JP3168202B2 - (r)−(−)−4−ハロ−3−ヒドロキシブチロニトリルの製造法 - Google Patents
(r)−(−)−4−ハロ−3−ヒドロキシブチロニトリルの製造法Info
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- JP3168202B2 JP3168202B2 JP2000189297A JP2000189297A JP3168202B2 JP 3168202 B2 JP3168202 B2 JP 3168202B2 JP 2000189297 A JP2000189297 A JP 2000189297A JP 2000189297 A JP2000189297 A JP 2000189297A JP 3168202 B2 JP3168202 B2 JP 3168202B2
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学活性ハロヒド
リンの製造法に関するものである。本発明により製造さ
れる (R)-(-)-4-ハロ-3−ヒドロキシブチロニトリル
は、種々の医薬品や生理活性物質の合成原料、例えば、
L-カルニチン、ジヒドロキシブタン酸、4-アミノ-3−ヒ
ドロキシブタン酸などの合成原料として有用であること
が知られている(特開昭57-165352 号公報参照)。
リンの製造法に関するものである。本発明により製造さ
れる (R)-(-)-4-ハロ-3−ヒドロキシブチロニトリル
は、種々の医薬品や生理活性物質の合成原料、例えば、
L-カルニチン、ジヒドロキシブタン酸、4-アミノ-3−ヒ
ドロキシブタン酸などの合成原料として有用であること
が知られている(特開昭57-165352 号公報参照)。
【0002】
【従来の技術】光学活性(R)-(-)-4-ハロ-3−ヒドロキシ
ブチロニトリルの製造に関しては、微生物学的に製造し
た(R)-(-)-2,3-ジクロロ-1−プロパノールより化学合成
的手法で(R)-エピクロロヒドリンへと変換後、シアンイ
オンと反応させ(R)-(-)-4-クロロ-3−ヒドロキシブチロ
ニトリルを得る方法が知られている(特開昭63-316758
号公報参照)。しかしながら、これら化学合成的手法で
は工程が複雑であり、工業的製法とするには問題点が多
い。
ブチロニトリルの製造に関しては、微生物学的に製造し
た(R)-(-)-2,3-ジクロロ-1−プロパノールより化学合成
的手法で(R)-エピクロロヒドリンへと変換後、シアンイ
オンと反応させ(R)-(-)-4-クロロ-3−ヒドロキシブチロ
ニトリルを得る方法が知られている(特開昭63-316758
号公報参照)。しかしながら、これら化学合成的手法で
は工程が複雑であり、工業的製法とするには問題点が多
い。
【0003】そこで、本出願人は、先に、1,3-ジハロ-2
−プロパノールから(R)-(-)-4-ハロ-3−ヒドロキシブチ
ロニトリルを製造する方法(特開平3-53889 号公報参
照)およびエピハロヒドリンから(R)-(-)-4-ハロ-3−ヒ
ドロキシブチロニトリルを製造する方法(特開平3-5389
0 号公報参照)について特許出願した。
−プロパノールから(R)-(-)-4-ハロ-3−ヒドロキシブチ
ロニトリルを製造する方法(特開平3-53889 号公報参
照)およびエピハロヒドリンから(R)-(-)-4-ハロ-3−ヒ
ドロキシブチロニトリルを製造する方法(特開平3-5389
0 号公報参照)について特許出願した。
【0004】しかしながら、これら発明で製造される光
学活性ハロヒドリンの光学純度は高いとはいえず、さら
に高い光学純度のハロヒドリンを生成する微生物の探索
が求められていた。
学活性ハロヒドリンの光学純度は高いとはいえず、さら
に高い光学純度のハロヒドリンを生成する微生物の探索
が求められていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記課題を解
決することを目的とする。
決することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、1,3-ジハ
