JP3172974B2 - センターディファレンシャル装置付4輪駆動車 - Google Patents
センターディファレンシャル装置付4輪駆動車Info
- Publication number
- JP3172974B2 JP3172974B2 JP34820591A JP34820591A JP3172974B2 JP 3172974 B2 JP3172974 B2 JP 3172974B2 JP 34820591 A JP34820591 A JP 34820591A JP 34820591 A JP34820591 A JP 34820591A JP 3172974 B2 JP3172974 B2 JP 3172974B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- gear
- speed
- output shaft
- center differential
- differential device
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Arrangement And Driving Of Transmission Devices (AREA)
- Retarders (AREA)
- Structure Of Transmissions (AREA)
Description
ディファレンシャル装置を組合わせた4輪駆動車におい
て、センターディファレンシャル装置を増速機として利
用して変速段を多段化した方式に関する。
付4輪駆動車に関しては、例えば特開昭63−1767
28号公報の先行技術がある。ここで、シンプルプラネ
タリギヤのセンターディファレンシャル装置を有し、サ
ンギヤとリングギヤとのピッチ円径の比に応じて前後輪
に不等トルク配分する。また、サンギヤ,リングギヤお
よびキャリヤの2つの要素の間に差動制限用の油圧多板
クラッチを設けることが示されている。
のものにあっては、センターディファレンシャル装置と
差動制限用の油圧多板クラッチとが、動力分配装置本来
のトルク配分と差動機能を有しているにすぎないので、
主変速機が自動変速機でその最高速段よりもギヤ比の小
さいオーバドライブ段を得ようとすると、主変速機に副
変速機を追加する必要があり、変速機全体の大型化を招
く。そこで、センターディファレンシャル装置を減速機
または増速機に利用して、自動変速機よりも変速段を容
易且つコンパクトに増設することが望まれる。またセン
ターディファレンシャル装置を増速機に使用すると、前
後輪へのトルク配分と差動機能を失うおそれがあるが、
この条件においてもトルク配分と差動機能を確保するよ
うに工夫する必要がある。
で、自動変速機にセンターディファレンシャル装置を組
合わせた駆動系において、これらを有機的に組合せて変
速段を容易に増設し、且つ常にセンターディファレンシ
ャル装置によるトルク配分、差動、差動制限、トルク配
分制御の機能も備えることを目的とする。
速機の出力軸に連結される第1のサンギヤと、前後輪の
駆動軸の何れか一方に出力する第1の出力軸に結合され
る第2のサンギヤと、上記第1のサンギヤおよび第2の
サンギヤにそれぞれ噛み合い、且つ同軸上に配置され一
体に構成された一対のピニオンと、このピニオンを上記
第1および第2のサンギヤの周りに回転可能に支持する
とともに前後輪の駆動軸の何れか他方に出力する第2の
出力軸へ伝動するキャリヤとを有し、上記自動変速機の
出力軸からの動力を前後輪の駆動軸に配分する複合プラ
ネタリギヤ式センターディファレンシャル装置を有する
センターディファレンシャル装置付4輪駆動車におい
て、上記第1の出力軸と上記第2のサンギヤとの結合に
介在して設けられ、上記第1の出力軸と上記第2のサン
ギヤとを選択的に結合および解放する第1の摩擦係合手
段と、上記第2のサンギヤを変速機ケース側の固定部材
に選択的に係合および解放させるブレーキ手段とを設
け、上記第1の摩擦係合手段によって上記第1の出力軸
と上記第2のサンギヤとを解放するとともに、上記ブレ
ーキ手段によって上記第2のサンギヤを上記変速機ケー
ス側の固定部材に係合させることにより、上記センター
ディファレンシャル装置は、所定の増速ギヤ比を得るよ
うに構成され、この増速ギヤ比と上記自動変速機の所定
の変速段とを協動させることにより、上記自動変速機の
変速段より高速段側に1段以上の変速段を増設すること
