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JP3166609B2 - 揚重物昇降支持装置 - Google Patents

揚重物昇降支持装置

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Publication number
JP3166609B2
JP3166609B2 JP11532096A JP11532096A JP3166609B2 JP 3166609 B2 JP3166609 B2 JP 3166609B2 JP 11532096 A JP11532096 A JP 11532096A JP 11532096 A JP11532096 A JP 11532096A JP 3166609 B2 JP3166609 B2 JP 3166609B2
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JP
Japan
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rod
seat
balance beam
balance
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JP11532096A
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Inventor
茂好 川口
吉雄 芹沢
清房 椎橋
英夫 小出
Original Assignee
日立プラント建設株式会社
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Publication date
Application filed by 日立プラント建設株式会社 filed Critical 日立プラント建設株式会社
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  • Conveying And Assembling Of Building Elements In Situ (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は吊りロッド着脱装置
および吊りロッド連結方法に係り、大型発電プラントの
ボイラモジュールの昇降作業に用いられる吊りロッドを
ジャッキを用いた昇降に合わせてロッド単体を着脱させ
るのに好適な吊りロッド着脱装置および吊りロッド昇降
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図23は、例えば発電設備の設置の際な
どに、重量物を揚重するために用いられる従来の吊りロ
ッドを示したものである。この吊りロッド10は複数の
ロッド単体10Sを軸方向にねじ結合して長尺とされ、
鉄骨組された高所位置の梁部分から吊り下げられ、地上
で配管設備等を組み付けたボイラモジュールを組み付け
状況に応じて徐々に上昇させ、あるいは必要に応じて下
降させるために用いられている。このような吊りロッド
10を構成する要素であるロッド単体10Sは、コマ状
の支持部12を軸方向に複数連設した形状をしていて、
一端部に雄ねじ部14が形成してあるとともに、他端部
に他のロッド単体の雄ねじ部と螺合する雌ねじ部16が
設けてある。このように構成してある吊りロッド10の
単体は、保管場所の問題や、作業現場間を輸送するため
の便宜、取扱性、または重量物の揚重作業における作業
性等を考慮して5m程度の長さに形成してある。そし
て、吊りロッド10を使用する場合には、複数のロッド
単体10Sを相互に軸方向に螺着連結し、下部に重量物
を吊り下げた状態でジャッキにより上昇させられるよう
になっている。
【0003】すなわち、図24に示したように、重量構
造物20の周囲に鉄骨柱22を設置し、この鉄骨柱22
の上部に仮設梁24を突設して梁24上にセンタホール
型ジャッキ26を配設し、ボイラモジュール等の構造物
20を下端に取り付けた吊りロッド10を支持してい
る。吊りロッド10は、構造物20の揚重高さに見合う
分の図23に示した吊りロッド単体10Sを連結して構
成してある。そして、センタホール型ジャッキ26は、
図25に示したように、ロッド10に設けた支持部12
を介して吊りロッド10を押し上げて構造物20を揚重
する。
【0004】すなわち、センタホール型ジャッキ26
は、図25に示してあるように、シリンダ30の内部に
油圧により駆動する円筒状のラム32が配置してあると
ともに、ラム32の上部とシリンダ30の下部とに、吊
りロッド10の軸線と直交した方向にスライドする上部
チャック34と下部チャック36とが設けてあり、これ
らのチャック34、36によって吊りロッド10を支持
するとともに上方に押し上げ、構造物20を揚重するよ
うになっている。
【0005】揚重手順は、図25(1)に示してあるよ
うに、まず構造物20を吊り下げた吊りロッド10を上
部チャック34によって支持し、上部チャック34によ
って構造物20の荷重を受け止め、下部チャック36を
開放する。そして、この状態でラム32を作動し、吊り
ロッド10を1コマ分(支持部12の1つ分)押し上
げ、構造物20を吊りロッド10を介して吊り上げる。
次に、吊りロッド10が1コマ分上昇したところで下部
チャック36を閉じ、ラム32を下降させて下部チャッ
ク36によって支持部12を介して揚重荷重(吊り荷
重)を受ける。下部チャック36が吊りロッド10を支
持したならば、上部チャック34を開いてラム32をさ
らに下降さる。そして、上部チャック34が今まで支持
していた支持部の1つ下方の支持部の下まできたなら
ば、再び上部チャック34を閉じて上部チャック34に
よって吊りロッド10を支持し、下部チャック36を開
いて上記の操作を繰り返す。このようにして、ロッド1
0の相互の結合位置がセンタホール型ジャッキ26の上
部まで上昇してきたら、揚重作業を一時中断して上部の
ロッド単体10Sを取り外す。
【0006】この吊りロッド10の取り外し作業は、ま
ず取り外そうとするロッド単体10Sが転倒や落下等し
ないようにクレーンなどの機材によってロッド単体10
Sを保持したのち、螺着連結されている上部のロッド単
