JP3145610B2 - ラッチ回路およびa/d変換器 - Google Patents
ラッチ回路およびa/d変換器Info
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Description
れるラッチ回路に関する。
小型化又は軽量化が重要になってきている。ところで、
個人用途機器は電池によって駆動されるのが一般的であ
り、小型化又は軽量化を実現するためには電池の占有率
の増大を抑制することが重要となる。そして、電池の占
有率の増大を抑制するためには、電子回路部及び機構部
の消費電力の低減が特に大切であるとされている。この
ような背景のもとで、半導体集積回路デバイスの低消費
電力化が進められている。
中でも画像信号処理用アナログ−デジタル変換器は携帯
用カメラに使用され、低消費電力化に対する要求が強い
ものとなっている。このため、アナログ−デジタル変換
器(以下A/D変換器と記す)には、低消費電力に対す
る優位性からチョッパ−インバータ増幅器が頻繁に使用
されている。
ば、特開昭63−80617号公報に記載されるよう
に、比較器がチョッパ−インバータ増幅器とその後段に
接続されたラッチ回路とから構成され、このラッチ回路
が、直列接続された2個のインバータと、この2個のイ
ンバータのうちの前段のインバータの入力端子と前記チ
ョッパ−インバータ増幅器の出力端子との間に設けられ
た入力スイッチと、前段のインバータの入力端子と後段
のインバータの出力端子との間に設けられた帰還スイッ
チとを備えるものが知られている。
路図である。図22において、51は外部入力端子、5
2は第1のインバータ、53は第2のインバータ、54
は外部出力端子である。また、PMOS55a及びNM
OS55bにより入力スイッチS1が構成され、PMO
S56a及びNMOS56bにより帰還スイッチS2が
構成される。PMOS55a及びNMOS56bのゲー
トには制御電圧Vφが印加されると共に、NMOS55
b及びPMOS56aのゲートには制御電圧Vφの反転
電圧/Vφが印加される。
“L”となるので、PMOS55a及びNMOS55b
が非導通状態となり入力スイッチS1が『開』となると
共にPMOS56a及びNMOS56bが導通状態とな
り帰還スイッチS2は『閉』となる。この期間を帰還期
間と呼ぶ。また、電圧Vφが“L”のときは電圧/Vφ
が“H”となるので、PMOS55a及びNMOS55
bが導通状態となり入力スイッチS1が『閉』となると
共にPMOS56a及びNMOS56bが非導通状態と
なり帰還スイッチS2は『開』となる。この期間を標本
化期間と呼ぶ。このように、図22に示すような従来の
ラッチ回路においては、入力スイッチS1と帰還スイッ
チS2との開閉状態は同時に遷移する。
inが標本化期間の終了時において第1のインバータ52
のしきい値電圧Va よりも大きいときは、帰還期間にお
いて第2のインバータ53の出力電圧は正帰還により電
源電圧VDDとなる。外部入力端子51に入力されている
電圧Vinが標本化期間の終了時において第1のインバー
タ52のしきい値電圧Va よりも小さいときは、帰還期
間において第2のインバータ53の出力電圧は正帰還に
より接地電圧VSSとなる。
チ回路には以下のような問題がある。
では入力スイッチS1と帰還スイッチS2とが同時に
『閉』となる現象が発生し、この現象がラッチ回路の動
作速度及び動作精度の向上の妨げとなっていることが分
かった。
同時に『閉』となる現象について説明する。図23は、
従来のラッチ回路における入力スイッチS1及び帰還ス
イッチS2の動作を示す図である。図23において、時
間t1 までは制御電圧Vφは“H”であり(すなわちラ
ッチ回路は帰還期間にあり)、時間t1 から制御電圧V
φが“H”から“L”に変化するものとする。ここで、
ラッチ回路は帰還期間において電源電圧VDDを保持して
いるとする。
子51に入力される電圧Vinとラッチ回路に保持されて
いる電源電圧VDDとが印加されている。図23の上のグ
ラフに示すように、入力スイッチS1を構成するPMO
S55aは、制御電圧Vφが電源電圧VDDよりもしきい
値電圧Vtpだけ低い電圧になると導通状態となる。ま
た、入力スイッチS1を構成するNMOS55bは、制
御電圧Vφの反転電圧/Vφが電圧Vinよりもしきい値
電圧Vtnだけ高い電圧になると導通状態となる。
に保持されている電源電圧VDDが共に印加されている。
図23の下のグラフに示すように、帰還スイッチS2を
構成するPMOS56aは、制御電圧Vφの反転電圧/
Vφが電源電圧VDDよりもしきい値電圧Vtpだけ低い電
圧になると非導通状態となる。また、帰還スイッチS2
を構成するNMOS56bは、制御電圧Vφが電源電圧
VDDよりもしきい値電圧Vtnだけ高い電圧にはなり得な
いので非導通状態のままである。
移するときには、入力スイッチS1と帰還スイッチS2
とが同時に『閉』となる期間が存在することになる。同
様に、標本化期間から帰還期間に遷移するときにも、入
力スイッチS1と帰還スイッチS2とが同時に『閉』と
なる期間が存在する。
4のようになる。図24において、第1のインバータ5
2、第2のインバータ53、入力スイッチS1及び帰還
スイッチS2によりラッチ回路が構成されている。ま
た、61はラッチ回路の前段の増幅器である。図24に
示すように、帰還期間から標本化期間に遷移するときに
は入力スイッチS1と帰還スイッチS2とが共に『閉』
となる第1の過渡期間が存在し、標本化期間から帰還期
間に遷移するときには入力スイッチS1と帰還スイッチ
S2とが共に『閉』となる第2の過渡期間が存在する。
について説明する。図25は、第1の過渡期間における
増幅器61の出力電圧の変化を示すグラフである。図2
5において、実線は増幅器61の出力電圧、一点鎖線は
第2のインバータ53の出力電圧を示している。また、
Va は第1のインバータ52のしきい値電圧である。
VDDを保持しているとすると第2のインバータ53の出
力電圧もVDDとなる。また、増幅器61は第1のインバ
ータ52のしきい値電圧Va よりもわずかに低い電圧V
inを出力しているとする。第1の過渡期間において、入
力スイッチS1と帰還スイッチS2とが共に『閉』とな
るので、増幅器61の出力電圧は第2のインバータ53
に駆動されて電源電圧VDD近くまで引き上げられる。そ
の後、標本化期間において、帰還スイッチS2が『開』
となるので増幅器61は出力電圧を再びVinに駆動する
が、第1の過渡期間において電源電圧VDD近くまで引き
上げられているために、再びVinとなるまでにいわゆる
セトリング時間が必要となる。
うと、増幅器61の出力電圧Vinが第1のインバータ5
2のしきい値電圧Va よりも低かったにもかかわらず、
ラッチ回路に保持される電圧は電源電圧VDDとなってし
まう可能性がある。このため、標本化期間はセトリング
時間を含むよう十分長くとる必要があり(具体的には、
10〜15ns程度の時間が必要である)、したがっ
て、ラッチ回路の高速動作が妨げられることになる。
る問題について説明する。図26は、第2の過渡期間に
おける第1のインバータ52の入力電圧の変化を示すグ
ラフである。図26において、実線は第1のインバータ
52の入力電圧、一点鎖線は第2のインバータ53の出
力電圧を示している。また、Va は第1のインバータ5
2のしきい値電圧である。
2の入力電圧が電圧Va よりも低い電圧から高い電圧に
変化しているとすると、第2のインバータ53の出力電
圧は第1のインバータ52の入力電圧に遅れて変化す
る。第1のインバータ52の入力電圧が電圧Va を越え
第2のインバータ53の出力電圧が電圧Va を越えてい
ないときに第2の過渡期間に入ると、入力スイッチS1
と帰還スイッチS2とが共に『閉』であるので、第1の
インバータ52の入力電圧は第2のインバータ53に駆
動されてしきい値電圧Va よりも低く引き下げられる。
1のインバータ52の入力電圧はしきい値電圧Va より
も高かったにもかかわらず、ラッチ回路は帰還期間にお
いて接地電圧VSSを保持することになる。したがって、
ラッチ回路の動作精度が低下する。
び動作精度を向上させることが可能なラッチ回路を提供
することを目的とする。
解決手段は、ラッチ回路として、外部から入力電圧を受
け取るための外部入力端子と、直列に接続されたN個
(ただしNは偶数)の反転増幅回路からなり前記入力電
圧を正転増幅する正転増幅回路と、前記外部入力端子と
前記正転増幅回路の入力端子との間に設けられ、前記外
部入力端子と前記正転増幅回路の入力端子とを接続する
閉状態と前記外部入力端子と前記正転増幅回路の入力端
子とを切り離す開状態とを切り替える第1のスイッチ手
段と、前記正転増幅回路の入力端子と出力端子との間に
設けられ、前記正転増幅回路の入力 端子と出力端子とを
接続する閉状態と前記正転増幅回路の入力端子と出力端
子とを切り離す開状態とを切り替える第2のスイッチ手
段と、前記正転増幅回路を構成するN個の反転増幅回路
の入力端子と出力端子との間にそれぞれ設けられ、各反
転増幅回路の入力端子と出力端子とを接続する閉状態と
各反転増幅回路の入力端子と出力端子とを切り離す開状
態とを切り替えるN個のバイアススイッチ手段とを備
え、前記正転増幅回路は、第i段(ただしiは1≦i≦
(N−1)を満たす全ての整数)の反転増幅回路の出力
端子と第(i+1)段の反転増幅回路の入力端子との間
に直列に接続された(N−1)個の容量を有するもので
ある。
のラッチ回路を備えたA/D変換器である。
構成するN個の反転増幅回路にそれぞれ対応してN個の
バイアススイッチ手段が設けられているため、バイアス
スイッチ手段を閉状態にして反転増幅回路の入力端子と
出力端子とを接続することにより、反転増幅回路の入力
電圧及び出力電圧は共に反転増幅回路のしきい値電圧と
なる。そして、正転増幅回路はN個の反転増幅回路のそ
れぞれの間に容量を備えており、各容量は、前段の反転
増幅回路のしきい値電圧と後段の反転増幅回路のしきい
値電圧との差電圧を保持する。
タやスイッチや容量に加えて、論理回路や遅延回路等か
ら構成される。ここでは、インバータは、例えば、CM
OSインバータ、E/Dインバータ、NMOSインバー
タ等のように入力電圧に対して反転出力を持つ回路とす
る。また、スイッチは、例えば、CMOSスイッチ、N
MOSスイッチ、PMOSスイッチ等とする。
参照しながら説明する。
成の概要を示すブロック図である。図1において、外部
入力端子1、第1のインバータ2、第2のインバータ
3、外部出力端子4、第1のスイッチ手段としての入力
スイッチS1及び第2のスイッチ手段としての帰還スイ
ッチS2によりラッチ部12が構成される。また、第1
のインバータ2及び第2のインバータ3により正転増幅
回路5が構成される。入力スイッチS1は外部入力端子
1と第1のインバータ2の入力端子との間に設けられ、
『閉』のとき、外部入力端子1から入力される入力電圧
を第1のインバータ2に供給する。第1のインバータ2
は入力スイッチS1と接続されており、供給される入力
電圧を反転増幅する増幅器である。第2のインバータ3
は第1のインバータ2に対して直列に接続されており、
第1のインバータ2の出力電圧を反転増幅する増幅器で
ある。帰還スイッチS2は第1のインバータ2の入力端
子と第2のインバータ3の出力端子との間に設けられ、
『閉』のとき、第2のインバータ3の出力電圧を第1の
インバータ2の入力電圧に正帰還させるスイッチであ
る。外部出力端子4は第2のインバータ3の出力電圧を
外部へ出力するための端子である。
回路6、第2の駆動手段としての第2の駆動回路7、信
号生成手段としての複合ゲート8、遅延手段としての遅
延回路9及び信号入力端子10により制御手段としての
制御部11が構成される。第1の駆動回路6及び第2の
駆動回路7は、それぞれ入力スイッチS1及び帰還スイ
ッチS2を開閉する回路である。複合ゲート8は信号入
力端子10からの信号と遅延回路9からの信号とを入力
し、この2つの信号の論理演算を行うゲートである。遅
延回路9は、信号入力端子10に入力される信号を遅延
させる回路である。信号入力端子10は、ラッチ部12
の各動作期間を決定する基本クロック信号を入力信号と
して受け取るための端子である。
図である。図2(a)に示すように、遅延回路9はイン
バータ14及び15が2段に直列接続されてなり、各イ
ンバータにおける伝達遅延時間の総和が遅延回路9の遅
延時間となる。インバータの直列接続数を偶数とするこ
とによって、入力端子13と出力端子16とにおける信
号の極性を合わせている。
イッチS2の一例を示す回路図である。図2(b)に示
すように、入力スイッチS1及び帰還スイッチS2は、
PMOSトランジスタとNMOSトランジスタとから構
成された伝達ゲートである。端子17及び18がスイッ
チの入出力端子であり、端子19及び20がスイッチの
制御端子である。図2(b)のスイッチは、端子19及
び20に入力される制御信号により開閉する。
駆動回路7の一例を示す回路図である。図2(c)に示
すように、第1の駆動回路6及び第2の駆動回路7は、
5個のインバータが直列接続されてなる直列接続路と、
この直列接続路の初段のインバータの出力側から分岐し
3個のインバータが直列接続されてなる分岐路とから構
成される。入力端子21に入力される信号が直列接続路
を経ることによって反転出力端子22から反転出力信号
が得られ、直列接続路の初段のインバータ及び分岐路を
経ることによって正転出力端子23から正転出力信号が
得られる。正転出力信号及び反転出力信号は、図2
(b)のスイッチの端子19及び20に制御信号として
与えられる。
路図である。図2(d)に示すように、複合ゲート8
は、両方の入力端子が端子I1と接続されたNANDゲ
ートと、このNANDゲートの後段に接続され出力端子
が端子O1と接続されたインバータと、一方の入力端子
が端子I1と接続され他方の入力端子が端子I2と接続
されたNANDゲートと、このNANDゲートの後段に
接続され出力端子が端子O2と接続されたインバータと
から構成される。
体的な回路構成の一例を示す回路図であり、図1に示す
ブロック図の各部に図2(a)〜(d)の回路を用いた
場合の回路図である。
の端子17は外部入力端子1に接続され、入力スイッチ
S1の端子18は正転増幅回路5の入力端子に接続され
る。帰還スイッチS2の端子17は正転増幅回路5の入
力端子に接続され、帰還スイッチS2の端子18は正転
増幅回路5の出力端子に接続される。
入力端子13は信号入力端子10と接続される。複合ゲ
ート8の端子I1は信号入力端子10と接続され、端子
I2は遅延回路9の出力端子16と接続される。複合ゲ
ート8の端子O1は第2の駆動回路7の入力端子21と
接続され、端子O2は第1の駆動回路6の入力端子21
と接続される。第1の駆動回路6の反転出力端子22は
入力スイッチS1の端子19と接続され、第1の駆動回
路6の正転出力端子23は入力スイッチS1の端子20
と接続される。第2の駆動回路7の反転出力端子22は
帰還スイッチS2の端子20と接続され、第2の駆動回
路7の正転出力端子23は帰還スイッチS2の端子19
と接続される。なお、図3では、第1の駆動回路6、第
2の駆動回路7及び複合ゲート8の内部構成を省略して
いる。
て、図4及び図5を用いてその動作を説明する。
である。図4に示すように、複合ゲート8の端子I1に
は信号入力端子10から基本クロック信号が直接入力さ
れる。一方、端子I2には基本クロック信号を遅延回路
9で遅延することにより得られる遅延クロック信号が入
力される。複合ゲート8の動作により、基本クロック信
号と同形の信号が端子O1から出力されると共に、この
信号に比べて立ち上がりタイミングのみが遅い信号が端
子O2から出力される。
る信号から正転出力信号と反転出力信号を生成し、この
正転出力信号及び反転出力信号により入力スイッチS1
の開閉状態を制御する。一方、第2の駆動回路7は端子
O1から供給される信号から正転出力信号と反転出力信
号を生成し、この正転出力信号及び反転出力信号により
帰還スイッチS2の開閉状態を制御する。
グ図である。図5に示すように、本実施例に係るラッチ
回路では、帰還期間と標本化期間との間に、入力スイッ
チS1及び帰還スイッチS2が共に『開』となる分離期
間を設けていることを特徴とする。
『閉』となると共に帰還スイッチS2は『開』となる。
このとき、外部入力端子1に入力された電圧は第1のイ
ンバータ2の入力電圧となる。第1のインバータ2は、
しきい値電圧Va を基準として入力電圧を反転増幅す
る。第1のインバータ2により反転増幅された電圧は、
第2のインバータ3により更に反転増幅されて出力され
る。このとき、第1のインバータ2の入力電圧と第2の
インバータ3の出力電圧とは、しきい値電圧Vaを基準
として同じ極性を有する。
『開』となると共に帰還スイッチS2は『閉』となる。
このとき、入力スイッチS1及び帰還スイッチS2の状
態は同時に切り替えられる。この切り替え動作が終了す
ると、第2のインバータ3の出力電圧は、『閉』である
帰還スイッチS2を通して第1のインバータ2の入力端
子に正帰還される。この正帰還により、第1のインバー
タ2の入力電圧及び第2のインバータ3の出力電圧は、
電源電圧又は接地電圧に至るまで駆動される。したがっ
て、標本化期間の終了時に外部入力端子1に入力されて
いる電圧は、第1のインバータ2のしきい値電圧Va を
基準として電源電圧又は接地電圧に至るまで駆動され
て、外部出力端子4から出力されることになる。
還スイッチS2が『閉』から『開』となる。入力スイッ
チS1及び帰還スイッチS2が共に『開』となる期間を
分離期間と呼ぶ。分離期間を設けることにより、入力ス
イッチS1及び帰還スイッチS2が共に『閉』となる現
象が回避される。このため、従来のラッチ回路で発生し
ていた、帰還期間から標本化期間への遷移において、外
部入力端子1に入力される電圧を第2のインバータ3が
直前の帰還期間に保持していた電圧に向かって駆動する
という現象が生じない。さらに、ラッチ回路の前段に設
けられた回路の動作を乱すことがなくなる。
における外部入力端子1に入力される電圧の変化を示す
グラフである。図6において、実線は外部入力端子1に
入力される電圧、一点鎖線は第2のインバータ3が帰還
期間において保持している電圧である。図6から分かる
ように、外部入力端子1に入力される電圧は、分離期間
が存在することにより、第2のインバータ3が帰還期間
において保持している電圧の影響を受けない。すなわ
ち、セトリング時間を削減することができるので高速動
作を実現することができる。なお、分離期間は、実際に
は1.5ns程度で十分な効果を得ることができ、セト
リング時間(10〜15ns)に比べて極めて小さい値
に設定することが可能である。
ラッチ回路によると、第1の駆動回路6、第2の駆動回
路7、複合ゲート8及び遅延回路9からなる制御部11
によりラッチ部12の入力スイッチS1及び帰還スイッ
チS2の動作順序を能動的に制御して、帰還期間から標
本化期間への遷移の途中に分離期間を設けることによ
り、ラッチ回路の前段に接続された回路の動作の乱れを
緩和すると共に高速動作を実現することができる。
参照しながら説明する。
体的な回路構成の一例を示す回路図であり、第1の実施
例と同様に、図1に示すブロック図の各部に図2(a)
〜(d)の回路を用いた場合の回路図である。ここで
は、図3に示す第1の実施例に係るラッチ回路と異なる
点についてのみ説明する。
合ゲート8の端子I1は信号入力端子10と接続される
一方、端子I2は遅延回路9の出力端子16と接続され
る。ところが本実施例では、図7に示すように、複合ゲ
ート8の端子I2が信号入力端子10と接続される一
方、端子I1は遅延回路9の出力端子16と接続され
る。この点を除いて、本実施例に係るラッチ回路は第1
の実施例と同様に構成されるので、図1及び図3と同一
の機能を有するものには同一の符号を付してその詳細な
説明を省略する。
るラッチ回路について、図8及び図9を用いてその動作
を説明する。
である。図8に示すように、複合ゲート8の端子I1に
は基本クロック信号を遅延回路9で遅延することにより
得られる遅延クロック信号が入力される。一方、端子I
2には信号入力端子10から基本クロック信号が直接入
力される。複合ゲート8の動作により、基本クロック信
号と同形の信号が端子O1から出力されると共に、この
信号に比べて立ち下がりタイミングのみが早い信号が端
子O2から出力される。
る信号から正転出力信号と反転出力信号を生成し、この
正転出力信号及び反転出力信号により入力スイッチS1
の開閉状態を制御する。一方、第2の駆動回路7は端子
O1から供給される信号から正転出力信号と反転出力信
号を生成し、この正転出力信号及び反転出力信号により
帰還スイッチS2の開閉状態を制御する。
ッチ部12の動作を示すタイミング図である。図9に示
すように、本実施例に係るラッチ回路では、標本化期間
と帰還期間との間に入力スイッチS1及び帰還スイッチ
S2が共に『開』となる保持期間を設けていることを特
徴とする。
動作は第1の実施例と同様であるので説明を省略し、以
下、保持期間の動作のみを説明する。
て、帰還スイッチS2は『開』のまま入力スイッチS1
が『閉』から『開』となる。入力スイッチS1及び帰還
スイッチS2が共に『開』となる期間を保持期間と呼
ぶ。保持期間を設けることにより、入力スイッチS1及
び帰還スイッチS2が共に『閉』となる現象が回避され
る。このため、従来のラッチ回路で発生していた、標本
化期間から帰還期間への遷移において、外部入力端子1
に入力される電圧を第2のインバータ3が標本化期間に
出力していた電圧に向かって駆動するという現象が生じ
ない。さらに、ラッチ回路の前段に設けられた回路の動
作を乱すことがなくなる。
移における第1のインバータ2の入力電圧の変化を示す
グラフである。図10において、実線は第1のインバー
タ2の入力電圧、一点鎖線は第2のインバータ3の出力
電圧である。図10から分かるように、保持期間におい
て、第1のインバータ2の入力電圧は第2のインバータ
3の出力電圧の影響を受けず、標本化期間終了時の電圧
を保つ。第1のインバータ2の入力電圧は第1のインバ
ータ2のしきい値電圧Va よりも高いので、帰還期間で
は第2のインバータ3から電源電圧が出力される。すな
わち、ラッチ回路の動作精度を向上することができる。
ラッチ回路によると、第1の駆動回路6、第2の駆動回
路7、複合ゲート8及び遅延回路9からなる制御部11
によりラッチ部12の入力スイッチS1及び帰還スイッ
チS2の動作順序を能動的に制御して標本化期間から帰
還期間への遷移の途中に保持期間を設けることにより、
ラッチ回路の前段に接続された回路の動作の乱れを緩和
すると共にラッチ回路の動作精度を向上することができ
る。
参照しながら説明する。
回路に用いられる複合ゲート8Aの一例を示す回路図で
ある。図11(a)に示すように、複合ゲート8Aは、
両方の入力端子が端子I1と接続されたNANDゲート
と、このNANDゲートの後段に接続され出力端子が端
子O1と接続されたインバータと、一方の入力端子が端
子I2と接続され他方の入力端子が端子I3と接続され
たNANDゲートと、このNANDゲートの後段に接続
され出力端子が端子O2と接続されたインバータとから
構成される。
回路に用いられる遅延回路9Aの一例を示す回路図であ
る。図11(b)に示すように、遅延回路9Aは、イン
バータ25及び26が2段に直列接続されてなる第1の
遅延部分回路と、インバータ27及び28が2段に直列
接続されてなる第2の遅延部分回路とがさらに直列接続
されることにより構成されている。インバータ25及び
26における伝達遅延時間の総和が第1の遅延時間、イ
ンバータ27及び28における伝達遅延時間の総和が第
2の遅延時間となる。第1の遅延部分回路及び第2の遅
延部分回路におけるインバータの直列接続数を偶数とす
ることによって、入力端子24と出力端子29及び30
とにおける信号の極性を合わせている。
具体的な回路構成の一例を示す回路図である。入力スイ
ッチS1及び帰還スイッチS2は図2(b)の回路を用
いており、第1の駆動回路6及び第2の駆動回路7は図
2(c)の回路を用いている。また、複合ゲート8A及
び遅延回路9Aはそれぞれ図11(a)及び(b)の回
路を用いている。
て、遅延回路9Aの入力端子24は信号入力端子10と
接続される。複合ゲート8Aの端子I1は遅延回路9A
の出力端子29と接続され、端子I2は信号入力端子1
0と接続され、端子I3は遅延回路9Aの出力端子30
と接続される。複合ゲート8Aの端子O1は第2の駆動
回路7の入力端子21と接続され、端子O2は第1の駆
動回路6の入力端子21と接続される。この点を除い
て、本実施例に係るラッチ回路は第1及び第2の実施例
と同様に構成されるので、図1、図3及び図7と同一の
機能を有するものには同一の符号を付してその詳細な説
明を省略する。
るラッチ回路について、図13及び図14を用いてその
動作を説明する。
す図である。図13に示すように、複合ゲート8Aの端
子I1には基本クロック信号を遅延回路9Aの第1の遅
延部分回路により第1の遅延時間だけ遅延することによ
り得られる第1の遅延クロック信号が入力される。複合
ゲート8Aの端子I2には信号入力端子10から基本ク
ロック信号が直接入力される。複合ゲート8Aの端子I
3には第1の遅延クロック信号をさらに遅延回路9Aの
第2の遅延部分回路により第2の遅延時間だけ遅延する
ことにより得られる第2の遅延クロック信号が入力され
る。複合ゲート8Aの動作により、基本クロック信号と
同形の信号が端子O1から出力されると共に、この信号
に比べて立ち上がりタイミングが遅く且つ立ち下がりタ
イミングが早い信号が端子O2から出力される。
る信号から正転出力信号と反転出力信号を生成し、この
正転出力信号及び反転出力信号により入力スイッチS1
の開閉状態を制御する。一方、第2の駆動回路7は端子
O1から供給される信号から正転出力信号と反転出力信
号を生成し、この正転出力信号及び反転出力信号により
帰還スイッチS2の開閉状態を制御する。
ラッチ部12の動作を示すタイミング図である。図14
に示すように、本実施例に係るラッチ回路では、帰還期
間と標本化期間との間に入力スイッチS1及び帰還スイ
ッチS2が共に『開』となる分離期間が設けられると共
に、標本化期間と帰還期間との間に入力スイッチS1及
び帰還スイッチS2が共に『開』となる保持期間が設け
られる。標本化期間、帰還期間、分離期間、及び保持期
間における動作は第1及び第2の実施例と同様なのでこ
こでは説明を省略する。
ラッチ回路によると、第1の駆動回路6、第2の駆動回
路7、複合ゲート8A及び遅延回路9Aからなる制御部
11によりラッチ部12の入力スイッチS1及び帰還ス
イッチS2の動作順序を能動的に制御して、帰還期間か
ら標本化期間への遷移の途中に分離期間を設けると共に
標本化期間から帰還期間への遷移の途中に保持期間を設
けることにより、ラッチ回路の前段に接続された回路の
動作の乱れを緩和すると共にラッチ回路の動作速度及び
動作精度を向上することができる。
参照しながら説明する。
ラッチ部を示す回路図である。図1に示すラッチ回路の
ラッチ部12と異なるのは、第1のインバータ2の入力
端子と接地との間の寄生容量Csによる影響を低減する
ために、第1のインバータ2の入力端子と出力端子との
間に容量C1を設けた点である。図15において、図1
と同一の機能を有するものには同一の符号を付してその
詳細な説明を省略する。
第3の実施例に係るラッチ回路のいずれにも用いること
ができるが、ここでは、容量C1の効果が特徴的に表れ
る第2の実施例に係るラッチ回路に用いる場合を例にと
り、図9に示すタイミング図を参照しながら説明する。
圧をVa 、しきい値電圧Va 近傍における電圧利得をG
(ただし、G<0)とする。まず、標本化期間におい
て、容量C1の一方の端子には外部入力端子1に入力さ
れる電圧Vinが印加されると共に、他方の端子にはG×
(Vin−Va )+Va が印加される。したがって、容量
C1に蓄積される電荷量qS は次式で表わされる。
生容量Csに蓄積される電荷量qSSは次式で表わされ
る。
圧VH に整定されるとすると、第1のインバータ2の出
力電圧はG×(VH −Va )+Va となり、これはその
まま容量C1の端子電圧となるので、容量C1に分配さ
れる電荷量qSHは次式で表わされる。
で表わされる。
Csとの接続点で電荷保存則が成立する。ここではさら
に実際の回路特性に近づけるために、入力スイッチS1
及び帰還スイッチS2の回路に寄生する容量の端子電圧
の電源間移動に伴なう電荷の再分配によって、保持期間
に遷移するときに容量C1と寄生容量Csとの接続点に
注入される電荷量qf を電荷保存則を表わす式に加え
る。すなわち、 qS +qSS+qf =qSH+qSSH …(式5) (式5)に(式1)〜(式4)を代入して電圧VH につ
いて整理すると次式のようになる。
り、 VH =Vin+qf /Cs …(式7) となる。(式6)及び(式7)の右辺第2項は、整定電
圧VH の入力電圧Vinに対する誤差電圧を表わしてい
る。両式を比較すると、C1の存在により誤差電圧の値
が小さくなることが分かる。すなわち、容量C1により
誤差電圧は抑制されることになる。
回路の製造プロセスに起因して寄生容量Csはばらつき
を持っている。このため、誤差電圧のばらつきも実際の
回路では大きくなる。これに対して容量C1は、寄生容
量Csよりばらつきを少なくできると共に寄生容量Cs
よりも十分大きく形成できるので、容量C1の存在によ
り寄生容量Csの影響を小さくすることになる。すなわ
ち、整定電圧VH は近似的に次式で表わされる。
存しなくなり、誤差電圧のばらつきを緩和することがで
きる。
還期間に入るが、高精度の動作を行うためには小さな誤
差電圧が必要であることは自明である。
ラッチ回路によると、ラッチ部において第1のインバー
タ2の入力端子と出力端子との間に容量C1を設けるこ
とによって、保持期間における誤差電圧を抑制すると共
に半導体集積回路の製造プロセスに起因する誤差電圧の
ばらつきを緩和することができる。
参照しながら説明する。
ラッチ部を示す回路図である。図15に示す第4の実施
例のラッチ部と異なるのは、後段に接続された回路の動
作の影響がラッチ回路に伝達することを抑制するため
に、第2のインバータ3の入力端子と出力端子との間に
容量C2を設けた点である。図16において、図15と
同一の機能を有するものには同一の符号を付してその詳
細な説明を省略する。
第3の実施例に係るラッチ回路のいずれにも用いること
ができるが、ここでは、図3に示す第1の実施例に係る
ラッチ回路に用いる場合を例にとり、その動作を説明す
る。
ッチ回路の出力電圧が帰還動作において遷移していると
きである。第2のインバータ3と容量C2とからなる回
路では容量C2は帰還回路網の役割を果たすことにな
る。ラッチ回路の後段に接続された回路の動作時に発生
した電圧が外部出力端子4に表れると、その電圧は容量
C2を通じて第2のインバータ3の入力端子に与えられ
第2のインバータ3により反転増幅される。これによ
り、後段の回路からの擾乱電圧を抑制することができ
る。この結果、ラッチ回路の出力電圧に対する後段の回
路の動作による影響を緩和することができ、ラッチ回路
の帰還動作における電圧遷移の乱れを抑制することがで
きる。
3の実施例に係るラッチ回路に用いられた場合にも同様
の効果を得ることができる。
ラッチ回路によると、第2のインバータ3の入力端子と
出力端子との間に容量C2を設けることによって、ラッ
チ回路の後段に接続された回路の動作による影響を緩和
することができ、ラッチ回路の帰還動作における電圧遷
移の乱れを抑制し動作精度を向上させることができる。
参照しながら説明する。
ラッチ部を示す回路図である。図15に示す第4の実施
例に係るラッチ部と異なるのは、第1のインバータ2の
入力端子と出力端子との間に容量C1を設ける代わりに
第1のインバータ2の入力端子と第2のインバータ3の
出力端子との間に容量C3を設けた点である。図17に
おいて、図15と同一の機能を有するものには同一の符
号を付してその詳細な説明を省略する。
第3の実施例に係るラッチ回路のいずれにも用いること
ができるが、ここでは、容量C3の効果が特徴的に表れ
る第2の実施例に係るラッチ回路に用いる場合を例にと
り、図9に示すタイミング図を参照しながら説明する。
方の端子には外部入力端子1に入力される入力電圧Vin
が印加されると共に、他方の端子にはG2 ×(Vin−V
a )+Va が印加される。したがって、容量C3に蓄積
される電荷量qS は次式で表わされる。
Csに蓄積される電荷量qSSは次式で表わされる。
圧VH に整定されるとすると、容量C3に分配される電
荷量qSHは次式で表わされる。
で表わされる。
Csとの接続点で電荷保存則が成立する。ここではさら
に実際の回路特性に近づけるために、入力スイッチS1
及び第2の帰還スイッチS2の回路に寄生する容量の端
子電圧の電源間移動に伴う電荷の再分配によって、保持
期間に遷移するときに容量C3と寄生容量Csとの接続
点に注入される電荷量qf を電荷保存則を表わす式に加
える。すなわち、 qS +qSS+qf =qSH+qSSH …(式13) (式13)に(式9)〜(式12)を代入して整定電圧
VH について整理すると、 VH =Vin+qf /(Cs+(1−G2 )×C3) …(式14) 容量C3が無い場合は、(式14)においてC3=0と
なり、 VH =Vin+qf /Cs …(式15) となる。(式14)及び(式15)の右辺第2項は、整
定電圧VH の入力電圧Vinに対する誤差電圧を表してい
る。両式を比較すると、C3の存在により誤差電圧の値
が小さくなることが分かる。すなわち、容量C3により
誤差電圧は抑制されることになる。
回路の製造プロセスに起因して寄生容量Csはばらつき
を持っている。このため、誤差電圧のばらつきも大きく
なる。これに対して容量C3は、寄生容量Csよりもば
らつきを少なくできると共に寄生容量Csよりも十分大
きく形成できるので、容量C3の存在により寄生容量C
sの影響を小さくすることができる。すなわち、整定電
圧VH は近似的に次式で表わされる。
存しなくなり、誤差電圧のばらつきを緩和することがで
きる。
に帰還動作を行うが、高精度の動作を行うためには誤差
電圧は小さい方が好ましいことは明らかである。
ラッチ回路によると、第1のインバータ2の入力端子と
第2のインバータ3の出力端子との間に容量C3を設け
ることによって、保持期間における誤差電圧を抑制する
と共に半導体集積回路の製造プロセスに起因する誤差電
圧のばらつきを緩和することができる。
参照しながら説明する。
チ回路を示す回路図である。図18において、1は外部
入力端子、2は第1のインバータ、3は第2のインバー
タ、4は外部出力端子、S1は第1のスイッチ手段とし
ての入力スイッチ、S2は第2のスイッチ手段としての
帰還スイッチ、S3はバイアススイッチ手段としての第
1のバイアススイッチ、S4はバイアススイッチ手段と
しての第2のバイアススイッチである。第1のインバー
タ2及び第2のインバータ3により正転増幅回路5が構
成される。
のインバータ2の入力端子との間に設けられ、『閉』の
とき外部入力端子1から入力される電圧を第1のインバ
ータ2に供給するスイッチである。第1のインバータ2
は入力スイッチS1と接続されており、供給される入力
電圧を反転増幅する増幅器である。第2のインバータ3
は第1のインバータ2に対して直列に接続されており、
第1のインバータ2の出力電圧を反転増幅する増幅器で
ある。帰還スイッチS2は第1のインバータ2の入力端
子と第2のインバータ3の出力端子との間に設けられ、
『閉』のとき第2のインバータ3の出力電圧を第1のイ
ンバータ2の入力電圧に正帰還させるスイッチである。
バータ2の入力端子と出力端子との間に設けられ、第1
のインバータ2の入力端子と出力端子との離接状態を切
り替える。第2のバイアススイッチS4は第2のインバ
ータ3の入力端子と出力端子との間に設けられ、第2の
インバータ3の入力端子と出力端子との離接状態を切り
替える。
について、図19(a)を参照しながら説明する。
動作を示すタイミング図である。図19(a)に示すよ
うに、標本化期間において、入力スイッチS1は『閉』
となると共に帰還スイッチS2、第1のバイアススイッ
チS3及び第2のバイアススイッチS4は『開』とな
る。この状態では、外部入力端子1に入力される電圧V
inは入力スイッチS1を通じて第1のインバータ2の入
力端子に供給される。第1のインバータ2はしきい値電
圧Va を基準として入力電圧Vinを反転増幅する。第1
のインバータにより反転増幅された電圧は、第2のイン
バータ3によりさらに反転増幅されて出力される。この
とき、入力電圧Vinと第2のインバータ3の出力電圧と
はしきい値電圧Va を基準として同じ極性を有する。
『開』となると共に帰還スイッチS2は『閉』となる。
第1のバイアススイッチS3及び第2のバイアススイッ
チS4は『開』のままである。この状態では、第2のイ
ンバータ3の出力電圧が『閉』である第2のスイッチS
2を通じて第1のインバータ2の入力端子に正帰還され
る。この正帰還により、第1のインバータ2の入力電圧
及び第2のインバータ3の出力電圧は、電源電圧又は接
地電圧に至るまで駆動される。したがって、標本化期間
の終了時に外部入力端子1に入力されている電圧は、第
1のインバータ2のしきい値電圧Va を基準として電源
電圧又は接地電圧に至るまで駆動されて、外部出力端子
4から出力されることになる。
は『開』であり帰還スイッチS2は『閉』である。そし
て、第1のバイアススイッチS3及び第2のバイアスス
イッチS4は『開』から『閉』になる。この状態では、
第1のインバータ2の入出力端子及び第2のインバータ
3の入出力端子には第1のバイアススイッチS3及び第
2のバイアススイッチS4により、しきい値電圧Va が
バイアスされる。このとき、直前の帰還期間におけるラ
ッチ回路の保持電圧がしきい値電圧Va に遷移すること
によって、標本化期間における最終電圧へのセトリング
時間に対する保持電圧の値の違いによる影響をなくすこ
とができる。
第2及び第3の実施例に係るラッチ回路のいずれにもラ
ッチ部として適用することができる。ここでは、図3に
示す第1の実施例のラッチ回路に用いた場合の動作を図
19(b)に示す。図19(b)に示すように、この場
合のラッチ回路は、第1の実施例と本実施例とが組み合
わされた動作を行い、分離期間において、第1のインバ
ータ2の入出力端子及び第2のインバータ3の入出力端
子に、第1のバイアススイッチS3及び第2のバイアス
スイッチS4によりしきい値電圧Va がバイアスされ
る。
参照しながら説明する。
示す回路図である。図18に示す第7の実施例に係るラ
ッチ回路と異なるのは、第1のインバータ2のしきい値
電圧Vafと第2のインバータ3のしきい値電圧Vasとの
差電圧を保持する容量C4をさらに設けた点である。図
20において、容量C4は第1のインバータ2の出力端
子と第2のインバータ3の入力端子との間に介設されて
いる。図18と同一の機能を有するものには同一の符号
を付してその詳細な説明を省略する。
動によるインバータのしきい値電圧のばらつきが考慮さ
れている。そして、容量C4はこのしきい値電圧のばら
つきを緩和する。
動作を示すタイミング図である。標本化期間及び帰還期
間における動作は第7の実施例と同様なので、ここで
は、詳細な説明を省略する。特徴的なのは、バイアス期
間である。図21に示すように、バイアス期間に入る
と、まず初めに、第1のバイアススイッチS3及び第2
のバイアススイッチS4が『閉』となる。これによっ
て、第1のインバータ2及び第2のインバータ3にそれ
ぞれしきい値電圧Vaf及びVasがバイアスされる。バイ
アス期間の後半において、第1のバイアススイッチS3
は『閉』から『開』となり、第2のバイアススイッチS
4は『閉』のままである。その後、第2のバイアススイ
ッチS4も『閉』から『開』となる。この動作により、
容量C4には差電圧Vaf−Vasが保持される。このた
め、しきい値電圧のばらつきによる影響を抑制し、動作
精度を向上させることができる。
施例に係るラッチ回路をA/D変換器に使用することに
よって、A/D変換器の重要な性能である微分非直線性
と積分非直線性とを改善することができる。
と、正転増幅回路を構成するN個の反転増幅回路のそれ
ぞれの間に設けられた各容量は、前段の反転増幅回路の
しきい値電圧と後段の反転増幅回路のしきい値電圧との
差電圧を保持するため、各反転増幅回路のしきい値電圧
のばらつきによる影響を緩和できるので、ラッチ回路の
動作精度を向上することができる。
器によると、請求項1の発明に係るラッチ回路を用いる
ので、微分非直線性と積分非直線性とを改善することが
できる。
の概要を示すブロック図である。
する遅延回路の一例を示す回路図であり、(b)は第1
の実施例に係るラッチ回路を構成するスイッチの一例を
示す回路図であり、(c)は第1の実施例に係るラッチ
回路を構成する駆動回路の一例を示す回路図であり、
(d)は第1の実施例に係るラッチ回路を構成する複合
ゲートの一例を示す回路図である。
構成の一例を示す回路図である。
ゲートの入出力信号を示すタイミング図である。
チ部の動作を示すタイミング図である。
チ部の動作において、外部入力端子1に入力される電圧
の変化を示すグラフである。
的な回路構成の一例を示す回路図である。
ゲートの入出力信号を示すタイミング図である。
チ部の動作を示すタイミング図である。
ッチ部の動作において、外部入力端子1に入力される電
圧の変化を示すグラフである。
回路を構成する複合ゲートの一例を示す回路図であり、
(b)は第3の実施例に係るラッチ回路を構成する遅延
回路の一例を示す回路図である。
路構成の一例を示す回路図である。
合ゲートの入出力信号を示すタイミング図である。
ッチ部の動作を示すタイミング図である。
ッチ部を示す回路図である。
ッチ部を示す回路図である。
ッチ部を示す回路図である。
す回路図である。
作を示すタイミング図であり、(b)は第7の実施例に
係るラッチ回路をラッチ部として図3に示す第1の実施
例に係るラッチ回路に適用した場合におけるこのラッチ
部の動作を示すタイミング図である。
す回路図である。
タイミング図である。
る。
帰還スイッチの動作を示す図である。
の出力電圧の変化を示すグラフである。
バータ52の入力電圧の変化を示すグラフである。
段) S4 第2のバイアススイッチ(バイアススイッチ手
段) 51 外部入力端子 52 第1のインバータ 53 第2のインバータ 54 外部出力端子 55a、56a PMOS 55b、56b NMOS S1 入力スイッチ S2 帰還スイッチ 61 増幅器
Claims (2)
- 【請求項1】 外部から入力電圧を受け取るための外部
入力端子と、 直列に接続されたN個(ただしNは偶数)の反転増幅回
路からなり前記入力電圧を正転増幅する正転増幅回路
と、 前記外部入力端子と前記正転増幅回路の入力端子との間
に設けられ、前記外部入力端子と前記正転増幅回路の入
力端子とを接続する閉状態と前記外部入力端子と前記正
転増幅回路の入力端子とを切り離す開状態とを切り替え
る第1のスイッチ手段と、 前記正転増幅回路の入力端子と出力端子との間に設けら
れ、前記正転増幅回路の入力端子と出力端子とを接続す
る閉状態と前記正転増幅回路の入力端子と出力端子とを
切り離す開状態とを切り替える第2のスイッチ手段と、 前記正転増幅回路を構成するN個の反転増幅回路の入力
端子と出力端子との間にそれぞれ設けられ、各反転増幅
回路の入力端子と出力端子とを接続する閉状態と各反転
増幅回路の入力端子と出力端子とを切り離す開状態とを
切り替えるN個のバイアススイッチ手段とを備え、 前記正転増幅回路は、第i段(ただしiは1≦i≦(N
−1)を満たす全ての整数)の反転増幅回路の出力端子
と第(i+1)段の反転増幅回路の入力端子との間に直
列に接続された(N−1)個の容量を有することを特徴
とするラッチ回路。 - 【請求項2】 請求項1記載のラッチ回路を備えたA/
D変換器 。
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JPH0879020A JPH0879020A (ja) | 1996-03-22 |
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