を特徴とする。
動力がセンターディファレンシャル装置により前後輪に
配分されて4輪駆動走行し、このときセンターディファ
レンシャル装置の種々の機能により例えば前後輪のトル
ク配分が走行条件に応じて制御される。そして、高速走
行時には、例えば自動変速機が所定の変速段に制御さ
れ、同時にセンターディファレンシャル装置が増速機と
して使用されることで、更にギヤ比の小さい変速段に変
速制御されるようになる。
する。図1において、前進3段後進1段の自動変速機に
複合プラネタリギヤ式センターディファレンシャル装置
を組合わせた4輪駆動車の実施例について説明する。先
ず、トルクコンバータケース1、ディファレンシャルケ
ース2の後部にトランスミッションケース3が接合し、
トランスミッションケース3の後部にトランスファケー
ス4およびエクステンションケース6が接合し、トラン
スミッションケース3の下部にはオイルパン5が取付け
られる。
10のクランク軸11がトルクコンバータケース1内部
のロックアップクラッチ12を備えたトルクコンバータ
13に連結し、トルクコンバータ13からの入力軸14
がトランスミッションケース3内部の自動変速機30に
入力する。自動変速機30からの出力軸15は入力軸1
4と同軸上に出力し、この出力軸15がトランスファケ
ース4内部のセンターディファレンシャル装置50に同
軸上に連結する。
て、入、出力軸14,15に対しフロントドライブ軸1
6が平行配置され、このフロントドライブ軸16の後端
はセンターディファレンシャル装置50に一対のリダク
ションギヤ17,18を介して連結し、フロントドライ
ブ軸16の前端はディファレンシャルケース2内部のフ
ロントディファレンシャル装置19を介して前輪に伝動
構成される。一方、センターディファレンシャル装置5
0の後部には油圧多板クラッチ装置60が設けられて、
この油圧多板クラッチ装置60から出力するリヤドライ
ブ軸20は、プロペラ軸21、リヤディファレンシャル
装置22等を介して後輪にも伝動構成される。
リギヤ31を有し、入力軸14がフォワードクラッチ4
0、第1の中間軸38を介してプラネタリギヤ31の第
1のサンギヤ32に連結され、同時にブレーキバンド4
1を備えたリバースクラッチ42、第2の中間軸39を
介して第2のサンギヤ33に連結される。また、ショー
トピニオン34とロングピニオン35を支持するキャリ
ヤ36にローアンドリバースブレーキ43とワンウェイ
クラッチ44が設けられ、リングギヤ37から出力軸1
5が後方に取出されている。
ジにセレクトすると、フォワードクラッチ40が係合
し、且つワンウエイクラッチ44でキャリヤ36をロッ
クして第1速になる。次いで車速の上昇によりブレーキ
バンド41で第2のサンギヤ33がロックして第2速に
変速され、更にリバースクラッチ42の係合でプラネタ
リギヤ31が一体化して第3速に変速される。また、R
レンジにセレクトすると、ローアンドリバースブレーキ
43によりキャリヤ36をロックし、同時にリバースク
ラッチ42により第2のサンギヤ33から動力が入力し
て逆転した動力が出力することになり、こうして後進速
になる。
ヤ比の例について説明する。先ず、第1のサンギヤ32
の歯数Za、第2のサンギヤ33の歯数Zb、リングギ
ヤ37の歯数Zeとすると、第1速のギヤ比i1、第2
速のギヤ比i2、第3速のギヤ比i3、後進速のギヤ比
irは、以下のようになる。 i1=Ze/Za i2=Ze(Za+Zb)/Za(Ze+Zb) i3=1.0 ir=Ze/Zb そこで各ギヤの歯数を、例えばZa=28、Zb=3
5、Ze=79とすると、i1=2.821、i2=
1.559、i3=1.0、ir=2.275になる。
圧多板クラッチ装置60の部分について説明する。先
ず、出力軸15の後方に第1、第2の中間軸23,24
を介してリヤドライブ軸20が同軸上に配置される。ま
た、出力軸15には前輪側のリダクションギヤ17が回
転自在に嵌合し、これらの出力軸15、リダクションギ
ヤ17及び第1、第2の中間軸23,24の間に、セン
ターディファレンシャル装置50が同軸上に配置され
る。
合プラネタリギヤに構成されるものであり、出力軸15
に形成される第1のサンギヤ51と、第2の中間軸24
に形成される第2のサンギヤ53を有する。また、キャ
リヤ55に装架されたピニオン軸56に、軸方向に一体
形成される第1、第2のピニオン52,54が回転自在