ロ-2−プロパノールやエピハロヒドリンから光学活性な
ハロヒドリンを工業的にさらに有利に製造する方法につ
いて鋭意検討した結果、オウレオバクテリウム属に属す
る微生物に、シアンイオンの存在下で1,3-ジハロ-2−プ
ロパノールやエピハロヒドリンから(R)-(-)-4-ハロ-3−
ヒドロキシブチロニトリルを生成させる能力を見いだし
本発明を完成するに至った。これまで、オウレオバクテ
リウム属に属する微生物に、上記変換能力があることは
全く知られていなかった。
ロ-2−プロパノールやエピハロヒドリンから光学活性な
ハロヒドリンを工業的にさらに有利に製造する方法につ
いて鋭意検討した結果、オウレオバクテリウム属に属す
る微生物に、シアンイオンの存在下で1,3-ジハロ-2−プ
ロパノールやエピハロヒドリンから(R)-(-)-4-ハロ-3−
ヒドロキシブチロニトリルを生成させる能力を見いだし
本発明を完成するに至った。これまで、オウレオバクテ
リウム属に属する微生物に、上記変換能力があることは
全く知られていなかった。
【0007】すなわち、本発明は、下記 (1)〜(2) に
示す光学活性ハロヒドリンの製造法である。
示す光学活性ハロヒドリンの製造法である。
【0008】(1) オウレオバクテリウム属に属する微
生物の作用により、シアンイオンの存在下で1,3-ジハロ
-2−プロパノールから(R)-(-)-4-ハロ-3−ヒドロキシブ
チロニトリルを生成させることを特徴とする(R)-(-)-4-
ハロ-3−ヒドロキシブチロニトリルの製造法。
生物の作用により、シアンイオンの存在下で1,3-ジハロ
-2−プロパノールから(R)-(-)-4-ハロ-3−ヒドロキシブ
チロニトリルを生成させることを特徴とする(R)-(-)-4-
ハロ-3−ヒドロキシブチロニトリルの製造法。
【0009】(2) オウレオバクテリウム属に属する微
生物の作用により、シアンイオンの存在下で(R,S)-また
は(R)-エピハロヒドリンからから(R)-(-)-4-ハロ-3−ヒ
ドロキシブチロニトリルを生成させることを特徴とする
(R)-(-)-4-ハロ-3−ヒドロキシブチロニトリルの製造
法。
生物の作用により、シアンイオンの存在下で(R,S)-また
は(R)-エピハロヒドリンからから(R)-(-)-4-ハロ-3−ヒ
ドロキシブチロニトリルを生成させることを特徴とする
(R)-(-)-4-ハロ-3−ヒドロキシブチロニトリルの製造
法。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明で使用する微生物として
は、例えば、本発明者により土壌より新たに分離された
オウレオバクテリウム属に属する微生物であるDH-095株
を挙げることができる。本微生物はFERM P-12360 号(Au
reobacterium sp. DH095)として通商産業省工業技術院
生命工学工業技術研究所に寄託されており、その菌学的
性質は以下の通りである。
は、例えば、本発明者により土壌より新たに分離された
オウレオバクテリウム属に属する微生物であるDH-095株
を挙げることができる。本微生物はFERM P-12360 号(Au
reobacterium sp. DH095)として通商産業省工業技術院
生命工学工業技術研究所に寄託されており、その菌学的
性質は以下の通りである。
【0011】 DH095 株の菌学的性質 形 態 多形性桿菌 グラム染色性 + 芽 胞 − 運 動 性 + オキシダーゼ − カタラーゼ + 集落の色調 黄 色 rod-coccus cycle − 集落の周辺細胞の伸長 認めず 酸素に対する態度 好気的 細胞壁のジアミノ酸 オルニチン グルコリル試験 +(グルコリル型) 細胞壁の糖組成 アラビノース − ガラクトース + キノン系 MK-12
【0012】以上の菌学的性質をバージェーズ・マニュ
アル・オブ・システマチック・バクテリオロジー(Berge
y's Manual of Systematic Bacteriology) Vol. 2 (198
6)に従って検索すると、 DH095株はオウレオバクテリウ
ム属に属する細菌と同定された。
アル・オブ・システマチック・バクテリオロジー(Berge
