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JP3177557U - 金属異物検知装置 - Google Patents

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JP3177557U
JP3177557U JP2012003148U JP2012003148U JP3177557U JP 3177557 U JP3177557 U JP 3177557U JP 2012003148 U JP2012003148 U JP 2012003148U JP 2012003148 U JP2012003148 U JP 2012003148U JP 3177557 U JP3177557 U JP 3177557U
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Abstract

【課題】医薬品、化粧品、食料品等が連続包装袋に充填された被検査物に含まれる金属異物を、外部磁界、電磁波、磁界の乱れの影響を排除しながら、検知できる金属異物検知装置を提供する。
【解決手段】連続的に連結された連続包装体に充填された被包装体からなる被検査物2をセンサーコイル10a、10b、11a、11bで、その中の金属異物を検知する。被検査物2は、細長い中空の管状のガイド3内を流れながら案内され、センサーコイル10a、10b、11a、11bの近傍を通過する。センサーコイル10a、10b、11a、11bは、外部の磁界又は磁界の乱れからシールドするための金属の筐体8に格納され、筐体8をガイド3が貫通するように設置される。
【選択図】図1

Description

本考案は、被検査物に混入した金属異物を検知する金属異物検知装置に関するものである。特に、アルミニウム、銅等の被磁性金属、ガラス、プラスチック、ビニール等の非金属の連続包装袋に充填された被検査物中に混入した金属異物を検知する金属異物検知装置に関するものである。
金属物の検出装置は、様々な分野で利用されている。その代表的な例は、商品の製造工程で、商品に混入した金属異物の検出である。具体的には、食品、医薬品等の製造過程において、搬送機、洗浄機、攪拌機、切断機、練機、蒸し器等の各種容器、刃物、篩等の一部が、摩耗、金属疲労等を受けて、むくれ、破断、剥がれ、削れ、欠け等による欠片が製品に異物として混入することがある。これらの異物を検知し、商品から排除することが重要である。商品である被検査物に混入した異物を検知する手段として、磁性体金属には電磁波型のセンサーコイル等が利用されている。
金属異物は、上述の各種容器、刃物、篩等を構成するオーステナイト系ステンレス鋼であることが多い。オーステナイト系ステンレス鋼は、塑性変形するとマルテンサイト変態を誘発し、弱い磁性を持つ結晶構造に変化する。このため、センサーコイル近傍に磁石ブースターを配置し、この強力な磁力線で金属異物を磁化させるので、高い感度で金属異物の検知を可能としたものである。被検査物が磁石ブースターを通過するとき、磁石ブースターが発生する磁化の働きで、金属異物の磁性が一定の方向に向き、オーステナイト系ステンレス鋼がマルテンサイト変態した弱磁性体被検査物が磁化される。
本考案の出願人等は、特許文献1〜3に記載の発明を提案した。特許文献1〜3に記載された装置は、食品等の被検出物中の金属異物を検知するものである。ここで提案したセンサーコイルを用いて、微小な磁性体の検知に成功した。具体的には、特許文献1には、被検出物中に混入した金属異物を検知する金属異物検知方法と金属異物検知装置が開示されている。この発明によると、被検出物中に混入したステンレス等の金属異物を単に検知する機能にとどまらず、導電性の包装材料で包まれた食品、医薬品、工業用材料等の被検出物中に混入した金属異物も検知できる。
特許文献1のこの金属異物検知装置は、コアに導線を巻いた構成の1つのコイルを有した検出部により微少磁界を発生させて、微少磁界に応答した金属異物からの検出磁界をコイルの検出電圧、又は検出電流として検出して検出信号を出力するものである。微少磁界は、コイルに、数百Hzから数十kHzの周波数、又は直流で印加される電圧であって供給される電流が微少で、かつコイルを構成するコアの磁化(B−H)特性内の、磁化特性を表わす磁束密度(B)と磁界(H)が0付近の微少の値である非線形部分を利用したものである。
金属異物がコイル付近を通過するとき、コイルに鎖交する磁力線の形成が乱れ、信号電圧の振幅、位相、周波数が変化し、これにより、金属異物を検知する。この装置は、1mm以下の金属異物を検知できる優れた感度をもつものである。また、アルミニウム包装内の針等の細長い金属物と、金属粉末からなる酸化防止剤の検知が可能である。特許文献3に開示されたこの金属探知機用センサーは、被検出物中の金属物を探知するための金属探知機用センサーであって、前記コアに接触して配置され、静磁場による磁力線を発生させ、前記金属物を磁化するための磁石とからなる。
特許文献3では、E型等の鉄心に銅線コイルを巻いた2対のセンサーコイルに交流電圧を印加すると交番磁界が発生する。このとき、2対のセンサーコイルを平衡又は非平衡ブリッジ回路になるよう接続しておく。交番磁界が変化されない限りブリッジ回路の出力電流は一定である。交番磁界を発生している2対のセンサーコイルの上下間を磁性体又は磁化された金属異物を含む被検査物が通過するとき、交番磁界の磁力線のフォーム(形成)が乱される。
このときセンサーコイルを流れる電流が変化し、平衡又は非平衡ブリッジ回路の出力電圧が変化する。この出力信号電圧の変化をもって金属異物が検知できる。マグネット磁石ブースターは、強い磁界を発生し、磁性体の被検出物を磁化するためのもので、永久磁石等を有する構造になっている。マグネット磁石ブースターの近辺を通過する被検出物が磁化されることよってセンサーコイルで検知するときに検知感度が向上する。