に装着され、第1のサンギヤ51に第1のピニオン52
が、第2のサンギヤ53に第2のピニオン54がそれぞ
れ噛合い、トルク配分した動力を第2の中間軸24に出
力する。一方、第2の中間軸24の内部には更に第1の
中間軸23が遊嵌され、この第1の中間軸23が2つの
サンギヤ51,53の間隙で連結部材57を介してキャ
リヤ55に一体結合して、差動制限等の作用を行う。更
に、キャリヤ55の前端にはリダクションギヤ17が結
合して、キャリヤ55の動力を出力するように構成され
ている。
の構成により、第1のサンギヤ51に入力する動力を、
第1、第2のサンギヤ51,53と、第1、第2のピニ
オン52,54との歯車諸元によるトルク配分比でキャ
リヤ55と第2のサンギヤ53に伝達して、前後輪へ不
等トルク配分する機能を有する。また第1,第2のピニ
オン52,54の遊星回転により、旋回時の旋回半径の
差によって生じるキャリヤ55と第2のサンギヤ53と
の回転数差を吸収する差動機能を有する。
ファレンシャル装置50の不等トルク配分機能について
詳記する。第1のサンギヤ51の入力トルクをTi、そ
の噛合いピッチ半径をrs1、キャリヤ55のフロント
側トルクをTF、第1,第2のピニオン52,54の噛
合いピッチ半径をrp1,rp2、第2のサンギヤ53
のリヤ側トルクをTR、その噛合いピッチ半径をrs2
とすると、 Ti=TF+TR (1) rs1+rp1=rs2+rp2 (2) が成立する。
ン52との噛合点に作用する接線方向荷重Pは、キャリ
ヤ55に作用する接線方向荷重P1と、第2のサンギヤ
53と第2のピニオン54との噛合点に作用する接線方
向荷重P2との和に等しいので、次式が成立する。 P=Ti/rs1 P1=TF/(rs1+rp1) P2=TR/rs2 Ti/rs 1={(TF/(rs1+rp1)}+TR/rs2 (3) そこで、(1),(2)式を(3)式に代入して整理す
ると、以下のようになる。 TF=(1−rp1・rs2/rs1・rp2)×Ti TR=(rp1・rs2/rs1・rp2)×Ti
1,53と、第1、第2のピニオン52,54との噛合
いピッチ半径により、フロント側トルクTFおよびリヤ
側トルクTRの基準トルク配分比を自由に設定し得るこ
とがわかる。ここで、rs1、rp1、rp2、rs2
は各歯数Zs1、Zp1、Zp2、Zs2に置き換える
ことができ、Zp1=Zp2=18、Zs1=27、Z
s2=15とすると、 TF:TR=44.5:55.5 になって、後輪偏重の基準トルク配分比に設定される。
0の増速機としての機能について説明する。この複合プ
ラネタリギヤ式センターディファレンシャル装置50で
は、第2の中間軸24を固定することで所定の増速ギヤ
比ipを得ることができ、この場合のギヤ比ipは、歯
車諸元に上述のものを用いるとip=(27−15)/
27=0.444になる。従って、この増速ギヤ比ip
を単独で使用するか、または自動変速機30の所定の変
速段と協動することにより、自動変速機30の変速段よ
りも高速段の第4速、第5速の変速段を得ることが可能
になる。
第2速を用いると、第2速のギヤ比i2(=1.55
9)とipとにより第4速のギヤ比i4は、i4=i2
・ip=0.692になり、こうして前進4段の変速仕
様の4輪駆動車となる。またこの第4速の外に、第5速
に自動変速機30の第3速を用いると、第3速のギヤ比
i3(=1.0)とipとにより第5速のギヤ比i5
は、i5=0.444になり、こうして前進5段の変速
仕様の4輪駆動車となる。そしてこのように増設された
第4速と第5速のギヤ比i4,i5は、増速ギヤ比ip
の設定により自動変速機30の各変速段のギヤ比間隔に
対応して適正なものになる。
ると、第2の中間軸24とリヤドライブ軸20にそれぞ
れドラム部材64,65が設けられ、両ドラム部材6
4,65の間に後輪への動力を接断する油圧多板クラッ
チ61が介設される。また、第1の中間軸23とドラム
部材65との間に差動制限すると共に前後輪のトルク配
分を可変制御する油圧多板クラッチ62が介設され、ド
ラム部材64とケース4との間に変速用ブレーキ63が
介設され、これらの油圧多板クラッチ61,62と変速
用ブレーキ63が3重に重合して同軸上に配置構成され
ている。
変速用ブレーキ63は、例えば専用のバルブボデーによ
り油圧制御される。即ち、自動変速機30で前進3段後