y's Manual of Systematic Bacteriology) Vol. 2 (198
6)に従って検索すると、 DH095株はオウレオバクテリウ
ム属に属する細菌と同定された。
【0013】上記微生物を培養するための培地組成とし
ては、通常これらの微生物が生育し得るものならば何で
も使用できる。例えば、炭素源としてグルコース、フラ
クトース、シュークロース、マルトース等の糖類、酢
酸、クエン酸等の有機酸、エタノール、グリセロール等
のアルコール類等、窒素源としてペプトン、肉エキス、
酵母エキス、タンパク質加水分解物、アミノ酸等の天然
窒素源の他に各種無機、有機酸アンモニウム塩等が使用
できる。また、この他、必要に応じて、無機塩、微量金
属塩、ビタミン等が適宜使用される。この際、高い酵素
活性を誘導させるために、エピクロロヒドリン、1,3-ジ
クロロ-2−プロパノール、3-クロロ-1,2−プロパンジオ
ール等を培地に添加することも有用である。上記微生物
の培養は常法によればよく、例えばpH4〜10、温度20
〜45℃の範囲にて好気的に10〜96時間培養する。
ては、通常これらの微生物が生育し得るものならば何で
も使用できる。例えば、炭素源としてグルコース、フラ
クトース、シュークロース、マルトース等の糖類、酢
酸、クエン酸等の有機酸、エタノール、グリセロール等
のアルコール類等、窒素源としてペプトン、肉エキス、
酵母エキス、タンパク質加水分解物、アミノ酸等の天然
窒素源の他に各種無機、有機酸アンモニウム塩等が使用
できる。また、この他、必要に応じて、無機塩、微量金
属塩、ビタミン等が適宜使用される。この際、高い酵素
活性を誘導させるために、エピクロロヒドリン、1,3-ジ
クロロ-2−プロパノール、3-クロロ-1,2−プロパンジオ
ール等を培地に添加することも有用である。上記微生物
の培養は常法によればよく、例えばpH4〜10、温度20
〜45℃の範囲にて好気的に10〜96時間培養する。
【0014】1,3-ジハロ-2−プロパノールあるいはエピ
ハロヒドリンに微生物を作用させて(R)-(-)-4-ハロ-3−
ヒドロキシブチロニトリルを得る方法としては、上記の
ように培養して得た微生物の培養液あるいは遠心分離な
どにより得た菌体の懸濁液に基質を添加する方法、菌体
処理物(例えば、菌体破砕物、粗・精製酵素等の菌体抽
出物など)あるいは常法により固定化した菌体または、
菌体処理物などの懸濁液に基質を添加する方法、微生物
の培養時に基質を培養液に添加して培養と同時に反応を
行う方法などがある。
ハロヒドリンに微生物を作用させて(R)-(-)-4-ハロ-3−
ヒドロキシブチロニトリルを得る方法としては、上記の
ように培養して得た微生物の培養液あるいは遠心分離な
どにより得た菌体の懸濁液に基質を添加する方法、菌体
処理物(例えば、菌体破砕物、粗・精製酵素等の菌体抽
出物など)あるいは常法により固定化した菌体または、
菌体処理物などの懸濁液に基質を添加する方法、微生物
の培養時に基質を培養液に添加して培養と同時に反応を
行う方法などがある。
【0015】シアンイオンの存在下で1,3-ジハロ-2−プ
ロパノールやエピハロヒドリンから(R)-(-)-4-ハロ-3−
ヒドロキシブチロニトリルを生成させる場合、予め、微
生物菌体を1,3-ジハロ-2−プロパノールなどにより処理
することで副成物の生成を抑えることができる。
ロパノールやエピハロヒドリンから(R)-(-)-4-ハロ-3−
ヒドロキシブチロニトリルを生成させる場合、予め、微
生物菌体を1,3-ジハロ-2−プロパノールなどにより処理
することで副成物の生成を抑えることができる。
【0016】本発明で使用する1,3-ジハロ-2−プロパノ
ールは、1,3-ジクロロ-2−プロパノールや1,3-ジブロモ
-2−プロパノールなどであり、エピハロヒドリンは、エ
ピクロロヒドリンやエピブロモヒドリンなどである。
ールは、1,3-ジクロロ-2−プロパノールや1,3-ジブロモ
-2−プロパノールなどであり、エピハロヒドリンは、エ
ピクロロヒドリンやエピブロモヒドリンなどである。
【0017】反応液中の1,3-ジハロ-2−プロパノールや