特許文献4に開示されたこの金属探知機は、被検出物を搬送する搬送路を有する搬送手段と、前記搬送路の途中に設けられ、電流を流して磁界を発生させるための導線のコイルが金属のコアに巻かれたセンサーコイルとからなる金属探知機において、前記センサーコイルにより発生される磁界の及ぶ範囲に配置され、静磁場による磁力線を発生させ、前記金属物を磁化する磁石とからなり、前記電流は交番磁界を発生させるための交流電流であり、前記磁石は前記コアに接触して配置されている磁石であることを特徴とする。
詳しくは、センサーコイル近傍、又は直接センサーに磁石を固定し、センサーコイルに鎖交する不平等な静磁場を形成させている。被検出物がこの不平等磁場を横切ったとき金属異物が一時的に磁化されると同時に、磁化された被検出物から発生する磁場が、センサーコイルに鎖交する磁場を乱す。その磁場の乱れをセンサーコイルが検出信号として送出している。
特許第3857271号 特開2005−188985号公報 国際公開WO2003/027659号公報 特許第3875161号
しかしながら、従来の検出機は、被検出物の一部が金属で構成されている場合には、金属異物として誤検知することがある。また、一般に食品工場等の製造環境では、モータや電磁バルブ等、磁界の乱れを誘発する機器を多数使用している、そのため、従来の検出機は、これらの様々な機器が原因とも思われる磁界発生の影響を受け易かった。このように、製品製造時の検査工程や異物検査の信頼性に多くの制限がかかっている。また、このような情況の中で、連続包装袋に充填された商品の中の金属異物を、センサーコイルで検知する装置が無かった。
本考案は上述のような技術背景のもとになされたものであり、下記の目的を達成する。
本考案の目的は、医薬品、化粧品、食料品等が、連続包装袋に充填された被検査物に含まれる金属異物を、外部磁界、電磁波、磁界の乱れの影響を排除しながら、検知できる金属異物検知装置を提供する。
本考案は、前記目的を達成するため、次の手段を採る。
本考案の金属異物検知装置は、被検査物(2)を搬送するための搬送路を有する搬送手段、並びに、
前記搬送路の途中に設けられ、前記被検査物(2)内の磁性体の有無を検知するための検知部、及び、前記検知部から出力される検知信号を信号処理して前記磁性体の有無を判断し、前記判断の結果を示す出力信号を出力する信号処理部からなる検知手段
からなる金属物検出装置において、
前記被検査物(2)は、個々の被包装体が別々に詰められた包装容器が連続的に連結された連続包装体であり、
前記検知部は、コアに導線を巻いた構成のセンサーコイル(10a、10b、11a、11b)、及び、前記センサーコイル(10a、10b、11a、11b)を外部の磁界又は磁界の乱れからシールドするためのシールド手段(8)からなり、
前記搬送手段は、前記センサーコイル(10a、10b、11a、11b)の近傍を通過させるために前記被検査物(2)を誘導するためのもので、非磁性体の材料からなるガイド(3)からなり、
前記シールド手段(8)は、前記被検査物(2)を搬入するための第1孔(8a)と、前記検知を受けた前記被検査物を搬出するための第2孔(8b)を有し、
前記ガイド(3)は、前記第1孔(8a)と前記第2孔(8b)を通って、前記シールド手段(8)を貫通するように設置されていることを特徴とする。
前記ガイド(3)は、細長く、断面形状が四角の管の形状をすると良い。
前記ガイド(3)は、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、及び合成樹脂の中から選択される1種の材料で構成されていると良い。
前記ガイド(3)は、前記外部の磁界又は前記磁界の乱れの一部又は全部を遮断するために、金属製又は金属メッキされたものであると良い。
前記ガイド(3)は、前記被検査物(2)を搬入するための搬入口(3a)が他の部分の断面積より大きくされたラッパ状に加工されていると良い。
前記被検査物(2)が重力を受けて前記ガイド(3)内を滑らせるために、前記ガイド(3)は水平面に対して所定の角度(θ)を有して配置されると良い。
前記被検査物(2)を磁化するための磁石を有し、前記ガイド(3)の搬入口(3a)の外周、又は前記シールド手段(8)の前記第1孔(8a)の近傍に配置される磁化手段(12)からなると良い。
前記磁化手段(12)は、前記シールド手段(8)によって、前記外部の磁界又は前記磁界の乱れからシールドされていると良い。
上述の検知部の検知原理は、少なくとも1つのセンサーコイルに、電圧を印加又は電流を供給することにより微少磁界を発生させて、微少磁界に応答した被検査物の中の磁性体の金属異物からの検出磁界をセンサーコイルの検出電圧又は検出電流として検出して検出信号を出力するものである。この検出信号を解析して金属異物を特定する。センサーコイルの検出電圧又は検出電流は、微小な値のものであり、外部の磁界又は磁界の乱れの影響を受けやすいので、センサーコイルを含めて、検知部を外部の磁界又は磁界の乱れから磁気シールドする。
微少磁界は、センサーコイルに印加される電圧又は供給される電流が微少で、かつセンサーコイルを構成するコアの磁化(B−H)特性の内、磁化特性を表わす磁束密度(B)と磁界(H)が0付近の微少の値である非線形部分を利用したものであり、電流、又は電圧が数百Hzから数十kHzの周波数又は直流であり、金属異物がセンサーコイル付近を通過するとき、センサーコイルに流れる電圧、電流が誘起されるものである。これは、センサーコイルの周波数が変化するとも言うことができる。センサーコイルの微少磁界は、日本国特許第3857271号等に示す通り、公知技術であり、詳細については省略する。
