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JP3141506B2 - 凹版印刷用版材 - Google Patents

凹版印刷用版材

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JP3141506B2
JP3141506B2 JP04084836A JP8483692A JP3141506B2 JP 3141506 B2 JP3141506 B2 JP 3141506B2 JP 04084836 A JP04084836 A JP 04084836A JP 8483692 A JP8483692 A JP 8483692A JP 3141506 B2 JP3141506 B2 JP 3141506B2
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JP
Japan
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intaglio printing
printing plate
plate material
resin
substance
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JP04084836A
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博 辨野
修 真島
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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  • Manufacture Or Reproduction Of Printing Formes (AREA)
  • Printing Plates And Materials Therefor (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、凹版印刷用刷版を形成
する版材に関し、特にレーザ彫刻による製版が可能な凹
版印刷用版材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のグラビア印刷用等の凹版印刷用版
材には、柔軟性を有しかつ軽量な材料であるポリエチレ
ン等の樹脂製シートが用いられている。しかも、これら
の樹脂性シートは、レーザ加工等によって微小ピットが
形成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように、ポリエチレン等の樹脂製シートで凹版印刷用版
材を形成した場合には、ポリエチレン等の樹脂が疎水性
なので、その表面の臨界表面張力は小さい。そのため、
水性インキを用いた印刷では、凹版印刷用版材に対する
水性インキの濡れ性が悪いので、ピット内部に十分にイ
ンキが入り込まない。この結果、印刷物の階調再現性は
悪くなる。特に画像のハイライト部では、ピットの面積
が小さいために、水性インキがピットの内部に入り難
い。またピットの内部に水性インキが入っても、ピット
の内部に入る水性インキの量が一定にならない。このた
め画像の再現性が非常に悪くなる。
【0004】その対策として、凹版印刷用版材を濡れ性
に優れた材料で形成したものがある。ところが、この場
合には画像部だけでなく非画像部も濡れ性が良くなる。
この結果、非画像部にも水性インキが載るために、いわ
ゆる地汚れを発生して、印刷物の品質が非常に低下す
る。
【0005】またポリエチレン等の樹脂は油性インキの
載りも良くない。このため、ポリエチレン等の樹脂製シ
ートで形成した凹版印刷用版材を用いて印刷した場合に
は、上記水性インキを用いた印刷と同様に、面積の小さ
なピットの内部には油性インキが十分に入らない。また
ピットの内部に油性インキが入っても、その内部に入る
油性インキの量は一定にならない。このため画像の再現
性が非常に悪くなり、また印刷物の階調再現性も悪くな
る。
【0006】その対策として、凹版印刷用版材を濡れ性
