JP3166986B2 - 電流センサ - Google Patents
電流センサInfo
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気光学素子を用いた
電流センサに関するものである。
電流センサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、電線等を流れる電流値を測定
する方法として、流れる電流から発生する磁界を検出す
ることで電流量を計測している。このとき、流れる電流
が小さい場合には、電線をコイル状に巻いてそこで発生
する磁界を強め、コイルにて形成される円筒中に検出素
子を設ける等の方法をとっている。また、検出素子とし
ては、半導体や磁性体の電流−磁気効果、とりわけ、ホ
ール効果、あるいは磁気抵抗効果を利用したセンサが一
般的に用いられている(例えば、ホール素子を利用した
ものとして実開平1−121869号公報が、また、磁
気電気変換素子を使用したものとして実開昭63−41
772号公報がある)。
する方法として、流れる電流から発生する磁界を検出す
ることで電流量を計測している。このとき、流れる電流
が小さい場合には、電線をコイル状に巻いてそこで発生
する磁界を強め、コイルにて形成される円筒中に検出素
子を設ける等の方法をとっている。また、検出素子とし
ては、半導体や磁性体の電流−磁気効果、とりわけ、ホ
ール効果、あるいは磁気抵抗効果を利用したセンサが一
般的に用いられている(例えば、ホール素子を利用した
ものとして実開平1−121869号公報が、また、磁
気電気変換素子を使用したものとして実開昭63−41
772号公報がある)。
【0003】
【発明が解決しようとしている課題】しかしながら、上
記従来の電流検出方法では、電線をボビン等に巻き付け
るという電線の加工が必要となり、既に配線が完了して
いる部位での電流検出が困難になるという問題がある。
また、電線に高周波交流が流れている場合には、電線を
コイル状に加工することでそのインダクタンスが増加
し、電流検出のために電流センサを構成することが、伝
送する電力の損失につながるという問題がある。
記従来の電流検出方法では、電線をボビン等に巻き付け
るという電線の加工が必要となり、既に配線が完了して
いる部位での電流検出が困難になるという問題がある。
また、電線に高周波交流が流れている場合には、電線を
コイル状に加工することでそのインダクタンスが増加
し、電流検出のために電流センサを構成することが、伝
送する電力の損失につながるという問題がある。
【0004】さらに、ホール効果や磁気抵抗効果を利用
した場合、電磁誘導障害等のノイズを拾いやすくなり、
その検出精度が低下してしまうという問題がある。本発
明はかかる点に鑑みて成されたもので、その目的とする
ところは、電流検出のための検出対象物の加工を不要と
し、電力損失を発生させずに低電流から高電流まで検出
可能な電流センサを提供することである。
した場合、電磁誘導障害等のノイズを拾いやすくなり、
その検出精度が低下してしまうという問題がある。本発
明はかかる点に鑑みて成されたもので、その目的とする
ところは、電流検出のための検出対象物の加工を不要と
し、電力損失を発生させずに低電流から高電流まで検出
可能な電流センサを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するために、以下の構成を備える。すなわち、被検
出電流が流れる電流路近傍で、該電流にて形成される磁
界面と平行に配設した環状の導磁路と、前記導磁路を分
断する第1の間隙に配設され、前記電流路を流れる電流
による磁界と直交する方向に磁化容易軸を有する磁気光
学素子と、前記磁気光学素子に直線偏光を入射する手段
と、前記直線偏光が前記磁気光学素子を透過して出射さ
れる際の該直線偏光に対する偏光面の回転角を検出する
手段と、前記回転角より、前記被検出電流の値を算出す
る手段とを備え、前記導磁路として高透磁率材を用い
る。
達成するために、以下の構成を備える。すなわち、被検
出電流が流れる電流路近傍で、該電流にて形成される磁
界面と平行に配設した環状の導磁路と、前記導磁路を分
断する第1の間隙に配設され、前記電流路を流れる電流
による磁界と直交する方向に磁化容易軸を有する磁気光
学素子と、前記磁気光学素子に直線偏光を入射する手段
と、前記直線偏光が前記磁気光学素子を透過して出射さ
れる際の該直線偏光に対する偏光面の回転角を検出する