本考案の出願人は、「金属異物検知方法とその装置」に関する特許出願し、日本国特許第3857271号を取得している。この特許の内容が全て又はその一部が、本考案にも含まれる。この特許の金属異物検知方法は、包装内の被検出物に製造する過程で混入した金属異物を検知するために、前記被検出物を搬送路で搬送する搬送工程と、前記搬送路の途中に設けられ、コアに導線を巻いた構成のコイルを有した検出部により磁界を発生させて、前記被検出物に混入した金属異物を検出するための金属異物検出工程とからなる金属異物検知方法において、一つの前記コイルに電圧を印加又は電流を供給することにより微少磁界を発生させて、前記微少磁界に応答した前記金属異物からの検出磁界を前記コイルの検出電圧又は検出電流として検出して検出信号を出力する検出信号出力工程と、前記検出信号を解析して前記金属異物を特定するために信号を解析する信号解析工程とからなり、前記微少磁界は、前記コイルに印加される前記電圧又は供給される前記電流が微少で、かつ前記コイルを構成する前記コアの磁化(B−H)特性の内、前記磁化特性を表わす磁束密度(B)と磁界(H)が0付近の微少の値である非線形部分を利用したものであり、前記電流、又は電圧が数百Hzから数十kHzの周波数であり、前記金属異物が前記コイル付近を通過するとき、前記周波数が変化するものであることを特徴とする。
本考案の金属異物検知装置は、非金属物である被検出物内の磁性体を感度よく検知できる。更に、アルミニウム、アルミニウム合金等の導電性材料で包装された包装袋・容器を有する被検出物内の磁性体が検知できる。
本考案の金属異物検知装置は、連続包装袋に充填された金属異物を判別して検知できるようになった。
本考案の金属異物検知装置は、外部の磁界、電磁波、磁界の乱れ等から遮断するシールド手段を用いることで、連続包装袋の被検査物に含まれる金属異物、その位置を検知できるようになった。
図1は、本考案の第1の実施の形態の金属異物検知装置1の概要を示す概念図である。 図2は、本考案の第1の実施の形態の金属異物検知装置1の側面の概要を示す概念図で、図1の側面図である。 図3は、本考案の第1の実施の形態の金属異物検知装置1を用い、連続包装袋に被検査物2を充填して製造する工程例を示す概念図である。 図4は、金属異物検知装置1の制御ユニット5のパネル50の例を示す概念図である。 図5は、センサーコイルの構成例を示す図であり、図5(a)はセンサーコイル10aの正面図、図5(b)は図5(a)の平面図、及び図5(c)は図5(a)のA−A線の切断断面図である。 図6は、金属異物検知装置1の制御ユニット5の構成例を示す機能ブロック図である。 図7は、制御ユニット5のディジタルコンピュータ処理部27の構成例を示すブロック図である。 図8は、制御ユニット5のディジタルコンピュータ処理部27の動作例を示すフローチャートである。 図9は、磁石ブースター12の配置例を示す概念図である。
〔第1の実施の形態〕
図1は、本考案の第1の実施の形態の金属異物検知装置1の概要を図示している。図2には、図1の金属異物検知装置1の側面図である。金属異物検知装置1は、被検査物2の中の金属物を検知又は探知して通知するためのものである。特に、金属異物検知装置1は、特に、連続包装袋に充填された被検査物2に混入した金属異物を検知、又は探知して通知するためのものである。
被検査物2としては、特に限定されないが、固体、液体、又はゲル状の食品、医薬品等の包装袋に充填された商品を例示できる。それらの包装袋は、単層、又は多層のフィルム状で連続してつながったものである。つまり、被検査物2は、被検査体が連続包装容器内に充填又は内蔵されたものである。連続包装容器、言い換えると連続包装袋の包装材は、公知のアルミニウム箔、合成樹脂製のフィルム、紙等、及びこれらの素材を組み合わせた積層材からなるものである。
〔金属異物検知装置1の構成〕
金属異物検知装置1は、被検査物2を案内する搬送路であるガイド3、異物を検知するセンサー類を格納するセンサー格納部4、これらを制御する回路を収納した筐体である制御ユニット5等から構成される。ガイド3とセンサー格納部4は、床面上に設置される脚6付きのフレーム7の上部に搭載されている。制御ユニット5は、フレーム7の下部に固定されている。
ガイド3は、フレーム6上に設置され、その中の空洞を被検査物2が重力、又はローラー等の送り機構により送られて滑りながら搬送されるための滑り台である。本実施の形態では、ガイド3を構成する素材を板材のアルミニウム合金製にしている。ただし、このガイド3の材質は、アルミニウム合金ではなくても非磁性体であれば、銅、合成樹脂等の素材で構成しても良い。ガイド3の材質がアルミニウム合金、銅等の導電性材料であると、外部の電磁波を一部又は全部を遮断する効果を持ち、センサーコイルの検知感度の向上に貢献する。
ガイド3は、中空の、細長い管である。本例のガイド3は、内部が空洞で断面が四角である。また、ガイド3の入口、即ち被検査物2が供給される入口である搬入口3aは、この搬入口3aの断面積が、ガイド3の他の部分の断面積より、広く拡大しているラッパ状に形成されている。図1には、被検査物2を搬送する搬送方向を矢印2aで示している。被検査物2は、前工程からガイド13等で案内されて、連続した包装袋の状態で流れている。
そのため、被検査物2を搬送するために、金属異物検知装置1は、ガイド3に加え、被検査物2の供給手段又は搬送手段を特別に備える必要はない。しかし、被検査物2が大型の物、特に重い場合は、ガイド3は、複数のローラー(図示せず。)を備え、その上を、被検査物2を滑走させるものであっても良い。搬送手段は、上述のガイド3に限定されるものではなく、任意の手段を用いることができ、例えば、ベルトコンベヤでも良い。ベルトコンベヤの場合は、片方に設けられた駆動用モータによってエンドレスのベルトを回転駆動し、被検査物2をベルトの上に載せて搬送する。
センサー格納部4は、被検査物2が搬送される搬送路中、言い換えると、ガイド3の長さ方向の中央あたりに配置されている。センサー格納部4内には、被検査物2中の磁性体を検知するためのセンサーが内蔵されている。このセンサーは、本実施の形態においては、被検査物2の流れに沿うように第1センサー10と第2センサー11が配置されている。第1センサー10と第2センサー11は同一構造のものである(詳細な説明は後述する)。第1センサー10と第2センサー11は、それぞれセンサーコイルからなる。
センサーコイルは、その周囲の磁界の変化を検知するものである。被検査物2の中の金属物や金属異物等の磁性体金属から発生する磁界がその周囲の磁界を変化させる。言い換えると、第1センサー10と第2センサー11は、その周囲の磁界の乱れの変化を検知するためのもので、磁界の変化に応じた電圧又は電流の検出信号を出力する。センサー格納部14は、筐体8を備える。筐体8の中には、第1センサー10、第2センサー11、磁石ブースター12等が配置されている。