体10Sをチェーンレンチなどの工具を用いて人手によ
って結合解除方向に回転し、上部のロッド単体10Sを
下部のロッド単体10Sから取り外す。そして、取り外
したロッド単体10Sは、クレーンなどの装置によって
センタホール型ジャッキ26を設置した仮設梁24上に
一時保管するか、または地上に降ろして保管する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の吊り
ロッド10を介した揚重物の昇降支持装置では、吊りロ
ッドに揚重物の荷重が直接作用するようになっているた
め、何らかの原因によって揚重物に大きな荷重変化があ
ったりショックが作用すると、それらの荷重変化やショ
ックが直接吊りロッド10に伝達され、吊りロッドを損
傷したり、吊りロッドを支持しているジャッキ26に大
きな負荷変動が作用して好ましくない。さらに、複数の
ジャッキを同調して制御したとしても、各ジャッキ間の
製作誤差や油漏れ等の影響により、各ジャッキのストロ
ーク変位を均一にすることが困難であって、各ジャッキ
間の昇降量に差が生じて揚重物が傾き、吊りロッド10
に大きな曲げ応力が作用して吊りロッドを曲げ変形を生
じさせ、ロッド単体10Sの取り外しなどが困難になっ
たり、使用できなくなったりする。
【0008】本発明は、前記従来技術の欠点を解消する
ためになされたもので、吊りロッドに伝達される揚重物
側からのショック等を軽減できる揚重物昇降支持装置を
提供することを目的としている。また、本発明は、複数
のジャッキ間に昇降量の差が生じても、吊りロッドを損
傷することがない揚重物昇降支持装置を提供することを
目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る揚重物昇降支持装置は、揚重物を吊り
ロッドにより吊り下げ、吊りロッドに設けられた揚重物
ジャッキにより前記揚重物を昇降させる揚重物昇降支持
装置であって、前記吊りロッドと揚重物の連結部の一方
に円筒座を設け、この円筒座とこれに当接される他の座
面とを降伏点の異なる材料により形成し、最大設計荷重
での前記座面の面圧を前記各座の降伏点の中間に設定し
た構成となっている。
【0010】また本発明に係る揚重物昇降支持装置は、
揚重物を複数本の吊りロッドにより吊り下げ、各吊りロ
ッド毎に設けられた複数の揚重物ジャッキにより前記揚
重物を昇降させる揚重物昇降支持装置であって、前記揚
重物の下面に天秤梁を配置し、この天秤梁と前記揚重物
の支持点との対面部に荷重を支承する座面を形成すると
ともに、少なくとも一方の座を球面座として前記天秤梁
を揺動可能とし、前記天秤梁には前記球面座を挟む両側
に前記吊りロッドの連結部を設けた構成にしてある。天
秤梁への吊りロッドの連結部には、天秤梁下面とロッド
連結具との間に円筒座を設け、天秤梁の揺動変位を円筒
座にて吸収可能とすることが望ましい。
【0011】さらに本発明に係る揚重物昇降支持装置
は、揚重物を吊りロッドにより吊り下げ、各吊りロッド
毎に設けられた揚重物ジャッキにより前記揚重物を昇降
させる揚重物昇降支持装置であって、前記揚重物の下面
に天秤梁を配置し、この天秤梁と前記揚重物の支持点と
の対面部に荷重を支承する座面を形成するとともに、少
なくとも一方の座を球面座として前記天秤梁を揺動可能
とし、前記天秤梁には前記球面座を挟む両側に前記吊り
ロッドの連結部をなす補助天秤梁を設け、当該補助天秤
梁に前記吊りロッドを挿通するとともに、吊りロッドの
連結具と補助天秤梁の下面との間に円筒座を設けて吊り
ロッドの軸振れを吸収可能とした構成となっている。円
筒座とこれに当接される他の座面とを降伏点の異なる材
料により形成し、最大設計荷重での前記座面の面圧を前
記各座の降伏点の中間に設定する。
【0012】
【作用】上記構成によれば、吊りロッドと揚重物との連
結部に円筒座を設け、円筒座とこれに当接される他の座
面とを降伏点の異なる材料により形成し、最大設計荷重
での前記座面の面圧を前記各座の降伏点の中間に設定し
たことにより、最大設計荷重範囲内での瞬間的な荷重の
変化やショックは、各座の弾性変形により吸収する。ま
た、最大設計荷重を超えるような瞬間的な荷重変化やシ
ョックがあった場合には、降伏点の低い座が塑性変形し
てその荷重変化やショックを吸収するため、吊りロッド
に伝達される瞬間的な荷重の変化やショックが軽減さ
れ、吊りロッドの損傷や吊りロッドを支持しているジャ
ッキの負担を軽減することができる。
【0013】また、天秤梁を介して吊りロッドによって
揚重物を支持することにより、ジャッキ間の昇降量に差
が生じた場合に、その差をより天秤梁の揺動によって容
易に吸収することができる。このため、揚重物が傾いた
としても吊りロッドに大きな曲げ応力が作用するのを防
止でき、吊りロッドが軸振れしたり曲るなどの変形の発
生を防止することができる。さらに、天秤梁に補助天秤
梁を設けてこの補助天秤梁を介して天秤梁を吊りロッド
によって支持することにより、重量の大きな揚重物を複
数の天秤梁によって支持する場合に、各ジャッキ間の昇
降量に差が生じて揚重物が任意の方向に傾斜したとして
も、天秤梁と補助天秤梁とによって揚重物の傾斜を吸収
され、吊りロッドが曲るなど、吊りロッドが損傷するの
を防止することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る揚重物昇降
支持装置の実施の形態を図面を参照して詳細に説明す
る。
【0015】図4は、本発明の揚重物昇降支持装置が適
用されるボイラジャッキシステムの全体を示す概略図で
ある。図4において、ボイラ室を構成するボイラ鉄骨4
0の上部には、作業床42が形成されており、この作業
床42に制御盤44や、後述するボイラジャッキ等を駆
動するための油圧ユニット46が設置してあるととも
に、オペレータ48によって操作される操作盤50が設
けてある。また、作業床42には、吊りロッド52を構
成するロッド単体52Sを収納するためのロッド収納箱
54が設けてある。そして、ボイラ鉄骨40には、揚重
物であるボイラモジュール56を昇降させるためのボイ
ラサイド鉄骨フレーム58が隣接して設置してある。
【0016】ボイラモジュール56は、複数のロッド単
体52Sを軸方向に螺着連結した吊りロッド52を介し
て、詳細を後述するセンタホール型の油圧ジャッキであ
