち病菌
    の接種を行うことを特徴とするイネいもち病菌圃場接種
    法。
  2. 【請求項2】 上記長波透過率の高い被覆資材を、農業
    用ポリエチレンフィルムとしたことを特徴とする請求項
    1記載のイネいもち病菌圃場接種法。
JP07727399A 1999-03-23 1999-03-23 イネいもち病菌圃場接種法 Expired - Lifetime JP3184893B2 (ja)

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JP5190837B2 (ja) * 2007-09-18 2013-04-24 独立行政法人農業生物資源研究所 イネいもち病等の感染方法及びこれを用いるイネいもち病等抵抗性の効率的検定法
CA2787838C (en) * 2010-01-29 2017-11-28 Monsanto Technology Llc Needleless inoculation
CN114075528B (zh) * 2021-09-08 2024-09-06 浙江省农业科学院 一种大量产生稻瘟病菌有性世代的分生孢子涂布法

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