筐体8は、外部の磁界や磁界の乱れ等から、第1センサー10、第2センサー11を遮断し、その検知感度を向上させるためのものである。筐体8は、ガイド3の上下に配置される。筐体8は、密閉の箱型であり、その側面にガイド3を通すための貫通孔、である孔8aと孔8bが設けられている。ガイド3は、本例では細長い形状の管であり、筐体8を貫通するように設置されている。よって、孔8aと孔8bの形状は、ガイド3の断面の外径と同じ形状が好ましい。
本実施の形態では、ガイド3は断面が四角形であるので、孔8aと孔8bが四角形に形成されている。ガイド3は、筐体8の両側に設けた孔8aと孔8bを貫通するように設置されている。筐体8は、外部の磁界を遮断する機能を果たすので、金属材料からなる。本実施の形態においては、筐体8は、防錆等の観点からステンレス鋼から作られている。筐体8の底部は、金属板8cで構成されている。金属板8cは、その下部がフレーム7の上端に水平面と角度θだけ傾いて固定されている。
このために筐体8の中心線は、鉛直方向と角度θ傾いていることになる。金属板8cと並行な面に沿って配置されているガイド3の中心線も水平面と角度θだけ傾いている。従って、ガイド3の角度θの傾きにより、被検査物2がガイド3の内面に沿って、重力の力で円滑に流れることになる。センサー格納部4から出力された検知信号は、制御ユニット5に送られる。センサー格納部4内で、被検査物2の流れから見て第1センサー10の上流側には、被検査物2中の磁性体を磁化するための磁石ブースター12が設置されている。
制御ユニット5は、センサー格納部4、言い換えると、第1センサー10と第2センサー11から受信した検知信号を解析して、被検査物2中に磁性体があるか否かの判定を行なう。ガイド3は、その上部と下部にセンサーコイル10a、10b、11a、11bが設置されている。制御ユニット5は、この判定の結果を通知(電気信号、警告音、表示等)する。被検査物2は、ガイド3の中を搬送されて、磁石ブースター12、第1センサー10と第2センサー11を通過する。
制御ユニット5は、被検査物2が第1センサー10と第2センサー11を通過する際の各センサーコイル10a、10b、11a、11bの検知信号を解析し、被検査物2に磁性体が含まれているか否かを判定する。被検査物2の中に磁性体が含まれている場合は、制御ユニット5は、その旨の出力信号を出力する。この出力信号は、制御ユニット5から、金属異物検知装置1に設けられているシグナルタワー(図示せず。)、又は、後段の装置等へ送信される。
このシグナルタワーは、欠品を検出したとき、点滅したり、ブザーを鳴らしたりして、警報信号をオペレータに発するものである。言い換えると、被検査物2の中に金属異物が含有された欠品であることを出力信号が示すときは、シグナルタワーが警報信号を発する。例えば、シグナルタワーは、通常時、特定の色、例えば緑色に光っていて、警報信号を発するときに別色、例えば赤色、を発する。シグナルタワーは、正常な動作を示す出力信号を受信したとき、特定の色、例えば緑色で光っているものが好ましい。
又は、シグナルタワーは、通常時(異物を検知しないとき。)、光らせないものであっても良い。本例では、シグナルタワーは、警報信号を示す出力信号を受信したとき、別色、例えば赤色、を発するものである。制御ユニット5からの出力信号を受ける後段の装置の例としては、被検査物2へ印をつけるための装置、製造ライン管理のコンピュータ、工場管理の制御コンピュータ、管理者のコンピュータ等が例示できる。
図1に示すように、制御ユニット5がセンサー格納部4の下方側に設置されている。ただし、制御ユニット5は、本例のように必ずしもセンサー格納部4の近傍に設置する必要はなく、センサー格納部4から有線通信、又は無線通信により検知信号を受け取り、処理できる環境であれば任意の場所で設置しても良い。この有線通信と無線通信の通信方式は、公知の任意の通信規格を用いることができ、本発明の趣旨ではないので、その詳細な説明は省略する。
〔金属異物検知装置1の配置〕
図3のシステム図は、被検査物2を製造する全工程の中で、金属異物検知装置1を配置する場所を示したものである。被検査物2は、連包包装工程14で連続包装袋に充填されて包装され、ガイド13を案内されて、アキューム17へ蓄積される。ガイド13は、連包包装工程14の排出口に設置される。アキューム17は、連続包装袋に充填された被検査物2を一時的に格納する容器である。
アキューム17の中から、被検査物2が取り出されて、巻取機やパーッケージング工程等の次の工程へ搬送される。連包包装工程14の上部には、ホッパ15が設置されている。ホッパ15は、商品16を一時貯留し、必要に応じて下部の口(図示せず。)を開いて、連包包装工程14に供給する公知の装置である。連包包装工程14は、ホッパ15から供給された商品16を、連続包装袋に充填して包装する。本考案の主旨は、連包包装工程14ではないので、これ以上の詳細な説明は省略する。
本実施の形態においては、金属異物検知装置1は、連包包装工程14とアキューム17の間に、特に、連包包装工程14の排出口の直後に設置されて、連続包装袋の被検査物2を検査している。しかし、金属異物検知装置1の配置位置は、この位置のみに限定されるものではない。金属異物検知装置1は、アキューム17とその次の工程の間でも設置することもでき、この配置であっても実質的に同じような検知ができる。
金属異物検知装置1で被検査物2の中に金属異物があると判定されたとき、この旨の信号は、例えば、マーカー装置18に送信される。マーカー装置18は、この被検査物2の袋の表面にマークを付ける。後でこのマークが付いた包を作業員又は専用機械が切断して、除去する。マーカー装置18は、例えばレーザで被検査物2の包装袋に照射してマーキングする装置である。また、マーカー装置18は、インクを被検査物2の包装袋に噴出してマーキングするインクジェット装置であっても良い。これらのマーキング手段は公知であり、この構造、機能の説明は省略する。