るボイラジャッキ60によって支持、昇降するようにな
っている。すなわち、ボイラサイド鉄骨フレーム58の
柱62の上端部には、上部架構64が設けられ、この上
部架構64上にボイラジャッキ60が設置してあり、こ
のボイラジャッキ60の上下に設けたチャックを交互に
作動させることにより、吊りロッド52を介してボイラ
モジュール56を支持し、昇降させることができるよう
になっている。
【0017】ボイラジャッキ60の上方には、フレーム
66を介してロッド自動着脱装置68が設けたあって、
ボイラジャッキ60の上方に位置する最上位(先端)の
ロッド単体52S1をその下のロッド単体52S2から
取り外したり、ロッド単体52S2にロッド単体52S
1を連結できるようにしてある。また、ロッド自動着脱
装置68の、ボイラジャッキ60側と反対側の下方に
は、着脱装置68が取り外したロッド単体52Sを作業
床42に設けたロッド収納箱54に搬送、収納したり、
ロッド収納箱54に収納してあるロッド単体52Sをロ
ッド自動着脱装置68に渡すためのロッド搬送装置70
が設けてある。
【0018】ボイラモジュール56は、複数のボイラジ
ャッキ60によって支持される図1ないし図3に示した
I型鋼からなる大梁500の下部に固定してある。大梁
500は、図3に示したように、例えば一対が平行配置
され、吊りロッド52を介してボイラジャッキ60によ
って所定の高さまで吊り上げられると、ボイラジャッキ
60を固定設置したジャッキ取付梁502の下面に、ボ
イラモジュール56を吊り下げた状態で大梁上部座50
4を介して固定される。そして、各大梁500が固定さ
れるジャッキ取付梁502は、側部に手摺504を備え
た作業床406が設けてあるとともに、一方の大梁50
0が固定されるジャッキ取付梁502と他方の大梁50
0が固定されるジャッキ取付梁502との間を連結床5
08によって相互に連結してあり、これらのジャッキ取
付梁502間を行き来できるようにしてある。この連結
床508の側部には、手摺510が設けてあって、作業
者の転落事故を防止している。
【0019】大梁500の下部に固定したボイラモジュ
ール56を昇降させる場合には、ボイラジャッキ60よ
って支持した吊りロッド52の下端に設けた天秤装置5
12によって大梁500の両端を支持して行うようにな
っている。この実施の形態においては、各大梁500の
両端部に天秤装置512を配置し、ボイラモジュール5
6の昇降を行うようにしている。各天秤装置512は、
詳細を後述する吊り替えプレート514に枢着した一対
の補助天秤梁である上部天秤梁516と、その下方に位
置する下部天秤梁518とを有している。
【0020】上部天秤梁516と下部天秤梁518とは
直交配置してある。そして、下部天秤梁518の両端部
を支持する一対の吊り替えプレート514は、大梁50
0の両側方に配置され、ピン522を介して吊り替えプ
レート514の下部に枢着した下部天秤梁518が大梁
500の下方に位置し、ピン520を介して吊り替えプ
レート514の上部に枢着した一対の上部天秤梁516
が大梁500の両側方に位置している。また、各上部天
秤梁516は、図1に示したように、長手方向両端部が
大梁500の長手方向に配置した一対のボイラジャッキ
60(例えば、ボイラジャッキ60A、60B)の支持
する吊りロッド52の下端に揺動自在に支持されてい
る。一方、各天秤梁516、518を吊り替えプレート
514に枢着しているピン520、522は、図2にピ
ン522について示したように、キープレート524に
よって抜け止めが図られている。
【0021】下部天秤梁518は、図1に示されている
ように、天板526と底板528および天板526と底
板528とを連結する一対の側板530とを有し、この
一対の側板530間に吊り替えプレート514の下部が
挿入してあって、側板530と吊り替えプレート514
とがピン522によって結合してある。また、側板53
0の長手方向の適宜の箇所には、天板526と底板52
8との間に渡した複数の補強板532が設けてある。さ
らに、下部天秤梁518の上面中央部には、大梁500
を介して作用するボイラモジュール56の荷重を支持す
る荷重受け機構534が設けてある(図2参照)。
【0022】荷重支持機構534は、図5に示したよう
に、下部天秤梁518の天板526にボルトによって固
定した球面座536を有している。この球面座536
は、上部の球面に形成された座面に、大梁500の下面
に取付板538を介して取り付けた受け座540の座面
が当接し、受け座540を介して大梁500とボイラモ
ジュール56との荷重を支承するとともに、大梁500
が前後、左右に傾くのを可能にしている。また、下部天
秤梁518には、球面座536の周囲に両座間のずれを
防止するための規制リング542が配設してある。規制
リング542は、天板526に形成したばか孔544を
貫通している止めボルト545によって天板526に取
り付けてあり、上端が大梁500側の取付板538に当
接可能となっている。そして、規制リング542と天板
526との間には、緩衝材546が配設してあって、受
け座540が球面座536に確実に当接できるようにし
てあるとともに、大梁500側から伝達される衝撃を吸
収できるようにしてある。さらに、規制リング542の
外側部には、ブラケット548を介して取り付けた規制
ボルト549が先端を規制リング542に向けて配置し
てあって、規制リング542の偏位を防止している。
【0023】上部天秤梁516と下部天秤梁518とを
枢着する吊り替えプレート514は、一対の上部板56
8と一対の下部板570とを主な構成要素としている。
上部板568は上端部が半円形に形成されて対向配置し
てある。また、下部板570は、上部が幅狭部572と
なっているとともに、下端部が半円形に形成されたしゃ
もじ状をなし、幅狭部572が一対の上部板568間に
上部板568と板面を直交させて挿入され、その側部が
各上部板568に固着されている。そして、各上部板5
68と各下部板570とには、半形部と同心にピン52
0、522を介して上部天秤梁516と下部天秤梁51
6とを枢着するピン孔574、576が設けてある。ま
た、各上部板568には、外面のピン孔574周囲にリ
ング状の補強板578が設けてあるとともに、この補強
板578の下方にU型フック580が取り付けてある。
