JP3177713B2 - 輸血用血液または血液製剤の保存方法 - Google Patents
輸血用血液または血液製剤の保存方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、輸血用血液または赤血
球製剤(以下、単に血液という)の保存方法に関する。
球製剤(以下、単に血液という)の保存方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、輸血用血液は、血液抗凝固剤とブ
ドウ糖等を含む保存液(たとえばCPD液)を収容し滅
菌した密封容器に採血され、そのまま冷蔵庫内において
大気中で4〜6℃の温度で保存されている。この状態で
保存された血液の使用期限は日本では採血後3週間と定
められている。現在ではその使用期限を延長させる工夫
が種々成されている。その一つにアメリカ合衆国などで
認可され利用されている従来の保存液に加えてアデニン
等の薬剤を添加する保存方法がある。また、本邦でも最
近MAP液による赤血球濃厚液保存が4〜6℃で6週間
まで認可された。しかし、これらの方法では長期にわた
る保存のために生じる溶血、すなわち、赤血球中のヘモ
グロビンが赤血球の破壊ないしは赤血球膜の変化により
赤血球より漏出してくることによって生じる血漿中遊離
ヘモグロビン濃度の上昇を防ぐことはできない。また、
この方法は、アデニンなどの添加物の余剰分またはその
代謝産物であるヒポキサンチンが、血液の生体注入の後
に副作用を引き起こすこともあり、改良すべき点を残し
ている。
ドウ糖等を含む保存液(たとえばCPD液)を収容し滅
菌した密封容器に採血され、そのまま冷蔵庫内において
大気中で4〜6℃の温度で保存されている。この状態で
保存された血液の使用期限は日本では採血後3週間と定
められている。現在ではその使用期限を延長させる工夫
が種々成されている。その一つにアメリカ合衆国などで
認可され利用されている従来の保存液に加えてアデニン
等の薬剤を添加する保存方法がある。また、本邦でも最
近MAP液による赤血球濃厚液保存が4〜6℃で6週間
まで認可された。しかし、これらの方法では長期にわた
る保存のために生じる溶血、すなわち、赤血球中のヘモ
グロビンが赤血球の破壊ないしは赤血球膜の変化により
赤血球より漏出してくることによって生じる血漿中遊離
ヘモグロビン濃度の上昇を防ぐことはできない。また、
この方法は、アデニンなどの添加物の余剰分またはその
代謝産物であるヒポキサンチンが、血液の生体注入の後
に副作用を引き起こすこともあり、改良すべき点を残し
ている。
【0003】また、血液の凍結温度は約−2℃であり、
血液の保存温度をこの血液の凍結前まで下げて保存する
方法がある。この方法は、生体注入時の副作用は少なく
保存期間の延長を可能とするが、低温による障害に伴う
血漿中の遊離ヘモグロビンの増加(溶血)が観察され
る。この点に関して、本発明者らは、先に、現在臨床的
に輸液点滴薬の形で多用されているグリセリンとマニト
−ルを夫々少量づつ添加して、この低温による溶血障害
ならびに赤血球内外のナトリウム、カリウム等の電解質
の分配異常を防止、是正する方法を開発した(特公平2
−62534)が、なかには稀にその効果が予想された
ほどに期待できない低温障害に弱い血液も認められるた
めに、その原因の追及ならびに改良を重ねてきた。
血液の保存温度をこの血液の凍結前まで下げて保存する
方法がある。この方法は、生体注入時の副作用は少なく
保存期間の延長を可能とするが、低温による障害に伴う
血漿中の遊離ヘモグロビンの増加(溶血)が観察され
る。この点に関して、本発明者らは、先に、現在臨床的
に輸液点滴薬の形で多用されているグリセリンとマニト
−ルを夫々少量づつ添加して、この低温による溶血障害
ならびに赤血球内外のナトリウム、カリウム等の電解質
の分配異常を防止、是正する方法を開発した(特公平2
−62534)が、なかには稀にその効果が予想された
ほどに期待できない低温障害に弱い血液も認められるた
めに、その原因の追及ならびに改良を重ねてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、上述の
低温障害の主な原因を低温にするほど多くなる血漿中、
血液中の溶解酸素、特に活性酸素による障害との知見を
得た。すなわち、生体内を循環している血液は、肺で酸