進1段に変速される場合は、変速用ブレーキ63を解放
して油圧多板クラッチ61を係合し、このとき後輪スリ
ップ等に応じて油圧多板クラッチ62に差動制限トルク
を生じる。また、前進4段の4輪駆動車では、第3速で
車速が設定値より上昇すると、自動変速機30を第2速
に変速制御し、同時に変速用ブレーキ63を係合して油
圧多板クラッチ61を解放し、このとき前輪スリップ等
に応じて油圧多板クラッチ62に伝達トルクを生じる。
前進5段の4輪駆動車では、第4速で車速が更に上昇す
ると、自動変速機30を第3速に変速制御されるように
なっている。
る。先ず、エンジン10の動力はトルクコンバータ1
3、入力軸14を介して自動変速機30に入力し、プラ
ネタリギヤ31の作動、クラッチ40,42、ブレーキ
43、ワンウエイクラッチ44、ブレーキバンド41の
選択的係合により、走行条件に応じて前進3段後進1段
に変速される。そしてこの変速動力が、出力軸15から
センターディファレンシャル装置50の第1のサンギヤ
51に入力して、トルク配分される。またこの場合は、
油圧多板クラッチ装置60の油圧多板クラッチ61が係
合し、センターディファレンシャル装置50の第2のサ
ンギヤ53がリヤドライブ軸20に連結される。
0の各歯車諸元により、例えばTF:TR=44.5:
55.5に設定されているため、変速動力の44.5%
がキャリヤ55に、55.5%が第2のサンギヤ53
に、それぞれ配分して出力される。そしてキャリヤ55
の動力は、リダクションドライブギヤ17、リダクショ
ンドリブンギヤ18、フロントドライブ軸16、フロン
トディファレンシャル装置19を介して前輪に伝達す
る。また、第2のサンギヤ53の動力は、第2の中間軸
24、油圧多板クラッチ61、リヤドライブ軸20以降
の後輪に伝達し、後輪偏重の4輪駆動走行になる。この
4輪駆動走行の旋回時には、センターディファレンシャ
ル装置50の第1、第2のピニオン52,54の遊星回
転により、旋回時に生じる前後輪の回転数差が吸収さ
れ、自由に旋回可能になる。
ルク配分が後輪偏重のトルク配分のため、通常は後輪が
先にスリップする。するとこの時、油圧多板クラッチ6
2の差動制限トルクTcがスリップ状態に応じて制御さ
れ、センターディファレンシャル装置50のキャリヤ5
5と第2のサンギヤ53との間に、キャリヤ55、連結
部材57、第1の中間軸23及び油圧多板クラッチ62
による他の伝動系路がバイパスして形成され、高回転の
第2のサンギヤ53の後輪側から低回転のキャリヤ55
の前輪側に差動制限トルクTcに応じてトルクバイパス
し、前輪寄りにトルク配分制御されて後輪スリップが防
止される。このとき差動制限トルクTcが最大になる
と、第2のサンギヤ53とキャリヤ55との直結により
センターディファレンシャル装置50はロックして直結
式4輪駆動になり、前後輪の輪荷重配分に相当したトル
ク配分になる。
は、第3速で車速上昇すると、自動変速機30が第2速
の状態になり、同時に油圧多板クラッチ61が解放され
て変速用ブレーキ63が係合する。これにより、センタ
ーディファレンシャル装置50の第2のサンギヤ53が
固定して差動機能は阻止され、キャリヤ55が増速回転
する。このため、自動変速機30の第2速の変速動力
が、センターディファレンシャル装置50で増速されて
キャリヤ55以降の前輪に伝達し、第3速よりギヤ比の
小さいオーバドライブの第4速に変速制御されて、燃費
の良い状態で高速走行する。このとき、走行状態や前輪
スリップの状況等に応じて、油圧多板クラッチ62の伝
達トルクTdが可変制御されると、キャリヤ55から第
1の中間軸23、油圧多板クラッチ62を介して後輪に
もトルク伝達される。そこで、前輪スリップを防止する
と共に、同様に前後輪のトルク配分が制御可能な4輪駆
動走行になる。
30とセンターディファレンシャル装置50の各変速段
におけるクラッチ、ブレーキの動作、ギヤ比の例及びト
ルク配分比をまとめて示すと、表1のようになる。
作を、●印は油圧多板クラッチ62による差動制限トル
クを、◎印はその油圧多板クラッチ62による伝達トル
クの発生状態をそれぞれ示す。
おいては、上述の第4速に変速された状態で車速が上昇
すると、自動変速機30が第3速の状態になる。このた
め、この第3速のギヤ比i3とセンターディファレンシ
ャル装置50のギヤ比ipの組合わせにより、更にギヤ
比の小さい第5速に変速制御され、一層高速走行に適し