一方、各下部板570には、対向面のピン孔576の周
囲にリング状の補強板582が固定してある。
【0024】上部天秤梁516は、図7(1)に示して
あるように、対向配置した一対の側板584を有してい
る。これらの側板584は、両者間の上部中央に介在さ
せた天板586を介して相互に連結してある。そして、
各側板584は、図7(2)に示したように、長手方向
の中央下部が半円形状の張出し部588となっていて、
この張出し部588と同心にピン520を挿通できるピ
ン孔590が形成してある。また、一対の側板584間
には、適宜の箇所にリブ板592が設けてあって、上部
天秤梁516の強度の向上が図られている。天板586
は、長さが側板584より短く形成してあって、その両
端に吊りロッド52を通すための半円形の切り欠き59
4が設けてある。そして、天板586の上面には、吊り
金具596が側板584と直交するように立設してあ
る。この吊り金具596には、ワイヤ等を連結するため
の連結孔598が形成してある(図8(2)参照)。
【0025】一方、側板584のピン孔590の周囲に
は、内外両面に側板584を補強する補助板600、6
02が設けてある。さらに、側板584の下部には、張
出し部588の両側に、座板604が固定してある。こ
の座板604は、一対の側板584間に渡して取り付け
てあるとともに、吊りロッド52を貫通させるためのロ
ッド孔606が、天板586の切り欠き594と同心に
形成してある。そして、座板604の下面は、図1に示
してあるように、吊りロッド52を貫通させている天秤
受け座608の座面に当接するようになっている。
【0026】この天秤受け座608は、図9(1)に示
したように、平面視形状が方形をなし、中央に吊りロッ
ド52を貫通させるロッド孔610が設けてある。ま
た、天秤受け座608は、図9(2)に示してあるよう
に、底面612が平坦面に形成してあって、上面中央部
の座面614が上部天秤梁516の長手方向となる左右
方向にカーブした円弧に形成してあって、正面視形状が
蒲鉾形をしている。そして、ロッド連結部となっている
天秤受け座608の下方には、円筒座550が配置して
ある。この円筒座550は、座面が吊りロッド52の下
端部に螺着したロッド連結具であるナット551に当接
している。従って、吊りロッド52は、ナット551、
円筒座550、天秤受け座608を介して上部天秤梁5
16を傾斜可能に支持している。
【0027】円筒座550は、図10に示してあるよう
に、座本体552と受け皿554とからなっている。座
本体552は、下部の座面側断面が台形状をなしてい
て、中央部に吊りロッド52を貫通させる貫通孔556
が設けられている。そして、貫通孔556の周囲に平坦
な座面558が形成され、座面558の外側の縁部が傾
斜面560となっている。一方、受皿554は、座本体
552の上部を受入れる収納部562を有する断面凹状
をなし、中央部に座本体552の貫通孔556と同径の
貫通孔564が形成してある。そして、受け皿554の
リング状縁部566は、座本体552が作用する荷重に
よって圧縮されて半径方向に伸びるのを防止している。
また、座本体552と受け皿554とは、複数のボルト
によって一体化されるようになっている。
【0028】本実施例の場合、座本体552は降伏点が
2.8t/cm2 である黄銅によって形成してあり、受
け皿554が黄銅より剛性の大きい鉄などによって形成
してある。また、吊りロッド52側の座となるナット5
51は、黄銅より降伏点の大きな材料、例えば降伏点が
3.6t/cm2 であるS45C(鋼)により形成して
ある。そして、座本体552のナット551との接触面
積、すなわち座面558の面積が48cm2 にしてあっ
て、座面558に作用する最大設計荷重を160tに設
定し、最大設計荷重が作用したときの座面558の面圧
が3.3t/cm2 と、黄銅の降伏点と鉄(鋼)の降伏
点との中間となるように設計してある。従って、最大設
計荷重までの瞬間的な荷重変化やショックは、円筒座5
50の降伏点以下の弾性変形の範囲で使用し、瞬間的な
荷重変化やショックを吸収するようにしている。また、
最大設計荷重を超える瞬間的な荷重変化またはショック
が円筒座550に作用した場合、座本体552の塑性変
形を利用してその衝撃を吸収するようにしてある。
【0029】ボイラジャッキ60は、図11に示してあ
るように、ジャッキ取付梁502に設置されるボックス
容器状のラムチェア72の上面部に立設された固定外筒
部材としてのシリンダ74と、これに内挿されるラム7
6とからなっている。シリンダ74は二重壁構造とされ
て壁体内部に形成された油圧室の上部開口から前記ラム
76を収容してラム76を昇降可能としている。油圧室
は、ラム76の挿入下端面側に形成される押し油室78
と、これより上位でラム下端部で仕切られラム76の側
壁面部分に形成される戻し油室80とからなり、押し油
室78へ作動油を供給することによってラム76を上昇
させ、押し油室78を開放し、戻し油室80に作動油を
供給することによりラム76を下降させることができ
る。
【0030】このようなボイラジャッキ60の中心部に
はセンタホール82が形成され、このホール82内に吊
りロッド52を通し、吊りロッド52に形成されたネッ
ク部分を保持することにより連結されているボイラモジ
ュール56を支持しつつ、ラム76の駆動に伴って昇降
させるようになっている。ロッドネック部を支持するた
めにジャッキ60のラム天端部に上部チャックユニット
84が設けてあり、またシリンダ74の下部にあるラム
チェア72の内部に下部チャックユニット86が設けて
ある。この詳細を上部チャックユニット84について図
12〜14に示す。
【0031】図12は図11のA矢視図、図13は図1
2のC−C断面図であり、図14はセンサブラケット1
00(図12参照)を取り外した状態の側面図である。
上部チャックユニット84は、図示のように、中央に開
口が形成されるとともに矩形に形成されたチャックベー
ス88があり、これをラム76の天端面に固定させてい
る。このチャックベース88の上面には半割された一対
のチャック90が面摺動可能に載置されている。チャッ
ク90は半割部分で開閉されるが、この開閉方向を規制
するために、チャックベース88の対向する一対の縁辺