〔制御パネルの例〕
図4は、制御ユニット5の制御パネル50を図示している。制御パネル50は、制御ユニット5が格納された筐体の例であり、その正面図である。また、制御パネル50は、制御ユニット5のへの電源の供給と遮断を行うための電源スイッチ51、電源の有無を示す電源ランプ52、アルミ信号微調整用(−消去側)の調整器53、アルミ信号微調整用(+消去側)の調整器54、センサーコイルの感度を設定するための感度レベルスイッチ55等からなる。
調整器53と調整器54は、後述するように、アルミ信号消去回路23(図6を参照。)の微調整を行うものである。詳しくは、ブリッジ回路22からの信号に含まれる被検査物2の導電材料である包装体からの信号を消去するとき、その消去のレベルを、調整器53と調整器54で調整する。例えば、被検査物2が導電材料の一種であるアルミニウム合金で包装されている場合、その強度上げるために鉄等の他の金属成分がアルミニウム合金の包装に含まれていることがある。
その金属成分の量は、被検査物2の用途や種類等によって異なる。しかし、この金属成分は、センサーコイルで、被検査物2内の金属異物と同様に金属物として検知されて、誤検知の原因になることがある。また、被検査物2は、センサーコイルの付近を通過する速度も一定ではない。このため、アルミ信号消去回路23で、被検査物2の包装に由来する信号を消去するレベルを変更する必要がある。
調整器53と調整器54は、被検査物2の包装に由来する誤検知を防ぐための微調整器である。制御ユニット5の詳細な構成例は図6に図示した通りであり、全体として箱型の筐体に格納されており、その説明は後述する。電源コード5a(図1を参照。)を商用電源等の電源に接続し、電源スイッチ51を入れると、電源ランプ52が点灯し、制御ユニット5に電源が供給されたことを示す。電源スイッチ51を切ると、電源ランプ52が消灯し、制御ユニット5から電源が切断されたことを示す。
〔センサーコイル〕
図1に図示した金属異物検知装置1のように、第1センサー10と第2センサー11は、それぞれセンサーコイルからなる。更に詳細には、第1センサー10は、センサーコイル10a、10bからなる。第2センサー11は、センサーコイル11a、11bからなる。第1センサー10は、ガイド3を挟んで上下に配置されたセンサーコイル10aとセンサーコイル10bから構成される。
同様に、第2センサー11は、ガイド3を挟んで上下に配置されたセンサーコイル11aとセンサーコイル11bから構成されている。センサーコイル10aとセンサーコイル10bは、互いに所定の距離離れて配置されている。センサーコイル10aとセンサーコイル10bは、細長い形状をしており、平行な2つの面になるように対向して配置されている。対向して配置されているセンサーコイル10aとセンサーコイル10bの間の空間を、被検査物2が通過する。
図1の例では、センサーコイル10aとセンサーコイル10bは、ガイド3を挟んで上下に、ガイド3の内孔の上下の面と平行な面に、配置されている。これらのセンサーコイル10a,10b,11a及び11bは、実質的に同一構造であるので、センサーコイル10aのみを例示して説明する。センサーコイル10aの磁化(B−H)特性の内、磁化特性を表わす磁束密度(B)と磁界(H)が0付近の微少の値である非線形部分を利用して、金属物の検知を行う。
この磁化特性、その利用方法についての技術思想は、特許文献1に詳しく述べている。特許文献1に記載された発明の全部又はその一部は、本考案と実質的に同一構造、回路であり、これらが本考案を構成する。ただし、センサーコイル10a,10bに印加される電圧、電流、その周波数は、全部又は一部が、本考案の実施の形態で特許文献1と異なる値であっても良い。センサーコイル10a,10bには、特別に、電流供給、電圧印加がされていなくても、磁性体の金属異物の検知動作が可能である。
例えば、センサーコイル10a,10bには、増幅器のバイアス電圧を印加しておく。これにより、増幅器の入力バイアス電流がセンサーコイル10a,10bのコイルに流れることになる。これに、周辺磁界の変化に伴って、センサーコイル10a,10bを横切る磁束が変化すると、センサーコイル10a,10bを流れる電流及び/又は電圧が変化し、出力信号となる。センサーコイル10aに数kHzの交流電源をかけると、センサーコイル10aに交番磁界が発生する。
センサーコイル10aの近傍にステンレスの微小破片が接近したとき、静磁界の働きにより、ステンレスの微小破片が磁化し磁極を生じさせる。例えば、オーステナイト系のステンレス鋼(SUS304等)は、破断、潰れ、曲がり、欠け等の塑性変形により、マルテンサイト誘起変態を起こして弱い磁性をもった部分が、静磁界の働きにより磁化し磁極を生じさせる。この磁極の変化が交番磁界へ影響を与え、これを、センサーコイル10aを含む検知回路で検知する。
特に、被検査物2がセンサーコイル10aに接近するほどこの効果が大きく現れるので、センサーコイル10aで被検査物2中の微小破片の金属異物を確実に検出することが可能である。被検査物2に異物として混入される磁性体としては、鉄、ニッケル、コバルト等の強磁性体、これらの合金、マルテンサイト系ステンレス鋼等が例示できる。ペアのセンサーコイル10a、10bをブリッジ回路の2辺にすると、一定の交流電圧が印加されているとき、ブリッジ回路を流れる電流が変化なく、ブリッジ回路の出力電流が一定である。
磁性材料がセンサーコイル10a又はセンサーコイル10bの付近を通過するとき、交番磁界のフォームが乱れ、ブリッジ回路の出力電流が変化する。この出力電流は、後段の制御ユニット5で信号処理され被検査物2中の異物として検知される。図5は、第1センサー10のセンサーコイル10a構造を図示したものである。図5(a)はセンサーコイル10aの正面図、図5(b)は図5(a)のセンサーコイル10aの平面図、及び図5(c)は図5(a)のA−A線の切断断面図である。