に優れた材料で形成したものがある。ところがこの場合
も、画像部だけでなく非画像部も濡れ性が良くなる。こ
の結果、上記水性インキを用いた場合と同様に、いわゆ
る地汚れを発生して、印刷物の品質が非常に低下する。
【0007】本発明は、品質に優れた印刷を可能にする
凹版印刷用版材を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するためになされた凹版印刷用版材である。すなわ
ち、シート状の疎水性の基材中に、親水性物質または親
水性膜で包んだ光吸収体あるいは光吸収膜で包んだ親水
性物質を内在させたものである。またはシート状で油性
溶液をはじく性質の基材中に、親油性物質または親油性
膜で包んだ光吸収体あるいは光吸収膜で包んだ親油性物
質を内在させたものである。
【0009】
【作用】上記構成の凹版印刷用版材は、疎水性の基材に
親水性物質または親水性膜で包んだ光吸収体あるいは光
吸収膜で包んだ親水性物質を内在させたものなので、凹
版印刷用版材に形成したピットの内壁には親水性物質ま
たは親水性膜が表出する。この結果、凹版印刷用版材に
印刷用の水性インキを塗布した場合には、ピットの内部
は水性インキに対する濡れ性がよくなる。このため、ピ
ット内を除く凹版印刷用版材の表面の水性インキを除去
した際に、ピット内には水性インキが十分に残る。また
基材が疎水性なので、水性インキを除去した際には、基
材表面に付着することなく除去される。
【0010】または上記構成の凹版印刷用版材は、油性
溶液をはじく性質(以下この性質を疎油性と記す)を有
する基材に親油性物質または親油性膜で包んだ光吸収体
あるいは光吸収膜で包んだ親油性物質を内在させたもの
なので、凹版印刷用版材に形成したピットの内壁には親
油性物質または親油性膜が表出する。この結果、凹版印
刷用版材に印刷用の油性インキを塗布した場合には、ピ
ットの内部は油性インキに対する濡れ性がよくなる。こ
のため、ピット内を除く凹版印刷用版材の表面の油性イ
ンキを除去した際に、ピット内には油性インキが十分に
残る。また基材が疎油性なので、油性インキを除去した
際には、基材表面に付着することなく除去される。
【0011】
【実施例】本発明の第1の実施例を図1に示す概略断面
図により説明する。図では、凹版印刷用版材10の一例
として、グラビア印刷用版材を説明する。図に示すよう
に、凹版印刷用版材10は、疎水性物質でシート状に成
形した基材11と、この基材11中に内在する複数の親
水性物質12とよりなる。この親水性物質12は微粒子
で形成されている。上記基材11は、例えばエチレン酢
酸ビニル共重合体(以下EVAと記す)樹脂で形成され
る。また上記親水性物質12は、例えばポリビニルアル
コール(以下PVAと記す)樹脂で形成される。なお上
記基材11には、通常ピットを形成する際のレーザ光の
吸収を高めるための光吸収体13を添加したものを用い
る。この光吸収体13は、例えばカーボンブラック等の
炭素粉末よりなる。それぞれの混合比は、例えば重量比
で、EVA樹脂が80%、PVA樹脂が5%、炭素粉末
が15%とする。
【0012】なお上記混合比は、基材11をシート状に
成形するために、例えばPVA樹脂の重量比は5%〜1
5%の範囲で設定され、炭素粉末の重量比は15%〜2
5%の範囲で設定される。しかもPVA樹脂と炭素粉末
とを合わせた重量比は、30%以下に設定される。
【0013】次に上記凹版印刷用版材10の製造方法の
一例を説明する。まずミキシングロールを用いて、例え
ば100℃で10分間の混練条件で、EVA樹脂に炭素
粉末を混練して、炭素粉末を含むマスターバッチを生成
する。また上記同様に、EVA樹脂に粒状のPVA樹脂
を混練して、PVA樹脂を含むマスターバッチを生成す
る。そして、所定の混合比になるように、上記同様の混
練条件で、上記各マスターバッチどうしを再度混練す
る。その後、押し出し機を用いて、上記各マスターバッ
チどうしを混練したものを例えば120℃に加熱してシ
ート状に成形し、凹版印刷用版材10を形成する。
【0014】上記第1の実施例では基材11をEVA樹
脂で形成したが、例えば不飽和ポリエステル樹脂、エポ