に沿って逆L字型のスライドガイド92が取り付けら
れ、このガイド92に各チャック90の両縁部を係合さ
せている。そして、各チャック90の後縁部には、ブラ
ケット94が固定されており、ブラケット94の両端部
分に、左右一対のチャック90を開閉駆動させるための
油圧シリンダ96が連結してある。油圧シリンダ96
は、スライドガイド92の上面部分に位置し、その伸縮
作用によってガイド方向に沿って伸縮され、チャック9
0の開閉を行う。
【0032】また、上部チャックユニット84は、チャ
ック90の閉鎖時において吊りロッド52のネック部に
係合する半円リング状のトッププレート98を備えてい
る。すなわち、チャック90は、半割部分に吊りロッド
52のネック径よりやや大径の半円状切欠を形成してお
き、上面部にチャックを閉じ合わせた際にネック径にほ
ぼ一致する円形開口が形成されるように半円切欠が形成
されたトッププレート98を固定しているのである。
【0033】一方、各スライドガイド92の外側面に
は、逆L字状をなすセンサブラケット100が固定して
ある。そして、センサブラケット100は、先端部が下
方にL字状に折曲されてトッププレート98の上面より
低くなっており、この低い段部上にチャック90が開い
たことを検知する開放センサ102と、チャック90が
閉じたことを検出する閉鎖センサ104とが配設してあ
る。なお、下部チャックユニット86も上記上部チャッ
クユニット84と同様に構成されているが、当該ユニッ
ト86はラムチェア72の内部に設置され、シリンダ7
4の下部にて吊りロッド52をチャッキングできるよう
にしている。
【0034】ここで、実施例に係るボイラジャッキ60
は、吊りロッド52を構成するロッド単体52Sの長さ
が昇降ストロークの単位となるように設定されており、
このため、ロッド単体52Sの長さ以上の昇降ストロー
クを有するように構成されている。まず、吊りロッド5
2は、図11、図14に示したように、ロッド単体52
Sを軸方向に複数連結して長尺に構成されるが、各ロッ
ド単体52Sは、ロッド部52Aの上端部に大径の頭部
52Bを形成してあるとともに、ロッド部52Aの下端
部分に雄ねじ部52Cが設けてある。また、頭部52B
の端面中央部には、雌ねじ部52Dを設けたものとなっ
ている。そして、この雌ねじ部52Dに他のロッド単体
の雄ねじ部52Cを螺合させることにより、複数のロッ
ド単体52Sを軸方向に螺着連結できるようにしてい
る。また、ロッド単体52Sは、頭部52Bの上端近く
に、吊りロッド着脱装置68の把持爪に設けた突起と係
合する落下防止用の溝52Eが形成してある。
【0035】このような吊りロッド52は、チャックユ
ニットにチャッキングされることで荷重支持可能となる
が、ボイラジャッキ60は、上部チャックユニット84
と下部チャックユニット86とが、上方のロッド単体5
2Sとそれより複数下位に位置するロッド単体52Sと
を同時にチャッキングできるとともに、上部チャックユ
ニット84による荷重支持状態から下部チャックユニッ
ト86への荷重支持の移行ができるようにされている。
もちろん、ラム76が下降位置から上昇に転ずる際に、
下部チャックユニット86による荷重支持状態から、上
部チャックユニット84による荷重支持状態への移行も
可能となっている。これはラム76の昇降ストロークを
ロッド単体52Sの長さよりも若干大きく設定すること
で実現できる。
【0036】ところで、下部チャックユニット86によ
る吊りロッド52の荷重支持状態に移行すると、上部チ
ャックユニット84を開放させることでラム76が昇降
可能となり、吊りロッド52の最上端部でのロッド単体
52Sの着脱が可能となる。ところが、下部チャックユ
ニット86による支持位置からロッド最上端までの間に
は複数のロッド単体52Sが連結状態にあり、特に先端
ロッド単体52Sのねじ結合を解除して分離させようと
する場合には、それより下位に位置するセンタホール8
2内のねじ連結部分のねじ緩みを発生させる可能性があ
る。そこで、ボイラモジュール56を上昇させてロッド
単体52を取り外す上昇モードの場合において、ラム7
6が上昇して持ち上げたロッド単体52S2とシリンダ
74の上部から突出され次に持ち上げられるロッド単体
52S3(図11参照)との間の回転を制動する廻り止
め機構が設けられている。
【0037】まず、ボイラジャッキ60の周囲には、立
設状態にあるジャッキ60を安定に支持するために構築
されたラーメン構造のフレーム66が配置されており
(図11参照)、ジャッキ60の適宜箇所がフレーム6
6によって保持されている。このようなフレーム66に
おいて、下降させたラム76の上端部で上部チャックユ
ニット84がチャッキングしようとするロッド単体52
Sの直上部に連結されているロッド単体52S2を廻り
止め対象とすべく、当該ロッド単体52S2の大径頭部
52Bの高さ位置に設けられた横梁部106部分に廻り
止め機構110が装備されている。
【0038】この廻り止め機構110は、図11のB矢
視図である図15に示すように、一対の旋回アーム11
2を有し、アーム間を連結する油圧シリンダ114によ
り先端部の開閉動作を行わせるようにし、開閉先端部に
設けた加圧ブロック116によってロッド単体52S2
の大径頭部52Bを加圧挟持するようにしている。旋回
アーム112は、加圧ブロック116がボイラジャッキ
60の軸心線位置で開閉されるように、途中を横梁部1
06と平行配置された取付ビーム118に旋回軸120
を介して取り付けられるとともに、油圧シリンダ114
側の端部を横梁部106内で摺動させるようにして水平
旋回できるようにしている。これにより、一対の旋回ア
ーム112は取付ビーム118と横梁部106とによっ
て水平旋回可能にガイドされつつ、油圧シリンダ114
による駆動力によってロッド大径頭部52Bを挟持し、
廻り止めを実現するものとしている。
【0039】横梁部106の、取付ビーム118が渡し
てある旋回アーム112両側の一対のビーム122、1
23には、加圧ブロック116と対応した位置に着脱セ
ンサ124が設けてある。この着脱センサ124は、対
向配置した4対の光センサ124A〜124Dから構成
してあって、吊りロッド52を構成しているロッド単体
52S相互の分離、連結を検出できるようになってい
る。すなわち、着脱センサ124は、図16に示したよ
