JP3176086B2 - ダイヤモンド結晶及びダイヤモンド形成用基体 - Google Patents
ダイヤモンド結晶及びダイヤモンド形成用基体Info
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- JP3176086B2 JP3176086B2 JP15031891A JP15031891A JP3176086B2 JP 3176086 B2 JP3176086 B2 JP 3176086B2 JP 15031891 A JP15031891 A JP 15031891A JP 15031891 A JP15031891 A JP 15031891A JP 3176086 B2 JP3176086 B2 JP 3176086B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子材料として優れた
特性をもつダイヤモンド結晶及びその形成用基体に関す
る。
特性をもつダイヤモンド結晶及びその形成用基体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ダイヤモンドは、大きなバンドギャップ
(5.5eV)、大きなキャリア移動度(電子1800
cm2/V・S、正孔1600cm2/V・S)、大きな
熱伝導率(20W/cm・k)を持ち、更に高硬度で耐
摩耗性に優れる等の他の材料では得られない種々の特性
を有している。
(5.5eV)、大きなキャリア移動度(電子1800
cm2/V・S、正孔1600cm2/V・S)、大きな
熱伝導率(20W/cm・k)を持ち、更に高硬度で耐
摩耗性に優れる等の他の材料では得られない種々の特性
を有している。
【0003】近年、ダイヤモンドの気相からの合成が進
み、化学的気相析出法(CVD法)により、ダイヤモン
ド膜ができるようになってきた。
み、化学的気相析出法(CVD法)により、ダイヤモン
ド膜ができるようになってきた。
【0004】この技術においては通常、鏡面研磨された
基板が用いられている。
基板が用いられている。
【0005】しかしながら、鏡面研磨されたシリコン基
板においては、ダイヤモンドの結晶核形成密度が小さい
ため、従来、ダイヤモンド砥粒により基板表面に傷付
け処理を行ったり、あるいは、ダイヤモンド砥粒を含
んだ液体(アルコール、水等)中で、超音波振動を与え
て基板表面に傷付け処理を行ったりすることにより、核
形成密度を増大させ、膜状ダイヤモンド結晶を得てい
た。
板においては、ダイヤモンドの結晶核形成密度が小さい
ため、従来、ダイヤモンド砥粒により基板表面に傷付
け処理を行ったり、あるいは、ダイヤモンド砥粒を含
んだ液体(アルコール、水等)中で、超音波振動を与え
て基板表面に傷付け処理を行ったりすることにより、核
形成密度を増大させ、膜状ダイヤモンド結晶を得てい
た。
【0006】又、傷付け処理により、基板に微細な凹凸
の形成された部位と微細な凹凸の形成されない部位とを
作り分けることによりダイヤモンド結晶の選択堆積が可
能となっている。例えば、本発明者らの出願特開平2−
30697号によれば、基板の傷付け処理と、エッチン
グ処理とを組み合わせることによりダイヤモンド結晶を
任意の場所に形成することが可能となっている。
の形成された部位と微細な凹凸の形成されない部位とを
作り分けることによりダイヤモンド結晶の選択堆積が可
能となっている。例えば、本発明者らの出願特開平2−
30697号によれば、基板の傷付け処理と、エッチン
グ処理とを組み合わせることによりダイヤモンド結晶を
任意の場所に形成することが可能となっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た、基板表面に傷付け処理を行う技術では、研磨剤、研
磨くずが基板に残存したり、傷に沿ってダイヤモンドの
核発生が起きたりするため、ダイヤモンド析出にムラが
生じやすかった。特に、ダイヤモンド膜厚が、1μm以
下と薄い場合は、このムラのために、析出ぬけ(ダイヤ
モンドの形成されない領域)が生じやすかった。
