JP3146578B2 - ジルコニア微粉末の製造法 - Google Patents
ジルコニア微粉末の製造法Info
- Publication number
- JP3146578B2 JP3146578B2 JP34771491A JP34771491A JP3146578B2 JP 3146578 B2 JP3146578 B2 JP 3146578B2 JP 34771491 A JP34771491 A JP 34771491A JP 34771491 A JP34771491 A JP 34771491A JP 3146578 B2 JP3146578 B2 JP 3146578B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- powder
- zirconia
- hydrated
- stabilizer
- fine powder
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C01—INORGANIC CHEMISTRY
- C01G—COMPOUNDS CONTAINING METALS NOT COVERED BY SUBCLASSES C01D OR C01F
- C01G25/00—Compounds of zirconium
- C01G25/02—Oxides
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Inorganic Chemistry (AREA)
- Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ジルコニア系セラミッ
クスの原料であるジルコニア粉末の製造法、とくに、上
記原料粉末を成形性のよいものとすることができるジル
コニア微粉末の製造法に関するものである。
クスの原料であるジルコニア粉末の製造法、とくに、上
記原料粉末を成形性のよいものとすることができるジル
コニア微粉末の製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ジルコニア粉末の製造法として
は、 安定化剤の溶解している水和ジルコニア微粒子の懸濁
液にアンモニア水を添加して、濾過,水洗,仮焼してジ
ルコニア粉末を得る方法(特開昭63−129017公
報) 水酸化ジルコニウムの原料に塩化物からなる安定化剤
を添加して、仮焼してジルコニア粉末を得る方法(特開
昭61−266307公報) 炭酸ジルコニルアンモニウム塩と安定化剤との混合水
溶液に過酸化水素を添加し、得られる固形物を乾燥,焼
成してジルコニア粉末を得る方法(特開昭61−447
17公報) 等が知られている。
は、 安定化剤の溶解している水和ジルコニア微粒子の懸濁
液にアンモニア水を添加して、濾過,水洗,仮焼してジ
ルコニア粉末を得る方法(特開昭63−129017公
報) 水酸化ジルコニウムの原料に塩化物からなる安定化剤
を添加して、仮焼してジルコニア粉末を得る方法(特開
昭61−266307公報) 炭酸ジルコニルアンモニウム塩と安定化剤との混合水
溶液に過酸化水素を添加し、得られる固形物を乾燥,焼
成してジルコニア粉末を得る方法(特開昭61−447
17公報) 等が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、の方法で
得られるジルコニア粉末は、BET比表面積が非常に大
きい、即ち、粒径の小さい微細粉末であり、このように
粒径が極めて小さくなると、粒子間の付着力が著しく増
加するために、得られるジルコニア粉末は強固な凝集粉
末になって、成形しにくいものとなる。の方法で得ら
れるジルコニア粉末は、水酸化ジルコニウムのゲル状沈
殿物などを1100℃で仮焼しており、このゲル状沈殿
物を高い温度で仮焼すると粒子間の強固な凝集が激しく
起こって、分散性の劣ったものとなる。の方法は、炭
酸ジルコニルアンモニウム塩と安定化剤との混合水溶液
に過酸化水素を添加し、得られるゲル状共沈物を焼成し
てジルコニア粉末を得るが、このようにして得られるゲ
ル状共沈物は不均一な組成のものになり、かつ、ゲル状
沈殿物を仮焼するために得られる粉末は、上記のとお
り、分散性の悪いものとなる。さらに共沈の際に使用す
る過酸化水素は、危険性の高い物質であるため工業的な
大量生産が困難になって実用的でなくなる。
得られるジルコニア粉末は、BET比表面積が非常に大
きい、即ち、粒径の小さい微細粉末であり、このように
粒径が極めて小さくなると、粒子間の付着力が著しく増
加するために、得られるジルコニア粉末は強固な凝集粉
末になって、成形しにくいものとなる。の方法で得ら
れるジルコニア粉末は、水酸化ジルコニウムのゲル状沈
殿物などを1100℃で仮焼しており、このゲル状沈殿
物を高い温度で仮焼すると粒子間の強固な凝集が激しく
起こって、分散性の劣ったものとなる。の方法は、炭
酸ジルコニルアンモニウム塩と安定化剤との混合水溶液
に過酸化水素を添加し、得られるゲル状共沈物を焼成し
てジルコニア粉末を得るが、このようにして得られるゲ
ル状共沈物は不均一な組成のものになり、かつ、ゲル状
沈殿物を仮焼するために得られる粉末は、上記のとお