うに、センサ124A〜124Cが廻り止め機構110
によって把持されたロッド単体52Sの頭部52B先端
面とほぼ等しい位置に配置されている。そして、センサ
124Bがロッド単体52Sの直径方向中央に位置して
おり、センサ124A、Cがその両側の、ロッド単体5
2Sの雄ねじ部52Cを検出できる位置に配置してあっ
て、これらのセンサ124A〜124Cの発光部と受光
部との間が遮光されてオフすることにより、ロッド単体
52Sが連結されたことを検出できるようになってい
る。また、センサ124Dは、センサ124Bの直上に
位置していて、ロッド単体152Sを取り外したときに
受光部が発光部からの光を受光してオンとなり、ロッド
単体52Sが完全に分離したことを検出できるようにし
てある。
【0040】取付ビーム118の旋回アーム112後端
側には、センサビーム126が取付ビーム118と平行
に配設してある。センサビーム126はアングルからな
っていて、図15のF−F線に沿う断面図である図17
(1)に示してあるように、旋回アーム112の下方に
位置し、このセンサビーム126に、図15のG−G線
に沿う断面図である図17(2)に示してあるように、
4つの逆L字状のブラケット128が固定してある。そ
して、ブラケット128の上面には、加圧ブロック11
6がロッド単体52Sを挟持したことを検出する制動検
出センサ132と、加圧ブロック116により挟持が解
除されたことを検出する制動解除センサ130とが取り
付けてある。
【0041】また、上記廻り止め機構110を設けたこ
とにより最先端ロッド単体52S1の自動着脱が可能と
なっている。この構成例を図18に示す。図示のよう
に、2連のボイラジャッキ装置の上方に設けたメインフ
レーム266に横行フレーム264取り付けてある。そ
して、この横行フレーク264にねじ軸からなる横行駆
動軸134を設置してあって、横行駆動軸134の一端
を接続した横行モータ268を駆動することにより、横
行駆動軸134に案内されて隣接しているボイラジャッ
キ装置のいずれかの上部に位置移動できるロッド自動着
脱装置68を設けている。この着脱装置68は、回転ユ
ニット138の下端に設けた着脱チャック140を、サ
ーボモータからなる回転モータ142より回転できるよ
うにしてあるとともに、サーボモータからなる昇降モー
タ144によって回転ユニット138を昇降できるよう
にしてある。この着脱装置68を一方のボイラジャッキ
装置の直上部に移動停止させた後、下降移動させて制動
が加えられているロッド単体52S2の直上部にある先
端ロッド単体52S1の大径頭部52Bを掴み、ねじ結
合を解除するように回転駆動させることで、先端のロッ
ド単体52S1を取り外しとともに、取り外したロッド
単体52S1をロッド搬送装置70に移載できるように
してある。また、逆にロッド単体52Sを吊りロッド5
2に連結する下降モードの時の場合、ロッド自動着脱装
置68は、ロッド搬送装置70によって搬送されてきた
接続すべきロッド単体52S1をチャッキングして連結
位置に搬入し、制動が加えられているロッド単体52S
2に向けてねじ締めするように回転駆動させることによ
って、連結が行われるのである。
【0042】このように構成されたボイラジャッキ装置
の作動を、上昇モードをなす場合について、図19の模
式図を参照して説明する。初期状態は、同図(1)に示
すように、下部チャックユニット86が閉状態にあり、
当該下部チャックユニット86によってボイラモジュー
ル56を吊り下げている吊りロッド52を支持してい
る。ボイラモジュール56を上昇させる場合には、まず
上部チャックユニット84を閉作動し、ジャッキ60の
ラム76を上昇させ、同図(2)に示すように、上昇に
よって吊りロッド52の荷重を上部チャックユニット5
6に移行したのち、下部チャックユニット86の開動作
を行わせる。
【0043】その後、ラム76が上昇端に達するまでラ
ム76の上昇駆動を継続することにより、上部チャック
ユニット84がチャッキングしているロッド単体52S
2の大径頭部52Bが廻り止め機構110の作動位置に
達する(同図(3))。ラム76が上昇端に達した後、
下部チャックユニット86を閉作動させ、ラム76を下
降させることにより、吊りロッド52の荷重を下部チャ
ックユニット58側に移行する。これはラム76が10
数ミリ程度下降したことを検出することによって確認で
きる。この荷重移行により、廻り止め機構110を作動
させ、最先端部から2番目のロッド単体52S2の制動
を行うのである。これにより荷重支承部である下部チャ
ックユニット86と制動されているロッド単体52S2
との間に複数のロッド連結部があっても、この部分での
ロッド回転が阻止される。そこで、同図(4)に示すよ
うに、制動されているロッド単体52S2より上位の最
先端ロッド単体52S1の解除作業を行わせ、同時にラ
ム76は下降移動に転じて次の上昇駆動開始位置まで復
帰するのである。
【0044】ロッド解除作業は手動でも可能であるが、
前述したロッド自動着脱装置68によりロッド単体52
S1をねじ解除方向に回転駆動させつつ上昇させ、同図
(5)に示すように離脱させたのち、ロッド搬送装置7
0に移載し、ロッド搬送装置70によってロッド収納箱
54に搬入すればよい。この作業が終了する時点ではラ
ム76は次の上昇作業の開始状態にあり、以後図示した
(1)〜(5)の作業を繰り返せばよい。なお、逆に下
降モードの場合には、ロッド搬送装置70によって搬送
されてきたロッド単体52Sをロッド自動着脱装置68
によって吊りロッド52の上方に搬入し、図19に示し
た場合のほぼ逆の手順(5)〜(1)をたどる作業を行
わせるればよい。
【0045】吊りロッド52を介してのボイラモジュー
ル56の昇降は、各ボイラジャッキ60のストローク変
位が均一になるように、図示しない制御装置によって制
御することにより行われる。しかし、各ボイラジャッキ
装置間の製作誤差等による出力のバラツキによって各ボ
イラジャッキ60のストローク変位が均一にならず、複
数の吊りロッド52間の昇降速度に差が生じると、その
差を天秤装置512が吸収して吊りロッド52に大きな
曲げモーメントが作用するのを防止し、吊りロッド52
の損傷等を避けることができる。
【0046】すなわち、例えば上昇モードにおいて、吊