手段と、前記回転角より、前記被検出電流の値を算出す
る手段とを備え、前記導磁路として高透磁率材を用い
る。
【0006】また、好ましくは、前記磁気光学素子を通
過する前記電流路を流れる電流による磁界の方向と垂直
に静磁界を印加する手段を備える。また、好ましくは、
前記磁気光学素子近傍において前記導磁路の断面積を絞
り込み、該磁気光学素子に対向する該導磁路端の断面積
を、該磁気光学素子に向かって小さくしてある。
過する前記電流路を流れる電流による磁界の方向と垂直
に静磁界を印加する手段を備える。また、好ましくは、
前記磁気光学素子近傍において前記導磁路の断面積を絞
り込み、該磁気光学素子に対向する該導磁路端の断面積
を、該磁気光学素子に向かって小さくしてある。
【0007】
【作用】以上の構成において、低電流から高電流までを
良好に検出するように機能する。
良好に検出するように機能する。
【0008】
【実施例】以下、添付図面を参照して、本発明に係る好
適な実施例を詳細に説明する。本実施例に係る電流セン
サでは、磁気光学素子に外部磁界がかけられた場合、そ
の磁化状態に応じて磁気光学素子を透過する光の偏光面
が回転するという原理を利用し、この偏光面の回転から
磁気光学素子の磁化状態を知ることで、その磁化を発生
させている電流量を逆算しようとするものである。
適な実施例を詳細に説明する。本実施例に係る電流セン
サでは、磁気光学素子に外部磁界がかけられた場合、そ
の磁化状態に応じて磁気光学素子を透過する光の偏光面
が回転するという原理を利用し、この偏光面の回転から
磁気光学素子の磁化状態を知ることで、その磁化を発生
させている電流量を逆算しようとするものである。
【0009】そこで、最初に磁気光学素子による磁界検
出の原理について説明する。 <磁気光学素子による磁界検出の原理説明>一般に、磁
気光学素子等の磁性体には磁化容易軸があり、磁化Mと
磁場Hとの特性においてヒステリシスが存在する。ま
た、磁気光学素子に直線偏光を入射させた場合、いわゆ
るファラデー効果により、磁気光学素子の磁化状態に応
じて直線偏光の偏光面の回転が生じる。つまり、入射偏
光面に対する透過偏光面の回転角(ファラデー回転角θ
F と呼ばれる)は、磁気光学素子の磁化状態により変化
する。特に、直線偏光の進路と磁気光学素子の磁化Ms
(飽和磁化)とが一致した場合、ファラデー回転角は最
大となり、両者が直交すると回転角はゼロになる。この
関係を定量的に示すと、 θF ∝Ms・cosΨ …(1) となる。ここで、Ψは、直線偏光の進路とMsとのなす
角であり、θF を最大ファラデー回転角θFSで規格した
値をΘF とすると、 ΘF =cosΨ …(2) の関係が成り立つ。
出の原理について説明する。 <磁気光学素子による磁界検出の原理説明>一般に、磁
気光学素子等の磁性体には磁化容易軸があり、磁化Mと
磁場Hとの特性においてヒステリシスが存在する。ま
た、磁気光学素子に直線偏光を入射させた場合、いわゆ
るファラデー効果により、磁気光学素子の磁化状態に応
じて直線偏光の偏光面の回転が生じる。つまり、入射偏
光面に対する透過偏光面の回転角(ファラデー回転角θ
F と呼ばれる)は、磁気光学素子の磁化状態により変化
する。特に、直線偏光の進路と磁気光学素子の磁化Ms
(飽和磁化)とが一致した場合、ファラデー回転角は最
大となり、両者が直交すると回転角はゼロになる。この
関係を定量的に示すと、 θF ∝Ms・cosΨ …(1) となる。ここで、Ψは、直線偏光の進路とMsとのなす
角であり、θF を最大ファラデー回転角θFSで規格した
値をΘF とすると、 ΘF =cosΨ …(2) の関係が成り立つ。
【0010】図1は、磁気光学素子における直線偏光の
偏光面回転の様子を模式的に示した図であり、同図にお
いては、磁気光学素子1に対してその磁化容易軸2と垂
直方向に外部磁界(計測磁界)H3を、また、磁化容易
軸2の方向に静磁界H04をかけた場合、入射直線偏光
6は、その偏光面の回転を受けた後、出射直線偏光7と
して出力される。
偏光面回転の様子を模式的に示した図であり、同図にお
いては、磁気光学素子1に対してその磁化容易軸2と垂
直方向に外部磁界(計測磁界)H3を、また、磁化容易
軸2の方向に静磁界H04をかけた場合、入射直線偏光
6は、その偏光面の回転を受けた後、出射直線偏光7と
して出力される。
【0011】そして、ここでは、外部磁界Hと飽和磁化
Msの傾き角との関係を求めるために、磁気光学素子の
磁化状態は、磁気エネルギーが極小となるように決定さ