たものになる。
30とセンターディファレンシャル装置50の各変速段
におけるクラッチ、ブレーキの動作、ギヤ比の例及びト
ルク配分比をまとめて示すと、表2のようになる。
速機に複合プラネタリギヤ式センターディファレンシャ
ル装置を組合わせた4輪駆動車の実施例について説明す
る。この実施例においても、トルクコンバータ13、自
動変速機70、センターディファレンシャル装置50及
び油圧多板クラッチ装置60が、上述と同様に同軸上に
配置され、センターディファレンシャル装置50から前
後輪に伝動構成されている。
タリギヤ71とリヤプラネタリギヤ72を有し、入力軸
14がリヤプラネタリギヤ72のサンギヤ72aに、フ
ロントプラネタリギヤ71のリングギヤ71b及びリヤ
プラネタリギヤ72のキャリア72cが出力軸15に連
結される。そしてフロントプラネタリギヤ71のキャリ
ア71cと一体的な連結要素73とリングギヤ72bと
の間に、第1のワンウエイクラッチ74、フォワードク
ラッチ75が直列的に設けられ、連結要素73とケース
側との間に、第2のワンウエイクラッチ76、ローアン
ドリバースブレーキ77が並列的に設けられる。連結要
素73とリングギヤ72bとの間には、オーバランニン
グクラッチ78がバイパスして設けてある。またサンギ
ヤ71aと一体的な連結要素79には、バンドブレーキ
80が設けられ、入力軸14と一体的な連結要素81お
よびキャリア71cと一体的な連結要素82との間に
は、ハイクラッチ83が設けられる。更に連結要素79
と81との間には、リバースクラッチ84が設けられて
いる。
ジにセレクトすると、フォワードクラッチ75が係合
し、両ワンウエイクラッチ74,76の作用で連結要素
73と共にリングギヤ72bをロックすることで、入力
軸14からサンギヤ72a,キャリア72cを介して出
力軸15に、ギヤ比の大きい動力が伝達して第1速にな
る。そして車速が上昇すると、更にバンドブレーキ80
の係合によりサンギヤ71aがロックする。そこでキャ
リア71cとリングギヤ72bとが、連結要素73、フ
ォワードクラッチ75、第1のワンウエイクラッチ74
を介して回転し、1速時よりもリングギヤ72bが回転
する分だけ増速した動力が出力して、第2速に変速され
る。次いでハイクラッチ83の係合により入力軸14
が、連結要素81,72、キャリア71c、連結要素7
3、フォワードクラッチ75、第1のワンウエイクラッ
チ74を介してリングギヤ72bに連結する。このため
リヤプラネタリギヤ72は一体化し、入力軸14と出力
軸15とは直結して、第3速に変速される。
ドブレーキ80の係合でサンギヤ71aがロックする。
このため、フロントプラネタリギヤ71ではハイクラッ
チ83を介してキャリア71cに入力した動力でリング
ギヤ71bを増速することになって、オーバドライブの
第4速に変速される。また、Rレンジにセレクトする
と、リバースクラッチ84の係合でサンギヤ71aに入
力軸14の動力が入力する。また、ローアンドリバース
クラッチ77の係合で連結要素73と共にキャリア71
cをロックするため、フロントプラネタリギヤ71でリ
ングギヤ71bに逆転したギヤ比の大きい動力が出力し
て後進速になる。
て、フロントプラネタリギヤ71のサンギヤとリングギ
ヤの歯数比α1、リヤプラネタリギヤ72の同様の歯数
比α2とすると、第1速ないし第4速のギヤ比i1〜i
4、後進速のギヤ比irは以下のようになる。 i1=1+(1/α2) i2=(α1+α2+α1・α2)/(1+α1)α2 i3=1.0 i4=1/(1+α1) ir=1/α1 そこで、α1=0.44、α2=0.56とすると、i
1=2.785、i2=1.545、i3=1.0、i
4=0.694、ir=2.272になる。
0においては、上述の説明から明らかなように、各ギヤ
の歯車諸元を変えると前後輪の基準トルク配分比と共
に、増速ギヤ比も変化する。そこで、この場合の歯車諸
元を、Zp1=Zp2=18、Zs1=24、Zs2=
15とすると、 TF:TR=37.5:62.5 になって、充分に後輪偏重の基準トルク配分比に設定さ
れる。
(24−15)/24=0.375になる。従って、こ
の4速自動変速機70を使用した駆動系においても、セ
ンターディファレンシャル装置50の増速ギヤ比ip
(=0.375)を利用して、第5速以上に変速段を増
して変速制御することが可能になる。