りロッド52を介して上部天秤梁516を支持してい
る、図1に示したボイラジャッキ60A、60Bのラム
76の上昇速度に差が生じ、ボイラジャッキ60Bのロ
ッド吊り上げ速度がボイラジャッキ60Aより大きくな
ると、上部天秤梁516がピン520を中心に図1の時
計方向に回動する。そして、上部天秤梁516は、吊り
替えプレート514に枢着してあるとともに、連結具で
ある吊りロッド52のナット551と上部天秤516と
の間に円筒座550、天秤受け座608が配置してあっ
て、この円筒座550、天秤受け座608を介して上部
天秤梁516が支持されているため、上部天秤梁516
が傾斜したとしてもその傾斜が円筒座550、天秤受け
座608によって吸収され、上部天秤516が傾斜した
としても吊りロッド52に大きな曲げ応力が作用するの
を避けることができる。従って、吊りロッド52の軸振
れを防止でき、吊りロッド52が曲ってロッド単体52
Sの取り外しが困難になったり、ロッド単体52Sが使
用不能になったりするのを防止することができる。下降
モードの場合も同様である。
【0047】また、大梁500の長手方向両端間または
左右側間に上昇速度に差が生じた場合、すなわち、図1
に示したボイラジャッキ60A側とボイラジャッキ60
C側、または図1の紙面に直交した方向の両端における
吊りロッド52の間に上昇速度の差が生じた場合、この
速度差は下部天秤梁518と大梁500との間に設けた
荷重受け機構534によって吸収される。例えば、ボイ
ラジャッキ60A側のロッド52の上昇速度がボイラジ
ャッキ60C側の吊りロッド52の上昇速度より大きく
なった場合、下部天秤梁518が受け座540を介して
大梁500を支持している球面座536の上面中央を中
心に図1の時計方向に回動する。このとき、球面座53
6の周囲に配設してある規制リング542は、緩衝材5
46を介して下部天秤梁518に取り付けたあるため、
下部天秤梁518の持ち上げられる側が弾性変形して沈
み込んで下部天秤梁518の回動を可能にする。そし
て、下部天秤梁518は、ピン522を介して、吊りロ
ッド52の下端に取り付けた吊り替えプレート514に
枢着してあるため、吊りロッド52に曲げ応力を作用さ
せて吊りロッド52の軸振れを生じさせることがなく、
吊りロッド52の損傷が防止される。大梁500の長手
方向における上昇速度に差が生じた場合も同様であり、
下降モードの場合も同様である。
【0048】なお、制御装置は、各ボイラジャッキのス
トローク変位の間に予め定めた以上の偏差が生じた場
合、ストローク変位の大きなボイラジャッキの出力を小
さくする等して、各ボイラジャッキのストロークが均等
になるように昇降速度の調整を行う。
【0049】図20〜図22は、他の実施の形態を示し
たものである。これらの図において、鉄骨フレーム61
6は、ベースフレーム617の上に設置してあって、そ
の上部に設けた一対の横梁618間に一対の渡し梁61
9が固定してある。そして、各渡し梁619の上には、
それぞれ2対ずつのジャッキ取付梁502が渡し梁61
9に直交させて設置してあり、これらのジャッキ取付梁
502の両端部にそれぞれ油圧ジャッキ620A〜62
0P(油圧ジャッキ620M〜620Pは図示せず)が
取り付けてある。これらの油圧ジャッキ620(油圧ジ
ャッキ620A〜620P)は、内部を吊りロッド52
が貫通し、この吊りロッド52を介して揚重物624を
昇降させる、前記したボイラジャッキ60と同様に構成
したセンタホール型のジャッキである。
【0050】各油圧ジャッキ620は、油圧ジャッキ6
20A〜620D、油圧ジャッキ620E〜620H、
油圧ジャッキ620I〜620L、油圧ジャッキ620
M〜620Pがそれぞれ1組となって吊りロッド52を
介して1つの天秤装置512A〜512D(天秤装置5
12Dは図示せず)をフローティング支持している。そ
して、各天秤装置512A〜512Dは、上部に鋼板や
資材などの揚重物624が配置してある荷重受けフレー
ム626を支持している。
【0051】荷重受けフレーム626は、平行配置した
一対のウエート梁628と、一対のウエート梁628の
上に直交配置して固定した平行な一対の中間梁630、
これらの中間梁630の上部に直交配置して固定した平
行な複数の荷重受け梁632とから構成してある。そし
て、各ウエート梁628は、両端部にそれぞれ天秤装置
512が配置してあって、一対の天秤装置512によっ
て支持されている。そして、各天秤装置512の下部天
秤梁518の中央部には、前記した球面座536を有す
る荷重受け機構534が設けてあって、この荷重機構5
34を介してウエート梁628を支持するようにしてあ
る。
【0052】このように構成した本実施形態において
は、各油圧ジャッキ620A〜620Pの出力を制御装
置によって制御し、各ジャッキの昇降ストローク変位が
均一となるようにする。そして、各ジャッキ間の昇降速
度に差が生じた場合には、前記のように天秤装置512
によって吊りロッド52の軸振れが吸収され、吊りロッ
ド52の損傷を回避することができる。
【0053】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、吊りロッドと揚重物との連結部に円筒座を設け、円
筒座とこれに当接される他の座面とを降伏点の異なる材
料により形成し、最大設計荷重での前記座面の面圧を前
記各座の降伏点の中間に設定したことにより、最大設計
荷重範囲内での瞬間的な荷重の変化やショックは、各座
の弾性変形により吸収する。また、最大設計荷重を超え
るような瞬間的な荷重変化やショックがあった場合に
は、降伏点の低い座が塑性変形してその荷重変化やショ
ックを吸収するため、吊りロッドに伝達される瞬間的な
荷重の変化やショックが軽減され、吊りロッドの損傷や
吊りロッドを支持しているジャッキの負担を軽減するこ
とができる。
【0054】また、天秤梁を介して吊りロッドによって
揚重物を支持することにより、ジャッキ間の昇降量に差
が生じた場合に、その差をより天秤梁の揺動によって容
易に吸収することができ、吊りロッドに大きな曲げ応力
が作用するのを防止でき、吊りロッドが軸振れしたり曲
るなどの変形の発生を防止することができる。さらに、
天秤梁に補助天秤梁を設けてこの補助天秤梁を介して天