れるという原理を利用する。このように、磁気光学素子
におけるファラデー回転角θFと磁界との関係におい
て、θFの検出値から磁界の強度を検出でき、この場
合、磁気光学素子の磁化容易軸の方向に磁界が印加され
るように磁気光学素子を配置すると、θFと磁界との関
係において、θFの値から磁界を検出することができ
る。 <電流センサの説明> 次に、本実施例に係る電流センサについて説明する。
Msの傾き角との関係を求めるために、磁気光学素子の
磁化状態は、磁気エネルギーが極小となるように決定さ
れるという原理を利用する。このように、磁気光学素子
におけるファラデー回転角θFと磁界との関係におい
て、θFの検出値から磁界の強度を検出でき、この場
合、磁気光学素子の磁化容易軸の方向に磁界が印加され
るように磁気光学素子を配置すると、θFと磁界との関
係において、θFの値から磁界を検出することができ
る。 <電流センサの説明> 次に、本実施例に係る電流センサについて説明する。
【0012】図2は、本実施例に係る電流センサの原理
構成を示す図である。同図に示す電流センサは、被検出
電流が流れている電線23を囲むように磁束捕捉部22
と磁気光学素子21とが配置されている。この磁束捕捉
部22は、例えば、Fe−Niの合金であるパーマロイ
やフェライト(Fe−Si−Al系、Fe−O系、Mn
−Fe−O系、Zn−Fe−O系合金)等の高透磁率材
料にてなり、電線23の周囲に発生した磁界Hを効率よ
く捕捉し、それを磁界検出部として機能する磁気光学素
子21に伝達する。
構成を示す図である。同図に示す電流センサは、被検出
電流が流れている電線23を囲むように磁束捕捉部22
と磁気光学素子21とが配置されている。この磁束捕捉
部22は、例えば、Fe−Niの合金であるパーマロイ
やフェライト(Fe−Si−Al系、Fe−O系、Mn
−Fe−O系、Zn−Fe−O系合金)等の高透磁率材
料にてなり、電線23の周囲に発生した磁界Hを効率よ
く捕捉し、それを磁界検出部として機能する磁気光学素
子21に伝達する。
【0013】磁束捕捉部22は、それが磁気光学素子2
1と接する近傍では、他の部分に比べて、その断面が徐
々に細くなっており、その部分における磁束密度が増加
するようになっている。これは、磁気光学素子21が磁
束捕捉部22と接触する部分で磁束を収束し、磁気光学
素子21の単位面積当たりの磁界を増加させることを目
的としたものであり、電線23に流れる電流が小さく、
発生磁界が微弱な場合にも、磁気光学素子21に印加さ
れる磁界が大きくなるので、微小電流をも精度よく検出
できる。
1と接する近傍では、他の部分に比べて、その断面が徐
々に細くなっており、その部分における磁束密度が増加
するようになっている。これは、磁気光学素子21が磁
束捕捉部22と接触する部分で磁束を収束し、磁気光学
素子21の単位面積当たりの磁界を増加させることを目
的としたものであり、電線23に流れる電流が小さく、
発生磁界が微弱な場合にも、磁気光学素子21に印加さ
れる磁界が大きくなるので、微小電流をも精度よく検出
できる。
【0014】また、図3は、本実施例に係る電流センサ
の他の構成例を示す図であり、同図に示す電流センサで
は、被検出電流が流れている電線33の外側に磁束捕捉
部32と磁気光学素子31とが配置されている。そし
て、磁束捕捉部32は、電線側の部位において間隙(ギ
ャップ)34を有し、電線33の周囲に発生した磁界H
を効率よく捕捉するような構成をとっている。
の他の構成例を示す図であり、同図に示す電流センサで
は、被検出電流が流れている電線33の外側に磁束捕捉
部32と磁気光学素子31とが配置されている。そし
て、磁束捕捉部32は、電線側の部位において間隙(ギ
ャップ)34を有し、電線33の周囲に発生した磁界H
を効率よく捕捉するような構成をとっている。
【0015】なお、本図に示す電流センサにおいても、
磁束捕捉部32には高透磁率材料を使用し、また、磁束
捕捉部32が磁気光学素子31と接する近傍では、他の
部分に比べて、その断面が徐々に細くなっており、その
部分における磁束密度が増加するような構成をとってい
る。図4は、図2,図3に示した構成をとる本実施例に
係る電流センサにおいて、磁気光学素子の磁化状態を検
出するためにバイアス磁界をかけた様子を示す図であ
り、図5は、電流センサ全体のブロック構成図である。
磁束捕捉部32には高透磁率材料を使用し、また、磁束
捕捉部32が磁気光学素子31と接する近傍では、他の