エピハロヒドリンの濃度は、特に限定されるものではな
いが、 0.1〜10(W/V) %が好ましく、これら基質は反応
液に一括して加えるかあるいは分割添加することができ
る。
エピハロヒドリンの濃度は、特に限定されるものではな
いが、 0.1〜10(W/V) %が好ましく、これら基質は反応
液に一括して加えるかあるいは分割添加することができ
る。
【0018】(R)-(-)-4-ハロ-3−ヒドロキシブチロニト
リルを生成させる場合、反応液にシアンイオンを存在さ
せるが、このシアンイオン源に関しては反応溶液に可溶
なシアン化合物であれば何でもよく、例えば、アルカリ
金属塩であるシアン化カリウム、シアン化ナトリウム、
またシアンヒドリンであるアセトンシアンヒドリンなど
が挙げられる。また、シアン化合物の使用量も特に限定
されるものではないが、基質である1,3-ジハロ-2−プロ
パノールあるいはエピハロヒドリンに対し等モルかある
いは過剰量添加することが好ましい。
リルを生成させる場合、反応液にシアンイオンを存在さ
せるが、このシアンイオン源に関しては反応溶液に可溶
なシアン化合物であれば何でもよく、例えば、アルカリ
金属塩であるシアン化カリウム、シアン化ナトリウム、
またシアンヒドリンであるアセトンシアンヒドリンなど
が挙げられる。また、シアン化合物の使用量も特に限定
されるものではないが、基質である1,3-ジハロ-2−プロ
パノールあるいはエピハロヒドリンに対し等モルかある
いは過剰量添加することが好ましい。
【0019】反応温度は、5〜50℃、反応pHは4〜10
の範囲で行うことが好ましい。反応時間は、基質濃度、
菌体濃度あるいはそのほかの反応条件等によって変わる
が、通常1〜120 時間で終了するように条件を設定する
ことが好ましい。
の範囲で行うことが好ましい。反応時間は、基質濃度、
菌体濃度あるいはそのほかの反応条件等によって変わる
が、通常1〜120 時間で終了するように条件を設定する
ことが好ましい。
【0020】かくして、反応液中に生成、蓄積した(R)-
(-)-4-ハロ-3−ヒドロキシブチロニトリルは、公知の方
法を用いて採取および精製することができる。例えば、
反応液から遠心分離などの方法によって菌体を除いた
後、酢酸エチルなどの溶媒で抽出を行い、減圧下に溶媒
を除去することによって (R)-(-)-4-ハロ-3−ヒドロキ
シブチロニトリルのシロップを得ることができる。ま
た、このシロップを減圧下に蒸留することによりさらに
精製することもできる。
(-)-4-ハロ-3−ヒドロキシブチロニトリルは、公知の方
法を用いて採取および精製することができる。例えば、
反応液から遠心分離などの方法によって菌体を除いた
後、酢酸エチルなどの溶媒で抽出を行い、減圧下に溶媒
を除去することによって (R)-(-)-4-ハロ-3−ヒドロキ
シブチロニトリルのシロップを得ることができる。ま
た、このシロップを減圧下に蒸留することによりさらに
精製することもできる。
【0021】以下、実施例によって本発明を具体的に説
明するが、本発明はこの例のみに限定されるものではな
い。
明するが、本発明はこの例のみに限定されるものではな
い。
【0022】実施例1 グルコース 1%、ペプトン 0.5%、肉エキス 0.3%、酵
母エキス 0.3%からなる培地をpH 7.0に調整して、50
ml三角フラスコに 100mlずつ分注し、120 ℃で15分間殺
菌後、あらかじめメンブランフィルターにより除菌して
おいた20(W/V) %の3-クロロ-1,2−プロパンジオール溶
液 1mlを添加した。上記培地に DH095株を接種し、30℃
にて48時間振とう培養を行った。この培養液50mlを遠心
分離して菌体を集め、50mMのトリス−硫酸緩衝液(pH
8.0)50mlで2回洗浄後、同緩衝液10mlに菌体を懸濁し
て菌体懸濁液を調製した。1Mシアン化カリウムを含む2M
トリス−硫酸緩衝液(pH 8.0)25ml、菌体懸濁液10m
l、1,3-ジクロロ-2−プロパノール 3.22g(脱塩水で総
容量50mlとなるようにする、1,3-ジクロロ-2−プロパノ
ールの最終濃度は500mM となる)の反応溶液で20℃、1
時間反応させた。