キシ樹脂、アリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエチレ
ン,ポリプロピレン等の炭化水素系樹脂、ポリ酢酸ビニ
ル,メタクリル酸メチル樹脂等の極性ビニル系樹脂、ポ
リアセタール,ポリカーボネート,ポリエチレンテレフ
タレート等の綿状構造樹脂等を用いることもできる。
【0015】また親水性物質12としては、上記PVA
樹脂の他に、ポリエチレングリコール(以下PEGと記
す)樹脂またはアセチルセルロース等のセルロース系樹
脂を用いることも可能である。または、脂肪酸せっけ
ん,アルキルベンゼンスルホン酸塩等の陰イオン界面活
性剤、あるいは長鎖アルキルアミノ酸等の両性界面活性
剤等を用いることもできる。これらの物質の混合比は、
ピットを形成するためのレーザ加工性を考慮して決定さ
れる。
【0016】また上記第1の実施例で説明した凹版印刷
用版材10には、光吸収体13として炭素粉末を添加し
たが、基材11自体がレーザ光の吸収性に優れている材
料で形成されている場合には、光吸収体13を添加する
必要はない。
【0017】次に上記凹版印刷用版材10にレーザ光を
照射してピットを形成する方法を説明する。レーザ光
(図示せず)には、例えば半導体レーザ光(波長がおよ
そ800nm)を用いる。半導体レーザ装置(図示せ
ず)より発振されたレーザ光を、集光光学系(図示せ
ず)によって、所定のモードにかつ所定のスポットサイ
ズに集光し、凹版印刷用版材10に照射する。
【0018】そして図2に示すように、凹版印刷用版材
10におけるレーザ光(図示せず)が照射された部分
は、加熱されて蒸発する。そして、インキを入れるため
のピット15が形成される。通常、レーザ加工によって
形成されるピット15の直径は数μmないし数十μmの
範囲で設定され、その深さは数μmないし数十μmの範
囲で設定される。
【0019】上記構成の凹版印刷用版材10は、親水性
物質12を内在した疎水性物質で基材11を形成したの
で、ピット15を形成した際には、当該ピット15の内
壁に複数の親水性物質12が表出する。このため、ピッ
ト15の内壁は水性インキに対する濡れ性がよくなる。
したがって、凹版印刷用版材10の表面に水性インキを
塗布した後、表面の水性インキを除去した場合には、ピ
ット15の内部に水性インキが入り込んで十分に残る。
またピット15内を除く凹版印刷用版材10の表面より
水性インキは完全に除去される。
【0020】上記説明した第1の実施例では、親水性物
質12が凹版印刷用版材10の表面に表出する可能性が
ある。そこで、凹版印刷用版材10の表面に薄い疎水性
膜(図示せず)を形成することも可能である。この疎水
性膜は、例えば上記基材11と同様の材質で、1μm〜
5μm程度の厚さに形成される。
【0021】次に第2の実施例を、図3に示す概略断面
図により説明する。図に示す如く、凹版印刷用版材20
は、例えばEVA樹脂等の疎水性物質よりなる基材21
中に、周囲を薄い親水性膜(例えばPVA樹脂)22で
覆った複数の光吸収体(例えば炭素粉末)23を内在さ
せて、シート状に成形したものである。それぞれの混合
比は、例えば重量比で、EVA樹脂が80%、PVA樹
脂が5%、炭素粉末が15%とする。
【0022】なお上記混合比は、基材11をシート状に
成形するために、例えばPVA樹脂の重量比は5%〜1
5%の範囲で設定され、炭素粉末の重量比は15%〜2
5%の範囲で設定される。しかもPVA樹脂と炭素粉末
とを合わせた重量比は、30%以下に設定される。
【0023】次に上記凹版印刷用版材20の製造方法の
一例を説明する。まずミキシングロールを用いて、例え
ば100℃で10分間の混練条件で、周囲を薄いPVA
樹脂で覆った炭素粉末をEVA樹脂に混練して、マスタ
ーバッチを生成する。その後、押し出し機を用いて、上
記マスターバッチを例えば120℃に加熱してシート状
に成形し、凹版印刷用版材20を形成する。
【0024】上記基材21はEVA樹脂で形成したが、
前記第1の実施例で説明したと基板(11)と同様の樹
脂を用いることもできる。また親水性膜22としては、
上記PVA樹脂の他に、前記第1の実施例で説明したと
親水性物質(12)と同様の樹脂よりなる膜を用いるこ
とも可能である。
【0025】上記凹版印刷用版材20にレーザ光を照射
して、印刷時にインキを入れるピットを形成する方法
は、前記第1の実施例で説明したと同様なので、ここで
の説明は省略する。
【0026】レーザ加工によって、上記構成の凹版印刷
用版材20に形成したピット(図示せず)の内壁には、
複数の親水性膜22が表出する。このため、ピットの内
壁は水性インキに対する濡れ性がよくなる。したがっ
て、凹版印刷用版材20の表面に水性インキを塗布した
後、表面の水性インキを除去した場合には、ピットの内
部に水性インキが入り込んで十分に残る。またピット内
を除く凹版印刷用版材20の表面より水性インキは完全
に除去される。
【0027】上記説明した第2の実施例では、親水性膜
22が凹版印刷用版材20の表面に表出する可能性があ
る。そこで、凹版印刷用版材20の表面に薄い疎水性膜
(図示せず)を形成することも可能である。この疎水性
膜は、例えば上記基材21と同様の材質で、1μm〜5
μm程度の厚さに形成される。
【0028】次に第3の実施例を、図4に示す概略断面
図により説明する。図に示す如く、凹版印刷用版材30
は、例えばEVA樹脂等の疎水性物質よりなる基材31
中に、周囲を薄い光吸収膜(例えば炭素膜)32で覆っ
た複数の親水性物質(例えばPVA樹脂)33を内在さ
せて、シート状に成形したものである。それぞれの混合
比は、例えば重量比で、EVA樹脂が80%、PVA樹
脂が5%、炭素粉末が15%とする。
【0029】なお上記混合比は、基材11をシート状に
成形するために、例えばPVA樹脂の重量比は5%〜1
5%の範囲で設定され、炭素粉末の重量比は15%〜2
5%の範囲で設定される。しかもPVA樹脂と炭素粉末
とを合わせた重量比は、30%以下に設定される。
【0030】次に上記凹版印刷用版材30の製造方法の
一例を説明する。まずミキシングロールを用いて、例え
ば100℃で10分間の混練条件で、周囲を薄い炭素膜
で覆った複数の粒状のPVA樹脂をEVA樹脂に混練し
て、マスターバッチを生成する。その後、押し出し機を
用いて、上記マスターバッチを例えば120℃に加熱し
てシート状に成形し、凹版印刷用版材30を形成する。
【0031】上記基材31をEVA樹脂で形成したが、
例えば前記第1の実施例で説明したと基材(11)と同
様の樹脂を用いることもできる。また親水性物質32と
しては、上記PVA樹脂の他に、前記第1の実施例で説
明したと親水性物質(12)と同様の樹脂を用いること
ができる。
【0032】上記凹版印刷用版材30にレーザ光を照射
して、印刷時にインキを入れるピットを形成する方法
は、前記第1の実施例で説明したと同様なので、ここで
の説明は省略する。そして図5に示すように、凹版印刷
用版材30におけるレーザ光(図示せず)が照射された
部分は加熱されて蒸発し、ピット35が形成される。こ
のとき、親水性物質33を覆っている光吸収膜32はレ
ーザ光を吸収し易いので除去される。したがって、ピッ
ト35の内壁には、光吸収膜32が除去された親水性物
質33が表出する。このためピット35の内壁は水性イ
ンキに対する濡れ性がよくなる。したがって、凹版印刷
用版材30の表面に水性インキを塗布した後、表面の水
性インキを除去した場合には、ピット35の内部に水性
インキが入り込んで十分に残る。またピット35内を除
く凹版印刷用版材30の表面より水性インキは完全に除
去される。
【0033】次に油性インキ用の凹版印刷用版材の実施
例を図6〜図8により説明する。各図では、凹版印刷用
版材の一例として、グラビア印刷用版材を説明する。ま
ず第4の実施例を図6に示す概略断面図により説明す
る。図に示すように、凹版印刷用刷版50は、油性溶液
をはじく性質(以下この性質を疎油性と記す)有する樹
脂でシート状に成形した基材51と、この基材51中に
内在する複数の親油性物質52とよりなる。この親油性
物質52は微粒子で形成されている。上記基材51は、
例えばポリエチレン樹脂で形成される。上記親油性物質
52は、例えばポリエチレングリコール(以下PEGと
記す)樹脂で形成される。なお上記基材51には、通常
ピットを形成する際のレーザ光の吸収を高めるための光
吸収体53を添加したものを用いる。この光吸収体53
は、例えばカーボンブラック等の炭素粉末よりなる。そ
れぞれの混合比は、例えば重量比で、ポリエチレン樹脂
が80%、PEG樹脂が5%、炭素粉末が15%とす
る。
【0034】なお上記混合比は、シート状に成形するこ
とを考慮して、例えばPEG樹脂の重量比は5%〜15
%の範囲で設定され、炭素粉末の重量比は15%〜25
%の範囲で設定される。しかもPEG樹脂と炭素粉末と
を合わせた重量比は、例えば30%以下に設定される。
【0035】次に上記凹版印刷用版材50の製造方法の
一例を説明する。まずミキシングロールを用いて、例え
ば100℃で10分間の混練条件で、ポリエチレン樹脂
に炭素粉末を混練して、炭素粉末を含むマスターバッチ
を生成する。また上記同様に、ポリエチレン樹脂にPE
G樹脂を混練して、PEG樹脂を含むマスターバッチを
生成する。そして、所定の混合比になるように、上記同
様の混練条件で、上記各マスターバッチどうしを再度混
練する。その後、押し出し機を用いて、上記各マスター
バッチどうしを混練したものを例えば120℃に加熱し
てシート状に成形し、凹版印刷用版材50を形成する。
【0036】上記基材51をポリエチレン樹脂で形成し
たが、例えばポリプロピレン樹脂、PVA樹脂、クロロ
プレンラバー、多硫化系合成ゴム、ポリカプラミド樹
脂、ヘキサメチレンジアミンアジピン酸樹脂等を用いる
ことも可能である。また親油性物質52としては、上記
PEG樹脂の他に、脂肪酸せっけん,アルキルベンゼン
スルホン酸塩等の陰イオン界面活性剤、あるいは長鎖ア
ルキルアミノ酸等の両性界面活性剤等を用いることもで
きる。これらの物質の混合量は、ピットを形成するレー
ザ加工性を考慮して決定される。
【0037】また上記凹版印刷用版材50には、光吸収
体として炭素粉末を添加したが、基材51自体がレーザ
光の吸収性に優れている材料で形成されている場合に
は、光吸収体を添加する必要はない。
【0038】上記凹版印刷用版材50にレーザ光を照射
して、印刷時にインキを入れるピットを形成する方法
は、前記第1の実施例で説明したと同様なので、ここで
の説明は省略する。
【0039】レーザ加工によって、上記構成の凹版印刷
用版材50に形成したピット(図示せず)の内壁には、
複数の親油性物質52が表出する。このため、ピットの
内壁は油性インキに対する濡れ性がよくなる。したがっ
て、凹版印刷用版材50の表面に油性インキを塗布した
後、表面の油性インキを除去した場合には、ピットの内
部に油性インキが入り込んで十分に残る。またピット内
を除く凹版印刷用版材50の表面より油性インキは完全
に除去される。
【0040】上記説明した第4の実施例では、親油性物
質52が凹版印刷用版材50の表面に表出する可能性が
ある。そこで、凹版印刷用版材50の表面に薄い疎油性
膜(図示せず)を形成することも可能である。この疎油
性膜は、例えば上記基材51と同様の材質で、1μm〜
5μm程度の厚さに形成される。
【0041】次に第5の実施例を、図7に示す概略断面
図により説明する。図に示す如く、凹版印刷用版材60
は、例えばポリエチレン樹脂等の油性溶液をはじく性質
を有する物質(以下この性質を有する物質を疎油性物質
と記す)よりなる基材61中に、薄い親油性膜(例えば
PEG樹脂)62で覆った複数の光吸収体(例えば炭素
粉末)63を内在させて、シート状に成形したものであ
る。それぞれの混合比は、例えば重量比で、ポリエチレ
ン樹脂が80%、PEG樹脂が5%、炭素粉末が15%
とする。
【0042】なお上記混合比は、シート状に成形するこ
とを考慮して、例えばPEG樹脂の重量比は5%〜15
%の範囲で設定され、炭素粉末の重量比は15%〜25
%の範囲で設定される。しかもPEG樹脂と炭素粉末と
を合わせた重量比は、例えば30%以下に設定される。
【0043】次に上記凹版印刷用版材60の製造方法の
一例を説明する。まずミキシングロールを用いて、例え
ば100℃で10分間の混練条件で、周囲を薄いPEG
樹脂で覆った炭素粉末をポリエチレン樹脂に混練して、
マスターバッチを生成する。その後、押し出し機を用い
て、上記マスターバッチを例えば120℃に加熱してシ
ート状に成形し、凹版印刷用版材60を形成する。
【0044】上記基材61をポリエチレン樹脂で形成し
たが、例えば前記第4の実施例で説明した基材(51)
と同様の材料で形成することも可能である。また親油性
膜62としては、例えば前記第4の実施例で説明した親
油性物質(52)と同様の材料で形成することも可能で
ある。これらの物質の混合比は、シート状に成形する加
工性を考慮して、決定される。
【0045】上記凹版印刷用版材60にレーザ光を照射
して、印刷時にインキを入れるピットを形成する方法
は、前記第1の実施例で説明したと同様なので、ここで
の説明は省略する。
【0046】レーザ加工によって、上記構成の凹版印刷
用版材60に形成したピット(図示せず)の内壁には、
複数の親油性膜62が表出する。このため、ピットの内
壁は油性インキに対する濡れ性がよくなる。したがっ
て、凹版印刷用版材60の表面に油性インキを塗布した
後、表面の油性インキを除去した場合には、ピットの内
部には油性インキが入り込んで十分に残る。またピット
内を除く凹版印刷用版材60の表面より油性インキは完
全に除去される。
【0047】上記説明した第5の実施例では、親油性膜
62が凹版印刷用版材60の表面に表出する可能性があ
る。そこで、凹版印刷用版材60の表面に薄い疎油性膜
(図示せず)を形成することも可能である。この疎油性
膜は、例えば上記基材61と同様の材質で、1μm〜5
μm程度の厚さに形成される。
【0048】次に第6の実施例を、図8に示す概略断面
図により説明する。図に示す如く、凹版印刷用版材70
は、例えばポリエチレン樹脂等の疎油性物質よりなる基
材71中に、薄い光吸収膜(例えば炭素膜)72で覆っ
た親油性物質(例えばPEG樹脂)73を内在させて、
シート状に成形したものである。それぞれの混合比は、
例えば重量比で、ポリエチレン樹脂が80%、PEG樹
脂が5%、炭素粉末が15%とする。
【0049】なお上記混合比は、シート状に成形するこ
とを考慮して、例えばPEG樹脂の重量比は5%〜15
%の範囲で設定され、炭素粉末の重量比は15%〜25
%の範囲で設定される。しかもPEGと炭素粉末とを合
わせた重量比は、例えば30%以下に設定される。
【0050】次に上記凹版印刷用版材70の製造方法の
一例を説明する。まずミキシングロールを用いて、例え
ば100℃で10分間の混練条件で、周囲を薄い炭素膜
で覆った粒状のPVA樹脂をポリエチレン樹脂に混練し
て、マスターバッチを生成する。その後、押し出し機を
用いて、上記マスターバッチを例えば120℃に加熱し
てシート状に成形し、凹版印刷用版材70を形成する。
【0051】上記基材71をポリエチレン樹脂で形成し
たが、例えば前記第4の実施例で説明した基材(51)
と同様の材質で形成することも可能である。また親油性
物質73としては、例えば前記第4の実施例で説明した
親油性物質(52)と同様の材質で形成することも可能
である。これらの物質の混合比は、シート状に成形する
加工性を考慮して、決定される。
【0052】上記凹版印刷用版材70にレーザ光を照射
して、印刷時にインキを入れるピットを形成する方法
は、前記第1の実施例で説明したと同様なので、ここで
の説明は省略する。
【0053】そして凹版印刷用版材70におけるレーザ
光(図示せず)が照射された部分は加熱されて蒸発し、
ピット(図示せず)が形成される。このとき、親油性物
質73を覆っている光吸収膜72はレーザ光を吸収し易
いので除去される。したがって、ピットの内壁には、光
吸収膜72が除去された親油性物質73が表出する。こ
のためピットの内壁は油性インキに対する濡れ性がよく
なる。したがって、凹版印刷用版材70の表面に油性イ
ンキを塗布した後、表面の油性インキを除去した場合に
は、ピットの内部に油性インキが入り込んで十分に残
る。またピット内を除く凹版印刷用版材70の表面より
油性インキは完全に除去される。
【0054】
【発明の効果】以上、説明したように請求項1〜請求項
3の発明は、疎水性の基材に親水性物質または親水性膜
で包んだ光吸収体あるいは光吸収膜で包んだ親水性物質
を内在させたものなので、凹版印刷用版材に形成したピ
ットの内壁には親水性物質または親水性膜が表出する。
このため、ピットの内部は水性インキに対する濡れ性が
よくなるので、ピット内には水性インキが十分に残る。
また基材表面の水性インキを残すことなく除去できる。
よって、画像の再現性,階調再現性等に優れた水性イン
キによる印刷が可能になる。
【0055】また請求項4〜請求項6の発明は、油性溶
液をはじく性質(疎油性)の基材に親油性物質または親
油性膜で包んだ光吸収体あるいは光吸収膜で包んだ親油
性物質を内在させたものなので、凹版印刷用版材に形成
したピットの内壁には親油性物質または親油性膜が表出
する。このため、ピットの内部は油性インキに対する濡
れ性がよくなるので、ピット内には油性インキが十分に
残る。また基材表面の油性インキを残すことなく除去で
きる。よって、画像の再現性,階調再現性等に優れた油
性インキによる印刷が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例の凹版印刷用版材の概略断面図で
ある。
【図2】図1中の凹版印刷用版材に形成したピットの概
略断面図である。
【図3】第2の実施例の凹版印刷用版材の概略断面図で
ある。
【図4】第3の実施例の凹版印刷用版材の概略断面図で
ある。
【図5】図4中の凹版印刷用版材に形成したピットの概
略断面図である。
【図6】第4の実施例の凹版印刷用版材の概略断面図で
ある。
【図7】第5の実施例の凹版印刷用版材の概略断面図で
ある。
【図8】第6の実施例の凹版印刷用版材の概略断面図で
ある。
【符号の説明】
10…凹版印刷用版材、11…基材、12…親水性物
質、13…光吸収体、15…ピット、20…凹版印刷用
版材、21…基材、22…親水性膜、23…光吸収体、
30…凹版印刷用版材、31…基材、32…光吸収膜、
33…親水性物質、35…ピット、50…凹版印刷用版
材、51…基材、52…親油性物質、53…光吸収体、
60…凹版印刷用版材、61…基材、62…親油性膜、
63…光吸収体、70…凹版印刷用版材、71…基材、
72…光吸収膜、73…親油性物質

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 凹版印刷用刷版を形成するための凹版印
    刷用版材であって、 疎水性物質よりなるシート状の基材と前記基材に内在す
    る親水性物質とよりなることを特徴とする凹版印刷用版
    材。
  2. 【請求項2】 凹版印刷用刷版を形成するための凹版印
    刷用版材であって、 疎水性物質よりなるシート状の基材と、 前記基材に内在するもので、親水性膜で包んだ光吸収体
    とよりなることを特徴とする凹版印刷用版材。
  3. 【請求項3】 凹版印刷用刷版を形成するための凹版印
    刷用版材であって、 疎水性物質よりなるシート状の基材と、 前記基材に内在するもので、光吸収膜で包んだ親水性物
    質とよりなることを特徴とする凹版印刷用版材。
  4. 【請求項4】 凹版印刷用刷版を形成するための凹版印
    刷用版材であって、 油性溶液をはじく性質を有する物質よりなるシート状の
    基材と、 前記基材に内在する親油性物質とよりなることを特徴と
    する凹版印刷用版材。
  5. 【請求項5】 凹版印刷用刷版を形成するための凹版印
    刷用版材であって、 油性溶液をはじく性質を有する物質よりなるシート状の
    基材と、 前記基材に内在するもので、親油性膜で包んだ光吸収体
    とよりなることを特徴とする凹版印刷用版材。
  6. 【請求項6】 凹版印刷用刷版を形成するための凹版印
    刷用版材であって、 油性溶液をはじく性質を有する物質よりなるシート状の
    基材と、 前記基材に内在するもので、光吸収膜で包んだ親油性物
    質とよりなることを特徴とする凹版印刷用版材。
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