部分に比べて、その断面が徐々に細くなっており、その
部分における磁束密度が増加するような構成をとってい
る。図4は、図2,図3に示した構成をとる本実施例に
係る電流センサにおいて、磁気光学素子の磁化状態を検
出するためにバイアス磁界をかけた様子を示す図であ
り、図5は、電流センサ全体のブロック構成図である。
【0016】図4に示すように、磁束捕捉部42(図で
は、その一部を示す)の間隙部に位置する磁気光学素子
41は、磁束捕捉部42と接しない側の両側が、例え
ば、電磁石や永久磁石等のバイアス磁界用磁石45にて
挟まれているため、図5に示すように、磁気光学素子4
1には、常にその磁化容易軸A61と同一方向に一定の
バイアス磁界H0 62がかかっている。
は、その一部を示す)の間隙部に位置する磁気光学素子
41は、磁束捕捉部42と接しない側の両側が、例え
ば、電磁石や永久磁石等のバイアス磁界用磁石45にて
挟まれているため、図5に示すように、磁気光学素子4
1には、常にその磁化容易軸A61と同一方向に一定の
バイアス磁界H0 62がかかっている。
【0017】このように、磁気光学素子にバイアス磁界
をかける理由は、磁気光学素子が強磁性体であり、一方
向に磁場をかけると磁化がその方向を向いてしまい、磁
場の強弱が読めなくなるからである。つまり、磁性体の
磁化特性により、印加する磁化が大きい場合、磁気飽和
により高磁界の検出ができないという問題が生じるが、
図5に示すように、検出磁界と磁気光学素子の磁化容易
軸とが直交するようにし、かつ、磁化容易軸方向にバイ
アス磁界を印加することで、飽和する磁界強度が高くな
り、測定しようとする電流値全域に渡って、電流を精度
よく検知できるのである。
をかける理由は、磁気光学素子が強磁性体であり、一方
向に磁場をかけると磁化がその方向を向いてしまい、磁
場の強弱が読めなくなるからである。つまり、磁性体の
磁化特性により、印加する磁化が大きい場合、磁気飽和
により高磁界の検出ができないという問題が生じるが、
図5に示すように、検出磁界と磁気光学素子の磁化容易
軸とが直交するようにし、かつ、磁化容易軸方向にバイ
アス磁界を印加することで、飽和する磁界強度が高くな
り、測定しようとする電流値全域に渡って、電流を精度
よく検知できるのである。
【0018】図5に示す、本実施例に係る電流センサで
は、磁束捕捉部42が電線53の周囲に発生する磁界を
捕捉し、捕捉後の磁界を絞り込むように磁気光学素子4
1に伝達しており、この伝達された磁界が検出磁界H6
3である。そして、磁気光学素子41へは、光源55か
ら、検出磁界と平行な方向に直線偏光光51が入射さ
れ、磁気光学素子41を透過した光は、検出磁界H63
の磁界強度に応じた偏光面の回転を受けた後、出射直線
偏光光52として出力される。
は、磁束捕捉部42が電線53の周囲に発生する磁界を
捕捉し、捕捉後の磁界を絞り込むように磁気光学素子4
1に伝達しており、この伝達された磁界が検出磁界H6
3である。そして、磁気光学素子41へは、光源55か
ら、検出磁界と平行な方向に直線偏光光51が入射さ
れ、磁気光学素子41を透過した光は、検出磁界H63
の磁界強度に応じた偏光面の回転を受けた後、出射直線
偏光光52として出力される。
【0019】偏光面回転検出部56は、この出射直線偏
光光52を受光し、入射直線偏光光51の偏光面に対す
る出射直線偏光光52の偏光面の回転角を求め、その結
果を信号処理部57へ送る。また、信号処理部57で
は、ファラデー回転角から磁界の強度を求めるための光
電変換による信号処理を行ない、変換後の信号を換算部
58に出力する。
光光52を受光し、入射直線偏光光51の偏光面に対す
る出射直線偏光光52の偏光面の回転角を求め、その結
果を信号処理部57へ送る。また、信号処理部57で
は、ファラデー回転角から磁界の強度を求めるための光
電変換による信号処理を行ない、変換後の信号を換算部
58に出力する。
【0020】上述のファラデー回転角θF を最大ファラ
デー回転角θFSで規格した値ΘF と、外部からの印加磁
界である検出磁界(h0 とする)との関係は、図6に示
すような特性を有する。つまり、図6において、検出磁
界を規格化した量(これをhとする。なお、この値は、
検出磁界を異方性磁界と呼ばれるパラメータで規格化し
たものである)をパラメータとした場合、|h|>1と
なるよう条件を設定して、ΘF とh0 とが一対一に対応
するようにする。
デー回転角θFSで規格した値ΘF と、外部からの印加磁