センサーコイル10a、10b、11a、及び11bは、図5(a)に示すように細長い棒状の形をした基本的に同一のものである。センサーコイル10aは、細長い棒状の形状をし、断面構造がE字形である導電性材料の鉄心101の溝部に沿って、コイル102を巻き付けた構成である。鉄心101は、珪素鋼板やアモルファス等の板を積層して構成されている。あるいは、この鉄心101には、フェライトコア、永久磁石等を使っても良い。
このセンサーコイル10aに数kHzの交流電源をかけると、その付近の周囲に交番磁界が発生する。この中を、磁性体が通過すると、この交番磁界が乱れ、センサーコイル10aを流れる電流等が変化する。本考案のセンサーコイル10a、10b、11a及び11bは、主に、1mm以下の微小な金属を検知するために用いられている。
〔磁石ブースター〕
本考案の第1の実施の形態の金属異物検知装置1の磁石ブースター12は、被検査物2の中の磁性体を磁化、或いは磁化を強化するためのもので、永久磁石からなる。磁石ブースター12は、被検査物2の搬送方向で言えば、第1センサー10と第2センサー11の手前(供給側)に設置されている。被検査物2の搬送方向で見ると、被検査物2は、ガイド3中を搬送されて、磁石ブースター12を通過後、第1センサー10と第2センサー11の順番で通過する。
本実施の形態においては、磁石ブースター12は、ガイド3の中央当たりに設置された筐体8の中に、詳しくは、その孔8aの近くに設置されている。磁石ブースター12の設置位置は、この位置に限定されるものではなく、筐体8の外側で、筐体8とガイド3の搬入口3aの間に、又は、搬入口3aの付近に取り付けても良い。磁石ブースター12は、一つの永久磁石又は2以上の複数の永久磁石から構成される。本実施の形態においては、図1及び9に図示したように、磁石ブースター12は、ガイド3の下側に、N磁極を被検査物2へ向けて固定されている。
このように配置することで、被検査物2が、磁石ブースター12をもっとも近くにして通過することが可能になる。図9には、磁石ブースター12の配置例を図示している。この例では、磁石ブースター12は、被検査物2の幅方向に1個の磁石を有する。この磁石ブースター12は、被検査物2へN磁極を向けて配置される。また、磁石ブースター12は細長い形状をしており、ガイド3の軸線3b(図9を参照。)に対して、磁石ブースター12の長手方向の軸線が直角するように配置されている。
この磁極の向きは、被検査物2の種類、大きさ等によって最適化されるものであり、上述の配置のみに限定されるものではない。磁石ブースター12は、ネオジム磁石からできている複数の磁石要素から構成されている。このようにネオジム磁石等の強力な磁石を用いることで、永久磁石の磁界が磁性体に影響を及ぼす範囲を大きく拡大でき、センサーコイル10a、10b、11a、11bの検出距離を大幅に伸ばすことが可能となる。このために、被検査物2の形状及び幅に応じて、磁石ブースター12の磁化力、被検査物2が通過するガイド3との隙間を調整することができる。
〔制御ユニット5の構成例〕
図6は、制御ユニット5の概要を図示している。制御ユニット5は、発振回路21、ブリッジ回路22、アルミ信号消去回路23、増幅/位相変換回路24、増幅/位相反転回路25、波形処理部26、ディジタルコンピュータ処理部27、信号出力部28等から構成されている。発振回路21は、制御ユニット5、第1センサー10、及び第2センサー11への交流電流を供給するための回路である。
これは、トランスを介して交流電流の供給を行う。トランスを用いることによって、電源回路と、センサーコイル10,11、ブリッジ回路22を含む測定部分が独立の回路と見なせる利点がある。ブリッジ回路22は、第1センサー10、及び第2センサー11からの信号を受信する回路である。ブリッジ回路22からの信号に含まれる導電材料である包装体(アルミニウム包装袋やアルミニウム箔等の場合)からの信号をアルミ信号消去回路23で消去する。このとき、増幅/位相反転回路25の信号を用いて次のように行われる。
増幅/位相反転回路25は、発振回路21の電流から取り出して増幅し、位相反転させる。アルミ信号消去回路23は、ブリッジ回路22からの信号(検出電流)と増幅/位相反転回路25からの位相反転電流との和をとり、交流電源の信号(元の電流)を消去する。そして、アルミ信号消去回路23は、一定のしきい値以上の信号だけを取り出して、雑音信号と分離する。アルミ信号消去回路23から出力される信号を増幅/位相変換回路24で増幅して、位相変換調整処理を行って波形処理部26へ出力する。
波形処理部26では、入力された信号の波形整形をし、ディジタル信号に変換して、受信感度の調整を行って、ディジタルコンピュータ処理部27へ出力する。アルミ信号消去回路23で設けているしきい値処理は、波形処理部26の中で行っても良い。このときは、ディジタル信号に変換された信号のしきい値処理となる。ディジタルコンピュータ処理部27は、波形処理部26からのディジタル信号を受信して信号処理し、被検査物2中に含まれる磁性体の有無の判定をする。ディジタルコンピュータ処理部27では、磁性体が検知されたと判断された場合は、信号出力部28に出力信号を出力する。
〔ディジタルコンピュータ処理部27の概要〕
図7は、ディジタルコンピュータ処理部27の概要を示すブロック図である。ディジタルコンピュータ処理部27は、メモリ111、中央処理ユニット(CPU)112、入力インターフェース113、出力インターフェース115、入力装置114、ディスプレイ116等を備えた、信号処理ユニットである。メモリ111、CPU112、入力インターフェース113、出力インターフェース115は、バス110で互いに接続されて、このバス110を経由したデータの送受信を行う。
メモリ111は、ROM、RAM等の記憶装置である。ディジタルコンピュータ処理部27は、メモリ111に格納されたプログラムを、CPU112で実行し、被検査物2の中の金属異物の判定をする。このプログラムは、特に、図8に図示したフローチャートの各ステップを中央処理装置112に実行させるものである。また、ディジタルコンピュータ処理部27は、これと同じ機能をする、アナログ回路又はディジタル回路からなる回路手段で実現することができるが、ここではその詳細な説明は省略する。