た、基板表面に傷付け処理を行う技術では、研磨剤、研
磨くずが基板に残存したり、傷に沿ってダイヤモンドの
核発生が起きたりするため、ダイヤモンド析出にムラが
生じやすかった。特に、ダイヤモンド膜厚が、1μm以
下と薄い場合は、このムラのために、析出ぬけ(ダイヤ
モンドの形成されない領域)が生じやすかった。
【0008】また、研磨剤、研磨くずの残存、例えば非
常にクリーンな状況が必要とされる半導体製造工程に用
いる際に、大きな障害になる。
常にクリーンな状況が必要とされる半導体製造工程に用
いる際に、大きな障害になる。
【0009】さらに、傷付け処理により、核発生を増加
させる技術では、結晶の方位を制御することがむずかし
かった。
させる技術では、結晶の方位を制御することがむずかし
かった。
【0010】本発明は上記問題点に鑑みなされたもの
で、ダイヤモンド膜厚が1μm以下と薄い場合であって
も、析出ムラ、析出ぬけがなく、かつクリーンなダイヤ
モンド結晶及びダイヤモンド形成用基体を提供すること
を目的とする。
で、ダイヤモンド膜厚が1μm以下と薄い場合であって
も、析出ムラ、析出ぬけがなく、かつクリーンなダイヤ
モンド結晶及びダイヤモンド形成用基体を提供すること
を目的とする。
【0011】本発明のさらなる目的は、基板傷付け処理
を必要としない選択堆積ダイヤモンド結晶及び選択堆積
ダイヤモンド形成用基体を提供することである。
を必要としない選択堆積ダイヤモンド結晶及び選択堆積
ダイヤモンド形成用基体を提供することである。
【0012】本発明のさらなる別の目的は、方位制御さ
れたダイヤモンド結晶及び方位制御ダイヤモンド形成用
基体を提供することである。
れたダイヤモンド結晶及び方位制御ダイヤモンド形成用
基体を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明のダイヤモンド結
晶は、C軸配向性グラファイト層が形成された基体上に
形成されたことを特徴とする。
晶は、C軸配向性グラファイト層が形成された基体上に
形成されたことを特徴とする。
【0014】又、本発明のダイヤモンド結晶は、C軸配
向性グラファイト層が形成された基体上に形成され、さ
らに、{111}面配向性をもつことを特徴とする。
向性グラファイト層が形成された基体上に形成され、さ
らに、{111}面配向性をもつことを特徴とする。
【0015】本発明のダイヤモンド形成用基体は、厚さ
2nm以上のグラファイト層が形成されたことを特徴と
する。
2nm以上のグラファイト層が形成されたことを特徴と
する。
【0016】又、本発明のダイヤモンド形成用基体は厚
さ2nm以上のC軸配向性グラファイト層が形成された
ことを特徴とする。
さ2nm以上のC軸配向性グラファイト層が形成された
ことを特徴とする。
【0017】
【実施例】以下、本発明を具体的に説明する。
【0018】本発明者らは、平滑性が高く、結晶配向性
を有するダイヤモンド結晶の形成のため、ダイヤモンド
結晶を形成する基体の前処理法について鋭意検討した結
果、基体上にグラファイト層を形成することにより、ダ
イヤモンドの核発生が増加し、平滑性の高いダイヤモン
ド膜が形成されることを見い出した。本発明はこのこと
に基づきなされた。
を有するダイヤモンド結晶の形成のため、ダイヤモンド
結晶を形成する基体の前処理法について鋭意検討した結
果、基体上にグラファイト層を形成することにより、ダ
イヤモンドの核発生が増加し、平滑性の高いダイヤモン
ド膜が形成されることを見い出した。本発明はこのこと
に基づきなされた。
【0019】本発明で用いるグラファイトとは結晶性を
有するものである。非晶質カーボンは、ダイヤモンド形
成雰囲化では、簡単に飛散してしまい、ダイヤモンド形
成には役立たない。これに対し、結晶性を有するグラフ
ァイトはダイヤモンド形成雰囲気下である程度の安定性
をもち、ダイヤモンド形成を助ける働きがある。
有するものである。非晶質カーボンは、ダイヤモンド形
成雰囲化では、簡単に飛散してしまい、ダイヤモンド形
成には役立たない。これに対し、結晶性を有するグラフ