界である検出磁界(h0 とする)との関係は、図6に示
すような特性を有する。つまり、図6において、検出磁
界を規格化した量(これをhとする。なお、この値は、
検出磁界を異方性磁界と呼ばれるパラメータで規格化し
たものである)をパラメータとした場合、|h|>1と
なるよう条件を設定して、ΘF とh0 とが一対一に対応
するようにする。
【0021】図5の換算部58は、入力された磁界強度
をもとに電流値を算出する。すなわち、電線等の導線中
を流れる電流は、電線の回りにアンペールの法則に従っ
た磁界を発生し、電流値をIとしたとき、電線の中心か
らrの距離にある点での磁界の強度Hは、 H=f(r)・I …(3) にて表わすことができる。ただし、f(r)は、電線を
流れる電流の境界条件により異なる関数である。
をもとに電流値を算出する。すなわち、電線等の導線中
を流れる電流は、電線の回りにアンペールの法則に従っ
た磁界を発生し、電流値をIとしたとき、電線の中心か
らrの距離にある点での磁界の強度Hは、 H=f(r)・I …(3) にて表わすことができる。ただし、f(r)は、電線を
流れる電流の境界条件により異なる関数である。
【0022】そこで、換算部58は、上述のファラデー
回転角から求めた磁界強度を、上記の式(3)に代入し
てIについて解くことで、必要な電流値Iを算出する。
そして、表示部59は、換算部58で算出された電流値
Iを、測定結果として可視表示する。なお、本実施例に
て用いる磁気光学素子による磁気光学効果は、光と磁気
光学素子の相互作用で発現するものであるため、酸化物
等の非導電物質にて構成される磁気光学素子は、渦電流
による高周波領域での特性劣化や電磁誘導による検出誤
差を生じないという利点がある。
回転角から求めた磁界強度を、上記の式(3)に代入し
てIについて解くことで、必要な電流値Iを算出する。
そして、表示部59は、換算部58で算出された電流値
Iを、測定結果として可視表示する。なお、本実施例に
て用いる磁気光学素子による磁気光学効果は、光と磁気
光学素子の相互作用で発現するものであるため、酸化物
等の非導電物質にて構成される磁気光学素子は、渦電流
による高周波領域での特性劣化や電磁誘導による検出誤
差を生じないという利点がある。
【0023】以上説明したように、本実施例によれば、
被測定電流が流れる電線を中心とする同心円上に、間隙
を設けた高透磁率の磁性材料と、その間隙にファラデー
効果を有する磁気光学素子を配し、さらに、この磁気光
学素子近傍において磁性材料の断面を小さくして、磁気
光学素子における磁化密度を上げるように構成すること
で、電線上の電流から発生する磁界を効率よく捉え、こ
の磁界に基づいて電流値を精度よく計測できるという効
果がある。
被測定電流が流れる電線を中心とする同心円上に、間隙
を設けた高透磁率の磁性材料と、その間隙にファラデー
効果を有する磁気光学素子を配し、さらに、この磁気光
学素子近傍において磁性材料の断面を小さくして、磁気
光学素子における磁化密度を上げるように構成すること
で、電線上の電流から発生する磁界を効率よく捉え、こ
の磁界に基づいて電流値を精度よく計測できるという効
果がある。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
低電流より発生する磁界を効率よく捕捉してその電流値
を精度よく検出できるという効果がある。
低電流より発生する磁界を効率よく捕捉してその電流値
を精度よく検出できるという効果がある。
【図1】磁気光学素子における直線偏光の偏光面回転の
様子を模式的に示した図である。
様子を模式的に示した図である。
【図2】本発明の実施例に係る電流センサの原理構成を
示す図である。
示す図である。
【図3】実施例に係る電流センサの他の構成例を示す図
である。
である。
【図4】図2,図3に示した構成をとる電流センサにお
いて、磁気光学素子の磁化状態を検出するためにバイア
ス磁界をかけた様子を示す図である。
いて、磁気光学素子の磁化状態を検出するためにバイア
ス磁界をかけた様子を示す図である。
【図5】実施例に係る電流センサ全体のブロック構成図
である。
である。
【図6】ファラデー回転角θF を最大ファラデー回転角
θFSで規格した値ΘF と、外部からの印加磁界である検
出磁界h0 との関係を示す図である。
θFSで規格した値ΘF と、外部からの印加磁界である検
出磁界h0 との関係を示す図である。