第2速を用いると、第2速のギヤ比i2(=1.54
5)とipとにより、第5速のギヤ比i5は、i5=
0.579になる。こうして、第4速のギヤ比に対して
適正なギヤ比間隔で第5速を増設した、前進5段の変速
仕様の4輪駆動車となる。この前進5段の4輪駆動車の
自動変速機70とセンターディファレンシャル装置50
の各変速段におけるクラッチ、ブレーキの動作、ギヤ比
の例及びトルク配分比をまとめて示すと、表3のように
なる。
速機70の第3速を用いると、第3速のギヤ比i3(=
1.0)とipとにより、第6速のギヤ比i6は、i6
=0.375になる。従って、この場合も第4速のギヤ
比に対して適正なギヤ比間隔で第5速と第6速を増設し
た前進6段の変速仕様の4輪駆動車となる。この前進6
段の4輪駆動車の自動変速機70とセンターディファレ
ンシャル装置50の各変速段におけるクラッチ、ブレー
キの動作、ギヤ比の例及びトルク配分比をまとめて示す
と、表4のようになる。
外が図1と全く同一に構成されており、同一の部分は同
一の符号を付して説明を省略する。また、油圧多板クラ
ッチ装置60により図1の場合と同様に、前後輪のトル
ク配分が可変制御されることは勿論である。
が、センターディファレンシャル装置の増速ギヤ比は、
実施例以外の任意の値に設定することができる。また、
自動変速機の変速段と増速ギヤ比は、実施例以外にも種
々組合わせることができ、後進速の変速段の増大にも適
応することも可能である。
自動変速機とセンターディファレンシャル装置を組合わ
せた4輪駆動車において、センターディファレンシャル
装置が油圧多板クラッチ装置の作動で増速機能を有する
ように構成されるので、この増速ギヤ比を単独で使用し
たり、または自動変速機の変速段のギヤ比と組合わせる
ことにより、変速段を容易に増設することができ、構造
も非常に簡素化してコンパクトになる。特に、増速ギヤ
比と自動変速機の変速段のギヤ比を組合わせた場合に
は、変速段を倍増することができ、自動変速機自体の変
速段が少ない場合の4輪駆動車の走行性能、燃費等を大
幅に向上することが可能になる。また、変速段数を多く
することができるので、走行条件、運転モード等に対し
て最適に変速制御することができ、特に4輪駆動車にお
いて有利になる。増設した変速段においてもセンターデ
ィファレンシャル装置で前後輪のトルク配分を可変制御
することが可能に構成されているので、4輪駆動車とし
ての性能を発揮することができる。
ヤ比が、増速ギヤ比の設定により自動変速機の各変速段
のギヤ比間隔に対応して適正なものになっているので、
変速制御を有効に行うことができ、変速ショック等も低
減する。
付4輪駆動車として、3速自動変速機の場合の実施例を
示すスケルトン図
の流れを説明する略図
付4輪駆動車として、4速自動変速機の場合の実施例を
示すスケルトン図
Claims (4)
- 【請求項1】 自動変速機の出力軸に連結される第1の
サンギヤと、前後輪の駆動軸の何れか一方に出力する第
1の出力軸に結合される第2のサンギヤと、上記第1の
サンギヤおよび第2のサンギヤにそれぞれ噛み合い、且
つ同軸上に配置され一体に構成された一対のピニオン
と、このピニオンを上記第1および第2のサンギヤの周
りに回転可能に支持するとともに前後輪の駆動軸の何れ
か他方に出力する第2の出力軸へ伝動するキャリヤとを
有し、上記自動変速機の出力軸からの動力を前後輪の駆
動軸に配分する複合プラネタリギヤ式センターディファ
レンシャル装置を有するセンターディファレンシャル装
置付4輪駆動車において、 上記第1の出力軸と上記第2のサンギヤとの結合に介在
して設けられ、上記第1の出力軸と上記第2のサンギヤ
とを選択的に結合および解放する第1の摩擦係合手段
と、 上記第2のサンギヤを変速機ケース側の固定部材に選択
的に係合および解放させるブレーキ手段とを設け、 上記第1の摩擦係合手段によって上記第1の出力軸と上
記第2のサンギヤとを解放するとともに、上記ブレーキ
手段によって上記第2のサンギヤを上記変速機ケース側
の固定部材に係合させることにより、上記センターディ
ファレンシャル装置は、 所定の増速ギヤ比を得るように
構成され、この増速ギヤ比と上記自動変速機の所定の変
速段とを協動させることにより、上記自動変速機の変速
段より高速段側に1段以上の変速段を増設することを特
徴とするセンターディファレンシャル装置付4輪駆動
車。 - 【請求項2】 上記センターディファレンシャル装置
は、上記第1,第2のサンギヤおよびピニオンの歯車諸
元が、後輪偏重の基準トルク配分比となるように設定さ
れており、この歯車諸元によって増速ギヤ比を得るとと
もに、上記第1の出力軸と上記第2の出力軸との間に
は、上記第1の出力軸と上記第2の出力軸との間のトル
ク伝達を可変に制御する第2の摩擦係合手段が設けら
れ、この第2の摩擦係合手段を係合制御することによっ
て上記第2の出力軸から上記第1の出力軸に動力の可変
伝達が行われることを特徴とする請求項1記載のセンタ
ーディファレンシャル装置付4輪駆動車。 - 【請求項3】 上記自動変速機は、前進3段の変速段を
備えるものであり、該変速段のいずれか1つの変速段の
ギヤ比と上記センターディファレンシャル装置の増速ギ
ヤ比との組み合わせで第4速の変速段が増設され、他の
変速段のギヤ比と増速ギヤ比との組み合わせで第5速の
変速段が増設されることを特徴とする請求項1記載のセ
ンターディファレンシャル装置付4輪駆動車。 - 【請求項4】 上記自動変速機は、前進4段の変速段を
備えるものであり、該変速段のいずれか1つの変速段の
ギヤ比と上記センターディファレンシャル装置の増速ギ
ヤ比との組み合わせで第5速の変速段が増設され、他の
変速段のギヤ比と増速ギヤ比との組み合わせで第6速の
変速段が増設されることを特徴とする請求項1記載のセ
ンターディファレンシャル装置付4輪駆動車。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34820591A JP3172974B2 (ja) | 1991-12-04 | 1991-12-04 | センターディファレンシャル装置付4輪駆動車 |
US07/963,828 US5295919A (en) | 1991-10-22 | 1992-10-20 | Power transmitting system for a four-wheel drive motor vehicle |
GB9222065A GB2261040B (en) | 1991-10-22 | 1992-10-21 | Power transmission system for a motor vehicle |
DE4235683A DE4235683C2 (de) | 1991-10-22 | 1992-10-22 | Transmissionsvorrichtung zur Kraftübertragung |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34820591A JP3172974B2 (ja) | 1991-12-04 | 1991-12-04 | センターディファレンシャル装置付4輪駆動車 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05155266A JPH05155266A (ja) | 1993-06-22 |
JP3172974B2 true JP3172974B2 (ja) | 2001-06-04 |
Family
ID=18395461
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34820591A Expired - Fee Related JP3172974B2 (ja) | 1991-10-22 | 1991-12-04 | センターディファレンシャル装置付4輪駆動車 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3172974B2 (ja) |
-
1991
- 1991-12-04 JP JP34820591A patent/JP3172974B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05155266A (ja) | 1993-06-22 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6955627B2 (en) | Multi-speed transmission and integrated drive transfer mechanism | |
US7044881B2 (en) | Automatic transmission | |
US4228697A (en) | Vehicle transmissions | |
US6958028B2 (en) | Ranged dual clutch transmission for motor vehicles | |
US7354375B2 (en) | Transmission having multiple ratio planetary gear unit in series with an auxiliary gear unit | |
US5542889A (en) | Multiple-speed automatic transmission for a motor vehicle | |
USRE43259E1 (en) | Multiple speed transmission producing a low-range | |
US5692988A (en) | Multiple-speed automatic transmission for an automotive vehicle | |
US8075437B2 (en) | Gear assembly for multi-speed countershaft transmission | |
KR100204960B1 (ko) | 차량용자동변속기의파워트레인 | |
JP2603879B2 (ja) | 多段自動変速機付4輪駆動車 | |
US4003273A (en) | Multi-ratio transmission systems | |
JP3450030B2 (ja) | 乗用車用5速自動変速機 | |
US4144776A (en) | Change-speed planetary transmission | |
US5503604A (en) | Multiple-speed automatic transmission for motor vehicles | |
JP2883897B2 (ja) | 多段自動変速機付4輪駆動車 | |
US5823909A (en) | Multiple speed automatic transaxle for a motor vehicle | |
US5261861A (en) | Five-speed transaxle for automotive vehicles | |
US5593359A (en) | Multiple speed-ratio transaxle assembly for automotive vehicles | |
JP3172974B2 (ja) | センターディファレンシャル装置付4輪駆動車 | |
JP3126793B2 (ja) | センターディファレンシャル装置付4輪駆動車 | |
US5800304A (en) | Multiple-speed automatic transmission for an automotive vehicle | |
US5830100A (en) | Vehicular automatic transmission having five forward speed ranges and a single reverse speed range | |
JP3126770B2 (ja) | 多段自動変速機付車両 | |
JP3157222B2 (ja) | センターディファレンシャル装置付4輪駆動車 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080330 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090330 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090330 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100330 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100330 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110330 Year of fee payment: 10 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |