JP3160154B2 - 左側通行用空気入りタイヤ - Google Patents
左側通行用空気入りタイヤInfo
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- B60C—VEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
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- B60C2011/0339—Grooves
- B60C2011/0381—Blind or isolated grooves
- B60C2011/0383—Blind or isolated grooves at the centre of the tread
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Tires In General (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、トレッドパターンに起
因する残留コーナリングフォースの影響を抑制し、操縦
安定性を向上させ、左側通行に適した空気入りタイヤに
関する。
因する残留コーナリングフォースの影響を抑制し、操縦
安定性を向上させ、左側通行に適した空気入りタイヤに
関する。
【0002】
【従来の技術】一般の道路面は排水性を高めるために、
中央部が高く、路肩に行くに従って低くなる傾斜(カン
ト)を備えているから、直線道路を車両が直進走行する
際には、車両は、路面からカントを下る方向に力を受け
るため、その方向に車両が流れる傾向にある。しかし、
タイヤの構造、形状等の要因によって実質的にタイヤは
それ自身が横力を発生させうる。この横力を残留コーナ
リングフォースという。この残留コーナリングフォース
とカントによる横方向の力が釣り合えば、前述の車両の
流れは生じない。通常、残留コーナリングフォースは、
トレッド内に埋設されたベルト、特に半径方向外側のベ
ルトコードの方向による影響が大きいものであり、ベル
トコードの貼付方向は路面のカントによって決定され
る。例えば、左側通行では、路面が左下がりのカントを
備えているから、最外層ベルトコードをタイヤ外側から
見て右上がりの方向に貼付することにより(図7参
照)、車両の流れを防止することができる。
中央部が高く、路肩に行くに従って低くなる傾斜(カン
ト)を備えているから、直線道路を車両が直進走行する
際には、車両は、路面からカントを下る方向に力を受け
るため、その方向に車両が流れる傾向にある。しかし、
タイヤの構造、形状等の要因によって実質的にタイヤは
それ自身が横力を発生させうる。この横力を残留コーナ
リングフォースという。この残留コーナリングフォース
とカントによる横方向の力が釣り合えば、前述の車両の
流れは生じない。通常、残留コーナリングフォースは、
トレッド内に埋設されたベルト、特に半径方向外側のベ
ルトコードの方向による影響が大きいものであり、ベル
トコードの貼付方向は路面のカントによって決定され
る。例えば、左側通行では、路面が左下がりのカントを
備えているから、最外層ベルトコードをタイヤ外側から
見て右上がりの方向に貼付することにより(図7参
照)、車両の流れを防止することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、残留コ
ーナリングフォースは、トレッドに設けられたトレッド
パターンに起因するものもあり、ベルトコードの貼付方
向だけでは適切な残留コーナリングフォースの発生を得
ることが困難であった。ここで、残留コーナリングフォ
ースの発生メカニズムについて述べると、タイヤトレッ
ドのクラウン部の回転半径がショルダー部の回転半径よ
り大きいから、クラウン部に設けられたブロックには牽
引力が作用し、ショルダー部に設けられたブロックには
制動力が作用する。このために、トレッドパターンの流
れ方向、即ちトレッド幅方向に対するブロック辺の傾斜
方向によって定められる方向にブロックが捩じられてト
ルクが発生し、残留コーナリングフォースが発生する。
従来のタイヤにおいては、例えば、図5(イ)に示すも
のは、クラウン部に設けられたブロックBcrはトレッド
幅方向外側に向かってタイヤ回転方向後方に傾斜し、シ
ョルダー部に設けられたブロックBshはトレッド幅方向
外側に向かってタイヤ回転方向前方に傾斜しており、ブ
ロックBcrの内側先端に牽引力Ft が作用し、ブロック
Bshの外側先端に制動力Fb が作用するから、両ブロッ
クBcr,Bshが外側に捩じられ、時計方向のトルクTR
が発生し、セルフアライニングトルク(Self Aligning
Torque)SATが増加して、全体としての残留コーナリ
ングフォースを増大させる(図6(イ)参照)。また、
図5(ロ)に示すものは、クラウン部に設けられたブロ
ックBcrはトレッド幅方向外側に向かってタイヤ回転方
向前方に傾斜し、ショルダー部に設けられたブロックB
shはトレッド幅方向外側に向かってタイヤ回転方向後方
に傾斜しており、ブロックBcrの外側先端に牽引力Ft
が作用し、ブロックBshの内側先端に制動力Fb が作用
するから、両ブロックBcr,Bshが内側に捩じられ、ト
ルクTL が発生し、セルフアライニングトルクSATが
減少して、全体としての残留コーナリングフォースを減
少させる(図6(ロ)参照)。上述のとおり、トレッド
パターンの流れ方向によって全体としての残留コーナリ
ングフォースが変化するものであり、トレッドパターン
によってはベルトコード貼付方向に基づく残留コーナリ
ングフォースとは逆方向に大きな力を発生してカントを
滑り落ちる恐れがあるという問題があった。
ーナリングフォースは、トレッドに設けられたトレッド
パターンに起因するものもあり、ベルトコードの貼付方
向だけでは適切な残留コーナリングフォースの発生を得
ることが困難であった。ここで、残留コーナリングフォ
ースの発生メカニズムについて述べると、タイヤトレッ
ドのクラウン部の回転半径がショルダー部の回転半径よ
り大きいから、クラウン部に設けられたブロックには牽
引力が作用し、ショルダー部に設けられたブロックには
制動力が作用する。このために、トレッドパターンの流
れ方向、即ちトレッド幅方向に対するブロック辺の傾斜
方向によって定められる方向にブロックが捩じられてト
ルクが発生し、残留コーナリングフォースが発生する。
従来のタイヤにおいては、例えば、図5(イ)に示すも
のは、クラウン部に設けられたブロックBcrはトレッド
幅方向外側に向かってタイヤ回転方向後方に傾斜し、シ
ョルダー部に設けられたブロックBshはトレッド幅方向
外側に向かってタイヤ回転方向前方に傾斜しており、ブ
ロックBcrの内側先端に牽引力Ft が作用し、ブロック
Bshの外側先端に制動力Fb が作用するから、両ブロッ
クBcr,Bshが外側に捩じられ、時計方向のトルクTR
が発生し、セルフアライニングトルク(Self Aligning
Torque)SATが増加して、全体としての残留コーナリ
ングフォースを増大させる(図6(イ)参照)。また、
図5(ロ)に示すものは、クラウン部に設けられたブロ
ックBcrはトレッド幅方向外側に向かってタイヤ回転方
向前方に傾斜し、ショルダー部に設けられたブロックB
shはトレッド幅方向外側に向かってタイヤ回転方向後方
に傾斜しており、ブロックBcrの外側先端に牽引力Ft
が作用し、ブロックBshの内側先端に制動力Fb が作用
するから、両ブロックBcr,Bshが内側に捩じられ、ト
ルクTL が発生し、セルフアライニングトルクSATが
減少して、全体としての残留コーナリングフォースを減
少させる(図6(ロ)参照)。上述のとおり、トレッド
パターンの流れ方向によって全体としての残留コーナリ
ングフォースが変化するものであり、トレッドパターン
によってはベルトコード貼付方向に基づく残留コーナリ
ングフォースとは逆方向に大きな力を発生してカントを
滑り落ちる恐れがあるという問題があった。
【0004】本発明の目的は、トレッドパターンによる
残留コーナリングフォースへの影響を抑制し、操縦安定
性の高い、左側通行に適した空気入りタイヤを提供する
ことである。
残留コーナリングフォースへの影響を抑制し、操縦安定
性の高い、左側通行に適した空気入りタイヤを提供する
ことである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の左側通行用空気入りタイヤは、タイヤ赤道面
に対して対称に設けられ、タイヤ周方向に延びる2本の
主溝をトレッドに備え、トレッドが上記主溝の間に形成
された中央部と上記主溝のタイヤ幅方向外側に形成され
たショルダー部とに分割され、中央部並びにショルダー
部にタイヤ幅方向に延びる複数の横溝が設けられた空気
入りタイヤであって、最外層ベルトコードを車両装着時
にタイヤ半径方向外側から見て右上がりに配設するとと
もに、中央部の横溝の溝方向をタイヤ半径方向外側から
見て右上がりに配設し、ショルダー部の横溝の溝方向を
タイヤ半径方向外側から見て左上がりに配設し、中央部
の横溝の溝壁は全てタイヤ半径方向線に対して同一方向
に傾斜させ、ショルダー部の横溝の溝壁は全てタイヤ半
径方向線に対して中央部の横溝の溝壁と逆方向に傾斜さ
せたものである。また、中央部またはショルダー部の少
なくとも一方にタイヤ周方向に連続する副溝を設けると
良い。さらに、中央部の横溝は一端が主溝に開口して他
端が閉じられており、ショルダー部の横溝は、その両端
を主溝及びトレッド端に開口させると良い。
に本発明の左側通行用空気入りタイヤは、タイヤ赤道面
に対して対称に設けられ、タイヤ周方向に延びる2本の
主溝をトレッドに備え、トレッドが上記主溝の間に形成
された中央部と上記主溝のタイヤ幅方向外側に形成され
たショルダー部とに分割され、中央部並びにショルダー
部にタイヤ幅方向に延びる複数の横溝が設けられた空気
入りタイヤであって、最外層ベルトコードを車両装着時
にタイヤ半径方向外側から見て右上がりに配設するとと
もに、中央部の横溝の溝方向をタイヤ半径方向外側から
見て右上がりに配設し、ショルダー部の横溝の溝方向を
タイヤ半径方向外側から見て左上がりに配設し、中央部
の横溝の溝壁は全てタイヤ半径方向線に対して同一方向
に傾斜させ、ショルダー部の横溝の溝壁は全てタイヤ半
径方向線に対して中央部の横溝の溝壁と逆方向に傾斜さ
せたものである。また、中央部またはショルダー部の少
なくとも一方にタイヤ周方向に連続する副溝を設けると
良い。さらに、中央部の横溝は一端が主溝に開口して他
端が閉じられており、ショルダー部の横溝は、その両端
を主溝及びトレッド端に開口させると良い。
【0006】
【作用】最外層ベルトコードを車両装着時にタイヤ半径
方向外側から見て右上がりに配設するとともに、中央部
の横溝の溝方向をタイヤ半径方向外側から見て右上がり
に配設し、ショルダー部の横溝の溝方向をタイヤ半径方
向外側から見て左上がりに配設し、中央部の横溝の溝壁
は全てタイヤ半径方向線に対して同一方向に傾斜させ、
ショルダー部の横溝の溝壁は全てタイヤ半径方向線に対
して中央部の横溝の溝壁と逆方向に傾斜させたことによ
り、クラウンブロック及びショルダーブロックのタイヤ
進行方向中央部に位置するクラウンブロックにおける牽
引力Ft とショルダー部に位置するショルダーブロック
における制動力Fb を低減させ、発生するトルクを小さ
くしてセルフアライニングトルクSATの変化を抑制さ
せ、トレッドパターンが残留コーナリングフォースに与
える影響を抑えることができるとともに、ベルトコード
貼付方向に基づく残留コーナリングフォースを確保する
ことができる。中央部またはショルダー部の少なくとも
一方にタイヤ周方向に連続する副溝を設けることによ
り、クラウンブロックまたはショルダーブロックの横方
向の横弾性定数を小さくし、トレッドパターンが残留コ
ーナリングフォースに与える影響を抑えることができ
る。中央部の横溝は一端が主溝に開口して他端が閉じら
れており、ショルダー部の横溝は、その両端が主溝及び
トレッド端に開口させることにより、直進安定性を向上
させて操縦安定性を良好にするとともに、排水性能を確
保してウェット走行性能を確保できる。
方向外側から見て右上がりに配設するとともに、中央部
の横溝の溝方向をタイヤ半径方向外側から見て右上がり
に配設し、ショルダー部の横溝の溝方向をタイヤ半径方
向外側から見て左上がりに配設し、中央部の横溝の溝壁
は全てタイヤ半径方向線に対して同一方向に傾斜させ、
ショルダー部の横溝の溝壁は全てタイヤ半径方向線に対
して中央部の横溝の溝壁と逆方向に傾斜させたことによ
り、クラウンブロック及びショルダーブロックのタイヤ
進行方向中央部に位置するクラウンブロックにおける牽
引力Ft とショルダー部に位置するショルダーブロック
における制動力Fb を低減させ、発生するトルクを小さ
くしてセルフアライニングトルクSATの変化を抑制さ
せ、トレッドパターンが残留コーナリングフォースに与
える影響を抑えることができるとともに、ベルトコード
貼付方向に基づく残留コーナリングフォースを確保する
ことができる。中央部またはショルダー部の少なくとも
一方にタイヤ周方向に連続する副溝を設けることによ
り、クラウンブロックまたはショルダーブロックの横方
向の横弾性定数を小さくし、トレッドパターンが残留コ
ーナリングフォースに与える影響を抑えることができ
る。中央部の横溝は一端が主溝に開口して他端が閉じら
れており、ショルダー部の横溝は、その両端が主溝及び
トレッド端に開口させることにより、直進安定性を向上
させて操縦安定性を良好にするとともに、排水性能を確
保してウェット走行性能を確保できる。
【0007】
【実施例】図1は本発明を適用した左側走行用のタイヤ
を示す。図1において、空気入りタイヤのトレッド1
は、最外層ベルトコードを図9のように右上がりの方向
に貼付したものであり、そのトレッドパターンは、トレ
ッド中心に設けられてタイヤ周方向に延びる中央副溝2
と、中央副溝2の両側に対称に設けられてタイヤ周方向
に延びる中間縦溝である一対の主溝3と、中央副溝2と
主溝3の間に設けられてタイヤ周方向に延びる一対の第
1副溝4と、主溝3のトレッド幅方向外側に設けられて
タイヤ周方向に延びる一対の第2副溝5と、中央副溝2
の両側に設けられて一端が中央副溝2近傍に閉じられて
位置し、他端が主溝3に連通開口してトレッド幅方向に
延びる中央横溝6と、一端が主溝3に連通開口し、他端
がトレッド端1aに達して開口するトレッド幅方向に延
びるショルダー横溝7とを備えている。ここで、主溝
3,3の間をクラウン部即ち中央部Cr 、主溝3とトレ
ッド端1aとの間をショルダー部Sh とし、中央部Cr
の幅CWをトレッド幅TWの40〜60%、好ましくは50%
とする。
を示す。図1において、空気入りタイヤのトレッド1
は、最外層ベルトコードを図9のように右上がりの方向
に貼付したものであり、そのトレッドパターンは、トレ
ッド中心に設けられてタイヤ周方向に延びる中央副溝2
と、中央副溝2の両側に対称に設けられてタイヤ周方向
に延びる中間縦溝である一対の主溝3と、中央副溝2と
主溝3の間に設けられてタイヤ周方向に延びる一対の第
1副溝4と、主溝3のトレッド幅方向外側に設けられて
タイヤ周方向に延びる一対の第2副溝5と、中央副溝2
の両側に設けられて一端が中央副溝2近傍に閉じられて
位置し、他端が主溝3に連通開口してトレッド幅方向に
延びる中央横溝6と、一端が主溝3に連通開口し、他端
がトレッド端1aに達して開口するトレッド幅方向に延
びるショルダー横溝7とを備えている。ここで、主溝
3,3の間をクラウン部即ち中央部Cr 、主溝3とトレ
ッド端1aとの間をショルダー部Sh とし、中央部Cr
の幅CWをトレッド幅TWの40〜60%、好ましくは50%
とする。
【0008】中央副溝2と第1副溝4及び中央横溝6に
よって、中央副溝2の両側にタイヤ周方向に配設された
一対の中央クラウンブロック8が形成され、主溝3と第
1副溝4及び中央横溝6によって外側クラウンブロック
9が形成され、主溝3と第2副溝5及びショルダー横溝
7とにより内側ショルダーブロック10が形成され、第2
副溝5及びショルダー横溝7とによって外側ショルダー
ブロック11が形成される。
よって、中央副溝2の両側にタイヤ周方向に配設された
一対の中央クラウンブロック8が形成され、主溝3と第
1副溝4及び中央横溝6によって外側クラウンブロック
9が形成され、主溝3と第2副溝5及びショルダー横溝
7とにより内側ショルダーブロック10が形成され、第2
副溝5及びショルダー横溝7とによって外側ショルダー
ブロック11が形成される。
【0009】中央横溝6,6の溝方向を右上がりとし、
ショルダー横溝7,7の溝方向を左上がりとして、両溝
方向がタイヤ軸方向に対して逆方向に形成されている、
即ち中央横溝6,6の溝幅の中心を結んだ溝中心線がタ
イヤ軸方向に対して成す鋭角である中央横溝方向角θc
と、ショルダー横溝7,7の溝幅の中心を結んだ溝中心
線がタイヤ軸方向に対して成す鋭角であるショルダー横
溝方向角θs とがタイヤ軸方向に対して逆方向に形成さ
れている。上述のとおり、中央横溝6,6の溝方向は最
外層ベルトコードと同じ方向の右上がりに形成されてい
る。なお、タイヤの回転方向は矢印Rで示される。
ショルダー横溝7,7の溝方向を左上がりとして、両溝
方向がタイヤ軸方向に対して逆方向に形成されている、
即ち中央横溝6,6の溝幅の中心を結んだ溝中心線がタ
イヤ軸方向に対して成す鋭角である中央横溝方向角θc
と、ショルダー横溝7,7の溝幅の中心を結んだ溝中心
線がタイヤ軸方向に対して成す鋭角であるショルダー横
溝方向角θs とがタイヤ軸方向に対して逆方向に形成さ