母エキス 0.3%からなる培地をpH 7.0に調整して、50
ml三角フラスコに 100mlずつ分注し、120 ℃で15分間殺
菌後、あらかじめメンブランフィルターにより除菌して
おいた20(W/V) %の3-クロロ-1,2−プロパンジオール溶
液 1mlを添加した。上記培地に DH095株を接種し、30℃
にて48時間振とう培養を行った。この培養液50mlを遠心
分離して菌体を集め、50mMのトリス−硫酸緩衝液(pH
8.0)50mlで2回洗浄後、同緩衝液10mlに菌体を懸濁し
て菌体懸濁液を調製した。1Mシアン化カリウムを含む2M
トリス−硫酸緩衝液(pH 8.0)25ml、菌体懸濁液10m
l、1,3-ジクロロ-2−プロパノール 3.22g(脱塩水で総
容量50mlとなるようにする、1,3-ジクロロ-2−プロパノ
ールの最終濃度は500mM となる)の反応溶液で20℃、1
時間反応させた。
【0023】反応後、反応液から菌体を遠心分離によっ
て除去し、上清中の生成4-クロロ-3−ヒドロキシブチロ
ニトリルをガスクロマトグラフィーにて定量した結果、
100mMの4-クロロ-3−ヒドロキシブチロニトリルが生成
していた。さらに、この上清中から50mlの酢酸エチルで
3回抽出を行い、抽出液を無水硫酸ナトリウムで脱水
し、減圧下で溶媒を除去してシロップを得た。
て除去し、上清中の生成4-クロロ-3−ヒドロキシブチロ
ニトリルをガスクロマトグラフィーにて定量した結果、
100mMの4-クロロ-3−ヒドロキシブチロニトリルが生成
していた。さらに、この上清中から50mlの酢酸エチルで
3回抽出を行い、抽出液を無水硫酸ナトリウムで脱水
し、減圧下で溶媒を除去してシロップを得た。
【0024】このシロップ中の4-クロロ-3−ヒドロキシ
ブチロニトリルを(R)-(-)-α−メトキシ−α−トリフル
オロメチルフェニルアセチルクロリドを用いてそのエス
テル誘導体とし高速液体クロマトグラフィーによる光学
異性体の分析を行った。その結果、生成した4-クロロ-3
−ヒドロキシブチロニトリルは光学純度72.6%e.e.の
(R)-(-)-4-クロロ-3−ヒドロキシブチロニトリルであっ
た。
ブチロニトリルを(R)-(-)-α−メトキシ−α−トリフル
オロメチルフェニルアセチルクロリドを用いてそのエス
テル誘導体とし高速液体クロマトグラフィーによる光学
異性体の分析を行った。その結果、生成した4-クロロ-3
−ヒドロキシブチロニトリルは光学純度72.6%e.e.の
(R)-(-)-4-クロロ-3−ヒドロキシブチロニトリルであっ
た。
【0025】実施例2 実施例1と同様にして調製した菌体を500mM 1,3-ジクロ
ロ-2−プロパノールを含む1Mトリス−硫酸(pH 8.0)
に懸濁し、20℃にて2時間処理した後、50mMトリス−硫
酸(pH 8.0)50mlで3回洗浄し、同緩衝液50mlに懸濁
し処理菌体懸濁液を調製した。上記のようにして調製し
た処理菌体懸濁液を酵素源として、1Mシアン化カリウム
を含む2Mトリス−硫酸緩衝液(pH 8.0)25ml、菌体懸
濁液10ml、エピクロロヒドリン 1.25g(脱塩水で総容量
50mlとなるようにする、エピクロロヒドリンの最終濃度
は 270mMとなる)の反応溶液で20℃、1時間反応させ
た。
ロ-2−プロパノールを含む1Mトリス−硫酸(pH 8.0)
に懸濁し、20℃にて2時間処理した後、50mMトリス−硫
酸(pH 8.0)50mlで3回洗浄し、同緩衝液50mlに懸濁
し処理菌体懸濁液を調製した。上記のようにして調製し
た処理菌体懸濁液を酵素源として、1Mシアン化カリウム
を含む2Mトリス−硫酸緩衝液(pH 8.0)25ml、菌体懸
濁液10ml、エピクロロヒドリン 1.25g(脱塩水で総容量
50mlとなるようにする、エピクロロヒドリンの最終濃度
は 270mMとなる)の反応溶液で20℃、1時間反応させ
た。
【0026】反応後、反応液から菌体を遠心分離によっ
て除去し、上清中の生成4-クロロ-3−ヒドロキシブチロ
ニトリルをガスクロマトグラフィーにて定量した結果、
124mMの4-クロロ-3−ヒドロキシブチロニトリルが生成
していた。さらに、この上清中から50mlの酢酸エチルで
3回抽出を行い、抽出液を無水硫酸ナトリウムで脱水
し、減圧下で溶媒を除去してシロップを得た。このシロ
ップ中の4-クロロ-3−ヒドロキシブチロニトリルを(R)-
(-)-α−メトキシ−α−トリフルオロメチルフェニルア
セチルクロリドを用いてそのエステル誘導体とし高速液
体クロマトグラフィーによる光学異性体の分析を行っ
た。その結果、生成した4-クロロ-3−ヒドロキシブチロ
ニトリルは光学純度33.6%e.e.の(R)-(-)-4-クロロ-3−
ヒドロキシブチロニトリルであった。
て除去し、上清中の生成4-クロロ-3−ヒドロキシブチロ
ニトリルをガスクロマトグラフィーにて定量した結果、
124mMの4-クロロ-3−ヒドロキシブチロニトリルが生成
していた。さらに、この上清中から50mlの酢酸エチルで
3回抽出を行い、抽出液を無水硫酸ナトリウムで脱水
し、減圧下で溶媒を除去してシロップを得た。このシロ
ップ中の4-クロロ-3−ヒドロキシブチロニトリルを(R)-
(-)-α−メトキシ−α−トリフルオロメチルフェニルア
セチルクロリドを用いてそのエステル誘導体とし高速液
体クロマトグラフィーによる光学異性体の分析を行っ
た。その結果、生成した4-クロロ-3−ヒドロキシブチロ
ニトリルは光学純度33.6%e.e.の(R)-(-)-4-クロロ-3−
ヒドロキシブチロニトリルであった。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、、高い光学純度のハロ
ヒドリンをそれぞれの基質から一工程で効率よく製造す
ることができる。
ヒドリンをそれぞれの基質から一工程で効率よく製造す
ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C12R 1:01) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12P 13/00 C12P 41/00 CA(STN) REGISTRY(STN)
Claims (2)
- 【請求項1】 オウレオバクテリウム属に属する微生物
の作用により、シアンイオンの存在下で1,3-ジハロ-2−
プロパノールから(R)-(-)-4-ハロ-3−ヒドロキシブチロ
ニトリルを生成させることを特徴とする(R)-(-)-4-ハロ
-3−ヒドロキシブチロニトリルの製造法。 - 【請求項2】 オウレオバクテリウム属に属する微生物
の作用により、シアンイオンの存在下で(R,S)-または
(R)-エピハロヒドリンからから(R)-(-)-4-ハロ-3−ヒド
ロキシブチロニトリルを生成させることを特徴とする
(R)-(-)-4-ハロ-3−ヒドロキシブチロニトリルの製造
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000189297A JP3168202B2 (ja) | 1992-02-10 | 2000-06-23 | (r)−(−)−4−ハロ−3−ヒドロキシブチロニトリルの製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000189297A JP3168202B2 (ja) | 1992-02-10 | 2000-06-23 | (r)−(−)−4−ハロ−3−ヒドロキシブチロニトリルの製造法 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5652392A Division JP3105986B2 (ja) | 1992-02-10 | 1992-02-10 | 光学活性ハロヒドリンの製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001025397A JP2001025397A (ja) | 2001-01-30 |
JP3168202B2 true JP3168202B2 (ja) | 2001-05-21 |
Family
ID=18688943
Family Applications (1)
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