ァイトはダイヤモンド形成雰囲気下である程度の安定性
をもち、ダイヤモンド形成を助ける働きがある。
【0020】本発明に用いられる基体上へのグラファイ
ト形成方法は、特に制限されるものではないが、例え
ば、CH4等の炭化水素を主成分とするガスの雰囲気中
において1気圧下で基体を1200℃以上に加熱する方
法又はメタン等の炭化水素ガス又は炭化水素ガスと
H2,He,Ar,等の希釈ガスをプラズマ状態にして
500℃以上に加熱した基体に吹きつける方法等があ
る。
ト形成方法は、特に制限されるものではないが、例え
ば、CH4等の炭化水素を主成分とするガスの雰囲気中
において1気圧下で基体を1200℃以上に加熱する方
法又はメタン等の炭化水素ガス又は炭化水素ガスと
H2,He,Ar,等の希釈ガスをプラズマ状態にして
500℃以上に加熱した基体に吹きつける方法等があ
る。
【0021】又、グラファイト層をC軸配向させる方法
として比較的高い温度下でグラファイト層を形成するこ
とがあげられる。
として比較的高い温度下でグラファイト層を形成するこ
とがあげられる。
【0022】例えば、図1に示すようなイオンビーム蒸
着装置を用いれば容易にグラファイト層を形成すること
が可能である。
着装置を用いれば容易にグラファイト層を形成すること
が可能である。
【0023】図1に基づきグラファイトの形成法の一例
を示す。
を示す。
【0024】1は真空槽、2はイオンビーム源、3はガ
ス導入口で、不図示のガスボンベ及びガス流量調節器が
ついている。4は排気口で、不図示のターボ分子ポンプ
及びロータリーポンプに接続して10-6Torrまで排
気可能である。5はイオンビームで、6は基板加熱ホル
ダーで、不図示の電源及び温度調節器で1000℃まで
加熱可能である。7は基体である。まず、排気装置を用
いて真空槽1中を5×10-6Torrまで排気した後基
体を600℃に加熱し、イオンビーム源に、メタンガス
を5×10-4Torrの圧力で導入しイオン化を行い5
KVの加速電圧ビーム電流0.5mA/cm2で基体に
メタンイオンビームを照射する。このとき、10分間の
照射で約2000Åのグラファイト層が形成される。基
体の加熱は500℃以上望ましくは600℃以上、C軸
配向させるためには700℃以上望ましくは750℃以
上とする。
ス導入口で、不図示のガスボンベ及びガス流量調節器が
ついている。4は排気口で、不図示のターボ分子ポンプ
及びロータリーポンプに接続して10-6Torrまで排
気可能である。5はイオンビームで、6は基板加熱ホル
ダーで、不図示の電源及び温度調節器で1000℃まで
加熱可能である。7は基体である。まず、排気装置を用
いて真空槽1中を5×10-6Torrまで排気した後基
体を600℃に加熱し、イオンビーム源に、メタンガス
を5×10-4Torrの圧力で導入しイオン化を行い5
KVの加速電圧ビーム電流0.5mA/cm2で基体に
メタンイオンビームを照射する。このとき、10分間の
照射で約2000Åのグラファイト層が形成される。基
体の加熱は500℃以上望ましくは600℃以上、C軸
配向させるためには700℃以上望ましくは750℃以
上とする。
【0025】500℃以下では膜がグラファイトとなら
ずアモルファスカーボンとなり、本発明の効果は得られ
ない。グラファイト層の形成条件は上記条件に限定され
るものではなく、原料ガスとして、例えばエチレン、ア
セチン、ベンゼン等の他の炭化水素ガス及び炭化水素ガ
スにH2,Ar,He等の添加ガスを導入してもよい。
又、加速電圧は0.1KVから50KVの範囲で選ぶこ
とができる。
ずアモルファスカーボンとなり、本発明の効果は得られ
ない。グラファイト層の形成条件は上記条件に限定され
るものではなく、原料ガスとして、例えばエチレン、ア
セチン、ベンゼン等の他の炭化水素ガス及び炭化水素ガ
スにH2,Ar,He等の添加ガスを導入してもよい。
又、加速電圧は0.1KVから50KVの範囲で選ぶこ
とができる。
【0026】又、グラファイト層の形成方法は、上記方
法に限定されるものではなく、他の熱CVD法、プラズ
マCVD法等によっても本発明を達成することができ
る。グラファイト層の厚さは2nm以上で、望ましくは
10nmから1μmさらに望ましくは50nmから50
0nmである。2nm以下ではダイヤモンド形成雰囲気
下で飛散し本発明の効果が十分得られず、又1μm以上
の厚さにしても本発明効果の向上はない。
法に限定されるものではなく、他の熱CVD法、プラズ
マCVD法等によっても本発明を達成することができ
る。グラファイト層の厚さは2nm以上で、望ましくは
10nmから1μmさらに望ましくは50nmから50
0nmである。2nm以下ではダイヤモンド形成雰囲気
下で飛散し本発明の効果が十分得られず、又1μm以上
の厚さにしても本発明効果の向上はない。
【0027】ダイヤモンド気相合成法としては、例えば
CVD法(化学的気相堆積法)が挙げられる。もちろん
他の方法を用いてもよい。図2に、ダイヤモンドを形成
するCVD装置例を示す。11は石英製反応管、12は
ヒーター、13はタングステン製フィラメント、14は
表面を多孔質化されたシリコン基板、15はガス導入
口、16は排気口で、排気装置および圧力調整バルブ
(図示せず)に接続されたいる。ダイヤモンド結晶形成
のための原料ガスとしては、例えば炭化水素ガス(メタ
ン、エタン等)または、液状有機化合物(アルコール、
アセトン等)を加熱ガス化したものを用いることができ
る。また、これら原料ガスには必要に応じて水素、酸
素、等に希釈して導入してもよい。また、半導体ダイヤ
モンドを形成するために、必要に応じて、ホウ素、リ
ン、窒素等を含んだ化合物を原料中に添加してもよい。
これら原料ガス・添加ガスは2000℃程度に加熱され
たフィラメント13により分解され、基体上にダイヤモ
ンドが形成される。本発明のダイヤモンド形成方法は、
上記方法に限定されるものではなく、マイクロ波プラズ
マCVD法、高周波プラズマCVD法、直流プラズマC
VD法、有磁場マイクロ波プラズマCVD法、燃焼炎法
などの方法によっても本発明を達成することができる。
CVD法(化学的気相堆積法)が挙げられる。もちろん
他の方法を用いてもよい。図2に、ダイヤモンドを形成
するCVD装置例を示す。11は石英製反応管、12は
ヒーター、13はタングステン製フィラメント、14は
表面を多孔質化されたシリコン基板、15はガス導入
口、16は排気口で、排気装置および圧力調整バルブ
(図示せず)に接続されたいる。ダイヤモンド結晶形成
のための原料ガスとしては、例えば炭化水素ガス(メタ
ン、エタン等)または、液状有機化合物(アルコール、
アセトン等)を加熱ガス化したものを用いることができ
る。また、これら原料ガスには必要に応じて水素、酸
素、等に希釈して導入してもよい。また、半導体ダイヤ
モンドを形成するために、必要に応じて、ホウ素、リ
ン、窒素等を含んだ化合物を原料中に添加してもよい。
これら原料ガス・添加ガスは2000℃程度に加熱され
たフィラメント13により分解され、基体上にダイヤモ
ンドが形成される。本発明のダイヤモンド形成方法は、
上記方法に限定されるものではなく、マイクロ波プラズ
マCVD法、高周波プラズマCVD法、直流プラズマC
VD法、有磁場マイクロ波プラズマCVD法、燃焼炎法
などの方法によっても本発明を達成することができる。
【0028】なお、本発明においては、グラファイト層
は基体の一部分にパターン状に形成してもよい。グラフ
ァイト層を基体の一部分のみに形成する方法としては、
耐熱性を有するマスクを基体上に形成した後グラファイ
ト層を形成し、かかる後、マスクをグラファイト層ごと
除去する方法、さらには、グラファイト層を基体全面に
形成した後に、マスクを形成し、イオンエッチング等の
手法でグラファイト層を除去する方法等がある。
は基体の一部分にパターン状に形成してもよい。グラフ
ァイト層を基体の一部分のみに形成する方法としては、
耐熱性を有するマスクを基体上に形成した後グラファイ
ト層を形成し、かかる後、マスクをグラファイト層ごと
除去する方法、さらには、グラファイト層を基体全面に
形成した後に、マスクを形成し、イオンエッチング等の