CPU112は、ディジタルコンピュータ処理部27の動作を制御するもので、メモリ111に格納された計算プログラムによって、ディジタルコンピュータ処理部27の動作を制御する。入力装置114は、入力インターフェース113に接続される。入力装置114は、マウス、キーボード、タッチパネル等の入力デバイスである。この入力装置114を金属異物検知装置1の管理者等が操作して、金属異物検知装置1の初期化、設定を行う。管理者等は、入力装置114から、計算プログラム用のデータの入力もできる。
計算プログラムは、メモリ111に格納されている。計算プログラムは、メモリ111のROMに格納されている。又は、計算プログラムは、補助記憶装置(図示せず。)に格納されている。この場合は、計算プログラムは、補助記憶装置から呼び出されて、メモリ111に展開されて、動作する。ディジタルコンピュータ処理部27は、表示装置を接続するための出力インターフェース115を有する。
出力インターフェース115には、例えば、ディスプレイ116等の表示装置が接続される。ディジタルコンピュータ処理部27は、外部機器119、信号出力部28等を接続するための外部インターフェース118を有する。信号出力部28は、ディジタルコンピュータ処理部27の出力信号を適当なデバイス、装置に送信する。例えば、信号タワー(図示せず。)、被検査物2へマーキングするためのマーカー装置18(図1を参照。)等に送信する。
〔磁性体の検知フロー〕
図8は、ディジタルコンピュータ処理部27が磁性体を検知するときのフローチャートである。ディジタルコンピュータ処理部27では、磁性体の判定が行なわれる。ディジタルコンピュータ処理部27は、まず、被検査物2が搬送されている搬送速度Vb、第1センサー10と第2センサー11の距離Lを取得し、メモリ111に保存する(ステップ10、11)。
搬送速度Vbは、メモリ111に予め保存されている値、又は、標準的な値を用いる。又は、管理者は、入力装置11等から搬送速度Vbを入力することができる。金属異物検知装置1は、被検査物2の製造ラインに利用されるものであり、製造中は、その搬送速度が変わることが殆どない。そのため、一般的には、連包包装工程14が稼働し始めるとき、予め管理者が設定した搬送速度Vbが殆ど変更されない。よって、本実施の形態では、被検査物2の一個一個の搬送速度を検知する速度検知器を備えていない。
この距離Lは、センサーコイル10aとセンサーコイル11aの中心点との間の距離である。ディジタルコンピュータ処理部27は、一定時間の間待機し経過したら(ステップ12)、波形処理部26からの第1センサー10の検知信号を受信し、メモリ111に格納する(ステップ13)。そして、第1センサー10の検知信号を受信した時刻t1を取得して、メモリ111に格納する(ステップ14)。そして、同様に、第2センサー11の検知信号を受信し、メモリ111に格納する(ステップ15、16)。
そして、第2センサー11の検知信号を受信した時刻t2を取得して、メモリ111に格納する(ステップ17)。これらの値から、磁性体の位置の計算を行う(ステップ18)。メモリ111に格納されている、第1センサー10と第2センサー11の検知信号を比較計算する(ステップ19、20)。センサーコイル10とセンサーコイル11の両方で、被検査物2を測定して、同じ信号であれば、被検査物2の測定が正しく行われたものと判断し、検出信号又は警報信号を発する(ステップ21、23)。
センサーコイル10とセンサーコイル11の両方で検知しているにもかかわらず、片方のみから検知信号出力された場合、これは、雑音の検出又は、装置の誤動作である可能性が大きいので、正常である旨の出力信号を出力する(ステップ22)。このような手順で、一連の判定が行なわれる。そして、出力信号を発した後で、検知が上述のステップ12から行われる(ステップ24)。
被検査物2は、食品や医薬品等の商品の場合は、金属を含有する乾燥材、鉄粉からなる脱酸素剤、包装用の金属線、金属製の蓋、金属製の名札等の金属構造物を有することがある。このような場合、ディジタルコンピュータ処理部27は、これらの金属構造物を検知するためのステップを有する。詳しくは、メモリ111にこれらの金属構造物を示す波形信号である比較波形を予め格納しておく。この比較波形を検出信号と比較して、この金属構造物と金属異物とを識別可能である。
これらの金属構造物が磁性体を含む場合は、第1センサー10と第2センサー11で検知される。被検査物2に含まれる金属構造物は、大きさ、材料が均一のものであり、従って、その検知波形は、金属構造物の種類ごとに基本的に同じパターンである。そのため、被検査物2に含まれ、予め分かっている金属構造物についてはその波形を予め測定し、メモリ111に保存する。よって、上述のステップ23で出力された検出信号を、比較波形と比較することで、検知信号が金属構造物を示す検知信号か否かを判定する。
〔その他〕
センサーコイル10,11は、それぞれ2個のセンサーコイル(10a、10b、11a、11b)から構成されている。これは、被検査物2の上部と下部を感度良く検出するために、このような構成にしている。被検査物2中の金属異物は、センサーコイル10又はセンサーコイル11の何れかの1個のみで検知が可能である。しかし、本実施の形態では、センサーコイル10とセンサーコイル11を用いて、被検査物2を2回検出している。
これは、センサーコイル10又はセンサーコイル11からなる1つのセンサーで、被検査物2を検出するより高信頼度の検知を行なうためである。また、基本的に、センサーコイル10,11は、それぞれ1個のセンサーコイルから構成することもできる。原理的には、1個のセンサーコイルのみ、例えばセンサーコイル10aの1個のみで検知が可能である。搬送速度、判定基準の閾値は、判定に大きく影響する。搬送速度は、本実施の形態においては、基本的に、連包包装工程14から排出される被検査物2の搬送速度である。
この値は、金属異物検知装置1の設置又は稼働時に管理者によって入力される。また、被検査物2の搬送速度を検知するための速度検知器を金属異物検知装置1が備えることができる。搬送速度、判定基準の閾値は、製品、商品の種類、その大きさ等によって、金属異物検知装置1が設置される現場で最適に調整されるものである。金属異物である否かの判定基準の閾値は、管理者等が、図4の感度レベルスイッチ55等で設定する。金属異物検知装置1が設置される現場の周囲の、装置等から発生する電磁波、機械的振動等による雑音、その現場の温度変化等の環境変化も、この判定や判定基準に影響する。
これら外部的影響は、金属の筐体8を用いて第1センサー10と第2センサー11を外部の磁界、磁界の乱れ、電磁波等から遮断し、金属異物検知装置1の判定の誤り率の向上や、検知感度を向上させている。つまり、このような、金属の筐体8、及び金属のガイド3を用いることで、従来の金属異物検知装置より検知感度や異物判定も安定し、金属異物検知装置1の実用性が増した。
更に、本実施の形態の金属異物検知装置1は、被検査物2は、アルミニウム合金で包装、アルミニウム合金袋に挿入されたものでも、その中の磁性体を良好に検出できる。ガイド3は、合成樹脂などの非金属の材料でできていて、それに金属でメッキすると、金属のガイド3と同じように、外部磁界の一部又は全部を遮断する効果を有する。本実施の形態では筐体8の材料はステンレス鋼である。しかし、外部磁界を遮断する機能を有するものであれば、筐体8は、金属メッキされた合成樹脂等の非金属材料でも良い。
本考案は、商品を連続包装袋に充填してパッケージして製造する分野に利用するとよい。特に、本考案は医薬品、化粧品、食料品の製造分野で、製品を連続包装袋に充填して製造し、その中の金属異物の検知に利用すると良い。
1…金属異物検知装置
2…被検査物
3,13…ガイド
4…センサー格納部
5…制御ユニット
6…脚
7…フレーム
8…筐体
10…第1センサー
10a,10b,11a,11b…センサーコイル
11…第2センサー
12…磁石ブースター
14…連包包装工程
15…ホッパ
16…商品
17…アキューム
18…マーカー装置
21…発振回路
22…ブリッジ回路
23…アルミ信号消去回路
24…増幅/位相変換回路
25…増幅/位相反転回路
26…波形処理部
27…ディジタルコンピュータ処理部
28…信号出力部
51…電源スイッチ
52…電源ランプ
53…アルミ信号微調整器(−消去側)
54…アルミ信号微調整器(+消去側)
55…感度レベルスイッチ
102…コイル
101…鉄心
111…メモリ
112…中央処理装置(CPU)
113…入力インターフェース
114…入力装置
115…出力インターフェース
116…ディスプレイ
118…外部インターフェース
119…外部機器

Claims (8)

  1. 被検査物(2)を搬送するための搬送路を有する搬送手段、並びに、
    前記搬送路の途中に設けられ、前記被検査物(2)内の磁性体の有無を検知するための検知部、及び、前記検知部から出力される検知信号を信号処理して前記磁性体の有無を判断し、前記判断の結果を示す出力信号を出力する信号処理部からなる検知手段
    からなる金属物検出装置において、
    前記被検査物(2)は、個々の被包装体が別々に詰められた包装容器が連続的に連結された連続包装体であり、
    前記検知部は、コアに導線を巻いた構成のセンサーコイル(10a、10b、11a、11b)、及び、前記センサーコイル(10a、10b、11a、11b)を外部の磁界又は磁界の乱れからシールドするためのシールド手段(8)からなり、
    前記搬送手段は、前記センサーコイル(10a、10b、11a、11b)の近傍を通過させるために前記被検査物(2)を誘導するためのもので、非磁性体の材料からなるガイド(3)からなり、
    前記シールド手段(8)は、前記被検査物(2)を搬入するための第1孔(8a)と、前記検知を受けた前記被検査物を搬出するための第2孔(8b)を有し、
    前記ガイド(3)は、前記第1孔(8a)と前記第2孔(8b)を通って、前記シールド手段(8)を貫通するように設置されている
    ことを特徴とする金属異物検知装置。
  2. 請求項1に記載の金属異物検知装置において、
    前記ガイド(3)は、細長く、断面形状が四角の管の形状をする
    ことを特徴とする金属異物検知装置。
  3. 請求項2に記載の金属異物検知装置において、
    前記ガイド(3)は、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、及び合成樹脂の中から選択される1種の材料で構成されている
    ことを特徴とする金属異物検知装置。
  4. 請求項2に記載の金属異物検知装置において、
    前記ガイド(3)は、前記外部の磁界又は前記磁界の乱れの一部又は全部を遮断するために、金属製又は金属メッキされたものである
    ことを特徴とする金属異物検知装置。
  5. 請求項3に記載の金属異物検知装置において、
    前記ガイド(3)は、前記被検査物(2)を搬入するための搬入口(3a)が他の部分の断面積より大きくされたラッパ状に加工されている
    ことを特徴とする金属異物検知装置。
  6. 請求項1に記載の金属異物検知装置において、
    前記被検査物(2)が重力を受けて前記ガイド(3)内を滑らせるために、前記ガイド(3)は水平面に対して所定の角度(θ)を有して配置される
    ことを特徴とする金属異物検知装置。
  7. 請求項6に記載の金属異物検知装置において、
    前記被検査物(2)を磁化するための磁石を有し、前記ガイド(3)の搬入口(3a)の外周、又は前記シールド手段(8)の前記第1孔(8a)の近傍に配置される磁化手段(12)からなる
    ことを特徴とする金属異物検知装置。
  8. 請求項7に記載の金属異物検知装置において、
    前記磁化手段(12)は、前記シールド手段(8)によって、前記外部の磁界又は前記磁界の乱れからシールドされている
    ことを特徴とする金属異物検知装置。
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