1,21,31,41 磁気光学素子 2,61 磁化容易軸 3 測定磁界 4 静磁界 6,51 入射直線偏光光 7,52 出射直線偏光光 22,32,42 磁束捕捉部 23,33,53 電線 45 バイアス磁界用磁石
フロントページの続き (72)発明者 福庭 一志 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (72)発明者 黒瀧 宏和 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−163977(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01R 15/24 G01R 19/00
Claims (5)
- 【請求項1】 被検出電流が流れる電流路近傍で、該電
流にて形成される磁界面と平行に配設した環状の導磁路
と、 前記導磁路を分断する第1の間隙に配設され、前記電流
路を流れる電流による磁界と直交する方向に磁化容易軸
を有する磁気光学素子と、 前記磁気光学素子に直線偏光を入射する手段と、 前記直線偏光が前記磁気光学素子を透過して出射される
際の該直線偏光に対する偏光面の回転角を検出する手段
と、 前記回転角より、前記被検出電流の値を算出する手段と
を備え、 前記導磁路として高透磁率材を用いることを特徴とする
電流センサ。 - 【請求項2】 さらに、前記磁気光学素子を通過する前
記電流路を流れる電流による磁界の方向と垂直に静磁界
を印加する手段を備えることを特徴とする請求項1に記
載の電流センサ。 - 【請求項3】 前記磁気光学素子近傍において前記導磁
路の断面積を絞り込み、該磁気光学素子に対向する該導
磁路端の断面積を、該磁気光学素子に向かって小さくし
たことを特徴とする請求項1に記載の電流センサ。 - 【請求項4】 前記導磁路を、被検出電流が流れる前記
電流路を囲むように配設したことを特徴とする請求項1
に記載の電流センサ。 - 【請求項5】 前記磁気光学素子が配設された前記環状
の導磁路上の対向する最遠点の位置に第2の間隙を設
け、該導磁路の外側に位置する被検出電流が流れる電流
路を該第2の間隙に近接させて該電流路からの磁界を取
り込むことを特徴とする請求項1に記載の電流センサ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18661892A JP3166986B2 (ja) | 1992-07-14 | 1992-07-14 | 電流センサ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18661892A JP3166986B2 (ja) | 1992-07-14 | 1992-07-14 | 電流センサ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH0634668A JPH0634668A (ja) | 1994-02-10 |
JP3166986B2 true JP3166986B2 (ja) | 2001-05-14 |
Family
ID=16191735
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP18661892A Expired - Fee Related JP3166986B2 (ja) | 1992-07-14 | 1992-07-14 | 電流センサ |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3166986B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3618486B2 (ja) * | 1996-09-11 | 2005-02-09 | 株式会社ナムコ | シミュレータの操作入力装置及びこれを用いたシミュレータ |
GB2365007B (en) | 2000-07-21 | 2002-06-26 | Murata Manufacturing Co | Insulative ceramic compact |
-
1992
- 1992-07-14 JP JP18661892A patent/JP3166986B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0634668A (ja) | 1994-02-10 |
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