手法でグラファイト層を除去する方法等がある。
【0029】又、このときグラファイト層が形成される
領域の面積を0.5μm2〜20μm2、望ましくは1〜
10μm2、最適には2〜5μm2にすることによりグラ
ファイト層上に単一のダイヤモンド単結晶のみを選択的
に形成させることも可能である。0.5μm2以下では
析出のヌケが生じやすく選択性が悪化する。又20μm
2以上ではダイヤモンド核が複数個形成され多結晶化し
て単結晶粒子が得られない。ダイヤモンド単結晶を選択
的に形成させる工程を図3に示す。まず基体21上にグ
ラファイト層22を形成し(図3(1))、次に光描画
法などを用いてレジスト等のマスク23を形成する(図
3(2))。
領域の面積を0.5μm2〜20μm2、望ましくは1〜
10μm2、最適には2〜5μm2にすることによりグラ
ファイト層上に単一のダイヤモンド単結晶のみを選択的
に形成させることも可能である。0.5μm2以下では
析出のヌケが生じやすく選択性が悪化する。又20μm
2以上ではダイヤモンド核が複数個形成され多結晶化し
て単結晶粒子が得られない。ダイヤモンド単結晶を選択
的に形成させる工程を図3に示す。まず基体21上にグ
ラファイト層22を形成し(図3(1))、次に光描画
法などを用いてレジスト等のマスク23を形成する(図
3(2))。
【0030】この基体を酸素系ガスを用いた反応性イオ
ンエッチング又はAr等の希ガスを用いたイオンビーム
エッチング(図1装置を用いることができる。)により
グラファイト層をエッチングする(図3(3))。その
後、レジストマスク23を除去しダイヤモンド形成を行
えば、グラファイト層上のみに選択的にダイヤモンド2
4が形成される(図3(4))。
ンエッチング又はAr等の希ガスを用いたイオンビーム
エッチング(図1装置を用いることができる。)により
グラファイト層をエッチングする(図3(3))。その
後、レジストマスク23を除去しダイヤモンド形成を行
えば、グラファイト層上のみに選択的にダイヤモンド2
4が形成される(図3(4))。
【0031】以下、具体的な実施例を挙げて本発明を詳
細に説明する。
細に説明する。
【0032】(実施例1)まず図1のイオンビーム装置
を用いて基体上にグラファイト層を形成した。基体とし
て、φ25で、厚さ0.5mmの{100}面方位を有
するシリコン単結晶基板を用いた。グラファイト層の形
成条件は、基板温度580℃、圧力4×10-4Torr
メタンガス50SCCM導入で加速電圧4KV、イオン
ビーム電流密度0.5mA/cm2とした。2分間の成
膜で約400Åのグラファイト層が形成された。
を用いて基体上にグラファイト層を形成した。基体とし
て、φ25で、厚さ0.5mmの{100}面方位を有
するシリコン単結晶基板を用いた。グラファイト層の形
成条件は、基板温度580℃、圧力4×10-4Torr
メタンガス50SCCM導入で加速電圧4KV、イオン
ビーム電流密度0.5mA/cm2とした。2分間の成
膜で約400Åのグラファイト層が形成された。
【0033】次に、図2に示すダイヤモンド合成装置内
に、グラファイト層が形成された基板14を設置し、C
VD法によりダイヤモンドを形成した。
に、グラファイト層が形成された基板14を設置し、C
VD法によりダイヤモンドを形成した。
【0034】その詳細を以下に述べる。まず、排気装置
を用いて石英反応管8内を10-3Torrまで排気し
た。次に、ガスボンベより、水素とメタンガスをそれぞ
れ200ml/min、2ml/minづつ石英反応管
8に導入し、圧力調整用バルブで反応管内圧力を100
Torrにした。次に、ヒーター12により基板14を
800℃まで加熱した後、タングステン製フィラメント
13を不図示の電源により2000℃程度に加熱した。
この加熱されたフィラメントにより、メタンおよび水素
ガスの分解が生じ、基板14上に膜状のダイヤモンド結
晶が形成される。
を用いて石英反応管8内を10-3Torrまで排気し
た。次に、ガスボンベより、水素とメタンガスをそれぞ
れ200ml/min、2ml/minづつ石英反応管
8に導入し、圧力調整用バルブで反応管内圧力を100
Torrにした。次に、ヒーター12により基板14を
800℃まで加熱した後、タングステン製フィラメント
13を不図示の電源により2000℃程度に加熱した。
この加熱されたフィラメントにより、メタンおよび水素
ガスの分解が生じ、基板14上に膜状のダイヤモンド結
晶が形成される。
【0035】1時間の成膜後、基板上には約0.8μm
のダイヤモンド多結晶膜が基板全面に形成された。
のダイヤモンド多結晶膜が基板全面に形成された。
【0036】(比較例1)シリコン基板にグラファイト
層形成処理を行わない他は、実施例1と同様にしてダイ
アモンドの形成を行った処、粒径3μm前後の粒状ダイ
ヤが基板上に500個/mm2程度に点在しているのみ
で、膜状ダイヤモンドを得ることはできなかった。
層形成処理を行わない他は、実施例1と同様にしてダイ
アモンドの形成を行った処、粒径3μm前後の粒状ダイ
ヤが基板上に500個/mm2程度に点在しているのみ
で、膜状ダイヤモンドを得ることはできなかった。
【0037】(比較例2)横ずり研磨器を用いて、5〜
10μmダイヤ砥粒によりシリコン基板の研磨を30分
行った。この基板を用いて実施例1と同様にダイヤモン
ド形成を行った処、膜厚約1μmのダイヤモンドが形成
されたが、析出ムラがあり、数μm巾の析出ぬけ(ダイ
ヤモンドが形成されていない部分)が約200個/mm
2認められた。
10μmダイヤ砥粒によりシリコン基板の研磨を30分
行った。この基板を用いて実施例1と同様にダイヤモン
ド形成を行った処、膜厚約1μmのダイヤモンドが形成
されたが、析出ムラがあり、数μm巾の析出ぬけ(ダイ
ヤモンドが形成されていない部分)が約200個/mm
2認められた。
【0038】(実施例2)グラファイト層形成時の基板
温度を750℃としてC軸配向性グラファイト層を形成
する以外は実施例1と同様にしてダイヤモンド結晶の形
成を行った処、{111}配向性を有する多結晶ダイヤ
モンド膜が基板全面に形成された(ここで配向性の測定
はX線回折法により行った。)。
温度を750℃としてC軸配向性グラファイト層を形成
する以外は実施例1と同様にしてダイヤモンド結晶の形
成を行った処、{111}配向性を有する多結晶ダイヤ
モンド膜が基板全面に形成された(ここで配向性の測定
はX線回折法により行った。)。
【0039】(実施例3)実施例1と同様にグラファイ
ト層を形成した基体上に光描画法(フォトリソグラフィ
ー)で、φ2μmのPMMA系レジストマスクを10μ
mピッチで形成しAr+イオンビームエッチングを行
い、グラファイト層のエッチングを行った。なお、その
際のAr+イオンビームの加速電圧は0.5KVでエッ
チング時間は5分間とした。
ト層を形成した基体上に光描画法(フォトリソグラフィ
ー)で、φ2μmのPMMA系レジストマスクを10μ
mピッチで形成しAr+イオンビームエッチングを行
い、グラファイト層のエッチングを行った。なお、その
際のAr+イオンビームの加速電圧は0.5KVでエッ
チング時間は5分間とした。
【0040】次いでアセトンを用いてレジストを除去
し、Si基板上にマイクロ波プラズマCVD法によりダ
イヤモンド形成を行った。その際のダイヤモンド合成条
件は、マイクロ波出力500W、メタン、水素の流量を
それぞれ1SCCM、200SCCMとし、基板温度8
50℃、圧力60Torrとした。
し、Si基板上にマイクロ波プラズマCVD法によりダ
イヤモンド形成を行った。その際のダイヤモンド合成条
件は、マイクロ波出力500W、メタン、水素の流量を
それぞれ1SCCM、200SCCMとし、基板温度8
50℃、圧力60Torrとした。
【0041】以上のダイヤモンド形成により、マスク形
成部(グラファイト残存部)に選択的にダイヤモンド単
結晶粒子が形成された。なお単結晶粒子は配向性を示さ
ず方位はランダムであった。
成部(グラファイト残存部)に選択的にダイヤモンド単
結晶粒子が形成された。なお単結晶粒子は配向性を示さ
ず方位はランダムであった。
【0042】(実施例4)実施例2と同様にしてC軸配
向したグラファイト層を形成したSi基板上に実施例3
と同様の条件でマスク形成及びエッチング処理及びダイ
ヤモンド形成を行った処、グラファイト層残存部に選択
的にダイヤモンド単結晶粒子が形成された。なおX線回
回折法によれば得られたダイヤモンド結晶は{111}
面配向性を示している事が分った。
向したグラファイト層を形成したSi基板上に実施例3
と同様の条件でマスク形成及びエッチング処理及びダイ
ヤモンド形成を行った処、グラファイト層残存部に選択
的にダイヤモンド単結晶粒子が形成された。なおX線回
回折法によれば得られたダイヤモンド結晶は{111}
面配向性を示している事が分った。
【0043】(参考例1、実施例5〜13、比較例3〜
5) 実施例1と同一の装置で、種々の温度、厚さにグラファ
イト層を形成して実施例1と同条件でダイヤモンド結晶
を形成した。参考例1、実施例5〜7、比較例3につい
ては基板全体にグラファイト層を形成した。又、実施例
8〜13、比較例4〜5については、実施例3と同様な
方法で種々のパターン径でグラファイト層パターンを形
成した。
5) 実施例1と同一の装置で、種々の温度、厚さにグラファ
イト層を形成して実施例1と同条件でダイヤモンド結晶
を形成した。参考例1、実施例5〜7、比較例3につい
ては基板全体にグラファイト層を形成した。又、実施例
8〜13、比較例4〜5については、実施例3と同様な
方法で種々のパターン径でグラファイト層パターンを形
成した。
【0044】表1にグラファイト形成条件、パターン径
サイズによるダイヤモンド膜均一性、ダイヤモンド単結
晶選択性の結果を示す(膜均一性でXは比較例2の結果
より悪いことを示す。)。
サイズによるダイヤモンド膜均一性、ダイヤモンド単結
晶選択性の結果を示す(膜均一性でXは比較例2の結果
より悪いことを示す。)。
【0045】これら実施例においてはグラファイト層を
形成する基板としてSi基板を使用したが、グラファイ
ト層を形成する基板としてはSi基板の他、石英ガラ
ス、サファイヤ、スピネル等の酸化物、モリブデン、タ
ングステン、鉄、ニッケル等の金属を用いることができ
る。
形成する基板としてSi基板を使用したが、グラファイ
ト層を形成する基板としてはSi基板の他、石英ガラ
ス、サファイヤ、スピネル等の酸化物、モリブデン、タ
ングステン、鉄、ニッケル等の金属を用いることができ
る。
【0046】
【表1】
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のダイヤモ
ンド結晶は析出ムラがなく、平担性のよい優れた特性を
有するものである。
ンド結晶は析出ムラがなく、平担性のよい優れた特性を
有するものである。
【0048】又、本発明のダイヤモンド結晶は配向性の
制御された優れた特性を有するものである。
制御された優れた特性を有するものである。
【0049】本発明のダイヤモンド形成用基体は良質な
結晶性ダイヤモンドを形成するのに有用なものである。
結晶性ダイヤモンドを形成するのに有用なものである。
【図1】グラファイト層の形成に使用しうるイオンビー
ム蒸着装置の1例を示す模式図。
ム蒸着装置の1例を示す模式図。
【図2】ダイヤモンド形成装置の1例を示す模式図。
【図3】選択的なダイヤモンド形成工程を示す模式図。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−184597(JP,A) 特開 昭62−241898(JP,A) 特開 平2−30697(JP,A) 特開 平3−112898(JP,A) 特開 平4−352365(JP,A) 特開 平3−97697(JP,A) 特開 平2−225398(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C30B 1/00 - 35/00 C23C 16/00 - 16/56 CA(STN) JICSTファイル(JOIS)
Claims (6)
- 【請求項1】 C軸配向性グラファイト層が形成された
基体上に形成されたダイヤモンド結晶。 - 【請求項2】 C軸配向性グラファイト層が形成された
基体上に形成された{111}面配向ダイヤモンド結
晶。 - 【請求項3】 前記C軸配向性グラファイト層の厚さが
2nm以上である請求項1あるいは請求項2に記載のダ
イヤモンド結晶。 - 【請求項4】 前記C軸配向性グラファイト層がパター
ン状に形成され、かつ該パターン面積が0.5から20
μm2の範囲にある請求項1あるいは請求項2に記載の
ダイヤモンド結晶。 - 【請求項5】 厚さ2nm以上のC軸配向性グラファイ
ト層が形成されたダイヤモンド形成用基体。 - 【請求項6】 前記C軸配向性グラファイト層がパター
ン状に形成され、かつ該パターン面積が0.5から20
μm2の範囲にある請求項5に記載のダイヤモンド形成
用基体。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15031891A JP3176086B2 (ja) | 1991-06-21 | 1991-06-21 | ダイヤモンド結晶及びダイヤモンド形成用基体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15031891A JP3176086B2 (ja) | 1991-06-21 | 1991-06-21 | ダイヤモンド結晶及びダイヤモンド形成用基体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05892A JPH05892A (ja) | 1993-01-08 |
JP3176086B2 true JP3176086B2 (ja) | 2001-06-11 |
Family
ID=15494403
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15031891A Expired - Fee Related JP3176086B2 (ja) | 1991-06-21 | 1991-06-21 | ダイヤモンド結晶及びダイヤモンド形成用基体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3176086B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5172084B2 (ja) * | 2005-09-26 | 2013-03-27 | 住友電気工業株式会社 | ダイヤモンド被覆基板、濾過フィルター及び電極 |
EP1930470A1 (en) * | 2005-09-26 | 2008-06-11 | Sumitomo Electric Industries, Ltd. | Diamond covered substrate, filtration filter, and electrode |
JP6353308B2 (ja) * | 2014-07-24 | 2018-07-04 | 株式会社カネカ | 配線材料、配線材料の製造方法、および配線材料を用いた配線板の製造方法 |
WO2020138202A1 (ja) * | 2018-12-28 | 2020-07-02 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 | グラファイト薄膜/シリコン基板積層体、及びその製造方法、高排熱型電子デバイス用基板 |
-
1991
- 1991-06-21 JP JP15031891A patent/JP3176086B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05892A (ja) | 1993-01-08 |
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A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
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