秤梁を吊りロッドによって支持することにより、重量の
大きな揚重物を複数の天秤梁によって支持する場合に、
各ジャッキ間の昇降量に差が生じて揚重物が任意の方向
に傾斜したとしても、天秤梁と補助天秤梁とによって揚
重物の傾斜を吸収され、吊りロッドが曲るなど、吊りロ
ッドが損傷するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るの揚重物昇降支持装
置の側面図である。
【図2】実施の形態に係る揚重物昇降支持装置の正面図
である。
【図3】実施の形態に係る揚重物昇降支持装置の正面側
から見たボイラジャッキの配置状態を示す図である。
【図4】実施の形態に係る揚重物昇降支持装置が適用さ
れるボイラジャッキシステムの全体を説明する概略図で
ある。
【図5】実施の形態に係る天秤装置と大梁との間に設け
られる荷重受け機構の一部断面図である。
【図6】実施の形態に係る天秤装置の天秤梁を枢着する
吊り替えプレートの詳細説明図である。
【図7】実施の形態に係る天秤装置を構成する上部天秤
梁の平面図、正面図、底面図である。
【図8】実施の形態に係る上部天秤梁の横断面図と縦断
面図である。
【図9】実施の形態に係る天秤受け座の平面図と正面図
である。
【図10】実施の形態に係る円筒座の詳細を示す一部断
面図である。
【図11】実施の形態に係るボイラジャッキ装置の部分
断面側面図である。
【図12】図11のA矢視図であって、実施の形態に係
る上部チャックユニットの平面図である。
【図13】図12のC−C線に沿う断面図である。
【図14】実施の形態に係る上部チャックユニットのセ
ンサブラケットを取り外した状態の側面図である。
【図15】図11のB矢視図であっって、廻り止め機構
の平面図である。
【図16】図15のD−D線に沿う矢視図である。
【図17】図15のF−F線とG−G線とに沿う断面図
である。
【図18】実施の形態に係るボイラジャッキ装置とロッ
ド自動着脱装置との組立構成図である。
【図19】実施の形態に係る吊りロッド昇降方法を説明
する模式図である。
【図20】実施の形態に係る揚重物昇降支持装置を備え
た揚重装置の他の実施例の正面図である。
【図21】実施の形態に係る揚重物昇降支持装置を備え
た揚重装置の他の実施例の側面図である。
【図22】実施の形態に係る揚重物昇降支持装置を備え
た揚重装置の他の実施例の一部平面図である。
【図23】従来例に係るロッド単体の平面図および正面
図である。
【図24】吊りロッドによるボイラモジュールの揚重状
態の説明図である。
【図25】従来の吊りロッドによる揚重方法の説明図で
ある。
【符号の説明】
52 吊りロッド 52S ロッド単体 56 揚重物(ボイラモジュール) 60 ボイラジャッキ 68 ロッド自動着脱装置 70 ロッド搬送装置 84 上部チャックユニット 86 下部チャックユニット 110 廻り止め機構 500 大梁 512 天秤装置 516 補助天秤梁(上部天秤梁) 518 天秤梁 534 荷重受け機構 536 球面座 550 円筒座 551 ロッド連結具(ナット) 608 天秤受け座
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小出 英夫 東京都千代田区内神田一丁目1番14号 日立プラント建設株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−132294(JP,A) 特開 昭56−167862(JP,A) 実開 平6−59400(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B66F 1/04 - 1/08

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 揚重物を吊りロッドにより吊り下げ、吊
    りロッドに設けられた揚重物ジャッキにより前記揚重物
    を昇降させる揚重物昇降支持装置であって、前記吊りロ
    ッドと揚重物の連結部の一方に円筒座を設け、この円筒
    座とこれに当接される他の座面とを降伏点の異なる材料
    により形成し、最大設計荷重での前記座面の面圧を前記
    各座の降伏点の中間に設定したことを特徴とする揚重物
    昇降支持装置。
  2. 【請求項2】 揚重物を複数本の吊りロッドにより吊り
    下げ、各吊りロッド毎に設けられた複数の揚重物ジャッ
    キにより前記揚重物を昇降させる揚重物昇降支持装置で
    あって、前記揚重物の下面に天秤梁を配置し、この天秤
    梁と前記揚重物の支持点との対面部に荷重を支承する座
    面を形成するとともに、少なくとも一方の座を球面座と
    して前記天秤梁を揺動可能とし、前記天秤梁には前記球
    面座を挟む両側に前記吊りロッドの連結部を設けたこと
    を特徴とする揚重物昇降支持装置。
  3. 【請求項3】 前記天秤梁への吊りロッドの連結部に
    は、天秤梁下面とロッド連結具との間に円筒座を設け、
    天秤梁の揺動変位を円筒座にて吸収可能としたことを特
    徴とする前記請求項2に記載の揚重物昇降支持装置。
  4. 【請求項4】 揚重物を吊りロッドにより吊り下げ、各
    吊りロッド毎に設けられた揚重物ジャッキにより前記揚
    重物を昇降させる揚重物昇降支持装置であって、前記揚
    重物の下面に天秤梁を配置し、この天秤梁と前記揚重物
    の支持点との対面部に荷重を支承する座面を形成すると
    ともに、少なくとも一方の座を球面座として前記天秤梁
    を揺動可能とし、前記天秤梁には前記球面座を挟む両側
    に前記吊りロッドの連結部をなす補助天秤梁を設け、当
    該補助天秤梁に前記吊りロッドを挿通するとともに、吊
    りロッドの連結具と補助天秤梁の下面との間に円筒座を
    設けて吊りロッドの軸振れを吸収可能としたことを特徴
    とする揚重物昇降支持装置。
  5. 【請求項5】 前記円筒座とこれに当接される他の座面
    とを降伏点の異なる材料により形成し、最大設計荷重で
    の前記座面の面圧を前記各座の降伏点の中間に設定した
    ことを特徴とする請求項4に記載の揚重物昇降支持装
    置。
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