り、分散性の悪いものとなる。さらに共沈の際に使用す
る過酸化水素は、危険性の高い物質であるため工業的な
大量生産が困難になって実用的でなくなる。
【0004】本発明では、このような従来方法における
欠点を解消した、即ち、安定化剤がよく固溶した分散性
のよい緻密な粒子、従って、成形性のよいジルコニア粉
末を簡易なプロセスにより製造することのできる方法の
提供を目的とするものである。
欠点を解消した、即ち、安定化剤がよく固溶した分散性
のよい緻密な粒子、従って、成形性のよいジルコニア粉
末を簡易なプロセスにより製造することのできる方法の
提供を目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らが、水和ジル
コニアゾルとジルコニア系セラミックスの製造に常用さ
れるイットリア,カルシア,マグネシア,セリアなどの
安定化剤との混合物を仮焼してジルコニア粉末を得る際
の仮焼雰囲気と固溶反応とに着目して詳細に検討したと
ころによれば、該混合物を仮焼炉に仕込むときの混合物
層の厚さを制御することにより安定化剤と充分に固溶し
た緻密な粒子、したがって、分散性のよいジルコニア微
粉末を製造することができ、このようにして得られた微
粉末は成形性がよく、比較的低温度で焼結するジルコニ
ア微粉末であることを見い出し、本発明を完成するに至
った。
コニアゾルとジルコニア系セラミックスの製造に常用さ
れるイットリア,カルシア,マグネシア,セリアなどの
安定化剤との混合物を仮焼してジルコニア粉末を得る際
の仮焼雰囲気と固溶反応とに着目して詳細に検討したと
ころによれば、該混合物を仮焼炉に仕込むときの混合物
層の厚さを制御することにより安定化剤と充分に固溶し
た緻密な粒子、したがって、分散性のよいジルコニア微
粉末を製造することができ、このようにして得られた微
粉末は成形性がよく、比較的低温度で焼結するジルコニ
ア微粉末であることを見い出し、本発明を完成するに至
った。
【0006】本発明は、水和ジルコニアゾルとY,C
a,Mg,Ceのうち少なくとも1種の化合物を含む混
合物を仮焼してジルコニア微粉末を製造する方法におい
て、層厚H(cm)の該混合物を120H0.5+50
0≦T≦1200の条件を満たす温度T(℃)で仮焼す
ることによるジルコニア微粉末の製造法を要旨とするも
のである。以下、本発明を更に詳細に説明する。
a,Mg,Ceのうち少なくとも1種の化合物を含む混
合物を仮焼してジルコニア微粉末を製造する方法におい
て、層厚H(cm)の該混合物を120H0.5+50
0≦T≦1200の条件を満たす温度T(℃)で仮焼す
ることによるジルコニア微粉末の製造法を要旨とするも
のである。以下、本発明を更に詳細に説明する。
【0007】本明細書において、水和ジルコニアゾルと
安定化剤との固溶反応に係わる「固溶反応率」とは、粉
末X線回折の測定される回折線に着目し、下式により算
出されるものをいう。
安定化剤との固溶反応に係わる「固溶反応率」とは、粉
末X線回折の測定される回折線に着目し、下式により算
出されるものをいう。
【0008】 正方晶率(%)=It/(It+Ic+Im)×100 立方晶率(%)=Ic/(It+Ic+Im)×100 ここで、Itは正方晶の(111)の回折線の強度,I
cは立方晶の(111)の強度,Imは単斜晶の(11
1)および(11−1)の強度の和である。水和ジルコ
ニアゾルに係わる「平均粒径」とは、電子顕微鏡または
粒度分布測定器による粒径測定で求められるものであ
り、例えば光子相関法などで与えられる。
cは立方晶の(111)の強度,Imは単斜晶の(11
1)および(11−1)の強度の和である。水和ジルコ
ニアゾルに係わる「平均粒径」とは、電子顕微鏡または
粒度分布測定器による粒径測定で求められるものであ
り、例えば光子相関法などで与えられる。
【0009】本発明で得られるジルコニア微粉末は、B
ET比表面積が5〜25m2/gである。BET比表面
積が5m2/gよりも小さくなると、粒子間の焼結によ
る強固な凝集が起こるために分散性のよいジルコニア粉
末が得られず、25m2/gよりも大きくなると、粒子
間の付着力が著しく増加するために強固な凝集粉末にな
って、成形しにくいものとなりセラミックス粉末として
適さないものとなる。また、水和ジルコニアゾルと安定
化剤との混合物を仮焼して得られる仮焼粉の固溶反応率
は90%以上のものがよく、固溶反応率が90%よりも
低くなるとジルコニア微粉末の組成が不均一になり、こ
のような粉末を成形して焼成すると異常粒成長に起因す
る不均一収縮などが起こりやすくなるために好ましくな
いものとなる。より望ましくは95%以上である。とこ
ろで、上記の水和ジルコニアゾルは、平均粒径が0.0
5〜0.3μm、かつ、結晶子径が4nm以下であるこ
とが好ましい。水和ジルコニアゾルの平均粒径が0.0
5μmよりも小さくなると、仮焼時に粒子間の焼結によ
る強固な凝集が起こりやすく、0.3μmよりも大きく
なると粉末の粒径も大きくなるために焼結性の低いもの
になりやすく、セラミックス原料粉末として好ましくな
いものとなる。また、結晶子径が4nmよりも大きくな
ると安定化剤との固溶性が低下するため好ましくないも