れている。上述のとおり、中央横溝6,6の溝方向は最
外層ベルトコードと同じ方向の右上がりに形成されてい
る。なお、タイヤの回転方向は矢印Rで示される。
【0010】図2は中央横溝6とショルダー横溝7の溝
幅断面即ち溝中心線ととレッド表面とに垂直な断面を示
すものであり、(イ)は図1におけるA−A′,J−
J′線断面図、(ロ)は同じくB−B′,I−I′線断
面図、(ハ)は同じくC−C′,H−H′線断面図、
(ニ)は同じくD−D′,G−G′線断面図、(ホ)は
同じくE−E′,F−F′線断面図であり、図の左から
右への方向がタイヤ回転方向Rである。中央部Cr にお
いては、図2(ニ),(ホ)に示されるように、中央横
溝6の溝壁6a,6bは、溝底から開口側に向かって、
タイヤ半径方向線(即ちトレッド面に垂直な線)SLを基
準としてタイヤ回転方向Rに傾斜しており、クラウンブ
ロック即ち中央クラウンブロック8及び外側クラウンブ
ロック9のタイヤ回転方向Rの前端側溝壁6aの前端溝
壁角度α(本実施例ではα=+5°)と、後端側溝壁6
bの後端溝壁角度β(本実施例ではβ=+10°)とが異
なっている(α≠β)。
幅断面即ち溝中心線ととレッド表面とに垂直な断面を示
すものであり、(イ)は図1におけるA−A′,J−
J′線断面図、(ロ)は同じくB−B′,I−I′線断
面図、(ハ)は同じくC−C′,H−H′線断面図、
(ニ)は同じくD−D′,G−G′線断面図、(ホ)は
同じくE−E′,F−F′線断面図であり、図の左から
右への方向がタイヤ回転方向Rである。中央部Cr にお
いては、図2(ニ),(ホ)に示されるように、中央横
溝6の溝壁6a,6bは、溝底から開口側に向かって、
タイヤ半径方向線(即ちトレッド面に垂直な線)SLを基
準としてタイヤ回転方向Rに傾斜しており、クラウンブ
ロック即ち中央クラウンブロック8及び外側クラウンブ
ロック9のタイヤ回転方向Rの前端側溝壁6aの前端溝
壁角度α(本実施例ではα=+5°)と、後端側溝壁6
bの後端溝壁角度β(本実施例ではβ=+10°)とが異
なっている(α≠β)。
【0011】また、ショルダー部Sh においては、図2
(イ),(ロ),(ハ)に示されるように、ショルダー
横溝7の溝壁7a,7bは、溝底から開口側に向かっ
て、タイヤ半径方向線SLを基準としてタイヤ回転方向R
と反対方向に傾斜しており、ショルダーブロック即ち内
側ショルダーブロック10と外側ショルダーブロック11の
タイヤ回転方向Rの前端側溝壁7aの前端溝壁角度γ
(本実施例ではγ=−10°)と、後端側溝壁7bの後端
溝壁角度δ(本実施例ではδ=−5°)とが異なってい
る(γ≠δ)。なお、クラウンブロックとショルダーブ
ロックとでは、タイヤ回転方向Rにおける前後端の溝壁
角度がそれぞれ異なっている。即ちα≠γ、β≠γ、α
≠δ、β≠δである。
(イ),(ロ),(ハ)に示されるように、ショルダー
横溝7の溝壁7a,7bは、溝底から開口側に向かっ
て、タイヤ半径方向線SLを基準としてタイヤ回転方向R
と反対方向に傾斜しており、ショルダーブロック即ち内
側ショルダーブロック10と外側ショルダーブロック11の
タイヤ回転方向Rの前端側溝壁7aの前端溝壁角度γ
(本実施例ではγ=−10°)と、後端側溝壁7bの後端
溝壁角度δ(本実施例ではδ=−5°)とが異なってい
る(γ≠δ)。なお、クラウンブロックとショルダーブ
ロックとでは、タイヤ回転方向Rにおける前後端の溝壁
角度がそれぞれ異なっている。即ちα≠γ、β≠γ、α
≠δ、β≠δである。
【0012】この構成により、中央部Cr に設けられた
クラウンブロック即ち中央クラウンブロック8及び外側
クラウンブロック9のタイヤ回転方向Rにおける剛性を
低減させて牽引力Ft を小さくし、またショルダーブロ
ック即ち内側ショルダーブロック10及び外側ショルダー
ブロック11のタイヤ回転方向Rにおける剛性を低減させ
て制動力Fb を小さくすることができ、発生するトルク
を小さくしてセルフアライニングトルクSATの変化を
抑制し、トレッドパターンに起因する残留コーナリング
フォースを低減させる。
クラウンブロック即ち中央クラウンブロック8及び外側
クラウンブロック9のタイヤ回転方向Rにおける剛性を
低減させて牽引力Ft を小さくし、またショルダーブロ
ック即ち内側ショルダーブロック10及び外側ショルダー
ブロック11のタイヤ回転方向Rにおける剛性を低減させ
て制動力Fb を小さくすることができ、発生するトルク
を小さくしてセルフアライニングトルクSATの変化を
抑制し、トレッドパターンに起因する残留コーナリング
フォースを低減させる。
【0013】左側走行用である本実施例の作用について
詳述すると、上記ベルトの最外層ベルトコードの貼付方
向とトレッドパターンにおいては、ベルトの最外層ベル
トコードが逆方向即ち右上がり方向に貼付されているか
ら、ベルトによって発生する残留コーナリングフォース
の作用する方向は右方向である。これに対して、中央横
溝6,6は右上がり、ショルダー横溝7,7は右下がり
に形成されているから、トレッドパターンに起因する残
留コーナリングフォースの作用する方向は、ベルトに起
因する残留コーナリングフォースの方向の反対方向即ち
左方向となるが、上述の如く、クラウンブロックとショ
ルダーブロックの溝壁を、タイヤ半径方向線SLを基準と
して、反対方向に傾斜させるとともに、両ブロックのタ
イヤ回転方向前後端の溝壁角度を変化させることによっ
て、トレッドパターンに起因する残留コーナリングフォ
ースを低減させてその影響を抑制する。
詳述すると、上記ベルトの最外層ベルトコードの貼付方
向とトレッドパターンにおいては、ベルトの最外層ベル
トコードが逆方向即ち右上がり方向に貼付されているか
ら、ベルトによって発生する残留コーナリングフォース
の作用する方向は右方向である。これに対して、中央横
溝6,6は右上がり、ショルダー横溝7,7は右下がり
に形成されているから、トレッドパターンに起因する残
留コーナリングフォースの作用する方向は、ベルトに起
因する残留コーナリングフォースの方向の反対方向即ち
左方向となるが、上述の如く、クラウンブロックとショ
ルダーブロックの溝壁を、タイヤ半径方向線SLを基準と
して、反対方向に傾斜させるとともに、両ブロックのタ
イヤ回転方向前後端の溝壁角度を変化させることによっ
て、トレッドパターンに起因する残留コーナリングフォ
ースを低減させてその影響を抑制する。
【0014】次に、本発明を適用して試作した実施例タ
イヤと、従来構造の比較例タイヤとを用いて評価試験を
行った結果について、表1(図3)を参照して説明す
る。表1は、タイヤサイズ185/60R14の左側走
行用のタイヤであって、図1に示すトレッドパターンを
備え、トレッドパターンの寸法諸元を等しくした実施例
1,2及び比較例1〜4と、溝を有していない即ちトレ
ッドパターンを有していないプレーンタイヤである比較
例5とを用いて残留コーナリングフォースを測定した結
果を示すものである。実施例1,2及び比較例1,5は
最外層ベルトコードの方向が右上がりで、最外層ベルト
コードの角°が22°であり、比較例2,3は最外層ベル
トコードの方向が左上がりで、最外層ベルトコードの角
°が22°である。実施例1,2及び比較例1〜4におけ
るトレッドパターンの寸法諸元は、トレッド幅TW=15
2 mm、中央部Cr の幅CW=62mm、ショルダー部Sh の
幅SW=36mm、主溝3の溝幅GW=9mm、中央副溝2の
溝幅MW=7.5 mm、第1副溝4の溝幅LW1=3.0 mm、
第2副溝5の溝幅LW2=2.5 mm、中央横溝6の溝方向
を右上がり、中央横溝6の溝方向角θc =20〜50°、シ
ョルダー横溝7の溝方向を左上がり、ショルダー横溝7
の溝方向角θs =30〜35°、上記各溝の溝深さを8mmと
する。なお、最外層ベルトコードの方向並びに横溝の溝
方向を示す「右上がり」「左上がり」の表現は、タイヤ
をタイヤ赤道面上からタイヤ半径方向外側より見たとき
の状態を示すものであり、この点は表2においても同様
であるる。
イヤと、従来構造の比較例タイヤとを用いて評価試験を
行った結果について、表1(図3)を参照して説明す
る。表1は、タイヤサイズ185/60R14の左側走
行用のタイヤであって、図1に示すトレッドパターンを
備え、トレッドパターンの寸法諸元を等しくした実施例
1,2及び比較例1〜4と、溝を有していない即ちトレ
ッドパターンを有していないプレーンタイヤである比較
例5とを用いて残留コーナリングフォースを測定した結
果を示すものである。実施例1,2及び比較例1,5は
最外層ベルトコードの方向が右上がりで、最外層ベルト
コードの角°が22°であり、比較例2,3は最外層ベル
トコードの方向が左上がりで、最外層ベルトコードの角
°が22°である。実施例1,2及び比較例1〜4におけ
るトレッドパターンの寸法諸元は、トレッド幅TW=15
2 mm、中央部Cr の幅CW=62mm、ショルダー部Sh の
幅SW=36mm、主溝3の溝幅GW=9mm、中央副溝2の
溝幅MW=7.5 mm、第1副溝4の溝幅LW1=3.0 mm、
第2副溝5の溝幅LW2=2.5 mm、中央横溝6の溝方向
を右上がり、中央横溝6の溝方向角θc =20〜50°、シ
ョルダー横溝7の溝方向を左上がり、ショルダー横溝7
の溝方向角θs =30〜35°、上記各溝の溝深さを8mmと
する。なお、最外層ベルトコードの方向並びに横溝の溝
方向を示す「右上がり」「左上がり」の表現は、タイヤ
をタイヤ赤道面上からタイヤ半径方向外側より見たとき
の状態を示すものであり、この点は表2においても同様
であるる。
【0015】実施例1は、中央部Cr における中央横溝
6の前端溝壁角度α=+5°、後端溝壁角度β=+10°
(D−D′,E−E′,F−F′,G−G′断面参照)
であり、ショルダー部Sh におけるショルダー横溝7の
前端溝壁角度γ=−10°、後端溝壁角度δ=−5°(A
−A′,B−B′,C−C′,H−H′,I−I′,J
−J′断面参照)である(ここで、角度の正負は、タイ
ヤ回転方向への角度を正(+)、逆方向を負(−)とし
ており、この点は表2も同様である)。実施例2は、中
央横溝6の前端溝壁角度α=+5°、後端溝壁角度β=
+5°(α=β)とし、ショルダー横溝7の前端溝壁角
度γ=−10°、後端溝壁角度δ=−5°は実施例1と同
じである。比較例1は、横溝断面形状が対称形状を有す
る従来構造のタイヤ(図6参照)であり、中央横溝6の
前端溝壁角度α=−5°、後端溝壁角度β=+5°、シ
ョルダー横溝7の前端溝壁角度γ=−5°、後端溝壁角
度δ=+5である。比較例2は実施例1と同じ横溝断面
形状を備え、比較例3は実施例2と同じ横溝断面形状を
備え、比較例4は比較例1と同じ横溝断面形状を備えて
いる。
6の前端溝壁角度α=+5°、後端溝壁角度β=+10°
(D−D′,E−E′,F−F′,G−G′断面参照)
であり、ショルダー部Sh におけるショルダー横溝7の
前端溝壁角度γ=−10°、後端溝壁角度δ=−5°(A
−A′,B−B′,C−C′,H−H′,I−I′,J
−J′断面参照)である(ここで、角度の正負は、タイ
ヤ回転方向への角度を正(+)、逆方向を負(−)とし
ており、この点は表2も同様である)。実施例2は、中
央横溝6の前端溝壁角度α=+5°、後端溝壁角度β=
+5°(α=β)とし、ショルダー横溝7の前端溝壁角
度γ=−10°、後端溝壁角度δ=−5°は実施例1と同
じである。比較例1は、横溝断面形状が対称形状を有す
る従来構造のタイヤ(図6参照)であり、中央横溝6の
前端溝壁角度α=−5°、後端溝壁角度β=+5°、シ
ョルダー横溝7の前端溝壁角度γ=−5°、後端溝壁角
度δ=+5である。比較例2は実施例1と同じ横溝断面
形状を備え、比較例3は実施例2と同じ横溝断面形状を
備え、比較例4は比較例1と同じ横溝断面形状を備えて
いる。
【0016】残留コーナリングフォースは、室内台上コ
ーナリングフォース測定器で標準条件で測定したセルフ
アライニングトルクSAT=0 kgf・m のときの値であ
り、正(+)の値は進行方向に対して右側に働く力を示
し、負(−)の値は左側に働く力をしめす。表1の結果
から明らかなように、本発明を適用した実施例1及び実
施例2は、残留コーナリングフォースが正(+)の値で
あり、進行方向に対して右側に力が働き、左側走行にお
いて、カントによる横力とは反対の方向の力が働き、カ
ントによる車両の流れを抑制することができる。これに
対して従来構造の比較例1は、最外層ベルトコードを右
上がりに貼付したことによる進行方向右側に働く力に対
して、トレッドパターンに起因する左側に働く力が大き
く、全体として左側に働く負(−)の残留コーナリング
フォースが生じ、左側走行において、カントによる横力
と同じ方向の力が働き、カントによる車両の流れを助長
することになる。また、比較例2〜4は、最外層ベルト
コードを左上がりに貼付したことによって進行方向左側
に働く力が発生し、トレッドパターンに起因する負
(−)の力即ち左側に働く力とともに、カントによる横
力と同じ方向の力が一層大きく働き、カントによる車両
の流れをさらに助長することになる。さらに、比較例5
は、左側走行において、進行方向右側に働く残留コーナ
リングフォースが最も大きい、即ちカントによる横力と
は反対の方向に働く力が最も大きく、カントによる車両
の流れを抑制する効果は大きいものであるが、ウェット
グリップ性能が極めて低いために、安全上通常の車両の
タイヤに適用することはできない。この結果、実施例タ
イヤにおいては、トレッドパターンに起因する残留コー
ナリングフォースが低減され、ベルトによって発生する
残留コーナリングフォースに与える影響が抑制されてい
ることが明らかである。
ーナリングフォース測定器で標準条件で測定したセルフ
アライニングトルクSAT=0 kgf・m のときの値であ
り、正(+)の値は進行方向に対して右側に働く力を示
し、負(−)の値は左側に働く力をしめす。表1の結果
から明らかなように、本発明を適用した実施例1及び実
施例2は、残留コーナリングフォースが正(+)の値で
あり、進行方向に対して右側に力が働き、左側走行にお
いて、カントによる横力とは反対の方向の力が働き、カ
ントによる車両の流れを抑制することができる。これに
対して従来構造の比較例1は、最外層ベルトコードを右
上がりに貼付したことによる進行方向右側に働く力に対
して、トレッドパターンに起因する左側に働く力が大き
く、全体として左側に働く負(−)の残留コーナリング
フォースが生じ、左側走行において、カントによる横力
と同じ方向の力が働き、カントによる車両の流れを助長
することになる。また、比較例2〜4は、最外層ベルト
コードを左上がりに貼付したことによって進行方向左側
に働く力が発生し、トレッドパターンに起因する負
(−)の力即ち左側に働く力とともに、カントによる横
力と同じ方向の力が一層大きく働き、カントによる車両
の流れをさらに助長することになる。さらに、比較例5
は、左側走行において、進行方向右側に働く残留コーナ
リングフォースが最も大きい、即ちカントによる横力と
は反対の方向に働く力が最も大きく、カントによる車両
の流れを抑制する効果は大きいものであるが、ウェット
グリップ性能が極めて低いために、安全上通常の車両の
タイヤに適用することはできない。この結果、実施例タ
イヤにおいては、トレッドパターンに起因する残留コー
ナリングフォースが低減され、ベルトによって発生する
残留コーナリングフォースに与える影響が抑制されてい
ることが明らかである。
【0017】
【発明の効果】本発明は上述のとおり構成されているか
ら以下に述べる効果を奏する。最外層ベルトコードを車
両装着時にタイヤ半径方向外側から見て右上がりに配設
するとともに、中央部の横溝の溝方向をタイヤ半径方向
外側から見て右上がりに配設し、ショルダー部の横溝の
溝方向をタイヤ半径方向外側から見て左上がりに配設
し、中央部の横溝の溝壁は全てタイヤ半径方向線に対し
て同一方向に傾斜させ、ショルダー部の横溝の溝壁は全
てタイヤ半径方向線に対して中央部の横溝の溝壁と逆方
向に傾斜させたことにより、中央部に位置するクラウン
ブロックにおける牽引力Ft とショルダー部に位置する
ショルダーブロックにおける制動力Fb を低減させ、発
生するトルクを小さくしてセルフアライニングトルクS
ATの変化を抑制するとともに、クラウンブロック及び
ショルダーブロックのタイヤ進行方向における前後方向
の剛性を変化させて、牽引力Ft 及び制動力Fb を低減
させ、トレッドパターンが残留コーナリングフォースに
与える影響を抑えるとともに、ベルトコード貼付方向に
基づく残留コーナリングフォースを確保することができ
る。中央部またはショルダー部の少なくとも一方にタイ
ヤ周方向に連続する副溝を設けることにより、クラウン
ブロックまたはショルダーブロックの横方向の横弾性定
数を小さくし、トレッドパターンが残留コーナリングフ
ォースに与える影響を抑えることができる。中央部の横
溝は一端が主溝に開口して他端が閉じられており、ショ
ルダー部の横溝は、その両端が主溝及びトレッド端に開
口させることにより、直進安定性を向上させて操縦安定
性を良好にするとともに、排水性能を確保してウェット
走行性能を確保できる。
ら以下に述べる効果を奏する。最外層ベルトコードを車
両装着時にタイヤ半径方向外側から見て右上がりに配設
するとともに、中央部の横溝の溝方向をタイヤ半径方向
外側から見て右上がりに配設し、ショルダー部の横溝の
溝方向をタイヤ半径方向外側から見て左上がりに配設
し、中央部の横溝の溝壁は全てタイヤ半径方向線に対し
て同一方向に傾斜させ、ショルダー部の横溝の溝壁は全
てタイヤ半径方向線に対して中央部の横溝の溝壁と逆方
向に傾斜させたことにより、中央部に位置するクラウン
ブロックにおける牽引力Ft とショルダー部に位置する
ショルダーブロックにおける制動力Fb を低減させ、発
生するトルクを小さくしてセルフアライニングトルクS
ATの変化を抑制するとともに、クラウンブロック及び
ショルダーブロックのタイヤ進行方向における前後方向
の剛性を変化させて、牽引力Ft 及び制動力Fb を低減
させ、トレッドパターンが残留コーナリングフォースに
与える影響を抑えるとともに、ベルトコード貼付方向に
基づく残留コーナリングフォースを確保することができ
る。中央部またはショルダー部の少なくとも一方にタイ
ヤ周方向に連続する副溝を設けることにより、クラウン
ブロックまたはショルダーブロックの横方向の横弾性定
数を小さくし、トレッドパターンが残留コーナリングフ
ォースに与える影響を抑えることができる。中央部の横
溝は一端が主溝に開口して他端が閉じられており、ショ
ルダー部の横溝は、その両端が主溝及びトレッド端に開
口させることにより、直進安定性を向上させて操縦安定
性を良好にするとともに、排水性能を確保してウェット
走行性能を確保できる。
【図1】 本発明を適用した左側走行用の空気入りタイ
ヤの一例を示すトレッドパターン展開図である。
ヤの一例を示すトレッドパターン展開図である。
【図2】 (イ)は図1のA−A′(J−J′)線断面
図、(ロ)は同じくB−B′(I−I′)線断面図、
(ハ)は同じくC−C′(H−H′)線断面図、(ニ)
は同じくD−D′(G−G′)線断面図、(ホ)は同じ
くE−E′(F−F′)線断面図である。
図、(ロ)は同じくB−B′(I−I′)線断面図、
(ハ)は同じくC−C′(H−H′)線断面図、(ニ)
は同じくD−D′(G−G′)線断面図、(ホ)は同じ
くE−E′(F−F′)線断面図である。
【図3】 左側走行用のタイヤにおける本発明の実施例
と比較例の残留コーナリングフォース測定結果を示す表
1である。
と比較例の残留コーナリングフォース測定結果を示す表
1である。
【図4】 従来構造のタイヤの横溝断面を示す要部拡大
断面図である。
断面図である。
【図5】 クラウンブロックとショルダーブロックの流
れ方向を示す説明図である。
れ方向を示す説明図である。
【図6】 図5に示すトレッドパターンに起因する残留
コーナリングフォースの変化を示すコーナリングフォー
スとセルフアライニングトルクとの特性図である。
コーナリングフォースの変化を示すコーナリングフォー
スとセルフアライニングトルクとの特性図である。
【図7】 タイヤ外側から見て右上がりのベルトコード
方向を備えたベルト層の平面図である。
方向を備えたベルト層の平面図である。
Cr 中央部、Sh ショルダー部、1 トレッド、2 中
央副溝 3 主溝(中間縦溝)、4 第1副溝、5 第2副溝、
6 中央横溝 7 ショルダー横溝、8 中央クラウンブロック、9
外側クラウンブロック 10 内側ショルダーブロック、11 外側ショルダーブロ
ック
央副溝 3 主溝(中間縦溝)、4 第1副溝、5 第2副溝、
6 中央横溝 7 ショルダー横溝、8 中央クラウンブロック、9
外側クラウンブロック 10 内側ショルダーブロック、11 外側ショルダーブロ
ック
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60C 11/00 - 11/04 B60C 11/13
Claims (3)
- 【請求項1】 タイヤ赤道面に対して対称に設けられ、
タイヤ周方向に延びる2本の主溝をトレッドに備え、ト
レッドが上記主溝の間に形成された中央部と上記主溝の
タイヤ幅方向外側に形成されたショルダー部とに分割さ
れ、中央部並びにショルダー部にタイヤ幅方向に延びる
複数の横溝が設けられた空気入りタイヤであって、最外
層ベルトコードを車両装着時にタイヤ半径方向外側から
見て右上がりに配設するとともに、中央部の横溝の溝方
向をタイヤ半径方向外側から見て右上がりに配設し、シ
ョルダー部の横溝の溝方向をタイヤ半径方向外側から見
て左上がりに配設し、中央部の横溝の溝壁は全てタイヤ
半径方向線に対して同一方向に傾斜させ、ショルダー部
の横溝の溝壁は全てタイヤ半径方向線に対して中央部の
横溝の溝壁と逆方向に傾斜させたことを特徴とする左側
通行用空気入りタイヤ。 - 【請求項2】 中央部またはショルダー部の少なくとも
一方にタイヤ周方向に連続する副溝を設けたことを特徴
とする請求項1に記載された左側通行用空気入りタイ
ヤ。 - 【請求項3】 中央部の横溝は一端が主溝に開口して他
端が閉じられており、ショルダー部の横溝は、その両端
が主溝及びトレッド端に開口したことを特徴とする請求
項1または2に記載された左側通行用空気入りタイヤ。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17312694A JP3160154B2 (ja) | 1993-07-23 | 1994-07-04 | 左側通行用空気入りタイヤ |
DE69401397T DE69401397T2 (de) | 1993-07-23 | 1994-07-21 | Luftreifen |
EP94305378A EP0635382B1 (en) | 1993-07-23 | 1994-07-21 | Pneumatic tyre |
US08/863,308 US5960845A (en) | 1993-07-23 | 1997-05-27 | Pneumatic tire |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20202193 | 1993-07-23 | ||
JP5-202021 | 1993-07-23 | ||
JP17312694A JP3160154B2 (ja) | 1993-07-23 | 1994-07-04 | 左側通行用空気入りタイヤ |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0781327A JPH0781327A (ja) | 1995-03-28 |
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Family
ID=26495227
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17312694A Expired - Fee Related JP3160154B2 (ja) | 1993-07-23 | 1994-07-04 | 左側通行用空気入りタイヤ |
Country Status (3)
Country | Link |
---|---|
EP (1) | EP0635382B1 (ja) |
JP (1) | JP3160154B2 (ja) |
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EP0761479A3 (en) * | 1995-07-24 | 1997-06-04 | Goodyear Tire & Rubber | Alignment torque generated by inclined catenary grooves |
ATE222545T1 (de) * | 1995-11-09 | 2002-09-15 | Uniroyal Englebert Gmbh | Drehrichtungsungebundenes laufstreifenprofil eines fahrzeugreifens mit blockprofilstruktur |
EP1510368B1 (en) * | 1999-01-13 | 2014-06-18 | Bridgestone Corporation | Pneumatic tire having excellent steering stability |
GB9902449D0 (en) | 1999-02-05 | 1999-03-24 | Sumitomo Rubber Ind | Tread for a pneumatic tyre |
JP2007112228A (ja) * | 2005-10-19 | 2007-05-10 | Toyo Tire & Rubber Co Ltd | 空気入りタイヤ |
JP5166059B2 (ja) * | 2008-02-07 | 2013-03-21 | 株式会社ブリヂストン | タイヤの設計方法及び、タイヤ。 |
CN102574427B (zh) * | 2009-07-28 | 2015-04-22 | 倍耐力轮胎股份公司 | 机动车轮胎 |
JP5750873B2 (ja) * | 2010-09-24 | 2015-07-22 | 横浜ゴム株式会社 | 空気入りタイヤ |
JP5266307B2 (ja) * | 2010-12-27 | 2013-08-21 | 住友ゴム工業株式会社 | 空気入りタイヤ |
JP6110586B2 (ja) * | 2011-01-21 | 2017-04-05 | 株式会社ブリヂストン | 空気入りタイヤ |
JP5613273B2 (ja) * | 2013-02-14 | 2014-10-22 | 住友ゴム工業株式会社 | 空気入りタイヤ |
JP5993403B2 (ja) * | 2014-05-29 | 2016-09-14 | 住友ゴム工業株式会社 | 空気入りタイヤ |
JP6423739B2 (ja) * | 2015-02-19 | 2018-11-14 | 住友ゴム工業株式会社 | 空気入りタイヤ |
CN108189624A (zh) * | 2018-02-09 | 2018-06-22 | 建大橡胶(中国)有限公司 | 一种运动型花纹轮胎 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0547040B1 (en) * | 1988-11-30 | 1996-05-29 | Sumitomo Rubber Industries Limited | Pneumatic radial tyre |
JPH02270609A (ja) * | 1989-04-13 | 1990-11-05 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | 空気入タイヤ |
JP2816863B2 (ja) * | 1989-06-26 | 1998-10-27 | 横浜ゴム株式会社 | 乗用車用空気入りラジアルタイヤ |
US5238038A (en) * | 1990-09-04 | 1993-08-24 | The Goodyear Tire & Rubber Company | Pneumatic tire |
-
1994
- 1994-07-04 JP JP17312694A patent/JP3160154B2/ja not_active Expired - Fee Related
- 1994-07-21 DE DE69401397T patent/DE69401397T2/de not_active Expired - Fee Related
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Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
EP0635382A1 (en) | 1995-01-25 |
EP0635382B1 (en) | 1997-01-08 |
JPH0781327A (ja) | 1995-03-28 |
DE69401397T2 (de) | 1997-04-24 |
DE69401397D1 (de) | 1997-02-20 |
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