素濃度を高められ活性酸素の曝露を受けるが、血液は自
身で保持している活性酸素に対する生理的防御機能によ
り、また、組織では酸素濃度自体が低下することによっ
て酸素による障害が通常(健康状態)では余り起こらな
いようになっている。しかし、低温状態で気体の溶解度
が増加する現象は保存血液に関しても例外ではなく、血
液中の酸素濃度は低温に成るほど増加する。しかし、酸
素に曝露される赤血球などの組織には、常に、SOD
(superoxide dismutase)やカタ
ラ−ゼなどの活性酸素除去酵素が多量に含まれており、
保存血液もこれらの働きを得るものとして酸素による障
害はほとんど無視されたいた。
低温障害の主な原因を低温にするほど多くなる血漿中、
血液中の溶解酸素、特に活性酸素による障害との知見を
得た。すなわち、生体内を循環している血液は、肺で酸
素濃度を高められ活性酸素の曝露を受けるが、血液は自
身で保持している活性酸素に対する生理的防御機能によ
り、また、組織では酸素濃度自体が低下することによっ
て酸素による障害が通常(健康状態)では余り起こらな
いようになっている。しかし、低温状態で気体の溶解度
が増加する現象は保存血液に関しても例外ではなく、血
液中の酸素濃度は低温に成るほど増加する。しかし、酸
素に曝露される赤血球などの組織には、常に、SOD
(superoxide dismutase)やカタ
ラ−ゼなどの活性酸素除去酵素が多量に含まれており、
保存血液もこれらの働きを得るものとして酸素による障
害はほとんど無視されたいた。
【0005】ところが、本発明者等は、保存温度を従来
よりも下げた凍結前領域(0±2℃)での保存を研究、
具体的には0±1℃の領域で実験を実施した過程で、生
体内血液と異なり酸素を含んでいる必要のない保存血液
が保存期間中常に酸素を異常に多く含んだ状態に置かれ
ていることを見出し、SODなどの酵素の働きも低温に
なるほど低下することから従来の保存方法では酸素によ
る害を防止しきれないのではないかと考えた。そこで、
本発明者は、この酸素による障害を防ぐ手段として原因
物質である保存中の酸素の濃度を他のガスを用いて積極
的に低下させたところ、長期の保存に耐えることを見出
し、本発明を完成したもので、本発明の目的は輸血用血
液または赤血球製剤の長期にわたる液状保存方法を提供
するにある。
よりも下げた凍結前領域(0±2℃)での保存を研究、
具体的には0±1℃の領域で実験を実施した過程で、生
体内血液と異なり酸素を含んでいる必要のない保存血液
が保存期間中常に酸素を異常に多く含んだ状態に置かれ
ていることを見出し、SODなどの酵素の働きも低温に
なるほど低下することから従来の保存方法では酸素によ
る害を防止しきれないのではないかと考えた。そこで、
本発明者は、この酸素による障害を防ぐ手段として原因
物質である保存中の酸素の濃度を他のガスを用いて積極
的に低下させたところ、長期の保存に耐えることを見出
し、本発明を完成したもので、本発明の目的は輸血用血
液または赤血球製剤の長期にわたる液状保存方法を提供
するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、輸血用
血液または血液製剤を亜酸化窒素ガス、若しくは、亜酸
化窒素ガスと窒素との混合ガスの雰囲気下で保存するこ
とを特徴とする輸血用血液または血液製剤の保存方法で
あり、その際、輸血用血液または血液製剤をガス透過性
の良い容器内に収容し、亜酸化窒素ガス若しくは亜酸化
窒素ガスと窒素との混合ガスの雰囲気下で保存すること
が好ましく、更に、採血後、早期に輸血用血液または血
液製剤に含まれている酸素を下げるために雰囲気(環
境)を亜酸化窒素ガス若しくは亜酸化窒素ガスと窒素と
のガスでパ−ジすることが好ましい。
血液または血液製剤を亜酸化窒素ガス、若しくは、亜酸
化窒素ガスと窒素との混合ガスの雰囲気下で保存するこ
とを特徴とする輸血用血液または血液製剤の保存方法で
あり、その際、輸血用血液または血液製剤をガス透過性
の良い容器内に収容し、亜酸化窒素ガス若しくは亜酸化
窒素ガスと窒素との混合ガスの雰囲気下で保存すること
が好ましく、更に、採血後、早期に輸血用血液または血
液製剤に含まれている酸素を下げるために雰囲気(環
境)を亜酸化窒素ガス若しくは亜酸化窒素ガスと窒素と
のガスでパ−ジすることが好ましい。
【0007】すなわち、本発明においては、保存中血液
の酸素障害を低減させるために、血液中の活性酸素を減
らすように空気を亜酸化窒素ガス若しくは亜酸化窒素ガ
スと窒素との混合ガスで置換し、血液の酸素濃度を低下
させて血液を保存するものであり、また、採血時または
採血直後に亜酸化窒素若しくは亜酸化窒素と窒素との混
合ガスを血液保存容器中あるいは血液保存容器の雰囲気
中に急速に大量に供給して、容器中あるいはその雰囲気
中の空気をパ−ジし、ついで、持続的に亜酸化窒素若し
くは亜酸化窒素と窒素との混合ガスを添加して大気中の
酸素が保存血液容器内に拡散浸透してくるのを防ぐ方法
を提供するものである。
の酸素障害を低減させるために、血液中の活性酸素を減
らすように空気を亜酸化窒素ガス若しくは亜酸化窒素ガ
スと窒素との混合ガスで置換し、血液の酸素濃度を低下
させて血液を保存するものであり、また、採血時または
採血直後に亜酸化窒素若しくは亜酸化窒素と窒素との混
合ガスを血液保存容器中あるいは血液保存容器の雰囲気
中に急速に大量に供給して、容器中あるいはその雰囲気
中の空気をパ−ジし、ついで、持続的に亜酸化窒素若し
くは亜酸化窒素と窒素との混合ガスを添加して大気中の
酸素が保存血液容器内に拡散浸透してくるのを防ぐ方法
を提供するものである。
【0008】次に、本発明について詳細に説明する。本
発明において輸血とは単に他人からの血液の供給に止ま
らず、手術前の自己血液の貯血からの供給をも言うので
あり、本発明において使用する亜酸化窒素とは笑気ガス
とも称されるものであって、該笑気ガスを用いる場合に
は、その麻酔作用による細胞膜の安定化、水分子との親
和性により低温での氷晶形成による障害を予防するなど
の作用も期待でき、特に血液の低温保存に関して効果が
よい。また、本発明において血液を保存する容器として
は、ガス透過性の良い容器が好ましく、該容器中に血液
を収容し、これを亜酸化窒素若しくは亜酸化窒素と窒素
との混合ガスで充満している雰囲気容器内に設置するこ
とによって、血液を収容した容器外から亜酸化窒素を拡
散浸透させ、保存中の血液酸素濃度の増加、及び、大気
中より血液内に浸透してくる酸素を抑制することができ
る。
発明において輸血とは単に他人からの血液の供給に止ま
らず、手術前の自己血液の貯血からの供給をも言うので
あり、本発明において使用する亜酸化窒素とは笑気ガス
とも称されるものであって、該笑気ガスを用いる場合に
は、その麻酔作用による細胞膜の安定化、水分子との親
和性により低温での氷晶形成による障害を予防するなど
の作用も期待でき、特に血液の低温保存に関して効果が
よい。また、本発明において血液を保存する容器として
は、ガス透過性の良い容器が好ましく、該容器中に血液
を収容し、これを亜酸化窒素若しくは亜酸化窒素と窒素
との混合ガスで充満している雰囲気容器内に設置するこ
とによって、血液を収容した容器外から亜酸化窒素を拡
散浸透させ、保存中の血液酸素濃度の増加、及び、大気
中より血液内に浸透してくる酸素を抑制することができ
る。
【0009】本発明において血液を保存するに適したガ
ス透過性の良い容器とは0.02〜0.4mm程度の膜
厚を有するポリ塩化ビニ−ル、ポリオレフィン、ポリシ
リコン等のプラスチックフイルムまたはシ−トで構成さ
れているのであって、例えば、特公昭63−44374
号や特公平1−42214号に記載されている容器が好
適である。そして、これらの容器のガス透過率は、約6
500ml/m2・24hr・atm前後である。保存
血液の保存温度としては、−2℃〜+6℃程度の範囲、
好ましくは、0℃±1℃の範囲である。また、保存環境
中の血液の炭酸ガス濃度を調整、コントロ−ルすること
によって保存中の血液pH指数を、血液の代謝にとって
好ましい状態に保つことができる。通常、保存中の血液
の炭酸ガス濃度としては、保存1週間以後85mmHg
以下であり、保存中の血液pH指数としては、6.8〜
7.5の範囲にあることが好ましい。
ス透過性の良い容器とは0.02〜0.4mm程度の膜
厚を有するポリ塩化ビニ−ル、ポリオレフィン、ポリシ
リコン等のプラスチックフイルムまたはシ−トで構成さ
れているのであって、例えば、特公昭63−44374
号や特公平1−42214号に記載されている容器が好
適である。そして、これらの容器のガス透過率は、約6
500ml/m2・24hr・atm前後である。保存
血液の保存温度としては、−2℃〜+6℃程度の範囲、
好ましくは、0℃±1℃の範囲である。また、保存環境
中の血液の炭酸ガス濃度を調整、コントロ−ルすること
によって保存中の血液pH指数を、血液の代謝にとって
好ましい状態に保つことができる。通常、保存中の血液
の炭酸ガス濃度としては、保存1週間以後85mmHg
以下であり、保存中の血液pH指数としては、6.8〜
7.5の範囲にあることが好ましい。
【0010】次に、実施例をもって更に具体的に本発明
を説明する。
を説明する。
【実施例】対象血液は6名の健康成人男子から、CPD
液にグリセロ−ルとマニト−ル(最終濃度はそれぞれ
0.5、0.125W/V%)を含んだ膜厚380μm
医療用のPVC製通常容器と、膜厚130μmの医療用
PVC製薄膜容器とに、1名につき200mlずつ計4
00ml採血した。なお通常容器と薄膜容器の採血順序
は交互に替えて行った(クロスオ−バ−デザイン)。採
血当日の検査を行った後、薄膜容器血液は全容9lの金
属製容器に入れて笑気ガスで速やかに金属製容器内の空
気を置換した。薄膜容器血液はこの金属製容器を4〜6
ml/分の笑気ガスで換気しながら、通常容器血液(対
照群)と共に1±1℃に保たれた同じ冷蔵庫内で5週間
保存して比較を行った。なお換気に用いられた笑気ガス
は冷蔵庫外に直接排出することにより対照群に影響を及
ぼさないようにしてある。測定結果の一部を表1に示
す。なお、測定については、Student’s pa
ired t−testの統計的検定を用いた。危険
率;p<0.05として行った。
液にグリセロ−ルとマニト−ル(最終濃度はそれぞれ
0.5、0.125W/V%)を含んだ膜厚380μm
医療用のPVC製通常容器と、膜厚130μmの医療用
PVC製薄膜容器とに、1名につき200mlずつ計4
00ml採血した。なお通常容器と薄膜容器の採血順序
は交互に替えて行った(クロスオ−バ−デザイン)。採
血当日の検査を行った後、薄膜容器血液は全容9lの金
属製容器に入れて笑気ガスで速やかに金属製容器内の空
気を置換した。薄膜容器血液はこの金属製容器を4〜6
ml/分の笑気ガスで換気しながら、通常容器血液(対
照群)と共に1±1℃に保たれた同じ冷蔵庫内で5週間
保存して比較を行った。なお換気に用いられた笑気ガス
は冷蔵庫外に直接排出することにより対照群に影響を及
ぼさないようにしてある。測定結果の一部を表1に示
す。なお、測定については、Student’s pa
ired t−testの統計的検定を用いた。危険
率;p<0.05として行った。
【0011】
【表1】
【0012】表1において、括弧内は単位、数値は平均
値および標準誤差(mean±SD)を表す。Stud
ent’s paired t−testを用いた統計
的検定の結果、5週間目の値は何れの項目についても対
照群との間に危険率5%以下で(p<0.05)有意な
差が認められた。 すなわち、本発明による保存方法
は、対照群と比べ酸素濃度の増加を抑制することにより
溶血と赤血球細胞膜の透過性の異常を抑え、また、グル
コ−ス値の低下や乳酸値の上昇といった変化は代謝がよ
り盛んに行われたことを示し、本来なら血液pHが代謝
量に相当して低下するべきところであるにも拘らず、現
行の3週間保存血液の平均pH6.6よりもはるかに高
く保たれており、さらに、電解質バランスもより好まし
い状態で保存されたことを示しているもので、本発明の
優位性を示すものである。
値および標準誤差(mean±SD)を表す。Stud
ent’s paired t−testを用いた統計
的検定の結果、5週間目の値は何れの項目についても対
照群との間に危険率5%以下で(p<0.05)有意な
差が認められた。 すなわち、本発明による保存方法
は、対照群と比べ酸素濃度の増加を抑制することにより
溶血と赤血球細胞膜の透過性の異常を抑え、また、グル
コ−ス値の低下や乳酸値の上昇といった変化は代謝がよ
り盛んに行われたことを示し、本来なら血液pHが代謝
量に相当して低下するべきところであるにも拘らず、現
行の3週間保存血液の平均pH6.6よりもはるかに高
く保たれており、さらに、電解質バランスもより好まし
い状態で保存されたことを示しているもので、本発明の
優位性を示すものである。
【0013】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば保存
中の溶血にともなう遊離ヘモグロビンの増加を抑制する
ことができ、従来よりも低い温度での血液保存を可能に
するもので、現行保存法よりも保存血液の質の向上を長
期間にわたって維持することができる。したがって本発
明による血液保存は貴重な保存血液を無駄にすることを
少なくする。また、自己血の術前貯血期間を長くするこ
とにより、良質の自己血を貯えやすくして他人からの血
液を使うに伴う輸血の副作用、合併症の減少に役立てる
ことができる。
中の溶血にともなう遊離ヘモグロビンの増加を抑制する
ことができ、従来よりも低い温度での血液保存を可能に
するもので、現行保存法よりも保存血液の質の向上を長
期間にわたって維持することができる。したがって本発
明による血液保存は貴重な保存血液を無駄にすることを
少なくする。また、自己血の術前貯血期間を長くするこ
とにより、良質の自己血を貯えやすくして他人からの血
液を使うに伴う輸血の副作用、合併症の減少に役立てる
ことができる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−74257(JP,A) 特開 昭59−33224(JP,A) 特開 昭63−60931(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61J 3/00 A61K 35/14
Claims (3)
- 【請求項1】 輸血用血液または血液製剤を亜酸化窒素
ガス、若しくは、亜酸化窒素ガスと窒素との混合ガスの
雰囲気下で保存することを特徴とする輸血用血液または
血液製剤の保存方法。 - 【請求項2】輸血用血液または血液製剤をガス透過性の
良い容器内に収容し、亜酸化窒素ガス、若しくは、亜酸
化窒素ガスと窒素との混合ガスの雰囲気下で保存するこ
とを特徴とする輸血用血液または血液製剤の保存方法。 - 【請求項3】採血後、早期に輸血用血液または血液製剤
の雰囲気ガスを亜酸化窒素ガス若しくは亜酸化窒素ガス
と窒素との混合ガスで空気又は酸素をパ−ジすることを
特徴とする輸血用血液または血液製剤の保存方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11159992A JP3177713B2 (ja) | 1992-04-30 | 1992-04-30 | 輸血用血液または血液製剤の保存方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11159992A JP3177713B2 (ja) | 1992-04-30 | 1992-04-30 | 輸血用血液または血液製剤の保存方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05305123A JPH05305123A (ja) | 1993-11-19 |
JP3177713B2 true JP3177713B2 (ja) | 2001-06-18 |
Family
ID=14565446
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11159992A Expired - Fee Related JP3177713B2 (ja) | 1992-04-30 | 1992-04-30 | 輸血用血液または血液製剤の保存方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3177713B2 (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004269051A (ja) * | 2003-02-18 | 2004-09-30 | Toyo Seikan Kaisha Ltd | 食品容器のヘッドスペース置換方法 |
US9199016B2 (en) | 2009-10-12 | 2015-12-01 | New Health Sciences, Inc. | System for extended storage of red blood cells and methods of use |
CA2781874A1 (en) | 2009-10-12 | 2011-04-21 | New Health Sciences, Inc. | Oxygen depletion devices and methods for removing oxygen from red blood cells |
US12089589B2 (en) | 2009-10-12 | 2024-09-17 | Hemanext Inc. | Irradiation of red blood cells and anaerobic storage |
US11284616B2 (en) | 2010-05-05 | 2022-03-29 | Hemanext Inc. | Irradiation of red blood cells and anaerobic storage |
CA2781866C (en) | 2009-10-12 | 2019-12-03 | New Health Sciences, Inc. | Blood storage bag system and depletion devices with oxygen and carbon dioxide depletion capabilities |
ES2959120T3 (es) | 2010-08-25 | 2024-02-20 | Hemanext Inc | Método para potenciar la calidad y la supervivencia de glóbulos rojos durante el almacenamiento |
PT3539381T (pt) | 2010-11-05 | 2023-09-26 | Hemanext Inc | Irradiação de glóbulos vermelhos e armazenamento anaeróbico |
US9067004B2 (en) | 2011-03-28 | 2015-06-30 | New Health Sciences, Inc. | Method and system for removing oxygen and carbon dioxide during red cell blood processing using an inert carrier gas and manifold assembly |
AU2012294269B2 (en) | 2011-08-10 | 2016-11-24 | Hemanext Inc. | Integrated leukocyte, oxygen and/or CO2 depletion, and plasma separation filter device |
WO2014134503A1 (en) | 2013-02-28 | 2014-09-04 | New Health Sciences, Inc. | Gas depletion and gas addition devices for blood treatment |
WO2016145210A1 (en) | 2015-03-10 | 2016-09-15 | New Health Sciences, Inc. | Oxygen reduction disposable kits, devices and methods of use thereof |
KR102661405B1 (ko) | 2015-04-23 | 2024-04-25 | 헤마넥스트 인코포레이티드 | 혐기성 혈액 저장 용기 |
MX2017014812A (es) | 2015-05-18 | 2018-05-11 | New Health Sciences Inc | Metodos para el almacenamiento de sangre completa y composiciones de esta. |
WO2017205590A2 (en) | 2016-05-27 | 2017-11-30 | New Health Sciences, Inc. | Anaerobic blood storage and pathogen inactivation method |
-
1992
- 1992-04-30 JP JP11159992A patent/JP3177713B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05305123A (ja) | 1993-11-19 |
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