のになる。
ET比表面積が5〜25m2/gである。BET比表面
積が5m2/gよりも小さくなると、粒子間の焼結によ
る強固な凝集が起こるために分散性のよいジルコニア粉
末が得られず、25m2/gよりも大きくなると、粒子
間の付着力が著しく増加するために強固な凝集粉末にな
って、成形しにくいものとなりセラミックス粉末として
適さないものとなる。また、水和ジルコニアゾルと安定
化剤との混合物を仮焼して得られる仮焼粉の固溶反応率
は90%以上のものがよく、固溶反応率が90%よりも
低くなるとジルコニア微粉末の組成が不均一になり、こ
のような粉末を成形して焼成すると異常粒成長に起因す
る不均一収縮などが起こりやすくなるために好ましくな
いものとなる。より望ましくは95%以上である。とこ
ろで、上記の水和ジルコニアゾルは、平均粒径が0.0
5〜0.3μm、かつ、結晶子径が4nm以下であるこ
とが好ましい。水和ジルコニアゾルの平均粒径が0.0
5μmよりも小さくなると、仮焼時に粒子間の焼結によ
る強固な凝集が起こりやすく、0.3μmよりも大きく
なると粉末の粒径も大きくなるために焼結性の低いもの
になりやすく、セラミックス原料粉末として好ましくな
いものとなる。また、結晶子径が4nmよりも大きくな
ると安定化剤との固溶性が低下するため好ましくないも
のになる。
【0010】本発明において、水和ジルコニアゾルと安
定化剤などの混合物を仮焼するときに、該混合物の層厚
H(cm)と仮焼温度T(℃)とは、 120H0.5+500≦T≦1200 の関係を満たさなければならない。仮焼温度が120H
0.5+500よりも低くなると、仮焼粉末の固溶反応
率が90%よりも低くなり安定化剤と充分に固溶したも
のが得られず、さらに500℃よりも低くなるとBET
比表面積が25m2/gよりも大きくなって目的とする
ジルコニア微粉末が得られなくなる。いっぽう、120
0℃よりも高くなると、粒子間の焼結による強固な凝集
が起こるためにBET比表面積が5m2/gよりも小さ
くなって分散性のよいジルコニア粉末が得られなくな
る。さらに、このように高い仮焼温度では工業的な大量
生産が困難であるために実用的ではなくなる。より好ま
しい仮焼温度T(℃)は、上記の(120H0.5+5
00)〜1200℃の範囲内であって、水和ジルコニア
ゾルの平均粒径φ(μm)との間の関係が、 T≧1000φ+400 を満足するものであり、さらに望ましくは、 1000φ+400≦T≦3000φ+600 を満足するものである。仮焼時の雰囲気ガスは、種々の
ガスを選択することができる。このとき使用するガスは
水蒸気を含んでいるほうがよく、水蒸気分圧が30mm
Hg以上のガスを用いたほうがよい。30mmHgより
も低くなると、仮焼時の水和ジルコニアゾルの粒成長が
抑制されるために、低い温度で緻密な粒子が得にくくな
り好ましくないものになる。より好ましい水蒸気分圧
は、40〜760mmHgである。ガスの種類として
は、空気,二酸化炭素,窒素,酸素,アルゴン,ヘリウ
ムなどを挙げることができる。仮焼温度の保持時間は
0.5〜10時間がよく、昇温速度は0.5〜10℃/
minが好ましい。保持時間が0.5時間よりも短くな
ると均一に仮焼されにくく、10時間よりも長くなると
生産性が低下するので好ましくない。また、昇温速度が
0.5℃/minよりも小さくなると設定温度に達する
までの時間が長くなり、10℃/minよりも大きくな
ると仮焼時に粉末が激しく飛散して操作性が悪くなり生
産性が低下する。
定化剤などの混合物を仮焼するときに、該混合物の層厚
H(cm)と仮焼温度T(℃)とは、 120H0.5+500≦T≦1200 の関係を満たさなければならない。仮焼温度が120H
0.5+500よりも低くなると、仮焼粉末の固溶反応
率が90%よりも低くなり安定化剤と充分に固溶したも
のが得られず、さらに500℃よりも低くなるとBET
比表面積が25m2/gよりも大きくなって目的とする
ジルコニア微粉末が得られなくなる。いっぽう、120
0℃よりも高くなると、粒子間の焼結による強固な凝集
が起こるためにBET比表面積が5m2/gよりも小さ
くなって分散性のよいジルコニア粉末が得られなくな
る。さらに、このように高い仮焼温度では工業的な大量
生産が困難であるために実用的ではなくなる。より好ま
しい仮焼温度T(℃)は、上記の(120H0.5+5
00)〜1200℃の範囲内であって、水和ジルコニア
ゾルの平均粒径φ(μm)との間の関係が、 T≧1000φ+400 を満足するものであり、さらに望ましくは、 1000φ+400≦T≦3000φ+600 を満足するものである。仮焼時の雰囲気ガスは、種々の
ガスを選択することができる。このとき使用するガスは
水蒸気を含んでいるほうがよく、水蒸気分圧が30mm
Hg以上のガスを用いたほうがよい。30mmHgより
も低くなると、仮焼時の水和ジルコニアゾルの粒成長が
抑制されるために、低い温度で緻密な粒子が得にくくな
り好ましくないものになる。より好ましい水蒸気分圧
は、40〜760mmHgである。ガスの種類として
は、空気,二酸化炭素,窒素,酸素,アルゴン,ヘリウ
ムなどを挙げることができる。仮焼温度の保持時間は
0.5〜10時間がよく、昇温速度は0.5〜10℃/
minが好ましい。保持時間が0.5時間よりも短くな
ると均一に仮焼されにくく、10時間よりも長くなると
生産性が低下するので好ましくない。また、昇温速度が
0.5℃/minよりも小さくなると設定温度に達する
までの時間が長くなり、10℃/minよりも大きくな
ると仮焼時に粉末が激しく飛散して操作性が悪くなり生
産性が低下する。
【0011】上記の水和ジルコニアゾルは、いかなる反
応条件で得られたものを用いてもよい。ジルコニウム塩
水溶液の加水分解反応による場合、得られる水和ジルコ
ニアゾルの平均粒径は、反応終了時の反応液のpHを調
整することにより制御することができる。例えば、反応
終了のpHが0.1〜1.5になるように調整すること
により、平均粒径0.05〜0.3μmの水和ジルコニ
アゾルが得られる。いっぽう、結晶子径は、ジルコニウ
ム塩水溶液の陰イオン濃度を調整することにより制御す
ることができ、陰イオン濃度を0.8グラムイオン/l
以上にして加水分解させると、結晶子径が4nm以下の
水和ジルコニアゾルが得られる。したがって、ジルコニ
ウム塩水溶液の陰イオン濃度,pHを上記の範囲に制御
することによって、所望の水和ジルコニアゾルを得るこ
とができる。このpH,陰イオン濃度、即ち、水和ジル
コニアゾルの平均粒径と結晶子とを制御する方法として
は、例えば、ジルコニウム塩水溶液に、酸,アルカリま
たは金属塩を添加する、もしくは、陰イオン交換樹脂に
よりジルコニウム塩を構成している陰イオンの一部を除
去することによりpHを調整して加水分解させる方法、
または、水酸化ジルコニウムと酸との混合スラリー、該
混合スラリーに金属塩を添加して、混合物スラリーのp
Hおよび陰イオン濃度を調整して加水分解させる方法な
どが挙げられる。ここで、水和ジルコニアゾルの製造に
用いられるジルコニウム塩としては、オキシ塩化ジルコ
ニウム,硝酸ジルコニル,塩化ジルコニウム,硫酸ジル
コニルなどが挙げられるが、これらの他に水酸化ジルコ
ニウムと酸との混合物を用いてもよい。水和ジルコニゾ
ルの平均粒径を制御するために添加するアルカリとして
は、アンモニア,水酸化ナトリウム,水酸化カリウムな
どを挙げることができるが、これらの他に尿素のように
分解して塩基性を示す化合物でもよい。また、酸として
は、塩酸,硝酸,硫酸などを挙げることができるが、こ
れらの他に酢酸,クエン酸などの有機酸を用いてもよ
い。さらに、ジルコニウム塩水溶液の陰イオン濃度、す
なわち、水和ジルコニゾルの結晶子径を制御するために
添加する金属塩としては、ナトリウム塩などのアルカリ
金属またはアルカリ土類金属の塩,アルミニウム塩など
が挙げられるが、この他にアンモニウム塩を添加しても
よい。水酸化ジルコニウムの原料を用いる場合、その製
造法としては種々の方法が選択でき、例えば、ジルコニ
ウム塩水溶液をアルカリで中和することにより水酸化ジ
ルコニウムを得ることができる。
応条件で得られたものを用いてもよい。ジルコニウム塩
水溶液の加水分解反応による場合、得られる水和ジルコ
ニアゾルの平均粒径は、反応終了時の反応液のpHを調
整することにより制御することができる。例えば、反応
終了のpHが0.1〜1.5になるように調整すること
により、平均粒径0.05〜0.3μmの水和ジルコニ
アゾルが得られる。いっぽう、結晶子径は、ジルコニウ
ム塩水溶液の陰イオン濃度を調整することにより制御す
ることができ、陰イオン濃度を0.8グラムイオン/l
以上にして加水分解させると、結晶子径が4nm以下の
水和ジルコニアゾルが得られる。したがって、ジルコニ
ウム塩水溶液の陰イオン濃度,pHを上記の範囲に制御
することによって、所望の水和ジルコニアゾルを得るこ
とができる。このpH,陰イオン濃度、即ち、水和ジル
コニアゾルの平均粒径と結晶子とを制御する方法として
は、例えば、ジルコニウム塩水溶液に、酸,アルカリま
たは金属塩を添加する、もしくは、陰イオン交換樹脂に
よりジルコニウム塩を構成している陰イオンの一部を除
去することによりpHを調整して加水分解させる方法、
または、水酸化ジルコニウムと酸との混合スラリー、該
混合スラリーに金属塩を添加して、混合物スラリーのp
Hおよび陰イオン濃度を調整して加水分解させる方法な
どが挙げられる。ここで、水和ジルコニアゾルの製造に
用いられるジルコニウム塩としては、オキシ塩化ジルコ
ニウム,硝酸ジルコニル,塩化ジルコニウム,硫酸ジル
コニルなどが挙げられるが、これらの他に水酸化ジルコ
ニウムと酸との混合物を用いてもよい。水和ジルコニゾ
ルの平均粒径を制御するために添加するアルカリとして
は、アンモニア,水酸化ナトリウム,水酸化カリウムな
どを挙げることができるが、これらの他に尿素のように
分解して塩基性を示す化合物でもよい。また、酸として
は、塩酸,硝酸,硫酸などを挙げることができるが、こ
れらの他に酢酸,クエン酸などの有機酸を用いてもよ
い。さらに、ジルコニウム塩水溶液の陰イオン濃度、す
なわち、水和ジルコニゾルの結晶子径を制御するために
添加する金属塩としては、ナトリウム塩などのアルカリ
金属またはアルカリ土類金属の塩,アルミニウム塩など
が挙げられるが、この他にアンモニウム塩を添加しても
よい。水酸化ジルコニウムの原料を用いる場合、その製
造法としては種々の方法が選択でき、例えば、ジルコニ
ウム塩水溶液をアルカリで中和することにより水酸化ジ
ルコニウムを得ることができる。
【0012】この反応によって得られた水和ジルコニア
ゾルと安定化剤との混合物は、安定化剤を含む水和ジル
コニアゾル含有液を乾燥させて得ることができる。この
含有液を乾燥させる方法に制限はなく、例えば該懸濁液
または該懸濁液に有機溶媒を添加して乾燥する方法、該
懸濁液にアルカリを添加して濾過,水洗したあとに乾燥
する方法などを挙げることができる。このとき得られる
混合物の嵩密度は、0.5〜2.1g/cm3の範囲内
であることが好ましい。嵩密度が2.1よりも大きくな
ると、仮焼のときに混合物内の雰囲気が不均一になるた
めに安定化剤との固溶性が悪くなり、0.5よりも小さ
くなると生産効率が低下するために好ましくない。より
好ましい嵩密度は0.9〜1.6g/cm3である。ま
た、混合物には、ジルコニアに対する重量比として1%
以上の陰イオンが含まれているほうがよい。陰イオン含
有量が1%よりも低くなると、仮焼時に水和ジルコニア
ゾルの粒成長速度が遅くなるために低温度で緻密な粒子
が得られにくくなる。より好ましい陰イオン含有量は、
3〜33%である。安定化剤の添加は、加水分解が終了
した懸濁液に安定化剤を添加してもよく、さらに加水分
解のときに前もって添加してもよい。安定化剤の添加量
は、水和ジルコニアゾルのジルコニア換算量として1〜
30mol%が好ましく、その種類はY,Ca,Mg,
Ceなどの化合物ならばいかなるものでもよい。とくに
水溶性の塩,水酸化物、酸化物などがよい。もちろん、
必要に応じてアルミニウム,遷移金属などの化合物を乾
燥前に添加してもよい。
ゾルと安定化剤との混合物は、安定化剤を含む水和ジル
コニアゾル含有液を乾燥させて得ることができる。この
含有液を乾燥させる方法に制限はなく、例えば該懸濁液
または該懸濁液に有機溶媒を添加して乾燥する方法、該
懸濁液にアルカリを添加して濾過,水洗したあとに乾燥
する方法などを挙げることができる。このとき得られる
混合物の嵩密度は、0.5〜2.1g/cm3の範囲内
であることが好ましい。嵩密度が2.1よりも大きくな
ると、仮焼のときに混合物内の雰囲気が不均一になるた
めに安定化剤との固溶性が悪くなり、0.5よりも小さ
くなると生産効率が低下するために好ましくない。より
好ましい嵩密度は0.9〜1.6g/cm3である。ま
た、混合物には、ジルコニアに対する重量比として1%
以上の陰イオンが含まれているほうがよい。陰イオン含
有量が1%よりも低くなると、仮焼時に水和ジルコニア
ゾルの粒成長速度が遅くなるために低温度で緻密な粒子
が得られにくくなる。より好ましい陰イオン含有量は、
3〜33%である。安定化剤の添加は、加水分解が終了
した懸濁液に安定化剤を添加してもよく、さらに加水分
解のときに前もって添加してもよい。安定化剤の添加量
は、水和ジルコニアゾルのジルコニア換算量として1〜
30mol%が好ましく、その種類はY,Ca,Mg,
Ceなどの化合物ならばいかなるものでもよい。とくに
水溶性の塩,水酸化物、酸化物などがよい。もちろん、
必要に応じてアルミニウム,遷移金属などの化合物を乾
燥前に添加してもよい。
【0013】以上のようにして得られた仮焼粉は、粉砕
することにより分散性のよいジルコニア微粉末になる。
することにより分散性のよいジルコニア微粉末になる。
【0014】
【作用】ジルコニウム塩水溶液の加水分解により得られ
る水和ジルコニアゾルの微細構造は、結晶性のよい超微
粒子が凝集した粒子からなっていることが電子顕微鏡か
ら観察される。この超微粒子の大きさが小さいほど安定
化剤との反応表面積が大きくなり、さらに安定化剤との
均一性もよくなると考えられる。このことから仮焼によ
って層厚の高い混合物ほど粒子近傍の雰囲気が変化する
ために反応表面積が影響を受け、その結果、安定化剤と
の固溶性が変化するものと推察される。
る水和ジルコニアゾルの微細構造は、結晶性のよい超微
粒子が凝集した粒子からなっていることが電子顕微鏡か
ら観察される。この超微粒子の大きさが小さいほど安定
化剤との反応表面積が大きくなり、さらに安定化剤との
均一性もよくなると考えられる。このことから仮焼によ
って層厚の高い混合物ほど粒子近傍の雰囲気が変化する
ために反応表面積が影響を受け、その結果、安定化剤と
の固溶性が変化するものと推察される。
【0015】
【発明の効果】以上、説明したとおり、本発明によれ
ば、安定化剤のよく固溶した分散性のよい緻密な粒子、
従って、成形性のよいジルコニア粉末を簡易なプロセス
により製造することができる。
ば、安定化剤のよく固溶した分散性のよい緻密な粒子、
従って、成形性のよいジルコニア粉末を簡易なプロセス
により製造することができる。
【0016】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。例中、水和ジルコニアゾルの結晶構造は単斜晶系で
あり、その結晶子径は(11−1)の回折線の半価幅に
シェーラーの式を適用して算出した。ここで、シェーラ
ー定数は0.9とした。ジルコニア微粉末の成形は、金
型プレスにより成形圧700kg/cm2で行い、その
成形体は1500℃,2時間の焼成条件で焼結させた。
る。例中、水和ジルコニアゾルの結晶構造は単斜晶系で
あり、その結晶子径は(11−1)の回折線の半価幅に
シェーラーの式を適用して算出した。ここで、シェーラ
ー定数は0.9とした。ジルコニア微粉末の成形は、金
型プレスにより成形圧700kg/cm2で行い、その
成形体は1500℃,2時間の焼成条件で焼結させた。
【0017】実施例1 2mol/lのオキシ塩化ジルコニウム水溶液2.5リ
ットルに1規定のアンモニア水2リットル,酸化イット
リウム36gおよび塩化ナトリウム7.5gを添加し、
さらに蒸留水を加えて0.5mol/lのオキシ塩化ジ
ルコニウム水溶液10リットルを調製した。この原料液
を攪拌しながら加水分解反応を煮沸温度で120時間お
こなった。得られた水和ジルコニアゾルの光子相関法に
よる平均粒径は0.1μmであり、結晶子径は2.4n
mであった。この水和ジルコニアゾル含有液を加熱濃縮
して、さらにスプレー乾燥させて嵩密度1.3g/cm
3,塩素含有量15%(ジルコニアに対する重量比、以
下同じ)の水和ジルコニア乾燥粉末を調製した。この乾
燥粉を6cmの層厚で仮焼炉に仕込み、水蒸気分圧10
0mmHgの空気中、850℃の温度で2時間仮焼した
(120×60.5+500=794)。得られた仮焼
粉の粉末X線回折を測定した結果、正方晶の回折パター
ンであり、固溶反応率は97%であった。
ットルに1規定のアンモニア水2リットル,酸化イット
リウム36gおよび塩化ナトリウム7.5gを添加し、
さらに蒸留水を加えて0.5mol/lのオキシ塩化ジ
ルコニウム水溶液10リットルを調製した。この原料液
を攪拌しながら加水分解反応を煮沸温度で120時間お
こなった。得られた水和ジルコニアゾルの光子相関法に
よる平均粒径は0.1μmであり、結晶子径は2.4n
mであった。この水和ジルコニアゾル含有液を加熱濃縮
して、さらにスプレー乾燥させて嵩密度1.3g/cm
3,塩素含有量15%(ジルコニアに対する重量比、以
下同じ)の水和ジルコニア乾燥粉末を調製した。この乾
燥粉を6cmの層厚で仮焼炉に仕込み、水蒸気分圧10
0mmHgの空気中、850℃の温度で2時間仮焼した
(120×60.5+500=794)。得られた仮焼
粉の粉末X線回折を測定した結果、正方晶の回折パター
ンであり、固溶反応率は97%であった。
【0018】次いで、上記で得られた仮焼粉を水洗処理
したあと、ボールミルで50時間粉砕した。得られたジ
ルコニア微粉末のBET比表面積は、15m2/gであ
った。この粉末を用いて、成形体を作製したところ、成
形体密度は2.67g/cm3であり、この成形体を焼
成して得られた焼結体の密度は、6.07g/cm3、
曲げ強度は115kgf/mm2であった。
したあと、ボールミルで50時間粉砕した。得られたジ
ルコニア微粉末のBET比表面積は、15m2/gであ
った。この粉末を用いて、成形体を作製したところ、成
形体密度は2.67g/cm3であり、この成形体を焼
成して得られた焼結体の密度は、6.07g/cm3、
曲げ強度は115kgf/mm2であった。
【0019】実施例2 仮焼温度700℃,乾燥粉の層厚2.5cmに設定した
以外は実施例1と同様におこなった(120×2.5
0.5+500=690)。
以外は実施例1と同様におこなった(120×2.5
0.5+500=690)。
【0020】得られた仮焼粉の固溶反応率は92%であ
り、水洗,粉砕したあとのジルコニア微粉末のBET比
表面積は、23m2/gであった。この粉末を用いて、
成形体を作製したところ、成形体密度は2.75g/c
m3であり、この成形体を焼成して得られた焼結体の密
度は、6.08g/cm3、曲げ強度は120kgf/
mm2であった。
り、水洗,粉砕したあとのジルコニア微粉末のBET比
表面積は、23m2/gであった。この粉末を用いて、
成形体を作製したところ、成形体密度は2.75g/c
m3であり、この成形体を焼成して得られた焼結体の密
度は、6.08g/cm3、曲げ強度は120kgf/
mm2であった。
【0021】実施例3 2mol/lのオキシ塩化ジルコニウム水溶液2リット
ルに1規定のアンモニア水1.9リットルおよび酸化イ
ットリウム36gを添加し、さらに蒸留水を加えて0.
4mol/lのオキシ塩化ジルコニウム水溶液10リッ
トルを調製した。この原料液を攪拌しながら加水分解反
応を煮沸温度で120時間おこなった。得られた水和ジ
ルコニアゾルの光子相関法による平均粒径は0.15μ
mであり、結晶子径は2.6nmであった。この水和ジ
ルコニアゾル含有液を加熱濃縮して、さらにスプレー乾
燥させて嵩密度1.2g/cm3,塩素含有量14%の
水和ジルコニア乾燥粉末を調製した。この乾燥粉を8c
mの層厚で仮焼炉に仕込み、水蒸気分圧100mmHg
の空気中、900℃の温度で2時間仮焼した(120×
80.5+500=839)。得られた仮焼粉について
粉末X線回折を測定したところ、正方晶の回折パターン
のみが得られ、固溶反応率は98%であった。
ルに1規定のアンモニア水1.9リットルおよび酸化イ
ットリウム36gを添加し、さらに蒸留水を加えて0.
4mol/lのオキシ塩化ジルコニウム水溶液10リッ
トルを調製した。この原料液を攪拌しながら加水分解反
応を煮沸温度で120時間おこなった。得られた水和ジ
ルコニアゾルの光子相関法による平均粒径は0.15μ
mであり、結晶子径は2.6nmであった。この水和ジ
ルコニアゾル含有液を加熱濃縮して、さらにスプレー乾
燥させて嵩密度1.2g/cm3,塩素含有量14%の
水和ジルコニア乾燥粉末を調製した。この乾燥粉を8c
mの層厚で仮焼炉に仕込み、水蒸気分圧100mmHg
の空気中、900℃の温度で2時間仮焼した(120×
80.5+500=839)。得られた仮焼粉について
粉末X線回折を測定したところ、正方晶の回折パターン
のみが得られ、固溶反応率は98%であった。
【0022】次いで、上記で得られた仮焼粉を水洗処理
したあと、ボールミルで50時間粉砕した。得られたジ
ルコニア微粉末のBET比表面積は、15m2/gであ
った。この粉末を用いて、成形体を作製したところ、成
形体密度は2.75g/cm3であり、この成形体を焼
成して得られた焼結体の密度は、6.09g/cm3、
曲げ強度は125kgf/mm2であった。
したあと、ボールミルで50時間粉砕した。得られたジ
ルコニア微粉末のBET比表面積は、15m2/gであ
った。この粉末を用いて、成形体を作製したところ、成
形体密度は2.75g/cm3であり、この成形体を焼
成して得られた焼結体の密度は、6.09g/cm3、
曲げ強度は125kgf/mm2であった。
【0023】実施例4 2mol/lのオキシ塩化ジルコニウム水溶液2リット
ルに1規定のアンモニア水3.6リットルおよび酸化イ
ットリウム28.5gを添加し、さらに蒸留水を加えて
0.4mol/lのオキシ塩化ジルコニウム水溶液10
リットルを調製した。この原料液を攪拌しながら加水分
解反応を煮沸温度で120時間おこなった。得られた水
和ジルコニアゾルの光子相関法による平均粒径は0.2
6μmであり、結晶子径は2.9nmであった。この水
和ジルコニアゾル含有液を加熱濃縮して、さらにスプレ
ー乾燥させて嵩密度1.0g/cm3,塩素含有量13
%の水和ジルコニア乾燥粉末を調製した。この乾燥粉を
10cmの層厚で仮焼炉に仕込み、水蒸気分圧40mm
Hgの空気中、1000℃の温度で2時間仮焼した(1
20×100.5+500=879)。得られた仮焼粉
について粉末X線回折を測定したところ、正方晶の回折
パターンのみが得られ、固溶反応率は97%であった。
ルに1規定のアンモニア水3.6リットルおよび酸化イ
ットリウム28.5gを添加し、さらに蒸留水を加えて
0.4mol/lのオキシ塩化ジルコニウム水溶液10
リットルを調製した。この原料液を攪拌しながら加水分
解反応を煮沸温度で120時間おこなった。得られた水
和ジルコニアゾルの光子相関法による平均粒径は0.2
6μmであり、結晶子径は2.9nmであった。この水
和ジルコニアゾル含有液を加熱濃縮して、さらにスプレ
ー乾燥させて嵩密度1.0g/cm3,塩素含有量13
%の水和ジルコニア乾燥粉末を調製した。この乾燥粉を
10cmの層厚で仮焼炉に仕込み、水蒸気分圧40mm
Hgの空気中、1000℃の温度で2時間仮焼した(1
20×100.5+500=879)。得られた仮焼粉
について粉末X線回折を測定したところ、正方晶の回折
パターンのみが得られ、固溶反応率は97%であった。
【0024】次いで、上記で得られた仮焼粉を水洗処理
したあと、ボールミルで50時間粉砕した。得られたジ
ルコニア微粉末のBET比表面積は、8m2/gであっ
た。この粉末を用いて、成形体を作製したところ、成形
体密度は2.70g/cm3であり、この成形体を焼成
して得られた焼結体の密度は、6.08g/cm3、曲
げ強度は120kgf/mm2であった。
したあと、ボールミルで50時間粉砕した。得られたジ
ルコニア微粉末のBET比表面積は、8m2/gであっ
た。この粉末を用いて、成形体を作製したところ、成形
体密度は2.70g/cm3であり、この成形体を焼成
して得られた焼結体の密度は、6.08g/cm3、曲
げ強度は120kgf/mm2であった。
【0025】実施例5 2mol/lのオキシ塩化ジルコニウム水溶液3リット
ルに1規定のアンモニア水4リットル,酸化イットリウ
ム36gを添加し、さらに蒸留水を加えて0.6mol
/lのオキシ塩化ジルコニウム水溶液10リットルを調
製した。この原料液を攪拌しながら加水分解反応を煮沸
温度で120時間おこなった。得られた水和ジルコニア
ゾルの光子相関法による平均粒径は0.1μmであり、
結晶子径は2.5nmであった。この水和ジルコニアゾ
ル含有液を加熱濃縮して、さらにスプレー乾燥させて嵩
密度1.3g/cm3,塩素含有量15%の水和ジルコ
ニア乾燥粉末を調製した。この乾燥粉を6cmの層厚で
仮焼炉に仕込み、水蒸気分圧30mmHgの空気中、9
00℃の温度で2時間仮焼した(120×60.5+5
00=794)。得られた仮焼粉の粉末X線回折を測定
した結果、正方晶の回折パターンであり、固溶反応率は
98%であった。
ルに1規定のアンモニア水4リットル,酸化イットリウ
ム36gを添加し、さらに蒸留水を加えて0.6mol
/lのオキシ塩化ジルコニウム水溶液10リットルを調
製した。この原料液を攪拌しながら加水分解反応を煮沸
温度で120時間おこなった。得られた水和ジルコニア
ゾルの光子相関法による平均粒径は0.1μmであり、
結晶子径は2.5nmであった。この水和ジルコニアゾ
ル含有液を加熱濃縮して、さらにスプレー乾燥させて嵩
密度1.3g/cm3,塩素含有量15%の水和ジルコ
ニア乾燥粉末を調製した。この乾燥粉を6cmの層厚で
仮焼炉に仕込み、水蒸気分圧30mmHgの空気中、9
00℃の温度で2時間仮焼した(120×60.5+5
00=794)。得られた仮焼粉の粉末X線回折を測定
した結果、正方晶の回折パターンであり、固溶反応率は
98%であった。
【0026】次いで、上記で得られた仮焼粉を水洗処理
したあと、ボールミルで50時間粉砕した。得られたジ
ルコニア微粉末のBET比表面積は、20m2/gであ
った。この粉末を用いて、成形体を作製したところ、成
形体密度は2.88g/cm3であり、この成形体を焼
成して得られた焼結体の密度は、6.08g/cm3、
曲げ強度は125kgf/mm2であった。
したあと、ボールミルで50時間粉砕した。得られたジ
ルコニア微粉末のBET比表面積は、20m2/gであ
った。この粉末を用いて、成形体を作製したところ、成
形体密度は2.88g/cm3であり、この成形体を焼
成して得られた焼結体の密度は、6.08g/cm3、
曲げ強度は125kgf/mm2であった。
【0027】比較例1 仮焼温度700℃,乾燥粉の層厚6cmに設定した以外
は実施例1と同様におこなった(120×60.5+5
00=794)。
は実施例1と同様におこなった(120×60.5+5
00=794)。
【0028】得られた仮焼粉の固溶反応率は80%であ
り、水洗,粉砕したあとのジルコニア微粉末のBET比
表面積は、23m2/gであった。この粉末を用いて、
成形体を作製したところ、成形体密度は2.59g/c
m3であり、この成形体を焼成して得られた焼結体の密
度は、5.95g/cm3、曲げ強度は96kgf/m
m2であった。
り、水洗,粉砕したあとのジルコニア微粉末のBET比
表面積は、23m2/gであった。この粉末を用いて、
成形体を作製したところ、成形体密度は2.59g/c
m3であり、この成形体を焼成して得られた焼結体の密
度は、5.95g/cm3、曲げ強度は96kgf/m
m2であった。
Claims (1)
- 【請求項1】水和ジルコニアゾルとY,Ca,Mg,C
eのうち少なくとも1種の化合物を含む混合物を仮焼し
てジルコニア微粉末を製造する方法において、層厚H
(cm)の該混合物を120H0.5+500≦T≦1
200の条件を満たす温度T(℃)で仮焼することを特
徴とするジルコニア微粉末の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34771491A JP3146578B2 (ja) | 1991-12-04 | 1991-12-04 | ジルコニア微粉末の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34771491A JP3146578B2 (ja) | 1991-12-04 | 1991-12-04 | ジルコニア微粉末の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05155622A JPH05155622A (ja) | 1993-06-22 |
JP3146578B2 true JP3146578B2 (ja) | 2001-03-19 |
Family
ID=18392093
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34771491A Expired - Fee Related JP3146578B2 (ja) | 1991-12-04 | 1991-12-04 | ジルコニア微粉末の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3146578B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109195916B (zh) | 2016-04-01 | 2021-07-30 | 太平洋工业发展公司 | 介孔锆基混合氧化物的制备方法 |
WO2019136340A1 (en) | 2018-01-08 | 2019-07-11 | Pacific Industrial Development Corporation | Catalyst comprising ceria-zirconia-oxygen storage material and process for its production |
EP3694644A1 (en) | 2018-01-08 | 2020-08-19 | Pacific Industrial Development Corporation | Method of making mesoporous oxygen storage materials for exhaust gas treatment; said oxygen storage materials and their use |
KR20240140940A (ko) * | 2022-01-27 | 2024-09-24 | 도소 가부시키가이샤 | 분말 및 그 제조 방법 |
-
1991
- 1991-12-04 JP JP34771491A patent/JP3146578B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05155622A (ja) | 1993-06-22 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4470378B2 (ja) | ジルコニア焼結体およびその製造方法 | |
JPH07187613A (ja) | 金属酸化物粉末およびその製造方法 | |
JP3284413B2 (ja) | 水和ジルコニアゾルおよびジルコニア粉末の製造方法 | |
JP3368507B2 (ja) | ジルコニア粉末およびその製造方法 | |
JP4210533B2 (ja) | 易焼結性正方晶ジルコニア粉末およびその製造方法 | |
JP3959762B2 (ja) | 固体電解質用ジルコニア微粉末及びその製造方法 | |
JP3146578B2 (ja) | ジルコニア微粉末の製造法 | |
JP2006240928A (ja) | ジルコニア微粉末及びその製造方法 | |
JP3265597B2 (ja) | ジルコニア微粉末の製造方法 | |
JP3339076B2 (ja) | ジルコニア微粉末 | |
JP3355655B2 (ja) | 水和ジルコニアゲルおよびジルコニア粉末の製造方法 | |
JP3896614B2 (ja) | ジルコニア粉末及びその製造法 | |
JP4696338B2 (ja) | ジルコニア微粉末の製造方法 | |
JP3257095B2 (ja) | ジルコニア粉末の製造方法 | |
JP3331634B2 (ja) | 水和ジルコニアゾルおよびジルコニア粉末の製造方法 | |
KR100473399B1 (ko) | 세라믹 분말의 제조방법 | |
JP3254693B2 (ja) | 水和ジルコニアゾルおよびジルコニア粉末の製法 | |
JPH06171943A (ja) | 酸化ジルコニウム粉末の製造法 | |
JP3237140B2 (ja) | 水和ジルコニアゾルおよびジルコニア粉末の製造法 | |
JP3331633B2 (ja) | 水和ジルコニアゾルおよびジルコニア粉末を製造する方法 | |
JPH06171944A (ja) | 酸化ジルコニウム粉末を製造する方法 | |
EP0267449B1 (en) | Synthesis of partially-stabilized tetragonal zirconia | |
JP3358217B2 (ja) | 酸化ジルコニウム粉末の製造方法 | |
JPS6340725A (ja) | ジルコニア微粉末の製造方法 | |
JPH06144835A (ja) | チタン変成ジルコニアの製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090112 Year of fee payment: 8 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |